ユーザ・マニュアル
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ
デジタル・ストレージ
オシロスコープ
071-1069-01
このマニュアルは、ファームウェア FV:v 1.00 以上に
対応しています。
www.tektronix.com
Copyright © Tektronix, Inc. All rights reserved.
当社の製品は、米国その他各国における登録特許および出願中特許の対象となっ
ています。本書の内容は、すでに発行されている他の資料の内容に代わるもので
す。また製品の仕様は、予告なく変更させていただく場合がありますので、予め
ご了承ください。
Tektronix, Inc., P.O. Box 500, Beaverton, OR 97077
TEKTRONIX および TEK は、 Tektronix, Inc. の登録商標です。
WARRANTY SUMMARY
(TDS 1000- and TDS 2000-Series Digital Storage Oscilloscopes)
Tektronix warrants that the products that it manufactures and sells will be free from defects
in materials and workmanship for a period of three (3) years from the date of shipment
from an authorized Tektronix distributor. If a product or CRT proves defective within the
respective period, Tektronix will provide repair or replacement as described in the
complete warranty statement.
To arrange for service or obtain a copy of the complete warranty statement, please contact
your nearest Tektronix sales and service office.
EXCEPT AS PROVIDED IN THIS SUMMARY OR THE APPLICABLE WARRANTY
STATEMENT, TEKTRONIX MAKES NO WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS
OR IMPLIED, INCLUDING WITHOUT LIMITATION THE IMPLIED WARRANTIES
OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. IN NO
EVENT SHALL TEKTRONIX BE LIABLE FOR INDIRECT, SPECIAL OR
CONSEQUENTIAL DAMAGES.
WARRANTY SUMMARY
(P2200 Probe)
Tektronix warrants that the products that it manufactures and sells will be free from defects
in materials and workmanship for a period of one (1) year from the date of shipment. If a
product proves defective within the respective period, Tektronix will provide repair or
replacement as described in the complete warranty statement.
To arrange for service or obtain a copy of the complete warranty statement, please contact
your nearest Tektronix sales and service office.
EXCEPT AS PROVIDED IN THIS SUMMARY OR THE APPLICABLE WARRANTY
STATEMENT, TEKTRONIX MAKES NO WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS
OR IMPLIED, INCLUDING WITHOUT LIMITATION THE IMPLIED WARRANTIES
OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. IN NO
EVENT SHALL TEKTRONIX BE LIABLE FOR INDIRECT, SPECIAL OR
CONSEQUENTIAL DAMAGES.
目次
安全にご使用いただくために v ......................
このマニュアルについて vii ..........................
ヘルプ・システム ix ..............................
マニュアルの表記方法について xi ..................
不要品の廃棄方法について xii ......................
お問い合わせについて xiii ..........................
はじめに 1 ........................................
機能概要 2 ......................................
インストレーション 4 ............................
機能チェック 5 ..................................
プローブを安全に使用するには 6 ..................
プローブ・チェック・ウィザード 7 ................
手動によるプローブ補正 8 ........................
プローブの減衰率の設定方法 9 ....................
自己校正について 10 ..............................
電源ケーブル 4 ................................
セキュリティ・ループ 4 ........................
オシロスコープの基本的機能 11 ......................
オシロスコープの設定 12 ..........................
オートセット(AUTOSET) 12 ...................
設定の保存 12 ..................................
設定の呼出 12 ..................................
工場出荷時設定 13 ..............................
トリガ 13 ........................................
トリガ・ソース 14 ..............................
トリガの種類 15 ................................
トリガ・モード 15 ..............................
結合(カップリング) 15 ........................
位置(ポジション) 16 ..........................
スロープとレベル 16 ............................
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
i
目次
波形取り込み 17 ..................................
取り込みモード 17 ..............................
時間軸 18 ......................................
波形のスケールと位置 18 ..........................
垂直軸スケールと位置 18 ........................
水平軸スケールと位置(プリトリガ) 19 ..........
波形測定 24 ......................................
目盛 24 ........................................
カーソル 25 ....................................
自動測定 25 ....................................
各部の名称と機能 27 ................................
表示エリア 28 ....................................
メッセージ・エリア 31 ..........................
メニューの操作方法 32 ............................
