Yamaha MT8XII User Manual [ja]

MULTITRACK CASSETTE RECORDER
取扱説明書
このたびはヤマハマルチトラックカセットレコーダーMT8XIIをお買 い求めいただきまして、まことにありがとうございます。 MT8XIIの優れた機能を十分に発揮させるとともに、末永くご愛用い ただくために、この取扱説明書をご使用の前に必ずお読みくださ い。お読みになったあとは、保証書とともに保管してください。
LINE MIC
–12 +12
250 5k
MID
–12 +12
–12 +12
010
010
CUE
LR
010 MIC/ LINE
GROUP ASSIGN
1234
PEAK SIGNAL
P A N
TAPE
MIC/ LINE
45678321
GAIN
LINE MIC
HIGH
HIGH
–12 +12
–12 +12
FREQ
FREQ
250 5k
250 5k
MID
MID
–12 +12
–12 +12
LOW
LOW
–12 +12
–12 +12
AUX
AUX
010
010
AUX
AUX
010
010
CUE
CUE P A N
LR
LR
010
010
MIC/
TAPE
LINE
MIC/
TAPE LINE
TAPE FLIP
FLIP FLIP FLIP FLIP
LINE
PAN
PAN
ODDREVEN
ODDREVEN
GROUP ASSIGN
GROUP ASSIGN
1234
1234
PEAK
PEAK
SIGNAL
SIGNAL
10
10
P A N
TAPELINE
HIGH
–12 +12
FREQ
250 5k
MID
–12 +12
LOW
–12 +12
AUX
010
AUX
010
CUE
LR
010
TAPE LINE PAN
ODDREVEN
GROUP ASSIGN
1234
PEAK SIGNAL
10
P A N
TAPELINE
HIGH
–12 +12
FREQ
250 5k
MID
–12 +12
LOW
–12 +12
AUX
010
AUX
010
CUE
LR
010
TAPE LINE PAN
ODDREVEN
GROUP ASSIGN
1234
PEAK SIGNAL
10
P A N
TAPELINE
HIGH
–12 +12
FREQ
250 5k
MID
–12 +12
LOW
–12 +12
AUX
010
AUX
010
CUE
LR
010
TAPE LINE PAN
ODDREVEN
GROUP ASSIGN
1234
10
GAIN
LINE MIC
HIGH
–12 +12
FREQ
250 5k
MID
–12 +12
LOW
–12 +12
AUX
010
AUX
010
CUE
LR
010 MIC/ LINE
TAPE FLIP PAN
GROUP ASSIGN
1234
PEAK SIGNAL
10
P A N
TAPE
MIC/ LINE
GAIN
LINE MIC
HIGH
–12 +12
FREQ
250 5k
MID
–12 +12
LOW
–12 +12
AUX
010
AUX
010
CUE
LR
010 MIC/ LINE
TAPE FLIP PAN
GROUP ASSIGN
1234
PEAK SIGNAL
10
GAIN
HIGH
FREQ
LOW
AUX
AUX
P A N
TAPE
MIC/
TAPE FLIP
LINE
PAN
10
12345678
P A N
TAPELINE
PEAK SIGNAL
9-10 11-12 13-14
ST-INPUT
ST-INPUT
ST-INPUT
10
010
010
GROUP
TAPE IN
MASTER
010
010
MIX LEVEL
GROUP 1
TAPE IN
1 3
GROUP
010
GROUP 2
2 4
STEREO
010
CUE
GROUP 3
MONITOR
SELECT
MIN MAX
010
MONITOR LEVEL
GROUP 4
ON
CUE MIX
TO STEREO
OFF
10
10
STEREO
TO MONITOR
TO STEREO
NOISE REDUCTION SYSTEM
dbx
OUT
SYNC
AUTO PUNCH
TAPE SPEED REC SELECT
–0+
AUTO PUNCH I/O
CLEARSYNC
REC/PAUSE
PHONES PUNCH I/O
+9 +6 +3
0dB
–3 –6
–10
IN
TAPE
–20
REPEAT
MEMO
REC12
VARI
1
FIX
1
GROUP
5
CHECK REPEAT
MULTITRACK CASSETTE RECORDER
12345678
TRACK
2
2
6
RESET
MEMO 1
MEMO 2
+9 +6 +3
0dB
–3
–6 –10 –20
L R
STEREO
3
4
3
4
7
8
RTZ
LOC 1
LOC 2
FF STOPREWPLAYREHE
J
安全上のご注意 ―安全にお使いいただくため―
!
安全にお使いいただくため、ご使用の前にこの「安全上のご注意」をよくお読みください。 またお読みになったあと、いつでも見られるところに必ず保存してください。
絵表示 この取扱説明書および製品への表示では、製品を安全に
正しくお使いいただき、あなたや他の人々への危害や財産への 損害を未然に防止するために、いろいろな絵表示をして います。 内容をよく理解してから本文をお読みください。
この欄に記載されている事項を無視して、誤った取扱いをすると、人が死亡または重傷を負う可
警告
能性があります。
設置されるとき
この機器はAC100V専用です。それ以外の電源 (AC200V、船舶の直流電源など)では使用しな いでください。火災・感電の原因となります。
この機器にが入ったり、機器がぬれたりしな いようご注意ください。火災・感電の原因となり ます。雨天・降雪時や海岸・水辺での使用は特に ご注意ください。
電源コードの上に重い物をのせないでくださ い。コードに傷が付くと、火災・感電の原因とな ります。とくに、敷物などで覆われたコードに 気付かずに重い物を載せたり、コードが本機の 下敷きになることのないよう十分にご注意くだ さい。
ご使用になるとき
が鳴りだしたら、早めに機器本体の電源ス イッチを切り、電源プラグをコンセントから抜 いてください。 落雷のおそれがあるとき、電源プラグが接続さ
接触禁止
分解禁止
れたままならば、電源プラグには触れないでく ださい。感電の原因となります。
この機器を改造しないでください。火災・感電の 原因となります。
この機器のカバーは絶対に外さないでくださ い。感電の原因になります。 内部の点検・整備・修理が必要と思われるとき は、お買上げ販売店にご依頼ください。
この機器のカセットテープの挿入口に金属類や 燃えやすいものなどを差し込んだり落としこん だりしないでください。火災・感電の原因となり ます。とくに、お子様のいるご家庭ではご注意 ください。
絵表示の例
:注意(危険・警告を含む)を促す事項 :決しておこなってはいけない禁止事項
:必ずおこなっていただく強制事項
この機器の上になどの入った容器や小さな 物を置かないでください。こぼれたり、中に 入ったりすると、火災・感電の原因になります。 花瓶、植木鉢、コップ、化粧品、薬品なども同 様です。
電源コードを傷つけたり、加工したり、無理に 曲げたり、ねじったり、引っ張ったり、加熱し たりしないでください。コードが破損して、火 災・感電の原因になります。
使用中に異常が発生したとき
が出ている、変なにおいがするなどの異 常がみとめられたときは、すぐに機器本体の電 源スイッチを切り、電源プラグをコンセントか ら抜いてください。そのあと、異常がおさまる のを確認して販売店に修理をご依頼ください。 異常状態のままで使用すると、火災・感電の原因 となります。
内部に水などの異物が入った場合は、すぐに機
プラグをコンセント
から抜け
プラグをコンセント
から抜け
器本体の電源スイッチを切り、電源プラグをコ ンセントから抜いてください。そのあと、販売 店にご連絡ください。そのままで使用すると、 火災・感電の原因となります。
断線・芯線の露出など、電源コードが傷んだら、 お買上げ販売店に交換をご依頼ください。そのま まで使用すると、火災・感電の原因となります。
万一、この機器を落としたり、キャビネットを 破損した場合は、機器本体の電源スイッチを切 り、電源プラグをコンセントから抜いて販売店 にご連絡ください。そのまま使用すると、火災・ 感電の原因となります。
注意
この欄に記載されている事項を無視して、誤った取扱いをすると、人が傷害を負ったり、物的 損害が発生したりする可能性があります。
プラグをコンセント
から抜け
設置されるとき
調理台や加湿器のそばなど、油煙湯気が当た るような場所には置かないでください。火災・感 電の原因となることがあります。 ぐらついた台の上や傾いたところなど、不安定 な場所には置かないでください。落ちたり、倒 れたりしてけがの原因となることがあります。 電源コードを熱器具に近付けないでください。 コードの被覆が溶けて、火災・感電の原因になり ます。 窓を締め切った自動車の中や直射日光が当たる 場所など、異常に温度が高くなる場所に放置し ないでください。火災の原因となることがあり ます。 湿気ほこりの多い場所には置かないでくださ い。火災・感電の原因になることがあります。 濡れた手で電源プラグを抜き差ししないでくだ さい。感電の原因となることがあります。 電源プラグを抜くときは、電源コードを引っ張 らず、必ずプラグを持ってください。コードを 引っ張ると、電源コードが傷ついて、火災・感電 の原因となることがあります。
機器を移動する場合は、電源スイッチを切り、 電源プラグをコンセントから抜き、機器間の接 続コードなど外部の接続コードを外してくださ い。コードが傷つき、火災・感電の原因となるこ とがあります。
プラグをコンセント
から抜け
指を挟まれな
いよう注意
ご使用になるとき
オーディオ機器・スピーカーなどの機器を接続す る場合は、接続するすべての機器の電源を切っ てください。 それぞれの機器の取扱説明書に従い、指定の コードを使用して接続してください。 電源を入れる前に音量(ボリューム)を最小にし てください。突然大きな音が出て聴力障害など の原因となることがあります。
旅行などで、長期間この機器をご使用にならな いときは、安全のため、必ず電源プラグをコン セントからぬいてください。火災の原因となる ことがあります。
お子様がカセットテープ挿入口に、手を入れな いようにご注意ください。けがの原因となるこ とがあります。
お手入れについて
お手入れの際は、安全のため、電源プラグをコ
ンセントからぬいてください。感電の原因とな ることがあります。
定期的な機器内部の掃除が必要です。長いあい だ掃除をせずに、機器の内部にほこりがたまっ たままにしておくと、火災や故障の原因となる ことがあるからです。 掃除および費用については、お買上げ販売店に ご相談ください。 掃除の間隔は1年に一度くらい、時期は湿気の多 くなる梅雨の前が、もっとも効果的です。

