Yamaha CMXII operating instructions

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YAMAHA

MULTITRACK CASSETTE RECORDER

取扱説明書

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このたびは、ヤマハ・マルチトラックカセットレコーダー・CMX Iを お買い求めいただきまして、まことにありがとうございます。 CMX I は、レコーディングミキサーとマルチトラックレコーダーが、 多機能ながらコンパクトにまとめ上げられており、カセットテーブを 使用して、気軽に高品質の多重録音テープを創り上げることができま す。さらに、多重録音に限らず、ミニコンサートのPAミキサーやビ デオテープのサウンドトラック編集などにもご活用いただけます。 CMX I の豊富な機能と優れた性能をフルに発揮させると共に、長年支 障なくお使いいただくため、この取扱説明書をじっくりと時間をかけ てお読みください。

■目次
ご使用の前に
ご使用上の注意
トラックとチャンネルの違い
マルチトラックカセットレコーダーとは 3
各部の名称と働き 4
ミキサー部
レコーダー部
メーター/モニター部
コネクター部
接続例13
カセットテープについて
多重録音の方法
多重録音の手順
録音を始める前に
多重録音
シンクレコーディング
ビデオテープのサウンドトラック編集
本機の性能を十分に発揮させるために
メンテナンス
ブロックダイアグラム35
仕様
アクセサリーのご紹介
サービスについて
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ヘッドクリーニングについて

4トラック録音を可能にする本機のヘッドは、非常に精密なものです。正確な録音や再生ができるように、 定期的にクリーニングを行なってください。10時間の使用に対しクリーニング1回がめどです。クリーニ ングしてから使用するくせをつけるのも良いでしょう。 ヘッドが汚れますと、次のような症状が現れます。

・録音や再生、消去ができない。

  • ・音が小さい。
  • ・音がふるえる。音とびがする。
  • ・雑音がひどい。
  • ・高域のレベルが低い。

上記のような症状が現れた時は、まずクリーニングをしてみてください。

クリーニングは、綿棒に市販のヘッドクリーニング液か、アルコール液などをつけて拭きます。なお、ヘ ッドだけでなく、キャプスタンやピンチローラーも拭いてください。

🌃 部をきれいにしておくことが大切です。

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ご使田の前に

■ご使用上の注意

●カセットテープについて

本機は、クロームテープ専用レコーダーですが、フェリク ロームテープ対応になっておりません。テープはCrO2テ ープ(BIAS:HIGH EQ:70µs)をご使用ください。また 120分のテープは、ちょっとしたご使用上の不注意で機械的、 電気的トラブルの原因となるおそれがありますのでご使用 にならないでください。

●dbx について

正常な音質で再生するため、dbxスイッチを*ON″にして録 音したテープは再生時も*ON″、*OFF″の状態で録音した テープは再生時も*OFF″にしてください。

  • * dbxおよびdbxマークはdbxインコーポレーテッドの登録商標で す。
  • *dbxシステムはdbxインコーポレーテッドの実施権に基づいて 製造されています。

●電源プラグの抜き差しについて

ぬれた手で電源プラグを抜き差ししないでください。感電 することがあり、大変危険です。

また、コードの断線やショートを防ぐため、電源プラグを コンセントから抜くときは、コードをひっぱらないで必ず プラグを持って抜いてください。外出などで長時間ご使用 にならない時は、電源プラグをコンセントからはずしてく ださい。

◎電源プラグは、必ずAC100Vのコンセントに差し込んで ください。100V以外(例えば200V)の電源には絶対に接 続しないでください。

●落雷に対する注意

落雷などの恐れのあるときは、早めにコンセントから電源 プラグを抜きとってください。

●ケースを開けない

故障や感電の原因となりますので、ケースを開けたり改造 しないようにしてください。

●接続について

接続は各機器の電源スイッチをOFFにしてから行なうか、 または入力フェダーを絞ってから行なってください。

●セットの移動

セットを移動する場合は、接続コードのショートや断線を 防ぐため、他の機器との接続コードを取りはずしてから動 かしてください。

●外装のお手入れには

外装をベンジンやシンナー系の液体で拭いたり、近くでエ アゾールタイプの殺虫剤を散布したりすることは避けてく ださい。お手入れには、必ず柔らかい布で乾拭きするよう にしてください。

●保証書の手続きを

お買い求めいただきました際、購入店で必ず保証書の手続 きを行なってください。保証書に販売店印がありませんと、 保証期間中でも万一サービスの必要がある場合には実費を いただくことになりますので、充分ご注意くださいますよ うお願いいたします。

●保管してください

この取扱説明書をお読みになった後は、保証書とともに大 切に保管してください。

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■トラックとチャンネルの違い

トラック:信号を録音するための磁気テープ上の帯。カセットテープには、4種類の異なった信号を録音できる4つの帯(トラック)がある。 チャンネル:入力された信号が流れる径路、および出力の径路。本機の入力系には、6つのINPUTチャンネルと2つのAUXチャンネル、出力系には、1組ののUTPUT(STEREO)チャンネルと1つのAUXチャンネルがある。

■マルチトラックカセットレコーダーとは

マルチトラックカセットレコーダーとは、2チャンネル以上のカセットテープレコーダーで、トラックごとにモード(録音をす るか、または再生するか)を選択できるものをいいます

一般的なステレオカセットデッキ

図のように一般的なステレオカセットデッキの録音や再生は、 カセットテープの4本のトラックを片方向で2トラック(往 復で4トラック)使用するのに対して、本機のようなマルチ トラックレコーダーでは4本のトラックを片方向ですべて使 用します。

また使用目的から一般的なステレオカセットデッキは、録音 か再生のどちらかのモードでテープ走行させることが限られ ますが、マルチトラックレコーダーでは、1回の走行でも、 あるトラックは再生、また別のトラックは録音というようにト ラックごとに自由にモードの選択ができます。

このため本機では、一般的なステレオカセットデッキではで きなかったマルチトラックレコーディングが可能なわけです。

マルチトラックカセットレコーダーCMX I

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各部の名称と働き

ここでは、各部のツマミやスイッチ、コネクター類のそれぞれの名称と働きを、ミキサー部、レコーダー部、メーター/モニター部、コネクター部の順に紹介します。パネル上では、このようにはっきりと分類されていませんが、CMXIIを能率よく理解するためにこの手法をとります。

●入力切替スイッチ

チャンネル1~4に設けられた3ポジションの入力切替ス イッチです。チャンネルごとに、希望するポジションにセ ットしてください。

  • ※チャンネル5、6に入力できるのは、正面パネルの入力ジャック ※に接続したキーボードやエレキギター等のラインレベルの信号です。このため、入力切替スイッチはありません。
  • MIC/LINE: 正面パネルの入力ジャック 3 に接続したキー ボード、エレキギター等の信号を入力する場 合には、このポジションにセットします。 チャンネル1、2には、マイクロホンを接続す ることも可能です。
  • OFF :使用しないチャンネルは、必ずこのポジションにセットしておきます。また、録音済みの音を再生したくないトラックも、このポジションにセットしてください。④の入力フェダーを"0"の位置にしても、信号の流れを止めることができますが、このスイッチも"OFF"にしておくよう心がけてください。

TAPE :録音済みの音を再生するチャンネルは、この ポジションにセットします。チャンネル1~ 4には、トラック1~4がそれぞれ対応しています。

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のゲインコントロール

チャンネル1、2に設けられたツマミです。チャンネル1、 2は、このツマミがあるため、出力レベルの低いマイクロ ホンでも接続可能となっています。チャンネル1、2の入力 ジャックのに、マイクロホンや楽器を接続した場合は、こ のツマミを接続した機器の出力レベルに合わせてセットし てください。-10dB~-50dBの範囲で調整できます。出力 レベルは、接続した機器の取扱説明書をご覧ください。

OCLIPインジケーター

チャンネル1、2に設けられた入力レベル監視用のインジケ ーターです。もし、このインジケーターが点灯した場合に は、入力レベルが高すぎて歪んでしまう可能性があります ので、点灯したチャンネルのゲインコントロール2を、イ ンジケーターが点灯しなくなる位置まで下げるか、接続し た機器の出力レベルを下げてください。

④入力フェダー

入力した信号は、このツマミによりレベル調整され、⑤のイ コライザーへ送られます。他のチャンネルの信号とミキシ シングする場合には、このツマミが楽器間のレベルバラン スを決めるツマミになります。

