MULTITRACK CASSETTE RECORDER
このたびは、ヤマハ・マルチトラックカセットレコーダー・CMX Iを お買い求めいただきまして、まことにありがとうございます。 CMX I は、レコーディングミキサーとマルチトラックレコーダーが、 多機能ながらコンパクトにまとめ上げられており、カセットテーブを 使用して、気軽に高品質の多重録音テープを創り上げることができま す。さらに、多重録音に限らず、ミニコンサートのPAミキサーやビ デオテープのサウンドトラック編集などにもご活用いただけます。 CMX I の豊富な機能と優れた性能をフルに発揮させると共に、長年支 障なくお使いいただくため、この取扱説明書をじっくりと時間をかけ てお読みください。
ご使用の前に |
---|
ご使用上の注意 |
トラックとチャンネルの違い |
マルチトラックカセットレコーダーとは 3 |
各部の名称と働き 4 |
ミキサー部 |
レコーダー部 |
メーター/モニター部 |
コネクター部 |
接続例13 |
カセットテープについて |
多重録音の方法 |
多重録音の手順 |
録音を始める前に |
多重録音 |
シンクレコーディング |
ビデオテープのサウンドトラック編集 |
本機の性能を十分に発揮させるために |
メンテナンス |
ブロックダイアグラム35 |
仕様 |
アクセサリーのご紹介 |
サービスについて |
4トラック録音を可能にする本機のヘッドは、非常に精密なものです。正確な録音や再生ができるように、 定期的にクリーニングを行なってください。10時間の使用に対しクリーニング1回がめどです。クリーニ ングしてから使用するくせをつけるのも良いでしょう。 ヘッドが汚れますと、次のような症状が現れます。
・録音や再生、消去ができない。
上記のような症状が現れた時は、まずクリーニングをしてみてください。
クリーニングは、綿棒に市販のヘッドクリーニング液か、アルコール液などをつけて拭きます。なお、ヘ ッドだけでなく、キャプスタンやピンチローラーも拭いてください。
🌃 部をきれいにしておくことが大切です。
ご使田の前に
本機は、クロームテープ専用レコーダーですが、フェリク ロームテープ対応になっておりません。テープはCrO2テ ープ(BIAS:HIGH EQ:70µs)をご使用ください。また 120分のテープは、ちょっとしたご使用上の不注意で機械的、 電気的トラブルの原因となるおそれがありますのでご使用 にならないでください。
正常な音質で再生するため、dbxスイッチを*ON″にして録 音したテープは再生時も*ON″、*OFF″の状態で録音した テープは再生時も*OFF″にしてください。
ぬれた手で電源プラグを抜き差ししないでください。感電 することがあり、大変危険です。
また、コードの断線やショートを防ぐため、電源プラグを コンセントから抜くときは、コードをひっぱらないで必ず プラグを持って抜いてください。外出などで長時間ご使用 にならない時は、電源プラグをコンセントからはずしてく ださい。
◎電源プラグは、必ずAC100Vのコンセントに差し込んで ください。100V以外(例えば200V)の電源には絶対に接 続しないでください。
落雷などの恐れのあるときは、早めにコンセントから電源 プラグを抜きとってください。
故障や感電の原因となりますので、ケースを開けたり改造 しないようにしてください。
接続は各機器の電源スイッチをOFFにしてから行なうか、 または入力フェダーを絞ってから行なってください。
セットを移動する場合は、接続コードのショートや断線を 防ぐため、他の機器との接続コードを取りはずしてから動 かしてください。
外装をベンジンやシンナー系の液体で拭いたり、近くでエ アゾールタイプの殺虫剤を散布したりすることは避けてく ださい。お手入れには、必ず柔らかい布で乾拭きするよう にしてください。
お買い求めいただきました際、購入店で必ず保証書の手続 きを行なってください。保証書に販売店印がありませんと、 保証期間中でも万一サービスの必要がある場合には実費を いただくことになりますので、充分ご注意くださいますよ うお願いいたします。
この取扱説明書をお読みになった後は、保証書とともに大 切に保管してください。
·····································
トラック:信号を録音するための磁気テープ上の帯。カセットテープには、4種類の異なった信号を録音できる4つの帯(トラック)がある。 チャンネル:入力された信号が流れる径路、および出力の径路。本機の入力系には、6つのINPUTチャンネルと2つのAUXチャンネル、出力系には、1組ののUTPUT(STEREO)チャンネルと1つのAUXチャンネルがある。
マルチトラックカセットレコーダーとは、2チャンネル以上のカセットテープレコーダーで、トラックごとにモード(録音をす るか、または再生するか)を選択できるものをいいます
図のように一般的なステレオカセットデッキの録音や再生は、 カセットテープの4本のトラックを片方向で2トラック(往 復で4トラック)使用するのに対して、本機のようなマルチ トラックレコーダーでは4本のトラックを片方向ですべて使 用します。
また使用目的から一般的なステレオカセットデッキは、録音 か再生のどちらかのモードでテープ走行させることが限られ ますが、マルチトラックレコーダーでは、1回の走行でも、 あるトラックは再生、また別のトラックは録音というようにト ラックごとに自由にモードの選択ができます。
このため本機では、一般的なステレオカセットデッキではで きなかったマルチトラックレコーディングが可能なわけです。
マルチトラックカセットレコーダーCMX I
ここでは、各部のツマミやスイッチ、コネクター類のそれぞれの名称と働きを、ミキサー部、レコーダー部、メーター/モニター部、コネクター部の順に紹介します。パネル上では、このようにはっきりと分類されていませんが、CMXIIを能率よく理解するためにこの手法をとります。
チャンネル1~4に設けられた3ポジションの入力切替ス イッチです。チャンネルごとに、希望するポジションにセ ットしてください。
TAPE :録音済みの音を再生するチャンネルは、この ポジションにセットします。チャンネル1~ 4には、トラック1~4がそれぞれ対応しています。
チャンネル1、2に設けられたツマミです。チャンネル1、 2は、このツマミがあるため、出力レベルの低いマイクロ ホンでも接続可能となっています。チャンネル1、2の入力 ジャックのに、マイクロホンや楽器を接続した場合は、こ のツマミを接続した機器の出力レベルに合わせてセットし てください。-10dB~-50dBの範囲で調整できます。出力 レベルは、接続した機器の取扱説明書をご覧ください。
