取扱説明書
この機器を正しくお使いいただくために、ご使用前に『安全上のご注意』(P.3 〜 P.4)と『使用上のご注意』
(P.5 〜 P.6)をよくお読みください。
また、この機器の優れた機能を十分ご理解いただくためにも、取扱説明書をよくお読みください。
取扱説明書は必要なときにすぐに見ることができるよう、手元に置いてください。
2007 ローランド株式会社 本書の一部、もしくは全部を無断で複写・転載することを禁じます。
©
取扱説明書の英語版(有料)をご希望の方は、販売店にお問い合わせください。
If you should require an English Owner’s Manual (at a modest fee), please contact an authorized Roland distributor.
安全上のご注意
安全上のご注意
火災・感電・傷害を防止するには
注意の意味について警告と
取扱いを誤った場合に、使用者が
警告
注意
死亡または重傷を負う可能性が想
定される内容を表わしています。
取扱いを誤った場合に、使用者が
傷害を負う危険が想定される場合
および物的損害のみの発生が想定
される内容を表わしています。
※物的損害とは、家屋・家財およ
び家畜・ペットにかかわる拡大
損害を表わしています。
以下の指示を必ず守ってください
警告 警告
002c
● この機器およびAC アダプターを分解したり、改
造したりしないでください。
....................................................................................................
003
● 修理/部品の交換などで、取扱説明書に書かれ
ていないことは、絶対にしないでください。必
ずお買い上げ店またはローランド・サービスに
相談してください。
....................................................................................................
004
● 次のような場所での使用や保存はしないでくだ
さい。
○ 温度が極端に高い場所(直射日光の当たる場
所、暖房機器の近く、発熱する機器の上など)
○ 水気の近く(風呂場、洗面台、濡れた床な
ど)や湿度の高い場所
○ 雨に濡れる場所
○ ホコリの多い場所
○ 振動の多い場所
....................................................................................................
007
● この機器を、ぐらつく台の上や傾いた場所に設
置しないでください。必ず安定した水平な場所
に設置してください。
....................................................................................................
008c
● AC アダプターは、必ず付属のものを、AC100V
の電源で使用してください。
....................................................................................................
008e
● 電源コードは、必ず付属のものを使用してくだ
さい。また、付属の電源コードを他の製品に使
用しないでください。
....................................................................................................
図記号の例
は、注意(危険、警告を含む)を表わしていま
す。
具体的な注意内容は、 の中に描かれています。
左図の場合は、「一般的な注意、警告、危険」を
表わしています。
は、禁止(してはいけないこと)を表わしてい
ます。
具体的な禁止内容は、 の中に描かれています。
左図の場合は、「分解禁止」を表わしています。
●
は、強制(必ずすること)を表わしています。
具体的な強制内容は、
左図の場合は、「電源プラグをコンセントから抜
くこと」を表わしています。
009
● 電源コードを無理に曲げたり、電源コードの上
に重いものを載せたりしないでください。電源
コードに傷がつき、ショートや断線の結果、火
災や感電の恐れがあります。
.....................................................................................................
010
●
この機器 を単独で、ある いはヘッド ホン、アン
プ、スピーカーと組み合わせて使用した場合、設
定によって は永久的な難 聴になる程度 の音量に
なります。大音量で、長時間使用しないでくださ
い。万一、聴力低下や耳鳴りを感じたら、直ちに
使用をやめて専門の医師に相談してください。
.....................................................................................................
011
● この機器に、異物(燃えやすいもの、硬貨、針
金など)や液体(水、ジュースなど)を絶対に
入れないでください。
.....................................................................................................
012b
● 次のような場合は、直ちに電源を切って AC ア
ダプターをコンセントから外し、お買い上げ店
またはローランド・サービスに修理を依頼して
ください。
○ AC アダプター本体、電源コード、またはプ
ラグが破損したとき
○ 煙が出たり、異臭がしたとき
○ 異物が内部に入ったり、液体がこぼれたりし
たとき
○ 機器が(雨などで)濡れたとき
○ 機器に異常や故障が生じたとき
.....................................................................................................
