取扱説明書
このたびは、ローランド 64 ボイス・シンセサイザー・モジュール JV-1010をお買い上げ
いただき、まことにありがとうございます。
JV-1010の優れた機能をご理解いただき、末永くご愛用いただくためにも、この取扱説明
書をよくお読みください。
この機器を正しくお使いいただくために、ご使用前に「安全上のご注意」(P.2 〜 4)
と「使用上のご注意」(P.5)をよくお読みください。また、この機器の優れた機能を
十分ご理解いただくためにも、取扱説明書をよくお読みください。取扱説明書は必要
なときにすぐに見ることができるよう、手元に置いてください。
※ Apple は、米国 Apple Computer, Inc. の米国及びその他の国における登録商標です。
※ Macintoshは、米国AppleComputer, Inc.の米国及びその他の国における登録商標です。
※ IBM は、米国 International Business Machines Corporation の米国及びその他の国に
おける登録商標です。
※ IBM PC は、米国 International Business Machines Corporation の米国及びその他の
国における登録商標です。
※ PC-9800 シリーズは、日本電気株式会社の商標です。
※ MIDI は社団法人 音楽電子事業協会(AMEI)の登録商標です。
©
1999 ローランド
本書の一部、もしくは全部を無断で複写・転載することを禁じます。
安全上のご注意
火災・感電・傷害を防止するには
注意の意味について 警告と
取扱いを誤った場合に、使用者が
警告
注意
死亡または重傷を負う可能性が想
定される内容を表わしています。
取扱いを誤った場合に、使用者が
傷害を負う危険が想定される場合
および物的損害のみの発生が想定
される内容を表わしています。
※物的損害とは、家屋・家財およ
び家畜・ペットにかかわる拡大
損害を表わしています。
以下の指示を必ず守ってください
警告
001
● この機器を使用する前に、以下の指示と取扱
説明書をよく読んでください。
図記号の例
は、注意(危険、警告を含む)を表わしていま
す。
具体的な注意内容は、 の中に描かれています。
左図の場合は、「一般的な注意、警告、危険」を
表わしています。
は、禁止(してはいけないこと)を表わしてい
ます。
具体的な禁止内容は、 の中に描かれています。
左図の場合は、「分解禁止」を表わしています。
●は、強制(必ずすること)を表わしています。
具体的な強制内容は、● の中に描かれています。
左図の場合は、「電源プラグをコンセントから抜
くこと」を表わしています。
005
● この機器の設置には、ローランドが推奨する
ラック(SYR-2400)、ラック・マウント・ア
ダプター(RAD-50)を使用してください。
..............................................................................................................
002d
● この機器および AC アダプターを分解したり
(取扱説明書に記載されている指示(P.16) を
除く)、改造したりしないでください。
..............................................................................................................
003
● 修理/部品の交換などで、取扱説明書に書か
れていないことは、絶対にしないでください。
必ずお買い上げ店またはローランド・サービ
スに相談してください。
..............................................................................................................
004
● 次のような場所での使用や保存はしないでく
ださい。
○ 温度が極端に高い場所(直射日光の当たる
場所、暖房機器の近く、発熱する機器の上
など)
○ 水気の近く(風呂場、洗面台、濡れた床な
ど)や湿度の高い場所
○ 雨に濡れる場所
○ ホコリの多い場所
○ 振動の多い場所
..............................................................................................................
..............................................................................................................
006
● この機器の設置にラック(SYR-2400)を使
用する場合、ぐらついた所や傾いた所にラッ
ク(SYR-2400)を設置しないでください。安
定した水平な所に設置してください。機器を
単独で設置する場合も、同様に安定した水平
な所に設置してください。
..............................................................................................................
008c
● AC アダプターは、必ず付属のものを、AC 100
V の電源で使用してください。
..............................................................................................................
009
● 電源コードを無理に曲げたり、電源コードの
上に重いものを載せたりしないでください。
電源コードに傷がつきます。
..............................................................................................................
2
警告
010
● この機器を単独で、あるいはヘッドホン、ア
ンプ、スピーカーと組み合わせて使用した場
合、設定によっては永久的な難聴になる程度
の音量になります。大音量で、長時間使用し
ないでください。万一、聴力低下や耳鳴りを
感じたら、直ちに使用をやめて専門の医師に
相談してください。
..............................................................................................................
011
● この機器に、異物(燃えやすいもの、硬貨、針
金など)や液体(水、ジュースなど)を絶対
に入れないでください。
..............................................................................................................
012c
● 次のような場合は、直ちに電源を切って AC
アダプターをコンセントから外し、お買い上
げ店またはローランド・サービスに修理を依
頼してください。
安全上のご注意
022b
● 基板(SR-JV80 シリーズ)を取り付ける前
に、機器本体の電源を切って AC アダプター
をコンセントから外してください。
..............................................................................................................
○ AC アダプター本体や電源コードが破損し
たとき
○ 異物が内部に入ったり、液体がこぼれたり
したとき
○ 機器が(雨などで)濡れたとき
○ 機器に異常や故障が生じたとき
..............................................................................................................
013
● お子様のいるご家庭で使用する場合、お子様
の取り扱いやいたずらに注意してください。
必ず大人のかたが、監視/指導してあげてく
ださい。
..............................................................................................................
014
● この機器を落としたり、この機器に強い衝撃
を与えないでください。
..............................................................................................................
015
● 電源は、タコ足配線などの無理な配線をしな
いでください。特に、電源タップを使用して
いる場合、電源タップの容量(ワット/アン
ペア)を超えると発熱し、コードの被覆が溶
けることがあります。
..............................................................................................................
016
● 外国で使用する場合は、お買い上げ店または
ローランド・サービスに相談してください。
..............................................................................................................
3
安全上のご注意
注意
101b
● この機器と AC アダプターは、風通しのよい、
正常な通気が保たれている場所に設置して、
使用してください。
115a
● 指定の基板(SR-JV80 シリーズ)だけを取り
付け、指定されたネジだけを外してください
(P.16)。
..............................................................................................................
102d
● AC アダプターを機器本体やコンセントに抜
き差しするときは、必ず AC アダプターの本
体やプラグを持ってください。
..............................................................................................................
