Tektronix TDS1000B/TDS2000B シリーズ・ ユーザ・マニュアル User manual

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xx
TDS1000B/TDS2000B シリーズ・ デジタル・ストレージ・オシロスコープ
ユーザ・マニュアル
*P071182201*
071-1822-01
xx
ZZZ
TDS1000B/TDS2000B シリーズ
デジタル・ストレージ・オシロスコープ
ユーザ・マニュアル
www.tektronix.com
071-1822-01
Copyright © Tektronix. All rights re は、Tektronix またはその子会社や供給者が所有するもので、米国著作 権法および国際条約の規定によって保護されています。
Tektronix 製品は、登録済および出願中の米国その他の国の特許等によ り保護されています。 本書の内容は、既に発行されている他の資料の 内容に代わるものです。 また、本製品の仕様および価格は 変更させていただく場合がございますので、予めご了承ください。
served. 使用許諾ソフトウェア製品
、予告なく
TEKTRONIX および TEK は Tektron
OpenChoice™ は Tektronix, Inc. の登録商標です。
PictBridge は、Standard of Camera & Imaging Products Association CIPA DC-001-2003 Digital Photo Solutions for Imaging Devices の登録商標で す。
ix, Inc. の登録商標です。
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Tektronix, Inc. 14200 SW Karl Braun Drive P.O. Box 500 Beaverton, OR 97077 USA
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TDS1000B/TDS2000B シリーズ・オシロスコープ
限定生涯保証
当社では、下記に列挙する本製品の本来のエンド・ユーザ購入者(以下 "本来 の購入者" といいます)に、本製品の耐用年数の間、材料およびその仕上がり について欠陥がないことを保証します。 本保証における「本製品の耐用年数」 の期間は、当社が本製品の製造を中止(当社が決定します)してから 5 年後に 終了するものとして定義されます。ただし、この保証期間は、本来の購入者が 当社または認定された当社代理店から本製品を購入した日付から 10 年間以上 とします。 本限定生涯保証は、本来の購入者のみに適用されるものであり、譲 渡はできません。 本限定生涯保証に基づいて保証請求を行う場合、購入者は当 社または認定された当社代理店から購入した日付、および請求人が本来の購入 者であることを示す明白な証拠を提示しなければなりません。 本来の購入者が 本製品を購入してから 3 年以内に第三者に本製品の転売または譲渡を行う場合 には、保証期間は本来の購入者が当社または認定された当社代理店から本製品 を購入した日付から 3 年間とします。 プローブとその他のアクセサリ類および バッテリとヒューズは、本保証の対象外です。
本適用保証期間中に本製品に欠陥があることが判明した場合、当社は、当社 の判断にて、部品および作業の費用を請求せずに当該欠陥製品を修理するか、 または相当する代替品(当社が決定します)を当該欠陥製品と交換に提供しま す。 保証時に当社が使用する部品、モジュール、および代替品は、新品の場合 もあれば、新品同様の性能を持つ再生品の場合もあります。 交換したすべての 部品、モジュール、および製品は当社の所有物となります。
以下で使用されている "お客様" とは、本保証に基づく権利を行使する者または 法的存在を意味します。 お客様が本保証に基づくサービスを受けるには、適用 保証期間が満了する前に、当該欠陥について当社に通知し、サービス実施に関 する適切な手配を行う必要があります。 お客様は、本来の購入者による購入で あることを示す証明書のコピーを当該欠陥製品に添付して梱包し、発送費用前 払いで当社指定のサービス・センターに発送する責任を負うものとします。 製 品をお客様に返送する際、返送先が Tektronix サービス・センターの所在国と 同一国内にある場合には、当社がその返送費用を負担するものとします。 上記 以外の場所に返送される製品については、すべての発送費用、関税、税、およ びその他の費用を支払う責任はお客様が負うものとします。
本保証は事故、機械部品の自然消耗、本製品仕様外での使用、不正な使用また は不正もしくは不適切な保守および手入れに起因するいかなる欠陥、故障、お よび損傷にも適用されないものとします。 当社は、次の事項については、本保 証に基づくサービスを提供する義務を負わないものとします。a)当社担当者 以外の者による本製品の設置、修理または整備の実施から生じた損傷に対する 修理。b)不適切な使用または互換性のない機器への接続から生じた損傷に対 する修理。c)当社製以外のサプライ用品の使用により生じた損傷または機能 不全に対する修理。d)本製品が改造または他の製品と統合された場合におい て、かかる改造または統合の影響により当該本製品の整備の時間または難易度 が増加した場合の当該本製品に対する整備。
本保証は、明示であるか黙示であるかを問わず他のあらゆる保証の代わりに、 本製品に関して当社がお客様に対して提供するものです。 当社およびそのベン ダは、商品性または特定目的に対する適合性のいかなる黙示の保証も拒否しま す。 欠陥製品を修理または交換するという当社の責任行為は、本保証の義務違
反に対してお客様に提供される唯一かつ排他的な救済手段です。 当社およびそ のベンダは、当社またはベンダにそうした損害の可能性が前もって通知されて いたかどうかにかかわらず、いかなる間接的損害、特別な損害、付随的損害、 または結果的損害に対しても責任を負いません。
[W18 – 25MAY06]
P2220 型プローブ
保証
当社では、本製品において、出荷の日から 1 年間、材料およびその仕上がりに ついて欠陥がないことを保証します。この保証期間中に製品 が判明した場合、当社では、当社の裁量に基づき、部品および作業の費用を請 求せずに当該欠陥製品を修理するか、あるいは当該欠陥製 ます。保証時に当社が使用する部品、モジュール、および交換する製品は、新 しいパフォーマンスに適応するために、新品の場合、 ります。交換したすべての部品、モジュール、および製品は当社で保有されま す。
本保証に基づきサービスをお受けいただくため、お客様には、本保証期間の満 了前に当該欠陥を当社に通知していただき、サービス実施のための適切な措置 を講じていただきます。お客様には、当該欠陥製品を梱包していただき、送料 前払いにて当社指定のサービス・センターに送付していただきます。本製品が お客様に返送される場合において、返送先が当該サービス・センターの設置さ れている国内の場所であるときは、当社は、返送費用を負担します。しかし、 他の場所に返送される製品については、すべての送料、関税、税金その他の費 用をお客様に負担していただきます。
本保証は、不適切な使用または不適切もしくは不十分な保守および取り扱いに より生じたいかなる欠陥、故障または損傷にも適用されません。当社は、以下 の事項については、本保証に基づきサービスを提供する義務を負いません。a) 当社担当者以外の者による本製品のインストール、修理またはサービスの試行 から生じた損傷に対する修理。b)不適切な使用または互換性のない機器への 接続から生じた損傷に対する修理。c)当社製ではないサプライ用品の使用に より生じた損傷または機能不全に対する修理。d)本製品が改造または他の製 品と統合された場合において、改造または統合の影響により当該本製品のサー ビスの時間または難度が増加したときの当該本製品に対するサービス。
この保証は、明示的または黙示的な他のあらゆる保証の代わりに、製品に関し て当社がお客 は特定目的に対する適合性についての一切の黙示保証を否認します。欠陥製品 を修理ま れる唯一の排他的な法的救済となります。間接損害、特別損害、付随的損害ま たは派 知されていたか否に拘わらず、一切の責任を負いません。
[W2 – 15AUG04]
様に対して提供するものです。当社およびベンダは、商品性また
たは交換する当社の責任は、本保証の不履行についてお客様に提供さ
生損害については、当社およびそのベンダは、損害の実現性を事前に通
に欠陥があること
品の交換品を提供し
または再生品の場合もあ
目次
安全にご使用いただくために ..... .... ..... .... .... ......... . iv
適合性に関する情報 . .... ..... .... .... ..... .... .... ..... .... . vii
EMC ........................................................... vii
安全性..................................................... ix
環境条件について .. ..... .... .... ..... .... .... ..... .... ... xi
まえがき...................................................... xiii
ヘルプ・システム .. ..... .... .... ..... .... .... ..... .... .. xiv
インターネット経由のファームウェア更新. ..... .... .. xv
表記規則 ................................................. xvi
はじめに....................................................... 1
機能の概要................................................ 1
設置 ....................................................... 4
機能チェック ....... .... ..... .... .... ..... .... .... ..... ... 5
プローブの安全性 .. ..... .... .... ..... .... .... ..... .... ... 6
電圧プローブ・チェック・ウィザード.. .... .... ..... ... 6
プローブの手動補正... .... .... ..... .... .... ..... .... .... . 8
プローブの減衰設定... .... .... ..... .... .... ..... .... .... . 9
電流プローブ・スケール.. ..... .... .... ..... .... .... .... 10
自己校正 ................................................. 10
基本操作...................................................... 11
表示領域 ................................................. 11
メニュー・システムの使用 .. .... ......... .... ......... . 16
垂直軸コントロール... .... .... ..... .... .... ..... .... .... 18
水平軸コントロール... .... .... ..... .... .... ..... .... .... 19
トリガ・コントロール .. .... ..... .... .... ..... .... .... .. 20
メニュー・ボタンとコントロール・ボタン. ..... .... .. 21
入力コネクタ ....... .... ..... .... .... ..... .... .... ..... .. 25
フロント・パネルのその他のコネクタ.. .... .... ..... .. 26
オシロスコープの基本機能. .... .... ..... .... .... ..... .... ... 27
オシロスコープのセットアップ .. .... .... ..... .... .... . 27
トリガ.................................................... 29
信号の取り込み... .... ......... .... ..... .... .... ..... .... 31
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル i
目次
波形のスケーリングと位置調整 .. .... .... ......... .... . 32
測定の実行............................................... 36
測定例 ........................................................ 39
基本的な測定例... .... ......... .... ......... .... ..... .... 40
オートレンジを使用した一連のテスト・ポイントの検査 45
カーソル測定の実行... .... .... ..... .... .... ......... .... 46
信号の詳細の解析 .. ..... .... .... ..... .... .... ..... .... .. 51
単発信号の取り込み... .... .... ..... .... .... ......... .... 54
伝搬遅延の測定... .... ......... .... ......... .... ..... .... 56
特定のパルス幅でのトリガ .. .... ......... .... ......... . 57
ビデオ信号でのトリガ .. .... ..... .... .... ..... .... .... .. 59
差動通信信号の解析... .... .... ..... .... .... ......... .... 65
ネットワーク内でのインピーダンス変化の観測例 . ... 68
FFT演算...................................................... 71
時間領域波形のセットアップ.. ......... .... .... ..... ... 71
FFT スペクトラムの表示... ..... .... .... ..... .... .... ... 73
FFT ウィンドウの選択 ... .... ..... .... ......... .... ..... 75
FFT スペクトラムの拡大と位置調整 .. ......... .... .... 78
カーソルを使用した FFT スペクトラムの測定 . .... ... 79
USB フラッシュ・ドライブ・ポートと USB デバイス・ポー
ト......................................................... 81
USB フラッシュ・ドライブ・ポート.. .... ..... .... .... 81
ファイル管理規則 .. ..... .... .... ..... .... .... ..... .... .. 84
USB フラッシュ・ドライブでのファイルの保存と呼び出
し .................................................... 85
PRINT フロント・パネル・ボタンの保存機能の使用 . 88
USB デバイス・ポート... .... ..... .... .... ..... .... .... . 92
PC への PC 通信ソフトウェアのインストール . ..... .. 92
PC への接続 ............................................. 93
