ユーザ・マニュアル
TDS3FFT
FFT
モジュール
型
071-0323-02
このマニュアルは、ファームウェア Ver. 2.00 以上
の製品に対応します。
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当社の製品は、米国その他各国における登録特許および出願中特許の対象となっ
ています。本書の内容は、すでに発行されている他の資料の内容に代わるもので
す。また製品の仕様は、予告なく変更させていただく場合がありますので、予め
ご了承ください。
Tektronix, Inc., P.O. Box 500, Beaverton, OR 97077
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Tektronix warrants that the products that it manufactures and sells will be free from defects
in materials and workmanship for a period of three (3) years from the date of shipment
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OR IMPLIED, INCLUDING WITHOUT LIMITATION THE IMPLIED WARRANTIES
OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. IN NO
EVENT SHALL TEKTRONIX BE LIABLE FOR INDIRECT, SPECIAL OR
CONSEQUENTIAL DAMAGES.
目次
安全にご使用いただくために iii ......................
参照ページとお問い合わせ v ........................
お問い合わせについて vi ..........................
はじめに
モジュールとファームウェアのインストール方法 1 ...
拡張モジュールのインストール確認方法 4 ..........
インストールできない場合の対策 5 ................
FFT の基礎知識
FFT の概要 6 ....................................
FFT 機能 7 ......................................
FFT 波形の表示方法 8 ............................
FFT 測定の概念 9 ................................
FFT の詳細
FFT メニュー 16 ..................................
FFT 測定例:その 12 0 .............................
FFT 測定例:その 22 2 .............................
付録
付録 A:EMC その他 24 ...........................
保証規定
お問い合わせ
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
i
目次
ii
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
安全にご使用いただくために
安全にご使用いただくため、機器をご使用になる前に、次の事項を必ず
お読みください。また、仕様に記されている機器以外は使用しないでく
ださい。
本製品のサービスは、専門のサービス要員のみが行えます。詳しくは、
当社 お客様コールセンターまでお問い合わせください。
本製品をご使用になる場合、他のシステムの製品を操作することがあり
ます。このような場合、他のシステムの製品の、安全に関する注意事項
もお読みください。
人体保護に関する注意事項
故障と思われる場合
故障と思われる場合は、必ず当社 サービス受付センターまでご連絡く
ださい。
機器が濡れた状態での使用
感電のおそれがありますので、機器が濡れている状態では使用しないで
ください。
ガス中での使用
発火のおそれがありますので、爆発性のガスが周囲にあるような場所で
は使用しないでください。
用語とマークについて
マニュアルに使用されている用語およびマークの意味を、次に示します。
注意:
機器を損傷するおそれのある場合の注意事項が記されています。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
iii
安全にご使用いただくために
静電気に対する注意事項
注意:
おそれがあります。次の注意事項をよくお読みになり、モジュールのイ
ンストール、取り外しおよび取り扱いには十分にご注意ください。
リスト・ストラップの使用
モジュールを取り扱う場合、帯電防止用のリスト・ストラップを着け、
体に蓄積される静電気を放電してください。
作業環境に対する注意
モジュールのインストール、取り外しを行う場合、帯電しやすい機器を
周囲に置かないでください。また、静電気を発生しやすい床、作業台で
の作業は避けてください。
モジュールの取り扱いについて
作業台の上などでモジュールを引きずることのないようにご注意くださ
い。モジュールの金属部分には手を触れないでください。また、モ
ジュールの取り扱いは手早く行ってください。
モジュールの保管について
モジュールの保存、輸送には、静電気防止袋またはコンテナを使用して
ください。
静電気によってオシロスコープおよびモジュール回路が損傷する
iv
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
参照ページとお問い合わせ
このマニュアルは、TDS3FFT 型 FFT モジュールのユーザ・マニュアル
です。このマニュアルでは、FFT モジュールの操作方法およびアプリ
ケーションについて説明します。内容と参照ページについては、次の表
を参照してください。
内容
モジュールのインストールについて モジュールとファームウェアの
製品の概要について
基本操作について FFT 波形の表示方法:8 ページ
FFT の概要について FFT 測定の概念:9 ページ
機能の詳細について FFT の詳細:16 ページ
このマニュアルでは、メニュー表示を「日本語」で記載していま
注:
す。オシロスコープの言語設定が日本語以外になっている場合は、日本
語に設定してからお読みください。
メニューの言語設定方法については、オシロスコープのユーザ・マニュ
アルを参照してください。
参照ページ
インストール方法: 1 ページ
FFT の機能について: 6 ページ
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
v
参照ページとお問い合わせ
お問い合わせについて
製品について 当社製品に関するお問い合わせは、北米地域からは
次のフリー・ダイアルがご利用になれます(英語のみ)。
1-800-833-9200
6:00 a.m.~ 5:00 p.m. Pacific time
電子メールをご利用の方は、次のメール・アドレスでお問
い合わせください。
TechSupport@tektronix.com
日本国内では、日本テクトロニクス(株)
お客様コールセンターまでお問い合わせください。
電話: 03-3448-3010 Fax: 0120-046-011
E-mail: ccc.jp@tektronix.com
電話受付時間 / 9:00 ~12:00 ・13:00 ~19:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
サービス・
サポート
ご意見、
ご感想は
日本国内での修理についてのお問い合わせは、日本テクト
ロニクス(株) サービス受付センターでお答えします。
電話: 0120 - 741 - 046 FAX: 0550 - 89 - 8268
電話受付時間 / 9:00 ~12:00 ・13:00 ~19:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
ワールド・ワイドのサービス体制については、Tektronix
のホーム・ページをご参照ください。
Tektronix 社または日本テクトロニクス(株)までお寄せ
ください。
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日本テクトロニクス株式会社
〒141-0001 東京都品川区北品川 5-9-31
お客様コールセンター(上記参照)
vi
ホームページ www.tektronix.com
www.tektronix.co.jp
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
はじめに
この章では、TDS3FFT 型 FFT モジュールのインストール方法とチェッ
ク方法について説明します。
モジュールとファームウェアのインストール方法
拡張モジュールは、最大 4 個までインストールすることができます。フ
ロント・パネルの右上に見える窓の部分に 2 個、その裏に 2 個インス
トールすることができます。
拡張モジュールがプリインストールされた、4 チャンネル仕様のオ
注:
シロスコープを購入された場合は、以下の手順は必要ありません。
新しい拡張モジュールを初めてインストールするときにのみ、ファーム
ウェアのインストールが必要になります。
一度インストールした拡張モジュールを抜き差しした場合、ファーム
ウェアのインストールは必要ありません。
注意:
め、静電気に関する注意事項(iv ページ)をお読みください。
静電気によるオシロスコープおよびモジュールの損傷を防ぐた
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
1
はじめに
モジュールおよびファームウェアのインストール手順を次に説明します。
まず、オシロスコープに保存されている設定および波形をフロッ
1.
ピー・ディ スクに移動 します。
オシロスコープの電源を切 ります。
2.
フロント・パネルの右側面 にある小 さな窓を開 けます。
3.
拡張モジュールの接点 部とオシロスコープ側の接点部を合わせるよう
4.
にして、任 意のスロットに挿入します。拡張モジュールを外す場合
は、マイナス・ド ライバをモジュールの 凹 部に入れて引き出します。
拡張モジュール収納 部の窓を閉 めます。
5.
拡張モジュールを外すと、モジュールの機能は無効 になります。モ
注:
ジュールをインストールし直 すと、再 び機能 するようになります。
モジュール
接点部
2
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
はじめに
ファームウェア・アップグレ ード 用フロッピー・ディ スクがモ
6.
ジュールに付属している場合は、このフロッピー・ディ スクをディ
スク・ド ライブ に入れます。フロッピー・ディ スクが 2 枚 以上ある
場合は、No.1 のフロッピー・ディ スクを入れます。
オシロスコープの電源 をオンにします。
7.
オシロスコープはモジュールのファームウェアを認識 し、アップデー
トの必要なしと判断 した場合は、次のメッセージが表示されます。
フロッピーに収録されているファームウェアは、
現在インストールされているファームウェア
よりも古いバージョンです。
アップデートの必要はありません。
MENU OFF ボタンを押してください。
MENU OFF ボタンを押 して手順 10 に 進 んでください。
ファームウェアのアップデ ートが必要と判断 されると、次のメッ
セージが表示されます。
オシロスコープのファームウェアをアップデートします。終了する
までオシロスコープの電源は切らないでください。また、終了する
まではフロッピー・ディスクを取り出さないでください。約 7 分で
アップデートを終了します。
アップデートの実行 を選択してください。
OK インストール を選択すると、オシロスコープのファームウェアの
8.
アップデートを開始 します。アップデートを実 行している間、時計の
アイコンが表示されます。2 枚 のフロッピーが付属している場合は、
途 中でフロッピーを入れ替 えるようメッセージが表示されます。
アップデ ートが終 ると、オシロスコープは新しいファームウェアで
自動的 に電源 がリセットされます。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
3
はじめに
アップデ ート中に電源を切ったり、フロッピーを取り出したり、ま
注:
たはアップデ ート中に停電になった場合は、オシロスコープの電源をオ
フにして、手順 6 からやり直 してください。
ファームウェアのアップデ ートを行わない場合は、 MENU OFF ボタ
9.
ンを押 します。
ファームウェアをアップデートしないと、拡張モジュールは機能し
注:
ません。オシロスコープのファームウェアは、常に最新のバ ージョンで
ご使用になるようお勧 めします。
ファームウェアのアップデ ートが終 了したならば 、フロッピー・
10.
ディ スクを取り出します。
以上で、拡張モジュールのインストールおよびオシロスコープのファー
ムウェアのアップデ ートを終 了します。
拡張モジュールのインストール確認方法
拡張モジュールが正 しくインストールされていることを確認 する手順
を、次に示します。拡張モジュールのメニューが表示されない場合は、
「インストールできない場合の対策 」の項を参照してください。
オシロスコープの電源 をオンにします。オシロスコープのファーム
1.
ウェアのアップデ ートが必要、というメッセージが表示された場合
は、オシロスコープの電源を切 り、3 ページの手順 6 から実 行して
ください。
インストールしたモジュール名 が表示されることを確認 します。
2.
MATH ボタンを 押します。
3.
メイン・メューで FFT を選択 します。正しくインストールされてい
4.
ると、サイド ・メニューが表示されます。
4
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
インストールできない場合の対策
オシロスコープの電源 オンで拡張モジュールが認識 されない場合は、次
の手順を実 行します。
オシロスコープの電源 をオフにします。
1.
iv ページの「静電気に対する注意事項」を確認 します。
2.
拡張モジュールをオシロスコープから取り外します。
3.
(2 ページの手順 4 を参照。)
オシロスコープおよび拡張モジュールの接点 部に損傷等の異常 がな
4.
いか確認 します。
拡張モジュールをオシロスコープに入れ直 します。
5.
はじめに
オシロスコープの電源 をオンにします。「拡張モジュールの確認 方
6.
法」の手順を実 行しても拡張モジュールが認識 されない場合は、オ
シロスコープの電源 をオフにし、拡張モジュールをオシロスコープ
の別 のモジュール・スロットに入れてみます。
再 度オシロスコープの電源 をオンにします。これで拡張モジュール
7.
が 認識される場合は、オシロスコープのモジュール・スロットに原
因があることがわかります。詳 細については、サービス受付セン
ターまでご連絡ください。
拡張モジュールが認識 されない場合は、オシロスコープの電源を切
り、3 ページの手順 6 から説明しているオシロスコープのファーム
ウェアのアップデ ートを実 行します。
ファームウェアをアップデ ートしても拡張モジュールが認識 されな
8.
