Rohde&Schwarz ATS1000 Instructions Handbook

R&S®ATS1000 アンテナ・テストシステム 手順ハンドブック
1179298318 バージョン 02
オリジナル手順(以下では「本ハンドブック」と称します)。 本ハンドブックでは、以下のモデルのアンテナ・テストシステムについて記述しています。
R&S®ATS1000、バージョン 02、オーダー番号 1532.1010K02
R&S®ATS1000、バージョン 03、オーダー番号 1532.1010K03
本ハンドブックでは、アンテナ・テストシステムを「チャンバー」または「製品」と呼びます。
本製品に同梱されているソフトウェアでは、オープンソース・ソフトウェア・パッケージが複数使用されています。詳細について は、www.rohde-schwarz.com/product/ats1000 > ソフトウェアの R&S ATS1000 製品ページからダウンロードして入手できる『Open Source Acknowledgment』ドキュメントを参照してください。 ローデ・シュワルツは、オープン・ソース・コミュニティーのエンベデッドコンピューティングへの多大な貢献に対して謝意を表し ます。
© 2021 Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG Mühldorfstr. 15, 81671 München, Germany Phone: +49 89 41 29 - 0 E-mail: info@rohde-schwarz.com Internet: www.rohde-schwarz.com お断りなしに記載内容の一部を変更させていただくことがあります。 あらかじめご了承ください。 R&S® は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG. の登録商標です。
1179.2983.18 | バージョン 02 | R&S®ATS1000
本ハンドブック全体を通じて、Rohde & Schwarz 製品は、®シンボルを省いて、R&S®ATS1000 を R&S ATS1000 のように記載します。
目次R&S®ATS1000
目次
1 はじめに....................................................... 7
1.1 法規制に関する情報..........................................................7
1.1.1 CE 宣言..................................................................... 7
1.1.2 韓国検定 B 級................................................................7
1.1.3 中国 RoHS 認証...............................................................8
1.2 ドキュメントの概要..........................................................8
1.2.1 手順ハンドブック............................................................8
1.2.2 構成マニュアル..............................................................8
1.2.3 データシートおよびカタログ..................................................8
1.2.4 オープン・ソース・アクノリッジメント(OSA).................................9
1.2.5 アプリケーションノート、アプリケーションカード、ホワイトペーパーなど........9
1.2.6 ヘルプ......................................................................9
1.3 表記........................................................................9
2 安全.......................................................... 11
2.1 本来の使用目的.............................................................11
2.2 残留リスク.................................................................11
2.3 潜在的に危険な状況.........................................................13
2.4 本ハンドブックの警告メッセージ.............................................15
2.5 チャンバーに貼られているラベル.............................................15
3 緊急事態...................................................... 17
3.1 緊急停止...................................................................17
4 マシンの概要.................................................. 18
4.1 インターロックシステム.....................................................24
4.2 DUT アライメントレーザー................................................... 25
4.3 ポジショナー...............................................................26
4.3.1 サードパーティーのポジショニング機器.......................................26
5 輸送、取り扱い、保管.......................................... 29
5.1 チャンバーの移動...........................................................29
5.2 梱包.......................................................................30
5.3 輸送.......................................................................33
3手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
目次R&S®ATS1000
5.4 ストレージ.................................................................34
6 設置と試運転.................................................. 35
6.1 使用場所の選択.............................................................35
6.2 パッケージ内容の確認.......................................................36
6.3 チャンバーの設置...........................................................38
6.4 電源への接続...............................................................39
6.5 制御のための接続...........................................................39
6.6 テスト機器の接続...........................................................41
6.7 安全システムのテスト.......................................................41
7 操作.......................................................... 43
7.1 チャンバーをアクティブにする...............................................43
7.2 チャンバーを非アクティブにする.............................................43
7.3 ドアの操作.................................................................44
7.3.1 ドアのステータス...........................................................44
7.3.2 ドアのロックを参照する.....................................................45
7.3.3 ドアを開く.................................................................45
7.3.4 ドアを閉じる...............................................................46
7.4 チャンバーへの DUT の配置...................................................46
7.4.1 DUT の質量と偏心........................................................... 49
7.4.2 金属製 DUT ホルダーセット...................................................49
7.4.3 伸縮チューブ DUT ホルダー...................................................51
7.4.4 Rohacell DUT ホルダー...................................................... 52
7.4.5 PCB ホルダーセット......................................................... 53
7.5 DUT の接続................................................................. 55
7.6 ポジショニングシステムの操作...............................................56
7.6.1 仰角ポジショナーの動作調整.................................................60
7.6.2 方位角ターンテーブルの動作調整.............................................61
7.6.3 仰角と方位角の動作の同時調整...............................................62
7.7 シフト終了の準備...........................................................64
8 検査とメンテナンス............................................ 65
8.1 推奨間隔...................................................................65
8.2 定期安全検査...............................................................65
4手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
目次R&S®ATS1000
8.3 チャンバーのメンテナンス準備...............................................66
8.4 メンテナンス作業の実行.....................................................66
8.4.1 毎日の機能チェック.........................................................66
8.4.2 吸収体のチェック...........................................................67
8.4.3 清掃.......................................................................67
8.4.4 ターンテーブルの伸縮チューブの潤滑.........................................68
8.4.5 システム校正...............................................................69
9 トラブルシューティングと修理.................................. 71
9.1 チャンバーのトラブルシューティング.........................................71
9.2 ポジショナーのトラブルシューティング.......................................73
9.2.1 ポジショナーの絶対位置が失われた...........................................73
9.2.2 ポジショナーから異音がする.................................................73
9.3 カスタマーサポートへの連絡.................................................74
10 無効化と廃棄.................................................. 75
10.1 運用停止...................................................................75
10.2 処分.......................................................................76
用語集: 頻繁に使用される用語や略語の一覧...................... 77
索引.......................................................... 80
5手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
目次R&S®ATS1000
6手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
法規制に関する情報