GPIB システムへの接続 .... ..... .... .... ..... .... .... ... 96
コマンド入力 ............................................ 96
プリンタへの接続 .. ..... .... .... ..... .... .... ..... .... .. 97
スクリーン・イメージの印刷.. ......... .... .... ..... ... 98
リファレンス................................................ 101
取り込み ................................................ 101
ii TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
目次
オートレンジ ....... .... ..... .... .... ..... .... .... ..... . 105
オートセット ....... .... ..... .... .... ..... .... .... ..... . 107
カーソル ................................................ 111
デフォルト・セットアップ .. .... ......... .... ......... 112
表示 ..................................................... 113
ヘルプ................................................... 116
水平軸................................................... 116
演算 ..................................................... 119
測定 ..................................................... 121
印刷 ..................................................... 122
プローブ・チェック... .... .... ..... .... .... ..... .... ... 124
リファレンス・メニュー.. ..... .... .... ..... .... .... ... 124
保存と呼び出し... .... ......... .... ..... .... .... ..... ... 125
トリガ・コントロール .. .... ..... .... .... ..... .... .... . 132
ユーティリティ... .... ......... .... ..... .... .... ..... ... 140
垂直軸コントロール... .... .... ..... .... .... ..... .... ... 145
付録A: 仕様................................................. 149
オシロスコープの仕様 .. .... ..... .... .... ..... .... .... . 149
P2220 型プローブ仕様 .. .... ..... .... .... ..... .... .... . 163
付録B: アクセサリ.......................................... 167
付録 C: クリーニング .... .... .... ..... .... .... ..... .... .... . 171
一般的な注意事項 .. ..... .... .... ..... .... .... ..... .... . 171
クリーニング ....... .... ..... .... .... ..... .... .... ..... . 171
付録 D: デフォルト・セットアップ ... .... ..... .... .... .... 173
付録 E: フォントのライセンス . .... ......... .... ......... .. 177
索引
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル iii
安全にご使用いただくために
安全にご使用いただくために
人体への損傷を避け、本製品や本製品に接続されている製品 の損傷を防止するために、次の安全性に関する注意をよくお読 みください。
安全にご使用いただくために、本製品の指示に従ってくださ い。
資格のあるサービス担当者以外は、保守点検手順を実行しない でください。
火災や人体への損傷を避けるには
適切な電源コードを使用してください。 本製品用に指定され、使用さ
れる国で認定された電源コードのみを使用してください。
接続と切断は正しく行ってください。 プローブ出力を測定機器に接
続してから、プローブを被測定回路に接続してください。被測 定回路にプローブの基準リードを接続してから、プローブ入力 を接続してください。プローブ入力とプローブの基準リードを 被測定回路から取り外した後で、プローブを測定機器から取り 外してください。
本製品を接地してください。 本製品は、電源コードのグランド線を
使用して接地します。 感電を避けるため、グランド線をアース に接続する必要があります。 本製品の入出力端子に接続する前 に、製品が正しく接地されていることを確認してください。
すべての端子の定格に従ってください。 火災や感電の危険を避け
るために、本製品のすべての定格とマーキングに従ってくださ い。 本製品に電源を接続する前に、定格の詳細について、製品 マニュアルを参照してください。
プローブの基準リードは、グランドにのみ接続してください。
共通端子を含むどの端子にも、その端子の最大定格を超える電 位をかけないでください。
電源を切断してください。 電源スイッチにより、電源を切断しま
す。スイッチの位置については、取扱説明書を参照してくださ い。電源スイッチをさえぎらないでください。このスイッチは 常にアクセス可能であることが必要です。
iv TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
安全にご使用いただくために
カバーを外した状態で動作させないでください。 カバーやパネルを外
した状態で本製品を動作させないでください。
故障の疑いがあるときは動作させないでください。 本製品に故障の疑
いがある場合、資格のあるサービス担当者に検査してもらって ください。
露出した回路への接触は避けてください。 電源がオンのときに、露
出した接続部分やコンポーネントに触れないでください。
湿気の多いところでは動作させないでください。
爆発性のあるガスがある場所では使用しないでください。
製品の表面を清潔で乾燥した状態に保ってください。
適切に通気してください。
適切な通気が得られるような製品の設置 方法の詳細については、マニュアルの設置方法を参照してくだ さい。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル v
安全にご使用いただくために
本マニュアル内の用語
本マニュアルでは、次の用語を使用します。
警告: 人体や生命に危害をおよぼすおそれのある状態や行為を示
します。
注意: 本製品やその他の接続機器に損害を与える状態や行為を示
します。
本製品に関する記号と用語
本製品では、次の用語を使用します。
DANGER: ただちに人体や生命に危険をおよぼす可能性があ ることを示します。
WARNING: 人体や生命に危険をおよぼす可能性があること を示します。
CAUTION: 本製品を含む周辺機器に損傷を与える可能性が あることを示します。
本製品では、次の記号を使用します。
vi TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
適合性に関する情報
このセクションでは、本機器が適合している EMC 基準、安全 基準、および環境基準について説明します。
EMC
EC 適合宣言 - EMC
指令 2004/108/EC 電磁環境両立性に適合します。『Official
nal of the European Communities』に記載の以下の仕様に
Jour 準拠します。
EN 61326-1:2006、EN 61326-2-1:2006: 測定、制御、および実験用
途の電子機器を対象とする EMC 基準。
CISPR 11:2003:グループ 1、クラス A、放射および伝導エ ミッション
IEC 61000-4-2:2001:静電気放電イミュニティ
IEC 61000-4-3:2002:RF 電磁界イミュニティ
IEC 61000-4-4:2004:ファスト・トランジェント/バース ト・イミュニティ
IEC 61000-4-5:2001:電源サージ・イミュニティ
IEC 61000-4-6:2003:伝導 RF イミュニティ
IEC 61000-4-11:2004:電圧低下と停電イミュニティ
EN 61000-3-2:2006: AC 電源高調波エミッション
EN 61000-3-3:1995: 電圧の変化、変動、およびフリッカ
欧州域内連絡先:
Tektronix UK, Ltd. Western Peninsula Western Road Bracknell, RG12 1RF United Kingdom
1234
5
6
7
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル vii
適合性に関する情報
1
本製品は住居区域以外での使用を目的としたものです。住居区域で使用 すると、電磁干渉の原因となることがあります。
2
本製品をテスト対象に接続した状態では、この規格が要求するレベルを超 えるエミッションが発生する可能性があります。
3
ここに挙げた各種 EMC 規格に確実に準拠するには、高品質なシールドを持 つインタフェース・ケーブルが必要です。
4
被測定装置が IEC61000-4-11 過渡イミュニティ・テストからの回復に 10 秒 以上かかると、機器がリブートする場合があります。
5
テスト電界下(周波数レンジ 80 MHz ~ 1 GHz および 1.4 GHz ~ 2.0 GHz で 3 V/m、1 kHz で 80% の振幅変調)および(周波数 で 1 V/m、1 kHz で 80% の振幅変動)におけるトレース・ノイズの増加は、 ピーク・ツー・ピークで 2 主目盛を超えることはありません。トリガ・スレッショ ルドに設定したオフセットがグランド基準から 1 主目盛以内であると、周囲の 電界による誘導でトリガが誤作動することがあります。
6
トレース・ノイズの増加は、テスト電界に影響されますが(周波数レンジ 150 kHz ~ 80 MHz で電界強度 3 V/m、1 kHz で 80% の振幅変調)ピーク・ツー・ ピークで 1 主目盛を超えません。トリガ・スレッショルドに設定したオフセット がグランド基準から 0.5 主目盛以内であると、周囲の電界による誘導でト リガが誤作動することがあります。
7
70%/25 サイクルの電圧低下および 0%/250 サイクル瞬断の各テスト・レベル において、性能基準 C を適用します(IEC 61000-4-11)。
オーストラリア/ニュージーランド適合宣言 -EMC
レンジ2.0 GHz ~ 2.7 GHz
ACMA に従い、次の規格に準拠することで Radiocommunications Act の EMC 条項に適合しています。
CISPR 11:2003:グループ 1、クラス A、放射および伝導エ ミッション(EN61326-1:2006 および EN61326-2-1:2006 に 準拠)
viii TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
安全性
EC 適合宣言 - 低電圧指令
『Official Journal of the European Communities』に記載の以下 の基準に準拠します。
低電圧指令 2006/95/EC。
米国の国家認定試験機関のリスト
カナダ規格
その他の基準に対する適合性
適合性に関する情報
EN 61010-1:2001:測定、制御および実験用途の電子装置に 対する安全基準。
UL 61010-1:2004 年第 2 版。電子計測機器および試験用機 器の標準規格。
CAN/CSA-C22.2 No.61010-1:2004:測定、制御、および研 究用途の電子装置に対する安全基準、第 1 部。
IEC 61010-1:2001:測定、制御、および実験用途の電子装 置に対する安全基準。
機器の種類
テスト機器および計測機器。
安全クラス
クラス 1 - アース付き製品。
汚染度
製品内部およびその周辺で発生する可能性がある汚染の尺度で す。通常、製品の内部環境は外部環境と同じとみなされます。 製品は、その製品に指定されている環境でのみ使用してくださ い。
汚染度 1。汚染なし、または乾燥した非導電性の汚染のみ が発生します。このカテゴリの製品は、通常、被包性、密 封性のあるものか、クリーン・ルームでの使用を想定した ものです。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル ix
適合性に関する情報
汚染度 2。通常、乾燥した非導電性の汚染のみが発生しま す。ただし、結露によって一時的な導電性が発生すること もまれにあります。これは、標準的なオフィスや家庭内の 環境に相当します。一時的な結露は製品非動作時のみ発生 します。
汚染度 3。導電性のある汚染、または通常は乾燥して導電 性を持たないが結露時に導電性を帯びる汚染。これは、温 度、湿度のいずれも管理されていない屋内環境に相当しま す。日光や雨、風に対する直接の曝露からは保護されてい る領域です。
汚染度 4。導電性のある塵、雨、または雪により持続的な 導電性が生じる汚染。これは一般的な屋外環境に相当しま す。
測定カテゴリ/過電圧カテゴリの記述
本製品の各端子には、それぞれ異なる設置(過電圧)カテゴリ が指定されている場合があります。各測定カテゴリは次のよう に定義されています。
測定カテゴリ IV。低電圧電源を使用して実施する測定用。
測定カテゴリ III。建築物の屋内配線で実施する測定用。
測定カテゴリ II。低電圧電源に直接接続した回路で実施す る測定用。
測定カテゴリ I。AC 電源に直接接続していない回路で実施 する測定用。
過電圧カテゴリ
過電圧カテゴリ II(IEC 61010-1 の定義による)
x TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
環境条件について
このセクションでは本製品が環境に及ぼす影響について説明し ます。
使用済み製品の処理方法
機器またはコンポーネントをリサイクルする際には、次のガイ ドラインを順守してください。
機器のリサイクル: 本製品の製造には天然資源が使用されていま
す。この製品には、環境または人体に有害となる可能性のある 物質が含まれているため、製品を廃棄する際 る必要があります。有害物質の放出を防ぎ、天然資源の使用を 減らすため、機材の大部分を再利用またはリサイクルできる適 切な方法で処理してください。
この記号は、本製品が WEEE(廃棄電気・電子機器) およびバッ テリに 関する Directive 2002/96/EC お よ び 2006/66/EC に基づ き、EU の諸 要件に準拠して いることを示しています。リサイクル方法について は、Tektronix の Web サイ ト(www.tektronix.com) の 「Service & Support」を参照してください。
適合性に関する情報
には適切に処理す
水銀に関するお知らせ:
ライト・ランプには、水銀が含まれています。廃棄にあたって は、環境への配慮が必要です。廃棄およびリサイクルに関して は、お住まいの地域の所轄官庁にお尋ねください。
この製品に使用されている LCD バック
有害物質に関する規制
この製品は Monitoring and Control(監視および制御)装置に分 類され、2002/95/EC RoHS Directive(電気・電子機器含有特定 危険物質使用制限指令)の適用範囲外です。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル xi
