Roland S-1608, S-0816 User Manual [ja]

S-1608 STAGE UNIT
S-0816 FOH UNIT
S-4000R REMOTE CONTROLLER
本機を正しくお使いいただくために、ご使用前に「安全上のご注意」(取扱 説明書 P.2 〜 3)と「使用上のご注意」(取扱説明書 P.4)をよくお読みくだ さい。また、本機の優れた機能を十分ご理解いただくためにも、取扱説明書 をよくお読みください。取扱説明書は必要なときにすぐに見ることができる よう、手元に置いてください。
2007 ローランド株式会社
©
RSS 製品情報 http://www.roland.co.jp/solution/
取扱説明書

安全上のご注意

火災・感電・傷害を防止するには
このマークは、注意喚起シンボルです。取扱説明書 などに、一般的な注意、警告、危険の説明が記載さ れていることを表わしています。
このマークは、機器の内部に絶縁されていない「危 険な電圧」が存在し、感電の危険があることを警 告しています。
マークについて この機器に表示されているマークには、次のような意味があります。
以下の指示を必ず守ってください
図記号の例
取扱いを誤った場合に、使用者が 傷害を負う危険が想定される場合 および物的損害のみの発生が想定 される内容を表わしています。  ※物的損害とは、家屋・家財およ
び家畜・ペットにかかわる拡大 損害を表わしています。
取扱いを誤った場合に、使用者が 死亡または重傷を負う可能性が想 定される内容を表わしています。
は、強制(必ずすること)を表わしています。
具体的な強制内容は、
の中に描かれています。
左図の場合は、「電源プラグをコンセントから抜 くこと」を表わしています。
警告
注意
注意の意味について警告と
 は、注意(危険、警告を含む)を表わしていま す。 具体的な注意内容は、 の中に描かれています。 左図の場合は、「一般的な注意、警告、危険」を 表わしています。
 は、禁止(してはいけないこと)を表わしてい ます。 具体的な禁止内容は、 の中に描かれています。 左図の場合は、「分解禁止」を表わしています。
注意:
感電防止のため、パネルやカバーを外さないでください。 この機器の内部には、お客様が修理/交換できる部品 はありません。 修理は、お買い上げ店またはローランド・サービスに 依頼してください。
注意
感電の恐れがあります。
キャビネットをあけないでください。
安全上のご注意
001
● 本機を使用する前に、以下の指示と取扱説明書
..............................................................................................................
002a
● 本機を分解したり、改造したりしないでくださ
..............................................................................................................
003
● 修理/部品の交換などで、取扱説明書に書かれ
..............................................................................................................
004
● 次のような場所での使用や保存はしないでくだ
..............................................................................................................
をよく読んでください。
い。
ていないことは、絶対にしないでください。必 ずお買い上げ店またはローランド・サービスに
相談してください。
さい。
○ 温度が極端に高い場所(直射日光の当たる場
所、暖房機器の近く、発熱する機器の上など)
○ 水気の近く(風呂場、洗面台、濡れた床など)
や湿度の高い場所 ○ 雨に濡れる場所 ○ ホコリの多い場所 ○ 振動の多い場所
警告 警告
2
005
● 本機の設置には、ローランドが推奨するシステ ム・ラック(型番:SYR-4200/SYR-600)を使
用してください。
..............................................................................................................
006
● 本機の設置にシステム・ラック(型番:SYR­4200/SYR-600)を使用する場合、ぐらつくよ
うな所や傾いた所にラックを設置しないでくだ さい。安定した水平な所に設置してください。機
器を単独で設置する場合も、同様に安定した水 平な所に設置してください。
..............................................................................................................
008a
● 電源プラグは、必ず AC100V の電源コンセント に差し込んでください。
..............................................................................................................
008e
● 電源コードは、必ず付属のものを使用してくだ さい。また、付属の電源コードを他の製品に使
用しないでください。
..............................................................................................................
009
● 電源コードを無理に曲げたり、電源コードの上 に重いものを載せたりしないでください。電源
コードに傷がつき、ショートや断線の結果、火 災や感電の恐れがあります。
..............................................................................................................
010
警告
● 本機を単独で、あるいはヘッドホン、アンプ、ス ピーカーと組み合わせて使用した場合、設定に
よっては永久的な難聴になる程度の音量になり ます。大音量で、長時間使用しないでください。
万一、聴力低下や耳鳴りを感じたら、直ちに使 用をやめて専門の医師に相談してください。
..............................................................................................................
011
● 本機に、異物(燃えやすいもの、硬貨、針金な ど)や液体(水、ジュースなど)を絶対に入れ
ないでください。
..............................................................................................................
012a
● 次のような場合は、直ちに電源を切って電源プ ラグをコンセントから外し、お買い上げ店また
はローランド・サービスに修理を依頼してくだ さい。
○ 電源コードやプラグが破損したとき ○ 煙が出たり、異臭がしたとき ○ 異物が内部に入ったり、液体がこぼれたりし
たとき ○ 機器が(雨などで)濡れたとき ○ 機器に異常や故障が生じたとき
..............................................................................................................
013
● お子様のいるご家庭で使用する場合、お子様の 取り扱いやいたずらに注意してください。必ず
大人のかたが、監視/指導してあげてください。
..............................................................................................................
014
● 本機を落としたり、本機に強い衝撃を与えない でください。
..............................................................................................................
015
● 電源は、タコ足配線などの無理な配線をしない でください。特に、電源タップを使用している
場合、電源タップの容量(ワット/アンペア)を 超えると発熱し、コードの被覆が溶けることが
あります。
..............................................................................................................
016
● 外国で使用する場合は、お買い上げ店または ローランド・サービスに相談してください。
..............................................................................................................
024
● 電源コードのアースを確実に取り付けてくださ い。感電の恐れがあります(P.35)。
..............................................................................................................
026
● 本機の上に水の入った容器(花びんなど)、殺 虫 剤、香水、アルコール類、マニキュア、スプレー
缶などを置かないでください。また、表面に付 着した液体は、すみやかに乾いた柔らかい布で
拭き取ってください。
..............................................................................................................
101a
注意
● 本機は、風通しのよい、正常な通気が保たれて いる場所に設置して、使用してください。
..............................................................................................................
102b
● 電源コードを機器本体やコンセントに抜き差し するときは、必ずプラグを持ってください。
..............................................................................................................
103a
● 定期的に電源プラグを抜き、乾いた布でゴミや ほこりを拭き取ってください。また、長時間使
用しないときは、電源プラグをコンセントから 外してください。電源プラグとコンセントの間
にゴミやほこりがたまると、絶縁不良を起こし て火災の原因になります。
..............................................................................................................
104
● 接続したコードやケーブル類は、繁雑にならな いように配慮してください。特に、コードやケー
ブル類は、お子様の手が届かないように配慮し てください。
..............................................................................................................
106
● 本機の上に乗ったり、機器の上に重いものを置 かないでください。
..............................................................................................................
107b
● 濡れた手で電源コードのプラグを持って、機器 本体やコンセントに抜き差ししないでくださ
い。
..............................................................................................................
108a
● 本機を移動するときは、電源プラグをコンセン トから外し、外部機器との接続を外してくださ
い。
..............................................................................................................
109a
● お手入れをするときには、電源プラグをコンセ ントから外してください。
..............................................................................................................
110a
● 落雷の恐れがあるときは、早めに電源プラグを コンセントから外してください。
..............................................................................................................
118c
● 下記のような小さな部品は、小さなお子様が誤っ て飲み込んだりすることのないようお子様の手
の届かないところへ保管してください。
○ 取り外した部品:
電源コード・クランプ ラック・マウント・アングル固定ネジ 電源コード・クランプ固定ネジ
○ 付属品:
フェライト・コア、ゴム足、REAC コネクター・カバー
..............................................................................................................
120
● ファンタム電源供給の必要なコンデンサー・マ イクロホンを接続したとき以外は、ファンタム
電源を必ずオフにしてください。ダイナミック・ マイクロホンやオーディオ再生装置などにファ
ンタム電源を供給すると故障の原因になりま す。マイクロホンの仕様については、お使いの
マイクロホンの取扱説明書をお読みください。
(本機のファンタム電源:DC 48V、14mA Max)
..............................................................................................................
3

