Tektronix TDS3FFT型/TDS3TMT型/TDS3TRG型/TDS3VID型 ユーザ・マニュアル User manual

ユーザ・マニュアル
TDS3FFT FFT
モジュール
071-0323-02
このマニュアルは、ファームウェア Ver. 2.00 以上 の製品に対応します。
当社の製品は、米国その他各国における登録特許および出願中特許の対象となっ ています。本書の内容は、すでに発行されている他の資料の内容に代わるもので す。また製品の仕様は、予告なく変更させていただく場合がありますので、予め ご了承ください。
Tektronix, Inc., P.O. Box 500, Beaverton, OR 97077
TEKTRONIX および TEK は、Tektronix, Inc の登録商標です。
DPX は、Tektronix, Inc. の商標です。
WARRANTY SUMMARY
Tektronix warrants that the products that it manufactures and sells will be free from defects in materials and workmanship for a period of three (3) years from the date of shipment from an authorized Tektronix distributor. If a product proves defective within the respective period, Tektronix will provide repair or replacement as described in the complete warranty statement.
To arrange for service or obtain a copy of the complete warranty statement, please contact your nearest Tektronix sales and service office.
EXCEPT AS PROVIDED IN THIS SUMMARY OR THE APPLICABLE WARRANTY STATEMENT, TEKTRONIX MAKES NO WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS OR IMPLIED, INCLUDING WITHOUT LIMITATION THE IMPLIED WARRANTIES OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. IN NO EVENT SHALL TEKTRONIX BE LIABLE FOR INDIRECT, SPECIAL OR CONSEQUENTIAL DAMAGES.
目次
安全にご使用いただくために iii......................
参照ページとお問い合わせ v........................
お問い合わせについて vi..........................
はじめに
モジュールとファームウェアのインストール方法 1...
拡張モジュールのインストール確認方法 4..........
インストールできない場合の対策 5................
FFT の基礎知識
FFT の概要 6....................................
FFT 機能 7......................................
FFT 波形の表示方法 8............................
FFT 測定の概念 9................................
FFT の詳細
FFT メニュー 16..................................
FFT 測定例:その 120.............................
FFT 測定例:その 222.............................
付録
付録 A:EMC その他 24...........................
保証規定
お問い合わせ
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
i
目次
ii
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
安全にご使用いただくために
安全にご使用いただくため、機器をご使用になる前に、次の事項を必ず お読みください。また、仕様に記されている機器以外は使用しないでく ださい。
本製品のサービスは、専門のサービス要員のみが行えます。詳しくは、 当社 お客様コールセンターまでお問い合わせください。
本製品をご使用になる場合、他のシステムの製品を操作することがあり ます。このような場合、他のシステムの製品の、安全に関する注意事項 もお読みください。
人体保護に関する注意事項
故障と思われる場合
故障と思われる場合は、必ず当社 サービス受付センターまでご連絡く ださい。
機器が濡れた状態での使用
感電のおそれがありますので、機器が濡れている状態では使用しないで ください。
ガス中での使用
発火のおそれがありますので、爆発性のガスが周囲にあるような場所で は使用しないでください。
用語とマークについて
マニュアルに使用されている用語およびマークの意味を、次に示します。
注意:
機器を損傷するおそれのある場合の注意事項が記されています。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
iii
安全にご使用いただくために
静電気に対する注意事項
注意:
おそれがあります。次の注意事項をよくお読みになり、モジュールのイ ンストール、取り外しおよび取り扱いには十分にご注意ください。
リスト・ストラップの使用
モジュールを取り扱う場合、帯電防止用のリスト・ストラップを着け、 体に蓄積される静電気を放電してください。
作業環境に対する注意
モジュールのインストール、取り外しを行う場合、帯電しやすい機器を 周囲に置かないでください。また、静電気を発生しやすい床、作業台で の作業は避けてください。
モジュールの取り扱いについて
作業台の上などでモジュールを引きずることのないようにご注意くださ い。モジュールの金属部分には手を触れないでください。また、モ ジュールの取り扱いは手早く行ってください。
モジュールの保管について
モジュールの保存、輸送には、静電気防止袋またはコンテナを使用して ください。
静電気によってオシロスコープおよびモジュール回路が損傷する
iv
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
参照ページとお問い合わせ
このマニュアルは、TDS3FFT FFT モジュールのユーザ・マニュアル です。このマニュアルでは、FFT モジュールの操作方法およびアプリ ケーションについて説明します。内容と参照ページについては、次の表 を参照してください。
内容
モジュールのインストールについて モジュールとファームウェアの
製品の概要について
基本操作について FFT 波形の表示方法:8 ページ
FFT の概要について FFT 測定の概念:9 ページ
機能の詳細について FFT の詳細:16 ページ
このマニュアルでは、メニュー表示を「日本語」で記載していま
注:
す。オシロスコープの言語設定が日本語以外になっている場合は、日本 語に設定してからお読みください。
メニューの言語設定方法については、オシロスコープのユーザ・マニュ アルを参照してください。
参照ページ
インストール方法:1 ページ FFT の機能について:6 ページ
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
v
参照ページとお問い合わせ
お問い合わせについて
製品について 当社製品に関するお問い合わせは、北米地域からは
次のフリー・ダイアルがご利用になれます(英語のみ)。
1-800-833-9200 6:00 a.m.5:00 p.m. Pacific time
電子メールをご利用の方は、次のメール・アドレスでお問 い合わせください。
TechSupport@tektronix.com
日本国内では、日本テクトロニクス(株) お客様コールセンターまでお問い合わせください。 電話: 03-3448-3010 Fax: 0120-046-011
E-mail: ccc.jp@tektronix.com
電話受付時間 / 9:0012:0013:0019:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
サービス・ サポート
ご意見、 ご感想は
日本国内での修理についてのお問い合わせは、日本テクト ロニクス(株) サービス受付センターでお答えします。
電話: 0120 - 741 - 046 FAX: 0550 - 89 - 8268 電話受付時間 / 9:0012:0013:0019:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
ワールド・ワイドのサービス体制については、Tektronix のホーム・ページをご参照ください。
Tektronix社または日本テクトロニクス(株)までお寄せ ください。
Tektronix, Inc. 14200 SW Karl Braun Drive P.O. Box 500 Beaverton, OR 97077 USA
日本テクトロニクス株式会社 〒141-0001 東京都品川区北品川 5-9-31
お客様コールセンター(上記参照)
vi
ホームページ www.tektronix.com
www.tektronix.co.jp
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
はじめに
この章では、TDS3FFT FFT モジュールのインストール方法とチェッ ク方法について説明します。
モジュールとファームウェアのインストール方法
拡張モジュールは、最大 4 個までインストールすることができます。フ ロント・パネルの右上に見える窓の部分に 2 個、その裏に 2 個インス トールすることができます。
拡張モジュールがプリインストールされた、4 チャンネル仕様のオ
注:
シロスコープを購入された場合は、以下の手順は必要ありません。
新しい拡張モジュールを初めてインストールするときにのみ、ファーム ウェアのインストールが必要になります。
一度インストールした拡張モジュールを抜き差しした場合、ファーム ウェアのインストールは必要ありません。
注意:
め、静電気に関する注意事項(iv ページ)をお読みください。
静電気によるオシロスコープおよびモジュールの損傷を防ぐた
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
1
はじめに
モジュールおよびファームウェアのインストール手順を次に説明します。
まず、オシロスコープに保存されている設定および波形をフロッ
1.
ピー・ディスクに移動します。
オシロスコープの電源を切ります。
2.
フロント・パネルの右側面にあるさな窓をけます。
3.
拡張モジュールの接点部とオシロスコープ側の接点部を合わせるよう
4.
にして、意のスロットに挿入します。拡張モジュールを外す場合 は、マイナス・ライバをモジュールの 部に入れて引き出します。
拡張モジュール収納部の窓をめます。
5.
拡張モジュールを外すと、モジュールの機能は無効になります。モ
注:
ジュールをインストールしすと、び機するようになります。
モジュール
接点部
2
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
はじめに
ファームウェア・アップグレ用フロッピー・ディスクがモ
6.
ジュールに付属している場合は、このフロッピー・ディスクをディ スク・ライに入れます。フロッピー・ディスクが 2 以上ある
場合は、No.1 のフロッピー・ディスクを入れます。
オシロスコープの電をオンにします。
7.
オシロスコープはモジュールのファームウェアを認識し、アップデー トの必要なしと判断した場合は、次のメッセージが表示されます。
フロッピーに収録されているファームウェアは、 現在インストールされているファームウェア よりも古いバージョンです。
アップデートの必要はありません。
MENU OFF ボタンを押してください。
MENU OFF ボタンをして手順 10 んでください。
ファームウェアのアップートが必要と判断されると、次のメッ セージが表示されます。
オシロスコープのファームウェアをアップデートします。終了する までオシロスコープの電源は切らないでください。また、終了する まではフロッピー・ディスクを取り出さないでください。約 7 分で アップデートを終了します。
アップデートの実行 を選択してください。
OK インストール 選択すると、オシロスコープのファームウェアの
8.
アップデートを開始します。アップデートを行している間、時計の アイコンが表示されます。2 のフロッピーが付属している場合は、
中でフロッピーを入れえるようメッセージが表示されます。
アップートがると、オシロスコープは新しいファームウェアで 自動的に電がリセットされます。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
3
はじめに
アップート中に電源を切ったり、フロッピーを取り出したり、ま
注:
たはアップート中に停電になった場合は、オシロスコープの電源をオ フにして、手順 6 からやりしてください。
ファームウェアのアップートを行わない場合は、 MENU OFF ボタ
9.
ンをします。
ファームウェアをアップデートしないと、拡張モジュールは機能し
注:
ません。オシロスコープのファームウェアは、常に最新のージョンで ご使用になるようおめします。
ファームウェアのアップートが了したなら、フロッピー・
10.
ディスクを取り出します。
以上で、拡張モジュールのインストールおよびオシロスコープのファー ムウェアのアップートを了します。
拡張モジュールのインストール確認方法
拡張モジュールがしくインストールされていることを確認する手順 を、次に示します。拡張モジュールのメニューが表示されない場合は、 「インストールできない場合の対」の項を参照してください。
オシロスコープの電をオンにします。オシロスコープのファーム
1.
ウェアのアップートが必要、というメッセージが表示された場合 は、オシロスコープの電源を切り、3 ページの手順 6 から行して ください。
インストールしたモジュールが表示されることを確認します。
2.
MATH タンをします。
3.
メイン・メューで FFT 選択します。正しくインストールされてい
4.
ると、サイ・メニューが表示されます。
4
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
インストールできない場合の対策
オシロスコープの電オンで拡張モジュールが認識されない場合は、次 の手順を行します。
オシロスコープの電をオフにします。
1.
iv ページの「静電気に対する注意事項」を確認します。
2.
拡張モジュールをオシロスコープから取り外します。
3.
2 ページの手順 4 を参照。)
オシロスコープおよび拡張モジュールの接点部に損傷等の異常がな
4.
