DIGITALCAMCORDER
MSW-900/900P
HD CAMCORDER
HDW-730/750/750P
SUPPLEMENT
[Japanese/English]
対象マニュアル/Manual to be supplemented
MSW-900/900P OPERATION MANUAL
HDW-730/750/750P OPERATION MANUAL
目次
このマニュアルについて .............................................................................
第1章
概要................................................................................................
1-1
1-1-1 UMIDとは ..................................................................................... 1-1
準備................................................................................................
1-2
1-2-1 出力ライン番号を確認/設定する ............................................ 1-4
1-3 UMID
第2章
概要................................................................................................
2-1
2-1-1 特長 ................................................................................................ 2-1
2-2 GPS
2-2-1 GPSとは......................................................................................... 2-3
2-2-2 GPS初期データ(アルマナックデータ)の送信..................... 2-4
2-2-3 誤差について ................................................................................ 2-5
撮影位置を記録する ......................................................................
2-3
2-3-1 記録する ........................................................................................ 2-6
2-3-2 測位位置を確認する .................................................................... 2-8
撮影位置を再生する ....................................................................
2-4
2-4-1 テープに記録した撮影位置を再生する .................................. 2-12
2-4-2 メモリースティックに記録した撮影位置を表示させる ...... 2-14
撮影位置を表示するためのパソコン設定 ....................................
2-5
メニュー設定 ................................................................................
2-6
2-6-1 記録関係の設定をする .............................................................. 2-17
2-6-2 タイムゾーンを設定する .......................................................... 2-23
2-6-3 GPS時計に合わせる................................................................... 2-24
2-6-4 表示設定に関する設定を行う .................................................. 2-25
データを使う
UMID
メニュー設定.......................................................................
データを使う(
GPS
について................................................................................
HKDW-704
装着時)
2-12
2-15
2-17
3
1-1
1-4
1-8
2-1
2-3
2-6
1目次
その他 ..........................................................................................
2-7
2-7-1 主な仕様 ...................................................................................... 2-27
2-7-2 記録フォーマット/記録項目/記録タイミングについて .. 2-28
2-7-3 REMOTE端子(8ピン)GPS出力フォーマット ................. 2-29
2-7-4 困った時には .............................................................................. 2-32
第3章 メモリーラベルにテレファイルマークを記
録する
概要................................................................................................
3-1
アサイナブルスイッチ1へテレファイル機能を割り当てる ..........
3-2
メモリーラベルに直前に記録した映像の判断マーク(
3-3
を記録する .....................................................................................
OK/NG/KP
2-27
3-1
3-2
)
3-3
第4章
概要................................................................................................
4-1
4-2 SLS
シャッターモードを追加する
SLS
(HKDW-705
モードを設定する ..................................................................
装着時)
付録
時差と世界の時差地図 ............................................................................
時差 ........................................................................................................ A-1
世界の時差地図........................................................................................ A-4
測地系と対応国名(
バージョンを確認する ..................................................................
ROM
用語説明................................................................................................
五十音順.................................................................................................. A-10
アルファベット順.................................................................................. A-11
Navin’You
2 目次
用) .....................................................