1 はじめに

本ハンドブックは、ユーザーチャンバー)のすべての製品を対象としています。チャ ンバーを安全に使用するには、まず本ハンドブック全体を読んで理解する必要がありま す。トピックについて不明な点がある場合は、スーパーバイザーにご確認いただくか、 Rohde & Schwarz カスタマーサポートにお問い合わせください。
本ハンドブックには、ライフサイクル全体(設置、操作、メンテナンス、無効化)を通 してチャンバーを安全かつ効率的に使用するのに役立つ情報が網羅されています。作 業者がライフサイクルの一部の作業にのみ従事している場合は、そのトピックに関する 章に重点を置いてお読みください。ただし、必ず、 2,「安全」 (11 ページ)の説明を 精読し安全性に対する理解を深めた上で、作業を開始してください。
章のタイトルから、ライフサイクルのどの段階の、どの作業を説明しているかがわかり ます。例えば、オペレーターの場合、関係するほとんどの操作は 7,「操作」 (43 ページ)で説明されています。作業を実施できるのが特定の役割を持つ者に限定 される場合は、作業を説明する章の冒頭に役割名の記述があります。役割に関する説明 は用語集にあります。
はじめにR&S®ATS1000
略語および頻繁に使用される用語は、本ハンドブックの最後にある用語集で説明してい ます。

1.1 法規制に関する情報

以下のラベルと関連証明書が、法的規制への適合を宣言するために使用されます。

1.1.1 CE 宣言

欧州連合理事会の指令の該当する規定への準拠を証明します。CE 宣言(英語表記)は、 本ハンドブック印刷版の最初の部分にあります。

1.1.2 韓国検定 B 級

이 기기는 가정용(B급) 전자파 적합기기로서 주로 가정에서 사용하는 것을 목적으 로 하며, 모든 지역에서 사용할 수 있습니다.
7手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02

1.1.3 中国 RoHS 認証

危険物質に関する制限(RoHS)の中国政府による遵守を証明します。
チャンバーは、環境に配慮した材料で製作されています。法律で制限または禁止されて いる物質は含まれていません。

1.2 ドキュメントの概要

このセクションでは、R&S ATS1000 ユーザーマニュアルの概要について説明します。特 に指定されていない場合、マニュアルは次の R&S ATS1000 製品ページにあります。
www.rohde-schwarz.com/product/ats1000

1.2.1 手順ハンドブック

本ハンドブックでは、チャンバーのすべての動作モードと機能について説明していま す。また、メンテナンス、インタフェース、およびエラーメッセージに関する情報も記 載しています。
はじめにR&S®ATS1000
ドキュメントの概要
チャンバーで許可される、ハードウェア再構成に必要な特別な作業については、本ハン ドブックでは説明しません。これらに関する説明は、構成マニュアルにあります。再構 成の実行を許可されているのは、構成マニュアルを読んで理解しているエキスパートユ
ーザーだけです。他のユーザーが実行できるのは、本手順ハンドブックに記載されてい
る作業に限定されます。
本ハンドブックの印刷版は本製品に同梱されていますが、以下のウェブサイトからも入 手できます。
www.rohde-schwarz.com/manual/ats1000

1.2.2 構成マニュアル

チャンバーで許容されるハードウェアのすべての再構成と調整について説明します。
これらの作業の実施は、構成マニュアルを読んで理解し、かつチャンバーを再構成する ために必要なすべてのスキルを備えた、エキスパートユーザーに限定されます。
構成マニュアルは、グローバル Rohde & Schwarz 情報システム(GLORIS)に登録済みの ユーザーが利用できます。
gloris.rohde-schwarz.com > Support & Services > Sales Web > Test and Measurement > Wireless Communication > ATS1000 > Manuals