適合性に関する情報
xii TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
まえがき
このマニュアルでは、TDS1000B/TDS2000B シリーズ・デジタ ル・ストレージ・オシロスコープの操作方法について説明しま す。このマニュアルは次の章で構成されています。
「はじめに」では、オシロスコープの機能について簡単に 説明し、設置の方法を示します。
「基本操作」では、オシロスコープの基本的な操作方法に ついて説明します。
「オシロスコープの基本機能」では、オシロスコープのセッ トアップ、トリガ、データの取り込み、波形のスケーリン グと位置調整、測定の実行など、オシロスコープの基本的 な操作と機能について説明します。
「測定例」では、さまざまな測定の問題を解決する方法の 例を紹介します。
「FFT 演算」では、高速フーリエ変換(FFT)演算機能を 使用して、時間領域信号を周波数成分(スペクトラム)に 変換する方法について説明します。
まえがき
「USB フラッシュ・ドライブ・ポートと USB デバイス・ ポート」では、USB フラッシュ・ドライブ・ポートを使用 する方法と、オシロスコープを USB デバイス・ポートに よってプリンタやコンピュータに接続する方法について説 明します。
「リファレンス」では、各オプションで選択できる項目と 指定できる値の範囲について説明します。
「付録 A:仕様」では、規格と承認だけでなく、オシロス コープおよび P2220 型プローブの電気仕様、環境仕様、お よび物理仕様を示します。
「付録 B:アクセサリ」では、スタンダード・アクセサリ とオプショナル・アクセサリについて簡単に説明します。
「付録 C: クリーニング」では、オシロスコープのクリーニ ング方法について説明します。
「付録 D:デフォルト・セットアップ」には、メニューと コントロールのリストを、DEFAULT SETUP(工場出荷時
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル xiii
まえがき
設定)フロント・パネル・ボタンを押したときに呼び出さ れるデフォルト(出荷時)設定とともに示します。
「付録 E:フォントのライセンス」では、特定のアジア言 語のフォントを使用するためのライセンスを示します。
ヘルプ・システム
このオシロスコープには、オシロスコープのすべての機能を扱 うトピックが含まれるヘルプ・システムが用意されています。 ヘルプ・システムを使用すると、次のような情報を表示できま す。
「メニュー・システムの使用」など、オシロスコープを使 用する上での一般情報
特定のメニューや、垂直位置コントロールなどのコントロー ルについての情報
ノイズの低減など、オシロスコープの使用中に発生する可 能性のある問題への対処方法
ヘルプ・システムには、必要な情報を見つける方法として、コ ンテクスト・ヘルプ、ハイパーリンク、および索引が用意され ています。
コンテクスト・ヘルプ
フロント・パネルの HELP(ヘルプ)ボタンを押すと、オシロ スコープには、最後にスクリーンに表示されたメニューについ ての情報が表示されます。ヘルプ・トピックの表示中は、汎用 ノブの横の LED が点灯し、ノブが有効あることを示します。 トピックが複数のページになっている場合は、汎用ノブを回し て、トピック内のページ間を移動できます。
ハイパーリンク
大部分のヘルプ・トピックには、<オートセット> のように山 かっこでマークされている箇所があります。これらは、他のト ピックへのリンクです。汎用ノブを回すと、ハイライト箇所が リンク間を移動します。Show Topic(トピックを読む)オプ
xiv TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
まえがき
ション・ボタンを押すと、ハイライト表示されたリンクに対応 するトピックが表示されます。Back(戻る)オプション・ボタ ンを押すと、前のトピックに戻ります。
索引
フロント・パネルの HELP(ヘルプ)ボタンを押した後 (索引)オプション・ボタンを押します。Page Up(前ページ) または Page Down(次ページ)のオプション・ボタンを押し、 参照したいトピックが含まれる索引ページを探し ノブを回して、ヘルプ・トピックをハイライト表示にします。 Show Topic(トピックを読む)オプション・ボタンを押し、ト ピックを表示します。
注: スクリーンからヘルプ・テキストを消去
には、Exit(終了)オプション・ボタ タンを押します。
ンまたは任意のメニュー・ボ
し、波形表示に戻る
インターネット経由のファームウェア更新
新しいバージョンのファームウェアが使用可能になった場合 は、インターネットと USB フラッシュ・ドライブを使用して オシロスコープを更新することができます。インターネットに アクセスできない場合の更新手順については、当社営業所まで ご連絡ください。
、Index
ます。汎用
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル xv
まえがき
インターネットからファームウェアを更新するには、次の手順 を実行します。
1. UTILITY(ユーティリティ) ► System Status(システム・ ステータス)オプションを押し、オシロスコープのファー ムウェアのバージョン番号を書き留めます。
2. 自分のコンピュータから Web サイトの www.tektronix.com にアクセスし、より新しいバージョンのオシロスコープ・ ファームウェアが使用可能かどうかを確認します。
3. 新しいバージョンのファームウェアがある場合は、Web ペー ジからファームウェア・ファイルをダウンロードします。
必要に応じて、ダウンロードしたファイルを解凍します。
4. TDS1K2KB.TEK ファームウェア・ファイルを USB フラッ シュ・ドライブのルート・フォルダにコピーします。
5. オシロスコープの前面にある USB フラッシュ・ドライブ・ ポートに USB フラッシュ・ドライブを挿入します。
6. オシロスコープで、UTILITY(ユーティリティ) ► File Utilities(ユーティリティ) ► - more - page 2 of 2(- 次へ
- 2/2 ページ) ► Update Firmware(Firmware の更新)オプ ション・ボタンを押します。
ファームウェアを更新するのに数分間かかります。
ファームウェアの更新が完了すると、任意のボタンを押すよう 求められます。 ファームウェアの更新が完了するまでは、USB フラッシュ・ドライブを抜いたり、オシロスコープの電源をオ フにしたりしないでください。
表記規則
このマニュアルでは、次の表記規則が使用されています。
フロント・パネルのボタン、ノブ、およびコネクタは、 HELP(ヘルプ)や PRINT のように、すべて大文字で表記 されます。
メニュー・オプションは、Peak Detect(ピーク)や Window
Zone(範囲指定)のように、各単語の最初の文字が大文字 で表記されます。
xvi TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
フロント・パネルのボタンとノブ
汎用ノブ
オプション・ボタンはスクリーンに表示される各単語の最 初の文字が大文字
のラベルはすべて大文字
まえがき
注: オプション・ボタンは、スクリ
ボタン、ベゼル・ボタン、またはソ ります。
ーン・ボタン、サイドメニュー・
フトキーと呼ばれることもあ
デリミタの ► は、一連のボタンを押す操作を区切ります。 た とえば、UTILITY(
ユーティリティ) ► Options(オプショ ン) ► Set Date and Time(日時の設定) は、フロント・パ ネルの UTILITY(ユーティリティ)ボタンを押し、次にオ プション・ボタンの Op
tions(オプション)を押し、次にオ プション・ボタンの Set Date and Time(日時の設定)を押 すことを意味します。 目的のオプションを選択するには、 同じオプション・ボ
タンを複数回押さなければならないこ
とがあります。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル xvii
まえがき
xviii TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
はじめに
TDS1000B/TDS2000B シリーズ・デジタル・ ロスコープは、グランド基準測定を行うことができる小型・軽 量のベンチトップ・オシロスコープです。
この章では次の作業を行う方法について説明します。
製品の設置
簡単な機能チェックの実行
プローブのチェックと補正
プローブ減衰定数の設定
自己校正ルーチンの使用
注: オシロスコープの電源をオンにする際、画面に表示される言語
を選択できます。また、UTILITY(ユーティリティ) ► Language (言語)オプションにアクセスすると、いつでも言語を選択でき ます。
機能の概要
次の表とリストに機能の概要を示します。
モデル TDS1001B型240MHz
チャン
ネル 帯域幅
ストレージ・オシ
サンプル・ レート 表示
500 MS/s
モノクロ
TDS1002B型260MHz
TDS1012B型2 100 MHz
TDS2002B型260MHz
TDS2004B型460MHz
TDS2012B型2 100 MHz
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 1
1.0 GS/s
1.0 GS/s
1.0 GS/s
1.0 GS/s
1.0 GS/s
モノクロ
モノクロ
カラー
カラー
カラー
はじめに
チャン
モデル TDS2014B型4 100 MHz
TDS2022B型2 200 MHz
TDS2024B型4 200 MHz
ネル 帯域幅
サンプル・ レート 表示
1.0 GS/s
2.0 GS/s
2.0 GS/s
カラー
カラー
カラー
2 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
はじめに
コンテクスト・ヘルプ・システム
カラーまたはモノクロ LCD ディスプレイ
選択可能な 20 MHz 帯域幅制限
チャンネルごとに 2,500 ポイントのレコード長
オートセット
オートレンジ
プローブ・チェック・ウィザード
設定と波形の保存
ファイル・ストレージ用の USB フラッシュ・ドライブ・ ポート
任意の PictBridge 互換プリンタへの直接印刷
OpenChoice PC 通信ソフトウェアを使用した USB デバイ ス・ポート経由の PC 通信
オプションの TEK-USB-488 型アダプタによる GPIB コント ローラとの接続
カーソルとリードアウト
トリガ周波数リードアウト
11 種類の自動測定
波形のアベレージングとピーク検出
2 つの時間軸
演算機能による +、-、および × の操作
高速フーリエ変換(FFT)演算
パルス幅トリガ機能
選択したラインでトリガ可能なビデオ・トリガ機能
外部トリガ
可変パーシスタンス表示
10 か国語でのユーザ・インタ
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 3
フェースとヘルプ・トピック
はじめに
設置
電源コード
オシロスコープに付属している電源コードだけを使用してくだ さい。「付録 B:アクセサリ」に、スタンダード・アクセサリ とオプショナル・アクセサリを示しています。
電源
90 ~ 264 VAC さい。400 Hz 電源の場合、電源は 90 ~ 132 VAC
、45 ~ 66 Hz を供給する電源を使用してくだ
RMS
、360 ~
RMS
440 Hz を出力する必要があります。
セキュリティ・ループ
保管場所からオシロスコープを持ち去られないようにするに は、通常のラップトップ・コンピュータ用の盗難防止ロックを 使用するか、本体に設けられているケーブル穴に盗難防止ケー ブルを通してください。
盗難防止ケーブル用 の穴
盗難防止ロック
用の穴
電源コード
通気
注: このオシロスコープは、空気の自然対流によって冷却されま
す。オシロスコープの両側面と上面に 2 インチ(約 5 cm)のス ペースを空けると、適切なエア・フローが確保されます。
4 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
機能チェック
次の機能チェックを実行し、オシロスコープが正常に動作して いることを確認します。
ON/OFF(オン/オフ) ボタン
DEFAULT SETUP ( 工 場出荷時設定)ボタン
PROBE COMP(プロー ブ補正)
はじめに
1. オシロスコープの電源をオンに します。
DEFAULT SETUP(工場出荷時設 定)ボタンを押します。
プローブ・オプションのデフォルト の減衰設定は 10X です。
2. P2220 型プローブのスイッチを 10X に設定し、オシロスコープ のチャンネル 1 にプローブを 接続します。接続するには、プ ローブのコネクタのスロットと CH 1 BNC のキーを揃えて押し 込み、右に回して固定します。
プローブ・チップと基準リードを PROBE COMP(プローブ補正)端 子に接続します。
3. AUTOSET (オートセット)ボ タンを押します。数秒以内に、 1 kHz で約 5V p-p の方形波が ディスプレイに表示されます。
フロント・パネルの CH 1 MENU ボ タンを 2 回押してチャンネル 1 を 消去し、CH 2 MENU ボタンを押し てチャンネル 2 を表示します。次 に、手順2と3を繰り返します。4 チャンネル・モデルの場合は、CH 3 と CH 4 について手順を繰り返し ます。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 5
はじめに
プローブの安全性
プローブを使用する前に、プローブの定格をチェックしてくだ さい。
P2220 型プローブ本体には、感電を防ぐための指ガードがあり ます。
指ガード
警告: プローブ使用時の感電を避けるために、指はプローブ本体
のガードの後ろに置いてください。
プローブの使用中の感電を避けるために、プローブが電圧ソース に接続されている間はプローブ・ヘッドの金属部分に触らないで ください。
プローブをオシロスコープに接続したら、接続を行う前にグラ ンド端子をグランドに接続します。
電圧プローブ・チェック・ウィザード
プローブ・チェック・ウィザードを使用すると、電圧プロー ブが正常に動作していることを確認できます。このウィザード は、電流プローブはサポートしていません。
このウィザードは、電圧プローブを補正(通常はプローブ本体 またはコネクタ上にあるネジを使用)する場合や、CH 1 MENU ► Probe(プローブ) ► Voltage(電圧) ► Attenuation(減衰) オプションのような各チャンネルの減衰オプションで定数を設 定する場合に役立ちます。
6 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
はじめに
電圧プローブを入力チャンネルに接続するたびにプローブ・
チェック・ウィザードを実行してください。
プローブ・チェック・ウィザードを使用するには、PROBE CHECK(プローブ・チェック)ボタンを押してください。電 圧プローブが正しく接続され、正しく補正され、またオシロス コープの VERTICAL(垂直軸)メニューの Attenuation(減衰) オプションがプローブに適合するように設定されていれば、オ シロスコープのスクリーン下部に PASSED(OK)メッセージ が表示されます。そうでない場合、オシロスコープは、問題を 解決するための指示をスクリーンに表示します。
注: プローブ・チェック・ウィザードは、1X、10X、20X、50X、
および 100X のプローブに使用できます。500X や 1000X のプロー ブ、または EXT TRIG(外部トリガ)コネクタに接続されるプロー ブには使用できません。
注: プロセスが完了すると、プローブ・チェック・ウィザード