ご使用上の注意 ―正しくお使いいただくため―

!
カセットテープについて
本機はクロームテープ専用マルチトラックレコーダーです。カ セットテープは必ずクロームテープ(ハイポジション、TYPEII) をご使用ください。TDK:SA46〜90、マクセル:XLII46〜 90などがいいでしょう。
繰り返し使用して、傷んでいるテープや、90分を超えるテープ
(C−120等)は、機械的および電気的なトラブルの原因となる
場合がありますので、ご使用にならないでください。
正常な音質で再生するため、dbxスイッチをONにして録音した テープは再生時もONにしてください。
また、OFFにして録音したときは再生時もOFFにしてください。
本機には付属品として電源コードが入っています。必ずお確か めください。
カセットテープのセッティング
カセットテープをセットするときは、テープがたるんでいない かチェックしてから、浮きなどの無いように、しっかりと装着 してください。
装着が不十分ですと、特性が発揮されない場合もあります。
スイッチ・ボリューム・接続端子などの部品は、使用とともに 性能が劣化するために摩耗部品といわれています。劣化の進 行度合は、使用環境などによっても大きく異なりますが、劣化 そのものを避けることはできません。
劣化した摩耗部品の交換は、お買上げ店またはヤマハサービス 拠点へご相談ください。
dbxについて
付属品をお確かめください
摩耗部品の交換
目 次
第1章 MT8XIIのご紹介 ........................ 1
MT8XIIの特長 ...............................................1
カセットテープの種類について ................... 2
テープの互換性について ..............................2
dbxノイズリダクションについて ................. 2
MT8XIIのお手入れについて.......................... 2
第2章 各部の名称と機能 ..................... 3
上面パネル .................................................... 3
インプットチャンネル..................................4
ステレオインプット .....................................5
マスター部 .................................................... 6
ディスプレイ ................................................ 7
トランスポート部 .........................................8
リアパネルの接続端子................................10
フロントパネル接続端子 ............................12
第3章 最初の録音.............................. 13
電源コードの接続 .......................................13
電源の投入 ..................................................13
カセットテープの挿入................................13
必要な機器 ..................................................14
最初のトラックの録音................................15
オーバーダビング .......................................16
ミックスダウン........................................... 18
マルチソースミキシング ............................18
マルチソースミキシングの設定 ................. 18
マルチトラック録音の基礎知識 ................. 20
モニタリングについて................................21
第4章 パンチイン/アウト録音 ......... 22
パンチイン/アウト ...................................... 22
マニュアルパンチイン/アウト ....................23
REC/PAUSEキーを使った
パンチイン/アウト ...................................... 23
RECSELECTキーを使った
パンチイン/アウト ...................................... 24
フットスイッチを使ったパンチイン/アウト25
オートパンチイン/アウト ...........................26
パンチイン/アウトポイントの設定............. 26
オートパンチイン/アウトのリハーサル .....27
オートパンチイン/アウトの本番 ................ 27
第5章 ピンポン録音........................... 29
ピンポン録音の準備 ...................................30
ピンポンのリハーサル................................30
ピンポン録音の本番 ...................................30
ピンポン録音の試聴 ...................................31
ピンポン録音についての注意 .....................31
ピンポン録音時のオーバーダビング .......... 32
第6章 エフェクトをかける ................ 33
ミックスダウン時にエフェクトをかける...34
トラック録音時にエフェクトをかける ......34
ピンポン録音時にエフェクトをかける ......34
外部エフェクターのインサート接続 .......... 36
第7章 テープスピードとミキシング .. 37
テープ速度機能の使い方 ............................37
ミックスダウン...........................................38
第8章 クイックロケートと
リピート再生 .......................... 39
クイックロケート .......................................39
リピート再生 .............................................. 40
第9章 MT8XIIとMIDI......................... 41
MIDIシステムでMT8XIIを使用する ............ 41
シンク信号の種類 .......................................41
MT8XIIをMIDIシステムに接続する ............ 42
テープにシンク信号を書き込む ................. 44
同期操作......................................................45
第10章 MT8XIIの応用例 .................... 46
一発録音......................................................46
MIDIホームスタジオ ................................... 47
マルチソースミキシング ............................48
TAPEOUT/GROUPOUTの使い方.......... 49
付録 ....................................................50
故障かな?と思われる前に.........................50
MT8XIIのお手入れ ......................................51
仕 様 ......................................................... 53
ブロック図 ..................................................56
寸法図 ......................................................... 57
用語解説...................................................... 58
ノイズリダクションはTHATCorporationからの実
施権に基づき製造されています。
dbxはCarillonElectronicsCorporationの登録商標
です。

