Fuji Electric FRENIC-Mega Operating Manual

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取扱説明書 / Instruction Manual
PROFIBUS-DP Communications Card
"OPC-G1-PDP"
Fuji Electric Systems Co., Ltd. INR-SI47-1329a-JE
Copyright © 2008 Fuji Electric Systems Co., Ltd.
All rights reserved.
この取扱説明書の著作権は,富士電機システムズ株式会社にあります。
本書に掲載されている会社名や製品名は,一般に各社の商標または登録商標です。
仕様は予告無く変更することがあります。
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Systems Co., Ltd.
All products and company names mentioned in this manual are trademarks or registered trademarks of their
respective holders.
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日本語版
1

まえがき

PROFIBUS-DP 通信カードをお買い上げいただき誠にありがとうございます。
この取扱説明書は,PROFIBUS-DP マスタ(Siemens 社製 PLC 等)と FRENIC-MEGA PROFIBUS-DP 接続する用途で
ご利用頂くためのものです。この通信カードを FRENIC-MEGA に取 り付 ることで,PLC やパソコンなどの
PROFIBUS-DP マスタ機器と接続し, 運転指令・周波数令・機能コードアクセス等を使って FRENIC-MEGA をスレ
ーブとしてコントロールすることができます。
PROFIBUS-DP 通信カードは,FRENIC-MEGA のオプション接続ポート 3 箇所(A,B,C-port)のうち,A-port にのみ
搭載可能です。
本通信カードの特徴を以下に示します。
- PROFIBUS バージョン : DP-V0 対応
- 通信速度 : 9.6Kbit/s~12Mbit/s
- 最大ケーブル長 : 100m (12Mbit/s)~1200m (9.6Kbit/s)
- プロファイル : PROFIDrive V2 準拠
- FRENIC-MEGA が持つ全機能コードを読み書き可能
この取扱説明書にはインバータに関する取扱い方の記載はありませんので,ご使用の前には,この説明書とイン
バータ本体の取扱説明書をお読みになって取扱い方を理解し,正しくご使用ください。間違った取扱いは,正常
な運転を妨げ,寿命の低下や故障の原因になります。
取扱説明書はご使用後も大切に保管してください。
関連資料
OPC-G1-PDP に関連する資料を以下に示します。目的に応じてご利用ください。
RS-485 通信ユーザーズマニュアル
FRENIC-MEGA 取扱説明書
資料は随時改訂していますので,ご使用の際には最新版の資料を入手してください。
- この取扱説明書を読み,理解したうえで,PROFIBUS-DP 通信カードの取付け,接続(配線),運転,保守
点検を行ってください。
- 間違った取扱いは,正常な運転を妨げたり,寿命の低下や故障の原因になります。
- この取扱説明書は,実際に使用される最終需要家に確実にお届けください。最終需要家はこの取扱説明書
を,PROFIBUS-DP 通信カードが廃棄されるまで大切に保管してください。
安全上のご注意
取付け,配線(接続),運転,保守点検の前に必ずこの取扱説明書を熟読し,製品を正しく使用してください。
更に,機器の知識,安全に関する情報および注意事項のすべてについても十分に習熟してください。
この取扱説明書では,安全注意事項のランクは下記のとおり区別されています。
取扱いを誤った場合に危険な状況が起こる可能性があり,死亡または重傷を負う事故の発生が想
定される場合
取扱いを誤った場合に危険な状況が起こる可能性があり,中程度の傷害や軽傷を受ける事故また
は物的損害の発生が想定される場合
なお,注意に記載した事項の範囲内でも状況によっては重大な結果に結びつく可能性があります。
いずれも重要な内容を記載していますので必ず守ってください。
2
取付けおよび配線について
インバータの電源を遮断して 22kW 以下は 5 分以上,30kW 以上は 10 分以上経過してから行ってください。
更に LED モニタおよびチャージランプの消灯を確認し,テスターなどを使用して主回路端子 P(+)-N(-)間
の直流中間回路電圧が安全な値(DC+25V 以下)に下がっていることを確認してから行ってください。
配線作業は,資格のある専門家が行ってください。
感電のおそれあり
外部あるいは内部部品が損傷・脱落している製品を使用しないでください。
火災,事故,けがのおそれあり
糸くず,紙,木くず,ほこり,金属くずなどの異物がインバータや通信カード内に侵入するのを防止して
ください。
火災,事故のおそれあり
製品の取付け,取外し時に不適切な作業を行うと,製品が破損するおそれがあります。
故障のおそれあり
インバータ,モータ,配線からノイズが発生します。周辺のセンサーや機器の誤動作に注意してください。
事故のおそれあり
操作運転について
必ずインバータ本体の表面カバーを取り付けてから電源 ON(閉)してください。なお,通電中はカバー
を外さないでください。
濡れた手でスイッチを操作しないでください。
感電のおそれあり
機能コードのデータ設定を間違えたり,取扱説明書およびユーザーズマニュアルを十分理解しないで機能
コードのデータ設定を行うと,機械が許容できないトルクや速度でモータが回転することがあります。
ンバータの運転の前に各機能コードの確認,調整を行ってください。
事故のおそれあり
保守点検,部品の交換について
インバータの電源を遮断して 22kW 以下は 5 分以上,30kW 以上は 10 分以上経過してから行ってください。
更に LED モニタおよびチャージランプの消灯を確認し,テスターなどを使用して主回路端子 P(+)-N(-)間
の直流中間回路電圧が安全な値(DC+25V 以下)に下がっていることを確認してから行ってください。
感電のおそれあり
指定された人以外は,保守点検,部品交換をしないでください。
作業前に金属物,(時計,指輪など)を外してください。
絶縁対策工具を使用してください。
感電,けがのおそれあり
3
廃棄について
製品を廃棄する場合は,産業廃棄物として扱ってください。
けがのおそれあり
その他
改造は絶対しないでください。
感電,けがのおそれあり
アイコンについて
本書では以下のアイコンを使用しています。
この表示を無視して誤った取扱いをすると,FRENIC-MEGA が本来持つ性能を発揮できなかったり,その
操作や設定が事故につながることになります。
本製品の操作や設定の際,知っておくと便利な参考事項を示しています
参照先を示します。
4
目次
まえがき ...................................1
■ 安全上のご注意 ........................... 1
第 1 章 ご使用のまえに ..................... 5
1.1 現品の確認 ..........................5
1.2 対象インバータ ...................... 5
第 2 章 各部の名称と機能 ................... 6
2.1 通信カードの外観 .................... 6
2.2 端子台(TERM1) .....................6
2.3 終端抵抗スイッチ(SW3) ............. 7
2.4 アドレススイッチ(SW1,SW2) ........ 7
2.5 通信速度(ボーレート)の設定 ........ 8
2.6 LED インジケータ.....................8
第 3 章 PROFIBUS-DP 通信カードの取付けと
取外し ............................. 9
3.1 通信カードの取付け .................. 9
3.2 通信カードの取外し ................. 10
第 4 章 配線 .............................. 11
4.1 基本接続図 .........................11
4.2 PROFIBUS 端子台の配線...............12
4.3 インバータへの配線 ................. 13
第 5 章 インバータ機能コードの設定 ........ 14
第 6 章 PROFIBUS 通信接続までの手順説明 .... 15
第 7 章 インバータを運転する簡単手順 ...... 16
7.1 事前の設定 ......................... 16
7.2 運転時の実際のデータやりとり例 ..... 16
第 8 章 PROFIBUS プロファイルの詳細説明 .... 19
8.1 サポートする PPO の説明 ............. 19
8.2 PCD の説明 .........................21
8.3 PCV の説明 .........................26
第 9 章 PROFIBUS 通信異常検出時の動作選択 .. 33
第 10 章 アラームコード一覧 ................ 34
第 11 章 トラブルシューティング ............ 35
第 12 章 仕様 .............................. 36
12.1 一般仕様........................... 36
12.2 PROFIBUS-DP 通信仕様................ 36
5