垂直軸部 34 ......................................
水平軸部 35 ......................................
トリガ部 36 ......................................
その他の機能 38 ..................................
コネクタ 39 ......................................
測定例 41 ..........................................
基本的な測定例 42 ................................
オートセットを使用する 42 ......................
自動測定の実行 43 ..............................
2 つの信号からゲインを計算する 46 ...............
カーソルによる測定例 48 ..........................
リンギング周波数を測定する 48 ..................
リンギング振幅を測定する 49 ....................
パルス幅を測定する 50 ..........................
立上り時間を測定する 51 ........................
波形の詳細解析例 54 ..............................
ノイズを含んだ信号を観測する 54 ................
アベレージングによりノイズを分離する 55 ........
単発波形の測定例 56 ..............................
オシロスコープの設定を変えてみる 57 ............
伝搬遅延の測定例 58 ..............................
ii
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
パルス幅の測定例 60 ..............................
ビデオ信号の測定例 62 ............................
ビデオ・フィールドにトリガする 63 ..............
ビデオ・ラインにトリガする 64 ..................
ウィンドウで波形細部を観測する 66 ..............
差動通信信号の測定例 68 ..........................
ネットワークのインピーダンス観測例 70 ............
詳細説明 73 ........................................
波形取込(ACQUIRE) 74 .........................
オートセット(AUTOSET) 79 .....................
正弦波 81 ......................................
方形波またはパルス 82 ..........................
ビデオ信号 83 ..................................
カーソル(CURSOR) 84 ..........................
工場出荷時設定(DEFAULT SETUP) 85 .............
表示(DISPLAY) 86 ..............................
ヘルプ(HELP) 89 ...............................
水平軸(HORIZONTAL ) 90 ........................
演算(MATH ) 93 .................................
波形測定(MEASURE ) 94 .........................
プリント(PRINT) 96 .............................
プローブ・チェック(PROBE CHECK) 96 ............
保存/ 呼出(SAVE/RECALL) 97 .....................
トリガ(TRIGGER ) 99 ............................
ユーティリティ(UTILITY ) 110 .....................
垂直軸(VERTICAL ) 112 ...........................
目次
FFT演算 115 ........................................
時間軸領域で信号を表示する 116 ....................
FFTスペクトラムを表示する 118 .....................
FFTウィンドウを選択する 120 .......................
FFTスペクトラムの拡大と位置調整 124 ...............
FFT スペクトラムをカーソルで測定する 126 ..........
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
iii
目次
TDS2CMA型コミュニケーション・モジュール 127 .......
拡張モジュールのインストールと取り外し 127 ........
インストールを確認する 130 ........................
インストールできないとき 130 ......................
スクリーン・データを外部デバイスに送る 131 ........
RS-232 の設定とテスト 134 ..........................
バイナリ・データの転送 141 ......................
RS-232 I/O エラー・レポート 141 ..................
GPIB の設定とテスト 143 ...........................
コマンド入力について 150 ..........................
付録 A: 仕様 151 ...................................
付録 B: アクセサリ 169 ...............................
付録 C: クリーニング 173 .............................
付録 D: 工場出荷時設定 175 ...........................
付録 E: GPIB と RS-232 179 ..........................
索引 181 ..........................................
