Roland JUNO-DI User Manual [ja]

JUNO-Di Editor
取扱説明書
Copyright ©2009 ローランド株式会社
本書の一部、もしくは全部を無断で複写・転載することを禁じます。
JUNO-Di Editor の使いかた ...................... 3
1. はじめに...................................................................3
2. 接続と設定............................................................... 3
2-1.USB ケーブルで接続する....................................... 3
2-2.MIDI ケーブルで接続する ....................................... 3
3. メニューについて ................................................... 4
3-1. ファイル ................................................................... 4
3-2. 編集 ........................................................................... 4
3-3. 設定 ........................................................................... 4
4.JUNO-Di Editor の使いかた ................................ 5
4-1. 設定の読み込み / 書き込み / 同期......................... 5
4-2. バリューの変更方法 ................................................ 6
4-3. バリューの初期化 ....................................................6
4-4.KEYBOARD ボタンについて ................................6
5.
JUNO-Di Librarian と同時に使用する場合の注意
....7
6. プリセット・ネームの表示がおかしくなった場合
の対処方法...............................................................7
「データを読み込み / 書き込みできませんでした。」
7.
と表示された場合....................................................8
8. エディターの情報やお問い合わせ先..................... 8
JUNO-Di の概要............................................9
JUNO-Di の構成 ......................................................... 9
基本構成............................................................................ 9
パッチ・モードとパフォーマンス・モード ..................9
エフェクト......................................................................12
メモリーについて.......................................................... 13
SYSTEM パラメーター............................. 14
COMMON ..................................................................... 14
SCALE TUNE ( パッチ・モードのとき ) ................. 15
EFFECTS パラメーター............................ 16
エフェクトをかける.................................................. 16
各モードでのエフェクトの扱い................................... 16
エフェクトの設定 ..................................................... 16
PATCH EFFECTS .................................................17
信号の流れとパラメーター(ROUTING)................. 17
PERFORM EFFECTS ...........................................19
信号の流れとパラメーター(ROUTING)................. 19
マルチエフェクトの設定(MFX、MFX1 〜 3).. 21
マルチエフェクトを MIDI でコントロールする
(CONTROL SOURCE/DESTINATION/SENS).. 21
コーラスの設定をする(CHORUS).....................22
リバーブの設定をする(REVERB)....................... 22
パッチの詳細設定(PATCH パラメーター)
パッチの編集 .............................................................23
パッチの初期化.............................................................. 23
パッチのコピー/貼り付け ..........................................23
TONE SWITCH/SELECT ......................................... 23
ステレオ・ウェーブの設定 ..........................................24
.. 23
パッチの保存.............................................................24
PATCH パラメーター .............................................25
SUMMARY .................................................................. 25
COMMON..................................................................... 28
STRUCTURE............................................................... 30
WG.................................................................................. 32
TVF................................................................................. 35
TVA................................................................................ 37
LFO................................................................................. 39
VELOCITY RANGE.................................................... 41
KEY RANGE ................................................................ 41
MATRIX CONTROL...................................................42
CONTROL SW............................................................ 43
リズム・セットの詳細設定
(RHYTHM パラメーター).........................44
リズム・セットの編集..............................................44
リズム・セットの初期化.............................................. 44
リズム・セットのコピー/貼り付け........................... 44
WMT SWITCH/SELECT .......................................... 44
ステレオ・ウェーブの設定.......................................... 45
リズム・セットの保存..............................................45
RHYTHM パラメーター..........................................46
SUMMARY .................................................................. 46
COMMON (RHYTHM COMMON) ......................... 50
CONTROL (RHYTHM KEY CONTROL) .............. 50
WMT (RHYTHM KEY WMT)................................... 51
PITCH (RHYTHM KEY PITCH).............................. 52
TVF (RHYTHM KEY TVF)....................................... 53
TVA (RHYTHM KEY TVA)...................................... 55
VELOCITY (RHYTHM KEY VELOCITY RANGE)
.. 56
パフォーマンスの詳細設定
(PERFORM パラメーター)......................57
パフォーマンスの設定..............................................57
パフォーマンス・モードでパッチをエディットする
.... 57
パフォーマンスの編集..............................................57
パフォーマンスの初期化.............................................. 57
パフォーマンスのコピー/貼り付け........................... 57
パフォーマンスの保存..............................................57
PERFORM パラメーター........................................58
MIXER ........................................................................... 58
ALL PARAMETERS (ALL PARAMS)................... 60
MIDI (PERFORM MIDI SETTING) ......................... 62
KEYBOARD RANGE ................................................. 63
SCALE TUNE (PART SCALE TUNE).................. 63
エフェクト一覧 ............................................64
2

JUNO-Di Editor の使いかた

204
※ Microsoft、Windows は、米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標です。
206e
※ 本書では Microsoft Corporation のガイドラインに従って画面写真を使用しています。
206j
※ Windows ®の正式名称は、Microsoft ®Windows ®operating system です。
207
※ Apple、Macintosh は、米国 Apple Inc. の米国及びその他の国における登録商標です。
209
※ Mac OS は、米国 Apple Inc. の登録商標です。
213
※ Pentium は、米国 Intel Corporation の登録商標です。
215a
※ MIDI は社団法人 音楽電子事業協会(AMEI)の登録商標です。
215b
※ GM( )、GM2( )は、社団法人 音楽電子事業協会(AMEI)の登録商標です。
220
※ 文中記載の会社名及び製品名は、各社の商標または登録商標です。 ※ This file is in Japanese. The contents are identical to the JUNO-DiEditorManualE.pdf file, so please r ead
the JUNO-DiEditorManualE.pdf file (English).

1. はじめに

JUNO-Di Editor は JUNO-Di の各パラメーターの設定を、お手持ちのパソコン上で行うためのアプリケーションです。

2. 接続と設定

JUNO-Di 取扱説明書にしたがって、JUNO-Di とパソコンを接続してください。正しく接続されていない場合、 JUNO-Di Editor が正常に動作しないことがあります。
※ JUNO-Di Editor を最初にお使いになる際には、起動するまでに 1 分以上かかることがあります。
これは、初回起動時に JUNO-Di 本体から各種プリセット・ネームを取得して、パソコンのハードディスク上 にファイルとして保存するためで、故障ではありません。

2-1.USB ケーブルで接続する

JUNO-Di とパソコンを USB ケーブルで接続した場合は、JUNO-Di Editor を起動する前に必ず、JUNO-Di 本 体の電源を入れてください。
JUNO-Di Editor の動作中は、JUNO-Di に接続されている USB ケーブルを抜かないでください。
最初にお使いになる際に必ず、以下の手順で MIDI 機器の設定を行ってください。
JUNO-Di 本体で USB ドライバを [VENDER] に設定します。
1.
付属の「JUNO-Di Editor 」CD-ROM に収録されている USB ドライバをパソコンにインストールします。
2.
3.
JUNO-Di Editor を起動します。
4.
メニューの [ 設定 ] −「MIDI 機器の設定」でダイアログを開き、JUNO-Di Input/Output に「JUNO」を選 びます。
USB ドライバの切り替えについて詳しくは、JUNO-Di の取扱説明書をご覧ください。

2-2.MIDI ケーブルで接続する

JUNO-Di とパソコンを MIDI ケーブルで接続して使用するには、別途 MIDI インターフェースが必要です。パソ コンに接続した MIDI インターフェースの MIDI IN と MIDI OUT を、JUNO-Di の MIDI コネクターに接続してく ださい。
最初にお使いになる際に必ず、メニューの [ 設定 ] −「 MIDI 機器の設定」でダイアログを開き、JUNO-Di Input / Output に JUNO-Di を接続したポートを選んでください。
3
JUNO-Di Editor の使いかた

3. メニューについて

3-1. ファイル

「開く」は、JUNO-Di Editor で保存した、JUNO-Di Editor の状態を記録したファイルを読み込みます。
※ Windows では、ツールバーの「開く」も同様です。
「保存」「名前を付けて保存」は、JUNO-Di Editor の現在の状態を記録したファイルを保存します。
※ Windows では、ツールバーの「保存」も同様です。
「SMF をエクスポート」は、現在選ばれている、
パフォーマンス
パフォーマンスと、そのパフォーマンスで使われているパッチ / リズム・セット
パッチ / リズム・セット
のいずれかの設定を、SMF 形式で保存します。
「SMF をインポート」で、それらの設定を読み込みます。

3-2. 編集

「初期化」は、現在選ばれているパフォーマンス / パッチ / リズム・セットの設定を初期化します。
いちからデータを作成したいときなどに使用すると便利です。
「コピー」は、設定をクリップボードにコピーします。
「貼り付け」で、クリップボードにコピーした設定を、コピー先を選んで貼り付けます。
「MIDI メッセージをクリップボードにコピー」は、「MIDI MESSAGE」に表示されている MIDI メッセージ(文
字列)をクリップボードにコピーします。

3-3. 設定

「MIDI 機器の設定」で、JUNO-Di Input / Output に JUNO-Di を接続したポートを選んでください。
Through は、任意の MIDI 機器の MIDI Out を任意の MIDI 機器の MIDI In にスルー接続します。
4

4.JUNO-Di Editor の使いかた

JUNO-Di Editor の使いかた
ナビゲーション・ブロック     メイン・ブロック
ナビゲーション・ブロックでは、各ボタンをクリックして、メイン・ブロックに表示させるパラメーターを選 択します。
メイン・ブロックには、ナビゲーション・ブロックで選択したパラメーターの編集画面が表示されます。

