MULTITRACK CASSETTE RECORDER
取扱説明書
このたびは、ヤマハ・マルチトラックカセットレコーダーCMXIIIをお 買い求めいただきまして、まことにありがとうございます。 CMXIIIは、コンパクトなボディーに6チャンネルミキサーと4トラッ クレコーダーを搭載し、カセットテープを使用した多重録音を手軽に 楽しむことができます。さらに、ミニコンサートのPAミキサーやビデ オテープのサウンドトラックの編集などにも、クォリティーの高いサ ウンドを十分にお楽しみいただけることと思います。 CMXIIIの豊富な機能と優れた性能をフルに発揮させると共に、末永く ご愛用いただくため、この取扱説明書をよくお読みくださいますよう お願いいたします。
特長 | 1 |
ご使用の前に | 2 |
多重録音の基礎知識 | |
トラックとチャンネル・・・・・ | ٠з |
マルチトラックカセットレコーダーとは | ٠з |
CMXIIIについて | • 4 |
オーバーダビングとピンポン録音 | 5 |
各部の名称と働き | |
ミキサー部・・・・・ | 6 |
レコーダー部 | 10 |
メーター部 | 12 |
コネクター部 | 13 |
接続例 | 15 |
カセットテープについて | 16 |
多重録音の方法 | |
多重録音の手順 | 17 |
録音を始める前に・・・・・ | 17 |
多重録音 | 18 |
シンクレコーディング | 36 |
ビデオテープのサウンドトラック編集 | 37 |
本機の性能を十分に発揮させるために | 38 |
ブロックダイアグラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 39 |
仕様 | 40 |
サービスについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 41 |
本機は、クロームテープ専用レコーダーです。(フェリクロ ームテープ対応になっておりません。) テープはCrO2テー プ(BIAS:HIGH, EQ:70µs) をご使用ください。 また120分のテープは、ちょっとしたご使用上の不注意で機 械的、電気的トラブルの原因となるおそれがありますので ご使用にならないでください。
正常な音質で再生するため、dbxスイッチを "ON" にして 録音したテープは再生時も "ON"にします。又、"OFF" の 状態で録音したテープは再生時も "OFF" にしてください。 * dbxおよびdbxマークはdbxインコーポレーテッドの登録商
ぬれた手で電源プラグを抜き差ししないでください。感電 することがあり、大変危険です。
また、コードの断線やショートを防ぐため、電源プラグを コンセントから抜くときは、コードをひっぱらないで必ず プラグを持って抜いてください。外出などで長時間ご使用 にならない時は、電源プラグをコンセントからはずしてく ださい。
◎電源プラグは、必ずAC100Vのコンセントに差し込んでく ださい。100V以外(例えば200V)の電源には絶対に接続 しないでください。
落雷などの恐れのあるときは、早めにコンセントから電源 プラグを抜きとってください。
故障や感電の原因となりますので、ケースを開けたり改造 しないようにしてください。
接続は各機器の電源スイッチをOFFにしてから行なうか、 または入力フェーダーを絞ってから行なってください。
セットを移動する場合は、接続コードのショートや断線を 防ぐため、他の機器との接続コードを取りはずしてから動 かしてください。
外装をベンジンやシンナー系の液体で拭いたり、近くでエ アゾールタイプの殺中剤を散布したりすることは避けてく ださい。お手入れには、必ず柔らかい布で乾拭きするよう にしてください。
お買い求めいただきました際、購入店で必ず保証書の手続 きを行なってください。保証書に販売店印がありませんと、 保証期間中でも万一サービスの必要がある場合には実費を いただくことになりますので、充分ご注意くださいますよ うお願いいたします。
この取扱説明書をお読みになった後は、保証書とともに大 切に保管してください。
CMXIIIを使って多重録音を楽しむ前に、多重録音に関する基本的な用語やテクニックなどに関する知識を、ここで理解・確認しておきましょう。
*トラック″と *チャンネル″は、多重録音を楽しむために理解しておきたい言葉です。混同されがちですが、ふたつの違いを 明確にとらえておきましょう。
磁気テープ上の、信号を記録(録音)するために設定される 帯状の場所のことをトラックといいます。カセットテープで は、一般的に4つのトラックが設定できることになっていま す。
チャンネル
ミキサーやテープレコーダーなどの音響機器では、入力信号 や出力信号が流れる経路をチャンネルといいます。
録音時 :録音する音(信号)は、チャンネルという経路を通って、トラックという場所に録音される。 再生時 :再生する音(信号)は、トラックという場所から、チャンネルという経路を通って、再生される。
マルチトラックカセットレコーダーとは、2トラック・2チャンネル以上のカセットテープレコーダーのことで、あるトラックは 再生モード、別のトラックは録音モードというように、トラックごとに独立して同時に録音・再生が可能なものをいいます。
※一般的なラジカセやカセットデッキでは、片面にあるトラックを一括して録音・再生するため、トラックごとに独立した録音・再生を行なうことはできません。
CMXⅢは、マルチトラックカセットレコーダーと、6チャンネル入力/1ステレオ出力のミキサーを搭載しています。ミキサーと、 各トラックを独立して録音・再生できる4トラックカセットレコーダーによって、外部からの入力信号をトラックに録音したり、 トラックからの信号をミキシングして別のトラックにダビング(多重録音)することができます。
6チャンネル入力
録音/再生ヘッド
出力)を録音。
外部からの信号やトラックからの信 号 (マルチトラックカヤットレコー ダー機能の出力)を入力可能。
CMXⅢが、4トラックレコーダーと6チャンネルミキサーの自由な操作によって、多重録音を行なえることは前項で説明しました。 ここでは、録音済みのトラックを再生しながら別のトラックを録音するために使うテクニック「オーバーダビング」、そして4つあ るトラックをさらに有効に使うためのテクニック「ピンポン録音」について説明しましょう。どちらも、プロフェッショナルの レコーディングにも使われる、多重録音テクニックです。
すでに録音されたトラックを再生して聴きながら、別のトラックに異なるサウンドを録音することを「オーバーダビング」といいます。このテクニックを使うことにより、各トラックの演奏のタイミングを正確に合わせながら多重録音を行うことができるのです。また、一人でいくつもの楽器を演奏して作品をつくる場合や、演奏者が一度に集まれない場合などにも欠かせないテクニックです。
CMXIIIのレコーダー部には4つのトラックがあり、4種類のパートまでは問題なく録音することができます。しかし、より多くの パートを使った曲を録音しようとする場合は、トラックの数が不足してしまいます。そんな場合に多用されるのが、ピンポン録音 というテクニックです。たとえば、トラック1~3に録音したサウンドをミキシングしてトラック4にダビングすれば、トラック1~ 3を空きトラックとみなすことができます。そしてトラック1~3に新たなパートを録音することにより、合計6パートの録音がで きることになります。