1.2.3 データシートおよびカタログ

データシートでは、チャンバーの技術仕様について説明しています。別売アクセサリと その注文番号のリストもあります。
8手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
はじめにR&S®ATS1000
表記
カタログには、チャンバーの概要が示され、その固有の特徴や特性が記載されていま す。
www.rohde-schwarz.com/brochure-datasheet/ats1000 を参照してください。

1.2.4 オープン・ソース・アクノリッジメント(OSA)

オープン・ソース・アクノリッジメントには、使用されているオープンソース・ソフト ウェアのライセンステキストがそのまま記載されています。
www.rohde-schwarz.com/software/ats1000 を参照してください。

1.2.5 アプリケーションノート、アプリケーションカード、ホワイトペーパー など

以下の文書には、特定のトピックに関する特殊なアプリケーションや背景情報について 記載されています。
www.rohde-schwarz.com/application/ats1000 を参照してください。

1.2.6 ヘルプ

R&S RF テストスイートに組み込まれたヘルプシステムには、R&S EMC32、R&S AMS32、お よび R&S WMS32 ソフトウェアパッケージに関する情報が表示されます。R&S AMS32 ソフ トウェアパッケージは、NCD コントローラーと通信します。ヘルプを利用するには、ヘ
ルプシステムのこの部分に移動します。

1.3 表記

本ハンドブックでは、R&S ATS1000 を「チャンバー」または「製品」と呼びます。
本ハンドブックで用いられる表記規則について説明します。
表記 説明
[Keys] コネクタ、キー、ノブの名前は角括弧で囲みます。
Filenames, commands, program code
ファイル名、コマンド、プログラムコード、スクリーン表示文字は、セ リフ(明朝体)フォントで表記します。
リンク クリック可能なリンクは、青色のフォントで表記します。
太字または
"引用" テキストまたは用語を引用する場合、それらを引用符で囲みます。
イタリック体
テキストを強調表示する際、太字またはイタリック体を使用します。
ヒント ヒントにはこの例に示すマークが付いており、ここで役立つヒントや代替方法が得られ
ます。
9手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
はじめにR&S®ATS1000
メモ メモにはこの例に示すマークが付いており、重要な追加情報が示されています。
表記
10手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
残留リスク

2 安全

Rohde & Schwarz 企業グループの製品は、最高の技術基準に従って製造されています。 本ハンドブックに記載されている指示に従ってください。製品ドキュメントを近くに
保管し、他のユーザーが閲覧できるようにしてください。
チャンバーは、本来の使用目的および性能制限内でのみ使用してください( 2.1,「本
来の使用目的」 (11 ページ)およびデータシートを参照)。チャンバーの調整および構
成変更は、必ず、製品ドキュメントの説明に従って行ってください。それ以外の変更ま たは追加は、製品の安全に影響を及ぼすおそれがあるので行わないでください。
安全のため、チャンバーの取り扱いは、トレーニングを受けた要員のみが行ってくださ い。トレーニングを受けた要員は、安全対策に精通し、割り当てられたタスクの実行中 に発生する可能性がある危険な状況を回避する方法を理解しています。
本チャンバーに損傷または破損している箇所がある場合は、使用を中止してください。 Rohde & Schwarz の認可を受けたサービス担当者のみが、本チャンバーを修理すること
ができます。Rohde & Schwarz のカスタマーサポート(www.customersupport.rohde-
schwarz.com)までお問い合わせください。
安全R&S®ATS1000
本来の使用目的......................................................... 11
残留リスク............................................................. 11
潜在的に危険な状況..................................................... 13
本ハンドブックの警告メッセージ......................................... 15
チャンバーに貼られているラベル......................................... 15

2.1 本来の使用目的

チャンバーは、産業環境、管理環境、ラボ環境での電子部品および電子機器の放射テス トに使用することを想定しています( 6.1,「使用場所の選択」 (35 ページ)を参照)。 チャンバーは、本ハンドブックの説明に従って、指定された用途にのみ使用してくださ い。データシートに記載されている動作条件と性能制限に従ってください。適切な使 用方法について不明な点があれば、Rohde & Schwarz カスタマーサポートにお問い合わ
せください。