使用上の注意

※ Microsoft、Windows は、米国 Microsoft Corporation の米国およびそのほかの国における登録商標です。
2 〜 3 ページに記載されている「安全上のご注意」以外に、次のことに注意してください。
電源について
301
● 本機を冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、エアコンなどのイン バーター制御の製品やモーターを使った電気製品が接続 されているコンセントと同じコンセントに接続しないで ください。電気製品の使用状況によっては、電源ノイズに より本機が誤動作したり、雑音が発生する恐れがありま す。電源コンセントを分けることが難しい場合は、電源ノ イズ・フィルターを取り付けてください。
307
● 接続するときは、誤動作やスピーカーなどの破損を防ぐた め、必ずすべての機器の電源を切ってください。
308
● 本機には、電源スイッチがありません。電源を切る必要が あるときは、コンセントから電源プラグを抜いてくださ い。そのため、電源コードのプラグを差し込むコンセント は、本機にできるだけ近い、すぐ手の届くところのものを 使用してください。
設置について
351
● 本機の近くにパワー・アンプなどの大型トランスを持つ機 器があると、ハム(うなり)を誘導することがあります。 この場合は、本機との間隔や方向を変えてください。
352a
● テレビやラジオの近くで本機を動作させると、テレビ画面 に色ムラが出たり、ラジオから雑音が出ることがありま す。この場合は、本機を遠ざけて使用してください。
352b
● 携帯電話などの無線機器を本機の近くで使用すると、着信 時や発信時、通話時に本機から雑音が出ることがありま す。この場合は、それらの機器を本機から遠ざけるか、も しくは電源を切ってください。
355b
● 極端に温湿度の違う場所に移動すると、内部に水滴がつく
(結露)ことがあります。そのまま使用すると故障の原因
になりますので、数時間放置し、結露がなくなってから使 用してください。
360
● 設置条件(設置面の材質、温度など)によっては本機のゴ ム足が、設置した台などの表面を変色または変質させるこ とがあります。 ゴム足の下にフェルトなどの布を敷くと、安心してお使い いただけます。この場合、本機が滑って動いたりしないこ とを確認してからお使いください。
お手入れについて
401a
● 通常のお手入れは、柔らかい布で乾拭きするか、堅く絞っ た布で汚れを拭き取ってください。汚れが激しいときは、 中性洗剤を含んだ布で汚れを拭き取ってから、柔らかい布 で乾拭きしてください。
402
● 変色や変形の原因となるベンジン、シンナーおよびアル コール類は、使用しないでください。
修理について
451a
● お客様が本機を分解、改造された場合、以後の性能につい て保証できなくなります。また、修理をお断りする場合も あります。
453a
● 当社では、この製品の補修用性能部品(製品の機能を維持 するために必要な部品)を、製造打切後 6 年間保有して います。この部品保有期間を修理可能の期間とさせていた だきます。なお、保有期間が経過した後も、故障箇所に よっては修理可能の場合がありますので、お買い上げ店、 または最寄りのローランド・サービスにご相談ください。
そのほかの注意について
552(*** は、複数になる場合もあります)
● 本体メモリーの失われた記憶内容の修復に関しましては、 補償を含めご容赦願います。
553
● 故障の原因になりますので、ボタン、つまみ、入出力端子 などに過度の力を加えないでください。
556
● ケーブルの抜き差しは、ショートや断線を防ぐため、プラ グを持ってください。
557
● 本機は多少発熱することがありますが、故障ではありませ ん。
558b
● 音楽をお楽しみになる場合、隣近所に迷惑がかからないよ うに、特に夜間は、音量に十分注意してください。
559a
● 輸送や引っ越しをするときは、本機が入っていたダンボー ル箱と緩衝材、または同等品で梱包してください。
559c
● 本機が入っていた梱包箱や緩衝材を廃棄する場合、各市町 村のゴミの分別基準に従って行ってください。
※ Windows ®の正式名称は、Microsoft ®Windows ®operation system です。 ※ Apple、Macintosh は、米国 Apple Computer, Inc. の米国およびそのほかの国における登録商標です。 ※ Mac OS は、米国 Apple Computer, Inc. の登録商標です。 ※ Neutrik および EtherCon は、ノイトリック社の登録商標です。 ※ 文中記載の会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。
4
目次
安全上のご注意.......................................................................................................................... 2
使用上の注意 ............................................................................................................................. 4
1 章 はじめに ................................................................................................8
ようこそ ....................................................................................................................................8
取扱説明書について ..................................................................................................................8
2 章 主な機能 .............................................................................................10
S-1608/S-0816 システム......................................................................................................... 10
システム構成ユニット............................................................................................................. 10
S-1608 ステージ・ユニット............................................................................................................................10
S-0816 FOH ユニット....................................................................................................................................... 10
S-4000R リモート・コントローラー ............................................................................................................11
3 章 ユニット/付属品/オプション ............................................................. 12
基本ユニット ........................................................................................................................... 12
S-1608 付属品 ......................................................................................................................... 12
S-0816 付属品 ......................................................................................................................... 12
S-4000R 付属品....................................................................................................................... 12
システム・オプション............................................................................................................. 13
4 章 各部の名称と働き ................................................................................ 14
S-1608 ステージ・ユニット/ S-0816 FHO ユニット............................................................ 14
S-1608 フロント・パネル................................................................................................................................ 14
S-0816 フロント・パネル................................................................................................................................ 14
S-1608 /S-0816 サイド・パネル .................................................................................................................. 17
S-4000R リモート・コントローラー ...................................................................................... 18
S-4000R トップ・パネル ................................................................................................................................. 18
S-4000R リア・パネル .....................................................................................................................................20
5 章 S-1608/S-0816 システムの概要..................................................... 21
コンセプト............................................................................................................................... 21
基礎知識 .................................................................................................................................. 22
REAC について....................................................................................................................................................22
ケーブルの種類と接続について.......................................................................................................................23
Cat5e イーサーネット・ケーブルの種類 ......................................................................................... 23
イーサーネット・コネクター.............................................................................................................. 23
スイッチング・ハブについて.............................................................................................................. 24
A/D-D/A 変換と信号の最適化について ........................................................................................................ 25
RS-232C シリアル・インターフェースについて ....................................................................................... 25
ユニットの概要........................................................................................................................26
S-1608 ステージ・ユニット............................................................................................................................26
S-0816 FOH ユニット....................................................................................................................................... 26
S-4000R リモート・コントローラー ............................................................................................................27
コンピューター制御について........................................................................................................................... 27
5
目次
6 章 S-1608/S-0816 システムを使う..................................................... 28
設置について ........................................................................................................................... 28
ラック・マウント・キットの取り付け ..........................................................................................................28
S-1608/S-0816 への取り付け .......................................................................................................... 28
S-4000R への取り付け ........................................................................................................................ 29
電源コード・クランプの取り付け...................................................................................................................30
フェライト・コアの取り付け........................................................................................................................... 31
REAC コネクター・カバーの取り付け(S-1608/S-0816)..................................................................... 32
ゴム足の取り付け................................................................................................................................................32
接続の概要図 ........................................................................................................................... 33
REAC モードを設定する ......................................................................................................... 34
ユニットを接続する ................................................................................................................ 35
S-1608/S-0816 に電源コードを接続する................................................................................................... 35
REAC 機器を接続する ....................................................................................................................................... 36