4-1
4-2
A-1
A-6
A-9
A-10
このマニュアルについて
本サプリメントは、DIGITALカムコーダ−MSW-900/900P、および HD
カムコーダーHDW-730/750/750Pのソフトウェアをバージ ョ ンアッ プす
ることにより追加される機能につい て説明しています。
• DIGITALカムコーダ−MSW-900/900P
SSおよびATのROMバージョン:1.6以上
• HDカムコーダーHDW-730/750/750P
SSおよびATのROMバージョン:1.7以上
◆SSおよびATのROMバージョンの確認方法については、「ROMバージョンを確認する」
(A-9ページ)をご覧く ださい。
カムコ−ダ−本体のソフトウェアをバージョ ンア ップすると、記録時、カ
セッ トテープに 次 の デ ータを記録できるようになります。
• UMID(UniqueMaterialIdentifier)データ
• メモリーラベルに直前に記録した映像の判断マーク
カムコ−ダ−のソフトウェアをバージョ ンアッ プする こ とにより 、 以下の
別売りユニットの装着が可能となります。
• GPSUnitHKDW-704
拡張UMIDの中の位置情報の記録
GPS(GlobalPositioningSystem)データの記録
• SLOWSHUTTERBOARDHKDW-705(HDW-730/750/750Pのみ
装着可能)
シャ ッターモー ドの設定にSLS (ス ロ ーシャ ッター)モードが追加
3このマニュアルについて
このマニュアルは、以下のように構 成され ています 。
1
第1章 UMIDデータを使う
第2章 GPSデータを使う
第3章 メモリーラベルにテレファイルマークを記録する
第4章 SLSシャッターモードを 追加する
付録
GPSUNITHKDW-704(別売り)が付いている場合は、第2章をご覧
ください。
SLOWSHUTTERBOARDHKDW-705(別売り)(HDW-730/750/
750Pのみ)が付いている場合は、第4章をご覧ください。
付録には、GPS機能を使用するために必要な、時差の表、測地系と対
応国名、および、ROMバージョンの確認方法、用語解説などが記載さ
れてい ます。
4 このマニュアルについて
1-1
概要
取材から編集に至る操作の効率化を図り、素材を再利用する際に検
索しやすく するために、記録する際、カセットテープに音 声およ び映像
に加え、メタデ ータ(Metadata)と呼ばれる付随情報を記録し、運用
することがあります
そのメタデー タの具体的な応用として、UMIDが規格化されています。
1-1-1 UMID
UMID(UniqueMaterialIdentifier)は、画像、音声、データのための
識別子(ID)でSMPTE330M-200Xで定められた規格です。
UMIDには、基礎UMID(BasicUMID)32バイトとSourcePackを加え
た拡張UMID(ExtendedUMID)64バイトがあります。
詳しく は、SMPTE330Mをご参照ください。
とは
1
U
M
I
D
デ
ー
タ
を
使
う
1 章 UMID
データを使う
1-1第
収録単位毎にIDを自動的に記録します。
1
拡張型UMIDは、基礎UMIDに加え、位置座標、日時、会社IDなど
の情報を付加できるメタデータセットです。
ご注意
位置情報を記録するには、GPSユニットHKDW-704を装着する必要が
あります。
実際の運用では、以下のように利用されます。
オリジナル素材
コピー素材
拡張
UMID
Instance No
00 00 00
乱数)
(
素材ID、素材検索用
オリジナルとコピーの識別
を使用するには
Material No
撮影時発生
同上
Source Pack
撮影情報(いつ、どこで、だれが)
ID
上記継承
素材項目別検索用情報
使用者が、カン トリーコード、組織コード、ユーザーコードを 入力する必
要があり ます。カントリーコードは、 ISO-3166表から、組織コード、 ユー
ザー コ ードは、独自に設定します。
◆詳しくは、「1-3UMIDメニュー設定」(1-8ページ)をご覧く ださい。
1-2 第
1 章 UMID
データを使う
データを記録することにより可能となる機能
UMID
