Brother QL-600, QL-720NW software developer manual Raster command reference [ja]

ソフトウェア開発者マニュアル
ラスターコマンドリファレンス
QL-600/QL-720NW
Version 1.02
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更新履歴
バージョン
日時
修正内容
1.01
2013/03/21
QL-720NW 新規作成
1.02
2019/01/29
QL-600 の情報を追加
ラスターコマンドリファレンス
- i -
目次
はじめに ····································································································· 1 プリンターラスターデータとは?········································································· 2
1. ラスターデータの印刷手順··········································································· 3
2. 印刷データ ······························································································ 5
2.1 印刷データ概要 ························································································· 5
2.2 サンプル (テストページの印刷データ解析) ························································ 7
2.2.1 事前の準備 ..................................................................................................... 7
2.2.2 印刷データを確認する手順 ................................................................................ 7
2.2.3 テストページの印刷データの解説 ..................................................................... 10
2.3 ページデータ詳細 ······················································································ 12
2.3.1 解像度 .......................................................................................................... 12
2.3.2 用紙サイズ .................................................................................................... 12
2.3.3 フィード量 ...................................................................................................... 16
2.3.4 最大・最小長 .................................................................................................. 16
2.3.5 ラスターライン ................................................................................................ 17
3. 印刷コマンド一覧 ····················································································· 20
4. 印刷コマンド詳細 ····················································································· 21
NULL 無効指令 ............................................................................................... 21
ESC i S ステータス情報リクエスト ......................................................................... 21
ESC @ 初期化 ................................................................................................... 27
ESC i d 余白量(フィード量)指定 .......................................................................... 27
ESC i a 動的コマンドモード切替 ........................................................................... 28
g ラスターグラフィックス転送 ....................................................................... 28
ESC i B ボーレート設定 ....................................................................................... 29
Z ゼロラスターグラフィックス........................................................................ 29
FF 印字指令 ............................................................................................... 29
Control-Z 排出動作を伴う印字指令 ......................................................................... 29
ESC i z 印刷情報指令 ........................................................................................ 30
M 圧縮モード選択 ...................................................................................... 31
ESC i A オートカット枚数指定 ............................................................................... 32
ESC i M 各種モード設定 ...................................................................................... 33