2.2 残留リスク

本質的安全設計方策、安全防護および付加保護方策を実施しているにも関わらず、以下 の理由により、残留リスクが残ります。
チャンバーは重量がある
アクセサリを除くチャンバーの質量は、約 350 kg です。チャンバーの下敷きになると、 致命傷を負うおそれがあります。
11手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
安全R&S®ATS1000
残留リスク
チャンバーは移動可能
チャンバーの静止時には、必ず車輪をロックしてください。チャンバーは、硬くて安定 している水平な床に設置すると安全です。
床が硬くなく安定していない場合、チャンバーは傾いたり倒れたりするおそれがありま す。床が水平でなく、車輪がロックされていない場合、チャンバーは転がって移動する ことがあります。チャンバーは重量が大きいため、制御不能なまま移動し始めると急速 に加速し、ぶつかった人が致命傷を負うおそれがあります。
チャンバーのドアは重量がある
ドアが開くと、チャンバーの重心が変わります。チャンバーがしっかりと設置されてい ない場合、ドアを開くとチャンバーが倒れ、致命傷を負うおそれがあります。
ドアは、床から約 0.99 m~1.89 m 高い位置にあります。ドアが開くと、その慣性重量 と頑丈な造りのために重傷を負うおそれがあります。したがって、チャンバーから離れ
るときにドアを開いたままにしないでください。
ドアの開閉時には、細心の注意を払ってください。人(特に座っている人の頭部)にぶ つからないように注意してください。
ドアを動かしたときに指が押しつぶされるリスク
ドアがわずかに開いているとき、ドアとチャンバーの間(特にドアの蝶番近く)に指を 差し込むと危険です。ドアをさらに開くか閉じると、指が押しつぶされ、指の欠損につ ながるおそれがあります。
高いトルクでポジショナーが動く
チャンバーのドアが開いている間は、ドアのインターロックシステムにより、ポジショ ナーの動きが阻止されます。動いているポジショナーに触れると、腕や手指の切断など の重傷を負います。したがって、絶対にインターロックをオフにしたりバイパスしたり しないでください。また、チャンバーのドアを開く前に以下の安全対策を実施してくだ さい。
ドアを開く前にポジショナーを停止します。
「ポジショナーの動作を停止する手順」 (58 ページ)を参照してください。
ドアが開いている間は、ポジショナーを動かさないでください。
チャンバー内部のクラス 2 レーザー
リスクおよび安全対策については、 2.5,「チャンバーに貼られているラベル」 (15 ページ)を参照してください。
電動
リスク、設置要件、安全対策については、「電源への接続」 (14 ページ)で説明しま す。
12手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02

2.3 潜在的に危険な状況

潜在的に危険な状況は、以下の作業中に発生する可能性があります。
輸送
現地の規則および規定に適合した適切な保護服を着用してください。使用する装備が わからない場合は、安全管理者におたずねください。例えば、安全靴を履くと、つま先 がチャンバーの車輪の下敷きになって押しつぶされるのを防ぐことができます。した がって、チャンバーを移動するときは、つま先部に耐衝撃性能を備えた安全靴を必ず履 いてください。
チャンバーを移動する前に、たとえ短距離であっても、必ずドアを閉じてロックしてく ださい。チャンバーの移動中にドアがロックされていない場合、ドアが大きく揺れて開 閉する可能性があります。これにより、指が押しつぶされるおそれがあります。
チャンバーには車輪が付いているため、硬くて安定している水平な床面上で短距離の場 合は移動が可能です。輸送経路を慎重に選定します。チャンバーの重量と寸法を考慮 に入れます。少なくとも 1 人以上の要員に協力してもらい、一緒にチャンバーを移動し ます。チャンバーのリアハンドルまたは側壁の一体型部品をつかみます。
安全R&S®ATS1000
潜在的に危険な状況
チャンバーを斜面の上方または下方に移動する必要がある場合は、傾斜の勾配に応じて 要員を増員します。
長距離の場合、またはチャンバーを車輪で移動するのに床が条件に合致していない場合 は、リフトトラックやフォークリフトなどのリフト装置または輸送機器を使用してくだ さい。リフト装置をチャンバーの上面に取り付けないでください。チャンバーの上面 の開口部を密閉するキャップは、そのままにしておく必要があります。チャンバーは、 上部から吊るされた場合に自身の重量を支えるよう設計されていません。装置メーカ ー提供の取扱説明書に従ってください。
チャンバーをトラックから積み降ろしする際には、テールゲートリフトがチャンバーの 重量を支えられることを確認してください。
詳細な手順については、 5.1,「チャンバーの移動」 (29 ページ)を参照してくださ い。
セットアップ
使用場所の床は、以下の要件を満たしている必要があります。
少なくとも 500 kg/m2を支えることができる。
水平 - 平らかつ水平(最大 1°の偏移)で、チャンバーまたはドアが意図せず動く ことがない。
硬い - 少なくとも木材または産業用ラバー床、できればコンクリートまたは金属 の硬さ。床が柔らかすぎる場合、1 つまたは複数の車輪が床に沈み、チャンバーが 倒れて、致命傷を負うおそれがあります。
チャンバーのすべての側面に手が届くことを確認してください。チャンバーに対する 衝撃、振動、および機械的応力を避けてください。
チャンバーの移動が終わったら、車輪をロックして、意図しない動きを防止してくださ い。
13手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
安全R&S®ATS1000
潜在的に危険な状況
ケーブルを注意して配線し、たるんだケーブルに人がつまずかないようにしてくださ い。ケーブルを床上に配線しないでください。そうせざるをえない場合は、ブリッジを 使用して床上のケーブルを保護し、チャンバーの移動時に車輪がケーブルに直接当たら ないようにしてください。
詳細な手順については、 6,「設置と試運転」 (35 ページ)を参照してください。
電源への接続
チャンバーは、過電圧カテゴリー II 製品です。家電製品および同様の負荷などのエネ ルギー消費機器への給電に使用される固定装置に接続します。電動製品は感電事故や 火災などのリスクを伴い、致命傷を負うおそれがあることを念頭に置いてください。
安全のために、以下の対策を講じてください:
チャンバーを電源(主電源)に接続する前に、その電源の電圧および周波数レンジ がデータシートの表示と一致していることを確認します。
必ず、チャンバーに付属の電源ケーブルを使用してください。このケーブルは、国 固有の安全要件に適合しています。
感電防止用アース端子があるコンセントに、電源ケーブルのプラグを接続する必要 があります。
完全なケーブルのみを使用し、ケーブルが損傷しないよう注意して配線してくださ い。電源ケーブルを定期的にチェックし、損傷していないことを確認してくださ い。
チャンバーは、最大 20 A のヒューズ保護の電源にのみ接続してください。
電源ユニットをいつでも電源から切断できるようにしてください。電源プラグを 抜いて、チャンバーを電源から切断してください。電源プラグは、簡単に抜き差し できなければなりません。
チャンバーへの電源を直ちに遮断するには、容易に手が届く場所に非常ボタン(電 源オフスイッチ)を設置します(電源オフスイッチは付属していません)。
ドアの操作
ドアの取り扱い時のリスクについては、「チャンバーのドアは重量がある」 (12 ページ) および「ドアを動かしたときに指が押しつぶされるリスク」 (12 ページ)を参照してく ださい。
ドアはハンドルを持って開閉します。ドアのその他の部分には触れないでください。 [LOCK / UNLOCK]ボタンを押すと、自動ドアロック機構が稼働します。効果的に密閉す るために、ドアが強い力でしっかりとチャンバーに引き寄せられます。
ドアとチャンバー本体の間に指が挟まれることを防ぐために、ドアを開く際の安全規則 を定めてください。
チャンバーは、Rohde & Schwarz による構成のとおりに使用してください。安全装置に は、絶対に手を加えないでください。
詳細な手順については、 7.3,「ドアの操作」 (44 ページ)を参照してください。
14手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
メンテナンス
必要に応じてメンテナンス作業を実施して、チャンバーが継続的に正しく動作している ことを確認し、すべてのユーザーの安全を確保します。詳細な手順については、 8,「検
査とメンテナンス」 (65 ページ)を参照してください。
清掃
8.4.3,「清掃」 (67 ページ)を参照してください。

