Roland VK-8 MIDI IMPLEMENTATION [ja]

取扱説明書
このたびはローランド・コンボオルガン VK-8 をお買い上げいただきまして、 誠にありがとうございます。
この機器を正しくお使いいただくために、ご使用前に「安全上のご注意」(取 扱説明書 P.2、3)と「使用上のご注意」(取扱説明書 P.4)をよくお読みくだ さい。また、この機器の優れた機能を十分ご理解いただくためにも、取扱説明 書をよくお読みください。取扱説明書は必要なときにすぐに見ることができる よう、手元に置いてください。
取扱説明書について
ボタン名は[REVERB]ボタンのように[ ]で囲んで表記します。
分数のハーモニック・バー(P.22)の名称は、1-1/3'、2-2/3' のように表 記します。
[1]〜[8]などは、[1]から[8]までのいずれかのボタンをあらわして
います。
インジケーターの消灯/点灯/点滅は以下のように区別して示しています。
消灯 点滅 点灯
2002 ローランド株式会社
©
本書の一部、もしくは全部を無断で複写・転載することを禁じます。

安全上のご注意

安全上のご注意
火災・感電・傷害を防止するには
このマークは、注意喚起シンボルです。取扱説明書 などに、一般的な注意、警告、危険の説明が記載さ れていることを表わしています。
このマークは、機器の内部に絶縁されていない「危 険な電圧」が存在し、感電の危険があることを警 告しています。
マークについて
この機器に表示されているマークには、次のような意味があります。
注意:
感電防止のため、パネルやカバーを外さないでください。 この機器の内部には、お客様が修理/交換できる部品 はありません。 修理は、お買い上げ店またはローランド・サービスに 依頼してください。
注意
感電の恐れがあります。
キャビネットをあけないでください。
以下の指示を必ず守ってください
図記号の例
取扱いを誤った場合に、使用者が 傷害を負う危険が想定される場合 および物的損害のみの発生が想定 される内容を表わしています。  ※物的損害とは、家屋・家財およ
び家畜・ペットにかかわる拡大 損害を表わしています。
取扱いを誤った場合に、使用者が 死亡または重傷を負う可能性が想 定される内容を表わしています。
は、強制(必ずすること)を表わしています。
具体的な強制内容は、
の中に描かれています。 左図の場合は、「電源プラグをコンセントから抜 くこと」を表わしています。
警告
注意
注意の意味について警告と
 は、注意(危険、警告を含む)を表わしていま す。 具体的な注意内容は、 の中に描かれています。 左図の場合は、「一般的な注意、警告、危険」を 表わしています。
 は、禁止(してはいけないこと)を表わしてい ます。 具体的な禁止内容は、 の中に描かれています。 左図の場合は、「分解禁止」を表わしています。
警告
001
● この機器を使用する前に、以下の指示と取扱説
002a
● この機器を分解したり、改造 したりしないでく
003
● 修理/部品の交換などで、取扱説明 書に書かれ
004
● 次のような場所での使用や保存はし ないでくだ
明書をよく読んでください。
..............................................................................................................
ださい。
..............................................................................................................
ていないことは、絶対にしないで ください。必 ずお買い上げ店またはローラン ド・サービスに
相談してください。
..............................................................................................................
さい。 ○ 温度が極端に高い場所(直射日光の当たる場
所、暖房機器の近く、発熱する機器の上など)
○ 水気の近く(風呂場、洗面台、濡れた床など)
や湿度の高い場所
○ 雨に濡れる場所 ○ ホコリの多い場所
○ 振動の多い場所
..............................................................................................................
2
警告
005
● この機器の設置には、ローランドが推奨するKS-
..............................................................................................................
006
● この機器の設置に KS-12 を使用する場合、ぐら
..............................................................................................................
008a
● 電源プラグは、必ず AC100V の電源コンセント
..............................................................................................................
008e
● 電源コードは、必ず付属のものを使 用してくだ
..............................................................................................................
009
● 電源コードを無理に曲げたり、電源 コードの上
..............................................................................................................
12 を使用してください。
つくような所や傾いた所に KS-12 を設置しない でください。安定した水平な所に設 置してくだ
さい。機器を単独で設置する場 合も、同様に安 定した水平な所に設置してください。
に差し込んでください。
さい。また、付属の電源コードを他 の製品に使 用しないでください。
に重いものを載せたりしないで ください。電源 コードに傷がつき、ショートや 断線の結果、火
災や感電の恐れがあります。
警告
注意
010
● この機器を単独で、あるいはヘッ ドホン、アン プ、スピーカーと組み合わせて使用した場合、設
定によっては永久的な難聴になる程 度の音量に なります。大音量で、長時間使用しな いでくだ
さい。万一、聴力低下や耳鳴りを 感じたら、直 ちに使用をやめて専門の医師に相談 してくださ
い。
..............................................................................................................
011
● この機器に、異物(燃えや すいもの、硬貨、針 金など)や液体(水、ジュース など)を絶対に
入れないでください。
安全上のご注意
101a
● この機器は、風通しのよい、正常な通気が保た れている場所に設置して、使用してください。
..............................................................................................................
101c
● 本製品は当社製のスタンド(KS-12)とのみ、組 み合わせて使用 できるよう設計さ れています。
他のスタンドや カートと組み合わ せて使うと、 不安定な状態となって落下や転倒を引き起こ
し、けがをするおそれがあります。
..............................................................................................................
102b
● 電源コードを機器本体やコンセン トに抜き差し するときは、必ずプラグを持ってください。
..............................................................................................................
012a
● 次のような場合は、直ちに電源を切って電源 コードをコンセントから外し、お買い上げ店ま
たはローランド・サービスに修理を依頼してく ださい。
○ 電源コードやプラグが破損したとき ○ 煙が出たり、異臭がしたとき
○ 異物が内部に入ったり、液体がこぼれたりし
たとき
○ 機器が(雨などで)濡れたとき ○ 機器に異常や故障が生じたとき
..............................................................................................................
013
● お子様のいるご家庭で使用する場合、お子様の 取り扱いやいたずらに注意してください。必ず
大人のかたが、監視/指導してあげてください。
..............................................................................................................
014
● この機器を落としたり、この機器に 強い衝撃を 与えないでください。
..............................................................................................................
015
● 電源は、タコ足配線などの無理な配 線をしない でください。特に、電源タップを使用 している
場合、電源タップの容量(ワット/アンペア)を 超えると発熱し、コードの被覆が溶 けることが
あります。
..............................................................................................................
016
● 外国で使用する場合は、お買い上げ店または ローランド・サービスに相談してください。
..............................................................................................................
024
● 電源コードのアースを確実に 取り付けてくださ い。感電の恐れがあります(P.14)。
..............................................................................................................
103a
● 定期的に電源プラグを抜き、乾いた 布でゴミや ほこりを拭き取ってくださ い。また、長時間使
用しないときは、電源プラグをコン セントから 外してください。電源プラグとコン セントの間
にゴミやほこりがたまると、絶縁不 良を起こし て火災の原因になります。
..............................................................................................................
104
● 接続したコードやケーブル類は、繁雑にならな いように配慮してください。特に、コードやケー
ブル類は、お子様の手が届かないように配慮し てください。
..............................................................................................................
106
● この機器の上に乗ったり、機器の上 に重いもの を置かないでください。
..............................................................................................................
107b
● 濡れた手で電源コードのプラグ を持って、機器 本体やコンセントに抜き差ししないでくださ
い。
..............................................................................................................
108a
● この機器を移動するときは、電源プ ラグをコン セントから外し、外部機器との接続 を外してく
ださい。
..............................................................................................................
109a
● お手入れをするときには、電源を切 って電源プ ラグをコンセントから外してください(P.14)。
..............................................................................................................
110a
● 落雷の恐れがあるときは、早めに電 源プラグを コンセントから外してください。
..............................................................................................................
026
● 本機の上に水の入った容器(花びんなど)、殺 虫 剤、香水、アルコール類、マニキュア、スプレー
缶などを置かないでください。また、表面に付 着した液体は、すみやかに乾いた柔らかい布で拭き取って
ください。
..............................................................................................................
..............................................................................................................
3

