
MIDI入門
1. MIDIって何? . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .1
2. MIDIでできること . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .2
3. MIDIチャンネル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .3
4. MIDIメッセージ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .4
1.
MIDI( ミディ ) は、Musical Instrument Digital Interface の頭文字をとったもので、楽器同士を接続して
「演奏情報」をやりとりするための規格です。
では、演奏情報とはいったい何なのでしょうか。ここではピアニストを例に考えてみましょう。
ピアニストがピアノの鍵盤を指で押さえたり、ペダルを踏んだ
りします。この「動作」が「演奏情報」で、つまり「どのよう
に弾いたのか」をあらわします。このような情報を電子的に表
したものが「MIDI」です。たとえばドの音を強く弾いた場合、
「60」の鍵盤を「120」の強さで弾いた、といった具合に、
MIDIでは演奏情報がすべて数字で表されます。
MIDIって何?
この演奏情報( すなわちMIDIデータ )は、MIDI 対応の楽器間で送
受信したり、SMF (Standard MIDI File) 形式のファイルとして
保存しておいて、楽器上だけでなくコンピューター上で再生し
たりもできます。再生される演奏は、楽器やコンピューターの
性能によって多少は音質や表現力が異なりますが、ほぼ同じよ
うに聞こえます。
ファイルとして保存されたMIDI データは、あとから編集できま
す。つまり、演奏を間違えた箇所を修正したり、テンポを変え
たり、移調したりなどが容易に行なえます。このため、MIDIを
活用することで、音楽制作や楽器の練習がとても効果的に行な
えるのです。
1

2.
MIDIでできること
複数のMIDI 機器(楽器やコンピューター )をケーブルで接続すれば、メーカーや楽器の種類が違っても、MIDI
のデータをやりとりすることができます。演奏した曲をMIDI データとして保存し、それを別の楽器上で鳴ら
したり、あるいは保存した曲をコンピューター上で再生したり、また編集したりもできます。また、インター
ネット上で好きな曲のMIDI データを購入して、それをコンピューターや楽器上で再生して楽しむこともでき
ます。
一般的には、楽器同士の接続にはMIDI ケーブル、楽器とコンピューターの接続にはUSBケーブルを使用しま
す。接続の詳しい方法については、お使いの楽器の取扱説明書をご覧ください。
NOTE
MIDIデータには次のようなメリットがあります。
・mp3 やwavなどのオーディオデータと比べて、データサイズが小さい
・あとから手軽に編集ができる ( 音色や演奏情報を変更可)
(例1) 2台の楽器を接続し、1台を演奏することで他の楽器を一緒に鳴らしたりコントロールしたりする。
楽器
MIDI 送信
MIDI OUT MIDI IN
他の楽器
(例2) 楽器の演奏を、コンピューター上で録音/ 編集する。
編集したデータは、また楽器で再生できます。
楽器
USBケーブル
USB TO HOST
NOTE
コンピューター上に、MIDIデータを編集するためのソフトウェアをインストールしておく必要があります。
コンピューター
USB
(例3) インターネット上のデータショップで購入したMIDI データを、楽器上で再生する。
購入したデータは、USBフラッシュメモリーを通じて楽器に読み込ませます。
USBフラッシュ
メモリー
インターネットで
ダウンロード
NOTE
USB フラッシュメモリーは、楽器のUSB TO DEVICE 端子に接続します。お使いの楽器にUSB TO DEVICE端子があること
をご確認ください。
USB USB TO DEVICE
楽器
2

3.
MIDIの情報には、MIDI チャンネルという1 から16の番号が割り当てられています。このMIDI チャンネルを
使って、1 本のMIDIケーブルで同時に16 パート用の情報を送る仕組みになっています。これは「16 種類の
楽器を同時に鳴らせる」ということを表します。
たとえば、楽器上である曲を演奏したとき、その曲は、右手で演奏したパート、左手で演奏したパート、リズ
ムパート、ベースパートなど、さまざまなパートに分けられます。それぞれのパートには、別々のチャンネル
が自動的に割り当てられます( 楽器によって異なります)。この曲のMIDI データを別の楽器に送信すると、そ
れぞれのパートは別々のチャンネルで、同時に送られます。
MIDIチャンネル
MIDIデータを送信する楽器 MIDIデータを受信する楽器
楽器の演奏パート MIDI 送信チャンネル MIDI 受信チャンネル
右手 チャンネル1 チャンネル1 トラック1
左手 チャンネル2 チャンネル2 トラック2
:: ::
リズム1 チャンネル9 チャンネル9 トラック9
リズム2 チャンネル 10 チャンネル10 トラック10
ベース チャンネル11 チャンネル11 トラック11
:: ::
: チャンネル16 チャンネル16 トラック16
楽器
MIDI OUT
MIDI 送信
MIDI ケーブル
MIDI IN
受信側の楽器
(シーケンサーなど )
受信する楽器のトラック
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4.
MIDIで扱うデータ (メッセージ) には、大きく分けて「チャンネルメッセージ」と「システムメッセージ」の2
種類があります。
演奏を録音したMIDI データを、あとから編集する場合などには、MIDIメッセージについて知っておく必要が
あります。ここでの説明はあくまで一例ですので、もっと詳しく知りたい方は、市販のガイドブックなどをご
覧ください。
MIDIメッセージ
■ チャンネルメッセージ
演奏情報そのものです。楽器上の演奏や操作に応じて、以下のようなメッセージが出力されます。
チャンネルメッセージの例
楽器上の操作 メッセージ名
鍵盤を弾く ノートオン/オフ(いつ鍵盤を押さえたか/ 離したか)
ノートナンバー (どの鍵盤を弾いたか )
ベロシティー (どのくらいの強さで弾いたか )
音色(ボイス ) を選ぶ プログラムチェンジ
ボリュームを変える
サステインペダルを踏む
ピッチベンドホイールを動かす ピッチベンド
鍵盤を強く押し込む アフタータッチ
コントロールチェンジ
■ システムメッセージ
MIDIシステム全体に共通して使用するデータです。システムメッセージには、メーカー固有のデータを送受
信するエクスクルーシブメッセージ、MIDI機器をコントロールするリアルタイムメッセージなどがあります。
NOTE
お使いの楽器がどんなメッセージに対応しているかは、楽器に付属のMIDI データフォーマットや MIDI インプリメンテーション
チャートに記載されています。
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