チャンネル1、2に設けられた入力レベル監視用のインジケ ーターです。もし、このインジケーターが点灯した場合に は、入力レベルが高すぎて歪んでしまう可能性があります ので、点灯したチャンネルのゲインコントロール2を、イ ンジケーターが点灯しなくなる位置まで下げるか、接続し た機器の出力レベルを下げてください。
入力した信号は、このツマミによりレベル調整され、⑤のイ コライザーへ送られます。他のチャンネルの信号とミキシ シングする場合には、このツマミが楽器間のレベルバラン スを決めるツマミになります。
日盛*7″がツマミの規定位置で、ノイズや歪みの最も少な いレベルが得られます。
使用しないチャンネルは、ツマミを*0″の位置にしておく よう心がけてください。
入力した信号およびテープの再生音の音質を調整するツマ こです
LO(LOW)のツマミでは100Hz付近を基準、HI(HIGH)の ッマミでは10kHzを基準にして、±10dBの範囲でブースト (増強)またはカット(減衰)することができ、「音の輪郭を ハッキリさせる「聴きづらい周波数を抑える「音を前に出 す」などの様々な目的で使用できます。
イコライザーを使いこなすには各楽器の周波数特性を理解 することが大切です。特に音色変化をねらったイコライジ ングであれば、基本周波数の他に倍音成分も知っておかな ければなりません。たとえば、バスドラムの基本周波数は、 50Hz~150Hzあたりであり、低音の量感を必要とするな らばLO(LOW)のツマミで、この基本周波数の範囲内の 100Hzを基準にしてブーストすればよいのですが、倍音成
分の帯域の範囲内の10kHzあたりをHI(HIGH)のツマミで ブーストすると、音の輪郭が出てくる、といったことがあ ります。
もし、さらに細かくイコライジングしたい場合は、入力ジ ャックの手前にグラフィックイコライザーやパラメトリッ クイコライザーを接続してください。
なお、収録しようとする音を後でピンポン移動(24ページ) の "ピンポン録音"の項を参照) することがあらかじめわ かっている場合は、最初の録音の時点でHI(HIGH)のツマ ミで高域を少しブーストしておくようにします。これはピ . ンポン録音をすると、高域が減衰する性質があるためです。
入力した信号は、レベル調整およびイコライジングされた 後、このツマミに送られてきます。
ミックスダウン(30ページの〝ミックスダウン〞の項を参 昭) する場合には、このツマミで楽器の音像をLチャンネ ル、Rチャンネル間のどのあたりに定位させるのか、チャ ンネルごと(楽器ごと)に決めてください。ツマミを"L" 側に回すと音像は左の方へ、"R"側に回すと右の方へ移動 します。
なお、このツマミはピンポン録音の場合にも使用します。 (24ページの) ピンポン録音"の項を参照)
·
本機には、AUX SENDジャック
エフェクトを必要とするチャンネルのAUXコントロール⑦のツマミを上げてください。そのとき、各チャンネル間のエフェクトバランスをとってくだ さい。なお、いろいろなチャンネルの信号がミックスされたエフェクト用の信号は、AUX MASTER SENDコントロール⑨→エフェクター→AUX RTNコントロール⑩と流れ、最終的にステレオミックスバスで生音とミックスされます。
演奏者またはミキサーマンの好みのモニター音になるよう、各チャンネル間(楽器用)のレベルバランスをAUXコントロール⑦のツマミで調整し、最終 的なモニターレベルは、AUX MASTER SENDコントロール⑨のツマミで調整してください。
各チャンネルの入力フェダーでレベル調整された生音と、AUX RTNコントロール⑪でレベル調整されたエフェクト音は、結果 的にステレオミックスバスでミキシングされてステレオの信号になりますが、このステレオ信号のレベルを最終的にこのツマ ミで調整してください。
つまり、ST OUTジャック個への出力レベル(ミックスダウン時の録音レベル)、ピンポン録音時の録音レベルは、このツマミ で調整します。
目盛*7″がツマミの規定位置です。
各チャンネルのAUXコントロール♥によりレベル調整され ミキシングされたエフェクトまたはモニター用のAUX信号 を、最終的にレベル調整してAUX SENDジャック鄧へ出 力させるためのツマミです。
AUX RTNジャック のに接続したエフェクターやサブミキサーからの人力レベルを調整するためのツマミです。生音に対するエフェクト音のレベルをこのツマミで決めてください。
通常は"OFF"にしておき、本機とMIDI機器(シーケンサー、 リズムマシンなど)をシンクロ(同期)させる場合のみ"REC" または"PB"にします。シンクロにつきましては、リアパネ ルのSYNCジャック の の説明および32ページの "シンクレ コーディング"の項をご覧ください。
背面パネルのPOWERスイッチ働をONにすると、このイン ジケーターが点灯します。
録音する信号を選択するためのスイッチで、左側から順に、 トラック1、2、3、4と対応しています。 録音しない場合には"OFF"のポジションにしておき 録音 するトラックのスイッチのみ切り替えてください。 パネル表示の"L"はステレオのL信号、"R" はステレオのR 信号、"1""2""3""4"はそれぞれ入力チャンネル1,2,3,4,の 信号を意味しており。切り替えたポジションの信号をその トラックに録音できます。
次の3種類の表示で、レコーダーの状態を示します。
このボタンを押すと、PLAYボタン 録音状態となります。ただし、トラック1~4のRECORD SELECTスイッチのすべてが"OFF"の状態になっている 場合は、どのトラックにも録音されません。
※録音をする場合には、RECボタンを押した時のノイズが 録音されないように、PAUSEボタン Øを併用されるこ とをおすすめします。(PAUSE ボタンを押す。→RECボ タンを押す。→PAUSEボタンを押して録音を開始する)
このボタンを押すと再生状態になります。ただし、入力切 替スイッチ❶が"TAPE"のポジョンになっていないトラッ ックの音は、ステレオミックスバスに出力されません
テープを巻き戻すためのボタンです。再生中にこのボタン を押すと、巻き戻しをしながら再生音を聞くことができ、 曲の頭出しなどに便利です。
テープを早送りするためのボタンです。再生中にこのボタ ンを押すと、早送りをしながら再生音を聞くことができます。
テープ走行を停止させるためのボタンです。