使用上のご注意

291a
2、3 ページに記載されている「安全上のご注意」以外に、次のことに注意してください。
電源について
301
● 本機を冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、エアコンなどのイ ンバーター制御の製品やモーターを使った電気製品が接
続されているコンセントと同じコンセントに接続しない でください。電気製品の使用状況によっては、電源ノイ ズにより本機が誤動作したり、雑音が発生する恐れがあ
ります。電源コンセントを分けることが難しい場合は、 電源ノイズ・フィルターを取り付けてください。
307
● 接続するときは、誤動作やスピーカーなどの破損を防ぐ ため、必ずすべての機器の電源を切ってください。
308
● 電源スイッチを切った後、本機上の LCD や LED などは 消えますが、これは主電源から完全に遮断されているわ
けではありません。完全に電源を切る必要があるときは、 この機器の電源スイッチを切った後、コンセントからプ ラグを抜いてください。そのため、電源コ−ドのプラグ を差し込むコンセントは、この機器にできるだけ近い、
すぐ手の届くところのものを使用してください。
設置について
351
● この機器の近くにパワー・アンプなどの大型トランスを 持つ機器があると、ハム(うなり)を誘導することがあ
ります。この場合は、この機器との間隔や方向を変えて ください。
352a
● テレビやラジオの近くでこの機器を動作させると、テレ ビ画面に色ムラが出たり、ラジオから雑音が出ることが
あります。この場合は、この機器を遠ざけて使用してく ださい。
352b
● 携帯電話などの無線機器を本機の近くで使用すると、着 信時や発信時、通話時に本機から雑音が出ることがあり
ます。この場合は、それらの機器を本機から遠ざけるか、 もしくは電源を切ってください。
354b
● 直射日光の当たる場所や、発熱する機器の近く、閉め 切った車内などに放置しないでください。また、至近距 離から照らす照明器具(ピアノ・ライトなど)や強力な スポット・ライトで長時間同じ位置を照射しないでくだ
さい。変形、変色することがあります。
355b
● 極端に温湿度の違う場所に移動すると、内部に水滴がつ く(結露)ことがあります。そのまま使用すると故障の
原因になりますので、数時間放置し、結露がなくなって から使用してください。
356
● 本機の上にゴム製品やビニール製品などを長時間放置し ないでください。変形、変色することがあります。
358
● 鍵盤の上に物を置いたままにしないでください。発音し なくなるなどの故障の原因になります。
359
● 本機にシールなどを貼らないでください。はがす際に外 装の仕上げを損なうことがあります。
お手入れについて
401b
● お手入れは、柔らかい布で乾拭きするか、堅く絞った布 で汚れを拭き取ってください。木目にそって全体を均一
の力で拭きます。同じ所ばかり強くこすると、仕上げを 損なう恐れがあります。
402
● 変色や変形の原因となるベンジン、シンナーおよびアル コール類は、使用しないでください。
修理について
451a
● お客様がこの機器を分解、改造された場合、以後の性能 について保証できなくなります。また、修理をお断りす
る場合もあります。
452
● 修理に出される場合、記憶した内容が失われることがあ ります。大切な記憶内容は、他の MIDI 機器(シーケン サーなど)に保存するか、記憶内容をメモしておいてく
ださい。修理するときには記憶内容の保存に細心の注意 を払っておりますが、メモリー部の故障などで記憶内容 が復元できない場合もあります。失われた記録内容の修
復に関しましては、補償も含めご容赦願います。
453a
● 当社では、この製品の補修用性能部品(製品の機能を維 持するために必要な部品)を、製造打切後 6 年間保有し
ています。この部品保有期間を修理可能の期間とさせて いただきます。なお、保有期間が経過した後も、故障箇 所によっては修理可能の場合がありますので、お買い上 げ店、または最寄りのローランド・サービスにご相談く
ださい。
その他の注意について
551
● 記憶した内容は、機器の故障や誤った操作などにより、 失われることがあります。失っても困らないように、大
切な記憶内容はバックアップとして他の MIDI 機器
(シーケンサーなど)に保存しておいてください。
552
● 本体メモリーの失われた記憶内容の修復に関しましては、 補償を含めご容赦願います。
553
● 故障の原因になりますので、ボタン、つまみ、入出力端 子などに過度の力を加えないでください。
556
● ケーブルの抜き差しは、ショートや断線を防ぐため、プ ラグを持ってください。
557
● この機器は多少発熱することがありますが、故障ではあ りません。
558a
● 音楽をお楽しみになる場合、隣近所に迷惑がかからない ように、特に夜間は、音量に十分注意してください。 ヘッドホンを使用すれば、気がねなくお楽しみいただけ ます。
559a
● 輸送や引っ越しをするときは、この機器が入っていたダ ンボール箱と緩衝材、または同等品で梱包してください。
559c
● この機器が入っていた梱包箱や緩衝材を廃棄する場合、 各市町村のゴミの分別基準に従って行ってください。
561
● エクスプレッション・ペダルは、必ず指定のもの(別 売:EV-7)をお使いください。他社製品を接続すると、 本体の故障の原因になる場合があります。
4
目次
取扱説明書について....................................................................................................................................... 1
安全上のご注意 .........................................................................................2
使用上のご注意 .........................................................................................4
はじめに....................................................................................................7
各部の名称と働き .....................................................................................8
VK-8 のしくみ.........................................................................................11
バーチャル・トーンホイールについて ........................................................................................11
オルガンの音作りについて.............................................................................................................11
オルガン以外の音色について.........................................................................................................12
メモリーについて..............................................................................................................................13
演奏する前に ..........................................................................................14
電源コードを接続する.................................................................................................................................14
アンプやスピーカー、ヘッドホンと接続する........................................................................................15
ペダル鍵盤を接続する.................................................................................................................................16
エクスプレッション・ペダルやペダル・スイッチを接続する ..........................................................16
電源を入れる..................................................................................................................................................17
電源を切るときは..............................................................................................................................17
工場出荷時の設定にする(ファクトリー・リセット).........................................................................18
デモ・ソングを聴く.....................................................................................................................................19
オルガンの基本的な使いかた .................................................................20
いろんな音を聴いてみよう.........................................................................................................................20
オルガン・ボイスについて.........................................................................................................................21
音をリアルタイムに変化させる(ハーモニック・バー).....................................................................22
オルガンの音色を変える(ホイール・タイプ、リーケージ・ノイズ)............................................25
音にメリハリをつける(パーカッション)..............................................................................................26
音に揺らぎをつける(ビブラート・アンド・コーラス).....................................................................29
回転スピーカー風のうねりをつける(ロータリー・サウンド)........................................................30
アンプのタイプを変える(アンプ・タイプ、オーバードライブ、トーン)....................................31
D ビームに手をかざして音色を変化させる............................................................................................32
D ビームの感度を調節する .............................................................................................................34
音に残響をつける(リバーブ)..................................................................................................................35
アッパーとロワーに分けて演奏する(スプリット).............................................................................36
スプリット・ポイントを変える.....................................................................................................36
エクスプレッション・ペダルを使う........................................................................................................37
アクティブ・エクスプレッション機能を使う............................................................................37
コントロール・ペダルを使う.....................................................................................................................38
コントロール・ペダルに機能を割り当てる................................................................................38
ホールド・ペダルを使って音を鳴らし続ける........................................................................................40
5
目次
オルガン以外の音(アザー・トーン)の使いかた .................................41
アザー・トーンの音をオルガンの音に重ねる(レイヤー).................................................................41
オルガンの音とアザー・トーンの音をアッパーとロワーに分けて演奏する(スプリット).......42
作った設定を保存する(プリセット).....................................................43
同じバンクのプリセットに保存する ............................................................................................44
他のバンクのプリセットに保存する ............................................................................................44
プリセットをコピーする .................................................................................................................44
より高度に使いこなそう ........................................................................45
エディット・モードについて.........................................................................................................45
基本的な操作手順..............................................................................................................................45
システム全体で保存される設定 ................................................................................................................47
ロータリーに関する設定 .................................................................................................................47
クリック・ノイズとパーカッションの設定................................................................................49
MIDI に関する設定 ............................................................................................................................50
イコライザーやその他の設定.........................................................................................................53
プリセットで保存されるパラメーター....................................................................................................54
エフェクトやその他に関する設定 ................................................................................................54
アザー・トーンを鳴らすパートを選ぶ ........................................................................................55
外部機器を接続しよう ............................................................................56
外部 MIDI 機器から VK-8 の音源を鳴らす..............................................................................................56
MIDI IN 端子の働きを変える(SUB KEYBOARD FUNCTION)............................................56
2 段鍵盤で使用する ..........................................................................................................................57
ペダル鍵盤を接続する .....................................................................................................................57
外部シーケンサーで演奏を録音する........................................................................................................58
VK-8 の設定を外部シーケンサーに保存する(バルク・ダンプ)......................................................59
外部シーケンサーに保存したデータを VK-8 に戻す ................................................................59
ロータリー・スピーカーに接続する........................................................................................................60
故障かな?と思ったら ............................................................................61
エラー表示..........................................................................................................................................64
プリセット/ OTHER TONES 一覧 ........................................................65
プリセット一覧..................................................................................................................................65
アザー・トーン一覧 .........................................................................................................................66
エディット・パラメーター 一覧.............................................................67
ドラム・リスト .......................................................................................68
MIDI インプリメンテーション................................................................69
MIDI インプリメンテーション・チャート..............................................75
主な仕様..................................................................................................76
索引 .........................................................................................................77
6

