Tektronix TDS3FFT型/TDS3TMT型/TDS3TRG型/TDS3VID型 ユーザ・マニュアル User manual

ユーザ・マニュアル
TDS3FFT FFT
モジュール
071-0323-02
このマニュアルは、ファームウェア Ver. 2.00 以上 の製品に対応します。
当社の製品は、米国その他各国における登録特許および出願中特許の対象となっ ています。本書の内容は、すでに発行されている他の資料の内容に代わるもので す。また製品の仕様は、予告なく変更させていただく場合がありますので、予め ご了承ください。
Tektronix, Inc., P.O. Box 500, Beaverton, OR 97077
TEKTRONIX および TEK は、Tektronix, Inc の登録商標です。
DPX は、Tektronix, Inc. の商標です。
WARRANTY SUMMARY
Tektronix warrants that the products that it manufactures and sells will be free from defects in materials and workmanship for a period of three (3) years from the date of shipment from an authorized Tektronix distributor. If a product proves defective within the respective period, Tektronix will provide repair or replacement as described in the complete warranty statement.
To arrange for service or obtain a copy of the complete warranty statement, please contact your nearest Tektronix sales and service office.
EXCEPT AS PROVIDED IN THIS SUMMARY OR THE APPLICABLE WARRANTY STATEMENT, TEKTRONIX MAKES NO WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS OR IMPLIED, INCLUDING WITHOUT LIMITATION THE IMPLIED WARRANTIES OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. IN NO EVENT SHALL TEKTRONIX BE LIABLE FOR INDIRECT, SPECIAL OR CONSEQUENTIAL DAMAGES.
目次
安全にご使用いただくために iii......................
参照ページとお問い合わせ v........................
お問い合わせについて vi..........................
はじめに
モジュールとファームウェアのインストール方法 1...
拡張モジュールのインストール確認方法 4..........
インストールできない場合の対策 5................
FFT の基礎知識
FFT の概要 6....................................
FFT 機能 7......................................
FFT 波形の表示方法 8............................
FFT 測定の概念 9................................
FFT の詳細
FFT メニュー 16..................................
FFT 測定例:その 120.............................
FFT 測定例:その 222.............................
付録
付録 A:EMC その他 24...........................
保証規定
お問い合わせ
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
i
目次
ii
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
安全にご使用いただくために
安全にご使用いただくため、機器をご使用になる前に、次の事項を必ず お読みください。また、仕様に記されている機器以外は使用しないでく ださい。
本製品のサービスは、専門のサービス要員のみが行えます。詳しくは、 当社 お客様コールセンターまでお問い合わせください。
本製品をご使用になる場合、他のシステムの製品を操作することがあり ます。このような場合、他のシステムの製品の、安全に関する注意事項 もお読みください。
人体保護に関する注意事項
故障と思われる場合
故障と思われる場合は、必ず当社 サービス受付センターまでご連絡く ださい。
機器が濡れた状態での使用
感電のおそれがありますので、機器が濡れている状態では使用しないで ください。
ガス中での使用
発火のおそれがありますので、爆発性のガスが周囲にあるような場所で は使用しないでください。
用語とマークについて
マニュアルに使用されている用語およびマークの意味を、次に示します。
注意:
機器を損傷するおそれのある場合の注意事項が記されています。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
iii
安全にご使用いただくために
静電気に対する注意事項
注意:
おそれがあります。次の注意事項をよくお読みになり、モジュールのイ ンストール、取り外しおよび取り扱いには十分にご注意ください。
リスト・ストラップの使用
モジュールを取り扱う場合、帯電防止用のリスト・ストラップを着け、 体に蓄積される静電気を放電してください。
