はじめに
このたびはヤマハmLAN16E をお買い上げいただきましてまことにありがとうございます。
mLAN16E は、ハイパフォーマンスシリアルバス「 IEEE1394 」を採用した音楽のた
めのデジタルネットワーク「 mLAN 」に対応しています。これまでのように複雑な配線
を何度もやり直すことなく、IEEE1394(FireWire/i.LINK) オーディオ /MIDI 信号に
よるネットワークを自由に構築することを目的とした拡張ボードです。
ヤマハミュージックプロダクションシンセサイザー MOTIF ES などの mLAN16E 対
応機器に 2 つの mLAN 端子を拡張します。
mLAN16E の優れた機能を使いこなしていただくために、この取扱説明書をご活用い
ただきますようお願い申し上げます。また、ご一読いただいた後も不明な点 が生じた
場合に備えて、大切に保管されますよう重ねてお願い申し上げます。
安全上のご注意
mLAN16E のご使用の前に、必ず mLAN16E 対応機器に付属の取扱説明書の「安全上の
ご注意」と「拡張部品取り付けに関する注意」をお読みください。
mLAN16E の取り付けについて
mLAN16E の取り付け方法については、mLAN16E 対応機器に付属の取扱説明書の「拡張
部品の取り付け」などをご参照ください。
パッケージの内容
・ mLAN16E 本体
・ フラットケーブル
・ Tools for i88X/mLAN16E (CD-ROM)
・ 取扱説明書 ( 本書 )
・ Tools for i88X/mLAN16E インストールガイド
・ 保証書
同梱の CD-ROM について
mLAN16E には、mLAN16E を使う際に役立つソフトウェアを納めた CD-ROM
が同梱されています。ソフトウェアには、mLAN16E とコンピューターを接続す
るために必要なドライバーや、mLAN 機器間のオーディオ /MIDI 信号の経路をコ
ンピューター上から設定するための「mLAN Graphic Patchbay」などが含まれ
ています。詳細については別冊の「Tools for i88X/mLAN16E インストールガイ
ド」や「mLAN Graphic Patchbay オンラインマニュアル」をご参照ください。
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不適切な使用や改造により故障した場合の保証はいたしかねます。また、データが
破損したり、失われたりした場合の保証もいたしかねますので、ご了承ください。
● この取扱説明書に掲載されているイラストや画面は、すべて操作説明のためのもの
です。
したがって実際の仕様と異なる場合があります。
● 「 MIDI 」は社団法人音楽電子事業協会 (AMEI) の登録商標です。
● 「mLAN」はヤマハ株式会社の商標です。
●
この取扱説明書に掲載されている会社名、製品名は、それぞれ各社の商標または登
録商標です。
mLAN16E の特長
■ mLAN による高速データ転送
mLAN とは、業界標準規格であるハイパフォーマンス シリアルバス「 IEEE1394 」を
採用した音楽のためのデジタルネットワークです。これまでよりも簡単 に、しかもよ
り高機能なシステムを組むことができます。本機は、転送レート 400Mbps(S400)
まで対応しています。
■ GUI ( グラフィカルユーザーインターフェース ) による直感的な mLAN
接続の設定 / 管理
各 mLAN 機器 の接続をコンピューターの画面上で設定できるソフトウェア「mLAN
Graphic Patchbay」により、各 mLAN 機器間のオーディオ /MIDI 信号の流れや同
期をコンピューターから簡単に設定できます。
■ 最大オーディオ 16 チャンネル、MIDI 6 ポートの入出力
mLAN16E を取り付けた機器を各 mLAN機器と接続することにより、最大でオーディ
オチャンネル 16In 16Out、MIDI ポート 6In 6Out でデータを転送できます。
NOTE
mLAN16E 対応機器によって、転送できるオーディオチャンネル /MIDI ポート数は
異なります。MOTIF ES では、最大でオーディオ 4Stereo In 16Mono (8Stereo)
Out、MIDI 4In 4Out です。
■ ワードクロック設定の拡張
一定のサンプリング周波数しか動作しないmLAN16E対応機器をワードクロックマス
ターとして動作させたり、44.1kHz/48kHz/88.2kHz/96kHz のワードクロックス
レーブに設定したりできます。
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目次
はじめに.......................................................................................... 2
安全上のご注意 .............................................................................. 2
mLAN16E の取り付けについて................................................. 2
パッケージの内容 ..........................................................................2
mLAN16E の特長 ........................................................................ 3
mLAN の基本コンセプト ............................................................. 4
音を出すための操作の流れ ...........................................................5
各部の名称と機能 ..........................................................................6
