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ソフトウェア開発者マニュアル
ラスターコマンドリファレンス
PT-P700
Version 1.0
Page 2
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本書について
ご注意
本資料は、お客様が直接 PT-P700 プリンターを制御される場合に必要な情報を提供するものです。
お客様が以下の内容にご同意いただいた場合のみ、本資料のご利用が可能です。
もしご同意いただけない場合は、お客様は本資料をご利用いただけません。
ご利用条件
お客様は、お客様ご自身で PT-P700 プリンターをご利用いただくため(以下「本目的」といいます)に必要な範囲にお
いてのみ、本資料を使用し、複製することができるものとします。
なお、お客様は次のことを行ってはならないものとします。
(i) 本目的以外の目的で本資料を複製すること
(ii) 本資料を改変し、翻案・翻訳し、または第三者に再頒布すること
(iii) 本資料を第三者に貸与・提供すること
(iv) 本資料に含まれるブラザーの権利に関する表示を削除・改変すること
無保証
a. 対応モデルおよび本資料のバージョンアップや修正等はブラザーが任意で行うものとし、お客様からの本資料の
内容に関するお問い合わせまたはご要望に対しては一切応じかねます。
b. ブラザーは本資料に関し、明示または黙示であるかを問わず、瑕疵がないこと、特定の目的に適合することを含
め、その他いかなる保証も行いません。
c. ブラザーは本資料および本資料に基づきお客様が作成したプログラムに起因して発生した直接的または間接的
損害について、お客様に対し、いかなる責任も負わないものとします。
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プリンターラスターマニュアル
目次
はじめに ····································································································· 1
プリンターラスターデータとは? ········································································· 2
1. ラスターデータの印刷手順 ··········································································· 3
2. 印刷データ ······························································································ 5
2.1 印刷データ概要 ····························································································· 5
2.2 サンプル (テストページの印刷データ解析) ·························································· 7
2.2.1 事前の準備 ........................................................................................................... 7
2.2.2 印刷データを確認する手順 .................................................................................... 7
2.2.3 テストページの印刷データの解説 ......................................................................... 10
2.3 ページデータ詳細 ························································································· 12
2.3.1 解像度 ................................................................................................................ 12
2.3.2 用紙サイズ ......................................................................................................... 13
2.3.3 フィード量 ............................................................................................................ 16
2.3.4 最大・最小長 ....................................................................................................... 17
2.3.5 ラスターライン ..................................................................................................... 18
3. 印刷コマンド一覧 ····················································································· 21
4. 印刷コマンド詳細 ····················································································· 22
NULL 無効指令 .................................................................................................... 22
ESC @ 初期化 ........................................................................................................ 22
ESC i S ステータス情報リクエスト ............................................................................. 22
ESC i a 動的コマンドモード切替 ............................................................................... 29
ESC i z 印刷情報指令 ............................................................................................. 30
ESC i M 各種モード設定 ........................................................................................... 31
ESC i K 拡張モード設定 ........................................................................................... 31
ESC i d 余白量(フィード量)指定 .............................................................................. 32
M 圧縮モード選択 ........................................................................................... 33
g ラスターグラフィックス転送 ........................................................................... 35
Z ゼロラスターグラフィックス ........................................................................... 35
FF 印字指令 .................................................................................................... 35
Control-Z 排出動作を伴う印字指令 ............................................................................. 36
5.本体フロー ······························································································ 37
5.1 USB 接続逐次印刷通常フロー ·········································································· 38
5.2 USB 接続逐次印刷エラーフロー(ページ終了フィード時のエラー) ······························· 39
5.3 USB 接続逐次印刷エラーフロー(テープエンドなど、逐次印刷中のエラー) ···················· 40
5.6 USB 接続バッファリング印刷通常フロー ······························································ 41
5.7 USB 接続バッファリング印刷エラーフロー ···························································· 42
付録 A: USB 仕様 ······················································································ 43
付録 B: 開発者ツールサイト(Brother Developer Center )のご紹介 ······················· 44
- i -
はじめに
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プリンターラスターマニュアル
はじめに
本資料は、弊社が提供するプリンタードライバーを使用しないで PT-P700 で印刷したいお客様に、必要な情報を提
供するものです。
お使いの OS と開発環境での USB の基本的な制御について、お客様が熟知されている前提で本書は説明していま
す。
また、USB IF に付きましては、本資料では言及いたしません。
USB IF をご使用される場合には、「付録 A: USB 仕様 」を参照して、お客様にて IF 部分を用意していただく必要が
あります。
本資料の画面に登場するモデル名は、お使いのプリンターのモデルに置き換えてお読みください。
- 1 -
はじめに
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プリンターラスターマニュアル
プリンターラスターデータとは?