いか確認します。
拡張モジュールをオシロスコープに入れします。
5.
はじめに
オシロスコープの電をオンにします。「拡張モジュールの確認
6.
法」の手順を行しても拡張モジュールが認識されない場合は、オ シロスコープの電をオフにし、拡張モジュールをオシロスコープ ののモジュール・スロットに入れてみます。
度オシロスコープの電をオンにします。これで拡張モジュール
7.
認識される場合は、オシロスコープのモジュール・スロットに原があることがわかります。詳については、サービス受付セン
ターまでご連絡ください。
拡張モジュールが認識されない場合は、オシロスコープの電源を切 り、3 ページの手順 6 から説明しているオシロスコープのファーム ウェアのアップートを行します。
ファームウェアをアップートしても拡張モジュールが認識されな
8.
い場合は、サービス受付センターまでご連絡ください。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
5
FFT の基礎知識
この章では、FFT 要、メニューの表示方法および FFT 概念につ いて説明します。
FFT の概要
TDS3FFT FFT モジュールは、TDS3000/TDS3000B シリー・オシ ロスコープの機に、FFT (Fast Fourier Transform) 測定機能を追加 ます。FFT 定では、繰返しまたは単発の時間軸信号を周波数成分に変 し、スペクトル解析可能にします。
FFT 測定は、次のようなアプリケーションにしています。
H ルタやシステムのインパルス応答試験
H 高調分、高調みの
H DC ズ解析
H 振動解析
H 50 Hz60 Hz 商用電まれる高調解析
6
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT 機能
FFT モジュールには、次のような機があります。
FFT ウィンドウ
TDS3FFT 型には、4 種類FFT ドウ(方形波、ハミハニおよびブラックマン・ハリス)が用意されています。方形波ウィン ウは、トランント、パルス、単発信号などの繰返しのない信号解析
適しています。ハミグ、ハニングおよびラックマン・パリス・ウウは、繰返しのある信号解析適しています。
繰返し波形、単発波形および保存波形の解析
FFT 測定は、取りみ中の波形(繰返し波形または発波形)、最後に 取りんだ波形またはリファレンス・メモリに保存されている波形に対
しても行することができます。
FFT の基礎知識
dB / リニア RMS スケール
FFT 波形の垂直軸スケールは、dB または リニア RMS スケールが選択 できます。dB スケールは、広いダイナック・ンジの信号同時
観測するのにしています。リニア RMS スケールは、振幅値を直接比して表示するのにしています。
時間軸波形と FFT 波形の同時表示
時間軸波形と FFT 波形を同時に表示できますので、トラブルシューテが容に行えます。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
7
FFT の基礎知識
FFT 波形の表示方法
FFT 波形の表示手順を次に示します。
時間軸波形の信号のピークが、波形目盛から外れないように垂直軸
1.
スケールを調整します。信号のピークが波形目盛から外れると、
FFT 波形に誤差が生ます。
信号の周5 以上表示されるよう、水平軸スケールを調整
2.
ます。表示される波形の周いほFFT 波形の周波解能上し、イリアシンの発生をえることができます。(エイリア
シンについては、14 ページを参照してください。)
発波形(トランント波形)の場合は、信号のすての部分(す
ての過渡状態およびリング部分またはズ)が表示され、 かつ、スクリーンの中に表示されるように調整します。
XY 波形でも FFT 測定が行えます。
フロント・パルの MATH タンをすと、波形演算メニューが表
3.
示されます。クイックメニューQUICKMENUタンをして も、波形演算メニューは表示されませんのでご注意ください。
メイン・メニューで FFT 選択すると、FFT 測定にするサイド・
4.
メニューが表示されます。FFT 定は、最後に選択されたチャ ルの波形に対して行されます。
FFT 測定を行う波形を選択します(16 ページを参照)。FFT
5.
は、意のチャルまたは保存されている波形に対しても行で きます。
FFT 波形の垂直軸スケールと FFT ウを選択します(16
6.
ページを参照)。
ーム機およびカール機により、FFT 波形を定します
7.
19 ページを参照)。
8
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT 測定の概念
ここでは、FFT 測定による周波数成分の測定についての概念を説明します。
FFT のプロセス
FFT 測定では、繰返しまたは発の時間軸信号を周波数成分に変し、 スペクトル解析可能にします。測定には、レコーのすべてのデー タを使用し、速トリでは 500 イント、ーマルでは 10,000 ポイ ントのータからします。
FFT 定では、入信号DC0Hzサンプル周波½ の周波(ナイスト周波数)まで測定します。(ナイスト周波数については、
14 ページを参照)
FFT の基礎知識
波形レコード
FFT
FFT 周波数領域レコード
0Hz
500 ポイント(高速トリガ) または 10K ポイント(ノーマル)
FFT 周波数領域波形
½ サンプル周波数
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
9
FFT の基礎知識
FFT 波形
1
1
M
2
T
3
3
3
1. FFT 定対象になっているチャンネルのラ
2. FFT 波形のラ
3. 周波数成
10
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の基礎知識
FFT ウィンドウ
FFT では、波形は 0Vからまり 0V終るもの(言いえると、周整数倍終了するもの)として計算されます。波形のまりと終りが
同じ振幅なら波形に連続点はなく、周波数成分および振幅正確 計算できます。
取りんだ波形の周期が整数倍了していない場合は、波形のまり の部分とりの部分で不連続点が生、波形として高調波が生されて しまいます。この波形で FFT 演算すると、実際には存しない周波
分が発生することになります。
YT(時間軸領域)波形
FFT 演算に使用される YT 波形
波形
レコード長
不連続点
FFT
ウィンドウなしでの
FFT 波形
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
11
FFT の基礎知識
FFT ィンドウを使用すると、時間軸波形の開始点点を同じ振幅付けることができ、不連続点の発生を抑えることができます。これ により、FFT 計算される周波もより正確になります。周波数を正確定するのか、周波数成分の振幅正確定するのかによって、 FFT ウの形状を使い分けます。
YT(時間軸領域)波形
波形
レコード長
×
=
FFT
FFT ウィンドウを 使用した FFT 波形
ポイントごとに かけ算を行う
ウィンドウ (ハニング)
FFT ウィンドウにより 成形された YT 波形
12
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の基礎知識
FFT ウィンドウの特性
FFT モジュールには、4 種類FFT ィンウがあります。FFT ウは、周波数分解能と振幅精度で相反する性質を持っています。し たがって、定する項目、時間軸信号の性質を考慮した上でウィン ウの形状を選択する必要があります。ウィンドウを選択する上での イントを次に示します。
FFT
ウィンドウ
方形波 周波数測定に適してい
ハミング / ハニング
ブラックマン・ ハリス
特性 用途
ますが、振幅測定には 適していません。ウィ ンドウなしで測定した ものと同じ結果が得ら れます。
周波数測定に適してい ます。振幅測定は、「方 形波」ウィンドウに比 べると優れています。 「ハミング」の周波数 分解能は、「ハニング」 に比べてわずかに優れ ています。
振幅測定に適していま すが、周波数測定には 適していません。
信号の遷移またはバーストの開始点 と終了点の振幅がほぼ等しい場合
振幅の変化が少なく、周波数が安定 している正弦波
スペクトラムがゆっくりと変化する、 広い帯域におけるランダム・ノイズ
正弦波、繰返し性のある狭帯域のラ ンダム・ノイズ
信号の遷移またはバーストの開始点 と終了点の振幅が著しく異なる場合
高次の高調波を検出するための、 1 つの周波数が支配的な信号
適切なウンドウがわからない場合は、まず方形波ウィンドウを選択し、 ハミング、ハニング、ブラックマン・リスの順にウィンドウをり替 ます。周波、振幅の表示を見ながら、最なウィンドウを選択します。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
13
FFT の基礎知識
ナイキスト周波数
ジタル・リアルタイム・オシロスコープでラーなく定できるのは、 サンプル・ートの 1/2 の周波までです。この最周波を「ナイ
スト周波」と呼びます。ナイスト周波数以上では、「エイリアシング」実際には存在しない波形または周波数成分が表示されること)が発生 します。
エイリアシング
ナイスト周波数よりい周波数成分をんだ、時間軸領域の波形を取込むと、エイリアシンが発生します。下図に示すように、ナイキス ト周波を中にしてナイキスト周波より高い成分が折り込まれ、実 よりい周波数成分として表示されます。これを「イリアシング」 といいます。
0Hz
振 幅
エイリアス周波数
ナイキスト周波数
(サンプル・レートの 1/2 の周波数)
周波数
実際の周波数
14
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の基礎知識
エイリアシング対策
イリアシンを防ぐための定ヒントを次に示します。
H Time/Div ノブ時計向に回し、サンプル・ートを上ます。
サンプル・ートが上がるとナイキスト周波が上がり、イリア シングの影響を低減できます。たくさんの周波数成分が表示される 場合は、ーム機により波形を拡大表示します。
H 域制限ィルタを使用し、ース波形の周波数帯をナイキスト
周波以下に制限します。(すてのオシロスコープには 20 MHz の 帯域制限ィルタが、300 MHz および 500 MHz の帯のオシロス コープには、さらに 150 MHz の帯域制限ィルタが装備されていま す。)帯域制限ィルタは、垂直軸Vert ic alMENU タンを押し て表示されるメニューから選択します。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
15
FFT の詳細
FFT では、時間軸領域の波形を、周波数成分に変します。FFT 演算 では、次に示すパラメータを設定する必要があります。
H 力ソース
H FFT
H 垂直軸スケール
FFT メニュー
FFT メニューを次に説明します。
演算メニュー
メイン・ メニュー
FFT FFT ソース
サイド・ メニュー
FFT 垂直軸 スケール
FFT ウィンドウ
解説
ソース波形を選択します。2 チャン ネル仕様のオシロスコープでは、
Ch1Ch2Ref1 Ref44チャ
ンネル仕様のオシロスコープでは
Ch1 Ch4 Ref1 Ref4 から選
択します。
FFT 波形の垂直軸スケールを、 dB RMS または リニア RMS から選
択します。 FFT ウィンドウを、方形波、ハミン
グ、ハニング または ブラックマ ン・ハリスから選択します。
16
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の詳細
FFT ソース波形について
H FFT ース波形は、サイ・メニューから選択します。
H ーマル取りみモー10k イント)で FFT 定すると、オシ
ロスコープの反応速度がくなります。
H ノーマル取りみモード(10k イント)での FFT 定は、高速
リガ・モードでの FFT 定に比べ、ズ・フロア、周波数分解能 れています。
H 信号内に DC 分またはオフセット分があると、FFT 波形の
振幅値に誤差を生じます。DC 成分の影響を抑えるには AC 結合 ップリン)を使用します。
H オシロスコープのアクイジション(波形取り込み)・モー16
以上のアベレージにすると、ランダム・ノイズおよびエイリアシン 影響抑えることができます。アベレージ・モードでは、トリ ガに同期しない信号成分を減衰します。
H トリガに同期していない周波数成分を観測する場合は、アベレ
ジ・モーは使用しないでください。
