Yamaha MG8, 2FX operating instructions

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MIXING CONSOLE
MIXING CONSOLE
取扱説明書
取扱説明書
ステップアップガイド
−ミキ サ ーを 最大限に活用する− (P7〜P17)
JA
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水に注意
異常に気づいたら
ご使用の前に、必ずこの「安全上のご注意」をよくお読みください。
ここに示した注意事項は、製品を安全に正しくご使用いただき、お客様や他の方々への危害や財産への損害を未然 に防止するためのものです。必ずお守りください。
お読みになったあとは、使用される方がいつでも見られる所に必ず保管してください。
記号表示について
この製品や取扱説明書に表示されている記号には、次のような意味があります。
「ご注意ください」という注意喚起を示します。
 〜しないでくださいという「禁止」を示します。 
「必ず実行」してくださいという強制を示します。
「警告」と「注意」について
以下、誤った取り扱いをすると生じることが想定される内容を、危害や損害の大きさと切迫の程度を明示するため に、「警告」と「注意」に区分して掲載しています。
警告
電源 / 電源コード
電源は必ず交流 100V を使用する。
エアコンの電源など交流 200V のものがあります。誤って接続 すると、感電や火災のおそれがあります。
必ず実行
電源アダプターは、必ず指定のもの(PA-10)を使用する。
故障、発熱、火災などの原因になります。
必ず実行
電源コードをストーブなどの熱器具に近づけたり、無理に曲げた り、傷つけたりしない。また、電源コードに重いものをのせない。
電源コードが破損し、感電や火災の原因になります。
禁止
分解禁止
この 機器の内 部を 開けたり、内部 の部品を分解 したり改造したりし
ない。
禁止
感電や火災、けが、または故 障の原 因に なります。異常 を感じた 場合
など、点検や修理は、必ずお 買い上 げの販売店ま たは巻末のヤマハ電
気音響製品サ ービス拠点にご依頼 ください。
この表示の欄は、「死亡す る可能性または重傷を負 う可能性が想定される」 内容です。
警告
禁止
禁止
必ず実行
必ず実行
この表示の欄は、「傷害を 負う可能性または物的損
注意
害が発生する可能性が想 定される」内容です。
この機器の上に花瓶や薬品など液体の入ったものを置かない。ま た、浴室や雨天時の屋外など湿気の多いところで使用しない。
感電や火災、または故障の原因になります。
濡れた手で電源プラグを抜き差ししない。
感電のおそれがあります。
電源コードやプラグがいたんだ場合、または使用中に音が出なく なったり 異常なにおい や煙が 出たりした場 合は、すぐに電 源ス
イッチを切り、電源プラグをコンセントから抜く。
感電や火災、または故障のおそれがあります。至急、お買い上げの 販売店または 巻末のヤマハ電気音響製品 サービス拠点 に点検を
ご依頼ください。
この機器や電源アダプターを落とすなどして破損した場合は、す ぐに電源スイッチを切り、電源プラグをコンセントから抜く。
感電や火災、または故障のおそれがあります。至急、お買い上げの 販売店または 巻末のヤマハ電気音響製品 サービス拠点 に点検を
ご依頼ください。
MG8/2FX
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電源 / 電源コード
接続
使用時の注意
注意
必ず実行
必ず実行
必ず実行
禁止
設置
必ず実行
長期間使用しないときや落雷のおそれがあるときは、必ずコンセ ントから電源プラグを抜く。
感電や火災、故障の原因になることがあります。
電源プ ラグ を抜 くと きは、電源 コード を持 たず に、必ず電源プ
ラグを持って引き抜く。
電源コードが破損して、感電や火 災の原因になることがあります。
電源アダプターは、この機器から 50cm 以上離す。
この機器に雑音が生じる場合があります。
電源アダプターは、布や布団で包んだりしない。
熱がこも ってケ ースが 変形し、火災の原因に なるこ とがあ りま す。
この機器を移動するときは、必ず電源コードなどの接続ケーブル をすべて外した上で行なう。
コードをいためたり、お客様や他の方々が転倒したりするおそれ があります。
必ず実行
禁止
禁止
禁止
他の機器と接 続する場合は、すべての電源を切っ た上で行なう。 また、電源 を 入 れた り 切っ たりする前に、必ず機器の音量(ボ
リューム)を最小にする。
感電、聴力障害または機器の損傷になることがあります。
この機器のパネルのすき間に手や指を入れない。
お客様がけがをするおそれがあります。
この機器のパ ネルのすき間 から金属や紙 片などの異物 を入れな い。
感電、ショート、火災や故障の原因になることがあります。入った 場合は、すぐに電源ス イッチを切り、電源プラグをコンセ ントか
ら抜いた上で、お買い上げの販売店または巻末のヤマハ電気音響 製品サービス拠点に点検をご依頼ください。
大きな音量で長時間ヘッドフォンやスピーカーを使用しない。
聴覚障害の原因になります。
禁止
禁止
禁止
禁止
イコライザーやフェーダー( コントロール ) をすべて最大には設 定しない。
接続した機器によっては、発振したりスピーカーを破損したりす る原因になることがあります。
直射日光のあ たる場所(日中の車内など)やストーブの近 くなど 極端に温度が 高くなると ころ、逆に 温度が極端 に低いところ、ま
た、ほこりや振動の多いところで使用しない。
この機器のパネルが変形したり、内部の部品が故障したりする原 因になります。
不安定な場所に置かない。
この機器が転倒して故障したり、お客様や他の方々がけがをした りする原因になります。
テレ ビ やラ ジ オ、ステレオ、携 帯電 話な ど他 の電 気製 品 の近
くで使用しない。
この 機器 また はテ レビ や ラジ オな どに 雑音 が生 じる 場 合が
あります。
禁止
この機器の上 にのったり 重いものを のせたりしな い。また、ボタ ンやスイッチ、入出力端子などに無理な力を加えない。
この機器が破損したり、お客様や他の方々がけがをしたりする原 因になります。
MG8/2FX
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XLR タイプコネクターのピン配列は、以下のとおりです。(IEC60268 規格に基づいています) 1:シールド(GND)、2:ホット(+)、3:コールド(−)
INSERT I/O 端子のフォーンジャックのピン配列は以下のとおりです。 Tip:OUT、Ring:IN、Sleeve:GND
● 不適切な使用や改造により故障した場合の保証はいたしかねます。
使用後は、必ず電源スイッチを切りましょう。
電源スイッチを切った状態(電源スイッチが「STANDBY」の状態)でも 微電流が流れています。スタンバイ時の消費電力は、最小限の値で設計されています。こ の製品を長時間使用しないときは必ず電源プラグをコンセントから抜いてください。 スイッチ、ボリュームコントロール、接続端子など の消耗部品は、使用時間により劣化しやすいため、消耗に応じて部品の交換が必要になります。消耗部品の交
換は、お買い上げの販売店または巻末のヤマハ電気音響製品サービス拠点にご相談ください。
■ 音楽を楽しむエチケット
楽しい音楽も時と場所によっては、大変気になるものです。隣近所への配慮を十分にいたしましょう。静かな夜間には小さな音でもよくと おり、とくに低音は床 や壁などを伝わりや すく、思わぬところで迷 惑をかけてしまうこ とがあります。夜間の演 奏にはとくに気を配 りま しょう。窓を閉めたり、ヘッドフォンをご使用になるのも一つの方法です。お互いに心を配り、快い生活環境を守りましょう。
ヘッドフォンをご使用になる場合は、耳をあまり刺激しないよう適度な音量でお楽しみください。
* 本書に記載されている会社名および商品名は、各社の登録商標および商標です。
* この取扱説明書に掲載されているイラストは、すべて操作説明のためのものです。したがって実際の仕様と異なる場合があります。
市販の音楽 / サウンドデータは、私的使用のための複製など、著作権上問題にならない場合を除いて、権利者に無断で複製または転用することが禁じら れています。ご使用時には、著作権の専門家にご相談されるなどのご配慮をお願いいたします。
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はじめに