また、新たな楽器をミキシングしながらピンポン録音することもできます。このテクニックを使った場合は、合計10パートもの 多重録音を実現することができます。
CMXIIIの名称と機能をわかりやすく理解していただくため、各部のツマミやスイッチ、コネクター類をミキサー部、レコーダー 部、メーター部、コネクター部に分けて説明します。
★各チャンネルに入力できる信号は次のとおりです。 CH1、2 ··· マイクロフォン、キーボードやエレキギタ ー等のラインレベルの信号、対応するト ラックの信号 CH3、4 ··· ラインレベルの信号、対応するトラック の信号 CH5、6 ··· ラインレベルの信号
チャンネル1~4に設けられた3ポジションの入力切替スイ ッチです。各チャンネルごとにセットしてください。
チャンネル1、2の入力ジャック●に、マイクロフォンや楽 器を接続した場合、接続した機器の出力レベルに合わせて セットします。
入力レベルは-10dB~-50dBの範囲で調整できます。接続 した機器の出力レベルは、それぞれの機器の取扱説明書を ご覧ください。
チャンネル1、2の入力レベル監視用インジケーターです。 このインジケーターが点灯した場合には、入力レベルが高 すぎて音が歪んでしまう可能性があります。この場合、点 灯したチャンネルのゲインコントロール2を、インジケー ターが点灯しなくなる位置まで下げるか、接続した機器の 出力レベルを下げてください。
❹入力フェーダー
入力信号は、このフェーダーでレベル調整され、イコライ ザー⑤へ送られます。他のチャンネルとミキシングする場 合、このフェーダーで楽器間のレベルバランスを決めます。 目盛り7でノイズや歪みの最も少ないレベルが得られます。 ※使用しないチャンネルは、ツマミを0にしておくよう心が けてください。
入力信号やテープの音質を調整するツマミです。 LO (LOW) は100Hz、HI (HIGH) は10kHzを基準周波 数として最大±12dBの範囲でブースト(増強)またはカット (減衰) することができ、「音の輪郭をハッキリさせる」「聴 きずらい周波数を抑える」「音を前に出す」など様々な日的 で使用できます。
●イコライザーを使いこなすには各楽器の周波数特性を理解 することが大切です。特に音色変化をねらったイコライジ ングであれば、基本周波数の他に倍音成分も知っておかな ければなりません。たとえば、バスドラムの基本周波数は、 50Hz~150Hzあたりであり、低音の量感を必要とするなら ばLO(LOW)のツマミで、この基本周波数の範囲内の100Hz を基準にしてブーストすればよいのですが、倍音成分の帯
域の範囲内の10kHzあたりをHI (HIGH) のツマミでブー ストすると、音の輪郭が出てくる、といったことがありま す。
さらに細かくイコライジングしたい場合は、入力ジャック の手前にグラフィックイコライザーやパラメトリックイコ ライザーを接続してください。
なお、収録しようとする音を後でピンポン移動(26ページ の"ピンポン録音"の項を参照)することがあらかじめわ かっている場合は、最初の録音の時点でHI(HIGH)のツ マミで高域を少しブースト(増強)しておくようにします。 これはピンポン録音をすると、高域が減衰する性質がある ためです。
入力信号は、レベル調整およびイコライジングされた後、 パンポットに送られます。ミックスダウン(34ページの*ミ ックスダウン"の項を参照)する場合、このツマミで楽器の 音像をLチャンネルとRチャンネル間のどこに定位させるか を決めます。音像はツマミをL側に回すと左へ、R側に回す と右へ移動します。
このツマミはピンポン録音の際にも使用します。(26ページ の"ピンポン録音"の項を参照)
7
AUX SNDジャック働とAUX RTNジャック働の間に、リバーブやディレイ等のエフェクターを挿入し、このツマミを調整することによりチャンネルごとに必要なだけエフェクトを付加することができます。
また、AUX SNDジャックには、アンプ内蔵のモニタースピーカーなどを接続してモニターシステムとして使用することもできます。
AUXコントロールツマミは、このようにAUX SNDジャックにエフェクター等の機器を接続する場合に使用します。
エフェクターを必要とするチャンネルの、AUXコントロール♥, ❸のツマミを上げ、チャンネルごとのバランスをとります。 ります。
そしてミックスされたエフェクト用信号は、AUX SENDコントロール 動からエフェクターに送られ、エフェクト処理された信号はエフェクターのアウトよりAUX RTN ジャック 動を通じ AUX RTN コントロール 動に流れ、最終的にステレオミックスバスで生音とミックスされます。
演奏者またはミキサー(オペレーター)の好みのモニター音になるよう、各チャンネル間(楽器間)のレベルバランスを AUX コントロール♥,❸で調整し、最終的なモニターレベルはAUX SENDコントロール❶で調整します。
各チャンネルの入力フェーダー④でレベル調整された生音と、AUX RTNコントロール①でレベル調整されたエフェクト音は、 ステレオミックスバスでミキシングされてステレオ信号となります。ステレオ信号は最終的にMASTERフェーダーでレベル調 整します。
ミックスダウン時の録音レベルや、ピンポン録音時の録音レベルもこのツマミで調整します。
※目盛り7がツマミの規定位置です。
8
各チャンネルのAUX1⑦、AUX2⑧コントロールで、レベル 調整されミキシングされた信号を、最終的にレベル調整して AUX SNDジャック個へ送り出すためのコントロールツマミ です。
AUX RTNジャック●に接続した、エフェクターやサブミ キサーからの信号の入力レベルを調整するツマミです。生 音に対するエフェクト音のレベルバランスをこのツマミで 調整します。
*AUX RTN1,2共L,Rに入力された信号は、それぞれ1 つのフェーダーで同時にコントロールされます。
普段はOFFにしておき、MIDI機器 (シーケンサー、リズム マシン等) とシンクロ(同期)させる場合ONにします。
※シンクロ(同期)については、リアパネルのSYNCジャックの説明および36ページの、シンクレコーディングの 項をご覧ください。
PHONES SELECTスイッチ®をMONITORポジションに セットしたとき、モニターしやすいレベルバランスになるよ う、このツマミで各トラックのレベルバランスを調整します。 ミックスダウンするときと同じレベルバランスで、オーバ ーダビングしたり、新たにオーバーダビングする音を少し 大きくしてモニターするなど自由にレベル調整できます。
フロントパネル手前のPHONESジャック⑦にヘッドフォンを接続してモニターする場合、このスイッチでモニターする信号を選択します。ヘッドフォンの音量は、PHONESコントロール①で調整してください。
STEREOポジション:ST OUTジャック<br /> のに出力される信号をモニターするためのポジションで、ヘッドフォンの左側からはステレオLの信号が、右側からはステレオRの信号が聴こえます。