iv
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
安全にご使用いただくために
安全にご使用いただくため、機器をご使用になる前に、次の事項を必ず
お読みください。
本機器のサービスは専門のサービス員のみが行なえます。
発火および人体保護における注意事項
適切な電源ケーブルの使用 電源ケーブルは、製品に付属したもの、ま
たは使用する電源電圧に対応したもののみご使用ください。
プローブの接続について 感電の危険がありますので、プローブ・チッ
プ(プローブの先端)を電圧源に接続したままで抜き差ししないでくだ
さい。
適切な接地(グランド) 本機器は、アース線付きの 3 線式電源コード
を通じて接地されます。感電を避けるため、必ずアース端子のあるコン
セントに差し込んでください。3-2アダプタを使用して 2 線式電源に接
続する場合も、必ずアダプタのアース線を接地してください。
適切なプローブの接続 グランド・リードを電圧源に接続しないでくだ
さい。
入力端子の定格について 発火や感電の危険がありますので、各入力端
子への信号入力は、定格表示以内にしてください。詳細については、仕
様のページを参照してください。
キャビネット、カバーの取り外し 機器内部には高電圧の箇所がありま
すので、カバーやパネルを取り外さないでください。
適切なヒューズの使用 発火等の危険がありますので、指定された定格
のヒューズ以外は使用しないでください。
被測定回路への接触 電源が入った状態の被測定回路のコネクタおよび
部品には触れないでください。
故障と思われる場合 故障と思われる場合は、必ず当社サービス受付セ
ンターまたは販売店までご連絡ください。
機器の放熱 本機器が過熱しないよう、十分に放熱してください。
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
v
安全にご使用いただくために
機器が濡れた状態では使用しないでください。
爆発性のガスがある場所では使用しないでください。
機器の表面は常にきれいにしてください。
機器保護における注意事項
本マニュアルで使用されている用語およびマークの意味は、次のとおりです。
警告:
人体や生命に危害をおよぼすおそれのある場合に、その危険を避
けるための注意事項が記されています。
注意:
取り扱い上の一般的な注意事項や機器を損傷するおそれのある場
合の注意事項が記されています。
機器に表示されている用語の意味は、次のとおりです。
DANGER :ただちに人体や生命に危害をおよぼす危険があることを示し
ています。
WARNING :間接的に人体や生命に危害をおよぼす危険があることを示
しています。
CAUTION :機器および周辺機器に損傷をおよぼす危険があることを示
しています。
機器に表示されているマークの意味は、次のとおりです。
vi
保護用接地端子
を示します。
メイン・スイッチ
オフ(パワー)
測定用グランド
端子を示します。
メイン・スイッチ
オン(パワー)
マニュアルの該当
箇所を参照してく
ださい。
測定用入力端
子を示します。
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
このマニュアルについて
このマニュアルでは、TDS1000 シリーズおよび TDS2000 シリーズ デ
ジタル・ストレージ・オシロスコープの操作方法について説明します。
マニュアルの構成は、以下のとおりです。
H 「はじめに」では、オシロスコープの基本構成とインストレーショ
ンについて説明します。
H 「オシロスコープの基本的機能」では、オシロスコープの基本的な
機能(トリガ、データの取込、波形のスケールおよび位置調整、測
定方法、機器の設定方法など)について説明します。
H 「各部の名称と機能」では、オシロスコープの基本的な動作原理に
ついて説明します。
H 「測定例」では、実際 の測定で発生する 諸問題 を 解決 するヒントに
なるようなさまざ まな測定について説明します。
H 「詳細説明」では、オシロスコープの各機能を詳細に説明します。
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
vii
このマニュアルについて
H 「FFT演算 」では、FFT演算機能の使用方法について説明します。
H 「TDS2CMA 型 コミュニケーション・モ ジュール」では、プリンタ
やPC をオシロスコープと共 に使用する際 のRS-232 、GPIB 、セント
ロニクスの各ポ ートの設定方法について説明します。
H 「付録 A 仕様」では、オシロスコープの電 気的特 性 、 環境 特 性 、機
械的特 性の ほかに、各 種の規格と承認について説明します。
H 「付録B アクセサリ」では、標準とオプションのアクセサリについ
て説明します。
H 「付録C クリーニング」では、オシロスコープのクリーニングにつ
いて説明します。
H 「付録D 工場出荷時 設定」では、 工 場出荷時 設定を 呼 び出したとき
のメ ニューや前面 パネル設定が記載されています。
H 「付録E GPIB と RS232 」では、 GPIB と RS232 インタ フェースを 比
較します。
viii
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
ヘルプ・システム
本オシロスコープは、全機能をカバーするヘルプ・システム を装備 して
います。ヘ ルプ・システム を利 用して、以下の情報 を表示できます。
H 「メ ニュー・シス テム の使用方法」などのオシロスコープを使用す
る上での一般情報
H 「垂直軸位置コントロール」などの具体的なメ ニュー・コントロー