はじめに
このたびは、YAMAHA ミキシ ングコンソール、MG8/2FX をお買い求めいただきまして、まことにありがとうございます。 MG8/2FX は、軽量コンパクトながら、最大 8 チャンネルのインプットができます。また、高品位デジタルエフェクトを内蔵 していますので、本格的な音作りが実現できます。
MG8/2FX の優れた機能を十分に発揮させるとともに、末永くご愛用いただ くために、この取扱説明書をご使用の前に必ずお 読みください。お読みになったあとは、保証書とともに保管してください。
目次
はじめに 5
目次 ................................................................................................ 5
特長 ................................................................................................ 5
電源の準備 ....................................................................................6
電源を入れる ................................................................................ 6
ステップアップガイド 7
1. ミキサーの基礎知識.............................................................. 7
2. 入力された信号の流れ....................................................... 11
3. 「クリアなミックス」にするためのレベル調整 .............. 12
4. 音に変化をつける............................................................... 14
5. より良いミックスのためのノウハウ................................ 15
6. MG8/2FX の内蔵エフェクターを使う .......................... 17
各部の名称と機能 18
チャンネルコントロール部 ......................................................18
マスターコントロール部 ..........................................................19
入出力部 .....................................................................................20
リア部 ......................................................................................... 21
特長
インプットチャンネル ........................... 20 ページ
最大4 つのマイク/ ライン入力や、最大3つのステレオ入力に対応 しています。たとえば、マイク 2 本、ステレオ機器 3 台を接続し たり、マイク 4 本、ステレオ機器 1 台を接続したりするなど、マ イクからラインレベル機器、ステレオ出力のシンセサイザーまで 幅広い機器を組み合わせて使用できます。
ファンタム電源 (+48 V) ...................... 19 ページ
PHANTOM スイッチをオンにすると、マイク入力端子に一括し てファンタム電源を供給することができます。外部電源の必要な コンデンサーマイクも手軽に接続できます。
高性能デジタルエフェクト ..................... 19 ページ
内蔵のエフェクトを 使用すると、MG8/2FX だけでもバ リエー ション豊かな音作りができます。EFFECT SEND 端 子も装備し ていますので、外部エフェクターも使用できます。
外部エフェクターにセンド ..................... 21 ページ
EFFECT バスの信号を EFFECT SEND 端子から外部のエフェク ターに送ることができます。また、RETURN 端子を利用すると、 ステレオ信号を戻すことができます。
セットアップ 22
セットアップにあたって ..........................................................22
セットアップ例 ......................................................................... 22
マイクスタンドへの固定 ..........................................................23
付録 24
仕様 ............................................................................................. 24
寸法図 ......................................................................................... 26
ブロック / レベルダイアグラム .............................................. 27
マイクスタンド..................................... 23 ページ
別売のアダプター(BMS-10A)を使用して、本機をマイクスタ ンドに取り付けることができます。用途に応じて、いろいろなセッ トアップに対応できます。
MG8/2FX
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はじめに

電源の準備

本体の電源スイッチが切れている(「STANDBY」の状態)こ
1
とを確認します。
電源アダプターは、付属 の電源アダプター (PA-10) をご使 用ください。 ほかの電源アダプターの使用は故障、発熱、発火などの原因 になります。このようなときは、保証期間内でも保証いたし かねる場合がございますので、十分にご注意ください。
電源アダプターのコネクターをリアパネルのAC ADAPTOR
2
IN (電源アダプター接続)端子に差し込んだあと (1)、固定 リングを時計回りにまわして固定します (2)。
2
1

電源を入れる

電源スイッチを「ON」側に押すと電源が入ります。
「STANDBY」側に押すと電源が切れます。
電源スイッチが「STANDBY」の状態でも微電流が流れてい ます。 本機を長時間使用しないときは、必ずコンセントから電源ア ダプターを抜いてください。
電源アダプターのプラグを家庭用 (AC100 V) コンセントに
3
しっかり差し込みます。
本機を使用しないときや落雷の恐れがあるときは、必ずコ
ンセントから電源アダプターを抜いてください。
電源アダプターは、本機から50cm 以上離してご使用くだ
さい。電源アダプターと本機を近づけた状態でご使用にな ると、ノイズが生じる場合があります。
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ステップアップガイド

■ミキサーを最大限に利用する
せっかく手に入れたミキサ ーをフル活用しな い手はない!ミキサーを触るの が初めてでも、読み終えれば「脱ビギナー」。このステップアップガイドでは、 ミキサーの基本的な知識か ら、本機を使ってより 良いパフォーマンスを得る ためのノウハウ、効果的なミックス方法について説明しています。
* ミキサーのセットアップ例について詳しくは、P22 の「セットアップ例」をご覧ください。

1. ミキサーの基礎知識

ステップアップガイド
ミキサーとは「入力された信 号をミックスし、レ ベル(音量)のバランスを調節して、信号 を送り出す装置」です。この章で は、ミキサーの基礎知識について説明していきます。
1-1. 信号レベルとデシベル (dB) について
人間の耳に聞こえる最も小さな音を1とすると、人間が聞くことのできる最も大きな音はおよそ 1,000,000 にもなります。これでは桁が多 すぎて、音量を表すのに不便です。そこで、デシベル(dB)という単位を使って「最小の音と最大の音の差は 120 dB」 と表現します。
dB とは、ある基準レベルを 0 dB としたときの相対的な値です。音響機器では、音声を電気信号として扱います。dB の仲間の dBu という単 位で表すのが一般的で、0.775 V を基準レベル(0 dBu) としています。マイクの出力は、とても微弱で数 mV( –60 dBu 〜 –30 dBu)程 度です。これに対してミキサーの最大出力は、12 V( +24 dBu)程度にもなります。
+ 20 dBu
ミキサーやパワーアンプなどのプロ用の音響機器には、規定(標準)レベル +4 dBu のライン入出力 端子があります。
0.775 V
0 dBu
-
20 dBu
-
40 dBu
-
60 dBu
キーボードなどには、規定(標準)レベル
マイクの信号レベルは、音源によってさまざまです。 一般のスピーチでは を間近で収音すると 0 dBu に達することもあります。
30 dBu 程度ですが、鳥のさえずりなどは –50 dBu 以下であったり、ドラム
10 dBu のライン入出力端子があります。
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ステップアップガイド
ミキサーで扱う信号にはさまざまなレベルがあります。 音響機器をつなぐときは、それぞれの規定(標準)出力レベルと規定(標準)入力レベルをできるだけ合わせます。ミキサーの多くの入力端子
には、GAIN(ゲイン)コントロールがあります。 ノイズの少ないクリアな音作りのために、接続する機器の出力レベルに合った入力端子を使いましょう。
小さすぎ
適正レベル
入力信号
大きすぎ
ゲインコントロール
出力信号
1-2. バランスとアンバランスの違いについて
音響機器間で信号の受け渡しを行なうときには、通常「シールドケーブル」が使われます。 シールドケーブルを使った信号の受け渡しには、バランスとアンバランスの方式があります。 バランスは外部からのノイズに強いので、小さな信号の受け渡しをする場合やケーブルが長くなる場合に適しています。アンバランスは主にラ
インレベルの信号の受け渡しに使われます。
マイク................................................バランスが適しています。
ラインレベルの短い配線.................アンバランスで OK です。
ラインレベルの長い配線.................バランスが適しています。
私たちは普段、ラジオやテレビ、送電線、モーター、電気器具、コンピューターなどの電磁放射線(ノイズ)に囲まれた生活をしています。こ れらのノイズの侵入を少なくするためには、ケーブルは必要最低限の長さで使いましょう。
■ シールドケーブルのしくみ
シールドケーブルは下図のようにホット(とコールド)を金属の網状のもの(シールド)で覆った構造をしています。信号を受け渡しするとき に、シールドがバリアとなって、外部ノイズから信号を保護します。
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バランス
ホット
コールド
シールド
(グラウンド)
外皮
アンバランス
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ステップアップガイド
■ バランス方式のしくみ
両端が XLR 端子のケーブルは、通常このバランス方式です。信号の受け渡しに「ホット(+)」「コールド(−)」「グラウンド(GND)」の 3 本のワイヤーを使用します。
送信側では、元の信号「ホット(+)」に対して位相を反転した信号を「コールド(−)」に送ります。受信側では、「コールド(−)」の信号を 位相反転し「ホット(+)」の信号と合成します。
ケーブルにノイズが侵入した場合、「ホット(+)」と「コールド(−)」それぞれのラインに均等にノイズが乗ります。受信側で「コールド
(−)」の信号を位相反転し、「ホット(+)」の信号と合成すると、ノイズだけが打ち消し合って、ノイズを取り除くことができます。
すなわちバランス方式は、外部ノイズに対して非常に強いと言えます。
ノイズ
ホット (+)
コールド
位相反転
送信側 ケーブル 受信側
(−)
グラウンド
(GND)
位相 反転
ノイズだけが打ち消し合う
合成された信号
■ アンバランス方式のしくみ
バランスケーブルは、端子やケーブルがアンバランスのものと比べて高価になります。そこで、伝送する信号が大きくてノイズの影響を受けに くい場合や、音響機器間のケーブルが短い場合などは、アンバランスケーブルもよく使われます。
モノラルのフォーン端子や AV 機器に使われる RCA ピン端子のケーブルは、アンバランス方式です。 アンバランス方式は、バランス方式のグラウンド(GND)をコールド(−)と兼用にして、ホット(+)とグラウンド(GND)で信号の受け
渡しを行なう方式です。バランス方式のようにノイズを取り除くことはできませんが、通常この方式で使用される機器は、受け渡す信号レベル が高いためアンバランス方式で十分対応できます。DI(*)などで信号をバランスに変換することもできます。
ノイズ
送信側
*DI........ ダイレクトボックス(Direct Injection Box)と呼ばれる機器です。
ギターなどの楽器をミキサーに直接入力すると、音やせやノイズの原因になります。 DI を楽器とミキサーの間に挿入すると、信号がバランスに変換され、音やせやノイズを防ぐことができます。
ケーブル
受信側
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ステップアップガイド
1-3. 端子の種類
音響機器には、いろいろな端子があります。 はじめて音響機器をつないだとき、いろいろ疑問がわきませんでしたか? ここでは一般的な端子の種類を説明します。
■ XLR 端子
バランス方式に対応していること、頑丈で変形しにくいこと、端子にロック 機構がついていて引っ 張っても接続が外れないようになっていることから、信頼性の要求される プロの現場などで使用頻 度が高い端子です。
オス
メス
■ Phone(フォーン)端子
XLR 端子どうしを接続するときはグラウンド端 子が最初に接触する構造になって いるため、RCA ピン端子や Phone( フォーン ) 端子を接続するときに発生するようなノイズを防ぐことができるの も大きな特徴です。
機器との接続には「オス側出力、メス側入力」が一般的です。
ステレオタイプ
モノラルタイプ
■ RCA ピン端子
「Phone( フォーン )」は、もともとこの形の端子が電話 (telephone) 交換機に使われていたことか
らついた名前です。フォーン端子にはステレオタイプとモノラルタイプの2つの種類があります。 ステレオタ イプは TRS フォーン とも呼 ばれ、ヘッドフ ォンな どのス テレオ 信号を 扱う端 子や、
INSERT I/O 端子などに使います。バランス方式にも使うことができます。 モノラルタイプはアンバランス方式専用で、エレクトリックギターなどの 楽器やアンプなどに使い
ます。
ピンプラグと呼ばれ、 AV 機器で一般的に使われているアンバランス方式専用の端子です。信号の
種類によって色分けされていて、白の端子がオーディオの左(L)チャンネル、赤が右(R)チャン ネルの信号を送るのに使います。
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MG8/2FX
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ステップアップガイド
バスの流れ