ESC i K 拡張モード設定 ...................................................................................... 33
5. 本体フロー ····························································································· 34
5.1 USB 接続通常フロー··················································································· 34
5.2 USB 接続エラーフロー(ページ終了フィード時のエラー) ········································· 35
5.3 USB 接続エラーフロー(テープエンドなど、逐次印刷中のエラー) ······························· 36
5.4 USB 接続クーリングフロー ············································································ 37
5.5 シリアル接続ボーレート設定フロー (QL-720NW のみ) ········································· 38
5.6 シリアル接続通常フロー (QL-720NW のみ) ······················································ 39
5.7 シリアル接続エラーフロー (QL-720NW のみ) ···················································· 40
5.8 シリアル接続クーリングフロー (QL-720NW のみ) ··············································· 41
5.9 ネットワーク(標準 TCP/IP ポート)接続通常フロー (QL-720NWのみ) ······················· 42
付録 A: USB 仕様 ······················································································ 43 付録 B: 開発者ツールサイト(Brother Developer Center)のご紹介 ······················· 44
ラスターコマンドリファレンス
- 1 -
はじめに
はじめに
本資料は、弊社が提供するプリンタードライバーを使用しないで QL-600/QL-720NW で印刷したいお客様に、必要 な情報を提供するものです。 お使いの OS と開発環境での USB/ネットワークの基本的な制御について、お客様が熟知されている前提で本書は 説明しています。 また、USB IF に付きましては、本資料では言及いたしません。USB IF をご使用される場合には、「付録 A: USB 仕
」を参照して、お客様にて IF部分を用意していただく必要があります。
本資料の画面に登場するモデル名は、お使いのプリンターのモデルに置き換えてお読みください。
ラスターコマンドリファレンス
- 2 -
プリンターラスターデータとは?
プリンターラスターデータとは?
弊社のプリンタードライバーを使用しないで QL-600/QL-720NW を用いた印刷ができます。 そのため、以下のような場合に便利です。 Windows以外の OS から印刷したい場合
(例: Linux PC、モバイル端末等から印刷する場合) 既存のシステムに印刷機能を追加したい場合 また、詳細な設定の印刷ができます。
本資料における「ラスター」は、2 値化されたビットマップデータ(ドットの集合)を示します。
本資料を参照し、ラスターデータに初期化コマンドや制御コードを付与してプリンター本体(以降、「本体」)に送ると、 印刷が実現されます。 本書では、このコードを付与し、データを送信する方法について説明をします。
ラスターコマンドリファレンス
- 3 -
1. ラスターデータの印刷手順
1. ラスターデータの印刷手順
以下に印刷手順を説明します。 詳細なフローは「5. 本体フロー」を参照してください。個々のコマンドの詳細は、「4. 印刷コマンド詳細」を参照してく ださい。
(2) ステータスを受信する (プリンターの状況を確認する)
(1) ポートをオープンする
(5) ステータスを受信する (印刷完了を確認する)
(6) ポートをクローズする
ポート
(4) 印刷する
At your side
(3) 印刷データを送付する
お使いのプリンター
PC、端末等
ラスターコマンドリファレンス
- 4 -
1. ラスターデータの印刷手順
(1) USB/シリアル/ネットワークポートをオープンする
ご利用の環境で USB/シリアル/ネットワークポートをオープンします。ポートのオープン方法は本資料では言 及しません。
(2) プリンターから送付されたステータスを確認する
「ステータス情報リクエスト」コマンドをプリンターに送信し、プリンターから返されるステータスを解析して、本体の 状況を把握します。「ステータス情報リクエスト」コマンドと「ステータス」の定義については、「4. 印刷コマンド詳
」の「ステータス情報リクエスト」を参照ください。
(3) 印刷データを送信する
ステータスの解析により、本体に印字データに対応した用紙が装着され、かつ、エラーが発生していないことを確 認したら、印刷データを送信します。印刷データの構造は「2. 印刷データ」で説明します。 注意: 印刷データを送信した後、印字終了を確認するまで、本体にいかなるコマンドも送信することはできません。 「ステータス情報リクエスト」コマンドも印刷中に送信できません。
(4) 印刷する
(5) 印字終了状況を確認する
印刷が終了すると、本体からステータスを受け取ります。このステータスを解析して印刷終了ならば、1ページ分 の印刷が終了したことになります。ジョブが複数ページからなる場合には(2)(4)を繰り返してください。
(6) USB/シリアル/ネットワークポートをクローズする
すべての印刷が終了したら、ポートをクローズします。
注意: USB ポート使用時に非圧縮でラスターデータを送信する場合は、高速印刷を実現するため、印刷データを受信 し始めると、印字指令を待たずに印刷(逐次印刷)を開始します。 エラー制御などを行うための処理の流れは、「5. 本体フロー」を参照してください。
ラスターコマンドリファレンス
- 5 -
2. 印刷データ
2. 印刷データ
2.1 印刷データ概要
印刷データは大きく分けて、(1) 初期化コマンド、(2) 制御コード、(3) ラスターデータ、(4) 印字指令から構成されま す。ジョブが複数ページからなる場合には、(2)(4)を繰り返します。
(1) 初期化コマンド
ジョブの先頭で1度だけ指定します。
順序
コマンド名称
説明/例
1
無効指令
200 バイト分の無効指令を送り、プリンターのコマンド受信状態をリ セットします。
2
初期化
印刷のための初期化をします。
1Bh, 40h (固定値)
(2) 制御コード
各ページの先頭に付けて毎ページ送ります。
順序
コマンド名称
説明/例
動的コマンドモード切替
本体のモードをラスターモードへ切替えます。
1Bh, 69h, 61h, 01h
2
印字情報指令
印字情報をセットします。
62 mm 幅の長尺テープの場合: 1Bh, 69h, 7Ah, 86h, 0Ah, 3Eh, 00h, 0Ah, 01h, 00h, 00h, 00h, 00h
3
各種モード設定
オートカット ON の場合
1Bh, 69h, 4Dh, 40h
4