い場合は、サービス受付センターまでご連絡ください。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
5
FFT の基礎知識
この章では、FFT の概 要、メニューの表示方法および FFT の概念 につ
いて説明します。
FFT の概要
TDS3FFT 型 FFT モジュールは、TDS3000/TDS3000B シリー ズ ・オシ
ロスコープの機能 に、FFT (Fast Fourier Transform) 測定機能を追加 し
ます。FFT 測 定では、繰返 しまたは単発の時間軸信号 を周波数成 分に変
換 し、スペクトル解析 を 可能 にします。
FFT 測定は、次のようなアプリケーションに適 しています。
H フィ ルタやシステムのインパルス応答試験
H 高調 波成 分、高調 波歪みの測定
H DC 電源 のノ イズ解析
H 振動解析
H 50 Hz 、60 Hz 商用電源に含 まれる高調 波解析
6
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT 機能
FFT モジュールには、次のような機能 があります。
FFT ウィンドウ
TDS3FFT 型には、4 種類 の FFT ウィ ン ドウ(方形波、ハミ ング 、ハニ
ング およびブラックマン・ハリス)が用意されています。方形波ウィン
ド ウは、トランゼ ント、パルス、単発信号などの繰返 しのない信号解析
に適しています。ハミ ング、ハニングおよびブ ラックマン・パリス・ウィ
ンド ウは、繰返 しのある信号 の解析 に適しています。
繰返し波形、単発波形および保存波形の解析
FFT 測定は、取り込 み中の波形(繰返 し波形または 単 発波形)、最 後に
取り込 んだ波形またはリファレンス・メモリに保存されている波形に対
しても実 行することができます。
FFT の基礎知識
dB / リニア RMS スケール
FFT 波形の垂直軸 スケールは、 dB または リニア RMS スケールが選択
できます。dB スケールは、広いダ イナミ ック・レ ンジの信号 を同時 に
観測するのに 適しています。リニア RMS スケールは、振幅値を直接比
較して表示するのに 適しています。
時間軸波形と FFT 波形の同時表示
時間軸 波形と FFT 波形を 同時 に表示できますので、トラブルシューティ
ング が容易 に行えます。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
7
FFT の基礎知識
FFT 波形の表示方法
FFT 波形の表示手順を次に示します。
時間軸波形の 信号のピークが、波形 目盛から外れないように 垂直軸
1.
スケールを調整 します。信号 のピークが波形目盛 から外れると、
FFT 波形に誤差が生 じます。
信号の周 期が 5 周 期以上表示されるよう、 水平軸スケールを 調整し
2.
ます。表示される波形の周 期が多いほど FFT 波形の周波 数 分 解能が
向上し、 エイリアシン グの発生を 抑えることができます。(エイリア
シン グについては、 14 ページを参照してください。)
単発波形(トラン ゼント波形)の場合は、信号のすべ ての部分(す
べ ての過渡状態 およびリン ギ ング部分またはノ イズ)が表示され、
かつ、スクリーンの中央 に表示されるように調整 します。
XY 波形でも FFT 測定が行えます。
フロント・パネ ルの MATH ボ タンを押 すと、波形演算 メニューが表
3.
示されます。クイックメニュー (QUICKMENU )ボ タンを押 して
も、波形演算 メニューは表示されませんのでご注意ください。
メイン・メニューで FFT を選択すると、FFT 測定に関 するサイド・
4.
メニューが表示されます。FFT 測 定は、最後に選択 されたチャ ンネ
ルの波形に対して実 行されます。
FFT 測定を行う波形を選択 します( 16 ページを参照)。FFT 測 定
5.
は、任 意のチャ ンネ ルまたは保存されている波形に対しても実 行で
きます。
FFT 波形の垂直軸スケールと FFT ウ ィ ン ド ウを 選択 します(16
6.
ページを参照)。
ズ ーム機能 およびカーソ ル機 能 により、FFT 波形を 測 定します
7.
(19 ページを参照)。
8
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT 測定の概念
ここでは、FFT 測定による周波数成 分の測定についての概念を説明します。
FFT のプロセス
FFT 測定では、繰返 しまたは 単 発の 時間軸信号 を周波 数成 分に変 換 し、
スペクトル解析 を可能 にします。測定には、レコード長 のすべてのデー
タを使用し、高速トリガ では 500 ポ イント、ノ ーマルでは 10,000 ポイ
ントのデ ータから計算 します。
FFT 測定では、入 力 信号 の DC ( 0Hz)~ サンプル周波 数の ½ の周波
数(ナイ キスト周波数)まで測定します。(ナイキスト周波数については、
14 ページを参照)
FFT の基礎知識
波形レコード
FFT
FFT 周波数領域レコード
0Hz
500 ポイント(高速トリガ)
または 10K ポイント(ノーマル)
FFT 周波数領域波形
½ サンプル周波数
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
9
FFT の基礎知識
FFT 波形
1
1
M
2
T
3
3
3
1. FFT の測 定対象になっているチャンネルのラベル
2. FFT 波形のラ ベル
3. 周波数成 分
10
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の基礎知識
FFT ウィンドウ
FFT では、波形は 0V から始 まり 0V で終るもの(言い換 えると、周 期
の整数倍 で終了するもの)として計算 されます。波形の始 まりと終りが
同じ振幅なら ば波形に 不連続点はなく、周波 数成分および 振幅も 正確に
計算できます。
取り込 んだ波形の周期が整数倍 で終 了していない場合は、波形の始 まり
の部分と終 りの部分で不連続点 が生じ 、波形として高調 波が生成 されて
しまいます。この波形で FFT 演算 すると、実際 には存在 しない周波数
成 分が発生することになります。
YT(時間軸領域)波形
FFT 演算に使用される
YT 波形
波形
レコード長
不連続点
FFT
ウィンドウなしでの
FFT 波形
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
11
FFT の基礎知識
FFT ウィンドウを使用すると、時間軸 波形の 開始点 と 終 了点を同じ振幅
に近 付けることができ、不連続点の発生を抑えることができます。これ
により、FFT で計算 される周波数 もより正確 になります。周波数を正確
に測 定するのか、周波数成 分の振幅 を正確 に測 定するのかによって、
FFT ウィ ン ド ウの形状を使い分けます。
YT (時間軸領域)波形
波形
レコード長
×
=
FFT
FFT ウィンドウを
使用した FFT 波形
ポイントごとに
かけ算を行う
ウィンドウ
(ハニング)
FFT ウィンドウにより
成形された YT 波形
12
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の基礎知識
FFT ウィンドウの特性
FFT モジュールには、4 種類 の FFT ウィンド ウがあります。FFT ウ ィ
ンド ウは、周波数分解能と振幅精度で相反する性質を持っています。し
たがって、測 定する項目、元 の時間軸信号 の性質を考慮した上でウィン
ド ウの形状を選択 する必要があります。ウ ィンドウを選択 する上でのポ
イントを次に示します。
FFT
ウィンドウ
方形波 周波数測定に適してい
ハミング /
ハニング
ブラックマン・
ハリス
特性 用途
ますが、振幅測定には
適していません。ウィ
ンドウなしで測定した
ものと同じ結果が得ら
れます。
周波数測定に適してい
ます。振幅測定は、「方
形波」ウィンドウに比
べると優れています。
「ハミング」の周波数
分解能は、「ハニング」
に比べてわずかに優れ
ています。
振幅測定に適していま
すが、周波数測定には
適していません。
信号の遷移またはバーストの開始点
と終了点の振幅がほぼ等しい場合
振幅の変化が少なく、周波数が安定
している正弦波
スペクトラムがゆっくりと変化する、
広い帯域におけるランダム・ノイズ
正弦波、繰返し性のある狭帯域のラ
ンダム・ノイズ
信号の遷移またはバーストの開始点
と終了点の振幅が著しく異なる場合
高次の高調波を検出するための、
1 つの周波数が支配的な信号
適切なウ ィンドウがわからない場合は、まず方形波ウィンドウを選択し、
ハミング、ハニング、ブラックマン・ ハリスの順にウィンドウを 切り替え
ます。周波 数、振幅の表示を見ながら、最 適 なウィンドウを選択します。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
13
FFT の基礎知識
ナイキスト周波数
デ ジタル・リアルタイム・オシロスコープでエ ラーなく測 定できるのは、
サンプル・レ ートの 1/2 の周波数 までです。この最高 周波数 を「ナイキ
スト周波数 」と呼びます。ナイキ スト周波数以上では、「エイリアシング」
(実際には存在しない波形または周波数成分が表示されること)が発生
します。
エイリアシング
ナイキ スト周波数より高 い周波数成 分を含 んだ、時間軸領域 の波形を取
り込むと、エイリアシング が発生します。下図に示すように、ナイキス
ト周波数 を中心 にしてナイキスト周波数 より高い成分が折り込まれ、実
際 より低 い周波数成分として表示されます。これを「エ イリアシング」
といいます。
0Hz
振
幅
エイリアス周波数
ナイキスト周波数
(サンプル・レートの 1/2 の周波数)
周波数
実際の周波数
14
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の基礎知識
エイリアシング対策
エイリアシン グを防ぐための 測定ヒントを次に示します。
H Time/Div のノブ を 時計 方 向に回し、サンプル・レ ートを上 げ ます。
サンプル・レ ートが上がるとナイキスト周波数 が上がり、エ イリア
シングの影響を低減できます。たくさんの周波数成 分が表示される
場合は、ズ ーム機能 により波形を拡大表示します。
H 帯域制限 フ ィルタを使用し、ソ ース波形の周波 数帯域 をナイ キスト
周波数 以下に制限 します。(すべ てのオシロスコープには 20 MHz の
帯域制限 フィルタが、300 MHz および 500 MHz の帯域 のオシロス
コープには、さらに 150 MHz の帯域制限 フィルタが装備 されていま
す。)帯域制限 フィルタは、垂直軸 (Vert ic al )MENU ボ タンを押し
て表示されるメニューから選択 します。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
15
FFT の詳細
FFT では、時間軸領域 の波形を、周波 数成 分に変 換 します。 FFT 演算
では、次に示すパラメータを設定する必要があります。
H 入力ソース
H FFT ウィ ンド ウ
H 垂直軸スケール
FFT メニュー
FFT メニューを次に説明します。
演算メニュー
メイン・
メニュー
FFT FFT ソース
サイド・
メニュー
FFT 垂直軸
スケール
FFT ウィンドウ
解説
ソース波形を選択します。2 チャン
ネル仕様のオシロスコープでは、
Ch1 、Ch2 、 Ref1 ~ Ref4 、4 チャ
ンネル仕様のオシロスコープでは
Ch1 ~ Ch4 、Ref1 ~ Ref4 から選
択します。
FFT 波形の垂直軸スケールを、
dB RMS または リニア RMS から選
択します。
FFT ウィンドウを、方形波、ハミン
グ、ハニング または ブラックマ
ン・ハリスから選択します。
16
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の詳細
FFT ソース波形について
H FFT のソ ース波形は、サイド ・メニューから選択 します。
H ノーマル取り 込みモード(10k ポ イント)で FFT 測 定すると、オシ
ロスコープの反応速 度が遅 くなります。
H ノーマル取り込 みモード(10k ポ イント)での FFT 測 定は、 高速 ト
リガ・モードでの FFT 測 定に比べ、ノ イズ・フロア、周波数分解能
共 に優 れています。
H 測定 信号 内に DC 成 分またはオフセット 成 分があると、FFT 波形の
振幅値に誤差を生じます。DC 成分の影響を抑えるには AC 結合
( カップリン グ)を使用します。
H オシロスコープのアクイジション(波形取り込み)・モード を 16 回
以上のアベレ ージにすると、ランダム・ノイズ およびエイリアシン
グ の影響 を抑えることができます。アベレ ージ・モー ドでは、トリ
ガに同期 しない信号成 分を減衰 します。
H トリガに同期 していない周波 数成 分を 観測 する場合は、ア ベレ ー
ジ・モード は使用しないでください。
H ピーク検出およびエ ンベ ロープ・モー ド では、 FFT 測 定は行わない
でください。FFT 波形が著 しく歪む原因 になります。
H トランゼント信号 (インパルス、 単 発信号 )を 測 定する場合は、パ
ルスが波形レ コード の中央に取り込 まれるよう、オシロスコープの
トリガを調整 してください。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
17
FFT の詳細
FFT 波形の垂直軸スケールについて
H FFT 波形の垂直軸 スケールは、サイ ド・メニューから選択 します。
H FFT 波形の垂直軸 スケールと ポジションは、垂直軸 スケール (Ver ti -
H FFT 波形の ダイナ ミック・ レンジを 広くとって表示するには、垂直
cal SCALE )ノブと 垂直軸 ポジション ( Vertical POSITION)ノブで
調整します。
軸スケールで dB RMS を選択します。dB RMS では、 振幅のスケー
ルを log スケール(0dB=1V
H FFT 波形の垂直軸スケールで リニア RMS を選択すると、リニア・
スケールで振幅 を比較 できます。
)で表示します。
RMS
FFT ウィンドウについて
H FFT ウィ ンド ウは、サイド ・メニューから選択 します。
H FFT ウィ ンドウは、方形波、ハミ ン グ、ハニン グおよび ブラックマ
ン・ハ リスから選択 できます。ウィンド ウの特性については、13
ページを参照してください。
ナイキスト周波数について
H フロント・パネルの 波形取込 ( AQUIRE ) ボ タンを 押すと、スク
リーン右下にサンプル・レ ートが表示されます。この値の 1/2 がナ
イ キ スト周波数 になります。例 え ば 、サンプル・レ ートが
25.0 MS/s の場合、ナイキスト周波数は 12.5 MHz になります。
18
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の詳細
FFT 波形のズーム表示
フロント・パネルの ズーム・ボ タンを 押して スケール( SCALE ) ノブ、
ポジション(POSITION ) ノブを回すと、FFT のズ ーム波形の 倍率、
ポ ジションが調整 できます。 水平方向 の ズーム倍率 を変更すると、スク
リーン中央の垂直軸を中心にして波形は拡大、縮小されます。垂直方向
にズーム倍率 を変更すると、M のマークを中心に拡大、縮小 されます。
ズ ームのパラメータを変更しても、時間軸 およびトリガ・ ポ ジションの
設定は影響 を受けません。
FFT 波形は、波形レコード 全体から計算 されます。時間軸 波形ま