2. 入力された信号の流れ

ミキサーを用いた音響システムの目的は、すべてのチャンネルの信号を 1 つに集めてバランスよくミックスすることです。入 力された信号が、ミキサーの中をどのような経路で流れていくかを理解しましょう。
2-1. ミキサー簡易ブロックダイアグラム
入力チャンネル マスターセクション
1235 6
■ 入力チャンネル
1
ヘッドアンプ
ミキサーに入力した信号が最初に通るアンプのことです。入力さ れた信号のレベルに合わせて、ゲインコントロールで信号の増幅 / 減衰率を調節できます。 入力された信号が小さい場合は増幅させ、信号が大きい場合は減 衰させて信号のレベルを調節します。
2
イコライザー
イコライザーは、ある特定の周波数帯域をブースト(増幅)した り、カット(減衰)したりして音色を変化させます。部屋の音響 特性に合わせて音色を補正したり、積極的な音作りに活用したり と用途はさまざまです。ある周波数より下をカット(減衰)する ハイパスフィルターなども、イコライザーの仲間に含まれます。
(P13 参照)
3
ピークインジケーター
信号の大きさがミキ サーのヘッ ドアンプと イコライザー で扱え るレベルを超えると、音は歪んでしまいます。そのレベルを超え ないように監視するのがピークインジケーターです。 ピークインジケーターが点灯し続けている場合は、イコライザー で無理な増幅をしていないかを確認し、必要に応じてヘッドアン プのゲインコントロールを調整してレベルを下げます。 ピークインジケータ ーがミキサ ー内のどこ の段階の信号 を検知 しているかを確認しておくことも大切です。本機のピークインジ ケーターは、ヘッドアンプとイコライザーを通過したあとの信号 を検知しています。
4
■ マスターセクション
5
バス
バスのしくみを理解することはとても重要です。ミキサーを流れ る信号は、「各チャンネルを上から下へ流れて、レベルコントロー ルでレベル調整されたあと、左から順番にまとめられて、右端の マスターコントロールで全体のレベルが調整される」とイメージ できます。この「左から順番にまとめる」のがバスの役割です。 本機は、ステレオバス(L、R)、エフェクトバスの 3 バスのミ キサーと言えます。
6
マスターコントロールとレベルメーター
マスターコントロールは、各チャンネルから送られてくる信号全 体のレベルを調 整する部分 です。具体的に は、ステレオ コント ロール、C-R/PHONES コントロールがあります。レベルメー ターは、ST バスに流れる信号のレベルを LED で表示します。
4
レベルコントロール
レベルコントロールは、各チャンネルの信号を各バスに送るとき の音量を調節します。演奏中に最もよく使う操作子と言えます。
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ステップアップガイド
M