ピンポン録音時やミックスダウン時には、このポジションにセットすると、各楽器の信号をミキシングした音をモニタ ーでき便利です。
MONITORポジション:各トラックの信号をモニターするためのポジションで、再生中のトラックの音と録音中のトラックの音を自由にミキシングしてモニターすることができます。
MONITORコントロール®で、各トラックのレベルを決めてください。オーバーダビング時には、このポジションにセットすると、演奏者が演奏しやすいモニター音をつくれるため便利です。
MIX ポジション: "STEREO" ポジションにセットした場 合にモニターできる信号と "MONITOR" ポジショ ンにセットした場合にモニターできる信号の両方を、 同時にモニターできるポジションです。
パンチイン/パンチアウト時には、このポジションに セットすると、次のようなモニターができ便利です。 (28ページの *パンチイン/パンチアウト″の項も参 照)
たとえば、ある楽器の演奏を次のように途中でミスした場合
前面のヘッドフォンジャックおよびリアパネルの MONITOR OUT ジャックへの音量を調整します。
録音する信号を選択するスイッチで、左側から順に、トラック1、2、3、4と対応しています。
録音しない場合には "OFF" のポジションにしておき、録音 するトラックのスイッチのみ切り替えてください。
"L"はステレオのL信号、"R"はステレオのR信号、"1""2" "3" "4" はそれぞれ入力チャンネル1、2、3、4の信号を意 味しており、切り替えたポジションの信号をそのトラック に録音できます。
カセットテープを出し入れします。
●カセットテープの装着方法
カセットふたを手で上方に開き、3つのツメがカセットハー フを押さえるように装着します。カセットテープを取り出 す時は、カセットハーフの両側に指を入れ、手前上方に取 り出します。
カセットテープは、一般的にダイナミックレンジ(最大レ ベルと最小レベルの差)の大きな信号をうまく録音できな いといわれていますが、このdbxのスイッチを "ON"にし て録音すれば、ダイナミックレンジの大きな信号にも十分 対応できるようになり、テープ固有のヒスノイズも人間の 耳では感知できないレベルまで押し下げられます。 ※dbxを "ON"にして録音した場合には、再生時にも "ON"
一般に、カセットテープレコーダーは4.75cm/secでテープを 走行させますが、このスイッチにより、テープスピードを 倍の9.5cm/secに切り替えることが可能です。9.5cm/secに切 り替えると、周波数特性などの点で有利になり優れたより 高音質で録音できます。ただし、録音時間は半分になります。 なお、録音時と再生時のスピードは同じにしてください。 ※テープ走行中に TAPE SPEEDスイッチを切り替えたい
でください。故障の原因となります。
●一般的なステレオカセットデッキやステレオラジカセ で録音したテープをCMXIIIで聴くときには コントロールパネル上のdbx スイッチ®を "OFF" に、 TAPE SPEED スイッチ®を"4.75"にセットしてください。 そして、チャンネル1のパンポットコントロール ③を "LEFT" 側に、チャンネル2のパンポットコントロール ③を "RIGHT" 側にセットします。 チャンネル1とチャンネル2の入力フ ェーダー④で L, Rのバランスを調整し(チャンネル1=Lチャンネル、チャンネル2=Rチャンネル)、MASTERフェー ダー④で音量を調整します。
録音および再生時のテープスピードを+10%~-10%の範 囲で可変するためのツマミです。テープスピードを可変す るとピッチ(音程)も変化します。通常はツマミをセンタ ーの位置にセットしておきますが、オーバーダビング(録 音済みの音を再生し、その音に合わせて別の音を録音する こと)をする場合、録音済みの楽器の音とピッチが合わな い場合、早弾きがスピードについていけない場合、特殊効 果をねらった録音をする場合などに使用します。
オートパンチイン/オートパンチアウトの実行を設定するボ タンです。
※AUTO PUNCH MEMOボタン愛でパンチイン/パンチ アウトの区間を設定していないと、このボタンは働きま せん。(32ページの *オートパンチイン/オートパンチア ウト″奏昭)
このボタンを押して、パンチイン/パンチアウトのインポイ ント、アウトポイントをメモリーし、パンチイン/パンチア ウトの区間を設定します。(32ページの`オートパンチイン/ オートパンチアウト″参照)
テープカウンターの値を "0000" にするためのボタンです。 録音の始めや曲の始めに押しておくと 頭出しに便利です
このボタンを押して巻き戻しをすると、カウンター値*0000″ の位置でテープが停止します。多重録音では、一曲を何度 も巻き戻しして再生および録音するとき、この機能は大変 便利です。
*ZERO STOP機能が動作中は、コマンドインジケーターのZERO STOPの ON が点灯します。
ØREC(録音)ボタン
このボタンを押すと、PAUSEボタン ① も連動して作動し、 コマンドインジケーター ④ のRECが点滅、PAUSEが点 灯して、RECポーズ(録音待機)状態となります。 次にPLAYボタン ② を押すと、録音が始まります。ただし、 トラック1~4の REC SELECT スイッチ ① のすべてが"OFF" の状態になっている場合は、どのトラックにも録音されま せん。
このボタンを押すと再生状態になります。ただし、入力切 替スイッチ ① が*TAPE#のポジションになっていないトラ ックの音は、ステレオミックスバスに出力されません。
テープを巻き戻すためのボタンです。再生中にこのボタン を押すと、巻き戻しをしながら再生音を聴くことができ曲 の頭出しなどに便利です。
テープを早送りするためのボタンです。再生中にこのボタ ンを押すと、早送りをしながら再生音を聴くことができま す。
テープ走行を停止させるためのボタンです。
録音や再生を一時停止させるためのボタンです。PLAY ボ タン の を押すと、再び録音や再生が始まります。
消灯 :そのトラックが、録音状態でないことを示します。
ST OUTジャック♥に出力される信号のレベルを各チャ ンネル独立して(LEFT、RIGHT)表示します。
各トラックの信号レベルを表示します。再生中のトラック は再生レベルが表示され、録音中のトラックは録音レベル が表示されます。
録音時のレベルは歪まない範囲でなるべく大きく設定する と、ノイズが少なく、ダイナミックレンジも大きくとれま す。設定は0dB以上の目盛が時々瞬間的に点灯するレベル を目安にしてください。
REC、PLAY、PAUSE、ZERO STOP ON、AUTO PUNCH I/O、AUTO PUNCH MEMO、それぞれのコマンドの設定 状態を表示します。
テープの走行量を *0000″ ~ *9999″の間で表示します。
フロントパネル
各チャンネルの入力端子で、電気楽器や電子楽器を接続で きます。チャンネル1、2は、マイクロフォンも接続できます。 エレキギターを接続する場合には、別売のYAMAHA GSP100 (ギターサウンドプロセッサー)を接続してから入力すると、 優れた音で録音できます。
③PUNCH I/Oジャック