2.4 本ハンドブックの警告メッセージ

警告メッセージは、注意が必要なリスクや危険を示します。シグナルワード(危険・警 告・注意などの表記)は、安全上の危険の深刻度、および安全上の注意事項に従わなか った場合の発生の可能性を示します。
警告
安全R&S®ATS1000
チャンバーに貼られているラベル
潜在的危険がある状況。回避しない場合、死亡または重大な怪我の危険があります。
注意
潜在的危険がある状況。回避しない場合、軽度または中程度の怪我の危険があります。
注記
損傷の潜在的危険。サポートされる製品またはその他の資産の損傷につながる可能性 があります。

2.5 チャンバーに貼られているラベル

以下のマークが記されたラベルは、チャンバーの危険な場所を示します。さらに、本ハ ンドブックの各セクションにおける特定のリスクについての説明では、関連するシンボ ルのマークが欄外に示されています。マークには、以下の意味があります。
マーク 説明
潜在的な危険
怪我や製品の損傷を避けるために、製品ドキュメントをお読みください。
15手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
安全R&S®ATS1000
チャンバーに貼られているラベル
レーザービーム
チャンバーは、クラス 2 レーザーを備えています。
直接または反射されたレーザービームを見ないようにしてください。
ビームを直接見ると、眼が損傷します。
処分
チャンバーは、通常の家庭ゴミと一緒に処分しないでください。
10,「無効化と廃棄」 (75 ページ)を参照してください。
法規制に関する情報が記載されたラベルについては、 1.1,「法規制に関する情報」 (7 ページ)で説明しています。
テキストラベルについては、 4,「マシンの概要」 (18 ページ)を参照してください。
16手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02

3 緊急事態

インターロックは、ドアが開いているときにポジショナーが動くのを防止するもので、 これに不具合があると、緊急事態が生じる可能性があります。インターロックに不具合 があり、ドアが開いているときにポジショナーが動く場合は、緊急停止を使用してくだ さい。