第1章 MT8XIIのご紹介

MT8XIIの特長

ミキサー部
MT8XIIのミキサー 部 は14入力、4グループ出力から構成されています。さらに 8 系 統 のテープトラックとステレ
オのTAPEIN端子を加えれば、合計24の入力をミックスダウン 時に利 用 できます。
インプットチャンネル1〜4には連続可変型のGAINコントロールを 搭 載。 マイクロフォンか らラインレベルの 信号まで対応できます。
インプットチャンネル 1と2には、 バランス型XLR入力端子とフォン入力端子を用意。さらにコン デン サーマ イク用に 、 切り替え可能なファンタム電源も装備。
インプットチャンネル1と2に外 部エフェク ト接続用のインサート端子を装備。
各インプット チャンネルに音楽的な設計の3バンドEQ(High,Mid,Low)を搭載し 、音質を自在に調整可
能(Midは周波数可変)。
外部エフェクターの接続用に2系統のAUXセンドを装備。
FLIPスイッチで入力信号をチャンネルフェーダーかCUEコントロール へ
グループ、キュー、ステレオバス、テープインを自由にモニター可能。
外 部ミキサ ーに テープトラックのダイレクト接続が可能なTAPEOUT端子を装備。
ミックスダウン時にマスターレコーダーの出力をモニター可能なTAPEIN端子を搭載。
精度が高く、スト ロークの長いフェーダーを装備。
第1 章 MT8XII のご紹介
 1
レコーダー部
MT8XIIの8トラックレコーダー 部には、 精密に設計されたカセットトラン スポ ートを採 用して います。
ロジックコントロールの テープメカニ ズムにより、 スムースで信頼性の高い操作が可能。
録再ヘッドには、寿命が長く高性能な硬質パーマロイを採用。
TM
dbx
約±12%の可変ピッチ。
2色のFLD(蛍光ディスプレイ)に録再 レベル、テープカ ウンタ ー、その他のインジケー タ ーを表示。
パンチイ ン/アウトは マニュアル、フッ トスイッチ、オートが可能(すべてリハーサル機能付き)。
再生リピート機能、オートパンチイ ン/ア ウトのリハーサルリ ピート機能を装備。
SYNCモードではトラック8に同期信号を記録し、MT8XIIをMIDI シーケンサーやMIDIドラムマシンに同期
テープ速度は高音質な9.5cm/秒を採用。
ノイズリダクシ ョンシステムにより、 80dB以上のSN比を実現。
させることが可能。トラック8のみdbxノイズリダク シ ョン をオフにすることで信頼性 の高い同期走行を 実現。
MT8XII−取扱説明書
第1 章 MT8XII のご紹介
2

カセットテープの種類について

MT8XIIでご使用になるカセット テ ー プは、必ず適切な種類の製品をお求めください。TDK SA,maxell UD­II,XLIISなど、高音質のタイプII(HighBias,70μsEQ)クロームカセッ トテープで長さが90分以下の製品を お勧めします。MT8XIIの標準速度では、60分テープで約15分の録音時間となります。これは、テープが通常 のカセ ットレコーダーの倍速で走行し、しかもテープの片面のみを使用するためです。次の表は、3種類の標 準テープの録音時間を表したものです。
カセットタイプ MT8XII の録音時間(概算値)
C90 22.5分 C60 15分 C46 11.5分

テープの互換性について

MT8XIIでは通常のカセットレコー ダーと同 じ種類のテープを使いますが、MT8XIIで録音したテープを通常
のカセ ットプレーヤーで適切に再生することはできません。通常のカセットレコーダーは2 ト ラッ ク(左右のステ レオチャ ン ネル)のみを使用 し、両トラック が同時に録音されます。これに対し、MT8XIIでは標準のオーディオ カセットに 8トラック録音が可能で、しか も各トラックを個別に録音/再生することができます。最大4トラックを同
時録音することも、 一度に1トラックずつ録音する(オーバーダブ録音)ことも可能です。もう一 つの大きな違い
は、MT8XIIではカセットの片 面しか使 わないということで す 。 つま り B面は使用しません。MT8XIIのカセットを
裏返して聴くと、トラックが逆方向に再生されます。これは8 トラックを録音するのにテープの幅全部を使うため
です。またテープ速度も違います。通常 のカセットレコーダーは4.8cm/秒ですが、MT8XIIでは優れた音質を実
現するために9.5cm/秒を採用しています。

dbxノイズリダクションについて

MT8XIIではテープのヒスノイズを削減し、音質をクリーンに保つためにdbxノイズリダクシ ョンを採用してい ます。最高の性能を得る ために、どんな録音でもdbxノイズリダク ショ ンをお使いになるこ と をお勧めします。ま
たdbxを使用して録 音したテープは、再生時にもdbxをオンにしてください。

MT8XIIのお手入れについて

MT8XIIの優れた性能を保つために、録再ヘ ッドやテープと接触する金属部品の消磁と清掃などのお手入れ を定期的に行なってください。詳細は、51ページの「MT8XIIのお手入れ」を お読みください。
MT8XII−取扱説明書