弊社のプリンタードライバーを使用しないで PT-P700 を用いた印刷ができます。
そのため、以下のような場合に便利です。
Windows 以外の OS から印刷したい場合
(例: Linux PC、モバイル端末等から印刷する場合)
既存のシステムに印刷機能を追加したい場合
また、詳細な設定の印刷ができます。
本資料における「ラスター」は、2 値化されたビットマップデータ(ドットの集合)を示します。
本資料を参照し、ラスターデータに初期化コマンドや制御コードを付与してプリンター本体(以降、「本体」)に送ると、
印刷が実現されます。
本書では、このコードを付与し、データを送信する方法について説明をします。
- 2 プリンターラスターデータとは?
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(2) ステータスを受信する
(プリンターの状況を確認する )
(5) ステータスを受信する
(印刷完了を確認する )
1. ラスターデータの印刷手順
以下に印刷手順を説明します。
詳細なフローは「5.本体フロー 」を参照してください。
個々のコマンドの詳細は、「4.印刷コマンド詳細 」を参照してください。
プリンターラスターマニュアル
- 3 -
1. ラスターデータの印刷手順
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プリンターラスターマニュアル
(1) USB ポートをオープンする
ご利用の環境で USB ポートをオープンします。
ポートのオープン方法は本資料では言及しません。
(2) プリンターから送付されたステータスを確認する
「ステータス情報リクエスト」コマンドをプリンターに送信し、プリンターから返されるステータスを解析して、本体の
状況を把握します。
「ステータス情報リクエスト」コマンドと「ステータス」の定義については、「4. 印刷コマンド詳細 」の「ステータス情報
リクエスト」を参照してください。
(3) 印刷データを送信する
ステータスの解析により、本体に印字データに対応した用紙が装着され、かつ、エラーが発生していないことを確
認したら、印刷データを送信します。
印刷データの構造は「2. 印刷データ 」で説明します。
注意:
印刷データを送信した後、印字終了を確認するまで、本体にいかなるコマンドも送信することはできません。
「ステータス情報リクエスト」コマンドも印刷中に送信できません。
(4) 印刷する
(5) 印字終了状況を確認する
印刷が終了すると、本体からステータスを受け取ります。このステータスを解析して印刷終了ならば、1ページ分
の印刷が終了したことになります。
ジョブが複数ページからなる場合には(2)~(4)を繰り返してください。
(6) USB をクローズする
すべての印刷が終了したら、ポートをクローズします。
注意:
USB ポート使用時に非圧縮でラスターデータを送信する場合は、高速印刷を実現するため、印刷データを受信
し始めると、印字指令を待たずに印刷(逐次印刷)を開始します。
エラー制御などを行うための処理の流れは、「5.本体フロー」を参照してください。
- 4 -
1. ラスターデータの印刷手順
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プリンターラスターマニュアル
100 バイト分の無効指令を送り、プリンターのコマンド受信状態をリ
セットします。
印刷のための初期化をします。
1Bh, 40h (固定値)
本体のモードをラスターモードへ切替えます。
1Bh, 69h, 61h, 01h
印字情報をセットします。
180dpi モデル、24 mm 幅のテープで 100mm 印刷の場合:
1Bh, 69h, 7Ah, 84h, 00h, 18h, 00h, 9Ch, 02h, 00h, 00h, 00h, 00h
オートカットが ON の場合:
1Bh, 69h, 4Dh, 40h
つなげて印刷 OFF の場合
1BH,69H,4BH,08H
余白量を指定します。
180dpi モデル、余白量が 2mm の場合:
1Bh, 69h, 64h, 0Eh, 00h
ラスターグラフィックスの圧縮モードを選択します。
TIFF 圧縮されたデータを送信する場合:
4Dh, 02h
2. 印刷データ
2.1 印刷データ概要
印刷データは大きく分けて、(1) 初期化コマンド、(2) 制御コード、(3) ラスターデータ、(4) 印字指令から構成されま
す。
ジョブが複数ページからなる場合には、(2)~(4)を繰り返します。
(1) 初期化コマンド
ジョブの先頭で1度だけ指定します。
(2) 制御コード
各ページの先頭に付けて毎ページ送ります。