3.「クリアなミックス」にするためのレベル調整

外部エフェクタ−やミックスダウンについて考える前に、各チャンネルに入力されるさまざまな信号のレベルの調整方法を知っ ておきましょう。ここでは、ミキサーからベストパフォーマンスを引き出す調整手順の一例を紹介します。ただし、お使いにな るミキサー、接続機器のタイプや SR 環境によって、手順は異なります。
電源スイッチを含むすべての スイッチをオフに して、すべて
1
のコントロールを最小に設定します。
(マスターコントロール、LEVEL コントロール、ゲインコン
トロールなど)
NOTE
イコライザーとパンは▼のある位置に設定します。
すべての外部機器の電源をオ フにして、各チャンネ ルにマイ
2
クや楽器、再生装置などを接続します。
NOTE
本機のチャンネルコントロール部に、パート名を記した ドラフティングテープなどを貼っておくと便利です。
外部機器の接続については、P22 のセットアップ例も ご参照ください。
エレクトリックギターやエレクトリックベースなどの楽 器を接続する場合は、本機とこれらの楽器の間に DI(P9 参照)やプリアンプ、アンプシミュレーターなどを接続 してくだ さい。本機とこれ らの楽器を直 接接続すると、 音やせやノイズの原因となります。
スピーカー保護のために、周辺機器→本機→パワーアンプ(パ
3
ワードスピーカー)の順番で電源をオンにします。(電源をオ フにするときは、逆の手順で行ないます。)
NOTE
ファンタム電源を必要とする マイクを接続している場合に は、パワーアンプ(パワードス ピーカー)の電源をオンに する前に、本機のファンタム電源スイッチ(P19 参照)を オンにしてください。
3-1.「クリアなミックス」の鍵を握るゲイン
コントロール
ミキサーの簡易ブロックダイアグラムを見直してみましょう。
ミキサー内のヘッドアンプからマ スターコントロールに いたる各段 階で、信号に多少ノイズが侵入し てしまいます。ノイズ の少ないク リアな音質を作るために、入力され た信号をミキサー内 のできるだ け早い段階で増幅することが ポイントです。つまり、ヘ ッドアンプ に設けられたゲインコントロー ルで、信号のレベルをで きるだけ増 幅させることが大切です。ただし、レベルを増幅するといっても、ク リッピングを起こして音が歪ん でしまっては台なし です。あくまで
「クリッピング直前まで」増幅させることがコツです。
各チャンネルに入力された信 号を確認し、レベルを 調整しま
4
す。 各パートの最大入力時にピーク インジケーターが 一瞬点灯す る程度に、ゲインコントロールを調整します。
必要に応じて、各チャンネルのイコライザーを調整します。
5
NOTE
イコライザーを調整していて ピークインジケーターが頻繁 に点灯してしまう場合は、最大 入力時に一瞬点灯する程度 にゲインコントロールでレベルを下げてください。
マスターコントロールを「▼」の位置まで上げます。
6
各LEVEL コントロールを左右に回してすべてのチャンネル
7
をミックスし、マスターコント ロールでミックス全 体のレベ ルを調整します。
レベルメーターのピークLEDが頻繁に点灯してしまう場合
NOTE
は、各 LEVEL コントロールを少しずつ下げ、信号が歪ま ないように調整してください。
12
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ステップアップガイド
3-2. ベストパフォーマンスのための
イコライザー設定
各チャンネルをまとめてミック スするとき、あるチャン ネルの周波 数帯域とほかのチャンネルの周波 数帯域とがぶつかり合 っている部 分をなくし、全体をうまくまとめて いくのがイコライザ ーを使う目 的のひとつです。ミックスでは、あく までその信号を自 然に再現し てあげるのがポイントです。
MID ブースト
(増幅)
LOW ブースト
(増幅)
信 号
レ ベ ル
(dB)
LOW フラット
LOW カット
(減衰)
MID カット
(減衰)
周波数帯域 (Hz)
周波数について
人間の可聴範囲は 20 Hz 〜 2 0 kHz くらいとされ、私たちの会 話は 300 Hz から 3 kHz くらいの間で行なわれています。また、 ギターのチューニングな どに使われる 音叉の周波数は 440 Hz で、これを平均律音階の「ラ(A)」としています。それを基準 に、周波数が 2 倍(880 Hz)になると、音程は 1 オクターブ 上がり周波数が半分(220 Hz)になると、音程は 1 オクターブ 下がります。
本機は、より多くの楽器で大きな効果が得られるように、イ コライザーの基準周波数を LOW/MID/HIGH でそれぞれ 100 Hz /2 .5 kHz /1 0 k Hz に設定 して います。
MID フラット
HIGH ブースト
(増幅)
HIGH フラット
HIGH カット
(減衰)
■ さらにクリアなミックスにするためのカット
たとえば、シンバルの音は低音域か ら中音域の範囲に基 音がある楽 器ですが、普段私たちが音楽 CD を聴くときなどはあまりこの基音 を意識することはありません。
ここで、イコライザーを使ってシン バルのチャンネルの 低音域を下 げてみましょう。シンバルの低音域 をカットしてミック スした音は よりすっきりとした感じになり、ほ かの楽器の低音域の 音がより鮮 明に聞こえてきます。同じようにピ アノも低音域から中 音域に基音 がある楽器なので、低音域を少しカ ットすることでほか の楽器の音
(特にドラムやベース)をより効果 的に引き立てること ができます。
もちろん、ピアノがソロ演奏をして いるときはこのよう なことはし たくはないものです。
■ ブーストは慎重に
特殊なミックスにしたい場合は、好 きなだけブーストし ても良いか もしれません。し かし、クリ アな音 でのミッ クスにしたい場 合は、 ブーストは慎重にかけていって ください。ブーストのか けすぎはノ イズを増幅させてしまう原因に もなります。バスドラム やベースな どは、基音となる低音域以外に中音 域から高音域にわた って幅広い 倍音があります。バスドラムやベー スのアタック感を強 調したい場 合は、それらの高音域を少しブー ストしてみると良い でしょう。同 じように、ボーカルも高音域を少 しブーストすると、臨 場感のある いきいきとしたミックスになります。
■ イコライザ−設定のコツ
ミックスされた音全体をよく聞 いてみましょう。もしそ の音が鮮明 に聞こえなければ、ブーストでミックスの透明感を出そうとせずに、 どのパートがクリアなミックス を邪魔しているのか を見極め、その パートで不自然に飛び出している 周波数帯域を少しだけ カットして みましょう。ミックス全体をよく 聞き、引き立てたい音 を邪魔して いるのは何かを考えながらイコラ イザーを使っていくと 良いでしょ う。イコライザーのかけすぎも禁 物です。常にイコライ ザーで調整 前の音と比較しながら音作りを進めていきましょう。
トロンボーン
トランペット
ギター
ベース
シンバル
スネアドラム
バスドラム
ピアノ
20 50 100
200 500 1k 2k 5k 10k 20k(Hz
代表的な楽器の基音 と倍音 のおおまかな分布
基音:各楽器の音程感を与える周波数の音 倍音:それ以外の周波数の音
)
■ ハイパスフィルターの使い方
ハイパスフィルターとは、ある周波 数より下の周波数帯 域の信号を カットする機能です。本機は、ハイパ スフィルターをオ ンにすると 80 Hz 以下の超低音域がカットされます。ボーカルの息などがマイ クに吹きかかったときのボッと いったノイズや、マイ クを持つ ときのゴトゴトというハンドリ ングノイズのほか、マ イクスタ ンドを通して床から伝わってく る振動などを軽減し ます。マイクを 使って収音するときは、特殊な場 合を除き、オンにして おくことを おすすめします。
周波数
MG8/2FX
13
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ステップアップガイド
INSERT I/O 端子へ
外部プロセッサーの入力端子へ
外部プロセッサーの出力端子へ
リング
スリーブ
チップ
スリーブ チップ

4. 音に変化をつける

4-1. エフェクトバス
通常エフェクトバスの信号は、リバ ーブやディレイなど のエフェク トをかけるのに使われます。MG8/2FX では、エフェクトバスの信 号をそのまま内蔵エフェクト で加工することがで きます。また、同 じエフェクトバスの信号を EFFECT SEND 端子から外部エフェク ターに出力することもできます。
エフェク トバ スの信 号を コントロー ルす るには、各 チャ ンネ ルの EFFECT コントロールとLEVEL コントロールの両方で調整します。 EFFECT コントロールを上げるとエフェクトの効果 が大きくなり、 下げると小さくなりま す。LEVEL コントロールで音量を 調整する と、原音とエフェクトの効果を常に 一定のバランスで調 整ができま す。
4-2. チャンネルごとにエフェクターをかけ
るための INSERT I/O 端子
信号を外部エフェクターで加工す るという点ではエフェ クトバスと 同じですが、エフェクトバスが「複数 のチャンネルの信 号をまとめ て1つのエフェクターへ送る」のに対して、INSERT I/O は「チャ ンネルごとの信号をエフェクターへ送る」ときに使います。
INSERT I/O 端子に送られる信号は、ミキサーのゲインコントロー ルで適切なレベルに増幅 / 減衰されています。この端子には、主に コンプレッサー、リミッター、イコラ イザーといった信 号全体をコ ントロールするエフェクターを接続します。
もちろん、リバーブなどのエフェ クターでも、そのチャ ンネルだけ にかけるのであれば、接続することができます。
INSERT I/O 端子は、TRS 型のフォーン端子を利用した双方向の接 続となっています。接続には下図の ような特殊インサー トケーブル が必要です。別売り のヤマハイ ンサート ケーブル YIC025/050/ 070 などをご使用ください。
IINSERT I/O 端子にエフェクターを接続 すると、ミキサ−内の信号の流れは中断さ れ、信号は INSERT SEND を通ってミキ サーの外に送られます。 エフェクターで加工された信号は、 INSERT RETURN からミキサー内の通常 の流れに戻ります。
LEVEL 
コントロール
14
MG8/2FX
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ステップアップガイド