ケーブルについて...................................................................................................................................36
REAC ケーブルを延長する..................................................................................................................36
REAC 接続時のご注意.......................................................................................................................... 36
Cat5e ケーブル(REAC ケーブル)ケーブル取り扱いのご注意 ............................................... 36
S-4000R リモート・コントローラーを接続する........................................................................................ 37
S-1608/S-0816 にオーディオを接続する................................................................................ 38
オーディオ・インプット ...................................................................................................................................38
アンバランス音源を接続する........................................................................................................................... 39
インプット・ステータス・インジケーター.................................................................................................. 39
オーディオ・アウトプット ...............................................................................................................................39
電源を入れる/切る ................................................................................................................ 40
電源を入れる........................................................................................................................................................ 40
電源を切る ............................................................................................................................................................40
システム・ステータス・インジケーター ................................................................................ 41
POWER インジケーター ................................................................................................................................... 41
REAC インジケーター(REAC 通信)............................................................................................................41
REMOTE(CTRL)インジケーター(REMOTE 通信).............................................................................41
システム出力をミュートする .................................................................................................. 42
S-4000R リモート・コントローラーを使う............................................................................ 43
システムの設定変更を禁止する(ロック機能)............................................................................................ 43
入力信号をモニタリングする........................................................................................................................... 44
シグナル・ステータス・インジケーター .........................................................................................44
CLIP インジケーターをクリアする....................................................................................................44
インプット・レベル・メーター..........................................................................................................44
S-1608/S-0816 のインプット・チャンネルを設定する ..........................................................................45
編集したいチャンネルを選択する......................................................................................................45
プリアンプ・ゲインを設定する..........................................................................................................45
ゲイン・レンジを切り替える(パッド)...........................................................................................46
ファンタム電源を使う .......................................................................................................................... 46
2 つのチャンネルをペアで操作する(ステレオ・リンク)........................................................... 47
メモリー機能を使う............................................................................................................................................ 48
メモリーへ保存する(メモリー・ストアー・モード)..................................................................48
メモリーを呼び出す(メモリー・リコール・モード)..................................................................48
6
7 章 システムの応用 ................................................................................... 49
1 組の S-1608/S-0816 システムで 2 台の S-4000R を使う .................................................... 49
システムをコンピューターからコントロールする(S-4000 RCS)........................................ 50
S-4000 RCS を入手する ..................................................................................................................................50
動作環境について................................................................................................................................................50
S-1608 に入力した音声を複数箇所に分配する(スプリット)................................................ 51
必要な機器 ............................................................................................................................................................51
スイッチング・ハブの必要条件.......................................................................................................................51
スプリット接続の例............................................................................................................................................ 52
スプリット設定のご注意 ...................................................................................................................................53
REAC モードを設定する ...................................................................................................................................53
REAC の接続........................................................................................................................................................ 53
オーディオ機器の接続と電源の入れ方 ..........................................................................................................54
8 章 システムの接続例 ................................................................................ 55
16 × 8 システム ...................................................................................................................... 55
16 × 8 システム 16 チャンネル・スプリット付き ................................................................. 56
32 × 16 システム ....................................................................................................................57
32 × 16 システム 32 チャンネル・スプリット付き ............................................................... 58
S-4000S/S-4000H と接続する場合 ......................................................................................... 59
目次
資料 .......................................................................................................... 60
付録 A:トラブルシューティング........................................................................................... 60
S-1608/S-0816 ユニット:システム・ステータス・インジケーター ................................................. 60
S-4000R ユニット:システム・ステータス・インジケーター ..............................................................61
S-4000R ユニット:エラー・インジケーター ...........................................................................................61
付録 B:ピン配列図................................................................................................................. 62
Cat5e イーサーネット・ケーブル(RJ45 EtherCon タイプ・コネクター)....................................... 62
Cat5e クロスオーバー・ケーブル(REAC ケーブル SC-W100S)...........................................62
Cat5e ストレート・ケーブル.............................................................................................................. 62
REMOTE コネクター(RS-232C、DB-9 タイプ).....................................................................................63
S-1608/S-0816 オーディオ・コネクター(XLR タイプ)....................................................................... 63
付録 C:スイッチング・ハブの必要条件 ................................................................................ 64
付録 D:主な仕様 ....................................................................................................................65
S-1608 ステージ・ユニット............................................................................................................................65
S-0816 FOH ユニット....................................................................................................................................... 66
S-4000R リモート・コントローラー ............................................................................................................67
外形寸法図............................................................................................................................... 68
S-1608 ステージ・ユニット............................................................................................................................68
S-0816 FHO ユニット....................................................................................................................................... 69
S-4000R リモート・コントローラー ............................................................................................................70
索引 .......................................................................................................... 71
7
1