H ピーク検出およびロープ・モーでは、FFT 定は行わない
でください。FFT 波形がしく歪む原因になります。
H トランゼント信号(インパルス、信号)を定する場合は、パ
ルスが波形コーの中央に取りまれるよう、オシロスコープの トリガを調整してください。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
17
FFT の詳細
FFT 波形の垂直軸スケールについて
H FFT 波形の垂直軸スケールは、サイ・メニューから選択します。
H FFT 波形の垂直軸スケールとジションは、垂直軸 スケールVer ti -
H FFT 波形のイナック・ンジをくとって表示するには、垂直
cal SCALE)ノブ垂直軸 ポジションVertical POSITION)ノブ 調整します。
スケールで dB RMS を選択します。dB RMS では、振幅のスケー
ルを log スケール(0dB=1V
H FFT 波形の垂直軸スケールで リニア RMS 選択すると、リニア・
スケールで振幅比較できます。
)で表示します。
RMS
FFT ウィンドウについて
H FFT ウは、サイ・メニューから選択します。
H FFT ウは、方形波、ハミニンおよびラックマ
ン・リスから選択できます。ウィンドウの特性については、13 ページを参照してください。
ナイキスト周波数について
H フロント・パネルの 波形取込AQUIREタンを押すと、スク
リーン右下にサンプル・ートが表示されます。この値の 1/2 がナ イ スト周波になります。、サンプル・ートが
25.0 MS/s の場合、ナイキスト周波数は 12.5 MHz になります。
18
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の詳細
FFT 波形のズーム表示
フロント・パネルのーム・タンをして スケールSCALEノブ ポジションPOSITIONノブを回すと、FFT ーム波形の倍率
ジションが調整できます。水平方ズーム倍率を変更すると、スク リーン中央の垂直軸を中心にして波形は拡大、縮小されます。垂直方ズーム倍率を変更すると、M のマークを中心に拡大、縮小されます。
ームのパラメータを変更しても、時間軸およびトリガ・ジションの 設定は影響を受けません。
FFT 波形は、波形レコー全体から計算されます。時間軸波形ま
注:
たは FFT 波形をズーム表示しても、ームされた部分で再計算される ことはありません。
FFT 波形でのカーソル測定
FFT 波形でカールを使用すると、振幅dB または電流などース波 形の垂直軸単位)と周波数(Hz)が測定できます。dB による振幅測 では、0dBは 1V は周波数が測定できます。
振幅カーソル (水平バー)
に対します。水平バーでは振幅が、垂直バーで
RMS
周波数カーソル
(垂直バー)
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
19
FFT の詳細
FFT 測定例:その 1
みのない正弦波を増幅器に入することで、増幅器のみが測定でき ます。増幅器にみがあると、出力に高調波が発生します。増幅器の出 FFT 波形を観測することで、みをチェックできます。
ここでは、テスト信号として 10 MHz 正弦波を定します。FFT のパ ラメータは次のように設定します。
項目 設定
の結合
CH1
(カップリング)
AC
波形取り込み モード
水平解像度 ノーマル
水平軸スケール
ソース波形
FFT
垂直軸
FFT
スケール
ウィンドウ ブラックマン・
FFT
アベレージ:16回
ポイント)
10k
2.00 s
Ch 1
dB
ハリス
20
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の詳細
T
1
1
2
3
M
1 に示される 20 MHz 分は、ース信号本波です。高調波が
40 MHz(2 のマーク)、次の高調波が 80 MHz(3 のマーク)に表示
されています。この結果から、システムによって信号歪んでいること が分かります。偶数次の高調波は、サイクルのゲインに差があること を示しています。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
21
FFT の詳細
FFT 測定例:その 2
ジタル / アナロ混在している回路で発生するズはオシロスコー プで観測できますが、ノイズ源を特定することまでは非常に困難です。
FFT 波形ではノイズの周波数成分がわかりますので、ズの原因がシ ステム・クロック、オシータ、リー/ ライト・ストロー、表示 、スイッチン源などのシステム周波にあるのか特定することが
できます。
このでのシステム最高周波数は 40 MHz として、FFT のパラメータを 次のように設定します。
項目
の結合
CH1
(カップリング) 波形取り込み
モード 水平解像度 ノーマル
水平軸スケール
ソース波形
FFT
垂直軸
FFT
スケール
ウィンドウ ハニング
FFT
設定
AC
サンプル
ポイント)
10k
4.00 s
Ch 1
dB
22
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
FFT の詳細
T
1
1
M
2
1 に示される 31 MHz 成分は、このシステムのメモリ・ストローブ信号 であることを示しています。2 に表示されている 62 MHz 信号は、スト ローブ信号高調波です。
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
23
FFT の詳細
24
TDS3FFT 型 ユーザ・マニュアル
保証規定
保証期間 (納入後 3 年間) 内に、通常の取り扱いによって生じた故障は無料で修理いた します。
1. 取扱説明書、本体ラベルなどの注意書きに従った正常な使用状況で保証期間内に故 障した場合には、販売店または当社に修理をご依頼下されば無料で修理いたしま
す。なお、この保証の対象は製品本体に限られます。
2. 転居、譲り受け、ご贈答品などの場合で表記の販売店に修理をご依頼できない場合 には、当社にお問い合せください。
3. 保証期間内でも次の事項は有料となります。 H 使用上の誤り、他の機器から受けた障害、当社および当社指定の技術員以外に
よる修理、改造などから生じた故障および損傷の修理
H 当社指定外の電源(電圧・周波数)使用または外部電源の異常による故障および
損傷の修理
H 移動時の落下などによる故障および損傷の修理 H 火災、地震、風水害、その他の天変地異、公害、塩害、異常電圧などによる故
障および損傷の修理
H 消耗品、付属品などの消耗による交換 H 出張修理(ただし故障した製品の配送料金は、当社負担)
4. 本製品の故障またはその使用によって生じた直接または間接の損害について、当社 はその責任を負いません。
5. この規定は、日本国内においてのみ有効です。
(This warranty is valid only in Japan.)
H この保証規定は本書に明示された条件により無料修理をお約束するもので、これに
よりお 客様の法 律上の権利を制限するものではありません。
H ソフトウェアは、本保証の対象外です。 H 保証期間経過後の修理は有料となります。しくは、販売店または当社までお問い
合せください。
お問い合わせ
製品についてのご相談・ご問につきましては、下記までお問い合わせ ください。
お客様コールセンター
TEL 03-3448-3010 F AX 0120-046-011
東京都品川区北品川 5-9-31 1410001
電話受付時間/9:00~12:00 13:00~19:00 月曜~金曜 (休祝日を除く)
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修理校正につきましては、おめの販売店または下記サービス受 付センターまでお問い合わせください。
(ご連絡の際に、型名、故障状況等を簡単にお知らせください)
サービス受付センター
TEL 0120-741-046 F AX 0550-89-8268
静岡県御殿場市神場 143 - 1 412ー0047
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Original English text: TDS3FFT FFT Application Module
User Manual 071-0305-01
ユーザ・マニュアル

TDS3TMT

テレコム・モジュール
071-0323-02
このマニュアルは、ファームウェア Ver. 2.00 以上 の製品に対応します。
当社の製品は、米国その他各国における登録特許および出願中特許の対象となっ ています。本書の内容は、すでに発行されている他の資料の内容に代わるもので す。また製品の仕様は、予告なく変更させていただく場合がありますので、予め ご了承ください。
Tektronix, Inc., P.O. Box 500, Beaverton, OR 97077
TEKTRONIX および TEK は、Tektronix, Inc の登録商標です。
WARRANTY SUMMARY
Tektronix warrants that the products that it manufactures and sells will be free from defects in materials and workmanship for a period of three (3) years from the date of shipment from an authorized Tektronix distributor. If a product proves defective within the respective period, Tektronix will provide repair or replacement as described in the complete warranty statement.
To arrange for service or obtain a copy of the complete warranty statement, please contact your nearest Tektronix sales and service office.
EXCEPT AS PROVIDED IN THIS SUMMARY OR THE APPLICABLE WARRANTY STATEMENT, TEKTRONIX MAKES NO WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS OR IMPLIED, INCLUDING WITHOUT LIMITATION THE IMPLIED WARRANTIES OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. IN NO EVENT SHALL TEKTRONIX BE LIABLE FOR INDIRECT, SPECIAL OR CONSEQUENTIAL DAMAGES.
目次
安全にご使用いただくために iii......................
参照ページとお問い合わせ v........................
お問い合わせについて vi..........................
はじめに
モジュールとファームウェアのインストール方法 1...
拡張モジュールのインストール確認方法 4..........
インストールできない場合の対策 5................
テレコム機能
テレコム・マスク・テスト 6......................
マスク・テスト・クイックメニュー 6............
業界標準のテレコム・マスクを装備 6............
複数チャンネルでのテストが可能 6..............
テストの自動化 6..............................
マスクの編集 6................................
マスク・テストの操作方法 7......................
クイックメニュー(QuickMenu 7..............
ユーティリティ(Utility)メニュー 8..............
マスク・テストの詳細
はじめに 9......................................
メニューの詳細 10................................
合否テストの設定例 24............................