5. より良いミックスのためのノウハウ

ミックスにルールはありません。ミックスする人が一番やりやすい方法でシステムを作り上げていけばよいのです。ただし、「作 り上げていく」ということがポイントであり、決して偶然にできるということではありません。音源に適したシステム的なアプ ローチをすれば、より良いミックスを作り出すことができます。ここでは、ミックスの実践的なノウハウをいくつか紹介します。
5-1. コントロールを下げた状態からの音量
調整
単純なことですが、ミ ックスを始 めるにあた って、LEVEL コント ロールはすべて下げてしまうことをおすすめします。すべてのコント ロールを標準の位置にしておいて始めることもできますが、この方法 では音のバランスの感覚がわ からなくなってしま います。したがっ て、コントロールを全部下げた状態から一つ一つ上げていくようにし ます。でも、どのチャンネルから始めれば良いのでしょうか?
ここでは 2 つの例を紹介します。
ex
ピアノトリオがバックのバラード
ボーカルが重要な鍵をにぎるバラード調の曲であれば、ボーカル を基準と して ミッ クス をしていく のが 良い でし ょう。つ まり、 ボーカルのチ ャンネル のコント ロールを 最初にノミナルに 持っ ていき、それからほかの楽器を加えていきます。ボーカルの次に どのパートを追加していくか は、演奏している楽器 のタイプや、 ミックスをする人の好みにもよりますが、このケースならば、次 にピアノを持ってくるのが良いでしょう。ボーカルとピアノの関 係を調整してから、ベースとドラムを全体のバランスに注意しな がら加えていけば良いでしょう。
ファンキーな R&B
ノリを重視したファンキーな R&B のナンバーをミックスすると きは、アプローチはまた違ってきます。この場合、ほとんどのエ ンジニアはドラムを基準とし、次にベースを追加していきます。ド ラムとベースの関係は「ドライブ感」やその曲のノリを出すのに 極めて重要なポイントです。特にバスドラムとベースとの連携に 注意してみてください。ほとんど 1 つの楽器のように聞こえるは ずです。バスドラムがパンチを与え、ベースがピッチを与えます。
このようにミックスにルールというものはありませんが、大まか なテクニックはあるのです。
5-2. バランスを取るためのパン
パン(PAN)は、「パノラマ(Panorama)」を語源として生まれた 言葉で、日本語では「定位」とも呼んでいます。
ステレオサウンドの場合に、L と R 間のレベルの差を調整するのに パンを使います。
私たちの耳は、音が L 側のスピーカーだけから出ていると、そのパー トが L 側で演奏しているように感じ、L と R のスピーカーから同じ 音量で音が出ていると、そのパート が2つのスピーカー の真ん中で 演奏しているように感じます。こ の人間の感覚を利用 して、お互い の音がぶつかり合わないように左 右に振り分けてスペー スを確保し てあげるのが、パンの役割です。
■ 分散させよう!
ミックスで各楽器の音作りが終 わったら、チャンネルご とに定位を 決め、全体のバランスをとってい きます。音どうしの関 係を強調す るために、意図的にそれぞれの音 を近づけて定位させ たり、重ね合 わせるよ うな 場合も あり ます。パンを使 った 定位の させ 方に も決 まったル ール はあり ませ んが、低音楽器 やそ の曲に とっ て大 切な パートの音を真ん中に定位させ、そ のほかのパートの音 はできるだ け左右にバランスよく振り分 けるのがコツです。一般 的には、ボー カルやソロ楽器、ベース、バスドラム やスネアなどは真 ん中に定位 させます。
ただし、左右に極端に振り分けると、ライブ SR ではどちらか片方 のスピーカーの近くにいるリスナ ーにとってとてもアン バランスな ミックスに聞こえてしまいます。
定位のさせ方も、ライブ SR 用と録音用とでは若干違いますので注 意が必要です。
MG8/2FX
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ステップアップガイド
5-3. 最終ミックス
ミキサーのエフェクトバスを通し てリバーブやディレイ といった外 部エフェクターを上手に使えば、ミ ックスをさらに磨き 上げること ができます。しかし、使いすぎてしま うとせっかくミッ クスした音 が色あせてしまい、全体的に透明感がなくなってきてしまいます。リ バーブやディレイの設定によっ て、効果音と原音が絡み 合ったとき の音質に大きな違いが生まれます。
■ リバーブ / ディレイタイム
外部リバーブ / ディレイ機器の種類はさまざまですが、ほとんどの 場合、リバーブ / ディレイタイムを調整できるようになっています。 リバーブ / ディレイタイムをほんの少し工夫するだけで、音質に大 きな差が生まれます。ディレイタ イムは、得ようとして いる効果に 合わせて調整します。ボーカルに エコーを付加したい 場合は、曲の
テンポに合わせて付点八分 音符( )の長さなどに設 定すると、心 地よい効果が得られます。リバ ーブタイムは、デンシ ティ(残響密
度)の設定にもよりますが、ディレイと違って音が拡散されるので、 テンポにぴったり合わせる必 要はありません。基本的 には、テンポ の速い曲や動きのある曲には短 めの設定、バラードなど のテンポの ゆっくりした曲には長めの設定をします。
■ リバーブトーン
■ 最終ミックスにあたって
イコライザーは、音色を調整してパ ート間での音のぶつ かる周波数 帯域を調整できます。パンは、左右の 空間を調整してパ ートを分散 できます。リバーブやディレイは、パートの奥行感を表現できます。 すなわち、前後の空間を調整して、パートを分散できます。そして、 これらすべての音量バランスを整えてミックスができあがります。
埋もれて しま ったパ ート を引き立て たい 場合は、ど の要 素が その パートを邪魔しているかを見極 め、どの方法で音を分離 させるのが 効果的かを考えていきましょう。
本機は内蔵エフェクターを搭載しております。外部エフェクター を使わなくて も各チャ ンネルに リバーブ やディレイを加え たり することができます。詳細は次ページをご覧ください。
いかに明るくて 低音がき いたリバ ーブを作 り出すかというこ とも、 最終ミックスをするうえで重要 なポイントです。自然に 生じる残響
(リバーブ)は、時間が経つにしたがって低音域より高音域が早く減
衰していく傾向があります。 したがって、高音域のトーンを上 げすぎると、単に不自 然に聞こえ
るばかりではなく、せっかくミック スで調節してきたほ かの高音域 を干渉してしまいます。逆に下げす ぎてもこもった音に なってしま います。
■ リバーブレベル
ミックスの作業を続けていると、普 段の音を聞く感覚が 徐々に麻痺 してくるものです。イコライザーや 外部エフェクターで 加工しすぎ てすっか り色あ せた ミック スを完璧な ミック スだ と思い 込ん でし まった経験はないでしょ うか?これは「ミックス の罠」です。こう した罠に陥らないためにも、リバー ブレベルを一度すべ て下げてみ ましょう。それから必要なだけ徐々 にリバーブレベルを 上げていく ようにすれば、本当に必要なレベルを知ることができます。
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ステップアップガイド

6. MG8/2FX の内蔵エフェクターを使う

本機はデジタルエフェクターを内蔵していますので、各チャンネルにリバーブやディレイなどの効果音を手軽に加えることがで きます。
内蔵エフェクター
(DSP)部
■ リバーブやディレイをかける
ON スイッチを押してエフェクターをオンにします。
1
オンにすると、スイッチがオレ ンジ色に点灯し ます。別売の フットスイッチ FC5 を FOOT SWITCH 端子に接続すると、 内蔵エフェクトのオン / オフを足元で切り替えることができ ます。
NOTE
電源スイッチをオンにするたびに、ON スイッチが点灯し て内蔵エフェクトが有効になります。
PROGRAM 選択ダイアルでエフェクトプロ グラムを選びま
2
す。
EFFECT RTN コントロールで効果音の量を調整します。
3
エフェクトをかけたいチャンネルのEFFECT コントロールで
4
効果音のかかり具合を調整します。
NOTE
PARAMETER コントロールでリバーブ / ディレイタイム を調整することもできます。
NOTE
EFFECT RTN コントロールでは、全体の効果音の量を調 整します。 各チャンネルの効果音の設定は手順 4 で行ないます。
まず曲ありき
ミックスとは、「曲のためのミックス」でなくてはなりません。「ミックスするための曲」があるわけで はありません。その曲を理解し、そ れをミックスの作業へ活かしてください。その曲は何を表現しているのか、メッセージを伝えるのにどん な楽器やテクニックが使われてい るのかといったことです。ミックスには高度な技術が必要とされますが、ミックス自体もまた、楽器の演奏と同じように芸術的なものです。 アプローチ次第で、ミックスは曲の重要な要素となります。
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各部の名称と機能

各部の名称と機能

チャンネルコントロール部

チャンネル
1、2
(モノラル)
1
チャンネル 3/4、5/6
(ステレオ)
チャンネル
(ステレオ)
7/8
イコライザー(HIGH、MID、LOW)
4
3 バンドイコライザーで、各チャンネルの高域、中域、低域を 調整します。ツマミを▼の位置に するとフラット な特性に なります。ツマミを右に回すと その周波数帯域が 増幅され、左 に回すと減衰されます。 各帯域のイコライザーのタ イプ、基準周波数、最大可 変幅は下 記のとおりです。
3
2
4
5
6
7
1
GAIN コントロール
入力信号のレベルに応じて感度を調整します。 信号の最大入力時に PEAK インジケーター2が点灯する程度 に設定すると、S/N とダイナミックレンジのバランスがとれた 良好な状態になります。
60 〜 –16 は MIC 入力の調整レベルを表し、 –34 〜 +10 は
LINE 入力の調整レベルを表します。
2
PEAK インジケーター
イコライザー後のピークレベ ルを検出し、クリッピ ングの手前 3dBに達すると赤く点灯します。 XLR 端子が併設されたステレオインプットチャンネル(CH 3/4、 5/6)は、 検出し、どちらかの信号がクリッピングの手前 3 dB に達すると赤 く点灯します
イコライザー
5
6
7
後および MIC アンプ後のピークレベルを
5
6
7
帯域 タイプ 基準周波数 最大可変幅
HIGH シェルビング 10 kHz
±
MID ピーキング 2.5 kHz
LOW シェルビング 100 Hz
EFFECT コントロール
5
各チャンネルから EFFECT バスに送ら れる信号のレ ベルを調 整します。EFFECT バスに送られる信号は、LEVEL コントロー ルの影響を受けます。ステレ オ チャ ンネ ル(CH3/4、5/6、 7/8)の場合は、L と R の信号がミックスされて EFFECT バ スへ送られます。
PAN コントロール(CH 1、2)
6
PAN/BAL コントロール(CH 3/4、5/6) BAL コントロール(CH 7/8)
PAN コントロールは、各チャンネルの信号を、ステレオ L-R バ スのどの位置に定位させるかを決めます。 BAL コントロー ルは左右 チャンネル の音量バランスを 決めま す。INPUT L(奇数チャンネル)に入力された信号はステレオ L バスへ、INPUT R(偶数チャンネル)に入力された信号はス テレオ R バスへ振り分けられます。
NOTE
PAN と BAL が併記されたコントロールで、MIC 端子また はINPUT L (MONO) だけに信号を入力した場合は PAN、 INPUT L と R へ信号を入力した場合は BAL として利用し ます。
LEVEL コントロール
7
インプットチャンネルの信号 の出力レベルを調節 し、チャンネ ル間の音量バランスを調整します。
ノイズ減少のために、使用しないチャンネルのツマミは最小
NOTE
にしておいてください。
15 dB
18
3
(ハイパスフィルター)スイッチ
ハイパスフィルターのオン / オフを切り替えます。スイッチを 押す とハイパスフィルターがオンになり、80 Hz 以下の周 波数帯域を減衰させます。ただし ステレオインプッ トチャンネ ルのライン入力では、ハイパスフィルターがかかりません。
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マスターコントロール部