4-1. 設定の読み込み / 書き込み / 同期

[READ] / [WRITE] / [SYNC] ボタンは、メイン・ウィンドウの最上段にあります。
設定の読み込み
JUNO-Di の設定を JUNO-Di Editor に読み込むには、[READ] ボタンをクリックします。 JUNO-Di 側で現在選ばれているパッチの設定が読み込まれます。
設定の書き込み
エディットしたデータを JUNO-Di に書き込むには、[WRITE] ボタンをクリックします。 現在選んでいるパラメーターによって、書き込むデータ(パッチまたはリズム・セット/パフォーマンス/システ ム)が決まります。
設定の同期
本体と Editor の設定を同期するには、[SYNC] ボタンをクリックします。 これは、JUNO-Di Editor を JUNO-Di Librarian と同時に使用する場合だけ必要になるコマンドです。 詳しくは、『5.JUNO-Di Librarian と同時に使用する場合の注意』(P.7)をご覧ください。
5
JUNO-Di Editor の使いかた

4-2. バリューの変更方法

ボタンやスライダー、ノブをクリック(&ドラッグ)することでバリューを変更できます。
「パネル上のスライダーやノブが小さすぎて詳細な設定がしづらい」と感じる場合、ノブなどをクリックした
まま、マウスを遠くにドラッグしてみてください。マウスのボタンを離さない限りどの位置でも値を設定する ことができます。このとき、マウスのカーソルがノブなどの中心からより離れた位置にあれば、細かい精度で 値を設定することができます。
バリューが表示されているときに、カーソルキー(上 / 下)を押しても値を変更できます。

4-3. バリューの初期化

Windows XP / Vista の場合
コンピューターの Ctrl キーを押しながらスライダーやノブをクリックすると、そのパラメーターのバリューが初 期値に戻ります。
Macintosh の場合
コンピューターの Command キーを押しながらスライダーやノブをクリックすると、そのパラメーターのバ リューが初期値に戻ります。

4-4.KEYBOARD ボタンについて

メイン・ウィンドウの最上段にある [KEYBOARD] ボタンをクリックすると、キーボード・ウィンドウを開き、 マウスでノート情報を送信できます。
スライダーで、送信チャンネルとベロシティーを設定できます。[OCT] ボタンをクリックすると、オクターブ・ シフトできます。[OCT] ボタンの下には、左から三番目の△マークで示されている C を押したときに送信される ノート・ナンバーが、表示されます。
6
JUNO-Di Editor の使いかた

5.JUNO-Di Librarian と同時に使用する場合の注意

JUNO-Di Editor と JUNO-Di Librarian を同時に使用する際、次のような問題が発生することがあります。
JUNO-Di Librarian で試聴ボタンをクリックした場合、JUNO-Di Editor 上の各値が JUNO-Di のテンポラ
リー・エリアにあるデータと一致しなくなる。
JUNO-Di Librarian で「全データを書き出し」もしくは「選択したデータを書き出し」を実行した場合、 JUNO-Di Editor 上のデータの名称や順序が JUNO-Di のユーザー・エリアにあるデータと一致しなくなる。
JUNO-Di Librarian で上記いずれかの操作を行った場合、JUNO-Di Editor に移った後、エディットを始める前 に必ず、JUNO-Di Editor のメイン・ウィンドウ最上段にある [SYNC] ボタンをクリックしてください。
これによって次の動作が実行され、JUNO-Di Editor と JUNO-Di 側の設定を一致させることができます。
JUNO-Di Editor 上の各設定値が、JUNO-Di のテンポラリー・エリアに書き出される。
JUNO-Di のユーザー・エリアにあるパフォーマンス / パッチ / リズム・セットの名称リストが、JUNO-Di Editor に読み込まれる。

6. プリセット・ネームの表示がおかしくなった場合の対処方法

プリセット・ネームの表示がおかしくなった場合、以下のように対処してください。
Windows XP の場合
Documents and Settings¥( ユーザーアカウント名 )¥Local Settings¥Application Data¥
1.
Roland¥JUNO-Di Editor¥PresetName.txt というファイルを削除する。
JUNO-Di Editor を再起動する。
2.
Windows Vista の場合
1.
ユーザー¥( ユーザーアカウント名 )¥AppData¥Local¥Roland¥JUNO-Di Editor¥Preset­Name.txt というファイルを削除する。
2.
JUNO-Di Editor を再起動する。
上記の操作を行うと、初回起動時と同様に JUNO-Di 本体から各種プリセット・ネームを取得して、パソコンの ハードディスク上にファイルとして保存します。
フォルダが表示されない場合は、次に示す手順ですべてのファイルとフォルダを表示する設定にしてください。
Windows のエクスプローラを起動する。
1.
メニューの「ツール」−「フォルダオプション」を選択し、フォルダオプションダイアログを表示させる。
2.
3.
「表示」タブをクリックし、「詳細設定」で「すべてのファイルとフォルダを表示する」を選択し、[OK] をク
リックする。
7
JUNO-Di Editor の使いかた
Macintosh の場合
(ホームディレクトリ)/Library/Application Support/Roland/JUNO-Di Editor/PresetName.txt
1.
というファイルを削除する。
2.
JUNO-Di Editor を再起動する。
上記の操作を行うと、初回起動時と同様に JUNO-Di 本体から各種プリセット・ネームを取得して、パソコンの ハードディスク上にファイルとして保存します。

7.「データを読み込み / 書き込みできませんでした。」と表示された場合

以下のような場合には「データを読み込み / 書き込みできませんでした。」と表示されることがあります。
JUNO-Di 本体とパソコンが正しく接続されていないとき
多くの音を発音しているとき
プレーヤーで再生しているとき
JUNO-Di Editor と JUNO-Di Librarian とで、同時にデータの読み込み(書き込み)を行おうとしたとき

8. エディターの情報やお問い合わせ先

ローランド株式会社 Web サイト http://www.roland.co.jp/ をご参照ください。
8

JUNO-Di の概要

パフォーマンス
パート16
パート1
パッチ/
リズム・セット

JUNO-Di の構成

JUNO-Di を MIDI 音源として利用するときには、パフォーマンス・ モードとパッチ・モードの 2 つのモードで使うことができます。

基本構成

JUNO-Di は大きく分けて、コントローラー部、音源部、ソング・プ レーヤー部で構成されています。
fig.BasicStruct.j
ソング・プレーヤー部
ソング・プレーヤー
リズム・パターン
(鍵盤やピッチ・ベンド/モジュレーション・レバーなどのコントローラー)
コントローラー部
鍵盤、ピッチ・ベンド/モジュレーション・レバー、パネル上のつ まみやボタン、D ビーム・コントローラー、およびリア・パネルに 接続したペダルなどが含まれます。キーを押す/離す、ホールド・ペ ダルを踏むなどの演奏情報を MIDI メッセージに変換して、音源部ま たは外部 MIDI 機器に送信します。
音源部
再生
音源部
演奏
コントローラー部