日盛*7″がツマミの規定位置で、ノイズや歪みの最も少な いレベルが得られます。

使用しないチャンネルは、ツマミを*0″の位置にしておく よう心がけてください。

イコライザー

入力した信号およびテープの再生音の音質を調整するツマ こです

LO(LOW)のツマミでは100Hz付近を基準、HI(HIGH)の ッマミでは10kHzを基準にして、±10dBの範囲でブースト (増強)またはカット(減衰)することができ、「音の輪郭を ハッキリさせる「聴きづらい周波数を抑える「音を前に出 す」などの様々な目的で使用できます。

イコライザーを使いこなすには各楽器の周波数特性を理解 することが大切です。特に音色変化をねらったイコライジ ングであれば、基本周波数の他に倍音成分も知っておかな ければなりません。たとえば、バスドラムの基本周波数は、 50Hz~150Hzあたりであり、低音の量感を必要とするな らばLO(LOW)のツマミで、この基本周波数の範囲内の 100Hzを基準にしてブーストすればよいのですが、倍音成

分の帯域の範囲内の10kHzあたりをHI(HIGH)のツマミで ブーストすると、音の輪郭が出てくる、といったことがあ ります。

*イコライザー特性および各楽器の周波数特性

もし、さらに細かくイコライジングしたい場合は、入力ジ ャックの手前にグラフィックイコライザーやパラメトリッ クイコライザーを接続してください。

なお、収録しようとする音を後でピンポン移動(24ページ) の "ピンポン録音"の項を参照) することがあらかじめわ かっている場合は、最初の録音の時点でHI(HIGH)のツマ ミで高域を少しブーストしておくようにします。これはピ . ンポン録音をすると、高域が減衰する性質があるためです。

GPAN(パンポット)

入力した信号は、レベル調整およびイコライジングされた 後、このツマミに送られてきます。

ミックスダウン(30ページの〝ミックスダウン〞の項を参 昭) する場合には、このツマミで楽器の音像をLチャンネ ル、Rチャンネル間のどのあたりに定位させるのか、チャ ンネルごと(楽器ごと)に決めてください。ツマミを"L" 側に回すと音像は左の方へ、"R"側に回すと右の方へ移動 します。

なお、このツマミはピンポン録音の場合にも使用します。 (24ページの) ピンポン録音"の項を参照)

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ØAUXコントロール

本機には、AUX SENDジャック

・エフェクターを挿入する場合

エフェクトを必要とするチャンネルのAUXコントロール⑦のツマミを上げてください。そのとき、各チャンネル間のエフェクトバランスをとってくだ さい。なお、いろいろなチャンネルの信号がミックスされたエフェクト用の信号は、AUX MASTER SENDコントロール⑨→エフェクター→AUX RTNコントロール⑩と流れ、最終的にステレオミックスバスで生音とミックスされます。

演奏者またはミキサーマンの好みのモニター音になるよう、各チャンネル間(楽器用)のレベルバランスをAUXコントロール⑦のツマミで調整し、最終 的なモニターレベルは、AUX MASTER SENDコントロール⑨のツマミで調整してください。

③MASTERフェダー

各チャンネルの入力フェダーでレベル調整された生音と、AUX RTNコントロール⑪でレベル調整されたエフェクト音は、結果 的にステレオミックスバスでミキシングされてステレオの信号になりますが、このステレオ信号のレベルを最終的にこのツマ ミで調整してください。

つまり、ST OUTジャック個への出力レベル(ミックスダウン時の録音レベル)、ピンポン録音時の録音レベルは、このツマミ で調整します。

目盛*7″がツマミの規定位置です。

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④AUX MASTER SENDコントロール

各チャンネルのAUXコントロール♥によりレベル調整され ミキシングされたエフェクトまたはモニター用のAUX信号 を、最終的にレベル調整してAUX SENDジャック鄧へ出 力させるためのツマミです。

●AUX RTNコントロール

AUX RTNジャック のに接続したエフェクターやサブミキサーからの人力レベルを調整するためのツマミです。生音に対するエフェクト音のレベルをこのツマミで決めてください。

SYNCスイッチ

通常は"OFF"にしておき、本機とMIDI機器(シーケンサー、 リズムマシンなど)をシンクロ(同期)させる場合のみ"REC" または"PB"にします。シンクロにつきましては、リアパネ ルのSYNCジャック の説明および32ページの "シンクレ コーディング"の項をご覧ください。

POWERインジケーター

背面パネルのPOWERスイッチ働をONにすると、このイン ジケーターが点灯します。

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®RECORD SELECTスイッチ

録音する信号を選択するためのスイッチで、左側から順に、 トラック1、2、3、4と対応しています。 録音しない場合には"OFF"のポジションにしておき 録音 するトラックのスイッチのみ切り替えてください。 パネル表示の"L"はステレオのL信号、"R" はステレオのR 信号、"1""2""3""4"はそれぞれ入力チャンネル1,2,3,4,の 信号を意味しており。切り替えたポジションの信号をその トラックに録音できます。

  • ※2つ以上のチャンネルの信号をミキシングして1つのト ラックに録音する場合や、他のチャンネルの信号を録音 する場合は、"L"ポジションまたは"R"ポジションにし ます。たとえば、チャンネル5の信号をトラック3に録 音する時は、トラック3のRECORD SELECTスイッチ を*L″ポジションにします。また、録音しない場合は必 ずOFF、対応するトラックに録音する場合(たとえば、 チャンネル3の信号をチャンネル3に録音する場合)は、 *1″、*2″、*3″、*4″の各ポジションにします。
  • ※トラック1とトラック3にはステレオのL信号を録音す ることができ、トラック2とトラック4にはステレオの R信号を録音することができます。
IPRECインジケーター

次の3種類の表示で、レコーダーの状態を示します。

  • 消灯: そのトラックが、録音状態でないことを示します。
  • 点滅: そのトラックが、録音スタンバイ状態にあることを 示します。録音スタンバイ状態とは、RECボタン を押せばテープがスタートして録音が開始される状 態です。
  • 点灯 :そのトラックが、録音中または録音ポーズ状態にあ ることを示します。録音ポーズ状態とは、 PAUSE ボタン②を押すと録音が開始される状態です。
RFC(録音)ボタン

このボタンを押すと、PLAYボタン 録音状態となります。ただし、トラック1~4のRECORD SELECTスイッチのすべてが"OFF"の状態になっている 場合は、どのトラックにも録音されません。

※録音をする場合には、RECボタンを押した時のノイズが 録音されないように、PAUSEボタン Øを併用されるこ とをおすすめします。(PAUSE ボタンを押す。→RECボ タンを押す。→PAUSEボタンを押して録音を開始する)

⑥PLAY(再生)ボタン

このボタンを押すと再生状態になります。ただし、入力切 替スイッチ❶が"TAPE"のポジョンになっていないトラッ ックの音は、ステレオミックスバスに出力されません

⑦REW(巻き戻し)ボタン

テープを巻き戻すためのボタンです。再生中にこのボタン を押すと、巻き戻しをしながら再生音を聞くことができ、 曲の頭出しなどに便利です。

❶FF(早送り)ボタン

テープを早送りするためのボタンです。再生中にこのボタ ンを押すと、早送りをしながら再生音を聞くことができます。

①STOP(停止)ボタン

テープ走行を停止させるためのボタンです。

@PAUSEボタン

録音や再生を一時停止させるためのボタンで、もう一度押す と再びテープがスタートします。

@dbxスイッチ

カセットテープは、一般的にダイナミックレンジ (最大レ ベルと最小レベルの差)の大きな信号をうまく録音できな いといわれていますが、このdbxのスイッチを "ON"にして 録音すれば、ダイナミックレンジの大きな信号にも十分対 応できるようになり。テープ固有のヒスノイズも人間の耳 では感知できないレベルまで押し下げられます。 dbxを"ON"にして録音した場合には、再生時にも"ON"に してください。

@PITCHコントロール

録音および再生時のテープスピードを+10%~-10%の範 用で可変するためのツマミです。テープスピードを可変す るとピッチ (音程) も変化します。

ー 通常はツマミをセンターの位置にセットしておきますが、 オーバーダビング(録音済みの音を再生し、その音に合わ せて別の音を録音すること)をする場合、録音済みの楽器 の音とピッチが合わない場合、早弾きがスピードについて いけない場合、特殊効果をねらった録音をする場合などに 可変します。

- 般に、カセットテープレコーダーは4.8cm/秒でテープを 走行させますが、このスイッチにより、テープスピードを 倍の9.5cm/秒に切り替えることが可能です。9.5cm/秒に切 り替えると、周波数特性などの点で有利になります。ただ し、録音時間は半分になります。なお、録音時と再生時の スピードは同じにしてください。