第 1 章 ご使用のまえに

1.1 現品の確認

開梱し次の項目を確認してください。
(1) 通信カード,ねじ(M3×8:2 本),取扱説明書(本書)が入っていることを確認してください。
(2) 通信カード上の部品の異常,凹み,反りなど輸送時での破損がないことを確認してください。
(3) 通信カード上に形式「OPC-G1-PDP」が印刷されていることを確認してください。(図 1.1 参照)
製品にご不審な点や不具合などがありましたら,お買い上げ店または最寄りの弊社営業所までご連絡ください。
(表面) (裏面)
1.1 各部名称

1.2 対象インバータ

本通信カードは,下表のインバータ形式および ROM バージョンで使用できます。
1.1 適用インバータ形式と ROM バージョン
機種 形式 インバータ容量 ROM バージョン
FRENIC-MEGA FRN□□□G1□-□□□ 全容量 1000 以降
□には,インバータ容量,タイプ,電圧シリーズなどを示す英数字が入ります。
インバータの ROM バージョンは,プログラムモードのメニュー番号5「メンテナンス情報」の
5_14
で確認す
ることができます。詳細は,FRENIC-MEGA 取扱説明書の第 3 章「3.4.6 メンテナンス情報を見る」を参照してく
ださい。
1.2 ROM バージョンの確認方法
LED モニタの表示 項目 表示内容
5_14
インバータ ROM バージョン インバータの ROM バージョンを4桁で表示します。
取付け位置決め部
ねじ取付け用穴(左)
形式
ねじ取付け用穴(右)
CN1
取外し用つまみ
6

第 2 章 各部の名称と機能

2.1 通信カードの外観

本通信カードの外観および主要部品をそれぞれ,図 2.1 および表 2.1 に示します。
TERM1
SW1
SW2
SW3
LED
CN1(裏面)
2.1 OPC-G1-PDP の外観
2.1 主要部品の説明
部品 説明
TERM1 PROFIBUS 端子台コネクタ(3.5mm ピッチ) (2.2 項を参照)
CN1 通信カード-インバータ本体の接続コネクタ
SW1,SW2 アドレススイッチ (2.4 項を参照)
SW3 終端抵抗スイッチ (2.3 項を参照)
LED 状態表示 LED インジケータ(PWR,ERR,ONL,OFFL) (2.6 項を参照)

2.2 端子台(TERM1)

