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サラウンドについて(つづき)
(4)AACについて
MPEG2-AAC(AdvancedAudioCoding)はMPEG(MovingPictureExpertsGroup)が開発したマルチチ
ャンネル音声フォーマットです。
その特長は、高音質・高圧縮率を両立できることです。特に低ビットレート(高圧縮率)の環境においてドル
ビーデジタルやMP3(MPEGLayer-3)等従来のフォーマットに比べて高い音質を維持することが出来ます。
具体的にはわずか96kbpsという低ビットレートで、CD並みといわれる品質のステレオ音声を伝送することが
出来ます。
その特長を生かしてポータブルオーディオ等への応用が増加している一方、多チャンネルに対応しても全体の
ビットレートを低く抑えることが出来るため、日本のBSデジタル放送における5.1chサラウンド放送をはじめ
とする、サラウンドシステムへの応用が始まりました。
MPEG2-AACは元々映像信号と音声信号の複合データであるMPEGデータの音声規格として開発されたため、
その用途に応じて求められるスペックは多岐に渡ります。映像と組み合わせたトータルのビットレートを低く
抑えるため低ビットレートでの音質確保、また多チャンネル伝送時のデータ量低減、業務用途のみに特化する
ことなく使えるデータ処理の簡略化、それらは相反する要素を持ちますが、いずれの要求も満たせる様配慮さ
れ非常に柔軟性の高い規格になっています。そのため音声信号の種類やそのデータ作成環境に適合させるため
にMAIN/LC/SSRプロファイルという3種類のデータ構造を持っています。
【MPEG2-AACのスペック(概要)】
●
アルゴリズム :MAINプロファイル
LC(LowComplexity)プロファイル
SSR(ScalableSamplingRate)プロファイル
●
サンプリング周波数 : 8kHzから96kHzまで対応
●
チャンネル数 :最大48チャンネルのマルチチャンネル伝送に対応
●
その他の機能 :LFE(LowFrequencyEffect)サポート
マルチリンガル(複数言語)サポート
この中で本機は、BSデジタル放送にて使用される32kHzから48kHzまでのサンプリング周波数と、LCプ
ロファイルの再生に対応しております。またチャンネル数は最大5.1chのデータに対応します。
※
MPEGによる音声規格は他にLayer-1,2,3等がありますが、それらとAACの間に互換性はありません。
本機はその中でさきに述べたAACの再生に対応します。
◎
以下がAACに関する米国パテントナンバーです。
08/937,950
5848391
5,291,557
5,451,954
5400433
5,222,189
5,357,594
5752225
5,394,473
5,583,962
5,274,740
5,633,981
5297236
4,914,701
5,235,671
07/640,550
5,579,430
08/678,666
98/03037
97/02875
97/02874
98/03036
5,227,788
5,285,498
5,481,614
5,592,584
5,781,888
08/039,478
08/211,547
5,703,999
08/557,046
08/894,844
5,299,238
5,299,239
5,299,240
5,197,087
5,490,170
5,264,846
5,268,685
5,375,189
5,581,654
05-183,988
5,548,574
08/506,729
08/576,495
5,717,821
08/392,756