ルに関 する情報
H 「ノ イズの 低減 」など、オシロスコープ使用中に発生する 可能性 の
ある問題 への対処 方法
ヘ ルプ・システム には、 情報 にアクセスするために 3つの方法が用意さ
れています。
このマニュアルについて
メニュー指定
前面 パネルの ヘルプ (HELP) ボ タンを押 すと、オシロスコープは最後
にスクリーンに表示されたメ ニューの情報 を表示します。水平軸位置
(HORIZONTAL POSITION) ノブの下にあるヘルプスクロール LED
が点灯し、このノブにヘ ルプ・スクロール機能が付与 されたことを示し
ます。ヘ ルプの内容が1 ページ以上の場合は、水平軸 位置ノブを回すと
ページを切り替 えることができます。
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
ix
このマニュアルについて
ハイパーリンク
ヘ ルプの説明文 には、< オートセット > のように <かぎ括弧>で囲まれた
箇所が含 まれていることがあります。これら は、他のトピ ックへのリン
クです。ヘルプスクロール ノ ブを回すと、あるリンクから 他のリンク
へハ イライト箇所が移 動します。トピックを読む を押 すと、ハ イライ
ト表示されたリンクに対応するトピ ックを表示します。戻る を押 す
と、前のトピ ックに戻 ります。
索引
前面 パネルの ヘルプ ボ タンを押 して、次にサイド・メ ニューの 索引
オプション・ボ タンを押します。参照したいトピ ックが含 まれるページ
が見 つかるまで 次ページ または 前ページ を押 します。前面 パネルの
ヘルプスクロール ノ ブを回すと、ヘ ルプ・ト ピ ックが ハイライト表示
されます。トピックを読む を押 すと、該 当するトピックが表示されま
す。
終了 ボ タンを押すか 、任 意の メ ニュー・ ボ タンを 押すとスクリー
注:
ンからヘルプ情報 が消 え、波形表示に戻ります。
x
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
マニュアルの表記方法について
このマニュアルでは、次のような表記方法で説明しています。
H オシロスコープ前面パネルの押 しボ タンや ノ ブとデ ィ スプレイに表
示されるメ ニュー項目 は、ヘルプ (HELP )、プリント(PRINT )
のようにボ ールド体で表記します。
H オプション・ボタンに対応してスクリーン右 サイドに表示される メ
ニュー項目も ピーク 、範囲指定のようにボ ールド体で表記します。
前面パネルの押しボタンと各種ノ
ブはボールドで表記します。
このマニュアルについて
このボタンをオプション・
ボタンと呼びます。
オプション・ボ タンは、スクリーン・ボタン、サイドメ ニュー・ボ
注:
タン、ベーゼル・ボ タン、またはソフ ト・キ ーなどと呼ば れることがあ
ります。
"
H
マークは、次のように使用します。
ユーティリティ (UTILITY )
"
オプション
"
RS-232
これは、まず前面パネルの ユーティリティ (UTILITY )ボタンを押
し、表示されるメ ニュー項目から オプション を選択 し、さらに
RS-232 オプション・ボタンを押 すことを意味します。
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
xi
このマニュアルについて
不要品の廃棄方法について
水銀を含んだ部品の取り扱いについて
液晶 ディスプレイのバックライト蛍光管 には、 水銀 が 含 まれています。本
機器を廃棄する場合は、ご 使用の地域の、 水銀 を含んだ 廃棄物の処理方法
にしたがって処理してください。Tektronix 社(米国)には、Tektronix
RecyclingOperation(RAMS) 部門があり、ここに発送 することで、 適切
な方法で処理 することもできます。RAMS への発送 方法等 については、
Tektronix 社または当社 お客 様コールセンターまでご連絡くだ さい。
xii
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
お問い合わせについて
製品について 当社製品に関するお問い合わせは、北米地域からは
次のフリー・ダイアルがご利用になれます(英語のみ)。
1-800-833-9200
6:00 a.m.~ 5:00 p.m. Pacific time
電子メールをご利用の方は、次のメール・アドレスでお問
い合わせください。
TechSupport@tektronix.com
日本国内では、日本テクトロニクス(株)
お客様コールセンターまでお問い合わせください。
電話: 03-3448-3010 Fax: 0120-046-011
E-mail: ccc.jp@tektronix.com
電話受付時間 / 9:00~ 12:00・ 13:00~ 19:00
このマニュアルについて
月曜~金曜(休祝日を除く)
サービス・
サポート
ご意見、
ご感想は
日本国内での修理についてのお問い合わせは、日本テクト
ロニクス(株) サービス受付センターでお答えします。
電話: 0120-741-046 FAX: 0550-89-8268
電話受付時間 / 9:00 ~12:00 ・13:00 ~19:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
ワールド・ワイドのサービス体制については、Tektronix
のホーム・ページをご参照ください。
Tektronix 社または日本テクトロニクス(株)までお寄せ
ください。
Tektronix, Inc.