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
i
目次
ii
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
安全にご使用いただくために
安全にご使用いただくため、機器をご使用になる前に、次の事項を必ず お読みください。また、仕様に記されている機器以外は使用しないでく ださい。
本製品のサービスは、専門のサービス要員のみが行えます。詳しくは、 当社 お客様コールセンターまでお問い合わせください。
本製品をご使用になる場合、他のシステムの製品を操作することがあり ます。このような場合、他のシステムの製品の、安全に関する注意事項 もお読みください。
人体保護に関する注意事項
故障と思われる場合
故障と思われる場合は、必ず当社 サービス受付センターまでご連絡く ださい。
機器が濡れた状態での使用
感電のおそれがありますので、機器が濡れている状態では使用しないで ください。
ガス中での使用
発火のおそれがありますので、爆発性のガスが周囲にあるような場所で は使用しないでください。
用語とマークについて
マニュアルで使用されている用語およびマークの意味を、次に示します。
注意:
機器を損傷するおそれのある場合の注意事項が記されています。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
iii
安全にご使用いただくために
静電気に対する注意事項
注意:
おそれがあります。次の注意事項をよくお読みになり、モジュールのイ ンストール、取り外しおよび取り扱いには十分にご注意ください。
リスト・ストラップの使用
モジュールを取り扱う場合、帯電防止用のリスト・ストラップを着け、 体に蓄積される静電気を放電してください。
作業環境に対する注意
モジュールのインストール、取り外しを行う場合、帯電しやすい機器を 周囲に置かないでください。また、静電気を発生しやすい床、作業台で の作業は避けてください。
モジュールの取り扱いについて
作業台の上などでモジュールを引きずることのないようにご注意くださ い。モジュールの金属部分には手を触れないでください。また、モ ジュールの取り扱いは手早く行ってください。
モジュールの保管について
モジュールの保存、輸送には、静電気防止袋またはコンテナを使用して ください。
静電気によってオシロスコープおよびモジュール回路が損傷する
iv
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
参照ページとお問い合わせ
このマニュアルは、TDS3TMT 型 テレコム・モジュールのユーザ・マ ニュアルです。このマニュアルでは、テレコム・モジュールの操作方法
およびアプリケーションについて説明します。内容と参照ページについ ては、次の表を参照してください。
内容 参照ページ
モジュールのインストールについて モジュールとファームウェアの
インストール方法:1 ページ
製品の概要について テレコム機能:6 ページ 基本操作について マスク・テストの操作方法:
7 ページ
機能の詳細について マスク・テストの詳細:9 ページ
このマニュアルでは、メニュー表示を「日本語」で記載していま
注:
す。オシロスコープの言語設定が日本語以外になっている場合は、日本 語に設定してからお読みください。
メニューの言語設定方法については、オシロスコープのユーザ・マニュ アルを参照してください。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
v
参照ページとお問い合わせ
お問い合わせについて
製品について 当社製品に関するお問い合わせは、北米地域からは
次のフリー・ダイアルがご利用になれます(英語のみ)。
1-800-833-9200 6:00 a.m.5:00 p.m. Pacific time
電子メールをご利用の方は、次のメール・アドレスでお問 い合わせください。
TechSupport@tektronix.com
日本国内では、日本テクトロニクス(株) お客様コールセンターまでお問い合わせください。 電話: 03-3448-3010 Fax: 0120-046-011
E-mail: ccc.jp@tektronix.com
電話受付時間 / 9:0012:0013:0019:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
サービス・ サポート
ご意見、 ご感想は
日本国内での修理についてのお問い合わせは、日本テクト ロニクス(株) サービス受付センターでお答えします。
電話: 0120 - 741 - 046 FAX: 0550 - 89 - 8268 電話受付時間 / 9:0012:0013:0019:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
ワールド・ワイドのサービス体制については、Tektronix のホーム・ページをご参照ください。
Tektronix社または日本テクトロニクス(株)までお寄せ ください。
Tektronix, Inc. 14200 SW Karl Braun Drive P.O. Box 500 Beaverton, OR 97077 USA
日本テクトロニクス株式会社 〒141-0001 東京都品川区北品川 5-9-31
お客様コールセンター(上記参照)
vi
ホームページ www.tektronix.com
www.tektronix.co.jp
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
はじめに
この章では、TDS3TMT 型 テレコム・モジュールのインストール方法 とチェック方法について説明します。
モジュールとファームウェアのインストール方法
モジュールは、最大 4 個までインストールすることができます。フロン ト・パネルの右上に見える窓の部分に 2 個、その裏に 2 個インストール することができます。
モジュールがプリインストールされた、4 チャンネル仕様のオシロ
注:
スコープを購入された場合は、以下の手順は必要ありません。
新しいモジュールを初めてインストールするときにのみ、ファームウェ アのインストールが必要になります。
一度インストールしたモジュールを抜き差しした場合、ファームウェア のインストールは必要ありません。
注意:
め、静電気に関する注意事項(iv ページ)をお読みください。
静電気によるオシロスコープおよびモジュールの損傷を防ぐた
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
1
はじめに
モジュールおよびファームウェアのインストール手順を次に説明します。
オシロスコープに保存されている設定および波形をフロッピー・
1.
スクに移動します。
オシロスコープの電源を切ります。
2.
フロント・パネルの右側面にあるさな窓をけます。
3.
モジュールの接点部とオシロスコープ側の接点部を合わせるように
4.
して、意のスロットに入します。モジュールを外す場合は、マ イナス・ライをモジュールの 部に入れて引き出します。
モジュール収納部の窓をめます。
5.
拡張モジュールを外すと、拡張モジュールの機無効になりま
注:
す。拡張モジュールをインストールしすと、び機するようになり ます。
拡張モジュール
接点部
2
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
はじめに
ファームウェア・アップレー用フロッピー・デスクが拡張
6.
ジュールに付属している場合は、このフロッピー・ディスクをデ スク・ライに入れます。フロッピー・ディスクが 2 以上ある
場合は、No.1 のフロッピー・デスクを入れます。
オシロスコープの電をオンにします。
7.
オシロスコープは拡張モジュールのファームウェアを確認し、アッ プデートの必要なしと判断した場合は、次のメッセージが表示され ます。
フロッピーに収録されているファームウェアは、 現在インストールされているファームウェア よりも古いバージョンです。
アップデートの必要はありません。
MENU OFF ボタンを押してください。
MENU OFF ボタンをして手順 10 んでください。
ファームウェアのアップデータが必要と判断されると、次のメッ セージが表示されます。
オシロスコープのファームウェアをアップデートします。終了する までオシロスコープの電源は切らないでください。また、終了する まではフロッピー・ディスクを取り出さないでください。約 7 分で アップデートを終了します。
OK インストール 選択すると、オシロスコープのファームウェアの
8.
アップデートを開始します。アップデートを行している間、時計の アイコンが表示されます。2 のフロッピーが付属している場合は、
中でフロッピーを入れえるようメッセージが表示されます。
アップデートがると、オシロスコープは新しいファームウェアで 自動的に電がリセットされます。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
3
はじめに
アップデート中に電源をったり、フロッピーを取り出したり、ま
注:
たはアップデート中に電になった場合は、オシロスコープの電をオ フにして、手順 6 からやりしてください。
ファームウェアのアップデートを行わない場合は、 MENU OFF ボタ
9.
ンをします。
ファームウェアをアップデートしないと、拡張モジュールは機能し
注:
ません。オシロスコープのファームウェアは、常に最新のージョンで ご使用になるようおめします。
ファームウェアのアップデートが了したなら、フロッピー・
10.
スクを取り出します。
以上で、拡張モジュールのインストールおよびオシロスコープのファー ムウェアのアップデートを了します。
拡張モジュールのインストール確認方法
テレコム・モジュールがしくインストールされていることを確認する 手順を、次に示します。拡張モジュールのメニューが表示されない場合 は、「インストールできない場合の対」の項を参照してください。
オシロスコープの電をオンにします。拡張モジュールがしくイ
1.
ンストールされている場合は、モジュールが表示されます。オシ ロスコープのファームウェアのアップデートが必要、というメッ セージが表示された場合は、オシロスコープの電源を切り、3 ペー ジの手順 6 から行してください。
フロント・パネルの クイックメニューQUICK MENUタンを
2.
します。
拡張モジュールがしくインストールされている場合、スクリーン
3.
下に表示される メニューMENU)を繰返すとテレコム (Telecom)が表示され、スクリーンの下およびには、テレコム関 の設定項が表示されます。
4
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
インストールできない場合の対策
オシロスコープの電オンで拡張モジュールが認識されない場合は、次 の手順を行します。
オシロスコープの電をオフにします。
1.
iv ページの「静電気に対する注意事項」を確認します。
2.
拡張モジュールをオシロスコープから取り外します。
3.
2 ページの手順 4 を参照。)
オシロスコープおよび拡張モジュールの接点部に損傷等の異常がな
4.
いか確認します。
拡張モジュールをオシロスコープに入れします。
5.
はじめに
オシロスコープの電をオンにします。「拡張モジュールの確認
6.
法」の手順を行しても拡張モジュールが認識されない場合は、オ シロスコープの電をオフにし、拡張モジュールをオシロスコープ ののモジュール・スロットに入れてみます。
度オシロスコープの電をオンにします。これで拡張モジュール
7.
認識される場合は、オシロスコープのモジュール・スロットに原があることがわかります。詳については、サービス受付セン
ターまでご連絡ください。
拡張モジュールが認識されない場合は、オシロスコープの電源を り、3 ページの手順 6 から説明しているオシロスコープのファーム ウェアのアップデートを行します。
ファームウェアをアップデートしても拡張モジュールが認識されな
8.
い場合は、サービス受付センターまでご連絡ください。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
5
テレコム機能
この章では、TDS3TMT 型 テレコム・モジュールの機、マスク・テ スト・メニューの操作方法およびマスク・テストの概念について説明し
ます。
テレコム・マスク・テスト
ここでは、TDS3TMT 型 テレコム・モジュールをインストールするこ とで追加できる機について説明します。
マスク・テスト・クイックメニュー
マスク・テストのクイックメニューでは、スクリーンの下およびに、 マスク・テストに関する要な設定項が表示され、ひとつの画面から とんどの項が設定できます。
業界標準のテレコム・マスクを装備
TDS3TMT 型 テレコム・モジュールには、業となっている
ITU-G.703 および ANSI T1.102 のマスクを標装備しており、
STS-152 Mb/s)までのライン・レートに対できます。
複数チャンネルでのテストが可能
TDS3TMT 型 テレコム・モジュールでは、オシロスコープに入力したすてのライ・チャンネルを同時にテストすることができます。
テストの自動化
オプションの RS-232GPIB または LAN モジュールを装備することに より、マスク・テストを自動化することが可能になります。
マスクの編集
のマスクを編集する場合は、WaveStarSoftware for Oscillo- scopes v2.3 を使用します。
6
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
マスク・テストの操作方法
マスク・テストは、クイックメニュー または ユーティリティUTIL­ITY)メニューから操作します。クイックメニューでは、マスク・テス
トで使用する要なテスト機能が一つのスクリーン内で設定できます。 ユーテリテ・メニューでは、すてのマスク・テスト機能が設定で きます。
クイックメニュー(QuickMenu
クイックメニューの操作方法を次に説明します。
フロント・パネルの クイックメニューQUICKMENUタンを
1.
します。
スクリーン下のメイン・メニューで メニュー 返し押して
2.
テレコム機能
テレコム 選択します(下参照)。
メイン・メニューで 標準マスク 返し押して、使用するマスク
3.
選択します。
フロント・パネルの オートセットAUTOSET)ボタンをすと、
4.
自動的に波形がマスク内にセットされます。
メイン・メニュー、サイ・メニューで合否テストのパラメータを
5.
設定します。
サイド・メニューで テスト開始 押すと、合テストを開始します。
6.
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
7
テレコム機能
ユーティリティ(Utility)メニュー
ユーテリテ・メニューからマスク・テストを設定する手順を、次に 説明します。
1.
2.
3.
フロント・パネルの ユーティリティUTILITYボタンを押します。
メイン・メニューで システム 繰り返し押して アプリ 選択します。
メイン・メニューで モジュール 繰り押して テレコム 選択 します。
様に、メイン・メニュー、サイ・メニューを使用して、マスク
4.
