Tektronix TCP2020, TCP0020 User manual

x
TCP0020 型および TCP2020 型 50 MHz、20A AC/DC 電流プローブ
ZZZ
取扱説明書
*P077033800*
077-0338-00
xx
TCP0020 型および TCP2020 型 50 MHz、20A AC/DC 電流プローブ
ZZZ
取扱説明書
www.tektronix.com
077-0338-00
Copyright © Tektronix. All rights reserved. 使用許諾ソフトウェア製品は、Tektronix またはその子会社や供給者が所有するもの で、米国著作権法および国際条約の規定によって保護されています。
Tektronix 製品は、登録済および出願中の米国その他の国の特許等により保護されています。 本書の内容は、既に発行されて いる他の資料の内容に代わるものです。 また、本製品の仕様および価格は、予告なく変更させていただく場合がございますの で、予めご了承ください。
TEKTRONIX および TEK は Tektronix, Inc. の登録商標です。
Tektronix 連絡先
Tektronix, Inc. 14150 SW Karl Braun Drive P.O. Box 500 Beaverton, OR 97077 USA
製品情報、代理店、サービス、およびテクニカル・サポート:
北米内: 1-800-833-9200 までお電話く ださい 。 世界の他の地域では、www.tektronix.com にアクセスし、お近くの代理店をお探しください。
保証
当社では、本製品において、出荷の日から 1 年間、材料およびその仕上がりについて欠陥がないことを保証します。この保証期 間中に製品に欠陥があることが判明した場合、当社では、当社の裁量に基づき、部品および作業の費用を請求せずに当該欠陥 製品を修理するか、あるいは当該欠陥製品の交換品を提供します。保証時に当社が使用する部品、モジュール、および交換す る製品は、新しいパフォーマンスに適応するために、新品の場合、または再生品の場合もあります。交換したすべての部品、モ ジュール、および製品は当社で保有されます。
本保証に基づきサービスをお受けいただくため、お客様には、本保証期間の満了前に当該欠陥を当社に通知していただき、 サービス実施のための適切な措置を講じていただきます。お客様には、当該欠陥製品を梱包していただき、送料前払いにて当 社指定のサービス・センターに送付していただきます。本製品がお客様に返送される場合において、返送先が当該サービス・セ ンターの設置されている国内の場所であるときは、当社は、返送費用を負担します。しかし、他の場所に返送される製品につい ては、すべての送料、関税、税金その他の費用をお客様に負担していただきます。
本保証は、不適切な使用または不適切もしくは不十分な保守および取り扱いにより生じたいかなる欠陥、故障または損傷にも適 用されません。当社は、以下の事項については、本保証に基づきサービスを提供する義務を負いません。a)当社担当者以外の 者による本製品のインストール、修理またはサービスの試行から生じた損傷に対する修理。b)不適切な使用または互換性のない 機器への接続から生じた損傷に対する修理。c)当社製ではないサプライ用品の使用により生じた損傷または機能不全に対する 修理。d)本製品が改造または他の製品と統合された場合において、改造または統合の影響により当該本製品のサービスの時間 または難度が増加したときの当該本製品に対するサービス。
この保証は、明示的または黙示的な他のあらゆる保証の代わりに、製品に関して当社がお客様に対して提供するものです。当 社およびベンダは、商品性または特定目的に対する適合性についての一切の黙示保証を否認します。欠陥製品を修理または 交換する当社の責任は、本保証の不履行についてお客様に提供される唯一の排他的な法的救済となります。間接損害、特別 損害、付随的損害または派生損害については、当社およびそのベンダは、損害の実現性を事前に通知されていたか否に拘わら ず、一切の責任を負いません。
[W2 – 15AUG04]
目次
目次
安全にご使用いただくために............................................................................... v
安全に保守点検していただくために ....................................................................... ix
適合性に関する情報....................................................................................... x
EMC 適合性 .......................................................................................... x
基準認可と準拠 ...................................................................................... xi
環境への配慮....................................................................................... xiv
まえがき.................................................................................................. xv
マニュアル ........................................................................................... xv
このマニュアルで使用される表記規則 ................................................................. xv
修理のためのプローブの返送........................................................................ xvi
主な特長.................................................................................................. 1
取り付け................................................................................................... 3
プローブの消磁 ....................................................................................... 5
コントロールとインジケータ ................................................................................. 8
プローブ・ヘッド ....................................................................................... 8
TCP0020 型プローブ ....................................................................................... 10
TCP2020 型プローブ ................................................................................. 20
20 A 電流プローブ取扱説明書 i
目次
機能チェック.............................................................................................. 24
アクセサリとオプション..................................................................................... 26
スタンダード・アクセサリ............................................................................... 27
オプショナル・アクセサリ .............................................................................. 31
オプション............................................................................................ 33
基本操作................................................................................................. 34
プロービングの原理....................................................................................... 37
開口部に非通電状態の導体を入れた状態でのプローブの消磁......................................... 37
差動電流の測定 ..................................................................................... 38
電流レンジの拡大.................................................................................... 40