- 5 -
2. 印刷データ
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1ライン白の画像データを圧縮コマンドとして送ります。(圧縮モード
に TIFF を選択時のみ有効)
5Ah (固定値)
最後でないページの末尾に指定します。 0Ch (固定値)
最後のページの末尾に指定します。 1Ah (固定値)
(3) ラスターデータ
ジョブに含まれるページ分繰り返します。
(4) 印字指令
ページの末尾に指定されます。
プリンターラスターマニュアル
- 6 -
2. 印刷データ
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プリンターラスターマニュアル
2.2 サンプル (テストページの印刷データ解析)
ここでは、プリンタードライバーが作成した印刷データをもとに、前章で紹介したコマンドについて具体的に解説しま
す。
プリンタープロパティで [テストページ]を印刷した場合を例にして印刷データを確認します。
印刷データはプリンターの印刷設定によって異なりますので、様々な印刷設定で試し、印刷データを作成する際の参
考にしてください。
なお、説明は Windows ® 7 環境で行います。ご利用の環境が異なる場合は、同等の手順で行ってください。
2.2.1 事前の準備
以下の2つをあらかじめインストールをしてください。
・ 弊社 PT-P700 プリンタードライバー
・ バイナリエディター
サンプルで確認していただくデータは2進化されたファイル(バイナリファイル)です。
そのため、バイナリファイルの内容は、バイナリエディターを使って表示/確認してください。
2.2.2 印刷データを確認する手順
印刷データを確認する手順は、以下のとおりです。
ステップ1: 対象プリンターのポートを「FILE:」に変更します。
ステップ2: お好きな印刷物 (ここでは「テストページ」)を印刷し、ファイル名を指定します。
ステップ3: 作成したファイルをバイナリエディターで開き、確認します。
- 7 -
2. 印刷データ
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プリンターラスターマニュアル
ステップ1: 対象プリンターのポートを「FILE:」に変更します。
[デバイスとプリンター]フォルダーを開き、対象プリンターを右クリックして、プロパティ画面を表示します。
プロパティ画面の[ポート]タブを選択し、[FILE: ]をクリックして[適用]ボタンをクリックします。
プリンタープロパティの[ポート]タブ
ステップ2: 印刷物(テストページ)を印刷し、ファイル名を指定します。
印刷設定で、用紙サイズ[24mm x 2] を選択した状態でテストページを印刷してください。
- 8 -
2. 印刷データ
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プリンターラスターマニュアル
テストページを対象プリンターで印刷すると、ファイル名入力用ダイアログが表示されます。(下図参照)
任意のファイル名を入力して[OK ]をクリックすると、プリンタードライバーが印刷データを作成し、入力したファ
イル名で保存します。
ファイル名入力用ダイアログ
ステップ3: 印刷データをバイナリエディターで開きます。
保存したファイルをバイナリエディターで開きます。
表示される数字の羅列が印刷データです。(下図参照)
印刷データは「2.1 印刷データ概要」で説明した (1) 初期化コマンド、(2) 制御コード、(3) ラスターデータ、
(4) 印字指令から構成されています。
印刷データの詳細は、「2.2.3 テストページの印刷データの解説」を参照してください。
印刷データ
- 9 -
2. 印刷データ
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プリンターラスターマニュアル
2.2.3 テストページの印刷データの解説
前項で出力したテストページの印刷データについて解説していきます。
以下の図は、「2.2.1 事前の準備」で作成した印刷データをバイナリエディターで表示したものです。
印刷データ
- 10 -
2. 印刷データ
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100 バイト分の無効指令を送っていることが分かります。
プリンターをラスターモードに切替えます。
プリンターにラスターデータを送信する前に、このコマンドを送ってくださ
い。
内部仕様コマンドです。
製品版ドライバーでは出力するコマンドですが、お客様の方で特に送る必