※テープ走行中に、TAPE SPEEDスイッチを切り替えな いでください。

④テープカウンター

テープの走行量を示します。

ØRESETボタン

テープカウンターの値を*000″にするためのボタンです。 録音の始めや曲の始めに押しておくと、頭出しに便利です。

@ZERO STOPスイッチ

このスイッチを"ON"にして巻き戻しをすると、カウンター 値 *999″の位置でテープが停止します。多重録音では、一曲 を何度も巻き戻しして再生および録音するため この機能 は大変便利です。

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@ METER SELECTスイッチ

メーター/モニター部

ピークレベルメーター ® にレベル表示させる信号を選択す るためのスイッチです。

STポジション: ST OUTジャック (8)に出力される信号の レベルを表示させるためのポジションで、一番左のメ ーターがステレオ信号のLレベルを表示し、左から二 番目のメーターがステレオ信号のRのレベルを表示し ます。

ピンポン録音時やミックスダウン時には、このポジシ ョンにセットすると、録音レベルの監視に便利です。

4TRK ポジション : 各トラックのレベルを表示させるため のポジションで、一番左のメーターから順にトラック 1~4のレベルが表示されます。 再生中のトラックは再生レベルが表示され、録音中の トラックは録音レベルが表示されます。 オーバーダビング時には、このポジションにセットす ると、レベル監視に便利です。
④ピークレベルメーター

-20dB~+6dBを14ポイントのLEDで表示します。 録音時のレベルは、歪まない範囲でなるべく大きく設定す ると、ノイズが少なく、ダイナミックレンジも大きくとれ ます。設定は0dB以上のLEDが時々瞬間的に点灯するレ ベルを目安にしてください。

また、ステレオ信号のレベルを表示させている場合、0dB のLEDが点灯した瞬間は、ST OUTジャック ③に規定出 カレベルー10dB(50k Ω負荷)が出力されています。

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@PHONES SELECTスイッチ

正面パネルのPHONESジャック®にヘッドホンを接続してモニターする場合には、このスイッチでモニターする信号を選択し ます。ヘッドホンの音量はPHONESコントロール®で調整してください。

STEREOポジション:ST OUTジャック働に出力される信号をモニターするためのポジションで、ヘッドホンの左側のスピ ーカーからはステレオLの信号が、右側のスピーカーからはステレオRの信号が聴こえます。

ビンポン録音時やミックスダウン時には、このポジションにセットすると、各楽器の信号をミキシングした音をモニター でき便利です。

MONITORポジション:各トラックの信号をモニターするためのポジションで、再生中のトラックの音と録音中のトラックの音を自由にミキシングしてモニターすることができます。

MONITORコントロール⑪で、各トラックのレベルを決めてください。オーバーダビング時には、このポジションにセット すると、演奏者が演奏しやすいモニター音をつくれるため便利です。

MIX ポジション: "STEREO" ポジションにセットした場 合にモニターできる信号と、 "MONITOR" ポジション にセットした場合にモニターできる信号の両方を、同 時にモニターできるポジションです。

パンチイン/パンチアウト時には、このポジションに セットすると、次のようなモニターができ便利です。 (26ページの`パンチイン/パンチアウト″の項も参照)

たとえば、ある楽器の演奏を次のように途中でミスした場合

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MONITOR コントロール

PHONES SELECTスイッチ @を * MONITOR " ポジシ ョンにセットした場合には、モニターしやすいレベルバラ ンスになるように、このツマミで各トラックのレベルを調 整してください。

ミックスダウンする時と同じレベルバランスでオーバーダ ビングしたり、新たにオーバーダビングする音を少し大き くするなど、自由にレベル調整できます。

③PHONESコントロール

ヘッドホンのモニター音の音量を調整するためのツマミで す。

正面パネル

⑫入力ジャック

各チャンネルの入力端子で、電気楽器や電子楽器を接続で きます。チャンネル1、2は、マイクロホンも接続できます。 なお、エレキギターを接続する場合には、エレキギター専 用のプリアンプなどでレベルを持ち上げてから入力すると、 優れた音で録音できます。

③PHONESジャック

ヘッドホンを接続することによりヘッドホンモニターが可 能になります。8Q~40Qのヘッドホンをご使用ください。

GPUNCH IN/OUTジャック

この端子に別売のフットスイッチFS-1を接続すると、足も とでパンチイン/パンチアウトの切替操作が可能になりま す。

背面パネル

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OPOWERスイッチ

電源スイッチです。電源をON/OFFにする時は、入力フェ ダー④やAUX RTNコントロール●を"0"にしてください。

SYNC IN/SYNC OUTジャック

本機とMIDI機器をシンクロさせる場合に使用する端子です。 本機専用のMIDIコンバーターYMC2(別売)を使わずに、 MIDIコンバーターYMC10を使ってシンクロさせる場合に は、YMC10をこれらの端子とMIDI機器の間に挿入してく ださい。

TAPE OUTジャック

各トラックの音が、そのまま出力される端子です。再生中 のトラックは再生中の信号が出力され、録音中のトラック は録音中の信号が出力されます。

出力レベルの調整はできませんので、接続した機器側で入 カレベルの調整をしてください。

この端子は、次のような場合に便用します。

  • ●もう一台の4トラックレコーダーを接続して、本機で録 音した4トラックの音をそのレコーダーにダビングする。
  • ●外部ミキサーを接続して、ミックスダウンする。
③ST OUTジャック

各チャンネル(および各トラック)の信号がミキシングされ、 結果的にステレオ信号となった信号はこの端子から出力さ れます。この端子は、本来ミックスダウン用に、ステレオ カセットデッキを接続するための端子ですが、次のような 利用のしかたもあります。

  • ●本機をサブミキサーとして使い、メインミキサーへの出力端子として使用する。
  • アンプ内蔵のモニタースピーカーなどを接続して、モニ ターを行なう。
④AUX SENDジャック

AUX 出力用にミキシングされた信号が出力されます。エフェクターへの出力端子として使用します。また、この端子もモニター用の出力端子として使用することができます。

AUX RTNジャック

エフェクターからの出力信号を入力するための端子です。 また、チャンネル増設用の外部ミキサーでミキシングした 信号を、この端子から入力することもできます。 なお、片方の端子にのみプラグを差し込んだ場合、L,R両 チャンネルに同じ信号が送られます。

④YMC2コネクター

本機専用のMIDIコンバーターYMC 2 (別売) を接続するための端子です。

MIDIコンバーターには、YMC2とYMC10の2種類があり ますが、YMC2を使用すると、YMC2を本機に固定できる だけでなく、YMC2の電源は本機内部から供給されるため、 大変便利です。

YMC2の固定方法は、次のとおりです。

YMC2の固定方法

①本機のPOWERスイッチをOFFにします。

  • ②本機のYMC2コネクターとYMC2のコネクターを合わせて、セットします。
  • ③YMC2の固定ネジを、"-"ドライバーまたはコインで締めて、固定します。

※YMC2とYMC10の両方を接続した場合は、YMC2のみ 使用可能になります。

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接続例

■多重録音の際の基本接続

■ミニコンサートのPA用に使用する場合

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カセットテープについて

本機は、クロームテープ専用レコーダーです。フェリクロー ムテープ対応になっておりません。テープはCrO2 テープ (BIAS:HIGH EQ:70µs)をご使用ください。またC-120の テープは、ちょっとしたご使用上の不注意で機械的・電気的 トラブルの原因となるおそれがありますので、ご使用になら ないでください。

●録音内容の保存

カセットテープには、大切な録音をあやまって消さないよ うに消去防止用の穴があります。録音後、この穴のツメを ドライバーなどで取り去ると重ねて録音できませんから、 録音済みの内容をいつまでも保存することができます。4 トラック録音したテープはAB両面のツメをおり、ステレ オ録音したテープは録音した面のツメをおってください。 ツメをおったテープに再び録音したい場合は、穴をセロハ ンテープなどでふさいでください。

●録音内容の保存

●ツメをおったテープで 録音する場合

●他のカセットレコーダーで録音したテープを再生する場合

ノーマルポジションのカセットテープを再生する場合や、 ドルビーBNRで録音されたテープを本機で再生する場合に は次のように操作してください。

1)ノーマルテープを再生する場合

イコライザーのHI(HIGH)のツマミを*+n側にスライドさせ、 高域を少し強調させます。

2)ドルビーB NRで録音されたテープを再生する場合

dbxスイッチを"OFF"にすると共に、HIのツマミを"-"側 にスライドさせ、高域を少し減衰させます。

●テープスピードは

本機は、ノーマル(4.8cm/秒)/倍速(9.5cm/秒)のどちらかの テープスピードを選択できます。状況に応じてお選びください。

なお、再生時のテープスピードは、録音した時のテープスピ ードと同じにしてください。

※一般のカセットテープレコーダーは、4.8cm/秒で録音され ます。

●ご注意ください

あなたが本機で録音したものは個人として楽しむなどのほか は著作権上、権利者に無断で使用できません。

●テープのたるみを直す

テープがとび出したり、たるんだままご使用になりますと、 キャプスタンやピンチローラーにテープがからみついたりす る原因となります。テープのたるみを直すには、鉛筆やボー ルペンをカセットハーフのリール軸に差し込んで巻き取り、 テープのたるみを直してください。

