Heidenhain ND 280 8-2010 User Manual [ja]

装置マニュアル
ND 280
ドイツ語 (ja) 8/2010
ND 280 のディスプレイ
1
2
345
7
6
ディスプレイおよび操作エレメント
1 ステータスバー
現在の操作モード:実際値、残り距離
入力 X1 のいずれかの現在の表示モード
黒字の SCL:スケール係数が有効です。
黒字の KORR:現在表示されている軸に対してエラー補正および軸エラー補正が有効になっています。
動作中のストップウォッチの値:ストップウォッチが止まっているときはこのフィールドがグレーになりま す。
mm、inch、DEG、DMS または rad:現在設定されている測定単位
現在使用されている原点:ND 280 では 2 つの異なる原点を使用することができます。
現在操作中のソフトキーレベルの表示。
2 位置表示装置:現在の長さまたは角度の測定値
3 情報、エラー、警告を表示させるための情報バー。
4 ステータス表示:
SET:原点の設定中に新しい値を入力すると、このマークが点滅します。REF:「REF」表示は、接続されているインクリメンタルエンコーダに対し、表示されている軸のリファレ
ンスマーク評価をまだ完了させていないと点滅します
5 および 6 機能の実行に使用するソフトキーおよびソフトキーボタン
1,2,3,4... データの入力に使用する数字キー
ENTER ENTER キーは入力内容の確定や、前の画面に戻るのに使用します。
C C キーはエントリを削除したり、エラーメッセージを解除したり、前の画面に戻ったりするのに使用しま
7 「上へ」キーまたは「下へ」キーでカーソルを動かすと、入力画面のフィールド間およびメニューのパラ
す。
「ナビゲーション」キーはソフトキーレベルをスクロールするのに使用します。
メータ間を移動できます。
ND 280 ハウジング背面
X1
X32/X31
1
2
3
接続口
1 電源スイッチ
2 ヒューズ付き電源接続口
3 アース接続口 ( 保護接地 )
X1 インタフェース 11 µAss、1 Vss、EnDat 2.1/2.2 のいずれかで HEIDENHAIN のエンコーダを接続するための
アナログセンサを接続するためのアナログモジュール
X32/X31 データ転送用の 2 つのシリアルポート:V.24/RS-232-C (X31) および USB タイプ B (UART、X32)
概要

ソフトウェアバージョン

ソフトウェアバージョンは ND 280 のスイッチを初めて入れたときに 画面に表示されます。
このマニュアルは位置表示装置 ND 280 を使用した作業 や運転開始の方法について説明しています。

情報のマーク

情報には必ず左側にその情報の種類や意味を表すマークが付いてい ます。
一般的な情報
ND 280 の動作などに関するもの。
付属資料についての情報
その機能にはある特定の工具が必要であることなど。
オペレータ、ワーク、装置部品への危険
衝突の危険など。
概要
電気の危険
ハウジングを開ける際の感電など。
この機能を実行するには、権限を持つ専門家が ND 280 を調整する必要があります。

用語の表示方法

本マニュアルでは様々な用語 ( ソフトキー、ボタン、入力画面、入 力フィールド ) を次のように表します:
ソフトキー - ソフトキー「設定」キー - ENTER キーメニューおよび入力画面 - 入力画面「測定単位」メニューコマンドおよび入力フィールド - 入力フィールド「角
度」
フィールド内のデータ - 「オン」、「オフ」
ND 280 5