はじめに

オルガンとしての基本性能を追求                          
●バーチャル・トーンホイール音源
トーンホイール・オルガンの発音原理を忠実に再現した、バーチャル・トーンホイール音源を搭載してい ます。発音が高速なため、特にグリッサンド演奏で効果を発揮します。また、アッパー、ロワー、ペダル それぞれ全てのパートが完全ポリフォニックのため、音切れのしない理想的な演奏が可能です。
●ロータリー・サウンド
オルガン演奏に欠かせない回転スピーカーを COSM テクノロジーに基づいたエフェクト・アルゴリズムに より、忠実に再現しました。キーボード・アンプ(KC-1000 等)やステレオ・セットに接続するだけで、 本格的なロータリー・サウンドが得られます。
●オーバードライブ・サウンド
回転スピーカーの真空管回路の特性やスピーカー・キャビネットの音響特性だけではなく、様々なタイプ のアンプを忠実にシミュレートしています。ロック向きの重厚なオーバードライブ・サウンドや、箱鳴り 感が得られ、アンプ・タイプを切り替えることで様々な演奏を楽しむことができます。
●ウォーターフォール鍵盤
伝統的なトーンホイール・オルガンと同様の鍵盤を搭載しています。グリッサンド等のオルガン奏法に最 も適した鍵盤を新規に設計しました。
●直感的な操作性
ハーモニック・バーや回転ツマミ、大きなボタンを装備して操作性を重視した設計です。VIBRATO AND CHORUS や PERCUSSION 等も伝統的なトーンホイール・オルガンと同様の操作、配置になっています。
また、オルガンの音づくりに重要な、トーンホイール・タイプ、リーケージノイズ、アンプシミュレー ター等をギター・アンプでの音づくりのように直感的に直接操作できます。
●天然木を使用した外観
伝統的なトーンホイール・オルガンを意識した木製キャビネットです。サイド・パネルは、天然木に塗装 を施した豪華な仕上げになっていますので、使えば使うほど味わいが出てきます。末永くお使いください。
オルガン音源に加えて、PCM 音源を搭載                       
VK-8 は、オルガン音源とは別に PCM 音源を搭載し、高品質なピアノ、エレクトリック・ピアノ 1、エレ クトリック・ピアノ 2、ストリングス、ジャズ・スキャット、クワイヤ、シンセサイザー、ブラスを内蔵 しています。オルガンと組み合わせることで演奏の表現力を一層高めることができます。
その他の特長                                   
D BEAM コントローラーでトーン・ホイールのモーターオフやスプリング・リバーブの衝撃音等、オル
ガン特有の効果を演出できます。ステージでのパフォーマンスを高める、アグレッシブな演奏を楽しん でください。 ロータリー・スピーカー専用のコネクターを装備しています。11 ピン仕様のロータリー・スピーカーを
直接、接続することができます。
リアに 2 つの MIDI IN 端子を装備し、他のキーボードやペダル鍵盤を接続して、2段鍵盤やペダル鍵盤を 使用した演奏が楽しめます。
パネルの設定を 64 種類、記憶するユーザー・プリセット・メモリーを装備しています。
エクスプレッション・ペダル、ホールド・ペダル端子の他に様々な機能を割り当てられるコントロー ル・ペダル端子を装備しています。エクスプレッション・ペダルやペダル・スイッチを接続することで
多彩な演奏をすることができます。
7