3.1 緊急停止

チャンバーのポジショナーを直ちに停止するには、電源を遮断します。
電源を遮断する手順
1. 電源を遮断する非常ボタンを押します。
「電源接続の要件」 (39 ページ)を参照してください。
2. 非常ボタンが設置されていない場合は、以下のどちらかの手順に従います。
緊急事態R&S®ATS1000
緊急停止
電源プラグを主電源ソケットから引き抜きます。
C19 コネクタを、チャンバーの背面にある電源ユニット[A221]から引き抜きま す。
図 4-5 を参照してください。
電源の遮断には、以下のような効果があります。
動いているポジショナーが直ちに停止します。
ドアの[LOCK / UNLOCK]ボタンが消灯します。 電源が遮断される前にドアのロックが解除された場合、ボタンはすでに消灯してい ます。
ドアのロックシステムのスイッチが切られ、ドアのロックやロック解除ができなく なります。
チャンバーのアライメントレーザーへの電源が遮断されます。
接続されているテスト機器への電源は、非常ボタンによってこれらの機器もオフに なるように設定されている場合にのみ遮断されます。
チャンバーを再稼働させるには、 7.1,「チャンバーをアクティブにする」 (43 ページ) に記載されている手順に従ってください。
17手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
マシンの概要R&S®ATS1000