要はありません。
印刷データの用紙サイズ情報を送ります。
ここでは、「24mm」のテープであることを意味しています。
各種モード設定
(1Bh + 69h + 4Dh + 00h)
各種モードを指定できるコマンドです。
ここでは、何も指定していません。
拡張モードを指定できるコマンドです。
ここでは、”ChainPrint しない” を有効にしています。
余白量を指定します。
ここでは、「15dots」であることを意味しています。
最終ページではないため、ページの最後に印字指令を送ります。
プリンターをラスターモードに切替えます。
プリンターにラスターデータを送信する前に、このコマンドを送ってくださ
い。
内部仕様コマンドです。
製品版ドライバーでは出力するコマンドですが、お客様の方で特に送る必
要はありません。
印刷データの用紙サイズ情報を送ります。
ここでは、「24mm」のテープであることを意味しています。
各種モード設定
(1Bh + 69h + 4Dh + 00h)
各種モードを指定できるコマンドです。
ここでは、何も指定していません。
拡張モードを指定できるコマンドです。
ここでは、”ChainPrint しない” を有効にしています。
余白量を指定します。
ここでは、「15dots」であることを意味しています。
最後のページなので、ページの最後には排出を伴う印字指令を送りま
す。
上記の印刷データの各番号に対応する説明を下記の表にまとめました。
各コマンドの詳細については「4.印刷コマンド詳細 」を参照してください。
プリンターラスターマニュアル
- 11 -
2. 印刷データ
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2.3 ページデータ詳細
2.3.1 解像度
PT-P700
プリンターラスターマニュアル
- 12 -
2. 印刷データ
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2.3.2 用紙サイズ
(1) 通常サイズ
プリンターラスターマニュアル
番号 1 幅 2 長さ
3 印刷可能領域幅(最大印字幅) 4 印刷可能領域長さ
5 幅方向オフセット 6 長さ方向オフセット
TZe テープ
- 13 -
2. 印刷データ
Page 18
ヒートシュリンクチューブ
プリンターラスターマニュアル
- 14 -
2. 印刷データ
Page 19
9.90mmx2+0.98mmx2
70dotsx2+7dotsx2
9.90mmx3+0.98mmx2
70dotsx3+7dotsx2
9.90mmx4+0.98mmx2
70dotsx4+7dotsx2
15.8mmx2+1.12mmx2
112dotsx2+8dotsx2
15.8mmx3+1.12mmx2
112dotsx3+8dotsx2
15.8mmx4+1.12mmx2
112dotsx4+8dotsx2
18.1mmx2+2.96mmx2
128dotsx2+21dotsx2
18.1mmx3+2.96mmx2
128dotsx3+21dotsx2
18.1mmx4+2.96mmx2
128dotsx4+21dotsx2
(2) スプリットサイズ
番号 1 幅 2 長さ
プリンターラスターマニュアル
3 印刷可能領域幅(最大印字幅) 4 印刷可能領域長さ
5 幅方向オフセット 6 長さ方向オフセット
7 全体幅 8 全体印刷可能領域幅
TZe テープ
- 15 -
2. 印刷データ
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プレカットしない
最小余白設定
(ドライバーには
関連しない)
2.3.3 フィード量
フィード量(左右余白)を定義します。
180dpi× 180dpi
プリンターラスターマニュアル
- 16 -
2. 印刷データ
Page 21
2.3.4 最大・最小長
最大長と最小長を定義します。
180dpi× 180dpi
TZe テープ
ヒートシュリンクチューブ
プリンターラスターマニュアル
※ドライバーの最小長(最小の印刷データ長:余白 2mmx2+最少印字領域)は上記表の通りだが、本体の仕
様上(本体のカッター位置のため)、排出できる最小のテープ長は 24.5mm になる。
例えば、4.4mm の最少の印刷データが作成されても、排出できる最少のテープ長は 24.5mm であるため、印
刷結果は以下のような 24.5mm のテープになる。
つまり、24.5mm 以下の印刷データ長では、印刷結果は、24.5mm のテープになる。
- 17 -
2. 印刷データ
Page 22
プリンターラスターマニュアル
1stB 2ndB 3rdB 4
th
B ...