録音や再生を一時停止させるためのボタンで、もう一度押す と再びテープがスタートします。
カセットテープは、一般的にダイナミックレンジ (最大レ ベルと最小レベルの差)の大きな信号をうまく録音できな いといわれていますが、このdbxのスイッチを "ON"にして 録音すれば、ダイナミックレンジの大きな信号にも十分対 応できるようになり。テープ固有のヒスノイズも人間の耳 では感知できないレベルまで押し下げられます。 dbxを"ON"にして録音した場合には、再生時にも"ON"に してください。
録音および再生時のテープスピードを+10%~-10%の範 用で可変するためのツマミです。テープスピードを可変す るとピッチ (音程) も変化します。
ー 通常はツマミをセンターの位置にセットしておきますが、 オーバーダビング(録音済みの音を再生し、その音に合わ せて別の音を録音すること)をする場合、録音済みの楽器 の音とピッチが合わない場合、早弾きがスピードについて いけない場合、特殊効果をねらった録音をする場合などに 可変します。
- 般に、カセットテープレコーダーは4.8cm/秒でテープを 走行させますが、このスイッチにより、テープスピードを 倍の9.5cm/秒に切り替えることが可能です。9.5cm/秒に切 り替えると、周波数特性などの点で有利になります。ただ し、録音時間は半分になります。なお、録音時と再生時の スピードは同じにしてください。
※テープ走行中に、TAPE SPEEDスイッチを切り替えな いでください。
テープの走行量を示します。
テープカウンターの値を*000″にするためのボタンです。 録音の始めや曲の始めに押しておくと、頭出しに便利です。
このスイッチを"ON"にして巻き戻しをすると、カウンター 値 *999″の位置でテープが停止します。多重録音では、一曲 を何度も巻き戻しして再生および録音するため この機能 は大変便利です。
メーター/モニター部
ピークレベルメーター ® にレベル表示させる信号を選択す るためのスイッチです。
STポジション: ST OUTジャック (8)に出力される信号の レベルを表示させるためのポジションで、一番左のメ ーターがステレオ信号のLレベルを表示し、左から二 番目のメーターがステレオ信号のRのレベルを表示し ます。
ピンポン録音時やミックスダウン時には、このポジシ ョンにセットすると、録音レベルの監視に便利です。
-20dB~+6dBを14ポイントのLEDで表示します。 録音時のレベルは、歪まない範囲でなるべく大きく設定す ると、ノイズが少なく、ダイナミックレンジも大きくとれ ます。設定は0dB以上のLEDが時々瞬間的に点灯するレ ベルを目安にしてください。
また、ステレオ信号のレベルを表示させている場合、0dB のLEDが点灯した瞬間は、ST OUTジャック ③に規定出 カレベルー10dB(50k Ω負荷)が出力されています。
9
正面パネルのPHONESジャック®にヘッドホンを接続してモニターする場合には、このスイッチでモニターする信号を選択し ます。ヘッドホンの音量はPHONESコントロール®で調整してください。
STEREOポジション:ST OUTジャック働に出力される信号をモニターするためのポジションで、ヘッドホンの左側のスピ ーカーからはステレオLの信号が、右側のスピーカーからはステレオRの信号が聴こえます。
ビンポン録音時やミックスダウン時には、このポジションにセットすると、各楽器の信号をミキシングした音をモニター でき便利です。
MONITORポジション:各トラックの信号をモニターするためのポジションで、再生中のトラックの音と録音中のトラックの音を自由にミキシングしてモニターすることができます。
MONITORコントロール⑪で、各トラックのレベルを決めてください。オーバーダビング時には、このポジションにセット すると、演奏者が演奏しやすいモニター音をつくれるため便利です。
MIX ポジション: "STEREO" ポジションにセットした場 合にモニターできる信号と、 "MONITOR" ポジション にセットした場合にモニターできる信号の両方を、同 時にモニターできるポジションです。
パンチイン/パンチアウト時には、このポジションに セットすると、次のようなモニターができ便利です。 (26ページの`パンチイン/パンチアウト″の項も参照)
たとえば、ある楽器の演奏を次のように途中でミスした場合
1. 1
PHONES SELECTスイッチ @を * MONITOR " ポジシ ョンにセットした場合には、モニターしやすいレベルバラ ンスになるように、このツマミで各トラックのレベルを調 整してください。
ミックスダウンする時と同じレベルバランスでオーバーダ ビングしたり、新たにオーバーダビングする音を少し大き くするなど、自由にレベル調整できます。
ヘッドホンのモニター音の音量を調整するためのツマミで す。
正面パネル
各チャンネルの入力端子で、電気楽器や電子楽器を接続で きます。チャンネル1、2は、マイクロホンも接続できます。 なお、エレキギターを接続する場合には、エレキギター専 用のプリアンプなどでレベルを持ち上げてから入力すると、 優れた音で録音できます。
ヘッドホンを接続することによりヘッドホンモニターが可 能になります。8Q~40Qのヘッドホンをご使用ください。
この端子に別売のフットスイッチFS-1を接続すると、足も とでパンチイン/パンチアウトの切替操作が可能になりま す。
電源スイッチです。電源をON/OFFにする時は、入力フェ ダー④やAUX RTNコントロール●を"0"にしてください。
本機とMIDI機器をシンクロさせる場合に使用する端子です。 本機専用のMIDIコンバーターYMC2(別売)を使わずに、 MIDIコンバーターYMC10を使ってシンクロさせる場合に は、YMC10をこれらの端子とMIDI機器の間に挿入してく ださい。
各トラックの音が、そのまま出力される端子です。再生中 のトラックは再生中の信号が出力され、録音中のトラック は録音中の信号が出力されます。
出力レベルの調整はできませんので、接続した機器側で入 カレベルの調整をしてください。
この端子は、次のような場合に便用します。
各チャンネル(および各トラック)の信号がミキシングされ、 結果的にステレオ信号となった信号はこの端子から出力さ れます。この端子は、本来ミックスダウン用に、ステレオ カセットデッキを接続するための端子ですが、次のような 利用のしかたもあります。
AUX 出力用にミキシングされた信号が出力されます。エフェクターへの出力端子として使用します。また、この端子もモニター用の出力端子として使用することができます。