パッチ・モードとパフォーマンス・モード

パッチ・モード
パッチ・モードは、単一のパッチを使って、鍵盤など、JUNO-Di の コントローラー部を演奏することができるモードです。
パッチ・モードでは、さまざまなエフェクトを単一のパッチに使う ことができるため、贅沢なサウンドを演奏することができます。
また、パッチ・モードでは、選んだパッチの設定を簡単に変更する ことができ、音作りをする場合にも便利です。
パフォーマンス・モード
パフォーマンス・モードは、複数のパッチやリズム・セットを同時 に使用することができるモードです。
1 つのパフォーマンスには 16 の「パート」があり、パートごとに パッチやリズム・セットを割り当てて、アンサンブル演奏を楽しん だり、音を重ねて重厚な音色で演奏を楽しむことができます。
工場出荷時は、パッチ・モードが選ばれた状態になっています。
パフォーマンスの構成
パフォーマンスは 16 のパートにパッチ、またはリズム・セットの いずれかを割り当てたもので、16 個の音色を同時に扱えます。
このように、1 台で複数の音色を別々にコントロ ールできる音源の ことを「マルチティンバー音源」といいます。
音を発生させる部分です。コントローラー部やソング・プレーヤー 部、または外部 MIDI 機器からの MIDI メッセージを受信し、受信し た MIDI メッセージを楽音信号に変換して、アウトプット・ジャック やヘッドホン・ジャックから出力します。
ソング・プレーヤー部
USB メモリーに保存してあるオーディオ・ファイルや SMF を再生 します。
また、さまざまなジャンルのリズム・パターンを再生することもで きます。
再生したソングやリズム・パターンをバック・トラック(伴奏)に して、鍵盤演奏をすることができます。
JUNO-Di のソング・プレーヤーでソングを再生するとき、「プレイ リスト」でソングの再生順を指定することができます。プレイリス トの作成は、付属の「PlaylistEditor」を使います。詳しくは、「JUNO­Di 取扱説明書」をご覧ください。
パート
パートとは、パッチやリズム・セットを割り当てるところです。 1 つのパフォーマンスは、16 個のパートを持っており、それぞれに
パッチやリズム・セットを割り当てられます。
9
JUNO-Di の概要
JUNO-Di では、スプリット(SPLIT)、デュアル(DUAL)、スー パーレイヤー(SUPER LAYER)をオンにす ると、パフ ォーマ ン ス・モードになります。パフォーマンスの 16 パートのうち、スプ リットとデュアルはパート 1 とパート 2 を、スーパーレイヤーは パート 1 からパート 5 を使用します。
各機能をオンにすると、JUNO-Di の設定は、以下のようになります。
スプリットをオンにしたとき
パート 1 とパート 2 のキー・レンジでアッパーとロワーに分けた設 定をスプリットといいます。アッパーの一番下の鍵をスプリット・ポ イントといいます。
パート 1 とパート 2 は以下のように割り当てられます。()内は、本 体画面での表示です。
パート名 キー・レンジ
パート 1:UPPER(U) スプリット・ポイントの鍵〜 G9
パート 2:LOWER(L)
C-1 〜 スプリット・ポイントのひとつ左の鍵
デュアルをオンにしたとき
パート 1 とパート 2 のキー・レンジが重なっている設定をデュアル といいます。()内は、本体画面での表示です。
パート名 キー・レンジ
パート 1:PART 1(1) C-1 〜 G9 パート 2:PART 2(2) C-1 〜 G9
パッチの構成
パッチは、演奏時に扱う音の単位です。1 つのパッチは 4 つまでの トーンを組み合わせて音作りができます。
トーンはそれぞれオン/オフすることができ、どのトーンを発音さ せるかを選ぶことができます。
パッチ
トーン1トーン2トーン3トーン
例1 ひとつのトーンで構成されているパッチ   (トーン2〜4はオフになっている)
パッチ
トーン1トーン2トーン3トーン
例2 4つのトーンで構成されているパッチ
トーン
トーンは音の最小単位です。ただし、トーンのみで演奏することは できません。演奏できる音の単位はパッチですが、トーンはそのパッ チを形成する音の素材といえるものです。
トーン
LFO 1 LFO 2
4
4
スーパーレイヤーをオンにしたとき
パート 1 の音色をパート 1 からパート 5 に割り当てて、本体で以下 の設定をします。
Layer 2〜5 使用するパート数です。
Detune 0〜30
設定値 説明
パート2〜5にデチューン(FINE TUNE) がかかります。
パート 2:0 〜 30 パート 3:パート 2 の値のマイナス
方向の値になります。例え ば、パート 2 が「+2」の 場合は、パート 3 は「-2」 になります。
パート 4:パート 2 の値の 1.5 倍の
値になります。
パート 5:パート 3 の値の 1.5 倍の
値になります。
WG
Pitch
Envelope
音の信号
WG(ウェーブ・ジェネレーター)
音の元になる PCM 波形(ウェーブ)を選び、音の高さ(ピッチ)の 変化を設定します。
TVF(タイム・バリアント・フィルター)
音の周波数成分の変化を設定します。
TVA(タイム・バリアント・アンプリファイアー)
音量の変化とパンを設定します。
Envelope(エンベロープ)
エンベロープは時間の経過に伴う変化を設定します。 Pitch(ピッチ)、TVF(フィルター)、TVA(音量)のそれぞれに
専用のエンベロープを設定することができます。
TVF
TVF
Envelope
TVA
TVA
Envelope
コントロール信号
10
JUNO-Di の概要
LFO(ロー・フリケンシー・オシレーター)
LFO は周期的な変化(ゆらぎ)を設定します。 LFO は 2 つあり、WG(ピッチ)、TVF(フィルター)、TVA(音量)
のそれぞれに効果が付けられます。 WG のピッチに LFO の変化を加えるとビブラート効果、TVF のカッ
トオフ周波数を加えるとワウ効果、TVA の音量を加えるとトレモロ 効果が付けられます。
リズム・セットの構成
リズム・セットは、複数の打楽器音(リズム・トーン)を集めたグ ループのことです。
打楽器音の場合、一般にメロディーを演奏することはないので、鍵 盤を使って音階が演奏できなくてもかまいません。また、できるだ け多くの打楽器音を一度に鳴らせることが大切です。
これらのことから、リズム・セットでは押さえる鍵盤(ノート・ナ ンバー)によって異なった打楽器音が鳴るようになっています。
リズム・セット
ノート・ナンバー98(D7)
ノート・ナンバー97(C#7)
ノート・ナンバー36(C2)
ノート・ナンバー35(B1)
リズム・トーン(打楽器音)
WG
Pitch
Envelope
TVF
TVF
Envelope
TVA
TVA
Envelope
発音数の数えかた
JUNO-Di の最大同時発音数は 128 音です。 発音できる音数は実際に鳴らしている音数だけでなく、パッチに使
われているトーンの数 と、トー ンに 使われ てい るウェーブの数に よって変わります。1 つのパッチを鳴らしている ときの音数は以下 のように数えます。
(鳴っているパッチの数)×(音が鳴っているパッチに使われている
トーン数)×(トーンに使われているウェーブの数) たとえば、それぞれ 2 つのウェーブを使っている 4 つのトーンを組
み合わせたパッチでは、合計 8 音が一度に使われている計算になり ます。また、パフォーマンス・モードで演奏するときは、パートご とに音数を数え、各パートの音数を合計します。
パッチの発音
JUNO-Di で 128 音以上の音を鳴らそうとした場合、現在鳴ってい る音の中で優先度の低い音から順に消していきます。この優先のし かたはパッチ・プライオリティーで設定します(PRIORITY; P.29)。
パッチ・プライオリティーでは、「LAST」または「LOUDEST」の 選択ができます。
「LAST」を選んでいるときに 128 音を越えた場合、現在鳴ってい
る音の中で先に鳴らした音から順に消していきます。
「LOUDEST」では、現在鳴っている音の中で音量が小さい音から順
に消していきます。通常は「LAST」を選びます。
パフォーマンス・モードでの発音
パフォーマンス・モードでは、複数のパッチを使ってアンサンブル 演奏をすることが多いので、どのパートの音を優先させるかが重要 になります。優先のしかたは、ボイス・リザーブ(VOICE RESERVE; P.60)で決まります。なお、パッチの音が消えるときはパッチ・プ ライオリティーの設定(PRIORITY; P.29 )に従います。
※ リズム・トーンには、ウェーブ・ジェネレーターが 4 つあります。
※ リズム・トーンには、LFO はありません。
ボイス・リザーブ
JUNO-Di には、パートごとに最低限必要な音数を確保できるように ボイス・リザーブの設定があります。
たとえばパート 16 のボイス・リザーブを「10」に設定した場合、 128 音を越えたときでもパート 16 の音数は 10 音まで確保されま す。
このように、実際に鳴らしたい音数と使用するパッチのトーン数を 考慮のうえ、各パートのボイス・リザーブを設定してください
(VOICE RESERVE; P.60)。
ボイス・リザーブは、各パートの設定値の合計が 64 音になるまで 設定することができます。
11
JUNO-Di の概要

エフェクト

JUNO-Di には以下のエフェクトが内蔵されており、それぞれ独立し た設定ができます。
マルチエフェクト
音そのものを変化させて、まったく違う種類の音に変える汎用マル チエフェクトです。
79 種類のタイプを持ち、その中から目的に合ったものを選んで使い ます。
ディストーション、フランジャーなどの単一のエフェクトで構成さ れたもの以外に、さまざまなタイプが用意されています。また、マ ルチエフェクトのタイプの中にもコーラス、リバーブがありますが、 以下のコーラスやリバーブとは別系統で扱います。
マルチエフェクトは、パフォーマンス・モードでは、同時に 3 種類 使うことができ、それぞれ MFX1、MFX2、MFX3 と呼びます。
パッチ・モードでは、1 つのマルチエフェクトを使うことができます。
コーラス
コーラスは音に厚みや広がりを与えるエフェクトです。 コーラスとして使うか、ディレイとして使うかを選べます。
リバーブ
リバーブはホールで演奏しているような響きを与えるエフェクトで す。
5 種類のタイプを持ち、その中から目的のものを選んで使います。
パッチ・モードでのエフェクトの扱い
パッチ/リズム・セットごとにマルチエフェクト、コーラス、リバー ブを設定することができ、各トーンに同じ効果がかけられます。
それぞれのエフェクトに送る信号のレベルを変えることで、トーン ごとのエフェクトのかかり具合を変えることができます。
パッチ
トーン
リズム・セット
C8
A0
リズム トーン
マルチ エフェクト
コーラス
リバーブ
マルチ エフェクト
コーラス
リバーブ
パフォーマンス・モードでのエフェクトの扱い
パフォーマンスごとにマルチエフェクト、コーラス、リバーブを設 定することができます。
また各パートのエフェクトのかかり具合を変えることができます。 パフォーマンス・モードでエフェクトをかける場合、パートに割り
当てているパッチ/リズム・セットのエフェクト設定は無効になり、 パフォーマンスのエフェクト設定が有効になります。
そのため、同じパッチ/リズム・セットでも、パッチ・モードで演 奏するときとパフォーマンス・モードで演奏するときでは効果が変 わります。
ただし設定によっては、あるパートに割り当てているパッチ/リズ ム・セットのエフェクト設定を、パフォーマンス全体で使うことが できます。
パフォーマンス
パート1
パート16
パッチ
トーン
マルチ エフェクト
コーラス
リバーブ
12
JUNO-Di の概要