はじめに

ようこそ

RSS S-1608/S-0816 デジタル・スネーク・システムをお買い上げいただきありがとうございます。 S-1608/S-0816 システムは、REAC(Roland Ethernet Audio Communication)インターフェースを特
長とし、デジタル時代にふさわしいオーディオ・スネークを提案します。
S-1608/S-0816 システムは、システ ムの構築や設定がきわめて 簡単にできるように設計され ています。 マルチ・チャンネル・オーディオ伝送を必要とするあらゆるアプリケーションに対応します。

取扱説明書について

取扱説明書の構成
取扱説明書では、S-1608/S-0816 システムや各ユニットの機能について、詳しく説明しています。また、 システム構成に役立つヒントや接続例も豊富に載せています。
S-1608/S-0816 システムの機能を十分に活用していただくためにも、取扱説明書をよくお読みください。
取扱説明書の構成と各章の内容は、以下のとおりです。
「主な機能」(P.10)
S-1608/S-0816 システムや各ユニットの機能と利点について説明しています。
「ユニット/付属品/オプション」(P.12)
S-1608/S-0816 システムの基 本ユニット、各ユニットの付属品、および オプション製品について記 載しています。
「各部の名称と働き」(P.14)
ボタンやコネクターなど各部の機能を簡単に説明しています。
「S-1608/S-0816 システムの概要」(P.21)
デジタル・スネークのコンセプトやシステムを構成するテクノロジーについて説明しています。
「S-1608/S-0816 システムを使う」(P.28)
システムの接続方法や使用方法を説明しています。
「システムの応用」(P.49)
コンピューターでシステムを制御する方法や入出力の拡張、オーディオ信号を複数へ分配する方法に ついて説明しています。
「システムの接続例」(P.55)
さまざまな S-1608/S-0816 システムの接続図を記載しています。
「資料」(P.60)
インジケーターの説明やトラブルシューティング、ピン配列図、仕様を記載しています。
8
章 はじめに
1
名称について
S-1608/S-0816 デジタル・スネーク・システムは、以下の 3 つの基本ユニットで構成されています。
S-1608 ステージ・ユニット
S-0816 FOH ユニット S-4000R リモート・コントローラー
取扱説明書では、ユニット名を省略して「S-1608」、「S-0816」、「S-4000R」と表記することがあります。 システム全体を指すときは、「S-1608/S-0816 システム」と記載しています。
[ ]の囲みは、ボタンやつまみを示します。
また、S-4000R の[CLIP CLEAR / ENTER]ボタンのようにボタン名が併記されている場合は、1 つの ボタンに 2 つの機能が割り当てられていることを示しています。
用語について
S-1608/S-0816 システムは、マルチ・チャンネルのオーディオを長距離伝送するオーディオ・スネーク として機能します。本システムの最大の特長がオーディオのデジタル伝送であることから、「デジタル・ス ネーク」と呼んでいます。
オーディオ・スネークは多くの場合、ミュージカルや劇場公演、講演会など音声を扱う場面で使用されま す。これらの事例では、オーディオ信号のソースがステージ側にあり、音声はオーディオ・スネークによっ てミキシング・ポジション(フロント・オブ・ハウスまたは FOH ポジションともいいます)へ送られます。
このほかにもレコーディングのセットアップやブロードキャスト送信など、マルチ・チャンネル・オー ディオ伝送を必要とするあらゆるアプリケーションでオーディオ・スネークが利用されています。
取扱説明書では、「ステージ」、「ミキシング」、「フロント・オブ・ハウス」という用語を使って、各ユニッ トの配置場所を指定しています。これらの用語は、システムの信号フローを分かりやすくするために使っ ているだけで、ステムの接続方法やユニットの配置場所を限定するものではありません。
S-1608/S-0816 システムは、オーディオ・スネークを必要とするどのような環境でも、申し分のないパ フォーマンスを発揮することでしょう。
各種アイコンについて
取扱説明書には、以下のアイコンが記載されています。
S-1608/S-0816 システム、そのほかの機器、および人への損害・損傷を回避するための重要な 情報を記載しています。
手近なトピックを記載しています。
取り上げられた機能を使用するためのアイディアを記載しています。
参照ページを示しています。
S-4000R 取付説明書
S-1608/S-0816 システムには、S-1608/S-0816 取扱説明書(本書)のほかに、S-4000R 取付説明書が あります。S-4000R をお使いになる前に、本書と合わせてよくお読みください。
9
2

