Steinberg CUBASE LE User Manual [pt]

オペレーションマニュアル
本書の記載事項は、Steinberg Media Technologies GmbH社および株式会社スタインバーグ・ ジャパンによって予告なしに変更されることがあり、同社は記載内容に対する責任を負いませ ん。 本書で取り扱われているソフトウェアは、ライセンス契約に基づいて供与されるもので、ソフ トウェアの複製は、ライセンス契約の範囲内でのみ許可されます (バックアップ・コピー)。 Steinberg Media Technologies GmbH 社および株式会社スタインバーグ・ジャパンの書面に よる承諾がない限り、目的や形式の如何に関わらず、本書のいかなる部分も記録、複製、翻訳 することは禁じられています。本書に記載されている製品名および会社名は、全て各社の商標 および登録商標です。
Steinberg Media Technologies GmbH, 2004. all rights reserved. Japanese Edition :
©
Steinberg Japan Inc., 2004.
All rights reserved.
目次
7 プレイバックと
トランスポートパネル
8 背景 11 操作について 13 オプションと設定
17 レコーディング
18 背景 19 基本的なレコーディング方法 22
オーディオレコーディングについて
30 MIDI レコーディングについて 39 オプションと設定内容
43 プロジェクトウィンドウ
44 背景 46 ウィンドウについて 53 操作について 84 オプション
89 フォルダトラック
90 フォルダトラックについて 91 フォルダトラックを使用する
97 マーカーの使い方
98 マーカーの使い方 99 マーカーウィンドウ 102 マーカートラックの使い方
107 フェードとクロスフェード
108 オーディオのフェードを生成する 111 " フェード(Fade)" ダイアログ 114 クロスフェードを生成する 116 " クロスフェード(Crossfade)"ダイ
アログ
119 ミキサー
120 この章について 121 ミキサーの概観 127 オーディオチャンネルストリップ 129 MIDI チャンネルストリップ 130 コモンパネル 131 マスターセクション 132 "VST 出力(VST Outputs)" ウイン
ドウ
133 ミキシングの基本的な手順
137 オーディオチャンネルの基本的な
手順
148 MIDI チャンネルの基本的な手順 149 実践的な手順
155 オーディオエフェクト
156 背景 158 エフェクトの使い方 170 Cubase LE に組み込まれているエ
フェクト
171 エフェクトプラグインのインス
トールと管理
177 オートメーション
178 背景 181 オートメーションサブトラックの
操作
186 " オートメーション書込 / 読込オン
(Write / Read Automation)" 機能の使
い方
188 オートメーションカーブの操作 194 ヒントと一般的な使用方法 195 オプションと設定内容
197 ミキサーのリモートコント
ロール
198 背景 198 操作について
205 オーディオプロセッシング
とその機能
206 背景 207 オーディオプロセッシング
225 サンプルエディタ
226 背景 226 サンプルエディタを開く 227 ウィンドウについて 232 操作について 240 オプションと設定内容
243 オーディオパートエディタ
244 背景 244 オーディオパートエディタを開く 245 ウィンドウについて
Cubase LE
4目次
248 操作 249 一般的な操作 251 オプションと設定内容
253 ヒットポイントとスライス
を使った作業
254 背景 255 ヒットポイントの使用 258 ヒットポイントの編集 265 スライスを作成する 266 グルーブクオンタイズマップを作
成する
266 オーディオイベントの分割 267 " 隙間をつめる(Close Gaps)"機能
の使用
269 プール
270 背景 272 ウインドウのオーバービュー 276 操作について 292 オプションと設定内容
293 MIDI デバイスとパッチ
294 プログラムチェンジとバンクセレ
クトについて
295 "MIDI デバイスマネージャ(MIDI
Device Manager)" を開く
296 MIDI デバイスをインストールする 299 " インストール済みデバイス
(Installed Device)" のパッチを選択
する
300 デバイスのパッチ名称を変更する 301 新しくデバイスを構成する 304 デバイス設定の書き出し / 読み込み
MIDI リアルタイムパラメーター
305
306 はじめに 307 インスペクター - 一般的な操作 308 基本的なトラックの設定 310 " トラックパラメーター(Track
Parameters)"
314 " チャンネル(Channel)" セクショ
314 " 左右ロケータ−間の MIDI をマー
ジ(Merge MIDI in Loop)"
MIDI の各種機能とクオンタイズ
317
318 はじめに 319 " クオンタイズ(Quantize)" 328 その他の "MIDI" メニューの各機能 334 " パートを分解(Dissolve Part)"
337 MIDI エディタ
338 MIDI エディタについて 339 MIDI エディタを開く 340 キーエディタ - 概要 344 キーエディタの操作 363 リストエディタ - 概要 364 リストエディタの操作について 369 スコアエディタ - 概要 372 スコアエディタの操作 386 MIDI エディタのオプションと設定
内容
387 ドラムマップの使用
インプットトランスフォーマー
395
396 はじめに 399 フィルタリング条件を設定する 405 動作を指定する
409 テンポトラックエディタ
410 背景 411 テンポトラックエディタを開く 411 ウィンドウについて 414 操作について 418 オプションと設定内容 419 " テンポの計算(Beat Calculator)"
421 システムエクスクルーシブ
422 はじめに 422 バルクダンプ 425 システムエクスクルーシブパラ
メーターの変更をレコーディング する
426 システムエクスクルーシブメッ
セージを編集する
Cubase LE
目次 5
429 オーディオミックスダウン
のファイル書き出し
430 背景 431 オーディオミックスダウンのファ
イルを作成する
433 ファイルフォーマットについて
441 同期
442 背景 446 オプション
447 VST System Link
448 はじめに 449 準備 455 VST System Link をアクティブにす
462 応用例
465 ビデオ
466 背景 467 操作について 470 オプション
471 ReWire
472 ReWire について 473 起動と停止について 474 ReWire チャンネルの起動 475 トランスポートとテンポツマミの
使い方
476 Cubase LE の ReWireチャンネルの
操作方法
477 ReWire2 で MIDI のルーティングを
行う方法
477 注意事項と制限について
507 トラブルシューティング /
FAQ
508 よく寄せられる質問(FAQ)
511 メニューリファレンス
512 この章について 512
Cubase LE メニュー(Macintosh のみ)
513 " ファイル(File)" メニュー 517 " 編集(Edit)" メニュー 524 " プロジェクト(Project)" メニュー 525 " オーディオ(Audio)" メニュー 528 "MIDI" メニュー 532 " プール(Pool)" メニュー 535 " トランスポート(Transport)"
メニュー
537 " デバイス(Devices)" メニュー 539 " ウィンドウ(Window)" メニュー 540 " ヘルプ(Help)" メニュー
541 索引
479 ファイルの扱い方
480 ファイルの操作 495 オプションと設定内容
499 キーコマンド
500 背景 501 " キーコマンド(Key Commands)"
ダイアログ
505 ツール拡張キーを設定する
Cubase LE
6目次
1