2.3.5 ラスターライン
下図の様に印刷すべきデータがある部分を「ラスターグラフィックス転送」で、データが無い部分を「ゼロラスタ
ーグラフィックス」に変換してください。
実際のテープでは、始めと終わりに「各種モード設定」で指定された余白(フィード)が付加されます。
ラスターグラフィックスのパラメーターとピクセルの関係は次のとおりです。
- 18 -
2. 印刷データ
Page 23
全ピン数
PT-P700 128pin
プリンターラスターマニュアル
TZe テープ:
- 19 -
2. 印刷データ
Page 24
ヒートシュリンクチューブ:
プリンターラスターマニュアル
- 20 -
2. 印刷データ
Page 25
3. 印刷コマンド一覧
プリンターラスターマニュアル
- 21 -
3. 印刷コマンド一覧
Page 26
プリンターラスターマニュアル
4. 印刷コマンド詳細
NULL 無効指令
ASCII: NULL
16 進 : 00
説明
読み飛ばします。
途中でデータ通信を止めたいときに、適当なバイト数の無効指令を送ったあと、初期化コマンドを送付すると、バ
ッファーがクリアされた受信状態に戻ります。
ESC @ 初期化
ASCII: ESC @
16 進: 1B 40
説明
モード設定を初期化します。
印字キャンセルにも使用されます。
ESC i S ステータス情報リクエスト
ASCII: ESC i S
16 進 : 1B 69 53
説明
ステータス情報リクエストをプリンターに送信すると、応答として 32 バイトの固定サイズがプリンターから返ってき
ます。32 バイトの詳細は次ページをご覧ください。
注意:
本コマンドは印字データを本体に送信する前に、1度だけ送ってください。
印刷中のエラーは本体から自動的に送付されますので、印刷中に本コマンドを送信しないでください。
ステータスのやり取りについては、「5.本体フロー」を参照してください。
- 22 -
4. 印刷コマンド詳細
Page 27
プリンターラスターマニュアル
各種モード設定コマンドで設定した値。
指定しない場合は 00h
出荷時検査に使用するハードウェア情報
をセットする。
- 23 -
4. 印刷コマンド詳細
Page 28
(1) エラー情報1
(2) エラー情報2
プリンターラスターマニュアル
- 24 -
4. 印刷コマンド詳細
Page 29
(3) メディア幅、長さ
メディアの幅と長さを mm 単位で記述します。0 ~255 (FFh) 。
(a) TZe テープ
*メディア幅:テープの幅を mm で記述します。
*メディア長さ: 00h 固定です。
プリンターラスターマニュアル
(4) メディア種類
- 25 -
4. 印刷コマンド詳細
Page 30
(5) ステータス種類
印刷中にエラーが発生した場合には、エラーステータスを返します。
(6) フェーズ種類、フェーズ番号
プリンターラスターマニュアル
フェーズ番号を使用しない場合は、ともに 00h 固定です。
エディット
通常印字
(7) 通知番号
- 26 -
4. 印刷コマンド詳細
Page 31
TZe-535(12mm)
TZe-545(18mm)
TZe-555(24mm)
(8) テープ色情報
プリンターラスターマニュアル
- 27 -
4. 印刷コマンド詳細
Page 32
01h 赤 04h 青 05h 黒 08h 金 0Ah
(9) 文字色情報
プリンターラスターマニュアル
- 28 -
4. 印刷コマンド詳細
Page 33
ESC i a 動的コマンドモード切替
ASCII: ESC i a {n1}
16 進: 1B 69 61 {n1}
パラメーター
{n1}の定義
0: ESC/P(デフォルト)
1:ラスター(こちらに必ず切り替えてください)
3: P-touch Template
説明
動的に本体のコマンドモードを切り替えます。
本コマンドを受信した本体は電源が切られるまで指定したコマンドモードとして動作します。
プリンターにラスターデータを送信する前にはラスターモードに切替える必要があります。
プリンターラスターマニュアル
そのためにラスターモードに切替えるコマンドを送ります。
- 29 -
4. 印刷コマンド詳細
Page 34
有効フラグ:どの値が有効か指定します。
0x02: 用紙種類
0x04:用紙幅
0x08:用紙長さ
0x40:品質優先(未使用)
0x80:本体でリカバー処理する
用紙種類
テープなし: 00h
ラミネートテープ: 01h
ノンラミネートテープ:03h
ヒートシュリンクチューブ:11h
非対応テープ:FFh
{n3}:用紙幅 単位: mm
{n4}:用紙長さ 単位: mm
用紙幅 24 mm の場合、 n3=18h、 n4=00h と設定してください。
n4 は用紙の長さに関わらず常に、00h です。
ラスター数 = n8*256*256*256 + n7*256*256 + n6*256 + n5
