ユーザ・マニュアル
TDS3AAM
拡張解析
アプリケーション
モジュール
071-0955-01
*P071095501*
071095501
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/ 9:00~12:00・13:00~19:00
月曜~金曜(休祝日を除く)
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社または日本テクトロニクス(株)
141-0001
東京都品川区北品川
5-9-31
安全にご使用いただくために 2 ...............
TDS3AAM の概要 5 .........................
TDS3AAM アプリケーション・モジュールの
インストール方法 6 ...........................
拡張解析メニューの使用 6 ...................
測定機能 8 .................................
FFT 演算機能 12 .............................
DPO 演算機能 22 ............................
拡張演算機能 24 .............................
XY カーソル 31 ..............................
付録A: FFT の概要 40 .........................
保証規定
お問い合わせ
1
安全にご使用いただくために
安全にご使用いただくために、本製品の指示にしたがって
ください。本製品をご使用の際に、他のシステムの製品に
アクセスしなければならない場合があります。システムの
操作に関する警告や注意事項については、他のシステム・
マニュアルの『安全にご使用いただくために』をお読みく
ださい。
静電気に対する注意事項
注意: 静電気放電(ESD) によって、オシロスコー
プのコンポーネントおよびそのアクセサリが損傷
するおそれがあります。ESD 防止のために、指示
があれば、これらの注意事項に従ってください。
グランド・ストラップを使用します 。帯電しやすいコンポー
ネントの設置や取り外しの際は、帯電防止用リスト・スト
ラップを着け、体に蓄積される静電気を放電してください。
安全な作業領域を確保します 。帯電しやすいコンポーネン
トの設置や取り外しを行う作業領域では、静電気を発生さ
せたり、ため込むデバイスを使用しないでください。静電
気を発生しやすい床、作業台のある領域での帯電しやすい
コンポーネントの取り扱いは避けてください。
コン
ーネントは慎重に取り扱います。帯電しやすいコン
ポーネントは、作業台の上などで引きずることのないよう
にご注意ください。接続ピンの部分には手を触れないでく
ださい。帯電しやすいコンポーネントの取り扱いは、手早
く行ってください
輸送や保存は慎重に行います 。帯電しやすいコンポーネン
トの輸送、保存には、静電気防止袋またはコンテナを使用
してください。
。
マニュアルの保管
オシロスコープのフロント・カバーには、このマニュアル
の保管用スペースがあります。
2
3
TDS3AAM の
この章では、TDS3AAM アプリケーション・モジュール
の特徴の概要、拡張解析機能にアクセスする方法について
説明します。
TDS3AAM アプリケーション・モジュールを使用する
と、次の解析タスクが実行可能です。
H DPO 演算
H 任意の演算式による計算演算子を使って、取り込み中
の波形およびリファレンス波形に対して行う演算式を
作成し、波形演算を行うことができます。ユーザ定義
の変数を 2 つまで使用して、演算式を作成することが
できます。
H FFT(高速フーリエ変換)波形解析
H 波形領域およびサイクル領域の測定
H 測定値の統計最小値 /最大値または平均値 /標準偏差の
リードアウト値の表示を追加します。
H XY 波形カーソル
要
4
5
TDS3AAM アプリケーション・モ
ュール
のインストール方法
TDS3AAM 拡張解析モジュールのインストールおよびテ
スト方法は、『TDS3000 および TDS3000B シリーズのア
プリケーション・モジュール・インストール方法』を参照
してください。
拡張解析メニューの使用
TDS3AAM 拡張解析モジュールは、領域、サイクル
領域、統計測定機能を測定メニューに追加し、FFT 、
DPO 演算、拡張演算機能を演算メニューに追加します。
カーソル・メニューには XY カーソルが追加されます。
拡張解析機能を使うには、次の表のようにします。
TDS3AAM の機能を使う
フロント・
パネル・ボ
機能
領域および
タンを押す
測定 測定項目
サイクル領
域の測定
測定値の統計測定 統計測定 最小値/ 最大値また
ボトム・メ
ニュー・ボ
タンを押す
の選択
サイド・メニュー・ボ
タンを押す
- 次へ - 領域また
はサイクル領域ボタ
ンが表示されるまで
押す。8ページ参
照。
は平均値/ 標準偏差
を選択する。9 ペー
ジ参照。
TDS3AAM の機能を使う (続き )
ボトム・メ
ニュー・ボ
タンを押す
FFT
サイド・メニュー・ボ
タンを押す
ソース波形、垂直軸
機能
FFT
フロント・
パネル・ボ
タンを押す
演算
軸、FFT ウィンド
ウを選択する。
12ページ参照。
DPO 波形演
算
演算
DPO
波形演算ソース波形と演算子
を選択する。
22 ページ参照。
波形演算式 演算 拡張演算 演算式を作成し、変
数の値と単位を定義
