Roland S-MADI User Manual [ja]

この機器を正しくお使いいただくために、ご使用前に「安全上のご注意」(P.4 〜 P.5)と「使 用上のご注意」(P.6)をよくお読みください。また、この機器の優れた機能を十分ご理解いた だくためにも、取扱説明書をよくお読みください。取扱説明書は必要なときにすぐに見ることが できるよう、手元に置いてください。
©
2010 ローランド株式会社 
本書の一部、もしくは全部を無断で複写・転載することを禁じます。
*5100017535-01*

同梱物を確認する

以下のものが同梱されています。すべてそろっているかご確認ください。同梱物に不足があった場合には、お買い上げ 店までご連絡ください。
S-MADI 本体
fig.S-MADI-itself.eps
電源コードおよび 2P-3P 変換器
fig.AC-cord.eps
REAC コネクター・カバー(2 個)
fig.connector-cover.eps
フェライト・コア(2 個)
fig.ferrite-core.eps
ゴム足(4 個)
fig.rubber-foot.eps
取扱説明書(本書)
fig.owners-manual.eps
ローランド・ユーザー登録カード
fig.user-card.eps
保証書
fig.warranty.eps
REAC(リアック)とは
REAC(Roland Ethernet Audio Communication) はイーサネット技術をベースとしたローランド独自の オーディオ信号転送技術です。24 ビットの非圧縮音声信号を最大 40 チャンネル送受信することができま す。REAC 機器の接続には Cat5e(エンハンスト・カテゴリー 5)規格に適合したイーサネット・ケーブル を使用します。
MADI(マディ)とは
MADI(Multichannel Audio Digital Interface)とは、AES で規格化されたデジタル・オーディオの伝送 規格のひとつです。ステレオ(2 チャンネル)伝送用の規格である AES/EBU を拡張したもので、1 本の ケーブルで最大 64 チャンネルまでの伝送を行うことができます。
MMP(Moore Microprocessor Portfolio)はマイクロプロセッサーのアーキテクチャーに関る TPL(Technology Properties Limited)社の特許ポートフォリオです。当社は、TPL 社よりライセンスを得ています。
※Roland および REAC は、日本国およびその他の国におけるローランド株式会社の登録商標または商標です。
※文中記載の会社名及び製品名は、各社の商標または登録商標です。
3