プレイバックと トランスポートパネル

背景
"
この章では、Cubase LEのプレイバック機能とトランスポート機能をコントロールする 様々な方法について説明します。

トランスポートパネル

以下に、トランスポートパネルの各項目について簡単に説明します。
右ロケーター:パンチアウトポイントであり、 サイクルの終わりでもあります。
オートクオ ンタイズを アクティブにする
ポジションディスプレイ ナッジポジション - 右
ナッジポジション - 左
ポジションスライダー
プロジェクトの始めへ
巻戻し
メトロノームクリック オン/オフ
パンチイ ンを オンにする
早送り "停止(Stop)"ボタン
プロジェクトの終わりへ
左ロケーター:レコーディングの開始点、 パンチインポイント、サイクルの開始
"サイクル(Loop)" ボタン
パ ンチアウ ト をオンにする
" 開始(Start)"ボタン
プリロール 設定値
ポストロー 設定値
時間表示 フォーマット
" 録音(Record) ボタン
マスターテンポオン/オフ
同期オン /オフ
テンポと拍子の表示
主なトランスポート機能の"開始(Start)"、"停止(Stop)"、"サイクル(Loop)"、"録
音(Record)"は、ツールバーからも使用できます。
さらに、様々なプレイバックオプションが"トランスポート(Transport)"メニューに用 意されています。
Cubase LE
1-8 プレイバックと トランスポートパネル
パネルの表示/非表示
新しくプロジェクトを開始すると、デフォルト設 定によりトランスポートパネルが表 示されます。パネルの表示/非表示は、"トランスポート(Transport)"メニューから "ト
ランスポートパネル(Transport Panel)"を選択するか、対応するキーコマンド(デフォ ルト設定 - [F2]キー)を使います。
"プリロール(Preroll)"と"ポストロール(Postroll)"について
これらについては『レコーディング』の章(39ページ)で説明しています。
サイズを変更する
トランスポートパネルのどの部分を表示するか 設定することで、トランスポートパネ ルのサイズを変更できます。トランスポートパネルエリアのどこかを Windows の場合
右クリック、Macintosh の場合 [Control]キーを押しながらクリックすると、ポップアッ プメニューが表示されます。このメニューで、必要 に応じてトランスポートパネルの
各エレメント表示のオン/オフができます。
プレイバックと トランスポートパネル 1-9
Cubase LE

テンキーパッド

コンピュータのテンキーパッドに、キーコマンドのデフォル ト設定として、トランス ポートパネルでの様々な操作が割り当てられています。Windowsと Macintoshでは、設
定がわずかに違います。
Windows:
"サイクル(Loop)"オン/オフ "録音(Record)"
Num
マーカーロケーター
Lock
7 8 9
x
巻戻しオン /オフ
早送りオン/ オフ
右ロケーターへ
左ロケーターへ
"停止(Stop)"
Macintosh:
"サイクル(Loop)"オン/オフ
マーカーロケーター
右ロケーターへ
左ロケーターへ
"停止(Stop)"
4 5 6+
1 2 3
0
num lock
,
= / *
Enter
7 8 9
4 5 6 +
1 2 3
enter
0
,
"開始(Start)"
ゼロに戻る
" 録音(Record)"
巻戻しオン /オフ
早送りオン/オフ
"開始(Start)"
ゼロに戻る
Cubase LE
1-10 プレイバックと トランスポートパネル