第2章 各部の名称と機能

本章では、MT8XIIの各部の名称と機能について説明します。

上面パネル

第2 章 各部の名称と機能
3
GAIN
LINE MIC
HIGH
–12 +12
FREQ
250 5k
MID
–12 +12
LOW
–12 +12
AUX
1
010
AUX
2
010
CUE
LR
010 MIC/ LINE
TAPE FLIP PAN
L ODDREVEN
GROUP ASSIGN
1234
PEAK SIGNAL
10
9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
P A N
L E V E L
TAPE
MIC/ LINE
GAIN
LINE MIC
HIGH
–12 +12
FREQ
250 5k
MID
–12 +12
LOW
–12 +12
AUX
1
010
AUX
2
010
CUE
LR
010 MIC/ LINE
TAPE FLIP PAN
L
ODDREVEN
GROUP ASSIGN
1234
PEAK SIGNAL
10
9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
P A N
L E V E L
TAPE
MIC/ LINE
GAIN
LINE MIC
HIGH
–12 +12
FREQ
250 5k
MID
–12 +12
LOW
–12 +12
AUX
1
010
AUX
2
010
CUE
LR
010 MIC/ LINE
TAPE FLIP PAN
L
ODDREVEN
GROUP ASSIGN
1234
PEAK SIGNAL
10
9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
P A N
L E V E L
TAPE
MIC/ LINE
45678321
GAIN
LINE MIC
HIGH
–12 +12
FREQ
250 5k
MID
–12 +12
LOW
–12 +12
AUX
1
010
AUX
2
010
CUE
LR
010 MIC/ LINE
TAPE FLIP PAN
L ODDREVEN
GROUP ASSIGN
1234
PEAK SIGNAL
10
9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
HIGH
HIGH
–12 +12
–12 +12
FREQ
FREQ
250 5k
250 5k
MID
MID
–12 +12
–12 +12
LOW
LOW
–12 +12
–12 +12
AUX
AUX
1
1
010
010
AUX
2
010
010
CUE
P
P
A
A
N
L E V E L
TAPE LINE PAN
ODDREVEN
GROUP ASSIGN
1234
10
9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
N
LR
L E V E L
010
TAPELINE
L
PEAK SIGNAL
LR
010
TAPELINE
FLIP FLIP FLIP FLIP
L
1234
PEAK SIGNAL
P A N
L E V E L
TAPE
MIC/ LINE
AUX
2
CUE
TAPE LINE
PAN
ODDREVEN
GROUP ASSIGN
10
9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
HIGH
–12 +12
FREQ
250 5k
MID
–12 +12
LOW
–12 +12
AUX
1
010
AUX
2
010
CUE
LR
010
TAPE LINE PAN
L
ODDREVEN
GROUP ASSIGN
1234
PEAK SIGNAL
10
9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
P A N
L E V E L
TAPELINE
HIGH
–12 +12
FREQ
250 5k
MID
–12 +12
LOW
–12 +12
AUX
1
010
AUX
2
010
CUE
LR
010
TAPE LINE
PAN
L
ODDREVEN
GROUP ASSIGN
1234
PEAK SIGNAL
10
9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
9-10 11-12 13-14
ST-INPUT
0
10
1
1
2
3
3
4
GROUP
MASTER
010
GROUP 1
P A N
010
GROUP 2
L E V E L
TAPELINE
010
GROUP 3
010
GROUP 4
CUE MIX
TO STEREO
10
9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
ST-INPUT
010
2
4
TAPE IN
010
MIX LEVEL
TAPE IN
1 3
GROUP
2 4
STEREO
MONITOR
SELECT
MIN MAX MONITOR LEVEL
ON OFF
10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
ST-INPUT
010
1
3
CUE
TO MONITOR
TO STEREO
2
4
NOISE REDUCTION SYSTEM
1
IN
dbx
MEMO
OUT
SYNC
2
AUTO PUNCH
TAPE SPEED REC SELECT
VARI FIX
–0+
AUTO PUNCH I/O
CLEARSYNC
REC/PAUSE
MULTITRACK CASSETTE RECORDER
+9 +6 +3
0dB
–3 –6
–10
TAPE
–20
REPEAT
REC
12345678
TRACK
1
2
1
GROUP
2
5
6
RESET
RTZ
CHECK REPEAT
MEMO 1
LOC 1
MEMO 2
LOC 2
FF STOPREWPLAYREHE
+9 +6 +3
0dB
–3
–6 –10 –20
L R
STEREO
3
4
3
4
7
8
12345678
各部の詳細は次ページからの説明をご覧ください。
STEREO
PHONES PUNCH I/O
MT8XII−取扱説明書
第2 章 各部の名称と機能
4

インプットチャンネル

1
2
3
4
5
6
7
8
GAIN
LINE MIC
HIGH
–12 +12
FREQ
250 5k
MID
–12 +12
LOW
–12 +12
AUX
1
010
AUX
2
010
CUE
LR
010 MIC/ LINE
TAPE FLIP PAN
L
ODD
GROUP ASSIGN
12 34
PEAK SIGNAL
1 GAINコントロール(インプットチャンネル1〜4)
MIC/LINE入力の感度を調整するノブで、マイ ク入力からラインレベルの信号まで対応します。
2 EQコントロール
高域、中域、低域の周波数帯域をブースト/カ ッ トするノブです。HIGHとLOWは周波数固定のシェル
ビングタイ プ、MIDは周波数可変のピーキングタイプです。ノブの中央にセン タークリックがあり、素早
くフラッ ト(ブースト/カ ットされない状態)に合わせることができます。
+15
+10
+5
0
-5
信号レベル[dB]
-10
-15
P A N
L E V E
L
TAPE
3 AUXコントロール
MIC/ LINE
インプットチャンネルの信号をAUXSEND端子に送るノブです。信号を外部エフェクターで処理する
ときに 使 用しま す 。
R
4 CUEPAN/LEVELコントロール
EVEN
キュー信号のレベルとパンを調整します。キュー信号のソース と なる信号は、FLIPスイッチの位置 によ
り異なります。FLIPスイッチをMIC/LINE(
在録音/再生している信号)となり ます。FLIPスイッチをTAP E( )に設定すると、キュー信号のソー スはMIC/LINE入力になります。TAPEの設定は、通常ミックスダウン中に使 用します。この場合はテー
プトラック信 号 が インプットチャンネルへと送られるため、ミックスダウン中に外部音源をキュー信号と
して追加することができます。
20 20k100 1k 10k
HIGH:±12dB/12kHz(シェルビング) MID:±12dB/250Hz〜5kHz(ピーキング) LOW:±12dB/80Hz(シェルビン グ)
可変範囲
周波数[Hz]
)に設定すると、キュー信号のソースはテープ トラック(現
10
9 8 7 6
9
5 4
3 2
1 0
MT8XII−取扱説明書
5 FLIPスイッチ
入力チャンネルとCUEコントロール の 信 号 ソースを 選 択します 。 スイ ッチが上がった状態( )のと き
は、MIC/LINE入力信号がインプットチャンネルに送られ、テープ信号はCUEコントロールに 送られま
す。スイ ッチを押した状態(
)ではこの逆で、MIC/LINE入力信号はCUEコントロール へ、 テー プ信
号はインプットチ ャ ンネルに送ら れます。
6 PANコントロール
こ のノブには2つの働きがあります。録音時にはGROUPASSIGNスイッチと併 用して、インプットチャ ンネルの信号を奇数トラックまたは偶 数トラックに割り振るのに使 用します。ミッ クス ダウン時には、ステ
レオ ミックス内での信 号のパン(左右の位置)を設定するのに使用します。
第2 章 各部の名称と機能
7 GROUPASSIGNスイッチ
インプットチャンネルの信号 をグループにアサ インする(送る)スイ ッチです。これらのスイッチは、PANコント ロールと組み合わせて使用します。たとえばGROUPASSIGN[1-2]スイ ッチがオンで、PANコントロ ールが中 央の位置に設定 されている場合、そのチ ャンネル の信号はグループ1と2に均等に送られ ます。ただしPANコ
ント ロ ールを左方向(L/ODD)に回 しきっ た場合 は 、そのチャンネルの信号がグループ1のみに送られます。同 じよ う に右方向に回しきった場合は、グループ2のみに送 られます。GROUPASSIGN[3-4]スイ ッチがオンの ときも同様にはたらき ます。
8 SIGNAL/PEAKインジケーター
SIGNALインジケーターは、信号がインプットチャンネ ルに 送られて いることを表 示します。このイ ンジケーター
は、ノミナルレ ベ ル (−10dBm)より約10dB低いレベルで点灯します。
PEAKインジケーターは、信号がクリップ レベルより約3dB低いレベルに達したときに 点 灯します。 入力信号の
レベルが最大のときにPEAKインジケーターが瞬間的に点滅するように、GAINコントロールを調 整し てくださ
い。また、GAINコントロール のな いインプット チャンネ ル5〜8 につい ては 、音源側の出力レベル を 調整してくだ さい。
9 フェーダー
このフェーダーには2つの働きがあり ます。録音時には、トラックに 録 音されるインプットチャンネルの信号レベ
ルを調整します。ミッ ク ス ダウン時には、それぞれの インプットチャンネルに送られる信 号の音量バランスを調
整します。フ ェーダーが目盛り7と 8の間にあ るときに、最良の性能が得られます。
5
1
2