し、演算式を表示す
る。24 ページ参
照。
XY カーソル
カーソル 機能 波形 XY カーソルを
選択する(このメ
ニューを表示するに
は、XY 表示モード
にしておく必要があ
る)。31 ページ参
照。
6
7
測定機
領域およびサイクル領域の測定 (続き)
TDS3AAM アプリケーション・モジュールは、測定項目
の選択サイド・メニューに領域およびサイクル領域の測定
機能を追加し、測定メニューに統計測定ボ トム・ボ タンを
追加します。これらの測定メニュー項目を選択 するには、
フロント・パ ネルの MEASURE ボ タンを押 します。
領域およびサイクル領域の測定
ボトム
測定項目
の選択
サイド 説明
領域 電圧 の時間 変化 を測定しま
す。波形全体もしくはゲ ート
領域について、垂直軸単位
- 秒数(例えば電 圧 - 秒、電
流 - 秒)を測定します。
サイクル領域電圧 の時間 変化 を測定しま
す。波形の最初 のサイクル
か 、ゲ ート領域の最初 のサイ
クルについて、垂直軸単位
- 秒数(例えば電 圧 - 秒、電
流 - 秒)を測定します。
ボトム 説明 サイド
統計測定
オフ 実行中の測定についての統計
最大値/最 小値実行中の測定におけるリード
平均値/標
準偏差
n
情報を表示しないようにしま
す。
アウト値について、最小値と
最大値を表示します。
実行中の測定におけるリード
アウト値について、最小値と
最大値を表示します。
n は平均値と標準偏差の演算
に使用された測定値の個数
で、2 ~ 1000 の範囲です。
汎用ノブを使って、1 (微調
節)または 10 (粗 調節)の
増 分で値を変更することがで
きます。デフォ ルト値は 32
です。
波形の極性 領域の演算では、波形のうち、グランド
より上の部分が正で、グランドより下の部分が負です。
8
9
波形のクリッピン
がディ スプレイの波形目盛 の上下を越えないようにします
(「波形のクリッピング」と呼びます)。クリップされた
波形を使って測定や演算処理を行うと、不正な値になるこ
とがあります。
領域 以下の数式は、波形全体もしくはゲ ート領域の波形
領域を計算するアルゴ リズムを示しています。
Start = End の場合、(補間された) Start 時点の値を返 し
ます。これ以 外の場合は、以下 のとおりです。
End
ጺ
Area=
Start
サイクル領域
領域内の 1 サイクルの波形領域を計算するアルゴ リズム
を示しています。
Start = End の場合、(補間された) Start 時点の値を返 し
ます。これ以 外の場合は、以下 のとおりです。
CycleArea=
ጺ
最良 の結果 を得 るには、入力 波形
Waveform(t)dt
以下の数式は、レコード内もしくは ゲート
EndCycle
Waveform(t)dt
StartCycle
小値/ 最大値
ぐ下に、リードアウト値の最小値と最大値を表示します。
以下はリードアウト値の最小値/ 最大値の表示 例です。
Ch1 Freq
15.98 MHz
Min: 15.81MHz
Max: 16.17MHz
平均値/ 標準偏差
のすぐ下 に、リードアウト値の平均値(m )と標準偏差
(s )を表示します。平均値と標準偏差の値は連 続演算に
よるもので、演算はその直前 の演算結果 を組 み込んで行わ
れます。以下 はリードアウト値の平均値/ 標準偏差の表示
例 です。
Ch1 Freq
15.98 MHz
: 15.99MHz
σ: 82.92kHz
スクリーンからの読み取り
準偏差の値は、波形測定値のすぐ下 に表示されますが、こ
の領域には“Low resolution” などの測定上の注意書きが
表示されることがあります。測定値に疑問 がある場合には、
統計測定をオフにして、オシロスコープに注意書きが表示
されるか どうかを確認 します。
最小値/ 最大値は、実行中の各測定値のす
平均値/ 標準偏差は、実行中の各測定値
最大値/ 最小値と平均値/標
10
11
FFT
TDS3AAM アプリケーション・モジュールは、オシロス
コープに FFT (高速フーリエ変換)測定機能を追加しま
す。FFT 測定では、オシロスコープへの繰返 しまたは単
発のタイム・ドメイン信号 を周 波数成分に変換し、スペク
トラム解析を可能にします。
信号 の周波数成分を簡単 に 見 ることができるようになり、
スペクトラムの形が調査 や解析に役立ち ます。FFT 測定
は、次のような問題 の解決に適 しています。
H フィ ルタやシステムのインパ ルス応答試験
H システムの高調波成分や高調波 歪みの測定
H ノイズや干渉 の発生 源の特定
H 振動解析
H 50 Hz および 60 Hz 商用電 源に 含まれる高調波解析
アプリケーション・モジュールによって、演算メニューに
FFT 機能が追加されます。FFT 演算メニュー項目を使用
するには、フロント・パ ネルのMATHボ タンを押 してか
ら、FFT ボ トム・ボ タンを押 します。
FFT 演算メニュー
ボトム
FFT
サイド 説明
FFT ソース
FFT 垂直軸
FFT ウィ ン
ドウ
FFT 信号ソースを選択しま
す。2 チャンネル仕様のオ
シロスコープでは Ch1 また
は Ch2 から、4 チャンネル
仕様のオシロスコープでは
Ch1 ~ Ch4 から、その他の
オシロスコープでは Ref1 ~
Ref4 から選択します。
ディスプレイの垂直軸の単
位を設定します。dBV RMS
またはリニア RMS が選択
できます。
ソース信号にあわせて、ハ
ニング、ハミング、ブラッ
クマン・ハリスまたは方形