103b
● 長時間使用しないときは、AC アダプターをコ
ンセントから外してください。
..............................................................................................................
104
● 接続したコードやケーブル類は、繁雑になら
ないように配慮してください。特に、コード
やケーブル類は、お子様の手が届かないよう
に配慮してください。
..............................................................................................................
106
● この機器の上に乗ったり、機器の上に重いも
のを置かないでください。
..............................................................................................................
107d
● 濡れた手で AC アダプターの本体やプラグを
持って、機器本体やコンセントに抜き差しし
ないでください。
..............................................................................................................
..............................................................................................................
108b
● この機器を移動するときは、AC アダプターを
コンセントから外し、外部機器との接続を外
してください。
..............................................................................................................
109b
● お手入れをするときには、電源を切って AC
アダプターをコンセントから外してくださ
い。
..............................................................................................................
110b
● 落雷の恐れがあるときは、早めに AC アダプ
ターをコンセントから外してください。
..............................................................................................................
4
使用上のご注意
2 〜 4 ページに記載されている「安全上のご注意」以外に、次のことに注意してください。
電源について
● 雑音を発生する装置(モーター、調光器など)や消費電力
の大きな機器とは、別のコンセントを使用してください。
● AC アダプターを長時間使用すると AC アダプター本体が
多少発熱しますが、故障ではありません。
● 接続するときは、誤動作やスピーカーなどの破損を防ぐた
め、必ずすべての機器の電源を切ってください。
設置について
● テレビやラジオの近くでこの機器を動作させると、テレビ
画面に色ムラが出たり、ラジオから雑音が出ることがあり
ます。この場合は、この機器を遠ざけて使用してください。
● 故障の原因になりますので、雨や水に濡れる場所で使用し
ないでください。
お手入れについて
● 通常のお手入れは、柔らかい布で乾拭きするか、堅く絞っ
た布で汚れを拭き取ってください。汚れが激しいときは、
中性洗剤を含んだ布で汚れを拭き取ってから、柔らかい布
で乾拭きしてください。
● 変色や変形の原因となるベンジン、シンナーおよびアル
コール類は、使用しないでください。
修理について
● お客様がこの機器や AC アダプターを分解(取扱説明書に
記載されている指示(P.16)を除く)、改造された場合、
以後の性能について保証できなくなります。また、修理を
お断りする場合もあります。
● 修理に出される場合、記憶した内容が失われることがあり
ます。大切な記憶内容は、他の MIDI 機器(シーケンサー
など)に保存するか、記憶内容をメモしておいてくださ
い。修理するときには記憶内容の保存に細心の注意を払っ
ておりますが、メモリー部の故障などで記憶内容が復元で
きない場合もあります。失われた記録内容の修復に関しま
しては、補償も含めご容赦願います。
● 当社では、この製品の補修用性能部品(製品の機能を維持
するために必要な部品)を、製造打切後 6 年間保有して
います。この部品保有期間を修理可能の期間とさせていた
だきます。なお、保有期間が経過した後も、故障箇所に
よっては修理可能の場合がありますので、お買い上げ店、
または最寄りのローランド・サービスにご相談ください。
メモリー・バックアップについて
● 本体内には、電源を切った後も記憶した内容を保持するた
めの電池を装備しています。電池が消耗してくると、ディ
スプレイに次のように表示されます。電池が消耗すると記
憶した内容が失われますので、早めに交換してください。
交換するときは、必ずローランド・サービスに相談してく
ださい。
fig.3-01
その他の注意について
● 記憶した内容は、機器の故障や誤った操作などにより、失
われることがあります。失っても困らないように、大切な
記憶内容はバックアップとして他の MIDI 機器(シーケン
サーなど)に保存しておいてください。
● 本体メモリー、他の MIDI 機器(シーケンサーなど)の失
われた記憶内容の修復に関しましては、補償を含めご容赦
願います。
● 故障の原因になりますので、ボタン、つまみ、入出力端子
などに過度の力を加えないでください。
● ケーブルの抜き差しは、ショートや断線を防ぐため、プラ
グを持ってください。
● 音楽をお楽しみになる場合、隣近所に迷惑がかからないよ
うに、特に夜間は、音量に十分注意してください。ヘッド
ホンを使用すれば、気がねなくお楽しみいただけます。
● 輸送や引っ越しをするときは、この機器が入っていたダン
ボール箱と緩衝材、または同等品で梱包してください。
5
この取扱説明書の読みかた
JV-1010 の取扱説明書は、次のような構成になっています。
クイック・スタート
JV-1010 をはじめてお使いになる方のために、いろいろな機能を簡単に楽しんでいただけるように解説
してあります。
んど理解していただけますので、ぜひお読みください。
リファレンス
リファレンスは以下の 3 つの章で構成されています。クイック・スタートでひととおりの操作を終え
てからお読みください。
JV-1010 の概要
この章では、JV-1010 の概要について説明しています。JV-1010 を理解するために必ずお読みくだ
さい。
オリジナルの音色を作る
JV-1010 本体だけでは音作りをすることはできませんが、外部MIDI 機器や音色エディター等のソフ
トウェアを使って、システム・エクスクルーシブ・メッセージを送信することによって、オリジナル
の音色を作ることができます。
この章では、パッチ、パフォーマンス、リズム・セットのパラメーターや JV-1010 の使用環境を決
めるシステム・パラメーターの働きを、パラメーターの構成に合わせて説明しています。音作りをす
るときにお読みください。
クイック・スタート
を読みながら操作していただくと、演奏のために必要なことはほと
資 料
GM 音源として使う
この章では、JV-1010 を GM システムの音源として使うときの操作やパラメーターの働きについて
説明しています。市販されている GM スコアを再生するときにお読みください。
思ったように動作しないときは「故障かな?と思ったら」を読んで、設定に誤りがないかを確認して
ください。また、操作中に何らかのエラー・メッセージが表示されたときは「エラー・メッセージ一
覧」で対応を確認してください。その他、パラメーター一覧や MIDI インプリメンテーションなどの
資料があります。
■本文中の表記について
文章の先頭に※マークが付いているものは注意文です。必ずお読みください。クイック・スタートで
は( )と表しています。
文中の(P.**)は参照ページを表しています。
6
目次
主な特長..................................................................................................10
各部の名称と働き ...................................................................................11
クイック・スタート.................................................. 13
音を鳴らす前の準備をしよう .................................................................14
ゴム足を取り付ける.....................................................................................................................................14
ラック・マウント・アダプターに取り付ける........................................................................................14
ウェーブ・エクスパンション・ボードを取り付ける...........................................................................15
ウェーブ・エクスパンション・ボードの取り付けかた...........................................................15
接続をする......................................................................................................................................................18
電源を入れる/切る.....................................................................................................................................20
電源を入れる......................................................................................................................................20
電源を切る..........................................................................................................................................20
工場出荷時の設定に戻す(ファクトリー・リセット)...........................21
デモ・ソングを聴いてみよう(デモ・プレイ)......................................22
作曲者のプロフィール.....................................................................................................................23
パッチを選んで鳴らしてみよう..............................................................24
パッチを試聴する(フレーズ・プレビュー)..........................................................................................25