着脱可能な6ピン端子台を使用しており,端子台のピン配置は下の表 2.2 のとおりです。
適合する端子台コネクタはフェニックスコンタクト製 MC1.5/6-STF-3.5 です。
PROFIBUS ケーブルの電線の被覆をむいて接続してください。また,シールド線は撚って接続してください。
2.2 端子台のピン配置
端子番号 端子名称 説明
1 Shield ケーブルのシールド接続端子
2 GND 使用しません
3 +5V 使用しません
4 A-Line 伝送データのマイナス側(緑電線)
5 B-Line 伝送データのプラス側(赤電線)
6 RTS リピータの制御信号(方向制御)
2.2 PROFIBUS 端子台
7

2.3 終端抵抗スイッチ(SW3)

PROFIBUS-DP ネットワークの両端には終端抵抗が必要です通信カードが PROFIBUS-DP ネットワークのどちらか
一端に取り付けられる場合は,このスイッチを ON することで内蔵の終端抵抗が接続されます。
SW3
ON
OFF
終端抵抗なし(スイッチ OFF)
SW3
ON
OFF
終端抵抗あり(スイッチ ON)
2.3 終端抵抗 ON/OFF スイッチの設定

2.4 アドレススイッチ(SW1,SW2)

PROFIBUS-DP 通信上のノードアドレス(局番)を設定するロータリスイッチです。10 進数で 0~99 まで設定可能
です。通信カ-ド上の SW1 が十の位,SW2 が一の位の設定を行います。
なお,ノードアドレスはインバータ機能コード o31 でも設定可能です(10 進数で 0~125 まで設定可能)。o31
で指定したノードアドレス設定を有効にするためには,アドレススイッチを"00"とする必要があります。
例1:ノードアドレス 27 を設定する場合(アドレススイッチで設定)
SW1 SW2
1. インバータの電源 OFF 状態で,
SW1 の設定を"2"にします。
SW2 の設定を"7"にします。
2. インバータの電源を ON すると,アドレス設定完了です。
2.4 アドレススイッチの設定例1
例2:ノードアドレス 125 を設定する場合(インバータ機能コード o31 で設定)
SW1 SW2
1. インバータの電源 OFF 状態で,
アドレススイッチの設定を,"00"にします。
2. インバータの電源を ON し,o31 に"125"を設定します。
3. 電源を再投入すると,アドレス設定完了です。
2.5 アドレススイッチの設定例2
1. アドレススイッチの設定はインバータの電源を OFF した状態で実施してください。電源 ON 中に
設定を変更した場合は,電源の再投入が必要です。
2. o31 によるノードアドレス設定後は,設定を反映するためにインバータの電源を再投入してくだ
さい。
3. o31 126 以上を設定すると,エラーとなり,通信カード上の ERR LED が赤点滅し,インバータ
er5
となります。
8

2.5 通信速度(ボーレート)の設定

PROFIBUS-DP マスタの通信速度を設定することで,通信カードの通信速度も自動的に設定されます。インバータ
側での設定は必要ありません。
通信カードがサポートする通信速度(ボーレート)は以下のとおりです
9.6, 19.2, 45.45, 93.75, 187.5, 500 Kbit/s,
1.5, 3, 6, 12 Mbit/s

2.6 LED インジケータ

通信カードの状態を示します。LED インジケータには,次の4種類があります。
2.6 LED の種類
2.3 LED の状態
名称 LED 状態 内容 備考
PWR
正常通信中
緑点滅 電源投入時の自己診断および初期化中 0.5s 間実施
赤点滅 PROFIBUS 通信異常 インバータに
er5
発生
*
1
ハードウェア異常
(オプション取付け不良またはオプション故障)
インバータに
er4
発生
ERR 赤点滅 PROFIBUS 設定エラー
インバータ機能コード o30 で設定する PPO タイプと
マスタの PPO タイプが一致していない。
*2
PROFIBUS 設定エラー
ノードアドレスに 126 以上の値が設定されている。
インバータに
er5
発生
*
1
ONL オンライン状態(正常に PROFIBUS 通信している状態)
消灯 オンライン状態でない
OFFL オフライン状態(PROFIBUS に接続していない状態)
消灯 オフライン状態でない
*1
er5
を無視するように設定することも可能です。第 9 章「PROFIBUS 通信異常検出時の動作選択」を参照し
てください。
*
2
PPO タイプは PROFIBUS-DP のマスタ設定と通信カードで一致させる必要があります。通信カードの PPO タイ
プはインバータ機能コード o30 で設定します。マスタ側の設定はマスタ用の設定ソフトウェア等で実施しま
す。
マスタ側の PPO 設定についてはマスタのマニュアル等を参照してください。
PPO タイプについての詳細は,第 8 章「PROFIBUS プロファイルの詳細説明」を,機能コード o30 につ
いての詳細は第 5 章「インバータ機能コードの設定」を参照してください。
9

第 3 章 PROFIBUS-DP 通信カードの取付けと取外し

インバータの電源を遮断して 22kW 以下は 5 分以上,30kW 以上は 10 分以上経過してから行ってください。更に LED
モニタおよびチャージランプの消灯を確認し,テスターなどを使用して主回路端 P(+)-N(-)間の直流中間回路電圧
が安全な値(DC+25V 以下)に下がっていることを確認してから行ってください。
感電のおそれあり
外部あるいは内部部品が損傷・脱落している製品を使用しないでください。
火災,事故,けがのおそれあり
糸くず,紙,木くず,ほこり,金属くずなどの異物がインバータや通信カード内に侵入するのを防止してくださ
い。
火災,事故のおそれあり
製品の取付け,取外し時に不適切な作業を行うと,製品が破損するおそれがあります。
故障のおそれあり
インバータ本体の主回路端子および制御回路端子の配線は,通信カードを取り付ける前に行ってくだ
さい。

