INTERFACE CARD
MY16-C
取扱説明書
安全上のご注意
ご使用の前に、必ずこの「安全上のご注意」をよくお読みください。
ここに示した注意事項は、製品を安全に正しくご使用いただき、お客様や他の方々への危害や財産
への損害を未然に防止するためのものです。必ずお守りください。
お読みになったあとは、使用される方がいつでも見られる所に必ず保管してください。
■ 記号表示について
この製品や取扱説明書に表示されている記号には、次のような意味があります。
「ご注意ください」という注意喚起を示します。
〜しないでくださいという「禁止」を示します。
「必ず実行」してくださいという強制を示します。
■「警告」と「注意」について
以下、誤った取り扱いをすると生じることが想定される内容を、危害や損害の大きさと切迫の程度
を明示するために、「警告」と「注意」に区分して掲載しています。
この表示の 欄は、「傷害を
負う可能性または物的損
害が発生する可能性が想
定される」内容です。
警告
この表示の 欄は、「死亡す
る可能性または重傷を負
う可能性が想定される」
内容です。
注意
警告
装着前に装着可能であるか確認する。
カードをカードを装着する前に装着する機器本体がこのカードに対応しているか、あるいは他の
ヤマハまたはサードパーティー製のカードと組み合わせて何枚まで挿入可能かを、機器本体の取
必ず実行
扱説明書またはヤマハのウェブサイトで確認してください。
ヤマハ プロオーディオ ウェブサイト:http://proaudio.yamaha.co.jp/
ヤマハがご案内していない組み合わせで、ヤマハ製の機器本体にカードを装着しない
感電や火災、または故障の原因になります。
禁止
2
MY16-C
取扱説明書
。
カード上の基板部分やコネクター部に無理な力を加えたり、分解したり改造したりしない。
感電や火災、または故障の原因になります。
禁止
カードを装着する前に、装着する機器の電源を切り、電源プラグを抜く。
感電の原因になります。
必ず実行
カードを装着する前に、装着する機器の周辺機器の電源を切り、接続しているケーブルを抜く。
機器の故障の原因になります。
必ず実行
注意
カードを持つとき、基板裏の電子部品のリード(金属の足)をさわらない。
手を傷つけるおそれがあります。
禁止
作業するときは、厚手の手袋を着用する。
装着する機器やカード上の金具で手を傷つけるおそれがあります。
必ず実行
基板上の金属部分が露出している部分にさわらない。
接触不良などの原因になります。
禁止
カードを持つときは、前もって衣類や身体の静電気を除去する。
静電気は故障の原因になります。あらかじめ塗装面以外の金属部分やアースされている機器の
アース線などに触れるなどしてください。
必ず実行
カードを落としたり衝撃を与えない。
破損や故障の原因になります。
禁止
ネジ類を装着する機器の内部に落とさない。
落としたネジを装着する機器の内部に放置したまま電源を入れると、正常に動作しなくなったり、
故障したりする場合があります。落としたネジが回収できない場合は、巻末のヤマハ電気音響製
禁止
品サービス拠点にご連絡ください。
・データが破損したり失われたりした場合の補償はいたしかねますので、ご了承ください。
・不適切な使用や改造により故障した場合の保証はいたしかねます。
取扱説明書
MY16-C
3
目次
CobraNetについて ..... ............... .............. ...6
MY16-Cの仕組み ...... ....... ........ ....... ....... ...9
各部の名称と機能 ....... ....... ........ ....... ....... ..10
クロック同期方式の種類 . ....... ........ ....... ....... ..14
MY16-Cを装着する手順 . ....... ............... .........17
接続例 . ....... ....... ....... ............... .........18
仕様 ... ....... ....... ....... ........ .............. ..20
サービスについて ....... ....... ........ ....... ....... ..22
・ 市販の音楽/サウンドデータは、私的使用のための複製など、著作権上問題にならない場合を除いて、権利者に無断で複製または転用
することが禁じられています。ご使用時には、著作権の専門家にご相談されるなどのご配慮をお願いいたします。