操作について

プロジェクトカーソルのポジションを設定する

プロジェクトカーソルのポジションを移動するには、次のような方法があります。
早送り/巻戻しを行う
プロジェクトカーソルをドラッグする
ルーラーの上をクリックする ルーラーを直接ダブルクリックすると、" 開始(Start)"と" 停止(Stop)" が切り換えら れ、あらたなポジションにカーソルが配置されます。
"初期設定(Preferences)"の"トランスポート(Transport)"ページで"空のエリアをクリッ クしてカーソル配置(Locate When Clicked in Empty Space)"オプションがアクティブに なっている 場合、プロ ジェク トウイン ドウのどこか 空白部分 をクリ ックす ることに よって、カーソルのポジションを動かすことができます。
ポジションディスプレイの値を変更する
ポジションスライダーを使う ポジションスライダーの範囲は、"プロジェクトの設定(Project Setup)"ダイアログの" 長さ(Length)" と連動しています。した がって、スライダーを右端まで動かすと、プ
ロジェクトの終わりに達します。 ナッジポジションボタンを使う(12ページ参照)
マーカーを使う(98ページ参照)
プレイバックオプションを使う(14ページ参照)
"トランスポート(Transport)"メニューにある機能を使う
以下の機能があります。
機能 説明
"カーソルを選択範囲の 始めに設定Locate Selection)"
"カーソルを次/前の マーカーに設定
Locate Next /
Previous Marker)"
"カーソルを次/前の イベントに設定
Locate Next /
Previous Event)"
● プロジェクトカーソルをドラッグする際に、スナ ップをオンにしておくと、正確なポ ジションを見つけやすくなります。
プロジェクトカーソルが、選択範囲の開始ポジション(左ロ ケーター)に移動します。この場合、1 つ以上のイベントを 選択するか、選択範囲を作成しておく必要があります。
現在位置から 近い前 後のマ ーカー位 置にプロジェクトカー ソルが移動します(98ページ参照)。
選択されているトラック上の、現在位置から近い前後にある
「イベント」の開始ポジション(以降にイベントがなければ、
いまのイベントの終了ポジション)に、プロジェクトカーソ ルが移動します。
Cubase LE
プレイバックと トランスポートパネル 1 -11
トランスポートパネルの時間表示フォーマットについて
トランスポートパネルの時間の単位は、ルーラーに表示される 時間の単位と別のもの にできます。たとえば、トランスポートのポジションディスプレイでは、「タイムコー
ド」を表示しておいて、ルーラーでは「小節/ビート」を表示する、といったことがで きます。ただし、次の規則があります。
トランスポートパネルで時間表示フォーマットを変更すると 、その設定がプロジェク トに対して「グローバル」に適用されます。
"プロジェクト設定(Project Setup)" において 時間表示フォーマットを変更することと 同じ動作となります。したがって、ルーラーとトランスポートの 時間表示フォーマッ
トを異なるものにするには、後でルーラーの設定を変更する必要があります。
トランスポートパネルの時間表示フォーマットは、ポジション ディスプレイの右にあ
るポップアップメニューで設定します。
この設定によって、左ロケーターと右ロケーターの時間表示フ ォーマットも決まりま す。
ナッジポジションボタンの使い方
"+"と"-"のボタンが、ポジションスライダーの左側にあります。これらはそれぞれ、プ ロジェクトカーソルのポジシ ョンを左右に移動(ナ ッジ = Nudge)するものです。移
動量はトランスポートパネルで選択した時間表示フォーマットによって異なります。
"秒(Seconds)"フォーマットの場合、ポジションは秒単位で移動します。
フレームベースのフォーマット("FPS(fps)"、あるいは "DFPS(dfps)")の場合、ポ ジションはフレーム単位で移動します。
"小節/拍(Bars+Beats)"フォーマットの場合、ポジションはティック単位で移動します
(4分音符 = 480ティック)。
"サンプル数(Samples)" フォーマットの場合、ポジションはサンプル単位で移動しま す。
Cubase LE
1-12 プレイバックと トランスポートパネル

オプションと設定

"停止時に開始位置に戻る(Return To Start Position on Stop)"について
ストップボタンを押したときのプロジェクトカ ーソルの動作を設定するものです。こ れは、"初期設定(Preferences)"の"トランスポート(Transport)"ページで設定します。
1. Windowsの場合"ファイル(File)"メニュー、Macintoshの場合 "Cubase LE"メニューか ら"初期設定(Preferences)"を開いて、"トランスポート(Transport)" を選択します。
2. " 停止時に開始位置に戻る(Return to Start Position on Stop)"をオン、またはオフにし ます。
オンにした場合は、プロジェクトカーソルは、"停止(Stop)"ボタンを押すと、レコー
ディング、あるいはプレイバックを開始したポジションに自動的に戻ります。
オフにした場合は、プロジェクトカーソルは、"停止(Stop)"ボタンを押したポジショ
ンにとどまります。
もう一度 " 停止(Stop)" ボタンを押すと、プロジェクトカーソルは、さきほどレコー ディング、あるいはプレイバックを開始したポジションに自動的に戻ります。
3. "OK"ボタンをクリックして設定を有効にし、"初期設定(Preferences)"を閉じます。

"トラックを無効/ 有効にする(Disable / Enable Track)"について

トラックのクイックメニューに、"トラックを無効にする(Disable Track)"という項目 があります。このオプションは、そのトラックに対 応するディスクの動作をシャット
ダウンするもの です。ミュート は、トラックの 出力ボリュー ムを落とすだけなので、 違う働きです。
「代替テイク」をレコーディングすることが多い場合、トラックがミュートされていて
も、実際にはハードディスクから「プレイバッ ク」されているので、そのテイクの数 が膨大ならば効率は悪くなります。このことは、デ ィスクシステムにとって余分な負
荷となるので、"トラックを無効にする(Disable Track)"を使うことをお薦めします。
後でレコーディングを評価したり、編集するつもりで、代替テイクを大量に別のトラッ クにレコーディングした場合などに、とりあえず使用しないトラックは"トラックを無
効にする(Disable Track)"としておきます。
"トラックを無効にする(Disable Track)"としたトラックを復帰させる場合は、トラッ クのクイックメニューから"トラックを有効にする(Enable Track)"を選択します。
プレイバックと トランスポートパネル 1 -13
Cubase LE