3.1 通信カードの取付け

(1) インバータ本体の表面カバーを取り外し,制御プリント基板を露出してください。通信カードは,インバー
タ本体のオプション接続ポート 3 箇所(A,B,C-port)のうち,A-port にのみ取付け可能です。(図 3.1)
FRENIC-MEGA 取扱説明書の「2.3 配線」を参照してカバーを取り外してください。(30kW 以上はタッチ
パネルケースも開けてください。
(2) 通信カードの裏面(図 1.1)の CN1 を,インバータ本体の制御プリント基板の A-port(CN4)へ差し込み,付
属ねじで固定してください。(図 3.3)
通信カードの取付け位置決め部(図 1.1)がツメ(図 3.2 の①)にセットされ,CN1(図 3.2 の②)
が確実に差し込まれていることを確認してください。図 3.3 は取付け完了を示します。
(3) 通信カードの配線を行います。
4 章「配線」を参照してください。
(4) インバータ本体の表面カバーを元に戻してください。
FRENIC-MEGA 取扱説明書の「2.3 配線」を参照してカバーを取り付
けてください。(30kW 以上はタッチパネルケースも閉じてくださ
い。
3.1 0.4kW の例
10
カードをツメに引っ掛けるようにしな
がらインバータ本体へ位置決めする。
コネクタをインバータ本体へ挿入する。
注: 先にコネクタ側を挿入した場合,挿入が不
十分で接触不良となる可能性があります。
3.2 カードの取付け
3.3 取付け完了

3.2 通信カードの取外し

通信カードを取り外す際は,ねじを2ヶ所外し,取外し用つまみ(上図を参照)を引っぱって取り外してくださ
い。
(取外し用つまみ)
11

第 4 章 配線

インバータの電源を遮断して 22kW 以下は 5 分以上,30kW 以上は 10 分以上経過してから行ってください。
更に LED モニタおよびチャージランプの消灯を確認し,テスターなどを使用して主回路端子 P(+)-N(-)間
の直流中間回路電圧が安全な値(DC+25V 以下)に下がっていることを確認してから行ってください。
配線作業は,資格のある専門家が行ってください。
感電のおそれあり
一般的に制御信号線の被覆は強化絶縁されていませんので,主回路活電部に制御信号線が直接触れると,
何らかの原因で絶縁被覆が破壊されることがあります。この場合,制御信号線に主回路の高電圧が印加さ
れる危険性がありますので,主回路活電部に制御信号線が触れないように注意してください。
事故のおそれあり,火災のおそれあり
インバータ,モータ,配線からノイズが発生します。周辺のセンサーや機器の誤動作に注意してください。
事故のおそれあり

4.1 基本接続図

L1/R U
V
W
L2/S
L3/T
G
FRENIC-MEGA
OPC-G1-PDP
PROFIBUSコネクタ
(TERM1)
モータ
M
G
PROFIBUSケーブル
終端抵抗スイッチ
(SW3)
A-Line
B-Line
RTS
+5V
GND
Shield
(*)
(*) 通信カードをインバータに取り付けることで,この部分が接続されます。
4.1 基本接続図
12

4.2 PROFIBUS 端子台の配線

基本接続図(図 4.1)および配線例(図 4.3)を参考に,以下の注意事項を守って通信カードへの配線を行って
ください。
(1) 電源を OFF(開)してください。
(2) 通信ケーブルは必ず PROFIBUS 仕様に準拠したシールド付きツイストペアケーブルを使用してください。
推奨ケーブルは,シーメンス製 PROFIBUS FC 標準ケーブル 形式 6XV1 830-0EH10 です。
PROFIBUS の配線全般に関する詳細 PROFIBUS 協会発行の「PROFIBUS-DP ケーブルと機器設置の解説」
および「PROFIBUS 配線作業ガイド」を参照してください。PROFIBUS 協会の Web サイトから無料でダウ
ンロード可能です。
URL: http://www.profibus.jp/tech/downld.htm
(3) PROFIBUS 端子台コネクタ(TERM1)への配線
PROFIBUS ケーブルの電線の被覆をむいて接続してください。電線の被覆むきサイズは図 4.2 に従ってくださ
い。シールド線は撚って接続してください。
端子台の推奨締め付けトルクと推奨電線サイズを表 4.1 に示します。
6.0mm
電線
4.2 PROFIBUS ケーブル電線の推奨被覆むきサイズ
4.1 PROFIBUS 端子台の推奨締め付けトルクと電線サイズ
ねじサイズ 締め付けトルク 電線サイズ
M2 0.22~0.25 N・m AWG28~16 (0.14~1.5mm
2
)
PROFIBUS ケーブルは,ノイズによる誤動作を防止するため,インバータ本体の主回路配線,モー
タ配線,その他の動力線とは可能な限り離し,同一ダクト内に入れないでください。また,シール
ド線は必ず接続してください。
(4) インバータの電源投入前に配線を完了してください。
制御回路端子への配線は,主回路の配線とは可能な限り離して配線してください。ノイズによる誤
動作の要因となります。
インバータ内部の制御回路配線は,主回路活電部(例えば主回路端子台部)に直接接触しないよう
に内部で束線固定などの処理を行ってください。
線種,配線本数によっては,インバータの表面カバーが浮き上がり,タッチパネルが正しく動作しな
い場合があります。その際は,線種・線径等の変更が必要です。
13