波から選択します。FFT
ウィンドウの詳細について
は、40 ページを参照してく
ださい。
拡張 FFT 任意の演算式に基づいて FFT 解析を行う
ことができます。詳細は 24 ページの拡張演算機能を
参照してください。
リニア
RMS スケール リニア・スケールは、各 周波数成
分の振幅 が近い場合に、各成分の振幅 を直 接比較 するのに
適 しています。
12
13
dB スケール
イナミ ック・レンジを持っている場合に、振幅 の異 なる周
波数成分を同時 に表示するのに適 しています。dBV スケ
ールでは、成分の振幅 が対数スケールを使って表示され、
0 dB =1 VRMS として 1 VRMS ごと、もしくはソース波
形の単位 (例え ば電流の測定ではアンペア)で表示されま
す。
選択または保存された波形の FFT 解析
号 (繰返 しまたは単 発)、最後 に取り込 んだ信号またはリ
ファレンス・メモリに保存されている波形について、
FFT 波形を表示させることができます。
FFT ウィンドウ
ウ ィンドウ(方形波、ハミン グ、ハニン グ 、ブラックマン・
ハリス) から最 適なものを選択することができます。方形
波ウ ィンドウは、トラン ゼント、パルス、 単発 信号 など、
繰返しのない信号の解析に 適しています。 ハミング、 ハニ
ング およびブラックマン・ハリス・ウィ ンドウは、繰返 し
のある信号 に適 しています。FFT ウィ ンドウの詳細 につ
いては、43 ページを参照してください。
スケールは、各周 波数成分の振幅 が広 いダ
選択 された信
解析する信号 にあわせて、4 つの FFT
POSITION ノブおよびスケール・
FFT波形の位
ノブを使って、FFT 波形の垂直位 置とスケールを調整し
ます。
FFT とアクイジション・モード
ション・モードで取り込ん だ波形は、高速トリガ ・モード
で取り込んだ波形に比べ て波形のサンプリング 数が多 いた
め、ノイズ・フロアが低く周波数の解像度 も高くなります。
FFT 解析時には、ピーク検 出およびエンベ ロープ・モー
ドは使用しないでください。ピーク検 出およびエンベ ロー
プ・モードでは、FFT 波形が著 しく歪 むことがありま
す。
DC 成分を含む波形
は、FFT 波形成分の振幅 が正 しく計算されない場合があ
ります。DC 成分を最小にするには、AC カップリングを
選択 します。
不規則ノイズの軽減
とエイリアシングされた成分を軽減 するには、アクイジショ
ン・モードを16 (もしくはそれ以 上)にセットします。
ただし、トリガ ・レートと同期 しない周 波数に分解する必
要がある場合には、アクイジション・アベ レージング を使
用しないでください。
調整
ノーマル・アクイジ
DC 成分やオフセットを 含む波形で
繰返しのある波形で 不規則ノイズ
14
トランゼントの測定
波形の場合は、波形をスクリーンの中央 に表示させるため
に、オシロスコープのトリガ・コントロールを使用します。
トランゼ ント(インパ ルス、単 発)
15
FFT 波形のズーミング
と水 平位置コントロールおよびスケール・コントロールを
使って、FFT 波形のズーム倍率 とポジションを調整 しま
す。ズーム倍率 を変更すると、スクリーン中央の垂直 波形
目 盛を中心 にしてFFT 波形が 水 平方向に拡 大され、垂直
方向 には演算波形マーカを中心に拡 大されます。ズーム表
示をしても、実際の時間軸およびトリガ・ポジションの 設
定は影響 を受け ません。
注: FFT 波形はソース波形レコード全体か ら計
算されます。ソース波形または FFT 波形の一部
をズーミングして解像度を高めても、ズームされ
た部 分で FFT 波形が再 計算されることはありま
せん 。
ズーム・ボ タン
,
カーソルを使用した FFT 波形測定 FFT 波形上でカー
ソルを使用して、2 種類 の測定を行うことができます。
振幅 (dBまたは信号 ソースの 単位 )および 周 波数( Hz)
が測定できます。dB による測定では、0dBは 1 VRMS
に相当します。水平カーソル(水平バー)を使うと振幅 が、
垂直 カーソル(垂直 バー)を使うと周波数が測定できます。
FFT 波形の表示
FFT 波形の表示は、次の手順 で行います。
1.
信号 のピークがスクリーンの外 に出ないように、ソー
ス信号 の垂直軸 スケールを調整 します。信号 のピーク
がスクリーンの外 に出ると、FFT波形に誤 差が生じる
ことがあります。
2.
波形が 5 サイクル以 上表示されるよう、水 平スケール
制御 を調整 します。表示されるサイクルが 多いほ ど、
FFT 波形の 周波数分解能が 向上し、エイリアシン グ
(45 ページ)の発生を抑え ることができます。
単発波形(トランゼント波形)の場合は、信号全体(す
べての過渡的現象 およびリン ギン グまたはノイズ)が
表示され、か つスクリーンの中央 に表示されるように
調整 します。
3.
垂直 MATH ボ タンを押 して、演算メニューを表示し
ます。クイックメニューになっている場合には、
MENU OFF ボタンを 押 して か ら、 MATH ボタンを
押します。
FFT ボタンを 押 すと、FFT サイド・メニューが表示
4.
されます。
5.
信号 ソースを選択 します。任 意の チャ ンネルまたは保
存されているリファレンス波形に対して FFT 測定を
実行できます。
6.
適 切な 垂直 スケール(13 ページを参照)と FFT ウ ィ
ンドウ(43 ページを参照)を選択 します。
7.