●
の中に描かれています。
3
警告
013
● お子様のいるご家庭で使用する場合、お子様の
取り扱いやいたずらに注意してください。必ず
大人のかたが、監視/指導してあげてください。
....................................................................................................
014
● この機器を落としたり、この機器に強い衝撃を
与えないでください。
....................................................................................................
015
● 電源は、タコ足配線などの無理な配線をしない
でください。特に、電源タップを使用している
場合、電源タップの容量(ワット/アンペア)を
超えると発熱し、コードの被覆が溶けることが
あります。
....................................................................................................
016
● 外国で使用する場合は、お買い上げ店または
ローランド・サービスに相談してください。
....................................................................................................
019
● 電池は、充電、加熱、分解したり、または火や
水の中に入れたりしないでください。
....................................................................................................
注意
101b
● この機器と AC アダプターは、風通しのよい、正
常な通気が保たれている場所に設置して、使用
してください。
....................................................................................................
102c
● AC アダプターを機器本体やコンセントに抜き
差しするときは、必ずプラグを持ってください。
....................................................................................................
103b
● 定期的に AC アダプターを抜き、乾いた布でプ
ラグ部分のゴミやほこりを拭き取ってくださ
い。また、長時間使用しないときは、AC アダプ
ターをコンセントから外してください。
AC アダプターとコンセントの間にゴミやほこ
りがたまると、絶縁不良を起こして火災の原因
になります。
....................................................................................................
104
● 接続したコードやケーブル類は、繁雑にならな
いように配慮してください。特に、コードやケー
ブル類は、お子様の手が届かないように配慮し
てください。
....................................................................................................
106
● この機器の上に乗ったり、機器の上に重いもの
を置かないでください。
注意
107c
● 濡れた手でAC アダプターのプラグを持って、機
器本体やコンセントに抜き差ししないでくださ
い。
.....................................................................................................
108b
● この機器を移動するときは、AC アダプターをコ
ンセントから外し、外部機器との接続を外して
ください。
.....................................................................................................
109b
● お手入れをするときには、電源を切って AC ア
ダプターをコンセントから外してください。
.....................................................................................................
110b
● 落雷の恐れがあるときは、早めにAC アダプター
をコンセントから外してください。
.....................................................................................................
111(選択)
● 電池の使いかたを間違えると、破裂したり、液
漏れしたりします。次のことに注意してくださ
い(P.16 )。
1
○ 電池の + と - を間違えないように、指示ど
おり入れてください。
2
○ 新しい電池と一度使用した電池や、違う種
類の電池を混ぜて使用しないでください。
3
○ 長時間使用しないときは、電池を取り出し
ておいてください。
5
○ 液漏れを起こした場合は、柔らかい布で電
池ケースについた液をよくふきとってから
新しい電池を入れてください。また、漏れ
た液が身体についた場合は、皮膚に炎症を
起こす恐れがあります。また眼に入ると危
険ですのですぐに水でよく洗い流してくだ
さい。
6
○ 電池を、金属性のボールペン、ネックレス、
ヘアピンなどと一緒に携帯したり、保管し
たりしないでください。
.....................................................................................................
112
● 使用済みの電池は、各市町村のゴミ分別収集の
しかたに従って、捨ててください。
.....................................................................................................
118c
● 取り外した機能接地端子ネジは、小さなお子様
が誤って飲み込んだりすることのないようお子
様の手の届かないところへ保管してください。
.....................................................................................................
120
● ファンタム電源供給の必要なコンデンサー・マ
イクを接続したとき以外は、ファンタム電源を
必ずオフにしてください。ダイナミック・マイ
クやオーディオ再生装置などにファンタム電源
を供給すると故障の原因になります。マイクの
仕様については、お使いのマイクの取扱説明書
をお読みください。
....................................................................................................
4
(本機のファンタム電源:
1ch あたり DC 48V、5mA Max)
.....................................................................................................