主な機能

S-1608/S-0816 システム

REAC 伝送プロトコル(REAC で使用される通信方法)は、24 ビット /96kHz のオーディオ信号を最
大 40 チャンネルまで 1 本の Cat5e イーサーネット・ケーブルで伝送します。 S-1608/S-0816 システムでは、S-1608 からの 16 チャンネルと S-0816 からの 8 チャンネルの合計
24 チャンネルのオーディオ信号を伝送します。
REAC による伝送距離は 100m です。REAC スプリッター S-4000-SP やイーサネット・スイッチン
グ・ハブ(以下、スイッチング・ハブと呼びます)を使用すれば、さらにケーブルの長さを延長する ことができます。
REAC 機器間の伝送遅れが非常に少なく、ほとんど気になりません。(REAC のネットワーク・レーテ
ンシーは、約 375 マイクロ秒。一方のアナログ入力から他方のアナログ出力への信号のレーテンシー は、約 1.2 ミリ秒。)
付属のラック・マウント・キットの取り付けによって、ラックへの収納が可能です。
Windows または Macintosh でシステム制御ができるフリー・ソフトを提供しています。

システム構成ユニット

S-1608 ステージ・ユニット

インプット 16 チャンネル、アウトプット 8 チャンネルの XLR コネクターを備えたステージ・ユニット
余裕のヘッドルームとクリーンで豊かなサウンドを実現する新開発・高精度設計のプリアンプを全イ
ンプットに装備(ゲインレンジ:-65 〜 +10dBu typical、最大入力 +28dBu)
オーディオ信号やシステムの状態を表示する各種インジケーター
S-0816 やほかの REAC 機器と接続する REAC ポ―ト
S-4000R リモート・コントローラーやコンピューターと接続する RS-232C インターフェース
オーディオ・ケーブルの接続をノイズ・レスで実現する[MUTE ALL OUTPUTS]ボタン

S-0816 FOH ユニット

インプット 8 チャンネル、アウトプット 16 チャンネルの XLR コネクターを備えたフロント・オブ・
ハウス(FOH)ユニット
余裕のヘッドルームとクリーンで豊かなサウンドを実現する新開発・高精度設計のプリアンプを全イ
ンプットに装備 ( ゲインレンジ : -65 〜 +10dBu typical、最大入力 +28dBu)
オーディオ信号やシステムの状態を表示する各種インジケーター
S-1608 やほかの REAC 機器と接続する REAC ポ―ト
S-4000R リモート・コントローラーやコンピューターと接続する RS-232C インターフェース
オーディオ・ケーブルの接続をノイズ・レスで実現する[MUTE ALL OUTPUTS]ボタン
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S-4000R リモート・コントローラー

シンプルで使いやすいリモコン
S-1608/S-0816 のインプット・チャンネルごとに、プリアンプ・ゲイン、ファンタム電源、および
パッドのコントロールが可能
高音質を維持したまま入力ゲイン調整が可能(1dB ステップ)
よく使用する設定の記憶/呼び出しが可能なメモリー機能(10 メモリー)
正確な入力信号レベルをモニタリングする 8 セグメント LED メーター
24 チャンネルのすべての入力状態が確認できるレベル・インジケーター
システムの状態が確認できる各種インジケーター
チャンネル設定を保護するロック機能
章 主な機能
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ユニット/付属品/オプション

S-1608/S-0816 システムには、以下のユニット、付属品、およびオプションがあります。

基本ユニット

S-1608 ステージ・ユニット
S-0816 FOH ユニット
S-4000R リモート・コントローラー

S-1608 付属品

電源コード(2.5m)※ 2P-3P 変換器付属
REAC コネクター・カバー(1 個)
ラック・マウント・キット(左アングル 1 個、右アングル 1 個)
電源コード・クランプ(1 個 )※ 本体サイド・パネルに付属 フェライト・コア(1 個)
ゴム足(4 個)
S-1608/S-0816 取扱説明書(本書)
保証書
S-1608/S-0816 システムをお使いになる場合、お客さまに REAC ケーブルをご用意していただく必要があ ります。REAC-REAC 間の接続には、別売の REAC ケーブル SC-W100S をお使いになることを推奨します。
※ 市販の Cat5e イーサネット・ケーブルをお使いいただくこともできます。 REAC ケーブルについては、「基礎知識」(P.22)をお読みください。

S-0816 付属品

電源コード(2.5m)※ 2P-3P 変換器付属
REAC コネクター・カバー(1 個)
ラック・マウント・キット(左アングル 1 個、右アングル 1 個)
電源コード・クランプ(1 個)※ 本体サイド・パネルに付属
フェライト・コア(1 個) ゴム足(4 個)
S-1608/S-0816 取扱説明書(本書)
保証書