は、Probe(プローブ)オプション以外のオシロスコープ設定を、 PROBE CHECK(プローブ・チェック)ボタンを押す前の状態に 戻します。
EXT TRIG(外部トリガ)入力で使用するプローブの補正を行 うには、次の手順を実行
します。
1. プローブを、いずれかの入力チャンネル・コネクタ(CH 1
など)に接続します。
2. PROBE CHECK(プローブ・チェック)ボタンを押してス
クリーンの指示に従
います。
3. プローブが機能していて適切に補正されていることを確認
したら、プロー
ブを EXT TRIG(外部トリガ)コネクタに
接続します。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 7
はじめに
プローブの手動補正
プローブ・チェック・ウィザードを使用する代わりに、手動で 調整を行って電圧プローブを入力チャンネルに合わせることも できます。
PROBE COMP(プ ローブ補 正)
AUTOSET (オー トセッ ト)ボ タン
1. CH 1 MENU ► Probe (プロー ブ) ► Voltage (電圧) ► Attenuation(減衰)オプション を押し、10X を選択します。 P2220 型プローブのスイッチ を 10X に設定して、オシロス コープのチャンネル 1 に接続し ます。プローブ・フックチップ を使用する場合は、チップをプ ローブにしっかり差し込んで取 り付け、適切に接続されている ことを確認してください。
2. プローブ・チップを PROBE COMP(プローブ補正) ~5V@1kHz 端子に取り付け、基 準リードを PROBE COMP(プ ローブ補正)シャーシ端子に取 り付けます。チャンネルを表 示し、AUTOSET(オートセッ ト)ボタンを押します。
8 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
補正過多
補正不足
適切な補正
プローブの減衰設定
はじめに
3. 表示される波形の形を確認しま
す。
4. 必要に応じて、プローブを調整
します。
必要に応じて手順を繰り返します。
プローブは、信号の垂直軸スケールに影響する、さまざまな減 衰定数を持つものが提供されています。プローブ・チェック・ ウィザードは、オシロス
コープの減衰定数がプローブと適合し
ているかどうかを検査します。
プローブ・チェックの
代わりに、使用するプローブの減衰に 適合する定数を手動で選択することもできます。たとえば、 CH 1 に接続される、10X に設定されたプローブを適合させる には、CH 1 ME
NU ► Probe(プローブ) ► Voltage(電圧) ►
Attenuation(減衰)オプションを押し、10X を選択します。
注: Attenuation(減衰)オプションのデフォルト設定は 10X です。
P2220 型プローブ上の減衰比スイッチを変更した場合は、それ に適合するようにオシロスコープの Attenuation(減衰)オプ ションも変更する必要があります。スイッチの設定は 1X と 10X です。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 9
はじめに
減衰比スイッチ
注: 減衰比スイッチが 1X に設定されている場合、P2220 型プロー
ブは、オシロスコープの帯域幅を 6 MHz に制限します。オシロス コープの全帯域幅を使用するには、スイッチを 10X に設定します。
電流プローブ・スケール
電流プローブは、電流に比例した電圧信号をもたらします。オ シロスコープが電流プローブのスケールに適合するよう設定す る必要があります。スケールのデフォルト値は 10 A/V です。
たとえば、CH 1 に接続される現在のプローブのスケールを設 定するには、CH 1 MENU ► Probe(プローブ) ► Current(電 流) ► Scale(スケール)オプションを押し、適切な値を選択 します。
自己校正
自己校正ルーチンを使用してオシロスコープの信号パスを最適 化することで、測定の確度を高めることができます。ルーチン はいつでも実行できますが、周囲温度が 5 ℃(9 ゚F) 以上変化 したときは必ず実行してください。ルーチンの実行にはおよそ 2 分かかります。
校正を正確に行うため、オシロスコープの電源をオンにした ら、20 分のウォーム・アップが終了するまで待ってください。
信号パスを補正するには、まず、すべてのプローブとケーブ ルを入力コネクタから外します。次に、UTILITY(ユーティリ ティ) ► Do Self Cal(自己校正)オプションを選択し、スク リーンの指示に従います。
10 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
基本操作
フロント・パネルは、使いやすいように機能別に分けられてい ます。この章では、コントロールおよびスクリーンに表示され る情報について簡単に説明します。
2 チャンネルのモデル
4 チャンネルのモデル
表示領域
ディスプレイには、波形だけでなく、波形についてのさまざま な詳細情報や、オシロスコープのコントロール設定も表示され ます。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 11
基本操作
注: FFT 機能の表示の詳細については、(73 ページ 「FFT スペク
トラムの表示」 参照)。
1. このアイコン表示は、アクイジション・モードを示します。
サンプル・モード
ピーク検出モード
アベレージング・モード
12 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
基本操作
2. トリガ・ステータスは、次の状態を示しています。
オシロスコープは、プリトリガ・データを取り込 んでいます。この状態では、すべてのトリガは 無視されます。
すべてのプリトリガ・データが取り込まれ、オ シロスコープはトリガを受け入れられる状態 になっています。
オシロスコープはトリガを検出し、ポストトリ ガ・データを取り込んでいます。
オシロスコープは、波形データの取り込みを 停止しました。
オシロスコープは、シングル・シーケンスのア クイジションを完了しました。
オシロスコープはオート・モードであり、トリガ なしで波形を取り込んでいます。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 13
基本操作
オシロスコープは、スキャン・モードで連続的 に波形データを取り込んで表示しています。
3. このマーカは、水平トリガ位置を示します。マーカの位置 を調整するには、HORIZONTAL POSITION(水平位置)ノ ブを回します。
4. このリードアウトは、中央の目盛の時間を示します。トリ ガ時間がゼロです。
5. このマーカは、エッジまたはパルス幅のトリガ・レベルを 示します。
6. このスクリーン上のマーカは、表示されている波形のグラ ンド基準ポイントを示します。マーカがない場合、チャン ネルは表示されません。
7. この矢印アイコンは、波形が反転されていることを示しま す。
8. このリードアウトは、チャンネルの垂直軸スケール・ファ クタを示します。
9. B
アイコンは、チャンネルの帯域幅が制限されていること
W
を示します。
10. このリードアウトは、メイン時間軸の設定を示します。
11. このリードアウトは、ウィンドウ時間軸の設定(使用され ている場合)を示します。
12. このリードアウトは、トリガに使用されているトリガ・ソー スを示します。
13. このアイコンは、選択されているトリガの種類を示します。 次の種類があります。
立上りエッジに対するエッジ・トリガ
立下りエッジに対するエッジ・トリガ
ライン同期に対するビデオ・トリガ フィールド同期に対するビデオ・トリガ パルス幅トリガ、正極性
14 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
基本操作
パルス幅トリガ、負極性
14. このリードアウトは、エッジまたはパルス幅のトリガ・レ
ベルを示します。
15. 表示領域には、役に立つメッセージが表示されます。一部
のメッセージは 3 秒間だけ表示されます。
保存されている波形を呼び出すと、このリードアウトには、 "RefA 1.00V 500µs" のように、リファレンス波形について の情報が表示されます。
16. このリードアウトは、日付と時刻を示します。
17. このリードアウトは、トリガ周波数を示します。
メッセージ領域
オシロスコープのスクリーンの下部にあるメッセージ領域(前 図の項目番号 15)には、次のような役に立つ情報が表示されま す。
他のメニューへのアクセス方法。たとえば、TRIG MENU ボ タンを押すと、次のコメントが表示されます。
ホールドオフは水平軸メニューで設定してください。
次に必要とされる操作。たとえば、MEASURE(波形測定) ボタンを押すと、次のコメントが表示されます。
オプションボタンを押して項目を変更してください。
オシロスコープが実行した動作を示す情報。たとえば、 DEFAULT SETUP(工場出荷時設定)ボタンを押すと、次 のコメントが表示されます。
初期設定が呼出されました。
波形に関する情報。たとえば、AUTOSET(オートセット) ボタンを押すと、次のコメントが表示されます。
CH1 で方形波またはパルスを検出しました。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 15
基本操作
メニュー・システムの使用
オシロスコープのユーザ・インタフェースは、メニュー構造を 通して特定の機能に簡単にアクセスできるよう設計されていま す。
フロント・パネル・ボタンを押すと、オシロスコープのスク リーンの右側に、対応するメニューが表示されます。メニュー では、スクリーンの右側にあるラベル表示のないオプション・ ボタンを押したときに使用できるオプションが示されます。
16 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
基本操作
メニュー・オプションを表示するには、複数の方法がありま
す。
ページ(サブメニュー)の選択:一部のメニューでは、上 のオプション・ボタンにより 2、3 のサブメニューを選択す ることができます。上のボタンを押すたびに、オプション が変わります。たとえば、TRIGGER(トリガ)メニューの 一番上のボタンを押すことにより、オシロスコープは Edge (エッジ)、Video(ビデオ)、および Pulse(パルス) の サブメニューを順に表示します。
循環リスト:オプション・ボタンを押すたびに、パラメー タは違う値に設定されます。たとえば、CH 1 MENU ボタン を押し、続いて一番上のオプション・ボタンを押すと、垂 直軸(チャンネル)の Coupling(入力結合)オプションが 順番に切り替わります。
リストによっては、汎用ノブを使用してオプションを選択 できます。汎用ノブが使用できる場合はヒント・ラインに 示され、汎用ノブが有効のときは、ノブの横にある LED が 点灯します。 (21 ページ 「メニュー・ボタンとコントロー ル・ボタン」 参照)。
アクション:Action(アクション)オプション・ボタンを 押すとただちに実行されるアクションの種類が表示されま す。たとえば、ヘルプの索引が表示されている状態で Page Down(次ページ)オプション・ボタンを押すと、索引項目 の次のページがただちに表示されます。
選択メニュー:このオシロスコープでは、各オプションに対 して異なるボタンが使用されます。現在選択されているオ プションがハイライトされます。たとえば、ACQUIRE(波 形取込)メニュー・ボタンを押すと、さまざまなアクイジ ション・モードのオプションが表示されます。オプション を選択するには、対応するボタンを押します。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 17
基本操作
ページの選択 循環リスト
TRIGGER CH1
Type
Edge
Coupling
DC
または または TRIGGER CH1
Type
Video
Coupling
AC
または または TRIGGER CH1
Type
Pulse
Coupling
Ground (GND)
垂直軸コントロール
アクション
HELP
Page
Up
Page
Down
選択メ
ニュー ACQUIRE
Sample
Peak Detect
Average
すべての 4 チャンネル・モデルの外観
POSITION(位置)(CH1、CH2、CH3、およびCH4):
波形の垂直方
向の位置を指定します。
18 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
CH1MENU、CH2MENU、CH3MENU、およびCH4MENU: 垂直軸
のメニュー項目を表示し、チャンネル波形の表示のオンとオフ を切り替えます。
VOLTS/DIV(CH 1、CH 2、CH 3、および CH 4): 垂直軸スケール・
ファクタを選択します。
MATH MENU(演算): 波形演算操作メニューを表示し、演算波形
の表示のオンとオフを切り替えます。
水平軸コントロール
基本操作
2チャンネルのモデル 4チャンネルのモデル
POSITION(位置):
置を調整します。このコントロールの分解能は、時間軸の設 定によって異なります。 (118 ページ 「Window Zone(範囲指 定)」 参照)。
注: 水平位置を大きく調整するには、SEC/DIV ノブを大きな値に
し、水平位置を変更した後、SEC/DIV ノブを元の値に戻します。
HORIZ MENU: Horizontal Menu(水平軸メニュー)を表示しま
す。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 19
すべてのチャンネルおよび演算波形の水平位
基本操作
SET TO ZERO(標準位置): 水平位置をゼロに設定します。
SEC/DIV: メイン時間軸またはウィンドウ時間軸の、1 目盛当た
りの水平時間(スケール・ファクタ)を選択します。Win Zone(範囲指定)が有効になっている場合は、ウィンドウ時 間軸を変更することでウィンドウ・ゾーンの幅を変更します。 (118 ページ 「Window Zone(範囲指定)」 参照)
トリガ・コントロール
dow
4 チャンネルのモデル
2チャンネルのモデル
LEVEL(レベル):
ているときには、LEVEL(レベル)ノブは、波形を取り込むた めに信号が超える必要のある振幅レベルを設定します。
TRIG MENU: Trigger Menu(トリガ・メニュー)が表示されま
す。
SET TO 50%(50% に設定): トリガ・レベルを、トリガ信号のピー
ク間の垂直方向の中央に設定します。
20 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
エッジ・トリガまたはパルス・トリガを使用し
FORCE TRIG(強制トリガ): トリガ信号の有無に関係なく、アクイ
ジションを完了します。このボタンは、アクイジションがすで に停止している場合は無効です。
TRIG VIEW(トリガ波形表示): このボタンを押している間は、チャ
ンネル波形の代わりにトリガ波形が表示されます。トリガ・ カップリングなど、トリガ設定がトリガ信号に与える影響を確 認するために使用します。
メニュー・ボタンとコントロール・ボタン
汎用ノブ
基本操作
メニューおよびボタン・コントロールの詳細については、「リ ファレンス」の
汎用ノブ: このノブの機能は、表示されているメニューや選択
章を参照してください。
されているメニュー・オプションによって異なります。有効に なると、横にある LED が点灯します。次の表に、ノブの機能 を示します。
有効なメニュー またはオプション ノブの機能 説明
Cursor(カーソル)
Display(表示)
カーソル 1 ま たはカーソル 2
コントラスト調 整
選択されているカーソルの 位置を指定します。
ディスプレイのコントラスト を変更します。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 21
基本操作
有効なメニュー またはオプション ノブの機能 説明
Help(ヘルプ)
Horizontal ( 水 平 軸)