使用上のご注意
291a
3 〜 4 ページに記載されている「安全上のご注意」 以外に、次のことに注意してください。
電源、電池のセットや交換について
301
● 本機を冷蔵庫、洗濯機、電子 レンジ、エアコンなどのイン
バーター制御の製品やモーターを使った電気製品が接続さ
れているコンセントと同じコンセントに接続しないでくだ
さい。電気製品の使用状況によっては、電源ノイズにより
本機が誤動作したり、雑音が発生する恐れがあります。電
源コンセントを分けることが難しい場合は、電源ノイズ・
フィルターを取り付けてください。
302
● AC アダプターを長時間使用すると AC アダプター本体が
多少発熱しますが、故障ではありません。
303a
● この機器は消費電流が大きいため、AC アダプターの使用
をお薦めします。電池で使用する場合はアルカリ電池また
はニッケル水素電池を使用してください。
304a
● 電池のセットや交換は、誤 動作やスピーカーなどの破損を
防ぐため、他の機器と接続する前にこの機器の電源を切っ
た状態で行なってください。
307
● 接続するときは、誤動作や スピーカーなどの破損を防ぐた
め、必ずすべての機器の電源を切ってください。
設置について
351
● この機器の近くにパワー・アンプなどの大型トランスを持つ
機器があると、ハム(うなり)を誘導することがあります。
この場合は、この機器との間隔や方向を変えてください。
352a
● テレビやラジオの近くで この機器を動作させると、テレビ
画面に色ムラが出たり、ラジオから雑音が出ることがあり
ます。この場合は、この機器を遠ざけて使用してください。
352b
● 携帯電話などの無線機器 を本機の近くで使用すると、着信
時や発信時、通話時に本機から雑音が出ることがあります。
この場合は、それらの機器を本機から遠ざけるか、もしく
は電源を切ってください。
354a
● 直射日光の当たる場所 や、発熱する機器の近く、閉め切っ
た車内などに放置しないでください。変形、変色すること
があります。
355b
● 極端に温湿度の違う場所 に移動すると、内部に水滴がつく
(結露)ことがあります。そのまま使用すると故障の原因に
なりますので、数時間放置し、結露がなくなってから使用
してください。
360
● 設置条件(設置面の材質、温 度など)によっては本機のゴ
ム足が、設置した台などの表面を変色または変質させるこ
とがあります。
ゴム足の下にフェルトなどの布を敷くと、安心してお使い
いただけます。この場合、本機が滑って動いたりしないこ
とを確認してからお使いください。
お手入れについて
401a
● 通常のお手入れは、柔らかい布で乾拭きするか、堅く絞っ
た布で汚れを拭き取ってください。汚れが激しいときは、
中性洗剤を含んだ布で汚れを拭き取ってから、柔らかい布
で乾拭きしてください。
402
● 変色や変形の原因となるベンジン、シンナーおよびアル
コール類は、使用しないでください。
修理について
451c
● お客様がこの機器や AC アダプターを分解、改造された場
合、以後の性能について保証できなくなります。また、修
理をお断りする場合もあります。
452
● 修理に出される場合、記憶した内容が失われることがあり
ます。大切な記憶内容はメモしておいてください。修理す
るときには記憶内容の保存に細心の注意を払っております
が、メモリー部の故障などで記憶内容が復元できない場合
もあります。失われた記録内容の修復に関しましては、補
償も含めご容赦願います。
453a
● 当社では、この製品の補修用性能部品(製品の機能を維持
するために必要な部品)を、製造打切後 6 年間保有してい
ます。この部品保有期間を修理可能の期間とさせていただ
きます。なお、保有期間が経過した後も、故障箇所によっ
ては修理可能の場合がありますので、お買い上げ店、また
は最寄りのローランド・サービスにご相談ください。
その他の注意について
551
● 記憶した内容は、機器の故障や誤った操作などにより、失
われることがあります。失っても困らないように、大切な
記憶内容はメモしておいてください。
552
● 本体メモリーの失われた記憶内容の修復に関しましては、
補償を含めご容赦願います。
553
● 故障の原因になりますので、ボタン、つまみ、入出力端子
などに過度の力を加えないでください。
554
● ディスプレイを強く押したり、叩いたりしないでください。
556
● ケーブルの抜き差しは、ショートや断線を防ぐため、プラ
グを持ってください。
558a
● 音楽をお楽しみになる場合、隣近所に迷惑がかからないよ
うに、特に夜間は、音量に十分注意してください。ヘッド
ホンを使用すれば、気がねなくお楽しみいただけます。
559a
● 輸送や引っ越しをするときは、この機器が入っていたダン
ボール箱と緩衝材、または同等品で梱包してください。
5
使用上のご注意
559c
● この機器が入っていた梱 包箱や緩衝材を廃棄する場合、各
地域のゴミの分別基準に従って行ってください。
562
● 接続ケーブルには抵抗が 入ったものがあります。本機との
接続には、抵抗入りのケーブルを使用しないでください。
音が極端に小さくなったり、まったく聞こえなくなる場合
があります。抵抗の入っていない接続ケーブル(ローラン
ド:PCS シリーズなど)をご使用ください。
他社製の接続ケーブルをご使用になる場合、ケーブルの仕
様につきましては、ケーブルのメーカーにお問い合わせく
ださい。
927
● 設置条件によっては、本体 や接続されたマイク、ギターな
どの金属部に触れると、違和感を覚えたりざらつくような
感じになるときがあります。
これは人体に全く害のない極微量の帯電によるものです
が、気になる方は、必要に応じ、接地端子(P.15 参照)を
使って外部のアースか大地に接地してご使用ください。
接地した場合、設置条件によってはわずかにハム(うなり)
が混じる場合があります。
なお、接続方法がわからないときはローランド・サービス
にご相談ください。
接続してはいけないところ
○ 水道管(感電の原因になります)
○ ガス管(爆発や引火の原因になります)
○ 電話線のアースや避雷針(落雷のとき危険です)
電池の取り扱いについて
● 電池/充電池/充電器 は、間違った取り扱いをすると、液
もれ・発熱・発火・破裂などの危険があります。
ご使用前に、電池/充電池/充電器に付属の注意事項を必
ず最後まで読み、注意事項を守って正しくお使いください。
○ 充電池/充電器は、必ず電池メーカーで指定された充
電池と充電器の組み合わせでお使いください。
985
● 本書では、ディスプレイ/ 画面を使用して機能説明をして
いますが、工場出荷時の設定(音色名など)と本文中のディ
スプレイ/画面上の設定は一致していません。あらかじめ
ご了承ください。
6
目次
安全上のご注意 ...................................................................................................3
使用上のご注意 ...................................................................................................5
主な特長...............................................................................................................9
ブロック・ダイアグラム.................................................................................10
各部の名称と働き ............................................................................................12