エフェクターからの出力信号を入力するための端子です。 また、チャンネル増設用の外部ミキサーでミキシングした 信号を、この端子から入力することもできます。 なお、片方の端子にのみプラグを差し込んだ場合、L,R両 チャンネルに同じ信号が送られます。
本機専用のMIDIコンバーターYMC 2 (別売) を接続するための端子です。
MIDIコンバーターには、YMC2とYMC10の2種類があり ますが、YMC2を使用すると、YMC2を本機に固定できる だけでなく、YMC2の電源は本機内部から供給されるため、 大変便利です。
YMC2の固定方法は、次のとおりです。
①本機のPOWERスイッチをOFFにします。
※YMC2とYMC10の両方を接続した場合は、YMC2のみ 使用可能になります。
接続例
本機は、クロームテープ専用レコーダーです。フェリクロー ムテープ対応になっておりません。テープはCrO2 テープ (BIAS:HIGH EQ:70µs)をご使用ください。またC-120の テープは、ちょっとしたご使用上の不注意で機械的・電気的 トラブルの原因となるおそれがありますので、ご使用になら ないでください。
カセットテープには、大切な録音をあやまって消さないよ うに消去防止用の穴があります。録音後、この穴のツメを ドライバーなどで取り去ると重ねて録音できませんから、 録音済みの内容をいつまでも保存することができます。4 トラック録音したテープはAB両面のツメをおり、ステレ オ録音したテープは録音した面のツメをおってください。 ツメをおったテープに再び録音したい場合は、穴をセロハ ンテープなどでふさいでください。
●ツメをおったテープで 録音する場合
ノーマルポジションのカセットテープを再生する場合や、 ドルビーBNRで録音されたテープを本機で再生する場合に は次のように操作してください。
イコライザーのHI(HIGH)のツマミを*+n側にスライドさせ、 高域を少し強調させます。
dbxスイッチを"OFF"にすると共に、HIのツマミを"-"側 にスライドさせ、高域を少し減衰させます。
本機は、ノーマル(4.8cm/秒)/倍速(9.5cm/秒)のどちらかの テープスピードを選択できます。状況に応じてお選びください。
なお、再生時のテープスピードは、録音した時のテープスピ ードと同じにしてください。
※一般のカセットテープレコーダーは、4.8cm/秒で録音され ます。
あなたが本機で録音したものは個人として楽しむなどのほか は著作権上、権利者に無断で使用できません。
テープがとび出したり、たるんだままご使用になりますと、 キャプスタンやピンチローラーにテープがからみついたりす る原因となります。テープのたるみを直すには、鉛筆やボー ルペンをカセットハーフのリール軸に差し込んで巻き取り、 テープのたるみを直してください。
テープがたるまないようにストッパーをつけるか、市販のカ セットケースに入れ、直射日光、湿気、高温および磁気のあ るところ(テレビやスピーカーの近く)には置かないでくださ い。高温や湿気はテープをいため、磁気は録音内容を消して しまいます。
多重録音を行なうには、各部のツマミやスイッチ、コネクタ ーなどの役割をはっきりと理解しておかなければなりません。 そのためには、"各部の名称と働き"の項をお読みいただくだ けでなく、35ページの"ブロックダイアグラム"をご覧になり、 信号の経路を頭に入れておきたいものです。ブロックダイア グラムは、一見むずかしそうに見えますが、じっくりと時間 をかけてみるとそうでないことに気づくはずです。なお、ブ ロックダイアグラムのツマミ、スイッチ、コネクターには番 号が付けられていますが、これは"各部の名称と働き"の説明 番号と一致しています。
多重録音は一般的にリズムセクションの録音から始め、オ ーバーダビングやピンポン録音を繰り返しながら、各トラ ックに各パートの音を入れてゆき、出来上がったテープを 最後にミックスダウンして、ステレオのマスターテープに任 上げます。
優れた音で録音するためには、録音レベルを適正な値にセットするのが第一条件です。レベルが低ければノイズが目 立ち、レベルが高ければ音が歪んでしまいます。つまり、 歪まない範囲でなるべく大きく録音すればよいわけです。 本機は、各トラックのレベルやステレオ信号のレベルをピ ーク値で示すレベルメーターを装備しています。録音レベ ルはこのメーターと聴感をたよりにセットしてください。 なお、人間の耳は短い時間の歪みは検知しにくいものです。 レベルメーターが一瞬だけ振り切れても、それほど問題で はありません。しかし、メーターが振り切れっぱなしとい う場合、話は別です。
また、低音域よりも高音域の歪みの方が目立ちやすいということも覚えておいてください。
優れた音質の確保に直接つながるテープスヒードは、でき る限り9.5cm/秒にしたいものです。
ダイナミックレンジを確保すると共に、ノイズを低減させるため、dbxシステムはONされることをおすすめします。
最初から音像定位を考えて多重録音を進めることが大切で す。なお、凝った定位にするほど、ピンポン録音やミック スダウンの回数が増えることになり、ノイズを招く結果に なります。
音像定位の例としては、バスドラムやスネアドラムをセン ターに定位させ、ハイハット、タム類でステレオ感を出し たり、ベースなど重量感のあるものはセンターに、バッキ ングパートの楽器はキーボードが左ならギターは右に、ソ ロ楽器も左右に振るといった方法や、ソロ楽器の音をステ レオ出力のディレイマシンで、遅延させた音を左、ダイレ クト音を右にするなど、様々な方法が考えられます。
イコライザーやエフェクトの処理は、収録時やピンポン録 音時、ミックスダウン時といろいろな時点での処理が考え られます。
多重録音では、イコライジングやエフェクト処理はどの時 点でしなければならないという決まりはなく、それぞれに 長所や短所があります。
一般的には収録時はドライで録音し、ミックスダウン時に エフェクトや音づくり(EQ)をしますが、使用できるエフェ クターの数やピンポン録音、オーバーダビングを考え、収 録時に処理する方がよいでしょう。
本機には、録音信号が流れる径路とは別にモニター回路が 独立して装備されているため、実際に録音されるレベルバ ランスとは別に演奏者が演奏しやすいモニター音を、ヘッド ホンで聴くことができます。この場合、PHONES SELECT スイッチを MONITOR ポジションにすると共に、各トラ ックのレベルをMONITOR LEVELコントロールで調整し てください。