作業環境に対する注意
モジュールのインストール、取り外しを行う場合、帯電しやすい機器を 周囲に置かないでください。また、静電気を発生しやすい床、作業台で の作業は避けてください。
モジュールの取り扱いについて
作業台の上などでモジュールを引きずることのないようにご注意くださ い。モジュールの金属部分には手を触れないでください。また、モ ジュールの取り扱いは手早く行ってください。
モジュールの保管について
モジュールの保存、輸送には、静電気防止袋またはコンテナを使用して ください。
静電気によってオシロスコープおよびモジュール回路が損傷する
iv
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
参照ページとお問い合わせ
このマニュアルは、TDS3FFT FFT モジュールのユーザ・マニュアル です。このマニュアルでは、FFT モジュールの操作方法およびアプリ ケーションについて説明します。内容と参照ページについては、次の表 を参照してください。
内容
モジュールのインストールについて モジュールとファームウェアの
製品の概要について
基本操作について FFT 波形の表示方法:8 ページ
FFT の概要について FFT 測定の概念:9 ページ
機能の詳細について FFT の詳細:16 ページ
このマニュアルでは、メニュー表示を「日本語」で記載していま
注:
す。オシロスコープの言語設定が日本語以外になっている場合は、日本 語に設定してからお読みください。
メニューの言語設定方法については、オシロスコープのユーザ・マニュ アルを参照してください。
参照ページ
インストール方法:1 ページ FFT の機能について:6 ページ
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
v
参照ページとお問い合わせ
お問い合わせについて
製品について 当社製品に関するお問い合わせは、北米地域からは
次のフリー・ダイアルがご利用になれます(英語のみ)。
1-800-833-9200 6:00 a.m.5:00 p.m. Pacific time
電子メールをご利用の方は、次のメール・アドレスでお問 い合わせください。
TechSupport@tektronix.com
日本国内では、日本テクトロニクス(株) お客様コールセンターまでお問い合わせください。 電話: 03-3448-3010 Fax: 0120-046-011
E-mail: ccc.jp@tektronix.com
電話受付時間 / 9:0012:0013:0019:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
サービス・ サポート
ご意見、 ご感想は
日本国内での修理についてのお問い合わせは、日本テクト ロニクス(株) サービス受付センターでお答えします。
電話: 0120 - 741 - 046 FAX: 0550 - 89 - 8268 電話受付時間 / 9:0012:0013:0019:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
ワールド・ワイドのサービス体制については、Tektronix のホーム・ページをご参照ください。
Tektronix社または日本テクトロニクス(株)までお寄せ ください。
Tektronix, Inc. 14200 SW Karl Braun Drive P.O. Box 500 Beaverton, OR 97077 USA
日本テクトロニクス株式会社 〒141-0001 東京都品川区北品川 5-9-31
お客様コールセンター(上記参照)
vi
ホームページ www.tektronix.com
www.tektronix.co.jp
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
はじめに
この章では、TDS3FFT FFT モジュールのインストール方法とチェッ ク方法について説明します。
モジュールとファームウェアのインストール方法
拡張モジュールは、最大 4 個までインストールすることができます。フ ロント・パネルの右上に見える窓の部分に 2 個、その裏に 2 個インス トールすることができます。
拡張モジュールがプリインストールされた、4 チャンネル仕様のオ
注:
シロスコープを購入された場合は、以下の手順は必要ありません。
新しい拡張モジュールを初めてインストールするときにのみ、ファーム ウェアのインストールが必要になります。
一度インストールした拡張モジュールを抜き差しした場合、ファーム ウェアのインストールは必要ありません。
注意:
め、静電気に関する注意事項(iv ページ)をお読みください。
静電気によるオシロスコープおよびモジュールの損傷を防ぐた
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
1
はじめに
モジュールおよびファームウェアのインストール手順を次に説明します。
まず、オシロスコープに保存されている設定および波形をフロッ
1.
ピー・ディスクに移動します。
オシロスコープの電源を切ります。
2.
フロント・パネルの右側面にあるさな窓をけます。
3.
拡張モジュールの接点部とオシロスコープ側の接点部を合わせるよう
4.
にして、意のスロットに挿入します。拡張モジュールを外す場合 は、マイナス・ライバをモジュールの 部に入れて引き出します。
拡張モジュール収納部の窓をめます。
5.
拡張モジュールを外すと、モジュールの機能は無効になります。モ
注:
ジュールをインストールしすと、び機するようになります。
モジュール
接点部
2
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
はじめに
ファームウェア・アップグレ用フロッピー・ディスクがモ
6.
ジュールに付属している場合は、このフロッピー・ディスクをディ スク・ライに入れます。フロッピー・ディスクが 2 以上ある
場合は、No.1 のフロッピー・ディスクを入れます。
オシロスコープの電をオンにします。
7.