プレイバックオプション

トランスポートパネル標準のコントロールとは別に、"トランスポート(Transport)"メ ニューにも、プレイバックをコントロールするためのオプシ ョンがあります。次の機
能があります。
オプション 説明
"選択開始位置から再生
Play from Selection Start)"
"選択終了位置から再生
Play from Selection End"
"選択開始位置まで2秒再生
Play until Selection Start)"
"選択終了位置まで2秒再生
Play until Selection End)"
"次のマーカーまで再生
Play until Next Marker)"
"選択範囲を再生
Play Selection Range)"
"選択範囲を反復再生
Loop Selection)"
● これらのオプションは"次のマーカーまで再生(Play until Next Marker)"を除いて、イ ベント(複数選択含む)を選択し たとき、または選択 範囲(Range)を設定したとき
に有効です。
現在の選択範囲の始めからプレイバックします。
現在の選択範囲の終わりからプレイバックします。
現在の選択範囲 の始めの 2 秒前か らプレイバ ックし、 選択範囲の始めで停止します。
現在の選 択範 囲の終 わり の 2 秒前からプレイバック し、選択範囲の終わりで停止します。
現在のプロジェクトカーソルからプレイバックし、次 のマーカーで停止します。
現在の選択範囲の始めからプレイバックし、選択範囲 の終わりで停止します。
現在の選択範囲を繰り返してプレイバックします。
Cubase LE
1-14 プレイバックと トランスポートパネル

"整合性(Chase)"について

"整合性(Chase)" 機能は、基本的には、新しいポジションにロケートしてプレイバッ クを始める際に、MIDI機器が設定したサウンドを間違いなくプレイバックするように
させる機能です。 プロジェクトの新しいポジションに移動してブ レイバックを開始する際に、すべての
MIDI機器がプログラムチェンジや各種のコントロールメッセージ(MIDIボリューム、 パン情報など)を正しくセットアップし、多くの MIDI メッセージを、選択した MIDI
機器に出力します。 たとえば、プログラムチェンジのイベントが冒頭に挿入されているMIDIトラックがあ
るとします。このイベントはシンセサイザーをピアノサウンドのプログラム に変更します。また、第1コーラスの始めには、そのシンセサイザーをストリングスサ
ウンドのプログラムに変更する、別のプログラムチェンジのイベントがあるとします。
この曲をプレイバックすると、まずピアノサウンドで始まり、次にストリングスに変わ ります。その第1 コーラスの途中でプレイバックを停止し、1 つ目(ピアノ)と 2つ目
(ストリングス)のプ ログラムチ ェンジの間 のポジション まで巻き戻し、再びブレイ
バックします。
すると、この部分は本来、ピアノサウンドでプレイ バックしなければならないのです が、シンセサイザーはストリングスのプログラムで演奏してしまうでしょう。
"整合性(Chase)" 機能は、これをうまく処理します。プログラムチェンジイベントを チェイスするようにセットアップすると、Cubase LE は、プレイバックを始める際に、
MIDI情報をプロジェクトの冒頭まで検索し、1つ目のプログラムチェンジを見つけ、こ れをシンセサイザーに出力します。これで正しいサウンドがセットアップされます。
他のイベ ントタイ プも同 様の動 作を行います。"初期設定(Preferences)"の"MIDI" ­"データの整合性を考慮(Chase EventsFilter)"ページの"データの整合性を考慮(Chase
Events Filter)"ダイアログで、新しいポジションにロケートしプレイバックを始めると き、どのイベントタイプをチェイスするか選択します。
このダイアログで、チェックボックスがアクティ ブになっているイベントはチェイス されません。
プレイバックと トランスポートパネル 1 -15
Cubase LE
Cubase LE
1-16 プレイバックと トランスポートパネル
2

レコーディング

背景
この章 では、Cubase LE における 様々なレコ ーデ ィン グ方 法につ いて 説明 しま す。 Cubase LEでは、オーディオトラックとMIDI トラックの両方についてレコーディング
が可能で、この章では、両方のレコーディング方法について説明します。
準備
この章は、ユーザーがレコーディングの基本的な概念につい て、ある程度の知識があ り、また以下の準備が完了していることを前提とします。
オーディオハードウェアのセットアップ、接続、キャリブレーシ ョンが正しく行われ ていること。
これらについては『入門マニュアル』で解説しています。
プロジェクトが開かれて、あるいは作成されて、"プロジェクトの設定(Project Setup)"
が希望どおりに設定されていること。
"プロジェクトの設定(Project Setup)"の設定によって、プロジェクトで作成するオー ディオレコーディングのファイルフォーマット、サンプルレ ート、プロジェクトの長
さが決まります(53ページ参照)。
MIDIレコーディングを計画している場合は、MIDI機器のセットアップと接続が正しく 行われている必要があります。
『入門マニュアル』をご参照ください。
Cubase LE
2-18 レコーディング

基本的なレコーディング方法

この項では、レコ ーディング の一般的な 方法につい て説明します。ただし、他にも、 オーディオレコーディングとMIDIレコーディングの際には、それぞれの準備と手順が
あります。レコーディン グを行う前に、必ず該 当の項をお読み ください(22 ページ
30ページ参照)。

トラックをレコーディング可能にする

Cubase LEは、単一のトラックにレコーディングすることも、同時に複数のトラックに レコーディングすることもできます。トラックを レコーディング可能な状態にするに
は、インスペクター、ミキサー、または「トラック リスト」にある、そのトラックの "録音オン(Record Enable)"ボタンをクリックします。このボタンは、オンにすると赤
く点灯して、レコーディング待機状態であることを示します。
インスペクター、ミキサー、トラックリストの "録音オン(Record Enable)" ボタン
"初期設定(Preferences)"の"編集操作(Editing)"ページで、"選択トラックを自動的に
録音可能に設定(Enable Record on Select Track)"オプションをオンにすると、トラック リストでトラックを選択した際に、ただちにそのトラックの"録音オン(Record
Enable)" がオンになります。
最大で48オーディオトラックを作成できますが、実際に同時にレコーディングできる
オーディオトラック数はご使用のコンピュータのCPUとハードディスクの処理能力に 依存します。
さらに、オーディオの物理入力を超える数のオー ディオトラックをレコーディングし ても、トラックとオーディオファイルが重複して 作成されるだけで、これは無意味で
す(22ページ参照)。
Cubase LE
レコーディング 2 -19

