
3-280-434-02(1)
Noise Canceling
Headphones
プロダクトインフォメーション
Product Information
JP
GB
MDR-NC500D
©2008 Sony Corporation

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2

目次
.はじめに .........................................................................
1
4
.本機の動作原理ならびに構成 ........................................
2
フィードバック方式とフィードフォワード方式 ..........................
2.1.
本機のシステム構成 .....................................................................
2.2.
デジタル化のメリット ..................................................................
2.3.
ノイズキャンセリング機能 ........................................
3.AI
ノイズキャンセリング機能の動作 ..........................................
3.1. AI
.専用ドライバーユニット .............................................
4
.デジタルならではの高音質 .........................................
5
.軽量メカニズム ...........................................................
6
.その他の特長 ...............................................................
7
モニター機能 ..............................................................................
7.1.
スイーベル機構 ...........................................................................
7.2.
着脱式接続コード .......................................................................
7.3.
電源対応 ...................................................................................
7.4. 3
10
10
11
12
13
13
13
13
13
5
6
7
8
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9
7.5.
高音質
ヘッドホンアンプ .....................................................
BTL
附録:ノイズキャンセリングヘッドホンの
キャンセリング性能表示 ....................................
総騒音抑制量 ..............................................................................
1.1.
13
14
14
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3

.はじめに
1
本機は、ソニーが世界に先駆けて開発したデジタルノイズキャンセリングヘッドホンです。
この開発にあたっては、ソニーが持てる音響解析技術やデジタル信号処理技術、トランス
デューサー技術の全てを投入いたしました。
ノイズキャンセリング機能をデジタル化することによって、従来のアナログ信号処理では実
現することが困難であった以下の点において、性能向上を果たすことができました。
高いキャンセリング性能
•
•AI(Artificial Intelligence
卓越したサウンドクオリティー
•
高SN比
•
)ノイズキャンセリング機能
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4

.本機の動作原理ならびに構成
2
ノイズキャンセリングヘッドホンは、本体に内蔵された小型の検出マイクロホンで集音した
周囲の騒音をノイズキャンセリング回路で解析し、キャンセル信号を作り出します。
このキャンセル信号と接続機器からの再生信号を重ねてドライバーユニットから再生するこ
とで、周囲の騒音は小さくなり、より明瞭に音楽を聴くことができます。
騒音(元の音)の波形
1
ヘッドホンに内蔵された検出マイ
クロホンで周囲からの騒音を集
音、ノイズキャンセリング回路が
その信号を解析。
逆位相の音の波形
2
解析した騒音を打ち消す逆位相の
音を発生。
合成されて消えた音の波形
3
元の音に逆位相の音を重ね、元の音
を打ち消す。
これにより鼓膜位置での騒音を低減
します。
騒音のキャンセリングにあたっては、以下の二つの方式が主に使用されています。
フィードバック方式
•
フィードフォワード方式
•
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5

2.1.
フィードバック方式とフィードフォワード方式
フィードバック方式
本機では「フィードバック方式」のノイズキャンセリング機能を採用しています。
フィードバック方式では、耳元に近い位置に検出マイクロホンを配置します。より耳元に近
い位置で騒音を集音することによって、精度の高いノイズキャンセリング効果を得ることが可
能になります。
検出マイクロホンが集音した騒音の信号をノイズキャンセリング回路(以下NC回路)がリアル
タイムで解析、鼓膜位置での騒音が常に最小になるようなキャンセル信号を作り出してドライ
バーユニットから再生します。
この方式の採用によって、より高いキャンセリング効果と、変化する騒音成分への対応を可
能にしています。
フィードフォワード方式
フィードフォワード方式では、ヘッドホン外部に検出マイクロホンを配置します。
検出マイクロホンが収集した騒音信号をNC回路が解析し、騒音が鼓膜に到達した際にどのよ
うな音になるかを推測します。そしてこの推測結果から、騒音が最小になるようなキャンセル
信号を作り出して、ドライバーユニットから再生します。
この方式は、スペースに制約のある耳孔近くに検出マイクロホンを配置する必要がないの
で、ヘッドホンの小型化に適しています。
検出マイクロホン
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6
騒音
ドライバー
ユニット
回路
NC
フィードバック方式 フィードフォワード方式
騒音
ドライバー
ユニット
検出マイクロホン
回路
NC