メモリーについて

パッチやパフォーマンスなどの設定を記憶する場所をメモリーと呼 びます。
メモリーを機能別に整理すると、「一時的なメモリー」、「書き替えが できるメモリー」、「書き替えができないメモリー」の 3 つに分けら れます。
USBメモリー
ソング
SMF
オーディオ
ファイル
システム
パッチ
リズム・セット
パフォーマンス
戻す
(リストア)
バック アップ
JUNO-Di
システム
プリセット
ユーザー(USER)
書き替えができるメモリー
ユーザー・メモリー
ユーザー・メモリーは本体内部にデータを記憶させるメモリーです。 パフォーマンスを記憶させるときは、パフォーマンス・ライト
(P.57)、パッチを記憶させるときはパッチ・ライト(P.24)、リズ
ム・セットを記憶させるときはリズム・セット・ライト(P.45)を 実行します。
システム・メモリー
システム・メモリーには、JUNO-Di の動作環境を決めるシステム・ パラメーターの設定を記憶しています。
システム・パラメーター を 記憶 させ ると きは、システム・ライト
(P.5)を実行します。
USB メモリー
USB メモリーには、以下の設定をまとめてバックアップしておくこ とができます。
ユーザー・パッチ(リズム・セット)
ユーザー・パフォーマンス
書き替えができないメモリー
プリセット・メモリー
プリセット・メモリーのデータは書き替えができません。 ただし、テンポラリー・エリアに呼び出した設定は変更できますので、
書き替えができるメモリーにその設定を記憶しておくことができます。
パフォーマンス
リズム・セット
選 択
GM(GM2)
パッチ
パッチ
選 択
テンポラリー・エリア
リズム・セット
選 択
パッチ
リズム・セット
パフォーマンス
一時的なメモリー
テンポラリー・エリア
ここには、パネル上のボタ ンなど で選 んだ パフ ォーマンスまたは パッチのデータが記憶されます。
演奏するときは、テンポラリー・エリアの設定に従って音が鳴りま す。また、パフォーマンスまたはパッチを変更するときも、そのメ モリーのデータを直接変更することはなく、いったんテンポラリー・ エリアに呼び出してから変更することになります。
テンポラリー・エリアの設定は一時的なもので、電源を切ったり、他 の設定を呼び出したりすると失われます。テンポラリー・エリアの設 定を残しておきたいときは、設定をユーザー・メモリーに保存します。
13

SYSTEM パラメーター

COMMON

パラメーター 設定値 説明
MASTER LEVEL 0〜127 JUNO-Di 全体の音量 MASTER TUNE
PATCH REMAIN OFF、ON
MASTER KEY SHIFT -24 〜 +24 JUNO-Di 全体の音域を半音単位で移動
PERFORM CTRL CH (Performance Control Channel)
PATCH RX/TX CH (Patch Rx/Tx Channel)
RCV PC (Receive Program Channel)
RCV BS (Receive Bank Select)
SYSTEM CTRL SRC 1 〜 4 (System Control Source 1 〜 4)
415.3 〜 466.2 Hz
1 〜 16、OFF
1〜16
OFF、ON プログラム・ チェンジ・メッセージの受信オン/オフ
OFF、ON バンク・ セレクト・メッセージの受信オン/オフ
OFF、 CC01 〜 95、 PITCH BEND、 AFTERTOUCH
JUNO-Di 全体のチューニング(A4 キーの周波数) ON にすると、他のパッチやリズム・セットを選んだときに、現在発音中の
音を残すことができます。
また、ON のときは MIDI で受信した Volume や Pan などの情報(CC 5、7、10、65、68、71 〜 74、RPN 0、1、2、MONO ON、POLY ON)、および各コントローラーによる音質や音量の変化を引き継ぎます。
※ エフェクト 設定は、ここでの 設定に関わらず、パッチやリズム・セット
の切り替えと同時に切り替わります。したがって、Patch Remain を ON にしていても、エフェクトの設定によっては発音中の音が残らない場合 があります。
外部 MIDI 機器から MIDI メッセージ(プログラム・チェンジ/バンク・セ レクト)を送信してパフォーマンスを切り替えるときのMIDI 受信チャンネル
外部 MIDI 機器からパフォーマンスの切り替えを行わない場合は「OFF」 にします。
※ ここでの設定がパートの MIDI 受信チャンネルと重なった状態で、プログ
ラム・チェンジのみを受信すると、パフォーマンスの切り替えが優先さ れます。
パッチ・モードでのキーボード・パートの MIDI メッセージの送受信チャン ネル
システム・コントロールとして使う MIDI メッセージ
OFF:システム・コントロールを使いません。 CC01 〜 95:コントローラー 1 〜 9 5 PITCH BEND:ピッチ・ベンド AFTERTOUCH:アフタータッチ
システム・コントロール
MIDI メッセージなどに本来とは異なる働きをさせて、トーンの設定をリアルタイムに変化させる機能をマトリックス・コントロールと呼び ます(P.42)。同様に、MIDI メッセージでマルチエフェクトの設定をリアルタイムに変化させる機能をマルチエフェクト・コントロールと 呼びます(P.21)。
通常、マトリックス・コントロールはパッチごと、マルチエフェクト・コントロールはパッチ/リズム・セット/パフォーマンスごとに設 定します。
対してシステム・コントロールは、JUNO-Di 全体で共通して使えるコントローラーです。 たとえば、異なるパッチであってもマトリックス・コントロールには常に同じ MIDI メッセージを使いたいときなど、その MIDI メッセージ
を SYSTEM CTRL SRC 1 に選び、各パッチの CONTROL SOURCE には「SYS-CTRL 1」を選んでおきます。このように設定すると、 マトリックス・コントロールに使用する MIDI メッセージを変更する必要が生じた場合、SYSTEM CTRL SRC 1 の MIDIメッセージを選 びなおすだけで設定変更が完了するので便利です。
システム・コントロールは 4 つまで設定することができます。
14
SYSTEM パラメーター

SCALE TUNE ( パッチ・モードのとき )

パラメーター 設定値 説明
PATCH SCALE T UNE
JUNO-Di では、平均律以外のさまざまな音律で鍵盤 を演奏することができます。平均律に対してどのくらいピッチ をずらすかを 1 セント
(半音の 1/100)単位で設定します。
パッチ・モードでは、すべてのパッチに共通で 1 つです。パフォーマンス・モードでは、各パフォーマンスのパートごとに設定できます(P.63)。
※ 設定した音律は、外部 MIDI 機器から受信した MIDI メッセージについても有効です。
SCALE T UNE SWITCH
C〜B -64 〜 +63 パッチ・モードでのスケール・チューンを設定します。
OFF、ON 平均律以外の音律で演奏するとき、ON にします。
平均律
1 オクターブを 12 等分した音律で、西洋音楽を中心に最も広く使 われています。JUNO-Di では SCALE TUNE SWITCH を「OFF」 にすると平均律になります。
純正律(主音 C)
平均律と比べて、主要三和音がとても美しく響きます。しかし、1 つの調でしかその効果が得られず、転調すると和音が濁ります。
アラビア風音階
平均律と比べて、E、Bは 1/2 半音低く、C♯、F♯、G♯は 1/2 半 音高い音階です。G 〜 B、C 〜 E、F 〜 G♯、B♭〜 C♯、 E♭〜 F ♯の音程に中立三度(長三度と短三度の間の音程)を持って います。JUNO-Di では、G、C、F の 3 つの調でアラビア風音階を 楽しめます。
<例>
音名 平均律
C 0 0 -6 C♯ 0 -8 +45 D 0 +4 -2 E♭ 0 +16 -12 E 0 -14 -51 F 0 -2 -8 F♯ 0 -10 +43 G 0 +2 -4 G♯ 0 +14 +47 A 0 -16 0 B♭ 0 +14 -10 B 0 -12 -49
純正律(主音 C) アラビア風音階
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EFFECTS パラメーター

エフェクトをかける

各モードでのエフェクトの扱い

パッチ・モード(P.23)
パッチ・モードでは、パッチ/リズム・セットごとにマルチエフェ クト(MFX)、コーラス、リバーブを使用することができ、各トーン に同じ効果がかけられます。
それぞれのエフェクトに送る信号のレベルを変えることで、トーン ごとのエフェクトのかかり具合を変えることができます。
変更したパッチ/リズム・セットのエフェクトの設定は、他のパッ チ/リズム・セットを選ぶと失われてしまいます。変更した設定を 残しておきたいときは、[WRITE]を押して、パッチ/リズム・セッ トの設定をユーザー・パッチに保存してください(P.24、P.45)。
パフォーマンス・モード(P.57)
パフォーマンス・モードでは、パフォーマンスごとに 3 つのマルチ エフェクト(MFX1、MFX2、MFX3)とそれぞれ 1 つのコーラス、 リバーブを使用することができます。
3 つのマルチエフェクト、コーラス、リバーブは、それぞれパフォー マンスのエフェクト設定か、あるいは指定されたパートに割り当て ているパッチ/リズム・セットのエフェクト設定に従って動作しま す。
さらに 3 つのマルチエフェク トは、独立して使用するだ けでなく、 3 つのマルチエフェクトを組みあわせて使用することもできます。
変更したパフォーマンスのエフェクトの設定は、他のパフォーマン スを選ぶと失われてしまいます。変更した設定を残しておきたいと きは、[WRITE]を 押して、パフ ォーマンスの設定をユーザー・パ フォーマンスに保存してください(P.57)。
「概要」の『エフェクト』(P.12)