フロント・パネル.............................................................................................................................. 12
リア・パネル...................................................................................................................................... 15
電池の入れかた.................................................................................................................................. 16
基本的な使いかた ............................................................................................17
主な接続.............................................................................................................................................. 17
例1) 簡易 PA........................................................................................................................... 17
例2) コンピューター・ミュージック ................................................................................... 18
例3) ビデオの音声編集........................................................................................................... 19
電源を入れる...................................................................................................................................... 20
電源を切る.......................................................................................................................................... 20
基本操作.............................................................................................................................................. 21
[SEL]ボタン.............................................................................................................................. 21
より進んだ使いかた ........................................................................................22
イコライザーをより細かく設定する ............................................................................................... 22
ボーカル/ナレーション専用のエフェクトを使う(インサート・エフェクト)........................ 23
エコー/リバーブをかける(FX).................................................................................................... 27
インサート・エフェクトのオン/オフを個別に設定する ...................................................... 23
エフェクトの設定を変更する..................................................................................................... 24
エフェクト一覧............................................................................................................................ 25
エフェクトの設定を変更する..................................................................................................... 27
エフェクト一覧............................................................................................................................ 28
7
目次
使用環境に合わせて出力信号を補正する(ルーム・アコースティック・コントロール)........ 29
自動補正(ルーム・アコースティック・オート・コントロール)......................................... 29
マニュアル補正............................................................................................................................ 33
補正した設定を呼び出す ............................................................................................................ 33
バランスのとれた音に仕上げる(ファイナライズ)...................................................................... 34
エフェクトの設定を変更する..................................................................................................... 34
エフェクト一覧............................................................................................................................ 35
ミキサーの設定を登録する/呼び出す(シーン).......................................................................... 36