ステレオインプット

9-10 11-12 13-14
ST-INPUT
0
1
3
10
2
4
ST-INPUT
010
1
3
010
1
2
3
4
ST-INPUT
1 STINPUTコントロール
ステレオ入力端子から の信号のレベルを 調整します。これらの端子から入 力された信 号はステレオバスに送られ、他の信号とミックスされます。 また GROUPASSIGNスイッチと組み合わせて、グルー プに送られるステレオ 入力端子の信号のレベルも調整します。
2 GROUPASSIGNスイッチ
ステレオ入力端子から の信号を各グ ループへアサインする スイッチです。 左チ ャンネルの信号は奇数グル ープ(グループ1/3)、右チ ャンネルの信号 は偶数グループ(グループ2/4)へ送られます。ステレオ入力端子は、外部
2
4
ミキサーやエフェクターからのステレオ出力に接続 するこ とも可能です。な
おステレオ入力端子からの信号は、このスイ ッチの設定とは無関係にステ
レオバス に送られて ミックスされます。
MT8XII−取扱説明書
第2 章 各部の名称と機能
6
1
2

マスター部

GROUP
MASTER
010
GROUP 1
010
GROUP 2
010
GROUP 3
010
GROUP 4
CUE MIX
TO STEREO
TAPE IN
010 MIX LEVEL
TAPE IN
1 3
GROUP
2 4
STEREO
MONITOR
SELECT
MIN MAX
MONITOR LEVEL
ON OFF
CUE
TO MONITOR
TO STEREO
1 GROUPMASTERレベルコントロール
各トラックに送られるグループ信号のレベルを調整します。
2 CUEMIXTOSTEREOスイッチ
キューバスの信号をステレオバスに送るスイッチです。 通常はミックス
4
ダウ ン時に利用します。
3 STEREOフェーダー
5
STEREO OUT端子に送られるステレオ信号のレベルを調整する
フェーダーです。フェ ーダー が目盛り7 と8の間にあるときに、 最良の性能
が得られます。
4 TAPEINMIXLEVELコントロール
6
TAPEINスイッチをTOSTEREOに設定したときに、 ステレオバスに入 る、TAPEIN信号のレベルを調整します。
5 TAPEINスイッチ
TAPEIN信号をステレオバスまたはモニターに送ります。
)を選択すると、ミックスダウン 中 の ステレオマ ス
)を選択すると、TAPEINからの入力信号をステレ
で調整します。
7
TOMONITOR(
ターレコーダーをモニターできます。
TOSTEREO( オバス にミックスできます 。ミックスレベルはTAPEINMIXLEVELコ
ントロール
4
3
10
9 8 7 6
5 4
3 2
1 0
STEREO
注: TAPEIN/OUT端子を経由して録音を行なう場合は、TAPE
INスイッチがTOMONITORに設定されていることを確認し てください。TOSTEREOに設定された状態で録音しようとす
10 9
8 7 6
5 4
3 2
1 0
6 MONITORSELECTスイッチ
ると信号がループして発振音が発生します。
MONITOROUT端子に送られる信号とヘッドフォンでモニ タ ーする 信 号のソースを次の3種類の中から選択します 。
GROUP ......... モニター用ソースとしてグループバスを選択します。各
トラックにアサ インされ た 信 号をモ ニター できます。
GROUP[1-3]または[2-4]のいずれか一方のスイッチ を押すと 、モニター 信号はモ ノラルとな り ます。ステレオ の信号を モニタ ーす るには両方のス イッチを押してく だ さい。
STEREO ........ モニター用ソースとしてステレオバスを選択します。
STEREOOUT端子に出力される信号をモニターでき、
通常はミックスダウン時に 使 用します。
CUE ............... モニターソースとしてキ ュ ーバスを選び ま す。各トラック
からの信号がモニターでき、パンチイ ン/アウト時に便利 です。
7 MONITORLEVELコントロール
MONITOROUT端子とヘッドフ ォ ンに送られる信号のレベルを調整す るノブです。
MT8XII−取扱説明書

ディスプレイ

第2 章 各部の名称と機能
1 2 3
7
COUNT
dbx
SYNC
IN
OUT
MEMO
1
2
REPEAT
TAPE
+9 +6 +3
0dB
3
61020
REC
12345678
0dB
1020
+9 +6 +3
36
L R
0954 6 7 8
1 テープカウンター
テープの現在位置を表示します。
2 トラックレベルメーター
各トラックの録音/再生レベルを基準レベルに対して−20dB〜+9dBの8段階で表示します。[STOP]キーを押
しながら[RESET]キーを押すとピークホールド機能のオン/オフができます。テープが挿入されていない場合
は、各グループの信号レベルが表示されます。
3 ステレオレベルメーター
STEREOOUT端子に出力される信号レベルを基準レベルに対して−20dB〜+9dBの8段階で表示します。
[STOP]キーを押しながら[RESET]キーを押すとピークホールド機能のオン/オフができます。
4 dbxインジケーター
dbxノイズリダクションシステムがオンの と き 、このイ ンジケータ ーが点灯 します。
5 SYNCインジケーター
シンクがオンの と き、このイ ンジケー ターが点灯します。FSKによる同期 の場合は常時点灯し、SMPTEによる同 期の場合は点滅します。
6 IN/OUTインジケーター
オートパンチイ ン/ア ウト操作の進行状況を表示します。
7 MEMO1/2
MEMO1と2の位置を設定すると、3回点滅した後このインジケータ ーが点灯しま す。
8 REPEATインジケーター
リピート再生が オンの場合、またはオー ト パ ンチイン/アウトリハーサ ルリピート機能がオンのとき に点灯します。
9 TAPEインジケーター
テ ープを挿入すると点灯します。またテープが挿入されていない状態でトランスポート 部のキーを押すと 、この インジケーターが点滅し、テープが入っていないことを知らせます。
0 トラック選択インジケーター
録音用に選択したトラックを表 示します。
トラックを選択すると点滅し、録音やリハーサル中は点灯します。
MT8XII−取扱説明書
第2 章 各部の名称と機能
8