S-4000R 付属品

RS-232C ケーブル(3m) ラック・マウント・キット(アングル 2 個、固定ネジ 4 本)
S-4000R 取付説明書
保証書
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章 ユニット/付属品/オプション
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システム・オプション

システム・オプションとして、以下の製品を用意しています。
S-4000 リモート・コントロール・ソフトウェア(S-4000 RCS) Windows/Macintosh 用コンピューター制御ソフトウェア(「http://www.roland.co.jp/solution/ 」か
ら無料ダウンロード)
SC-W100S Neutrik EtherCon(ノイトリック社製イーサコン)プラグ・タイプの Cat5e イーサーネット・クロス
オーバー・ケーブル(100m)
S-4000-SP
REAC ケーブルの延長、および複数のスプリット REAC 機器にオーディオを分配するための REAC ス プリッター
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4

各部の名称と働き

S-1608 ステージ・ユニット/ S-0816 FHO ユニット

S-1608 フロント・パネル

S-0816 フロント・パネル

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章 各部の名称と働き
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INPUT コネクター
バランス・タイプのメス型 XLR インプット・コネクターです。各インプットには、ゲイン可変のプリア ンプがあり、-65 〜 +10dBu(最大 +28dBu)の信号を受けることができます。
また、インプットごとに、以下の 3 つのインジケーターがあります。
......入力信号が 0dB に達すると赤色に点灯します。
CLIP
......... 入力信号が -40dB を超えると緑色に点灯します。
SIG
......ファンタム電源を供給しているとき、オレンジ色に点灯します。
+48V
S-4000R リモート・コントローラーまたはコンピューターで S-4000 RCS(リモート・コントロール・ソフ トウェア)を使用すると、プリアンプ・ゲインの調整やファンタム電源のオン/オフができます。
S-4000R リモート・コントローラーまたはコンピューターで S-4000 RCS(リモート・コントロール・ソフ トウェア)を使用して、プリアンプ・ゲインの調整を行うときに滑らかに変化しないように感じられること がありますが、故障ではありません。
また、ゲイン・レベルが下記の値で切り替わるときに多少のノイズが出ることがありますが、故障ではあり ません。
パッド = オン: +3 パッド = オフ: -17 ↔-18、-33 ↔-34、-49 ↔-50(dBu)の 3 カ所
S-4000R のバージョン・アップを行っていただくと、ゲイン・レベルを数値で確認できるようになります。 対応バージョンやバージョン・アップの方法については、ローランドのホームページをご覧ください。
http://www.roland.co.jp/solution/
+2、 -13 ↔-14、 -29 ↔-30(dBu)の 3 カ所
OUTPUT コネクター
バランス・タイプのオス型 XLR アウトプット・コネクターです。出力される信号のレベルは、+4dBu(最 大 +22dBu)固定です。
REMOTE インジケーター
S-1608/S-0816 システムが RS-232C 機器と通信しているとき、オレンジ色に点灯します。RS-232C 機 器が接続されていないときや、RS-232C 通信に問題がある場合は、インジケーターは点滅または消灯し ます。詳しくは、「付録 A:トラブルシューティング」(P.60)をお読みください。
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REMOTE コネクター
9 ピンのオス型 D-sub コネクターです。RS-232C シリアル・インターフェース・プロトコルをサポート する外部機器から S-1608/S-0816 システムをリモート・コントロールしたり、信号をモニターしたりす るときに使用します。
通常は、RS-232C ケ ーブルで S-4000R リモート・コントローラーを接続します。コンピューターで S-4000 RCS を使用する場合は、コンピューターの RS-232C ポートと接続します。
S-1608/S-0816 システムのリモート・コントロールについては、「S-4000R リモート・コントローラーを 使う」(P.43)、「システムをコンピューターからコントロールする(S-4000 RCS)」(P.50)をお読みくだ
さい。
REMOTE コネクターのピン配列については、「REMOTE コネクター」(P.63)をお読みください。
DIGITAL OUT コネクター(オプティカル・タイプ)
オプティカル(光)タイプのデジタル・アウト・コネクターです。S-1608/S-0816 の INPUT1/2 に入力 されたオーディオ信号が出力されます。
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章 各部の名称と働き
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[MUTE ALL OUTPUTS]ボタン
S-1608/S-0816 システム全体のオーディオ出力をミュート(消音)します。ミュート中は、ノイズ・レ スでオーディオ・プラグの抜き差しができます。
[MUTE ALL OUTPUTS]ボタンを押し続けると、およそ 1.5 秒後に MUTE ALL
OUTPUTS インジケーターが点灯します。インジケーターが点灯している間、す べての REAC 機器の音声出力がミュートされます。
[MUTE ALL OUTPUTS]ボタンを離すと、ミュートが解除されて音声が出力され
ます。
[REAC MODE]スイッチ
S-1608/S-0816 の動作モード(REAC モード)を設定します。
M
.........S-1608/S-0816 は、スレーブ REAC 機器として動作します。
S
SP
MUTEALLOUTPUTS インジケーター
ミュートを解除したとき、音声が正常に出力されるまでに多少のノイズが混ざることがありますが、故障 ではありません。
冷却ファンに異常があって回転が止まると、MUTE ALL OUTPUTS インジケーターが点滅します。詳しく は、「付録 A:トラブルシューティング」(P.60)をお読みください。
........S-1608/S-0816 は、マスター REAC 機器として動作します。
......S-1608/S-0816 は、スプリット REAC 機器として動作します。
システムを適切に動作させるためには、各ユニットの REAC モードを正しく設定する必要があります。 REAC モードの設定およびシステムの構築については、「REAC モードを設定する」(P.34)、「S-1608 に入
力した音声を複数箇所に分配する(スプリット)」(P.51)をお読みください。
REAC インジケーター
S-1608/S-0816 システムで REAC 通信が行われると、REAC インジケーターが緑色に点灯します。 REAC 通信が途絶えると、インジケーターは点滅したあと、消灯します。
POWER インジケーター
S-1608/S-0816 に電源が供給されると、POWER インジケーターが青色に点灯します。
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S-1608 /S-0816 サイド・パネル