注:
たは FFT 波形をズーム表示しても、ズ ームされた部分で再計算 される
ことはありません。
FFT 波形でのカーソル測定
FFT 波形でカーソ ルを使用すると、振幅 ( dB または電 流などソ ース波
形の垂直軸単位)と周波数(Hz )が測定できます。dB による振幅測 定
では、0dBは 1V
は周波数が測 定できます。
振幅カーソル
(水平バー)
に対応 します。水平バ ーでは振幅 が、垂直バ ーで
RMS
周波数カーソル
(垂直バー)
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
19
FFT の詳細
FFT 測定例:その 1
歪 みのない正弦 波を 増幅 器に入力 することで、増幅 器の 歪 みが 測定でき
ます。増幅 器に歪 みがあると、出力に高調波が発生します。増幅 器の出
力 の FFT 波形を 観測 することで、 歪 みをチェックできます。
ここでは、テスト信号 として 10 MHz の正弦 波を想 定します。FFT のパ
ラメータは次のように設定します。
項目 設定
の結合
CH1
(カップリング)
AC
波形取り込み
モード
水平解像度 ノーマル
水平軸スケール
ソース波形
FFT
垂直軸
FFT
スケール
ウィンドウ ブラックマン・
FFT
アベレージ:16回
ポイント)
(
10k
2.00 s
Ch 1
dB
ハリス
20
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の詳細
T
1
1
2
3
M
1 に示される 20 MHz 成分は、 ソース 信号の基本波です。 二次 高調波が
40 MHz(2 のマーク)、四 次の高調 波が 80 MHz(3 のマーク)に表示
されています。この結果 から、システムによって信号 が歪んでいること
が分かります。偶数 次の高調 波は、半 サイクルのゲインに差があること
を示しています。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
21
FFT の詳細
FFT 測定例:その 2
デ ジタル / アナロ グ が混在している回路で発生するノ イズはオシロスコー
プで観測 できますが、ノイズ源を特定することまでは非常に困難です。
FFT 波形ではノイズの周波数成 分がわかりますので、ノ イズの原因がシ
ステム・クロック、オシレ ータ、リード / ライト・ストローブ 、表示信
号 、スイッチング 電源などのシステム周波数 にあるのか特定することが
できます。
この例 でのシステム最高周波数は 40 MHz として、FFT のパラメータを
次のように設定します。
項目
の結合
CH1
(カップリング)
波形取り込み
モード
水平解像度 ノーマル
水平軸スケール
ソース波形
FFT
垂直軸
FFT
スケール
ウィンドウ ハニング
FFT
設定
AC
サンプル
(
ポイント)
10k
4.00 s
Ch 1
dB
22
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の詳細
T
1
1
M
2
1 に示される 31 MHz 成分は、このシステムのメモリ・ストローブ信号
であることを示しています。2 に表示されている 62 MHz 信号は、スト
ローブ信号 の二 次高調 波です。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
23
FFT の詳細
24
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
保証規定
保証期間 (納入後 3 年間) 内に、通常の取り扱いによって生じた故障は無料で修理いた
します。
1 . 取扱説明書、本体ラベルなどの注意書きに従った正常な使用状況で保証期間内に故
障した場合には、販売店または当社に修理をご依頼下されば無料で修理いたしま
す。なお、この保証の対象は製品本体に限られます。
2 . 転居、譲り受け、ご贈答品などの場合で表記の販売店に修理をご依頼できない場合
には、当社にお問い合せください。
3 . 保証期間内でも次の事項は有料となります。
H 使用上の誤り、他の機器から受けた障害、当社および当社指定の技術員以外に
よる修理、改造などから生じた故障および損傷の修理
H 当社指定外の電源(電圧・周波数)使用または外部電源の異常による故障および
損傷の修理
H 移動時の落下などによる故障および損傷の修理
H 火災、地震、風水害、その他の天変地異、公害、塩害、異常電圧などによる故
障および損傷の修理
H 消耗品、付属品などの消耗による交換
H 出張修理 (ただし故障した製品の配送料金は、当社負担 )
4 . 本製品の故障またはその使用によって生じた直接または間接の損害について、当社
はその責任を負いません。
5 . この規定は、日本国内においてのみ有効です。
(This warranty is valid only in Japan.)
H この保証規定は本書に明示された条件により無料修理をお約束するもので、これに
よりお 客様の法 律上の権利を制限するものではありません。
H ソフトウェアは、本保証の対象外です。
H 保証期間経過 後の修理は有料となります。詳 しくは、販売店または当社までお問い
合せください。
お問い合わせ
製品についてのご相談 ・ご質 問につきましては、下記までお問い合わせ
ください。
お客様コールセンター
TEL 03-3448-3010 F AX 0120-046-011
東京都品川区北品川 5-9-31 〒141 ー0001
電話受付時間/9:00~12:00 13:00~19:00 月曜~金曜 (休祝日を除く)
E-Mail: ccc.jp@tektronix.com
URL: http://www.tektronix.co.jp
修理 ・校正 につきましては、お買 い求 めの 販売店または下記サービス受
付センターまでお問い合わせください。
(ご連絡の際に、型名、故障状況等を簡単にお知らせください)
サービス受付センター
TEL 0120-741-046 F AX 0550-89-8268
静岡県御殿場市神場 143 - 1 〒412ー0047
電話受付時間/9:00~12:00 13:00~19:00 月曜~金曜 (休祝日を除く)
Original English text:
TDS3FFT FFT Application Module
User Manual
071-0305-01
ユーザ・マニュアル
TDS3TMT
型
テレコム・モジュール
071-0323-02
このマニュアルは、ファームウェア Ver. 2.00 以上
の製品に対応します。
Copyright © Tektronix, Inc. All rights reserved.
当社の製品は、米国その他各国における登録特許および出願中特許の対象となっ
ています。本書の内容は、すでに発行されている他の資料の内容に代わるもので
す。また製品の仕様は、予告なく変更させていただく場合がありますので、予め
ご了承ください。
Tektronix, Inc., P.O. Box 500, Beaverton, OR 97077
TEKTRONIX および TEK は、 Tektronix, Inc の登録商標です。
WARRANTY SUMMARY
Tektronix warrants that the products that it manufactures and sells will be free from defects
in materials and workmanship for a period of three (3) years from the date of shipment
from an authorized Tektronix distributor. If a product proves defective within the
respective period, Tektronix will provide repair or replacement as described in the complete
warranty statement.
To arrange for service or obtain a copy of the complete warranty statement, please contact
your nearest Tektronix sales and service office.
EXCEPT AS PROVIDED IN THIS SUMMARY OR THE APPLICABLE WARRANTY
STATEMENT, TEKTRONIX MAKES NO WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS
OR IMPLIED, INCLUDING WITHOUT LIMITATION THE IMPLIED WARRANTIES
OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. IN NO
EVENT SHALL TEKTRONIX BE LIABLE FOR INDIRECT, SPECIAL OR
CONSEQUENTIAL DAMAGES.
目次
安全にご使用いただくために iii ......................
参照ページとお問い合わせ v ........................
お問い合わせについて vi ..........................
はじめに
モジュールとファームウェアのインストール方法 1 ...
拡張モジュールのインストール確認方法 4 ..........
インストールできない場合の対策 5 ................
テレコム機能
テレコム・マスク・テスト 6 ......................
マスク・テスト・クイックメニュー 6 ............
業界標準のテレコム・マスクを装備 6 ............
複数チャンネルでのテストが可能 6 ..............
テストの自動化 6 ..............................
マスクの編集 6 ................................
マスク・テストの操作方法 7 ......................
クイックメニュー(QuickMenu ) 7 ..............
ユーティリティ(Utility )メニュー 8 ..............
マスク・テストの詳細
はじめに 9 ......................................
メニューの詳細 10 ................................
合否テストの設定例 24 ............................
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
i
目次
ii
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
安全にご使用いただくために
安全にご使用いただくため、機器をご使用になる前に、次の事項を必ず
お読みください。また、仕様に記されている機器以外は使用しないでく
ださい。
本製品のサービスは、専門のサービス要員のみが行えます。詳しくは、
当社 お客様コールセンターまでお問い合わせください。
本製品をご使用になる場合、他のシステムの製品を操作することがあり
ます。このような場合、他のシステムの製品の、安全に関する注意事項
もお読みください。
人体保護に関する注意事項
故障と思われる場合
故障と思われる場合は、必ず当社 サービス受付センターまでご連絡く
ださい。
機器が濡れた状態での使用
感電のおそれがありますので、機器が濡れている状態では使用しないで
ください。
ガス中での使用
発火のおそれがありますので、爆発性のガスが周囲にあるような場所で
は使用しないでください。
用語とマークについて
マニュアルで使用されている用語およびマークの意味を、次に示します。
注意:
機器を損傷するおそれのある場合の注意事項が記されています。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
iii
安全にご使用いただくために
静電気に対する注意事項
注意:
おそれがあります。次の注意事項をよくお読みになり、モジュールのイ
ンストール、取り外しおよび取り扱いには十分にご注意ください。
リスト・ストラップの使用
モジュールを取り扱う場合、帯電防止用のリスト・ストラップを着け、
体に蓄積される静電気を放電してください。
作業環境に対する注意
モジュールのインストール、取り外しを行う場合、帯電しやすい機器を
周囲に置かないでください。また、静電気を発生しやすい床、作業台で
の作業は避けてください。
モジュールの取り扱いについて
作業台の上などでモジュールを引きずることのないようにご注意くださ
い。モジュールの金属部分には手を触れないでください。また、モ
ジュールの取り扱いは手早く行ってください。
モジュールの保管について
モジュールの保存、輸送には、静電気防止袋またはコンテナを使用して
ください。
静電気によってオシロスコープおよびモジュール回路が損傷する
iv
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
参照ページとお問い合わせ
このマニュアルは、TDS3TMT 型 テレコム・モジュールのユーザ・マ
ニュアルです。このマニュアルでは、テレコム・モジュールの操作方法
およびアプリケーションについて説明します。内容と参照ページについ
ては、次の表を参照してください。
内容 参照ページ
モジュールのインストールについて モジュールとファームウェアの
インストール方法:1 ページ
製品の概要について テレコム機能:6 ページ
基本操作について マスク・テストの操作方法:
7 ページ
機能の詳細について マスク・テストの詳細:9 ページ
このマニュアルでは、メニュー表示を「日本語」で記載していま
注:
す。オシロスコープの言語設定が日本語以外になっている場合は、日本
語に設定してからお読みください。
メニューの言語設定方法については、オシロスコープのユーザ・マニュ
アルを参照してください。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
v
参照ページとお問い合わせ
お問い合わせについて
製品について 当社製品に関するお問い合わせは、北米地域からは
次のフリー・ダイアルがご利用になれます(英語のみ)。
1-800-833-9200
6:00 a.m.~ 5:00 p.m. Pacific time
電子メールをご利用の方は、次のメール・アドレスでお問
い合わせください。
TechSupport@tektronix.com
日本国内では、日本テクトロニクス(株)
お客様コールセンターまでお問い合わせください。
電話: 03-3448-3010 Fax: 0120-046-011
E-mail: ccc.jp@tektronix.com
電話受付時間 / 9:00 ~12:00 ・13:00 ~19:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
サービス・
サポート
ご意見、
ご感想は
日本国内での修理についてのお問い合わせは、日本テクト
ロニクス(株) サービス受付センターでお答えします。
電話: 0120 - 741 - 046 FAX: 0550 - 89 - 8268
電話受付時間 / 9:00 ~12:00 ・13:00 ~19:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
ワールド・ワイドのサービス体制については、Tektronix
のホーム・ページをご参照ください。
Tektronix 社または日本テクトロニクス(株)までお寄せ
ください。
Tektronix, Inc.