MIDIキーボードから鳴らす .......................................................................................................................26
パッチを選ぶ..................................................................................................................................................27
バンク別にパッチを選ぶ.................................................................................................................27
カテゴリー別にパッチを選ぶ.........................................................................................................28
打楽器の音を鳴らす.....................................................................................................................................29
GM 音源として使ってみよう..................................................................31
GM モードに切り替える .............................................................................................................................31
外部 MIDI 機器から音色を切り替えてみよう .........................................32
外部 MIDI機器より音色を切り替えるときの注意 .....................................................................32
パッチを切り替える.....................................................................................................................................32
パフォーマンスを切り替える.....................................................................................................................34
リズム・セットを切り替える.....................................................................................................................36
デスクトップ・ミュージックを楽しもう ...............................................38
コンピューターと接続する.........................................................................................................................38
コンピューター端子を使った接続................................................................................................38
MIDI コネクターを使った接続.......................................................................................................41
複数のパートで演奏する(パフォーマンス・モード).........................................................................42
JV-1010 本体だけでエディットしてみよう............................................44
パートに関する設定をする(PART).......................................................................................................44
メモリーに関する操作をする(UTILITY)..............................................................................................45
工場出荷時の設定に戻す(Factory Reset)...............................................................................45
GM モードを初期化する(GM Initialize)....................................................................................46
設定を初期化する(Initialize).........................................................................................................47
設定を外部 MIDI機器に転送する(Data Transfer).................................................................48
システムに関する設定をする(SYSTEM).............................................................................................49
受信チャンネルを選ぶ(Perform Ctrl CH)................................................................................49
チューニングをする(Master Tune)..........................................................................................50
7
目次
リファレンス ........................................................... 51
JV-1010 の概要.......................................................................................52
いろいろな音の単位.....................................................................................................................................52
トーン..................................................................................................................................................52
パッチ..................................................................................................................................................52
パフォーマンス..................................................................................................................................52
リズム・セット..................................................................................................................................53
パート..................................................................................................................................................53
発音数について.............................................................................................................................................53
オリジナルの音色を作る ........................................................................54
外部MIDI 機器を使った音作り..................................................................................................................54
パッチをエディットする.................................................................................................................54
エフェクターについて.................................................................................................................................54
各モードでのエフェクターの扱い................................................................................................54
パッチ・パラメーターの働き(PATCH)................................................................................................55
パッチ全体に共通の設定をする(COMMON)...........................................................................55
波形を変化させる(WG)................................................................................................................61
フィルターで音の明るさを変える(TVF)..................................................................................63