感度の向上 .......................................................................................... 43
コモン・モード・ノイズ/磁場エラー .................................................................... 44
AC/DC カップリング................................................................................. 45
最大電流限界値 ..................................................................................... 46
使用例................................................................................................... 50
インダクタンス測定 ................................................................................... 50
インダクタの巻数の測定 .............................................................................. 54
仕様 ..................................................................................................... 56
保証特性 ............................................................................................ 56
代表特性 ............................................................................................ 57
公称特性 ............................................................................................ 64
ii 20 A 電流プローブ取扱説明書
目次
性能検査................................................................................................. 65
必要な機器 .......................................................................................... 65
DC 電流ループの作成................................................................................ 67
機器の設定 .......................................................................................... 68
DC ゲイン確度 ....................................................................................... 69
立上り時間と帯域幅 .................................................................................. 73
検査記録 ............................................................................................ 76
調整 ..................................................................................................... 77
準備 ................................................................................................. 77
DC ゲイン確度 ....................................................................................... 77
メンテナンス.............................................................................................. 79
トラブルシューティング................................................................................ 79
クリーニング.......................................................................................... 82
索引
20 A 電流プローブ取扱説明書 iii
目次
iv 20 A 電流プローブ取扱説明書
安全にご使用いただくために
人体への損傷を避け、本製品や本製品に接続されている製品への損傷を防止するために、次の安全性に関す る注意をよくお読みください。
安全にご使用いただくために、本製品の指示に従ってください。
資格のあるサービス担当者以外は、保守点検手順を実行しないでください。
本製品をご使用の際に、規模の大きなシステムの他の製品にアクセスしなければならない場合があります。シス テムの操作に関する警告や注意事項については、他製品のマニュアルにある安全に関するセクションをお読み ください。
火災や人体への損傷を避けるには
安全にご使用いただくために
適切な電源コードを使用してください。
用してください。
接続と切断は正しく行ってください。
ください。
接続と切断は正しく行ってください。
接続と切断は正しく行ってください。
してください。被測定回路にプローブの基準リードを接続してから、プローブ入力を接続してください。プローブ入 力とプローブの基準リードを被測定回路から取り外した後で、プローブを測定機器から取り外してください。
本製品を接地してください。
す。 感電を避けるため、グランド線をアースに接続する必要があります。 本製品の入出力端子に接続する前に、 製品が正しく接地されていることを確認してください。
20 A 電流プローブ取扱説明書 v
本製品は、メインフレームの電源コードのグランド線を使用して間接的に接地しま
本製品用に指定され、使用される国で認定された電源コードのみを使
プローブと検査リードは、電圧ソースに接続されている間は着脱しないで
被測定回路の電源を切ってから、電流プローブの着脱を行ってください。
プローブ出力を測定機器に接続してから、プローブを被測定回路に接続
安全にご使用いただくために
すべての端子の定格に従ってください。 火災や感電の危険を避けるために、本製品のすべての定格とマーキン
グに従ってください。 本製品に電源を接続する前に、定格の詳細について、製品マニュアルを参照してください。
電流プローブを、その定格電圧を超える電圧がかかっている電線に接続しないでください。
電源を切断してください。
ください。このコードは常にアクセス可能であることが必要です。
電源コードの取り外しによって主電源が切り離されます。電源コードをさえぎらないで
カバーを外した状態で動作させないでください。 カバーやパネルを外した状態で本製品を動作させないでくだ
さい。
故障の疑いがあるときは動作させないでください。
当者に検査してもらってください。
露出した回路への接触は避けてください。
いでください。
電源がオンのときに、露出した接続部分やコンポーネントに触れな
本製品に故障の疑いがある場合、資格のあるサービス担
適切な AC アダプタを使用してください。 本製品用に指定された AC アダプタのみを使用してください。
湿気の多いところでは動作させないでください。
爆発性のあるガスがある場所では使用しないでください。
製品の表面を清潔で乾燥した状態に保ってください。
vi 20 A 電流プローブ取扱説明書
本マニュアル内の用語
本マニュアルでは、次の用語を使用します。
警告: 人体や生命に危害をおよぼすおそれのある状態や行為を示します。
注意: 本製品やその他の接続機器に損害を与える状態や行為を示します。
本製品に関する記号と用語
本製品では、次の用語を使用します。
DANGER: ただちに人体や生命に危険をおよぼす可能性があることを示します。
WARNING: 人体や生命に危険をおよぼす可能性があることを示します。
CAUTION: 本製品を含む周辺機器に損傷を与える可能性があることを示します。
安全にご使用いただくために
20 A 電流プローブ取扱説明書 vii
安全にご使用いただくために
本製品では、次の記号を使用します。
viii 20 A 電流プローブ取扱説明書
安全に保守点検していただくために
資格のあるサービス担当者のみが、保守点検手順を実行する必要があります。保守点検手順を実行する前に、 この『安全に保守点検していただくために』と『安全にご使用いただくために』をお読みください。
一人だけで保守点検しないでください: 応急処置と救急蘇生ができる人の介在がないかぎり、本製品の内部
点検や調整を行わないでください。
安全に保守点検していただくために
電源を切断してください:
電源オン時の保守点検には十分注意してください:
があります。保護パネルの取り外し、はんだ付け、コンポーネントの交換をする前に、電源の切断、バッテリの取り 外し(可能な場合)、試験導線の切断を行ってください。
感電を避けるため、露出している接続部には触れないでください。
20 A 電流プローブ取扱説明書 ix
感電を避けるため、機器の電源を切り、電源コードを電源コンセントから抜いてください。
本製品には、危険な電圧や電流が存在している可能性
適合性に関する情報
適合性に関する情報
このセクションでは、本器が適合している EMC 基準、安全基準、および環境基準について説明します。
EMC 適合性
EC 適合宣言 - EMC(TCP2020 型プローブのみに適用)
指令 2004/108/EC 電磁環境両立性に適合します。『Official Journal of the European Communities』に記載の以下 の基準に準拠します。
EN 61326-1 2006:
CISPR 11:2003:グループ 1、クラス A、放射および伝導エミッション
IEC 61000-4-2:2001:静電気放電イミュニティ
IEC 61000-4-3:2002:RF 電磁界イミュニティ
IEC 61000-4-4:2004:ファスト・トランジェント/バースト・イミュニティ
IEC 61000-4-5:2001:電源サージ・イミュニティ
IEC 61000-4-6:2003:伝導 RF イミュニティ
IEC 61000-4-11:2004:電圧低下と停電イミュニティ
測定、制御、および実験用途の電子機器を対象とする EMC 基準
123
4
EN 61000-3-2:2006:
EN 61000-3-3:1995: 電圧の変化、変動、およびフリッカ
欧州域内連絡先:
x 20 A 電流プローブ取扱説明書
AC 電源高調波エミッション
Tektronix UK, Ltd. Western Peninsula Western Road Bracknell, RG12 1RF United Kingdom
1
本製品は住居区域以外での使用を目的としたものです。住居区域で使用すると、電磁干渉の原因となることがあります。
2
本製品をテスト対象に接続した状態では、この規格が要求するレベルを超えるエミッションが発生する可能性があります。
3
ここに挙げた各種 EMC 規格に確実に準拠するには、高品質なシールドを持つインタフェース・ケーブルが必要です。
4
70%/25 サイクルの電圧低下および 0%/250 サイクル瞬断の各テスト・レベルにおいて、性能基準 C が適用されます(IEC 61000-4-11)。
オーストラリア/ニュージーランド適合宣言 -EMC
ACMA に従い、次の規格に準拠することで Radiocommunications Act の EMC 条項に適合しています。
CISPR 11:2003:グループ 1、クラス A、放射および伝導エミッション(EN61326-1:2006 および EN61326-2-1:2006 に準拠)
基準認可と準拠
EC 適合宣言(低電圧)
適合性に関する情報
『Official Journal of the European Communities』に記載の以下の基準に準拠します。
低電圧指令 2006/95/EC
20 A 電流プローブ取扱説明書 xi
適合性に関する情報
EN 61010-1: 2001:測定、制御および実験用途の電子装置に対する安全基準。
EN 61010-2-032:2002:電気計測および試験機器用のハンドヘルド電流クランプに対する特定要求事項。
米国の国家認定試験機関のリスト
UL 6010B-2-032:2003:電気計測および試験機器用のハンドヘルド電流クランプに対する特定要求事項。
UL 61010-1(第 2 版):測定、制御、および研究用途の電子装置に対する安全基準、第 1 部: 一般要件。
カナダ規格
CAN/CSA C22.2 No. 61010-1-04:測定、制御、および研究用途の電子装置に対する特定要件、第 1 部。
CAN/CSA C22.2 No. 61010-2-032:04:電気計測および試験用ハンドヘルド電流クランプに対する特定要件。
その他の規格
IEC 61010-1: 2001:測定、制御、および実験用途の電子装置に対する安全基準。
IEC 61010-2-032:2002:電気計測および試験機器用のハンドヘルド電流クランプに対する特定要求事項。
機器の種類
測定
xii 20 A 電流プローブ取扱説明書
適合性に関する情報
汚染度
製品内部およびその周辺で発生する可能性がある汚染度の尺度です。通常、製品の内部環境は外部環境と同 じとみなされます。 製品は、その製品に指定されている環境でのみ使用してください。
汚染度 1:汚染なし、または乾燥した非伝導性の汚染のみが発生します。このカテゴリの製品は、通常、被包
性、密封性のあるものか、クリーン・ルームでの使用を想定したものです。
汚染度 2:通常、乾燥した非伝導性の汚染のみが発生します。 ただし、結露によって一時的な導電性が発 生することもまれにあります。 これは、標準的なオフィスや家庭内の環境に相当します。一時的な結露は製品 非動作時のみ発生します。
汚染度 3:伝導性のある汚染、または結露のために伝導性のある汚染となる乾燥した非伝導性の汚染。 これ らは、温度、湿度のいずれも管理されていない屋内環境に相当します。 日光や雨、風に対する直接の曝露 からは保護されている領域です。
汚染度 4:伝導性のある塵、雨、または雪により持続的に伝導性が生じている汚染。これは一般的な屋外環 境に相当します。
汚染度
汚染度 2(IEC 61010-1 の定義による)。注: 屋内使用のみについての評価です。
20 A 電流プローブ取扱説明書 xiii
適合性に関する情報
環境への配慮
このセクションでは本製品が環境におよぼす影響について説明します。
使用済み製品の処理方法
機器またはコンポーネントをリサイクルする際には、次のガイドラインを順守してください。
機器のリサイクル:
る可能性のある物質が含まれているため、製品を廃棄する際には適切に処理する必要があります。有害物質の 放出を防ぎ、天然資源の使用を減らすため、本製品の部材の再利用とリサイクルの徹底にご協力ください。
このマークは、本製品が WEEE(廃棄電気・電子機器)およびバッテリに関する指令 2002/96/EC お よび 2006/66/EC に基づき、EU の諸要件に準拠していることを示しています。 リサイクル方法につ いては、当社の Web サイト(www.tektronix.com)のサービス・セクションを参照してください。
本製品の製造には天然資源が使用されています。 本製品には環境または人体に有害とな
有害物質に関する規制
本製品は Monitoring and Control(監視および制御)装置に分類され、2002/95/EC RoHS Directive(電気・電子 機器含有特定危険物質使用制限指令)の適用外です。
xiv 20 A 電流プローブ取扱説明書
まえがき
このマニュアルでは、TCP0020 型および TCP2020 型の電流プローブの取り付けと操作方法について説明しま す。また、プローブの基本的な操作と概念についても説明します。このマニュアルおよび関連する情報について は、当社の Web ページからもアクセスできます。
マニュアル
まえがき
参照項目
TCP0020 型および TCP2020 型プローブ:初めての操 作、機能チェック、基本操作、仕様、性能検査
オシロスコープの詳細な操作、ユーザ・インタフェース・ ヘルプ、GPIB コマンド
*
機器にインストールされているドキュメンテーションを参照するには、タスク・バーの Start をクリックして、Programs > TekApplications の順に選択してください。
使用するマニュアル
この取扱説明書をお読みください。
ホスト機器の Help メニューで、オンライン・ヘルプを参 照してください。
*
このマニュアルで使用される表記規則
このマニュアルでは、手順番号を示すために次のアイコンを使用しています。
20 A 電流プローブ取扱説明書 xv
まえがき
修理のためのプローブの返送
プローブの修理が必要な場合は、プローブを当社に返送してください。元の梱包資材が使用に適していないか、 見つからない場合は、次のガイドラインに従って梱包してください。
輸送の準備
1. 内寸がプローブの寸法より少なくとも
2.5 cm 大きい、輸送用の段ボール箱 を用意します。この箱は、少なくとも 90 kg の強度を持っていることがテス トで確認されている必要があります。
2. プローブを湿気から防ぐために、帯 電防止バッグに入れるか、包装材で 包みます。
3. プローブを段ボール箱に収め、軽い パッキング材を使用して動かないよう にします。
4. ガムテープで段ボール箱を密閉しま す。
5. 送付先の住所については、このマ ニュアルの巻頭に記載されている 「Tektronix 連絡先」を参照してくだ さい。
xvi 20 A 電流プローブ取扱説明書
主な特長
TCP0020 型および TCP2020 型電流プローブを使用すると、DC ~ 50 MHz の範囲で正確な測定ができます。 こ れらのプローブは、実績のあるホール効果技術と Tektronix TekVPI オシロスコープ・インタフェースを兼ね備え ています。主な特長は次のとおりです。
TCP0020 型電流プローブ
AC カップリング(AC カップリングをサ ポートする TekVPI オシロスコープの 場合)
感度 10 mA (1mV/div 設定をサポー トする TekVPI オシロスコープでの場 合)
100 A ピーク・パルス電流 (パルス󲴝幅 10μs 未満)
ホスト機器上での直接スケーリングお よび単位のリードアウト
TekVPI オシロスコープ・メニューを使 用したプローブ制御、あるいはオシロ スコープからリモートによるプローブ 制御
主な特長
150V CAT II(裸線)、300V CAT II(絶 縁線)
20 A 電流プローブ取扱説明書 1
主な特長
TCP2020 型電流プローブ
帯域幅 50 MHz 以上、立上り時間 7 ns 未 満
AC/DC 測定機能
20 A RMS 連続定格 (周波数と共に低下)