UMIDデータを機能することにより、以下のことができるようになりま
す。
• ショット毎にグロー バルユニークなIDが映像に付加されます。
そのIDを利用 して素材の検索、オリジナル素材とのリンクができる よ
うになります。
• IDによりその映像がオリジナルかコピーかの識別ができます。
オリジナル映像は、InstanceNumberに00が記録されています。
• Ownership(国別コード、組織コード、ユーザーコード) を記録するこ
とにより素材の所有組織、素材を作成したユーザーが映像からわか
ります。 記録するしないは、選択できます。
• 協定世界標準時で記録していますので、全世界で撮影される素材
の時系列による一元管理ができます。
GPSユニットHKDW-704を装着しているセットは、GPS衛星時計か
ら、非装着セットは 、セッ ト内 蔵 の時計とタイムゾーンから協定世界標
準時を作成します。
• MJD(準ユリウス暦)で記録していますので、 素材間の日差 を 簡単
に計算できます。
GPSユニットHKDW-704を装着しているセットは、GPS衛星時計か
ら、非装着セットは 、セッ ト内蔵 のタイ ムゾーンからMJDを作成しま
す。
• 位置情報(緯度、経度、高度)を記録できますので、映像から撮影
位置を特定したり、素材を撮影位置、区域で管理することができま
す。(GPSUNITHKDW-704装着の場合)
位置情報を記録するしないは、選択できます。
• INSTANCENUMBERの発生方法をGEN(世代)にすると素材の
世代がわかります。
1
1 章 UMID
データを使う
1-3第
1-2
準備
1
1-2-1
UMIDを運用するには、記録したUMIDを出力するライン番号を設定
する必要があ ります。工場出荷時の値00 のままですと出力さ れませ
ん。
メンテナンス メニューの VANCRXPARAMETER画面を開きLINE1、
LINE2のライン番号設定を確認 して ください。工場 出荷時は00になっ
ていま す 。00ですとデー タが出力されず、HD(SD)SDI信号と一緒に
記録されません。
VANC RX PARAMETER
LINE 1
LINE 2
0に設定するとラインにデータ を出力しません。
次ページ推奨値か局内で運用している番号を入力してください。
出力ライン番号を確認/設定する
画面
:UMID第1フィールドの出力ライン番号
:UMID第2フィールドの出力ライン番号
1-4 第
1 章 UMID
データを使う
ご注意
DIGITALカムコーダ−MSW-900/900Pの場合、LINE2のメニューは
表示されません。MENUつまみを回して、t マークを LINE1に合わ
せて、MENU つまみを押すと、LIN2は自動的に設定されます。
信号 推奨設定値
SD525 LINE1=17 LINE2=280
SD625 LINE1=17 LINE2=330
HD1080i LINE1=17 LINE2=580
1) HDカムコーダーHDW-730/750シリーズをご使用の場合
1)
1
1 章 UMID
データを使う
(続く)
1-5第
ブランキング区間のライン使用状況
1
Digital
カムコーダ−
MSW-900/900P
Line2を設定する必要はありません。
Line 1 SD525UC SD525J SD625
1
2
3
4
5
6SWITCHING
7
8
9
10 SWITCHING SWITCHING
11 Reserved
12
13
14 Reserved Reserved
15
16 Reserved Reserved
17 Recommended Recommended Recommended
18 Reserved Reserved Reserved
19 Reserved Reserved
20 Reserved Reserved Reserved
21 Reserved Reserved
22 Reserved
23
24
25
26
27
28
29
30
1-6 第
1 章 UMID
データを使う
の場合
:ブランキング区間既に使用
しているライン
カムコーダ−
HD
HDW-730/750/750P
Line 1 Line 2 HD1080i
1 564
2 565
3 566
4 567
5 568
6 569