14200 SW Karl Braun Drive
P.O. Box 500
Beaverton, OR 97077
USA
日本テクトロニクス株式会社
〒141-0001 東京都品川区北品川 5-9-31
お客様コールセンター(上記参照)
vi
ホームページ www.tektronix.com
www.tektronix.co.jp
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
はじめに
この章では、TDS3TMT 型 テレコム・モジュールのインストール方法
とチェック方法について説明します。
モジュールとファームウェアのインストール方法
モジュールは、最大 4 個までインストールすることができます。フロン
ト・パネルの右上に見える窓の部分に 2 個、その裏に 2 個インストール
することができます。
モジュールがプリインストールされた、4 チャンネル仕様のオシロ
注:
スコープを購入された場合は、以下の手順は必要ありません。
新しいモジュールを初めてインストールするときにのみ、ファームウェ
アのインストールが必要になります。
一度インストールしたモジュールを抜き差しした場合、ファームウェア
のインストールは必要ありません。
注意:
め、静電気に関する注意事項(iv ページ)をお読みください。
静電気によるオシロスコープおよびモジュールの損傷を防ぐた
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
1
はじめに
モジュールおよびファームウェアのインストール手順を次に説明します。
オシロスコープに保存されている設定および波形をフロッピー・
1.
ディ スクに移動 します。
オシロスコープの電源を切 ります。
2.
フロント・パネルの右側面 にある小 さな窓を開 けます。
3.
モジュールの接点 部とオシロスコープ側の接点部を合わせるように
4.
して、任 意のスロットに挿 入します。モジュールを外す場合は、マ
イナス・ド ライバ をモジュールの 凹 部に入れて引き出します。
モジュール収納 部の窓を閉 めます。
5.
拡張モジュールを外すと、 拡張モジュールの機 能は 無効になりま
注:
す。拡張 モジュールをインストールし直 すと、再 び機能 するようになり
ます。
拡張モジュール
接点部
2
TDS3TMT 型 ユーザ・マニュアル
はじめに
ファームウェア・アップグ レード 用フロッピー・ディ スクが拡張 モ
6.
ジュールに付属している場合は、このフロッピー・ディスクをディ
スク・ド ライブ に入れます。フロッピー・ディスクが 2 枚 以上ある
場合は、No.1 のフロッピー・ディ スクを入れます。
オシロスコープの電源 をオンにします。
7.
オシロスコープは拡張 モジュールのファームウェアを確認 し、アッ
プデートの必要なしと判断 した場合は、次のメッセージが表示され
ます。
フロッピーに収録されているファームウェアは、
現在インストールされているファームウェア
よりも古いバージョンです。
アップデートの必要はありません。
MENU OFF ボタンを押してください。
MENU OFF ボタンを押 して手順 10 に 進 んでください。
ファームウェアのアップデータが必要と判断 されると、次のメッ
セージが表示されます。
オシロスコープのファームウェアをアップデートします。終了する
までオシロスコープの電源は切らないでください。また、終了する
まではフロッピー・ディスクを取り出さないでください。約 7 分で
アップデートを終了します。
OK インストール を選択すると、オシロスコープのファームウェアの
8.
アップデートを開始 します。アップデートを実 行している間、時計の
アイコンが表示されます。2 枚 のフロッピーが付属している場合は、
途 中でフロッピーを入れ替 えるようメッセージが表示されます。
アップデートが終 ると、オシロスコープは新しいファームウェアで
自動的 に電源 がリセットされます。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
3
はじめに
アップデート中に電源を切 ったり、フロッピーを取り出したり、ま
注:
たはアップデート中に停 電になった場合は、オシロスコープの電源 をオ
フにして、手順 6 からやり直 してください。
ファームウェアのアップデートを行わない場合は、 MENU OFF ボタ
9.
ンを押 します。
ファームウェアをアップデートしないと、拡張 モジュールは機能し
注:
ません。オシロスコープのファームウェアは、常に最新のバ ージョンで
ご使用になるようお勧 めします。
ファームウェアのアップデートが終 了したならば 、フロッピー・
10.
ディ スクを取り出します。
以上で、拡張 モジュールのインストールおよびオシロスコープのファー
ムウェアのアップデートを終 了します。
拡張モジュールのインストール確認方法
テレコム・モジュールが正 しくインストールされていることを確認 する
手順を、次に示します。拡張 モジュールのメニューが表示されない場合
は、「インストールできない場合の対策 」の項を参照してください。
オシロスコープの電源 をオンにします。拡張 モジュールが正 しくイ
1.
ンストールされている場合は、モジュール名 が表示されます。オシ
ロスコープのファームウェアのアップデートが必要、というメッ
セージが表示された場合は、オシロスコープの電源を切 り、3 ペー
ジの手順 6 から実 行してください。
フロント・パネルの クイックメニュー (QUICK MENU )ボ タンを
2.
押します。
拡張モジュールが 正しくインストールされている場合、スクリーン
3.
左 下に表示される メニュー ( MENU )を 繰返 し 押 すとテレコム
(Telecom )が表示され、スクリーンの下および横 には、テレコム関
係 の設定項目 が表示されます。
4
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
インストールできない場合の対策
オシロスコープの電源 オンで拡張モジュールが認識 されない場合は、次
の手順を実 行します。
オシロスコープの電源 をオフにします。
1.
iv ページの「静電気に対する注意事項」を確認 します。
2.
拡張モジュールをオシロスコープから取り外します。
3.
(2 ページの手順 4 を参照。)
オシロスコープおよび拡張 モジュールの接点 部に損傷等の異常 がな
4.
いか 確認します。
拡張モジュールをオシロスコープに入れ 直します。
5.
はじめに
オシロスコープの電源 をオンにします。「拡張モジュールの確認 方
6.
法」の手順を実 行しても拡張 モジュールが認識 されない場合は、オ
シロスコープの電源 をオフにし、拡張 モジュールをオシロスコープ
の別 のモジュール・スロットに入れてみます。
再 度オシロスコープの電源 をオンにします。これで拡張 モジュール
7.
が 認識される場合は、オシロスコープのモジュール・スロットに原
因があることがわかります。詳 細については、サービス受付セン
ターまでご連絡ください。
拡張 モジュールが認識 されない場合は、オシロスコープの電源を切
り、3 ページの手順 6 から説明しているオシロスコープのファーム
ウェアのアップデートを実 行します。
ファームウェアをアップデートしても拡張 モジュールが認識されな
8.
い場合は、サービス受付センターまでご連絡ください。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
5
テレコム機能
この章では、TDS3TMT 型 テレコム・モジュールの機能 、マスク・テ
スト・メニューの操作方法およびマスク・テストの概念について説明し
ます。
テレコム・マスク・テスト
ここでは、TDS3TMT 型 テレコム・モジュールをインストールするこ
とで追加 できる機能 について説明します。
マスク・テスト・クイックメニュー
マスク・テストのクイックメニューでは、スクリーンの下および横 に、
マスク・テストに関する主 要な設定項目 が表示され、ひとつの画面 から
ほ とんどの項目 が設定できます。
業界標準のテレコム・マスクを装備
TDS3TMT 型 テレコム・モジュールには、業界標 準 となっている
ITU-G.703 および ANSI T1.102 のマスクを標準で 装備 しており、
STS-1( 52 Mb/s)までのライン・レートに対応 できます。
複数チャンネルでのテストが可能
TDS3TMT 型 テレコム・モジュールでは、オシロスコープに入力したす
べてのライ ブ・チャンネルを同時にテストすることができます。
テストの自動化
オプションの RS-232 、GPIB または LAN モジュールを装備 することに
より、マスク・テストを自動化 することが可能 になります。
マスクの編集
標 準 のマスクを 編集 する場合は、 WaveStar Software for Oscillo-
scopes v2.3 を使用します。
6
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
マスク・テストの操作方法
マスク・テストは、 クイックメニュー または ユーティリティ ( UTILITY)メニューから操作します。クイックメニューでは、マスク・テス
トで使用する主 要なテスト機能が一つのスクリーン内で設定できます。
ユーティ リティ ・メニューでは、すべ てのマスク・テスト機能が設定で
きます。
クイックメニュー(QuickMenu )
クイックメニューの操作方法を次に説明します。
フロント・パネルの クイックメニュー (QUICKMENU )ボ タンを
1.
押 します。
スクリーン下のメイン・メニューで メニュー を繰 り返し押して
2.
テレコム機能
テレコム を選択します(下図 参照)。
メイン・メニューで 標準マスク を繰 り返し押して、使用するマスク
3.
を選択します。
フロント・パネルの オートセット (AUTOSET)ボタンを押 すと、
4.
自動的 に波形がマスク内にセットされます。
メイン・メニュー、サイド ・メニューで合否テストのパラメータを
5.
設定します。
サイド・メニューで テスト開始 を押すと、合否 テストを開始 します。
6.
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
7
テレコム機能
ユーティリティ(Utility)メニュー
ユーティ リティ ・メニューからマスク・テストを設定する手順を、次に
説明します。
1.
2.
3.
フロント・パネルの ユーティリティ (UTILITY )ボタンを押します。
メイン・メニューで システム を繰り返し押して アプリ を選択します。
メイン・メニューで モジュール を繰り返 し押して テレコム を選択
します。
同 様に、メイン・メニュー、サイド ・メニューを使用して、マスク
4.