100 A ピーク・パルス電流 (パルス󲴝幅 10μs 未満)
DC 確度 1%(代表値)
ワン・ボタン消磁
150V CAT II(裸線)、300V CAT II(絶 縁線)
外部電源により 1 MΩ 入力の測定器 で使用可能
2 20 A 電流プローブ取扱説明書
取り付け
TCP0020 型プローブ
1. TCP0020 型プ ローブをオシロ スコー
プ入力に差し込みます。完全に差し 込むと、カチッと音がします。
プローブの全 LED が確認のため一 旦点灯し、次に Degauss(消磁)LED が赤色に点滅して消磁が必要なこと を示します。
消磁が実行され、プローブがホストの 減衰設定を読み取り、それに従って 調整するまで、50 Ω Term(50 Ω 終 端)LED は緑色に点灯します。
2. プローブを消磁します (5 ページ 「プ
ローブの消磁」 参照)。
3. プローブを取り外すには、ラッチ・ボ
タンを押してプローブを機器から引き 抜きます。
取り付け
20 A 電流プローブ取扱説明書 3
取り付け
TCP2020 型プローブ
1. プローブの BNC コネクタをオシロス コープの入力コネクタに合わせます。
2. プローブのコネクタを押し、右に回し てロックします。
3. AC アダプタを AC コンセントに接続 し、次にそれをプローブに接続しま す。
注: プローブをオシロスコープに接続す
る前に、AC アダプタをプローブに接続 することもできます。
プローブがオシロスコープと AC アダ プタに接続されると、プローブの Power (電源)LED が緑色に点灯します。
4. プローブを消磁します (5 ページ 「プ ローブの消磁」 参照)。
プローブを取り外すには、プローブのコ ネクタを左に回してプローブを機器から 引き抜きます。
4 20 A 電流プローブ取扱説明書
プローブの消磁
1. TCP0020 型プローブをオシロスコープ
に接続した後、Degauss/AutoZero(消 磁/自動ゼロ)多色ステータス LED が赤く点滅し、消磁が必要なことを示 します。
オシロスコープ画面にプローブを消 磁するように求めるメッセージが表示 される場合もあります。
TCP2020 型プローブは、消磁が必要 なことを指示しませんが、電流プロー ブをオシロスコープにつないだ後は 必ず消磁してください。
2. プローブの消磁を行うには、まず Jaw
Open(開口)LED が点灯していない ことを確認します。 点灯している場合 は、プローブのスライダを前に押して 開口部を閉じ、ロックしてください。
取り付け
20 A 電流プローブ取扱説明書 5
取り付け
3. Degauss(消磁)ボタン、またはホスト 機器の Degauss(消磁)ウィンドウかプ ローブの Degauss/AutoZero(消磁/ 自動ゼロ)ボタンを押します。
消磁中に、電流測定が適切に行えるよう に終端が設定されます。設定された終端 に応じて 50 Ω Term LED が点灯するか 消灯するかします。
注: Degauss/AutoZero(消磁/自 動 ゼ
ロ)多色ステータス LED が赤色で点滅し ている間は、DC ゲイン・エラーおよびオ フセット・エラーは保証されません。
4. TCP0020 型プローブの消磁ルーチン
が完了し、Degauss/AutoZero(消磁/ 自動ゼロ)多色ステータス LED が緑 色になると、プローブは正常な動作 モードになります。
6 20 A 電流プローブ取扱説明書
ヒント
測定の確度を維持するために、次の場 合にはプローブを消磁してください。
測定システムの電源をオンにし、20 分間のウォーム・アップ期間が終了し た後
プローブを導体に接続する前
電流または熱の過負荷状態が発生し た場合
プローブを強力な外部磁界にさらし た場合
取り付け
20 A 電流プローブ取扱説明書 7
コントロールとインジケータ
コントロールとインジケータ
TCP0020 型および TCP2020 型プローブは、プローブ・ヘッドの設計が同一であり、また共通な機能がいくつかあ ります。 各プローブ・モデルに固有なコントロールとインジケータについては、後の別のセクションで触れます。
プローブ・ヘッド
スライダと導体開口部
1. プローブの消磁や測定は、スライダが ロック位置にあるときに行うことができ ます。
2. 開口部で導体を挟んだり、外したりす る場合は、スライダをロック解除の位 置までずらします。
3. 開口部は、最大直径が 5 mm(0.2 イ ンチ)の導体までを受け入れることが できます。
警告: プローブを破損しないために、直
径が 5 mm(0.2 インチ)を超える導体は 開口部に入れないでください。
8 20 A 電流プローブ取扱説明書
4. 安全取り扱いゾーン:測定する際に
は、指を安全境界より後ろに保つよう にしてください。
警告: 感電を避けるために、測定する際
には安全取り扱いゾーン(網掛けで示す) を超える領域にアクセスしないようにして ください。
警告: プローブを破損しないために、プ
ローブを落としたり、衝撃を与えたりしな いようにしてください。
警告: 電流プローブの定格を超える電
流および電圧のワイヤに、電流プローブ を接続しないでください。
コントロールとインジケータ
20 A 電流プローブ取扱説明書 9
コントロールとインジケータ
TCP0020 型プローブ
このセクションでは TCP0020 型プローブのコントロールとインジケータについて説明します。 TCP2020 型につい ては、次のセクションで説明します (20 ページ 「TCP2020 型プローブ」 参照)。
電源オンの表示
TCP0020 型プローブに電源を入れると、 すべての LED インジケータが一旦点灯 し、次にプローブの Degauss/AutoZero (消磁/自動ゼロ)LED が赤色に点滅し て消磁が必要なことを示します。
プローブの消磁を行うと、Degauss/Au­toZero(消磁/自動ゼロ)LED が緑色に 点灯し、消磁が完了したことを示します。 この LED は、電源が入っていることを示 すインジケータでもあります。
10 20 A 電流プローブ取扱説明書
Jaw Open(開口)LED
1. プローブ・スライダがロックしていない と Jaw Open(開口)LED が点灯しま す。
2. プローブ・スライダを前に押してスライ ダをロックすると LED が消灯します。 ロックした位置では、消磁したり、導体 を挟んで電流を正確に測定すること ができます。
注意: 直径 5.0 mm(0.20 インチ)を超え
る導体での測定は行わないでください。 プローブの開口部が損傷する恐れがあり ます。
コントロールとインジケータ
20 A 電流プローブ取扱説明書 11
コントロールとインジケータ
Overload(過負荷)LED
Overload(過負荷)LED は、プローブが 仕様を超えて使用されていることを警告 します。 赤色の場合、連続最大入力電 流の限度を超えています
注意: プローブを、長時間 Overload(過
負荷)LED が点灯するような状態にしな いでください。
ヒント
入力電流の過負荷は、プローブを帯 磁させます。過負荷がかかった後に は、必ずプローブを消磁してください。
12 20 A 電流プローブ取扱説明書
Degauss/AutoZero(消磁/自 動ゼロ)ボタン
Degauss/AutoZero(消磁/自動ゼロ)ボ タンは、プローブの消磁を行い、DC オフ セットをゼロにします。
プローブを消磁するには、次の手順を実 行します。
1. すべての導体をプローブから外し、ス ライダを閉じてロックします。
2. Degauss/AutoZero(消磁/自動ゼロ) ボタンを押して、消磁ルーチンを開始 します。
消磁ルーチンの完了後に、プローブ の Degauss/AutoZero(消磁/自動ゼ ロ)LED が緑色に点灯します。
コントロールとインジケータ
20 A 電流プローブ取扱説明書 13
コントロールとインジケータ
Degauss/AutoZero(消磁/自 動ゼロ)LED
Degauss/AutoZero(消磁/自動ゼロ)多 色ステータス LED が赤色で点滅する場 合は、プローブを消磁する必要がありま す。 また、消磁/自動ゼロ機能によりプ ローブの DC オフセットもゼロに調整され ます。
LED がオレンジ色に点滅する場合にもプ ローブの消磁が必要です。この LED が オレンジ色で点滅している場合は、DC ゲ インおよびオフセット・エラーは保証され ません。
Degauss/AutoZero ルーチンが正常に完 了すると、LED が緑色に点灯します。
14 20 A 電流プローブ取扱説明書
50ΩTerm(50Ω終端)LED
この LED は、プローブ内の出力信号パ スがアクティブに 50 Ω で終端されてい るときに点灯します。 プローブをオシロス コープに接続した後、またはプローブを オシロスコープに接続した状態でオシロ スコープの終端を変えた後は、プローブ を消磁するまでプローブの終端が LED に正しく表示されません。
プローブを 1M Ω 入力のホストに接続 した場合は、プローブの消磁後に 50 Ω Term(50 Ω 終端)LED が点灯します。 プローブを 50 Ω 入力のホストに接続した 場合は、プローブの消磁後に 50 Ω Term (50 Ω 終端)LED が消灯します。
注: プローブを 50 Ω 入力終端のオシロ
スコープで使用する場合、測定できる最 大ピーク電流は 50A です(ただし、パル ス幅 20 us 以内)。
コントロールとインジケータ
20 A 電流プローブ取扱説明書 15
コントロールとインジケータ
Menu(メニュー)ボタン
TCP0020 型プローブの Menu(メニュー) ボタンを押すと、プローブのオフセットや デスキューなど、その他のプローブ機能 にアクセスすることができます。
モデルにより、次のメニューが表示されま す。 この例では、MSO/DPO4000 シリー ズのオシロスコープを使用しています。
1. プローブの Menu ボタンを押します。 下のベゼル・メニューが画面の下部、
下のベゼル・ボタンの上に表示されま す。