各部の名称と働き

25
27
[MASTER VOLUME](マスター・ボリューム)つ
1.
まみ
全体の音量を調節します(P.17)。
■ VIBRATO AND CHORUS
2.
VIBRATO AND CHORUS[ON](ビブラート・コーラ ス・オン)ボタン
ビブラートまたはコーラス効果をオン/オフします
(P.29)。
3.
[VIBRATO AND CHORUS](ビブラート・コーラス)つま
ビブラートまたはコーラス効果のタイプを切り替えます
(P.29)。
■ D BEAM
D BEAM(D ビーム)コントローラー
4.
D ビーム・コントローラーに手をかざして音色を変化させ ます(P.32)。
D BEAM[ON](D ビーム・オン)ボタン
5.
D ビーム・コントローラーのオン/オフを切り替えます
(P.32)。
6.
[D BEAM](D ビーム)ボタン
D ビーム・コントローラーでコントロールする効果を選び ます(P.32)。
■ TONE WHEEL
7.
[LEAKAGE](リーケージ)つまみ
ホイール・タイプで選択できるリーケージ・ノイズとは別 に、単独にリーケージ・ノイズを加えることができます
(P.25)。
[TONE WHEEL](トーンホイール)ボタン
8.
バーチャル・トーンホイールの種類を選びます(P.25)。
1
652 43 8
31302926 28
■ AMPLIFIER
[OVERDRIVE](オーバードライブ)つまみ
9.
オーバードライブのかかり具合を調節します(P.31)。
10.
[AMPLIFIER](アンプ)ボタン
仮想アンプの周波数特性やキャビネットの鳴りを切り替え ます(P.31)。
[TONE](トーン)つまみ
11.
オルガン・ボイスの音質を変えることができます
(P.31)。
■ REVERB
REVERB[LEVEL](リバーブ・レベル)つまみ
12.
リバーブ効果のかかり具合を調節します(P.35)。
[REVERB](リバーブ)ボタン
13.
リバーブ効果のタイプを切り替えます(P.35)。
■ OTHER TONES
14.
[SPLIT](スプリット)ボタン
鍵盤を 2 つの鍵域に分けて、それぞれの領域に別々の音 色を割り当てます(P.36、42)。
15.
[H-BAR MANUAL]
このボタンを押すと、選ばれているプリセットのハーモ ニック・バーの設定が、パネル上のハーモニック・バーの
位置(設定)に切り替わります。
16.
[WRITE](ライト)ボタン
パネルの設定をプリセットに保存します(P.43、44)。
[BANK](バンク)ボタン
17.
プリセットのバンクを選びます(P.20、43、44)。
18.
[PRESET](プリセット)ボタン
プリセット・モードに切り替えます(P.20、43)。
(ハーモニックバー・マニュアル)
7
ボタン
8
9
10 12 1311 2018
14 15
19
21 22 23
各部の名称と働き
POWER SWITCH LOCATED ON THE REAR PANEL
POWER SWITCH LOCATED ON THE REAR PANEL
24
16 17
[1]〜[8]ボタン
19.
[PRESET]ボタンのランプが点灯しているときは、[1]
〜[8]ボタンはプリセットを切り替えるボタンになりま す。[PRESET]ボタンのランプが消灯しているときは、
[1]〜[8]ボタンは OTHER TONES(アザー・トーン)
ボタンになります。
[1/(OHTER TONES) PIANO]ボタン [2/(OHTER TONES) ELECTRIC PIANO 1]ボタン
[3/(OHTER TONES) ELECTRIC PIANO 2]ボタン [4/(OHTER TONES) STRINGS]ボタン
[5/(OHTER TONES) JAZZ SCAT]ボタン [6/(OHTER TONES) CHOIR]ボタン
[7/(OHTER TONES) SYNTH]ボタン [8/(OHTER TONES) BRASS]ボタン
20.
[OTHER TONES LEVEL](アザー・トーン・レベル)
つまみ
OTHER TONES(アザー・トーン)の音量を調節します。
■ PERCUSSION(パーカッション)
21.
[SECOND](セカンド)ボタン
オルガン・ボイスにセカンド・パーカッション(ハーモ ニック・バーの 4' と同じ高さの音)を加えます(P.26)。
22.
[THIRD](サード)ボタン
オルガン・ボイスにサード・パーカッション(ハーモニッ ク・バーの 2-2/3' と同じ高さの音)を加えます(P.26)。
23.
[SOFT](ソフト)ボタン
パーカッションの音量を切り替えます(P.27)。
24.
[SLOW](スロー)ボタン
パーカッションの減衰時間を切り替えます(P.28)。
ハーモニック・バー
25.
オルガン・ボイスの音色を作ります。演奏しながら、リア ルタイムに音色を変化させることができます(P.22)。
■ HARMONIC BAR PART
ハーモニック・バーの設定を反映させるパートを選択します。
[PEDAL](ペダル)ボタン
26.
ハーモニック・バーを動かすと、ペダル・パートの音色が 変化します(P.21)。
27.
[LOWER](ロワー)ボタン
ハーモニック・バーを動かすと、ロワー・パートの音色が 変化します(P.21)。
28.
[UPPER](アッパー)ボタン
ハーモニック・バーを動かすと、アッパー・パートの音色 が変化します(P.21)。
■ ROTARY SOUND
29.
ROTARY[ON](ロータリー・オン)ボタン
オルガン・ボイスのロータリー効果のオン/オフを切り替 えます(P.30)。
[BRAKE](ブレーキ)ボタン
30.
ロータリーの回転のオン/オフを切り替えます。オンにす ると回転は徐々に止まり、オフにすると回転が徐々に始ま
ります(P.30)。
31.
[SLOW/FAST](スロー/ファスト)ボタン
ロータリーの回転の速度を切り替えます(P.30)。 速い点滅・・・速く回転
遅い点滅・・・ゆっくり回転
9
各部の名称と働き
32 33
34 3635 38 40 41 4237 39 43
■リア・パネル
[POWER](電源)スイッチ
32.
VK-8 本体の電源を入れたり、切ったりします(P.17)。
33.
AC インレット
付属の電源コードを接続します(P.14)。
34.
MIDI KEYBOARD IN(ミディ・キーボード・イン) 端子
外部鍵盤を接続して、2 段鍵盤として演奏することができ ます(P.57)。
また外部シーケンサーなどを接続して、シーケンサーの演 奏を VK-8 で鳴らすこともできます(P.58)。
35.
MIDI PEDAL IN(ミディ・ペダル・イン)端子
ペダル鍵盤を接続して、ペダル演奏をすることができます
(P.57)。
また外部シーケンサーなどを接続して、シーケンサーの演 奏を VK-8 で鳴らすこともできます(P.58)。
36.
MIDI OUT(ミディ・アウト)端子
外部 MIDI 機器を接続して、VK-8 の MIDI 情報を送信する ことができます(P.56)。
HOLD PEDAL(ホールド・ペダル)端子
37.
ペダル・スイッチを接続して、ペダルを踏んでいる間、弾 いたオルガン・ボイスやアザー・トーンを鳴らし続けるこ
とができます(P.16、40)。
CONTROL PEDAL(コントロール・ペダル)端子
39.
ペダル・スイッチやエクスプレッション・ペダルを接続し て、ペダルに機能を割り当てることができます(P.16、
38)。
40.
OUTPUT R(アウトプット R)端子 OUTPUT L (MONO)(アウトプット L)端子
41.
アンプやスピーカーなどを接続します。モノで出力すると きは、L(MONO)側に接続してください(P.15)。
PHONES(ヘッドホン)端子
42.
別売のヘッドホンを接続します(P.15)。
ROTARY TONE CABINET(ロータリー・トーン・キャ
43.
ビネット)端子
回転スピーカーを接続することができます(P.60)。
38.
EXPRESSION PEDAL(エクスプレッション・ペダル) 端子
エクスプレッション・ペダル(別売:EV-5 、EV-7)を接 続して、音量を調節することができます(P.16、37)。
10