1 7
REVERB HALL 1
REVERB HALL 2
8
REVERB ROOM 1
REVERB ROOM 2
REVERB STAGE 1
REVERB STAGE 2
REVERB PLATE
2 3
DRUM AMBIENCE
KARAOKE ECHO
VOCAL ECHO
CHORUS 1
CHORUS 2
FLANGER
PHASER
AUTO WAH
DISTORTION
6
5
4
1
PHANTOM +48 V スイッチ
ファンタム電源をオン / オフするスイッチです。MIC 入力端子 のあるチャンネル(CH1、2、3/4、5/6)のファン タム電源 がすべてオンになります。 コンデン サー マイ クを 使用すると きは、こ のス イッ チを オン
にしてください。
NOTE
スイッチをオンにすると、XLR 端子の 2 番および 3 番ピン に DC+48 V が供給されます。
ファンタム電源が不要なときは、必ずこのスイッチをオフ
にしておいてください。
ファンタム電源をオン にする場合は、コンデンサーマ
イク以外の機器が XLRタイプの入力端子 (CH1 から5/6) に接続されていないことを確認してください。外部機器の 故障の原因になります。ただし、バランス型ダイナミック マイクは接続されていても問題ありません。
スピーカー保護のために、パワーアンプ ( パワードスピー
カー ) の電源がオフの状態で、ファンタム電源をオン / オ フしてください。また、ST マスターコントロールなどの 出力コントロールは、すべて最小にしておくことをおすす めします。大音量が出て、聴力障害または機器の損傷にな ることがあります。
2
RETURN コントロール
RETURN L(MONO)、R 端子からステレオバスに送られる信 号のレベルを調整します。
NOTE
RETURN L(MONO)端子だけに信号が入力された場合は、 ステレオ L-R バスに同じ信号が送られます。
3
2TR IN コントロール
2TR IN 端子からステレオバスへ送られる信号 のレベルを調整 します。
4
ST マスターコントロール
ST OUT 端子に出力される信号のレベルを調整します。
5
C-R/PHONES コントロール
PHONES 端子および C-R(L、R)端子に出力される信号のレ ベルを調整します。
各部の名称と機能
レベルメーター
6
ステレオバスの信号のレベルを LED で表示します。
0の位置が規定出力レベルを示し、クリッピングレベルが近
づくと PEAK LED が赤く点灯します。
POWER インジケーター
7
本機の電源をオンにすると点灯します。
DIGITAL EFFECT
8
・ PROGRAM 選択ダイアル
内蔵のデジタルエフェクトのプログラムを 下記の 16 種類か ら選択します。
No Program Parameter
1
2
3
4
55
55
66
66
77
77
88
88
9
0
A
B
CC
CC
DD
DD
EE
EE
FF
FF
・ PARAMETER コントロール
選択したエフェクトプログラムのパラメーター(エフェクトの 効き具合や変化の速さなど)を調整します。
NOTE
・ON スイッチ
スイッチをオンにすると、内蔵エフェクトが有効になります。 オンの状態でスイッチが、オレンジ色に点灯します。 別売のフットスイッチ FC5 を FOOT SWITCH 端子に接続す ると、内蔵エフェクトのオン / オフを足元で切り替えることが できます。
NOTE
・ EFFECT RTN コントロール
内蔵デジタルエフ ェクトからス テレオバス に出力され る信号 のレベルを調整します。
REVERB HALL 1 REVERB TIME
REVERB HALL 2 REVERB TIME
REVERB ROOM 1 REVERB TIME
REVERB ROOM 2 REVERB TIME
REVERB STAGE 1 REVERB TIME
REVERB STAGE 2 REVERB TIME
REVERB PLATE REVERB TIME
DRUM AMBIENCE REVERB TIME
KARAOKE ECHO DELAY TIME
VOCAL ECHO DELAY TIME
CHORUS 1 LFO FREQ
CHORUS 2 LFO FREQ
FLANGER LFO FREQ
PHASER LFO FREQ
AUTO WAH LFO FREQ
DISTORTION DRIVE
パラメーターの値は、エフェクトのタイプごとに保存されま す。エフェクトのタイプを切り替えたときは、PARAMETER コントロールの位置に関係なく、前回そのエフェクトで設定 した値が有効になります。電源をオフにしても各エフェクト のパラメーターの値は保存されています。
電源スイッチをオンにするたびに、ON スイッチが点灯し て内蔵エフェクトが有効になります。
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各部の名称と機能

入出力部

13 A456
28790
チャンネル INPUT 端子(CH 1、2、3/4、5/6)
1
・ MIC
XLR タイプのバランス型入力端子です。(1:グラウンド、2: ホット、3:コールド)
・ LINE
フォーンタイプのバランス型入力端子です。 アンバランス型フォーン端子を接続することもできます。
NOTE
ひとつのインプットチャンネルで LINE 端子と MIC 端子を 同時に使用することはできません。どちらか一方の端子だけ をご使用ください。
INSERT I/O 端子(CH 1、2)
2
インプットチャンネルの、イコライザーと LEVEL コントロー ルの間に設けられたフォーンタ イプのアンバランス 型入出力端 子です。 お手持ちのグラフィックイコ ライザーやコンプレ ッサー、ノイ ズフィルターなどを各チャンネルに接続します。 INSERT I/O 端子は、TRS(チップ、リング、スリーブ)型の フォーン端子を利用した双方向の接続となっています。
NOTE
接続に は下図の ような特 殊なイン サートケ ーブルが 必要で す。別売のヤマハインサートケーブル YIC025/050/070 などをご使用ください。
外部プロセッサーの入力端子へ
INSERT I/O 端子へ
スリーブ チップ
スリーブ
リング
チップ
INSERT I/O 端子から出力される信号の位相は、逆相となり ます。エフェクターなどのように、INSERT I/O 端子で入出 力を行なう場合は問題ありません。この端子を使って外部機 器へ信号を出力する場合は、ほかの信号との位相にご注意く ださい。
外部プロセッサーの出力端子へ
チャンネル INPUT 端子(CH 7/8)
3
フォーンタイプと RCA ピンタイプの、アンバランス型入力端子 です。音源を L(奇数チャンネル)と R(偶数チャンネル)の ステレオで入力します。
NOTE
ひとつのインプットチャンネルでフォーン端子と RCA ピン 端子を同時に使用することはできません。どちらか一方の端 子だけをご使用ください。
2TR IN 端子
4
RCA ピンタイプのアンバランス型入力端子です。 お手持ちのCD プレーヤーや DAT デッキなどのステレオ音源を ダイレクトに接続し、モニターする場合に使用します。
NOTE
マスターコントロール部の 2TR IN コントロールで信号レベ ルを調整します。
REC OUT(L、R)端子
5
RCA ピンタイプのアンバランス型出力端子です。マスターコン トロール部の ST マスターコントロールでレベル調整したミッ クス信号が出力されます。 外部のレコーダーを接続します。
ST OUT(L、R)端子
6
フォーンタイプのインピーダンスバランス型出力端子です。 マスターコントロール部の ST マスターコントロールでレベル 調整したミックス信号が出力 されます。メインスピ ーカーを駆 動するパワーアンプなどを接続します。
C-R OUT 端子
7
フォーンタイプのインピーダンスバランス型出力端子です。 マスターコントロール部の C-R/PHONES コントロールでレベ ル調整したミックス信号が出 力されます。モニター システムな どを接続します。
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各部の名称と機能
SEND 端子
8
・ EFFECT
フォーンタイプのインピーダンスバランス型出力端子です。 EFFECT バスの信号が出力されます。外部 エフェクターなど を接続します。
RETURN L(MONO)、R 端子
9
フォーンタイプのアンバランス型入力端子です。 この端子から入力された信号は、ステレオバスへ送られます。 通常はリバーブやディレイなど 外部エフェクターか らのリター ン信号を受けるのに使用します。
NOTE
補助のステレオ入力としても利用できます。L(MONO)端 子だけに接続した場合は、R 端子にも L 端子と同じ信号が流 れ、モノラル入力となります。
端子接続の極性
ピン 1:グラウンド
MIC INPUT
LINE INPUT(モノラルチャンネル)、 ST OUT、C-R OUT EFFECT *
INSERT I/O
PHONES
ピン 2:ホット(+) ピン 3:コールド( –)
チップ:ホット( +) リング:コールド( –) スリーブ:グラウンド
チップ:Output リング:Input スリーブ:グラウンド
チップ:L リング:R スリーブ:グラウンド
PHONES 端子
0
フォーンタイプのバランス型出力端子です。 ヘッドフォンを接続します。
FOOT SWITCH 端子
A
フォーンタイプの入力端子です。フットスイッチを接続します。 別売のフットスイッチ FC5 をこの端子に接続すると、内蔵デジ タルエフェクトのオン / オフを足元で切り替えることができま す。
INPUT OUTPUT
リング
スリーブ チップ
RETURN LINE INPUT (ステレオチャンネル)
* これらの端子に、モノラルタイプのフォーン端子を使用することもできます。その場合は、アンバランスになります。
チップ:ホット スリーブ:グラウンド
スリーブ チップ
リア部
AC ADAPTOR IN 端子
1
付属の電源アダプター(PA-10)を接続する端子です。
(P6 参照)
必ず付属の電源アダプター(PA-10)をご使用ください。そ れ以外のものを使用すると、火災や感電の原因となることが あります。
1 2
電源スイッチ
2
電源の ON/STANDBY を切り替えるスイッチです。
電源が STANDBY の状態でも微電流が流れています。長時 間使用しないときは、必ず電源アダプターをコンセントから 抜いてください。
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セットアップ