マニュアルでパンチイン/パンチアウトするためのジャック で、この端子に別売のフットスイッチFS-1を接続すると、 足もとでパンチイン/パンチアウトの切替操作が可能になり ます。
ヘッドフォンを接続することにより、ヘッドフォンモニタ ーが可能になります。8Ω~40Ωのヘッドフォンをご使用く ださい。
リアパネル
電源スイッチです。電源をON/OFFする時は、入力フェ ーダー④やAUX RTNコントロール⑪を"6"または"MIN" にしてから行なってください。
④AC INソケット 付属の電源コードを接続します。
本機とMIDI機器をシンクロさせる場合に使用する端子です。 MIDIコンバーターYMC10を使ってシンクロさせる場合に は、YMC10をMIDI機器(シーケンサー、リズムマシンな ど)との間に挿入してください。
各チャンネル(および各トラック)の信号がミキシングされ、ステレオとなった信号がこの端子から出力されます。 この端子は、本来ミックスダウン用として、外部のステレ オカセットデッキを接続するための端子ですが、次のよう な利用のしかたもあります。
レコーダーからのトラックの音が、そのまま出力される端 うです。再生中のトラックからは再生中の信号が出力され、 録音中のトラックからは録音中の信号が出力されます。 出力レベルの調整はできませんので、接続した機器側で入 力レベルの調整をしてください。
この端子は、次のような場合に使用します。
もう一台の4トラックレコーダーを接続して、本機で録音した4トラックの音をそのレコーダーにダビングする。 外部ミキサーを接続して、ミックスダウンする。
PHONES SELECTスイッチ●で選んだ信号(ヘッドフォ ンでモニターしている信号)がこの端子から出力されます。 MS101(モニタースピーカー)などと接続します。
エフェクターへの出力端子として各チャンネルのAUX 10、 20コントロールからの信号がミキシングされ、AUX SEND 1、2コントロール 10 で最終的にレベル設定され、このジャッ クから出力されます。また、モニター用の出力端子として 使用することもできます。
エフェクターからの出力信号を入力するための端子です。 1、2共ステレオ仕様になっていますので、SPX900のような 1 IN 2 OUT のエフェクターを使用する場合、SPX900 の OUT のL、Rジャックと、このAUX RTN ①のL、Rジャッ クとをそれぞれ接続してください。 また、チャンネル増設用の外部ミキサーでミキシングした 信号を この端子から入力することもできます。
接続例
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本機は、クロームテープ専用のレコーダーです。フェリクロ ームテープには、対応しておりません。テープはCrO2テープ (BIAS: HIGH, EQ:70µs)をご使用ください。C-120はテープそ のものの厚さが非常に薄く、何度も繰り返してテープを走行 させる多重録音には通していません。またC-120のテープは、 ちょっとした使用上の不注意で機械的・電気的トラブルの原 因となるおそれがありますので、ご使用にならないでください。
カセットテープには、大切な録音をあやまって消さないよ うに消去防止用の穴があります。録音後、この穴のツメを ドライバーなどで取り去ると重ねて録音できませんから、 録音済みの内容をいつまでも保存することができます。4ト ラック録音したテープはAB両面のツメを折り、ステレオ録 音したテープは録音した面のツメを折ってください。ツメ を折ったテープに再び録音したい場合は、穴をセロハンテ ープなどでふさいでからご使用ください。
●録音内容の保存
●ツメを折ったテープで 録音する場合
ノーマルポジションのカセットテープを再生する場合や、 ドルビーBNRで録音されたテープを本機で再生する場合に は次のように操作してください。
イコライザーのHI (HIGH) のツマミを *+″ 側にスライ ドさせ、高域を少し強調させます。
dbxスイッチを "OFF" にすると共に、イコライザーのHI のツマミを "-"側にスライドさせ、高域を少し減衰させ ます。
本機は、ノーマル (4.75cm/sec)または倍速(9.5cm/sec) の どちらかのテープスピードを選択できます。状況に応じて お選びください。 たち 再生時のテープスピードは、録音した時のテープス
なお、再生時のテーノスピートは、録音した時のテーノス ピードと同じにしてください。 ※一般のカセットテープレコーダーは 4.75/secで録音さ
※一般のカセットテープレコーダーは、4.75/secで録音さ れます。
あなたが本機で録音したものは個人として楽しむなどのほかは著作権上、権利者に無断で使用できません。
テープがとび出したり、たるんだままご使用にならないで ください。キャプスタンやピンチローラーにテープがから みついたりする原因となります。テープのたるみを直すに は、鉛筆やボールペンをカセットハーフのリール軸に差し 込んで巻き取り、テープのたるみを直してください。
テープがたるまないようにストッパーをつけるか、市販の カセットケースに入れ、直射日光、湿気、高温および磁気 のあるところ(テレビやスピーカーの近く)には置かない でください。高温や湿気はテープをいため、磁気は録音内 容を消してしまいます。
多重録音を行なうには、各部のツマミやスイッチ、コネクタ ーなどの役割をはっきりと理解しておかなければなりません。 そのためには、"各部の名称と働き"の頃をお読みいただくだ けでなく、39ページの"ブロックダイアグラム"をご覧にな り、信号の経路を頭に入れておきたいものです。ブロックダ イアグラムは、一見むずかしそうに見えますが、じっくりと 時間をかけてみるとそうでないことに気づくはずです。なお、 ブロックダイアグラムのツマミ、スイッチ、コネクターには 番号が付けられていますが、これは"各部の名称と働き"の 説明番号と一致しています。
多重録音は一般的にリズムセクションの録音から始め、オ ーバーダビングやピンポン録音を繰り返しながら、各トラ ックに各パートの音を入れてゆき、出来上がったテープを 最後にミックスダウンして、ステレオのマスターテープに 仕上げます。
優れた音で録音するためには、録音レベルを適正な値にセットするのが第一条件です。レベルが低ければノイズが目 立ち、レベルが高ければ音が重んでしまいます。つまり、 歪まない範囲でなるべく大きく録音すればよいわけです。 本機は、各トラックのレベルやステレオ信号のレベルをピ ーク値で示すレベルメーターを装備しています。録音レベ ルはこのメーターと聴感をたよりにセットしてください。 なお、人間の耳は短い時間の歪みは検知しにくいものです。 レベルメーターが一瞬だけ振り切れても、それほど問題で はありません。しかし、メーターが振り切れっぱなしとい う場合、話は別です。
また、低音域よりも高音域の歪みの方が目立ちやすいとい うことも覚えておいてください。
優れた音質の確保に直接つながるテープスピードは、できる限り9.5cm/secにしたいものです。
ダイナミックレンジを確保すると共に、ノイズを低減させ るため、dbx スイッチをON にして録音・再生することを おすすめします。
