取扱説明書
このたびは、ローランド V シンバル CY-12R/Cをお買い上げいただき、まことにありがとうございます。
この機器を正しくお使いいただくために、ご使用前に「安全上のご注意」(P.3 〜 4)と「使用上のご注意」(P.4)
をよくお読みください。また、この機器の優れた機能を十分ご理解いただくためにも、取扱説明書をよくお読み
ください。取扱説明書は必要なときにすぐに見ることができるよう、手元に置いてください。
CY-12R/Cをお使いになる前に、ドラム音源のパラメーターを設定してください(P.2)。
パッケージに入っているもの
□ CY-12R/C(Vシンバル)本体
□ 接続ケーブル
□ ケーブル・タイ
■ 取扱説明書(本書)
□ 保証書
□ ウイング・ナット
□ フェルト・ワッシャー
□ まわりどめ
各部の名称
ベル
ボウ
エッジ
BOW/EDGEアウトプット・ジャック
BOW/BELLアウトプット・ジャック
主な特長
• アコースティック・シンバルと同じような打感触
シンバルの形状だけでなく、スティックの跳ね返りやたたいた時の揺れまで考慮し設計されています。
ライド・シンバル、クラッシュ・シンバル、スプラッシュ・シンバルとして使用できます。
• 静かな打撃音
• ボウとエッジ、またはボウとベルのたたき分けやチョーク奏法が可能
ライド・シンバルとして使用するときはベル・ショット(P.6)、クラッシュ・シンバルとして使用するときは
エッジ・ショット(P.6)が可能です。
また、エッジ部を手でつかむことにより鳴っている音を止めるチョーク奏法ができます(P.7)。
• ローランドのすべてのドラム音源に対応(P.2)
• 3ウェイ・トリガーや打点位置検出が可能(TD-10+TDW-1Vシンバル対応バージョン使用時)(P.6)
©
2001 ローランド株式会社 本書の一部、もしくは全部を無断で複写・転載することを禁じます。
02892234 ’01-10-B3-11N
ドラム音源の推奨設定
CY-12R/C を各音源でご使用になるときのトリガー・パラメーターの推奨設定値です。
•
CY-12R/C はボウ・ショット、エッジ・ショット、ベル・ショット、チョーク奏法が可能です(P.6)。
ベル・ショットが鳴りにくいときは、「Scan Time」を調整してください。
•
パッドの取り付けかたやセッティングする位置などにより、さらにトリガー・パラメーターの調整が必要
•
な場合があります。
TD-10(
TDW-1 V-Cymbal Contro
Trigger Type RdA
Sensitivity 8
Threshold 4
Curve Linear
Scan Time (*1) 1.0
Retrigger Cancel (*1) 10
Mask Time (*1) 8
XtalkCancel (*1) 50
Mount Type (*1) CymMount
TD-10(TDW-1)
Trigger Type P7B
Sensitivity 8
Threshold 4
Curve Linear
Scan Time (*1) 1.8
Retrigger Cancel (*1) 5
Mask Time (*1) 8
XtalkCancel (*1) 40
Mount Type (*1) CymMount
TD-10(Non expanded)
Trigger Type Pd7
Sensitivity 5
Threshold 3
Curve Linear
Scan Time (*1) 1.5
Retrigger Cancel (*1) 5
Mask Time (*1) 8
XtalkCancel (*1) 40
TD-8
l)
TRIGGER TYPE CY1/PD7
SENSITIVITY (*1) 10
THRESHOLD (*1) 4
CURVE (*1) LINEAR
SCAN TIME (*1) 2.5
RETRIG CANCEL(*1) 8
MASK TIME (*1) 8
XTALK CANCEL (*1) 50
(*2)
TD-6
TrigType CY Type
Sensitivity (*1) 10
Threshold (*1) 4
TrigCurve (*1) LINEAR
Xtalk Cancel (*1) 50
Scan Time (*1) 2.5ms
Retrig Cancel (*1) 8
Mask Time (*1) 8ms
TD-7 (*3、*4)
Cross Talk Group 1
Velocity Curve Norm3
Choke Off
Max Dyna 5
MIn Dyna 1
Min Velo 1
Mask Time 0
Threshold 1
TD-5
TRIGGER TYPE P1
SENSITIVITY 8
THRESHOLD 2
CURVE Lnr
SCAN TIME 2.5
RETRIGGER CANCEL 3
MASK TIME 8
CROSSTALK CANCEL 50
SPD-20
Trig Sens 10
Trig Threshold 0
Trig Type Pd7
Trig Curve 0
Scan Time 2.5
Retrig Cancel 3
Mask Time 8
Crosstalk Cancel 30