トランスポート部

4
3
2
1
5 6
TAPE SPEED REC SELECT
0
+
AUTO PUNCH I/O
CLEARSYNC
REC/PAUSE
VARI FIX
1
1
GROUP
5
CHECK REPEAT
2
2
6
RESET
MEMO 1
MEMO 2
3
3
7
RTZ
LOC 1
LOC 2
FF STOPREWPLAYREHE
4
4
8
7
8
9
0
PHONES PUNCH I/O
A
1 CLEARキー
MEMO1/2ロケートポイント を解除します。また、オートパ ンチイン/アウト機能がオンの場合は、パンチイン/アウ
トポイントを解 除し、 メモリーポイントの設 定は 解 除しません。
2 SYNCキー
トラック8のdbxノイズリダク ションをオフにします。トラック8にFSK同期信号やSMPTE同期信号を録音すると
き、および トラック8の同期信号を再生するときに使います。シンク機能がオンになると、ディスプレイ上のSYNC
インジケーターが点灯および点滅します。
3 dbxキー
dbxノイズリダク シ ョンシステムのオン/オフを切り 替えます。dbxをオンにすると、ディスプレイ上のdbxインジケー
ターが点灯します。MT8XIIの電源投入時には、自動的にdbxシステムがオンになります。
4 AUTOPUNCHI/Oキー/インジケーター
オート パ ンチイン/ア ウト機 能のオン/オフを切り替えます。オンにする と、 すぐ横 のインジケータ ーが点灯します。
5 TAPESPEEDコントロール/スイッチ/インジケーター
これらのコ ントロール 類は、 テープ速度の調整に使用します。標準速度に固定した場合(固定モード)は緑の
FIXインジケーター、可変に設定した場合(可変モード)は赤のVARIインジケータ ーが点灯します。回転ノブ は可変モードでの テープ速度の増減に、その横のスイッチは固定モー ドまたは可変モードの選択に使用しま す。
MT8XII−取扱説明書
第2 章 各部の名称と機能
6 RECSELECTキー
録音トラックを選 択します。 録音するトラックを選 択 すると、ディスプレイ上で該当するトラック選 択 インジケー
ターの周り に丸印が点滅します。MT8XIIでは最高4トラックまで同時録音が可能です 。なお同じRECSELECT
キーを共有するトラック( たとえばトラック1と5 、 あるいはトラック3と7 ) は同時には録音できません。
7 CHECKキー
MEMO1/2のロケートポイントの位置を確認します。[CHECK]キーを押 したま ま[MEMO1]または[MEMO2]
を押すことで該当するロケートポイントが確認できます。確認中には、ディスプレイ上で該当するMEMOイン
ジケーターが点滅します。
8 RTZ/LOC1/LOC2キー
RTZ(ReturnToZero)キー .........テープを00:00の位置に巻戻します。
LOC1/LOC2キー..........................MEMO1/MEMO2のロケートポイントを 検 索します 。 検索中は、ディスプレ
イ上で該当するMEMOインジケー ターが点滅します。
9 REPEATキー
MEMO1-2リピート機能と、オー トパンチイン/ アウトリハーサルリ ピート機能のオン/オフを切 り替えます。リピー
ト機能をオンにする と、ディスプレイ上でREPEATインジケーターが点灯します。すでにMEMO1とMEMO2の
両方のポイントが設定されている場合に[REPEAT]キーを押すと 、即座にMEMO1-2リピート再生が始まりま す。MEMOポイントが1つだけ設定されている場合は、0:00の位置とそのMEMOポイント間でのリピート再生
となり ます。リピート機能は16回繰り返した後に停止します。
オート パ ンチイン/ア ウト機 能でパンチイ ン/アウトポイントを設定してから[REPEAT]キーを押すと、オー トパン チイン/アウトのリハーサルリピートが始ま ります。
9
0 RESET/MEMO1/MEMO2キー
RESETキー............................. テープカウンターを00:00にリセットします。
MEMO1/MEMO2キー.......... MEMO1/MEMO2ロケートポイントを保存 します。MEMOポイントを保存する
と、該当するMEMOインジケーターがディスプレイ上で3回点滅してから点灯
に変わります。MT8XIIの電源をオフにすると、MEMOポイントは失 わ れます。
A テープトランスポートキー
REHEキー......リハーサルポーズモードに入るときに 押します。 録音トラックが選択されていな いときにこのキー
を押すとREHEインジケーターが点滅し、録音トラックが選択されているときには 点 灯します。
[PLAY]キーを押す と 、リハーサルが始まります。
REC/PAUSEキー.......録音ポ ーズモードに入ると きに押します。 録音トラックが選択されていないときにこの
キーを押すとRECインジケーターが点滅し、録音トラックが 選 択され て いるときには点
灯します。[PLAY]キーを押す と 、録音が始まります。また、録音中にこの キー を押すと、 録音がポーズ状態となります。録音を再開するには[PLAY]キーを押 します。
PLAYキー...... 再生、リハーサル、録音を開始するときに押します。 また、リハーサルや録音のキ ャンセルにも
使います 。この場合は、[PLAY]キーを押した時点 から 通常 の 再生に入ります。再生中はPLAY
インジケータ ーが点灯します。
REWキー....... テープを巻戻すときに押します。 1秒以上押さえたままにすると、巻戻し速度が速くなります。も
う一度[REW]キーを押すと、通常の巻戻し速度に戻ります。
FFキー............ テープを早送りするときに押します。 1秒以上押さえたままにすると、早送り速度が速くなります。
もう一 度 [FF]キーを押すと 、通常の早送り速度に戻ります。
STOPキー...... 再生、巻戻し、早送り、リハーサル、 録音の各操作を停止するときに押します。
また[STOP]キーを押 しながら[RESET]キーを押すと 、レベルメーターのピークホールド機能
のオン 、オフができます。
MT8XII−取扱説明書
第2 章 各部の名称と機能
10