ただし、ST OUTジャックやAUX SENDジャックにアン プ内蔵のスピーカー等を接続してモニターすると、上記の ように録音する音とは別のモニターは不可能になったり、 エフェクターが使えなくなったりします。
また、ライン録りで録音する場合には問題ありませんが、 マイク録音する場合には、ヘッドホンでモニターされるこ とをおすすめします。マイク録音時にスピーカーから出て くる音でモニターしていたのでは、当然のことながらマイ クにモニター音が入ってしまいますし、発振(ハウリング) を起こすこともあります。
チャンネル1、2は、マイクロホンを直接接続することがで きます。多重録音の手順を決める際、この点も考慮してく ださい。
多重録音をする場合には、まず始めにレコーディングのプ ランを立てることが大切です。プランを立てずに録音をす ると、空トラックやエフェクターが足りなくなったり、音 像定位に制限ができたりして、結果的にピンポン録音やミ ックスダウンの回数を増やすことになります。ピンポン録 音やミックスダウンを何度も行なえば、理論的にはいくつ ものパートを無限に重ねることができるわけですが、回数 が増えるほどノイズが増えたり音質が劣化していきます。 いずれの場合も、音の移動は1、2回にとどめておく方が 無難です。録音をする前には、どんな編成で、どの順に録 音してゆき、最終的にどのような形にするのかを決めてく ださい。
なお、この項で紹介する録音例のプロセスは15ページに示 したものと同じです。
ドラムスの音をトラック1に録音します。最近ではドラム マシンやリズムマシンと呼ばれる便利な製品が多数発売さ れており、YAMAHAからもRXシリーズ・デジタルリズムプ ログラマーなどが発売されています。ここでは、ステレオ 出力のリズムマシンを接続する場合を図に示しますが、リ ズムマシンのL端子をチャンネル1に、R端子をチャンネ ル2に接続し、両端子からの信号をミックスしてトラック 1に録音することにします。
この時、デジタルサウンドプロセッサーSPX90やデジタル リバーブREV7を使って、軽くディレイやリバーブをかけ るのもいいでしょう。
SPX90やREV7には、リバーブだけでなく、初期反射音や エコー、ディレイ関係のプログラム、ゲートリバーブやキ ック用のプログラムまであり、曲に合ったプログラムを自 由に選択できます。
メーター表示用信号 モニター信号
ドラムス録音の手順-
(手順1~5, 7~13説明図)
①ACコードのプラグを、AC100Vコンセントに接続します。 ②リズムマシンを入力ジャック1、2へ接続します。
⑤カセット蓋を手で開き、クロームテープ(BIAS: HIGH EQ:70//s)をセットします。
(手順14~22説明図)
23チャンネルフェダー1、2を操作して、録音レベルのバラ ンスを決めます。録音レベルを確認しながら設定してく ださい。
――ドラムスの録音完了――
③録音時と同じポジションに VAMAHA - - - - - - - - 35 再生ボタンを押してトラック1を 確認したら、巻き戻しをする。 ③ 録音時と同じように"ON"
③ *4 TRK "ポジションを確認
(手順31~35説明図)
すでに録音済のトラック音にあわせて演奏し、新しい楽器の 音を別のトラックに録音することをオーバーダビングといい ます。この方法であれば、1人でいくつもの楽器を演奏でき るため、1人でもバンド演奏のような録音が可能なわけです。
さて、ここでは先程トラック1に録音したドラムスの音に合わせて、ベースギターをトラック2に録音します。
エレキベースの録音には大きく分けて、ベースアンプの前に マイクを立てて録音する方法と、ベースアンプのラインレベ ルの出力端子などからライン録りする方法の2種類の方法が あります。
クリアーに録音することを狙うのなら、やはりライン録りで しょう。なお楽器用のエフェクターを使う場合は、エフェク ターの最終段にノイズゲートを配したいものです。これは電 気楽器全般に共通して言えることです。
コンプ/リミッターGC2020Bを使用するのも1つのアイデアで す。コンプレッサーとリミッターの機能に加え、ノイズゲー トの機能もありますから非常に便利です。
録音
⊻∧∏⊲⊡≣
STEREO
-ベースギター録音の手順---
(2)モニター用のヘッドホンを接続します。(ミックスダウン 時までモニタースピーカーを使用せずに、ヘッドホンで モニターします。以後手順から省きます。)
③テープがカウント表示 *999″ まで巻き戻されていること を確認します。(以後手順から省きます。)
(入力ジャック2に接続したベースギターの音をトラック 2に録音するため) —→RECインジケーター点滅。
(8)PAUSEボタンを押した後 録音ボタンを押して録音ポ ーズ状態にします。——→RECインジケーター点灯。
n a
. ①3入力切替スイッチ2を "MIC/LINE" ポジションにセット します。
⑪ゲインコントロール2を、"LINE"の位置にします。 (⑤入力フェダー2を、日盛*7″にセットします。
(Î)ベースギターの演奏を始め、左から2番目のレベルメー ターの、+3″付近のLEDが、ピーク時に一瞬だけ点灯す るように、ベースアンプまたはGC2020Bの出力ボリュー
19PAUSEボタンを押して一時停止を解除しテープをスタ ートさせ、ドラムスとベースギターのモニター音の音量 バランスを設定します。必要に応じて、PHONESコント ロールのツマミで全体の音量を調整します。(この操作を 行なうと、トラック2にベースギターの音が録音されま
20モニター音の調整が済んだら、テープを巻き戻し、再び 録音ポーズ状態にします。
②PAUSEボタンを押して録音を開始します。ドラムスの 音に合わせて演奏してください。 ② 演奏が終わったら、テープを巻き戻します。
――ベースギターの録音完了―
(2)再生ボタンを押すだけで、録音後の確認ができます。 (3)ツマミやスイッチ類をノーマルの状態に戻すと共に、テ ープを巻き戻し、次のステップである、リズムギターの録 音″に備えます。
·
トラック2
トラック3
トラック4
トラック1、2に録音したドラムスとベースギターの音に合わ せて、リズムギターをトラック3に録音します。 録音の要領は、ベースギターの録音の時と同様です。 なお、楽器用のエフェクターは入力ジャックの手前に接続し てください。
トラック1~3にリズム体となる3種類のパートを録音した 結果、空トラックはトラック4だけになりました。まだ録音 したいパートが3種類あります。このような場合にピンポン 録音というテクニックを使います。