14200 SW Karl Braun Drive
P.O. Box 500
Beaverton, OR 97077
USA
日本テクトロニクス株式会社
〒141-0001 東京都品川区北品川 5-9-31
お客様コールセンター(上記参照)
ホームページ www.tektronix.com
www.tektronix.co.jp
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
xiii
このマニュアルについて
xiv
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
はじめに
TDS1000 およびTDS2000 シリーズ デジタル・ストレージ・オシロス
コープは、グランド基準の信号測定が行える小型 ・軽量 のオシロスコー
プです。
この章 では、機能概要 のほか に、次に示す内容について説明します。
H 機器のインストール
H 機能チ ェック
H プローブのチ ェックと補正
H プローブの減衰率 の設定
H 自己校正について
初めて電源を入れる場合、 言語設定は「English ( 英語)」に設定
注:
されています。 日 本語 メ ニューを表示する場合は、前 面 パネルの ユー
ティリティ(UTILITY ) ボ タンを押し、ディ スプレイの右側 にある一番
下のオプション・ボ タンを繰返 し押 し、「日 本語」を選択 します。
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
1
はじめに
機能概要
TDS1000 およびTDS2000 シリーズ デジタル・ストレージ・オシロス
コープは、次の機種 で構成されています。
チャンネ
機種名
TDS1002
型
TDS1012型
TDS2002型
TDS2012
TDS2014
TDS2022
TDS2024
H ヘルプ・システム
H カラーまたはモノ クロLCD ディ スプレイ
H 20MHz帯域制限選択可 能
H 各チ ャンネル2500 ポイントの波形レコード
型
型
型
型
ル数
2 60 MHz 1.0 GS/s
2 100 MHz 1.0 GS/s
2 60 MHz 1.0 GS/s
2 100 MHz 1.0 GS/s
4 100 MHz 1.0 GS/s
2 200 MHz 2.0 GS/s
4 200 MHz 2.0 GS/s
周波数帯域
サンプル・
レート
ディスプレイ
モノクロ
モノクロ
カラー
カラー
カラー
カラー
カラー
H オートセット・ メニュー
H プローブ・チ ェック・ウィザ ード
H リードア ウト付カー ソル測定
H トリガ周波 数リードア ウト
H 11 種類 の自 動波形測定
H 波形のア ベレージング機能と ピーク 検出機能を装備
2
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
はじめに
H メイン、ウィ ンド ウの 2 つの 時間 軸
H FFT演算機能
H パルス 幅トリガ機能
H ビデオ・トリガ機能
H 外部トリガ
H 設定と波形の保存 / 呼出が 可能
H バリアブル・パーシスタンス(蓄積 )波形表示
H オプションのTDS2CMA型拡張モジュールにより、 RS-232、GPIB
およびセントロニクス・インタフェ ースが装着可 能
H 10 ヶ国の言 語からメ ニュー表示を選択可 能
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
3
はじめに
インストレーション
電源ケーブル
電源ケーブルは、オシロスコープに付属しているものを使用してくださ
い。使用電源は、90~ 264 VAC
400 Hz 電源使用時 は、 90 ~ 132 VAC
す。電源ケーブルのオプションについては、171 ページを参照してくだ
さい。
セキュリティ・
ループ
RMS、
45 ~ 66 Hz に対応しています。
、360 ~440 Hz に対応しま
RMS
セキュリティ・
ケーブル
電源ケーブル
セキュリティ・ループ
オシロスコープ 後部パネルとオプションの拡張モジュールには、 盗難防
止用のセ キュリティ・ループ(上図参照)が付いています。必要に応じ
て、このループにケーブルを通します。
4
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
機能チェック
オシロスコープが正しく動作することを確認 するための機能チェック方
法について説明します。
ON/OFF ボタン
.......