{n1}の有効フラグの内、用紙種類、用紙幅、用紙長さが ON の時、本体にセットされたメディア
が正しくないとき、エラーステータスが返されます(「 (2) エラー情報2 」の「ビット0」が ON)。
ESC i z 印刷情報指令
ASCII: ESC i z {n1} {n2} {n3} {n4} {n5} {n6} {n7} {n8} {n9} {n10}
16 進: 1B 69 7A {n1} {n2} {n3} {n4} {n5} {n6} {n7} {n8} {n9} {n10}
説明
印刷情報を指定します。
{n1}~ {n10}の定義
プリンターラスターマニュアル
- 30 -
4. 印刷コマンド詳細
Page 35
ESC i M 各種モード設定
ASCII: ESC i M {n1}
16 進: 1B 69 4D {n1}
パラメーター
{n1}の定義
1バイトのパラメーターで、各ビットの意味は下記の通り。
0 ~ 5bit: 未使用
6bit: オートカット 1.オートカットする 0:オートカットしない
7bit: ミラー印刷 1.ミラー印刷する 0: ミラー印刷しない
ESC i K 拡張モード設定
プリンターラスターマニュアル
ASCII: ESC i K {n1}
16 進: 1B 69 4B {n1}
パラメーター
{n1}の定義
1 バイトのパラメーターで、各ビットの意味は下記の通り。
0 ~ 2bit:未使用
3bit: ChainPrint しない
連続印刷のとき最後の 1 枚を印刷後フィードします。
1. ChainPrint しない(最後の 1 枚をフィードカットする)
0: ChainPrint する(最後の 1 枚をフィードカットしない)
4bit:特殊テープ(カットなし)
特殊テープが入っているものとしてカットを行いません。
1.特殊テープ(カットなし) ON 0:特殊テープ(カットなし) OFF
5 ~ 6bit:未使用
7bit:印刷時バッファークリアなし
コピー印刷時、「印刷時バッファークリアなし」指定により、本体の展開バッファーがクリアされない。
1 枚目のデータを印刷するとき、本コマンドを送っておけば(「初期化コマンド」と印刷データの間に指定)、
2 枚目以降は印刷コマンドを送信するだけで印刷できる。
1.印刷時バッファークリアなし ON 0.印刷時バッファークリアなし OFF
- 31 -
4. 印刷コマンド詳細
Page 36
ESC i d 余白量(フィード量)指定
ASCII: ESC i d {n1} {n2}
16 進: 1B 69 64 {n1} {n2}
説明
余白量を指定します。
余白量 (ドット ) = n1 + n2 * 256
(a) 無定長
プリンターラスターマニュアル
- 32 -
4. 印刷コマンド詳細
Page 37
00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00
00 00 00 00 00 22 22 23 BA BF A2 22 2B……
ED 00 FF 22 05 23 BA BF A2 22 2B …
a b c
00h が 20 バイト続きますので、20 Dec→19 Dec→13 Hex、負の数にして ED Hex です。
従って、 ED 00
22h が 2 バイト続きますので、2 Dec→1 Dec→1 Hex、負の数にして FF Hex です。
従って、 FF 22
次の 6 バイトはそのまま展開します。6 Dec → 5 Dec →5 Hex 。
従って、05 23 BA BF A2 22 2B
この後も非圧縮データのバイト数分続けます。最後まで、00 Hex であっても省略できません。
M 圧縮モード選択
ASCII: M {n}
16 進: 4D {n}
パラメーター
{n}の定義
説明
圧縮モードを選択する。
データ圧縮はラスターグラフィックス転送のデータ内でのみ有効です。
[TIFF (Pack Bits)]
プリンターラスターマニュアル
1バイト単位。
同一データが連続する場合は、その個数とその1バイトのデータを指定します。
異なるデータが連続する場合は、その個数と異なるデータすべてを指定します。
同一データを指定する場合の個数の指定は、(実際の数-1)を負の数で指定します。
異なるデータの個数指定の場合も、そのバイト数-1を正の数で指定します。
以上の処理の結果、圧縮データが、16 (PT-P700 )バイトを超える場合は、すべて異なるとみなします。
この結果、長さを指定する1バイトを含めて、トータルで 17 (PT-P700 )バイトになります。
サンプル
ラスターグラフィックス転送の1ラスター分:
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4. 印刷コマンド詳細
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プリンターラスターマニュアル