7 570 SWITCHING
8 571
9 572 Reserved
10 573
11 574
12 575
13 576
14 577
15 578
16 579
17 580 Recommended
18 581
19 582 Reserved
20 583 Reserved
21 584
22 585
23 586
24 587
25 588
26 589
27 590
28 591
29 592
30 593
の場合
:ブランキング区間既に使用
しているライン
1 章 UMID
データを使う
1
1-7第
1-3 UMID
ここでは、UMIDデータを使用するために必要なOPERATIONメ
1
ニューのUMIDSETページでの各種設定について説明します。
メニューの操作方法に ついては、カムコーダーに付属のオペレーション
マニュアルをご覧ください。
メニュー設定
1 MENUつまみを押しながら、MENUON/OFFスイッチを O N にす
る。
TOPメニューが表示されます。
2 MENUつまみを回してt(矢印)マークをOPERATIONに移動
し、MENUつまみを押す。
OPERATIONメニューを初め てご使用になる場合は、
OPERATIONメニューのCONTENTSページが表示されます。
また、既にメニュー を使用してい る場合は、前回最後に
OPERATIONメニューを操作したページが表示されます。
3 UMIDSETページを表示させる。
CONTENTSページが表示されている場合は、MENUつまみを回
してt(矢印)マークをUMIDSETに移動し、MENUつまみを押
す。
他のページが表示されてい る場合は、ページ名の横に?マークが
表示されている状態でMENUつまみを回して、UMIDSETペ−
ジを表 示させ、MENUつまみを押します。
1-8 第
1 章 UMID
データを使う
UMIDSETページが表示されます。
本画面では、以下の設定を行い ます。
1
項目
EX-OWNERESHIPREC
COUNTRYCODE
ORGANIZATIONCODE
USERCODE
TIMEZONE
INSTANCENO
設定内容
ユーザー情報を記録するか しないかを設定する。
国名コードを設定する。
組織コードを設定する。
ユーザー コ ードを設 定 する。
UTC(協定世界時)からの時差を設定する。
InstanceNumberの発生方法を選択する。
各項目の詳細については、「UMIDSETメニューの項目につい
て」をご覧く ださい。
4 MENUつまみを回してt マークを設定 したい項目に合わせて、
MENUつまみを押す。
t マークが●マークに変わり、設定値 の●マークが?マークに変
わります。
1 章 UMID
データを使う
(続く)
1-9第
5 MENUつまみを回して、選択した項目を希望の設定に切り換える
1
か(ON/OFF)、または希望の設定値を表示させMENUつまみを
押す。
●マークがt マークに戻り、設定値の?マークが●マークに戻り、
設定値が確定します。
6 続けて他の項目を設定するときは、手順4、5を繰り返す。
7 メニュー操作を終了するときは、MENUON/OFFスイッチを OFF
にする。
1-10 第
1 章 UMID
データを使う
UMID SET
メニューの項目について
1
EX-OWNERSHIP REC
ユーザー情報を記録するかしないかを選択します。
:ユーザー情報OWNERSHIP(COUNTRYCODE、
ON
ORGANIZATIONCODE、USERCODE)がテープに記録されます。
:ユーザー情報はテープに記録されません。
OFF
COUNTRY CODE
国名コードが表示されます。
選択するとCOUNTRYCODE画面に入ります。
本画面でISO-3166-1で定義している短縮文字(4バイトのアルファベッ
ト文字 列 および数字)を入力し ます。
国名は、 約240 種類あります。
自国の文字列は下記のホームページでご覧ください。
ISO-3166-1参照:http://www.din.de/gremien/nas/nabd/
iso3166ma/codlstp1/enlistp1.html
(オーナーシップの記録の有無)
(国名コード)
1 章 UMID
データを使う
1-11第