安全上のご注意

警告
マークについて この機器に表示されているマークには、次のような意味があります。
注意
感電の恐れがあります。
キャビネットをあけないでください。
感電防止のため、パネルやカバーを外さないでください。
注意:
この機器の内部には、お客様が修理/交換できる部品 はありません。 修理は、お買い上げ店またはローランドお客様相談セ ンターに依頼してください。
火災・感電・傷害を防止するには
注意の意味について警告と
取扱いを誤った場合に、使用者が
警告
注意
死亡または重傷を負う可能性が想 定される内容を表わしています。
取扱いを誤った場合に、使用者が 傷害を負う危険が想定される場合 および物的損害のみの発生が想定 される内容を表わしています。  ※物的損害とは、家屋・家財およ
び家畜・ペットにかかわる拡大 損害を表わしています。
このマークは、機器の内部に絶縁されていない「危 険な電圧」が存在し、感電の危険があることを警 告しています。
このマークは、注意喚起シンボルです。取扱説明書 などに、一般的な注意、警告、危険の説明が記載さ れていることを表わしています。
図記号の例
 は、注意(危険、警告を含む)を表わしていま す。 具体的な注意内容は、 の中に描かれています。 左図の場合は、「一般的な注意、警告、危険」を 表わしています。
 は、禁止(してはいけないこと)を表わしてい ます。 具体的な禁止内容は、 の中に描かれています。 左図の場合は、「分解禁止」を表わしています。
は、強制(必ずすること)を表わしています。
具体的な強制内容は、 左図の場合は、「電源プラグをコンセントから抜 くこと」を表わしています。
の中に描かれています。
以下の指示を必ず守ってください
警告
002a
● この機器を分解したり、改造したりしないでください。
..............................................................................................................
003
● 修理/部品の交換などで、取扱説明書に書かれていな いことは、絶対にしないでください。必ずお買い上げ 店または ローラ ンドお 客様 相談セ ンター に相談 して ください。
..............................................................................................................
004
● 次のような場所に設置しないでください。
○ 温度が極 端に高 い場所(直 射日光 の当た る場所、
暖房機器の近く、発熱する機器の上など)
○ 水気の近く(風呂場、洗面台、濡 れた床など)や
湿度の高い場所 ○ 湯気や油煙が当たる場所 ○ 塩害の恐れがある場所 ○ 雨に濡れる場所 ○ ほこりや砂ぼこりの多い場所 ○ 振動や揺れの多い場所
..............................................................................................................
007
● この機器を、ぐらつく台の上や傾いた場所に設置しな いでください。必ず安定した水平な場所に設置してく ださい。
..............................................................................................................
008a
● 電源プラグは、必ず交流(AC)100V の電源コンセ ントに差し込んでください。
..............................................................................................................
008e
● 電源コードは、必 ず付属のも のを使用して ください。 また、付属の電源コードを他の製品に使用しないでく ださい。
..............................................................................................................
009
● 電源コードを無理に曲げたり、電源コードの上に重い ものを載せたりしないでください。電源コードに傷が つき、ショートや断線の結果、火災や感電の恐れがあ ります。
..............................................................................................................
4
警告
注意
011
● この機器に、異物(燃えやすいもの、硬貨、針金など) や液体(水、ジュースなど)を絶対に入れないでくだ さい。また、この機器の上に液体の入った容器を置か ないでください。ショートや誤動作など、故障となる ことがあります。
..............................................................................................................
012a
● 次のような場合は、直ちに電源を切って電源コードを コンセントから外し、お買い上げ店またはローランド お客様相談センターに修理を依頼してください。
○ 電源コードやプラグが破損したとき ○ 煙が出たり、異臭がしたとき ○ 異物が内部に入ったり、液体がこぼれたりしたと
き ○ 機器が(雨などで)濡れたとき ○ 機器に異常や故障が生じたとき
..............................................................................................................
013
● お子様のいるご家庭で使用する場合、お子様の取り扱 いやいた ずらに 注意し てくだ さい。必 ず大人 のかた が、監視/指導してあげてください。
..............................................................................................................
014
● この機器を落としたり、この機器に強い衝撃を与えな いでください。
..............................................................................................................
015
● 電源は、タコ足配線などの無理な配線をしないでくだ さい。特に、電 源タ ップ を使 用し てい る場 合、電源 タップの容量(ワット/アンペア)を超えると発熱し、 コードの被覆が溶けることがあります。
..............................................................................................................
016
● 外国で使用する場合は、お買い上げ店またはローラン ドお客様相談センターに相談してください。
..............................................................................................................
024
● 電源コードのアースを確実に取り付けてください。感 電の恐れがあります。「電源アースについて 」(P.8)を 参照してください。
..............................................................................................................
安全上のご注意
101a
● この機器は、風通しのよい、正常な通気が保たれてい る場所に設置して、使用してください。
..............................................................................................................
102b
● 電源コー ドを 機器本 体やコ ンセン トに抜 き差 しする ときは、必ずプラグを持ってください。
..............................................................................................................
103a
● 定期的に電源プラグを抜き、乾いた布でゴミやほこり を拭き取ってください。また、長時間使用しないとき は、電源プラグをコンセントから外してください。電 源プラグ とコ ンセン トの間 にゴミ やほこ りが たまる と、絶縁不良を起こして火災の原因になります。
..............................................................................................................
104
● 接続したコードやケーブル類は、繁雑にならないよう に配慮してくだ さい。特に、コードや ケーブル類は、 お子様の手が届かないように配慮してください。
..............................................................................................................
106
● この機器の上に乗ったり、機器の上に重いものを置か ないでください。
..............................................................................................................
107b
● 濡れた手で電源コードのプラグを持って、機器本体や コンセントに抜き差ししないでください。
..............................................................................................................
108a
● この機器を移動するときは、電源プラグをコンセント から外し、外部機器との接続を外してください。
..............................................................................................................
109a
● お手入れをするときには、電源を切って電源プラグを コンセントから外してください(P.8)。
..............................................................................................................
110a
● 落雷の恐れがあるときは、早めに電源プラグをコンセ ントから外してください。
..............................................................................................................
118c
● 取り外 した接 地端 子のネ ジ、端子 のカバ ーや付 属の REAC コネクター・カバー、フェライト・コア、ゴム 足は、小さなお子様が誤って飲み込んだりすることの ないよう お子 様の手 の届か ないと ころへ 保管 してく ださい。
..............................................................................................................
119
● 本体のトップ・パネルやリア・パネルは高温になりま すので、やけどしないよう注意してください。
..............................................................................................................
5