演算
Measure(波形測 定)
Save/Recall ( 保 存/呼出)
スクロール
ホールドオフ
位置
垂直軸スケー ル
種類
アクション
ファイル選択
索引の項目を選択し、トピッ クのリンクを選択します。ト ピックの次ページまたは前 ページを表示します。
別のトリガ・イベントを受け 付けるまでの時間を設定し ます。(139 ページ 「ホール ドオフ」 参照)。
演算波形の位置を指定しま す。
演算波形のスケールを変
更します。 ソースごとに自動測定の種
類を選択します。
その操作を、セットアップ・ ファイル、波形ファイル、お よびスクリーン・イメージの 保存または呼び出しとして 設定します。
保存するセットアップ・ファ イル、波形ファイル、または イメージ・ファイルを選択し たり、呼び出すセットアップ・ ファイルまたは波形ファイル を選択します。
22 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
有効なメニュー またはオプション ノブの機能 説明
Trigger(トリガ部)
Utility ( ユ ー テ ィ リティ) ► File Utilities(ユーティ リティ)
Utility ( ユ ー テ ィ リティ) ► Options (オプション) ►GPIBSetup (GPIB 設定) ► Address ( ア ド レ ス)
lity(ユーティ
Uti
ィ) ► Options
リテ
オプション)
Set Date and
► Time(日時の設 定)
ソース
ビデオ・ライン 番号
パルス幅
ファイル選択 名前の変更または削除を
名前入力
値入力
値入力 日付と時刻の値を設定しま
トリガの種類オプションが Edge(エッジ)に設定されて いる場合に、ソースを選択 します。
トリガの種類オプションが Video(ビデオ)に設定され、 Sync(同期)オプションが Line Number(Line 番号)に 設定されている場合は、オ シロスコープを特定のライ ン番号に設定します。
トリガの種類オプションが Pulse(パルス)に設定され ている場合は、パルスの幅 を設定します。
行うファイルを選択します。 (143 ページ 「 USB フ ラ ッ シュ・ドライブ用のファイ ユーティリティ」 参照)。
ファイルまたはフォルダの名 前を変更します。(144 ペー ジ「ファイルまたはフォルダ の名前の変更」 参照)。
TEK-USB-488 型 ア ダ プ タ の GPIB アドレスを設定し ます。
す。(142 ページ 「日付と時 刻の設定」 参照)。
基本操作
ル・
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 23
基本操作
有効なメニュー またはオプション ノブの機能 説明
Vertical(垂直部) ► Probe(プロー ブ) ► Voltage(電 圧) ► Attenuation (減衰)
Vertical(垂直部) ► Probe(プロー ブ) ► Current(電 流) ► Scale(ス ケール)
値入力 CH 1 MENU などの 1 つの
チャンネル・メニューで、オ シロスコープでの減衰定数 を設定します。
値入力 CH 1 MENU などの 1 つの
チャンネル・メニューで、オ シロスコープでのスケール を設定します。
AUTORANGE(オートレンジ):
Autorange Menu(オートレンジ・メ ニュー)を表示し、オートレンジ機能を有効または無効にしま す。オートレンジ機能が有効になると、横にある LED が点灯 します。
SAVE/RECALL(保存/呼出): セットアップと波形についての
Save/Recall Menu(保存/呼出メニュー)が表示されます。
MEASURE(波形測定): 自動測定メニューが表示されます。
ACQUIRE(波形取込): Acquire Menu(波形取込メニュー)が表
示されます。
REFMENU(REFメニュー): オシロスコープの不揮発性メモリに保
存されているリフ
ァレンス波形をすばやく表示または非表示に
する、Reference Menu(REF メニュー)を表示します。
UTILITY ( ユ ー テ ィ リ テ ィ ) : Utility Menu (ユーティリティ・メ
ニュー)が表示されます。
CURSOR(カーソル): Cursor Menu(カーソル・メニュー)が表
示されま
す。Cursor Menu(カーソル・メニュー)を終了して もカーソルは表示されていますが(Type(項目)オプションが Off(オフ)に設定されていない場合)、カーソルを調節するこ とはで
きません。
24 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
基本操作
DISPLAY(表示): Display Menu(表示メニュー)が表示されま
す。
HELP(ヘルプ): Help(ヘルプ)メニューが表示されます。
DEFAULT SETUP(工場出荷時設定): 出荷時セットアップが呼び
出されます。
AUTOSET(オートセット): 入力信号の表示が最適になるように、
オシロスコープの制御を自動的に設定します。
SINGLE SEQ(単発波形): 単一の波形を取り込んだ後、停止しま
す。
RUN/STOP: 波形を連続して取り込むか、アクイジションを停
止します。
PRINT: PictBridge 互換プリンタへの印刷操作を開始するか、
USB フラッシュ・ドライブへの保存機能を実行します。
SAVE(保存): USB フラッシュ・ドライブにデータを保存するよ
うに PRINT ボタンが設定されていると、LED が点灯します。
入力コネクタ
2 チャンネルのモデル
4 チャンネルのモデル
CH 1、CH 2、CH 3、および CH 4:
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 25
波形表示用の入力コネクタです。
基本操作
EXT TRIG(外部トリガ): 外部トリガ・ソース用の入力コネクタ
です。トリガ・ソース(Ext または Ext/5)を選択するには、 Trigger Menu(トリガ・メニュー)を使用します。トリガ・カッ プリングなど、トリガ設定がトリガ信号に与える影響を確認す るには、TRIG VIEW(トリガ波形表示)ボタンを押し続けま す。
フロント・パネルのその他のコネクタ
USB フラッシュ・ドライブ・ ポート
ート:
USB フラッシュ・ドライブ・ポ
USB フラッシュ・ドライブを挿入します。フラッシュ・ドライ ブが有効なときには、オシロスコープに時計の記号が表示され ます。ファイルが保存または は時計の記号が消え、保存や呼び出しの操作が完了したことを 知らせるヒント・ラインが表示されます。
データの保存や取り出しのために
取得されると、オシロスコープで
LED 付きのフラッシュ・ドライブの場合、ドライブに対して データの保存や取得を行っているときには LED が点滅します。 LED の点滅が停止す
PROBE COMP(プローブ補正): プローブ補正出力およびシャーシ
の基準です。電圧プローブをオシロスコープの入力回路と電気 的に一致させるために使用します。 (6 ページ 「電圧プローブ・ チェック・ウィザード」 参照)。 (8 ページ 「プローブの手動補 正」 参照)。
26 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
るまで待ってドライブを抜いてください。
オシロスコープの基本機能
この章では、オシロスコープを使用する前に理解しておく必 要がある一般的な情報を提供します。オシロスコープを効果的 に使用するには、次の機能について理解しておく必要がありま す。
オシロスコープのセットアップ
トリガ
信号(波形)の取り込み
波形のスケーリングと位置調整
波形の測定
次の図は、オシロスコープのさまざまな機能と各機能の相互関 係をブロック図で表したものです。
オシロスコープ
オシロスコープの操作時によく使用するいくつかの機能に慣れ ておく必要が レンジ、セットアップの保存、およびセットアップの呼び出し です。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 27
のセットアップ
あります。その機能とは、オートセット、オート
オシロスコープの基本機能
オートセットの使用
AUTOSET(オートセット)ボタンを押すたびに、オートセッ ト機能によって、安定した波形表示が自動的に得られます。垂 直軸スケール、水平軸スケール、およびトリガ設定が自動的に 調整されます。また、信号の種類に応じて、目盛領域にいくつ かの自動測定が表示されます。
オートレンジの使用
オートレンジは連続した機能であり、有効または無効にするこ とができます。この機能を使用すると、信号が大きく変化した 場合や、プローブを別のポイントに物理的に移動した場合に、 信号に追従するためのセットアップ値が調整されます。
セットアップの保存
最後に設定を変更した後に 5 秒間経過してからオシロスコープ の電源をオフにすると、現在のセットアップが保存されます。 次に電源をオンにしたときには、このセットアップが呼び出さ れます。
SAVE/RECALL(保存/呼出)メニューを使うと、最大 10 個の 異なるセットアップを保存できます
USB フラッシュ・ドライブにセットアップを保存することもで きます。このオシロスコープでは、移動可能なデータの保存お よび取り出しのために USB フラッシュ・ドライブを使用でき ます。 (81 ページ 「USB フラッシュ・ドライブ・ポート」 参 照)。
セットアップの呼び出し
このオシロスコープでは、オシロスコープの電源をオフにする 直前のセットアップ、保存されているセットアップ、またはデ フォルトのセットアップを呼び出すことができます。 (125 ペー ジ 「保存と呼び出し」 参照)。
デフォルト・セットアップ
オシロスコープは、工場出荷時には通常の操作に合わせてセッ トアップされています。これがデフォルト・セットアップで す。このセットアップを呼び出すには、DEFAULT SETUP(工 場出荷時設定)ボタンを押します。デフォルト設定を表示する
28 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
トリガ
オシロスコープの基本機能
方法については、「付録 D:デフォルト・セットアップ」を参 照してください。
トリガは、データの取り込みおよび波形の表示をいつ開始す るかを決定します。表示が不安定な場合や、スクリーンに何も 表示されない場合は、トリガを適切にセットアップすることに よって、有効な波形が得られます。
トリガで取り込まれ た波形
トリガされていない波形
オシロスコープ固有の説明については、「基本操作」の章を参 照してください。 (20 ページ 「トリガ・コントロール」 参照)。 また、「リファレンス」の章を参照してください。 (132 ペー ジ 「トリガ・コントロール」 参照)。
RUN/STOP ボタンまたは SINGLE SEQ ボタンを押してアクイ ジションを開始すると、オシロスコープは次のステップを実行 します。
1. 波形レコードのトリガ・ポイントよりも左側の部分が埋ま
るだけのデータを取り込みます。これをプリトリガと呼び ます。
2. トリガ条件が発生するまで、データを取り込み続けます。
3. トリガ条件を検出します。
4. 波形レコードが一杯になるまでデータを取り込み続けます。
5. 新しく取り込んだ波形を表示します。
注: エッジ・トリガおよびパルス・トリガの場合は、トリガ・イ
ベントの発生頻度がカウントされトリガ周波数が特定されます。 この周波数は、スクリーンの右下隅に表示されます。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 29
オシロスコープの基本機能
ソース
トリガとして使用する信号を選択するには、Trigger Source(ト リガ・ソース)オプションを使用します。このソースには、AC 電源ライン(エッジ・トリガの場合のみ選択可能)を選択する か、チャンネル・コネクタまたは EXT TRIG(外部トリガ)コネ クタに接続されている任意の信号を選択することができます。
種類
このオシロスコープには、エッジ、ビデオ、およびパルス幅の 3 種類のトリガがあります。
モード
Auto(オート)または Normal(ノーマル)のトリガ・モードを 選択し、トリガ条件が検出されなかった場合のデータの取り込 み方法を定義することができます。 (133 ページ 「Mode(モー ド)のオプション」 参照)。
シングル・シーケンスでのアクイジションを実行するには、 SINGLE SEQ ボタンを押します。
カップリング
Trigger Coupling(トリガ・カップリング)オプションを使用す ると、信号のどの部分をトリガ回路に渡すかを指定できます。 これは、波形の安定した表示を得るために役立ちます。
トリガ・カップリングを使用するには、TRIG MENU ボタンを 押し、Edge(エッジ)または Pulse(パルス)トリガを選択し て、Coupling(入力結合)オプションを選択します。
注: トリガ・カップリングは、トリガ・システムを通過する信号
だけに影響します。ディスプレイに表示される信号の帯域幅また はカップリングには影響しません。
トリガ回路を通過する条件付きの信号を表示するには、TRIG VIEW(トリガ波形表示)ボタンを押し続けます。
位置
水平位置コントロールは、トリガとスクリーン中央の間の時間 を設定します。このコントロールを使用してトリガの位置を調 整する方法については、「水平軸スケールと水平位置、プリト
30 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
オシロスコープの基本機能
リガ情報」を参照してください。 (33 ページ 「水平軸スケール と水平位置、プリトリガ情報」 参照)。
スロープおよびレベル
スロープ・コントロールとレベル・コントロールは、トリガ の定義に使用します。Slope(スロープ)オプション(種類が エッジ・トリガの場合のみ)で、信号の立上りエッジまたは立 下りエッジのどちらでトリガ・ポイントを検出するかを指定し ます。TRIGGER LEVEL(トリガ・レベル)ノブで、エッジの どこでトリガ・ポイントを発生させるかを制御します。
立上りエッジ 立下りエッジ
トリガ・レベルは 垂直方向に調整可 能
立上がりまたは立下りでトリガできる
信号の取り込み
信号を取り込むと、オシロスコープによってその信号がデジ タル形式に変換され、波形が表示されます。アクイジション・ モードは、そのアクイジションでの信号のデジタル化方法と時 間軸設定が時間および詳細レベルに及ぼす影響を定義します。
アクイジション・モード
アクイジション・モードには、サンプル、ピーク検出、および 平均の 3 つがあります。
サンプル: このアクイジション・モードでは、一定間隔で信号
をサンプリングして波形を作成します。このモードは、ほとん どの場合に信号を正確に表現します。
ただし、このモードでは、サンプル間で発生する信号の急激な 変化は取り込むことができません。このため、エイリアシング が発生して、狭いパルスが見落とされる場合があります。その
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 31
オシロスコープの基本機能
ような場合は、ピーク検出モードでデータを取り込むことをお 勧めします。 (33 ページ 「時間領域のエイリアシング」 参照)。
ピーク検出: このアクイジション・モードでは、各サンプル間
隔で取り込まれた入力信号の最大値および最小値を検出し、そ れらの値を使用して波形を表示します。このモードを使用する と、サンプル・モードでは見落とされる可能性がある狭いパル スを取り込んで表示できます。このモードの方がノイズは多く なります。
アベレージング: このアクイジション・モードでは、複数の波形
を取り込み、それらをアベレージングすることによって得られ た波形を表示します。このモードを使用すると、不規則ノイズ が減少します。
時間軸
オシロスコープは、不連続なポイントで入力信号の値を取り込 み、波形をデジタル化します。時間軸を使用すると、値をデジ タル化する頻度を制御できます。