エフェクトの設定

ナビゲーション・ブロックで以下の各ボタンをクリックすると、メ イン・ブロックに表示される内容が切り替わり、各エフェクトの設 定を変更できます。
パフォーマンス・モードの場合:
[PERFORM EFFECTS] の下に表示される各ボタン パッチ・モードの場合:
[PATCH EFFECTS] の下に表示される各ボタン
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PATCH EFFECTS

パッチ・モードでは、マルチエフェクト(MFX)、コーラス、リバーブをそれぞれ 1 つずつ使えます。

信号の流れとパラメーター(ROUTING)

各信号の出力先やレベル、エフェクトに関する全体的な設定を行います。
パラメーター 設定値 説明
TONE SELECT
(KEY NAME)
PATCH OUTPUT ASSIGN
(RHYTHM
OUTPUT ASSIGN)
TONE OUTPUT ASSIGN
TONE OUTPUT LEVEL
TONE CHORUS SEND LEVEL
TONE REVERB SEND LEVEL
MFX (Type) 0〜79
1〜4
(A0 〜 C8)
MFX、 L+R、 L、 R、 TONE
MFX、 L+R、 L、 R
0〜127 トーンごとの、OUTPUT ASSIGN で指定した出力先へ送る信号レベル
0〜127 トーンごとのコーラスへ送る信号レベル
0〜127 トーンごとのリバーブへ送る信号レベル
MFX OUTPUT LEVEL
MFX CHORUS SEND LEVEL
MFX REVERB SEND LEVEL
CHORUS (Type)
CHORUS LEVEL 0〜127 コーラスを通した音の音量
CHORUS OUTPUT SELECT
0〜127 マルチエフェクトを通した音の音量
0〜127 マルチエフェクトを通した音に対するコーラスのかかり具合
0〜127 マルチエフェクトを通した音に対するリバーブのかかり具合
OFF、 CHORUS、 DELAY、 GM2 CHORUS
MAIN、 MAIN+REV、 REV
設定するトーン(リズム・トーン)
リズム・セットを選んでいるときは KEY NAME になります。
パッチ(リズム・セット)ごとの原音の出力のしかた
リズム・セットを選んでいるときは RHYTHM OUTPUT ASSIGN になります。 MFX:マルチエフェクトを通してステレオで出力。マルチエフェクトの後で、コーラスやリ
バーブもかけられます。
L+R:マルチエフェクトを通さずにステレオで OUTPUT ジャックに出力 L:マルチエフェクトを通さずにモノで OUTPUT L ジャックに出力 R:マルチエフェクトを通さずにモノで OUTPUT R ジャックに出力 TONE:トーンごとの設定に従って出力
トーンごとの原音の出力のしかた
MFX:マルチエフェクトを通してステレオで出力。マルチエフェクトの後で、コーラスやリ バーブもかけられます。
L+R:マルチエフェクトを通さずにステレオで OUTPUT ジャックに出力 L:マルチエフェクトを通さずにモノで OUTPUT L ジャックに出力 R:マルチエフェクトを通さずにモノで OUTPUT R ジャックに出力
※ PATCH OUTPUT ASSIGN が「TONE」のときのみ、ここでの設定が有効になります。 ※ パッチ・パラメーターの「Struct 1&2, 3&4」(P.30)に TYPE02 〜 10 のいずれかを
選んでいると、トーン 1(3)の設定は、トーン 2(4)の設定に従います(トーン 1 と 2 の出力はトーン 2 に、トーン 3 と 4 の 出力はトーン 4 にまとめられているため)。
使用するマルチエフェクトの種類(79 種類の中から選択)
各マルチエフェクトについて詳しくは、『マルチエフェクト・パラメーター(MFX1 〜 3、 MFX)』(P.64)をご覧ください。
コーラスの種類
OFF:コーラス/ディレイ未使用 CHORUS:コーラス DELAY:ディレイ GM2 CHORUS:GM2 コーラス
コーラスを通した音の出力先
MAIN:ステレオで OUTPUT ジャックに出力 MAIN+REV:ステレオで OUTPUT ジャックに、モノでリバーブに出力 REV:モノでリバーブに出力
EFFECTS パラメーター
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EFFECTS パラメーター
パラメーター 設定値 説明
OFF、 REVERB、 SRV ROOM、
REVERB (Type)
REVERB LEVEL 0〜127 リバーブを通した音の音量
SRV HALL、 SRV PLATE、 GM2 REVERB
リバーブの種類
OFF:リバーブ未使用 REVERB:基本的なリバーブ SRV ROOM:ROOM の残響をより細かくシミュレートしたリバーブ SRV HALL:HALL の残響をより細かくシミュレートしたリバーブ SRV PLATE:プレート・エコー(金属板を利用したリバーブ)のシミュレーション GM2 REVERB:GM2 リバーブ
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EFFECTS パラメーター

PERFORM EFFECTS

パフォーマンス・モードでは、3 つのマルチエフェクト(MFX1、MFX2、MFX3)と、それぞれ 1 つのコーラス、リバーブを使えます。3 つ のマルチエフェクト、コーラス、リバーブは、それぞれパフォーマンスのエフェクト設定か、指定されたパートに割り当てているパッチ/リズ ム・セットのエフェクト設定に従います。
3 つのマルチエフェクトは、それぞれ独立して使うだけでなく、3 つのマルチエフェクトを組みあわせて使うこともできます。

信号の流れとパラメーター(ROUTING)

各信号の出力先やレベル、エフェクトに関する全体的な設定を行います。
※ 以下の MFX1 〜 3 (Type)、MFX OUTPUT LEVEL、MFX CHORUS SEND LEVEL、MFX REVERB SEND LEVEL、MFX1 〜 3
SOURCE のパラメーターについては、3 系統のマルチエフェクト(MFX1 〜 MFX3)ごとに設定することができます。
パラメーター 設定値 説明
PART 1〜16 設定するパート
パートごとの原音の出力のしかた
MFX、
PART OUTPUT ASSIGN
PART OUTPUT LEVEL
PART CHORUS SEND LEVEL
PART REVERB SEND LEVEL
PART OUTPUT MFX SELECT
MFX1 〜 3 (Type) 0〜79
MFX OUTPUT LEVEL 0〜127 マルチエフェクトを通した音の音量
MFX CHORUS SEND LEVEL
MFX REVERB SEND LEVEL
CHORUS (Type)
CHORUS LEVEL 0〜127 コーラスを通した音の音量
CHORUS OUTPUT SELECT
REVERB (Type)
REVERB LEVEL 0〜127 リバーブを通した音の音量
L+R、 L、 R、 PAT
0〜127 PART OUTPUT ASSIGN で指定した出力先へ送る信号レベル
0〜127 パートごとのコーラスへ送る信号レベル
0〜127 パートごとのリバーブへ送る信号レベル
MFX1 〜 3 パートで使用するマルチエフェクト(MFX1 〜 3 の中から選択)
0〜127 マルチエフェクトを通した音に対するコーラスのかかり具合
0〜127 マルチエフェクトを通した音に対するリバーブのかかり具合
OFF、 CHORUS、 DELAY、 GM2 CHORUS
MAIN、 MAIN+REV、 REV
OFF、 REVERB、 SRV ROOM、 SRV HALL、 SRV PLATE、 GM2 REVERB
MFX:マルチエフェクトを通してステレオで出力。マルチエフェクトの後で、コーラス やリバーブもかけられます。
L+R:マルチエフェクトを通さずにステレオで OUTPUT ジャックに出力 L:マルチエフェクトを通さずにモノで OUTPUT L ジャックに出力 R:マルチエフェクトを通さずにモノで OUTPUT R ジャックに出力 PAT:パートに割り当てているパッチ/リズム・セットの設定に従って出力
使用するマルチエフェクトの種類(79 種類の中から選択)
各マルチエフェクトについて詳しくは、『マルチエフェクト・パラメーター(MFX1 〜 3、MFX)』(P.64) をご覧ください。
コーラスの種類
OFF:コーラス/ディレイ未使用 CHORUS:コーラス DELAY:ディレイ GM2 CHORUS:GM2 コーラス
コーラスを通した音の出力先
MAIN:ステレオで OUTPUT ジャックに出力 MAIN+REV:ステレオで OUTPUT ジャックに、モノでリバーブに出力 REV:モノでリバーブに出力
リバーブの種類
OFF:リバーブ未使用 REVERB:基本的なリバーブ SRV ROOM:ROOM の残響をより細かくシミュレートしたリバーブ SRV HALL:HALL の残響をより細かくシミュレートしたリバーブ SRV PLATE:プレート・エコー(金属板を利用したリバーブ)のシミュレーション GM2 REVERB:GM2 リバーブ
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EFFECTS パラメーター
パラメーター 設定値 説明
MFX STRUCTURE 1〜16 MFX1 〜 3 の組み合わせかた
MFX1 〜 3 SOURCE
CHORUS SOURCE
REVERB SOURCE
PERFORM、 1〜16
PERFORM、 1〜16
PERFORM、 1〜16
MFX SOURCE、CHORUS SOURCE、REVERB SOURCE にパート・ナンバーを設定した場合
各ソース(SOURCE)にパート・ナ ンバーを指定 して、パッチ/リズム・セットの設定を選んだ場合、その 設定がパフォ ーマンスの エ フェクト設定画面に表示され、パラメーターも変更できるようになります。
変更した設定を残しておきたいときは、パッチ/リズム・セットの設定を保存してください(P.24、P.45)。その上で、 パフォーマンス の設定を保存してください(P.57)。
パフォーマンスで使われるマルチエフェクト・パラメーターの設定
PERFORM:パフォーマンスの設定を使用 1〜16:指定したパートに割り当てているパッチ/リズム・セットの設定を使用
パフォーマンスで使われるコーラス・パラメーターの設定
PERFORM:パフォーマンスの設定を使用 1〜16
パフォーマンスで使われるリバーブ・パラメーターの設定
PERFORM:パフォーマンスの設定を使用 1〜16:指定したパートに割り当てているパッチ/リズム・セットの設定を使用
指定したパートに割り当てているパッチ/リズム・セットの設定を使用
20