最初から音像定位を考えて多重録音を進めることが大切で す。なお、凝った定位にするほど、ピンポン録音やミック スダウンの回数が増えることになり、ノイズを招く結果に なります。
* クロン 音像定位の例としては、バスドラムやスネアドラムをセン ターに定位させ、ハイハット、タム類を左右に定位してス テレオ感を出したり、ベースなど重量感のあるものはセン ターに、バッキングパートの楽器はキーボードが左ならギ ターは右に、ソロ楽器も左右に振るといった方法や、ソロ 楽器の音をステレオ出力のディレイマシンで、遅延させた 音を左、ダイレクト音を右にするなど、様々な方法が考え られます。
イコライザーやエフェクトの処理は、収録時やピンポン録 音時、ミックスダウン時といろいろな時点での処理が考え られます。
多重録音では、イコライジングやエフェクト処理はどの時 点でしなければならないという決まりはなく、それぞれに 長所や短所があります。
一般的には収録時はドライで録音し、ミックスダウン時に エフェクトや音づくり (EQ) をしますが、使用できるエフ ェクターの数やピンポン録音、オーバーダビングを考え、 収録時に処理する方がよいでしょう。
モニター
本機には、録音信号が流れる経路とは別にモニター回路が 独立して装備されているため、実際に録音されるレベルバ ランスとは別に演奏者が演奏しやすいモニター音を、ヘッド フォンで聴くことができます。この場合、PHONES SELECT スイッチを "MONITOR" ポジションにすると共に、各ト ラックのレベルをMONITORコントロールで調整してくだ さい。ただし、ST OUTジャックやAUX SNDジャックに アンプ内蔵のスピーカー等を接続してモニターすると、上 記のように録音する音とは別のモニターは不可能になった り、エフェクターが使えなくなったりします。
また、ライン録りで録音する場合には問題ありませんが、 マイク録音する場合には、ヘッドフォンでモニターされるこ とをおすすめします。マイク録音時にスピーカーから出て くる音でモニターしていたのでは、当然のことながらマイ クにモニター音が入ってしまいますし、発振(ハウリング) を起こすこともあります。
チャンネル1、2は、マイクロフォンを直接接続することがで きます。多重録音の手順を決める際、この点を考慮してく ださい。
■多重録音
レコーディングプラン
多重録音をする場合には、まず始めにレコーディングのプ ランを立てることが大切です。プランを立てずに録音をす ると、空トラックやエフェクターが足りなくなったり、音 像定位に制限ができたりして、結果的にピンポン録音やミ ックスダウンの回数を増やすことになります。ピンポン録 音やミックスダウンを何度も行なえば、理論的にはいくつ ものパートを無限に重ねることができるわけですが、回数 が増えるほどノイズが増えたり音質が劣化していきます。 いずれの場合も、音の移動は1、2回にとどめておく方が無 難です。録音をする前には、どんな編成で、どの順に録音 してゆき、最終的にどのような形にするのかを決めてくだ さい。
なお、この項で紹介する録音例のプロセスは17ページに示したものと同じです。
ドラムスの音をトラック1に録音します。最近ではドラムマ シンやリズムマシンと呼ばれる便利な製品が多数発売され ており、YAMAHAからもRXシリーズ・デジタルリズムプ ログラマーなどが発売されています。ここでは、ステレオ 出力のリズムマシンを接続する場合を図に示しますが、リ ズムマシンのL端子をチャンネル1に、R端子をチャンネル2 に接続し、両端子からの信号をミックスしてトラック1に録 音することにします。
この時、デジタルマルチエフェクトプロセッサーSPX900 やSPX1000を使って、軽くディレイやリバーブをかけるの もいいでしょう。
SPX900やSPX1000には、リバーブだけでなく、初期反射音 やエコー、ディレイ関係のプログラム、ゲートリバーブや キック用のプログラムまであり、曲に合ったプログラムを 自由に選択できます。
①ACコードのプラグを、AC100Vコンセントに接続します。 ②リズムマシンを入力ジャック1、2へ接続します。
(④PHONES SELECTスイッチを "STEREO" ポジション にセットします。 (⑤PHONESコントロールのツマミを目盛7付近にセットします。
⑦チャンネル1と2の入力切替スイッチを、"MIC/LINE"ポジションにセットします。 ⑧MASTERフェーダーを目盛"7"にセットします。 ⑨チャンネル1と2のパンポットのツマミが、センターまたは、「LEFT"側になっていることを確認します。
③録音時と同じように"ON″
手順31~34說明図
すでに録音済みのトラック音にあわせて演奏し、新しい楽器の 音を別のトラックに録音することをオーバーダビングといい ます。この方法であれば、1人でいくつもの楽器を演奏できる ため、1人でもバンド演奏のような録音が可能なわけです。
さて、ここでは先程トラック1に録音したドラムスの音に合わ せて、ベースギターをトラック2に録音します。
エレキベースの録音には大きく分けて、ベースアンプの前に マイクを立てて録音する方法と、ベースアンプのラインレベ ルの出力端子などからライン録りする方法の2種類の方法があ ります。
クリアーに録音することを狙うのなら、やはりライン録りで しょう。なお楽器用のエフェクターを使う場合は、エフェク ターの最終段にノイズゲートを配したいものです。ノイズゲ ートにより、演奏していないときのノイズをカットして、き れいな音で録音テープを作ることができます。これは電気楽 器全般に共通して言えることです。
コンプ/リミッターYAMAHA GC2020BII を使用するのも1つ のアイデアです。このGC2020BII はコンプレッサーとリミッ ターの機能に加え、ノイズゲートの機能もありますから非常 に便利です。
── ベースギター録音時の信号経路 ──
①入力ジャック2へベースギターを接続します。なお、GC2020 BIIを使用する場合には、ベースプリアンプと入力ジャ ック2の間に挿入します。
②モニター用のヘッドフォンを接続します。(ミックスダウン時までモニタースピーカーを使用せずに、ヘッドフォンでモニターします。以後手順から省きます。)
③テープがカウント表示 *0000″ まで巻き戻されているこ とを確認します。(以後手順から省きます。)
④ZERO STOPボタンを押します。(ミックスダウン時まで *ON"の状態で使用します。以後手順から省きます。) ⑤dbxスイッチを再び *ON"にします。(ミックスダウン時まで*ON"の状態で使用します。以後手順から省きます。) ⑥TAPE SPEEDスイッチを*ドラムス録音"の際と同じポ
ジションにします。(ミックスダウン時まで同じ状態にし ておきます。以後手順から省きます。) ⑦REC SELECTスイッチの2をポジション*2″にセットし
①REC SELECTスイッチの2をホジション 2 にセットします。
(入力ジャック2に接続したベースギターの音をトラック2 に録音するため)→RECインジケーター点滅。
⑧PHONES SELECTスイッチを "MONITOR" ポジションにセットします。
⑨MONITORコントロール1、2を目盛7付近にセットします。 ⑩PHONESコントロールのツマミを目盛7付近にセットします。