レコーディングを手動で開始する

レコーディングを開始する には、トランスポ−ト パネル、またはツー ルバーの "録音
(Record)"ボタンをクリックするか、あるいは対応するキーコマンド(デフォルト設定-
テンキー上の[*]キー)を使います。 停止状態から、レコーディングを開始できます(現在のカー ソルポジション、または
「左ロケーター」から)。
停止状態からレコーディングを開始して、かつ"トランスポート(Transport)"メニュー
で"左ロケーター位置から録音開始(Start Record at Left Locator)" がオンになっている 場合、レコーディングは左ロケーターから開始します。 このモードでは、"プリロール(Preroll)"の設定値、ま たは " メトロノームの設定
(Metronome Setup)"-"プリカウント(Precount)" の設定が適用されます(39 ページ
照)。
停止状態から、レコーディングを開始して、かつ"左ロケーター位置から録音開始(Start Record at Left Locator)" がオフになっている場合、レコーディングは現在のプロジェク トカーソルのポジションから開始されます。
プレイバック中に"録音(Record)"ボタンをクリックすると、Cubase LE はただちにレ コーディング状態になり、レコーディングが現在のプロジェク トカーソルのポジショ ンから開始されます。 これは「マニュアルパンチイン」と呼ばれています。

レコーディングを自動的に開始させる

Cubase LEは決められたポジションで、自動的にプレイバックとレコーディングを切り 換えることができます。これは「オートパンチイン」と呼ばれ ています。あるレコー
ディング部分を、ほかのレコーディング内容と交換したいとき、また、前にレコーディ ングしたオーディオを聞いてから、レコーディング開始ポジシ ョンから実際にレコー
ディングする、という手順にしたいときなどに、この機能を使います。
1. 左ロケーターをレコーディングの開始ポジションに設定します。
2. トランスポートパネルで、パンチインボタンをオンにします。
パンチインがオンになった状態
3. 左ロケーターよりも若干手前のポジションで、プレイバックを開始します。
プロジェクトカーソルが左ロケーターに達すると、レコーディ ングが自動的に開始し ます。
Cubase LE
2-20 レコーディング

レコーディングを停止する

この操作も手動と自動の2通りの方法があります。
トランスポートパネルの " 停止(Stop)" ボタンをクリックすると(デフォルト設定の
キーコマンド− - テンキーの[0]キー)、レコーディングを停止し、Cubase LEは"停止 状態になります。
"録音(Record)" ボタンを押すか、キーコマンド(デフォルト設定 - [* ] キー)を押す
と、レコーディングは終了しますが、プレイバックは継続します。
これは「マニュアルパンチアウト」と呼ばれています。
トランスポートパネルで、パンチアウトボタンが オンになっていると、レコーディン グはプロジェクトカーソルが右ロケーターに達したときにオフになります。
これは「オートパンチアウト」と呼ばれています。こ れをオートパンチインと組み合 わせると、レコーディングしたいセクションをあ らかじめ選択しておくことができま
す。これも、レコーディング内容の一部を交換したい場合に、大変便利な機能です(39
ページ参照)。
パンチインとパンチアウトがオンになった状態

サイクルレコーディング

Cubase LEでは、サイクル(ループ)状態でレコーディングを行うことができます。サ イクルの開始ポジションと終了ポジションは、左 ロケーターと右ロケーターによって
指定します。サイクル機能がオンになっているときは、"停止(Stop)"ボタンを押すま で、あるいはサイクルモードをオフにするまで、選 択されたセクションが継続的に反
復されます。
サイクルモードをオンにするには、トランスポートパネルで、"サイクル(Loop)"ボタ ンをクリックします。
ここでプレイバックを開始すると、左ロケーターと右ロケーターの間のセクションが、 "停止(Stop)"ボタンを押すまで、いつまでも反復されます。
サイクルモードがオンになった状態
サイクルモードでのレコーディングは、停止状 態、またはプレイバック中から、左ロ
ケーター、両ロケーターの手前、またはサイクルし ているセクションの内部から開始 することができます。
プロジェクトカーソルは、右ロケーターに達する と、ただちに左ロケーターにジャン プし、引き続き新しい「ラップ」(もしくは「テイク」)のレコーディングを行います。
サイクルレコーディングの結果は、オーディオの場合(29ページ参照)と、MIDIの場 合(35ページ参照)で、異なります。
Cubase LE
レコーディング 2 -21

オーディオレコーディングについて

入力をアクティブにする/選択する

複数の物理入力を備えたオーディオハードウェアを使って、異 なる入力を別々のオー ディオチャンネルにルーティングできます。入力をアクティブにするには、まず"デバ
イス(Devices)"メニューの"VST入力(VST Inputs)"ウィンドウを開きます。
● 各入力をアクティブにすると、当然ながらコンピューターの処理パワーを消費します。 実際に使用する予定の入力以外は、アクティブにしておかないようにしましょう。
"VST入力(VST Inputs)"ウィンドウは、次の 3つのコラムに分かれています。 左の"Port" コラムは、オーディオハードウェアの使用可能な物理入力ポートを表示しま
す。 中央の"Active" コラムは、アクティブになっている入力ペアを表示します。入力ペアの
オン/オフを切り換えるには、このコラムのボタンをクリックします。 右の"Label" コラムには、Cubase LE上で使用する、各入力の名称を表示します。入力の
名称は変更可能で、このコラムをクリックして新しい名称を入力します。
● 現在使用中(1つ、または複数のオーディオチャンネルの入力ソースとして選択されて いる)の入力ペアをオフにしようとすると、Cubase LE に、それらの 入力を再度設定
(使用中のチャンネルの入力ソースを変更)し直すか尋ねてきます。
Cubase LE
2-22 レコーディング
アクティブにした入力をチャンネルにルーティングする
トラックに対応するチャンネルの入力ソース の選択は、ミキサーで行います。手順は 以下のとおりです。
1. " デバイス(Devices)"メニューから" ミキサー(Mixer)"を開きます。
2. レコーディングしたいオーディオトラックに対 する、ミキサーのチャンネルストリッ プを見つけます。
3. そのミキサーストリップの"イン(IN)"ポップアップメニューをプルダウンして、レ コーディングしたいソースに接続されている入力を選択します。