選択、マスク制御および合否テストを設定します。
8
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
マスク・テストの詳細
TDS3TMT 型 テレコム・モジュールを使用すると、テレコム信号評価が行えます。ここでは、メニューの詳を説明します。
はじめに
H TDS3TMT 型では、オシロスコープの入力チャンネルに接続したす
ての信号についてマスク・テストが行できます。
H マスク・テスト・モーにおいて、フロント・パネルの オートセッ
AUTOSETタンをすと、選択されたマスクに波形が
るよう、オシロスコープの水平軸垂直軸およびトリガが自動的に 設定されます。
H マスク・テストは、ライブ・チャンネルのみで行されます。マス
ク・テスト実行時は、リファレンス波形、演算波形は消去してくだ さい。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
9
マスク・テストの詳細
メニューの詳細
TDS3TMT 型のメニューを次に説明します。
ユーティリティ・メニュー システム:アプリ モジュール:テレコム
メイン・ メニュー
マスク 種類
(ITU-T)
サイド・メニュー
なし(オフ)
DS-0 Single 64 kb/s DS-0 Double 64 kb/s DS-0 Data Contradirec-
tional 64 kb/s DS-0 Timing 64 kb/s Old ”DS1” Rate
1.544 Mb/s G.703 DS1 1.544 Mb/s E1 Symmetric Pair
2.048 Mb/s E1 Coaxial Pair
2.048 Mb/s Clk Interface Symmetric
Pair 2.048 Mb/s
Clk Interface Coaxial
Pair 2.048 Mb/s
”DS2” Rate Symmetric
Pair 6.312 Mb/s
”DS2” Rate Coaxial
Pair 6.312 Mb/s
E2 8.448 Mb/s
32.064 Mb/s E3 34.368 Mb/s Old ”DS3” rate
44.736 Mb/s G.703 DS3 44.736 Mb/s
解説
ITU-T 規格のマスクが選択できます。 それぞれのマスクには、オシロスコー
プの水平軸、垂直軸およびトリガの 設定が含まれており、それぞれの規 格に適した波形として表示できます。
マスクは、クイックメニューからで も選択できます。
マスクを選択した後、フロント・パ ネルの オートセットAUTOSET) ボタンを押すと、マスクに合うよう に波形が表示されます。
オシロスコープのトリガは、エッジ・ トリガ(ITU-T G.703)に設定され ます。
10
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
ユーティリティ・メニュー システム:アプリ モジュール:テレコム
マスク・テストの詳細
メイン・ メニュー
マスク 種類
(T1.102)
なし(オフ)
DS1 1.544 Mb/s DS1A 2.048 Mb/s DS1C 3.152 Mb/s DS2 6.312 Mb/s DS3 44.736 Mb/s STS-1 Pulse 51.84 Mb/s
解説サイド・メニュー
ANSI T1.102 規格のマスクが選択で きます。それぞれのマスクには、オ
シロスコープの水平軸、垂直軸およ びトリガの設定が含まれており、そ れぞれの規格に適した波形として表 示できます。
マスクは、クイックメニューからで も選択できます。
マスクを選択した後、フロント・パ ネルの オートセットAUTOSET) ボタンを押すと、マスクに合うよう に波形が表示されます。
オシロスコープのトリガは、アイソ レート ’1’ANSI T1.102)に設定さ れます。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
11
マスク・テストの詳細
ユーティリティ・メニュー システム:アプリ モジュール:テレコム
メイン・ メニュー
マスク 種類
(カスタム)
現在の マスク
解説サイド・メニュー
なし(オフ) マスク・テスト・モードを
オフにします。
ユーザ定義の マスク
「標準マスク」を ユーザ定義マスクに コピー
ユーザ・マスクの 保存・呼出
ユーザ定義のマスクを使用します。 ユーザ定義マスクは不揮発性メモリ に保存でき、オシロスコープの電源 を切っても保存されます。ユーザ定 義マスクをフロッピーに保存する場 合は、ユーザ・マスクの保存・呼出 メニューで実行します。
標準の ITU-T または T1.102 マスク をユーザ定義のマスクとして保存し
ます。保存するマスクは、汎用ノブ で選択します。
ユーザ定義マスクを保存または呼び 出します。ユーザ独自のカスタム・ マスクを作成する場合は、当社 WaveStarfor Oscilloscopes ソフト ウェア Ver. 2.3 を使用します。
選択されているマスク名が表示され ます。
12
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
ユーティリティ・メニュー
オシロス
プの水平軸、垂直軸お
この機能は、「マスク種
類」でカス
システム:アプリ モジュール:テレコム
マスク・テストの詳細
メイン・ メニュー
マスク制御 マスク違反の
ハイライト表示
オン オフ
マスク違反で 取込停止
オン オフ
マスクと波形の ロック
オン オフ
オートフィット 範囲
解説サイド・メニュー
オンに設定すると、マスク違反した 波形部分が、マスク内で明るく表示 されて残ります。
オンに設定すると、最初のマスク違 反において波形の取り込みを停止し ます。この機能は、合否テストより も高い優先順位になっています。
オンに設定すると、水平軸、垂直軸 のスケール、ポジションが変化した 場合に、マスクも移動および再表示 を行い波形と連動します。ズーム表 示した場合に、マスク違反が詳細に 観測できます。
スパイラル・アルコリズムにより波 形を移動させ、マスクと波形をフィッ トさせます。オートフィットでは、
コー よびトリガの設定は変化しません。 オートフィットの詳細については、 22 ページを参照してください。
垂直方向の マージン (カスタム・マスクの 場合にのみ有効)
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
ユーザ・マスクの垂直方向のマージン を、マスク波形における振幅のパーセ ントとして設定します。マージンの設 定は、汎用ノブを回して行います。
を選択した場合にのみ有効になり ます。標準マスクでマージンを設定す る場合は、標準マスクを ユーザ定義 のマスク としてコピーしてから設定 します。
13
マスク・テストの詳細
繰返し
返し実行されます
ユーティリティ・メニュー システム:アプリ モジュール:テレコム
メイン・ メニュー
合否 テスト
解説サイド・メニュー
合否テスト
オン オフ
テスト経過: 取込波形数に対するマスク違反回数を
オンにすると、テスト経過をリセッ トして合否テストを再開します。
表示します。また、マスク・テストの 繰返しをオンに設定している場合は、 テスト回数に対する NG 回数を表示 します。
マスク違反数が設定された「NG とす るマスク違反回数」を越えると、テス
ト経過:の表示が 正常 / 続行 から異 常 / 続行に変わります。設定された取
込波形数までテストすると、最終的に
正常 / 終了 または 異常 / 終了 と表示
されます。
「マスク制御」で「マスク違反で取込 停止」をオンに設定した場合にマスク 違反が発生すると、ただちにテストを 止して違反状況を表示します。
14
テスト終了後の
オン オフ
オンに設定すると、合否テストが繰
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
ユーティリティ・メニュー
)に設定されます
ク違反回数を設定します。違反回数
システム:アプリ モジュール:テレコム
マスク・テストの詳細
メイン・ メニュー
合否 テスト (続き)
解説サイド・メニュー
波形の取込回数 回の合否テストで取り込波形数
を設定します。波形数は汎用ノブで 設定し、100,000 上は ∞(無限 )に設定されます。
レージがオンになっている場合 の取込回数は、(波形の取込回数)× (アレージ回数)になります。
とする
NG
マスク違反回数
テスト開始前の 遅延時間
極性 てのライブ・チャンネルの
合否テストが「不合格」となるマス
は汎用ノブで設定します。 合否テストをオンしてから、実際に
テストが開始するまでの遅延待機) 時間を設定します。時間は汎用ノブ で設定します。
を設定します。「両極性」を選択する と、取込波形数の分を通常性 (反しない状態)でテストし、残 りの分を反した性でテストし ます。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
15
マスク・テストの詳細
テスト
ブザー音
時にブザーがります
タを、フ
スクに保存
ユーティリティ・メニュー システム:アプリ モジュール:テレコム
メイン・ メニュー
合否
(続き)
テスト終了時の
オン オフ
時の
NG
ブザー音
オン オフ
時の
NG
ハードコピー
オン オフ
時の波形を
NG
に保存
FD
オン オフ
解説サイド・メニュー
オンに設定すると、合否テストの終
オンに設定すると、「テスト経過:」 の表示が「正常 / 続行」から「異常
/ 続行」に変わった時にブザーが
ります。 オンに設定すると、「テスト経過:」
の表示が「正常 / 続行」から「異常
/ 続行」に変わったときのスクリー ン・イメージを、ードコピーに出 します。
オンに設定すると、「テスト経過:」 の表示が「正常 / 続行」から「異常
/ 続行」に変わったときの波形デー
ロッピー・ディ します。フロッピーの波形保存に ついては、19 ページも参照してくだ さい。
16
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
ユーティリティ・メニュー システム:アプリ モジュール:テレコム
マスク・テストの詳細
メイン・ メニュー
テスト 結果
ヒット数の表示
オン オフ
違反回数 取込波形数
...
/
解説サイド・メニュー
オンに設定すると、チャンネルごと、 またはマスク・セメントごとのマ スク・ット(違反)数を表示しま す。ット数の表示をオンすると合 否テストのスピードがくなります ので、テスト・スピードが要な場 合は、表示をオフにしてください。
また、この設定をオンにすると、 マスク・セメントのくにセグメ ント番号が表示されます。
取込波形数に対するマスク違反回数 を表示します。また、マスク・テス トの繰返しをオンに設定している場 合は、テスト回数に対する NG 回数 を表示します。
マスク違反数が設定された「NG と するマスク違反回数」を越えると、 テスト経過:の表示が 正常 / 続行 か ら異常 / 続行に変わります。設定さ れた取込波形数までテストすると、 最終的に 正常 / 終了 または 異常
/ 終了 と表示されます。
セグメント:
...
セグメント:8
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
1
メントごとのット(違反) 数が表示されます。
17
マスク・テストの詳細
解説
自動合否テスト
自動テストの設定を次に示します。
次の手順で操作し、オシロスコープを場出荷時の設定にします。
1.
保存 / 呼出SAVE/RECALLタン 工場出荷時設定呼出(メイン)
次の手順で操作し、波形目盛を「フレーム」に設定します。
2.
表示DISPLAYタン → 波形目盛(メイン) フレーム(サイ
マスクを選択します。
3.
テストに関ない波形を消去します。
4.
テストする信号を入します。
5.
フロント・パネルの オートセットAUTOSETタンを押します。
6.
マスク・メニューの マスク制御において、オートフィット範囲
7.
さな値(例え4)に設定します。
合否テスト において、性を 両極性 に設定します。
8.
合否テスト において、波形の取込回数 100 に設定します。
9.
合否テスト において オン 選択し、テストを開始します。
10.
テスト経過:にテストの経過が表示されますので、必要に応じ
11.
ザーをらす、ハーコピーをとるの設定を行います。
次の信号接続します。
12.
手順 10 から繰返します。
13.