4.3 インバータへの配線

PROFIBUS 配線は,主回路の配線とは可能な限り離して配線してください。ノイズによる誤動作の要因
となります。
通信カードからの配線は,インバータ本体の制御端子台上部と表面カバーの間を通してください。
・22kW 以下の場合
0.4kW の例
・30kW 以上の場合
75kW の例
4.3 配線例
14

第 5 章 インバータ機能コードの設定

通信カードと PROFIBUS-DP マスタ間の通信を行うためには,下記の表 5.1 に示すインバータの機能コードの設定
が必要です。
また,関連するインバータ機能コードを表 5.2 に示します。必要に応じて設定してください。
インバータ機能コードの詳細につきましては,FRENIC-MEGA 取扱説明書の第5 「機能コード」および RS-485
通信ユーザーズマニュアルの第 5 章「機能コードとデータフォーマット」を参照してください。
5.1 PROFIBUS 通信を行うために必要なインバータ機能コード設定
機能コード 説明 工場出荷値 設定変更値 備考
o30
*1
PPO タイプ(データフォー
マット)の選択
0 下記から選択
0,1,6~255 : PPO タイプ1
2,5 : PPO タイプ2
3 : PPO タイプ3
4 : PPO タイプ4
マスタ側の設定と必
ず一致させてくださ
y98
*2
運転周波数指令元の選択 0 下記から選択
y98 周波数指令元 運転指令元
0 インバータ インバータ
1 PROFIBUS インバータ
2 インバータ PROFIBUS
3 PROFIBUS PROFIBUS
特に問題がなければ
y98=3 を推奨します。
*1
o30 を設定後は, インバータに設定を反映させるために, インバータの電源を再投入してください。o30
設定内容についての詳細は,第 8 章「PROFIBUS プロファイルの詳細説明」を参照してください。
*2
運転・周波数指令元の選択を設定するインバータ機能コードは,y98 の他にもあります。それらの設定によ
り,より細やかに運転・周波数指令元の選択が可能となります。詳細につきましては,FRENIC-MEGA 取扱説
明書の第 5 章「機能コード」の H30,y98 の項を参照してください。
5.2 その他関連機能コード
機能コード 説明 工場出荷値 設定範囲 備考
o27
*1
PROFIBUS 通信異常検出時の動作選択 0 0~15
o28
*1
PROFIBUS 通信異常検出時の動作タイ
マー
0.0s 0.0s~60.0s
o31
*2
ノードアドレス設定 0 0~255
(有効範囲 0~125)
アドレススイッチが"00"の
時に有効。126 以上を設定時
は,ERR LED 点滅および
er5
発生
o40~o43
*3
定周期で書込みを行う機能コードの
割付け
0000
(割付なし)
0000~FFFF(hex)
o48~o51
*3
定周期で読出しを行う機能コードの
割付け
0000
(割付なし)
0000~FFFF(hex)
PPO Type2 または Type4 の時
に有効
W90 PROFIBUS オプション
ソフトバージョン
オプション
による
-(モニタ専用) 4桁の 10 進数
V1.23 の場合,"123"と表示
*
1
o27,o28 についての詳細は,第 9 章「PROFIBUS 通信異常検出時の動作選択」を参照してください。
*
2
o31 についての詳細は,第 2 章「2.4 アドレススイッチ」を参照してください。
*
3
o40~o43 および o48~o51 の詳細は,第 8 「8.2 (4) PCD1~PCD4」を参照してください。
o40~o43 および o48~o51 の設定後は, インバータに設定を反映させるために,インバータの電源を
再投入してください。
15

第 6 章 PROFIBUS 通信接続までの手順説明

本章では, PROFIBUS-DP マスタとインバータを PROFIBUS 通信接続するまでの手順について説明します。
手順は以下の 1~3 です。
1. PROFIBUS-DP マスタ側の設定
2. 通信カードの設定およびインバータ機能コード設定
3. インバータの電源再投入 ⇒ PROFIBUS-DP データの送受信開始
以降,上記の手順 1~3 について説明します。
1. PROFIBUS-DP マスタ側の設定
- マスタ側のノードアドレス,通信速度(ボーレート)を設定します。
- 通信カード用の GSD ファイルを使用し,通信カードをマスタに登録します。
- マスタに登録した通信カードに適用する PPO Type(データフォーマット) Type1~4 の中から1つ選択
します。
PROFIBUS-DP マスタについての設定方法詳細については,ご使用のマスタのユーザーズマニュアル等を
参照してください。
PPO Type の詳細については,第 8 章「PROFIBUS プロファイルの詳細説明」を参照してください。
本通信カードには GSD ファイルは付属していません。
GSD ファイルは次の Web サイトにてダウンロードください。(会員登録が必要(無料)
富士電機システムズ 技術情報ページ
URL : https://web1.fujielectric.co.jp/Kiki-Info/User/guestlogin.asp
2. 通信カードの設定およびインバータ機能コード設定
- ノードアドレスを設定します。マスタに登録した通信カードのアドレスと必ず一致させてください
- 必要に応じて, インバータ機能コード o27,o28 の設定を行ってください。
- インバータ機能コード o30 PPO Type Type1~4 の中から1つ選択します。
必ずマスタで設定した PPOType と一致させてください。また,o30 変更後は, 必ずインバータの電源を再
投入してください。
ノードアドレスの設定方法については,第 2 章「各部の機能・設定」を参照してください。
o27,o28 についての詳細は,第 9 章「PROFIBUS 通信異常検出時の動作選択」を参照してください。
3. インバータの電源再投入 ⇒ PROFIBUS-DP データの送受信開始
o30 の設定後, インバータの電源を再投入した段階で,PROFIBUS-DP マスタ側と通信カードの設定が正しく,
かつ, 適正に配線されていれば,自動的に PROFIBUS-DP の通信が確立し, データの送受信が行われます。
この状態で通信カードの LED 状態は PWR LED 緑点灯, ONL LED 緑点灯となっています。マスタから通信カー
ドに対し, 周波数指令および運転指令等を送信してください。
具体的なデータフォーマットやデータのやりとりについては,第 7 章「インバータを運転する簡単手
順」および第 8 章「PROFIBUS プロファイルの詳細説明」を参照してください。
配線方法については,第 4 章「配線」を参照してください。
16