オシロスコープはモジュールのファームウェアを認識し、アップデー トの必要なしと判断した場合は、次のメッセージが表示されます。
フロッピーに収録されているファームウェアは、 現在インストールされているファームウェア よりも古いバージョンです。
アップデートの必要はありません。
MENU OFF ボタンを押してください。
MENU OFF ボタンをして手順 10 んでください。
ファームウェアのアップートが必要と判断されると、次のメッ セージが表示されます。
オシロスコープのファームウェアをアップデートします。終了する までオシロスコープの電源は切らないでください。また、終了する まではフロッピー・ディスクを取り出さないでください。約 7 分で アップデートを終了します。
アップデートの実行 を選択してください。
OK インストール 選択すると、オシロスコープのファームウェアの
8.
アップデートを開始します。アップデートを行している間、時計の アイコンが表示されます。2 のフロッピーが付属している場合は、
中でフロッピーを入れえるようメッセージが表示されます。
アップートがると、オシロスコープは新しいファームウェアで 自動的に電がリセットされます。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
3
はじめに
アップート中に電源を切ったり、フロッピーを取り出したり、ま
注:
たはアップート中に停電になった場合は、オシロスコープの電源をオ フにして、手順 6 からやりしてください。
ファームウェアのアップートを行わない場合は、 MENU OFF ボタ
9.
ンをします。
ファームウェアをアップデートしないと、拡張モジュールは機能し
注:
ません。オシロスコープのファームウェアは、常に最新のージョンで ご使用になるようおめします。
ファームウェアのアップートが了したなら、フロッピー・
10.
ディスクを取り出します。
以上で、拡張モジュールのインストールおよびオシロスコープのファー ムウェアのアップートを了します。
拡張モジュールのインストール確認方法
拡張モジュールがしくインストールされていることを確認する手順 を、次に示します。拡張モジュールのメニューが表示されない場合は、 「インストールできない場合の対」の項を参照してください。
オシロスコープの電をオンにします。オシロスコープのファーム
1.
ウェアのアップートが必要、というメッセージが表示された場合 は、オシロスコープの電源を切り、3 ページの手順 6 から行して ください。
インストールしたモジュールが表示されることを確認します。
2.
MATH タンをします。
3.
メイン・メューで FFT 選択します。正しくインストールされてい
4.
ると、サイ・メニューが表示されます。
4
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
インストールできない場合の対策
オシロスコープの電オンで拡張モジュールが認識されない場合は、次 の手順を行します。
オシロスコープの電をオフにします。
1.
iv ページの「静電気に対する注意事項」を確認します。
2.
拡張モジュールをオシロスコープから取り外します。
3.
2 ページの手順 4 を参照。)
オシロスコープおよび拡張モジュールの接点部に損傷等の異常がな
4.
いか確認します。
拡張モジュールをオシロスコープに入れします。
5.
はじめに
オシロスコープの電をオンにします。「拡張モジュールの確認
6.
法」の手順を行しても拡張モジュールが認識されない場合は、オ シロスコープの電をオフにし、拡張モジュールをオシロスコープ ののモジュール・スロットに入れてみます。
度オシロスコープの電をオンにします。これで拡張モジュール
7.
認識される場合は、オシロスコープのモジュール・スロットに原があることがわかります。詳については、サービス受付セン
ターまでご連絡ください。
拡張モジュールが認識されない場合は、オシロスコープの電源を切 り、3 ページの手順 6 から説明しているオシロスコープのファーム ウェアのアップートを行します。
ファームウェアをアップートしても拡張モジュールが認識されな
8.