オートカット枚数指定
オートカットが有効のとき、何枚ごとにオートカットをするかの枚数を 指定します。1枚ごとの場合
1Bh, 69h, 41h, 01h
5
拡張モード設定
カットアットエンドフラグ ONの場合
1Bh, 69h, 4Bh, 08h
6
余白量指定
余白量を指定します。 余白量が 3 mm の場合:
1Bh, 69h, 64h, 23h, 00h
7
圧縮モード選択
(QL-720NW のみ) ラスターグラフィックスの圧縮モードを選択します。 TIFF 圧縮されたデータを送信する場合: 4Dh, 02h
ラスターコマンドリファレンス
- 6 -
2. 印刷データ
(3) ラスターデータ
ジョブに含まれるページ分繰り返します。
順序
コマンド名称
説明/例
ラスターグラフィックス転送
画像データをコマンド化して送信します。
ゼロラスターグラフィックス
1ライン白の画像データを圧縮コマンドとして送ります。(圧縮モード に TIFF を選択時のみ有効)
5Ah (固定値)
(4) 印字指令
ページの末尾に指定されます。
順序
コマンド名称
説明/例
印字指令
最後でないページの末尾に指定します。 0Ch(固定値)
排出を伴う印字指令
最後のページの末尾に指定します。 1Ah(固定値)
最後
動的コマンドモード切替
(QL-600 のみ) 本体のモードを元のモードへ戻します。
1Bh, 69h, 61h, FFh
ラスターコマンドリファレンス
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2. 印刷データ
2.2 サンプル (テストページの印刷データ解析)
ここでは、プリンタードライバーが作成した印刷データをもとに、前章で紹介したコマンドについて具体的に解説しま す。 プリンタープロパティで [テストページ]を印刷した場合を例にして印刷データを確認します。
印刷データはプリンターの印刷設定によって異なりますので、様々な印刷設定で試し、印刷データを作成する際の参 考にしてください。 なお、説明は Windows® 7 環境で行います。ご利用の環境が異なる場合は、同等の手順で行ってください。
テストページ
プリンタープロパティ
2.2.1 事前の準備
以下の2つをあらかじめインストールをしてください。 ・ 弊社 QL-600 または QL-720NW のプリンタードライバー
・ バイナリエディター サンプルで確認していただくデータは2進化されたファイル(バイナリファイル)です。
そのため、バイナリファイルの内容は、バイナリエディターを使って表示/確認してください。
2.2.2 印刷データを確認する手順
印刷データを確認する手順は、以下のとおりです。
ステップ1: 対象プリンターのポートを「FILE:」に変更します。 ステップ2: お好きな印刷物 (ここでは「テストページ」)を印刷し、ファイル名を指定します。 ステップ3: 作成したファイルをバイナリエディターで開き、確認します。
ラスターコマンドリファレンス
- 8 -
2. 印刷データ
ステップ1: 対象プリンターのポートを「FILE:」に変更します。
[デバイスとプリンター]フォルダーを開き、対象プリンターを右クリックして、プロパティ画面を表示します。プロ パティ画面の[ポート]タブを選択し、[FILE:]をクリックして[適用]ボタンをクリックします。
プリンタープロパティの[ポート]タブ
ステップ2: 印刷物(テストページ)を印刷し、ファイル名を指定します。
今回は、印刷設定はドライバーインストール直後のデフォルト状態で、テストページを印刷してください。
ドライバーインストール直後のデフォルト状態
ラスターコマンドリファレンス
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2. 印刷データ
テストページを対象プリンターで印刷すると、ファイル名入力用ダイアログが表示されます。(下図参照) 任意のファイル名を入力して[OK]をクリックすると、プリンタードライバーが印刷データを作成し、入力したファ イル名で保存します。
ファイル名入力用ダイアログ
ステップ3: 印刷データをバイナリエディターで開きます。
保存したファイルをバイナリエディターで開きます。表示される数字の羅列が印刷データです。(下図参照) 印刷データは「2.1 印刷データ概要」で説明した (1) 初期化コマンド、(2) 制御コード、(3) ラスターデータ、 (4) 印字指令から構成されています。印刷データの詳細は、「2.2.3 テストページの印刷データの解説」を参 照してください。
(1) 初期化コマンド
(2) 制御コード
(3) ラスターデータ
(4) 印字指令
印刷データ
ラスターコマンドリファレンス
- 10 -
2. 印刷データ
2.2.3 テストページの印刷データの解説
前項で出力したテストページの印刷データについて解説していきます。 以下の図は、「2.2.1 事前の準備」で作成した印刷データをバイナリエディターで表示したものです。
1
5 7 11
QL-600 12 の後に動的モード切替コマンド「1B 69 61 FF」が続きます。
印刷データ
ラスターコマンドリファレンス
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2. 印刷データ
上記の印刷データの各番号に対応する説明を下記の表にまとめました。 各コマンドの詳細については「4. 印刷コマンド詳細」を参照してください。
番号
コマンド名称
説明
1
無効指令
200 バイト分の無効指令を送っていることが分かります。
2
初期化
初期化コマンドを送っています。
3
動的コマンドモード 切替
プリンターをラスターモードに切替えます。 プリンターにラスターデータを送信する前に、このコマンドを送ってくださ い。
4
ジョブ ID 指定コマンド
(QL-720NW のみ)
内部仕様コマンドです。 製品版ドライバーでは出力するコマンドですが、お客様の方で特に送る必 要はありません。
5
印字情報指令
印刷データの用紙サイズ情報を送ります。 ここでは、「1.1" × 3.5" (29 mm × 90 mm)」のダイカットラベルであること を意味しています。
6
各種モード設定
(1Bh + 69h + 4Dh + 00h)
カットオプションなどを指定できるコマンドです。 ここでは、オートカットを指定してます。
7
オートカット枚数指定
オートカットの枚数を指定します。
8
拡張モード設定
拡張的な機能を指定できるコマンドです。 ここではカットアットエンドを指定しています。
9
余白設定
ダイカットでは余白量を指定できないため、余白量は 0 としてコマンドを送 っています。
10
圧縮モード選択
(QL-720NW のみ) TIFF モードを指定しています。
11
ラスターデータ
ラスターデータが続きます。
12
排出を伴う印字指令
1 ページの印刷であるため、1 ページ目の最後に送ります。
13
動的コマンドモード 切替
(QL-600 のみ)
3.で切り替えたコマンドモードを本体デフォルトのモードにリセットします。
「排出を伴う印字指令」の後に、このコマンドを送ってください。
ラスターコマンドリファレンス
- 12 -
2. 印刷データ
2.3 ページデータ詳細
2.3.1 解像度
解像度
縦横比
通常 縦方向 300 dpi、横方向 300 dpi
1:1
通常 縦方向 600 dpi、横方向 300 dpi
2:1
2.3.2 用紙サイズ
(1) 長尺テープ
6
5
3
1 4 2
排出方向
横方向
印刷可能領域
6
5
3 1 4
2
縦方向
排 出 方 向
印刷可能
領域
番号 1 幅 2 長さ
3 印刷可能領域幅(最大印字幅) 4 印刷可能領域長さ 5 幅方向オフセット 6 長さ方向オフセット
ラスターコマンドリファレンス
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2. 印刷データ
ID
テープ種類
