Yamaha Q1131 operating instructions

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YAMAHA PROFESSIONAL SERIES GRAPHIC EQUALIZER

取扱説明書

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このたびは、YAMAHAグラフィックイコライザーQ1131をお買い求 めいただきまして、誠にありがとうございます。

Q1131は、ヤマハが誇るオーディオ技術とPA機器の豊富な実績と経験をベースに開発したグラフィックイコライザーです。

1/3オクターブのバンド幅で、20Hz~20kHz間を31分割でコント ロールでき、きめ細かなイコライジングが可能です。また、イコライザー 回路をバイバスさせる BYPASS スイッチを装備していますので、原音 との比較により、容易にイコライジング状態をチェックすることができ ます。

インブット、アウトブット共に、XLRタイブコネクターとホーンジャック、スクリュータイプの端子を装備していますので、PA用やレコーディング用などと、幅広いジャンルでお使いいただけます。

Q1131の性能をフルに発揮させると共に、末永くご愛用いただくため に、ご使用の前にこの取扱説明書をよくお読みくださいますようお願い いたします。

目次

ご使用上の注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
フロントパネル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
リアパネル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
接続例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
音場補正用に使用する場合には・・・・・・・・・・・ 7
仕 様 8
寸法図・・・・・・ 9
ブロックダイアグラム・・・・・ 1 0
オプション・・・・・・1 0
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ご使用上の注意

◆設置場所について

次のような場所でご使用になりますと、故障の原因となりますの でご注意ください。

  • ・直射日光の当たる場所や、暖房器具のそばなど。
  • ・温度の特に低い場所、または高い場所。
  • ・湿気やホコリの多い場所。
  • ・振動の多い場所。
◆無理な力を加えない

スイッチやツマミ類に無理な力を加えることは避けてください。

◆電源について

  • ・本機は日本国内仕様です。必ず、AC100V(50Hz または 60Hz) の電源コンセントに接続してください。AC100V以外の電源で は絶対にご使用にならないでください。
  • ・電源プラグをコンセントから抜くときは、コード部分の断線や ショートを防ぐため、コードを引っ張らないで必ずプラグ側を 持って引き抜いてください。
  • ・長時間ご使用にならないときは、電源コードのプラグを電源コンセントから外してください。

◆接続について 接続は、各機器の電源スイッチをOFFにしてから行ってください。

◆セットの移動について セットの移動は、接続コードのショートや断線を防ぐため接続 コードを取り外してから行ってください。

◆ケースを開けない 故障や感電の原因となりますので、ケースを開けたり改造しない ようにしてください。

◆外装のお手入れについて 外装をベンジンやシンナーなどの揮発油で拭いたり、近くでエア ソールタイプのスプレーを散布しないでください。 外装のお手入れの際は、必ず柔らかい布で乾拭きしてください。

◆落雷に対する注意

落雷の恐れがあるときは、早めにコンセントから電源プラグを抜 き取ってください。

◆保証書の手続きを

お買い求めいただきました際、購入店で必ず保証書の手続きを行ってください。保証書に販売店印、購入年月日の記入がありませんと、保証期間中でもサービスが有償となることがあります。

◆保管してください

この取扱説明書をお読みになった後は、保証書とともに大切に保 管してください。

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フロントパネル

POWER スイッチ

スイッチを押して電源を "ON" にするとスイッチ上部の POWER インジケーターが点灯します。もう一度押すと "OFF" になります。

入力ソースの20Hz~20kHzを1/3オクターブごとに分割、そ れぞれのツマミで31ポイントの各周波数を中心にしてブース トまたはカットすることができます。

ツマミの構の日感りは、可変値をdBの単位で表したものです。 なおイコライジング操作により、出力レベルが本機のクリッピ ングレベルの3dB手前に達しますと、PEAKインジケーターが 点灯します。PEAKインジケーターが連続して点灯する時は、 イコライザーコントロールの各ツマミを全体的に下げる必要が おります.