カン トリーコードが 4 バイト未満の場合、4バイトの最 初 から書いて残った
1
部分をスペースキ ャ ラ ク タ(20h)で埋めます。
例:国名が日本の場合(2文字の場合は「JP」、3文字の場合は
「JPN」になります。
カン トリーコード2 文字の場合は、以下のように入 力します。
JP
3文字の場合は、以下のように 入 力します 。
JPN
「」は、スペースを示し て います。
ORGANIZATION CODE
組織コードが表示されます。
選択するとORGANIZATIONCODE入力画面に入ります。
本画面で、各組織で運用する組織コード(4バイ トのア ルファベッ ト文
字列および数字)を入力します。
ご注意
組織コードを設定しなく ても、映像・音声の記録再生に支障はありませ
ん。
1-12 第
1 章 UMID
データを使う
(組織コード)
USER CODE
ユーザーコー ドが表示さ れます。
選択するとUSERCODE入力画面に入ります。
本画面で、ユーザーの識別用に4バイトのア ルファベッ ト文字 列 および
数字が入力できます。
ユーザーコー ドは、各々の組織においてロ ー カ ルに登録されます。一
般的に登録はされません。
ユーザーコー ドが4 バイト未満の場合、4バイトの最 初 から書 いて残った
部分をスペースキ ャ ラ ク タ(20h)で埋めます。
運用の方法は、ユーザーに任されています。
(ユーザーコード)
1
1 章 UMID
データを使う
1-13第
TIME ZONE
1
撮影している場所を表わしている時差コードと時差が表示されていま
す。
選択するとTIMEZONE入力画面に入ります。
ローカルタイ ムからUTCをタイムゾー ンを使って計算しますので、設定
しないと正しいUTCは、記録できません。
本画面で、UTC(協定世界時)からの時差を設定します。サマータイ
ムに設定すると きは、コ ー ドを1 時 間 早めた 値に変更 してください。
ご注意
タイ ムゾーンの設定を変更した場合は、 カムコーダ−の内蔵時計もその
地域のローカル時刻に設定してください。設定し直した後は、一度電
源を切り 、再度電源を入れてください。
(時差)
1-14 第
1 章 UMID
データを使う
MACHINE
機器固有の番号を示すID番号です。UMID対応ソフトをインストールして
いる場合表示されま す。ユーザーが設定・修正する こ とはでき ません。
(マシンノード)
1
INSTANCE NO
オリジナル映像 と の識別に使用する番号の発生方法を選択します。
RND:乱数
GEN:世代(コピー回数)
どち らに設定するかは運用責任者に確認してください。
(インスタンスナンバー)
1 章 UMID
データを使う
1-15第
2-1
概要
2-1-1
GPSUNITHKDW-704(別売り)をカ ムコーダーに装着すると、GPS
衛星のデータを受信し、撮影位置をテープ、 およびメモ リースティック
に記録し地図ソフト上に撮影し た 位 置およ び軌跡を 表示させる ことが
でき ます。
ご注意
テープ上に記録されたGPSデータをスタジオ機でHD(SD)SDI信号
上に出力するにはライン番号を設定する必要があります。工場出荷時
の値00のままですと出力さ れません。
◆ライン番号の設定について詳しくは、「1-2-1出力ライン番号を確認/設定する」(1-4 ペー
本機は以下の特長を備えております。
• カムコーダー搭載を目的と して小型化し GPSのみの測位を採用して
います。
• 乗り物内など GPS 電波を受信しにくい場合に備え、GPSアンテナは
外部アンテナも装着可能です。
また、 2種類のGPSアンテナ(HKDW-704に付属)が用意され、車
内から の撮影の場合は 、長いケーブルのGPSアンテナを電波の受
信し易い場所(ダッシュボード、リアトレイ 、 屋根な ど)において使用
でき ます。
• 本機は、カム コーダー内の リチウム電池によってバッ クア ッ プ される
ので、測位完了ま での時間が短縮されています。
特長
ジ)をご覧く ださい。
2
G
P
S
デ
ー
タ
を
使
う
︵
H
K
D
W
7
0
4
装
着
時
︶
2 章 GPS
データを使う
2-1第
ご注意
• 一般のカーナビ用アンテナは使用できません。
• カムコーダーのREMOTE端子(8ピ ン)とNavinYou、またはNME