の選択、マスク制御および合否テストを設定します。
8
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
マスク・テストの詳細
TDS3TMT 型 テレコム・モジュールを使用すると、テレコム信号の 解
析、 評価が行えます。ここでは、メニューの詳 細を説明します。
はじめに
H TDS3TMT 型では、オシロスコープの入力チャンネルに 接続したす
べての信号についてマスク・テストが 実行できます。
H マスク・テスト・モー ドにおいて、フロント・パネルの オートセッ
ト(AUTOSET )ボタンを 押すと、選択 されたマスクに波形が 収ま
るよう、オシロスコープの水平軸 、垂直軸およびトリガが自動的に
設定されます。
H マスク・テストは、ライブ・チャンネルのみで実 行されます。マス
ク・テスト実行時は、リファレンス波形、演算 波形は消去 してくだ
さい。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
9
マスク・テストの詳細
メニューの詳細
TDS3TMT 型のメニューを次に説明します。
ユーティリティ・メニュー
システム:アプリ
モジュール:テレコム
メイン・
メニュー
マスク
種類
(ITU-T)
サイド・メニュー
なし(オフ)
DS-0 Single 64 kb/s
DS-0 Double 64 kb/s
DS-0 Data Contradirec-
tional 64 kb/s
DS-0 Timing 64 kb/s
Old ”DS1” Rate
1.544 Mb/s
G.703 DS1 1.544 Mb/s
E1 Symmetric Pair
2.048 Mb/s
E1 Coaxial Pair
2.048 Mb/s
Clk Interface Symmetric
Pair 2.048 Mb/s
Clk Interface Coaxial
Pair 2.048 Mb/s
”DS2” Rate Symmetric
Pair 6.312 Mb/s
”DS2” Rate Coaxial
Pair 6.312 Mb/s
E2 8.448 Mb/s
32.064 Mb/s
E3 34.368 Mb/s
Old ”DS3” rate
44.736 Mb/s
G.703 DS3 44.736 Mb/s
解説
ITU-T 規格のマスクが選択できます。
それぞれのマスクには、オシロスコー
プの水平軸、垂直軸およびトリガの
設定が含まれており、それぞれの規
格に適した波形として表示できます。
マスクは、クイックメニューからで
も選択できます。
マスクを選択した後、フロント・パ
ネルの オートセット (AUTOSET )
ボタンを押すと、マスクに合うよう
に波形が表示されます。
オシロスコープのトリガは、エッジ・
トリガ(ITU-T G.703)に設定され
ます。
10
TDS3TMT 型 ユーザ・マニュアル
ユーティリティ・メニュー
システム:アプリ
モジュール:テレコム
マスク・テストの詳細
メイン・
メニュー
マスク
種類
(T1.102)
なし(オフ)
DS1 1.544 Mb/s
DS1A 2.048 Mb/s
DS1C 3.152 Mb/s
DS2 6.312 Mb/s
DS3 44.736 Mb/s
STS-1 Pulse 51.84 Mb/s
解説 サイド・メニュー
ANSI T1.102 規格のマスクが選択で
きます。それぞれのマスクには、オ
シロスコープの水平軸、垂直軸およ
びトリガの設定が含まれており、そ
れぞれの規格に適した波形として表
示できます。
マスクは、クイックメニューからで
も選択できます。
マスクを選択した後、フロント・パ
ネルの オートセット (AUTOSET )
ボタンを押すと、マスクに合うよう
に波形が表示されます。
オシロスコープのトリガは、アイソ
レート ’1’ (ANSI T1.102 )に設定さ
れます。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
11
マスク・テストの詳細
ユーティリティ・メニュー
システム:アプリ
モジュール:テレコム
メイン・
メニュー
マスク
種類
(カスタム)
現在の
マスク
解説 サイド・メニュー
なし(オフ) マスク・テスト・モードを
オフにします。
ユーザ定義の
マスク
「標準マスク」を
ユーザ定義マスクに
コピー
ユーザ・マスクの
保存・呼出
ユーザ定義のマスクを使用します。
ユーザ定義マスクは不揮発性メモリ
に保存でき、オシロスコープの電源
を切っても保存されます。ユーザ定
義マスクをフロッピーに保存する場
合は、ユーザ・マスクの保存・呼出
メニューで実行します。
標準の ITU-T または T1.102 マスク
をユーザ定義のマスクとして保存し
ます。保存するマスクは、汎用ノブ
で選択します。
ユーザ定義マスクを保存または呼び
出します。ユーザ独自のカスタム・
マスクを作成する場合は、当社
WaveStar for Oscilloscopes ソフト
ウェア Ver. 2.3 を使用します。
選択されているマスク名が表示され
ます。
12
TDS3TMT 型 ユーザ・マニュアル
ユーティリティ・メニュー
システム:アプリ
モジュール:テレコム
マスク・テストの詳細
メイン・
メニュー
マスク制御 マスク違反の
ハイライト表示
オン オフ
マスク違反で
取込停止
オン オフ
マスクと波形の
ロック
オン オフ
オートフィット
範囲
解説 サイド・メニュー
オンに設定すると、マスク違反した
波形部分が、マスク内で明るく表示
されて残ります。
オンに設定すると、最初のマスク違
反において波形の取り込みを停止し
ます。この機能は、合否テストより
も高い優先順位になっています。
オンに設定すると、水平軸、垂直軸
のスケール、ポジションが変化した
場合に、マスクも移動および再表示
を行い波形と連動します。ズーム表
示した場合に、マスク違反が詳細に
観測できます。
スパイラル・アルコリズムにより波
形を移動させ、マスクと波形をフィッ
トさせます。オートフィットでは、
ー
コー
よびトリガの設定は変化しません。
オートフィットの詳細については、
22 ページを参照してください。
垂直方向の
マージン
(カスタム・マスクの
場合にのみ有効)
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
ユーザ・マスクの垂直方向のマージン
を、マスク波形における振幅のパーセ
ントとして設定します。マージンの設
定は、汎用ノブを回して行います。
ム を選択した場合にのみ有効になり
ます。標準マスクでマージンを設定す
る場合は、標準マスクを ユーザ定義
のマスク としてコピーしてから設定
します。
13
マスク・テストの詳細
ユーティリティ・メニュー
システム:アプリ
モジュール:テレコム
メイン・
メニュー
合否
テスト
解説 サイド・メニュー
合否テスト
オン オフ
テスト経過: 取込波形数に対するマスク違反回数を
オンにすると、テスト経過をリセッ
トして合否テストを再開します。
表示します。また、マスク・テストの
繰返しをオンに設定している場合は、
テスト回数に対する NG 回数を表示
します。
マスク違反数が設定された「NG とす
るマスク違反回数」を越えると、テス
ト経過:の表示が 正常 / 続行 から 異
常 / 続行に変わります。設定された取
込波形数までテストすると、最終的に
正常 / 終了 または 異常 / 終了 と表示
されます。
「マスク制御」で「マスク違反で取込
停止」をオンに設定した場合にマスク
違反が発生すると、ただちにテストを
中 止して違反状況 を表示します。
14
テスト終了後の
オン オフ
オンに設定すると、合否テストが繰
。
TDS3TMT 型 ユーザ・マニュアル
ユーティリティ・メニュー
システム:アプリ
モジュール:テレコム
マスク・テストの詳細
メイン・
メニュー
合否
テスト
(続き)
解説 サイド・メニュー
波形の取込回数 一 回の合否テストで取り込む 波形数
を設定します。波形数は汎用ノブで
設定し、100,000 回以 上は ∞(無限
値 )に設定されます。
アベ レージがオンになっている場合
の取込回数は、(波形の取込回数)×
(アベ レージ回数)になります。
とする
NG
マスク違反回数
テスト開始前の
遅延時間
極性 すべ てのライブ・チャ ンネルの極 性
合否テストが「不合格」となるマス
は汎用ノブで設定します。
合否テストをオンしてから、実際に
テストが開始するまでの遅延 (待機)
時間を設定します。時間は汎用ノブ
で設定します。
を設定します。「両極性」を選択する
と、取込波形数の半 分を通常 の極 性
(反転 しない状態 )でテストし、残
りの半 分を反転 した極 性でテストし
ます。
。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
15
マスク・テストの詳細
ユーティリティ・メニュー
システム:アプリ
モジュール:テレコム
メイン・
メニュー
合否
(続き)
テスト終了時の
オン オフ
時の
NG
ブザー音
オン オフ
時の
NG
ハードコピー
オン オフ
時の波形を
NG
に保存
FD
オン オフ
解説 サイド・メニュー
オンに設定すると、合否テストの終
ー
オンに設定すると、「テスト経過:」
の表示が「正常 / 続行 」から「異常
/ 続行」に変わった時にブザーが鳴
ります。
オンに設定すると、「テスト経過:」
の表示が「正常 / 続行 」から「異常
/ 続行」に変わったときのスクリー
ン・イメージを、ハ ードコピーに出
力 します。
オンに設定すると、「テスト経過:」
の表示が「正常 / 続行 」から「異常
/ 続行」に変わったときの波形 デー
ロッピー・ディ
します。フロッピーへ の波形保存に
ついては、19 ページも参照してくだ
さい。
ー
。
16
TDS3TMT 型 ユーザ・マニュアル
ユーティリティ・メニュー
システム:アプリ
モジュール:テレコム
マスク・テストの詳細
メイン・
メニュー
テスト
結果
ヒット数の表示
オン オフ
違反回数
取込波形数
...
/
解説 サイド・メニュー
オンに設定すると、チャ ンネルごと、
またはマスク・セグ メントごとのマ
スク・ヒ ット(違反)数を表示しま
す。ヒ ット数の表示をオンすると合
否テストのスピードが遅 くなります
ので、テスト・スピードが重 要な場
合は、表示をオフにしてください。
また、この設定をオンにすると、各
マスク・セグ メントの近 くにセグメ
ント番号 が表示されます。
取込波形数に対するマスク違反回数
を表示します。また、マスク・テス
トの繰返しをオンに設定している場
合は、テスト回数に対する NG 回数
を表示します。
マスク違反数が設定された「NG と
するマスク違反回数」を越えると、
テスト経過: の表示が 正常 / 続行 か
ら異常 / 続行 に変わります。設定さ
れた取込波形数までテストすると、
最終的に 正常 / 終了 または 異常
/ 終了 と表示されます。
セグメント:
...
セグメント:8
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
1
各 セグ メントごとのヒ ット(違反)
数が表示されます。
17
マスク・テストの詳細
解説
自動合否テスト
自動 合否 テストの設定 例 を次に示します。
次の手順で操作し、オシロスコープを工 場出荷時 の設定に戻 します。
1.
保存 / 呼出(SAVE/RECALL)ボ タン →
工場出荷時設定呼出(メイン)
次の手順で操作し、波形目盛 を「フレーム」に設定します。
2.
表示(DISPLAY )ボタン → 波形目盛(メイン) →
フレーム(サイド)
標準 マスクを選択 します。
3.
テストに関係 ない波形を消去 します。
4.
テストする信号 を入力 します。
5.
フロント・パネルの オートセット (AUTOSET )ボ タンを押します。
6.
マスク・メニューの マスク制御において、オートフィット範囲 を小
7.
さな値(例えば 4)に設定します。
合否テスト において、極 性を 両極性 に設定します。
8.
合否テスト において、波形の取込回数 を 100 に設定します。
9.
合否テスト において オン を選択 し、テストを開始 します。
10.
テスト経過:の欄 にテストの経過 が表示されますので、必要に応じ
11.
てブ ザーを鳴 らす、ハード コピーをとる等 の設定を行います。
次の信号 を接続 します。
12.
手順 10 から繰返 します。
13.