ズーム調整 を使用して表示を拡 大し、カーソルを使用
して FFT 波形を測定します(16 ページを参照)。
16
17
FFT 測定例 1
純粋 な正弦波を 増 幅器 に入力して、 歪みを測定します。増
幅器の歪みは、 増 幅器の出力 に高調波として現 われます。
出 力の FFT 波形を表示することで、 低 レ ベ ルの 歪 みの 有
無を 判定することができます。
テスト信号 として、20 MHz の正弦 波を使用します。オ
シロスコープとFFTのパ ラメータを次の表のように設定
します。
FFT 測定例 1 の設定
コントロール
CH1 のカップリング
アクイジション・
モード
水平分解能
水平スケール
FFT ソース
FFT 垂直スケール
FFT ウィ ンドウ
設定
AC
アベ レージ 16 回
ノーマル(10k ポイント)
100 ns
Ch 1
dBV
ブラックマン・ハリス
T
1
1
2
3
M
一番左 の 20 MHz の成分( 図 の 1 )は、ソース 信号 の基
本周 波数です。FFT 波形では、二 次高調波が 40
MHz( 2)、四 次高調波が80MHz( 3)になっています。
2および 3の成分が存 在することは、このシステムによっ
て信号 に歪みが生じ ていることを示しています。偶 数次の
高調波は、半 サイクルのゲ イン差がある可能性を示してい
ます。
18
19
FFT 測定例 2
デジタル/ アナログが混在 する回路 で発生するノイズは、
オシロスコープで簡単 に観 測できます。ただし、観測され
たノイズの発生源 を特定するのは困難 な場合があります。
FFT 波形では、ノイズの周波数内容が表示されます。こ
れらの周 波数を、システム・クロック、オシレータ、リー
ド/ ライト・ストローブ、表示信号 、スイッチ ング 電源な
どの既知 のシステム周 波数と照らし合わせることができま
す。
この例 では、システムの最高周 波数は 40 MHz になって
います。この信号 を解析するために、オシロスコープと
FTT のパ ラメータを次の表のように設定します。
FFT 測定例 2 設定
コントロール
CH1 のカップリング
アクイジション・
モード
水平分解能
水平スケール
周波数帯域
FFT ソース
FFT 垂直スケール
FFT ウィ ンドウ
設定
AC
サンプル
ノーマル(10k ポイント)
4.00 s
150 MHz
Ch 1
dBV
ハニン グ
T
1
1
2
M
31 MHz の成分(図の 1 )に着目してください。これはシ
ステムで使用されている 31 MHz のメモリ・ストローブ
信号 に一致 します。62 MHz の成分( 図 の2 )は、ストロ
ーブ信号 の二 次高調波です。
20
21
DPO
TDS3AAM アプリケーション・モジュールによって、
DPO波形の合成波形演算が実行できるようになります。
DPO波形演算の結果 には、アナロ グ・オシロスコープの
ような輝度 やグレイ・スケールの情報が含まれ、信号トレー
スが最も頻繁に発生している場所では輝度が大きくなりま
す。この機能によって、信号 の挙動 が詳しく分か るように
なります。DPO 波形演算メニューを使用するには、フロ
ント・パ ネルの MATHボ タンを押 してから、DPO Math
ボ トム・ボ タンを押 します。
DPO 波形演算メニュー
ボトム
DPO 波形演
算
輝度
フロント・パ ネルの WAVEFORM INTENSITY ノ
ブを使って、波形全体の輝度 をコントロールし、波形デー
タが画面 上に表示される時間 を設定します。
サイド 説明
第 1 ソース
演算子 演算用の演算子を選択 しま
第 2 ソース
1つめのソース波形を選択
します。
す。+、− 、または×
2 つめのソース波形を選択
します。
アクイジション・モード
変更は、 DPO 波形演算用の チャンネルを 除いたす べての
入力チャンネルに対して有効になるため、これらのチャン
ネルの信号を使って行われる波形演算の結果 も変わってき
ます。例えば、アクイジション・モードがエンベ ロープに
設定されている場合、Ch1 + Ch2 の波形演算は、エンベ
ロープされたチャ ンネル 1 およびチャ ンネル 2 の波形で
実行され、演算結果 の波形もエンベ ロープされたものにな
ります。
データのクリア
新 たなデータが入力 されるまで、そのソース波形を 含 む演
算波形には空 の波形データが出力 されます。
波形ソースのデータをクリアすると、
アクイジション・モードへの
22
23
拡張
拡張演算メニュー (続き)
TDS3AAM アプリケーション・モジュールを使用すると、
演算式をカスタマイズして、選択 された波形、リファレン
ス波形、測定結果 、定数を取りこむことができます。拡張
演算メニューを使用するには、フロント・パ ネルの
MATH ボタンを 押 して か ら、 Advanced Math ボトム・
ボタンを 押します。
拡張演算メニュー
ボトム
拡張演算
サイド 説明
式の編集 波形演算を行う式の作成
VAR1, VAR2
n.nnnn
Enn
単位の定義 ユーザ定義の 単位ラベルの
/編集画面を表示します。
24 ページを参照してくだ
さい。
2 つの変数の値を指定しま
す。これらの変数は、式の
中で使うことができます。
サイド・メニュー・ボ タン
を押 して、ベ ース
(n.nnn )と指数(nn )の
間 で選択 します。汎用ノブ
を使って、値を入力 しま
す。
入力画面 を表示します。こ
のラベ ルは、リードアウト
値の単位 が不 明の場合に表
示される「? 」 を置き換え
ます。
ボトム 説明 サイド