い場合は、サービス受付センターまでご連絡ください。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
5
FFT の基礎知識
この章では、FFT 要、メニューの表示方法および FFT 概念につ いて説明します。
FFT の概要
TDS3FFT FFT モジュールは、TDS3000/TDS3000B シリー・オシ ロスコープの機に、FFT (Fast Fourier Transform) 測定機能を追加 ます。FFT 定では、繰返しまたは単発の時間軸信号を周波数成分に変 し、スペクトル解析可能にします。
FFT 測定は、次のようなアプリケーションにしています。
H ルタやシステムのインパルス応答試験
H 高調分、高調みの
H DC ズ解析
H 振動解析
H 50 Hz60 Hz 商用電まれる高調解析
6
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT 機能
FFT モジュールには、次のような機があります。
FFT ウィンドウ
TDS3FFT 型には、4 種類FFT ドウ(方形波、ハミハニおよびブラックマン・ハリス)が用意されています。方形波ウィン ウは、トランント、パルス、単発信号などの繰返しのない信号解析
適しています。ハミグ、ハニングおよびラックマン・パリス・ウウは、繰返しのある信号解析適しています。
繰返し波形、単発波形および保存波形の解析
FFT 測定は、取りみ中の波形(繰返し波形または発波形)、最後に 取りんだ波形またはリファレンス・メモリに保存されている波形に対
しても行することができます。
FFT の基礎知識
dB / リニア RMS スケール
FFT 波形の垂直軸スケールは、dB または リニア RMS スケールが選択 できます。dB スケールは、広いダイナック・ンジの信号同時
観測するのにしています。リニア RMS スケールは、振幅値を直接比して表示するのにしています。
時間軸波形と FFT 波形の同時表示
時間軸波形と FFT 波形を同時に表示できますので、トラブルシューテが容に行えます。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
7
FFT の基礎知識
FFT 波形の表示方法
FFT 波形の表示手順を次に示します。
時間軸波形の信号のピークが、波形目盛から外れないように垂直軸
1.
スケールを調整します。信号のピークが波形目盛から外れると、
FFT 波形に誤差が生ます。
信号の周5 以上表示されるよう、水平軸スケールを調整
2.
ます。表示される波形の周いほFFT 波形の周波解能上し、イリアシンの発生をえることができます。(エイリア
シンについては、14 ページを参照してください。)
発波形(トランント波形)の場合は、信号のすての部分(す
ての過渡状態およびリング部分またはズ)が表示され、 かつ、スクリーンの中に表示されるように調整します。
XY 波形でも FFT 測定が行えます。
フロント・パルの MATH タンをすと、波形演算メニューが表
3.
示されます。クイックメニューQUICKMENUタンをして も、波形演算メニューは表示されませんのでご注意ください。
メイン・メニューで FFT 選択すると、FFT 測定にするサイド・
4.
メニューが表示されます。FFT 定は、最後に選択されたチャ ルの波形に対して行されます。
FFT 測定を行う波形を選択します(16 ページを参照)。FFT
5.
は、意のチャルまたは保存されている波形に対しても行で きます。
FFT 波形の垂直軸スケールと FFT ウを選択します(16
6.
ページを参照)。
ーム機およびカール機により、FFT 波形を定します
7.
19 ページを参照)。
8
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT 測定の概念
ここでは、FFT 測定による周波数成分の測定についての概念を説明します。
FFT のプロセス
FFT 測定では、繰返しまたは発の時間軸信号を周波数成分に変し、 スペクトル解析可能にします。測定には、レコーのすべてのデー タを使用し、速トリでは 500 イント、ーマルでは 10,000 ポイ ントのータからします。
FFT 定では、入信号DC0Hzサンプル周波½ の周波(ナイスト周波数)まで測定します。(ナイスト周波数については、
14 ページを参照)
FFT の基礎知識
波形レコード
FFT
FFT 周波数領域レコード
0Hz
500 ポイント(高速トリガ) または 10K ポイント(ノーマル)
FFT 周波数領域波形
½ サンプル周波数
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
9
FFT の基礎知識
FFT 波形
1
1
M
2
T
3
3
3
1. FFT 定対象になっているチャンネルのラ
2. FFT 波形のラ
3. 周波数成
10
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の基礎知識
FFT ウィンドウ
FFT では、波形は 0Vからまり 0V終るもの(言いえると、周整数倍終了するもの)として計算されます。波形のまりと終りが