章 各部の名称と働き
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AC インレット
付属の電源コードを接続します。AC コンセントからの電源を S-1608 に供給します。誤って電源コード が引き抜かれないように電源コード・クランプを使用して固定してください(P.30)。
AC インレットへの接続は、付属の電源コードだけを使用してください。
アース端子
本体とアース(接地)接続するときに使用します。
アースは、以下の場所と接続しないでください。
水道管(感電の原因になります) •ガス管(爆発や引火の原因になります)
電話線のアースや避雷針(落雷のとき危険です)
電源コード・クランプ
電源コードを挟んで固定します(P.30)。
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冷却ファン吸気口   冷却ファン排気口
S-1608 には、ユニットの過熱を防ぐ冷却ファンが内蔵されています。吸気口から外気を吸入し、排気口 から内部の熱を放出します。
冷却ファン吸気口および排気口をふさがないでください。本体内部の温度が上昇し、熱によって故障する恐 れがあります。
REAC ポート
ほかの REAC 機器、REAC スプリッターS-4000-SP、またはスイッチング・ハブと接続するポートです。 信頼性の高い Neutrik EtherCon(ノイトリック社製イーサコン)RJ45 プラグに対応しています。また、
標準 RJ45 プラグを接続することもできます。
REAC 接続に使用できるイーサーネット・ケーブルについては、「ケーブルの種類と接続について」(P.23)、
「Cat5e イーサーネット・ケーブル」(P.62)をお読みください。
盗難防止用ロック
市販の盗難防止用セキュリティー・ワイヤーなどを接続します。 http://www.kensington.com/
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章 各部の名称と働き
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S-4000R リモート・コントローラー

S-4000R トップ・パネル

シグナル・ステータス・インジケーター
S-1608/S-0816 システムに入力される 24 チャンネルの信号状態を表示します。
CLIP インジケーター
入力信号が 0dB に達すると赤色に点灯します。 CLIP インジケーターを消灯するには、[CLIP CLEAR / ENTER]ボタンを押します。
SIG インジケーター
A/D 変換後の入力信号レベルが -40dB を超えると緑色に点灯します。
S-4000R は、S-4000 システム(S-4000S、S-4000H)のリモート・コントローラーとしても使えるように 設計されています。したがって、CLIP と SIG のインジケーターは、40 チャンネル分まで用意されています。
S-1608/S-0816 システムでお使いになる場合は、チャンネル 1 からチャンネル 24 までが有効となります。 S-4000 システムでお使いになる場合は、S-4000S 取扱説明書をご覧ください。
メモリー・ボタン([RECALL]ボタン/[STORE]ボタン)
S-4000R には、S-1608/S-0816システムのインプット・チャンネルの設定を保存する 10 個のメモリー が用意されています。[STORE]ボタンで設定を保存し、[RECALL]ボ タンで保存した設 定を呼び出し ます。
メモリーの操作方法については、「メモリー機能を使う」(P.48)をお読みください。
[CHANNEL]つまみと数値表示部
[CHANNEL]つまみで、設定の変更や信号レベルを確認したいインプット・チャンネルを選択します。現
在選択されているインプット・チャンネルが数値表示部に示されます。
[CHANNEL]つまみと数値表示部は、メモリーの選択やステレオ・リンク機能にも使用します。
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各チャンネルの設定方法については、「S-1608/S-0816 のインプット・チャンネルを設定する」(P.45)をお 読みください。
章 各部の名称と働き
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4
[CLIP CLEAR / ENTER]ボタン
以下の 2 つの機能があります。
CLIP インジケーターのクリア
オーディオ・インプットへの入力信号が 0dB に達すると、対応するチャンネルの CLIP インジケーター が赤色に点灯します。同時に[CLIP CLEAR / ENTER]インジケーターが点滅します。
CLIP インジケーターを消灯するには、[CLIP CLEAR / ENTER]ボタンを押します。点灯しているす べての CLIP インジケーターが消灯します。
選択の確定
メモリー機能などでパラメーターを選択しているとき、[CLIP CLEAR / ENTER]ボタンを押すと選 択が確定します。
[PAD]ボタン
現在選択しているインプット・チャンネルに 20dB のパッドを当てます。パッドがオンになっているとき は、[PAD]インジケーターが緑色に点灯します。
パッドをオフにするには、希望のチャンネルを選択し、もう一度[PAD]ボタンを押します。[PAD]イ ンジケーターが消灯し、パッドがオフになります。
[GAIN]つまみ
現在選択しているインプット・チャンネルのプリアンプ・ゲインを設定します。ゲイン・レベルは、[GAIN] つまみの回りにあるインジケーターで確認できます。
各インプット・チャンネルのゲイン・レンジは、パッドをオンにすると -45 〜 +10dBu になります。パッ ドがオフのときは、-65 〜 -10dBu になります。
S-4000R またはコンピューターで S-4000 RCS(リモート・コントロール・ソフトウェア)を使用して、プ リアンプ・ゲインの調整を行うときに滑らかに変化しないように感じられることがありますが、故障ではあ りません。
また、ゲイン・レベルが下記の値で切り替わるときに多少のノイズが出ることがありますが、故障ではあり ません。
パッド = オン: +3 パッド = オフ: -17 ↔-18、-33 ↔-34、-49 ↔-50(dBu)の 3 カ所
S-4000R のバージョン・アップを行っていただくと、ゲイン・レベルを数値で確認できるようになります。 対応バージョンやバージョン・アップの方法については、ローランドのホームページをご覧ください。
http://www.roland.co.jp/solution/
+2、 -13 ↔-14、 -29 ↔-30(dBu)の 3 カ所
インプット・レベル・メーター
現在選択しているインプット・チャンネルの入力レベルを表示します。
[LOCK]ボタン
S-4000R からの 操作を禁止し、チャ ンネル設定を 変更できない ようにします。ロ ックがオンのと きは、
[LOCK]インジケーターが赤色に点灯します。
ロックをオフするには、[LOCK]インジケーターが消えるまで[LOCK]ボタンを押し続けます。
現在の設定を記憶させるには、S-4000R をロック状態に切り替えてから電源を切ってください。次に電源を 入れたとき、現在の状態が自動的に復元されます。
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章 各部の名称と働き
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[PHANTOM +48 V]ボタン
インプット・チャンネルごとに、+48V ファンタム電源を供給することができます。コンデンサー・マイ クロホンやアクティブ・ダイレクト・ボックスなど、ファンタム電源を必要とする機器に電源を供給する 場合はオンにします。
[PHANTOM +48V]ボタンを押すと[PHANTOM +48V]インジケーターが緑色に点灯し、現在選択さ
れているインプット・チャンネルのファンタム電源がオンになります。 ファンタム電源を切るには、希望のチャンネルを選択し、もう一度[PHANTOM +48V]を押します。
[PHANTOM +48V]インジケーターが消灯し、ファンタム電源がオフになります。
POWER インジケーター
S-4000R に電源が供給されると青色に点灯します。(電源の入った S-1608 または S-0816 に S-4000R を接続すると、RS-232C ケーブル経由で電源が供給されます。)
+48V ファンタム電源を必要としない機器を接続するときは、必ずファンタム電源を切ってください。ファン タム電源を必要としないダイナミック・マイクロホンやオーディオ再生機器、そのほかの機器に誤ってファ ンタム電源が供給されると故障の原因となります。使用するマイクロホンやそのほかの機器に付属の取扱説 明書をよくお読みになり、仕様を確認してください。
(S-1608/S-0816 のファンタム電源:各チャンネル +48V DC、14mA)
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REAC インジケーター
S-1608/S-0816 システムで REAC 通信が行われると、REAC インジケーターが緑色に点灯します。REAC 通信が途絶えると、REAC インジケーターは点滅します。
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CTRL インジケーター
電源の入ったS-1608 またはS-0816 にS-4000R を接続し、通信が確立すると CTRL インジケーターがオ レンジ色に点灯します。