VK-8 のしくみ

■ バーチャル・トーンホイールについて

伝統的なトーンホイール・オルガンは、「トーンホイール」と呼ばれる 91 個の歯車で音を作っています。 トーンホイールはそれぞれ異なる高さの音が出るような歯車になっています。この歯車をモーターで回転 させて電磁コイルにより音声信号に変換し、ハーモニック・バーの組み合わせと鍵盤を弾いた状態から出 力する音声信号を選んで、オルガン音を作り出していました。
VK-8 のバーチャル・トーンホイール音源は、トーンホイール・オルガンの音が出るしくみをデジタル技術 で忠実に再現したものです。91 個の歯車はデジタル的に常時回転して、いつでも発音できるようになって います。このバーチャル・トーンホイールも伝統的なトーンホイール・オルガン同様に、ハーモニック・ バーの組み合わせと鍵盤を弾いた状態から音を作り出しています。

■ オルガンの音作りについて

トーンホイール
トーンホイールは常時回転しており、鍵盤を押した瞬間に高速に発音します。VK-8 のバーチャル・トーン ホイール音源も常時発音による高速発音を実現しています。この高速発音は、グリッサンド奏法等のオル ガン演奏に高い効果を発揮します。
オルガンの音は基音と 8 個の倍音で構成され、ハーモニック・バーで組み合わされています。演奏中に ハーモニック・バーを使用することで音色に変化をつけ、表現力の高い演奏をすることができます。
パーカッション
トーンホイール・パーカッションは、鍵盤を押したときにアタック音を付加してメリハリのある音を出す ときに使います。パーカッション音の高さは、鍵盤を基音として 2 倍音(SECOND)か 3 倍音(THIRD) に設定したり、音量を弱くしたり(SOFT)、減衰時間を長くしたり(SLOW)することができます。
トーンホイール・オルガンのパーカッションは「シングルトリガー」と呼ばれ、押したすべての鍵の音に 付加されるものではなく、初めに押した鍵の音にのみパーカッションが付加されます。はじめに押した鍵 から指を離すと、次に鍵を押したときにパーカッションが発音します。レガート演奏する(なめらかに連 続して弾く)と、初めに押した鍵にだけパーカッションがつき、あとはパーカッションがつかないように することができます。またスタッカート演奏することで、押したすべての鍵の音にパーカッションをつけ ることができます。パーカッションの音を鳴らすときに鍵盤の連打速度が速いと、パーカッションの回路 が追従できずに音が小さくなってしまいますが、VK-8 では速い連打に追従するように調整することもでき ます(P.50)。トーンホイール・オルガンの演奏において、パーカッションのつけかたは、表現を高めるう えで非常に重要です。
トーンホイール・オルガンは、パーカッションの音を鳴らすために 1' のハーモニック・バーを使っていま す。そのため、パーカッションをつけると 1' のハーモニック・バーは音が出なくなります。また、パー カッションはアッパー・パートにのみつきます。
トーンホイール・オルガンは、パーカッションの[SOFT]ボタンをオフしたときにオルガンの音量が下が る特徴を持っていますが、VK-8 ではパーカッションの[SOFT]ボタンをオン/オフしたときも、オルガ ンの音量が変化しないように調整することができます(P.49)。
キー・クリック
初期の伝統的なトーンホイール・オルガンには、鍵盤を押したときや鍵盤から指を離したときのパーカッ ションとは別に「クリック」と呼ばれるアタック音がついています。当初は欠点とされていたクリック音 ですが、ブルースやロックでその独特の音を生かした演奏がされるようになり、ジャズにおいても無くて はならない特長となりました。
VK-8 では、鍵盤を押したときや鍵盤から指を離したときのそれぞれのクリック音量を調節することができ ます(P.49)。
11
VK-8 のしくみ
ビブラート・アンド・コーラス
伝統的なトーンホイール・オルガンには、ビブラートが 3 種類(V1、V2、V3)、コーラスが 3 種類(C1、 C2、C3)の計 6 タイプのエフェクトがあります。
ビブラートは周期的にピッチが変化する効果で、コーラスはピッチに揺らぎを持たせて広がりや厚みを持 たせる効果です。
ハーモニック・バー
トーンホイール・オルガンのハーモニック・バーは、左から右に低い音から高い音の順番で並んでいます。 8' を基音とし、パイプ・オルガンのパイプにならって「フィート」と呼ばれています。
ハーモニック・バーの順番で 1 つだけ例外があります。それは左から 2 番目の 5-1/3' です。音の高さだけ で並べれば左から 3 番目になりますが、5-1/3' は 16' の倍音で 16' の音に溶け合うため、16' の隣になっ ています。
ハーモニック・バーは 3 色に色分けされています。8' を中心にオクターブの関係にあるものは「白色」、オ クターブの倍音ではないものは「黒色」、そして低域が「茶色」となっています。
トーンホイール・オルガンは「フォールドバック」と呼ばれるしくみを持っており、高い鍵域では高い フィートが、低い鍵域では低いフィートが繰り返して使われます。109 個のトーンホイールがあれば、 トーンホイール・オルガンの鍵盤 61 鍵のすべてでハーモニック・バーの 9 つの倍音を鳴らせますが、高 音域は音が高すぎて耳障りになったり、低音域は低すぎてはっきりと聞こえなくなったりします。そのた めフォールドバックすることにより、バランスの良い音を出しています。
アンプ・タイプ(ロータリー、オーバードライブ、トーン)
トーンホイール・オルガンにロータリー・スピーカーを使うことで、音のうねりと回転感を出し、立体的 な音の広がりを作ることができます。
VK-8 ではロータリー・スピーカーの音量、回転がファストやスローへ切り替わる時間、ファスト時やス ロー時の回転速度、広がり感をツイーターとウーファーで別々に設定することができます。
リバーブ
リバーブは音に残響をつける効果です。リバーブ・タイプの ROOM(ルーム)、HALL(ホール)、 CHURCH(チャーチ)は、それぞれ異なる広さの空間にいるような残響をつけます。また、リバーブ・タ イプの SPRING(スプリング)は伝統的なオルガンでよく使用されている、バネを利用したスプリング・ リバーブ回路を再現しています。
VK-8 では残響時間を変えたり(P.55)、[REVERB]つまみを回してリバーブの音量を調節したりするこ とができます(P.35)。