4 マシンの概要

この章では、チャンバーのコンポーネントについて説明します。これらのコンポーネン トの機能および用途については、 7,「操作」 (43 ページ)を参照してください。
チャンバー用のアクセサリについては、構成マニュアルを参照してください。
図 4-1: R&S ATS1000 の正面図
1 = ドア 2 = ドアハンドル 3 = ドアの[LOCK / UNLOCK]ボタン 4 = [Laser] オン/オフボタン 5 = レーザー電源ケーブルおよびコネクタ 6 = ブレーキ付きの 4 つの車輪( 5.1,「チャンバーの移動」 (29 ページ)を参照)
ドア(図 4-1 の 1)を開くと、チャンバー内部を操作できます。
18手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
マシンの概要R&S®ATS1000
ドアハンドル(2)は、ドアを手動で開閉するのに使用しますが、ドアのロックやロッ ク解除はできません。
ドアの電動ロックおよびロック解除システムは、[LOCK / UNLOCK]ボタン(3)で操作し ます。詳細については、 7.3,「ドアの操作」 (44 ページ)を参照してください。ボタ ンの緑のライトは、ドアがロックされていて、チャンバーが測定可能な状態であること を示します。
ドアを開くと、チャンバーの天井のライトが点灯し、インターロックが解除されます
図 4-2 を参照)。
[Laser]ボタン(4)を押すと、チャンバーの DUT アライメントレーザーのオンとオフが 切り替わります( 4.2,「DUT アライメントレーザー」 (25 ページ)を参照)。このボタ ンは、2 つのレーザーボックスの電源ケーブル(5)用コネクタの隣にあります(図 4-3 を参照)。
チャンバーの 4 つの車輪(6)はブレーキ付きで、つま先でブレーキをかけたり解除し たりできます。詳細については、 5.1,「チャンバーの移動」 (29 ページ)を参照して ください。
図 4-2 のようにドア(1)が開くと、チャンバー内部を操作でき、DUT を挿入して接続
することができます。エキスパートユーザーは、チャンバー内部で DUT ホルダーの構 成、ポジショナーの調整、および測定アンテナの交換を行うことができます。内部の機 能は、以下のとおりです。
図 4-2: R&S
1 = ドアロック機構を制御する上部インターロック(オス型インターロックキー) 2 = 凹状の溝にはめ込まれたツインドアガスケット 3 = アンテナ仰角ポジショナーアーム 4 = アンテナブーム 5 = アンテナ R&S TC-TA85CP(オーダー番号 1531.8627.02) 6 = ドアロックペグ 7 = ドアロックラッチ(ペグとかみ合う) 8 = ポジショナーとターンテーブルの動きを制御する下部インターロック(オス型インターロックキー) 9 = 下部インターロック(ドアの鍵穴)
ATS1000 の正面図
19手順ハンドブック 1179.2983.18 ─ 02
マシンの概要R&S®ATS1000
上部インターロック(1。図 4-6 も参照)により、ドアロック機構が制御されます。ド アが開いている間はドアをロックできません。したがって、ドアを閉じ、[LOCK / UNLOCK]ボタンを押してドアロック機構を操作します。
ツインポリマーガスケット(2)は、チャンバーとの間の RF 放射漏れを防ぐために、導 電性の高いニッケルでコーティングされています。ガスケットに触れたり、汚したりし ないでください。弾性が非常に高いため、何回もの開閉サイクルにおいて長寿命が確保 されます。ガスケットのメンテナンス間隔については、 8.1,「推奨間隔」 (65 ページ) を参照してください。
7.6,「ポジショニングシステムの操作」 (56 ページ)の説明にあるとおり、DUT 方位
角ターンテーブル(ここには表示されていない)とアンテナ仰角ポジショナーアーム
(3)は回転できます。アームの先端にあるブーム(4)は、最大 0.1 kg の負荷に耐える
よう設計されています。この中に R&S TC-TA85CP 測定アンテナ(5)が保持されます。 この繊細なアンテナは、細心の注意を払って取り扱ってください。機械力がかからない
ようにしてください。アンテナを切断したり、再接続したりしないでください。
ドアがロックされると、凹状のラッチ(7)が下方に移動して、凸状のペグ(6)とかみ 合います。
下部インターロック(8 と 9。図 4-7 も参照)により、ポジショナーの動きが制御され ます。ドアが開いている間は、ポジショナーを動かすことができません。したがって、 下部インターロックでポジショナーをオンにするには、まずドアを閉じてロックしま す。
サイドパネルとリアパネル
図 4-3: R&S
1 = テストアンテナ用 RF コネクタ[A111](「左側パネルのフィードスルー」を参照) 2 = 左側パネルのフィードスルー[A121]~[A134](「左側パネルのフィードスルー」を参照) 3 = 上面のアライメントレーザーボックス 4 = 右側面のアライメントレーザーボックス [A311] 5 = サービスパネル 6 = リアパネルの電源フィードスルー[A221](「リアパネルのフィードスルー」を参照) 7 = リアパネルのフィードスルー[A222]~[A233](「リアパネルのフィードスルー」を参照)
ATS1000 の左側面、右側面、および背面の図
フィードスルー(1、2、6、7)により、側壁を通して制御/RF 信号をアンテナまたは チャンバー内の他の機器に供給できます。サイドパネルとリアパネルのフィードスル
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マシンの概要R&S®ATS1000
ーおよび接続ケーブルは、交換しないでください。チャンバー内部のケーブルは、工場 で構成されます。したがって、フィードスルーはメーカーが取り付ける必要がありま す。フィードスルーを交換または追加する場合は、Rohde & Schwarz サービスまたは営
業所にお問い合わせください。使用できるフィードスルーの種類については、『構成マ
ニュアル』を参照してください。
エキスパートユーザーだけが、RF フィードスルーでケーブルの接続/取り外しを行う
ことができます。すべてのユーザーは、LAN、USB、D-Sub、光ファイバーフィードスル ーなどの他のフィードスルーでケーブルの接続/取り外しを行うことができます。
エキスパートユーザーだけが、レーザーボックス(3 と 4)の取り外しや取り付けを行
ったり、これを開いたり、レーザーを調整したり、レーザーを使用してポジショナーの 軸を調整したりできます。
Rohde & Schwarz サービス担当者だけがサービスパネル(5)を開くことができます。
左側パネルのフィードスルー
以下のフィードスルーは、デフォルトでチャンバーの左側パネルに取り付けられていま す。
図 4-4: チャンバーの左側パネルのフィードスルー(正面から見て左側)
左 = ツイン RF フィードスルー[A111](=最上行)、垂直偏波[VER]と水平[HOR]偏波用の測定ケーブルを接続 右 = 左下のパネルにある工場で構成可能な 8 つのフィードスルー(=中間行と最下行)
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表 4-1: 左側パネルのフィードスルー
位置 第 1 列 第 2 列 第 3 列 第 4 列
最上行 [A111]:アンテナ仰角ポジショナーアームの回転軸を通して RF テスト信号を供給する 2 つの
RF ポート用に予約済み
中間行 [A121]
標準構成:
LAN フィードスル ー
最下行 [A131]
標準構成:
ブラインドプレ ート
[A122]
標準構成:
USB フィードスル ー
[A132]
標準構成:
ブラインドプレ ート
[A123]
標準構成:
D-Sub フィードス ルー
[A133]
標準構成:
ブラインドプレー ト
[A124]:標準構成:
右:未接続
左:方位角ターンテーブルの DUT へ。フィードスルーは、選択した RF ケーブルセット(40 GHz また は 50 GHz)によって異なる
40 GHz の場合:2.92 mm RF フィードスルー
50 GHz の場合:1.85 mm RF フィードスルー
[A134]
標準構成:
ブラインドプレート
フィードスルー[A111](図 4-4 の左)は、テストアンテナの 2 本の RF ケーブル専用に 予約されています。これらのケーブルには、ポジショナーアームの回転軸を通して信号 が供給される(また、その必要がある)ため、他のフィードスルーを[A111]位置に取り 付けることはできません。
別売の RF フィルター付きフィードスルーが取り付けられていない開口部は、メタルブ ランクプレートで覆われています。
リアパネルのフィードスルー
以下のフィードスルーは、デフォルトでチャンバーのリアパネルに取り付けられていま す。
図 4-5: チャンバーのリアパネルのフィードスルー
= 内蔵の R&S TS-F230V 電源ユニット [A221] 中心 = リアフィードスルーパネルの全体図 右 = リアパネルにある工場で構成可能な 4 つのフィードスルー
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表 4-2: リアパネルのフィードスルー
位置 第 1 列 第 2 列 第 3 列
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最上行 [A221]
電源専用に予約済み
最下行 フィードスルーは使用不可[A232]:標準構成:
[A222]標準構成:ポジショナーと ターンテーブルを制御するツイ ン光ファイバーフィードスルー
ブラインドプレート
[A223]:標準構成:
ブラインドプレート
[A233]:標準構成:
ブラインドプレート
RF フィルター付き電源ユニット[A221]は、24 V DC 出力コネクタと、ガラスカバーパネ ルの奥の漏電ブレーカー(ELCB)付き自動ヒューズを備えています。漏電ブレーカーに
ついては、 9,「トラブルシューティングと修理」 (71 ページ)も参照してください。
図 4-5 で、位置[A222]にはデフォルトで光ファイバーフィードスルーが装備されてい
ます。これにより、アンテナポジショナーおよび DUT ターンテーブルを制御するため に、チャンバーの側壁を通して 2 本の FO ケーブルに信号が供給されます。
別売のフィードスルーが取り付けられていない開口部は、メタルブランクプレートで覆 われています。
右側パネルの開口部
チャンバーの右側には、外部ボックス(図 4-3 の 4)があります。このボックス[A311] には、水平アライメントレーザーが格納されています。チャンバーの側壁にあるレーザ ーの開口部を、フィードスルーの取り付けに使用することはできません。
Rohde & Schwarz サービス担当者だけがサービスパネル(図 4-3 の 5)を開くことがで きます。極端な温度条件下での DUT テスト用の R&S ATS-TEMP Climate オプションがチ ャンバーに取り付けられている場合は、加熱/冷却された空気の給気ホースと排気ホー
スが右側サービスパネル(5)に接続されています。
表 4-3: チャンバーに印字されたテキストラベル
テキストラベル 意味
[LOCK / UNLOCK] ドアのロックとロック解除を行うボタン
[Laser] レーザーのオンとオフを切り替えるボタン( 4.2,「DUT アライメントレ
ーザー」 (25 ページ)を参照)
[Axxx] 番号付きのフィードスルーパネル
[HOR] 水平アンテナ偏波用の SMA フィードスルー(SMA/SMP コネクタを参照)
[VER] 垂直アンテナ偏波用の SMA フィードスルー(SMA/SMP コネクタを参照)
[remove before operating] ポジショナーを操作する前にクランク(図 7-3)を取り外すよう指示す
る、ターンテーブルのクランクのラベル
インターロックシステム................................................. 24
DUT アライメントレーザー................................................25
ポジショナー........................................................... 26
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4.1 インターロックシステム