18
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
マスク・テストの詳細
マスク・テストと合否テストについて
マスク・テストでは、マスク違反した波形を出してその波形部分を イライト表示します。合テストでは、マスク・テストの条件(取込波NG とする違反波形、テストの繰返)を設定し、違反時の アクションを設定します。
マスク・テストの中止方法
マスク・テストを中止して、マスクを消去するには、マスク種類 または
現在のマスク において なし(オフ)選択します。
標準マスクとパルス振幅
マスクでパルス振幅定されている場合、許容されている最大振 幅でマスクは表示されます。
マスクでパルス振幅定されていない場合、マスクは振幅 1V と して表示されます。
マスク違反時のハイライト表示
マスクと入力信号比較する場合は、ハイライト表示をオンに設定する 必要があります。イライト表示がオフの状態では、マスク違反検出 されず、ット数の表示も行われません。「合テスト」、「ットの表 示」または「マスク違反で取込停止」の設定をオンにすると、イライ ト表示は自動的にオンに設定されます。
フロッピー・ディスクへの波形保存
保存される波形には、TEKnnnnn.fffnnnnn 00000 まる連 fff はファイル・フーマット)の前が付きます。波形の保存には、
/ 呼出SAVE/RECALL)タン 波形の保存(メイン)の順に タンを押します。内部形のファイル・フーマット(.isf)を使用し、 複数のチャンネルでテストする場合、ファイルの最初の部分にチャンネ ルに関するデータが書きまれています。.isf ォーマットの詳につ いては、TDS3000 Series Programmer Manual を参照してください。
信号のターミネーション
通信信号をテストする場合は、信号のターネーションが適切に行われ ているか確認してください。当社の AMT75 型および AFTDS ダプタ を使用すると、通信信号しくターネーションできます。
合否テスト:極性
べてのライ・チャンネルの性を設定します。「両極性」を選択する と、取波形数の分を通常極性(反転しない状態)でテストし、残 りの分を反転した性でテストします。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
19
マスク・テストの詳細
合否テスト:アベレージ
レージがオンになっている場合、アレージ処理された波形がマス クと比較されます。したがって取込波形数は、(アレージ回数)×(設 定された波形の取込回数)になります。例えば、波形の取込回数が 500レージ回数が 8 に設定されている場合、合否テストで取りまれる 波形の総数500 × 8 = 4,000 波形となります。
トリガについて
のマスクを選択すると、選択されたマスクに対したトリガが自動に設定されます。ユーザ定したマスクなどで別のトリガに設定する
場合は、マスクを選択したにフロント・パネルの トリガTRIG­GERMENU タンをし、トリガ種類 でテレコムを選択した
準マスク 希望のマスクを選択します。
違反発生頻度の少ない合否テストについて
にしか発生しない違反波形を自動的にテストし、その波形を保存する 手順の一を次に示します。
「合テスト(1/3)」の設定において、「テスト終了後の繰返し」を
1.
オンにします。
「合テスト(2/3)」の設定において、「波形の取込回」を 1 に設
2.
定します。
「合テスト(3/3)」の設定において、「NG の波形を FD に保
3.
存」をオンにします。
必要に応じて次の手順を行し、フロッピーに保存する波形ファイ
4.
ルを圧縮します。
ユーティリティUTILITYMENU タン ハードコピー(システム・ップアップ・メニュー)
オプション(メイン)ファイル圧縮(サイ)をオン
ただし、ファイル・フーマットを .ISF に設定した場合は、ファイ ル圧縮は機能しません。
20
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
マスク・テストの詳細
スクリーン上のマスク位置
マスクはスクリーン上の右側に配置され、左側の余白にシリアル・トリ ガが取りめるようになっています。
マスク制御メニューで「マスクと波形のロック」をオンに設定した場合、 マスクをスクリーン左側に大きく移動させると、シリアル・トリガがか からなくなります。波形取りみが終了してから「マスクと波形のロッ ク」をオンにすると、マスク違反を詳細に観測できます。
次の手順で各ボタンをしてレコード長ーマル(10K イント)に 設定すると、「マスクと波形のロック」をオンにした場合によりくの波
イントが取りめます。
波形取込ACQUIREタン 水平分解能(メイン) ノーマル(サイ
ただし、「マスクと波形のロック」とノーマル(10K イント)のみ合 わせは、水平軸スケールが 100ns/div またはそれよりも高速な場合にの み有効になります。
マスク違反で取込停止
マスク制御メニューで「マスク違反で取込停止」をオンにすると、マスク 違反が検出された場合、合テストの設定に関なく波形取りみは停
します。
合否テスト
テストを連続して行うには、合否テスト・メニューにおいて「波形 の取込回数」を に設定します。
違反回数 /NG回数の表示について
テスト完了前に、合否テストのオン / オフ・メニュー・ボタンを押 す、テレコム・クイックメニューの テスト開始 メニュー・タンでテ ストを中止する、または「NG とするマスク違反数」をえた場合、 スクリーンに表示される違反数または NG 数は、際に取りんだ 波形よりも 1 つだけ少ないになります。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
21
マスク・テストの詳細
オートフィットについて
H オートフィットを使用すると、螺旋状に波形を移動し、各波形ポジ
ションにおいてマスク違反がないかチェックします。の波形の
ジションは、オートフィット範囲を次の入すると、 計算できます。
ジション= ( 2 ×オートフィット範囲 +1×
次のでは、オートフット範囲2 に 設定したときの波形の移動 パターンを示します。は、S を移動開始ポイントとしたときの 波形の移動を示します。オートフット範囲2 に 設定する と、波形は 25 ジション移動するとになります。
910111213
2412314
23 8 s 415
2276516
21 20 19 18 17
2 ×オートフット範囲 +1
H 波形がマスクから大きく離れている場合は、フロント・パネルの
オートセットAUTOSET)タンを押すことで、マスクにした
表示になるよう、波形の垂直軸、水平軸およびトリガが最適に設定 されます。
H 多くのイントでマスク違反が発生し、それにってオートフィッ
処理が連続的に行われるような場合は、オシロスコープの処理
しく低下します。のような場合は、オートット(AUTO- SET)を使用してマスクにした波形表示にしてください。
H オートフィット機能により波形が移動しても、なおマスク違反が発
生する場合、オシロスコープは前のオートフットで最も違反なかったポジションを記憶します。次のオートフットでは、 前のオートットで最も違反少なかったジションまで移動し、 そのイントを開始としてオートセットをします。結果とし てオートフット範囲で設定した範囲越えて移動するともあり ますが、違反が発生しなくなれオートフットは了します。
22
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
マスク・テストの詳細
H オートフットでは、波形が移動するのみで、波形の垂直軸、水平
およびトリガは変更されません。
波形がスクリーンいっいに表示さている場合、オートフットに より波形が(右)に移動した場合、スクリーンの右(左)端に表 示されていた波形部分が消えるとがあります。の場合、スク リーンのに表示される波形部分はマスクからは大きくれていま すので問題はありません。
H オートフィットを機能させて合テストを行すると、オート
ットの開始ポイントは、各回の合テスト開始時にリセットさ れます。
H オートフィットの使用は、テストしようとする波形がマスク内に
とんどまっている状態が最もしています。
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
23
マスク・テストの詳細
合否テストの設定例
ここでは、ITU-T テレコム信号E1 Coaxial Pair 2.048 Mb/s 規格合するとを確認します。マスク違反個所をハイライト表示し、500
波形でテストして止します。
テストの設定は、テレコム・クイックメニューで設定します。設定 目を次の表に示します。テスト信号をオシロスコープの Ch 1 に接続 し、フロント・パネルの オートセットAUTOSET)ボタンをします。 オートットで波形が表示された、サイ・メニューの テスト開始
選択すると、合否テストが開始します。
テレコム・クイックメニュー
メニュー 項目
パラメータ 設定値
標準マスク 矢印(↑↓)メニュー・ボ
タンを使い、マスクの規格 を選択します。
マスク制御 イライト オン
レージ オフ 波形ロック オフ Autofit(オートフィット) オン(1 以上)
合否テスト 違反時のードコピー オフ(nを外す)
違反時の波形保存 オフ(nを外す)
違反時のブザー オン
時のブザー オン
繰返し オフ(nを外す)
取込波形数 500 しきい 1 正極
E1 Coax (ITU-T)
2.048 Mb/s
nを付ける)
nを付ける)
24
TDS3TMT型 ユーザ・マニュアル
保証規定
保証期間 (納入後 3 年間) 内に、通常の取り扱いによって生じた故障は無料で修理いた します。
1. 取扱説明書、本体ラベルなどの注意書きに従った正常な使用状況で保証期間内に故 障した場合には、販売店または当社に修理をご依頼下されば無料で修理いたしま
す。なお、この保証の対象は製品本体に限られます。
2. 転居、譲り受け、ご贈答品などの場合で表記の販売店に修理をご依頼できない場合 には、当社にお問い合せください。
3. 保証期間内でも次の事項は有料となります。 H 使用上の誤り、他の機器から受けた障害、当社および当社指定の技術員以外に
よる修理、改造などから生じた故障および損傷の修理
H 当社指定外の電源(電圧・周波数)使用または外部電源の異常による故障および
損傷の修理
H 移動時の落下などによる故障および損傷の修理 H 火災、地震、風水害、その他の天変地異、公害、塩害、異常電圧などによる故
障および損傷の修理
H 消耗品、付属品などの消耗による交換 H 出張修理(ただし故障した製品の配は、当社負担)
4. 本製品の故障またはその使用によって生じた直接または間接の損害について、当社 はその責任いません。
5. この規定は、内においてのみ有効です。
(This warranty is valid only in Japan.)
H この保証規定は本書に明示された条件により無料修理をお約束するもので、これに
よりお 客様の法 上の権利を制限するものではりません。
H フトウェアは、本保証の対象外です。 H 保証期間経過後の修理は有料となります。詳しくは、販売店または当社までお問い
合せください。
お問い合わせ
製品についてのご相談・ご問につきましては、下記までお問い合わせ ください。
お客様コールセンター
TEL 03-3448-3010 F AX 0120-046-011
東京都品川区北品川 5-9-31 1410001
電話受付時間/9:00~12:00 13:00~19:00 月曜~金曜 (休祝日を除く)
E-Mail: ccc.jp@tektronix.com URL: http://www.tektronix.co.jp
修理校正につきましては、おめの販売店または下記サービス受 付センターまでお問い合わせください。
(ご連絡の際に、型名、故障状況等を簡単にお知らせください)
サービス受付センター
TEL 0120-741-046 F AX 0550-89-8268
静岡県御殿場市神場 143 - 1 4120047
電話受付時間/9:00~12:00 13:00~19:00 月曜~金曜 (休祝日を除く)
Original English text: TDS3TMT Telecom Mask Test Application Module
User Manual 071-0305-01
ユーザ・マニュアル

TDS3TRG

拡張トリガ・モジュール
071-0323-02
このマニュアルは、ファームウェア Ver. 2.00 以上 の製品に対応します。
当社の製品は、米国その他各国における登録特許および出願中特許の対象となっ ています。本書の内容は、すでに発行されている他の資料の内容に代わるもので す。また製品の仕様は、予告なく変更させていただく場合がありますので、予め ご了承ください。
Tektronix, Inc., P.O. Box 500, Beaverton, OR 97077
TEKTRONIX および TEK は、Tektronix, Inc の登録商標です。
DPX は、Tektronix, Inc. の商標です。
WARRANTY SUMMARY
Tektronix warrants that the products that it manufactures and sells will be free from defects in materials and workmanship for a period of three (3) years from the date of shipment from an authorized Tektronix distributor. If a product proves defective within the respective period, Tektronix will provide repair or replacement as described in the complete warranty statement.