同じ振幅なら波形に連続点はなく、周波数成分および振幅正確 計算できます。
取りんだ波形の周期が整数倍了していない場合は、波形のまり の部分とりの部分で不連続点が生、波形として高調波が生されて しまいます。この波形で FFT 演算すると、実際には存しない周波
分が発生することになります。
YT(時間軸領域)波形
FFT 演算に使用される YT 波形
波形
レコード長
不連続点
FFT
ウィンドウなしでの
FFT 波形
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
11
FFT の基礎知識
FFT ィンドウを使用すると、時間軸波形の開始点点を同じ振幅付けることができ、不連続点の発生を抑えることができます。これ により、FFT 計算される周波もより正確になります。周波数を正確定するのか、周波数成分の振幅正確定するのかによって、 FFT ウの形状を使い分けます。
YT(時間軸領域)波形
波形
レコード長
×
=
FFT
FFT ウィンドウを 使用した FFT 波形
ポイントごとに かけ算を行う
ウィンドウ (ハニング)
FFT ウィンドウにより 成形された YT 波形
12
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の基礎知識
FFT ウィンドウの特性
FFT モジュールには、4 種類FFT ィンウがあります。FFT ウは、周波数分解能と振幅精度で相反する性質を持っています。し たがって、定する項目、時間軸信号の性質を考慮した上でウィン ウの形状を選択する必要があります。ウィンドウを選択する上での イントを次に示します。
FFT
ウィンドウ
方形波 周波数測定に適してい
ハミング / ハニング
ブラックマン・ ハリス
特性 用途
ますが、振幅測定には 適していません。ウィ ンドウなしで測定した ものと同じ結果が得ら れます。
周波数測定に適してい ます。振幅測定は、「方 形波」ウィンドウに比 べると優れています。 「ハミング」の周波数 分解能は、「ハニング」 に比べてわずかに優れ ています。
振幅測定に適していま すが、周波数測定には 適していません。
信号の遷移またはバーストの開始点 と終了点の振幅がほぼ等しい場合
振幅の変化が少なく、周波数が安定 している正弦波
スペクトラムがゆっくりと変化する、 広い帯域におけるランダム・ノイズ
正弦波、繰返し性のある狭帯域のラ ンダム・ノイズ
信号の遷移またはバーストの開始点 と終了点の振幅が著しく異なる場合
高次の高調波を検出するための、 1 つの周波数が支配的な信号
適切なウンドウがわからない場合は、まず方形波ウィンドウを選択し、 ハミング、ハニング、ブラックマン・リスの順にウィンドウをり替 ます。周波、振幅の表示を見ながら、最なウィンドウを選択します。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
13
FFT の基礎知識
ナイキスト周波数
ジタル・リアルタイム・オシロスコープでラーなく定できるのは、 サンプル・ートの 1/2 の周波までです。この最周波を「ナイ
スト周波」と呼びます。ナイスト周波数以上では、「エイリアシング」実際には存在しない波形または周波数成分が表示されること)が発生 します。
エイリアシング
ナイスト周波数よりい周波数成分をんだ、時間軸領域の波形を取込むと、エイリアシンが発生します。下図に示すように、ナイキス ト周波を中にしてナイキスト周波より高い成分が折り込まれ、実 よりい周波数成分として表示されます。これを「イリアシング」 といいます。
0Hz
振 幅
エイリアス周波数
ナイキスト周波数
(サンプル・レートの 1/2 の周波数)
周波数
実際の周波数
14
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の基礎知識
エイリアシング対策
イリアシンを防ぐための定ヒントを次に示します。
H Time/Div ノブ時計向に回し、サンプル・ートを上ます。
サンプル・ートが上がるとナイキスト周波が上がり、イリア シングの影響を低減できます。たくさんの周波数成分が表示される 場合は、ーム機により波形を拡大表示します。
H 域制限ィルタを使用し、ース波形の周波数帯をナイキスト
周波以下に制限します。(すてのオシロスコープには 20 MHz の 帯域制限ィルタが、300 MHz および 500 MHz の帯のオシロス コープには、さらに 150 MHz の帯域制限ィルタが装備されていま す。)帯域制限ィルタは、垂直軸Vert ic alMENU タンを押し て表示されるメニューから選択します。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
15
FFT の詳細
FFT では、時間軸領域の波形を、周波数成分に変します。FFT 演算 では、次に示すパラメータを設定する必要があります。
H 力ソース
H FFT
H 垂直軸スケール
FFT メニュー
FFT メニューを次に説明します。
演算メニュー
メイン・ メニュー
FFT FFT ソース
サイド・ メニュー
FFT 垂直軸 スケール
FFT ウィンドウ
解説
ソース波形を選択します。2 チャン ネル仕様のオシロスコープでは、