音量と定位を変化させる(TVA)..................................................................................................65
音にゆらぎを付ける〜コントローラーで音の鳴りかたを変える(LFO&Ctl)...................66
パッチにかけるエフェクトを設定する(EFFECTS)...............................................................69
パフォーマンス・パラメーターの働き(PERFORM).........................................................................71
パフォーマンス全体に共通の設定をする(COMMON)..........................................................71
鍵盤の発音域を設定する(K.Range)..........................................................................................71
各パートの設定をする(PART)...................................................................................................72
パートの MIDIチャンネルを設定する(MIDI)...........................................................................72
パフォーマンスにかけるエフェクトを設定する(EFFECTS)...............................................73
リズム・セット・パラメーターの働き(RHYTHM)...........................................................................75
リズム・セットに名前を付ける(COMMON)...........................................................................75
打楽器の波形を変化させる(Key WG).......................................................................................75
打楽器の音質を変化させる(Key TVF)......................................................................................76
打楽器の音量の変化と音の定位を設定する(Key TVA)........................................................77
コントローラーで打楽器音の鳴りかたを変える(Key Ctl)...................................................77
打楽器音にかけるエフェクトを設定する(EFFECTS)...........................................................78
マルチエフェクト・タイプについて(EFXパラメーター)................................................................78
JV-1010の使用環境を設定する(システム・パラメーターの働き)(SYSTEM)......................95
セッティングやクロックに関する設定をする(SETUP).......................................................95
チューニングをする(TUNE)........................................................................................................95
MIDI に関する設定をする(MIDI).................................................................................................96
コントローラーに関する設定をする(CONTROL).................................................................97
フレーズ・プレビューに関する設定をする(PREVIEW).......................................................97
GM 音源として使う................................................................................98
GM モードに切り替える .............................................................................................................................98
GM システムの基本設定に戻す.....................................................................................................98
GM スコアを再生する......................................................................................................................98
GM モードの設定を変更する(GM パラメーターの働き).................................................................98
各パートの設定をする(PART)...................................................................................................98
8
資 料..................................................................... 99
故障かな?と思ったら..........................................................................100
エラー・メッセージ一覧 ......................................................................101
パラメーター一覧 .................................................................................102
パッチ・パラメーター..................................................................................................................102
パフォーマンス・パラメーター..................................................................................................107
リズム・セット・パラメーター..................................................................................................109
EFX パラメーター..........................................................................................................................111
システム・パラメーター..............................................................................................................116
GM パラメーター...........................................................................................................................117
パッチ一覧............................................................................................118
カテゴリー別パッチ一覧 ......................................................................122
リズム・セット一覧..............................................................................128
目次
パフォーマンス一覧..............................................................................131
ウェーブフォーム一覧..........................................................................132
MIDI インプリメンテーション..............................................................136
主な仕様................................................................................................157
コンピューター・ケーブル配線図........................................................158
索引.......................................................................................................159
9
主な特長
■JV-1080 の音源をそのまま搭載
JV-1010 は、最大同時発音数 64 音の 16 パート・マルチティンバー音源で、計40 種類のエフェク
ト・タイプを持つマルチエフェクト(EFX)を搭載しています。
プリセット・パッチは、JV-1080、XP-30/50/60/80だけでなく、JV-2080 とも互換性があります。
また、GM システムにも対応しています。
GM システム
GM(GeneralMIDI)システムとは、音源の MIDI 機能の仕様を、メーカーを越えて標準化するこ
とを目的とした推奨規定です。GM システムに合致した音源やミュージックデータには GM マー
ク( )が付いています。GM 音源用のミュージックデータ(GM スコア)は、GM マーク付
きの音源であればどれでも同じ演奏表現ができます(P.31、98)。
■SR-JV80-09 Sessionのウェーブ、パッチ・データを内蔵
ユーザー・パッチ、プリセット A 〜 E、セッションを合わせ、合計 1,023 音色を内蔵しています。
■ウェーブ・エクスパンション・ボード SR-JV80 シリーズを装着可能
ウェーブ・エクスパンション・ボード SR-JV80シリーズを 1 枚装着することができ、SR-JV80 シ
リーズによる音色の拡張が可能です。
■コンピューター端子を装備
コンピューターと接続することによって、本格的なエディットが楽しめます。
■わかりやすく使いやすいパネル操作、便利な機能
CATEGORY/BANKつまみを使ってカテゴリー別に音色を選べます。