拡張演算
(続き)
式の編集画面
することができます。式の編集画面 のコントロール方法に
ついては、26 ページを参照してください。
演算式
カーソル
式の表示 波形目盛 の上に現在 の拡張
式の編集画面 では、任意の演算式を作成
演算式
フィールド
演算式を表示します。
演算式
リスト
24
25
式の編集画面
式の編集画面のコントロール (続き)
メニュー項目
演算式
カーソル
演算式
フィ ールド
演算式リスト
説明
式フィ ールド内で、次に式要素が入力
される位 置を示します。
入力 した式が表示される領域です。最
大で 127 文字 が表示されます。
使用できる式要素 のリストです。汎用
ノブを使って要素を選択 します。表示
されている演算式に対して、文法的に
正 しい要素 だけが選択 できます。 選択
できない要素は淡色 表示されます。演
算要素の詳細 については、27 ページを
参照してください。
式の編集画面のコントロール
式の編集画面 では、演算
式を作成するためのコントロールとメニュー項目 を使用す
ることができます。式の編集画面 での操作は、次の表のよ
うになります。
式の編集画面のコントロール
コントロール
説明
汎用ノブ 式リスト内の要素を選択(ハ イライ
ト)します。
選択確 定ボ タン選択 した要素 を式フィ ールドに追加し
ます。フロント・パ ネルの選択ボ タン
を使うこともできます。
コントロール 説 明
後退ボ タン 最 後 に 入力した要素 を式フィ ールドか
ら消去します。
クリア・ボ タン式フィ ールドの内容をすべ てクリア
(消去)します。
OK ボタン
式の編集画面 を閉じ 、演算波形を表示
します。
MENU
OFF ボタン
式リスト
演算式の変更を行わずに式の編集画面
を閉じ 、前 のメニューに戻 ります。
式リストの項目の詳細を以下 に示します。
式リスト
メニュー項目
Ch1-Ch4
説明
波形データ・ソースを指定します。
Ref1-Ref4
FFT(, 積分
(,微分 (
後 に続く数式について、高速フーリエ
変換、積分、微分を実行します。FFT
演算子は、式の最初(一番左 )になけ
ればなりません 。これらの操作は、必
ず右 カッコで終 わらなければなりませ
ん 。
26
27
式リスト (続き )
メニュー項目 説 明
周期 (-サイ
クル領域(
後 に続く波形(取り込み中またはリ
ファレンス波形)に対して、選択 した
測定処理 を実行します。これらの操作
は、必ず右 カッコで終 わらなければな
りません。
Var1, Var2
+,-,¢,
ユーザ定義の変数を式に追加します。
加算、減 算、乗 算、除 算を、後 に続く
式に対して実行します。+ および は単 項演算子でもあります。 - は、後
に続く式を無効 にするのに使用しま
す。
(),
カッコは、演算の順序 を制御 するのに
使います。コンマは、ディ レイおよび
フェ ーズ測定処理 の波形か ら、元 の波
形と処理後 の波形を分離 するのに使い
ます。
1-0, ., E
科学的記 数法(オプション)で定義す
る数値を設定します。
ユーザ定義変数
この機能によって、演算式の中で使う
演算定数などの変数を、2 個定義することができます。
サイド・メニュー・ボ タンを押 すと、数値フィールドと科
学的記 数法フィ ールド(E )の 選択 が切り替 わります。汎
用ノブを使って、いずれか のフィ ールドに数値を入力しま
す。フロント・パ ネルの COARSE ボ タンを押 すと、数
値フィ ールドに大きな数字を素 早く入力することができま
す。
演算単位の編集操作
演算単位 の編集画面 では、波形演
算のカスタム単位 を作成するための操作とメニュー項目を
使用することができます。オシロスコープが測定値を表示
する水平軸または垂直軸の単位を決定することができない
場合には、単位記号不 明(? )と表示されます。ユーザ定
義単位の機能は、演算波形を表示する場合にのみ、水 平軸
や垂直軸 に単位不明の記号に代わってユーザ定義の単位 を
表示します。
演算単位編集 の操作は、次の表のようになります。.
演算単位編集操作
コントロール
説明
汎用ノブ ラベ ル・リストにある文字 を選択 (ハ
イライト)します。
上矢印 、下 矢印垂直軸または水平軸のラベルを、単位
ラベ ル・フィ ールドで選択 します。
OK ボタン
演算単位編集画面 を閉じ て、演算メ
ニューを表示します。
キャラクタ
入力ボタン
単位フィールドのカーソル位置に、選
択した文字を加 えます。
左矢印、右 矢印単位ラベル・フィールドのカーソル
を、 左または 右に 移動 させます。
28
29
演算単位編集操作 (続き )
XY カーソル
コントロール 説 明
後退ボタン カーソル 位置の 左側にある 文字を 消去
削除ボタン 単位ラベル・フィールドのカーソル位
クリア・ ボタン現在 の 単位 フィールド( 水平 軸または
MENU
OFF ボタン
します。
置にある文字 を削除 します。
垂直軸 )にあるすべ ての文字 をクリア
(消去)します。
ユーザ定義の単位 を適 用せずに演算単
位編集画面を 閉じ、 直前のメニューに
戻ります。
演算式の例
次の演算式では、波形のエネルギ ーを計算します。Ch1
は電圧、Ch2 は電流 です。
Intg (Ch1×Ch2)
演算結果 の波形の面 積を測定すると、波形が示す電力の値
が表示されます。
TDS3AAM アプリケーション・モジュールによって、XY
および XYZ 波形測定カーソルが追加されます。このカー
ソル機能は、カーソル・メニューか ら使用することができ