「TIFF 圧縮モード」の説明
圧縮時は、「ラスターグラフィックス転送」コマンドのデータ部分は全ピン数(PT-P700:128)のバイト数 16(PT-P700)
バイト分を元にします。
下図で、非圧縮時には、オフセットピン数と印刷可能領域ピン数を加えた部分をバイトデータにしますが、圧縮時に
は、更に、未使用ピン数を加えてデータにします。
すなわち、圧縮時には、テープ幅に関わらず、本体で展開すると 16(PT-P700)バイトになります。
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4. 印刷コマンド詳細
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プリンターラスターマニュアル
g ラスターグラフィックス転送
ASCII: G {n1} {n2} {d1} ... {dk}
16 進: 47 { n1} {n2} {d1} ... {dk}
説明
指定バイト数 k のデータを転送する。
データはマージンを加えた位置から上書きで展開される。
展開されたデータが展開バッファーのエンドに満たない場合は、残りはゼロデータでフィルされる。
展開されたデータが展開バッファーのエンドを超える場合は、超える部分はカットされる。
パラメーター
{n1}{n2} 指定バイト数 k = n1 + n2*256
0000h ≦ 指定バイト数 k ≦ ヘッドのピン数を 8 で割った値を超える最初の正数(ガウス数)
{k} ラスターデータ( d1~ dk)のバイト数を表します。
ただし、圧縮モードで無圧縮が指定されている場合は以下の値を使用します。
PT-P700:16
{d1~dk} ラスターデータ
Z ゼロラスターグラフィックス
ASCII: Z
16 進: 5A
説明
ラスターラインをゼロデータで満たします。
FF 印字指令
ASCII: FF
16 進: 0C
説明
複数ページ印字する際、最後以外のページ末に印字指令として使用します。
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4. 印刷コマンド詳細
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Control-Z 排出動作を伴う印字指令
ASCII: Control-Z
16 進: 1A
説明
最後のページ末に印字指令として使用します。
プリンターラスターマニュアル
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4. 印刷コマンド詳細
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5. 本体フロー
通常、印刷はバッファリング印刷を行います。
ただし、プリンター本体が USB 接続で、非圧縮データを受信した場合は、逐次印刷になります。
Note:
逐次印刷:本体が印刷データを受信すると直ちに印刷を開始します。
バッファリング印刷:1ページ分の印刷データを受信すると印刷を開始します。
プリンターラスターマニュアル
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5.本体フロー
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プリンターラスターマニュアル
ステータス(ステータスリクエストへの応答ステータス)
実際にはまだ1ページ目
の印字が終わっていない
が、「印刷終了」ステータ
スと「受信状態/受信待
ち」フェーズを送信する
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A) 」、
途中ページなら「印字指令(0C) 」)を送信
本体の状態(メディア
など)に問題が無けれ
ば、データを送信。
あればエラー表示。
5.1 USB 接続逐次印刷通常フロー
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5.本体フロー
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プリンターラスターマニュアル
ステータス(ステータスリクエストへの応答ステータス)
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A) 」、
途中ページなら「印字指令(0C) 」)を送信
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A) 」、
途中ページなら「印字指令(0C) 」)を送信
本体の状態(メディアな
ど)に問題が無けれ
ば、データを送信。
あればエラー表示。
実際にはまだ1ページ