I 位置表示装置 ND 280 の使用方法 ..... 13

I – 1 位置表示装置 ND 280 ..... 14
I – 2 位置表示の基礎 ..... 15
原点 ..... 15
目標位置、現在位置、残り距離 ..... 16
ワークの絶対位置 ..... 17
ワークのインクリメンタル位置 ..... 17
インクリメンタル位置エンコーダ ..... 18
アブソリュート位置エンコーダ ..... 18
リファレンスマーク ..... 19
I – 3 ND 280 の基本機能 ..... 20
ND 280 のスイッチオン ..... 20
リファレンスマークの評価 ..... 21
リファレンスマーク評価を使用しない場合 ..... 21
ND 280 のスイッチオフ ..... 21
標準のスクリーンレイアウト ..... 22
標準画面のソフトキー機能 ..... 23
データ入力 ..... 24
内蔵ヘルプシステム ..... 25
入力画面 ..... 26
ヘルプ情報のウィンドウ ..... 26
エラーメッセージ ..... 26
ND 280 7
I – 4 加工設定かこうせってい ..... 27
操作モードそうさもーど ..... 27
原点の設定 ..... 28
表示モード X1 および X2 で 1 本の軸設定する ..... 28
「加工設定」メニューを呼び出す ..... 29
測定単位 ..... 30
スケーリング係数 ..... 31
原点の値 ..... 32
ストップウォッチ ..... 32
画面の調整 ..... 33
言語 ..... 33
I – 5 エラーメッセージ ..... 34
概要 ..... 34
8

II 運転開始、技術データ ..... 35

II – 1 据付と電気接続 ..... 36
納入範囲 ..... 36
オプションのアクセサリ ..... 36
据付 ..... 37
周囲条件 ..... 37
据付場所 ..... 37
ND 280 の設置と固定 ..... 37
電磁両立性/
CE 適合性 ..... 38
電気接続 ..... 39
電気的要件 ..... 39
電源カプラーの配線 ..... 39
接地 ..... 39
予防的なメンテナンスおよび修理 ..... 40
エンコーダの接続 ..... 40
次の入力信号用の X1 (15 極、ソケット ) Sub-D ポート ..... 40
II – 2 システム設定 ..... 42
「システム設定」メニュー ..... 42
エンコーダの定義 ..... 44
インクリメンタルリニアエンコーダ ..... 45
インクリメンタル角度エンコーダ ..... 46
アブソリュートエンコーダ ..... 47
表示設定 ..... 47
リニアエンコーダ ..... 47
角度エンコーダ ..... 47
アプリケーションの設定 ..... 48
エラー補正 ..... 49
線形エラー補正 ( 角度エンコーダには無関係 ) ..... 50
非線形エラー補正 ..... 51
シリアルポートの設定 ..... 55
ポートの設定 ..... 55
診断 ..... 57
キーボードテスト ..... 57
ディスプレイテスト ..... 57
エンコーダテスト ..... 58
供給電圧 ..... 60
ND 280 9
II – 3 エンコーダのパラメータえんこーだのぱらめーた ..... 61
表の値 ..... 61
HEIDENHAIN のリニアエンコーダ ..... 61
HEIDENHAIN の角度エンコーダ ..... 62
II – 4 データポート ..... 63
データ通信 ..... 63
インポートおよびエキスポート機能を含むシリアルデータ転送 ..... 64
データを ND 280 からプリンタへ転送する ..... 64
データを ND 280 から PC へ転送する ..... 64
データを PC から ND 280 へ転送する ..... 65
データ形式 ..... 65
制御文字 ..... 65
ソフトウェアアップデート ( ファームウェアアップデート ) のインストール ..... 66
接続ケーブルの配線 ..... 67
USB タイプ B (UART)、(DIN IEC 61076-3-108) のソケット ..... 68
データポート V.24/RS-232-C または USB を介した外部操作 ..... 69
キーコマンド ..... 69
キーコマンドの説明 ..... 70
キーを押した (TXXXX コマンド ) ..... 71
画面内容の出力 (AXXXX コマンド ) ..... 71
機能の実行 (FXXXX コマンド ) ..... 75
特殊機能の実行 (SXXXX コマンド ) ..... 75
II – 5 測定値の出力 ..... 76
バリエーション ..... 76
シリアルデータポート X31 または X32 による測定値出力 ..... 76
信号ランタイム ..... 77
測定値転送時間 ..... 78
例:測定値出力の順序 ..... 78
10
II – 6 パラメータおよび補正値表の入出力 ..... 79
テキストファイル ..... 79
パラメータリストの出力フォーム ..... 80
最初の行 ..... 80
2 番目の行 ..... 80
各パラメータの以降の行 ..... 80
最後の行 ..... 80
パラメータリストの例 ..... 81
X1 ポートに角度エンコーダを接続した ND 280 ..... 81
補正値表の出力フォーム ..... 83
最初の行 ..... 83
2 番目の行 ..... 83
3 番目の行 ..... 83
4 番目の行 ..... 84
5 番目の行 ..... 84
6 番目の行 ..... 85
他の補正値用の後続行 ..... 85
最後の行 ..... 85
補正値表の例 ..... 86
X1 ポートにリニアエンコーダを接続した ND 280 ..... 86
II – 7 技術データ ..... 88
ND 280 ..... 88
II – 8 接続寸法せつぞくすんぽう ..... 90
ND 280 ..... 90
II – 9 アクセサリ ..... 91
アクセサリの部品番号 ..... 91
19-インチの制御盤への取付け用マウンティングプレート-..... 92
ND 280 11
12