■ オルガン以外の音色について

VK-8 にはオルガン以外の音色も内蔵されています。これらの音色のことを「OTHER TONES」(アザー・ トーン)と呼びます。OTHER TONES は、アッパー、ロワー、ペダルのいずれかパートで演奏することが できます(P.55)。
OTHER TONES には、以下の 8 音色があります。
12
1. PIANO(ピアノ)
2. ELECTRIC PIANO1(エレクトリック・ピアノ 1)
3. ELECTRIC PIANO2(エレクトリック・ピアノ 2)
4. STRINGS(ストリングス)
5. JAZZ SCAT(ジャズ・スキャット)
6. CHOIR(クワイア)
7. SYNTH(シンセサイザー)
8. BRASS(ブラス)

■ メモリーについて

システム・メモリー
VK-8 全体に関わる設定のことを「システム・メモリー」と呼びます(P.45)。
プリセット・メモリー
ハーモニック・バーやパネルの設定など、プリセット番号ごとに記憶するものを「プリセット・メモリー」 と呼びます(P.45)。
プリセット・メモリーは全部で 64 個あり、すべて変更することができます。
VK-8 のしくみ
13

演奏する前に

必ず付属の電源コードを使っ
他の機器と接続するときは、
電源コード  (付属)
リア・パネル
2P-3P変換器  (付属)
2P-3P変換器

電源コードを接続する

接続をする前に、VK-8 の電源がオフになっていることを確認します。
1
付属の電源コードを本体の AC インレットに差し込み、もう片方を電源コ
2
ンセントに差し込みます。
付属の電源コードには感電と機器の損傷を防ぐためのアース端子が付い
ています。コンセントにプラグを差し込むときは、アース端子を接続し
てください。なお、接続方法が分からないときは、ローランド・サービ
スにご相談ください。
fig.01-(アンプ、スピーカー、ヘッドホンの接続図)
誤動作やスピーカーなどの破 損を防ぐため、必ずすべての 機器の音量を絞った状態で電 源を切ってください。
てください。
14

アンプやスピーカー、ヘッドホンと接続する

他の機器と接続するときは、
ステレオ・セットなど
パワー・アンプ
ミキサーなど
オーディオ・
ケーブル
ヘッドホン
モニター・ スピーカー
VK-8 の性能を最大限に生かす
オーディオ・ケーブルやヘッ
VK-8 の PHONES 端子はライ ブ等での使用を考え、他の電 子楽器と比べて大きな音量が 出るように設計されています。 大きな音量で長時間聴いてい ると、耳を痛めることがあり ますので、音量の調節には十 分ご注意ください。
演奏する前に
VK-8 は、アンプやスピーカーを内蔵していません。音を出すにはモニター・ス ピーカーやステレオ・セットなどのオーディオ機器、またはヘッドホンなどをご 用意ください。
接続をする前に、すべての機器の電源がオフになっていることを確認しま
1
す。
VK-8 とアンプやスピーカー、ヘッドホンを図のように接続します。
2
fig.01-(アンプ、スピーカー、ヘッドホンの接続図)
誤動作やスピーカーなどの破 損を防ぐため、必ずすべての 機器の音量を絞った状態で電 源を切ってください。
ためにもステレオでの使用を おすすめしますが、モノで使 用されるときは、OUTPUT L
(MONO)端子に接続してくだ
さい。
アンプやスピーカーなどのオーディオ機器を接続するにはオーディオ・ケーブル を使います。ヘッドホンを使う場合は、本体背面にある PHONES 端子にプラグを 差し込みます。
出力端子について
VK-8 の OUTPUT 端子はバランス出力とアンバランス出力の両方に対応してい ます。バランス出力時にはバランス・タイプ(TRS タイプ)の標準プラグを持 つケーブルを、アンバランス出力時にはアンバランス・タイプ(TS タイプ)の 標準プラグを持つケーブルを使用してください。
(TRS タイプと TSタイプのプラグの絵)
TRS TS
TIP (HOT)
SLEEVE (Ground)
RING (Cold)
ドホンは付属していません。 別途ご用意ください。
SLEEVE (Ground)
TIP (HOT)
15
演奏する前に
サブ・キーボード・ファンク
電源を入れるときは必ず、 MIDI ペダル鍵盤を入れてか ら、VK-8 の電源を入れてくだ さい。また、電源を切るとき は VK-8 の電源を切った後に、 MIDI ペダル鍵盤の電源を切っ てください。
エクスプレッション・ペダル