表記
1 2 3 4 5
6
257
12 mm
12 mm
0.47"
12.0 mm 142 dots
2.3.4
9.0 mm 106 dots
2.3.4
1.5 mm 18 dots
2.3.3
258
29 mm
29 mm
1.1"
29.0 mm 342 dots
2.3.4
25.9 mm 306 dots
2.3.4
1.5 mm 18 dots
2.3.3
264
38mm
38 mm
1.4"
38.0 mm 449 dots
2.3.4
35.0 mm 413 dots
2.3.4
1.5 mm 18 dots
2.3.3
262
50 mm
50 mm
1.9"
50.0 mm 590 dots
2.3.4
46.9 mm 554 dots
2.3.4
1.5 mm 18 dots
2.3.3
261
54 mm
54 mm
2.1"
53.8 mm 636 dots
2.3.4
50.0 mm 590 dots
2.3.4
1.9 mm 23 dots
2.3.3
259
62 mm
62 mm
2.4"
62.0 mm 732 dots
2.3.4
58.9 mm 696 dots
2.3.4
1.5 mm 18 dots
2.3.3
ラスターコマンドリファレンス
- 14 -
2. 印刷データ
(2) ダイカットラベル
印刷可能
領域
1
6
2
5
3
4
1
2
6
5
3
4
印刷可能
領域
7
8
9
10
番号 1 2 長さ 3 印刷可能領域幅(最大印字幅) 4 印刷可能領域長さ 5 幅方向オフセット 6 長さ方向オフセット 7 マスク領域幅方向オフセット 8 マスク領域名長さ方向オフセット 9 マスク領域幅方向サイズ 10 マスク領域長さ方向サイズ
ラスターコマンドリファレンス
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2. 印刷データ
ID
ラベル種類
1 2 3 4 5
6
269
17 mm x 54 mm
0.66" x 2.1"
17.0 mm 201 dots
53.9 mm 636 dots
14.0 mm 165 dots
47.9 mm 566 dots
1.5 mm 18 dots
3.0 mm 35 dots
270
17 mm x 87 mm
0.66" × 3.4"
17.0 mm 201 dots
86.9 mm 1026 dots
14.0 mm 165 dots
80.9 mm 956 dots
1.5 mm 18 dots
3.0 mm 35 dots
370
23 mm x 23 mm
0.9" x 0.9"
23.0 mm 272 dots
23.0 mm 272 dots
20.0 mm 236 dots
17.1 mm 202 dots
1.5 mm 18 dots
3.0 mm 35 dots
358
29 mm × 42 mm
1.1" x 1.6"
29.0 mm 342 dots
41.9 mm 495 dots
25.9 mm 306 dots
36.0 mm 425 dots
1.5 mm 18 dots
3.0 mm 35 dots
271
29 mm x 90 mm
1.1"x 3.5"
29.0 mm 342 dots
89.8 mm 1061 dots
25.9 mm 306 dots
83.9 mm 991 dots
1.5 mm 18 dots
3.0 mm 35 dots
272
38 mm x 90 mm
1.4" x 3.5"
38.0 mm 449 dots
89.8 mm 1061 dots
35.0 mm 413 dots
83.9 mm 991 dots
1.5 mm 18 dots
3.0 mm 35 dots
367
39 mm x 48 mm
1.5" x 1.8"
39.0 mm 461 dots
47.8 mm 565 dots
36.0 mm 425 dots
41.9 mm 495 dots
1.5 mm 18 dots
3.0 mm 35 dots
374
52 mm x 29 mm 2" x 1.1"
52.0 mm 614 dots
28.9 mm 341 dots
48.9 mm 578 dots
22.9 mm 271 dots
1.5 mm 18 dots
3.0 mm 35 dots
383
60 mm x 86 mm
2.3" x 3.4"
60.0 mm 708 dots
86.8 mm 1024 dots
56.9 mm 672 dots
80.8 mm 954 dots
1.5 mm 18 dots
3.0 mm 35 dots
274
62 mm x 29 mm
2.4" x 1.1"
62.0 mm 732 dots
28.9 mm 341 dots
58.9 mm 696 dots
22.9 mm 271 dots
1.5 mm 18 dots
3.0 mm 35 dots
275
62 mm x 100 mm
2.4" x 3.9"
62.0 mm 732 dots
99.8 mm 1179 dots
58.9 mm 696 dots
93.9 mm 1109 dots
1.5 mm 18 dots
3.0 mm 35 dots
362
12 mm Dia
0.47" Dia
12.0 mm 142 dots
12.0 mm 142 dots
8.0 mm 94 dots
8.0 mm 94 dots
2.0 mm 24 dots
2.0 mm 24 dots
363
24 mm Dia
0.94" Dia
24.0 mm 284 dots
24.0 mm 284 dots
20.0 mm 236 dots
20.0 mm 236 dots
2.0 mm 24 dots
2.0 mm 24 dots
273
58 mm Dia
2.2" Dia
58.3 mm 688 dots
58.3 mm 688 dots
52.3 mm 618 dots
52.3 mm 618 dots
3.0 mm 35 dots
3.0 mm 35 dots
ID 7 8 9 10
273
19.64 mm 201 dots
53.9 mm 636 dots
14.0 mm 165 dots
47.9 mm 566 dots
*1 ドット数は、300dpiのときの値であり、高解像度では値が異なる。 *2 16mm の径に、幅方向 3mm(1.5mm x 2), 長さ方向 3mm(1.5mm x2)の余白がついている。
ラスターコマンドリファレンス
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2. 印刷データ
2.3.3 フィード量
フィード量(左右余白)を定義します。
種別
最小余白設定
最大余白設定
長尺テープ
3 mm
0.12" 35 dots
127 mm 5" 1500 dots
ダイカットラベル
表示上は「2.3.2 用紙サイズ」の「(2) ダイカットラベル」に記載の長さ 方向オフセットを使用します。 ただし、余白用設定コマンドの数値は 0 にしてください。
ドット数は、300dpi のときの値であり、高解像度では値が異なる。
2.3.4 最大・最小長
最大長と最小長を定義します。
種別
最小長
最大長
長尺テープ
12.7 mm 150 dots
1000 mm 11811 dots
ダイカットラベル
固定
固定
ドット数は、300dpi のときの値であり、高解像度では値が異なる。
ラスターコマンドリファレンス
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2. 印刷データ
2.3.5 ラスターライン
下図の様に印刷すべきデータがある部分を「ラスターグラフィックス転送」で、データが無い部分を「ゼロラスタ
ーグラフィックス」に変換してください。実際のテープでは、始めと終わりに「各種モード設定」で指定された余 白(フィード)が付加されます。
排出方向
印刷可能領域
排出方向
ヘッド