1.
ON/OFF ボタンを押して電源をオンにします。
パワーオン・テストにパスしたことを確認しま
す。前面パネルの工場出荷時設定(DEFAULT
SETUP) ボタンを押します。工場出荷時には、
プローブの減衰率は 10 × に設定されています。
はじめに
PROBE COMP
(プローブ補正)端子
CH 1
P2200 型 電圧プローブのスイッチを 10×に設
2.
定し、オシロスコープの CH1 コネクタの突起
に合わせて差し込み、時計方向にロックされる
まで回します。
プローブ・チップ(プローブ先端のフック)を
プローブ補正( PROBE COMP ) 端子に、グラ
ンド・リード(ワニ口クリップ付)をアース端
子に接続します。
前面パネルの オートセット(AUTOSET )ボ
3.
タンを押します。オートセット機能により、左
図のように矩形波(振幅:約 5V、周波数:約
1kHz )が表示されれば、オシロスコープは正
しく機能しています。
前面パネルの CH1 MENUボタンを 2 回押し、
CH1 の波形を消去します。別のチャンネルを
チェックする場合は、チェックするチャンネル
のメニュー・ボタンを押し、手順 2、3 を繰り
返します。
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
5
はじめに
プローブを安全に使用するには
プローブを安全に使用するために、プローブにはフィ ンガ・ガードが付
いています。
フィンガ・ガード
警告:
ガードより手 前(ケーブル側 )を持 ってください。
感電を防ぐ ため、プローブの先端を電圧源に接続したまま、プローブの
金 属部分に触れないでください。
プローブを接続する順序 としては、まずプローブをオシロスコープに接
続し、次に、プローブのグランド・リードを被測定回路のグランド・ポ
イントに接続します。
感電を防ぐ ため、プローブを使用して測定する場合、フィ ンガ・
6
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
プローブ・チェック・ウィザード
プローブ・チェ ック・ウィザ ードを使用すると、プローブが正 しく動作
しているかどうかをすば やく確認 できます。この機能によって、プロー
ブの補正(通常 はプローブ本体やプローブ・コネクタをドライバで調整
します) や、(CH 1 MENUなどの)垂直軸 チャ ンネルの プローブ減衰率
の設定もできます。
入力チャ ンネルにプローブを接続するたびにチェ ックすることをお勧め
します。
プローブ・チェ ック・ウィザ ードを使用するには、前面 パネルのプロー
ブチェック (PROBE CHECK ) ボ タンを押 します。プローブが 正 しく接
続され、適切 に補正 され、さらにオシロスコープの垂直軸メ ニュー・ス
クリーンの プローブ で、接続してあるプローブに対応する減衰率 が選
はじめに
択 されている場合は、スクリーンの下部にプローブ・チェックにパスし
たことを示すメ ッセージが表示されます。パスしなか った場合は、問題
解決 のためのガイドラインがスクリーンに表示されます。
プローブ・チェ ックは、1
注:
います。外部トリガ(EXT TRIG) では動作しません。
前面 パネル 外部トリガ BNC コネクタに接続したプローブを補正 する
には、以下の手順 に従 います。
1.
プローブを(CH1 などの)任 意のチャ ンネルに接続します。
2.
前面 パネルのプローブチェック (PROBECHECK )ボ タンを押 して、
スクリーンに表示される指示に従 います。
3.
プローブが正 しく動作すること、および適切 に補正されていること
を確認後、外部トリガBNC コネクタに接続します。
×、10 ×、100 ×
のプローブに対応して
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
7
はじめに
手動によるプローブ補正
プローブ・チェ ックのもう1 つの方法は、手 動による調整です。
プローブ補正
(PROBE COMP )
端子
CH 1
プローブ補正過大
プローブ補正不足
オートセット
(
AUTOSET
ボタン
)
垂直軸チャンネル・メニューのプローブ減衰率
1.
切り替えで10 × を選択します。P2200 型プロー
ブのスイッチを 10 × に設定し、プローブを
CH1 コネクタの突起に合わせて差し込み、時
計方向にロックされるまで回します。
プローブ・チップ(プローブ先端のフック)を
2.