手順们~①説明図
トラック1、2に録音したドラムスとベースギターの音に合わ せて、リズムギターをトラック3に録音します。 録音の要領は、ベースギターの録音の時と同様です。 なお、楽器用のエフェクターは入力ジャックの手前に接続し てください。
トラック1~3にリズム体となる3種類のパートを録音した結果、 空トラックはトラック4だけになりました。まだ録音したいパ ートが3種類あるとします。このような場合にピンポン録音と いうテクニックを使います。
ピンポン録音とは、すでに録音済みの2つまたは3つのトラッ クを再生し、これをミキシングして空トラックへ移動録音す ることをいいます。
ピンポン録音の後、必要のなくなった元のトラックには新し いパートを録音できます。
またピンポン録音の際、新しいパートの音を加えながら録音 することも可能です。
ビンポン録音は空トラックがある限り何回でも可能ですが、 ビンポン録音を繰り返すうちに音質の劣化やノイズの増加を 招くことになります。ピンポン録音は、1回か2回までにとど めておいた方が安全です。
では、ピンポン録音をしましょう。
※ここでは、トラック1~3の信号をまとめてトラック4に録音するわけですが、これをするには、入力切替スイッチ1~3をTAPEポジションにしてください。また、下の図からもわかるように、信号はパンポットを通ってR側に流れますので、パンポットはセンターまたはR側になっていなければなりません。
―― ピンポン録音の手順 ――
① "MONITOR" ポジションにセット
手順①~⑩説明図
②▶PLAYボタンを押して、ピンポン録音を開始します。 ③ピンポン録音が終わったら、テープを巻き戻します。 — ピンポン録音終了 ——
⑭▶PLAYボタンを押すだけで、録音後の確認ができます。 ⑮ツマミやスイッチ類をノーマルの状態に戻すと共に、テープを巻き戻し、次のステップである *キーボードの録音" に備えます。
再びオーバーダビングをします。ピンポン録音をして不要に なったトラック3のリズムギター音の替わりに、キーボードを 録音します。
同様にリードギターをトラック2に録音します。 キーボードおよびリードギターの音は、ミックスダウンのと きにPAN (パンポット)を使ってL、Rに振り分けると拡がり のある作品に仕上がります。
なお、ディレイやコーラス音をミックスダウンのときにステ レオで付加する場合話は別ですが、ディストーションやコン プレッサーなど、モノラルで付加する場合にはこの時点で処 理していっしょに録音しておきましょう。
ボーカルをトラック1に録音します。ボーカルの録音時には、 ドラムスの録音と同様に必ずヘッドフォンでモニターします。 なお、ボーカル録音には特にコンプ/リミッターを使用したい ものです。コンプ/リミッターをお使いになりますと、声に張 りをもたせることができ、録音レベルも安定します。コンプ/ リミッターGC2020BIIなどをご使用ください。
ここでパンチイン/パンチアウトというテクニックをご紹介し ましょう。パンチイン/パンチアウトは、演奏のある一部のみ を終正したい場合に使われるテクニックです
全ドラックを再生状態にしてRECボタンを押し、PLAYボタン でテープをスタートさせ、修正部分の頭でパンチイン(修正す るトラックのREC SELECTスイッチを、録音ポジションにし て新録音)、修正部分の終わりでパンチアウト(REC SELECT スイッチを *OFF" ポジションに戻して完了)します。この テクニックを使えば、ボーカルトラックの間奏部分に後でリ ードソロなどをインサートすることも可能です。ただしパン チイン/パンチアウトには、ある程度のブランク(音の切れ目) が必要です。
CMXIIIには、あらかじめ修正部分の始めと終わりをメモリー しておき、その区間のみ録音状態にできる、オートパンチイ ン/アウトという便利な機能がついています。また、別売のフ ットスイッチ (FS-1)を使用すれば、足元でパンチイン/パン チアウトの操作が行なえます。
つまり、CMXIIIでパンチイン/パンチアウトをするには、 ①REC SELECTスイッチをマニュアル (手動作)で切り替え ス古法
②オートパンチイン/アウト機能を使う方法
③フットスイッチで切り替える方法と、3通りの方法があります。
まず、①REC SELECTスイッチをマニュアル(手動作)で切り替 える方法、③フットスイッチで切り替える方法について、ト ラック1に録音済みのボーカルの一部を修正する場合を例に 説明しましょう。
----- パンチイン/パンチアウト時の信号経路 --
―― パンチイン/パンチアウトの手順 ――
手順①~⑧の詳明図
①入力ジャック1へボーカル新録音用のマイクを接続します。 ②フットスイッチFS-1を使用する場合には、PUNCH I/O ジャックに接続します。
③フットスイッチFS-1を接続した場合には、RECSELECT スイッチ1を *1″ ポジションにしておきます。
④RECボタンを押します。 → (FS-1を接続した場合には、ここで録音ポーズ状態 にたり RECインジケーターが占灯する。)
になり、RECインジケーターが点対する。) ⑤FS-1を接続した場合には、RECインジケーターが点滅状 態になるように、FS-1のスイッチをセットします。
⑥PHONES SELECTスイッチを "MIX" ポジションにセットします。(パンチイン/パンチアウト時には、このポジションにセットしないと、トラック1~4の音と新録音する音を回時にモニターできません。)
⑦MONITORコントロールツマミ1を目盛7付近にセットします。
8PHONESコントロールのツマミを目盛7付近にセットします。
」 ⑨ *MIC/LINE″ ポジションにセット
④▶PLAYボタンを押してテープをスタートさせます。
手順⑨~14説明図
⑤修正部分の頭がきたら、パンチインします。 FS-1を接続した場合 : FS-1のスイッチを踏んで、 RECインジケーターを点灯 させる。 FS-1を接続していない場合: REC SELECTスイッチ 1を *1n ポジションにする。 ⑥修正部分の終わりがきたら、パンチアウトします。 FS-1を接続した場合 : FS-1のスイッチを踏んで、 RECインジケーターを点滅 させる。
FS-1を接続していない場合 :REC SELECTスイッチ1を *OFF″ポジションに戻す。
⑰テープを巻き戻します。 ーー、パンチイン/パンチアウト完了 ーー
― オートパンチイン/パンチアウト ―
次に、オートパンチイン/パンチアウト機能によるパンチイン/ パンチアウトの方法を、前項と同じように、トラック1に録 音済みのボーカルの一部を修正する場合を例に説明しましょ う。
1) 接続
①入力ジャック1へボーカル新録音用のマイクを接続します。
④PHONESコントロールのツマミを日盛7付近にセットします。
⑩パンチイン/アウトする区間をMEMOボタンを使って設定 します。
まず、コマンドインジケーターの [MEMO] が消灯してい る事を確認します。(点灯もしくは点滅している場合は 1、2度 MEMO ボタンを押して、この表示を消灯させます。)