2. 下のベゼル・メニューをスクロールす るには、More(次へ)ボタンを押しま す。
3. 下のベゼル・メニューの各項目をハイ ライトすると、右のベゼル・ボタンの隣 の側面ベゼルに、その機能のメニュー が表示されます。 Probe Setup(プロー ブ設定)メニューが表示されています。
4. 再度、プローブの Menu(メニュー)ボ タンを押して、画面を閉じます。
16 20 A 電流プローブ取扱説明書
コントロールとインジケータ
メニューによるプローブ機能
多くの Tektronix オシロスコープで、メニューから次のプローブ機能が使用できます。 この例では、MSO/ DPO4000 シリーズのオシロスコープを使用しています。
Fine Scale(細分スケール):
により、垂直軸 mA/div の設定を、多くの オシロスコープで固定の 1–2–5 スケール の間の任意のスケールに調整することが できます。
たとえば、320 mA の信号を正確に垂直 8 目盛(40 mA/div)にわたって表示するに は、まず 50 mA/div の固定スケールに設 定します。 次に、下のベゼル・メニューか ら Fine Scale(細分スケール)を選択し、 画面を見ながら汎用ノブで細分スケール を 40 mA/div に調整します。
この機能
Offset(オフセット)と Position(位
各項目を選択し、側面ベゼル・ボ
置):
タンを押すことで該当するパラメータを 調整したり、値をゼロに戻すことができま す。
20 A 電流プローブ取扱説明書 17
コントロールとインジケータ
Probe Setup( プ ロ ー ブ 設 定) : Probe
Setup(プローブ設定)メニューは、電流レ ンジと減衰比を表示します(TCP0020 型 および TCP2020 型プローブでは 20 A、 10X)。
側面ベゼル・ボタンで Degauss(消磁)お よび AutoZero(自動ゼロ)ルーチンを実 行することができます。 プローブの消磁 ステータスもボタンに表示されます。
18 20 A 電流プローブ取扱説明書
コントロールとインジケータ
Deskew(デスキュー):
よび TCP2020 型プローブと他のプロー ブとのデスキューを行うには、この機能を 選択して、プローブをオプションのデス キュー装置に接続します (32 ページ 「デ スキュー/校正装置」 参照)。
デスキュー手順では、プローブを含めた チャンネル間の遅延時間を測定し、遅延 (スキュー)を揃えるための手動と自動の 調整を行います。 使用しているオシロス コープのマニュアルまたはデスキュー装 置の手順書を参照してください。
TCP0020 型お
20 A 電流プローブ取扱説明書 19
コントロールとインジケータ
TCP2020 型プローブ
このセクションでは TCP2020 型プローブのコントロールとインジケータについて説明します。
Power(電源)LED
TCP2020 型プローブには、プローブに付 属した外部 DC 電源から電源を供給しま す。
注: 外部電源を接続しなくても、プロー
ブは AC 信号を伝達できますが、性能は 保証されません。
TCP2020 型プローブに外部 DC 電源が 接続されると、Power(電源)LED が緑色 に点灯します。
20 20 A 電流プローブ取扱説明書
Degauss(消磁)ボタン
Degauss(消磁)ボタンは、プローブの消 磁を行い、DC オフセットをゼロにします。
プローブを消磁するには、次の手順を実 行します。
1. プローブを電流源から取り外します。
2. スライダを閉じてロックします。
3. Degauss(消磁)ボタンを押して、消磁
ルーチンを開始します。 消磁操作の進行に伴って、減衰する
発振波形がオシロスコープに表示さ れます。
コントロールとインジケータ
20 A 電流プローブ取扱説明書 21
コントロールとインジケータ
Jaw Open(開口)LED
1. Jaw Open(開口)LED が点灯している とき、プローブ・スライダはロックされ ていない状態です。
2. プローブ・スライダを前に押してスライ ダをロックすると LED が消灯します。 ロックした位置では、消磁したり、導体 を挟んで電流を正確に測定すること ができます。
注意: 直径 5.0 mm(0.20 インチ)を超え
る導体での測定は行わないでください。 プローブの開口部が損傷する恐れがあり ます。
22 20 A 電流プローブ取扱説明書
コントロールとインジケータ
Balance(バランス)コントロール
プローブ出力に存在する DC オフセット を微調整するには、Balance(バランス)コ ントロール(サムホイール)を使用します。 コントロールは次のように使用します。
1. プローブを電流源から取り外します。
2. プローブ・スライダを閉じてロックしま
す。
3. Degauss(消磁)ボタンを押します。
4. オシロスコープの垂直軸スケールを
10 mA/div、または機器の最も高い感 度に設定します。
5. プローブ・スライダを開いて閉じます。
6. 表示される信号がゼロになるように
Balance(バランス)コントロールを調整 します。
注: サムホイールで DC オフセットをゼロにできない場合は、サムホイールの下にあるバランス粗調整を使用する
ことができます(上図の細い矢印を参照)。 まずサムホイールを中央位置に設定し、絶縁マイナス・ツールを使用 してバランス粗調整でオフセットをゼロにします。
20 A 電流プローブ取扱説明書 23
機能チェック
機能チェック
次の手順を使用して、プローブが正常に動作していることを確認します。プローブが保証仕様を満たしているかど うかを確認するには、「性能検査」の手順を参照してください (65 ページ参照)。
注意: プローブの開口部は、直径 5.0 mm 以下の絶縁導体を受け入れることができます。プローブの開口部に、
直径 5.0 mm を超える導体を挿入しないでください。プローブが損傷する恐れがあります。
24 20 A 電流プローブ取扱説明書
プローブが正常に動作していることを確 認するには、次の手順を実行します。
1. .オシロスコープの任意のチャンネル
にプローブを接続します。
2. プローブのチャンネルが表示されるよ
うにオシロスコープを設定します。
3. プローブを消磁します。
4. プローブを回路にクランプします。
5. オシロスコープを調整するか、あるい
はオートセット機能を使用して、安定 した波形を表示します。
安定した波形が表示される場合は、 プローブは正常に動作しています。
機能チェック
20 A 電流プローブ取扱説明書 25
アクセサリとオプション
アクセサリとオプション
このセクションでは、プローブで使用できるスタンダード・アクセサリとオプショナル・アクセサリを示し、それらの使用 方法について説明します。ニーズに最適なアクセサリを選択できるように、必要に応じて仕様も記載してあります。
26 20 A 電流プローブ取扱説明書
スタンダード・アクセサリ
プローブ・グランド・リード
1. 小さいクリップを、プローブ本体のグ
ランド・スタブに固定します。
2. 回路グランドにワニ口クリップを取り付
けます。
3. プローブを回路に取り付けます。 注文用当社部品番号:
196-3521-XX、数量 1
アクセサリとオプション
20 A 電流プローブ取扱説明書 27
アクセサリとオプション
ポーチおよび中仕切り付きのナ イロン製キャリング・ケース
キャリング・ケースを使用して、プローブ、 アクセサリ、および取扱説明書を収納し ます。
1. プローブ、アクセサリ、およびマニュア ルをキャリング・ケースに収納します。󲴝
2. キャリング・ケースを閉じて、アクセサ リを別の場所へ運ぶか、保管してお きます。
注文用当社部品番号: 016-1952-xx
28 20 A 電流プローブ取扱説明書
DC 電源(TCP2020 型のみ)
TCP2020 型プローブには、適切な動作 のために外部 DC 電源が必要です。
注文用当社部品番号: 119-7836-xx
アクセサリとオプション
20 A 電流プローブ取扱説明書 29
アクセサリとオプション
取扱説明書
取扱説明書には、操作およびメンテナン スの手順が記載されています。
注文用当社部品番号: 071-3002-xx
本製品には以下の言語のマニュアルが 用意されています。 他の言語も入手可 能な場合があります。当社 Web サイト (www.tektronix.com/manuals)をご覧くだ さい。
(日本語)
(簡体字中国語)
30 20 A 電流プローブ取扱説明書
オプショナル・アクセサリ
このセクションでは、プロービング作業に役立つ、別売りのオプショナル・アクセサリについて説明します。
電流ループ
性能検査手順では、この 1 回巻き 50 Ω の電流ループが必要です。 BNC コネク タで電流源に簡単に接続できます。また 装置内の導体バーは、電流プローブの 開口部で挟めるようになっています。
電流ループを使用するには、実行する特 定の作業手順に従ってください(たとえ ば、性能検査、調整など)。
注文用当社部品番号: 067-2396-xx
アクセサリとオプション
20 A 電流プローブ取扱説明書 31
アクセサリとオプション
デスキュー/校正装置
この装置を、プローブの校正またはデス キューの手順をサポートしているホスト機 器に接続します。デスキュー手順を実行 すると、電流プローブと電圧プローブ間 のゲインのエラーおよびタイミング差が補 正されます。使用しているオシロスコープ のマニュアルまたは装置の手順書を参照 してください。
注文用当社部品番号:067-1686-xx
32 20 A 電流プローブ取扱説明書
オプション
サービス・オプション
オプション C3 型: 3 年間の校正サービス
オプション C5 型: 5 年間の校正サービス
オプション D1 型:校正データ・レポート
オプション D3 型: 3 年間の校正データ・レポート(オプション C3 付き)
オプション D5 型: 5 年間の校正データ・レポート(オプション C5 付き)
オプション R3 型: 3 年間の修理サービス
オプション R5 型: 5 年間の修理サービス