レコーディングファイルフォーマットを選択する

レコーディングファイルのフォーマットは、" プロジェクト(Project)" メニューの " プ ロジェクトの設定(Project Setup)"ダイアログで設定されます。3つの設定があります-
サンプルレート、レコーディングフォーマット(bitデプス)、ファイルタイプ -サンプ ルレートは新しいプロジェクトを開始する時に 決められますが、ビットデプスと録音
ファイル形式はいつでも変更可能です。
レコーディングフォーマット(ビットデプス)
使用可能なオプションは、16bit、24bitフォーマットです。以下を参考に、選択してご使 用ください。
通常は、使用しているオーディオハードウェアに よって伝達される(または使用可能
な)ビットデプスにしたがって、レコーディングフォーマットを選択してください。 たとえば、オーディオハードウェアが「20bitA/Dコンバータ(入力)」であれば、フル
ビットでとらえ るためには「24bit」でレコーディングす るのが良い でしょう。一方、 オーディオが「16bit」入力ならば、高いビットデプスでレコーディングするのは無意
味です。オーディオファイルが大きくなるだけで、音質は変わりません。 ビットデプスが高くなるほど、ファイルは大き く、ディスクシステムに対して、負荷
が高くかかります もし、これが問題となるのであれば、レコーディン グフォーマットを下げた方が良い
でしょう。
Cubase LE
レコーディング 2 -23
レコーディングファイルタイプ
オーディオのレコーディングを行う際に、どのファイルタイ プで記録するか、選択し ます。
種類 説明
"Waveファイル
(Wave File)"
"AIFFファイル
(AIFF File)"
Wave ファイルの拡張子は".wav" で、Windows プラットフォー ムで最も広く使用されている標準フォーマットです。
AIFF(Audio Interchange File Format)ファイルはアップルコ ンピュータ社の定義に よる 標準 フォー マットです。拡張 子は ".aif"で、ほとんどのプラットフォームで使用されています。

モノラル/ステレオレコーディングのトラックを設定する

オーディオのレコーディングを行う前に考えるべき事項のひ とつとして、レコーディ ングをモノラルで行うか、ステレオで行うか、という問題があります。これは、レコー
ディング対象として選択したオーディオトラックの、ステレオ/モノラルステータスに よって決まります。
トラックをモノラル、あるいはステレオに設定するには、イ ンスペクター、またはト ラックリストの"ステレオ/モノラル(Stereo / Mono)" ボタンをクリックします。
「二重丸」の黄色のボタンが点灯している場合はステレオ トラック、「丸」のグレーの
ボタンとなっている場合はモノラルトラックです。
"ステレオ/ モノラル(Stereo / Mono)"ボタン
● モノラル/ ステレオ互換の詳細は、65ページをご参照ください。
Cubase LE
2-24 レコーディング