フィードバック方式とフィードフォワード方式の比較
ノイズキャンセリング効果
個人差・装着差による影響
小型化
2.2.
本機のシステム構成
フィードバック方式
◎
○
△
フィードフォワード方式
本機の内部ブロックダイアグラムを以下に示します。
DSP
Audio In
A/D
コンバーター
システム
コントローラー
デジタル処理部
MDR-NC500D
内部ブロックダイアグラム
デジタル
イコライザー
ソフトウェア
DNC
エンジン
ノイズキャンセリングヘッドホン
D/A
コンバーター
A/D
コンバーター
本機の検出マイクロホンは、耳元付近で騒音を集音します。騒音の信号は、
マイクロホンアンプや高速
力後に
DSP
内部の
DNC
コンバーターを経てデジタル化され、
A/D
DSP
に入
ソフトウェアエンジンが、元の騒音と逆の位相をもつ
キャンセル信号を作り出します。
一方、オーディオ入力端子より供給された音楽ソースの再生信号は、高速
コンバーターでデジタル化され、
D
イザーで周波数特性を整えたあと、キャンセル信号が加算され、高速
DSP
に入力後に
内部のデジタルイコラ
DSP
D/A
コン
バーターからヘッドホンアンプ、ドライバーユニットを経て、音として再生さ
れます。
この再生音と外部からの騒音が耳元で交じり合うことで環境騒音のみが打ち
消され、静かに音楽などを楽しむことが可能になります。
○
△
○
ヘッドホン
アンプ
マイクロホン
アンプ
A/
ドライバー
ユニット
検出マイク
ロホン
高速
A/D,D/A
コンバーター
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7

2.3.
信号を再生するドライバーユニットまでの間にあるフィルター回路(NCフィルター)の性能に大
きく影響されます。
ウェアエンジン」のデジタル信号処理として
しないなどの一般的な利点だけでなく、これまでのアナログフィルターでは実現できなかった
特殊なフィルター形状が作成可能になる利点もあります。
に、内部フィルター演算処理のアーキテクチャを徹底的に検討しました。ソニーのデジタル音
響処理のノウハウを投入し、ノイズキャンセリング処理に特化したソフトウェアエンジンを構
築、さらに演算精度を高めたことで、残留ノイズが少なく、高SN比なノイズキャンセリングが
可能になりました。
デジタル化のメリット
ノイズキャンセリングヘッドホンの性能は、騒音を検出するマイクロホンから、キャンセル
本機において、ノイズキャンセリング用のフィルター回路は、新開発された「
上で実現されます。
DSP
デジタル信号処理は、演算処理結果が正確、理論上のばらつきがない、電気的ノイズが発生
ソフトウェアエンジンの開発では、より効果的なノイズキャンセリングを実現するため
DNC
DNC
ソフト
従来のNCフィルター特性例
レスポンス
周波数
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8
デジタルによるNCフィルター特性例
レスポンス
周波数

3.AI
一口に環境騒音といっても、使用するシーンによってその特性もさまざまです。
例えば航空機内では、中低域の周波数帯に大きな騒音のエネルギーがあり、その他の帯域は
比較的少ない傾向があります。一方オフィスなどの環境では、騒音のエネルギーそのものは小
さいながらも広い帯域にわたって分布しています。
本機ではキャンセル量をコントロールするフィルター回路をデジタル化し、ソフトウェアに
よる制御としました。これによってフィルター特性の切り換えが可能となり、お使いの環境で
最も適したフィルター特性(ノイズキャンセリングモード)を本機が自動選択する、AIノイズ
キャンセリング機能を実現しています。
ノイズキャンセリング機能
ノイズキャンセリング機能
AI
その場の騒音を分析し、
最適なキャンセリングモードを自動選択
周波数
モード
NC
主に航空機内の騒音を効果的に低減
NC
主にバス・電車の騒音を効果的に低減
モード
A
B
キャンセル量
マニュアル操作でのモード選択も可能です。
*
モード
NC
主にオフィス・勉強部屋等、OA機器・空調
機器の騒音を効果的に低減
C
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3.1. AI
実際のAIノイズキャンセリング機能の動作は以下の通りです。
ノイズキャンセリング機能の動作
1 AI NC MODE
内蔵の
2
3
*
本機は上記の処理を約3秒間という短時間で完了します。
ノイズキャンセリング(
AI
騒音が耳につきやすい周波数帯域を重視するなど、聴覚心理学に
基づいた演算手法を独自に開発しました。まさに人間の感覚に追
従する「考えるヘッドホン」の実現です。
デジタルだからこそ可能になったAIノイズキャンセリング機能
で、快適なキャンセリング効果をお楽しみください。
.専用ドライバーユニット
4
フィードバック型のヘッドホンにおいて、より広
いキャンセル帯域を得るには、ドライバーユニット
の出力から検出マイクロホンへの入力の間で起こる
時間遅れを最短に留める必要があります。
本機では検出マイクロホンをドライバーユニット
と一体化。時間遅れを最短化することで、安定的か
つ広帯域のキャンセリング性能を実現しました。
また、強化ダイアフラムの採用により、超低域で
発生する大音圧の環境騒音に対するキャンセリング
性能が大幅に向上しました。
DSP
その特徴量を抽出し、最も効果的なノイズキャンセリングモードを選択します。
選択されたモードでノイズキャンセリングの動作を開始。
解析中は正確な騒音情報の収集のため音楽ソースの再生およびノイズキャンセリング機能を一時的に停止します。
スイッチを押して解析プログラムを起動*。
が、検出マイクロホンからの騒音の音響情報を解析。
)の解析アルゴリズムは、より
AINC
本機に採用の
ドライバーユニット
DSP
10
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