展開方向
RasterLine 3
RasterLine 2
RasterLine 1
Zero Raster 1
Zero Raster 1
ラスターグラフィックス 変換後
印刷可能領域
RasterLine 4
ラスターグラフィックスのパラメーターとピクセルの関係は次のとおりです。
MSB LSB
1stB 2ndB 3rdB 4
th
B ...
MSB LSB
MSB LSB
MSB LSB
ラスターコマンドリファレンス
- 18 -
2. 印刷データ
全ピン数 720 ピン
第0ピン
先頭バイト
左右余白
最終バイト
ラスターライン
排出方向
印刷可能領域
ヘッド上のピン
印刷可能 領域ピン数
右余白ピン数
全ピン数
左余白 ピン数
ラスターコマンドリファレンス
- 19 -
2. 印刷データ
長尺テープ:
テープ種類
左余白
ピン数
印刷可能領域
ピン数
右余白
ピン数
ラスターグラフィックス転送の
バイト数
12 mm
585
106
29
90
29 mm
408
306 6 90
38 mm
295
413
12
90
50 mm
154
554
12
90
54 mm
130
590 0 90
62 mm
12
696
12
90
ダイカットラベル:
ダイカット種類
左余白
ピン数
印刷可能領域
ピン数
右余白
ピン数
ラスターグラフィックス転送の
バイト数
17mm x 54mm
555
165 0 90
17mm x 87mm
555
165 0 90
23mm x 23mm
442
236
42
90
29mm x 42mm
408
306 6 90
29mm x 90mm
408
306 6 90
38mm x 90mm
295
413
12
90
39mm x 48mm
289
425 6 90
52mm x 29mm
142
578 0 90
60mm x 86mm
24
672
24
90
62mm x 29mm
12
696
12
90
62mm x 100mm
12
696
12
90
12mm Dia
513
94
113
90
24mm Dia
442
236
42
90
58mm Dia
51
618
51
90
ラスターコマンドリファレンス
- 20 -
3. 印刷コマンド一覧
3. 印刷コマンド一覧
ASCII コード
バイナリコード
詳細
NULL
00
無効指令
ESC i S
1B 69 53
ステータス情報リクエスト
ESC @
1B 40
初期化
ESC i d
1B 69 64
余白量(フィード量)指定
ESC i a
1B 69 61
動的コマンドモード切替
g
67
ラスターグラフィックス転送
ESC i B
1B 69 42
ボーレート設定
Z
5A
ゼロラスターグラフィックス
FF
0C
印字指令
Control-Z
1A
排出動作を伴う印字指令
ESC i z
1B 69 7A
印刷情報指令
M
4D
圧縮モード選択
ESC i A
1B 69 41
オートカット枚数指定
ESC i M
1B 69 4D
各種モード設定
ESC i K
1B 69 4B
拡張モード設定
ラスターコマンドリファレンス
- 21 -
4. 印刷コマンド詳細
4. 印刷コマンド詳細
NULL 無効指令
ASCII: NULL 16 : 00
説明
読み飛ばします。途中でデータ通信を止めたいときに、適当なバイト数の無効指令を送ったあと、初期化コマンドを送付すると、バ
ッファーがクリアされた受信状態に戻ります。
ESC i S ステータス情報リクエスト
ASCII: ESC i S 16 : 1B 69 53
説明
ステータス情報リクエストをプリンターに送信すると、応答として 32 バイトの固定サイズがプリンターから返ってき
ます。32 バイトの詳細は次ページをご覧ください。 注意: 本コマンドは印字データを本体に送信する前に、1度だけ送ってください。 印刷中のエラーは本体から自動的に送付されますので、印刷中に本コマンドを送信しないでください。 ステータスのやり取りについては、「5. 本体フロー」をご参考ください。
ラスターコマンドリファレンス
- 22 -
4. 印刷コマンド詳細
序数
オフセット
サイズ
名称
値/参照
1 0 1
ヘッドマーク
80h 固定
2 1 1
サイズ
20h 固定
3 2 1
予約
B (42h) 固定
4 3 1
シリーズコード
4 (34h) 固定
5 4 1
機種コード
QL-720NW 7 (37h) 固定 QL-600 G” (47h) 固定
6 5 1
予約
0 (30h) 固定
7 6 1
予約
“0” (30h) 固定
8 7 1
予約
00h 固定
9 8 1
エラー情報1
下記の表(1)を参照してください。
10 9 1
エラー情報2
下記の表(2)を参照してください。
11
10
1
メディア幅
下記の表(3)を参照してください。
12
11
1
メディア種類
下記の表(4)を参照してください。
13
12
1
予約
00h 固定
14
13
1
予約
00h 固定
15
14
1
予約
3Fh 固定
16
15
1
モード
各種モード設定コマンドで設定した値。 指定しない場合は 00h
17
16
1
予約
00h 固定
18
17
1
メディア長さ
下記の表(3)を参照してください。
19
18
1
ステータス種類
下記の表(5)を参照してください。
20
19
1
フェーズ種類
下記の表(6)を参照してください。
21
20
1
フェーズ番号上位バイト
22
21
1
フェーズ番号下位バイト
23
22
1
通知番号
下記の表(7)を参照してください。
24
23
1
予約
00h 固定
25
24
8
予約
00h 固定
ラスターコマンドリファレンス
- 23 -
4. 印刷コマンド詳細
(1) エラー情報1
フラグ
マスク
意味
Bit 0
01h
印刷時メディア無し
Bit 1
02h
メディア終了(ダイカットラベルのみ)
Bit 2
04h
カッタージャム
Bit 3
08h
(未使用)
Bit 4
10h
本体ビジー(本体印刷中)
Bit 5
20h
パワーオフ
Bit 6
40h
高圧アダプター(未使用)
Bit 7
80h
ファンが動作しない(未使用)
(2) エラー情報2
フラグ
マスク
意味
Bit 0
01h
メディア交換(メディア違い)
Bit 1
02h
展開バッファーフル
Bit 2
04h
通信エラー
Bit 3
08h
通信バッファーフル(未使用)
Bit 4
10h
印刷中カバーオープン
Bit 5
20h
キャンセルキー(未使用)
Bit 6
40h
用紙送り不能(メディア終了でも使用されます)
Bit 7
80h
システムエラー
ラスターコマンドリファレンス
- 24 -
4. 印刷コマンド詳細
(3) メディア幅、長さ
メディアの幅と長さを mm 単位で記述します。0255 (FFh)。
(a) 長尺テープ *メディア幅:テープの幅を mm で記述します。 *メディア長さ:00h 固定です。
用紙
メディア幅
メディア長さ
12 mm
12
0
29 mm
29
0
38 mm
38 0 50 mm
50 0 54 mm
54 0 62 mm
62
0
(b) ダイカットラベル *メディア幅:ダイカット部分の幅を記述します。 *メディア長さ:ダイカット部の長さを記述します。
用紙
メディア幅
メディア長さ
17 mm x 54 mm
17
54
17 mm × 87 mm
17
87
23 mm × 23 mm
23
23
29 mm × 42 mm
29
42
29 mm × 90 mm
29
90
38 mm × 90 mm
38
90
39 mm x 48 mm
39
48
52 mm x 29 mm
52
29
60 mm x 86 mm
60
87
62 mm x 29 mm
62
29
62 mm x 100 mm
62
100
12 mm Dia
12
12
24 mm Dia
24
24
58 mm Dia
58
58
(4) メディア種類
メディア種類 値 説明