シーンを登録する........................................................................................................................ 36
シーンを呼び出す........................................................................................................................ 36
シーンの設定を取り消す ............................................................................................................ 36
その他の設定....................................................................................................37
システム設定を変える(UTILITY)................................................................................................ 37
基本操作........................................................................................................................................ 37
画面の明るさを調節する(LCD Contrast)........................................................................... 37
バックライトの明るさを調節する(LCD Backlight)........................................................... 37
電池の消耗を抑える(LCD Power Save)............................................................................. 37
本体のサンプリング周波数を設定する(Sample Freq) ....................................................... 38
ルーム・アコースティック・センサーの選択(RAC Source)............................................ 38
ルーム・アコースティック・オート・コントロールの
計測周波数を設定する(RAC Freq >= / RAC Freq <=).................................................. 38
乾電池の種類を設定する(Battery)........................................................................................ 38
チャンネル 1、2 のプリ・フェーダー信号をデジタル出力する(REC to D.OUT)......... 38
設定を初期化する(Initialize).................................................................................................. 39
工場出荷時の設定に戻す(ファクトリー・リセット).................................................................. 39
困ったときには ................................................................................................40
主な仕様............................................................................................................43
索引 ...................................................................................................................45
8
主な特長
M-10DX は、24 ビット 96kHz、フル・デジタルの 10 チャンネル・ミキサーです。
高音質・高機能でありながらコスト・パフォーマンスにも優れ、フル・デジタルならではのサウンドと操作
性で、より快適なミキシングを実現しています。
豊富な入出力端子
標準タイプ、RCA ピン・タイプの入出力端子を含め、充実した入出力端子を装備しています。
マイク入力用に、XLR タイプのコネクターを 2 系統装備。ファンタム電源にも対応しています。
オプティカルとコアキシャル、2 系統のデジタル出力端子を装備しています。
専用エフェクトによる最適な音作り
ナレーションやアナウンスなど、マイク入力の音声に使うボイス専用の「インサート・エフェクト」、音量や
音圧のバランスを調整して最終的な音の仕上げに使う「ファイナライズ」、ライブ・ハウスやホールなどの音
の響きをシミュレートするリバーブやエコーなどの空間系エフェクト「FX」を搭載しています。
ルーム・アコースティックの自動補正
部屋の音響特性を計測し、音響特性に適した信号を出力するように自動で出力信号の補正を行う「ルーム・ア
コースティック・オート・コントロール」機能を搭載しています。
グラフィック表示
バック・ライト付きのグラフィック液晶ディスプレイを装備。グラフィック表示を見ながら各チャンネルの
レベル調整が行えます。また、各チャンネルの情報やエフェクトの設定内容を表示させたりなど、現在の状
態を画面で確認しながら作業が行えます。
場所を選ばない 2 電源方式
電源には、付属の AC アダプター、または電池(単 3 乾電池× 8)を使うことができます。
電池を使えば、野外での使用などで、設置場所を気にせずセッティングが行えます。
9
ブロック・ダイアグラム
PHANTOM POWER
AUX SEND
MAIN R
MAIN L
MIC IN
LINE IN
MONO CHANNEL 1 – 2 (1 OF 2
)
STEREO CHANNEL 3/4 – 5/6 (1 OF 2
LINE IN L
LINE IN R
STEREO CHANNEL 7/8
LINE IN L
LINE IN R
LINE IN L
INSERT
AD EQ
FX
Q
FREQ
)
AD
AD
Q
FREQ
AD
AD
AD
EQ
EQ
LO
MID
HI
LO
MID
HI
REC OUT 1
To
REC OUT 2
LEVEL
PA N
AUX
BAL
AUX
10
LINE IN R
RCA
L IN
R IN
STEREO CHANNEL 9/10
AD
FX
LEVEL
FX
LEVEL METER
11
MAIN MIX
FINALIZE
G-EQ
ROOM
ACOUSTIC
CONTROL
From
MAIN
LEVEL
REC OUT 1
REC OUT 2
REC OUT to D-OUT
(
UTIL
DA
DA
)
C-ROOM &
PHONES LEVEL
2 TRACK OUT L
MAIN OUT L
2 TRACK OUT R
MAIN OUT R
COAX OUT
OPTICAL OUT
CONTROL
ROOM L
CONTROL
ROOM R
PHONES
DA
AUX SEND
各部の名称と働き
フロント・パネル
2522 23 26 27
1
2
3
4
7
9
17
13
5
8
6
24
16
20
21
12
15
14
1110
4.