S-4000R リア・パネル

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REMOTE コネクター
付属の RS-232C ケーブルを使用して、S-1608 または S-0816 のいずれかの REMOTE コネクターに接続 します。
REMOTE コネクターのピン配列については、「REMOTE コネクター」(P.63)をお読みください。
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S-1608/S-0816 システムの概要

コンセプト

今までは…
これからは…
S-1608/S-0816 システムは、オーディオ・スネークの世界にデジタル革命をもたらします。コンピュー ター・ネットワーク技術を使用することにより、わずか 1 本のイーサーネット・ケーブルで 24 チャンネ ルのオーディオ信号を高品質のまま長距離伝送することを可能にしました。
さらに、デジタル伝送を可能にしたことで、システム構築の手軽さ、価格の安さ、持ち運びのしやすさ、 拡張のしやすさなど、多くのメリットが生まれました。
従来のオーディオ・スネークは、オーディオをアナログのまま伝送しています。アナログ伝送では、各 チャンネル分の専用ワイヤーを束にした非常に太いケーブルが使われます。そのため、アナログのオー ディオ・スネークには、かさばる、重たい、高価といったいくつかの問題点がありました。さらに、アナ ログ・ケーブルが持つインピーダンスなどの電気特性によって、信号の劣化が避けられないという弱点も 抱えていました。
デジタル・スネークのメリットは、オーディオのアナログ伝送で避けることのできなかった信号の劣化や ケーブル・ノイズがなくなることにあります。オーディオ信号を入力部でデジタル化することによって、 高音質のまま長距離伝送することができるのです。さらに、1 本のイーサーネット・ケーブルでマ ルチ・ チャンネルのデジタル信号を伝送できるので、アナログのオーディオ・スネークのように太く重いケーブ ルで困ることもありません。
アンプ アンプ アンプ アンプ
00111000
S-0816
S-1608
11001010
10100011
デジタル・データ
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章 S-1608/S-0816 システムの概要
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基礎知識

REAC について

S-1608/S-0816 システムの中心となるのが (Roland Ethernet Audio Communication)イン ターフェースです。イーサーネット・テクノロジーをベースとするローランド独自のプロトコルを使用し、 1 本の Cat5e イーサーネット・ケーブルで最大 40 チャンネルのデジタル・オーディオを伝送することが
できます。
S-1608/S-0816 システムでは、S-1608 からの 16 チャンネルと S-0816 からの 8 チャンネルの合計 24 チャ ンネルのオーディオ信号を伝送します。
REAC の機能や利点には、以下のようなものがあります。
デジタル・オーディオ最大 40 チャンネルを 24 ビット /96kHz で伝送
1 本の REAC ケーブルで 100m まで伝送可能 REAC スプリッター S-4000-SP やスイッチング・ハブを使用してケーブルの延長が可能
REAC スプリッター S-4000-SP やスイッチング・ハブを使用して信号を簡単に分配(スプリット)
REAC 機器間の伝送遅れが非常に少ない(REAC のネットワーク・レーテンシーは約 375 マイクロ秒。
一方のアナログ入力から他方のアナログ出力への信号のレーテンシーは約 1.2 ミリ秒。)
REAC スプリッター S-4000-SP やスイッチング・ハブを経由すると、1 台につき約 200 マイクロ秒の遅れ が加算されます。
電源を入れたままケーブルの抜き差しが可能(ホット・スワップ)
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