使用上のご注意

電源について
301
● 本機を冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、エアコンなどのインバー ター制御の製品やモーターを使った電気製品が接続されている コンセントと同じコンセントに接続しないでください。電気製 品の使用状況によっては、電源ノイズにより本機が誤動作した り、雑音が発生する恐れがあります。電源コンセントを分ける ことが難しい場合は、電源ノイズ・フィルターを取り付けてく ださい。
307
● 接続するときは、誤動作やスピーカーなどの破損を防ぐため、 必ずすべての機器の電源を切ってください。
308
● 電源スイッチを切った後、本機上の LED などは消えますが、こ れは主電源から完全に遮断されているわけではありません。完 全に電源を切る必要があるときは、この機器の電源スイッチを 切った後、コンセントからプラグを抜いてください。そのため、 電源コ−ドのプラグを差し込むコンセントは、この機器にでき るだけ近い、すぐ手の届くところのものを使用してください。
設置について
352a
● テレビやラジオの近くでこの機器を動作させると、テレビ画面 に色ムラが出たり、ラジオから雑音が出ることがあります。こ の場合は、この機器を遠ざけて使用してください。
352b
● 携帯電話などの無線機器を本機の近くで使用すると、着信時や 発信時、通話時に本機から雑音が出ることがあります。この場 合は、それらの機器を本機から遠ざけるか、もしくは電源を 切ってください。
354a
● 直射日光の当たる場所や、発熱する機器の近く、閉め切った車 内などに放置しないでください。変形、変色することがありま す。
355b
● 極端に温湿度の違う場所に移動すると、内部に水滴がつく(結 露)ことがあります。そのまま使用すると故障の原因になりま
すので、数時間放置し、結露がなくなってから使用してくださ い。
360
● 設置条件(設置面の材質、温度など)によっては本機のゴム足 が、設置した台などの表面を変色または変質させることがあり ます。ゴム足の下にフェルトなどの布を敷くと、安心してお使 いいただけます。この場合、本機が滑って動いたりしないこと を確認してからお使いください。
361
● 本機の上に水の入った容器(花びんなど)、殺虫剤、香水、アル コール類、マニキュア、スプレー缶などを置かないでください。 また、表面に付着した液体は、すみやかに乾いた柔らかい布で 拭き取ってください。
お手入れについて
401a
● 通常のお手入れは、柔らかい布で乾拭きするか、堅く絞った布 で汚れを拭き取ってください。汚れが激しいときは、中性洗剤 を含んだ布で汚れを拭き取ってから、柔らかい布で乾拭きして ください。
402
● 変色や変形の原因となるベンジン、シンナーおよびアルコール 類は、使用しないでください。
修理について
451a
● お客様がこの機器を分解、改造された場合、以後の性能につい て保証できなくなります。また、修理をお断りする場合もあり ます。
453a
● 当社では、この製品の補修用性能部品(製品の機能を維持する ために必要な部品)を、製造打切後 6 年間保有しています。こ の部品保有期間を修理可能の期間とさせていただきます。なお、 保有期間が経過した後も、故障箇所によっては修理可能の場合 がありますので、お買い上げ店、またはローランドお客様相談 センターにご相談ください。
その他の注意について
551
● 記憶した内容は、機器の故障や誤った操作などにより、失われ ることがあります。失っても困らないように、大切な記憶内容 はメモしておいてください。
553
● 故障の原因になりますので、ボタン、つまみ、入出力端子など に過度の力を加えないでください。
556
● ケーブルの抜き差しは、ショートや断線を防ぐため、プラグを 持ってください。
557
● この機器は多少発熱することがありますが、故障ではありませ ん。
559a
● 輸送や引っ越しをするときは、この機器が入っていたダンボー ル箱と緩衝材、または同等品で梱包してください。
559c
● この機器が入っていた梱包箱や緩衝材を廃棄する場合、各地域 のゴミの分別基準に従って行ってください。
928
● 本体を裏返す際は、ボタン、つまみなどを破損しないように、 ご注意ください。
929
● 本体を裏返す際は、落下や転倒を引き起こさないよう取扱いに ご注意ください。
6
目次
電源について...................................................................................................8
電源アースについて...............................................................................................................8
コード・フックについて .......................................................................................................9
電源を入れる/切る ....................................................................................10
電源を入れる .......................................................................................................................10
電源を切る ...........................................................................................................................10
設置について................................................................................................11
設置するときのご注意........................................................................................................11
冷却ファンの吸気口と排気口について................................................................................. 11
ラック・マウントについて.................................................................................................... 11
ゴム足について ....................................................................................................................... 11
各部の名称と機能 ........................................................................................12
フロント・パネル................................................................................................................12
リア・パネル .......................................................................................................................14
SELECT ボタンの操作について...............................................................16
外部機器を接続する ....................................................................................17
MADI/REAC 接続を行う前に...........................................................................................17
MADI/REAC 機器を接続する...........................................................................................19
接続例 1:デジタル・スネーク機器と MADI 機器を接続する ......................................... 19
接続例 2:MADI 機器からの出力を M-48 に分配する .................................................... 20
接続例 3:モニター・コンソールとして V-Mixer を接続する......................................... 21
接続例 4:光信号で長距離伝送を行う(1)........................................................................ 22
接続例 5:光信号で長距離伝送を行う(2)........................................................................ 23
接続例 6:2 台の S-MADI を使って 64 チャンネルの入出力システムを構築する...... 24
リモート・コントローラーについて .........................................................26
専用リモート・コントローラーを接続する .....................................................................26
パソコンを接続する............................................................................................................26
資料 ...............................................................................................................27
主な仕様 ...............................................................................................................................27
故障かな?と思ったら........................................................................................................27
寸法図...................................................................................................................................28
7