ピンポン録音とは、すでに録音済の2つまたは3つのトラックを再生し、これをミキシングして空トラックへ移動することです。
ピンポン録音の後、必要のなくなった元のトラックには新し いパートを録音できます。
またピンポン録音の際、新しいパートの音を加えながら録音 することも可能です。
ピンポン録音は空トラックがある限り何回でも可能ですが、 ピンポン録音を繰り返すうちに音質の劣化やノイズの増加を 招くことになります。ピンポン録音は、1回か2回までにと どめておいた方が安全です。
では、ピンポン録音をしましょう。
ベースギター
※ここでは、トラック1~3の信号をまとめてトラック4に録音するわけですが、これをするには、入力切替スイッチ1~3をTAPEポジションにしてください。また、下の図からもわかるように、信号はパンポットを通ってR側に流れますので、パンポットはセンターまたはR側になっていなければなりません。
──ピンポン録音時の信号経路──
――ピンポン録音の手順―
①PAUSEボタンを押して、ピンポン録音を開始します。 ④ピンポン録音が終わったら、テープを巻き戻します。
19再生ボタンを押すだけで、録音後の確認ができます。 19ツマミやスイッチ類をノーマルの状態に戻すと共に、テープを巻き戻し、次のステップである *キーボードの録音"に備えます。
再びオーバーダビングをします。ピンポン録音をして不用に なったトラック3のリズムギター音の替わりに、キーボード を録音します。
同様にリードギターをトラック2に録音します。 キーボードおよびリードギターの音は、ミックスダウンのと きにPAN(パンポット)を使ってL、Rに振り分ける予定です。 なお、ディレイやコーラス音をミックスダウンのときにステ レオで付加する場合話は別ですが、ディストーションやコン プレッサーなど、モノラルで付加する場合にはこの時点で処 理しておきましょう。
ボーカルをトラック1に録音します。ボーカルの録音時には、 ドラムスの録音と同様に必ずヘッドホンでモニターします。 なお、ボーカル録音には特にコンプ/リミッターを使用した いものです。コンプ/リミッターをお使いになりますと、声 に張りをもたせることができ、録音レベルも安定します。コ ンプ/リミッターGC2020Bなどをご使用ください。
ここでパンチイン/パンチアウトというテクニックをご紹介 しましょう。パンチイン/パンチアウトは、演奏のある1部 のみ修正したい場合などに使われるテクニックです。
全トラックを再生状態にして録音ボタンを押してテープをス タートさせ、修正部分の頭でパンチイン(修正するトラックの RECORD SELECTスイッチを、録音ポジションにして新 録音)、修正部分の終わりでパンチアウト(RECORD SELE-CTスイッチを*OFF″ポジションに戻して完了)します。 こ のテクニックを使えば、ボーカルトラックの間奏部分に後で リードソロなどをインサートすることも可能です。ただしパ ンチイン/パンチアウトには、ある程度のブランク(音の切 れ目)が必要です。
※CMX IIでは別売のフットスイッチ(FS-1)を使用すれば、 演奏をしながらRECORD SELECT スイッチを切り替え なくても、あらかじめ修正したいトラックの RECORD SELECTスイッチをセットしておき、足元でパンチイン/ パンチアウトの操作が行なえます。
では、パンチイン/パンチアウトの操作方法として、トラッ ク1に録音済みのボーカルの一部のみ修正する場合を例に掲 げ説明しましょう。
―パンチイン/パンチアウトの手順―
15PAUSEボタンを押してテープをスタートさせます。
⑥修正部分の頭がきたら、パンチインします。 :FS-1のスイッチを踏んて FS-1を接続した場合 RECインジケーターを点 FS-1を接続していない場合:RECORD SELECTスイ ッチ1を*1″ポジションに する。 ①修正部分の終わりがきたら、パンチアウトします。 FS-1を接続した場合 :FS-1のスイッチを踏んで RECインジケーターを 点 滅させる。 FS-1を接続していない場合 :RECORD SELECTスイ ッチ1を*0FF″ポジショ ンに戻す。 (18テープを巻き戻します。 ――パンチイン /パンチアウト完了―
-------------------------------------
さて、いよいよミックスダウンです。ミックスダウンはトラ ックダウンとも呼ばれ、多重録音を終えた各トラックの音を 最終的にミキシングして、ステレオやモノラルの音にする作 業です。
トラック間のレベルバランスや、ステレオ定位、エフェクト 処理などをして、最終的なマスターテープをつくってください。
ここでは、次のように各楽器を定位させます。また、ボーカ ルにはデジタルサウンドプロセッサーSPX90などで、軽くり バーブをかけてみます。
※ミックスダウンの際、空チャンネルであるチャンネル5、6 を使い、新しいソースも含めたミックスダウンも可能です。
30
(手順①~10、12説明図)
--------------------------------------
(8)チャンネル1~4のイコライザーツマミで、各トラック の最終的な音質を決めます。
シンクレコーディング
MIDI機器どうしのシンクロ(同期)演奏が可能なように、本機 専用のMIDIコンバーターYMC2(別売)またはMIDIコンバー ターYMC10を使用することで、RXシリーズ・デジタルリズム プログラマーやQXシリーズ・デジタルシーケンスレコーダー 等のMIDI機器を、シンクロ演奏させることが可能です。 この項では、このシンクロ演奏のテクニックを使ったシンク レコーディングの方法を紹介します。
シンクレコーディングでは、リズムプログラマーやシーケ ンサーなどのデジタルソースを、ミックスダウンの時点で はじめてミキシングします。このため、マスターテープに ダイレクトに録音することになりますから、デジタル機器 の大きな魅力であるダイナミックレンジや、優れたS/N比 を確保できます。
テープシンクを行なうためには、MIDI同期信号を、FSK (Frequency Shift Keying)という信号に変換してやらな ければなりません。なぜなら、MIDIで1秒間に送られる 最大転送情報は31.25kボーと超ハイスピードです。このた め、そのままではアナログ機器が対応できません。そこで MIDIコンバーターを使ってMIDI同期信号を、アナログ機 器が対応可能なFSK信号に変換してやるわけです。
①サウンドの基盤となるリズムを、リズムプログラマー RX17などにインプットします。 ②RX17を次のように接続します。