目の印字が終わって
いないが、「印刷終了」
ステータスと「受信状
態/受信待ち」フェー
ズを送信する
エラーを表示する。
再開する場合は、2ページ
目の<印刷開始>を受け
取っていないため、1ペー
ジのデータから再送する。
エラーが発生すると、
PC からの書き込みは
すべて読み捨てる
5.2 USB 接続逐次印刷エラーフロー(ページ終了フィード時のエラー)
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5.本体フロー
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プリンターラスターマニュアル
本体の状態(メディアな
ど)に問題が無ければ、
データを送信。
あればエラー表示。
実際にはまだ1ページ目
の印字が終わっていない
が、「印刷終了」ステータ
スと「受信状態/受信待
ち」フェーズを送信する
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A) 」、
途中ページなら「印字指令(0C) 」)を送信
エラーが発生すると、PC
からの書き込みはすべて
読み捨てる
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A) 」、
途中ページなら「印字指令(0C) 」)を送信
エラーを表示する。
再開する場合は、2ページ目の
<印刷開始>を受け取っている
ため、2ページのデータから再
送する。
エラー状態で本体に残っ
ているジョブをすべて削除
する
ステータス(ステータスリクエストへの応答ステータス)
5.3 USB 接続逐次印刷エラーフロー(テープエンドなど、逐次印刷中のエラー)
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5.本体フロー
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プリンターラスターマニュアル
本体の状態(メディアな
ど)に問題が無ければ、
データを送信。
あればエラー表示。
ステータス(ステータスリクエストへの応答ステータス)
印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A) 」、
途中ページなら「印字指令(0C) 」)を送信
5.6 USB 接続バッファリング印刷通常フロー
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5.本体フロー
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印刷コマンド(最終ページなら「排出を伴う印字指令(1A) 」、
途中ページなら「印字指令(0C) 」)を送信
本体の状態(メディア
など)に問題が無けれ
ば、データを送信。
あればエラー表示。
ステータス(ステータスリクエストへの
応答ステータス)またはエラー発生
5.7 USB 接続バッファリング印刷エラーフロー
プリンターラスターマニュアル
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5.本体フロー
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文字列ディスクリプター0x01
0x0409: “ Brother”
文字列ディスクリプター0x03
0x0409: "000000001"
本体のシリアル番号の最後の 9 桁
インバルク (本体から PC へステータスを送る)
最大パケットサイズ 64 バイト
アウトバルク (PC から本体へ印刷コマンド、データを送る)
最大パケットサイズ 64 バイト
付録 A: USB 仕様
USB 仕様 1.1
プリンターラスターマニュアル
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付録 A: USB 仕様
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プリンターラスターマニュアル
付録 B: 開発者ツールサイト(Brother Developer Center)のご紹介
下記のサイトに、開発者の方に役立つ情報掲載しております。ぜひご参照ください。
・アプリケーション、ツール、SDK の紹介
・操作手順動画
・よくある質問
http://www.brother.co.jp/dev/index.htm
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付録 B: 開発者ツールサイト(Brother Developer Center )のご紹介
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