アクセサリとオプション
20 A 電流プローブ取扱説明書 33
基本操作
基本操作
注意: プローブ開口部に、直径 5.0 mm(0.20 インチ)を超える導体を無理に挿入しないでください。プローブが
損傷する恐れがあります。プローブ・ヘッドのトランスフォーマの接続表面は、精密研磨されており、注意深く取り 扱う必要があります。プローブ・ヘッドのトランスフォーマの接続表面が汚れていると、良い測定結果が得られない ことがあります。プローブ・ヘッドのトランスフォーマの表面を清掃する方法については、このマニュアルの「メンテ ナンス」のセクションを参照してください。
34 20 A 電流プローブ取扱説明書
1. オシロスコープの表示を確認してか
ら、プローブを導体に接続します。 DC オフセットが存在する場合は、プ
ローブを消磁します (5 ページ 「プ ローブの消磁」 参照)。TCP2020 型プ ローブを使用する際は、Balance(バラ ンス)コントロールの調整も必要な場 合があります (23 ページ 「Balance(バ ランス)コントロール」 参照)。
2. プローブの開口部で導体を挟み、開
口部を閉じてロックします。 読み取り値の極性を正しくするため
に、開口部の矢印に合わせて、電流 の流れが正から負の方向になるように プローブを接続します。
3. オシロスコープに表示される測定値
を読み取ります。
基本操作
20 A 電流プローブ取扱説明書 35
基本操作
プローブの接地
グランド・リードを使用すると、高周波数での EMI 除去性能が改善されます。
1. グランド・リードを、プローブ・ヘッドの 底部のグランド・ポストに留めます。
2. クリップのワニ口クリップ端を回路のグ ランドに接続します。
36 20 A 電流プローブ取扱説明書
プロービングの原理
次の情報により、電流プローブが持つ性能を最大限に引き出せます。
開口部に非通電状態の導体を入れた状態でのプローブの消磁
電源の入っていない回路の導体を開口部にクランプした状態で、電流プローブを消磁できます。電源の入ってい ない回路で消磁する利点は、漂遊 DC 磁界から生じるすべてのオフセットが補正されることです。また、プローブ の開口部に導体を入れたまま消磁すると、プローブを手動で取り外す必要がなくなります。
注: プローブの開口部の導体が、完全に非通電状態であることを確認してください。導体に電流が流れていると、
電流プローブ内に残留オフセットが発生し、測定値が不正確になったりエラー状態を引き起こす可能性があります。
消磁手順が有効であるためには、被測定回路のインピーダンスが 10 mΩ より高いことが必要です (10 mΩ 未満 の回路インピーダンスではプローブのコアが飽和しないことがあります)。 消磁中に、非通電状態で 50 Ω 負荷に 50 mV、170 Hz の信号がプローブにより誘導されます。回路は、この誘導電圧を吸収できる必要があります。低イ ンピーダンスの回路では、被測定回路に数アンペアの電流が誘導されることがあります。非常に細い導体では、 この現象が問題になる場合があります。
プロービングの原理
20 A 電流プローブ取扱説明書 37
プロービングの原理
差動電流の測定
差動電流あるいはゼロ電流の測定を簡 略化するには、1 つの電流プローブに 2 本の導体を置きます。
警告: 非絶縁導体で測定を行う場合は、プローブの 150 V CAT II 電圧限界を超えないようにしてください。非絶
縁導体とは、絶縁されていない導体、または被測定導体に加わる電圧に見合う定格の絶縁が行われていない導 体のことです。 回路電圧が 150 V CAT II を超えても 300 V CAT II より低い場合は、測定は可能ですが、絶縁さ れた導体に限ります。 いかなる絶縁導体でも 300 V CAT II の電圧定格を超えてはいけません。
絶縁導体とは、導体に加わる電圧を絶縁することができる絶縁材料によって囲まれた導体のことです。一般にトラ ンスの巻線に見られるようなラッカー塗装は、電流プローブで使用する場合、信頼できる十分な絶縁体ではありま せん。ラッカー被覆は簡単に傷が付き、絶縁能力が失われる恐れがあります。
スライドを無理に閉めないでください。プローブが損傷する恐れがあります。導体を通してスライドを閉じられない 場合は、測定する導体の本数を減らすか、可能な場合は細目の導体で測定してください。
38 20 A 電流プローブ取扱説明書
1. 極性(+ および -)が互いに反対にな
るように 2 本の被測定導体を向けま す。
2. 電流プローブで 2 本の導体をクラン
プします。プローブの開口部内の導 体を傷付けないように注意してくださ い。
3. 電流を測定します。
通常の電流の方向は正から負です。 ベースラインより上に波形が存在する 場合は、電流の方向がプローブの矢 印の向きと一致する導体に、より大き な電流が流れています。
プロービングの原理
20 A 電流プローブ取扱説明書 39
プロービングの原理
4. 電流をゼロに調整するには、一方の 導体に流れる電流を調整して、表示 される測定値の DC 成分をゼロにし ます。
電流レンジの拡大
測定値が接続されたプローブの最大電流定格を超える場合は、次の手法を使用して、指定された制限を越える ことなく AC および DC 電流レンジを拡大できます。
警告: 負傷や機器の損傷防止のため、プローブや装着可能なすべてのアクセサリについて、指定された電気的
制限値を超えないようにしてください。複数の導体を使用する場合は、どの導体でも電流の制限値を超えないよ うにしてください。
DC レンジの拡大
非常に大きな定常 DC 成分(電源など)に重畳された低振幅の AC 成分を測定する場合、またはプローブの DC 電流レンジを拡大したい場合は、もう 1 本の導体を使用してオフセット(バッキング)電流を追加します。
40 20 A 電流プローブ取扱説明書
プロービングの原理
警告: 複数の非絶縁導体を同時にプローブの開口部に挿入しないでください。非絶縁導体とは、絶縁されてい
ない導体、または被測定導体に加わる電圧に見合う定格の絶縁が行われていない導体のことです。
バッキング電流を追加で供給する方法 は、次のとおりです。
1. 被測定導体に加え、既知の DC 成分
を持つもう 1 本の導体を、プローブの 開口部に通します。
2. 追加する導体は、バッキング電流が
被測定導体の DC と逆向きに流れる ようにします。
3. 測定値を求めるには、表示される測
定値にバッキング電流値を加えます。
注: プローブに導体を追加すると、挿入インピーダンスが増加し、プローブの上限帯域幅が低下します。さらに
複数回巻くと、挿入インピーダンスが増加して、帯域幅の上限値がさらに低下します。
20 A 電流プローブ取扱説明書 41
プロービングの原理
バッキング電流の値を増加するには、次 のようにします。
1. プローブの周囲にもう 1 つの導体を 複数回巻きます。
バッキング電流は、追加した導体を流 れる電流とプローブに巻き付けた回 数を掛けた値となります。
たとえば、100 mA DC の電流の追加導体 をプローブに 5 回巻き付けた場合、DC バッキング電流は 100 mA に 5 を乗算し た 500 mA DC になります。
42 20 A 電流プローブ取扱説明書
感度の向上
DC あるいは非常に小さい振幅の低周波 数の AC 信号を測定する場合、次のよう にして電流プローブの測定感度を拡大 できます。
1. 図のように、プローブに被測定導体
を数回巻き付けます。信号の電流値 は、プローブに巻き付けた回数倍に なります。
2. 実際の電流値を求めるには、表示さ
れる振幅を巻数で除算します。
たとえば、導体をプローブの周囲に 3 回 巻き、オシロスコープが 3mA DC の読み 値を示した場合、実際の電流は 3mA を 3 で除算した 1mA DC です。
注: プローブへの巻数を増やすと、挿入インピーダンスが増加して、プローブの帯域幅の上限値が低下します。
プロービングの原理
20 A 電流プローブ取扱説明書 43
プロービングの原理
コモン・モード・ノイズ/磁場エラー
高周波数でのコモン・モード・ノイズおよ び回路の電源側での強力な磁界は、測 定エラーの原因になる可能性があります。 これを防ぐには、以下を実行します。
1. 回路のロー側、つまり接地側で測定 します。
2. プローブの向きを一般的な電流の方 向(正から負)に合わせて測定します。
注: この方法は、図のマイナス側端子が
グランドにつながれている場合に最大の 効果があります。
44 20 A 電流プローブ取扱説明書
AC/DC カップリング
DC カップリングまたは AC カップリングのいずれかを使用して、信号をオシロスコープに入力できます。DC カッ プリングは、DC および AC の両成分を測定して表示します。AC カップリングは、表示される信号から DC 成分を 除去します。 オシロスコープのコントロールを使用してカップリングを変えます。
1. 図の低周波数の方形波は、AC カップ
リングを使用して表示されています。 信号が低周波のロールオフを示して います。
2. DC Coupling(DC カップリング)ボタン
を押して、表示される波形をきれいな 方形波にします。
注意: AC カップリングを使用する場合
は、入力する DC 電流がプローブの仕様 を超えないように注意してください。
プロービングの原理
20 A 電流プローブ取扱説明書 45
プロービングの原理
最大電流限界値
電流プローブには、パルス電流、連続電流、および電流時間積の 3 つの最大電流定格があります。これらの定 格のいずれかを超えると、プローブ・コアは飽和して磁気を帯び、測定エラーの原因になります。プローブの最大 電流定格については、仕様を参照してください (57 ページの 表 2 参照)。
最大パルス電流(I
)は、帯域幅制
maxP
限内であればパルス幅がどんなに狭 くとも、正確に測定できるパルス電流 の最大ピーク値を指します。
最大連続電流(I
)は、DC または
maxC
指定した AC 周波数で連続的に測定 できる最大電流を指します。最大連 続電流値は、周波数に応じて低下し ます。周波数が大きくなると、最大連 続電流定格は下がります。