③CMXIIを録音ポーズ状態にした後、CMXIIコントロール パネルのSYNCスイッチを"REC"にします。この状態で PAUSEボタンを押してテープをスタートさせると共に、 RX17をプレイバックさせます。
すると、RX17から出力されたMIDI同期信号がMIDIコン バーターでFSK信号に変換され、 CMXIIのトラック4 に記録されます。
④トラック4に記録されたFSK信号で、RX17を同期させる ために、次のように接続します。
⑤SYNCスイッチを"PB"にして再生ボタンを押すと、トラ ック4に記録されたFSK信号が出力されて MIDI コンバ ーターに入り、最終的に MIDI コンバーターで MIDI 同期 信号に変換されて RX17に入ります。このため、 RX17が CMXII のトラック4に同期して、動作するようになりま す。(この時、 RX17のSYNCの設定を"MIDI"にセットする ことを忘れないでください。)そこで、トラック1~3に オーバーダビングをします。
⑥ミックスダウンを行なうため、次のように接続します。
⑦テープをスタートさせ、トラック1~3の音と入力ジャック5、6からのドラムスの音を、ステレオテープデッキにミックスダウンします。
ビデオカメラで録画した映像とマイクで収録した音だけでは、 もの足りなさを感じることがあります。こんな時には、CMX IIを使ってビデオテープのサウンドトラックを編集してみま しょう。きっと満足のいく作品になります。
ここでは、マイクで収録済みの音に、ナレーション、BGM、 効果音を加える場合を例とします。
※バンドのプロモーションフィルムを作るのもアイデアです。
①ヘッドクリーニングについて
本機の録再ヘッドおよび消去ヘッドは、非常に精密なもの です。
ヘッドが汚れた状態で使用しますと、忠実な録音や消去、 再生ができなくなります。34ページをご覧になり、定期的 にヘッド等のメンテナンスを行なってください。
優れた音質で録音するため、レベルメーターを十分にご活 用ください。レベルメーターを見ずに録音すると、レベル が大きすぎて音が歪んでしまったり、逆にレベルが小さす ぎてノイズが目立ったりすることがあります。
メーターには、ST/4TRKの切替スイッチがついています ので、このスイッチを状況にあわせて切り替えてください。 STポジションにするとST OUT端子に出力する信号と同 じものをレベル監視でき、4 つあるレベルメーターの内、 一番左側にあるメーターがステレオアウトのL側のレベル を示すメーター、その隣がステレオアウトのR側のレベル を示すメーターとなります。
また、4 TRKポジションにすると各トラックに録音する信 号(及び再生する信号)と同じものをレベル監視でき、左側 から順にトラック1、2、3、4 のレベルを監視できます。
●INPUT端子に入力したソースを、ミックスせずにそのまま録 音する場合→録音するトラックのRECORD SELECTスイッ チを、1~4いずれかのポジションにセットし、メーター部は下 図のようにする。
隣接したトラックへのピンポン録音(たとえばトラック2 からトラック1または3ヘビンポンするなど)は極力さけ てください。録再ヘッドでの信号の漏れ(クロストーク)に より、ハウリングが起こることがあります。
また、やむをえず隣接したトラックへピンポン録音を行な いハウリングが発生してしまった場合は、再生のレベルを すこし下げるか、高域(10kHz以上)をチャンネルEQの Highで減衰させるなどして、ハウリングをおさえてくださ い。
シンクレコーディングをするためには、MIDIコンバータ ーを用いてFSK信号に変換し、それをトラック4に記録し ますが、この時のレベルが規定以上のレベルでなかった場 合、再生時にシンクの動作をしないことがあります。何度 行なっても同じ結果になる場合は、本機の底面にあるレベ ル調整ボリュームを調整してみてください。(工場出荷時に は適正レベルにセットしてありますので、正常に動作する 場合はむやみに動かさないでください。)
なお、あまりレベルを上げすぎますと、トラック3や2に 信号が漏れること(クロストーク)がありますので、十分ご 注意ください。
長時間デッキをご使用になりますと、ヘッドやピンチローラー、キャプスタンが汚れてノイズや回転ムラが増えたり、録音ができなくなったりします。定期的にクリーニングや消磁をされることをお勧めします。
クリーニングには、市販の綿棒にヘッドクリーニング液をつ けて拭いてください。特にヘッドをきれいにしておくことが 上手な録音をするためには大切なことです。
また、消磁の際は、ヘッドイレーサーの説明書を充分にご参照ください。
▒ 部をきれいにしておくことが大切です。
ブロックダイアグラム
※ SWはパネル内部のスイッチで、録音ボタンが押された状態で、RECORD SELECTスイッチが *0FF*以外のポジションにセットされたチャンネルのみ*REC*側に切り替わる。
仕様 | ||
---|---|---|
, , | ||
型式 ミキサー付4トラック | 4 チャンネル片道録音/再生カセットレコーダー | |
機構部 | ||
使用テープ | C-60, C-90カセットテープ | |
クロームテープ(コバルト)専用(70µs EQ) | ||
ヘッド構成 | 4 チャンネル録音/再生:ハードパーマロイ×1 | |
4 チャンネル消去:フェライト×1 | ||
テープ速度 | 4.8cm/秒, 9.5cm/秒切替 | |
ピッチコントロール | ±10% | |
ワウフラッター | 0.05% (WRMS) | |
早送り・巻き戻し時間 | 約100秒(C-60使用時) | |
モーター | D C E - 9 - × 1 | |
入・出力仕様 | ||
INPUT 1,2 | 入力インピーダンス :10kΩ | |
規定入力レベル : -10dB~-50dB(入力フェダー規定位置) | ||
最小入力レベル :-56dB(ゲインコントロール最大,入力フェダー最大) | ||
最大入力レベル :+10dB(ゲインコントロール最小,ヘッドルームマージン) | ||
INPUT 3~6 | 入力インピーダンス :10kΩ | |
規定入力レベル :-10dB(入力フェダー規定位置) | ||
最小入力レベル :-16dB(入力フェダー最大) | ||
AUX RTN L,R | 入力インピーダンス :10kΩ | |
規定入力レベル :-10dB(AUX RTNコントロール規定位值) | ||
最小入力レベル :-16dB(AUX RTNコントロール最大) | ||