ペダル鍵盤を接続する

接続をする前に、すべての機器の電源がオフになっていることを確認しま
1
す。
市販のMIDIケーブルを使って、VK-8の MIDI PEDAL IN 端子とMIDI ペ
2
ダル鍵盤の MIDI OUT 端子を接続します。
fig.01-(ペダル鍵盤との接続図)
PEDAL IN
ションをオンにすると、MIDI チャンネルを設定する必要は ありません(P.56)。
MIDI OUT
PK-7
3
MIDI ペダル鍵盤の電源を入れます。
4
VK-8 の電源を入れます。
PK-5
MIDI OUT

エクスプレッション・ペダルやペダル・ス イッチを接続する

リア・パネルの EXPRESSION PEDAL 端子、HOLD PEDAL 端子、CONTROL PEDAL 端子に、エクスプレッション・ペダルやペダル・スイッチを接続すること ができます。
fig.
は、必ず指定のもの(別売: EV-7)をお使いください。他 社製品を接続すると、本体の 故障の原因になる場合があり ます。
16
DP-2
EV-7

電源を入れる

正しく接続したら、必ず次の
音量が小さくなる 音量が大きくなる
この機器は回路保護のため、
音量を上げすぎないように注 意してください。大きな音量 は周囲の迷惑となるばかりで なく、アンプやスピーカーの 破損や聴力障害の原因になる ことがあります。
音色の設定を変更している途
電源を入れる前に、次のことを確認します。
1
周辺機器と正しく接続されている。
VK-8 および接続しているオーディオ機器やスピーカーの音量が最小になってい る。
2
VK-8 のリア・パネルにある[POWER]スイッチの「POWER ON 側」
演奏する前に
手順で電源を入れてください。 手順を間違えると、誤動作し たり、スピーカーなどが破損 する恐れがあります。
(上側)を押して、電源を入れます。
電源が入ると、パネルの HARMONIC BAR PART[UPPER]ボタンや[REVERB TYPE]ボタンなどのインジケーターが点灯します。
fig.
接続しているオーディオ機器やアンプなどの電源を入れます。
3
[MASTER VOLUME]つまみを右側に回して、VK-8 の音量を調節し
4
ます。
fig.
電源をオンにしてからしばら くは動作しません。
VK-8 に接続している機器の音量を調節します。
5

■ 電源を切るときは

電源を切る前に次のことを確認します。
1
VK-8 および接続している機器の音量が最小になっている。
作った音色データは保存されている。
VK-8 に接続している機器の電源を切ります。
2
VK-8 の[POWER]スイッチの下部を押して、電源を切ります。
3
fig.
中で電源を切ると、変更中の 設定は消えてしまいます。変 更した設定を記憶しておきた い場合は、必ず設定の保存を してから電源を切ってくださ い。詳しくは、「作った設定を 保存する(プリセット)」
(P.43)をご覧ください。
17
演奏する前に
製品出荷時の設定にする操作
ファクトリー・リセット中は、

工場出荷時の設定にする(ファクトリー・リ セット)

VK-8 に記録されているすべての設定を工場出荷時の設定に戻します。
音量が最小になっていることを確認します。
1
[POWER]スイッチの下部を押して、電源を切ります。
2
fig.
3
HARMONIC BAR PART[UPPER][LOWER][PEDAL]ボタン
を押しながら、[POWER]スイッチの上部を押して、電源を入れます。
をおこなうと、VK-8 の本体内 に作ったデータはすべて消え てしまいます。VK-8 の中に大 切なデータが記憶されている ときは、製品出荷時の設定を する前にバルク・ダンプの操 作で外部 MIDI シーケンサーな どにデータを保存してくださ い(P.59)。
4
パネルのすべてのインジケーターが点灯するまで、HARMONIC BAR
PART[UPPER][LOWER][PEDAL]ボタンを押し続けます。
すべての設定が、工場出荷時の設定に戻ります。
ファクトリー・リセットが終了すると、パネルのすべてのインジケーターが数秒 間点灯します。
fig.
絶対電源を切らないでくださ い。
18

デモ・ソングを聴く

に、[1]〜[4]ボタンを押し て、デモ・ソングの再生を始 める曲を選ぶことができます。
これらのデモ・ソングを個人
デモ・ソングの演奏データは
デモ・ソングの 3 番は、スプ
VK-8 には 4 曲のデモ・ソングが内蔵されています。はじめにデモ・ソングを聴い て、オルガンの音色や効果のかかり具合を確認してみましょう。
fig.
1 2, 34
1
[SPLIT]ボタンと[H-BAR MANUAL]ボタンを同時に押します。
演奏する前に
デモ・モードに入ります。
2
[PRESET]ボタンを押して、インジケーターを点灯させます。
デモ・ソングが 1 曲目から Chain Play(連続再生)されます。
1 曲目のデモ・ソングが終わると、続けて次の曲が再生されます。最後の曲の演 奏が終わると、1 曲目に戻って再生されます。
3
もう一度[PRESET]ボタンを押して、インジケーターを消灯させま
す。
デモ・ソングの再生が止まります。
4
[SPLIT]ボタンを押します。
デモ・モードが終了します。
曲番号 曲名 コピーライト
1 Blue Forest © 2002 Roland Corporation
2 Sunset Blvd © 2002 Roland Corporation
で楽しむ以外に権利者の許諾 なく使用することは禁じられ ています。
MIDI OUT 端子からは出力さ れません。
3 Medical Fact © 2002 Tatsuya Nishiwaki
4 Let’s Get Ready to Praise © 2002 Roland Corporation
リング・ショック効果を使用 しています。再生するときに、 音量を上げすぎると大きな衝 撃音が出ますので、ご注意く ださい。衝撃音を小さくする 場合は[MASTER VOLUME] つまみを使って、音量を調節 してください。
19