2
A− 0183対応地図ソフトがインストールされているパソコンと付 属の
接続ケーブルを使って接続することにより、撮影位置を地図上に表
示できます。(ただ しNMEA−0183対応地図ソ フトの 場 合、機 能に
制限がかかる場合があります。 )
2-2 第
2 章 GPS
データを使う
2-2 GPS
について
2-2-1 GPS
GPS(GlobalPositioningSystem)は、米国の高精度な航法衛星を利
用した、地球上のどこにいて も自分の正確な位置を知ることができる
システムです。
GPSを構成する24機の衛星は、軌道傾斜角度55度の6つの軌道面
にそれぞれ4衛星ずつ配置されています。
周回の周期は11時間58分2秒で、恒星時に同期している周期で回っ
てお り、 地球上のどこからでも常に最低3個の衛星 が捕捉できるように
なっています。
GPS受信機は衛星からの電波を受信し、衛星の軌道情報(アルマ
ナックデータ) と電波の伝播時間のデータから自分の位置を計算しま
す。
位置を計算することを「測位」と呼び、通常3個の衛星から距離がわ
かれば測位できますが、受信機の時計を衛星の時計に合わせるため
の補正を行なうため、測位には4個の衛星が捕捉 されている必要があ
ります。
ご注意
GPS衛星の配置は常に変化しているため、ご使用になる場所や時刻
などの条件によって測位に時間がかかったり、 測位できないことがあり
ます。
また、測 位に十分な数の衛星(3個以上)を受信 し た場合でも、衛星
の配置に よっては測位に時間がかかることがあります。
とは
2
測位がうまくいかない場合は
建物など遮蔽物の少ない天空の開けたところで15分以上受信してく
ださい。
2 章 GPS
データを使う
2-3第
2-2-2 GPS
初期データ(アルマナックデータ)の
送信
2
初めての測位を 行なう 場合,GPS受信機は受信可能なGPS衛星がわ
からない ので、すべての GPS衛星をサーチします。このため、最初の
測位には比較的時間がかかります。
受信機がアルマナックデータ(衛星の軌道情報)を持っていれば、 お
およその自分のいる場所と時刻からこのデータを参照し、受信可能な
GPS衛星の捕捉を開始することにより、最初の測位が完了するまでの
時間を短縮できます。
アルマナ ックデータは、全 ての GPS衛星から12分半の周期で送信さ
れているので、時間をかければ衛星から取得することができます。
本機を購入後初めて使う場合、または本機のバックアップ用のリチウ
ム電池を交換 した直後は、測位に時間がかかります が アルマナック
デー タが取得されれば、 受信の時間 をかけず、測位に必要な衛星 を
すみやかに受信して位置計算を行うことが できます。
捕捉できる衛星
正しいアルマナックデータの場
合、受信機は捕捉できる衛星を
探します。
捕捉できない衛星
誤ったアルマナックデータの
場合、捕捉できない位置にあ
る衛星を探してしまいます。
2-4 第
2 章 GPS
データを使う
2-2-3
GPS
本機では3個以上のGPS衛星からの電波を受信すると自動的に現在
地を測位 します。GPS衛星自体の誤差は、約±10m程度ですが、測
位する周辺の環境によって 数百メートルの誤 差を生じることがありま
す。
誤差について
衛星自体による誤差
衛星からの電波が受信できないとき
GPS衛星からの電波が届かないトンネルの中や地下、電波をさえぎる
高い建物や樹木などの障害物がある場合では、受信できなかったり、
また、実際の位置と異なる場合があります。
• 地下
• 密集した木々の間
• 高架の下
• 屋内やビルの陰
•トンネルの中
• 立体交差
• 高層 ビルの間
• 建物の間の狭い道路
• 高圧電線など、近くに磁気を発生する ものがある場合
• 1.5GHz帯の携帯電話など、近くに同じ周波数帯の電波を発生するも
のがあ る場合
ご注意
GPS電波は米国国防省により管理されており意図的に精度が変更さ
れることがあります 。
2
2 章 GPS
データを使う
2-5第
2-3
記録を始める前に
以下のことを確認してください。
• カムコーダーのOPERATIONメニューのGPSSETUPページで、記
2
録再生のための設定をあら かじめ行ってください。