本機を効果的に使いこなすには、各楽器の音を構成している周 波数成分を知ることが大切です。下表をイコライジングの参照 にしてください。

なお、基本波以外のハーモニクス成分(倍音成分)も、音色決 定に大きな影響を与えることにもご注目ください。

SINPUT | EVEL コントロール

-最適なレベルで入力できるように、このツマミで入力感度を調 整します。規定レベル(-20dBまたは+4dB)で送られてきた入 カソースは、ツマミを目盛り"0"にすると、規定レベル(-20dBま たは+4dB)で入力できます。

イコライジング操作により全体のレベルが変わった場合、この ツマミで出力レベルを調整できますが、これでは入力レベルも 変わってしまいおすすめできません。このツマミのセッティン グを変えずにすむようなイコライジングの方法を取る方が、S/N 比が良く、ダイナミックレンジも広く取ることができます。

たとえば、図Bのようなセッティングよりも、図Aのようなセッティン グの方が優れた音響を確保できます。

●OdBポイントを中心にしてプースト/カットしたセッティング

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4 HPF (ハイパスフィルター) スイッチ イコライザー部の手前に設けられたハイパスフィルターの効果 をON/OFF するためのスイッチです。 "OFF"のときは、入力信号が HPF をバイパスし、イコライ ザー部にそのままの状態で送られます。 "ON"にすると、HPF の効果が働き、 の HPF 周波数コン トロールで設定した周波数以下の成分をカットします。 スイッチ "ON"で、インジケーターが点灯して、HPFが働いていることを示します。

5HPFコントロール

ハイパスフィルターのロールオフ周波数を設定するためのツマ ミです。ロールオフ周波数は20Hz~200Hzの範囲で連続可変 で設定でき、設定した周波数以下の周波数成分を18dB/oct.の 特性でカットします。

HIGH PASS FILTER
_ 0 T Π l o μ. Ц Щ Д Ш Ц Į П П
କ୍ -5 ┼┼ Н -A - 20- -20 OH z — 7- Н ┝╟ ┝┤ Н Н
с
ш
- 10 ┼╌┼╌ ┼┼ 1 -7 180 18/
1 1
ŝ 4 4 Н ⊢⊦ H Н
ŝ - 15 + Ηb H Ħt 1 Н Ш Η Н Н
2 - 20 П Ш IX. Í Ιt Ħ 7- Н Н 1H Η Ŧ if Ш
ŝ -20 ΖĒ Π Ż E Ш
- - 35 Ш Ш Ľ Ш Ш Ш Ш
Щ Ш Щ Ц Ц Щ Ш Ш Ш Ш
J 2 5 10 20 FF ۽
EC
o
O
ון
EN
00
CY
200
(H)
0 500 1 ĸ 2K 5K

GLPF (ローパスフィルター) スイッチ

イコライザー部の手前に設けられたローパスフィルターの効果 をON/OFF するためのスイッチです。 "OFF"のときは、入力信号がLPFをバイパスし、イコライザー 部にそのままの状態で送られます。 "ON"にすると、LPFの効果が働き、 ⑦の LPF 周波数コン トロールで設定した周波数以上の成分をカットします。 スイッチ "ON"で、インジケーターが点灯して、LPFが働いて いることを示します。

LPFコントロール

ローパスフィルターのロールオフ周波数を設定するためのツマ ミです。ロールオフ周波数は4kHz~20kHzの範囲で連続可変 で設定でき、設定した周波数以上の周波数成分を18dB/oct.の 特性でカットします。

LOW PASS FILTER

8BYPASS スイッチ

イコライザー効果を働かせるか、バイパスさせるかを決めるス イッチです。

"ON" のときはインジケーターが点灯して、入力信号はINPUT LEVELコントロールと、イコライザー部各フィルター部すべ てをバイパスして、OUTPUT 端子に送り出されます。 スイッチ"OFF"で、イコライザー及び各フィルターが働きます。 このスイッチでON/OFFを繰り返し、イコライザーのかかり 具合をチェックしてください。

S NOTCH FILTER (ノッチフィルター)スイッチ ノッチフィルターの効果をON/OFFするためのスイッチです。 "ON"にすると、ノッチフィルターの効果が働き、 ① ① の コントロールで設定した周波数成分のみをカットします。ノッ チフィルターは、あるひとつのポイントの周波数成分のみカッ トし、他の周波数成分には影響を与えずに、不要なノイズをと るのに便利なフィルターです。 スイッチ "ON"で、インジケーターが点灯して、ノッチフィル ターが働いていることを示します。
●NOTCH FILTER (HIGH) コントロール

ノッチフィルター (ハイ) の除去周波数とバンド幅とを設定す るためのツマミです。外側のツマミで周波数 (500Hz ~ 16kHz) を、内側のツマミでバンド幅 (Q=2~30) をそれぞれ 設定します。