●カセットテープの保管は

テープがたるまないようにストッパーをつけるか、市販のカ セットケースに入れ、直射日光、湿気、高温および磁気のあ るところ(テレビやスピーカーの近く)には置かないでくださ い。高温や湿気はテープをいため、磁気は録音内容を消して しまいます。

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多重録音の方法

多重録音を行なうには、各部のツマミやスイッチ、コネクタ ーなどの役割をはっきりと理解しておかなければなりません。 そのためには、"各部の名称と働き"の項をお読みいただくだ けでなく、35ページの"ブロックダイアグラム"をご覧になり、 信号の経路を頭に入れておきたいものです。ブロックダイア グラムは、一見むずかしそうに見えますが、じっくりと時間 をかけてみるとそうでないことに気づくはずです。なお、ブ ロックダイアグラムのツマミ、スイッチ、コネクターには番 号が付けられていますが、これは"各部の名称と働き"の説明 番号と一致しています。

■多重録音の手順(例)

多重録音は一般的にリズムセクションの録音から始め、オ ーバーダビングやピンポン録音を繰り返しながら、各トラ ックに各パートの音を入れてゆき、出来上がったテープを 最後にミックスダウンして、ステレオのマスターテープに任 上げます。

録音手順の例

  • ①ドラムスをトラック1に録音 ②ベースギターをトラック2に録音
  • ③リズムギターをトラック3に録音
  • ③リスムキターをトラック3に録音
  • ④トラック1~3をトラック4にピンポン録音(トラック1~3の音は不要になる)
  • ⑤キーボードをトラック3に録音
  • ⑥リードギターをトラック2に録音
  • ⑦ボーカルをトラック1に録音
  • ⑧トラック1~4をステレオにミックスダウン

■録音を始める前に
録音レベル

優れた音で録音するためには、録音レベルを適正な値にセットするのが第一条件です。レベルが低ければノイズが目 立ち、レベルが高ければ音が歪んでしまいます。つまり、 歪まない範囲でなるべく大きく録音すればよいわけです。 本機は、各トラックのレベルやステレオ信号のレベルをピ ーク値で示すレベルメーターを装備しています。録音レベ ルはこのメーターと聴感をたよりにセットしてください。 なお、人間の耳は短い時間の歪みは検知しにくいものです。 レベルメーターが一瞬だけ振り切れても、それほど問題で はありません。しかし、メーターが振り切れっぱなしとい う場合、話は別です。

また、低音域よりも高音域の歪みの方が目立ちやすいということも覚えておいてください。

テープスピード

優れた音質の確保に直接つながるテープスヒードは、でき る限り9.5cm/秒にしたいものです。

dbxシステム

ダイナミックレンジを確保すると共に、ノイズを低減させるため、dbxシステムはONされることをおすすめします。

定位

最初から音像定位を考えて多重録音を進めることが大切で す。なお、凝った定位にするほど、ピンポン録音やミック スダウンの回数が増えることになり、ノイズを招く結果に なります。

音像定位の例としては、バスドラムやスネアドラムをセン ターに定位させ、ハイハット、タム類でステレオ感を出し たり、ベースなど重量感のあるものはセンターに、バッキ ングパートの楽器はキーボードが左ならギターは右に、ソ ロ楽器も左右に振るといった方法や、ソロ楽器の音をステ レオ出力のディレイマシンで、遅延させた音を左、ダイレ クト音を右にするなど、様々な方法が考えられます。

イコライザー/エフェクト処理

イコライザーやエフェクトの処理は、収録時やピンポン録 音時、ミックスダウン時といろいろな時点での処理が考え られます。

多重録音では、イコライジングやエフェクト処理はどの時 点でしなければならないという決まりはなく、それぞれに 長所や短所があります。

一般的には収録時はドライで録音し、ミックスダウン時に エフェクトや音づくり(EQ)をしますが、使用できるエフェ クターの数やピンポン録音、オーバーダビングを考え、収 録時に処理する方がよいでしょう。

モニター

本機には、録音信号が流れる径路とは別にモニター回路が 独立して装備されているため、実際に録音されるレベルバ ランスとは別に演奏者が演奏しやすいモニター音を、ヘッド ホンで聴くことができます。この場合、PHONES SELECT スイッチを MONITOR ポジションにすると共に、各トラ ックのレベルをMONITOR LEVELコントロールで調整し てください。

ただし、ST OUTジャックやAUX SENDジャックにアン プ内蔵のスピーカー等を接続してモニターすると、上記の ように録音する音とは別のモニターは不可能になったり、 エフェクターが使えなくなったりします。

また、ライン録りで録音する場合には問題ありませんが、 マイク録音する場合には、ヘッドホンでモニターされるこ とをおすすめします。マイク録音時にスピーカーから出て くる音でモニターしていたのでは、当然のことながらマイ クにモニター音が入ってしまいますし、発振(ハウリング) を起こすこともあります。

マイク録音

チャンネル1、2は、マイクロホンを直接接続することがで きます。多重録音の手順を決める際、この点も考慮してく ださい。

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■多重録音

レコーディングプラン

多重録音をする場合には、まず始めにレコーディングのプ ランを立てることが大切です。プランを立てずに録音をす ると、空トラックやエフェクターが足りなくなったり、音 像定位に制限ができたりして、結果的にピンポン録音やミ ックスダウンの回数を増やすことになります。ピンポン録 音やミックスダウンを何度も行なえば、理論的にはいくつ ものパートを無限に重ねることができるわけですが、回数 が増えるほどノイズが増えたり音質が劣化していきます。 いずれの場合も、音の移動は1、2回にとどめておく方が 無難です。録音をする前には、どんな編成で、どの順に録 音してゆき、最終的にどのような形にするのかを決めてく ださい。

なお、この項で紹介する録音例のプロセスは15ページに示 したものと同じです。

ドラムスの録音

ドラムスの音をトラック1に録音します。最近ではドラム マシンやリズムマシンと呼ばれる便利な製品が多数発売さ れており、YAMAHAからもRXシリーズ・デジタルリズムプ ログラマーなどが発売されています。ここでは、ステレオ 出力のリズムマシンを接続する場合を図に示しますが、リ ズムマシンのL端子をチャンネル1に、R端子をチャンネ ル2に接続し、両端子からの信号をミックスしてトラック 1に録音することにします。

この時、デジタルサウンドプロセッサーSPX90やデジタル リバーブREV7を使って、軽くディレイやリバーブをかけ るのもいいでしょう。

SPX90やREV7には、リバーブだけでなく、初期反射音や エコー、ディレイ関係のプログラム、ゲートリバーブやキ ック用のプログラムまであり、曲に合ったプログラムを自 由に選択できます。

──ドラムス録音時の信号経路──

メーター表示用信号 モニター信号

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ドラムス録音の手順-

(手順1~5, 7~13説明図)

1)接続

①ACコードのプラグを、AC100Vコンセントに接続します。 ②リズムマシンを入力ジャック1、2へ接続します。

  • ③モニター川のヘッドホン(8Ω~40Ω)を、PHONESジャ ックへ接続します。
  • ④エフェクターを使用する場合には、AUX SENDジャッ クとAUX RTNジャック間に接続します。
2)準備

⑤カセット蓋を手で開き、クロームテープ(BIAS: HIGH EQ:70//s)をセットします。

  • ⑥ツマミやスイッチを、すべてノーマルの状態に戻します。 4~9ページのコントロールパネル図をご覧になり、ノーマルの状態にしてください。
  • ⑦リズムマシンのスイッチ、エフェクターの電源スイッチ、 CMXIIの電源スイッチを順にONにします。→POWER インジケーター点灯。
3) レコーダー部のセット

  • ⑧RESETボタンを押して、カウンターの表示を*000" にします。
  • ⑨ZERO STOPスイッチを "ON"にします。
  • ①dbxスイッチを "ON"にします。
  • ①TAPE SPEEDスイッチをセットします。9.5cm/秒のホ ジションにされることをおすすめします。
  • ⑫RECORD SELECTスイッチの1を "L" ポジションに セットします。(トラック1にステレオL信号を録音する ため) → RECインジケーター点滅。
  • ①PAUSEボタンを押した後、録音ボタンを押して録音ボ ーズ状態にします。→→RECインジケーター点灯。
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(手順14~22説明図)