ます。XY カーソルメニューを使用するためには、XY 波
形を表示させます(表示 >XY表示 > トリガされた
XY (または ゲート XYZ ))。
次の図 は、波形モードで極座 標リードアウトを行ったとき
の XY カーソルを示しています。
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XY カーソル・メニュー
ボトム サイド 説明
機能
モード
オフ
波形
波形目盛
独立 カーソルがそれぞ れ独立 して
XY カーソルをオフにします。
波形もしくは波形目盛カーソ
ル・モードをオンにします。フ
ロント・パネルの選択ボタンを
使って、移動させるカーソル
(アクティブ・カーソル)を選
択します。汎用ノブを使って、
アクティブ・カーソルを移動さ
せます。
動 くように設定します。
トラッキ ング リファレンス・カーソルが選
択 されているときには、カー
ソルが一緒に 動 くように設定
します。
リードア
ウト
直 交 座 標 カーソル 位 置の値と、カーソ
ルの位 置の X、Y 座 標を読み
取って表示します。
極座 標 カーソル 位 置の値と、カーソ
ル位 置の極座 標を読 み取って
表示します。
積 アクティ ブ・カーソルと 2 つ
のカーソルの差分ベ クトルの
積を表示します。
比 アクテ ィブ・カーソルと 2 つ
のカーソルの差分ベ クトルと
の比率を表示します。
XY 波形の原点 は、 各ソース波形が 0 ボルトに
点
0, 0
なる点 です。両方 のソース波形について、0 ボ ルトの点
が波形目盛 の垂直軸の中 心に来 るようにすることで、画面
の中央が原点 になります。実際 の(@ )測定はすべてXY
波形の 0, 0 原点 を基準 として行われ、アクティ ブ・カー
ソルの値が表示されます。
波形モード
波形モードでは、カーソルを使って実際の
波形データ上で X および Y の値と単位 を測定します。波
形モードでは、XY カーソルは常に XY 波形上にあり、波
形か ら外 すことはできません 。
波形目盛モード
波形目盛 機能では、スクリーン上のカー
ソル位 置と波形データとは無関係です。そのか わりに、画
面 はグ ラフ用紙 のようになっており、その 部 分の値は チャ
ンネル毎の垂直目盛によって読 み取ることができます。波
形目盛カーソルのリードアウト値は、波形データではなく、
カーソル位 置の XY 座 標を示しています。これは、波形
目盛 カーソルは波形データと無 関係で、XY波形上に固定
されていないため、波形目盛 内のどこにでも移動 できるた
めです。
すべ てのリードアウト・タイプ(極座 標、直交座標、積、
比 )は、波形カーソル・モードでも波形目盛 モードでも使
用することができます。ただし、カーソルが波形レコード
を測定しない波形目盛 モードでは、リードアウト時間は表
示されません。
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XY カーソルをオフにする
は、フロント・パ ネルのCURSORボ タンを押 してから、
サイド・メニューのカーソル機能オフ・ボタンを押 します。
リファレンスおよびデルタ・カーソル
び波形目盛 モードの両方 で、2 種類 のXY カーソルを使う
ことができます。リファレンス・カーソル(??)とデル
タ・カーソル(? )です。リファレンス・カーソルからデ
ルタ・カーソルまでの差 分(n )を、すべ て測定すること
ができます。
XY 表示と YT 表示の切替え
波形上で見 るために、XY 表示と YT 表示を切り替え るこ
とができます。波形目盛 の上部 にある波形レコード・アイ
コンも、波形レコード上にある波形カーソルの相対的な位
置を示しています。
XY カーソルをオフにするに
波形モードおよ
波形カーソルの位 置を YT
波形ソース XY カーソルを、アクティブ・アクイジショ
ン、シングル・シーケンスのアクイジション、リファレン
ス波形に対して使うことができます。XY波形を再生 成す
るためには、X、Y両方のソース波形を保存しておか なけ
ればなりません。X 軸 波形は必ず Ref1 に 保存 します。
直交座標によるリードアウト
ウトでは、次の情報 が表示されます。
X
,
@X, @Y
t
(波形モー
ド)
@t
(波形モー
ド )
波形モードでの直交 座標によるリードアウトの例 を、次に
示します。
X:1.43V @X:-140mV
Y:2.14V @Y:480mV
t:-660ns @t:1.61 s
リファレンス・カーソルか らデルタ・カー
Y
ソルまでの X、Y の差 分を表示します。X
の値が負 の場合、デルタ・カーソルがリ
ファレンス・カーソルよりも左 にあること
を意味しています。 Y の値が負 の場合、デ
ルタ・カーソルがリファレンス・カーソル
よりも下 にあることを意味 しています。
アクティ ブ(選択 された)カーソルの実際
の X 、Y 座 標値を示しています。
リファレンス・カーソルか らデルタ・カー
ソルまでの時間差 を示しています。値が負
の場合、デルタ・カーソルの位 置がリファ
レンス・カーソルよりも早い時刻 にあるこ
とを意味 しています。
トリガ・ポ イントか らアクティブ・カーソ
ルまでの時間差 を示しています。値が負の
場合、アクティ ブ・カーソルの位 置がトリ
ガ ・ポイントよりも早い 時刻にあることを
意味しています。
直 交座 標によるリードア
34
35
標によるリードアウト
では、次の情報が表示されます。
r
, θ
@r, @
t
(波形
モード)
@t
(波形
モード)