オルガンの基本的な使いかた

同じバンク内のプリセットを
間は、選ばれているバンクの インジケーターが点灯します。

いろんな音を聴いてみよう

VK-8 にはあらかじめ 64 種類のプリセットが記憶されています。8 つのプリセッ トを 1 つのグループ(バンク)として 8 つのグループで構成されています。
プリセットを切り替えながら、いろいろな音を聴いてみましょう。
fig.
12
[PRESET]ボタンを押して、インジケーターを点灯させます。
1
[BANK]ボタンを押しながら[1]〜[8]ボタンを押して、バンク番
2
号を選びます。
[1]〜[8]ボタンを押して、プリセット・ナンバーを選びます。
3
選んだナンバーのボタンのインジケーターが点灯します。
鍵盤を弾いて音を鳴らしてみましょう。
4
3
呼び出すときは、操作 2 は必 要ありません。
例:
プリセット 11 からプリセット 18 に切り替える場合
[8]ボタンを押します。
プリセット 11 からプリセット 35 に切り替える場合
[BANK]ボタンを押しながら[3]ボタンを押します。[BANK]ボタンと[3]
ボタンから指を離した後、[5]ボタンを押します。
20

オルガン・ボイスについて

ロワー・パートの音色を確か
オルガン・ボイスには「アッパー」「ロワー」「ペダル」の 3 パートがあります。
VK-8 の鍵盤を弾くと、アッパー・パートの音色が鳴ります。
以下のような、演奏のしかたもあります。
VK-8 の鍵盤を左右 2 つの領域に分けて、右側でオルガンのアッパー・パートの 音色、左側でオルガンのロワー・パートの音色を鳴らす(P.36)。
外部鍵盤を接続して、VK-8 でオルガンのアッパー・パート音色、外部鍵盤でオ ルガンのロワー・パート音色を鳴らす(P.57)。
外部ペダル鍵盤を接続して、VK-8 でオルガンのアッパー・パート音色、外部ペ ダル鍵盤でオルガンのペダル・パート音色を鳴らす(P.57)。
オルガン・ボイスのアッパー・パート、ロワー・パート、ペダル・パートの音色 を、ハーモニック・バーで設定することができます。
オルガンの基本的な使いかた
HARMONIC BAR PART[UPPER]ボタン、[LOWER]ボタン、
1
[PEDAL]ボタンのいずれかを押して、音色を変えるパートを選びます。
HARMONIC BAR PART[UPPER]ボタン アッパー・パート HARMONIC BAR PART[LOWER]ボタン ロワー・パート HARMONIC BAR PART[PEDAL]ボタン ペダル・パート
[H-BAR MANUAL]ボタンを押して、インジケーターを点灯させま
2
す。
[H-BAR MANUAL]ボタンのインジケーターが消灯しているとき、ハーモニッ
ク・バー設定は、選ばれているプリセット(P.20、43)のオルガン・ボイスの ハーモニック・バー設定になります。
ハーモニック・バーを動かして、音色を変化させます(P.22)。
3
設定した音色は、プリセットに保存しておくことができます(P.43)。
ボタン パート
めるには、スプリット(P.42) して左側の領域でロワー・
パートの音色を鳴らすか、外 部鍵盤を接続してください
(P.57)。また、ペダル・パー
トの音色を確かめるには、外 部ペダル鍵盤などを接続して ください(P.57)。
21
オルガンの基本的な使いかた
パーカッションがオンのとき

音をリアルタイムに変化させる(ハーモニッ ク・バー)

ハーモニック・バーとは音の骨格を作るためのコントローラーです。
9 本のバーを前後にスライドして出し入れすることで、さまざまな音色を作るこ とができます。
fig.(ハーモニックバーの絵)
75%
は 1' の音は出なくなります
(P.26)。
ハーモニック・バーに書かれている数字は、セットしたい位置にすばやくセット するための目安になります。数字が見えなくなるまでハーモニック・バーを押し 込むと、音量が「0」になり、音が鳴らなくなります。ハーモニック・バーをいっ ぱいまで引き出すと、音量が最大になります。
ハーモニック・バーには、異なる音の高さのサイン波(単純な丸い音)が割り当 てられており、これらを混ぜ合わせることでさまざまな音を作ることができます。
fig.(ハーモニックバーを組み合わせた図)
時間
8'の音量を「8」
時間
時間
4'の音量を「5」
22
オルガンの基本的な使いかた
(ハーモニックバーと音程の関係)
16' 8' 4' 2' 1'51/3'2
2
/3'1
3
/5'11/3'
基音の
1オクターブ下
5度 基音 8度 12度
15度
17度 19度 22度







  





8'を とした場合
中央のドの音(C4)を弾いている時、
各ハーモニック・バーでは以下の音が鳴ります。
ハーモニック・バーのつまみに書かれている数字(16'、5-1/3' など)は「フィー ト」と呼びます。それぞれのフィートが、音色の特徴を決める大切な役割をもち ます。8' は音の高さの基準になるフィートで、この音の高さを中心にして音色を 作っていきます。
各ハーモニック・バと音の高さの関係は、以下のとおりです。
23
オルガンの基本的な使いかた
音程関係をみると、5-1/3' だけが音の高さ順に並んでいないことに気づきます。 その理由は、5-1/3' の音が 8'(基音)に対して溶け合う音ではなく、16' に溶 け合う音だからです。自然楽器の音は、「整数次倍音」と呼ばれる、基音周波数 の 2 倍、3 倍、・・・のような整数倍の高さの音を持っています。オルガン音の 基準の高さである 8' と比べてみると、5-1/3' の音の高さは整数倍ではないた め、溶け合いません。
一方、基準の音の高さより 1 オクターブ低い 16' と、5-1/3' は、整数倍(16' から見て、5-1/3' は 3 倍の周波数)になるため溶け合って聴こえます。16' と 溶け合う 5-1/3' という意味合いから、この 2 つのハーモニック・バーのつまみ が他のハーモニック・バーのつまみの色と違っていたり、隣に並んでいたりす るのです。
フィートとは
ハーモニック・バーに書かれている「'」(フィート)という表示は、もともとパ イプ・オルガンのパイプの長さに由来します。各鍵盤に与えられた本来の音の 高さ(基音)を生み出すパイプの長さは 8 フィートとされています。パイプの 長さを半分に縮めると 1 オクターブ高いピッチを生み出し、逆にパイプの長さ を倍にすると 1 オクターブ低いピッチを生み出します。したがって基音である 8' の 1 オクターブ下が 16'、1 オクターブ上が 4'、さらにその 1 オクターブ上 が 2' になります。
トーンホイール・オルガンでは、図(P.23)のような音程関係は一部の音域で 成り立ちません。高い音域では高いフィートが、低い音域では低いフィートが 1 オクターブ単位で折り返しています。これは、高い音域では高いフィートが、 低い音域では低いフィートが繰り返して使われています。高音部分を折り返す ことによって、余分な高音成分を抑えたり、低音をすっきりさせて耳当たりの 良い音を作りだす効果をもたらしています。VK-8 では、この特徴を忠実に再現 しています。
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