マルチエフェクトの設定(MFX、MFX1 〜 3)

パラメーター 設定値 説明
ON/OFF OFF、ON
TYPE
SEND LEVEL
各 MFX タイプの パラメーター
OUT 0〜127 マルチエフェクトを通した音の音量 CHO 0〜127 マルチエフェクトを通した音に対するコーラスのかかり具合 REV 0〜127 マルチエフェクトを通した音に対するリバーブのかかり具合
00: THROUGH 〜 79: VOCODER
選んだ MFX タイプのパラメーターを設定します。『マルチエフェクト・パラメーター(MFX1 〜 3、MFX)』
(P.64)を参照してください。
マルチエフェクトのオン/オフ
※ エフェクトのオン/オフは保存できません。
マルチエフェクトのタイプを選びます。
マルチエフェクトをかけないときは「00: THROUGH」を選びます。
EFFECTS パラメーター
マルチエフェクトを MIDI でコントロールする
(CONTROL SOURCE/DESTINATION/SENS)
マルチエフェクト・コントロール
外部 MIDI 機器からマルチエフェクト音の音量やディレイの遅延時間などを変えたいとき、通常はシステム・エクスクルーシブ・メッセージと呼 ばれる JUNO-Di 特有の MIDI メッセージを送信しなければなりません。しかし、システム・エクスクルーシブ・メッセージは設定が煩雑である だけでなく、転送するデータ量が多くなってしまいます。
そこで、JUNO-Di ではマルチエフェクトのパラメーターのうち、代表的なものをコントロール・チェンジ・メッセージなどの MIDI メッセージ で変更できるようになっています。
たとえば、ピッチ・ベンド・レバーを使ってディストーションの歪み具合をかえたり、鍵盤タッチによってディレイの遅延時間を変えたりする こともできます。変更できるパラメーターは、マルチエフェクトのタイプごと にあらかじめ決 まっており、『マルチエフェクト・パラメーター
(MFX1 〜 3、MFX)』(P.64)で説明しているパラメーターのうち「#」マークが付いている項目です。
このように、MIDI メッセージを使ってマルチエフェクトのパラメーターをリアルタイムに変化させる機能を「マルチエフェクト・コントロール」 と呼びます。マルチエフェクト・コントロールは、MFX1 〜 3 それぞれに 4 つまで設定することができます。
マルチエフェクト・コントロールを使うときは、どの MIDI メッセージ(SOURCE)で、どのパラメーター(DESTINATION)を、どれくらい コントロール(SENS)するのかを設定します。
マルチエフェクト・コントロールの代わりにマトリックス・コントロール(P.42)を使って、代表的なマルチエフェクトのパラメーターを リアルタイムに変えることもできます。
パラメーター 設定値 説明
MFX コントロールを使うとき、どの MIDI 情報でパラメーターをコントロール
OFF、 CC01 〜 31、
CONTROL SOURCE (1 〜 4)
DESTINATION
(1 〜 4)
SENS(1 〜 4) -63 〜 +63
CC33 〜 95、 PITCH BEND、
AFTERTOUCH、 SYS-CTRL1 〜 4
『マルチエフェクト・パラ
メーター(MFX1 〜 3、 MFX)』(P.64)参照
するかを設定します。
OFF:MFX コントロールを使いません。 CC01 〜 31:コントローラー・ナンバー 1 〜 31 CC33 〜 95:コントローラー・ナンバー 33 〜 95
PITCH BEND:ピッチ・ベンド AFTERTOUCH:アフタータッチ SYS-CTRL1 〜 4:システムの SYSTEM CTRL SRC 1 〜 4(P.14)で
設定しているコントローラーを使います。
CONTROL SOURCE でコントロールするマルチエフェクトのパラメーターを 選びます。
選べるパラメーターの種類は、MFX (Type) で設定したマルチエフェクトの種 類によって異なります。
マルチエフェクト・コントロールの効果のかかり具合を設定します。 設定したパラメーターの値を現在の値からプラス方向(大きい値、右方向、速い
など)に変化させるときはプラスの値に、マイナス方向(小さい値、左方向、遅 いなど)に変化させるときはマイナスの値に設定します。
数値が大きいほど変化は大きくなります。
21
EFFECTS パラメーター
パッチ/リズム・セットでは、トーン/リズム・トーンごとにピッチ・ベンド、コントローラー・ナンバー 11(エクスプレッション)、コ ントローラー・ナンバー 64(ホールド 1)を受信するかどうかを決めるパラメーターがあります(P.43、P.50)。これらの設定が「ON」 になっている場合、その MIDI メッセ ージを受信すると、目的のパラメーターの設定を変えるだけでな く、ピッチ・ベンド/エクスプレッ ション/ホールド 1 の効果もかかってしまいます。マルチエフェクトのパラメーターの設定だけを変えたいときは「OFF」に設定してくだ さい。
パフォーマンスでは、MIDI チャンネルごとに特定の MIDI メッセージを受信するかどうかを決めるパラメーターがあります(P.62)。マル チエフェクト・コントロールを使うときは、使用する MIDI メッセージが受信できる状態であることを確認してください。MIDI メッセージ が受信できない状態のときは、マルチエフェクト・コントロールは動作しません。

コーラスの設定をする(CHORUS)

パラメーター 設定値 説明
ON/OFF OFF、ON
OFF、
TYPE
LEVEL 0〜127 コーラスを通した音の音量
OUTPUT SELECT
各コーラス・タイプの パラメーター
CHORUS、 DELAY、 GM2 CHORUS
MAIN、 MAIN+REV、 REV
選んだコーラス・タイプのパラメーターを設定します。
『コーラス・パラメーター』(P.91)を参照してください。
コーラスのオン/オフ
※ コーラスのオン/オフは保存できません。
コーラスの種類
OFF:コーラス/ディレイ未使用 CHORUS:コーラス DELAY:ディレイ GM2 CHORUS:GM2 コーラス
コーラスを通した音の出力先
MAIN:ステレオで OUTPUT ジャックに出力 MAIN+REV:ステレオで OUTPUT ジャックに、モノでリバーブに出力 REV:モノでリバーブに出力

リバーブの設定をする(REVERB)

パラメーター 設定値 説明
ON/OFF OFF、ON
OFF、REVERB、 SRV ROOM、
TYPE
LEVEL 0〜127 リバーブを通した音の音量
各リバーブ・タイプの パラメーター
SRV HALL、 SRV PLATE、 GM2 REVERB
選んだリバーブ・タイプのパラメーターを設定します。
『リバーブ・パラメーター』(P.92)を参照してください。
リバーブのオン/オフ
※ リバーブのオン/オフは保存できません。
リバーブの種類
OFF:リバーブ未使用 REVERB:基本的なリバーブ SRV ROOM:ROOM の残響をより細かくシミュレートしたリバーブ SRV HALL:HALL の残響をより細かくシミュレートしたリバーブ SRV PLATE:プレート・エコー(金属板を利用したリバーブ)のシミュレーション GM2 REVERB:GM2 リバーブ
22

パッチの詳細設定(PATCH パラメーター)

JUNO-Di の各設 定項目(パラメ ーター)の値を変 更する操作 をエ ディットといいます。ここでは、パッチ・エディットの操作とパッ チ・パラメーターの働きを説明します。
JUNO-Di のパッチには、プリセットとユーザーの、2 つのパッチ・ グループがあります。
PRST(プリセット)
JUNO-Di 本体に内蔵されている音色です。 GM2 に対応した 256 個のパッチを含んでいます。 現在選んでいる音色の設定を変更して、WRITE(保存)すると 501
番以降に保存することができます。
USER(ユーザー)
JUNO-Di 本体の 501 番以降の音色です。 現在選んでいる音色の設定を WRITE(保存)すると 501 番以降に
保存されます。
パッチの設定のしかた
すでに用意されているパッチをもとに新しいパッチを作ります。 パッチは 4 つまでのトーンを組み合わせて音が作られています。そ
こで、1 つずつの トーンの音を聴いて、各トーンが全体 に対してど の部分の音を受け持っているかを確かめてからエディットをしてい きます。

パッチの編集

「編集」メニューから選びます。

パッチの初期化

「初期化」は現在選んでいるパッチの設定を初期値に戻します(イニ
シャライズ)。
イニシャライズでは現在 選ん でいる パッ チのみ を初期化しま す。すべての設定を工場出荷時の値に戻したいときは JUNO-Di 本体でファクトリー・リセットを実行します。