46 20 A 電流プローブ取扱説明書
プロービングの原理
電流時間積は、パルス振幅が最大連 続電流と最大パルス電流の仕様値の 間にある場合に、測定可能なパルス 電流の最大幅です。最大連続電流 の仕様値は周波数によって変化しま す。
測定値が電流時間積を超えているかどう か判断するには、次のセクションで説明 するように、まず最大許容パルス幅また は最大許容パルス振幅を知る必要があ ります。
注: プローブの最大連続電流、最大パルス電流、または電流時間積の定格を超える電流を測定した後は、必ず
プローブを消磁してください。これらの定格を超えるとプローブは磁気を帯び、測定エラーの原因になります。
20 A 電流プローブ取扱説明書 47
プロービングの原理
最大許容パルス幅
最大許容パルス幅は次の手順で決定で きます。
1. パルスのピーク電流を測定します。
2. プローブのアンペア秒(またはアンペ ア・マイクロ秒)仕様値を、測定された パルスのピーク電流で割ります。
商の値が、最大許容パルス幅(PW
max
になります。
3. 測定された信号の 50% ポイントにお けるパルス幅が、計算した最大許容 パルス幅(PW
)より小さいことを確
max
認します。
48 20 A 電流プローブ取扱説明書
最大許容パルス振幅
最大許容パルス振幅は次の手順で決定 できます。
1. 50% ポイントにおけるパルス幅を測定
します。
2. プローブのレンジ設定における電流
時間積(アンペア×秒、あるいはアン ペア×マイクロ秒)の仕様値を、パル ス幅で割ります。
商の値が、最大許容パルス振幅で す。測定パルスのピーク振幅は、この 値より小さくなければなりません。
たと え ば 、 TCP0020 型および TCP2020 型プローブの最大アンペア秒積値は 1,000 A-μs です。プローブで測定され たパルスが 11 μs の幅を持つ場合、最 大許容ピーク電流は 1,000 A-μs を 11 μs で除算して、90.9 A になります。
プロービングの原理
20 A 電流プローブ取扱説明書 49
使用例
使用例
このセクションでは、プローブを一般的なトラブルシューティング作業で使用する方法、および測定システムをより 広く使用する方法について説明します。
インダクタンス測定
電流プローブを使用すると、低インピーダンスまたは高インピーダンスの、既知のパルス源を持つコイルのインダ クタンスを測定できます。
50 20 A 電流プローブ取扱説明書
低インピーダンスのパルス源
この図は、出力インピーダンスの非常に 低い定電圧パルス・ゼネレータに低抵抗 値のインダクタを接続した場合を示して います。
1. インダクタを、パルス・ゼネレータの出 力端子の両端に接続します。
2. インダクタの両端の電圧を一定に保 ちます。
3. 信号源のリードの片方に電流プロー ブをクランプします。
注: プローブのインピーダンスが回路全
体のインダクタンスのかなりの部分を占 める場合は、測定確度に影響します。プ ローブの挿入インピーダンスについては、 プローブの仕様を参照してください。
使用例
20 A 電流プローブ取扱説明書 51
使用例
4. 電流ランプを測定します。インダクタ ンスは、事実上ここに示す電流ランプ のスロープによって定義されます。
5. 次の公式を使用して、インダクタンス を計算します。
ここで、
L は、ヘンリー単位のインダクタンス、 E は、パルス・ゼネレータの電圧、 dt は、時間変化量、 di は、電流変化量を示します。
52 20 A 電流プローブ取扱説明書
高インピーダンスのパルス源
パルス源が既知の抵抗値を持ちインピー ダンスが高い場合、電流の増加と共に出 力電圧が低下し、コイルのインダクタンス は充電曲線の時定数から計算できます。
電流ランプからインダクタンスの公式で使 用する値を求めます。
この公式を使用して、電流測定に基づい てインダクタンスを計算します。
ここで、
L は、ヘンリー単位のインダクタンス、 τ は、電流が全電流値の 63.2% まで 上昇、または全電流値から 63.2% 低 下するのに要する時間、および R は、パルス・ゼネレータの出力抵抗 値を示しています。
使用例
20 A 電流プローブ取扱説明書 53
使用例
インダクタの巻数の測定
インダクタのおおよその巻数を求めるに は、次の手順を実行します。
1. 図のように、インダクタを電流制限さ れた電流源に接続します。
2. インダクタ・リードの片方で入力電流 を測定します。
3. 電流プローブでインダクタをクランプ し、電流値を記録します。
巻数は、コイル電流と入力電流の比率に 等しくなります。
この方法の確度は、電流の測定確度に 制約されます。
54 20 A 電流プローブ取扱説明書
より正確な巻数を測定するには、巻数が わかっているコイルを基準として使用す る必要があります。その場合は、次の手 順を実行します。
1. 上で説明した手順 1 および 2 を繰
り返し、次の変更を行います。
2. 基準のコイルを電流プローブに挿入
します。
3. 図のように、テスト・コイルと基準コイ
ルの電流の方向が逆になるように、テ スト・コイルを電流プローブに挿入しま す。コイル電流の極性を確認して、テ スト・コイルの巻数が基準コイルよりも 少ないか多いかを判定します。巻数 は、次の公式を使用して計算します。
ここで、
は、テスト・コイルの巻数、
N
2
は基準コイルの巻数、
N
1
は測定されたコイル電流、および
I
m
は入力電流です。
I
1
使用例
20 A 電流プローブ取扱説明書 55
仕様
仕様
表 1 ~ 5 の仕様は、次の条件の下で有効です。
プローブが環境温度 23 ℃ ±5 ℃ で校正済みである。
プローブが、入力インピーダンス 1 MΩ でホスト機器に接続されている。 TCP0020 型プローブの仕様は、入 力インピーダンスが 50 Ω のホスト機器でも有効です。
プローブが記述された限界を超えない環境で、少なくとも 20 分間ウォーム・アップされている(表 1 を参照)。
プローブの消磁が完了している。
TCP0020 型および TCP2020 型電流プローブの仕様は、保証特性、代表特性、および公称特性の 3 つのカテゴ リに分けられます。
保証特性
保証特性とは、許容限界内または一定のタイプ・テストされた要件内で保証される性能です。 「性能検査」セクショ ンで検査される保証特性には、
表 1: 保証電気特性
特性 説明
DC ゲイン確度 立上り時間(10% ~ 90%) 帯域幅
マークが付いています。
<3%
≦7 ns DC ~ 50 MHz
56 20 A 電流プローブ取扱説明書
代表特性
代表特性とは、代表値であり保証されていない性能です。
表 2: 代表的電気特性
特性 説明
最大連続電流 — DC および低周波数 最大ピーク電流 (60 ページの 図 3 参照)。
TCP0020 型、50 Ω オシロスコープ終端 最大ピークパルス 50 A(パルス幅 ≤20 μs) TCP0020 型および TCP2020 型、1 MΩ オシロスコープ
終端 表示 RMS ノイズ ≤1.0 mA RMS(測定帯域を 20 MHz に制限) 挿入インピーダンス 信号遅延 裸線での最大電圧 絶縁ワイヤでの最大電圧 最大アンペア秒積値 1,000 A·μs (46 ページ 「最大電流限界値」 参
仕様
20 A RMS
最大ピークパルス 100 A(パルス幅 ≤10 μs)
(59 ページの 図 2 参照)。 ~ 14.5 ns
150 V CAT II 300 V CAT II
照)。
20 A 電流プローブ取扱説明書 57
仕様
図 1: 周波数ディレーティング(連続ピーク電流と周波数の関係)
58 20 A 電流プローブ取扱説明書
図 2: 代表挿入インピーダンス対周波数
仕様
20 A 電流プローブ取扱説明書 59
仕様
図 3: 最大ピーク・パルスとパルス幅の関係
60 20 A 電流プローブ取扱説明書
表 3: 環境特性
特性 説明
温度
湿度 動作時:相対湿度 5 ~ 95%、+30 ℃(+86 ℉)までテスト
高度
動作時:0 ~ +50 ℃(+32 ~ +122 ℉) 非動作時: -40 ~ +75 ℃(-40 ~ +167 ℉)
相対湿度 5 ~ 85%、+30 ℃ ~ +50 ℃(+86 ℉ ~ +122 ℉) でテスト
非動作時: 相対湿度 5 ~ 95%、+30 ℃(+86 ℉)までテスト 相対湿度 5 ~ 85%、+30 ℃ ~ +75 ℃(+86 ℉ ~ +167 ℉) でテスト
動作時:3,000m (10,000 フィート)以下 非動作時: 12,192 m(40,000 フィート)以下
仕様
20 A 電流プローブ取扱説明書 61
仕様
表 4: 代表的な機械特性
特性 TCP0020 型 TCP2020 型
補正ボックス (63 ページの 図 4 参照)。
プローブ・ヘッド
開口部(最大測定可能導体サイズ) ケーブル長(プローブ・ヘッドから補正ボックスま
で) 重量
プローブのみ プローブ、アクセサリ、および梱包
77 mm × 30.5 mm × 40.6 mm (4.2 インチ × 1.6 インチ ×1.0インチ)
148.3 mm × 15.2 mm × 30.5 mm (5.8 インチ × 0.6 イン チ×1.2インチ)
5 mm(0.20 インチ) 2m(79インチ)
226.8 g(8 オンス) 1,219 g ( 2 ポン ド 11 オン
ス)
73.1 mm × 30.5 mm ×
40.6 mm (4.2 インチ × 1.0 インチ
×1.6インチ)
226.8 g(8 オンス)
1,219 g ( 2 ポン ド 11 オン ス)
62 20 A 電流プローブ取扱説明書
図 4: 機械的寸法
仕様
20 A 電流プローブ取扱説明書 63
仕様
公称特性
公称特性は保証されている特性ですが、この特性には許容限界がありません。
表 5: 公称電気特性
特性 説明
入力結合 電流レンジ 電源要件
TCP0020 型 TCP2020 型
終端
TCP0020 型 TCP2020 型
オシロスコープとの互換性
TCP0020 型 TCP2020 型
DC 20 A