用紙なし
00h
印刷情報としては、メディア種類の指定なしとし て使用します。
長尺テープ
4Ah
紙、フィルム両方で使用します。
ダイカットラベル
4Bh
紙、フィルム両方で使用します。
ラスターコマンドリファレンス
- 25 -
4. 印刷コマンド詳細
(5) ステータス種類
ステータス種類
ステータスリクエストへの返信
00h
印刷終了
01h
エラー発生
02h
IF モード終了
03h(未使用)
パワーオフ
04h
通知
05h
フェーズ変更
06h
(未使用)
08h 20h
(使用不可)
21h FFh
印刷中にエラーが発生した場合には、エラーステータスを返します。
(6) フェーズ種類、フェーズ番号
フェーズ番号を使用しない場合は、ともに 00h 固定です。
フェーズ種類
受信状態
00h
印字状態
01h
受信状態
フェーズ
数値 (Dec)
上位バイト
下位バイト
受信待ち
0
00h
00h
印字状態
フェーズ
数値 (Dec)
上位バイト
下位バイト
印刷中
0
00h
00h
本体の起動時は受信状態になっています。印刷が始まると印刷中フェーズ(フェーズ種類:印字状態、フェーズ番
号:印刷中)になり、PCにそのフェーズステータスを送ります。印刷が終了すると、受信状態フェーズステータス (フェーズ種類:受信状態、フェーズ番号:受信待ち)を送ります。 印字中にエラーが発生しなければ、併せて、印刷終了ステータスを送ります。
逐次印刷では、高速印刷を実現するため、PCから印字指令を送らなくても印刷を開始します。このときも、印刷
中状態と受信待ち状態のステータスを送りますので注意してください。(「5. 本体フロー」参照)
ラスターコマンドリファレンス
- 26 -
4. 印刷コマンド詳細
(7) 通知番号
通知
無効
00h
クーリング(開始)
03h
クーリング(終了)
04h
ラスターコマンドリファレンス
- 27 -
4. 印刷コマンド詳細
ESC @ 初期化
ASCII: ESC @ 16 進: 1B 40
説明
モード設定を初期化します。印字キャンセルにも使用されます。
ESC i d 余白量(フィード量)指定
ASCII: ESC i d {n1} {n2} 16 進: 1B 69 64 {n1} {n2}
説明
余白量を指定します。余白量 (ドット) = n1 + n2 * 256 ⚫ ダイカットラベルでは、印字領域の端を余白量 0 とします。
(a) 長尺テープ
印刷可能領域
余白量
テープ
用紙
カット線
(b) ダイカットラベル
余白量(“0”固定)
印刷可能領域 ラベル
用紙
カット線
ラスターコマンドリファレンス
- 28 -
4. 印刷コマンド詳細
ESC i a 動的コマンドモード切替
ASCII: ESC i a {n1} 16 進: 1B 69 61 {n1}
パラメーター
{n1}の定義 0ESC/P QL-720NW のデフォルト) (QL-720NW のみ) 1:ラスター(こちらに必ず切り替えてください)(QL-600 のデフォルト) 3P-touch Template (QL-720NW のみ) FF: 静的に設定されている本体デフォルトのモード
説明
動的に本体のコマンドモードを切り替えます。本コマンドを受信した本体は電源が切られるまで指定したコマンド
モードとして動作します。
プリンターにラスターデータを送信する前にはラスターモードに切替える必要があります。
そのためにラスターモードに切替えるコマンドを送ります。
g ラスターグラフィックス転送
ASCII: g {s} {n} {d1} ... {dn} 16 進: 67 {s} {n} {d1} ... {dn}
パラメーター
{s} 00h {n} ラスターデータ(d1dn)のバイト数を表します。
ただし、圧縮モードで無圧縮が指定されている場合は以下の値を使用します。 n=104 {d1~dn} ラスターデータ
ラスターコマンドリファレンス
- 29 -
4. 印刷コマンド詳細
ESC i B ボーレート設定
ASCII: ESC i B {n1} {n2} 16 進: 1B 69 42 {n1} {n2}
パラメーター
設定量 = n1 + n2 * 256 設定量: 96 = 9600 bps, 576 = 57600 bps, 1152 = 115200 bps
説明 本体の通信ボーレートを変更する。工場出荷時は 9600 bps です。
Z ゼロラスターグラフィックス
ASCII: Z 16 進: 5A
説明 ラスターラインをゼロデータで満たします。
FF 印字指令
ASCII: FF 16 進: 0C
説明 複数ページ印字する際、最後以外のページ末に印字指令として使用します。
Control-Z 排出動作を伴う印字指令
ASCII: Control-Z 16 進: 1A
説明
最後のページ末に印字指令として使用します。
ラスターコマンドリファレンス
- 30 -
4. 印刷コマンド詳細
ESC i z 印刷情報指令
ASCII: ESC i z {n1} {n2} {n3} {n4} {n5} {n6} {n7} {n8} {n9} {n10} 16 進: 1B 69 7A {n1} {n2} {n3} {n4} {n5} {n6} {n7} {n8} {n9} {n10}
説明
印刷情報を指定します。 {n1}{n10}の定義
{n1}:
有効フラグ:どの値が有効か指定します。
0x02 用紙種類 0x04:用紙幅 0x08:用紙長さ 0x40:品質優先 0x80:本体でリカバー処理する
{n2}:
用紙種類 長尺テープ: 0Ah ダイカットラベル: 0Bh
{n3}:
{n3}:用紙幅 単位:mm {n4}:用紙長さ 単位:mm 用紙幅 62 mm × 用紙長さ 100 mm の場合、n3=3Ehn4=64hと設定してください。
{n4}:
{n5-n8}:
ラスター数 = n8*256*256*256 + n7*256*256 + n6*256 + n5 {n1}の有効フラグの内、用紙種類、用紙幅、用紙長さが ON の時、本体にセットされたメディア が正しくないとき、エラーステータスが返されます(「(2) エラー情報2」の「ビット0」が ON)。
{n9}:
先頭ページ:0、その他のページ:1
{n10}:
0:EEPROM の設定値(固定)
ラスターコマンドリファレンス
- 31 -
4. 印刷コマンド詳細
M 圧縮モード選択
ASCII: M {n} 16 進: 4D {n}
パラメーター
{n}の定義
0
無圧縮モード (有効)
1
予約 (無効)
2
TIFF (シリアル接続の場合は常に TIFF 圧縮)
説明 圧縮モードを選択する。データ圧縮はラスターグラフィックス転送のデータ内でのみ有効です。
[TIFF (Pack Bits)]
1バイト単位。同一データが連続する場合は、その個数とその1バイトのデータを指定します。
異なるデータが連続する場合は、その個数と異なるデータすべてを指定します。
同一データを指定する場合の個数の指定は、(実際の数-1)を負の数で指定します。
異なるデータの個数指定の場合も、そのバイト数-1を正の数で指定します。
以上の処理の結果、圧縮データが 90 バイトを超える場合は、すべて異なるとみなします。
この結果、長さを指定する1バイトを含めて、トータルで 91 バイトになります。
サンプル ラスターグラフィックス転送の1ラスター分:
非圧縮時:
00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 22 22 23 BA BF A2 22 2B……
圧縮時:
ED 00 FF 22 05 23 BA BF A2 22 2B a b c
a.
00h 20 バイト続きますので、20 Dec19 Dec13 Hex、負の数にして ED Hexです。 従って、ED 00
b.
22h 2 バイト続きますので、2 Dec1 Dec1 Hex、負の数にして FF Hex です。 従って、FF 22
c.