位置表示装置 ND 280 の使 用方法

13

I – 1 位置表示装置 ND 280

HEIDENHAIN の位置表示装置 ND 280 は手動移動軸 1 本の測定装置、 調整装置、試験装置で使用でき、自動化タスクや簡単な送り込みお よび位置決めのタスクを行わせることができます。
ND 280 には 11 µAss、1 Vss、EnDat 2.1/2.2 のいずれかのインタ フェースで HEIDENHAIN のリニアエンコーダまたは角度エンコーダ、 ロータリーエンコーダ、測定プローブを接続できます。
ND 280 では次の機能が用意されています。
多言語ナビゲーション、言語はユーザが選択可能距離コード化タイプまたは個別のリファレンスマークのリファレ
ンスマーク評価
長さと角度の表示残り距離モード、実際値モード2 つの原点
I – 1 位置表示装置 ND 280
スケーリング係数ストップウォッチゼロセットまたは設定の機能軸エラー補正用の線形または非線形エラー補正測定値、補正値、設定パラメータをコンピュータまたはプリンタ
にデータ転送するために、2 つのシリアルポートが用意されてお り、インタフェース V.24/RS 232-C または USB タイプ B (UART) 経由でデータを転送できます。ソフトウェアのダウンロードもシ リアルポートを使用して行えます。
エンコーダ、キーボード、ディスプレイ、供給電圧の点検に使用
する診断機能
作業全体を通じて内蔵ヘルプシステムがユーザをサポートします。
B:図 I。1 ND 280
14 I 位置表示装置 ND 280 の使用方法

I – 2 位置表示の基礎

?
Z
?
?
?
?
0
Z
10
20
30
40
原点
ワークピースの図面では、ワークピースの特定の点 ( 通常はコー ナー ) を絶対原点、それ以外の 1 つまたは複数の点を相対原点とし ます。
原点を設定すると、それらの点は絶対的または相対的な座標システ ムの基点になります。機械の軸に沿って配置されているワークピー スは、測定プローブと相対的な特定の位置に移動されます。また、 表示はゼロまたはその他の適切な値に設定されます。
I – 2 位置表示の基礎
B:図 I。2 原点設定なしの測定プローブ:位置と
測定値の相関関係が不明
B:図 I。3 原点設定のある測定プローブ:位置と
測定値の相関関係が明らか
15

目標位置、現在位置、残り距離

R
I
S
測定プローブが現在位置している位置を現在位置と呼びます。測定 プローブの移動先を目標位置と呼びます。目標位置と現在位置の間 の距離を残り距離と呼びます ( 参照 B:図 I。4)。
I – 2 位置表示の基礎
B:図 I。4 目標位置 S、現在位置 I、残り距離 R
16 I 位置表示装置 ND 280 の使用方法

ワークの絶対位置

0
20
1
0
10
10
2
3
ワークの位置はどれも絶対座標によって明確に定義されます ( 参照 B:図 I。5)。
例:位置 1 の絶対座標:Z = 20 mm
ワーク図面に絶対座標が含まれている場合は、工具または測定プ ローブをこの座標上で移動させます。

ワークのインクリメンタル位置

位置は以前の目標位置を基準にすることも可能です。そうするには、 相対的なゼロ点を以前の目標位置に置きます。その場合は、位置が 互いに並列する寸法で指定されるため、インクリメンタルな ( イン クリメント = 増加 ) 寸法またはインクリメンタルディメンジョンま たは直列寸法となります。インクリメンタルな座標には前に I が付 きます。
例: 位置 3 のインクリメンタル座標は、位置 2 を基準にしていま す ( 参照 B:図 I。6)。
位置 2 の絶対座標:Z = 10 mm
位置 3 のインクリメンタル座標:IZ = 10 mm
ワーク図面にインクリメンタル座標が含まれている場合は、工具ま たは測定プローブをこの座標値の分だけ移動させます。
I – 2 位置表示の基礎
B:図 I。5 位置 1、例えば「ワークの絶対位置」
B:図 I。6 位置 3、例えば「ワークのインクリメ
ンタル位置」
17