プローブ補正(PROBE COMP) 端子の~5 V コ
ネクタに、グランド・リード(ワニ口クリップ
付)をアース端子に接続し、オートセット
(AUTOSET) ボタンを押します。
表示される波形を確認します。
3.
適切なプローブ補正
8
表示される方形波の水平部がフラットになるよ
4.
うに、マイナス・ドライバで調整します。
必要に応じて、他のチャンネルも繰り返します。
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
プローブの減衰率の設定方法
使用するプローブの 減衰率によって、オシロスコープに表示される 垂直
軸のスケールは 異なったものになります。プローブ・チェック機能によっ
て、オシロスコープ垂直軸 チャンネル・メニューのプローブ減衰率 設定
が、使用するプローブの減衰率 に合致しているかどうかを確認できます。
ここでは、オシロスコープの設定を、使用するプローブの減衰率に合わ
せる手順を説明します。変更するチャンネルの メニュー(MENU )ボタ
ンを押 し、表示されるメ ニューでプローブ を押 すたびに、減衰率が切り
替わります。使用するプローブの減衰率に設定します。
工場出荷時は、 10 X に設定されています。
注:
はじめに
P2200 型 電圧プローブで設定されている減衰率 と、オシロスコープの メ
ニューの減衰率 が同じ値になっていることを確認 してください。P2200 型
電圧プローブの減衰率 は、1×と 10×で切り替 えられます。
減衰率設定スイッチ
減衰比が1X に設定されている場合、P2200型 プローブはオシロス
注:
コープの周波 数帯域を 6 MHz に 制限します。オシロスコープの周波 数
帯域を 最大まで 利用したいときは、スイッチを 10 X にしてください。
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
9
はじめに
自己校正について
測定 時と前回の 自己校正実行時の周 囲温度差が 5 ℃ 以上ある場合、セル
フテストで異常が発生したり、測定 誤差が 大きくなったりします。高確
度測定のためには、測定の前に自己校正の 実行をおすすめします。
自己校正の 手順を次に示します。オシロスコープの入力コネクタからプ
ローブを外します。ユーティリティ(UTILITY)ボタンを押して、表示
されるサイド・メ ニューから 自己校正 を選択 し、スクリーンの指示に
従 います。
10
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
オシロスコープの基本的機能
この章 では、オシロスコープを操作する前に理解 しておくべ き事項を説
明します。各機能について次の順 に説明します。
H オシロスコープの設定
H トリガ
H 波形取り込み
H 波形のスケール、位置
H 波形測定
オシロスコープの主要 回路と、各回路の関係 を表したブロック・ダイア
グラム を次に示します。
各入力
チャンネル
外部トリガ
AC 電源
垂直軸
ゲイン
位置
トリガ
波形取込
モード
時間軸
波形レコード
2500
ポイント
表示
コンピュー
タ・インタ
フェース
TDS2CMA 型
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル
11
オシロスコープの基本的機能
オシロスコープの設定
オシロスコープを使用するにあたって、次の 3 つの機能を理解しておく
必要 があります。
オートセット(AUTOSET )
前面パネルの オートセット (AUTOSET )ボ タンを押すと機能します。
オシロスコープは、入力された信号から 、最適 な垂直軸 / 水平軸 スケー
ル、トリガ設定を自動的に調節 します。オートセットを実行すると、信
号のタイプによって、数種類 の自動測定がスクリーン上に表示されます。
設定の保存
設定の保存 方法には 2 種類 あります。ひとつは、オシロスコープの電源
がオフ になるときに自 動的に保存 されます。この場合の設定は、電源が
オフ になる直前の設定が保存 され、次の電源投入時に、自動的に呼び出
されます。設定を変更した場合、5 秒以上の間隔 をおいてから 電源を切っ
てください。
もうひ とつは、保存/呼出メ ニューを使用してオシロスコープのメモ リに
保存 する方法で、10 種類 までの設定を保存 できます。
設定の呼出
オシロスコープは、2 つの設定を呼び出すことができます。すなわち、
電源を切 る前に最後 に保存した設定、または工場出荷時 の設定(デフォ
ルト設定)を呼び出せます。工場出荷時設定については175 ページを参
照してください。
12
TDS 1000/TDS 2000 シリーズ ユーザ・マニュアル