4) モニター部およびメーター部のセット

  • (DPHONES SELECTスイッチを"STEREO"ポジション にセットします。
  • (BPHONESコントロールのツマミを日盛7付近にセットします。
  • 16METER SELECTスイッチが*4 TRKnポジションになっていることを確認します。
5)入力レベルの調整

  • ①チャンネル1と2の入力切替スイッチを、"MIC/LINE" ポジションにセットします。
  • 18MASTERフェダーを目盛"7"にセットします。
  • ⑪チャンネル1と2のパンボットのツマミが、センターまたは"L"側になっていることを確認します。
    • この範囲なら よい -----------------------------------

  • 20チャンネル1と2のゲインコントロールを、"LINE"の位置にします。
  • ④チャンネル1と2の入力フェダーを、目盛"7"にセットします。
  • 20リズムマシンをスタートさせ、一番左のレベルメーターの*+3 / 付近のLEDがピーク時に一瞬だけ点灯するように、リズムマシンの出力ボリュームを調整します。
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6)レベルバランスと音質調整

23チャンネルフェダー1、2を操作して、録音レベルのバラ ンスを決めます。録音レベルを確認しながら設定してく ださい。

  • (24)イコライザーツマミをチャンネル1、2の順に操作して、 -録音の音質を決めます。(後でピンポン録音することを考 慮して、HIGH EQを少しブーストさせる。)
  • 25AUXコントロール1、2でエフェクトレベルのバランス を決め、AUX MASTER SENDコントロールで全体の 送り出しレベル、AUX RTNコントロールでエフェクト 信号の入力レベルを決めます。
  • 26必要に応じ、23~25の操作を繰り返します。
  • 27MASTERフェダーで録音レベルを調整します。 一番左 のレベルメーターの*+3"付近のLEDが、ピーク時に一 瞬だけ点灯する位置にセットしてください。
7)録音

  • 28 PAUSE ボタンを押して一時停止を解除すると共に、リ ズムマシンをスタートさせて、録音を開始します。なお、 1小節日の頭の前には、必ずカウント音を入れておくよ うにします。この音を入れておかないと、オーバーダビ ングの時に1小節目の1拍目のタイミングがわからなく なってしまいます。
  • (29)演奏が終わったら、STOP ボタンを押して録音を終了さ せ、巻き戻しボタンを押してテープを巻き戻します。 →カウンター表示 "999″、つまり曲の頭の手前で 停止します。

――ドラムスの録音完了――

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③録音時と同じポジションに VAMAHA - - - - - - - - 35 再生ボタンを押してトラック1を 確認したら、巻き戻しをする。 ③ 録音時と同じように"ON"

③ *4 TRK "ポジションを確認

(手順31~35説明図)

8) 録音後の確認

  • 30ツマミやスイッチ類を、すべてノーマルの状態に戻しま す。
  • ③dbxスイッチを録音時と同じように"ON"にします。
  • ③TAPE SPEEDスイッチを、録音時と同じポジションに します。
  • ③PHONESセレクトスイッチを "MONITOR" ポジション にセットすると共に、MONITOR LEVELコントロール 1のツマミを目盛7付近、PHONESコントロールのツマ ミも日盛7付近にセットします。
  • ③METER SELECTスイッチが、"4 TRK"ポジションに なっていることを確認します。
  • ③再生ボタンを押して、トラック1に録音した音をヘッド ホン、および1番左のレベルメーターでチェックします。 問題がなければ、テープを巻き戻すと共に、ツマミやス イッチをノーマルの状態に戻し、次のステップである *ベースギターの録音"に備えます。
    • もし、何らかの問題がある場合には、もう一度録音をや り直すか、ミスした部分だけパンチイン/パンチアウトの テクニックを使って修正します。(26ページの"パンチイ ン/パンチアウト"の項を参照。)
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ベースギターの録音…オーバーダビング

すでに録音済のトラック音にあわせて演奏し、新しい楽器の 音を別のトラックに録音することをオーバーダビングといい ます。この方法であれば、1人でいくつもの楽器を演奏でき るため、1人でもバンド演奏のような録音が可能なわけです。

さて、ここでは先程トラック1に録音したドラムスの音に合わせて、ベースギターをトラック2に録音します。

エレキベースの録音には大きく分けて、ベースアンプの前に マイクを立てて録音する方法と、ベースアンプのラインレベ ルの出力端子などからライン録りする方法の2種類の方法が あります。

クリアーに録音することを狙うのなら、やはりライン録りで しょう。なお楽器用のエフェクターを使う場合は、エフェク ターの最終段にノイズゲートを配したいものです。これは電 気楽器全般に共通して言えることです。

コンプ/リミッターGC2020Bを使用するのも1つのアイデアで す。コンプレッサーとリミッターの機能に加え、ノイズゲー トの機能もありますから非常に便利です。

録音

⊻∧∏⊲⊡≣

STEREO

入力~録音信号 METER SELECT メーター表示用信号 モニター信号 TRK REC/PLAN PLAY , dbx OFF Й MONITOR 2 MONITOR I dbx O REC

──ベースギター録音時の信号経路──

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-ベースギター録音の手順---

  • 1)接続
    • ①入力ジャック2へ次のように接続します。なお、GC2020B を使用する場合には、ベースアンプと入力ジャック2の 間に插入します。

(2)モニター用のヘッドホンを接続します。(ミックスダウン 時までモニタースピーカーを使用せずに、ヘッドホンで モニターします。以後手順から省きます。)

2) レコーダー部のセット

③テープがカウント表示 *999″ まで巻き戻されていること を確認します。(以後手順から省きます。)

  • ④ZERO STOPスイッチを再び"ON"にします。(ミック スダウン時まで"ON"の状態で使用します。以後手順から 省きます。)
  • ⑤dbxスイッチを再び"ON"にします。 (ミックスダウン時 まで"ON"の状態で使用します。以後手順から省きます。)
  • ⑥TAPE SPEEDスイッチを"ドラムス録音"の際と同じポ ジションにします。(ミックスダウン時まで同じ状態にし ておきます。以後手順から省きます。)
  • ⑦RECORD SELECTスイッチの2を*2″ポジションに セットします。

(入力ジャック2に接続したベースギターの音をトラック 2に録音するため) —→RECインジケーター点滅。

(8)PAUSEボタンを押した後 録音ボタンを押して録音ポ ーズ状態にします。——→RECインジケーター点灯。

3) モニター部およびメーター部のセット

  • (9)PHONES SELECTスイッチを "MONITOR" ポジショ ンにセットします。
  • ⑩MONITOR コントロール 1、2を日盛7付近にセットし ます。
  • ①PHONESコントロールのツマミを目盛7付近にセットし ます。
  • ①METER SELECTスイッチが"4 TRK"ポジションにな っていることを確認します。
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4) 入力レベルの調整

. ①3入力切替スイッチ2を "MIC/LINE" ポジションにセット します。

⑪ゲインコントロール2を、"LINE"の位置にします。 (⑤入力フェダー2を、日盛*7″にセットします。

(Î)ベースギターの演奏を始め、左から2番目のレベルメー ターの、+3″付近のLEDが、ピーク時に一瞬だけ点灯す るように、ベースアンプまたはGC2020Bの出力ボリュー

ムを調整します。
5)音質および録音レベルの調整

  • 印チャンネル2のイコライザーツマミを操作して、録音の 音暫を決めます。(後でピンポン録音することを考慮して、 HIGH EQを少しブーストさせる。)
  • (限入力フェダー2で録音レベルを設定します。左から2番 日のメーターを見ながら調整してください。
6)モニター音の調整

19PAUSEボタンを押して一時停止を解除しテープをスタ ートさせ、ドラムスとベースギターのモニター音の音量 バランスを設定します。必要に応じて、PHONESコント ロールのツマミで全体の音量を調整します。(この操作を 行なうと、トラック2にベースギターの音が録音されま

20モニター音の調整が済んだら、テープを巻き戻し、再び 録音ポーズ状態にします。

7)録音

②PAUSEボタンを押して録音を開始します。ドラムスの 音に合わせて演奏してください。 ② 演奏が終わったら、テープを巻き戻します。

――ベースギターの録音完了―

8)録音後の確認

(2)再生ボタンを押すだけで、録音後の確認ができます。 (3)ツマミやスイッチ類をノーマルの状態に戻すと共に、テ ープを巻き戻し、次のステップである、リズムギターの録 音″に備えます。