波形モードでの極座 標によるリードアウトの例 を、次に示
します。
r:2.90V @r:1.27V
θ:32.6 ° @ θ:179 °
t:-4.20 s @t:8.36 s
リファレンス・カーソルか らデルタ・カー
ソルまでの半径 と角度 の差分が表示されま
す。
XY 波形の原点か らアクテ ィブ(選択 され
θ
た)カーソルまでの半径 と角度 が表示され
ます。
リファレンス・カーソルか らデルタ・カー
ソルまでの時間 差を示しています。値が負
の場合、デルタ・カーソルの位 置がリファ
レンス・カーソルよりも早い時刻 にあるこ
とを意味 しています。
トリガ ・ポイントか らアクティ ブ・カーソ
ルまでの時間 差を示しています。値が負の
場合、アクティ ブ・カーソルの位 置がトリ
ガ ・ポイントよりも早い時刻 にあることを
意味 しています。
極座 標によるリードアウト
次の図 は、オシロスコー
度 の値か ら差分ベ クトルを計算する方法の例 を示していま
す。
2 つのカーソルの半
@r
@
θ
r
= 3.47V
θ
= -111
°
= 3.17V
= 45.0
と角
°
(0,0)
@r
= 1.41V
@
θ
°
= - 45.0
次の図 は、オシロスコープが角座 標を定義する方法を示し
ています。
またはn測定
XY原点(
のためのリファレンス・
180
-180
カーソル
°
°
°
0
)
36
37
積によるリードアウト
の情報が表示されます。
積によるリードアウトでは、次
比によるリードアウト
の情報が表示されます。
比 によるリードアウトでは、次
X¢
@X¢@Y
t
(波形
モード)
@t
(波形
モード)
波形モードでの積によるリードアウトの例 を、次に示しま
す。
X¢ Y: 7.16VV
@X¢ @Y: 1.72VV
t:-4.68s @t:8.84 s
が表示されます。
アクティ ブ・カーソルの X 成分に Y 成分を
乗じ た積が表示されます。
リファレンス・カーソルか らデルタ・カー
ソルまでの時間 差を示しています。値が負
の場合、デルタ・カーソルの位 置がリファ
レンス・カーソルよりも早い時刻 にあるこ
とを意味 しています。
トリガ ・ポイントか らアクティ ブ・カーソ
ルまでの時間 差を示しています。値が負の
場合、アクティ ブ・カーソルの位 置がトリ
ガ ・ポイントよりも早い時刻 にあることを
意味 しています。
差分ベ クトルの X 成分に Y 成分を乗じ た積
Y
X
÷
@X÷@Y
t
(波形
モード)
@t
(波形
モード)
波形モードでの比 によるリードアウトの例 を、次に示しま
す。
÷
Y
÷
@Y
t:-4.68ms @t:8.84ms
差分ベ クトルの Y 成分を X 成分で割 った比
Y
が表示されます。
アクティ ブ・カーソルの Y 成分を X 成分で
割 った比 が表示されます。
リファレンス・カーソルか らデルタ・カー
ソルまでの時間 差を示しています。値が負
の場合、デルタ・カーソルの位 置がリファ
レンス・カーソルよりも早い時刻 にあるこ
とを意味 しています。
トリガ ・ポイントか らアクティ ブ・カーソ
ルまでの時間 差を示しています。値が負の
場合、アクティ ブ・カーソルの位 置がトリ
ガ ・ポイントよりも早い時刻 にあることを
意味 しています。
X:1.22VV
@X:1.10VV
38
39
録 A: FFT の概要
ここでは、FFT 操作についてのさらに詳 しい情報と理論
を説明します。
FFT ウィンドウ
FFT 解析に使用される波形レコードは、 ゼロ か ら 始 まり
ゼロで 終わる( 言い換えると、波形レコードがサイクルの
整数 倍になっている)ものとして計算されます。波形の始
まりと 終わりが 同じ振幅であれば、 信号の波形に 不自然な
不連続がなく、 周波数も 振幅も 正確に計算できます。
波形レコードが 周期の 整数 倍になっていない場合、波形の
始まりと 終わりが 異なる振幅になります。始まりと終わり
の部分で波形に不連 続が生じ 、高周 波の過渡的現 象が発生
してしまいます。このような過渡的現 象があると、誤 った
周 波数の情報が周 波数領域レコードに記 録されてしまいま
す。
YT ( 時間軸
領域) 波形
波形
レコード長
不連続点
FFT 波形
FFT
FFT ウィンドウ
機能なしの波形
ソース波形にウィ ンドウの機能を適 用すると、開始点 と終
了点 を同じ振幅 に近づけることができ、 FFT 波形の不連
続の発生を抑え ることができます。ソース信号か ら FFT
によって計算される周 波数成分も、より正確 になります。
周 波数を正確 に測定するの か 、周波数成分の振幅 を 正確 に
測定するのか によって、FFT ウィ ンドウの形状 を使い分
けます。
40
41
ソース
波形
波形
レコード長
×
=
FFT
FFT ウィンドウを
使用したFFT 波形
ポイント毎
に掛け算を
行う
ウィンドウ
(ハニング )
FFTウィンドウ
によって成形
されたYT 波形
FFT ウィンドウの特性
FFT アプリケーション・モジュールには、4 つのFFTウィ
ンドウがあります。それぞ れのウィ ンドウは、周波数分解
能と振幅精度 の点で相反する性質 を持 っています。測定す
る項目 やソース信号 の特徴によって、どのウィンドウを使
用するかを決定します。次のガイドラインにしたがって、
最適 なウィ ンドウを選択 してください。
FFT ウィンドウの特性
FFT ウィン
ドウ
ブラックマ
ン・ハ リス
ハミング、
ハニン グ
特性 用途
振幅 測定に適
しています
が、周 波数測
高次の高調波を検 出す