モニタリング

ここでいう「モニタリング」とは、レコーディング 中に入力信号を聴くことです。そ れには、根本的に異なる3 通りの方法があます。それは、Cubase LEを介したモニタリ
ング、外部モニタリング(オーディオ信号がCubase LEに達する前に聴く)、ASIOダイ レクトモニタリング(26ページ参照)です。
Cubase LEを介したモニタリング
Cubase LE を介し てモニタリング を行う場合、オーデ ィオプレイバッ クと入力信号は ミックスされます。このメリットは、モニタリン グレベルを調整して、ミキサーでパ
ンニングができること、また、エ フェクトと EQ をプレイバック中と同じようにモニ ター信号に追加できることです。しかし、Cubase LEを介すことで「モニタリングディ
レイ」が発生してしまいます。つまり、モニター信号が「レイテンシー値」(オーディ オハードウェアとドラ イバ に依 存)に応 じて遅延してし まう ので す。したがって、
Cubase LE を介し たモニタリング を行うときは、オー ディオハードウ ェアのレイテン シー値を、可能な限り低く設定しなければなりません(『入門マニュアル』参照)。
Cubase LEを介してモニタリングを行う際は、"初期設定(Preferences)"の"VST"ページ
-"自動モニタリング(Auto Monitoring)"メニューで、以下の4つのモニタリングモード から1つ選択できます。
"手動(Manual)"
インスペクター、トラックリスト、またミキサーの " モニタリングオン(Monitor)"ボ タンをクリックして、入力モニタリングのオン/オフを切り換えます。
"録音待機時(While Record Enabled)"
トラックが"録音オン(Record Enable)"モードになると(待機状態、またはレコーディ ング動作中ともに)入力モニタリングが自動的にオンになります。
"録音中(While Record Running)"
レコーディング動作中のみ、入力モニタリングが自動的にオンになります。
"テープマシンスタイル(Tapemachine Style)" 標準のテープレコーダーの動作がエミュレート されます。停止状態での入力モニタリ ング、およびレコーディング動作中はモニタリングが自動的にオンとなり、プレイバッ
ク中は自動的にオフとなります。
レコーディング 2 -25
Cubase LE
外部モニタリング
外部モニタリング(Cubase LE に達する 前に入力信号 を聴く方法)を行 うには、オー ディオプレイバックと入力信号をミックスするための、外部ミキサーが必要です。
この場合、外部ミキサーは、入力オーディオを外部へ戻す機能(通常「スルー」、「ダ イレクトスルー」などと呼ばれています)が備わっている限 り、スタンドアロンの物
理ミキサーで も、使用し ている オーディ オハードウェア に適合 したミ キサーア プリ ケーションでもかまいません。
外部モニタリングで使用する場合、モニター信号のレベルをCubase LEで制御すること はできません。また、VSTエフェクトやEQをモニター信号に追加することもできませ
ん。そして、オーディオハードウェアのレイテンシー設定値は、このモードのモニター 信号には影響しません。
外部モニタリングを行う場合は、Cubase LEを通したモニタリングが同時にアクティブ
になっていないことを確認してください。 "初期設定(Preferences)"の"VST"ページ - "自動モニタリング(Auto Monitoring)"で"手 動(Manual)" を選択している 場合は、アクティブになっ ている " モニ タリングオン
(Monitor)" ボタンをオフにしてください。
ASIO"ダイレクトモニタリング(Direct Monitoring)"
"ASIO 2.0" 対応のオーディオハードウェアを使用している場合は、 ASIOダイレクトモ ニタリングがサポートされている可能性があります。
このモードでは、実際のモニタリングは、入力信号を外部に 戻す、という作業をオー ディオハードウェアが実行します。ただし、モニタリングの制御はCubase LE上から行
うことができます。このことは、Cubase LE内部でモニタリングする場合と同様に、オー ディオハードウェアのダイレクトモニタリング機能を、Cubase LEによって自動的にオ
ン/オフを切り換えることができることを意味しています。 ASIOダイレクトモニタリング機能を使うには、"デバイス(Devices)"メニューの"デバ
イス設定(Device Setup)"ダイアログを開いて、"VST Multitrack"の"設定(Setup)"タブ にある、"ダイレクトモニタリング(Direct Monitoring)" をオンにします。 このチェックボックスがグレーで表示されているときは、オーディオハードウェア(あ
るいは現在のドライバ)が、ASIOダイレクトモニタリング機能をサポートしていない ことを意味しています。詳細はオーディオハードウェアのメー カーにお問い合わせく
ださい。 "ダイレクトモニタリング(Direct Monitoring)"機能がオンになっているときは、Cubase
LEを介してモニタリングする場合(25 ページ参照)と同様に、"初期設定(Prefer-ences)" の"VST"ページでモニタリングモードを選択できます。
オーディオハードウェアの種類によっては、モニタリングレ ベルとパンニングも、専
用のミキサーで調整できます。 詳細はオーディオハードウェアの取り扱い説明書をご覧ください。
このモードでは、モニター信号はCubase LEを通過しないため、エフェクトとEQをモ ニター信号に追加できません。
オーディオハ ードウ ェアの種 類によ っては、ダイレクト モニタ リング に使える オー ディオ出力について、特殊な制約が設けられている場合もあります。 オーディオハードウェアのルーティングの詳細は、ハードウェ アの取り扱い説明書を ご覧ください。
Cubase LE
2-26 レコーディング
ASIOダイレクトモニタリング機能を使用しているときは、オーディオハードウェアの
レイテンシー設定値はモニター信号には影響しません。

入力レベルを設定する

あるチャンネルをモ ニタリングす るときに、Cubase LE が停止状態である場合、メー ター表示を行い、そのメーターはオーディオチャ ンネルに対して選択された入力のレ
ベルを示して います。したが って、接続さ れた信号ソ ースが「鳴っている」ときは、 そのチャンネルのトラックリストとミキサーの両 方でレベルをメーター表示するはず
です。
● ミキサーのフェーダーを使って、入力ゲインを設定することはできません。
入力メーター表示機能を使って、Cubase LEへの入力レベルをチェックし、必要ならば その入力レベルを、以下のいずれかの方法で調整します。
音源や外部ミキサーの出力レベルを調整する
オーディオハードウェアが独自に持つアプリケ ーションを使って、入力レベルを調整 する(プログラムが用意されている場合)
オーディオハードウェアの取り扱い説明書をご覧ください。
ASIOコントロー ルパネルをサ ポートするオ ーディオハードウェアを使っている場合
は、入力レベルの設定が可能な場合もあります。
ASIOコントロールパネルを開くには、"デバイス(Devices)"メニューから"デバイス設 定(Device Setup)"を開き、"VST Multitrack" - " 設定(Setup)"タブにある"コントロール
パネル(Control Panel)"ボタンをクリックします。
● 入力レベルは、±0dBを越えないように、しかもできるだけ高く設定します。
レコーディング 2 -27
Cubase LE