18
TDS3TMT 型 ユーザ・マニュアル
マスク・テストの詳細
マスク・テストと合否テストについて
マスク・テストでは、マスク違反 した波形を検 出してその波形部分をハ
イライト表示します。合否 テストでは、マスク・テストの条件 (取込波
形数 、NG とする違反 波形数 、テストの繰返 し等 )を設定し、違反時の
アクション等 を設定します。
マスク・テストの中止方法
マスク・テストを中止して、マスクを 消去 するには、 マスク種類 または
現在のマスク において なし(オフ) を選択 します。
標準マスクとパルス振幅
標 準マスクでパルス 振幅が 指定されている場合、許容されている最大 振
幅でマスクは表示されます。
標準 マスクでパルス振幅 が指 定されていない場合、マスクは振幅 1V と
して表示されます。
マスク違反時のハイライト表示
マスクと入力信号 を比較 する場合は、ハイライト表示をオンに設定する
必要があります。ハ イライト表示がオフの状態では、マスク違反 が検出
されず、ヒ ット数の表示も行われません。「合否 テスト」、「ヒ ット数 の表
示」または「マスク違反 で取込停 止」の設定をオンにすると、ハ イライ
ト表示は自動的 にオンに設定されます。
フロッピー・ディスクへの波形保存
保存される波形には、 TEKnnnnn.fff( nnnnn は 00000 で始まる連 番 、
fff はファイル・フォ ーマット)の名 前が付きます。波形の保存には、保
存 / 呼出 (SAVE/RECALL)ボ タン → 波形の保存(メイン)の順に ボ
タンを押します。内部形式 のファイル・フォ ーマット(.isf )を使用し、
複数 のチャンネルでテストする場合、ファイルの最初の部分にチャンネ
ルに関するデータが書き込 まれています。.isf フォーマットの詳細 につ
いては、TDS3000 Series Programmer Manual を参照してください。
信号のターミネーション
通信信号 をテストする場合は、信号 のターミ ネーションが適切 に行われ
ているか確認してください。当社の AMT75 型および AFTDS アダプタ
を使用すると、通信信号 が正 しくターミ ネーションできます。
合否テスト:極性
すべてのライブ ・チャンネルの極 性を設定します。「両極性」を選択する
と、取込 波形数の半 分を通常 の極性(反転 しない状態)でテストし、残
りの半 分を反転 した極 性でテストします。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
19
マスク・テストの詳細
合否テスト:アベレージ
アベ レージがオンになっている場合、アベ レージ処理 された波形がマス
クと比較されます。したがって取込波形数は、(アベ レージ回数)×(設
定された波形の取込回数)になります。例えば、波形の取込回数が 500 、
アベ レージ回数が 8 に設定されている場合、合否テストで取り込 まれる
波形の総数 は 500 × 8 = 4,000 波形となります。
トリガについて
標 準のマスクを 選択すると、 選択 されたマスクに対 応 したトリガが 自動
的に設定されます。ユーザ定 義したマスクなどで別のトリガに設定する
場合は、マスクを 選択 した 後 にフロント・パネルの トリガ ( TRIGGER)MENU ボ タンを押 し、トリガ種類 でテレコムを選択した 後、標
準マスク で 希望のマスクを 選択します。
違反発生頻度の少ない合否テストについて
希 にしか発生しない違反 波形を 自動的 にテストし、その波形を保存する
手順の一例 を次に示します。
「合否 テスト(1/3 )」の設定において、「テスト終了後の繰返し」を
1.
オンにします。
「合否 テスト(2/3 )」の設定において、「波形の取込回数 」を 1 に設
2.
定します。
「合否 テスト(3/3 )」の設定において、「NG 時 の波形を FD に保
3.
存」をオンにします。
必要に応じ て次の手順を実 行し、フロッピーに保存する波形ファイ
4.
ルを圧縮 します。
ユーティリティ(UTILITY )MENU ボ タン →
ハードコピー(システム・ポ ップアップ・メニュー)→
オプション(メイン)→ ファイル圧縮(サイド )を オン
ただし、ファイル・フォ ーマットを .ISF に設定した場合は、ファイ
ル圧縮は機能しません。
20
TDS3TMT 型 ユーザ・マニュアル
マスク・テストの詳細
スクリーン上のマスク位置
マスクはスクリーン上の右側に配置され、左側の余白にシリアル・トリ
ガが取り込 めるようになっています。
マスク制御メニューで「マスクと波形のロック」をオンに設定した場合、
マスクをスクリーン左側 に大きく移動 させると、シリアル・トリガがか
からなくなります。波形取り込 みが終了してから「マスクと波形のロッ
ク」をオンにすると、マスク違反 を詳細に観測 できます。
次の手順で各ボタンを押 してレコード長 をノ ーマル(10K ポ イント)に
設定すると、「マスクと波形のロック」をオンにした場合により多 くの波
形ポ イントが取り込 めます。
波形取込(ACQUIRE )ボ タン → 水平分解能(メイン)→
ノーマル(サイド)
ただし、「マスクと波形のロック」とノーマル(10K ポ イント)の組 み合
わせは、水平軸 スケールが 100ns/div またはそれよりも高速 な場合にの
み有効になります。
マスク違反で取込停止
マスク 制御メニューで「マスク 違反で取 込停止」をオンにすると、マスク
違反が検出された場合、合 否テストの設定に関 係なく波形取り 込みは停止
します。
合否テスト
合否 テストを連続して行うには、合否テスト・メニューにおいて「波形
の取込回数 」を ∞ に設定します。
違反回数 /NG回数の表示について
合否 テスト完了前に、合否テストのオン / オフ・メニュー・ ボタンを押
す、テレコム・クイックメニューの テスト開始 メニュー・ボ タンでテ
ストを中止する、または「NG とするマスク違反 回数」を越 えた場合、
スクリーンに表示される違反 回数または NG 回数は、実際に取り込 んだ
波形数 よりも 1 つだけ少 ない値 になります。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
21
マスク・テストの詳細
オートフィットについて
H オートフィットを使用すると、螺旋状に波形を移動 し、各波形 ポジ
ションにおいてマスク違反 がないかチェックします。実際 の波形の
ポ ジション 数 は、オートフィット 範囲 の値 を次の 式 に 代 入すると、
計算できます。
ポ ジション数 = ( 2 × オートフィット範囲 +1 ) ×
次の例 では、オートフィ ット範囲 を 2 に 設定したときの波形の移動
パターンを示します。数字 は、S を移動開始ポイントとしたときの
波形の移動 順序 を示します。オートフィ ット範囲 を 2 に 設定する
と、波形は 25 ポ ジション移動 するこ とになります。
91 01 11 21 3
2 41231 4
23 8 s 41 5
2 27651 6
21 20 19 18 17
( 2 × オートフィ ット範囲 +1 )
H 波形がマスクから大きく離れている場合は、フロント・パネルの
オートセット (AUTOSET)ボ タンを 押すことで、マスクに適 した
表示になるよう、波形の垂直軸、水平軸 およびトリガが最適に設定
されます。
H 多くのポ イントでマスク違反 が発生し、それに伴 ってオートフ ィッ
ト処理 が連続的に行われるような場合は、オシロスコープの処理速
度 が 著 しく低下 します。 こ のような場合は、オート セ ット( AUTO-
SET)を使用してマスクに適 した波形表示にしてください。
H オートフィット機能により波形が移動 しても、なおマスク 違反 が発
生する場合、オシロスコープは直 前のオートフィ ットで最も違反 の
少 なかったポジションを 記憶 します。次のオートフィ ットでは、 直
前のオートセ ットで最も違反 の少なかったポ ジションまで移動 し、
そのポ イントを開始点 としてオートセットを再開 します。結果 とし
てオートフィ ット範囲 で設定した範囲 を越えて移動 するこ ともあり
ますが、違反 が発生しなくなれば オートフィ ットは完 了します。
22
TDS3TMT 型 ユーザ・マニュアル
マスク・テストの詳細
H オートフ ィットでは、波形が移動するのみで、波形の 垂直軸、水平
軸およびトリガは変更 されません。
波形がスクリーンいっぱ いに表示さている場合、オートフィ ットに
より波形が左 (右)に移動 した場合、スクリーンの右(左)端に表
示されていた波形部分が消えるこ とがあります。こ の場合、スク
リーンの端 に表示される波形部分はマスクからは大きく離 れていま
すので問題 はありません。
H オートフィットを機能させて合否 テストを実 行すると、オート
フィ ットの開始ポ イントは、各回の合否 テスト開始時 にリセットさ
れます。
H オートフィットの使用は、テストしようとする波形がマスク内にほ
とんど収 まっている状態が最も適 しています。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
23
マスク・テストの詳細
合否テストの設定例
ここ では、ITU-T テレコム 信号が E1 Coaxial Pair 2.048 Mb/s の 規格 に
適合する ことを確認します。マスク違反個所 をハイライト表示し、500
波形でテストして停 止します。
合否 テストの設定は、テレコム・クイックメニューで設定します。設定
項 目を次の表に示します。テスト信号 をオシロスコープの Ch 1 に接続
し、フロント・パネルの オートセット (AUTOSET)ボタンを押 します。
オートセ ットで波形が表示された後 、サイド ・メニューの テスト開始
を選択すると、合否テストが開始します。
テレコム・クイックメニュー
メニュー
項目
パラメータ 設定値
標準マスク 矢印(↑↓)メニュー・ボ
タンを使い、マスクの規格
を選択します。
マスク制御 ハ イライト オン
アベ レージ オフ
波形ロック オフ
Autofit (オートフィット) オン(1 以上)
合否テスト 違反時のハ ードコピー オフ( nを外す)
違反時の波形保存 オフ(nを外す)
違反時のブザー オン
終了 時のブザー オン
繰返し オフ(nを外す)
取込波形数 500
しきい値 1
極 性 正極 性
E1 Coax (ITU-T)
2.048 Mb/s
(n を付ける)
(n を付ける)
24
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
保証規定
保証期間 (納入後 3 年間) 内に、通常の取り扱いによって生じた故障は無料で修理いた
します。
1 . 取扱説明書、本体ラベルなどの注意書きに従った正常な使用状況で保証期間内に故
障した場合には、販売店または当社に修理をご依頼下されば無料で修理いたしま
す。なお、この保証の対象は製品本体に限られます。
2 . 転居、譲り受け、ご贈答品などの場合で表記の販売店に修理をご依頼できない場合
には、当社にお問い合せください。
3 . 保証期間内でも次の事項は有料となります。
H 使用上の誤り、他の機器から受けた障害、当社および当社指定の技術員以外に
よる修理、改造などから生じた故障および損傷の修理
H 当社指定外の電源(電圧・周波数)使用または外部電源の異常による故障および
損傷の修理
H 移動時の落下などによる故障および損傷の修理
H 火災、地震、風水害、その他の天変地異、公害、塩害、異常電圧などによる故
障および損傷の修理
H 消耗品、付属品などの消耗による交換
H 出張修理 (ただし故障した製品の配 送料 金は、当社負担 )
4 . 本製品の故障またはその使用によって生じた直接または間接の損害について、当社
はその責任 を負 いません。
5 . この規定は、日 本国 内においてのみ有効です。
(This warranty is valid only in Japan.)
H この保証規定は本書に明示された条件 により無料修理をお 約束 するもので、これに
よりお 客様 の法 律 上の権利 を制限するものではあ りません。
H ソフトウェアは、本保証の対象外です。
H 保証期間経過後の修理は有料となります。詳しくは、販売店または当社までお問い
合せください。
お問い合わせ
製品についてのご相談 ・ご質 問につきましては、下記までお問い合わせ
ください。
お客様コールセンター
TEL 03-3448-3010 F AX 0120-046-011
東京都品川区北品川 5-9-31 〒141 ー0001
電話受付時間/9:00~12:00 13:00~19:00 月曜~金曜 (休祝日を除く)
E-Mail: ccc.jp@tektronix.com
URL: http://www.tektronix.co.jp
修理 ・校正 につきましては、お買 い求 めの 販売店または下記サービス受
付センターまでお問い合わせください。
(ご連絡の際に、型名、故障状況等を簡単にお知らせください)
サービス受付センター
TEL 0120-741-046 F AX 0550-89-8268
静岡県御殿場市神場 143 - 1 〒412 ー0047
電話受付時間/9:00~12:00 13:00~19:00 月曜~金曜 (休祝日を除く)
Original English text:
TDS3TMT Telecom Mask Test Application Module
User Manual
071-0305-01
ユーザ・マニュアル
TDS3TRG
型
拡張トリガ・モジュール
071-0323-02
このマニュアルは、ファームウェア Ver. 2.00 以上
の製品に対応します。
Copyright © Tektronix, Inc. All rights reserved.
当社の製品は、米国その他各国における登録特許および出願中特許の対象となっ
ています。本書の内容は、すでに発行されている他の資料の内容に代わるもので
す。また製品の仕様は、予告なく変更させていただく場合がありますので、予め
ご了承ください。
Tektronix, Inc., P.O. Box 500, Beaverton, OR 97077
TEKTRONIX および TEK は、 Tektronix, Inc の登録商標です。
DPX は、 Tektronix, Inc. の商標です。
WARRANTY SUMMARY
Tektronix warrants that the products that it manufactures and sells will be free from defects
in materials and workmanship for a period of three (3) years from the date of shipment
from an authorized Tektronix distributor. If a product proves defective within the
respective period, Tektronix will provide repair or replacement as described in the complete
warranty statement.