次の 6 バイトはそのまま展開します。6 Dec 5 Dec 5 Hex。 従って、05 23 BA BF A2 22 2B
この後も非圧縮データのバイト数分続けます。最後まで、00 Hexであっても省略できません。
ラスターコマンドリファレンス
- 32 -
4. 印刷コマンド詳細
TIFF 圧縮モード」の説明 圧縮時は、「ラスターグラフィックス転送」コマンドのデータ部分は全ピン数(720)のバイト数 90 バイト分を元にします。
下図で、非圧縮時には、オフセットピン数と印刷可能領域ピン数を加えた部分をバイトデータにしますが、圧縮時に は、更に、未使用ピン数を加えてデータにします。 すなわち、圧縮時には、テープ幅に関わらず、本体で展開すると 90 バイトになります。
第0ピン
最終バイト
先頭バイト
テープ余白
非圧縮時 ラスターライン
圧縮時 ラスターライン
排出方向
印刷可能領域
ヘッド上のピン
印刷可能 領域ピン数
オフセット ピン数
全ピン数
未使用 ピン数
ESC i A オートカット枚数指定
ASCII: ESC i A {n1} 16 進: 1B 69 41 {n1}
パラメーター
{n1}の定義
枚数指定(枚) = n1 (1-255) デフォルトは1
説明 オートカットが有効なとき、何枚ごとにオートカットをするかの枚数指定(1255)をします。
ラスターコマンドリファレンス
- 33 -
4. 印刷コマンド詳細
ESC i M 各種モード設定
ASCII: ESC i M {n1} 16 進: 1B 69 4D {n1}
パラメーター
{n1}の定義 1バイトのパラメーターで、各ビットの意味は下記の通り。 1 ~ 6bit: 未使用 7bit: オートカット 1:オートカットする 0:オートカットしない 8bit: 未使用
ESC i K 拡張モード設定
ASCII: ESC i K {n1} 16 進: 1B 69 4B {n1}
パラメーター
{n1}の定義 1バイトのパラメーターで、各ビットの意味は下記の通り。 1 ~ 3bit: 未使用 4bit: カットアットエンド 1:最後でカット(デフォルト) 0:最後でカットしない 5,6bit: 未使用 7bit: 高精細印刷 1:有効 0:無効 8bit: 未使用
ラスターコマンドリファレンス
- 34 -
5. 本体フロー
5. 本体フロー
5.1 USB 接続通常フロー
PC(ホスト)
本体
ステータスリクエスト
ステータス(ステータスリクエストへの応答ステータス)
印刷中
印刷中表示
実際にはまだ1ページ目 の印字が終わっていない が、「印刷終了」ステータ スと「受信状態/受信待 ち」フェーズを送信する
制御コードを送信
ラスターデータを送信
初期化
本体を初期化する
ステータス フェーズ変更: 印刷状態/印刷中
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A)」、 途中ページなら「印字指令(0C)」)を送信
<印刷開始>を受信
<印刷終了>を受信
ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
ステータス (印刷終了ステータス)
ステータス (受信待ちフェーズ)
制御コード/ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
1ページ印刷の終了処理
2ページ目のデータ送信
1ページ目の印刷
2ページ目の印刷
ラスターデータを送信
READ
本体の状態 (メディアなど)を調査して 返信
本体の状態(メディア など)に問題が無けれ ば、データを送信。 あればエラー表示。
送信中表示
READ
データ受信
印刷コマンドを待たずに 印刷開始
ステータス フェーズ変更: 印刷状態/印刷中
ラスターコマンドリファレンス
- 35 -
5. 本体フロー
5.2 USB 接続エラーフロー(ページ終了フィード時のエラー)
PC(ホスト)
ステータスリクエスト
ステータス(ステータスリクエストへの応答ステータス)
本体の状態 (メディアなど)を 調査して返信
データ受信
印刷コマンドを待た ずに印刷開始
印刷中
印刷中表示
送信中表示
制御コードを送信
ラスターデータを送信
初期化
本体を初期化する
ステータス フェーズ変更: 印刷状態/印刷中
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A)」、 途中ページなら「印字指令(0C)」)を送信
<印刷終了>を受信
ラスターデータを送信
ステータス(受信待ちフェーズ)
制御コード/ラスターデータを送信
エラー (エラーステータス)
ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A)」、 途中ページなら「印字指令(0C)」)を送信
<エラー>を受信
初期化
本体の状態(メディアな ど)に問題が無けれ ば、データを送信。 あればエラー表示。
実際にはまだ1ページ 目の印字が終わって いないが、「印刷終了」 ステータスと「受信状 態/受信待ち」フェー ズを送信する
エラーを表示する。 再開する場合は、2ページ 目の<印刷開始>を受け 取っていないため、1ペー ジのデータから再送する。
エラーが発生すると、 PC からの書き込みは すべて読み捨てる
1ページ目の再印刷
READ
READ
READ
本体
<印刷開始>を受信
ステータス(印刷終了ステータス)
1ページ印刷の終了処理
2ページ目のデータ送信
エラー発生
1 ページデータの再送処理
印刷中表示
印刷中表示
ラスターコマンドリファレンス
- 36 -
5. 本体フロー
5.3 USB 接続エラーフロー(テープエンドなど、逐次印刷中のエラー)
PC(ホスト)
本体の状態(メディアな ど)に問題が無ければ、 データを送信。 あればエラー表示。
本体の状態 (メディアなど)を調査して 返信
データ受信
印刷コマンドを待たずに 印刷開始
印刷中
実際にはまだ1ページ目 の印字が終わっていない が、「印刷終了」ステータ スと「受信状態/受信待 ち」フェーズを送信する
1ページ印刷の終了処理
2ページ目のデータ送信
本体を初期化する
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A)」、 途中ページなら「印字指令(0C)」)を送信
エラーが発生すると、PC からの書き込みはすべて 読み捨てる
印刷中表示
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A)」、 途中ページなら「印字指令(0C)」)を送信
2ページ目の再印刷
エラーを表示する。 再開する場合は、2ページ目の <印刷開始>を受け取っている ため、2ページのデータから再 送する。
READ
READ
エラー状態で本体に残っ ているジョブをすべて削除 する
ステータスリクエスト
ステータス(ステータスリクエストへの応答ステータス)
制御コードを送信
ラスターデータを送信
初期化
ステータス フェーズ変更: 印刷状態/印刷中
ラスターデータを送信
ステータス(印刷終了ステータス)
ステータス(受信待ちフェーズ)
制御コード/ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
ステータス フェーズ変更: 印刷状態/印刷中
<印刷開始>を受信
<印刷終了>を受信
<受信待ち>フェーズを受信
初期化
エラー (エラーステータス)
<印刷開始>を受信
<エラー>を受信
本体
1ページ目の印刷
2ページ目の印刷
エラー発生
2ページデータの再送処理
READ
送信中表示
印刷中表示
ラスターコマンドリファレンス
- 37 -
5. 本体フロー
5.4 USB 接続クーリングフロー
PC(ホスト)
本体
本体の状態 (メディ アなど)に問題が無 ければ、データを送 信。 あればエラー表示。
本体の状態 (メディアなど)を調査して 返信
データ受信