◆設定について詳しくは、「2-6メニュー設定」(2-17ページ)をご覧ください。
• GPSアンテナケーブルのコ ネク タ ーがき ちんと差し込まれているこ と
を確認してく ださい。き ちんと差し込まれていないと 、GPS電波が正
常に受信できません。
撮影位置を記録する
2-3-1
撮影・記録しながら、同 時に撮 影 位 置をテープおよびメモ リーステ ィッ
クに記録していきます。
◆テープへの記録の操作について詳しくは、カムコー ダー に付属のオペレー ションマニュ アル
記録する
をご覧ください。
1 カセットテープとメモリ ースティックをカムコーダーに入れる。
メモリ ースティックに 撮影位置を記録しない場合は、メモリース
ティ ックを装 着 する必要はありませ ん。
ご注意
新しいメモリーステ ィックをご使用になる場合は、カムコーダーで
フォーマッ トしてか らご使用ください。
FILEメニューのMEMORYSTICKページでフォーマットできます。
◆詳しくは、カムコーダーに付属のオペ レ ー ショ ンマニュアルをご覧ください。
2-6 第
2 章 GPS
データを使う
2 カムコーダーの POWERスイッチを ON にする。
カムコーダーの POWERスイッチを ONにして電源を入 れたとき、
ビュー ファインダー右上のGの横に■が2つ以上点灯していれば、
衛星による位置捕捉ができています。
◆受信状態の確認については、「GPSINFORMATION画面をビューファインダー上に
表示させるには 」(2-8ページ)をご覧く ださい。
POWERスイッチをONにしてからの測位時間については、「電源を入れてからの測
位時間について」(2-8 ページ)をご覧く ださい。
3 VTRSTARTボタン、またはレンズのVTRボタンを押す。
テープに映像、音声および撮影位置が、メモリースティックには、
撮影位置が記録されます。
ご注意
•メモリースティ ックへ記録中は、カムコーダーのACCESSランプが
点灯し、記録が終了すると消灯します。点灯中は、カムコーダー
本体のPOWERスイッチをオン/オフすることは できませ ん 。
バッテ リーを外したり 、外 部 電 源をオフにしないでください。
• ループ レック、またはインターバ ルレック機能を使用して撮影を
行ってい る場合( HKDW-703 装着時)は、GPSデータは記録さ
れません。
記録中に撮影位置、測位時刻を確認します。
ビュー ファインダー表示で、撮影位置と測位時刻を確認してくださ
い。
測位時刻と現在時刻の差は通常1秒です。1秒以上離れている
と、 GPS電波が受信できない状態であることを示しています。
◆詳しくは、「2-3-2測位位置を確認する」(2-8ページ)をご覧く ださい。
2
2 章 GPS
データを使う
2-7第
電源を入れてからの測位時間について
通常、衛星配置がよい状態で電源 ONから以下の時間以内で測位は
完了します。
2
• 前回電源OFFから1時間以上の場合:約60秒以内
• 前回電源OFFから1時間以内の場合:約20秒以内
これ以上かかる場合は、一部の衛星が建物、木々、電線などの影響
で受信しにくくなっている場合ですので、場所を変えるか衛星配置が
変わるまでお待 ちください。
2-3-2
GPSデ ータを記録または再生しているときの現在の測位位置をビュー
ファインダーに表示されるGPSINFORMATION画面で確認できます。
GPS INFORMATION
OPERATIONメニューのSETSTATUSページでSTATUSGPSをON
に設定し ます。
GPS INFORMATION
測位位置を確認する
画面を表示させるには
画面をビューファインダー上に表
示させるには
カムコーダーの STATUSON/SEL/OFFスイッチを ON/SEL側に押
し上げます。押し上げる毎に表 示される画 面が 切り換わります。 GPS
INFORMATION画面が表示されるまで押し上げてください。数秒 間
GPSINFORMATION画面が表示されます。
ご注意
機器内、およびコンピュ ー ターとの間の G P S データ通 信にシリ アル通
信を使用 している ため、原理的に通信の遅れが発生します。そのた
め、動 き なが ら 撮影した場合、 映像の動きと地図表示との間にずれが
2-8 第
2 章 GPS
データを使う