JV-1010 本体だけでパッチをフレーズで確認できるフレーズ・プレビュー機能 があります。
10
各部の名称と働き
フロント・パネル
fig.0-01
1
2 3 4 5 6 7 8 9
1. PHONES ジャック
ヘッドホン(別売)を接続するジャックです。
※ インピーダンスが 8 〜 150Ω のヘッドホンをお使いください。
2. VOLUME つまみ
OUTPUT ジャックや PHONES ジャックの音量を調節します。また、VOLUME つまみを押すと、JV-
1010 本体だけで音を確認できます(フレーズ・プレビュー P.25)。パッチ・モード以外のモード
で VOLUME つまみを押しながら VALUE ツマミを押すと、エディット・モードに切り替わります。
3. PART つまみ
パッチ・モードでは、受信チャンネルを切り替えます。パフォーマンス・モード、GM モードでは、
設定対象のパートを切り替えます。
4. ディスプレイ
操作に応じてさまざまな情報を表示します。
5. MIDI インジケーター
MIDI メッセージを受信すると点灯します。
6. MODE インジケーター
現在選ばれているモードのインジケーターが点灯します。
7. VALUE つまみ
パラメーターの設定値を変更します。つまみを速く回すと値が大きく変化します。つまみを押すと
モードが切り替ります。パッチ・モード以外のモードで VOLUME つまみを押しながらVALUE ツマ
ミを押すと、エディット・モードに切り替わります。
8. CATEGORY/BANK つまみ
音色選択範囲を切り替えます。
エディット・モードでは、設定するパラメー
ターを選択します。エディット・モードでの
CATEGORY/BANKつまみの機能については、
JV-1010 本体上面にある
SELECT
図をご覧ください。
EDIT PARAMETER
9. POWER スイッチ
電源をオン/オフするときに押します。
11
各部の名称と働き
リア・パネル
fig.0-02
1 2 4 5 3 6
1. AC アダプター・ジャック
付属の AC アダプターの差し込み口です。
2. コード・フック
AC アダプターのコードは図のようにコード・フックに固定してください。
誤ってコードを引っ張ってしまっても、プラグが抜けて電源が切れてしま
うことや、AC アダプター・ジャックに無理な力が加わることを防ぐことが
できます。
3. MIDI コネクター(IN、OUT、THRU)
MIDI メッセージの送受信をするときに JV-1010 と他の MIDI 機器を接続する端子です。
この端子を使って MIDI メッセージを送受信する場合は、コンピューター・スイッチを MIDI にして
ください。
MIDI IN:他の MIDI 機器からの情報を受信します。
MIDI OUT:JV-1010 からの情報を送信します。
MIDI THRU:MIDI IN で受信した情報をそのまま送信します。
4. COMPUTER スイッチ(Mac、PC-1、PC-2、MIDI)
COMPUTER 端子に接続するコンピューターや使用するソフトウェアによって設定を切り替えます
(P.38)。
MIDI コネクターを使うときは MIDI にします。
※ 設定を切り替えるときは、電源をいったんオフにしてください。
5. COMPUTER 端子
コンピューター・ケーブル(別売)を使ってコンピュータ−と JV-1010 を接続します(P.38)。
COMPUTER スイッチを Mac 、PC-1 または、PC-2 にします。
6. OUTPUT ジャック(L(MONO)、R)
アンプやミキサーに音声信号をステレオ(L/R)で出力します。モノで出力するときはL 側に接続し
てください。
12
クイック・スタート
クイック・スタート
13
音を鳴らす前の準備をしよう
ゴム足を取り付ける
別売のラック・マウント・アダプター(RAD-50)を使用しない場合は、
JV-1010に付属しているゴム足を図のように取り付けてください。ゴム足
を取り付ける位置は、裏面の小さな穴を目安にしてください。
fig.1-01.j
A
D
A
U
P
S
A
T
E
O
C
B
R
I
O
N
O
S
1
N
S
2
L
V
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A
0
0
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A
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V
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1
0
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A
D
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N
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M
A
N
P
U
T
E
R
R
L
O
(
M
U
O
T
P
N
U
O
T
)
穴が開いているところに合わせる
ラック・マウント・アダプターに取り付ける
別売のラック・マウント・アダプター(RAD-50)に取り付ける場合には、
ラック・マウント・アダプターに付属しているネジ(M4 × 8)を使用し
てください。
fig.1-02.j
付属ネジ(M4x8)
ラック・マウント・アダプ
ターに取り付け る場合に
は、ゴム足を取り付けずに
ラック・マウント・アダプ
ターに取り付け てくださ
い。
14
ウェーブ・エクスパンション・ボードを取り
付ける
JV-1010は、ウェーブ・エクスパンション・ボード(SR-JV80 シリーズ:
別売)を1 枚取り付けることができます。
ウェーブ・エクスパンション・ボードには、ウェーブ(波形)データ、パッ
チ、リズム・セットが記録されており、JV-1010に取り付けることによっ
て音色を増やすことができます。
ウェーブ・エクスパンション・ボードは、上面のカバーを外して取り付け
ます。
■ウェーブ・エクスパンション・ボードの取り付けかた
まず、JV-1010に取り付けるときの注意点について説明します。
●この基板は、静電気により部品が破壊される恐れがあります。基板を取
り扱うときは、次の点に注意してください。
○基板を持つときは、あらかじめ何らかの金属に触れて、体や衣類にた
まっている静電気を放電してください。
○基板を持つときは、基板の縁を持ち、部品やコネクターの部分に直接
手を触れないでください。
○基板を保管するとき、または輸送するときなどは、購入時に基板が
入っていた袋(導電袋)に入れてください。
●回路部やコネクター部には手を触れないでください。
●基板を無理に押し込まないでください。装着しにくい場合、いったん基
板を外してやり直してください。
●取り付けを終えたら、正しく取り付けられていることを再度確認してく
ださい。
●指定のボードだけを取り付け、指定されたネジだけを外してください。
●取り付け開口部で手を切らないように注意してください。
音を鳴らす前の準備をしよう
ウェーブ・エクスパンショ
ン・ボードを装着しても、各
パートのパッチやドラム
セットが増えるだけで
パート数は変わりません。
クイック・スタート
15
音を鳴らす前の準備をしよう
次の手順にしたがって、ウェーブ・エクスパンション・ボードを取り付け
てください。
1
2
fig.1-03a.j
ウェーブ・エクスパンション・ボードを取り付ける前に、JV-
1010 と接続機器の電源を切ります。
JV-1010上部にあるカバーを外します。カバー上部にある4箇
所のネジを外してください。
ドライバー
3
fig.1-03b.j
4
fig.1-03c.j
基板のホルダーを図のような向きに合わせます。
基板ホルダー
ウェーブ・エクスパンション・ボードのコネクターを本体のコ
ネクターに差し込み、同時に基板ホルダーをウェーブ・エクス
パンション・ボードの穴にはめ込みます。このとき、3つの基
板ホルダーの頭が、ウェーブ・エクスパンション・ボードから
出るようにします。
コネクター
16
EXP-B
基板ホルダー
音を鳴らす前の準備をしよう
5
fig.1-03d.j
6
1
2
fig.1-04
ウェーブ・エクスパンション・ボードに付属の固定用具で基板
ホルダーを LOCK 方向に回し、ウェーブ・エクスパンション・
ボードを固定します。
LOC
手順 2で外した(指定された)ネジで、カバーを元通りに取り
付けます。
これで、ウェーブ・エクスパンション・ボードの取り付けが終わりました。
次に、ボードが正しく装着されているかを確認します。
JV-1010本体の電源を入れます(P.20)。
VALUEつまみを押してパッチ・モード(PATCH )を選びます。
クイック・スタート
ウェーブ・エクスパンショ
ン・ボードが取り付けられ
ていると、電源オン時に
roland Jv-1010 と表示され
た後、取り付けたウェーブ
エクスパンション・ボー
の型番の下 2 桁のナンバー
が 2 回点滅表示されます。
3
fig.1-05
VALUE つまみを押すとモードが順に切り替わります。PATCH インジケー
ターが点灯するまで何回か押してください。
CATEGORY/BANK つまみを回して WAVE-EXP を選びます。
ディスプレイに001 が表示されれば、ウェーブ・エクスパンション・ボー
ドは正しく取り付けられています。
(例)S R - J V 8 0 - 0
Orchestralが取り付けら
れている場合、02 が2回点
滅表示されます。
ディスプレイに ---が表示
された場合は、ウェーブ
エクスパンション・ボー
が正しく認識されていない
可能性があります。「電源を
切る」 (P.20)にしたがって
電源を切り、ウェーブ・エ
クスパンション・ボードを
正しく取り付け直してくだ
さい。
17
音を鳴らす前の準備をしよう
接続をする
JV-1010は、アンプやスピーカーを内蔵していません。音を出すにはモニ
ター・スピーカーやステレオ・セットなどのオーディオ機器、または、ヘッ
ドホンなどをご用意ください。
fig.1-06.j
ACアダプター
(ACI-100)
ヘッドホン
COMPUTER端子へ
DCIN端子へ
MIDIOUT
MIDIシーケンサーなど
MIDIキーボード
MIDIOUT
MIDIIN
ミキサーなど
モニター・スピーカー
(アンプ内蔵)
ステレオ・セットなど
18
パワー・アンプ
ラジカセ
次の手順にしたがってJV-1010 と外部機器を接続しましょう。
音を鳴らす前の準備をしよう
1
2
3
接続をする前に、すべての機器の電源がオフになっていること
を確認します。
付属のACアダプターを ACアダプター・ジャックにつなぎ、電
源コンセントに差し込みます。
JV-1010と外部機器を図のように接続します。
オーディオ機器と接続する場合:OUTPUT ジャック(L(MONO)、R)
付属のオーディオ・ケーブルを使って、オーディオ機器と JV-1010 の
OUTPUT ジャックを接続します。
MIDI キーボードやシーケンサーと接続する場合:MIDI コネクター(IN、
OUT、THRU)
付属の MIDI ケーブルを使って、MIDI キーボードやシーケンサーの MIDI
OUT コネクターと JV-1010 のMIDI IN コネクターを接続します。
ヘッドホンを使う場合:PHONES ジャック
パネル正面のPHONES ジャックにヘッドホン(別売:RH-20/80/120な
ど)のプラグを差し込みます。
他の機器と接続 するとき
は、誤動作やスピーカーな
どの破損を防ぐため、必ず
すべての機器の音量を絞っ
た状態で電源を切ってくだ
さい。
クイック・スタート
JV-1010 の性能を最大限に生
かすためにも、ステレオでの使
用をおすすめしますが、モノで
使 用 す る と きは、OUTPU
ジャックのL(MONO)に接
してください。
コンピューターを使う場合:COMPUTER 端子
コンピューター・ケーブル(別売)を使って、コンピュータ−とJV-1010
のCOMPUTER 端子を接続します。
コンピューターとの接続の
しかたについて詳しくは
「コンピューターと接続す
る」(P.38)をご覧ください
19
音を鳴らす前の準備をしよう
電源を入れる/切る
■電源を入れる
1
電源を入れる前に、次のことを確認します。
周辺機器と正しく接続されていますか?