インクリメンタル位置エンコーダ

Y
X
Z
HEIDENHAIN のインクリメンタルリニアエンコーダおよび角度エン コーダは測定プローブなどの動作を電気信号に変換します。ND 280 などの位置表示装置は信号を分析して測定プローブの現在位置を算 出し、その位置を数値としてディスプレイに表示します。
電源供給が中断すると、測定プローブ位置と計算された実際位置と の相関性が失われます。電源供給が復旧したら、位置エンコーダの リファレンスマークと ND 280 の「REF 自動」を使用してこの相関性 を復元してください。
I – 2 位置表示の基礎

アブソリュート位置エンコーダ

HEIDENHAIN のアブソリュートリニアエンコーダおよび角度エン コーダは電源投入直後に位置の絶対値を位置表示装置に転送します。 これにより、測定プローブなど を移動させることなく、電源投入直 後に現在位置と測定プローブ位置の相関関係が復元されます。
エンコーダは目盛分割 ( 参照 B:図 I。8) から直接アブソリュート 位置情報を算出し、その値を双方向インタフェース EnDat 2.1/2.2 を介して位置表示装置に転送します。
B:図 I。7 例えば X 軸などのリニア軸用の位置
エンコーダ
B:図 I。8 アブソリュート位置エンコーダの目盛
分割
18 I 位置表示装置 ND 280 の使用方法

リファレンスマーク

インクリメンタルエンコーダには 1 つまたは複数のリファレンス マーク ( 参照 B:図 I。9) があり、停電後に ND 280 のリファレン スマーク評価で原点を復元するために使用されます。リファレンス マークには、固定タイプと距離コード化タイプの 2 つの主要なオプ ションがあります。
距離コード化タイプのリファレンスマークを持つエンコーダの場合 は、コード化された一定の距離でマークが置かれています。それに より、ND 280 は任意のリファレンスマークペアを使用して以前の原 点を復元することができます。そのため、ND 280 のスイッチを再度 入れたときに、エンコーダに任意の位置からごく短い距離を走らせ るだけで原点を復元することができます。
固定タイプのリファレンスマークを持つエンコーダには、固定間隔 で 1 つまたは複数のマークがあります。原点を正しく復元するに は、リファレンスマーク評価時に、原点が最初に設定されたときに 使用したものと同じリファレンスマークを使用する必要があります。
I – 2 位置表示の基礎
ワークへの危険
原点設定の前にリファレンスマークを通過していないと、 スイッチを切った後や停電の後で原点が復元されません。
B:図 I。9 スケール - 上は距離コード化タイプの
リファレンスマークが付いたもの、下 はリファレンスマークが 1 つ付いたも の
19

I – 3 ND 280 の基本機能

ND 280 のスイッチオン

ND 280 のスイッチをオンにします。スイッチは装置 の背面に付いています。装置のスイッチを入れたと きや停電の後は、ND 280 がスタート画面で起動しま す ( 参照 B:図 I。10)。装置前面にある緑色の LED が点灯します。スタート画面には装置の型式や現在 インストールされているソフトウェアのバージョン 番号および ID 番号が表示されます。
I – 3 ND 280 の基本機能
ダイアログ言語を変更する場合は、ソフトキー「言語」を押してく ださい ( 参照 B:図 I。11)。選択した内容を ENTER キーで確定しま す。
内蔵ヘルプシステムを呼び出すには、ソフトキー「ヘルプ」を押し ます。
標準画面を表示させるには任意の他のキーを押します。
B:図 I。10 スタート画面
ND 280 はこれで実際値モードで運転準備完了です。ND にインクリメ ンタルエンコーダを接続した場合は、表示 REF が点滅します。ここ でリファレンスマーク評価を実行してください (21 ページの「リ ファレンスマークの評価」を参照 )。
アブソリュートエンコーダを接続した場合は、エンコーダが位置の 絶対値を自動的に位置表示装置に転送します。
必要であれば後で言語を切り替えることができます。
33 ページの「言語」を参照。
ソフトウェアバージョン (ファームウェアバージョン)
を必要に応じて更新するには、66 ページの「ソフト ウェアアップデート ( ファームウェアアップデート ) のインストール」を参照。
設定可能な時間が経過すると、ND がスクリーンセーバ
を起動します ( 出荷時の設定 120 分、33 ページの
「画面の調整」を参照 )。装置前面にある赤色の LED が
点灯します。画面を起動するには、キーをどれか 1 つ 押すか、エンコーダを走行させてください。
スタート画面をオフにして、すぐに標準画面を表示さ
せることが可能です (48 ページの「アプリケーション の設定」を参照 )。
20 I 位置表示装置 ND 280 の使用方法
B:図 I。11 言語の選択。