印刷コマンドを待たずに 印刷開始
印刷中
送信中表示
本体を初期化する
通知(クーリング開始)
クーリング発生により、 NAK を返す
最大、通信タイムアウト 時間書き込みを繰り返 す。 通信タイムアウトを越え たらリードをかけ、高温 エラーが返って来た場 合は、クーリング状態を 表示する。
書き込み失敗
通知(クーリング解除)
印刷再開
リードを続ける。 クーリング中は 0 パケ ットが返って来る。 但し、ファン停止エラー のみクーリング中でも 通知される。
0 パケット
クーリングが終わると、 クーリング解除が返って来 る。
READ
READ
エラー状態で本体に残っ ているジョブをすべて削除 する
ステータスリクエスト
ステータス(ステータスリクエストへの応答ステータス)
制御コードを送信
ラスタデータを送信
初期化
ステータス フェーズ変更: 印刷状態/印刷中
ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
0 パケット
0 パケット
0 パケット
ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
クーリング発生
ラスターコマンドリファレンス
- 38 -
5. 本体フロー
5.5 シリアル接続ボーレート設定フロー (QL-720NW のみ)
PC(ホスト)
ボーレート設定
ボーレート設定完了ステータス
(通常ステータス)
旧ボーレート
新ボーレート
3000 ms スリープ 本体復帰待ち
ステータスリクエスト
※新ボーレートでのリクエスト/返信は、単に通信できるこ とを確認するためのものです。省略可能です。
本体
ステータス
(ステータスリクエストへの応答ステータス)
ラスターコマンドリファレンス
- 39 -
5. 本体フロー
5.6 シリアル接続通常フロー (QL-720NW のみ)
本体の状態(メディアな ど)に問題が無ければ、 データを送信。 あればエラー表示。
データ受信
印刷中
印刷中表示
送信中表示
1ページ印刷の終了処理
2ページ目のデータ送信
初期化する
<フェーズ変更/印刷>を受信
<印刷終了>を受信 <フェーズ変更/受信>を受信
1ページ目の印刷
2ページ目の印刷
ステータスリクエスト
ステータス(ステータスリクエストへの応答ステータス)
制御コードを送信
ラスターデータを送信
初期化
ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
ラスターデータを送信
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A)」、 途中ページなら「印字指令(0C)」)を送信
ステータス
印刷終了
ステータス
フェーズ変更:受信状態/受信待ち
制御コードを送信
ラスターデータを送信
本体
PC(ホスト)
状態 (メディアなど)を 調査して返信
ラスターデータを送信
READ
READ
ステータス
フェーズ変更:印刷状態/印刷中
ラスターコマンドリファレンス
- 40 -
5. 本体フロー
5.7 シリアル接続エラーフロー (QL-720NW のみ)
PC(ホスト)
ステータスリクエスト
データ受信
印刷中
印刷中表示
送信中表示
制御コードを送信
ラスターデータを送信
初期化
初期化する
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A)」、 途中ページなら「印字指令(0C)」)を送信
<フェーズ変更/印刷> を受信
エラー発生
READ
本体
本体の状態(メディア など)に問題が無けれ ば、データを送信。 あればエラー表示。
READ
ステータス(ステータスリクエストへの 応答ステータス)またはエラー発生
ステータス
フェーズ変更:印刷状態/印刷中
エラー発生
状態 (メディアなど)を 調査して返信
ラスターコマンドリファレンス
- 41 -
5. 本体フロー
5.8 シリアル接続クーリングフロー (QL-720NW のみ)
状態 (メディアなど)を 調査して返信
データ受信
印刷中
印刷中表示
送信中表示
初期化する
<フェーズ変更/印刷>を 受信
<フェーズ変更/受信> を受信
1ページ目の印刷
2ページ目の印刷
ステータス
通知:クーリング(開始)
印刷中
クーリング中
※一回の印刷中にクーリ ングの「開始」「終了」が複 数回繰り返されることもあ る
PC(ホスト)
ステータスリクエスト
制御コードを送信
ラスターデータを送信
初期化
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A)」、 途中ページなら「印字指令(0C)」)を送信
ステータス
印刷終了
ステータス
フェーズ変更:受信状態/受信待ち
制御コードを送信
ステータス
フェーズ変更:印字状態/印刷中
<印刷終了>を受信
ステータス
通知:クーリング(終了)
ラスターデータを送信
本体
ラスターデータを送信
本体の状態(メディア など)に問題が無けれ ば、データを送信。 あればエラー表示。
READ
ステータス(ステータスリクエストへの 応答ステータス)
READ
1ページ印刷の終了処理
2ページ目のデータ送信
ラスターコマンドリファレンス
- 42 -
5. 本体フロー
5.9 ネットワーク(標準 TCP/IP ポート)接続通常フロー (QL-720NW のみ)
※ネットワーク時は OS のポートモニターから印刷データがそのまま送信される。
以下の例は 2 ページの印刷を行った時。
BUSY
BUSY
BUSY
BUSY
PC(ホスト)
本体
印刷データを特定の大 きさに区切って送信。
データ受信
1 ページ目の印刷
1ページめのデータここまで
2ページめのデータ送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
印刷データを送信
2ページ目の印刷
1 ページ分のデータ を受信したので印刷 開始。
2ページ分のデータを 受信したので印刷開 始。
PC 側は印刷データ送信完 了したので、ジョブが消え る。
PC 側は印刷完了扱い。
プリンターのバッ ファーがフル
ラスターコマンドリファレンス
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付録 A: USB 仕様
付録 A: USB 仕様
USB 仕様 1.1
項目
説明
ベンダーID
0x04F9
製品 ID
QL-720NW : 0x2044 QL-600 : 0x20c0
クラス
Printer
マスストレージ(QL-720NW のみ)
マニュファクチャー文字列
文字列ディスクリプター0x01
0x0409: Brother
シリアル番号文字列
文字列ディスクリプター0x03
0x0409: "000000000001"
本体のシリアル番号の最後の 12
デバイス速度
フル
インターフェイスの数
1 (代替インターフェイスなし)
電源
セルフパワー
エンドポイント1
インバルク (本体から PC へステータスを送る) 最大パケットサイズ 64 バイト
エンドポイント2
アウトバルク (PC から本体へ印刷コマンド、データを送る) 最大パケットサイズ 64 バイト
ラスターコマンドリファレンス
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付録 B: 開発者ツールサイト(Brother Developer Center)のご紹介
付録 B: 開発者ツールサイト(Brother Developer Center)のご紹介
下記のサイトに、開発者の方に役立つ情報掲載しております。ぜひご参照ください。 ・アプリケーション、ツール、SDK の紹介 ・操作手順動画 ・よくある質問
https://www.brother.co.jp/product/dev/
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