第 7 章 インバータを運転する簡単手順

本章では, PROFIBUS-DP マスタからインバータを運転するための最もシンプルなフォーマット(PPO Type3)を
使用した例について, 手順に従って簡単に説明します。PPO Type3 PROFIBUS からの周波数指令と運転指令に
特化したシンプルなフォーマットです。
他の PPO Type でもフォーマットの割付領域が異なるだけで, 内容的には共通です。
本章は説明の簡単化のためインバータを運転することのみに特化した説明を行っています。更に詳細な説
明については,第 8 章「PROFIBUS プロファイルの詳細説明」を参照してください。

7.1 事前の設定

(1) PROFIBUS-DP マスタ側の設定で通信カードの PPO Type Type3 にしてください。
PROFIBUS-DP マスタ側での PPO Type の設定方法については, お使いのマスタのユーザーズマニュアル等を
参照してください。
(2) インバータの機能コードを以下の通りに設定します。
F03=60(最高周波数(Hz)),y98=3(PROFIBUS から周波数指令・運転指令有効),o30=3(PPO Type3)
また,必要に応じて o27,o28 の設定をしてください。
設定後,インバータの電源を再起動してください。
o27,o28 についての詳細は,第 9 章「PROFIBUS 通信異常検出時の動作選択」を参照してください。