・
この取扱説明書に記載されているイラストや画面は、すべて操作説明のためのものです。したがって、実際の仕様と異なる場合があります。
・ CobraNet、Peak AudioはCirrus Logic社の商標です。
・ Ethernetはゼロックス社の商標です。
・「MIDI」は社団法人音楽電子事業協会(AMEI)の登録商標です。
・ その他記載の社名および製品名は、各社の商標および登録商標です。
4
MY16-C
取扱説明書
はじめに
このたびはヤマハCobraNet ™インターフェースカードMY16-C をお買い上げいただきましてま
ことにありがとうございます。
MY16-Cは、ヤマハプロオーディオ機器用CobraNet ™* 拡張カードです。CobraNet ™規格に
準拠していて、CobraNet ™ネットワークに対して
縮デジタルオーディオ信号を送受信できます。
*CobraNet ™: PeakAudio(米Cirrus Logic社)が提唱する、Fast Ethernet(転送速度100メガビット/秒)ネッ
トワーク上で多チャンネルの非圧縮デジタルオーディオ信号をリアルタイムに伝送する規格です。1本のネット
ワークケーブルで最大64チャンネル×双方向=128チャンネルのオーディオデータが伝送できます。
PeakAudioのホームページ: http://www.peakaudio.com/
MY16-Cの優れた機能を使いこなしていただくために、この取扱説明書をご活用いただきますよ
うご案内申し上げます。
また、ご一読いただいた後も不明な点が生じた場合に備えて、保証書と一緒に大切に保管されま
すようお願い申し上げます。
MY16-Cを装着する前に、装着する機器がMY16-Cに対応しているか、ほかのヤマハ製または
サードパーティー製のカードと組み合わせて何枚まで装着できるかを、ヤマハのウェブサイトで
必ずご確認ください。
ヤマハプロオーディオウェブサイト: http://proaudio.yamaha.co.jp/
最大32チャンネル
(16イン/16アウト)の非圧
パッケージの内容
・MY16-C 本体
・取扱説明書(本書)
・保証書
MY16-C
取扱説明書
5
について
CobraNetとは
■
CobraNetはPeak Audio (米Cirrus Logic社)によって開発された伝送技術で、非圧縮デジタル
オーディオ信号をFast Ethernet ケーブルによってリアルタイム伝送できます。
CobraNetネットワークでは、最大で入出力各64 チャンネル、計128 チャンネルの信号(リ
ピーターハブ使用のネットワーク上では64 チャンネル)が同時に伝送できます。(ただし、機器
の性能や、オーディオ信号の条件などでチャンネル数は制限されます。)
現在CobraNet ネットワークは16/20/24 ビットの各解像度で48/96kHz のサンプリング周
波数に対応しています。
また、CobraNetネットワークはオーディオ信号と同時に制御データも伝送できます。伝送でき
る制御データの種類は機器により異なります。
CobraNet を通過したオーディオ信号には5.33ミリ秒
という一定のレイテンシーが加わります。
CobraNetの詳細については Peak Audioのホームページをご覧ください。
Peak Audioのホームページ: http://www.peakaudio.com/
■
バンドル
CobraNetネットワークでは、デジタルオーディオデータをバンドルという単位にして送信し、
受信後はバンドルを元のオーディオデータに戻します。MY16-Cの場合、1つのバンドルに3〜8
チャンネルのデジタルオーディオ信号が入ります。各バンドルには1〜65,279までのバンドル
番号が付けられていて、送信側と受信側が同じバンドル番号を設定すると、CobraNetネット
ワークを通してオーディオ信号を伝送できます。CobraNetネットワーク全体ではネットワーク
資源に余裕がある限り送受信できるバンドル数に制限はありません。扱えるバンドル数は機器に
よって異なります。
MY16-Cでは送信用、受信用にそれぞれ2個のバンドルを使用できます。バンドル番号は、
MY16-Cのロータリースイッチか、MY16-Cを装着する機器またはその機器の付属ソフトウェアで
指定します。
MY16-Cでの指定方法は「各部の名称と機能」(10ページ)をご覧ください。
(設定によっては2.67または1.33ミリ秒)
6
MY16-C
取扱説明書
■
マルチキャストバンドルとユニキャストバンドル
CobraNetのバンドルにはマルチキャストバンドルとユニキャストバンドルがあります。マルチ