リアパネルの接続端子

1
STEREO INPUT (UNBAL)
13 12 11 10 9
AUX SEND
21
RL RL
STEREO OUT
RL
POWER
ON/ OFF
14
RL
AC IN
2 3 456
1 STEREOINPUT(UNBAL)9〜14端子
電子楽器そ の他ステレオ出力のラインレベル機器 を接続する1/4インチのフォン端子です。外部エフェク ター からエフェ クトをかけたステレオ信号を戻す場合にも利用できます。エフェクトをかけた信号はMT8XIIのステ
レオバスにミ ックスしたり、 各トラックに録音することができます。
2 POWERON/OFFスイッチ
MT8XIIの電源のオン/オフを切り替えます。
MONITOR OUT
RL
3 ACIN
電源コードを接続します。
4 AUXSEND端子
AUXセンド信号を外部エフ ェクターに送るのに使用する1/4インチのフォン端子です。この端子はエフェク ター の入力端子に接続してください。
5 STEREOOUT端子
最終ミックスの録音用にステレオマスターレコーダ ーを接続するRCAピン端子です。マスター レコ ーダーに は DATレコーダー、MiniDiscレコーダー、カセットテープデッキなどが利用できま す。マスター レコーダーのステレ オ入力端子に接続してください。
6 MONITOROUT端子
モニター信号をモニターアンプやスピーカーに送るためのRCAピン端子です。モニターアンプのス テレオ入 力に接続しま す。PHONES端子から出される信号と同じ信号をモニターできます。
MT8XII−取扱説明書
第2章 各部の名称と機能
OUT
SYNC INPUT LEVEL
IN +48V ON OFF
PHANTOM POWER
87
6
5 4 3 INSERT I/O 2 INSERT I/O 1
MIC/LINE INPUTLINE INPUT (UNBAL)
RL
TAPE IN
8765 4321
21
TAPE OUT / GROUP OUT
MIC/LINE INPUT (BAL)
1:GND 2:HOT
DC48V MAX. 7mA
3:COLD
DC48V MAX. 7mA
7 8 9
DA B C
0
11
7 LINEINPUT(UNBAL)5〜8端子
電子楽器その他のラインレベル機器を接続する1/4インチのフォン端子です。
8 MIC/LINEINPUT3/4端子
マイク、電子楽器、その他ラインレベルの機器を接続する1/4インチフォン端子です。
9 INSERTI/O端子
インプットチ ャ ンネル1または2に専用のエフ ェ ク タ ー をインサート接続するTRSフォン端子です。通常はコンプ
レッサー、リミッター、ノイズゲ ートなどを接 続します。 インサート ケーブルの配線図は36ページをご覧ください。
0 MIC/LINEINPUT(BAL)1/2端子
バランス型のコンデンサーマイクやバランス出力の ラ インレベル機器を接続します。アンバランス出力も ここ
に接続できます。インプットチャンネルごとにXLR端子とTRSフォン端子が用意されています。両方の端子にプ ラグが接続されている場合は、フォン端子が優先されます。このためXLR端子を使用したいときは、 必ずフォ ン端子か ら プ ラ グ を外 してください。コ ンデンサーマイ ク を使用する場合は、XLR端子に装備されたファンタム
電源が利用できます。コンデンサーマイクを使用しな い場合は、 必ずPHANTOMPOWERON/OFFスイッチ
Dをオフに設定して くださ い。
A TAPEIN端子
ステレオマスターレコーダーの出力を接続するRCAピン端子です。マスターレコーダーにはDATレコーダー、
MiniDiscレコーダー、カセットテープデッキなどが使用できます。この端子はマスタ ーレ コーダ ー のステ レ オ出
力端子に接続してください。ミックス ダウ ン中にステレオマスター レコーダーの出力をモニターする場合は、
TAPEINスイッチをTOMONITOR(
TAPEINスイッチをTOSTEREO(
)に設定 します。また、TAPEIN信号をステレオバスに送る場合は、
)に設定します。
MT8XII−取扱説明書
第2 章 各部の名称と機能
12
B TAPEOUT/GROUPOUT端子
テープの各トラックの再生信号を外部のミキサーに送るRCAピン端子です。MT8XIIをサブミキサーと組み合 わせて使用するときに便利です。この端子を外部ミ キサーのライ ン入力端子に接続してください。
MT8XIIが録音/再生中でないときは、グループ信号が出力されます。最高4系統のグループ信号を同時出 力できます。グループ信号を出力するには、[RECSELECT]キーで録音トラックを選択することが必要です。
グループ信号1〜4はGROUPOUT1〜4またはGROUPOUT5〜8から出力します。これは各[RECSELECT]
スイ ッチで設定します。たとえばRECSELECTキー[2]を押すとグループ信号2がGROUPOUT2から出力さ れ、RECSELECTキー[6]を押すとグループ信号2はGROUPOUT6から出力されます。
C SYNCIN/OUT端子/INPUTLEVELコントロール
FSK同期信号やSMPTE同期信号を接続する、RCAピン端子です。INPUTLEVELコント ロールは、トラック8
に録音される同期信号の録音レベルを調整します。
D PHANTOMPOWERON/OFFスイッチ
チャンネル1と2に用意されたXLRタイプのMIC/LINE端子(バランス)のファ ンタ ム電源のオン/オフを切り 替え
ます。ファ ンタム電源は、コ ンデ ンサーマイクに電源を送るためのものです。コンデ ンサーマイク以外の機器を
接続している場合は、必ずフ ァンタム電源をオフにして くださ い。

フロントパネル接続端子

1
1 PHONES端子
モニ ター用ヘッドフ ォ ンを接続します。MONITOROUT端子から出力される信号と同じ信号をモニターできま す。
2 PUNCHI/O端子
ヤマハFC5などのフットスイ ッチ(オプ ション)を接続する端子です。パンチイ ン/アウトを 足 元 でコントロールで
きます。
2
MT8XII−取扱説明書

第3章 最初の録音

この章では、MT8XIIを使った初めての録音やミッ クスの手順を説明します。マル チトラックレコーダーを使う
のが初めての方は、本章をよくお 読 みに なり、その手順 にそって操作することをお勧めします。また、次の章か らはさらに高度なMT8XIIの機能について説明しており、基本操作に関する知識と、マルチトラック録 音のテ
クニックが必要となりますので、本章を読み終えてからお進みください。

電源コードの接続

1. 電源コードがMT8XIIのリアパネルにあるACIN端子にしっかり接続されていることを確認 してください。
2. 電源コードのプラグを適切なコンセントに差し込んでください。