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·

トラック2

トラック3

トラック4

リズムギターの録音

トラック1、2に録音したドラムスとベースギターの音に合わ せて、リズムギターをトラック3に録音します。 録音の要領は、ベースギターの録音の時と同様です。 なお、楽器用のエフェクターは入力ジャックの手前に接続し てください。

ピンポン録音

トラック1~3にリズム体となる3種類のパートを録音した 結果、空トラックはトラック4だけになりました。まだ録音 したいパートが3種類あります。このような場合にピンポン 録音というテクニックを使います。

ピンポン録音とは、すでに録音済の2つまたは3つのトラックを再生し、これをミキシングして空トラックへ移動することです。

ピンポン録音の後、必要のなくなった元のトラックには新し いパートを録音できます。

またピンポン録音の際、新しいパートの音を加えながら録音 することも可能です。

ピンポン録音は空トラックがある限り何回でも可能ですが、 ピンポン録音を繰り返すうちに音質の劣化やノイズの増加を 招くことになります。ピンポン録音は、1回か2回までにと どめておいた方が安全です。

では、ピンポン録音をしましょう。

ベースギター

※ここでは、トラック1~3の信号をまとめてトラック4に録音するわけですが、これをするには、入力切替スイッチ1~3をTAPEポジションにしてください。また、下の図からもわかるように、信号はパンポットを通ってR側に流れますので、パンポットはセンターまたはR側になっていなければなりません。

──ピンポン録音時の信号経路──

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――ピンポン録音の手順―

  • 1) レコーダー部のセット
  • ①RECORD SELECTスイッチの4を*Rnポジションにセットします。(ドラムス、ベースギター、リズムギターの音をステレオミックスバスRでミキシングし、それをトラック4に録音するため) →→RECインジケーター点滅。 ②PAUSEボタンを押した後、録音ボタンを押して録音ポーズ状態にします。→RECインジケーター点灯。
2) モニター部およびメーター部のセット

  • ③PHONESセレクトスイッチを"MONITOR" ポジション にセットします。(トラック4に録音される音をモニター するため。)
  • ④MONITORコントロール4を目盛7付近にセットします。 ⑤PHONESコントロールのツマミを目盛7付近にセットします。
  • ⑥METER SELECTスイッチが"4 TRK" ポジションに なっていることを確認します。
3)レベルバランスと音質調整

  • ⑦入力切替スイッチ1~3を"TAPE"ポジションにセットします。
  • ⑧PAUSEボタンを押して一時停止を解除し、テープをス タートさせます。

  • ⑨入力フェダー1~3でレベルバランス、MASTER フェ ダーで録音レベルを設定します。(一番右のレベルメータ へを見ながら行なう。)
  • ①イコライザーツマミをチャンネル1~3の順に操作して、 録音の音質を決めます。(ピンポン録音をしてしまった後 では、楽器ごとに音質の調整はできない。) ①必要に応じ、⑨⑩の操作を繰り返します。 ①テープを巻き戻し、再び録音ポーズ状態にします。
4)绿杏

①PAUSEボタンを押して、ピンポン録音を開始します。 ④ピンポン録音が終わったら、テープを巻き戻します。

― ピンポン録音終了-

5)録音後の確認

19再生ボタンを押すだけで、録音後の確認ができます。 19ツマミやスイッチ類をノーマルの状態に戻すと共に、テープを巻き戻し、次のステップである *キーボードの録音"に備えます。

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キーボードの録音…オーバーダビング

再びオーバーダビングをします。ピンポン録音をして不用に なったトラック3のリズムギター音の替わりに、キーボード を録音します。

リードギターの録音…オーバーダビング

同様にリードギターをトラック2に録音します。 キーボードおよびリードギターの音は、ミックスダウンのと きにPAN(パンポット)を使ってL、Rに振り分ける予定です。 なお、ディレイやコーラス音をミックスダウンのときにステ レオで付加する場合話は別ですが、ディストーションやコン プレッサーなど、モノラルで付加する場合にはこの時点で処 理しておきましょう。

ボーカルの録音…オーバーダビング

ボーカルをトラック1に録音します。ボーカルの録音時には、 ドラムスの録音と同様に必ずヘッドホンでモニターします。 なお、ボーカル録音には特にコンプ/リミッターを使用した いものです。コンプ/リミッターをお使いになりますと、声 に張りをもたせることができ、録音レベルも安定します。コ ンプ/リミッターGC2020Bなどをご使用ください。

パンチイン/パンチアウト

ここでパンチイン/パンチアウトというテクニックをご紹介 しましょう。パンチイン/パンチアウトは、演奏のある1部 のみ修正したい場合などに使われるテクニックです。

全トラックを再生状態にして録音ボタンを押してテープをス タートさせ、修正部分の頭でパンチイン(修正するトラックの RECORD SELECTスイッチを、録音ポジションにして新 録音)、修正部分の終わりでパンチアウト(RECORD SELE-CTスイッチを*OFF″ポジションに戻して完了)します。 こ のテクニックを使えば、ボーカルトラックの間奏部分に後で リードソロなどをインサートすることも可能です。ただしパ ンチイン/パンチアウトには、ある程度のブランク(音の切 れ目)が必要です。

※CMX IIでは別売のフットスイッチ(FS-1)を使用すれば、 演奏をしながらRECORD SELECT スイッチを切り替え なくても、あらかじめ修正したいトラックの RECORD SELECTスイッチをセットしておき、足元でパンチイン/ パンチアウトの操作が行なえます。

では、パンチイン/パンチアウトの操作方法として、トラッ ク1に録音済みのボーカルの一部のみ修正する場合を例に掲 げ説明しましょう。

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―パンチイン/パンチアウトの手順―

1)接続

  • ①入力ジャック1へボーカル新録音用のマイクを接続します。
  • ②フットスイッチFS-1を使用する場合には、PUNCH IN /OUTジャックに接続します。

2)レコーダー部のセット

  • ③フットスイッチFS-1を接続した場合には、RECORD SELECTスイッチ1を*1"ポジションにしておきます。 →RECインジケーター点滅。
  • ④PAUSEボタンを押した後、録音ボタンを押します。 →→→(FS-1を接続した場合には、ここで録音ポーズ状
  • 態になり、RECインジケーターが点灯する。)
  • (5)FS-1を接続した場合には、RECインジケーターが点滅 状態になるように、FS-1のスイッチをセットします。
3) モニター部およびメーター部のセット

  • ⑥PHONES SELECTスイッチを"MIX" ポジションにセットします。(パンチイン/パンチアウト時には、このポジションにセットしないと、トラック1~4の音と新録音する音を同時にモニターできない。)
  • ⑦MONITOR コントロールツマミ1を目盛7付近にセット します。
  • ⑧PHONESコントロールのツマミを目盛7付近にセットします。
  • ⑨METER SELECTスイッチを*4 TRKnポジションにセットします。
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4)入力感度の調整

  • ⑪入力切替スイッチ1を"MIC/LINE"ポジションにセット します。
  • ①入力フェダー1およびMASTERフェダーを目盛*7に セットします。
  • ①ゲインコントロール1を"MIC"方向にスライドさせてゆき、一番左のレベルメーターの"+3"付近のLEDがピーク時に一瞬だけ点灯する位置で固定します。(前にボーカル録音した時と同じ位置でよい。)
5)音質および録音レベルの調整

  • ①チャンネル1のイコライザーツマミを操作して、録音の 音質を決めます。(前にボーカル録音した時と同じ位置で よい。)
  • ④イコライザー調整した場合は、録音レベルを設定する。(前にボーカル録音した時と同じ位置でよい。)
6)録音

15PAUSEボタンを押してテープをスタートさせます。

⑥修正部分の頭がきたら、パンチインします。 :FS-1のスイッチを踏んて FS-1を接続した場合 RECインジケーターを点 FS-1を接続していない場合:RECORD SELECTスイ ッチ1を*1″ポジションに する。 ①修正部分の終わりがきたら、パンチアウトします。 FS-1を接続した場合 :FS-1のスイッチを踏んで RECインジケーターを 点 滅させる。 FS-1を接続していない場合 :RECORD SELECTスイ ッチ1を*0FFポジショ ンに戻す。 (18テープを巻き戻します。 ――パンチイン /パンチアウト完了―

7)録音後の確認

  • 19再生ボタンを押すだけで、録音後の確認ができます。パンチインおよびパンチアウトした部分のつながり具合をチェックしてください。
  • ⑩ツマミやスイッチ類をノーマルの状態に戻すと共に、テ ープを巻き戻し、次のステップである、ミックスダウン" に備えます。
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ミックスダウン(トラックダウン)