るための、1 つの周波
数が支配的 な信号
定には適 して
いません。
周波数測定に
適していま
す。振幅 測定
は方形波より
劣ります。 ハ
ミン グの 周波
正弦波、 繰返しのある
狭帯域の不規則ノイ
ズ。イ ベント 前後の 信
号レ ベルが 著しく 異な
る信号 の過渡的現象や
バースト。
数分解能は、
ハ ニング より
わずかに優れ
ています。
42
43
FFT ウィンドウの特性 (続き )
FFT ウィン
ドウ
方形波 周 波数測定に
は最適 です
が、振幅 測定
には適 してい
ません 。ウィ
ンドウなしで
測定したもの
と同じ結果 が
得 られます。
用途 特性
イ ベント 前後の 信号レ
ベルがほぼ等しい信号
の過渡的現象やバース
ト。
振幅の変 化が 少なく、
周波数が安定している
正弦波。
スペクトラムがゆ っく
りと変化 する広 帯域の
不規則 ノイズ。
エイリアシン
ナイキ スト周 波数(サンプル・レートの1/2)よりも大き
な周 波数成分を含む信号をオシロスコープに取り込むと問
題 が発生します。ナイキスト周 波数より高い 周 波数成分は、
波形目盛 の右側 のエッジで折 り込まれ、FFT 波形の中で
は実際より低い周 波数成分として表示されます。これを「エ
イリアシング」 といいます。
ナイキスト周波数
(サンプルレートの
0Hz
周波数
振
幅
½ の周波数)
実際の周波数
エイリアス周波数
44
45
アクティ
な信号に対するナイキスト周 波数を求 めるため
に、ACQUIRE メニュー・ボタンを押 します。オシロス
コープの画面 の右下に、現在のサンプル・レートが表示さ
れます。ナイキ スト周 波数は、サンプル・レートの 1/2
になります。例え ば、サンプル・レートが 25.0 MS/s の
場合、ナイキ スト周 波数は 12.5 MHz になります。
エイリアシング を防ぐ ためには、水平スケールを高速の周
波数側 にセットして、サンプル・レートを上げます。水平
軸周 波数を上げ るとナイキ スト周 波数も上がるため、エイ
リアシングを起 こす周波数成分が適切 な周 波数で表示され
ます。画面に表示される周波数成分の数が増えて個々の成
分が見え にくい場合は、ズーム・ボ タンを使ってFFT波
形を拡大します。
帯域制限 フィルタを使用すると、ソース波形の周 波数帯域
をナイキ スト周波数以下 に制限 できます。測定したい成分
がオシロスコープに装備 されている帯域制限 フィ ルタ
(20 MHz および 150 MHz )より低 い場合は、ソース信
号 の帯域を適切 な値に設定します。帯域制限 メニューは、
[VERTICALMENU] ボタンを 押 して表示されるメニュー
から 選択します。
46
保証規定
保証期間 (納入後 1 年間) 内に、通常の取り扱いによって生じた故
障は無料で修理いたします。
.
1
取扱説明書、本体ラベルなどの注意書きに従った正常な使用
状況で保証期間内に故障した場合には、販売店または当社に
修理をご依頼下されば無料で修理いたします。なお、この保
証の対象は製品本体に限られます。
.
転居、譲り受け、ご贈答品などの場合で表記の販売店に修理
2
をご依頼できない場合には、当社にお問い合せください。
.
保証期間内でも次の事項は有料となります。
3
H 使用上の誤り、他の機器から受けた障害、当社および当
社指定の技術員以外による修理、改造などから生じた故
障および損傷の修理
H 当社指定外の電源(電圧・周波数)使用または外部電源の
異常による故障および損傷の修理
H 移動時の落下などによる故障および損傷の修理
H 火災、地震、風水害、その他の天変地異、公害、塩害、
異常電圧などによる故障および損傷の修理
H 消耗品、付属品などの消耗による交換
H 出張修理(ただし故障した製品の配送料金は、当社負担)
.
本製品の故障またはその使用によって生じた直接または間接
4
の損害について、当社はその責任を負いません。
.
この規定は、日本国内においてのみ有効です。
5
(This warranty is valid only in Japan.)
H この保証規定は本書に明示された条件により無料修理をお約
束するもので、これによりお 客様の法 律上の権利を制限する
ものではありません。
H ソフトウェアは、本保証の対象外です。
H 保証期間経過後の修理は有料となります。詳しくは、販売店
または当社までお問い合せください。
お問い合わせ
製品についてのご相談・ご質問につきましては、下記まで
お問い合わせください。
お客様コールセンター
TEL 03-3448-3010 FAX 0120-046-011
東京都品川区北品川 5-9-31 〒141 ー0001
電話受付時間/9:00 ~12:00 ・13:00 ~19:00
月曜~金曜 (休祝日を除く)
E-Mail: ccc.jp@tektronix.com
URL: http://www.tektronix.co.jp
修理・校正につきましては、お買い求めの販売店または下
記サービス受付センターまでお問い合わせください。
(ご連絡の際に、型名、故障状況等を簡単にお知らせください)
サービス受付センター
TEL 0120-741-046 FAX 0550-89-8268
静岡県御殿場市神場 143-1 〒412 ー0047
電話受付時間/9:00 ~12:00 13:00 ~19:00
月曜~金曜 (休祝日を除く)
Original English Manual
TDS3AAM Advanced Analysis Application Module
User Manual
071-0946-00