7.2 運転時の実際のデータやりとり例

説明の前に PPO Type3 のデータフォーマットを以下に示します。以降の説明はこのフォーマットに基づき行いま
す。
0 1 2 3 (Byte)
要求
(マスタ→スレーブ)
CTW MRV
CTW : コントロールワード(2byte)。運転指令を行います。(最下位 bit が運転指令 ON/OFF)
MRV : 周波数指令を行います。最高周波数 F03(Hz)を 4000hex とした時の割合を指定
0 1 2 3 (Byte)
応答
(スレーブ→マスタ)
STW MAV
STW : ステータスワード(2byte)。インバータの運転状態をモニタします。
MAV : 出力周波数モニタ。最高周波数 F03(Hz)を 4000hex とした時の割合を出力
以降,インバータを 60Hz で正転運転するまでの例を説明します。
(1) インバータの電源を ON すると PROFIBUS-DP 通信が始まります。電源 ON 直後のデータの状態は下記の様にな
っています。
0 1 2 3 (Byte)
00 00 00 00
要求
(マスタ→スレーブ)
(CTW) (MRV)
0 1 2 3 (Byte)
02 40 00 00
応答
(スレーブ→マスタ)
(STW) (MAV)
STW : 02=PROFIBUS から周波数・運転指令有効, 40=運転指令 ON 準備未完了
MAV : 出力周波数 0Hz
17
(2) 最初の状態では,運転指令 ON の準備ができていない状態(STW=運転指令 ON 準備未完了)になっています。
まず, 運転指令 ON の準備を完了する要求"04 7E"を CTW に入力します。 また, 下の例では同時に周波数指
60Hz(=4000h)を MRV に入力しています。
0 1 2 3 (Byte)
04 7E 40 00
要求
(マスタ→スレーブ)
(CTW) (MRV)
CTW : 04=本フレーム内容イネーブル, 7E=運転指令 ON 準備完了要求
MRV : 周波数指令 4000h(周波数指令=F03(Hz))
上記の要求を受け, 通信カードは次の応答をします。
0 1 2 3 (Byte)
02 31 00 00
応答
(スレーブ→マスタ)
(STW) (MAV)
STW : 02=PROFIBUS から周波数・運転指令有効, 31=運転指令 ON 準備完了
MAV : 出力周波数 0Hz
(3) スレーブが運転指令 ON 準備完了になったので CTW に運転指令 CTW="04 7F"を入力してください。
0 1 2 3 (Byte)
04 7F 40 00
要求
(マスタ→スレーブ)
(CTW) (MRV)
CTW : 04=本フレーム内容イネーブル, 7F=運転指令 ON
MRV : 周波数指令 4000h(周波数指令=F03(Hz))
上記の要求を受け, インバータが運転を始めます。通信カードの応答は下記のとおりです。
0 1 2 3 (Byte)
02 37 ** **
応答
(スレーブ→マスタ)
(STW) (MAV)
STW : 02=PROFIBUS から周波数・運転指令有効, 37=運転状態
MAV : 出力周波数加速中
(4) 運転を停止する場合は, CTW="04 7F"→"04 7E"としてください。
0 1 2 3 (Byte)
04 7E 40 00
要求
(マスタ→スレーブ)
(CTW) (MRV)
CTW : 04=本フレーム内容イネーブル, 7E=運転指令 OFF
MRV : 周波数指令 4000h(周波数指令=F03(Hz))
上記の要求を受け, インバータが減速, 停止します。通信カードの応答は下記のとおりです。
0 1 2 3 (Byte)
02 33/31 ** **
応答
(スレーブ→マスタ)
(STW) (MAV)
STW : 02=PROFIBUS から周波数・運転指令有効, 33=減速中/31=運転指令 ON 準備完了(停止時)
MAV : 出力周波数減速中
18
(5) 再び運転する場合は, CTW="04 7F"を入力します。ここで, もしも逆転させる場合は, CTW="0C 7F"とします。
下の例では, 逆転指令で, 周波数に 2000h(=30Hz)を設定しています。
0 1 2 3 (Byte)
0C 7F 20 00
要求
(マスタ→スレーブ)
(CTW) (MRV)
CTW : 0C=本フレーム内容イネーブル&逆転, 7F=運転指令 ON
MRV : 周波数指令 2000h(周波数 Hz=F03×2000h/4000h
上記の要求を受け, インバータが逆転で運転開始します。下の例は, 逆転で速度到達したときの応答です。
0 1 2 3 (Byte)
03 37 E0 00
応答
(スレーブ→マスタ)
(STW) (MAV)
STW : 03=PROFIBUS から周波数・運転指令有効&周波数到達, 37=運転状態
MAV : 出力周波数 E000h(2000h の2の補数表記) (周波数 Hz=F03×(-2000h)/4000h)
(6) MRV に負の値を入力することでも逆転は可能です。下の例では 2000h の2の補数である E000h を入力してい
ます。
0 1 2 3 (Byte)
04 7F E0 00
要求
(マスタ→スレーブ)
(CTW) (MRV)
CTW : 04=本フレーム内容イネーブル, 7F=運転指令 ON
MRV : 周波数指令 E000h(-2000h)(周波数 Hz=F03×(-2000h)/4000h)
上記の要求を受け, インバータが逆転で運転開始します。下の例は, 速度到達したときの応答です。
0 1 2 3 (Byte)
03 37 E0 00
応答
(スレーブ→マスタ)
(STW) (MAV)
STW : 03=PROFIBUS から周波数・運転指令有効&周波数到達, 37=運転状態
MAV : 出力周波数 E000h (周波数 Hz=F03×(-2000h)/4000h)
(7) トリップが発生した場合は,トリップ原因解消後 CTW="0480" を入力するとトリップが解除されます。トリ
ップが解除されたら, CTW="0400"としてください。(CTW byte1 の最上位 bit がトリップ解除ビットです。
0 1 2 3 (Byte)
04 80 10 00
要求
(マスタ→スレーブ)
(CTW) (MRV)
CTW : 04=本フレーム内容イネーブル, 80=トリップ解除要求
MRV : 周波数指令 1000h(周波数 Hz=F03×1000h/4000h
トリップ解除すると, 電源 ON 直後の状態に戻ります。再び運転する場合は, 手順(2)に戻ってください。
0 1 2 3 (Byte)
02 40 00 00
応答
(スレーブ→マスタ)
(STW) (MAV)
STW : 02=PROFIBUS から周波数・運転指令有効, 37=運転状態
MAV : 出力周波数 0000h
19

第 8 章 PROFIBUS プロファイルの詳細説明

本通信カードは PROFIBUS 協会が規定したモータコントロール用のプロファイルである PROFIdrive V2 をサポー
トしています。本章では,この PROFIdrive プロファイルについて説明します。