NOTO H FILTER (HIGH)
||||||| | | +=500~~16kHz | | Ł
െപ് l
3 l
BANOWIDTH MINL VI III BANOWIDTH MINL VI
Z _ 20 l
0 - 20
0 - Ac
l
S - 20 BANDWIDTH MAX. BANDWIDTH MAX l
- 39
1 0 20 50 100 200 500 1K 2K 5K 10K 20K 50K
FREQUENCY (Hz)
● NOTCH FILTER (LOW) コントロール

ノッチフィルター (ロー)の除去周波数とバンド幅とを設定す るためのツマミです。外側のツマミで周波数 (20Hz~1kHz) を、内側のツマミでバンド幅(Q=2~30)をそれぞれ設定します。

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リアパネル

1 INPUT 端子

本機の入力端子です。入力は全ての端子が平衡 (バランス) で、 キャノンコネクタ XLR – 3 – 31 タイプとスクリューターミナ ル、TRS ホーンジャックを備えています。

適合インピーダンスは平衡 600 Ωライン、定格入力レベルは、 INPUT LEVEL 切替スイッチで+4dB、 または-20dBのど ちらかを選択できます。

いずれも-端子をグランドに落とせば不平衡入力として使えます。

TRSホーンジャック

❷INPUT LEVEL 切替スイッチ

INPUT 端子の定格入力レベルを+4dBまたは-20dBに切り 替えるためのスイッチです。接続する機器の出力レベルに応じ て切り替えてください。

3OUTPUT 端子

本機の出力端子です。平衡出力用としてキャノンコネクタ XLR-3-32タイプとスクリューターミナル、不平衡出力用 としてTRSホーンジャックを備えています。

適合負荷インピーダンスは平衡出力端子が 600 Ω ライン、 不平衡出力端子は 10k Ω ラインです。定格出力レベルは、 OUTPUT LEVEL切替スイッチで+4dB、または-20dBのど ちらかを選択できます。

※ PHONE JACK 出力端子は、電源投入時のクリックノイズを避け るため、スイッチを"ON"にしてから約2秒間は、ミューティング回 路により信号は出力されません。

電源 OFF でも平衡出力端子には入力信号がそのまま出力されます。

④ OUTPUT LEVEL 切替スイッチ OUTPUT 端子の定格出力レベルを+4dBまたは-20dBに切り 替えるためのスイッチです。接続する機器の入力レベルに応じ て切り替えてください。

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接続例

●チャンネル (マスター) インサートアウト/イン間に挿入

●出力系本線に挿入

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音場補正用に使用する場合には

本機は、20Hz~20kHzを1/3oct.で31分割しており、非常にきめ細かな補正ができるため、音場補正用として使用することができます。 この場合、次の方法で確実にセッティングを行って下さい。

●室内伝送特性をフラットに保つためのイコライジング

無響室でフラットな特性を示すスピーカーシステムでも、会場 の音響条件や聴取位置などにより、特性が乱れるのが普通です。 そこで、あらゆる聴取位置で室内伝送特性をフラットに保つた め、本機のようなイコライザーで補正をする必要が出てきます。 室内伝送特性をフラットにするためのイコライジングには、ピ ンクノイズジェネレーターやスペクトラムアナライザーなどが

必要です。

ミキサーにピンクノイズジェネレーターを接続して、スピー カーよりピンクノイズを出力させます。これをスペクトラムア ナライザーで計測(一点だけで計測するだけでなく、あらゆる聴 取位置で計測)して、表示される特性がフラットになるよう、本 機で調整します。

●ハウリングマージンを確保するためのイコライジング

会場の特性によって、特定の周波数ではハウリングが発生する ことがあります。このようなときには、ハウリングの発生する 周波数のみ、レベルを下げてハウリングを防止すれば良いので すが、この場合にもピンクノイズジェネレーターとスペクトラ ムアナライザーがあると便利です。

実際に本番と同じように機材をセットし、ミキサーの予備入力 端子にピンクノイズジェネレーター、予備出力端子にスペクト

ラムアナライザーを接続して、全PAスピーカーおよびモニター スピーカーからピンクノイズを発生させます。徐々に出力レベ ルを上げてゆき、ハウリングの原因となる周波数を見つけ、本 機でその周波数のレベルを下げます。