接続について .................................................................................. 7
システム構成例 .............................................................................. 8
mLAN 接続設定について.......................................................... 12
トラブルシューティング ( 困ったときは…) ........................... 13
仕様............................................................................................... 17
ユーザーサポートサービスのご案内................................... 18
保証とアフターサービス ...................................................... 19
mLAN の基本コンセプト
「 mLAN 」は業界標準規格であるハイパフォーマンスシリアルバス「 IEEE(アイトリプ
ルイー)1394 」を採用した、音楽のためのデジタルネットワークです。
mLAN を使用しない音楽環 境では、オーディオ用ケ ーブル、MIDI ケー ブルなど、機
器や用途ごとに異なったケーブルを何十本と準備する必要があります。また、MIDI や
オーディオの信号の流れは、ケーブルを接続することで決めるので、システ ムを変更
する場合、実際に配線し直す必要があります。
たとえば、1 台のシンセサイザーを新たにシステムに組み込むには、2 本の MIDI ケー
ブルと、ステレオ出力であれば 2 本、あるいはそれ以上のオーディオ用ケーブルなど
を用意する必要があります。
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また、接続にはそれぞれの端子ごとに入力 / 出力、L/R、場合によっ てはインピーダ
ンスの知識なども必要になります。
これらは規模が大きくなるほど、それだけ複雑になりコストもかかりま す。接続のミ
スやトラブルも多くなりがちです。またミスやトラブルの原因を調べるにも 手間がか
かり、時間を無駄に費やすことになります。1 本 のケーブルの接触不良を つきとめる
ために、網の目のように張り巡らされたケーブルを 1 本 1 本たどって……といった経
験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
mLAN はこれらをたった 1 種類の IEEE1394 準拠のケーブルを使って簡単に、しか
も従来よりもいっそう高機能なシステムを組むことを可能にしました。
さらに、接続後もこれまでのように実際に配線し直すことな く、各 mLAN 機器間の
MIDI やオーディオ信号の流れを自由に変更できます。
音を出すための操作の流れ
1. Tools for i88X/mLAN16E をインストールします。
...............インストールガイド「ソフトウェアのインストール」参照
2. コンピューターや mLAN 機器を IEEE1394 ケーブルで接続します。
...............7 ページ
3. 「mLAN Manager」で、mLAN ドライバーをオンにします (Windows のみ )。
...............インストールガイド「インストール後の確認」参照
4. コンピューターと mLAN 機器を 1 対 1 で接続する場合は、mLAN Auto
Connector を起動します。コンピューターと複数の mLAN 機器を接続する場合
は、mLAN Graphic Patchbay を起動します。
...............12 ページ
5. mLAN Auto Connector または mLAN Graphic Patchbay 上で、接続設定を
行ないます。
...............Auto Connector を使う : インストールガイド「コンピューター
と mLAN 機器を mLAN 接続する」参照
...............Graphic Patchbay を使う : Graphic Patchbay オンラインマ
ニュアル「mLAN 接続設定」参照
6. お使いの DAW/ オーディオシーケンサーや接続機器の取扱説明書に従って、オー
ディオ /MIDI の入出力を設定します。
これ以降の操作については、各ソフトウェアや接続機器の取扱説明書をご参照ください。
NOTE
本マニュアルでは、コンピューター上でオーディオ/MIDI/ ワードクロックなどを設定
することを「mLAN 接続する」と呼びます。
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各部の名称と機能
mLAN(IEEE1394) 端子
A
IEEE1394 規格準拠の 6 ピンの端子です。mLAN 機器や IEEE1394(FireWire/
i.LINK) 対応コンピューターと接続します。
接続先の端子が、IEEE1394 の 6 ピンの場合は市販の 6 ピン -6 ピン仕様、4 ピ
ンの場合は市販の 6 ピン -4 ピン仕様の IEEE1394 ケーブルをご用意ください。
ループ接続にならないように接続します。(15 ページ )
NOTE
B
ACTIVE( アクティブ ) ランプ
mLAN16E が動作していることを示します。
mLAN の動作でエラーが発生したときには消灯します。
mLAN Auto Connector や mLAN Graphic Patchbay(12 ページ ) で、mLAN
機器を特定するための [Identify] 機能を使ったときには点滅します。
NOTE
4.5m 以内の長さの IEEE1394 ケーブルを推奨いたします。
mLAN ケーブルが接続されていないときにも点灯します。
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