取扱説明書
このたびは、ローランド・ベース・アンプ DB-900 をお買いあげいただき、まことにありがとうござ
います。
この機器を正しくお使いいただくために、ご使用前に「安全上のご注意」(P.2 〜 3)と「使用上のご
注意」(P.4)をよくお読みください。また、この機器の優れた機能を十分ご理解いただくためにも、
取扱説明書をよくお読みください。取扱説明書は必要なときにすぐに見ることができるよう、手元に
置いてください。
目次
安全上のご注意 ....................................................2
使用上のご注意 ....................................................4
はじめに...............................................................6
主な特長.................................................................................................6
お使いになる前に................................................................................ 6
従来のベース・アンプと同様の使いかたをするには..................6
各部の名称と働き.................................................7
フロント・パネル................................................................................ 7
リア・パネル.........................................................................................8
接続のしかた......................................................10
電源を入れる/切る..........................................................................10
メモリー機能について........................................11
メモリーを呼び出す..........................................................................11
メモリーの設定を変更する(エディット)...................................11
つまみの設定をメモリーに記憶する(ライト)...........................11
キャスターの取り扱いについて.........................12
資料 ....................................................................13
工場出荷時の設定..............................................................................13
工場出荷時の設定に戻す..................................................................13
セッティング例...................................................................................14
ブロック図...........................................................................................16
主な仕様...............................................................................................17
● 取扱説明書の英語版(有料)をご希望の方は、販売店にお問い合わせください。
If you should require an English Owner’s Manual (at a modest fee), please contact an authorized
Roland distributor.
2001 ローランド株式会社
©
本書の一部、もしくは全部を無断で複写・転載することを禁じます。
安全上のご注意
安全上のご注意
マークについて この機器に表示されているマークには、次のような意味があります。
注意:
注意
感電の恐れあり
キャビネットをあけるな
感電防止のため、パネルやカバーを外さないでください。
この機器の内部には、お客様が修理/交換できる部品
はありません。
修理は、お買い上げ店またはローランド・サービスに
依頼してください。
火災・感電・傷害を防止するには
注意の意味について警告と
取扱いを誤った場合に、使用者が
警告
注意
死亡または重傷を負う可能性が想
定される内容を表わしています。
取扱いを誤った場合に、使用者が
傷害を負う危険が想定される場合
および物的損害のみの発生が想定
される内容を表わしています。
※物的損害とは、家屋・家財およ
び家畜・ペットにかかわる拡大
損害を表わしています。
このマークは、機器の内部に絶縁されていない「危
険な電圧」が存在し、感電の危険があることを警
告しています。
このマークは、注意喚起シンボルです。取扱説明書
などに、一般的な注意、警告、危険の説明が記載さ
れていることを表わしています。
図記号の例
は、注意(危険、警告を含む)を表わしていま
す。
具体的な注意内容は、 の中に描かれています。
左図の場合は、「一般的な注意、警告、危険」を
表わしています。
は、禁止(してはいけないこと)を表わしてい
ます。
具体的な禁止内容は、 の中に描かれています。
左図の場合は、「分解禁止」を表わしています。
●は、強制(必ずすること)を表わしています。
具体的な強制内容は、●の中に描かれています。
左図の場合は、「電源プラグをコンセントから抜
くこと」を表わしています。
以下の指示を必ず守ってください
警告
001
● この機器を使用する前に、以下の指示と取扱説
明書をよく読んでください。
..............................................................................................................
002a
● この機器を分解したり、改造したりしないでく
ださい。
..............................................................................................................
003
● 修理/部品の交換などで、取扱説明書に書かれ
ていないことは、絶対にしないでください。必
ずお買い上げ店またはローランド・サービスに
相談してください。
..............................................................................................................
004
● 次のような場所での使用や保存はしないでくだ
さい。
○ 温度が極端に高い場所(直射日光の当たる場
所、暖房機器の近く、発熱する機器の上など)
○ 水気の近く(風呂場、洗面台、濡れた床など)
や湿度の高い場所
○ 雨に濡れる場所
○ ホコリの多い場所
○ 振動の多い場所
..............................................................................................................