EQ つまみ(HI, MID, LOW)
3 バンド・イコライザーで、各チャンネルの高域、中域、低域
を調節します。
つまみを右に回すと増幅、左に回すと減衰し、中央位置(U)
でフラットな特性になります。
つまみを回すと、ディスプレイにイコライザー画面が表示さ
れ、現在の設定状態を数値とグラフで確認することができま
す。
18
19
fig.001d
高域/中域/低域それぞれの基準周波数と、中域の帯域幅
(MID Q)を変更することができます。
➔
『イコライザーをより細かく設定する』(P.22)
EQ つまみを回すと、そのチャンネルの[SEL]ボタンが点灯
します。
1.
SENS つまみ(チャンネル 1 〜 2)
入力信号のレベルに応じて、感度を調節します。
端子 可変範囲
MIC コネクター(XLR) +10 〜 +60 dB
LINE IN ジャック(TRS) +10 〜 -40 dBu
Hi-Z スイッチ(チャンネル 1)
2.
スイッチをオン( )にすると、LINE IN 1 ジャックがハ
イ・インピーダンス対応になり、直接エレキ・ギターを接続す
ることが可能になります。
3.
INSERTION FX ボタン
インサート・エフェクトの設定を変えるときに押します。
ボタンを押すと点灯し、インサート・エフェクト画面が表示さ
れます。
『ボーカル/ナレーション専用のエフェクトを使う (イン
➔
サート・エフェクト)』(P.23)
チャンネル 1 と 2 それぞれでインサート・エフェクトを使う
か使わないかを切り替えることができます。
➔
『インサート・エフェクトのオン/オフを個別に設定する』
(P.23)
PAN/BAL ボタン
5.
ボタンを押して点灯させると、PAN つまみ/ BAL つまみが、
それぞれパン/音量バランスの調節つまみとして働きます。
ディスプレイにパン画面が表示され、チャンネル 1 〜 2 のパ
ンとチャンネル 3/4 〜 5/6 の音量バランスが表示されます。
現在の各チャンネルのパン/音量バランスの状態を確認する
のに便利です。
fig.****
※ DISPLAY ボタンを押すと、レベル・メーター画面に戻り
ます。
6.
AUX/FX ボタン
ボタンを押して点灯させると、PAN/BAL つまみが AUX のレ
ベル調節つまみとして働きます。
※ エフェクト(FX)がオンになっているときにAUX つまみ
を回すと、AUX のレベル調節と同時 に各チャンネルのエ
フェクトのかかり具合も調節されます。
ディスプレイに AUX 画面が表示され、各チャンネルの AUX
のレベルが表示されます。
12
各部の名称と働き
現在の各チャンネルの AUX レベルを確認するのに便利です。
fig.****
※ DISPLAY ボタンを押すと、レベル・メーター画面に戻り
ます。
PAN つまみ
7.
モノ入力信号を L, R どちらに定位させるかを決めます。つま
みを( )の位置にすると、中央に定位します。
※ AUX/FX ボタンが点灯しているときは、AUX/FX つまみ
として機能し、各チャンネルから、AUX SEND バスに送
る信号のレベルを調節します。
BAL つまみ
8.
ステレオ入力信号(チャンネル 3 〜 6)の音量バランスを調
節します。つまみを( )の位置にすると、同じ音量にな
ります。
※ AUX/FX ボタンが点灯しているときは、AUX/FX つまみ
として機能し、各チャンネルから、AUX SEND バスに送
る信号のレベルを調節します。
SEL ボタン
9.
このボタンを押すと(ボタン点灯)、選んだチャンネルのパラ
メーターが「パラメーター画面」としてディスプレイに表示さ
れます。
シーン(P.36)を呼び出すときに、各チャンネルの設定を確
認するのに使うと便利です。
ボタンを押すたびに、「パラメーター画面」と「イコライザー
画面」が切り替わります。
fig.002d
パラメーター画面
チャンネル LEVEL つまみ
10.