Ch1Ch2Ref1 Ref44チャ
ンネル仕様のオシロスコープでは
Ch1 Ch4 Ref1 Ref4 から選
択します。
FFT 波形の垂直軸スケールを、 dB RMS または リニア RMS から選
択します。 FFT ウィンドウを、方形波、ハミン
グ、ハニング または ブラックマ ン・ハリスから選択します。
16
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の詳細
FFT ソース波形について
H FFT ース波形は、サイ・メニューから選択します。
H ーマル取りみモー10k イント)で FFT 定すると、オシ
ロスコープの反応速度がくなります。
H ノーマル取りみモード(10k イント)での FFT 定は、高速
リガ・モードでの FFT 定に比べ、ズ・フロア、周波数分解能 れています。
H 信号内に DC 分またはオフセット分があると、FFT 波形の
振幅値に誤差を生じます。DC 成分の影響を抑えるには AC 結合 ップリン)を使用します。
H オシロスコープのアクイジション(波形取り込み)・モー16
以上のアベレージにすると、ランダム・ノイズおよびエイリアシン 影響抑えることができます。アベレージ・モードでは、トリ ガに同期しない信号成分を減衰します。
H トリガに同期していない周波数成分を観測する場合は、アベレ
ジ・モーは使用しないでください。
H ピーク検出およびロープ・モーでは、FFT 定は行わない
でください。FFT 波形がしく歪む原因になります。
H トランゼント信号(インパルス、信号)を定する場合は、パ
ルスが波形コーの中央に取りまれるよう、オシロスコープの トリガを調整してください。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
17
FFT の詳細
FFT 波形の垂直軸スケールについて
H FFT 波形の垂直軸スケールは、サイ・メニューから選択します。
H FFT 波形の垂直軸スケールとジションは、垂直軸 スケールVer ti -
H FFT 波形のイナック・ンジをくとって表示するには、垂直
cal SCALE)ノブ垂直軸 ポジションVertical POSITION)ノブ 調整します。
スケールで dB RMS を選択します。dB RMS では、振幅のスケー
ルを log スケール(0dB=1V
H FFT 波形の垂直軸スケールで リニア RMS 選択すると、リニア・
スケールで振幅比較できます。
)で表示します。
RMS
FFT ウィンドウについて
H FFT ウは、サイ・メニューから選択します。
H FFT ウは、方形波、ハミニンおよびラックマ
ン・リスから選択できます。ウィンドウの特性については、13 ページを参照してください。
ナイキスト周波数について
H フロント・パネルの 波形取込AQUIREタンを押すと、スク
リーン右下にサンプル・ートが表示されます。この値の 1/2 がナ イ スト周波になります。、サンプル・ートが
25.0 MS/s の場合、ナイキスト周波数は 12.5 MHz になります。
18
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の詳細
FFT 波形のズーム表示
フロント・パネルのーム・タンをして スケールSCALEノブ ポジションPOSITIONノブを回すと、FFT ーム波形の倍率
ジションが調整できます。水平方ズーム倍率を変更すると、スク リーン中央の垂直軸を中心にして波形は拡大、縮小されます。垂直方ズーム倍率を変更すると、M のマークを中心に拡大、縮小されます。
ームのパラメータを変更しても、時間軸およびトリガ・ジションの 設定は影響を受けません。
FFT 波形は、波形レコー全体から計算されます。時間軸波形ま
注:
たは FFT 波形をズーム表示しても、ームされた部分で再計算される ことはありません。
FFT 波形でのカーソル測定
FFT 波形でカールを使用すると、振幅dB または電流などース波 形の垂直軸単位)と周波数(Hz)が測定できます。dB による振幅測 では、0dBは 1V は周波数が測定できます。
振幅カーソル (水平バー)
に対します。水平バーでは振幅が、垂直バーで
RMS
周波数カーソル
(垂直バー)
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
19
FFT の詳細
FFT 測定例:その 1
みのない正弦波を増幅器に入することで、増幅器のみが測定でき ます。増幅器にみがあると、出力に高調波が発生します。増幅器の出 FFT 波形を観測することで、みをチェックできます。
ここでは、テスト信号として 10 MHz 正弦波を定します。FFT のパ ラメータは次のように設定します。
項目 設定
の結合
CH1
(カップリング)
AC
波形取り込み モード
水平解像度 ノーマル
水平軸スケール
ソース波形
FFT
垂直軸
FFT
スケール
ウィンドウ ブラックマン・
FFT
アベレージ:16回
ポイント)
10k
2.00 s
Ch 1
dB
ハリス
20
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
Loading...
+ 130 hidden pages