007
● この機器を、ぐらついた台の上や傾いた場所に
設置しないでください。必ず安定した水平な場
所に設置してください。
..............................................................................................................
008a
● 電源プラグは、必ず AC100V の電源コンセント
に差し込んでください。
..............................................................................................................
2
警告
009
● 電源コードを無理に曲げたり、電源コードの上
に重いものを載せたりしないでください。電源
コードに傷がつき、ショートや断線の結果、火
災や感電の恐れがあります。
..............................................................................................................
010
● この機器を単独で、あるいはヘッドホン、アン
プ、スピーカーと組み合わせて使用した場合、設
定によっては永久的な難聴になる程度の音量に
なります。大音量で、長時間使用しないでくだ
さい。万一、聴力低下や耳鳴りを感じたら、直
ちに使用をやめて専門の医師に相談してくださ
い。
..............................................................................................................
011
● この機器に、異物(燃えやすいもの、硬貨、針
金など)や液体(水、ジュースなど)を絶対に
入れないでください。
..............................................................................................................
012a
● 次のような場合は、直ちに電源を切って電源
コードをコンセントから外し、お買い上げ店ま
たはローランド・サービスに修理を依頼してく
ださい。
101a
● この機器は、風通しのよい、正常な通気が保た
れている場所に設置して、使用してください。
..............................................................................................................
102a
● 電源コードをコンセントに抜き差しするとき
は、必ず電源プラグを持ってください。
..............................................................................................................
103a
● 長時間使用しないときは、電源プラグをコンセ
ントから外してください。
..............................................................................................................
104
● 接続したコードやケーブル類は、繁雑にならな
いように配慮してください。特に、コードやケー
ブル類は、お子様の手が届かないように配慮し
てください。
..............................................................................................................
105b
● この機器を設置するときや車に積むときなど、
動くと危険な場合は、すべてのキャスターを外
してください。
..............................................................................................................
106
● この機器の上に乗ったり、機器の上に重いもの
を置かないでください。
○ 電源コードやプラグが破損したとき
○ 異物が内部に入ったり、液体がこぼれたりし
たとき
○ 機器が(雨などで)濡れたとき
○ 機器に異常や故障が生じたとき
..............................................................................................................
013
● お子様のいるご家庭で使用する場合、お子様の
取り扱いやいたずらに注意してください。必ず
大人のかたが、監視/指導してあげてください。
..............................................................................................................
014
● この機器を落としたり、この機器に強い衝撃を
与えないでください。
..............................................................................................................
015
● 電源は、タコ足配線などの無理な配線をしない
でください。特に、電源タップを使用している
場合、電源タップの容量(ワット/アンペア)を
超えると発熱し、コードの被覆が溶けることが
あります。
..............................................................................................................
016
● 外国で使用する場合は、お買い上げ店または
ローランド・サービスに相談してください。
..............................................................................................................
..............................................................................................................
107a
● 濡れた手で電源コードのプラグを持って、コン
セントに抜き差ししないでください。
..............................................................................................................
108a
● この機器を移動するときは、電源プラグをコン
セントから外し、外部機器との接続を外してく
ださい。
..............................................................................................................
109a
● お手入れをするときには、電源を切って電源プ
ラグをコンセントから外してください。
..............................................................................................................
110a
● 落雷の恐れがあるときは、早めに電源プラグを
コンセントから外してください。
..............................................................................................................