目的に適した水平軸スケールに合わせて時間軸を調整するに は、SEC/DIV ノブを使用します。
波形のスケーリングと位置調整
スケールおよび位置を調整して波形の表示を変更することが できます。スケールを変更すると、波形表示のサイズが大きく なったり小さくなったりします。位置を変更すると、波形が上 下左右に移動します。
チャンネル・インジケータ(目盛の左にあります)は、ディス プレイ上の各波形を識別します。このインジケータは、波形レ コードのグランド基準レベルを指し示します。
表示領域とリードアウトを表示できます。 (11 ページ 「表示領 域」 参照)。
垂直軸スケールと垂直位置
表示内で波形を上下に移動すると、波形の垂直位置を変更でき ます。データを比較する場合に、比較する波形を上下に並べた り重ねたりすることができます。
32 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
オシロスコープの基本機能
波形の垂直軸スケールを変更できます。波形表示がグランド基 準レベルを基準にして、縮小したり拡大したりします。
オシロスコープ固有の説明については、「基本操作」の章を参 照してください。 (18 ページ 「垂直軸コントロール」 参照)。 また、「リファレンス」の章を参照してください。 (145 ペー ジ 「垂直軸コントロール」 参照)。
水平軸スケールと水平位置、プリトリガ情報
HORIZONTAL POSITION(水平位置)コントロールを調整する ことによって、トリガの前または後のすべてまたは一部の波形 データを表示できます。波形の水平位置を変更すると、実際に は、トリガとディスプレイ中央の間の時間が変更されます。こ の場合、見た目には、ディスプレイの左右いずれかに波形が移 動したように見えます。
たとえば、テスト回路で発生するグリッチの原因を調べる場合 は、プリトリガ期間を十分に長くしてグリッチでトリガするこ とで、グリッチの前のデータを取り込むことができます。この プリトリガ・データを解析すると、グリッチの原因がわかる場 合があります。
SEC/DIV ノブを回すと、すべての波形の水平軸スケールが変更 されます。たとえば、立上りエッジのオーバシュートを測定す る場合に、波形を 1 サイクル分だけ表示することができます。
水平軸スケールは、スケール・リードアウトに 1 目盛(div)当 たりの時間として表示されます。ウィンドウ・ゾーンを使用し ている場合を除き、すべての有効な波形に同じ時間軸が使用さ れるので、表示される値は、すべての有効なチャンネルに対し て 1 つだけです。ウィンドウ機能の使い方の詳細については、 「Window Zone(範囲指定)」を参照してください。 (118 ペー ジ 「Window Zone(範囲指定)」 参照)。
オシロスコープ固有の説明については、「基本操作」の章を参 照してください。 (19 ページ 「POSITION(位置)」 参照)。 また、「リファレンス」の章を参照してください。(116 ページ 「水平軸」 参照)。
時間領域のエ
による信号のサンプリングが、正確な波形レコードを作成する ために十分な速度で行われていないときに発生します。エイリ
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 33
イリアシング:
エイリアシングは、オシロスコープ
オシロスコープの基本機能
アシングが発生すると、実際の入力波形よりも周波数の低い波 形が表示されたり、不安定な波形が表示されたりします。
実際の高周波の波形 エイリアシングのた
めに表示される低周 波の波形
サンプル・ポイント
このオシロスコープは信号を正確に表現しますが、プローブの 帯域幅、オシロスコープの帯域幅、およびサンプル・レートに よる制限を受けます。エイリアシングを防ぐに 周波数成分の 2 倍以上の速度で信号をサンプリングする必要が あります。
理論上、オシロスコープのサンプル・レートで表現できる最も 高い周波数は、ナイキスト周波数です。このサンプル・レート はナイキスト・レートと呼ばれ、ナイ す。
は、信号の最大
キスト周波数の 2 倍で
オシロスコープの最大サンプル・レ
ートは、少なくとも帯域幅 の 10 倍です。これらのように高いサンプル・レートを使うと、 エイリアシングが発生する可能性を減らすことができます。
エイリアシングをチェックする方法はいくつかあります。
SEC/DIV ノブを回して
水平軸スケールを変更します。波形 の形状が大きく変化する場合は、エイリアシングが発生し ている可能性があります。
ピーク検出アクイジション・モードを選択します。(32 ペー ジ 「ピーク検出」 参照)。このモードでは、より高速な信 号を検出できるように
、最大値および最小値をサンプリン グします。波形の形状が大きく変化する場合は、エイリア シングが発生している可能性があります。
トリガ周波数が表示情報より速いと、エイリアシングが発 生したり、波形がトリガ・レベルを複数回通過したりする 場合があります
。波形を調べると、その信号の形状が、選 択したトリガ・レベルで 1 サイクルに 1 回だけトリガと交 差する形状であるかどうかを見極めることができます。
34 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
オシロスコープの基本機能
トリガが複数回発生する可能性が高い場合は、1 サイクルに 1 回だけトリガが発生するトリガ・レベルを選択します。 それでもトリガ周波数がディスプレイの表示よりも速い場 合は、エイリアシングが発生している可能性があります。
トリガ周波数が遅くなった場合、このテストは有効ではあ りません。
表示している信号がトリガ・ソースでもある場合は、目盛 またはカーソルを使用して、表示されている波形の周波数 を推測します。これを、スクリーンの右下隅に表示されて いるトリガ周波数のリードアウトと比較します。これらが 大きく異なる場合は、エイリアシングが発生している可能 性があります。
次の表は、さまざまな周波数でエイリアシングを防ぐために使 用できる時間軸設定とそれぞれのサンプル・レートのリストで す。SEC/DIV の設定を高速にするほど、オシロスコープの入力 増幅器の帯域幅の制限によってエイリアシングが発生する可能 性は低くなります。
サンプル・モードでエイリアシングを防ぐための設定
1 秒当たりのサンプリング
時間軸
2.5 ns
5.0 ~ 250.0
回数 最大 2GS/s 1GS/sまたは2GS/s
*
200.0 MHz
200.0 MHz
ns
500.0 ns
1.0 μs
2.5 μs
5.0 μs
10.0 μs
25.0 μs
50.0 μs
100.0 μs
250.0 μs
500.0 μs
500.0 MS/s
250.0 MS/s
100.0 MS/s
50.0 MS/s
25.0 MS/s
10.0 MS/s
5.0 MS/s
2.5 MS/s
1.0 MS/s
500.0 KS/s
200.0 MHz
125.0 MHz
50.0 MHz
25.0 MHz
12.5 MHz
5.0 MHz
2.5 MHz
1.25 MHz
500.0 KHz
250.0 KHz
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 35
オシロスコープの基本機能
1 秒当たりのサンプリング
時間軸
1.0 ms
2.5 ms
5.0 ms
10.0 ms
25.0 ms
50.0 ms
100.0 ms
250.0 ms
500.0 ms
1.0 s
2.5 s
5.0 s
10.0 s
25.0 s
50.0 s
*
オシロスコープのモデルによって異なります。
1X に設定された P2220 型プローブを使用すると帯域幅は 6 MHz に減少 します。
回数 最大
250.0 KS/s
100.0 KS/s
50.0 KS/s
25.0 KS/s
10.0 KS/s
5.0 KS/s
2.5 KS/s
1.0 KS/s
500.0 S/s
250.0 S/s
100.0 S/s 50
25.0 S/s
10.0 S/s
5.0 S/s
.0 S/s
125.0 KHz
50.0 KHz
25.0 KHz
12.5 KHz
5.0 KHz
2.5 KHz
1.25 KHz
500.0 Hz
250.0 Hz
125.0 Hz
50.0 Hz
25.0 Hz
12.5 Hz
5.0 Hz
2.5 Hz
測定の実行
このオシロスコープでは電圧対時間のグラフが表示されるの で、それを利用して、表示された波形を測定することができま す。
測定を行うには、いくつかの方法があります。目盛、カーソ ル、または自動測定を使用できます。
目盛
この方法を使用すると、すばやく視覚的に測定が行えます。た とえば、波形振幅を目測して、100 mV を少し上回る程度であ ることを確認できます。
36 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
オシロスコープの基本機能
主目盛および副目盛の数を数えて、それをスケール・ファクタ で乗算することによって、単純な測定値を得られます。
たとえば、波形の最小値から最大値までの間に垂直軸目盛の主 目盛が 5 つあり、スケール・ファクタが 100 mV/div であるこ とがわかっている場合、ピーク間電圧は次のように計算できま す。
5 目盛 x 100 mV/div = 500 mV
カーソル
カーソル
この方法で測定するには、常に対になって表示されているカー ソルを移動し、ディスプレイのリードアウトから数値を読み取 ります。カーソルには、振幅カーソルと時間カーソルの 2 種類 があります。
カーソルを使用する場合は必ず、ディスプレイに表示された測 定する波形をソースに設定してください。
カーソルを使用するには、CURSOR(カーソル)ボタンを押し ます。
振幅カーソル: 振幅カーソルは、ディスプレイに水平ラインとし
て表示され、垂直軸パラメータを測定します。振幅は、基準レ ベルを基準としています。FFT 演算機能の場合、これらのカー ソルは振幅を測定します。
時間カーソル: 時間カーソルは、ディスプレイに垂直ラインとし
て表示され、水平軸パラメータと垂直軸パラメータの両方を測
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 37
オシロスコープの基本機能
定します。時間は、トリガ・ポイントを基準としています。FFT 演算機能の場合、これらのカーソルは周波数を測定します。
時間カーソルには、波形がそのカーソルと交差するポイントで の波形振幅のリードアウトも含まれています。
自動
MEASURE(波形測定)メニューで最大 5 つまでの自動測定を 行うことができます。自動測定を行うと、すべての計算が自動 的に行われます。この測定では波形レコードのポイントを使用 するので、目盛またはカーソルによる測定よりも正確です。
自動測定では、リードアウトに測定結果が表示されます。これ らのリードアウトは、オシロスコープが新しいデータを取り込 むごとに周期的に更新されます。
測定の説明については、「リファレンス」の章を参照してくだ さい。 (121 ページ 「測定の実行」 参照)。
38 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
このセクションでは、各種の測定例を紹介します。これらの例 は、オシロスコープの機能をわかりやすく説明し、個々のテ トの問題を解決する際のヒントとなるように単純化されていま す。
オートセットの使用
ニュー)の使用
2 つの信号の測定とゲインの計算
リンギング周波数とリンギング振幅の測定
パルス幅の測定
立上り時間の測定
ノイズの多い信号の観察
アベレージング機能を使用した信号とノイズの分離
基本的な測定例
自動測定を実行するための Measure Menu(波形測定メ
オートレンジを使用した一連のテスト・ポイントの検査
カーソル測定の実行
信号の詳細の解析
単発信号の取り込み
アクイジションの最適化
伝搬遅延の測定
パルス幅のトリガ
ビデオ信号のトリガ
ビデオ・フィールドおよびビデオ・ラインでのトリガ
ウィンドウ機能を使用した波形の詳細の表示
演算機能を使用した差動通信信号の解析
XY モードおよびパーシスタンスを使用したネットワーク内 でのインピーダンス変化の観測例
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 39
測定例
基本的な測定例
回路内の信号を表示しようとしていますが、信号の振幅や周波 数がわかりません。すばやく信号を表示して、周波数、周期、 および p-p 振幅を測定したいと考えています。
オートセットの使用
信号をすばやく表示するには、次の手順を実行します。
1. CH 1 MENU ボタンを押します。
2. Probe(プローブ) ► Voltage(電圧) ►Attenuation(減衰) ► 10X を押します。
3. P2220 型プローブ上にあるスイッチを 10X に設定します。
4. チャンネル 1 プローブ・チップを信号に接続します。基準 リードを回路の基準ポイントに接続します。
5. AUTOSET(オートセット)ボタンを押します。
オシロスコープが、垂直軸、水平軸、およびトリガ・コント ロールを自動的に設定します。コントロールを手動で調整して 波形の表示を最適化することができます。
注: オシロスコープは、検出された信号の種類に基づいて、関連
する自動測定値をスクリーンの波形領域に表示します。
40 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
オシロスコープ固有の説明については、「リファレンス」の章 を参照してください。 (107 ページ 「オートセット」 参照)。
自動測定の実行
このオシロスコープは、表示されるほとんどの信号の自動測定 を実行できます。
注: Value(測定値)リードアウトに疑問符(?)が表示された場
合、その信号は測定範囲外です。 適切なチャンネルの VOLTS/DIV ノブを調整して感度を下げるか、SEC/DIV 設定を変更してくださ い。
信号の周波数、周期、p-p 振幅、立上り時間、および正のパル ス幅を測定するには、次の手順を実行します。
1. MEASURE(波形測定)ボタンを押して Measure Menu(波
形測定メニュー)を表示します。
2. 1 番上にあるオプション・ボタンを押すと、Measure 1(波
形測定 1)メニューが表示されます。
3. Type(項目) ► Freq(周波数)を押します。
Value(測定値)リードアウトに、測定値と更新内容が表示 されます。
4. Back(戻る)オプション・ボタンを押します。
5. 上から 2 番目のオプション・ボタンを押すと、Measure 2
(波形測定 2)メニューが表示されます。
6. Type(項目) ► Period(周期)を押します。
Value(測定値)リードアウトに、測定値と更新内容が表示 されます。
7. Back(戻る)オプション・ボタンを押します。
8. 上から 3 番目のオプション・ボタンを押すと、Measure 3
(波形測定 3)メニューが表示されます。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 41
測定例
9. Type(項目) ► Pk-Pk(P-P 値)を押します。
Value(測定値)リードアウトに、測定値と更新内容が表示 されます。
10. Back(戻る)オプション・ボタンを押します。
11. 下から 2 番目のオプション・ボタンを押すと、Measure 4 (波形測定 4)メニューが表示されます。
12. Type(項目) ► Rise Time(時間)を押します。
Value(測定値)リードアウトに、測定値と更新内容が表示 されます。
13. Back(戻る)オプション・ボタンを押します。
14. 1 番下にあるオプション・ボタンを押すと、Measure 5(波 形測定 5)メニューが表示されます。
15. Type(項目) ► Pos Width(+ パルス幅)を押します。
Value(測定値)リードアウトに、測定値と更新内容が表示 されます。
16. Back(戻る)オプション・ボタンを押します。
CH1
Freq
1.000kHz
CH1
Period
1.000ms
CH1
Pk-Pk
5.04V
CH1
Rise Time
2.611µs?