パッチのコピー/貼り付け

「コピー」は、設定をクリップボードにコピーします。 「貼り付け」で、クリップボードにコピーした設定を、コピー先を選
んで貼り付けます。

TONE SWITCH/SELECT

TONE SWITCH(SW)1 〜 4 で 4 つのトーンのオン/オフを設定 します。 TONE SELECT 1 〜 4 でエディットするトーンを選択します。
パッチを作るときの 4 つのポイント
● イメージに近いパッチを選ぶ
新しい音を作る場合、適当なパッチを選んでやみくもに 変更しても思った音はなかなか作 るこ とがで きませ ん。 まず、自分がイメージする音に近いパッチを選ぶことが 重要です。
● どのトーンを鳴らすかを決める
パッチを作成する上で、どのトーンを使うかを決めるこ とは重要です。エディット画面で TONE SWITCH 1 〜 4 を設定して、鳴らす(オン)か、鳴らさない(オフ)か を決めます。無駄なトーンはオフにして発音数を増やさ ないことも大切です。
● ストラクチャーの設定を確認する(P.30)
STRUCTURE パラメーターは、4 つのトーンの組み合わ せを決める重要なパラメーターです。実際にトーンを変 更する前に、各トーンの関係を理解しておいてください。
● エフェクトをオフにする(P.16)
JUNO-Di には、高度な 音作りがで きるよう に多彩な エ フェクトが内蔵されています。エフェクトの効果は非常 に大きく、エフェクトをオフにするだけでまったく違っ た音になることもあります。エフェクトをオフにすれば そのパッチ本来の音が見えてくるので、設定を変更した ときの変化も確認しやすくなります。また、場合によっ てはエフェクトの設定を変えるだけでイメージする音が 作れることもあります。
[SUMMARY]、[LFO]の設定画面
メイン・ウィンドウには、現在選択されている中で最初に選択
されたトーン(ボタンが他よりも明るく点灯)の設定が表示さ れます。
コンピューターのShiftキーを押しながら TONE SELECTのボ タンをクリックすると複数のトーンを選択できます。
トーンの設定を変更すると、選択されているトーンの設定が同 時に変化します。
[WG]、[TVF]、[TVA]、[CONTROL SW]
の設定画面
コンピューターのShiftキーを押しながら TONE SELECTのボ タンをクリックすると複数のトーンを選択できます。
トーンの設定を変更すると、選択されているトーンの設定が同 時に変化します。
選択されていないトーンは、独立して設定を変更できます。
23
パッチの詳細設定(PATCH パラメーター)
オルガンのループ波形の TVAエンベロープ
鍵を離す
時間
レベル
TVAエンベロープの変化結果
キー・クリックのワン・ショット 波形のTVAエンベロープ
鍵を離す
+=
ウェーブに 記憶された
音色変化
TVFフィルターの
エンベロープ
音色変化の
結果
ループ部分
時間
レベル

ステレオ・ウェーブの設定

トーンを構成するウェーブは、ステレオの場合があります。 ステレオ・ウェーブの左側のウェーブ・ネームは「L」、右側は「R」
で終わります。 ステレオ・ウェーブの左右のウェーブ・ナンバーは連続しています。 左側のウェーブ・ナンバーに 1 を足すと、右側のウェーブ・ナンバー になります。
以下の操作で、左右どちらか一方のウェーブを選択した後、もう片 方のウェーブを呼び出すことができます。
1.
パッチを選びます。
2.
ナビゲーション・ブロックで[PATCH]の [SUMMARY] また は[WG]が選択されていることを確認します。
3.
WAVE NUMBER L で、ステレオ・ウェーブの左側のウェーブ を選びます。
4.
WAVE NUMBER R 上をダブルクリックします。
対応する右側のウェーブが選択されます。
WAVE NUMBER R で右側のウェーブを選択してから、WAVE NUMBER L 上をダブルクリックして 左側のウェーブを選択す ることもできます。
波形の設定をするときの注意
波形を設定するとき、JUNO-Di は複雑な PCM 波形を基準に音 作りをするため、元波形とまったく異なる設定をしようとする と、思ったような結果が得られないことがあります。
JUNO-Di の内蔵波形は、次の 2 つに分けることができます。
ワン・ショット:
減衰時間の短い音。ワンショット波形では、音の立ち上が りから最後までをそのままの形で記憶しています。この中 には打楽器音のようにこれ1 つで完成された波形のものも ありますが、ピアノのハンマー音や、ギターのフレット・ ノイズのような楽器のアタック部の構成音なども数多く含 まれています。
ループ:
減衰時間の長いものや持続音など。ループ波形は、音色変 化の落ち着いた段階で波形の一部分を何度も繰り返し再生
(ループ)する波形です。この中にはピアノの弦の響く音や
管の胴鳴りのような構成音も数多く含まれています。
次の図はワン・ショットとループを組み合わせた音作りの例(エ レクトリック・オルガン)です。
fig.waveform-1.eps

パッチの保存

設定の変更は一時的なもので、電源を切ったり他のパッチを選んだ りすると消えてしまいます。設定を変更したパッチを残したい場合、 本体の 501 番以降に保存されます。
メイン・ウィンドウ最上段の[WRITE]ボタンをク リックす ると、 データを JUNO-Di に書き込みます。
パフォーマンス・モードでパッチの設定を変更した場合は、パッチ を保存した後で、パフォーマンスも保存してください(P.57)。
保存操作を行うと、保存先にあったデータは上書きされます。
保存中は、絶対に電源を切らないでください。
ワン・ショット波形を設定するときの注意
ワン・ショット波形をエンベロープで変化させて元波形よ りも長い減衰に変化させたり、持続音にすることはできま せん。仮にそういったエンベロープを設定して、元波形に 含まれない成分を引き出そうとしても無効です。
ループ波形を設定するときの注意
ピアノやサックスなど、アコースティック楽器 の多くは、 音の立ち上がり部分で音色が急激に変化しており、この急 激な変化がそれぞれの楽器らしさを形成しています。これ らの波形は、立ち上がり部分では波形の複雑な音色変化を そのまま使い、減衰部分のみをエンベロープで補ってやれ ばよいでしょう。立ち上がり部分もエンベロープで変化さ せてしまうと、元波形の影響を受けて思ったように設定で きないことがあります。
fig.waveform-2.eps
24
パッチの詳細設定(PATCH パラメーター)