3
使用上のご注意
2 〜 3 ページに記載されている「安全上のご注意」以外に、次のことに注意してください。
電源について
301
● 雑音を発生する装置(モーター、調光器など)や消費電力
の大きな機器とは、別のコンセントを使用してください。
307
● 接続するときは、誤動作やスピーカーなどの破損を防ぐた
め、必ずすべての機器の電源を切ってください。
308
● 完全に電源を切る必要があるときは、この機器の電源ス
イッチを切った後、コンセントからプラグを抜いてくださ
い。そのため、電源コードのプラグを差し込むコンセント
は、この機器にできるだけ近い、すぐ手の届くところのも
のを使用してください。
設置について
351
● この機器の近くにパワー・アンプなどの大型トランスを持
つ機器があると、ハム(うなり)を誘導することがありま
す。この場合は、この機器との間隔や方向を変えてくださ
い。
352
● テレビやラジオの近くでこの機器を動作させると、テレビ
画面に色ムラが出たり、ラジオから雑音が出ることがあり
ます。この場合は、この機器を遠ざけて使用してください。
354a
● 直射日光の当たる場所や、発熱する機器の近く、閉め切っ
た車内などに放置しないでください。変形、変色すること
があります。
355
● 故障の原因になりますので、雨や水に濡れる場所で使用し
ないでください。
356
● 本機の上にゴム製品やビニール製品などを長時間放置し
ないでください。変形、変色することがあります。
357
● 本機の上に水の入った容器(花びんなど)、殺虫剤、香水、
アルコール類、マニキュア、スプレー缶などを置かないで
ください。また、表面に付着した液体は、すみやかに乾い
た柔らかい布で拭き取ってください。
359
● 本機にシールなどを貼らないでください。はがす際に外装
の仕上げを損なうことがあります。
● 使用するときは、壁から 50 cm 以上離してください。
● 本機の上に物を載せたまま使用しないでください。
お手入れについて
401a
● 通常のお手入れは、柔らかい布で乾拭きするか、堅く絞っ
た布で汚れを拭き取ってください。汚れが激しいときは、
中性洗剤を含んだ布で汚れを拭き取ってから、柔らかい布
で乾拭きしてください。
402
● 変色や変形の原因となるベンジン、シンナーおよびアル
コール類は、使用しないでください。
● カーペット部の通常のお手入れには、毛の硬いブラシをお
使いください。
修理について
451a
● お客様がこの機器を分解、改造された場合、以後の性能に
ついて保証できなくなります。また、修理をお断りする場
合もあります。
452
● 修理に出される場合、記憶した内容が失われることがあり
ます。大切な記憶内容はメモしておいてください。修理す
るときには記憶内容の保存に細心の注意を払っておりま
すが、メモリー部の故障などで記憶内容が復元できない場
合もあります。失われた記録内容の修復に関しましては、
補償も含めご容赦願います。
453
● 当社では、この製品の補修用性能部品(製品の機能を維持
するために必要な部品)を、製造打切後 6 年間保有して
います。この部品保有期間を修理可能の期間とさせていた
だきます。なお、保有期間が経過した後も、故障箇所に
よっては修理可能の場合がありますので、お買い上げ店、
または最寄りのローランド・サービスにご相談ください。
その他の注意について
551
● 記憶した内容は、機器の故障や誤った操作などにより、失
われることがあります。失っても困らないように、大切な
記憶内容はメモしておいてください。
552
● 本体メモリーの失われた記憶内容の修復に関しましては、
補償を含めご容赦願います。
553
● 故障の原因になりますので、ボタン、つまみ、入出力端子
などに過度の力を加えないでください。
556
● ケーブルの抜き差しは、ショートや断線を防ぐため、プラ
グを持ってください。
557
● この機器は多少発熱することがありますが、故障ではあり
ません。
558a
● 音楽をお楽しみになる場合、隣近所に迷惑がかからないよ
うに、特に夜間は、音量に十分注意してください。ヘッド
ホンを使用すれば、気がねなくお楽しみいただけます。
559a
● 輸送や引っ越しをするときは、この機器が入っていたダン
ボール箱と緩衝材、または同等品で梱包してください。
562
● 接続には、当社ケーブル(PCS シリーズなど)をご使用
ください。他社製の接続ケーブルをご使用になる場合は、
次の点にご注意ください。
○ 接続ケーブルには抵抗が入ったものがあります。本機
との接続には、抵抗入りのケーブルを使用しないでく
ださい。音が極端に小さくなったり、全く聞こえなく
なる場合があります。ケーブルの仕様につきまして
は、ケーブルのメーカーにお問い合わせください。
● この機器は重いので、万一の転倒や落下によるケガなどの
危険を防止するために、運搬時は必ず 2 人以上で運ぶよ
うにしてください。
4
使用上のご注意
● ケガなどの危険を防止するため、下図の矢印が示す部分に
手を入れないでください。
fig.001a
fig.001b
● 本体両脇の通気口を塞がないでください。故障などの原因
になります。
fig.002
● 運搬/収納時には、AC コードを本体背面のコード・フッ
クに巻き付けてください。
fig.003
fig.001c
● 本機の性能を最大限に発揮させるため、本体両脇にある矢
印の部分を塞がないでください。
fig.001b
5
はじめに
主な特長
FFP技術.............................