① ▶ PLAY ボタンを押してテープをスタートさせます。パ ンチインしたい部分でMEMO ボタンを1回押します。(コ マンドインジケーターの MEMO が点滅します。) そのま ま PLAY 状態を続けてパンチアウトポイントまでテープ を走行させ、パンチアウトしたい部分で、もう1度 MEMO ボタンを押します。(コマンドインジケーターの MEMO が点灯に変わります。)
これで、パンチイン/アウトのポイント設定が完了しました。尚、このポイントを変更したい場合は、MEMOボタンを2度押してコマンドインジケーターの[MEMO]表示を 消灯させたのちにもう一度⑪の作業を行なってください。
19RECボタンとPLAYボタンを押してテープをスタートさせます。MEMO設定されたインポイントまでは、テープはPLAY状態、インポイントからアウトポイントの間は録音状態、アウトポイントより後はPLAY状態になります。
ープを巻き戻し、次のステップである * ミックスダウン に備えます。
ミックスダウンはトラックダウンとも呼ばれ、多重録音を終 えた各トラックの音を最終的にミキシングして、ステレオや モノラルの音にする作業です。
トラック間のレベルバランスや、ステレオ定位、エフェクト 処理などをして、最終的なマスターテープをつくってみましょう。
ここでは、次のように各楽器を定位させます。また、ボーカ ルにはデジタルマルチエフェクトプロセッサーSPX900などで、 軽くリバーブをかけてみましょう。
※空チャンネルであるチャンネル5、6を使い、新しいソース も含めたミックスダウンも可能です。
── ミックスダウン時の信号経路 ──
①STOUTジャックにミックスダウン田のステレオテープ デッキを接続し、カセットテープをセットします。 ②AUX SNDジャックとAUX RTNジャック間にデジタルマ ルチエフェクトプロセッサーSPX900などを接続します。
「ACMXIIIのPLAYボタンを押し」ステレオテープデッキの 録音をスタートさせます。
15録音が終了したら、ミックスダウンしたテープを再生し て聴いてみましょう。うまくミックスダウンできたらそ れをストックしておきます。何度もミックスダウンを行 たい 最も仕上りの良いテープをマスターテープにしま
シンクレコーディング
●シンクレコーディングとは
シンクレコーディングとは、テープに録音したサウンドと 同じタイミングで MIDI 機器(リズムマシンやシーケンサ ー等)を同期シンクロ演奏させながら多重録音を行なうテ クニックです。シンクレコーディングでは、シンセサイザ ーやリズムマシンなどのサウンドをミックスダウンの時点 ではじめてマスターテープに録音するので、デジタル楽器 の魅力である幅広いダイナミックレンジや優れたS/N比を そのまま活かすことができます。また、トラック数をかせ ぐことにもなり、4トラックでもそれ以上のトラック数に迫 る多重録音が可能になります。
シンクレコーディングを行なうには、テープの1つのトラッ クにMIDI機器をコントロールするための同期信号を録音し なければなりません。
しかし、MIDI 同期信号はそのまま録音できませんので(周 波数が非常に高いので)テープレコーダーが録音可能なFSK (Frequency Shift Keying)という信号に変換してからテー プに録音します。
この変換には、YAMAHA MIDIコンバーターYMC10 (別 売)を使用します。
●リズムプログラマー、シンセサイザー&シーケンサーを使ったシンクレコーディングの例
①CMXIII、シーケンサー(1曲分の全データをプログラム 済)を下図のように接続します。
СМХШ
②RECボタンを押して録音ポーズ状態にした後、REC SELECTスイッチを "4" 側にし、*SYNCスイッチを "ON"側にします。この状態でPLAYボタンを押してテ ープをスタートさせたのちに、シーケンサーをプレイバ ックさせます。
これで、シーケンサーから出力された MIDI 同期信号は、 YMC10でFSK信号に変換され、CMXIIIのトラック4に 記録されました。
*FSK信号は、トラック4にのみ録音されるようになっています。
REC SELECTスイッチを 4にセットし SYNCスイッチな ONにする
③FSK信号の録音が終わったら、各機器を下図のように接続します。
⑥ミックスダウンでは、CMXIIIから3トラック分のアナログソース、そしてFSK信号で同期演奏させるリズムプログラマーおよびシンセサイザーのデジタルサウンドをミキシングできますから、より多くのパートによるマルチトラックレコーディングができます。
ビデオカメラで録画した映像とマイクで収録した音だけでは、 もの足りなさを感じることがあります。こんな時には、CMX IIIを使ってビデオテープのサウンドトラックを編集してみま しょう。きっと満足のいく作品になります。 ここでは、マイクで収録済みの音に、ナレーション、BGM、
ここでは、マイクで収録済みの音に、ナレーション、BGM、 効果音を加える場合を例とします。
優れた音質で録音するため、レベルメーターを十分にご活用 ください。レベルメーターを見ずに録音すると、レベルが 大きすぎて、音が歪んでしまったり、逆にレベルが小さす ぎてノイズが目立ったりすることがあります。
シンクレコーディングをするためには、MIDIコンバーター を用いてFSK信号に変換し、それをトラック4に記録します が、この時のレベルが規定以上のレベルでなかった場合、 再生時にシンクの動作をしないことがあります。何度行な っても同じ結果になる場合は、本機の底面にあるレベル調 整ボリュームを調整してみてください。(工場出荷時には適 正レベルにセットしてありますので、正常に動作する場合 はむやみに動かさないでください。)
なお、あまりレベルを上げすぎますと、トラック3や2に信 号が漏れること(クロストーク)がありますので、十分ご 注意ください。
長時間デッキをご使用になりますと、ヘッドやピンチロー ラー、キャブスタンが汚れたり、ヘッドが磁気を帯びてき ます。これらが原因となって、次のような症状が現れます。
このような症状が現れた時は、まずヘッドクリーニングを してください。
クリーニングは、市販の綿棒にヘッドクリーニング液をつけて拭きます。ヘッドだけでなく、キャブスタンやピンチ ローラーも拭いてください。
特にヘッドをきれいにしておくことが上手な録音をするためには大切なことです。
また、消磁には市販のヘッドイレイサー(消磁器)を使用 します。消磁の際は、ヘッドイレイサーの取扱説明書を充 分にご参照ください。
正確な録音や再生ができるように、定期的にクリーニング や消磁を行なってください。
❷部をきれいにしておくことが大切です。
39
仕様
形式 | ミキサー付4トラック4 | トチャンネル片道録音/再生カセットレコーダー | ||
---|---|---|---|---|
機構部 | 使用テープ | C-46、C-60、C-90カセットテープ | ||
クロームテープ(コバルト)専用((70µs EQ) | ||||
ヘッド構成 | 4チャンネル録音/再生:パーマロイ×1 | |||
4 チャンネル消去:フェライト×1 | ||||
テープ速度 | 4.75cm/sec、9.5cm/sec切替 | |||
ピッチコントロール | ±10% | |||
ワウフラッター | 0.05%(WRMS) | |||