To arrange for service or obtain a copy of the complete warranty statement, please contact
your nearest Tektronix sales and service office.
EXCEPT AS PROVIDED IN THIS SUMMARY OR THE APPLICABLE WARRANTY
STATEMENT, TEKTRONIX MAKES NO WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS
OR IMPLIED, INCLUDING WITHOUT LIMITATION THE IMPLIED WARRANTIES
OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. IN NO
EVENT SHALL TEKTRONIX BE LIABLE FOR INDIRECT, SPECIAL OR
CONSEQUENTIAL DAMAGES.
目次
安全にご使用いただくために iii ......................
参照ページとお問い合わせ v ........................
お問い合わせについて vi ..........................
はじめに
モジュールとファームウェアのインストール方法 1 ...
拡張モジュールのインストール確認方法 4 ..........
インストールできない場合の対策 5 ................
拡張トリガ機能
拡張トリガの概要 6 ..............................
メニューの表示方法 8 ............................
拡張トリガの概念 9 ..............................
拡張トリガの詳細
はじめに 15 ......................................
パターン・トリガ 16 ..............................
ステート・トリガ 21 ..............................
パルス幅トリガ 25 ................................
ラント・パルス・トリガ 29 ........................
スルー・レート・トリガ 33 ........................
付録
付録 A: 仕様 38 .................................
保証規定
お問い合わせ
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
i
目次
ii
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
安全にご使用いただくために
安全にご使用いただくため、機器をご使用になる前に、次の事項を必ず
お読みください。また、仕様に記されている機器以外は使用しないでく
ださい。
本製品のサービスは、専門のサービス要員のみが行えます。詳しくは、
当社 お客様コールセンターまでお問い合わせください。
本製品をご使用になる場合、他のシステムの製品を操作することがあり
ます。このような場合、他のシステムの製品の、安全に関する注意事項
もお読みください。
人体保護に関する注意事項
故障と思われる場合
故障と思われる場合は、必ず当社 サービス受付センターまでご連絡く
ださい。
機器が濡れた状態での使用
感電のおそれがありますので、機器が濡れている状態では使用しないで
ください。
ガス中での使用
発火のおそれがありますので、爆発性のガスが周囲にあるような場所で
は使用しないでください。
用語とマークについて
マニュアルで使用されている用語およびマークの意味を、次に示します。
注意:
機器を損傷するおそれのある場合の注意事項が記されています。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
iii
安全にご使用いただくために
静電気に対する注意事項
注意:
おそれがあります。次の注意事項をよくお読みになり、モジュールのイ
ンストール、取り外しおよび取り扱いには十分にご注意ください。
リスト・ストラップの使用
モジュールを取り扱う場合、帯電防止用のリスト・ストラップを着け、
体に蓄積される静電気を放電してください。
作業環境に対する注意
モジュールのインストール、取り外しを行う場合、帯電しやすい機器を
周囲に置かないでください。また、静電気を発生しやすい床、作業台で
の作業は避けてください。
モジュールの取り扱いについて
作業台の上などでモジュールを引きずることのないようにご注意くださ
い。モジュールの金属部分には手を触れないでください。また、モ
ジュールの取り扱いは手早く行ってください。
モジュールの保管について
モジュールの保存、輸送には、静電気防止袋またはコンテナを使用して
ください。
静電気によってオシロスコープおよびモジュール回路が損傷する
iv
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
参照ページとお問い合わせ
このマニュアルは、TDS3TRG 型 拡張トリガ・モジュールのユーザ・マ
ニュアルです。このマニュアルでは、拡張トリガ・モジュールの操作方
法およびアプリケーションについて説明します。内容と参照ページにつ
いては、次の表を参照してください。
内容
モジュールのインストールについて モジュールとファームウェアの
製品の概要について 拡張トリガ機能 :6 ページ
基本操作について メニューの操作方法 :8 ページ
拡張トリガの概要について 拡張トリガの概念 :9 ページ
機能の詳細について 拡張トリガの詳細 :15 ページ
仕様について 仕様:38 ページ
このマニュアルでは、メニュー表示を「日本語」で記載していま
注:
す。オシロスコープの言語設定が日本語以外になっている場合は、日本
語に設定してからお読みください。
メニューの言語設定方法については、オシロスコープのユーザ・マニュ
アルを参照してください。
参照ページ
インストール方法:1 ページ
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
v
参照ページとお問い合わせ
お問い合わせについて
製品について 当社製品に関するお問い合わせは、北米地域からは
次のフリー・ダイアルがご利用になれます(英語のみ)。
1-800-833-9200
6:00 a.m.~ 5:00 p.m. Pacific time
電子メールをご利用の方は、次のメール・アドレスでお問
い合わせください。
TechSupport@tektronix.com
日本国内では、日本テクトロニクス(株)
お客様コールセンターまでお問い合わせください。
電話: 03-3448-3010 Fax: 0120-046-011
E-mail: ccc.jp@tektronix.com
電話受付時間 / 9:00 ~12:00 ・13:00 ~19:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
サービス・
サポート
ご意見、
ご感想は
日本国内での修理についてのお問い合わせは、日本テクト
ロニクス(株) サービス受付センターでお答えします。
電話: 0120 - 741 - 046 FAX: 0550 - 89 - 8268
電話受付時間 / 9:00 ~12:00 ・13:00 ~19:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
ワールド・ワイドのサービス体制については、Tektronix
のホーム・ページをご参照ください。
Tektronix 社または日本テクトロニクス(株)までお寄せ
ください。
Tektronix, Inc.
14200 SW Karl Braun Drive
P.O. Box 500
Beaverton, OR 97077
USA
日本テクトロニクス株式会社
〒141-0001 東京都品川区北品川 5-9-31
お客様コールセンター(上記参照)
vi
ホームページ www.tektronix.com
www.tektronix.co.jp
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
はじめに
この章では、TDS3TRG 型 拡張トリガ・モジュールのインストール方法
とチェック方法について説明します。
モジュールとファームウェアのインストール方法
モジュールは、最大 4 個までインストールすることができます。フロン
ト・パネルの右上に見える窓の部分に 2 個、その裏に 2 個インストール
することができます。
モジュールがプリインストールされた、4 チャンネル仕様のオシロ
注:
スコープを購入された場合は、以下の手順は必要ありません。
新しいモジュールを初めてインストールするときにのみ、ファームウェ
アのインストールが必要になります。
一度インストールしたモジュールを抜き差しした場合、ファームウェア
のインストールは必要ありません。
注意:
め、静電気に関する注意事項(iv ページ)をお読みください。
静電気によるオシロスコープおよびモジュールの損傷を防ぐた
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
1
はじめに
モジュールおよびファームウェアのインストール手順を次に説明します。
オシロスコープに保存されている設定および波形をフロッピー・
1.
ディ スクに移動 します。
オシロスコープの電源を切 ります。
2.
フロント・パネルの右側面 にある小 さな窓を開 けます。
3.
モジュールの接点 部とオシロスコープ側の接点部を合わせるように
4.
して、任 意のスロットに挿 入します。モジュールを外す場合は、マ
イナス・ド ライバ をモジュールの 凹 部に入れて引き出します。
モジュール収納 部の窓を閉 めます。
5.
拡張モジュールを外すと、拡張モジュールの機能は無効 になりま
注:
す。拡張モジュールをインストールし直 すと、再 び機能 するようになり
ます。
拡張モジュール
接点部
2
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
はじめに
ファームウェア・アップグレ ード 用フロッピー・ディ スクが拡張モ
6.
ジュールに付属している場合は、このフロッピー・ディ スクをディ
スク・ド ライブ に入れます。フロッピー・ディ スクが 2 枚 以上ある
場合は、No.1 のフロッピー・ディ スクを入れます。
オシロスコープの電源 をオンにします。
7.
オシロスコープは拡張モジュールのファームウェアを確認 し、アッ
プデ ートの必要なしと判断 した場合は、次のメッセージが表示され
ます。
フロッピーに収録されているファームウェアは、
現在インストールされているファームウェア
よりも古いバージョンです。
アップデートの必要はありません。
MENU OFF ボタンを押してください。
MENU OFF ボタンを押 して手順 10 に 進 んでください。
ファームウェアのアップデ ータが必要と判断 されると、次のメッ
セージが表示されます。
オシロスコープのファームウェアをアップデートします。終了する
までオシロスコープの電源は切らないでください。また、終了する
まではフロッピー・ディスクを取り出さないでください。約 7 分で
アップデートを終了します。
OK インストール を選択すると、オシロスコープのファームウェアの
8.
アップデートを開始 します。アップデートを実 行している間、時計の
アイコンが表示されます。2 枚 のフロッピーが付属している場合は、
途 中でフロッピーを入れ替 えるようメッセージが表示されます。
アップデ ートが終 ると、オシロスコープは新しいファームウェアで
自動的 に電源 がリセットされます。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
3
はじめに
アップデ ート中に電源を切ったり、フロッピーを取り出したり、ま
注:
たはアップデ ート中に停電になった場合は、オシロスコープの電源をオ
フにして、手順 6 からやり直 してください。
ファームウェアのアップデ ートを行わない場合は、 MENU OFF ボタ
9.
ンを押 します。
ファームウェアをアップデートしないと、拡張モジュールは機能し
注:
ません。オシロスコープのファームウェアは、常に最新のバ ージョンで
ご使用になるようお勧 めします。
ファームウェアのアップデ ートが終 了したならば 、フロッピー・
10.
ディ スクを取り出します。
以上で、拡張モジュールのインストールおよびオシロスコープのファー
ムウェアのアップデ ートを終 了します。
拡張モジュールのインストール確認方法
拡張トリガ・モジュールが正 しくインストールされていることを確認す
る手順を、次に示します。拡張モジュールのメニューが表示されない場
合は、「インストールできない場合の対策 」の項を参照してください。
オシロスコープの電源 をオンにします。拡張モジュールが正 しくイ
1.
ンストールされている場合は、モジュール名 が表示されます。オシ
ロスコープのファームウェアのアップデ ートが必要、というメッ
セージが表示された場合は、オシロスコープの電源を切 り、3 ペー
ジの手順 6 から実 行してください。
フロント・パネルの トリガ (TRIGGER )MENU ボ タンを押します。
2.
メイン・メューで トリガ種類 を選択 します。正 しくインストールさ
3.
れていると、 ホップアップ・メニューには ロジック と パルス の項
目が 追加されています。
4
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
インストールできない場合の対策
オシロスコープの電源 オンで拡張モジュールが認識 されない場合は、次
の手順を実 行します。
オシロスコープの電源 をオフにします。
1.
iv ページの「静電気に対する注意事項」を確認 します。
2.
拡張モジュールをオシロスコープから取り外します。
3.
(2 ページの手順 4 を参照。)
オシロスコープおよび拡張モジュールの接点 部に損傷等の異常 がな
4.
いか確認 します。
拡張モジュールをオシロスコープに入れ直 します。
5.
はじめに
オシロスコープの電源 をオンにします。「拡張モジュールの確認 方
6.
法」の手順を実 行しても拡張モジュールが認識 されない場合は、オ
シロスコープの電源 をオフにし、拡張モジュールをオシロスコープ
の別 のモジュール・スロットに入れてみます。
再 度オシロスコープの電源 をオンにします。これで拡張モジュール
7.
が 認識される場合は、オシロスコープのモジュール・スロットに原
因があることがわかります。詳 細については、サービス受付セン
ターまでご連絡ください。
拡張モジュールが認識 されない場合は、オシロスコープの電源を切
り、3 ページの手順 6 から説明しているオシロスコープのファーム
ウェアのアップデ ートを実 行します。
ファームウェアをアップデ ートしても拡張モジュールが認識 されな
8.