ST OUT L,R | 出力インピーダンス :1 k Ω | |
規定負荷インピーダンス:10kΩ以上 | ||
規定出力レベル :-10dB(50kΩ負荷時) | ||
AUX SEND | 出力インピーダンス :1 k Ω | |
規定負荷インピーダンス:10kΩ以上 | ||
規定出力レベル :−10dB(50kΩ負荷時) | ||
TAPE OUT 1~4 | 出力インピーダンス :1kΩ | |
規定負荷インピーダンス:10kΩ以上 | ||
規定出力レベル :-10dB(50k Ω 負 荷時) | ||
PHONES | 規定負荷インピーダンス:8~40Ω | |
最大出力レベル :100mW+100mW | ||
イコライザー特性 | HIGH:±10dB(10kHzシェルビング) | |
LOW: ±10dB(100Hzシェルビング) | ||
雷気的性能 | ||
総合周波数特性 | 40Hz~18kHz ±3dB (TAPE SPEED 9.5cm/秒) | |
40Hz~12.5kHz ±3dB(TAPE SPEED 4.8cm/秒) | ||
総合S/N比 | 85dB(dbx ON, IHF-A) | |
総合歪率 | 1.0%以下(EIAJ, 315Hz) | |
チャンネルセパレーション | 55dB以上(1kHz) | |
消去率 | 70dB以上(1kHz) | |
その他 |
||
** "。 | AC100V 50/60Hz | |
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ | 20W | |
寸法(W×H×D) | 413mm×75mm×260mm | |
重量 | 3.4kg | |
・仕様および外観は改良のため、予告なく変更することがあります。
本機の保証期間は、保証書によりご購入から1ヶ年です。(現金、ローン、月賦などによる区別はございません。)また保証は日本国内にてのみ有効といたします。
保証書をお受け取りのときは、お客さまのご住所、お名前、 お買い上げ月日、販売店名などを必ずご確認ください。無記 名の場合は無効になりますので、<れぐれもご注意ください。
保証書は弊社が、本機をご購入いただいたお客さまにご購入 の日から向う1ヵ年間の無償サービスをお約束申しあげるも のですが、万一紛失なさいますと保証期間中であっても実費 を頂戴させていただくことになります。万一の場合に備えて、 いつでもご提示いただけますように充分ご配慮のうえで保管 してください。また、保証期間が切れましてもお捨てになら さいでください。後々のサービスに際しての機種の判別や、 サービス依頼店の確認など便利にご利用いただけます。
保証期間中に万一故障が発生した場合、お買上げ店にご連絡 頂きますと、技術者が修理・調整致します。この際必ず保証 書をご提示ください。保証書なき場合にはサービス料金を頂 だく場合もあります。又お買上げ店より遠方に移転される場 合は、事前にお買上げ店あるいは電音サービス拠点にご連絡 ください。移転先におけるサービス担当店をご紹介申し上げ ますと同時に、引続き保証期間中のサービスを責任をもって 行なうよう手続き致します。
満1ヵ年の保証期間を過ぎますとサービスは有料となります が、引き続き責任をもってサービスをさせていただきます。 なお、補修用性能部品の保有期間は製造打切り後最低8年と なっています。そのほかご不明の点などございましたら、下 記のヤマハサービス網までお問い合せください。
(の預り修理芯山) | |
---|---|
東京電音サービスセンター | 芊 211 川崎市中原区木月1184 |
TEL (044) 434—3100 | |
新潟電音サービスステーション | 〒950 新潟市万代1-4-8(シルバーボールビル2F) |
TEL (025) 243-4321 | |
大阪電音サービスセンター | 〒565 吹田市新芦屋下1~16(千里丘センター内) |
TEL (06) 877—5262 | |
四国電音サービスステーション | 〒760 高松市丸亀町8-7(ヤマハ高松店内) |
TEL (0878) 51—7777, 22—3045 | |
名古屋電音サービスセンター | 〒454 名古屋市中川区玉川町2-1-2 |
(ヤマハ名古屋流通センター3F) | |
TEL (052) 652-2230 | |
『ጊ州電音サービスセンター | 〒812 福岡市博多区博多駅前2-11-4 |
TEL (092) 472-2134 | |
北海道電音サービスセンター | 〒065 札幌市東区本町1条9丁目3番地 |
TEL (011) 781—3621 | |
仙台電音サービスセンター | 〒983 仙台市卸町5丁目-7(卸商共同配送センター3F) |
TEL (022) 236-0249 | |
広島電音サービスセンター | 〒731-01 広島市安佐南区祇園町西原2-27-39 |
TEL (082) 874-3787 | |
浜松電音サービスセンター | 〒435 浜松市上西町911 |
TEL (0534) 65-6/11 | |
本社 | |
電音サービス部 | 〒435 浜松市上西町911 |
IEL (0634) 65-5195 | |
# 날 17 / N (H) / 수 19 / TN A / \ 두 전 |
音響システム事業部 | 〒430 浜松市中沢町10-1 |
---|---|
TEL.0534(60)2493 | |
国内営業部 | 〒150 渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビル3日 |
TEL.03(476)1521 | |
東京事業所 | 〒104 東京都中央区銀座7-11-3 矢島ビル |
TEL. 03(574)8592 | |
大阪事業所 | 〒542 大阪市南区南船場3-12-9 |
心斎橋プラザビル東館 | |
TEL. 06(252)5231 | |
名古屋営業所 | 〒460 名古屋市中区錦1-18-28 |
TEL.052(201)5145 | |
九州営業所 | 〒812 福岡市博多区博多駅前2-11-4 |
TEL. 092(472)2155 | |
札幌営業所 | 〒064 札幌市中央区南十条西1丁目 ヤマハセンター |
TEL. 011(512)6113 | |
仙台営業所 | 〒980 仙台市大町2-2-10 |
TEL. 022(222)6146 | |
広島営業所 | 〒730 広島市中区紙屋町1-1-18 |
TEL. 082(244)3744 | |
SD.