To arrange for service or obtain a copy of the complete warranty statement, please contact your nearest Tektronix sales and service office.
EXCEPT AS PROVIDED IN THIS SUMMARY OR THE APPLICABLE WARRANTY STATEMENT, TEKTRONIX MAKES NO WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS OR IMPLIED, INCLUDING WITHOUT LIMITATION THE IMPLIED WARRANTIES OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. IN NO EVENT SHALL TEKTRONIX BE LIABLE FOR INDIRECT, SPECIAL OR CONSEQUENTIAL DAMAGES.
目次
安全にご使用いただくために iii......................
参照ページとお問い合わせ v........................
お問い合わせについて vi..........................
はじめに
モジュールとファームウェアのインストール方法 1...
拡張モジュールのインストール確認方法 4..........
インストールできない場合の対策 5................
拡張トリガ機能
拡張トリガの概要 6..............................
メニューの表示方法 8............................
拡張トリガの概念 9..............................
拡張トリガの詳細
はじめに 15......................................
パターン・トリガ 16..............................
ステート・トリガ 21..............................
パルス幅トリガ 25................................
ラント・パルス・トリガ 29........................
スルー・レート・トリガ 33........................
付録
付録 A:仕様 38.................................
保証規定
お問い合わせ
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
i
目次
ii
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
安全にご使用いただくために
安全にご使用いただくため、機器をご使用になる前に、次の事項を必ず お読みください。また、仕様に記されている機器以外は使用しないでく ださい。
本製品のサービスは、専門のサービス要員のみが行えます。詳しくは、 当社 お客様コールセンターまでお問い合わせください。
本製品をご使用になる場合、他のシステムの製品を操作することがあり ます。このような場合、他のシステムの製品の、安全に関する注意事項 もお読みください。
人体保護に関する注意事項
故障と思われる場合
故障と思われる場合は、必ず当社 サービス受付センターまでご連絡く ださい。
機器が濡れた状態での使用
感電のおそれがありますので、機器が濡れている状態では使用しないで ください。
ガス中での使用
発火のおそれがありますので、爆発性のガスが周囲にあるような場所で は使用しないでください。
用語とマークについて
マニュアルで使用されている用語およびマークの意味を、次に示します。
注意:
機器を損傷するおそれのある場合の注意事項が記されています。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
iii
安全にご使用いただくために
静電気に対する注意事項
注意:
おそれがあります。次の注意事項をよくお読みになり、モジュールのイ ンストール、取り外しおよび取り扱いには十分にご注意ください。
リスト・ストラップの使用
モジュールを取り扱う場合、帯電防止用のリスト・ストラップを着け、 体に蓄積される静電気を放電してください。
作業環境に対する注意
モジュールのインストール、取り外しを行う場合、帯電しやすい機器を 周囲に置かないでください。また、静電気を発生しやすい床、作業台で の作業は避けてください。
モジュールの取り扱いについて
作業台の上などでモジュールを引きずることのないようにご注意くださ い。モジュールの金属部分には手を触れないでください。また、モ ジュールの取り扱いは手早く行ってください。
モジュールの保管について
モジュールの保存、輸送には、静電気防止袋またはコンテナを使用して ください。
静電気によってオシロスコープおよびモジュール回路が損傷する
iv
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
参照ページとお問い合わせ
このマニュアルは、TDS3TRG 型 拡張トリガ・モジュールのユーザ・マ ニュアルです。このマニュアルでは、拡張トリガ・モジュールの操作方 法およびアプリケーションについて説明します。内容と参照ページにつ いては、次の表を参照してください。
内容
モジュールのインストールについて モジュールとファームウェアの
製品の概要について 拡張トリガ機能6 ページ
基本操作について メニューの操作方法8 ページ
拡張トリガの概要について 拡張トリガの概念9 ページ
機能の詳細について 拡張トリガの詳細15 ページ
仕様について 仕様:38 ページ
このマニュアルでは、メニュー表示を「日本語」で記載していま
注:
す。オシロスコープの言語設定が日本語以外になっている場合は、日本 語に設定してからお読みください。
メニューの言語設定方法については、オシロスコープのユーザ・マニュ アルを参照してください。
参照ページ
インストール方法1 ページ
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
v
参照ページとお問い合わせ
お問い合わせについて
製品について 当社製品に関するお問い合わせは、北米地域からは
次のフリー・ダイアルがご利用になれます(英語のみ)。
1-800-833-9200 6:00 a.m.5:00 p.m. Pacific time
電子メールをご利用の方は、次のメール・アドレスでお問 い合わせください。
TechSupport@tektronix.com
日本国内では、日本テクトロニクス(株) お客様コールセンターまでお問い合わせください。 電話: 03-3448-3010 Fax: 0120-046-011
E-mail: ccc.jp@tektronix.com
電話受付時間 / 9:0012:0013:0019:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
サービス・ サポート
ご意見、 ご感想は
日本国内での修理についてのお問い合わせは、日本テクト ロニクス(株) サービス受付センターでお答えします。
電話: 0120 - 741 - 046 FAX: 0550 - 89 - 8268 電話受付時間 / 9:0012:0013:0019:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
ワールド・ワイドのサービス体制については、Tektronix のホーム・ページをご参照ください。
Tektronix社または日本テクトロニクス(株)までお寄せ ください。
Tektronix, Inc. 14200 SW Karl Braun Drive P.O. Box 500 Beaverton, OR 97077 USA
日本テクトロニクス株式会社 〒141-0001 東京都品川区北品川 5-9-31
お客様コールセンター(上記参照)
vi
ホームページ www.tektronix.com
www.tektronix.co.jp
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
はじめに
この章では、TDS3TRG 型 拡張トリガ・モジュールのインストール方法 とチェック方法について説明します。
モジュールとファームウェアのインストール方法
モジュールは、最大 4 個までインストールすることができます。フロン ト・パネルの右上に見える窓の部分に 2 個、その裏に 2 個インストール することができます。
モジュールがプリインストールされた、4 チャンネル仕様のオシロ
注:
スコープを購入された場合は、以下の手順は必要ありません。
新しいモジュールを初めてインストールするときにのみ、ファームウェ アのインストールが必要になります。
一度インストールしたモジュールを抜き差しした場合、ファームウェア のインストールは必要ありません。
注意:
め、静電気に関する注意事項(iv ページ)をお読みください。
静電気によるオシロスコープおよびモジュールの損傷を防ぐた
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
1
はじめに
モジュールおよびファームウェアのインストール手順を次に説明します。
オシロスコープに保存されている設定および波形をフロッピー・
1.
ディスクに移動します。
オシロスコープの電源を切ります。
2.
フロント・パネルの右側面にあるさな窓をけます。
3.
モジュールの接点部とオシロスコープ側の接点部を合わせるように
4.
して、意のスロットに入します。モジュールを外す場合は、マ イナス・ライをモジュールの 部に入れて引き出します。
モジュール収納部の窓をめます。
5.
拡張モジュールを外すと、拡張モジュールの機能は無効になりま
注:
す。拡張モジュールをインストールしすと、び機するようになり ます。
拡張モジュール
接点部
2
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
はじめに
ファームウェア・アップグレ用フロッピー・ディスクが拡張モ
6.
ジュールに付属している場合は、このフロッピー・ディスクをディ スク・ライに入れます。フロッピー・ディスクが 2 以上ある
場合は、No.1 のフロッピー・ディスクを入れます。
オシロスコープの電をオンにします。
7.
オシロスコープは拡張モジュールのファームウェアを確認し、アッ プートの必要なしと判断した場合は、次のメッセージが表示され ます。
フロッピーに収録されているファームウェアは、 現在インストールされているファームウェア よりも古いバージョンです。
アップデートの必要はありません。
MENU OFF ボタンを押してください。
MENU OFF ボタンをして手順 10 んでください。
ファームウェアのアップータが必要と判断されると、次のメッ セージが表示されます。
オシロスコープのファームウェアをアップデートします。終了する までオシロスコープの電源は切らないでください。また、終了する まではフロッピー・ディスクを取り出さないでください。約 7 分で アップデートを終了します。
OK インストール 選択すると、オシロスコープのファームウェアの
8.
アップデートを開始します。アップデートを行している間、時計の アイコンが表示されます。2 のフロッピーが付属している場合は、 中でフロッピーを入れえるようメッセージが表示されます。
アップートがると、オシロスコープは新しいファームウェアで 自動的に電がリセットされます。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
3
はじめに
アップート中に電源を切ったり、フロッピーを取り出したり、ま
注:
たはアップート中に停電になった場合は、オシロスコープの電源をオ フにして、手順 6 からやりしてください。
ファームウェアのアップートを行わない場合は、 MENU OFF ボタ
9.
ンをします。
ファームウェアをアップデートしないと、拡張モジュールは機能し
注:
ません。オシロスコープのファームウェアは、常に最新のージョンで ご使用になるようおめします。
ファームウェアのアップートが了したなら、フロッピー・
10.
ディスクを取り出します。
以上で、拡張モジュールのインストールおよびオシロスコープのファー ムウェアのアップートを了します。
拡張モジュールのインストール確認方法
拡張トリガ・モジュールがしくインストールされていることを確認す る手順を、次に示します。拡張モジュールのメニューが表示されない場 合は、「インストールできない場合の対」の項を参照してください。
オシロスコープの電をオンにします。拡張モジュールがしくイ
1.
ンストールされている場合は、モジュールが表示されます。オシ ロスコープのファームウェアのアップートが必要、というメッ セージが表示された場合は、オシロスコープの電源を切り、3 ペー ジの手順 6 から行してください。
フロント・パネルの トリガTRIGGERMENU タンを押します。
2.
メイン・メューで トリガ種類 選択します。しくインストールさ
3.
れていると、ップアップ・メニューには ロジック パルス の項追加されています。
4
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
インストールできない場合の対策
オシロスコープの電オンで拡張モジュールが認識されない場合は、次 の手順を行します。
オシロスコープの電をオフにします。
1.
iv ページの「静電気に対する注意事項」を確認します。
2.
拡張モジュールをオシロスコープから取り外します。
3.
2 ページの手順 4 を参照。)
オシロスコープおよび拡張モジュールの接点部に損傷等の異常がな
4.
いか確認します。
拡張モジュールをオシロスコープに入れします。
5.
はじめに
オシロスコープの電をオンにします。「拡張モジュールの確認
6.
法」の手順を行しても拡張モジュールが認識されない場合は、オ シロスコープの電をオフにし、拡張モジュールをオシロスコープ ののモジュール・スロットに入れてみます。
度オシロスコープの電をオンにします。これで拡張モジュール
7.
認識される場合は、オシロスコープのモジュール・スロットに原があることがわかります。詳については、サービス受付セン
ターまでご連絡ください。
拡張モジュールが認識されない場合は、オシロスコープの電源を切 り、3 ページの手順 6 から説明しているオシロスコープのファーム ウェアのアップートを行します。
ファームウェアをアップートしても拡張モジュールが認識されな
8.