HPD-15 (*4)
Input Mode HD/RM
Trig Type PD-9
Trig Sens 10
Curve Linear
Threshold 2
Scan Time 1ms
Retrig Cancel 2
Mask Time 4ms
X-Talk Rate 40%
*1: これらのトリガー・パラメーターは、トリガー・タイプを設定した後に設定する必要があります。
TD-8 バージョン・アップのお知らせ
*2:
2001 年 10 月より、トリガー・タイプに「CY1」を選べるようになりました。トリガー・タイプを「CY1」にする
と、その他のトリガー・パラメーターが自動的に推奨値に設定されるため、簡単に CY-12R/C 用の設定をすることが
できます。
それ以前の TD-8 をお使いの場合は、トリガー・タイプを「PD7」に設定してください。その後、その他のトリガー・
パラメーターを上記の推奨値に変更することで、同じように使用することができます。
TD-8 のバージョン・アップの方法は、最終ページの「TD-8 のバージョン・アップについて」をご覧ください。
*3: TD-7のトリガー・パラメーターは、ヘッド側とリム側を個別に設定することができます。ヘッド側とリム側を同じ設
定にしてください。また、TD-7 のトリガー・パラメーターはパッチごとに設定する必要があります。
*4: TD-7、HPD-15は、CY-12R/C のベル・ショット、エッジ・ショットには対応していますが、チョーク奏法には対応
していません。
2
安全上のご注意
3
安全上のご注意
火災・感電・傷害を防止するには
注意の意味について警告と
取扱いを誤った場合に、使用者が
警告
注意
死亡または重傷を負う可能性が想
定される内容を表わしています。
取扱いを誤った場合に、使用者が
傷害を負う危険が想定される場合
および物的損害のみの発生が想定
される内容を表わしています。
※物的損害とは、家屋・家財およ
び家畜・ペットにかかわる拡大
損害を表わしています。
以下の指示を必ず守ってください
警告 警告
001
● この機器を使用する前に、以下の指示と取
扱説明書をよく読んでください。
....................................................................................................
002a
● この機器を分解したり、改造したりしない
でください。
....................................................................................................
003
● 修理/部品の交換などで、取扱説明書に書
かれていないことは、絶対にしないでくだ
さい。必ずお買い上げ店またはローランド・
サービスに相談してください。
....................................................................................................
004
● 次のような場所での使用や保存はしないで
ください。
○ 温度が極端に高い場所(直射日光の当
たる場所、暖房機器の近く、発熱する
機器の上など)
○ 水気の近く(風呂場、洗面台、濡れた
床など)や湿度の高い場所
○ 雨に濡れる場所
○ ホコリの多い場所
○ 振動の多い場所
....................................................................................................
005
● この機器の設置には、ローランドが推奨す
るスタンド(MDS シリーズ)、シンバル・
マウント(MDY シリーズ)を使用してく
ださい(P.5)。
....................................................................................................
図記号の例
は、注意(危険、警告を含む)を表わしていま
す。
具体的な注意内容は、 の中に描かれています。
左図の場合は、「一般的な注意、警告、危険」を
表わしています。
は、禁止(してはいけないこと)を表わしてい
ます。
具体的な禁止内容は、 の中に描かれています。
左図の場合は、「分解禁止」を表わしています。
●は、強制(必ずすること)を表わしています。
具体的な強制内容は、●の中に描かれています。
左図の場合は、「電源プラグをコンセントから抜
くこと」を表わしています。
006
● この機器の設置にスタンド(MDS シリー
ズ)を使用する場合、ぐらついた所や傾い
た所にスタンド(MDS シリーズ)を設置
しないでください。安定した水平な所に設
置してください。機器を単独で設置する場
合も、同様に安定した水平な所に設置して
ください。
.....................................................................................................