•
JV-1010および接続している外部機器の音量が最小になっていますか?
•
正しく接続したら(P.18)
必ず次の手順で電源を投入
してください。手順を間違
えると、誤動作をしたりス
ピーカーなどが破損する恐
れがあります。
2
fig.1-07
3
4
fig.1-08
JV-1010の POWER スイッチを押して電源をオンにします。
roland Jv-1010 と表示された後、最後に電源を切ったときの状態で立ち上
がります。
接続している外部機器の電源をオンにします。
JV-1010 の音を出して、VOLUME つまみを回しながら JV1010 や外部機器のボリュームを調整します。
リズ ム・セ ッ ト・モー
(RHYTHM)で電源を切っ
たときは、パフォーマンス
モード(PERFORM)で立
ち上がります。
この機器は回路 保護のた
め、電源をオンしてからし
ばらくは動作しません。
音量を上げすぎないように
注意してください。大きな
音量は、周囲の迷惑となる
ばかりではなく、外部機器
の破損や聴力障害の原因に
なることがあります。
■電源を切る
1
2
3
20
電源を切る前に、次のことを確認します。
JV-1010や接続している外部機器の音量が最小になっていますか?
•
作った音色データ等は保存しましたか?(P.48)
•
接続している外部機器の電源をオフにします。
JV-1010の POWER スイッチをオフにします。
VOLUME つまみを最大に
すると、音色によっては音
が歪むことがあります。
VOLUME つまみを押すと
本体だけで発音させること
ができます(フレーズ・プ
レビュー P.25)。
工場出荷時の設定に戻す(ファクトリー・リセット)
JV-1010をはじめてお使いになるときは、取扱説明書の手順に添って正し
く動作させるために、最初に工場出荷時の設定に戻してください。
JV-1010に記憶されているすべての設定を工場出荷時の設定に戻します。
fig.1-09
クイック・スタート
1,4,5 2 3
1
2
3
4
fig.Sur
VALUE つまみを押して、パッチ・モード(PATCH )以外の
モード(PERFORM、RHYTHM、GM )に切り替えます。
VOLUME つまみを押しながら VALUEつまみを押します。
エディット・モードに切り替わります。
CATEGORY/BANK つまみを回して PIANO (Factory Reset )
を選びます。
ディスプレイにはFct が点滅表示されます。
エディット・モードでは、CATEGORY/BANKつまみの PIANO(Factory
Reset )を選ぶと、ファクトリー・リセットを行うことができます。
VALUEつまみを押します。
ディスプレイには Sur が点滅表示され、ファクトリー・リセットを実行す
るかどうかの確認を促します。
すでに作った大切なデータ
が記録されている場合、ファ
クトリー・リセットの操作を
行うと、それらのデータがす
べて失われ、データはすべて
工場出荷時の設定に戻りま
す。大切なデータが記録され
ているときは、外部MIDI機
器に保存しておいてくださ
い(P.48)。
パッ チ・モ ー ドで は、エ
ディット・モードに入るこ
とができません。
エディット・モードでの
CATEGORY/BANKつまみの
その他の機能については、JV
1010 本体上面にある
PARAMETERSELECT
ご覧ください。
EDI
図を
5
VALUEつまみを押します。
ファクトリー・リセットが実行されて、エディット・モードから抜けます。
ファクトリー・リセットを
行わ ない でエ ディ ット
モードから抜けるには、手
順2と同じ操作を行います
21
デモ・ソングを聴いてみよう(デモ・プレイ)
JV-1010には、デモ・ソングが 4 曲内蔵されています。
デモ・プレイで JV-1010の優れた音色やエフェクトを聴いてみましょう。
ソング・ネーム 作曲者/コピーライト
All In Good Time Scott Wilkie ©1999 Scott Wilkie Media (ASCAP)
Guitars Forever Gundy Keller ©1999 Gundy Keller / A-TOWNrecordings
Rude99 Hans-Joerg Scheffler ©1999 Hans Scheffler
Overtime Hans-Joerg Scheffler ©1999 Hans Scheffler
fig.1-10
これらのデモ・ソングを個
人で楽しむ以外に権利者の
許諾なく使用することは
法律で禁じられています。
1
2
3
fig.1-10a
3 2,3 1
CATEGORY/BANK つまみを回して DEMO を選びます。
ディスプレイにはALL が点滅表示されます。
VALUEつまみを回して、聴きたい曲を選びます。
ALL、 d-1、 d-2、d-3、 d-4 を選ぶことができます。
ALL:1曲目から順に演奏します。
d-1: All In Good Time
Guitars Forever
d-2:
d-3: Rude99
d-4: Overtime
VALUEつまみまたは VOLUME つまみを押します。
ディスプレイにはPLy が表示され、デモ・プレイが始まります。
デモ・プレイ画面が表示さ
れている間は、外部機器か
らMIDIメッセージを受信し
ても無視します。
22
デモ・ソングが、最後まで再生されると、自動的に曲の先頭に戻って繰り
返し再生します。デモ・プレイを途中で終えるときは、VALUE つまみまた
はVOLUME つまみを押すか、CATEGORY/BANK つまみを回します。
デモ・ソングの演奏データ
は MIDI OUT コネクターか
らは出力されません。
デモ・ソングを聴いてみよう(デモ・プレイ)
■作曲者のプロフィール
Scott Wilkie(スコット・ウィルキー)
南カリフォルニアを拠点に録音活動をしている現代ジャズ・アーティスト。現在、彼自身のバンドを
率いて、また Roland U.S. 所属のアーティストとして、日本、ヨーロッパ、南アメリカなどを駆け回っ
ている。ソロ・デビュー・アルバム「Boundless」を Narada/Virgin Records より 1999年にリリー
ス。また、インターネットのwww.scottwilkie.com にて自身の情報発信を行っている。
Gundy Keller(グンディ・ケラー)