リファレンスマークの評価

「REF 自動」を使用すると、スイッチを切る前に最後に設定した軸ス
ライドや測定プローブの位置と表示値との相関関係が ND 280 によっ て自動的に再検出されます。
インクリメンタルエンコーダが接続されている場合のリファレンス マークの評価 ( 参照 B:図 I。12):
表示 REF が点滅したらリファレンスマークを通過してください。「REF 自動」が表示値を検出すると、表示 REF が点滅しなくなりま
す。
リファレンスマーク評価を使用しない場合
リファレンスマークを通過しない場合は、ソフトキー「NO REF」
を押して次に進みます。
リファレンスマーク評価を後で再び有効にするには、ND 280 のス
イッチを一旦切ってから再度入れ直します。
ワークへの危険
リファレンスマークのないエンコーダの場合や、リファ レンスマークを通過していない場合は、画面の REF 表示 がグレーになり、ND のスイッチを切ると設定されたすべ ての原点が失われます。そのため、軸スライド位置と表 示値の相関関係は停電 ( スイッチオフ ) 後に復元できま せん。
B:図 I。12 リファレンスマーク検出時の表示
I – 3 ND 280 の基本機能

ND 280 のスイッチオフ

ND 280 のスイッチをオフにします。装置のスイッチ を切っても、パラメータ設定や補正値表はそのまま 残ります。
21

標準のスクリーンレイアウト

1
432
5
ND 280 の標準画面には、常に位置情報の他に設定や操作モードに関 する様々な情報が表示されています ( 参照 B:図 I。13)。標準画面 は次のエリアに分割されています。
1 ステータスバー
現在の操作モード: 実際値、 残り距離X1:軸の現在の表示モード黒字の SCL:スケール係数が有効です。黒字の KORR:表示されている軸に対してエラー補正が有効に
なっています。
動作中のストップウォッチの値:ストップウォッチが止まっ
ているときはこのフィールドがグレーになります。
mm、inch、Deg、DMS または rad:現在設定されている測定単
I – 3 ND 280 の基本機能
現在使用されている原点:ND 280 では 2 つの異なる原点を使
用することができます。
現在操作中のソフトキーレベルの表示。
2 位置表示
長さ表示:
現在の符号付き軸値
角度表示:
現在の符号付き角度値 ( 度、分、秒表示時は単位記号付き )
3 情報バー
必要な入力や手順に関する注意事項などが表示されるので、
表示装置での作業を楽にします。
エラーや警告が発生すると、情報バーに点滅する文字でそれ
らが表示されます。メッセージは C キーで解除します。
マルチターンエンコーダが接続されている場合は、情報バー
の右端に回転数カウンタが表示されます。
4 ステータス表示
Set:原点の設定中に新しい値を入力すると、このマークが点
滅します。
Ref:黒い文字の「REF」表示は、接続されているインクリメ
ンタルエンコーダに対し、表示されている軸のリファレンス マーク評価をまだ完了させていないと点滅します。
5 ソフトキー
ソフトキーは 2 つのレベルに配置されており、「ナビ ゲーション」キー ( 左を参照 ) を使うとその間を移動で きます。機能を実行するには、ソフトキーを押します。 ソフトキーの割り当ては ND の操作モードによって異な ります。
B:図 I。13 標準画面
22 I 位置表示装置 ND 280 の使用方法