セットアップ

セットアップにあたって

マイクや楽器を接続する前に、 すべての機器の電源 がオフに
1
なっていることを確認しま す。また、本機の各チャ ンネルの コントロール類とマスターコン トロール部のコン トロール類 がすべて最小になっていることを確認してください。
マイクや楽器にケーブルを接 続し、ケーブルのもう 一端を本
2
機の入力端子にしっかりと差し込みます。
NOTE
ひとつのインプットチャンネルで LINE 端子と MIC 端子を 同時に使用することはできません。どちらか一方の端子だけ をご使用ください。

セットアップ例

シンセサイザー
MTR
リズムマシン
周辺機器→本機→パワーア ンプ(パワードスピ ーカー)の順
3
番で電源を入れます。
NOTE
音源 (CD・MD・DAT
カセット・ビデオなど)
音源 (CD・MD・DAT
カセット・ビデオなど)
(MD・CD-R・DAT など )
電源を切るときはこの逆で、パワーアンプ(パワードスピー カー)→本機→周辺機器の順番でオフにします。
マスターレコーダー
フットスイッチ
(YAMAHA FC5)
マイクロフォン
ギター
パワードモニター
スピーカー
ヘッドフォン
エフェクター
22
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マイクスタンドへの固定

マイクスタンドの設置は、水平かつ安定した場所を選んで ください。また振動や風のある所では使用しないでくださ い。
マイクスタンドが倒れると、機器の損傷やけがをする恐れ があり ます。接続ケ ーブルを 引っかけ ないよう に、接続 ケーブ ルをマイク スタンド軸 に沿って マイクスタ ンドの 設置面までおろすなどの対策を行なってください。
マイクスタンドのまわりには、十分なスペースを取ってく ださい。
別売のマイクスタンドアダプタ ー(BMS-10A)を本体裏面
1
のネジ穴に合わせ (1)、2 本のネジをしっかり締めて固定し ます (2)。
セットアップ
2
1
本機をマイクスタンドへ取り付けます。
2
角度調整ネジをゆるめ (1) 角度を調整し (2)、角度調整ネ
3
ジをしっかりと締めて固定します (3)。
2
3
1
詳しくは、BMS-10A の取扱説明書もご参照ください。
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付録
付録
仕様
■ 電気的特性
全高調波歪率 (MIC → ST OUT)
周波数特性 (MIC → ST OUT)
ハム & ノイズ (20 Hz 〜 20 kHz)
Rs=150ohms、Gain= 最大レベル、 感度 = –60 dBu、@12.7 kHz、
6dB/octaveのローパスフィルターで測定
(@20 kHz、 –∞ dB/octave フィルターに相 当)
最大電圧ゲイン
PAN/BAL:左か右に回し切る
クロストーク (1 kHz)
モノラル / ステレオ インプット GAIN コントロール
0 dBu = 0.775 V
条件 最小 標準 最大 単位
(THD+N) 20 Hz〜 2 0 kHz @ +14 dBu 10 k ohms (CH1、2) ( 信号入力チャンネル LEVEL コントロール、 ST Master コントロール = ノミナルレベル )
20 Hz 〜 20 kHz @ +4 dBu 10 k ohms (GAIN コントロール=最小レベル )
入力換算ノイズ (CH1、2) 残留ノイズ (ST OUT) ST マスターコントロール=ノミナルレベル、
全LEVELコントロール=最小レベル (ST OUT) 全チャンネル EF FECT コントロール=最小レベル、
全LEVEL コントロール=最小レベル (EFFECT SEND) ST マスターコントロール &1 LEVEL コントロール=
ノミナルレベル (CH1、2)(ST OUT) CH MIC INPUT → CH INSERT OUT 60 dB CH MIC INPUT → ST OUT 76 dB CH MIC INPUT → REC OUT 64.2 dB CH MIC INPUT → EFFECT SEND 70 dB ST CH MIC INPUT → ST OUT 76 dB ST CH LINE INPUT → ST OUT 50 dB ST CH LINE INPUT → EFFECT SEND 41 dB ST CH INPUT → ST OUT 26 dB RETURN → ST OUT 12 dB 2TR INPUT → ST OUT 23.8 dB
入力チャンネル間 入出力チャンネル間
可変幅 44 dB
3
01dB
0.1
128 dBu
100 dBu
87
(91 dB S/N)
85
(89 dB S/N)
64
(68 dB S/N)
70
70
dBu
dBu
dBu
dB dB
■ 一般仕様
モノラル、ステレオハイパスフィルター 80 Hz 12 dB/octave
モノラル、ステレオチャンネルイコライザー
シェルビングタイプのターンオーバー / ロールオフ周波数:最大可 変幅に対して 3 dB 下がったポイント
内蔵デジタルエフェクト
ファンタム電源 PHANTOM スイッチ= ON で DC+48 V 供給 (XLR タイプの入力端子 )
モノラル / ステレオ インプット PEAK インジケーター
レベルメーター
付属品 電源アダプター (PA-10) オプション マイクスタンドアダプター (BMS-10A), フットスイッチ (FC5) 消費電力 25 W 最大外形寸法(W × H × D) 251 mm × 65 mm × 290.5 mm 質量 1.8 kg
0 dBu = 0.775 V
仕様および外観は改良のため予告なく変更することがあります。
±15dB(最大可変幅 ) HIGH:10 kHz ( シェルビングタイプ ) MID:2.5 kHz ( ピーキングタイプ ) LOW:100 Hz ( シェルビングタイプ )
16 プログラム、Parameter コントロール フットスイッチ (ON/OFF)
各チャンネル:イコライザー後(ステレオチャンネルは、イコライザー後または MIC アンプ後)の 信号のレベルが、クリッピングの手前 3 dB に達すると赤く点灯
12- ポイント LED レベルメーター× 2 [ST(L, R)] ピーク時:赤色のインジケーター
5、 +3、 +1、0:黄色のインジケーター
+ –
1、 –3、 –5、 –7、 –10、 –15、 –20:緑色のインジケーター
24
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■ 入力仕様
付録
入力端子名称 ゲイン
MIC INPUT (CH1、2)
LINE INPUT (CH1、2)
ST CH MIC INPUT (CH3(L)/CH4(R)、 CH5(L)/CH6(R))
ST CH LINE INPUT (CH3(L)/CH4(R)、 CH5(L)/CH6(R))
ST CH INPUT (CH7(L)/CH8(R))
CH INSERT IN (CH1、2)
RETURN (L、R) 10 kΩ 600 Ω ライン
2TR IN (L、R) 10 kΩ 600 Ω ライン
60
16
34
10
+
60
16
34
10
+
入力イン
ピーダンス
3kΩ 50 〜 6 00 Ω マイク
10 kΩ 600 Ω ライン
3kΩ 50 〜 6 00 Ω マイク
10 kΩ 600 Ω ライン
10 kΩ 600 Ω ライン
10 kΩ 600 Ω ライン
適合インピーダンス 感度
*0dBu=0.775 V 、0 dBV=1 V とする
*1
入力感度:最大ゲイン測定時に定格出力が得られる最小レベル
*1
72 dBu
(0.195 mV)
28 dBu
(30.9 mV)
46 dBu
(3.88 mV)
2 dBu
(0.616 V)
72 dBu
(0.195 mV)
28 dBu
(30.9 mV)
46 dBu
(3.88 mV)
2 dBu
(0.616 V)
22 dBu
(61.6 mV)
20 dBu
(77.5 mV)
12 dBu
(195 mV)
26 dBV
(50.1 mV)
ノミナルレベル
60 dBu
(0.775 mV)
16 dBu
(123 mV)
34 dBu
(15.5 mV)
+10 dBu
(2.45 V)
60 dBu
(0.775 mV)
16 dBu
(123 mV)
34 dBu
(15.5 mV)
10 dBu
+
(2.45 V)
10 dBu
(245 mV)
0 dBu
(0.775 V)
4 dBu
+
(1.23 V)
10 dBV
(316 mV)
(7.75 mV)
(1.23 V)
(155 mV)
(24.5 V)
(7.75 mV)
(245 mV)
(155 mV)
(24.5 V)
(2.45 V)
(7.75 V)
(12.3 V)
(3.16 V)
最大ノンク
リップレベル
40 dBu
+
4 dBu
14 dBu
30 dBu
+
40 dBu
10 dBu
14 dBu
30 dBu
+
+
10 dBu
+
20 dBu
24 dBu
+
10 dBV
+
端子仕様
XLR-3-31 タイプ
(バランス型)
フォーンジャック (TRS)(バランス型 [T:ホット、
R:コールド、
S:グラウンド])
XLR-3-31 タイプ (バランス型)
フォーンジャック (アンバランス型)
フォーンジャック (アンバランス型)、
RCA ピンジャック
フォーンジャック (TRS) (アンバランス型
[T:アウト、R:イン、
S:グラウンド])
フォーンジャック (アンバランス型)
RCA ピンジャック
■ 出力仕様
出力端子名称 出力インピーダンス 適合インピーダンス ノミナルレベル 最大ノンクリップレベル 端子仕様
フォーンジャック(TRS)
4 dBu(1.23 V)
ST OUT (L、R) 150 Ω 10 kΩ ライン
EFFECT SEND 150 Ω 10 kΩ ライン
CH INSERT OUT (CH1、2)
REC OUT (L、R) 600 Ω 10 kΩ ライン
C-R OUT (L、R) 150 Ω 10 kΩ ライン
PHONES 100 Ω 40 Ω フォーン 3mW 75 mW ステレオフォーンジャック
150 Ω 10 kΩ ライン 0 dBu(0.775 V)
+
4 dBu(1.23 V)
+
10 dBV(316 mV) +10 dBV(3.16 V) RCA ピンジャック
4 dBu(1.23 V)
+
+20 dBu(7.75 V)
+20 dBu(7.75 V)
20 dBu(7.75 V)
+
+20 dBu(7.75 V)
*0dBu=0.775 V 、0 dBV=1 V とする
(インピーダンスバランス型 [T:ホット、R:コールド、
S:グラウンド])
フォーンジャック(TRS) (インピーダンスバランス型 [T:ホット、R:コールド、
S:グラウンド])
フォーンジャック(TRS) (アンバランス型[T:アウト、
R:イン、S:グラウンド])
フォーンジャック(TRS) (インピーダンスバランス型 [T:ホット、R:コールド、
S:グラウンド])
MG8/2FX
25
Page 26
付録
寸法図
251
REVERB HALL 1
REVERB HALL 2
REVERB ROOM 1
REVERB ROOM 2
REVERB STAGE 1
REVERB STAGE 2
REVERB PLATE
DRUM AMBIENCE
KARAOKE ECHO
VOCAL ECHO
CHORUS 1
CHORUS 2
FLANGER
PHASER
AUTO WAH
DISTORTION
65
290.5
単位: mm
26
MG8/2FX
Page 27