電源の投入

1. MT8XIIのリアパネルにあるPOWERスイッチを押してください。ディスプレイが点灯しま す。
もう一度押すと、電源がオフになります。
第3章 最初の録音
13
POWER
ON/ OFF

カセットテープの挿入

テープを挿入する前に、テープにたるみがないかどうかを確認してく ださい。
1. カセット挿入口のカバーを開けてください。
2. テープのA面を上に向けてテープをしっかりと挿入してください。正しく挿入されたかを確 認してください。
ディスプレイ上のTAPEインジケーターが点灯 します。
3. カセット挿入口のカバーを閉めてください。
新しいテープの場合は、一度早送りしてから 巻戻 してください。これはテープの製造時にきつく巻かれすぎた
ことが原因でテープが走行中にひっかかるのを防ぐためです。
4. [PLAY]キーを押して再生を始め、約20秒ほどで停止させてください。
テープの最初と最後の20秒ほどには録音しない方が良いでしょう。リーダーとテープの間の継ぎ目が原因で 歪みが生じることがあるからです。
5. [RESET]キーを押して、テープカウンターを00:00にリセットしてください。
これで準備が整いました。
MT8XII−取扱説明書
第3 章 最初の録音
14

必要な機器

次の図は、MT8XIIの録音に必要となる基本的な機器を表したものです。
ドラムマシン
シンセサイザー
ギターエフェクト
電源
14
13 12 11 10 9 8 7
RL21RLRL
AUX SENDRLSTEREO OUTRLMONITOR OUTRLTAPE IN
POWER
AC IN
ON/ OFF
モニターアンプ
5 4 3 INSERT I/O 2 INSERT I/O 1
6
TAPE OUT / GROUP OUT
8765 4321
OUT
IN +48V ON OFF
SYNC INPUT LEVEL
マスターレコーダー
MIC/LINE INPUTLINE INPUT (UNBAL)STEREO INPUT (UNBAL)
PHANTOM POWER
MIC/LINE INPUT (BAL)
21
マイク
1:GND 2:HOT 3:COLD
ヘッドフォン
MT8XII−取扱説明書
モニター
この図のマイ ク、シンセサイザー、ギターは、MT8XIIに接続可能な音源の種類を表すための例です。モニタ リングには、ヘッドフ ォ ンまたはモニターアンプとスピーカーのどちら も使用できます。さらに 、 オーディオシステ
ムのアンプとスピーカーを流用するこ と も可能です。マスター レコーダーは、ミックスダウン時に必要です。
第3章 最初の録音
 15

最初のトラックの録音

1. 音源をMIC/LINEINPUT端子1に接続してください。
2. インプットチャンネル1の[FLIP]スイッチをMIC/LINE( )の位置に設定しててください。
3. SIGNALインジケーターがほぼ常時点灯し、レベルが最大のときにPEAKインジケーターが 瞬間的に点灯するように、GAINコントロールを調整してください。
GAINコントロールの適切な設定は非常に重要です。設定が低すぎるとノイズの多い録音になり、設定が高す
ぎると歪みが生 じてしま い ま す。
ヒント: 音源のレベルの変動が大きくて、GAINコントロールを最適に設定するのがむずかしい場合は、
外部のコンプレッサーを使って信号レベルを均等化させるといいでしょう。
4. インプットチャンネル1のGROUPASSIGN[1−2]スイッチを押してください。
これでチャンネル1の信号がグルー プ1と2 にアサインされ ます。
次の表はグル ープとトラックの 関 係を 表したもの で す 。
アサイン先 該当トラック
グループ1 トラック1 かトラック 5 グループ2 トラック2 かトラック 6 グループ3 トラック3 かトラック 7 グループ4 トラック4 かトラック 8
5. PANコントロールをL/ODD(左)に回しきってください。
これで信号がグループ1のみに送られます。
次の表はPANコントロールの設定と送り先のグループとの関係 を 表したものです。
GROUPASSIGN PAN 該当グループ
12
34
12
34
ODD
ODD
L
R EVEN
L
R EVEN
グループ1
グループ3
グループ2
グループ4
6. MONITORSELECT[CUE]スイッチを押してください。
モニターソースがCUEに設定されます。
7. MONITORLEVELコントロールを中くらいの位置に設定してください。
8. GROUP1MASTERレベルコントロールを中くらいの位置に設定してください。
9. RECSELECT[1]キーを押してください。
トラックインジケーター1の周りの丸印が点滅します。
10. インプットチャンネル1のフェーダーを目盛り7〜8の位置まで上げてください。
トラック1のメーターに信号のレベルが表示されます。
MT8XII−取扱説明書
第3 章 最初の録音
16
11. インプットチャンネル1のCUELEVELコントロールを中くらいに設定してください。
これで音源が聴こえるはずです。何も聴こ えない場合は、ここまでの手順が適切 かどうかを確か めてください。
12. 音源を最大レベルで鳴らしたときに+9dBのインジケーターが点灯するように、GROUP1 MASTERレベルを調整してください。
dbxノイズリダクショ ンシステムを使用しない場合は、最大レベルで+3dBのインジケーターが点灯するように 設定してください。
GROUPMASTERレベルコントロールの適切な設定は非常に重要です。設定が低すぎるとノイズの多い録 音にな り、設定が高すぎると歪みが生じてしまいます。
13.[REC/PAUSE]キーを押してください。
REC/PAUSEインジケーターが点灯します。選択したトラックの周りの丸印が点滅から点灯に変わり、MT8XII が録音ポーズモードとな り ます。
これで録音準備ができました。あとは[PLAY]キーを押すだけです。演奏を開始できる 状態にあることを確認
してください。また、録音ポーズモードをキャンセルして停止状態に戻す場合は、[STOP]キーを押 して くださ
い。
14. 録音を開始するには、[PLAY]キーを押してください。
録音が始まると、テープカウンターに録音時間が表示されます。
15. 録音を停止するには、[STOP]キーを押してください。
これで最初のトラックが録音できました。
最初のトラックを聴いてみる
1. [RTZ]キーを押してテープを00:00の位置まで巻戻してください。
2. [PLAY]キーを押して再生を始めてください。
これ でトラック1に 録 音され た 内 容を 聴くことが できるは ずで す 。必要に応じてCUELEVELコントロールでモ
ニター レベルを 調整してください。何も聴こえない場合は、ここまでの手順が適切 かどうかを確認してください。

オーバーダビング

「オーバーダビ ン グ」とは、すでに録音されて いるトラックの再生音を聴きながら、別のトラックに新 しい音を 録
音するテクニックです。ト ラ ッ ク2〜8まで次の手順でオーバーダビングしてみま しょ う。
1. 前回録音したインプットチャンネルのフェーダーを0の位置まで下げて、GROUPASSIGNス イッチをオフにしてください。
2. 前回録音したトラックの[RECSELECT]キーを押して録音モードを解除してください。
トラックインジケーターの周りで点滅していた丸印が消えます。
3. [RTZ]キーを押してテープを00:00の位置まで巻戻してください。
4. MIC/LINEINPUT端子に音源を接続してください。
5. [FLIP]スイッチをMIC/LINE( )に設定してください。
6. SIGNALインジケーターがほぼ常時点灯し、レベルが最大のときにPEAKインジケーターが
MT8XII−取扱説明書
瞬間的に点灯するように、GAINコントロールを調整してください。
なおインプットチャンネル5〜8を使用するときは、 GAINコントロール がないため、 音源側の出力レベルを調整
してください。
Loading...
+ 45 hidden pages