ホスト機器から供給 外部、12 VDC @ 300 mA (100–240 VAC, 50–60 Hz, 0.5 A 入力)
出力を 50 Ω または 1 MΩ に終端 出力を 1 MΩ に終端
TekVPI インタフェースを搭載した Tektronix オシロスコープ 1 MΩ BNC 入力のオシロスコープ
64 20 A 電流プローブ取扱説明書
性能検査
次の手順を使用して、下に示すプローブの保証仕様を検査します。推奨される校正間隔は 1 年間です。
DC ゲイン確度
立上り時間
帯域幅
記載順に、次の検査手順を実行します。
必要な機器
「性能検査」の手順を実行するために必要な機器を表 6 に示します。
表6: 測定機器
性能検査
説明と数量 性能要件 推奨例
オシロスコープ
高振幅パルス・ゼネレータ
校正器
20 A 電流プローブ取扱説明書 65
500 MHz 以上の帯域幅、TekVPI インタフェースTektronix DPO4000 シリーズ
立上り時間 <500 ps、パルス幅 >100 ns、振幅 >10Vpp(50Ωの場合)
DCV: 0.2% 確度、0 ~ ±1.5 V、方形波出力 ACA: 0.25% 確度、0 ~ ±6 A、方形波出力
Picosecond Labs 2600C
Fluke 9100
1
性能検査
説明と数量 性能要件 推奨例
TekVPI 校正/検証アダプ
2
デジタル・マルチメータ
TekVPI インタフェース
≥2 V レンジ、≥1% 確度
067-1701-xx
Keithley 2700
(DMM) DC 電流ループ
76 mm(3 インチ)円筒形、5 回巻きの 18 AWG
次の手順を参照
被覆線 HF 電流ループ アダプタ アダプタ
2
BNC ケーブル
1
9 桁の部品番号(xxx-xxxx-xx)は、当社部品番号です
2
TCP0020 型プローブのみ必要
50 Ω±0.5%、BNC オス型コネクタ
BNC - デュアル・バ ナナ
SMA オス - BNC メ ス
50 Ω、0.76 m(30 インチ)長
067-2396-xx 103-0090-xx 015-1018-xx 012-0117-xx
1
66 20 A 電流プローブ取扱説明書
DC 電流ループの作成
No. 18 被覆線を使用し、直径約 76 mm(3 インチ)の円筒形のループを作成します。
1. No. 18 被覆線で型を正確に 5 回巻 きます。
2. 導線の両端の被覆を 1 cm(半インチ) 程度はがします。
性能検査
注: 電流ループが正確に 5 回巻かれていることを確認します。巻数が異なっていると、重大なエラーを引き起こ
します。
20 A 電流プローブ取扱説明書 67
性能検査
機器の設定
次の手順に従って、プローブを検査するための機器の設定とウォーム・アップを実行します。
1. オシロスコープの電源を投入します。
2. オシロスコープの任意のチャンネル にプローブを接続します。 TCP2020 型プローブを検査する場合は、外部 DC 電源をプローブに接続します。
3. プローブを消磁します。
4. オシロスコープのカップリングを DC に設定します。
5. 残りのテスト機器の電源を入れます。
6. 機器を 20 分間ウォーム・アップしま す。
7. 検査記録をコピーして、検査結果を 記録するのに使用します (76 ページ 参照)。
68 20 A 電流プローブ取扱説明書
DC ゲイン確度
この検査では、プローブの DC ゲイン確度をチェックします。測定値が検査記録に指定されている制限値から外 れている場合は、「調整」セクションを参照してください (77 ページ参照)。
TCP2020 型の設定
1. BNC - デュアル・バナナ・アダプタを
デジタル・マルチメータ(DMM)の入 力に接続します。
2. TCP2020 型プローブの出力を DMM
に取り付けた BNC アダプタに接続し ます。
3. 「TCP0020 型および TCP2020 型の
検査」セクションの手順 6 に進みま す (71 ページ 「TCP0020 型およ び TCP2020 型の検査」 参照)。
性能検査
20 A 電流プローブ取扱説明書 69
性能検査
TCP0020 型の設定
1. BNC - デュアル・バナナ・アダプタを デジタル・マルチメータ(DMM)の入 力に接続します。
2. SMA M - BNC F アダプタを TekVPI 校正/検証アダプタの SMA 出力に 接続します。
3. TekVPI 校正/検証アダプタの BNC アダプタと DMM に取り付けられてい る BNC アダプタを BNC ケーブルで 接続します。
4. TekVPI 校正/検証アダプタをオシロ スコープの任意のチャンネル(1 ~ 4) に接続します。
5. プローブを TekVPI 校正/検証アダ プタに接続します。
注: アダプタはプローブに電源を供給す
るためだけに使用します。測定は DMM で行います。
70 20 A 電流プローブ取扱説明書
TCP0020 型および TCP2020 型 の検査
6. 電流プローブでは何も導体をクラン
プせずに、開口部が閉じてロックして いることを確認します。
7. Degauss (消磁)ボタンまたは De-
gauss/AutoZero(消磁/自動ゼロ)ボ タンを押して、プローブの消磁を行い ます。
8. 5 回巻き電流ループを電流源につな
ぎ、図に示すように電流プローブで 5 回巻き電流ループをクランプします。 プローブ上の矢印が電流源の(+)端 子から離れる方向に向けます。
9. 電流源の出力を +2.00 A に設定しま
す。
10. DMM を ≥2 V レ ン ジ ( またはオート
セットを使用)にして、DC 電圧を測定 するように設定します。
11. 電流源の出力を有効にします。
性能検査
20 A 電流プローブ取扱説明書 71
性能検査
12. DMM の正確な測定値を M1 として記 録します。
13. 電流源の出力を -2.00 A に設定しま す。
14. DMM の正確な測定値を M2 として記 録します。
15. 測定した振幅値と右の公式を使用し て、%エラーを計算します。
たとえば、M1 の測定値が 0.975 V、 M2 の測定値が -0.995 V であるとし ます。 予想出力電圧(Ve)が 1,000 V の場合、%エラーは右のようにして算 出します。
16. 校正器の出力を無効にします。
計算された % Error が仕様限界から外 れる場合はプローブの調整が必要です (77 ページ 「調整」 参照)。
テスト電流 = ±10.00 A(±2.00 A のソース出力 x 5 巻きコイル) 予想出力電圧(Ve) = 1.00 V (1 mV/10 mA)
例:
72 20 A 電流プローブ取扱説明書
立上り時間と帯域幅
この手順では、直接立上り時間を測定して、プローブが立上り時間の仕様に適合することを検証します。プロー ブの帯域幅は、測定されたプローブの立上り時間を使用して計算します。
性能検査
20 A 電流プローブ取扱説明書 73
性能検査
1. BNC ケーブ ルをパルス・ゼネレータ
の出力に接続します。
2. BNC ケーブルのもう 1 つの端を HF
電流ループに接続します。
3. パルス・ゼネレータの出力およびパル
ス幅を最大に設定します。 (50 Vp-p、 正パルス、100 ns パルス幅、繰り返し 出力)
4. 波形全体が画面に収まるようにオシ
ロスコープを設定します。
垂直感度: 200mA/div
水平目盛: 20ns/div
トリガ位置: 20%
平均回数: 32
カップリング: DC
自動測定で立上り時間を表示
74 20 A 電流プローブ取扱説明書
5. 任意のチャンネル(1 ~ 4)にプロー ブを接続します。
6. プローブを消磁します。
7. 電流プローブで HF 電流ループをク ランプします。 プローブの矢印が、パ ルス・ゼネレータと反対の方向を指し ていることを確認します。
8. 立上り時間がオシロスコープに表示 されます。立上り時間の測定値を、検 査記録に記録します。
9. 次の公式に立上り時間の測定値を代 入し、プローブの帯域幅を計算しま す。
10. 計算した帯域幅の値を検査記録に記 録します。
11. ゼネレータの出力を無効にします。
手順の完了です。
性能検査
20 A 電流プローブ取扱説明書 75
性能検査
検査記録
プローブのモデル/シリアル番号: 温度: 校正日:
性能試験 検査電流
DC ゲイン確度 立上り時間 帯域幅
±10.0 A ~1A <7.0ns NA NA >50 MHz
検査証番号: 相対湿度 %: 検査者:
予想結果 最小値
1.000 V -3% +3%
50 MHz
入力 出力
最大値
7.0 ns NA
76 20 A 電流プローブ取扱説明書
調整
次の手順では、プローブを調整して保証仕様内の性能を維持する方法を説明します。
DC ゲイン確度
準備
「性能検査」手順の 「DC ゲイン確度」検査を終了していること (69 ページ 「DC ゲイン確度」 参照)。
調整手順のために、検査設定に手を加えていないこと。
注意: 静電気(ESD)によりプローブが損傷するのを防止するために、プローブを取り扱うときは、帯電防止リスト・
ストラップを着用し、静電気防止措置が施された作業台で作業してください。
DC ゲイン確度
この手順では、プローブの DC ゲイン確度の調整方法について説明します。 この調整を行う前に、「性能検査」 手順の 「DC ゲイン確度」検査を終了している必要があります。 調整を行うために、検査設定に手を加えないよ うにしてください。
調整
20 A 電流プローブ取扱説明書 77
調整
1. 校正器の出力を 2.0 A に設定します。
2. デジタル・マルチメータ(DMM)を DC 電圧 ≥2.0 V レンジに設定します。
3. DMM で出力振幅を測定します。
4. 図のように、プローブ・ヘッドの穴を通して DC ゲイン・コントロールにアクセスします。 DC ゲ イン・コントロールを調整し、DMM で 1.000 V、 ±10 mV と表示されるようにします。
5. プローブを校正器から取り外し、出力を無効に します。
78 20 A 電流プローブ取扱説明書
Loading...