ドイツのギタリスト、作曲家、兼プロデューサー。1986 年からローランドのデモンストレーターも努める。特
に GR シリーズや V ギターが気に入っており、国際的な音楽会やセッションなどで、他にないサウンドを求めら
れるときに多用している。自ら会社を経営する傍ら、私立の音楽学校である Rocksound Music School の理事
も努める。VG-8のデモ CD や GR-30 のビデオで彼の作品に触れてほしい。
Hans-Joerg Scheffler(ハンス -ユルグ・シェフラー)
ドイツ最大の工業地域であるルールバレーに生まれ育ったこともあり、ごく自然に騒音やリズムが彼の生活の一
部となった。現在、DIGITAL AUDIO DESIGN というサンプリング用 CD や CD-ROM 制作を手がける会社を経
営。これまでプロ音響製品スペシャリストとして、エクスパンション・ボードのサウンド・デザイナーとして、
製品デモ曲の制作者としてさまざまな形でローランドに協力してきており、ローランド RSS システムを使って
レコーディングした CD もいくつかリリースしている。
彼の作品クリップは以下の URL でダウンロード可能。
http://www.united-sound.com/usmaster/cell2downde.htm
クイック・スタート
23
パッチを選んで鳴らしてみよう
JV-1010 には、あらかじめ多くの音色が内蔵されています。JV-1010 で
は、通常の演奏に使う音色をパッチ と呼びます。
JV-1010では、ユーザー、プリセットA 〜E、セッションの7 つのグルー
プ、およびこれ以外に、別売のウェーブ・エクスパンション・ボード(1
枚)を取り付けた場合、そのウェーブ・エクスパンション・ボードに内蔵
のパッチを使うことができます。
USER(ユーザー)
あらかじめ 128 個のパッチが記憶されており、これらは、自分で作った
バッチに書き替えることができます。
PRESET-A 〜 C、E(プリセット A 〜 C、E)
あらかじめ512 個のパッチが記憶されており、書き替えることはできませ
ん。
PRESET-D(プリセット D)(GM(General MIDI))
MIDI機能の仕様を、メーカーや機種を越えて標準化することを目的とした
GM システムのためのパッチです。あらかじめ 128 個のパッチが記憶され
ており、書き替えることはできません。
外部MIDI 機器や音色エディ
ター等のソフ トウェアを
使って、システム・エクスク
ルーシブ・メッセージを送信
することにより、USE
(ユーザー)の内容を書き替
えることができます
(P.54)。
Session(セッション)
あらかじめウェーブ・エクスパンション・ボードSR-JV80-09 のデータを
内蔵しており、255個のパッチが記憶されています。書き替えることはで
きません。
WAVE-EXP(スロットに装着したウェーブ・エクスパンション・ボード)
別売のウェーブ・エクスパンション・ボードに記憶されており、書き替え
ることはできません。
WAVE-EXP のパッチは
EXP-B スロットにウェー
ブ・エクスパンション・ボー
ドが装着されていないと選
べません。ウェーブ・エク
スパンション・ボードが装
着されていない場合
WAVE-EXP を選ぶとディス
プレイに ---が表示されま
す。
24
パッチを選んで鳴らしてみよう
パッチを試聴する(フレーズ・プレビュー)
JV-1010 では、MIDI キーボードやシーケンサーを接続しなくても、パッ
チの種類ごとに用意された最適なフレーズでパッチの確認をすることがで
きます。
ここでは、パッチ・モードでパッチの音を聴いてみましょう。
fig.1-11
クイック・スタート
1
fig.1-12
2
2 1
VALUEつまみを押してパッチ・モード(PATCH )を選びます。
VALUE つまみを押すとモードが順に切り替わります。PATCH インジケー
ターが点灯するまで何回か押してください。
VOLUME つまみを押し続けると、現在選ばれているパッチの
音が鳴ります。
工場出荷時の設定に戻した
直後は、現在選ばれている
カテゴリー/バンク
(CATEGORY/BANK)の先
頭のパッチが発音します。
パッチによっては、適切な
音域で発音されない場合が
あります。
25
パッチを選んで鳴らしてみよう
MIDI キーボードから鳴らす
JV-1010は、他の機器からの MIDI データを受信して発音します。このと
き、送信側の機器(MIDI キーボードなど)と JV-1010 の MIDI チャンネ
ルを合わせる必要があります。
ここでは、両方のチャンネルを1 に設定して音を鳴らしてみましょう。
fig.1-13
1
2
3
4
4 3
JV-1010と MIDI キーボードを接続します(P.18)。
MIDI キーボード(送信側の機器)の送信チャンネルを 1 にしま
す。
設定のしかたはMIDI キ−ボード(送信側の機器)の取扱説明書をご覧くだ
さい。
VALUEつまみを押してパッチ・モード(PATCH )を選びます。
VALUE つまみを押すとモードが順に切り替わります。PATCH インジケー
ターが点灯するまで何回か押してください。
PARTつまみを回して 1 を選びます。
ここでJV-1010 の受信チャンネルは、1 になりました。
5
fig.1-14
26
MIDI キーボードの鍵盤を弾いて音を鳴らします。
MIDIデータを受信すると MIDI インジケーターが点灯します。
パッチを選ぶ
パッチ・モードまたはパフォーマンス・モードを選択しているときは、
CATEGORY/BANK つまみでカテゴリー/バンクを切り替えてから
VALUE つまみを回すことによって、パッチを選ぶことができます。
パッチを選ぶには、バンク別(白色の文字
表示)で選ぶ方法とカテゴリー別 (青色の
文字表示)で選ぶ方法の2種類があります。
■バンク別にパッチを選ぶ
ここでは、
fig.1-16
USER
(ユーザー・グループ)から
カテゴリー別
No.108 Flute
パッチを選んで鳴らしてみよう
バンク別
を選んでみましょう。
WAVE-EXP のパッチは、所
定のスロットにウェーブ
エクスパンション・ボー
が装着されていないと選べ
ません。ウェーブ・エクス
パンション・ボードが装着
されていない場合、WAVE
EXP を選ぶとディスプレイ
に ---が表示されます。
クイック・スタート
1
2
3
4