各チャンネルに入力された信号のレベルを調節します。
※ よりノイズの少ないミキシングをするため、使っていない
チャンネルはレベルを最小にしてください。
MAIN MIX LEVEL つまみ
11.
MAIN OUT ジ ャックか ら出力す る信号の レベル を調節し ま
す。
ROOM ACOUSTIC ボタン
12.
M-10DX の MAIN OUT ジャックや CONTROL ROOM
ジャックの出力を、使用環境に最適な特性になるように自動的
に補正することができます。
➔
『使用環境に合わせて出力信号を補正する(ルーム・アコー
スティック・コントロール)』(P.29)
FINALIZE ボタン
13.
ファイナライズの設定を変えるときに押します。ボタンを押す
と点灯し、ファイナライズ画面が表示されます。
➔
『バランスのとれた音に仕上げる(ファイナライズ)』
(P.34)
14.
FX ボタン
ボタンを押して点灯させると FX(エコー、リバーブ)がオン
になり、エフェクトのかかった信号が MAIN バスに送られま
す。
➔
『エコー/リバーブをかける(FX)』(P.27)
15.
POWER スイッチ
電源をオン/オフします。オンになると、ボタンが点灯しま
す。スイッチを 1 秒以上押してください。
16.
PHONES/CTRL ROOM つまみ
PHONES ジャックと CONTROL ROOM ジャックに出力さ
れる信号の音量を調節します。
イコライザー画面
※ DISPLAY ボタンを押すと、レベル・メーター画面に戻り
ます。
17.
ディスプレイ
全チャンネルの入力レベルと MAIN OUT ジャックからの 出
力レベルをグラフィック表示したり、パラメーターとその設定
値を表示したりします。
バス(BUS)
「バス」とは、ミキサー内の任意のチャンネルから信号
が乗り入れる共有信号路のことです。
MAIN(L、R)、AUX SEND の 2 つのバスがあり、
各々のバスにまとめられた信号が、対応する出力経路
に送られます。
13
各部の名称と働き
2522 23 26 27
24
16
20
18
21
19
CURSOR ボタン(BWD/FWD)
18.
画面に表示されているパラメーターをエディットするときに、
このボタンでカーソルを移動させます。FWD ボタンを押すと
カーソルが次に進み、BWD ボタンを押すと前に戻ります。
カーソルのある位置のパラメーターや設定値は、反転表示にな
ります。
また、BWD ボタンと FWD ボタンを同時に押すと、ユーティ
リティー画面が表示されます。
19.
VALUE ボタン(-/+)
画面に表示されているパラメーターをエディットするときに、
このボタンで設定値を変更します。
[-]ボタン を押しな がら[+]ボタン押す、または[+]ボタ
ンを押しながら[-]ボタン押すと数 値の変化が速くなり、効
率良く設定値の変更をすることができます。
他のボタンを押してレベル・メーター画面以外に切り替ると、
DISPLAY ボタンが消灯します。
どの画面からでも、DISPLAY ボタンを 押すとレベル・メ ー
ター画面が表示されます。
※ 信号の最大入力時、ディスプレイに表示されるレベル・
メーターの一番上に が点灯しないように SENS
つまみで調節すると、ノイズやひずみの少ないミキシン
グができます。
22.
MIC コネクター(チャンネル 1 〜 2)
バランス(XLR)タイプのマイク入力端子です。ファンタム
電源 48V に対応し ており、ファンタム 電源対応のコンデ ン
サー・マイクを接続することができます。
※ バランス/アンバランスのどちらも接続することができ
ます。
※ MIC コネクターは次のように配線されています。接続する
機器の配線をご確認のうえ、接続してください。
fig.02-XLR
(ホット)
(アース)
(コールド)
23.
LINE IN ジャック(チャンネル 1 〜 10)
TRS 標準、バランス・タイプのライン入力端子です。
)
)
HOT
(
TIP
)
GND (SLEEVE
COLD (RING
SCENE ボタン
20.
現在の設定を「シーン」として登録したり、登録したシーンを
呼び出すときに押します。
➔
『ミキサーの設定を登録する/呼び出す(シーン)』(P.36)
21.