CH1
Pos Width
500.0µs
42 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
2 つの信号の測定
ある機器の検査中に音声増幅器のゲインを測定するには、増幅 器の入力ポイントでテスト信号を発信できる音声ゼネレータが 必要です。次の図に示すように、オシロスコープの 2 つのチャ ンネルを増幅器の入力と出力に接続します。両方の信号レベル を測定し、測定値を使用してゲインを計算します。
CH1
Pk-Pk
2.04V
CH2
Pk-Pk
206mV
CH1
None
CH1
None
CH1
None
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 43
測定例
チャンネル 1 とチャンネル 2 に接続された信号を有効にして表 示し、2 つのチャンネルの測定値を選択するには、次の手順を 実行します。
1. AUTOSET(オートセット)ボタンを押します。
2. MEASURE(波形測定)ボタンを押して Measure Menu(波 形測定メニュー)を表示します。
3. 1 番上にあるオプション・ボタンを押すと、Measure 1(波 形測定 1)メニューが表示されます。
4. Source(チャネル) ► CH1 を押します。
5. Type(項目) ► Pk-Pk(P-P 値)を押します。
6. Back(戻る)オプション・ボタンを押します。
7. 上から 2 番目のオプション・ボタンを押すと、Measure 2 (波形測定 2)メニューが表示されます。
8. Source(チャネル) ► CH2 を押します。
9. Type(項目) ► Pk-Pk(P-P 値)を押します。
10. Back(戻る)オプション・ボタンを押します。
表示された両方のチャンネルの p-p 振幅を読み取ります。
11. 増幅器の電圧ゲインを計算するには、次の式を使用します。
電圧ゲイン = 出力振幅 ÷ 入力振幅
電圧ゲイン(dB) = 20 × log(電圧ゲイン)
44 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
オートレンジを使用した一連のテスト・ポイントの検査
ある機械が正常に動作していないため、いくつかのテスト・ポ イントの周波数と RMS 電圧を調べ、理想的な値と比較しよう としています。テスト・ポイントが手の届きにくい位置にある ため、プロービング時に両手が塞がってしまい、フロント・パ ネルのコントロールを操作できません。
1. CH 1 MENU ボタンを押します。
2. Probe(プローブ) ► Voltage(電圧) ► Attenuation(減衰)
を押し、チャンネル 1 に取り付けたプローブの減衰比に適 合するように設定します。
3. AUTORANGE(オートレンジ)ボタンを押してオートレン
ジを有効にしてから、Vertical and Horizontal(垂直水平) オプションを選択します。
4. MEASURE(波形測定)ボタンを押して Measure Menu(波
形測定メニュー)を表示します。
5. 1 番上にあるオプション・ボタンを押すと、Measure 1(波
形測定 1)メニューが表示されます。
6. Source(チャネル) ► CH1 を押します。
7. Type(項目) ► Frequency(周波数)を押します。
8. Back(戻る)オプション・ボタンを押します。
9. 上から 2 番目のオプション・ボタンを押すと、Measure 2
(波形測定 2)メニューが表示されます。
10. Source(チャネル) ► CH1 を押します。
11. Type(項目) ► Cyc RMS(実効値)を押します。
12. Back(戻る)オプション・ボタンを押します。
13. プローブ・チップと基準リードを最初のテスト・ポイント
に取り付けます。オシロスコープに表示される周波数とサ イクル RMS 測定値を読み取り、理想的な値と比較します。
14. 各テスト・ポイントについて手順 13 を繰り返し、不調の原
因となっている部分を探します。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 45
測定例
注: オートレンジが有効になっている場合、プローブを別のテス
ト・ポイントに移動するたびに、オシロスコープが水平軸スケー ル、垂直軸スケール、およびトリガ・レベルを調整し直し、正し い値を表示します。
カーソル測定の実行
カーソルを使用して、波形の時間と振幅をすばやく測定できま す。
リンギング周波数とリンギング振幅の測定
信号の立上りエッジでのリンギング周波数を測定するには、次 の手順を実行します。
1. CURSOR(カーソル)ボタンを押して、Cursor Menu(カー ソル・メニュー)メニューを表示します。
2. Type(項目) ► Time(時間)を押します。
3. Source(チャネル) ► CH1 を押します。
4. Cursor 1(カーソル 1)オプション・ボタンを押します。
5. 汎用ノブを回して、リンギングの最初のピークにカーソル を移動します。
6. Cursor 2(カーソル 2)オプション・ボタンを押します。
7. 汎用ノブを回して、リンギングの 2 番目のピークにカーソ ルを移動します。
Δ (デルタ)時間と周波数(測定されたリンギング周波数) が Cursor Menu(カーソル・メニュー)に表示されます。
46 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
Type
Time
Source
CH1
Δt 540.0ns
1/Δt 1.852MHz
ΔV 0.44V
Cursor1
180ns
1.40V
Cursor2
720ns
0.96V
8. Type(項目) ► Amplitude(振幅)を押します。
9. Cursor 1(カーソル 1)オプション・ボタンを押します。
10. 汎用ノブを回して、リンギングの最初
のピークにカーソル
を移動します。
11. Cursor 2(カーソル 2)オプ
ション・ボタンを押します。
12. 汎用ノブを回して、リンギングの最も低い部分に Cursor 2
(カーソル 2)を移動します。
リンギングの振幅が Cursor Menu(カーソル・メニュー) に表示されます。
Type
Amplitude
Source
CH1
ΔV 640mV
Cursor 1
1.46V
Cursor 2
820mV
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 47
測定例
パルス幅の測定
パルス波形を解析していて、パルスの幅を調べたいときは、次 の手順を実行します。
1. CURSOR(カーソル)ボタンを押して、Cursor Menu(カー ソル・メニュー)メニューを表示します。
2. Type(項目) ► Time(時間)を押します。
3. Source(チャネル) ► CH1 を押します。
4. Cursor 1(カーソル 1)オプション・ボタンを押します。
5. 汎用ノブを回して、パルスの立上りエッジにカーソルを移 動します。
6. Cursor 2(カーソル 2)オプション・ボタンを押します。
7. 汎用ノブを回して、パルスの立下りエッジにカーソルを移 動します。
次の測定値が Cursor Menu(カーソル・メニュー)に表示され ます。
トリガを基準とした Cursor 1(カーソル 1)の時間
トリガを基準とした Cursor 2(カーソル 2)の時間
Δ (デルタ)時間(パルス幅測定)
Type
Time
Source
CH1
Δt 500.0µs
1/Δt 2.000kHz
ΔV 1.38V
Cursor 1
0.00s
0.98V
2
Cursor
500µs
-1.00V
48 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
注: Measure Menu(波形測定メニュー)の自動測定として正のパ
ルス幅測定を実行できます。 (121 ページ 「測定の実行」 参照)。
注: AUTOSET(オートセット)メニューで Single-Cycle Square
(単一の方形波)オプションを選択しても正のパルス幅測定が表 示されます。 (109 ページ 「方形波またはパルス」 参照)。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 49
測定例
立上り時間の測定
パルス幅の測定後、パルスの立上り時間を測定することにしま した。通常は、波形の 10% ~ 90% のレベル間の立上り時間を 測定します。立上り時間を表示するには、次の手順を実行しま す。
1. SEC/DIV ノブを回して、波形の立上りエッジを表示します。
2. VOLTS/DIV ノブと VERTICAL POSITION(垂直位置)ノブ を回して、波形の振幅をおよそ 5 div に設定します。
3. CH 1 MENU ボタンを押します。
4. Volts/Div ► Fine(微調整)を押します。
5. VOLTS/DIV ノブを回して、波形の振幅を正確に 5 div に設 定します。
6. VERTICAL POSITION(垂直位置)ノブを回して波形を中 央に置き、波形のベースラインを中心目盛の 2.5 div 下に合 わせます。
7. CURSOR(カーソル)ボタンを押して、Cursor Menu(カー ソル・メニュー)メニューを表示します。
8. Type(項目) ► Time(時間)を押します。
9. Source(チャネル) ► CH1 を押します。
10. Cursor 1(カーソル 1)オプション・ボタンを押します。
11. 汎用ノブを回して、波形がスクリーン中央の下側 2 本目の 目盛ラインと交差するポイントにカーソルを合わせます。 これが波形の 10% レベルです。
12. Cursor 2(カーソル 2)オプション・ボタンを押します。
13. 汎用ノブを回して、波形がスクリーン中央の上側 2 本目の 目盛ラインと交差するポイントにカーソルを合わせます。 これが波形の 90% レベルです。
Cursor Menu(カーソル・メニュー)の Δt リードアウトが波形 の立上り時間です。
50 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
5div
Type
Time
Source
CH1
Δt 140.0ns
1/Δt 7.143MHz
ΔV 2.08V
Cursor 1
-80.0ns
-1.02V
Cursor 2
60.0ns
1.06V
注: Measure Menu(波形測定メニュー)の自動測定として立上り
時間測定を実行できます。 (121 ページ 「測定の実行」 参照)。
注: AUTOSET(オートセット)メニューで Rising Edge(エッジ)
オプションを選択しても立上り時間測定が表示されます。 (109 ペー ジ 「方形波またはパルス」 参照)。
信号の詳細の解析
オシロスコープにノイズの 調べる必要があります。この信号には、現在ディスプレイに表 示されているより多くの詳細が含まれているのではないかと考 えています。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 51
多い信号が表示されており、詳細を
測定例
ノイズの多い信号の観察
信号にノイズが多く含まれていることがわかりました。このノ イズが回路に問題を起こしているようです。ノイズをより詳細 に解析するには、次の手順を実行します。
1. ACQUIRE(波形取込)ボタンを押して Acquire Menu(波 形取込メニュー)を表示します。
2. Peak Detect(ピーク)オプション・ボタンを押します。
3. 必要に応じて、DISPLAY(表示)ボタンを押して Display Menu(表示メニュー)を表示します。Adjust Contrast(明 暗調整)オプション・ボタンと汎用ノブを使用して、ノイ ズが見やすいように表示を調整します。
特に時間軸が低速に設定されている場合は、ピーク検出によっ て、信号のノイズのスパイクとグリッチが強調されます。
52 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
信号とノイズの分離
次に、ノイズを無視して信号の形状を解析します。オシロス コープに表示されている不規則ノイズを低減するためには、次 の手順を実行します。
1. ACQUIRE(波形取込)ボタンを押して Acquire Menu(波
形取込メニュー)を表示します。
2. Average(平均)オプション・ボタンを押します。
3. Averages(平均回数)オプション・ボタンを押すと、波形
表示上でアベレージングを実行する回数を変更することに よる効果を見ることができます。
アベレージングを実行することで不規則ノイズが減少し、信号 の詳細が観察しやすくなります。次の例のリンギングは、ノイ ズが除去された後の信号の立上りエッジと立下りエッジを示し ています。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 53
測定例
単発信号の取り込み
ある機器のリード・リレーの信頼性が低いため、原因を調査 する必要があります。リレーが開くときに、リレー・コンタク トがアークを起こしている可能性があります。リレーを最も速 く開閉できる速度は、1 分間におよそ 1 回です。このため、リ レー両端の電圧は単発のアクイジションとして取り込む必要が あります。
単発のアクイジションのためにセットアップを行うには、次の 手順を実行します。
1. 垂直軸の VOLTS/DIV ノブと水平軸の SEC/DIV ノブを回し て、表示する信号の範囲を適切に設定します。
2. ACQUIRE(波形取込)ボタンを押して Acquire Menu(波 形取込メニュー)を表示します。
3. Peak Detect(ピーク)オプション・ボタンを押します。
4. TRIG MENU ボタンを押して Trigger Menu(トリガ・メ ニュー)を表示します。
5. Slope(スロープ) ► Rising(立上リ)を押します。
6. LEVEL(レベル)ノブを回して、トリガ・レベルをリレー が開く電圧と閉じる電圧の間に調整します。
7. SINGLE SEQ ボタンを押してアクイジションを開始します。
54 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
リレーが開くと、オシロスコープがトリガし、イベントを取り 込みます。
アクイジションの最適化
最初のアクイジションは、リレー・コンタクトがトリガ・ポ イントで開き始める様子を示しています。その後に、コンタク ト・バウンスと回路でのインダクタンスを示す大きなスパイク があります。このインダクタンスにより、リレー・コンタクト のアークと早期のリレー・エラーが発生している可能性があり ます。
垂直軸、水平軸、およびトリガ・コントロールを使用して、 次の単発イベントを取り込む前に設定を最適化できます。新し い設定で次のアクイジションが取り込まれると(再度 SINGLE SEQ ボタンを押す)、リレー・コンタクトが開くときに、コン タクト・バウンスが数回発生しているのが確認できます。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 55
測定例
伝搬遅延の測定
マイクロプロセッサ回路のメモリ・タイミングに余裕がないの ではないかと考えています。このため、メモリ・デバイスの CS (チップ・セレクト)信号とデータ出力間の伝搬遅延を測定す るよう、オシロスコープをセットアップすることにしました。
Type
Time
Source
CH1
Δt 20.00ns
1/Δt
50.00MHz
ΔV 0.28V
Cursor 1
50.0ns
-0.20V
Cursor 2
70.0ns
0.08V
56 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
伝搬遅延を測定するには、次の手順を実行します。
1. AUTOSET(オートセット)ボタンを押して、表示を安定さ
せます。
2. 水平軸と垂直軸のコントロールを調整して表示を最適化し
ます。
3. CURSOR(カーソル)ボタンを押して、Cursor Menu(カー
ソル・メニュー)を表示します。
4. Type(項目) ► Time(時間)を押します。
5. Source(チャネル) ► CH1 を押します。
6. Cursor 1(カーソル 1)オプション・ボタンを押します。
7. 汎用ノブを回して、CS(チップセレクト)信号の有効な
エッジにカーソルを移動します。
8. Cursor 2(カーソル 2)オプション・ボタンを押します。
9. 汎用ノブを回して、2 番目のカーソルをデータ出力トラン
ジションに移動します。
Cursor Menu(カーソル・メニュー)の Δt リードアウトが波形 間の伝搬遅延です。2 つの波形が同じ SEC/DIV 設定であるた め、このリードアウトが有効となります。
特定のパルス幅でのトリガ
回路の信号のパルス幅を測定しています。すべてのパルス幅は 一定である必要があり、現在それを確認しようとしています。 エッジ・トリガ機能により信号が指定どおりであることが判明 し、パルス幅測定値も仕様と合致しています。しかし、どこか に問題があると考えています。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 57
測定例
パルス幅アベレーションのテストをセットアップするには、次 の手順を実行します。
1. AUTOSET(オートセット)ボタンを押して、表示を安定さ せます。
2. Autoset Menu(オートセット・メニュー)の Single Cycle (単一サイクル)オプション・ボタン イクルを表示し、パルス幅をすばやく測定します。
を押して信号の 1 サ
3. TRIG MENU ボタンを押して T ニュー)を表示します。
4. Type(項目) ► Pulse(
5. Source(チャネル) ► CH1 を押します。
6. TRIGGER LEVEL(トリガ・レベル)ノブを回して、トリ ガ・レベルを信号の底近くに設定します。
7. When(条件) ► =(等しい)を押します。
8. 汎用ノブを回して、パ ポートされた値に設定します。