その結果、出力レベルを上げたときに複数の周波数でハウリン グが発生するようになれば、ハウリングに対して安定というこ とになります。

測定器だけの補正では、案外説得力のない音になってしまうこ とがあります。室内伝送特性とハウリングの両面からイコライ ジングを施した後、最終的に聴感上で調整を行ってください。

ビンクノイズジェネレーターとは:可聴周波数帯全域において、均一なレベルのノイズを発生する機器です。 スペクトラムアナライザーとは:可聴周波数帯全域を分割して、各帯域ごとに音圧レベルを表示する機器です。

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仕様

周波数特性 20 Hz ~ 20 kHz O±%dB ハイパスフィルター
20 Hz~
-18dB/oct.
~200 Hz (HPFコントロールにて設定)
全高調波歪率 0.02%以下(20Hz~20kHz @+4dB)
ローパスフィルター
-18dB/oct.
ハム&ノイズ -100 d B 以下 4kHz~ ~20kHz(LPFコントロールにて設定)
/Equalizer→all flat (OdB)
Input Level→Max. ノッチ ハイ フィルタ
INPUT LEVEL切替スイッチ→+4dB 最大除去比 25dB以上 500Hz~16kHZ
\OUTPUT LEVEL切替スイッチ→+4dB / ti
12/ 40 フッテ ロー フィルン 長士除夫比 י
25dBג/ב 20Hz∼1kHz
取入龟灶机侍 +2400、
/INPLIT I EVEL 切替スイッチ→-20dB\
(NUTPUT LEVEL切替スイッチ→+4dB) 電源 AC100 V 50/60 Hz

イコライザーコントロー
-ル 31バンド(1/3オクターブ) 消費電力 18 W
/中心周波数 20, 25, 31, 5, 40, 50, 63, 80, 100, 125,
/ 160,200,250,315,400,500,630,800, 寸法(W×H×D) 480mm×88mm×275mm_
Į 1k, 1. 25k, 1. 6k, 2k, 2. 5k, 3. 15k, 4k,
5k、6. 3k、8k、10k、12. 5k、16k、20kHz 重重 5. 2Kg
±120B / - ュリティカバー取付用小ネジ(×4)
ピークインジケータ
?ー クリッピングの 3dB 手前で点灯 オプション セキュリティカバー SC-2031
●入力仕様

Ŷ.

入力端子 INPUT LEVEL
切替スイッチ
入 カ
インピーダンス
ソース
インピーダンス
感 度 .
(最大ゲイン時)


規定レベル
レ ベ ル
最大ノンウリゥフレべル
使用コネクタ
(バランス)
INPUT + 4dB 600 Ω Lines +4dB(1.23V) +4dB(1.23V) +24dB(12.3V) XLR-3-31947
— 20dB 158.02 -20dB(77.5mV) -20dB(77.5mV) 0dB(775mV) PHONE JACK
●出力仕様
出力端子 OUTPUT LEVEL
切替スイッチ
出 力
インピーダンス
負 荷
インピーダンス
出力し
- 使用コネクタ
規定レベル 最大ノンクリッフレヘル
OUTPUT 150 Ω 600Ω Lines +4dB(1,23V) +24dB(12_3V) XLR-3-32917
+ 4ab 600 Ω 10kΩ Lines 1400(1.201) 12405(12.01) スクリューターミナル
- 20dB 150 Ω 600 Ω Lines 0-10 (775-V) (パランス)
PHONE JACK
600 Ω 10kΩ Lines "ZVOD((1. DMY) (7)

* 規定出力レベルを得るために必要な入力レベルを示す。

  • OdB = 0.775Vr.m.s.
  • 仕様および外観は改良のため、予告なく変更することがあります。
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寸法図

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ブロックダイアグラム

オプション

●セキュリティーカバーの取り付け

一定した場所で使用する場合、一度セットされたイコライザー部のコントロールツマミを不用意に動かしてしまうと、再調整をしなけ ればならなくなります。

このようなトラブルを防ぐため、本機には、セキュリティカバーがオプションにて用意されています。 本機付属の、セキュリティカバー取り付けネジで取り付けてください。

-------------------------------------」 カバー取り付けネジ

①付属のカバー取り付けネジを 取り付けます。

ティカバー

②カバー取り付けネジに合わせて、 セキュリティーカバーを取り付け ます。

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