fig.1-16a
4 1,3 2
VALUEつまみを押してパッチ・モード(PATCH )を選びます。
VALUE つまみを押すとモードが順に切り替わります。PATCH インジケー
ターが点灯するまで何回か押してください。
CATEGORY/BANK つまみを回して USER を選びます。
VALUEつまみを回して 108 を選びます。
VOLUME つまみを押し続けると、選んだパッチの音(USER
No.108 Flute)を聴くことができます。
このとき、ディスプレイには現在選ばれているプリセット・バンク USr
(USER)とパッチ・ナンバー108 が交互に表示されます。
VALUE つまみを速く回す
と、値が大きく変化します
内蔵されているパッチの内
容については、「パッチ一
覧」 (P.118)をご覧くださ
い。
27
パッチを選んで鳴らしてみよう
■カテゴリー別にパッチを選ぶ
ここでは、PIANO (ピアノ・カテゴリー)から No.008 Bright Piano を選
んでみましょう。
fig.1-17
4 1,3 2
1
2
3
4
fig.1-18a
VALUEつまみを押してパッチ・モード(PATCH )を選びます。
VALUE つまみを押すとモードが順に切り替わります。PATCH インジケー
ターが点灯するまで何回か押してください。
CATEGORY/BANK つまみを回して PIANO を選びます。
VALUEつまみを回して 008 を選びます。
VOLUME つまみを押し続けると、選んだパッチの音(PIANO
No.008 Bright Piano)を聴くことができます。
このとき、ディスプレイには現在選ばれているバンク PrA(PRESET-A)
とパッチ・ナンバー002 が交互に表示されます。
VOLUMEつまみから指を離すと、カテゴリー・グループ PIANO のパッチ・
ナンバー008 が表示されます。
カテゴリー別から選ぶこと
ができるのは、PRESET-A
B/C/D/E および Sessio
(XP-A)の パ ッ チ で す
USER、WAVE-EXP(XP-B
のパッチは、音色内容やカ
テゴリーが変動するため
カテゴリー別から選ぶこと
はできません。
VALUE つまみを速く回す
と、値が大きく変化します
また、VALUE つまみを押し
ながら回すと、現在選ばれ
ているカテゴリー・グルー
プ内の各カテゴリーの先頭
の値にジャンプします。カ
テゴリー別パッチの先頭の
値には、ディスプレイのナ
ンバー表示の末尾にドッ
(点)が表示されます。
28
カテゴリー別のパッチの内
容については、「カテゴリー
別パッチ一覧」 (P.122)を
ご覧ください。
打楽器の音を鳴らす
JV-1010には、さまざまな打楽器や特殊効果音を集めたリズム・セットが
あります。
JV-1010では、ユーザー、プリセットA 〜E、セッションの7 つのグルー
プ、およびこれ以外に、別売のウェーブ・エクスパンション・ボード(1
枚)を取り付けた場合、そのウェーブ・エクスパンション・ボードに内蔵
のリズム・セットを使うことができます。
USER(ユーザー)
あらかじめ2 個のリズム・セットが記憶されており、自分で作ったリズム・
セットに書き替えることができます。
PRESET-A 〜 C、E(プリセット A 〜 C、E)
あらかじめ8 個のリズム・セットが記憶されており、書き替えることはで
きません。
PRESET-D(プリセット D)(GM(General MIDI))
MIDI機能の仕様を、メーカーや機種を越えて標準化することを目的とした
GM システムのためのリズム・セットです。あらかじめ2 個のリズム・セッ
トが記憶されており、書き替えることはできません。
パッチを選んで鳴らしてみよう
クイック・スタート
外部MIDI機器や音色エディ
ターなどのソフトウェアを
使って、システム・エクス
クルーシブ・メッセージを
送信することにより、USER
(ユーザー)の内容を書き替
えることができます
(P.54)
Session(セッション)
あらかじめウェーブ・エクスパンション・ボードSR-JV80-09 のデータを
内蔵しており、8 個のリズム・セットが記憶されています。書き替えるこ
とはできません。
WAVE-EXP(スロットに装着したウェーブ・エクスパンション・ボード)
別売のウェーブ・エクスパンション・ボードに記憶されており、書き替え
ることはできません。
WAVE-EXP のリズム・セッ
トは、EXP-B スロットに
ウェーブ・エクスパンショ
ン・ボードが装着されてい
ないと選べません。ウェー
ブ・エクスパンション・ボー
ドが装着されて いない場
合、WAVE-EXP を選ぶと
ディスプレイに ---が表示
されます。
29
パッチを選んで鳴らしてみよう
MIDI キーボードを使ってリズム・セットを演奏するには、MIDI キーボー
ドのMIDI 送信チャンネルを 10 に設定します。
リズム・セットを使って打楽器の演奏をしてみましょう。
fig.1-19
2,4 3
1
2
3
fig.1-20
4
MIDI キーボード(送信側の機器)の送信チャンネルを 10 にし
ます。
設定のしかたは、MIDI キーボード(送信側の機器)の取扱説明書をご覧く
ださい。
VALUE つまみを押してリズム・セット・モード(RHYTHM)
を選びます。
VALUE つまみを押すとモードが順に切り替わります。RHYTHM インジ
ケーターが点灯するまで何回か押してください。
CATEGORY/BANKつまみを回してバンクを選びます。白色の
文字表示の中から選んでください。
VALUEつまみを回してリズム・セットを選びます。
WAVE-EXP のリズム・セッ
トは、EXP-B スロットに
ウェーブ・エクスパンショ
ン・ボードが装着されてい
ないと選べません。ウェー
ブ・エクスパンション・ボー
ドが装着されて いない場
合、WAVE-EXP を選ぶと
ディスプレイに ---が表示
されます。
リズム・セット・モードを
選択しているときは、PAR
つまみの設定に関わらず
パート10の設定がディスプ
レイに表示されます。
5
30
MIDI キーボードの鍵盤を弾いて音を鳴らします。
押さえる鍵盤によっていろいろな打楽器音が鳴ります。
MIDIデータを受信すると MIDI インジケーターが点灯します。
内蔵 され てい るリ ズム
セットの内容については
「リ ズ ム・セ ッ ト 一 覧
(P.128)をご覧ください。