早送り・巻き戻し時間 | 約100秒(C-60使用時) | |||
モーター | DCモーター×2 | |||
入・出力仕様 | INPUT1.2 | 入力インピーダンス : 10kΩ | ||
入。四刀任僚 | 規定入力レベル : -10dB~-50dB(入力フェーダー規定位置) | |||
最小入力レベル56dB(ゲインコントロール最大 入力フェーダー最大) | ||||
ALLY RTN 1 2(1 D) | ||||
ハカコマビーアアター・IUK**
相会まれになり。 ・ - 10dB(AUX_DTNコントロール相会な業) |
||||
STOUTL | ||||
AUX SND 1.2 | ||||
規定負荷インビータンス:10km以上 | ||||
TAPE OUT 1~4 | 出力インビーダンス :1kΩ | |||
規定負荷インビーダンス:10kΩ以上 | ||||
規定出力レベル : -10dB(50kΩ負荷時) | ||||
MONITOR OUT (L, R) | 出力インピーダンス :1kΩ | |||
規定負荷インピーダンス:10kΩ以上 | ||||
規定出力レベル :-10dB(50kΩ負荷時) | ||||
PHONES | 規定負荷インピーダンス :8~40Ω | |||
最大出力レベル : 100mW+100mW(40Ω時) | ||||
操作端子 | PUNCH I/O | |||
電気的性能 | 総合周波数特性 |
40Hz~18kHz±3dB(TAPE SPEED 9.5cm/sec)
40Hz~12.5kHz±3dB(TAPE SPEED 4.75cm/sec) |
||
総合S/N比 | 85dB(dbx ON,IHF-A) | |||
総合歪率 | 1.0%以下(EIAJ, 315Hz) | |||
チャンネルセパレーション | 55dB以上(1kHz) | |||
消去率 | 70dB以上(1kHz) | |||
ノイズリダクション | dbx* | |||
イコライザー | ±12dB(HIGH:10kHz、LOW:100Hz) | |||
その他 | 電源 | AC100V、50/60Hz | ||
消費電力 | 18W | |||
寸法(W×H×D) | 443 × 107 × 325mm | |||
重量 | 3.7kg | |||
使用時の保証温度範囲 | 0 °C ~ 40 °C | |||
仕様および外観は改良のため、予告なく変更することがあります。
* dbxおよびdbxマークはdbxインコーポレーテッドの登録商標です。
本機の保証期間は、保証書によりご購入から1ヶ年で す。(現金、ローン、月賦などによる区別はございませ ん。)また保証は日本国内にてのみ有効といたします。
保証書をお受け取りのときは、お客さまのご住所、お 名前、お買い上げ月日、販売店名などを必ずご確認く ださい。無記名の場合は無効になりますので、<れぐ れもご注意<ださい。
保証書は弊社が、本機をご購入いただいたお客さまに ご購入の日から向う1ヵ年間の無償サービスをお約束 申しあげるものですが、万一紛失なさいますと保証期 間中であっても実費を頂戴させていただくことになり ます。万一の場合に備えて、いつでもご提示いただけ ますように充分ご配慮のうえで保管してください。ま た、保証期間が切れましてもお捨てにならないでくだ さい。後々のサービスに際しての機種の判別や、サー ビス依頼店の確認など便利にご利用いただけます。
保証期間中に万一故障が発生した場合、お買上げ店に ご連絡頂きますと、技術者が修理・調整致します。こ の際必ず保証書をご提示ください。保証書なき場合に はサービス料金を頂だく場合もあります。文お買上げ 店より遠方に移転される場合は、事前にお買上げ店あ るいは電音サービス拠点にご連絡ください。移転先に おけるサービス担当店をご紹介申し上げますと同時に、 引続き保証期間中のサービスを責任をもって行なうよ う手続き致します。
満1ヵ年の保証期間を過ぎますとサービスは有料とな りますが、引き続き責任をもってサービスをさせてい ただきます。なお、補修用性能部品の保有期間は最低 8年となっています。(性能部品とは、その製品の機能 を維持するために必要な部品のことです。) そのほかご不明の点などございましたら、下記のヤマ ハサービス網までお問い合わせください。
(修理受付および修理品お預り窓口)
東京電音サービスセンター | 〒211 川崎市中原区木月1184 |
---|---|
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新潟電音サービスステーション | 〒950 新潟市万代1-4-8(シルバーボールビル2F) |
TEL (025) 243-4321 | |
松本電音サービスステーション | 〒390 松本市大手2-5-2 |
TEL. (0263) 32-5930 | |
大阪電音サービスセンター | 〒565 吹田市新芦屋下1-16(千里丘センター内) |
TEL.(06) 877-5262 | |
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名古屋電音サービスセンター | 〒454 名古屋市中川区玉川町2-1-2 |
(ヤマハ名古屋流通センター3F) | |
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北海道電音サービスセンター | 〒064 札幌市中央区南10条西1丁目 |
(ヤマハセンター内) | |
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仙台電音サービスセンター | 〒983 仙台市卸町5丁目-7(卸商共同配送センター3F) |
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浜松電音サービスセンダー | 〒435 浜松市上西町911 |
TEL.(0534) 65-6711 | |
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電 音 サ ー ヒ ス.部 | 〒435 浜松市上西町911 |
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*住所及び電話番 | 号は変更になる場合があります。 |
音響システム事業部 | 〒430 浜松市中沢町10-1 |
---|---|
TEL.0534(60)2493 | |
国内営業部 | 〒150 渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビル3F |
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九州営業所 | 〒812 福岡市博多区博多駅前2-11-4 |
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仙台営業所 | 〒980 仙台市大町2-2-10 |
TEL.022(222)6146 | |
広島営業所 | 〒730 広島市中区紙屋町1-1-18 |
TEL.082(244)3749 | |