い場合は、サービス受付センターまでご連絡ください。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
5
拡張トリガ機能
この章では、拡張トリガ機能の概要、メニューの操作方法およびロジッ ク・トリガの概念について説明します。
拡張トリガの概要
TDS3TRG 型 拡張トリガ・モジュールは、TDS3000/TDS3000B シリー
・オシロスコープのトリガ機に、ロジック・トリガおよびパルス・ トリガの機能を追加します。ここでは、追加されるトリガ機能の概要を 説明します。
ロジック・トリガの概要
ロジック・トリガでは、2 つのトリガ入力信号論理状態でトリガを設 定することができます。
パターン・トリガ
パターン・トリガでは、2 つのトリガ入力信号論理的TRUE) または偽(FALSE )によってトリガします。具体的には、 2 入
ANDOR、NAND または NOR 論理ゲートの出によってトリガし
ます。その他のトリガ条件として、時間、しきい値も設定できます。パ ターン・トリガは、ロジック回路のトラルシューティングにしてい ます。
ステート・トリガ
ステート・トリガでは、クロック信号が変化するタイミングにおけるス テート信号の状態によってトリガします。このトリガは、デジタル・ロ ジック回路の同期状態のトラルシューティングにしています。
6
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
拡張トリガ機能
パルス・トリガの概要
パルス信号のタイミングまたはしきい値の条件でトリガします。パルス・ トリガには、次に示す 3 種類のトリガ・クラス(パルストリガ、ラン
ト・トリガおよびスルー・ート・トリガ)があります。
パルス幅トリガ
パルストリガでは、パルス幅が定した時間よりい、長い、しい またはしくない場合にトリガします。パルストリガは、ロジック回 路のトラルシューティングにしています。
ラント・トリガ
ラント・トリガでは、定したしきい値までしないパルスにトリガし ます。また、ラント・パルスのパルスも設定できます。ラント・トリ ガは、バス信号のトラルシューティンしています。
スルー・レート・トリガ
スルー・ート・トリガでは、信号のスルー・ート(単位時間におけ る信号立ち上がり / 立ち下がりの割合)が指定した値よりさい、大 きい、しいまたはしくない場合にトリガします。ラント・トリガ は、ジタル・バス・トランシーバ、伝送線路およびオペアンプのトラ ルシューテしています。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
7
拡張トリガ機能
メニューの表示方法
トリガ・メニューの表示方法を次に示します。
B トリガがオンになっている場合、フロント・パネルの B TRIG
1.
タンをして B トリガをオフにします。拡張トリガ機では、B ト リガは使用できません。
フロント・パネルの トリガTRIGGERMENU タンをし、ト
2.
リガ・メニューを表示します。
メイン・メニュー(スクリーン下部に表示されるメニュー)の トリガ
3.
種類(Type選択し、ップアップ・メニューを表示します。
トリガ種類(Type) 繰返して ロジック(Logicまたは
4.
パルス(Pulse)を選択します。
メイン・メニューの クラス(Class)をしてトリガ・クラスを
5.
します。
8
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
拡張トリガの概念
ここでは、拡張トリガに関連した信号ロジックおよびしきい値の概念に ついて説明します。拡張トリガおよびブール関になじみのない方は、 以下で説明する概念について理解しておく必要があります。
はじめに
トリガの本はエッジ・トリガで、オシロスコープではデフルトのト リガになっています。ッジ・トリガでは、定したスロープ(立ち上 がりまたは立ち下がり)で、定したしきい値を横切ったときにトリガ します(波形を取りみます)。
しきい値
拡張トリガ機能
= トリガ可能なポイント
しかし、ッジ・トリガだけではできない複雑信号が、現実には存在しています。定のよりもいまたはいパル
ス、あるいは、とつのチャンネルがローからイに変化するときの、 もうとつのチャンネルの論理状態なは、拡張トリガ機能を利用する ことで、にトリガすることができます。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
9
拡張トリガ機能
拡張トリガでは、ッジ・トリガの概念えて、パルス幅ルタ時2 チャンネルの論理比較または 2 つのしきい設定なにより、よ
厳密に波形を定してトリガすることがになります。
パルス幅
ラント・パルス
= トリガ・ポイント
しきい値
パルス・トリガ、ロジック・トリガでは、1 つまたは 2 つの信号論理 的TRUE)の状態でトリガすることができます。信号の状態が真
TRUE)またはFALSE)であることをめるには、準電圧を設 定する必要があります。この準電圧を しきい値 と呼びます。このし きい値を横切ることで、信号論理状態が切りわります。
論理ハイの
しきい値
論理ローの
状態
状態
論理ローの
状態
10
= 論理の変化点
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
拡張トリガ機能
論理状態
実際論理状態には、「正論理」と「負論理」の 2 種類があります。「正 論理」では、しきいより上の部分を真TRUE)、しきい値より下の
部分を偽(FALSE)と定します。
負論理」では、逆に、しきいより下の部分を真(TRUE)、しきい
より上の部分をFALSE)と定義します。
信号論理状態を定することで、ブール関数を使って 2 つの信号の状 態におけるまたは評価することができます。
正論理
負論理
真真
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
11
拡張トリガ機能
ブール関数
しきい値と正論理、負論理の設定により、波形のどの部分が真、なの か定できます。次に、ール関により、2 つの信号評価比較
行い、トリガを設定することができます。
論理比較のための関としては、ANDORNAND および NOR があ ります。
H AND では、2 つの入力が真のときのみと定されます。それ
以外ではと定されます。
H OR では、2 つの入のどらか一方が真、または 2 つの入が共
の場合にと定されます。それ以外ではと定義されます。
H NANDNot-AND)では、2 つの入力が共にのときのみと定
されます。それ以外ではと定義されます。これは、AND 反転 たものになります。
H NORNot-OR)では、2 つの入力のどらか一方が、または 2 つ
の入力が共にの場合にと定義されます。それ以外では真と定 されます。これは、OR 反転したものになります。
12
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
拡張トリガ機能
ール関は、通常真偽表で表されます。真偽表には、すての信号み合せが記されています。次に示す真偽表では、2 による
ル代数の組み合せを示しています。ここで記されている AND、NAND OR および NOR は、拡張トリガで用することができます。
入力 1 信号の 論理状態
入力 2 信号の 論理状態
入力 1 と 入力 2 の
AND
入力 1 と 入力 2 の
NAND
入力 1 と 入力 2 の
OR
入力 1 と 入力 2 の
NOR
論理関数では 2 つの信号の論理状態を評価しますが、各入力の論理は、 正論理または負論理の設定によってなることにご注意ください。
TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
13
拡張トリガ機能
、入1 の信号がロー、かつ、入2 の信号ハイのにのみト リガする例を考えてみます。この条件では、次のようにトリガ設定する 必要があります。
H 各入のしきいを設定する。
H 1 信号がローの状態を負論理)と設定します。
H 2 信号イの状態を正論理)と設定します。
H 2 つの信号のときにのみといえます。これは、ール代
AND 当します。
入力 1 の信号 = 負論理
しきい値
入力 2 の信号 = 正論理
トリガの論理としては、 入力 1 の信号と 入力 2 の信号の AND
真になったところでトリガ
= トリガ・ポイント
以上、ロジック・トリガ、パターン・トリガの基本的概念について説明 しました。さらに詳な説明は、「拡張トリガの詳」の項を参照してく ださい。
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TDS3TRG 型 ユーザ・マニュアル
拡張トリガの詳細
拡張トリガ・モジュールには、ロジック・トリガ、パルス・トリガの
2 種類のトリガ機が装備されています。この章では、拡張トリガの詳
について説明します。
はじめに
次に示す項は、すてのトリガ機能に適用されます。
H ての拡張トリガ機では、B トリガは使用できません。
H トリガ・ースとして使用するチャンネルは、スクリーンに表示さ
せる必要はありません。
H パルス幅トリガ、ラント・トリガおよびスルー・レート・トリガで設
可能時間は、39.6 ns 10 s です。
H メニュー表に記されている N は、汎用ノブで設定する値、またはオ
シロスコープによって計算される値(スルー・ートなど)を意味 します。
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拡張トリガの詳細
パターン・トリガ
パターン・トリガでは 2 つの入力信号をモニタし、定されたール関満足したときにトリガします。
入力 1
入力 2
入力の定義
正論理
負論理
正論理
負論理
しきい値
ロジックの定義 トリガ条件
AND
OR
NAND
NOR
/ 偽に遷移
デルタ時間
<, >, =,
パターン・トリガでは、次のパラメータを設定します。
H 2 つの入力信号
H 各入力信号論理
H 各入力信号のしきい
H 2 つの入力信号比較するのに使用するール関
H トリガ条件
トリガ
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ール関が真になるとき、または真の状態が指定した時間経したときなどのトリガ条件を設定します。
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パターン・トリガ・メニュー
誤差)と等しいまたは等しくないと
パターン・トリガ・メニューを次に示します。
トリガの種類:ロジック、 クラス:パターン
拡張トリガの詳細
メイン・ メニュー
入力の定義 入力 1 のソース パターン・トリガで使用する、第 1
ロジック AND, OR,
トリガ条件
サイド・ メニュー
論理 入力 1 の論理を定義します。
入力 2 のソース パターン・トリガで使用する、第 2
論理 入力 1 の論理を定義します。
NAND, NOR
偽 真 <
N
>
N
=
N
解説
の入力信号を選択します。
H=正論理、L=負論理
の入力信号を選択します。
H=正論理、L=負論理
入力信号を比較するためのブール関 数を選択します。
ロジックが真 / 偽になるときにトリ ガします。
ロジックが、指定した時間条件を満 足しないときにトリガします。
ロジックが、指定した時間(±5%
N
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きにトリガします。
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拡張トリガの詳細
トリガの種類:ロジック、 クラス:パターン
メイン・ メニュー
しきい値 レベル(入力 1)N入力 1、入力 2 のしきい値を、汎用
サイド・ メニュー
レベル(入力 2)
解説
ノブで設定します。
N
2 つの入力のしきい値を 1.4 V に設 定します。
2 つの入力のしきい値を -1.3Vに 設定します。
圧のピーク・ピーク電圧の 50% レ ベルに設定します。
波形取り込みモードを、フリー・ラ ンおよびロール・モードに設定しま す。
り込みます。 ホールドオフ時間を設定します。
モードと ホールドオフ
TTL
ECL
振幅 2 つの入力のしきい値を、各入力電
50%
オート (トリガなし ロール)
ノーマル トリガがあったときにのみ波形を取
ホールドオフ (時間)
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ホールドオフ (レコード長に 対する
最小値に リセット
%
ホールドオフ時間を、レコード長に 対する % で設定します。
ホールドオフ時間を最小値にリセッ トします。
注意点
トリガ条件
/ のパターンとして認識されるには、/ の状態が 2ns以上継続 していることが必要です。
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