キャストバンドルは1台の機器からネットワーク上の複数の機器への送信に、ユニキャストバン
ドルは1台の機器から別の1台の機器への送信に使用されます。
ユニキャストバンドルは送信機器と同じバンドル番号に受信設定した機器にだけ送信されますが、
マルチキャストバンドルは機器の受信設定に関係なくネットワーク上のすべての機器に送信し、
受信側では設定したバンドルだけを処理します。マルチキャストバンドルの伝送はネットワーク
資源を多く使いますので、
通常は4つ(最大32チャンネル)までにされるようにおすすめします。
5
つ以上のバンドルが必要な場合はユニキャストバンドルを使用してください。
マルチキャストバンドルとユニキャストバンドルはバンドル番号で区別され、マルチキャストバ
ンドルは1〜255、ユニキャストバンドルは256〜65,279となります。
マルチキャストバンドル
機器Aが送信するバンドルが、マルチ
キャストバンドルの場合は、CobraNet上
のすべての機器(図の場合は機器B〜D)に
送信されます。
ユニキャストバンドル
機器Aが送信するバンドルがユニキャスト
バンドルの場合は、機器Aの送信バンドル
番号と同じ受信バンドル番号に設定して
ある機器Dだけに送信されます。
CobraNet 機器
C
CobraNet 機器
D
ネットワーク
B
CobraNet 機器
CobraNet 機器
C
A
CobraNet 機器
CobraNet 機器
D
ネットワーク
B
CobraNet 機器 CobraNet 機器
A
デジタルオーディオデータ
デジタルオーディオデータ
MY16-C
取扱説明書
7
■
コンダクターとパフォーマー
1つのCobraNetネットワーク上では、その中の1台の機器から同期信号が発信され、それ以外の
機器が受信して同期します。同期信号を発信する機器をコンダクター、その他の機器をパフォー
マーと呼びます。
コンダクターとなる機器はCobraNetネットワーク上で自動的に設定され、通常はユーザーが設
定する必要はありません。MY16-Cの場合は、コンダクターになるとCobraNetに接続している
端子の右側のLEDがオレンジ色に点灯します。また、コンダクターが故障した場合、自動的に別
の機器がコンダクターになります。
コンダクターからネットワークに同期信号が送信されるため、各パフォーマーは、同期を取るた
めに専用の外部ワードクロックのケーブルを接続する必要がありません。その結果、接続する
ケーブルを減らせます。ただし、ネットワークに接続されていないデジタルオーディオ機器は、
CobraNetネットワーク上の機器からワードクロックを取って同期させる必要があります。
n
デジタルオーディオデータや制御データは、コンダクターやパフォーマーに関係なく、
すべてのCobraNet機器が送受信します。
パフォーマー(受信側)
C
同期信号(ワードクロック)を送信する機
器(図では機器A)がコンダクター、 受信
する機器(図では機器B〜D)がパフォー
マーです。CobraNetネットワークに
入っていないデジタル機器とデジタル
オーディオ信号を送受信するには、ク
ロックを同期する必要があります。図で
は、CobraNet上の機器Bから、
CobraNetの外部のデジタル機器Eに同
期信号を送信しています。
■
CobraNetネットワークで使用するケーブルおよびハブ
ネットワーク
B
パフォーマー
(受信側)
E
外部デジタル機器
パフォーマー(受信側)
D
A
コンダクター(同期信号送信側)
同期信号(ワードクロック)
カテゴリー 5メタルケーブルを使用の場合は最長100mまで、マルチモード光ファイバーケーブ
ルを使用すると、最長2kmまで伝送できます。ただし、使用するケーブルの種類やスイッチング
ハブ、CobraNet機器の性能などにより、この長さを保証できない場合もあります。
Ethernetのケーブルにはクロスケーブルとストレートケーブルがありますが、2台の機器を直接
接続する場合は、クロスケーブルを使います。3台以上の機器を接続するには、スイッチングハブ
とストレートケーブルを使います。Ethernet ハブにはリピーターハブもありますが、リピー
ターハブを使用すると、不必要に多くのデータが伝送されるので、ネットワークを効率的に使用
できなくなります。CobraNetネットワークでは、リピーターハブの使用はおすすめしません。
PeakAudioが使用を推奨するスイッチングハブは以下のURLをご覧ください。
http://www.peakaudio.com/cobranet/testedethernet.html
8
MY16-C
取扱説明書