DISPLAY ボタン
ボタンを押すと、入力チャンネル全ての入力レベル(プリ・
フェーダー)と MAIN OUT ジャックの出力レベルを確認する
レベル・メーター画面が表示されます。
fig.003d
画面の右下には、使用電源を示すアイコンが表示されます。
AC アダプターを使用。
電池を使用。電池の残量が表示されます。
14
※ 標準プラグ(アンバランス)を接続することもできます。
同じチャンネルで、MIC コネクターと LINE IN ジャックを同
時に使用することはできません。どちらか一方だけに接続して
ください。
CONTROL ROOM ジャック(L, R)
24.
PHONES ジャックと同じ音が出力される、標準タイプの出力
端子です。
ヘッドホンの代わりに、ニア・フィールドのパワード・モニ
ターを使うときなどに接続します。
25.
AUX SEND ジャック
外部エフェクターなどを接続する、TRS 標準タイプのバラン
ス出力端子です。
※ 標準プラグ(アンバランス)を接続することもできます。
各部の名称と働き
MAIN OUT ジャック(L, R)
26.
ミキシングにより完成した信号を出力する、TRS 標準タイプ
のバランス出力端子です。
パワー・アンプなどを接続します。
※ 標準プラグ(アンバランス)を接続することもできます。
リア・パネル
29 30 31 33
32 34
28
接地端子
28.
コード・フック
AC アダプターのコードを掛けます。誤ってコードを引っ張っ
てしまっても、プラグが抜けて電源が切れてしまうことや、DC
IN(AC アダプター)ジャックに無理な力が加わることを防ぐ
ことができます。
※ AC アダプターのコードは、図のようにコード・フックに
固定してください。
35
PHONES ジャック
27.
ステレオ・ヘッドホンを接続する、ステレオ標準タイプの出力
端子です。
2 TRACK OUT ジャック(L, R)
31.
カセット・デッキなどの録音機器を接続する RCA ピン・タイ
プの出力端子です。
LINE IN ジャック(9L, 10R)
32.
RCA ピン・タイプのライン入力端子です。
フロント・パネルの LINE IN 9L/10R ジャックと同時に使用
することができます。
同時使用の場合は、入力信号がミックスされます。
PHANTOM スイッチ
33.
スイッチをONにすると、ファンタム電源が MIC コネク
ター(1、2)に供給されます。
ファンタム電源供給の必要なコンデンサー・マイクを接続した
とき以外は、ファンタム電源を必ずOFFにしてください。
ダイナミック・マイクやオーディオ再生装置などにファンタム
電源を供給すると故障の原因になります。
マイクの仕様については、お使いのマイクの取扱説明書をお読
みください。
※ 本機のファンタム電源:
(1ch あたり)DC 48 V、5 mA Max
29.
DC IN(AC アダプター)ジャック
付属の AC アダプターを接続します。
※ このジャックにACアダプターのプラグが差し込まれてい
るときは、電池がセットされていても、電池を使用するこ
とはできません。
30.
DIGITAL OUT コネクター/ジャック
MAIN OUT ジャックと同じ信号をデジタル出力します。
オプティカルとコアキシャルの 2 種類の端子があり、同時に
出力することもできます。
※ チャンネル 1、2 のプリ・フェーダー(チャンネル LEVEL
つまみを通る前の)信号を出力させることができます。
『チャンネル 1、2 のプリ・フェーダー信号をデジタル出力
➔
する(REC to D.OUT)』(P.38)
ROOM ACOUSTIC SENSOR
34.
(ルーム・アコースティック・センサー)
ルーム・アコースティック・オート・コントロールで、周波数
特性を検知するセンサーです。
➔
『自動補正(ルーム・アコースティック・オート・コント
ロール)』(P.29)
※ チャンネル 1 に接続したマイクを、センサーとして使うこ
ともできます。
➔
『ルーム・アコースティック・センサーの選択(RAC
Source)』(P.38)
35.
盗難防止用ロック
市販の盗難防止用セキュリティー・ワイヤーなどを接続するこ
とができます。
http://www.kensington.com/
( SECURITY LOCK)
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