9. More(次へ) ► 押します。
標準パルスでオシ 安定させることができます。
1. When(条 は > を選択します。特定の When 条件を満たすような、逸 脱したパルスがあると、オシロスコープがトリガします。
Mode(モード) ► Normal(ノーマル)を
ロスコープのトリガ機能を使用して、表示を
件)オプション・ボタンを押して、≠、<、また
パルス)を押します。
ルス幅を手順 2 のパルス幅測定でレ
rigger Menu(トリ ガ ・ メ
58 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
注: トリガ周波数リードアウトは、オシロスコープがトリガと見
なすイベントの頻度を示し、パルス幅トリガ・モードでは入力信 号の周波数より低い可能性があります。
ビデオ信号でのトリガ
医療機器のビデオ回路を検査しており、ビデオ出力信号を表示 する必要があります。ビデオ出力は、NTSC 標準信号です。ビ デオ・トリガを使用して、表示を安定させます。
測定例
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 59
測定例
注: ほとんどのビデオ・シ
す。オシロスコープの入力 く終端できません。不適 ないように、信号ソー プの BNC 入力の間に 部品番号 011-0
055-02 または同等品)を接続してください。
ステムは 75 Ωケーブルを使用していま
は、低インピーダンスのケーブルを正し
切な負荷や反射のために振幅確度が低下し
スからの 75 Ω同軸ケーブルとオシロスコー
、75 Ωフィードスルー・ターミネータ(当社
ビデオ・フィールドでのトリガ
自動: ビデオ・フィールドでトリガするには、次の手順を実行
します。
1. AUTOSET(オートセット)ボタンを押します。オートセッ トが完了すると、オシロスコープは、All Fields(全 Field) で同期したビデオ信号を表示します。
60 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
オートセット機能を使用すると、オシロスコープは Standard (規格)オプションを設定します。
1. AUTOSET(オートセット)メニューで Odd Field (奇数
Field)または Even Field(偶数 Field)オプション・ボタン を押すと、奇数または偶数のフィールドのみで同期できま す。
手動: もう 1 つの方法ではより多くの手順が必要になりますが、
ビデオ信号によってはこの方法を実行しなければなら
ない場合
があります。手動で測定するには、次の手順を実行します。
1. CH 1 MENU ボタンを押します。
2. Coupling(入力結合) ► AC を押します。
3. TRIG MENU ボタンを押して Trigger Menu(トリガ・メ
ニュー)を表示します。
4. 1 番上のオプション・ボタンを押して Video(ビデオ)を選
択します。
5. Source(チャネル) ► CH1 を押します。
6. Sync(同期)オプション・ボ
タンを押して All Fields(全 Field)、Odd Field(奇数 Field)、または Even Field(偶数 Field)を選択します。
7. Standard(規格) ► NTSC を押します。
8. 画面全体で完全なフィール
ドを表示するには、水平軸の
SEC/DIV ノブを回します。
9. スクリーン上にビデオ
信号全体が表示されていることを確
認するには、垂直軸の VOLTS/DIV ノブを回します。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 61
測定例
ビデオ・ラインでのトリガ
自動: フィールド内のビデオ・ラインを見ることもできます。
ビデオ・ラインでトリガするには、次の手順を実行します。
1. AUTOSET(オートセット)ボタンを押します。
2. 1 番上のオプション・ボタンを押して Line(ライン)を選 択し、すべてのライン上で同期します。(AUTOSET Menu (オートセット・メニュー)には、All Lines よび Line Number(Line 番号)オプションが含まれます。)
手動: もう 1 つの方法ではより多くの手順が必要になりますが、
ビデオ信号によってはこの方法を実行しなければならない場合 があります。手動で測定するには、次の手順を実行します。
1. TRIG MENU ボタンを押して Trigger Menu(トリガ・メ ニュー)を表示します。
2. 1 番上のオプション・ボタンを押して Video(ビデオ)を選 択します。
3. Sync(同期)オプション・ボタンを押して All Lines(全ラ イン)または Line Number(Line 番号)を選択し、汎用ノ ブを回して特定のライン番号を設定します。
(全ライン)お
4. Standard(規格) ► NTSC を押します。
5. 画面全体ですべてのビデオ・ラインを表示するには、 SEC/DIV ノブを回します。
6. スクリーン上にビデオ信号全体が表示されていることを確 認するには、VOLTS/DIV ノブを回します。
62 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
入力ビデオ信号
測定例
ウィンドウ機能を使用した波形の詳細の表示
ウィンドウ(のズーム)機能を使用して、メイン表示を変更せ ずに、波形の特定の部分を詳細に調べることができます。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 63
測定例
メイン表示を変更しないで前の波形のカラー・バーストをより 詳細に表示するには、次の手順を実行します。
1. HORIZ MENU ボタンを押して Horizontal Menu(水平軸メ ニュー)を表示し、Main(メイン)オプションを選択しま す。
2. Window Zone(範囲指定)オプション・ボタンを押します。
3. SEC/DIV ノブを回して 500 ns を選択します。これが拡大表 示の SEC/DIV 設定となります。
4. HORIZONTAL POSITION(水平位置)ノブを回して、波形 の拡大したい部分にウィンドウを合わせます。
1. Window(拡大)オプション・ボタンを押すと、波形の一部 が拡大表示されます。
2. SEC/DIV ノブを回して、拡大波形の表示を最適化します。
メイン表示とウィンドウ表示を切り替えるには、Horizontal Menu (水平軸メニュー)の Main(メイン)または Window(拡大) オプション・ボタンを押します。
64 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
差動通信信号の解析
シリアル・データ通信リンクで間欠的な問題が発生しており、 信号品質に問題があると考えています。信号レベルとトランジ ション時間を確認するため、オシロスコープにシリアル・デー タ・ストリームのスナップショットを表示するようセットアッ プします。
これは差動信号なので、オシロスコープの演算機能を使用し
て、波形をよりわかりやすく表示します。
測定例
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 65
測定例
注: 最初に両方のプローブを補正するようにしてください。プロー
ブ補正が異なっていると、差動信号にエラーが現れます。
66 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
チャンネル 1 とチャンネル 2 に接続した差動信号を有効にする には、次の手順を実行します。
1. CH 1 MENU ボタンを押し、Probe(プローブ) ► Voltage
(電圧) ► Attenuation(減衰)オプションを 10X に設定し ます。
2. CH 2 MENU ボタンを押し、Probe(プローブ) ► Voltage
(電圧) ► Attenuation(減衰)オプションを 10X に設定し ます。
3. P2220 型プローブ上にあるスイッチを 10X に設定します。
4. AUTOSET(オートセット)ボタンを押します。
5. MATH MENU(演算)ボタンを押して、Math Menu(演算
メニュー)を表示します。
6. Operation(演算)オプション・ボタンを押して、- を選択
します。
7. CH1-CH2 オプション・ボタンを押して、表示された波形の
差である新しい波形を表示します。
8. 演算波形の垂直軸スケールと垂直位置を調整するには、次
の手順を実行します。
a. ディスプレイからチャンネル 1 およびチャンネル 2 の
波形を消去します。
b. CH 1 と CH 2 の VOLTS/DIV ノ ブ と VERTICAL
POSITION(垂直位置)ノブを回して、演算波形の垂直 軸スケールと垂直位置を調整します。
より安定した表示を得るには、SINGLE SEQ ボタンを押して、 波形のアクイジションをコントロールします。SINGLE SEQ ボ タンを押すたびに、オシロスコープはデジタル・データ・スト リームのスナップショットを取り込みます。カーソル測定また は自動測定を使用して波形を解析するか、または波形を保管し ておいて後で解析することもできます。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 67
測定例
ネットワーク内でのインピーダンス変化の観測例
広い温度範囲で動作する必要のある回路を設計しました。周囲 温度の変化に応じて回路のインピーダンスがどのように変化す るかを調べる必要があります。
回路の入力と出力を監視し、温度を変えた場合の変化を取り込 むため、オシロスコープを接続します。
回路の入力と出力を XY 表示で見るには、次の手順を実行しま す。
1. CH 1 MENU ボタンを押します。
68 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
測定例
2. Probe(プローブ) ► Voltage(電圧) ►Attenuation(減衰)
► 10X を押します。
3. CH 2 MENU ボタンを押します。
4. Probe(プローブ) ► Voltage(電圧) ►Attenuation(減衰)
► 10X を押します。
5. P2220 型プローブ上にあるスイッチを 10X に設定します。
6. チャンネル 1 のプローブをネットワークの入力に、チャン
ネル 2 のプローブを出力に接続します。
7. AUTOSET(オートセット)ボタンを押します。
8. VOLTS/DIV ノブを回して、各チャンネルで同程度の振幅信
号が表示されるようにします。
9. DISPLAY(表示)ボタンを押して Display Menu(表示メ
ニュー)を表示します。
10. Format(軸設定) ► XY を押します。
オシロスコープは、回路の入力および出力の性能を示すリ サージュ・パターンを表示します。
11. VOLTS/DIV ノブと VERTICAL POSITION(垂直位置)ノブ
を回して、表示を最適化します。
12. Persist(表示時間) ► Infinite(無制限)を押します。
13. Adjust Contrast(明暗調整)オプション・ボタンを押し、汎
用ノブを回して表示を調整します。
周囲温度を調整すると、表示パーシスタンスが回路の性能 の変化を取り込みます。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 69
測定例
70 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
FFT 演算
この章では、FFT(高速フーリエ変換)演算の使用方法につい て詳細に説明します。FFT 演算モードを使用すると、時間領域 (YT)の信号を周波数成分(スペクトラム)に変換できます。 FFT 演算モードは、次のような種類の分析に使用できます。
電源の高調波解析
システムの高調波成分や高調波歪みの測定
DC 電源のノイズ評価
フィルタやシステムのインパルス応答テスト
振動解析
FFT 演算モードを使用するには、次の作業を行う必要がありま す。
ソース(時間領域)波形をセットアップする。
FFT スペクトラムを表示する。
FFT ウィンドウの種類を選択する。
基本周波数および高調波の表示にエイリアシングが発生し ないよう、サンプル・レートを調整する。
ズーム・コントロールを使用して、スペクトラムを拡大す る。
カーソルを使用して、スペクトラムを測定する。
時間領域波形のセットアップ
FFT モードを使用する前に、時間領域(YT)波形をセットアッ プする必要があります。そのためには、次の手順を実行しま す。
1. AUTOSET(オートセット)を押して、YT 波形を表示しま
す。
2. VERTICAL POSITION(垂直位置)ノブを回して、YT 波形
を垂直方向の中央(0 目盛)に移動します。
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 71
FFT 演算
これにより、FFT によって真の DC 値が表示されます。
3. HORIZONTAL POSITION(水平位置)ノブを回して、YT 波 形の解析対象部分を、スクリーン中央の 8 目盛に収まるよ うに移動します。
FFT スペクトラムの計算は、時間領域波形の中央部分の 2,048 ポイントを使用して行われます。
4. VOLTS/DIV ノブを回して、波形全体がスクリーン上に表示 されるようにします。波形全体を表示しないと、(高周波 成分が追加されることにより)FFT の結果が正しく表示さ れない可能性があります。
5. SEC/DIV ノブを回して、FFT スペクトラムが適切な分解能 になるように調整します。
6. 可能であれば、複数の信号サイクルが表示されるようにオ シロスコープを設定します。
SEC/DIV ノブを回し、より高速の設定(より少ないサイク ル)を選択すると、FFT スペクトラムで示される周波数の 範囲が広がり、FFT エイリアシングが発生する可能性が低 くなります。(77 ページ 「FFT エイリアシング」 参照)。た だし、周波数分解能も低下します。
FFT の表示をセットアップするには、次の手順を実行します。
1. MATH MENU(演算)ボタンを押して、Math Menu(演算 メニュー)を表示します。
2. Operation(演算) ► FFT を押します。
3. Math FFT Source(Math FFT ソース)チャンネルを選択し ます。
多くの場合、YT 波形がトリガされなくても、オシロスコープ は有効な FFT スペクトラムを生成できます。これは特に、信号 が周期的である場合や、ランダムである(ノイズが多い)場合 に当てはまります。
注: 過渡的波形やバースト波形をトリガし、可能な限りスクリー
ンの中央に位置を設定してください。
72 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
FFT 演算
ナイキスト周波数
リアルタイム・デジタル・オシロスコープがエラーを起こさず に測定できる最高の周波数は、サンプル・レートの半分です。 この周波数をナイキスト周波数と呼びます。ナイキスト周波数 より高い周波数の情報はアンダーサンプリングされ、FFT エイ リアシングの原因になります。 (77 ページ 「FFT エイリアシン グ」 参照)。
演算機能は、時間領域波形の中央部分の 2,048 ポイントを FFT スペクトラムに変換します。結果として生成される FFT スペク トラムには、DC(0 Hz)からナイキスト周波数までの 1,024 ポ イントが含まれます。
通常、表示される FFT スペクトラムの水平方向は 250 ポイン トに圧縮されますが、FFT ズーム機能を使用すると、FFT スペ クトラムを拡大し、FFT スペクトラムの各 1,024 データ・ポイ ントにおける周波数成分をさらにはっきりと確認できます。
注: 垂直方向の応答は、オシロスコープの帯域幅を超えると徐々
に減衰します(帯域幅はモデルによって 40 MHz、60 MHz、100 MHz、200 MHz で、Bandwidth Limit(帯域)オプションがオンに 設定されている場合は 20 MHz です)。このため、FFT スペクト ラムでは、オシロスコープの帯域幅より高い有効な周波数情報を 表示できます。ただし、帯域幅付近またはそれより高い部分の振 幅情報は正確ではありません。
FFT スペクトラムの表示
MATH MENU (演算)ボタンを押して、Math Menu(演算メ ニュー)を表示します。オプションを使用して、ソース・チャ ンネル、ウィンドウ・アルゴリズム、および FFT ズーム倍率を 選択します。一度に表示できる FFT スペクトラムは 1 つだけで す。
FFT 演算オプ ション 設定 説明
1
Source(チャネ ル)
CH1、CH2 、CH3
1
CH4
TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル 73
FFT のソースとして使用するチャ ンネルを選択します。
FFT 演算
FFT 演算オプ ション 設定 説明
Window(ウ ィ ン ドウ)
Hanning 、 Flattop 、 Rectangular
FFT ウィンドウの種類を選択し ます。(75 ページ 「FFT ウィンド ウの選択」 参照)。
FFT Zoom(FFT ズーム)
X1、X2、X5、X10
FFT 表示の水平方向の倍率を 変更します。(78 ページ 「FFT ス ペクトラムの拡大と位置調整」 参照)。
1
4 チャンネルのオシロスコープでのみ使用可能。
基本周波
数成分
周波数成
1. 中央の目盛ラインでの周波数です。
2. 目盛当たりの dB で示された垂直軸スケール(0 dB = 1 V
RMS
です。
3. 目盛当たりの周波数で示された水平軸スケールです。
4. 1 秒当たりのサンプル数で示されたサンプル・レートです。
5. FFT ウィンドウの種類です。
74 TDS1000B/2000B シリーズ・オシロスコープ・ユーザ・マニュアル
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