標準画面のソフトキー機能

ソフトキー機能は 2 つのレベルに分かれており、「ナビゲー ション」 キー ( 左を参照 ) を使用するとスクロールできます。 標準画面でのレベル表示はレベルの数と、現在表示されてい る選択中のレベルを表示します。ソフトキーに関する詳しい 情報については、表に記載されているマニュアルのページを ご覧ください。
レベル 1 のソフトキー :
ソフトキー 機能 ページ
設定 「加工設定」メニューが開き、ソ
フトキー「システム設定」が表示 されます。
ページ 27
B:図 I。14 選択したソフトキーレベルの表示
原点 原点同士を切り替えます ( ス
設定 以前設定した原点の値に軸値を設
ゼロセット 実際値表示:選択した軸の選択
レベル 2 のソフトキー :
ソフトキー 機能 ページ
ヘルプ 内蔵ヘルプシステムを呼び出します。ページ 25
印刷 現在の測定値をシリアルインタ
残り距離 オン
mm inch
DEG DMS rad
テータスバーの原点表示を参照 )。
定します。
した原点をゼロにセットしま す。
残り距離表示:選択した軸の残
り距離をゼロにセットします。
フェースを通じて接続されている コンピュータやプリンタに転送し ます。
実際値モードと残り距離モードの 間で切り替えます。
長さまたは角度位置表示を表示さ れている単位に切り替えます。選 択した単位はステータスバーに表 示されます。
ページ 28, ページ 32,
ページ 28
ページ 28
ページ 76
ページ 27
ページ 30
I – 3 ND 280 の基本機能
23

データ入力

123
入力フィールドに数字を入力するのには数字キーを使用します。フィールドに入力した内容を ENTER キーで確定し、前の画面に戻
ります。
C キーはエントリを削除したり、エラーメッセージを解除したり、
前の画面に戻るのに使用します。
ソフトキー 1 は様々な操作機能およびパラメータ機能を表示しま
す。これらの機能は、各ソフトキーの下にあるソフトキーボタン を直接押すと選択できます。ソフトキー機能は通常、3 つ以内の レベルに分かれています。レベルは「ナビゲーション」 キー 2 で 切り替えることができます ( 下を参照 )。
「ナビゲーション」キー 2 を押すと、使用可能なソフトキー機能の
レベルをスクロールすることができます。現在選択されているレ ベルは画面上のステータスバーに表示されます。
「上へ」キーまたは「下へ」キー 3 でカーソルを動かすと、入力画
I – 3 ND 280 の基本機能
面のパラメータフィールド間およびメニューのメニューコマンド 間を移動できます。メニューの最後のメニューコマンドにカーソ ルが来ると、カーソルは自動的にそのメニューの最初に戻ります。
B:図 I。15 データ入力
24 I 位置表示装置 ND 280 の使用方法

内蔵ヘルプシステム

内蔵されているヘルプシステムがそれぞれの状況にふさわしい情報 を提供してくれます ( 参照 B:図 I。16)。
内蔵ヘルプシステムを呼び出す:
ソフトキー「ヘルプ」を選択します。位置表示装置は処理中のプロセスに関する情報を画面に表示しま
す。
テーマが画面の複数ページに渡る場合は、「上へ」キーまたは「下
へ」キー、あるいはソフトキー「画面上へ」または「画面下へ」 でテーマをスクロールできます。
別のテーマに関する情報を表示させる:
ヘルプのテーマの一覧を表示させるには、ソフトキー「テーマリ
スト」を選択します。
ソフトキー「パート 1 / [ パート 2]」を押すと、場合によってより
詳しいヘルプ情報が表示されることもあります。
ディレクトリをスクロールするには、「上へ」キーまたは「下へ」
キー、あるいはソフトキー「画面上へ」または「画面下へ」を使 用してください。
テーマを表示させる場合は、ソフトキー「テーマの表示」か、ま
たは ENTER キーを押します。
内蔵ヘルプシステムを終了する:
C キーを押します。ヘルプを呼び出す前のところへ戻ります。
B:図 I。16 内蔵ヘルプシステム
I – 3 ND 280 の基本機能
25