ブロック / レベルダイアグラム

付録
MG8/2FX
27
Page 28
サービスについて
■ 保証書
この商品には保証書がついています。販売店でお渡しして いますから、ご住所・お名前・お買上げ年月日・販売店名な ど所定事項の記入および記載内容をおたしかめの上、大切に 保管してください。
保証書は当社がお客様に保証期間内の無償サービスをお約 束するもので、この商品の保証期間はお買上げ日より 1 年で す。
保証期間内の転居 や、ご贈答用に 購入された場合などで、 記載事項の変更が必要なときは、事前・事後を問わずお買上 げ販売店 かお客 様ご相談窓 口、またはヤマ ハ電気 音響製品 サービス拠点へご連絡ください。継続してサービスできるよ うに手配いたします。
■ 損害に対する責任
この商品(搭載プログラムを含む)の使用または使用不能 により、お客様に生じた損害(事業利益の損失、事業の中断、 事業情報の損失、その他の特別損失や逸失利益)については、 当社は一切その責任を負わないものとします。また、如何な る場合でも、当社が負担する損害賠償額は、お客様がお支払 になったこの商品の代価相当額をもって、その上限とします。
■ 調整・故障の修理
「故障かな ?」と思われる症状のときは、この説明書をもう 一度よくお読みになり、電源・接続・操作などをおたしかめ ください。それでもなお改善されないときには、お買上げ販 売店へご連絡ください。調整・修理いたします。
調整・修理に際しては保証書をご用意ください。保証規定 により、調整・修理サービスをいたします。また、故障した 製品をお持ちいただくか、サービスにお伺いするのかも保証 書に書かれています。
修理サービ スは 保証期間が過 ぎた後も引 き続き おこなわ れ、そのための補修用性能部品が用意されています。性能部 品とは製品の機能を維持するために不可欠な部品のことをい い、PA 製品ではその最低保有期間は製造打切後 8 年です。 この期間は経済産業省の指導によるものです。
■ お客様ご相談窓口
ヤマハ PA 製品に関するご質問・ご相談はお客様ご相談窓 口へ、アフターサービスについてのお問合わせはヤマハ電気 音響製品サービス拠点へおよせください。
● お客様ご相談窓口:ヤマハプロオーディオ製品に対するお問合せ窓口
ヤマハ・プロオーディオ・インフォメーションセンター
Tel:03-5791-7678 Fax:03-5488-6663(電話受付=祝祭日を除く月〜金/11:00 〜 19:00) ONLINE support:http://proaudio.yamaha.co.jp/
● 営業窓口
国内楽器営業本部 EM 営業部 企画推進室 PA ・DMI 事業部 営業部 MP 営業課
03-5488-5430 〒 108-8568 東京都港区高輪 2-17-11
053-460-2432 〒 430-8650 浜松市中沢町 10-1
● ヤマハ電気音響製品サービス拠点:修理受付および修理品お預かり窓口
北海道サービスステーション ☎011-512-6108 〒 064-8543 札幌市中央区南十条西 1-1-50 ヤマハセンター内 仙台サービスステーション 首都圏サービスセンター 浜松サービスステーション 名古屋サービスセンター 大阪サービスセンター 四国サービスステーション 九州サービスステーション 本社 /CS センター
022-236-0249 〒 984-0015 仙台市若林区卸町 5-7 仙台卸商共同配送センター 3F
03-5762-2121 〒 143-0006
053-465-6711 〒 435-0016 浜松市和田町 200 ヤマハ(株)和田工場 6 号館 2 階
052-652-2230 〒 454-0058 名古屋市中川区玉川町 2-1-2 ヤマハ(株)名古屋倉庫 3F
06-6877-5262 〒 565-0803 吹田市新芦屋下 1-16 ヤマハ( 株)千里丘センター内
087-822-3045 〒 760-0029 高松市丸亀町 8-7 (株)ヤマハミュージック神戸 高松店内
092-472-2134 〒 812-8508 福岡市博多区博多駅前 2-11-4
053-465-1158 〒 430-8650 浜松市中沢町 10-1
東京都大田区平和島 2-1-1 京浜トラックターミナル 14 号棟 A-5F
* 名称、住所、電話番号、URL などは変更になる場合があります。
ヤマハプロオーディオウェブサイト http://proaudio.yamaha.co.jp/
ヤマハマニュアルライブラリー http://www2.yamaha.co.jp/manual/japan/
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© 2004 Yamaha Corporation
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Printed in China
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