011
● この機器に、異物(燃えやすいもの、硬貨、
針金など)や液体(水、ジュースなど)を
絶対に入れないでください。
.....................................................................................................
013
● お子様のいるご家庭で使用する場合、お子
様の取り扱いやいたずらに注意してくださ
い。必ず大人のかたが、監視/指導してあ
げてください。
.....................................................................................................
014
● この機器を落とさないでください。
.....................................................................................................
次へ
注意 注意
104
● 接続したコードやケーブル類は、繁雑にな
らないように配慮してください。特に、コー
ドやケーブル類は、お子様の手が届かない
ように配慮してください。
....................................................................................................
106
● この機器の上に乗ったり、機器の上に重い
ものを置かないでください。
....................................................................................................
使用上のご注意
291a
3 〜 4 ページに記載されている「安全上のご注意」以外に、次のことに注意してください。
118
● ウィング・ナット、ワッシャー類、まわり
止めのボルトなどを外した場合は、小さな
お子様が誤って飲み込んだりすることのな
いようお子様の手の届かないところへ保管
してください。
.....................................................................................................
設置について
354b
● 直射日光の当たる場所や、発熱する機器の近く、閉
め切った車内などに放置しないでください。また、至
近距離から照らす照明器具(ピアノ・ライトなど)や
強力なスポット・ライトで長時間同じ位置を照射し
ないでください。変形、変色することがあります。
355
● 故障の原因になりますので、雨や水に濡れる場所で
使用しないでください。
356
● 本機の上にゴム製品やビニール製品などを長時間放
置しないでください。変形、変色することがありま
す。
357
● 本機の上に水の入った容器(花びんなど)、殺虫剤、
香水、アルコール類、マニキュア、スプレー缶など
を置かないでください。また、表面に付着した液体
は、すみやかに乾いた柔らかい布で拭き取ってくだ
さい。
お手入れについて
401a
● 通常のお手入れは、柔らかい布で乾拭きするか、堅
く絞った布で汚れを拭き取ってください。汚れが激
しいときは、中性洗剤を含んだ布で汚れを拭き取っ
てから、柔らかい布で乾拭きしてください。
402
● 変色や変形の原因となるベンジン、シンナーおよび
アルコール類は、使用しないでください。
修理について
451a
● お客様がこの機器を分解、改造された場合、以後の
性能について保証できなくなります。また、修理を
お断りする場合もあります。
453
● 当社では、この製品の補修用性能部品(製品の機能
を維持するために必要な部品)を、製造打切後 6 年
間保有しています。この部品保有期間を修理可能の
期間とさせていただきます。なお、保有期間が経過
した後も、故障箇所によっては修理可能の場合があ
りますので、お買い上げ店、または最寄りのローラ
ンド・サービスにご相談ください。
その他の注意について
553
● 故障の原因になりますので、入出力端子などに過度
の力を加えないでください。
556
● ケーブルの抜き差しは、ショートや断線を防ぐため、
プラグを持ってください。
558d
● 本機は、演奏時の打撃音を小さくする設計になって
いますが、床や壁を通じての振動は意外によく伝わ
りますので、特に夜間やヘッドホン使用時の演奏は、
隣近所に迷惑がかからないように注意しましょう。
559a
● 輸送や引っ越しをするときは、この機器が入ってい
たダンボール箱と緩衝材、または同等品で梱包して
ください。
562
●
接続には、付属のケーブルまたは当社ケーブル(PCS
シリーズなど)をご使用ください。他社製の接続ケー
ブルをご使用になる場合は、次の点にご注意ください。
○ 接続ケーブルには抵抗が入ったものがあります。
本機との接続には、抵抗入りのケーブルを使用し
ないでください。音が極端に小さくなったり、全
く聞こえなくなる場合があります。ケーブルの仕
様につきましては、ケーブルのメーカーにお問い
合わせください。
4
スタンドに取り付ける
CY-12R/C を、別売のシンバル・マウント(MDY シリーズ)
やドラム・スタンド(MDS シリーズ)のシンバル・マウント
に取り付けます。
1.