電源について

付属の電源コードをリア・パネルの AC INPUT 端子に接続します。電源の接続には、必ず付属の電源コードを使用し てください。
電源プラグは、必ず銘板に記載の仕様を満たしている電源コンセントに差し込んでください。銘板は、製品本 体の側面にあります。設置の状態により確認しづらい場合には、「主な仕様」(P.27)を参照してください。

電源アースについて

感電を防ぐために付属の電源コードを使用し、アースを確実に取り付けてください。
付属の電源コードには、感電と機器の損傷を防ぐためにアース用電極端子を加えた 3 端子のプラグがついています。
コンセントが接地コンセント(端子穴が 3 個)の場合、そのままコンセントにプラグを挿し込んでください。
コンセントがアースターミナル付コンセント(端子穴が 2 個)の場合、プラグに 2P-3P 変換器をつけ、アース接続後コンセントに
挿し込みます。
fig.ACconnection.eps
接地コンセント
リアパネル
ターミナル付き
コンセント
アース接続
※アース接続は必ず、電源プラグをコンセントに挿し込む前に行なってください。
※アース接続を外す場合は、必ず電源プラグをコンセントから抜いてから行なってください。
または
2P-3P変換器
電源コード  (付属)
2P-3P変換器
N
L
コンセントにアース端子がない場合は、電気工事店に接地工事を依頼してください。なお、接続方法がわからないとき は、ローランドお客様相談センターにご相談ください。
8
電源について

コード・フックについて

以下のように電源コードをコード・フックで固定します。誤ってコードを引っ張った場合でも、プラグが抜けて電源が切れ てしまうことを防ぐことができます。
..
1111..
電源コードを AC INPUT 端子に接続する
fig.connect-AC.eps
..
2222..
コード・フックで電源コードを固定する
電源コードをコード・フックではさんで固定します。
fig.fix-cord.eps
9
Loading...
+ 19 hidden pages