入力画面

様々な機能や設定パラメータにはデータ入力が必要です。そのよう なデータは入力画面で入力します。入力画面は該当する機能を選択 すると表示されます。それぞれの入力画面には、必要なデータを入 力するのに不可欠なフィールドが含まれています。
変更を適用する:
ENTER キーを押します。
変更を無視して前の画面に戻る:
C キーを押します。
ヘルプ情報のウィンドウ メニューや入力画面を開くと、その右側にユーザへの説明を表示す
るウィンドウが開きます ( 参照 B:図 I。17)。このダイアログウィ ンドウには、選択した機能に関する情報や使用可能なオプションに
I – 3 ND 280 の基本機能
関する説明が表示されます。
B:図 I。17 ヘルプ情報が表示されているメニュー
の例

エラーメッセージ

ND の使用中にエラーが発生するとエラーメッセージが表示され、エ ラーの原因が説明されます。
エラーメッセージを解除する:
C キーを押します。
最後のエラーを解除する前に新しいエラーが発生した場 合は、最後に発生したエラーが表示されます。このエ ラーを解除すると、その前のエラーが再び表示されます。 ND は各エラーカテゴリの最後のエラーをメモリ内で解除 するために保存します (34 ページの「エラーメッセー ジ」を参照 )。
26 I 位置表示装置 ND 280 の使用方法

I – 4 加工設定かこうせってい

操作モードそうさもーど

ND 280 には、「実際値」と「残り距離」の 2 つの操作モードが用意 されています。
ステータスバー 機能
実際の現在位置の表示
目標位置までの実際の残り距離の表示
操作モード「実際値」では ND 280 は常に原点を基準として測定プ ローブの実際の現在位置を表示します。表示値が希望する目標位置 になるまで測定プローブを移動させてください。
操作モード「残り距離」では、各軸を表示値「ゼロ」に移動させる ことによって測定プローブを目標位置に位置決めします。その場合 の手順は以下の通りです:
ソフトキー「残り距離オン」を押すと、操作モードが切り替わり
ます (23 ページの「標準画面のソフトキー機能」を参照 ):位置 表示装置にゼロが表示されます。
数字キーで移動先の目標位置を入力し、ENTER キーで確定します:
位置表示に移動する残り距離が表示されます。
軸を表示値ゼロに移動させます。必要であれば次の目標位置を入力して ENTER キーで確定します:
軸が再度表示値ゼロに移動します。
残り距離モードを終了します:ソフトキー「残り距離オフ」を押
します
残り距離の符号:
現在位置から目標位置まで負の軸方向に移動する場合、
残り距離の符号はプラスになります。
現在位置から目標位置まで正の軸方向に移動する場合、
残り距離の符号はマイナスになります。
B:図 I。18 ステータスバー内の ( マークされた )
現在位置の表示
I – 4 加工設定かこうせってい
27

原点の設定

原点を設定する際は、既知の位置を該当する表示値に割り当てます。 位置表示装置 ND 280 では 2 つの原点を保存できます。
運転中は軸の表示値を素早くゼロにセットしたり、保存された値や 新しい値に設定したりすることができます。
「ゼロセット」機能を選択すると、該当する軸の現在の位
置で現在有効な原点をゼロにセットすることになります。
実際値モードが有効になっている場合は、位置表示装
置にゼロが表示されます。
残り距離モードが有効になっている場合は、位置表示
装置に新しい原点までの残り距離が表示されます。
表示モード X1 および X2 で 1 本の軸設定する
標準画面でソフトキーレベル 1 を選択します。必要に応じてソフトキー「原点」で設定する原点を選択します。表示値をゼロにするには、ソフトキー「ゼロセット。他に数字
I – 4 加工設定かこうせってい
キーの「0」を押してから ENTER キーで確定する方法もあります。
任意の表示値を設定するには、新しい値を数字キーで入力します。
SET のステータス表示がく点滅します。入力した値を ENTER キー で確定します。
表示値を固定されたデフォルトの原点に設定するには (32 ページ
の「原点の値」を参照 ):ソフトキー「設定」を押します。
B:図 I。19 ソフトキーレベル 1 の標準画面
28 I 位置表示装置 ND 280 の使用方法
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