DB-900 は、FFP技術の採用によって高性能・ハイパワーを
実現した DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)搭載の
ベース・アンプです。
•
アンプ・システム全体での音響的なダイナミック・レンジ
が拡大されます。出力パワーのスペックを超えた、ダイナ
ミックなハイパワー・サウンドが得られます。
•
キャビネットの音響特性が向上します。低域まで伸びたフ
ラット・レスポンスを実現し、ベース・アンプ・システム
としてのサウンド・クオリティーを向上させています。
•
スピーカーの振幅リニアリティーが向上します。
入力信号に忠実に反応するレスポンスのよいクリアなサ
ウンドが得られます。
COSM 技術. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
アンプリファイヤー部は、アンプ方式や回路構成の違いによ
るサウンド・キャラクターをモデリングによって再現し、ハ
イ・レスポンスなワイド・レンジ・サウンドからチューブ・
アンプのオーバードライブ・サウンドまでを得ることができ
ます。
パッシブ・ラジエーター . . . . . . . . . . . . . . . .
キャビネットの左右に配置されたパッシブ・ラジエーターと
FFP の組み合わせにより、スーパー・ウーハーを使用するこ
となく、ベース・サウンドに必要な超低音域までをカバーし
ます。
D- コーラス. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ベース用に最適にチューニングした新開発のD-コ−ラスを装
備しています。入力信号に応じたダイナミックな帯域分割処
理によって、スラップ奏法やハーモニクス奏法においても低
音域のレスポンスを損なわない心地よいコーラス効果を奏で
ることができます。
メモリー機能. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
つまみの設定をメモリーA または B に記憶させておくことが
できます。メモリーの呼び出しは、フット・スイッチによっ
ても可能です。これにより、ライブ演奏などでアンプの設定
をすばやく切り替えることもできます。
3 バンド・イコライザー . . . . . . . . . . . . . . . .
幅広い音作りが可能な MIDDLEがパラメトリック・タイプの
3 バンド・イコライザーを装備しています。
さらにシェイプ・スイッチとの組み合わせによってバリエー
ション豊かなサウンドが得られます。
幅広い拡張性. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
入出力端子は、最適な音質補正を施したヘッドホン・ジャッ
クを始め、XLR タイプの高性能なDI 端子、XLR タイプとバ
ランス対応標準ジャックの 2種類を装備したライン・アウト
端子、外部エフェクター等の接続に便利なインサート端子を
装備し、さまざまなアプリケーションに対応できます。
メモ
FFP(Feed Forward Processing)技術とは
あらかじめアンプ・システム各部の動作や振舞について解析
した結果にもとづき、入力された信号に対してアンプ、スピー
カー、キャビネットそれぞれが最大の性能を発揮するように
システムを制御する技術です。
メモ
COSM(Composite Object Sound Modeling)技術とは
現実に存在する物体の構造、素材などを別の手段で仮想的に
再構築する技術をモデリング技術と呼びます。その数あるサ
ウンド・モデリング技術を組み合わせて、さらに新しいサウ
ンドを創り出すローランド独自の技術です。
お使いになる前に
メモリーA とB には、工場出荷時のつまみの設定が記憶され
ています(P.13)。お買いあげ後にはじめて電源を入れると、
現在のつまみの設定に関わらず、メモリー A の設定で音が鳴
ります。
ご注意
6
次回以降電源を入れたときは、電源を切ったとき
の設定で音が鳴ります。例えば、メモリー A の
設定で電源を切ると、次回に電源を入れたときは
メモリー A の設定で音が鳴ります。
従来のベース・アンプと
同様の使いかたをするには
従来のベース・アンプと同様につまみ通りの設定で使用する
ときは MANUAL ボタンを押して、インジケーターを点灯
させてください。