PATCH パラメーター

SUMMARY

SYSTEM COMMON
パラメーター 設定値 説明
MASTER LEVEL 0〜127 JUNO-Di 全体の音量
PATCH RX/TX CH (Patch Rx/Tx Channel)
PATCH COMMON
パラメーター 設定値 説明
LEVEL 0〜127 パッチの音量
MONO/POLY MONO、POLY
PORTAMENT ON OFF、ON ポルタメントのオン/オフ PORTAMENT TIME 0〜127 ピッチ変化にかかる時間
1〜16 パッチ・モードでのキーボード・パートの MIDI メッセージの送受信チャンネル
MONO:単音しか鳴りません。単音楽器(サックスやフルートなど)のパッチに使う と効果的です。 POLY:和音を鳴らせます。
LFO1
「★」マークの付いたパラメーターは、特定の MIDI メッセージで値を変化させられます。
パラメーター 設定値 説明
LFO の波形
SIN:正弦波 TRI:三角波
SIN、TRI、 SAW-UP、 SAW-DW、 SQR、RND、
WAVEFORM
RATE ★
DELAY 0〜127
DEPTH PITCH ★ -63 〜 +63 LFO がピッチ(音の高さ)にかかる深さ DEPTH TVF ★ -63 〜 +63 LFO がカットオフ周波数にかかる深さ DEPTH TVA ★ -63 〜 +63 LFO が音量にかかる深さ DEPTH PAN ★ -63 〜 +63 LFO がパン(定位)にかかる深さ
0 〜 127、 音符
SAW-UP:のこぎり波 SAW-DW:のこぎり波(負極性) SQR:矩形波 RND:ランダム波 BEND-UP:立ち上がりが基準に達するとそのまま持続する波形 BEND-DW:立ち下がりが基準に達するとそのまま持続する波形 TRP:台形波 S&H:サンプル&ホールド波(1 周期に 1 回、LFO 値を変換) CHS:カオス波 VSIN:変形した正弦波。正弦波の振幅を 1 周期に 1 回ランダムに変化させます。 STEP:LFO Step 1 〜 16 の設定で生成される波形。一定パターンのステップ変化です。
※「BEND-UP」か「BEND-DW」にするときは KEY TRIGGER(P.40)を「ON」にして
ください。「OFF」にすると効果がかかりません。
LFO の周期の速さ
LFO の周期をテンポに同期させるときは、音符で指定します。
※ WAVEFORM に「CHS」を選ぶと、この設定は無効になります。 キーを押した(離した)後、LFO の効果がかかるまでの(効果が持続する)時間
バイオリンや管楽器などの音を使って演奏する場合、音を出した直後ではな く、音の伸び きったところでビブラートをかけると効果的です。
※『LFO のかけかた』(P.40)を参考に、目的に合わせて設定してください。
(マトリックス・コントロール、P.42)
25
パッチの詳細設定(PATCH パラメーター)
WG
「★」マークの付いたパラメーターは、特定の MIDI メッセージで値を変化させられます。
パラメーター 設定値 説明
トーンの基本となる波形
WAVE NUMBER
L (Mono) / R
GAIN
TEMPO SYNC OFF、ON
FXM ON OFF、ON FXM のオン/オフ
FXM COLOR 1〜4
FXM DEPTH ★ 0〜16 FXM による周波数変調の深さ TUNE COARSE ★ -48 〜 +48 トーンの音の高さ(半音単位、± 4 オクターブ) TUNE FINE ★ -50 〜 +50 トーンの音の高さ(1 セント= 1/100 半音単位)
PITCH ENV DEPTH
(Pitch Envelope
Depth)
PITCH ENV A
(Pitch Envelope
Attack)
PITCH ENV D
(Pitch Envelope
Decay)
PITCH ENV S
(Pitch Envelope
Sustain)
PITCH ENV R
(Pitch Envelope
Release)
Off、1 〜
-6、0、 +6、+12
-12 〜 +12
0〜127
0〜127
-63 〜 +63
0〜127
モノで使用する場合、左(L)だけを指定します。ステレオの場合は右(R)も指定します。 左右ペアの波形を選ぶときは、左(L)の WAVE No. を選択した後、右(R)の WAVE No. 上でダブルクリックすると、右(R)の WAVE が呼び出されます。
波形のゲイン(振幅)
6dB(デシベル)上がるとゲインは 2 倍になります。
※ ブースターで音を歪ませるときは、最大にしておくと効果があります( P.31)。 フレーズ・ループをクロック(テンポ)に合わせるとき「ON」にします。
※ このパラメーターを「ON」にしたときは TONE DELAY TIME(P.33)を「0」にして
ください。
FXM による周波数変調のしかた
値を大きくするほどざらつきのある音に、小さくするほど金属的な音になります。
ピッチ・エンベロープの効き具合
値を大きくするほどピッチ・エンベロープによる変化が大きくなります。「-」の値にすると エンベロープの形が反転します。
ピッチ・エンベロープの時間
値を大きくするほど、次のピッチに達するまでの時間が長くなります。 ENV T1 を変化させます(P.34)。
ピッチ・エンベロープの時間
ENV T3 を変化させます(P.34)。
ピッチ・エンベロープのレベル
各ポイントでのピッチを、COARSE TUNE/FINE TUNE で設定したピッチからどれだけ 変化させるかを設定します。 ENV L3 を変化させます(P.34)。
ピッチ・エンベロープの時間
ENV T4 を変化させます(P.34)。
(マトリックス・コントロール、P.42)
TVF
パラメーター 設定値 説明
OFF、 LPF、 BPF、
TYPE
HPF、 PKG、 LPF2、 LPF3
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「★」マークの付いたパラメーターは、特定の MIDI メッセージで値を変化させられます。
(マトリックス・コントロール、P.42)
フィルターの種類
OFF:フィルター未使用 LPF:ロー・パス・フィルター。CUTOFF より上の周波数をカットして音を丸くします。 BPF:バンド・パス・フィルター。CUTOFF 付近だけを残して他をカットします。クセのある音などを
作るのに適しています。 HPF:ハイ・パス・フィルター。CUTOFF より下の周波数をカットします。高域に特長のある打楽器系 の音などを作るのに適しています。 PKG:ピーキング・フィルター。CUTOFF 付近を強調します。LFO で CUTOFF FREQUENCY を周期 的に変えるとワウ効果を得られます。 LPF2:ロー・パス・フィルター 2。CUTOFF より上の周波数をカットしますが、フィルターの感度が LPF の半分になっています。アコースティック・ピアノなどの楽器音のシミュレーションに適しています。 LPF3:ロー・パス・フィルター 3。CUTOFF より上の周波数をカットしますが、フィルターの感度が カットオフ周波数により変化します。アコースティック楽器のシミュレーションに適していますが、TVF Envelope の設定が同じでも LPF2 とは異なったニュアンスになります。
※「LPF2」、「LPF3」を選んだ場合、RES の設定は無効になります。
パラメーター 設定値 説明
CUTOFF ★ (Cutoff Frequency)
RES ★ (Resonance)
FILTER ENV DEPTH
(Filter Envelope
Depth)
FILTER ENV A
(Filter Envelope
Attack)
FILTER ENV D
(Filter Envelope
Decay)
FILTER ENV S
(Filter Envelope
Sustain)
FILTER ENV R
(Filter Envelope
Release)
0〜127 フィルターの効き始める周波数
0〜127
-63 〜 +63
0〜127
0〜127
0〜127
0〜127
パッチの詳細設定(PATCH パラメーター)
カットオフ周波数付近の音を強調して、音色にクセを付ける度合い ※ 上げ過ぎると発振して音が歪むことがあります。
TVF エンベロープの効き具合
値を大きくするほど TVF エンベロープによる変化が大きくなります。「-」の値にするとエン ベロープの形が反転します。
TVF エンベロープの時間
値を大きくするほど、次のカットオフ周波数に達するまでの時間が長くなります。 ENV T1 を変化させます(P.36)。
TVF エンベロープの時間
ENV T3 を変化させます(P.36)。
TVF エンベロープのレベル
各ポイントでのカットオフ周波数を、CUTOFF からどれだけ変化させるかを設定します。 ENV L3 を変化させます(P.36)。
TVF エンベロープの時間
ENV T4 を変化させます(P.36)。
TVA
パラメーター 設定値 説明
LEVEL ★ 0〜127
PAN ★
AMP ENV A
(Amp Envelope Attack)
AMP ENV D
(Amp Envelope Decay)
AMP ENV S
(Amp Envelope Sustain)
AMP ENV R
(Amp Envelope Release)
SEND LEVEL O UT (Output Level)
SEND LEVEL(OUTPUT ASSIGN = MFX) CHO (Chorus Send) 0〜127 トーンが MFX を通る場合の、トーンごとのコーラスへ送る信号レベル REV (Reverb Send) 0〜127 トーンが MFX を通る場合の、トーンごとのリバーブへ送る信号レベル
SEND LEVEL(OUTPUT ASSIGN = non MFX) CHO (Chorus Send) 0〜127 トーンが MFX を通らない場合の、トーンごとのコーラスへ送る信号レベル REV (Reverb Send) 0〜127 トーンが MFX を通らない場合の、トーンごとのリバーブへ送る信号レベル
L64 〜 0 〜 63R
0〜127
0〜127
0〜127
0〜127
0〜127 OUTPUT ASSIGN(P.38)で設定した出力先へ送る信号レベル
主に各トーンの音量バランスをとるときに使います。 トーンの定位(左右の位置) TVA エンベロープの時間
値を大きくするほど、次の音量に達するまでの時間が長くなります。
ENV T1 を変化させます(P.38 )。 TVA エンベロープの時間
ENV T3 を変化させます(P.38 )。 TVA エンベロープのレベル
各ポイントでの音量を、LEVEL からどれだけ変化させるかを設定します。
ENV L3 を変化させます(P.38)。 TVA エンベロープの時間
ENV T4 を変化させます(P.38 )。
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パッチの詳細設定(PATCH パラメーター)

COMMON

「★」マークの付いたパラメーターは、特定の MIDI メッセージで値を変化させられます。
パラメーター 設定値 説明
PATCH NAME パッチ名
CATEGORY
LEVEL 0〜127 パッチの音量 PAN L64 〜 0 〜 63R パッチの定位(左右の位置)
MFX、 L+R、
OUTPUT ASSIGN
OCTAVE SHIFT -3 〜 3 パッチの音の高さ(オクターブ単位) TUNE COARSE ★ -48 〜 48 パッチの音の高さ(半音単位、± 4 オクターブ) TUNE FINE -50 〜 50 パッチの音の高さ(1 セント= 1/100 半音単位)
STRETCH TUNE DEPTH
PITCH BEND RANGE UP
PITCH BEND RANGE DOWN
ストレッチ・チューニング
平均律とのピッチ差
L、 R、 TONE
OFF、1 〜 3
0〜48 ピッチ・ベンド・レバーを最も右に傾けたときのピッチ変化量(半音単位)
-48 〜 0 ピッチ・ベンド・レバーを最も左に傾けたときのピッチ変化量(半音単位)
パッチの種類(カテゴリー) ※ カテゴリーに「NO ASSIGN」 を選ぶと、JUNO-Di 本体で選べなくなります。
パッチ(リズム・セット)ごとの原音の出力のしかた
MFX:マルチエフェクトを通してステレオで出力。マルチエフェクトの後で、コー ラスやリバーブもかけられます。
L+R:マルチエフェクトを通さずにステレオで OUTPUT ジャックに出力 L:マルチエフェクトを通さずにモノで OUTPUT L ジャックに出力 R:マルチエフェクトを通さずにモノで OUTPUT R ジャックに出力 TONE:トーンごとの設定に従って出力
ストレッチ・チューニング(高音域はより高く、低音域はより低くというピアノ独特の調 律方法)
OFF:平均律 1〜3:ストレッチ・チューニングの強さ
設定値
3
2
(マトリックス・コントロール、P.42)
1
OFF
1
2
3
低音部
パラメーター 設定値 説明
CUTOFF -63〜 + 63 CUTOFF(P.27) RES
OFFSET (Modify)
(Resonance) ATTACK TIME -63 〜 + 63 TVF Envelope Time 1、TVA Envelope Time 1(P.36、P.38) RELEASE TIME -63 〜 +63 TVF Envelope Time 4、TVA Envelope Time 4(P.36、P.38) VELOCITY SENS -63 〜 +63 Cutoff Velocity Sens、Velocity Sens( P.35、P.37)
OFF
高音部
-63 〜 +63 RES(P.27)
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