市販のチューニング・キーでまわり止めのボルト
を締めます。
まわり止めは CY-12R/C の回転を防ぎ、ケーブルが引っ
張られたり、スタンドにからまったりしないようにする
ためのものです。
fig.01.j
まわり止め
(向きに注意)
2.
図の向きに合わせて、CY-12R/C を取り付けます。
ボルトがアウトプット・ジャックの反対側にくるように
してください。
3.
ウィング・ナットを適度な揺れが得られるように
締めます。
CY-12R/C に付属のフェルト・ワッシャーとウィング・
ナットをお使いください。
fig.02.j
市販のチューニング・キーで
締めつける
ウイング・ナット
アウトプット・
ジャック
BOW/BELL ボウ・ショット(P.6) ヘッド側
BOW/EDGE ボウ・ショット(P.6) ヘッド側
TD-10+TDW-1 V シンバル対応バージョンをお使いの場合
は、BOW/BELL アウトプットと BOW/EDGE アウトプット
を同時に使用することができます(3 ウェイ・トリガー)。詳
しくは「TD-10+TDW-1 V シンバル対応バージョンをお使い
の方へ」(P.6)をご覧ください。
対応している奏法 鳴らす音色
ベル・ショット(P.6) リム側
チョーク奏法(P.7) −
エッジ・ショット(P.6) リム側
チョーク奏法(P.7) −
接続のしかた
他の機器と接続するときは、誤動作やスピーカーなどの破損
を防ぐため、必ずすべての機器の音量を絞った状態で電源を
切ってください。
1.
CY-12R/C のアウトプット・ジャック(どちらかひ
とつ、TD-10+TDW-1 V シンバル対応バージョン
の場合を除く)と、ドラム音源のトリガー・イン
プット・ジャックを、付属のケーブルで接続しま
す。
付属のケーブルは、L字型になっているプラグを CY12R/Cに接続してください。CY-12R/C に無理な力が
かかるのを防ぐことができます。
フェルト・
ワッシャー
ウイング・ナットの締め付けがゆるいと、2 度鳴りする
•
ことがあります。
•
シンバル・マウント(MDY シリーズなど)に付属のワッ
シャーとフェルトは使用しません。
ドラム音源(TD-6、TD-8、
TD-10 など)に接続する
アウトプット・ジャックについて
CY-12R/C には、BOW/BELL と BOW/EDGE の 2 つのアウ
トプット・ジャックがあります。
ボウとベルを鳴らしたいときは BOW/BELL アウトプット・
ジャックを、ボウとエッジを鳴らしたいときは BOW/EDGE
アウトプット・ジャックをお使いください。
BOW/BELL または BOW/EDGE のどちらか 1 つのアウト
プット・ジャックのみを使用してください(TD-10+TDW-1
V シンバル対応バージョンを除く)。両方接続すると、2 つの
トリガー・インプットの音が同時に鳴ってしまいます。
エッジ・ショット、チョーク奏法をするときは、ドラム
音源のリム・ショットが可能なトリガー・インプット・
ジャックに接続してください。
TD-8のトリガー・インプット「1/2(KICK1/2)」、「11/
12(AUX1/2)」はリム・ショットに対応していません。
ケーブルを、ケーブル・タイで固定します。
2.
たたいたときのシンバル本体の揺れでケーブルが引っ張
られないように、ゆとりをもたせた状態にします。
fig.03.j
2回巻く
ゆとりを
もたせる
ケーブル・タイで
ケーブルを固定する
ケーブルがシンバル本体やスタンドに触れないように注
意してください。ケーブルが触れると 2 度鳴りするなど
滑り落ちないよう
に締めつける
折り返して
ケーブルを
固定する
5
次へ