い場合は、サービス受付センターまでご連絡ください。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
5
拡張トリガ機能
この章では、拡張トリガ機能の概要、メニューの操作方法およびロジッ
ク・トリガの概念 について説明します。
拡張トリガの概要
TDS3TRG 型 拡張トリガ・モジュールは、 TDS3000/TDS3000B シリー
ズ ・オシロスコープのトリガ機能 に、ロジック・トリガおよびパルス・
トリガの機能を追加します。ここでは、追加されるトリガ機能の概要を
説明します。
ロジック・トリガの概要
ロジック・トリガでは、2 つのトリガ入力信号 の論理 状態でトリガを設
定することができます。
パターン・トリガ
パターン・トリガでは、2 つのトリガ入力信号 の論理的 な真 (TRUE)
または偽(FALSE )によってトリガします。具体的 には、 2 入力 の
AND 、OR、NAND または NOR の論理ゲートの出力 によってトリガし
ます。その他のトリガ条件 として、時間 、しきい値も設定できます。パ
ターン・トリガは、ロジック回路のトラブ ルシューティングに適 してい
ます。
ステート・トリガ
ステート・トリガでは、クロック信号 が変化するタイミングにおけるス
テート信号 の状態によってトリガします。このトリガは、デジタル・ロ
ジック回路の同期 状態のトラブ ルシューティングに適 しています。
6
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
拡張トリガ機能
パルス・トリガの概要
パルス信号のタイミングまたはしきい値の条件でトリガします。パルス・
トリガには、次に示す 3 種類 のトリガ・クラス(パルス幅 トリガ、ラン
ト・トリガおよびスルー・レ ート・トリガ)があります。
パルス幅トリガ
パルス幅 トリガでは、パルス幅が指 定した時間 より短 い、長い、等 しい
または等 しくない場合にトリガします。パルス幅 トリガは、ロジック回
路のトラブ ルシューティングに適 しています。
ラント・トリガ
ラント・トリガでは、指 定したしきい値まで達 しないパルスにトリガし
ます。また、ラント・パルスのパルス幅 も設定できます。ラント・トリ
ガは、バス信号 のトラブ ルシューティング に適 しています。
スルー・レート・トリガ
スルー・レ ート・トリガでは、信号 のスルー・レ ート(単位時間 におけ
る信号 の立ち上がり / 立ち下がりの割合)が指 定した値より小 さい、大
きい、等 しいまたは等 しくない場合にトリガします。ラント・トリガ
は、デ ジタル・バス・トランシーバ、伝送線路およびオペアンプのトラ
ブ ルシューティ ング に適 しています。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
7
拡張トリガ機能
メニューの表示方法
トリガ・メニューの表示方法を次に示します。
B トリガがオンになっている場合、フロント・パネルの B TRIG ボ
1.
タンを押 して B トリガをオフにします。拡張トリガ機能 では、B ト
リガは使用できません。
フロント・パネルの トリガ (TRIGGER )MENU ボ タンを押 し、ト
2.
リガ・メニューを表示します。
メイン・メニュー(スクリーン下部に表示されるメニュー)の トリガ
3.
種類(Type ) を 選択し、 ポップアップ・メニューを表示します。
トリガ種類(Type) を 繰返し押 して ロジック(Logic )または
4.
パルス( Pulse)を 選択します。
メイン・メニューの クラス(Class )を押 してトリガ・クラスを選
5.
択します。
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TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
拡張トリガの概念
ここでは、拡張トリガに関連した信号 ロジックおよびしきい値の概念に
ついて説明します。拡張トリガおよびブール関数 になじみのない方は、
以下で説明する概念 について理解 しておく必要があります。
はじめに
トリガの基 本はエッジ・トリガで、オシロスコープではデフォ ルトのト
リガになっています。エ ッジ・トリガでは、指 定したスロープ(立ち 上
がりまたは立ち 下がり)で、指 定したしきい値を横切ったときにトリガ
します(波形を取り込 みます)。
しきい値
拡張トリガ機能
= トリガ可能なポイント
しかし、 エッジ・トリガだけでは 解決できない複雑 な 信号が、 現実には
数多く 存在しています。 例え ば、規 定の 幅よりも 狭いまたは 広いパル
ス、あるいは、ひ とつのチャ ンネルがローからハ イに変化するときの、
もうひ とつのチャ ンネルの論理 状態など は、拡張トリガ機能を利用する
ことで、簡単 にトリガすることができます。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
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拡張トリガ機能
拡張トリガでは、 エッジ・トリガの 概念に 加えて、パルス幅、 デ ルタ時
間、2 チャンネルの論理 比較 または 2 つのしきい 値設定な どにより、よ
り 厳密に波形を 特 定してトリガすることが 可 能になります。
パルス幅
ラント・パルス
= トリガ・ポイント
しきい値
パルス・トリガ、ロジック・トリガでは、 1 つまたは 2 つの 信号の 論理
的な 真(TRUE )の状態でトリガすることができます。信号の状態が真
(TRUE )または偽 (FALSE)であることを決 めるには、基準電圧を設
定する必要があります。この基準電圧を しきい値 と呼びます。このし
きい値を横切 ることで、信号 の論理 状態が切り替 わります。
論理ハイの
しきい値
論理ローの
状態
状態
論理ローの
状態
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= 論理の変化点
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
拡張トリガ機能
論理状態
実際の 論理状態には、「正論理」と「 負論理」の 2 種類があります。「正
論理」では、しきい 値より上の部分を真(TRUE)、しきい値より下の
部分を偽(FALSE)と定義 します。
「負論理」では、逆に、しきい値 より下の部分を真(TRUE )、しきい
値より上の部分を 偽(FALSE)と定義します。
信号の 論理状態を定 義することで、ブール関数を使って 2 つの信号の状
態における 真または 偽を 評価 することができます。
正論理
負論理
真真
偽
偽
真
偽
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
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拡張トリガ機能
ブール関数
しきい値と正論理、負論理の設定により、波形のどの部分が真、偽 なの
か定義 できます。次に、ブ ール関数 により、2 つの信号 の評価 、比較 を
行い、トリガを設定することができます。
論理比較 のための関数 としては、AND 、 OR 、 NAND および NOR があ
ります。
H AND では、2 つの入力が共 に真のときのみ真 と定義 されます。それ
以外では偽 と定義 されます。
H OR では、 2 つの入 力のど ち らか一方が真、または 2 つの入 力が共に
真の場合に 真と定 義されます。それ以外では 偽と定義されます。
H NAND (Not-AND)では、2 つの入力が共に真 のときのみ偽 と定 義
されます。それ以外では真 と定義されます。これは、AND を反転 し
たものになります。
H NOR (Not-OR )では、 2 つの入 力のどち らか一方が 真 、または 2 つ
の入力が共に真 の場合に偽 と定義されます。それ以外では真と定義
されます。これは、OR を反転 したものになります。
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TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
拡張トリガ機能
ブ ール関数 は、通常 、 真偽 表で表されます。 真偽表には、すべ ての信号
の組 み合せが記されています。次に示す真偽表では、 2 入力 によるブ ー
ル代数の組み合せを示しています。ここで記されている AND、NAND 、
OR および NOR は、拡張トリガで利 用することができます。
入力 1
信号の
論理状態
偽 偽 偽 真 偽 真
真 偽 偽 真 真 偽
偽 真 偽 真 真 偽
真 真 真 偽 真 偽
入力 2
信号の
論理状態
入力 1 と
入力 2 の
AND
入力 1 と
入力 2 の
NAND
入力 1 と
入力 2 の
OR
入力 1 と
入力 2 の
NOR
論理関数では 2 つの信号の論理状態を評価しますが、各入力の論理は、
正論理または 負論理の設定によって 異なることにご注意ください。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
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拡張トリガ機能
例 えば 、入力 1 の 信号 がロー、かつ、入 力 2 の 信号 がハイの時 にのみト
リガする例を考えてみます。この条件 では、次のようにトリガ設定する
必要があります。
H 各入 力のしきい 値を設定する。
H 入力 1 の信号がローの状態を 真 (負論理)と設定します。
H 入力 2 の信号 がハ イの状態を真 (正論理)と設定します。
H 2 つの信号 が共 に真 のときにのみ 真といえます。これは、 ブール代
数の AND に 相当します。
入力 1 の信号 = 負論理
しきい値
入力 2 の信号 = 正論理
トリガの論理としては、
入力 1 の信号と
入力 2 の信号の AND
真になったところでトリガ
= トリガ・ポイント
以上、ロジック・トリガ、パターン・トリガの基本的概念について説明
しました。さらに詳細 な説明は、「拡張トリガの詳細 」の項を参照してく
ださい。
14
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
拡張トリガの詳細
拡張トリガ・モジュールには、ロジック・トリガ、パルス・トリガの
2 種類のトリガ機 能 が装備されています。この章では、拡張トリガの詳
細について説明します。
はじめに
次に示す項目 は、すべ てのトリガ機能に適用されます。
H すべ ての拡張トリガ機能 では、B トリガは使用できません。
H トリガ・ ソースとして使用するチャンネルは、スクリーンに表示さ
せる必要はありません。
H パルス幅トリガ、ラント・トリガおよびスルー・レート・トリガで設
定可能 な時間は、39.6 ns ~ 10 s です。
H メニュー表に記されている N は、 汎用ノブ で設定する 値、またはオ
シロスコープによって計算 される値(スルー・レ ートなど)を意味
します。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
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拡張トリガの詳細
パターン・トリガ
パターン・トリガでは 2 つの入 力信号をモニタし、 指定された ブ ール関
数が 満足したときにトリガします。
入力 1
入力 2
入力の定義
正論理
負論理
正論理
負論理
しきい値
ロジックの定義 トリガ条件
AND
OR
NAND
NOR
真 / 偽に遷移
デルタ時間
<, >, =, ≠
パターン・トリガでは、次のパラメータを設定します。
H 2 つの入力信号
H 各入力信号 の論理
H 各入力信号 のしきい 値
H 2 つの入力信号 を比較 するのに使用する ブール関 数
H トリガ条件
トリガ
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ブール関 数が真、 偽になるとき、または真の状態が指定した時間経
過したときなどのトリガ条件を設定します。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
パターン・トリガ・メニュー
パターン・トリガ・メニューを次に示します。
トリガの種類:ロジック、
クラス:パターン
拡張トリガの詳細
メイン・
メニュー
入力の定義 入力 1 のソース パターン・トリガで使用する、第 1
ロジック AND, OR,
トリガ条件 真
サイド・
メニュー
論理 入力 1 の論理を定義します。
入力 2 のソース パターン・トリガで使用する、第 2
論理 入力 1 の論理を定義します。
NAND, NOR
偽
真 <
N
真 >
N
真 =
N
解説
の入力信号を選択します。
H= 正論理、L= 負論理
の入力信号を選択します。
H= 正論理、L= 負論理
入力信号を比較するためのブール関
数を選択します。
ロジックが真 / 偽になるときにトリ
ガします。
ロジックが、指定した時間条件を満
足しないときにトリガします。
ロジックが、指定した時間(±5% の
真 ≠
N
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
きにトリガします。
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拡張トリガの詳細
トリガの種類:ロジック、
クラス:パターン
メイン・
メニュー
しきい値 レベル(入力 1) N入力 1 、入力 2 のしきい値を、汎用
サイド・
メニュー
レベル(入力 2)
解説
ノブで設定します。
N
2 つの入力のしきい値を 1.4 V に設
定します。
2 つの入力のしきい値を -1.3Vに
設定します。
圧のピーク・ピーク電圧の 50% レ
ベルに設定します。
波形取り込みモードを、フリー・ラ
ンおよびロール・モードに設定しま
す。
り込みます。
ホールドオフ時間を設定します。
モードと
ホールドオフ
TTL
ECL
振幅 2 つの入力のしきい値を、各入力電
50%
オート
(トリガなし
ロール)
ノーマル トリガがあったときにのみ波形を取
ホールドオフ
(時間)
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ホールドオフ
(レコード長に
対する
最小値に
リセット
%)
ホールドオフ時間を、レコード長に
対する % で設定します。
ホールドオフ時間を最小値にリセッ
トします。
注意点
トリガ条件
真 / 偽 のパターンとして認識 されるには、 真 / 偽 の状態が 2ns以上継続
していることが必要です。
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