-------------------------------------

さて、いよいよミックスダウンです。ミックスダウンはトラ ックダウンとも呼ばれ、多重録音を終えた各トラックの音を 最終的にミキシングして、ステレオやモノラルの音にする作 業です。

トラック間のレベルバランスや、ステレオ定位、エフェクト 処理などをして、最終的なマスターテープをつくってください。

ここでは、次のように各楽器を定位させます。また、ボーカ ルにはデジタルサウンドプロセッサーSPX90などで、軽くり バーブをかけてみます。

※ミックスダウンの際、空チャンネルであるチャンネル5、6 を使い、新しいソースも含めたミックスダウンも可能です。

30

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(手順①~10、12説明図)

(手順①~① ①説明図)
1)接続

  • ①ST OUTジャックにミックスダウン用のステレオテープ デッキを接続して、カセットテープをセットしておきま す
  • ②AUX SENDジャックとAUX RTN ジャック間にデジタ ルサウンドプロセッサーSPX 90などを接続します。
2) モニター部およびメーター部のセット

--------------------------------------

  • ③PHONES SELECTスイッチを STEREO ポジション にセットします。(ミックスダウンされる音をモニターす
  • ④PHONESコントロールのツマミを目盛7付近にセットし
  • (5)METER SELECTスイッチを*ST″ ポジションにセッ トします。(ミックスダウンされる信号のレベルを監視す るため。)
3)音質およびレベルバランスの調整

  • ⑥入力切替スイッチ1~4を、すべて"TAPE"ポジション にセットします。
  • ⑦再生ボタンを押してテープをスタートさせ、トラック間 のレベルバランスを調整します。MASTER フェダーを 日盛*7″まで上げ、チャンネルフェダー1~4でレベル バランスを設定します。

(8)チャンネル1~4のイコライザーツマミで、各トラック の最終的な音質を決めます。

  • (⑨ボーカルトラック(トラック1)のエフェクトを設定しま す。AUXコントロール1、AUX MASTER SENDコン トロール、AUX RTNコントロールの各ツマミで設定し ます。
  • (1) PAN (パンポット) 1~4で、各トラック(各楽器の音像) の定位を決めます。
  • ①必要に応じ、⑦~⑨の操作を繰り返します。
  • ①レベルメーター1、2を見ながらMASTERフェダーで ST OUTジャックへの出力レベルを設定します。
  • (13ステレオテープデッキのレベルメーターを見ながら、ス テレオテープデッキの録音ボリュームで録音レベルを調 整します。
  • (4)テープを巻き戻します。
4) 録音

  • 15CMXIIの再生ボタンを押すと共に、ステレオテープデッ キ側を録音スタートさせます。
  • 16録音が終了したら、ミックスダウンしたテープを再生し て聴いてみましょう。うまくミックスダウンできたらそ れをストックしておきます。何度もミックスダウンを行 ない、最も仕上りの良いテープをマスターテープにしま
    • ミックスダウン完了----
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シンクレコーディング

MIDI機器どうしのシンクロ(同期)演奏が可能なように、本機 専用のMIDIコンバーターYMC2(別売)またはMIDIコンバー ターYMC10を使用することで、RXシリーズ・デジタルリズム プログラマーやQXシリーズ・デジタルシーケンスレコーダー 等のMIDI機器を、シンクロ演奏させることが可能です。 この項では、このシンクロ演奏のテクニックを使ったシンク レコーディングの方法を紹介します。

●シンクレコーディングのメリット

シンクレコーディングでは、リズムプログラマーやシーケ ンサーなどのデジタルソースを、ミックスダウンの時点で はじめてミキシングします。このため、マスターテープに ダイレクトに録音することになりますから、デジタル機器 の大きな魅力であるダイナミックレンジや、優れたS/N比 を確保できます。

● テープシンクさせるためには

テープシンクを行なうためには、MIDI同期信号を、FSK (Frequency Shift Keying)という信号に変換してやらな ければなりません。なぜなら、MIDIで1秒間に送られる 最大転送情報は31.25kボーと超ハイスピードです。このた め、そのままではアナログ機器が対応できません。そこで MIDIコンバーターを使ってMIDI同期信号を、アナログ機 器が対応可能なFSK信号に変換してやるわけです。

●リズムプログラマーを使ったシンクレコーディングの例

①サウンドの基盤となるリズムを、リズムプログラマー RX17などにインプットします。 ②RX17を次のように接続します。

③CMXIIを録音ポーズ状態にした後、CMXIIコントロール パネルのSYNCスイッチを"REC"にします。この状態で PAUSEボタンを押してテープをスタートさせると共に、 RX17をプレイバックさせます。

すると、RX17から出力されたMIDI同期信号がMIDIコン バーターでFSK信号に変換され、 CMXIIのトラック4 に記録されます。

④トラック4に記録されたFSK信号で、RX17を同期させる ために、次のように接続します。

⑤SYNCスイッチを"PB"にして再生ボタンを押すと、トラ ック4に記録されたFSK信号が出力されて MIDI コンバ ーターに入り、最終的に MIDI コンバーターで MIDI 同期 信号に変換されて RX17に入ります。このため、 RX17が CMXII のトラック4に同期して、動作するようになりま す。(この時、 RX17のSYNCの設定を"MIDI"にセットする ことを忘れないでください。)そこで、トラック1~3に オーバーダビングをします。

⑥ミックスダウンを行なうため、次のように接続します。

⑦テープをスタートさせ、トラック1~3の音と入力ジャック5、6からのドラムスの音を、ステレオテープデッキにミックスダウンします。

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ビデオテープのサウンドトラック編集

ビデオカメラで録画した映像とマイクで収録した音だけでは、 もの足りなさを感じることがあります。こんな時には、CMX IIを使ってビデオテープのサウンドトラックを編集してみま しょう。きっと満足のいく作品になります。

ここでは、マイクで収録済みの音に、ナレーション、BGM、 効果音を加える場合を例とします。

編集手順

  • ビデオを繰り返し再生し、シナリオを作ります。映像も 編集する場合には、あらかじめ映像を編集しておきます。 ②収録済みの音をトラック1に録音します。
  • ③トラック2にナレーションを録音します。映像を見ながら、トラック1の音をヘッドホンモニターして、マイク録音してください。
  • ④BGMをトラック3にオーバーダビングします。BGMが ステレオソースの場合には、チャンネル3、4に入力し てミキシングして(モノラルにしながら)トラック3に録 音します。
  • ⑤効果音をトラック4に録音します。
  • ここまでの作業を行なうと、トラック1~4は次のよう になります。

※バンドのプロモーションフィルムを作るのもアイデアです。

本機の性能を十分に発揮させるために

①ヘッドクリーニングについて

本機の録再ヘッドおよび消去ヘッドは、非常に精密なもの です。

ヘッドが汚れた状態で使用しますと、忠実な録音や消去、 再生ができなくなります。34ページをご覧になり、定期的 にヘッド等のメンテナンスを行なってください。

②レコーディングレベルについて

優れた音質で録音するため、レベルメーターを十分にご活 用ください。レベルメーターを見ずに録音すると、レベル が大きすぎて音が歪んでしまったり、逆にレベルが小さす ぎてノイズが目立ったりすることがあります。

メーターには、ST/4TRKの切替スイッチがついています ので、このスイッチを状況にあわせて切り替えてください。 STポジションにするとST OUT端子に出力する信号と同 じものをレベル監視でき、4 つあるレベルメーターの内、 一番左側にあるメーターがステレオアウトのL側のレベル を示すメーター、その隣がステレオアウトのR側のレベル を示すメーターとなります。

また、4 TRKポジションにすると各トラックに録音する信 号(及び再生する信号)と同じものをレベル監視でき、左側 から順にトラック1、2、3、4 のレベルを監視できます。

●INPUT端子に入力したソースを、ミックスせずにそのまま録 音する場合→録音するトラックのRECORD SELECTスイッ チを、1~4いずれかのポジションにセットし、メーター部は下 図のようにする。

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  • ●INPUT端子に入力したソースに、AUX SEND/RTN間に接続したエフェクターの音をミックスして録音する場合→録音するトラックのRECORD SELECTスイッチを、LまたはRポジションにセットし、メーター部は下図のようにする。 ●ピンポン録音する場合→ピンポン録音するトラックの
  • Cンパン録目する場合 マレンパン録音するトラックの RECORD SELECTスイッチを、LまたはRポジションにセットし、メーター部は下図のようにする。

③ピンポン録音について

隣接したトラックへのピンポン録音(たとえばトラック2 からトラック1または3ヘビンポンするなど)は極力さけ てください。録再ヘッドでの信号の漏れ(クロストーク)に より、ハウリングが起こることがあります。