8.1 サポートする PPO の説明

PROFIdrive では, PPO(Parameter Process-data Object)と呼ばれるデータフォーマットを複数定義しています。
通信カードがサポートする PPO は図 8.1 に示す 4 種類です。PPO Type の選択はインバータ機能コード o30 で設
定してください(表 8.1)。各 PPO の特徴を表 8.2 に,PPO の各要素についての説明を表 8.3 および表 8.4 に示し
ます。
PCV PCD
PCA IND PVA
CTW
STW
MRV
MAV
PCD1 PCD2 PCD3 PCD4
1 2 3 4 5 6 (word)
PPO Type1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (word)
PPO Type2
1 2 (word)
PPO Type3
1 2 3 4 5 6 (word)
PPO Type4
8.1 サポートする PPO のフォーマット
8.1 インバータ機能コード o30 による PPO Type 選択
o30 PPO 備考
0, 1, 6~255 PPO Type1 工場出荷状態での PPO Type
2, 5 PPO Type2
3 PPO Type3
4 PPO Type4
インバータ機能コード o30 を設定後は, インバータに設定を反映させるために, インバータの電源を
再投入してください。
20
8.2 PPO Type の特徴
PPO 特徴
PPO Type1 標準的なフォーマット。運転指令/運転状態モニタと周波数指令/出力周波数モニタに
加えて, インバータ機能コードの単発的なアクセスが可能です。
PPO Type2 全ての機能を網羅したフォーマット。運転指令/状態モニタ, 周波数指令モニタ, イン
バータ機能コードの単発アクセス, 事前に割付した 4 種類のインバータ機能コードの
定周期アクセスが可能です。
PPO Type3 運転指令/状態モニタと周波数指令/モニタに特化したシンプルなフォーマットです。
PPO Type4 運転指令/状態モニタ, 周波数指令/モニタと事前に割付した 4 種類のインバータ機能
コードの定周期アクセスが可能なフォーマットです。
8.3 PPO 内の各要素の説明
要素 説明
PCD
PROFIBUS-DP マスタと常時データ通信を行う領域です。運転指令/運転状態モニタ, 周波数
指令/出力周波数モニタが該当します。また, PPO Type2 および Type4 では, 任意のインバ
ータ機能コードを割付けて, 常時書込み/モニタする機能もサポートしています。(書込み,
読出しでそれぞれ 4 種類まで)
PCV
パラメータ(インバータ機能コード, PROFIdrive 固有パラメータ)への単発的なアクセス
を行う領域です。この領域は PPO Type1 および Type2 がサポートしています。
8.4 PCV 部と PCD 部の各要素の説明
要素 説明
PCD CTW/STW 要求 CTW: コントロールワード。マスタから運転指令を行います。
応答 STW: ステータスワード。インバータの運転状態応答です。
MRV/MAV 要求 MRV: 設定周波数。最高周波数 F03 4000(Hex)とする割合で指定。
応答 MAV: 出力周波数。最高周波数 F03 4000(Hex)とする割合で応答。
PCD1 要求 o40 で割付したインバータ機能コードを書込みします。
応答 o48 で割付したインバータ機能コードを常時モニタします。
PCD2 要求 o41 で割付したインバータ機能コードを書込みします。
応答 o49 で割付したインバータ機能コードを常時モニタします。
PCD3 要求 o42 で割付したインバータ機能コードを書込みします。
応答 o50 で割付したインバータ機能コードを常時モニタします。
PCD4 要求 o43 で割付したインバータ機能コードを書込みします。
応答 o51 で割付したインバータ機能コードを常時モニタします。
PCV PCA 要求
パラメータ(インバータ機能コードおよび PROFIBUS パラメータ)
の指定と, そのパラメータに対してアクセス方法(読出し/書込み
等)の指定をします。
応答 指定されたパラメータとアクセス結果を応答します。
IND 要求・応答
配列型パラメータのインデックス指定に使用します。また, イン
バータ機能コードの番号指定に使用します。
PVA 要求・応答 パラメータの書込み値/読出し値を表示します。
o40~o43,o48~o51 についての詳細は,本章の「8.2 (4) PCD1~PCD4」を参照してください。
要求は PROFIBUS-DP マスタから通信カードへのデータ送信を, 応答は通信カードから PROFIBUS-DP
マスタへのデータ送信を意味します。
21

8.2 PCD の説明

PCD PROFUBUS-DP マスタと通信カード間で常時データをやり取りする領域です。運転指令/運転状態モニタ,
波数指令/周波数モニタおよび, 事前に割付けた 4 種類のインバータ機能コードに対する常時アクセスを行う
PCD1~4 の領域からなります。
(1) CTW(コントロールワード)
PROFIBUS-DP マスタからインバータに運転指令等を行うワード領域です。
15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 (bit)
0 0 0 0
運転
方向
PCD
有効
00
ALM
RST
設定
有効
Ramp
非固定
Ramp
有効
運転
可能
ON3/
OFF3
ON2/
OFF2
ON/
OFF
8.5 CTW のビット説明
bit False (0) True (1)
0 ON/OFF 運転指令 OFF 運転指令 ON
1 ON2/OFF2 フリーラン停止指令(OFF2) 運転指令 ON 準備完了要求その1(ON2)
2 ON3/OFF3 機能コード H56 の減速時間による停止指令
(OFF3)
運転指令 ON 準備完了要求その2(ON3)
3 運転可能 インバータ運転無効 インバータ運転可能
4 Ramp 有効 出力周波数 0 固定 ランプジェネレータ(加減速器)有効指令
5 Ramp
非固定
ランプジェネレータ(加減速器)フリーズ。
出力周波数はその時点の値で固定
加減速フリーズ状態解除指令
6 設定有効 停止 ON ビット有効
7 ALM RST アラームリセットしない
アラームリセット(リセット後, 運転指令
ON 準備未完了の状態になります)
10 PCD 有効 PCD 部(CTW+MRV)の入力無効 PCD 部(CTW+MRV)の入力有効
11 運転方向 正転方向 逆転方向
通常の使用状況においては, bit1~6 および bit10 は常時1で問題ないと思われます。
PROFIdrive プロファイルは状態遷移させて制御を行います。従って単に運転指令を ON してもインバ
ータは運転しません。 インバータを運転させるためには PROFIdrive プロファイルの状態遷移条件に
従い, しかるべき状態になった上で運転指令を ON る必要があります。状態は次項で説明する STW
(ステータスワード)で判断可能です。
PROFIdrive の状態遷移条件については, 次項「(2) STW(ステータスワード)」および図 8.2 を参照し
てください。
状態遷移による厳密な制御は特に必要ないという方は, 7 章「インバータを運転する簡単手順」で
説明している内容に従って頂いて問題ありません。
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