レコーディング

レコーディングは、一般的なレコーディング方法(19ページ参照)で行います。レコー ディングが終わったときには、プ ロジェクトフォル ダ内の "Audio"フ ォルダに、オー
ディオファイルが作成されています。プールには、そのオーディ オファイルに対する オーディオクリップが作成されます。そして、クリップ全体をプ レイバックするオー
ディオイベントが、レコーディングしたトラックに現われます。最後に、そのオーディ オイベントの波形イメージが計算されます。レコーディングが非常に長かった場合は、
この作業にもしばらく時間がかかる可能性があります。
"初期設定(Preferences)"-"オーディオ(Audio)"ページで、"録音中に波形イメージを 作成(Create Images during Record)" オプションがオ ンになっているとき、波形イメー
ジは実際のレコーディング中に算出されて、表示されます。 リアルタイムで算出するには処理能力を要するため、このオ プションは、非常に高性 能なコンピューターシステムを備えている場合のみ、オンにしてください。
レコーディングを元に戻す(アンドゥ)
完了したばかりのレコーディングが気に入らない場合は、"編集(Edit)"メニューの"元 に戻す(Undo)"を選択して、削除できます。削除すると以下の操作が行われます。
作成したばかりのイベントはプロジェクトウィンドウから削除されます。
プールにあるオーディオクリップは、"ごみ箱(Trash)"フォルダに移動します。
レコーディングされたオーディオファイルはハードディスクからは削除されません。 ただし、対応するクリップが "ごみ箱(Trash)" フォルダに移されているので、プール を開いて"プール(Pool)"メニューの"ごみ箱を空にする(Empty Trash)" を選択すれば、
それらのファイルを削除できます。
オーバーラップとオーディオトラックについて
すでにレコーディン グ済みのトラ ックに、新たに レコーディン グを行おうとすると、 前のレコーディングにオーバーラップして、新しいイベント が作成されます。プレイ バック時には、実際に「表示されているイベント」しかプレイバックされません。
●1つのオーディオトラックは、1度に1 つのオーディオイベントしかプレイバックでき ない原則です。
オーバーラップしているイベントを管理するために、"編集(Edit)"メニュー(70ペー
参照)- "移動(Moveto)"の"前面に出す(Front)"機能と"背面に送る(Back)"機能を
使うと便利です。次ページ以降をご参照ください。
Cubase LE
2-28 レコーディング

サイクルモードでオーディオをレコーディングする

サイクルモードでオーディオのレコーディングを行うと、以下のようになります。
レコーディングプロセス全体で、1つの連続したオーディオファイルが作成されます。
サイクルの各ラップに対し、1つのオーディオイベントが作成されます。 イベントの名称として、オーディオファイル名に"テイクX(Take X)"というテキスト が付されます。"X"は、テイク数を示します。
最後のテイク(ラップ)が、一番手前に表示され ます(したがって、プレイバック時 は、このテイクが聞こえます)。
別のテイクをプレイバックする手順は、以下のとおりです。
1. イベントをWindowsの場合右クリック、Macintoshの場合 [Control]キーを押しながらク リックして現れるポップアップメニューから、" 前へ(To Front)"を選択します。
サブメニューが現われ、(隠れている)他のすべてのイベントがリスト表示されます。
2. 希望のテイクを選択します。
対応するイベントが手前に表示されます。
この方法から、以下のようにして、各テイクの 最も「優れた」部分を簡単に組み合わ せることができます。
1. 「はさみツール」で、テイクの各パート = 1セクションと対応するよう、イベントをい くつかのセクションに分割します。
(各テイクに)ボーカルの4 ラインをレコーディングした場合、各ラインが別々のイベ
ントとなるように、イベントを分割します。
分割したイベント オリジナルのテイクイベントは、互いにオーバーラップするため、 同じポジションですべてのテイクを「はさみツール」で分割します。
2. テイクの各セクションに対し、" 前へ(To Front)"機能を用いて、最も良いテイクを手 前に移動します。
このようにして、あるテイクの最初のボーカルライン、別のテイクの2 番目のライン、 というように、各テイクの最も良い部分を簡単に組み合わせることができます。
オーディオパートエディタを使って「パーフェク トなテイクを構成する」こともでき ます(249ページ参照)。
Cubase LE
レコーディング 2 -29

MIDIレコーディングについて

"MIDIスルーオン(MIDI Thru Active)"機能をオンにする

『入門マニュアル』で解説しているとおり、MIDIを使って作業する場合は、Cubase LE
の"MIDIスルー(MIDI Thru)"機能をオンにして、MIDI機器は "Local Off"の設定にして おきます。つまり、レコーディング中にプレイバックす る音(ノート)はすべて、レ
コーディングトラックに対して選択されたMIDI 出力ポート、および MIDI チャンネル に「エコーバック」されます。
1. "初期設定(Preferences)"の"MIDI"ページで"MIDIスルーオン(MIDI Thru Active)"がオ ンになっていることを確認します。
2. レコーディングしたいMIDI トラックに対して、"録音オン(Record Enable)"ボタンを オンにします。
これで、入力させるMIDI 情報は、レコーディング可能にされたすべての MIDI トラッ クにスループットされます(トラックを経由して、かつトラ ックの設定に沿って、そ
のまま出力します)。
"録音オン
(Record Enable)"ボタン
レコーディングをせずに、MIDIトラックをスループットしたいときは、そのトラック の"モニタリングオン(Monitor)" ボタンをアクティブにします。
これは、たとえば MIDI による演奏をレコーディングせずに、リアルタイムで異なるサ ウンドを試したり、VSTインストゥルメントを演奏したい時に役立ちます。
"モニタリングオン
(Monitor)" ボタン

MIDIチャンネル、入力/出力ポートを設定する

MIDI機器のMIDIチャンネルを設定する
ほとんどのMIDI シンセサイザーは、同時に複数のサウンドを別個の MIDI チャンネル で鳴らすことができます。だからこそ、1つの MIDI 機器で複数の音(ベース、ピアノ
など)をプレイバックできるのです。 MIDI機器の中には、常に16個の MIDI チャンネルすべてを受信できるものがあります
(GM対応のMIDI音源など)。そのようなMIDI機器を使用する場合には、特に設定すべ
て、いくつかの「パート」、「ティンバー」など設定部分において、1つずつのMIDIチャ ンネルで受信されるように、設定をしておく必要があります。詳細は各MIDI機器の取
り扱い説明書をご覧ください。
Cubase LE
2-30 レコーディング
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