また、やむをえず隣接したトラックへピンポン録音を行な いハウリングが発生してしまった場合は、再生のレベルを すこし下げるか、高域(10kHz以上)をチャンネルEQの Highで減衰させるなどして、ハウリングをおさえてくださ い。

④SYNCレベルについて

シンクレコーディングをするためには、MIDIコンバータ ーを用いてFSK信号に変換し、それをトラック4に記録し ますが、この時のレベルが規定以上のレベルでなかった場 合、再生時にシンクの動作をしないことがあります。何度 行なっても同じ結果になる場合は、本機の底面にあるレベ ル調整ボリュームを調整してみてください。(工場出荷時に は適正レベルにセットしてありますので、正常に動作する 場合はむやみに動かさないでください。)

なお、あまりレベルを上げすぎますと、トラック3や2に 信号が漏れること(クロストーク)がありますので、十分ご 注意ください。

長時間デッキをご使用になりますと、ヘッドやピンチローラー、キャプスタンが汚れてノイズや回転ムラが増えたり、録音ができなくなったりします。定期的にクリーニングや消磁をされることをお勧めします。

クリーニングには、市販の綿棒にヘッドクリーニング液をつ けて拭いてください。特にヘッドをきれいにしておくことが 上手な録音をするためには大切なことです。

また、消磁の際は、ヘッドイレーサーの説明書を充分にご参照ください。

▒ 部をきれいにしておくことが大切です。

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ブロックダイアグラム

SWはパネル内部のスイッチで、録音ボタンが押された状態で、RECORD SELECTスイッチが *0FF*以外のポジションにセットされたチャンネルのみ*REC*側に切り替わる。

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仕様

仕様
, ,
型式 ミキサー付4トラック 4 チャンネル片道録音/再生カセットレコーダー
機構部
使用テープ C-60, C-90カセットテープ
クロームテープ(コバルト)専用(70µs EQ)
ヘッド構成 4 チャンネル録音/再生:ハードパーマロイ×1
4 チャンネル消去:フェライト×1
テープ速度 4.8cm/秒, 9.5cm/秒切替
ピッチコントロール ±10%
ワウフラッター 0.05% (WRMS)
早送り・巻き戻し時間 約100秒(C-60使用時)
モーター D C E - 9 - × 1
入・出力仕様
INPUT 1,2 入力インピーダンス :10kΩ
規定入力レベル : -10dB~-50dB(入力フェダー規定位置)
最小入力レベル :-56dB(ゲインコントロール最大,入力フェダー最大)
最大入力レベル :+10dB(ゲインコントロール最小,ヘッドルームマージン)
INPUT 3~6 入力インピーダンス :10kΩ
規定入力レベル :-10dB(入力フェダー規定位置)
最小入力レベル :-16dB(入力フェダー最大)
AUX RTN L,R 入力インピーダンス :10kΩ
規定入力レベル :-10dB(AUX RTNコントロール規定位值)
最小入力レベル :-16dB(AUX RTNコントロール最大)
ST OUT L,R 出力インピーダンス :1 k Ω
規定負荷インピーダンス:10kΩ以上
規定出力レベル :-10dB(50kΩ負荷時)
AUX SEND 出力インピーダンス :1 k Ω
規定負荷インピーダンス:10kΩ以上
規定出力レベル :−10dB(50kΩ負荷時)
TAPE OUT 1~4 出力インピーダンス :1kΩ
規定負荷インピーダンス:10kΩ以上
規定出力レベル :-10dB(50k Ω 負 荷時)
PHONES 規定負荷インピーダンス:8~40Ω
最大出力レベル :100mW+100mW
イコライザー特性 HIGH:±10dB(10kHzシェルビング)
LOW: ±10dB(100Hzシェルビング)
雷気的性能
総合周波数特性 40Hz~18kHz ±3dB (TAPE SPEED 9.5cm/秒)
40Hz~12.5kHz ±3dB(TAPE SPEED 4.8cm/秒)
総合S/N比 85dB(dbx ON, IHF-A)
総合歪率 1.0%以下(EIAJ, 315Hz)
チャンネルセパレーション 55dB以上(1kHz)
消去率 70dB以上(1kHz)

その他
** "。 AC100V 50/60Hz
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 20W
寸法(W×H×D) 413mm×75mm×260mm
重量 3.4kg

・仕様および外観は改良のため、予告なく変更することがあります。

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アクセサリーのご紹介

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サービスについて

本機の保証期間は、保証書によりご購入から1ヶ年です。(現金、ローン、月賦などによる区別はございません。)また保証は日本国内にてのみ有効といたします。

●保証書

保証書をお受け取りのときは、お客さまのご住所、お名前、 お買い上げ月日、販売店名などを必ずご確認ください。無記 名の場合は無効になりますので、<れぐれもご注意ください。

●保証書は大切にしましょう!

保証書は弊社が、本機をご購入いただいたお客さまにご購入 の日から向う1ヵ年間の無償サービスをお約束申しあげるも のですが、万一紛失なさいますと保証期間中であっても実費 を頂戴させていただくことになります。万一の場合に備えて、 いつでもご提示いただけますように充分ご配慮のうえで保管 してください。また、保証期間が切れましてもお捨てになら さいでください。後々のサービスに際しての機種の判別や、 サービス依頼店の確認など便利にご利用いただけます。

●保証期間中のサービス

保証期間中に万一故障が発生した場合、お買上げ店にご連絡 頂きますと、技術者が修理・調整致します。この際必ず保証 書をご提示ください。保証書なき場合にはサービス料金を頂 だく場合もあります。又お買上げ店より遠方に移転される場 合は、事前にお買上げ店あるいは電音サービス拠点にご連絡 ください。移転先におけるサービス担当店をご紹介申し上げ ますと同時に、引続き保証期間中のサービスを責任をもって 行なうよう手続き致します。

満1ヵ年の保証期間を過ぎますとサービスは有料となります が、引き続き責任をもってサービスをさせていただきます。 なお、補修用性能部品の保有期間は製造打切り後最低8年と なっています。そのほかご不明の点などございましたら、下 記のヤマハサービス網までお問い合せください。

■YAMAHA電気音響製品サービス拠点

(の預り修理芯山)
東京電音サービスセンター 211 川崎市中原区木月1184
TEL (044) 434—3100
新潟電音サービスステーション 〒950 新潟市万代1-4-8(シルバーボールビル2F)
TEL (025) 243-4321
大阪電音サービスセンター 〒565 吹田市新芦屋下1~16(千里丘センター内)
TEL (06) 877—5262
四国電音サービスステーション 〒760 高松市丸亀町8-7(ヤマハ高松店内)
TEL (0878) 51—7777, 22—3045
名古屋電音サービスセンター 〒454 名古屋市中川区玉川町2-1-2
(ヤマハ名古屋流通センター3F)
TEL (052) 652-2230
『ጊ州電音サービスセンター 〒812 福岡市博多区博多駅前2-11-4
TEL (092) 472-2134
北海道電音サービスセンター 〒065 札幌市東区本町1条9丁目3番地
TEL (011) 781—3621
仙台電音サービスセンター 〒983 仙台市卸町5丁目-7(卸商共同配送センター3F)
TEL (022) 236-0249
広島電音サービスセンター 〒731-01 広島市安佐南区祇園町西原2-27-39
TEL (082) 874-3787
浜松電音サービスセンター 〒435 浜松市上西町911
TEL (0534) 65-6/11
本社
電音サービス部 〒435 浜松市上西町911
IEL (0634) 65-5195
# 날 17 / N (H) / 수 19 / TN A / \ 두 전
ヤマハ株式会社LM事業本部
音響システム事業部 〒430 浜松市中沢町10-1
TEL.0534(60)2493
国内営業部 〒150 渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビル3日
TEL.03(476)1521
東京事業所 〒104 東京都中央区銀座7-11-3 矢島ビル
TEL. 03(574)8592
大阪事業所 〒542 大阪市南区南船場3-12-9
心斎橋プラザビル東館
TEL. 06(252)5231
名古屋営業所 〒460 名古屋市中区錦1-18-28
TEL.052(201)5145
九州営業所 〒812 福岡市博多区博多駅前2-11-4
TEL. 092(472)2155
札幌営業所 〒064 札幌市中央区南十条西1丁目 ヤマハセンター
TEL. 011(512)6113
仙台営業所 〒980 仙台市大町2-2-10
TEL. 022(222)6146
広島営業所 〒730 広島市中区紙屋町1-1-18
TEL. 082(244)3744
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YAMAHA

SD.

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