チャンバーには、以下の 2 つのインターロックシステムが装備されています。
上部インターロックキーを使用するドアインターロック
下部インターロックキーを使用するポジショナーインターロック
ドアロック機構とポジショナーは、インターロックによって正の信号が送信される(ド アが閉じている)場合にのみオンになります。
前提条件:チャンバーの電源ユニットが主電源に接続されている。
ドアインターロック
マシンの概要R&S®ATS1000
インターロックシステム
図 4-6: ドアロック機構用の上部インターロックキー
1 = オス型上部インターロックキー 2 = メス型上部インターロック鍵穴
ドアがまだ開いている間にドアロック機構でロック位置が想定されると、機器が損傷す るおそれがあるため、上部インターロックシステムによってこのような動作が防止され ます。
ポジショナーインターロック
図 4-7: ポジショナー用の下部インターロックキー
1 = オス型下部インターロックキー 2 = メス型下部インターロック鍵穴
ドアが開いている間にポジショナーが動くと、怪我を負うおそれがあるため、下部イン ターロックシステムによってポジショナーの動きが阻止されます。
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マシンの概要R&S®ATS1000
DUT アライメントレーザー
NCD コントローラーのこの「開いたドア」アイコンは、インターロックの状態を示しま す。
アイコンが表示されている場合は、ドアが開いていて、インターロックによってポ ジショナーの動きが阻止されていることを示します。
アイコンが表示されていない場合は、ドアが閉まっていて、インターロックによっ てポジショナーの動きが阻止されていません。
図 4-8: ポジショナーコントローラー表示のインターロックマーク
左 = ドアが開き、インターロックが稼働していて、ポジショナーが動かない 右 = ドアが閉まり、インターロックが解除されていて、ポジショナーが動くことができる

4.2 DUT アライメントレーザー

レーザーは、ドアが開いているときにのみ機能します。
フロントパネルの[Laser]ボタンを押すと、アライメントレーザーのオンとオフが切り 替わります。
図 4-9: アライメントレーザーをオンに切り替え
1 = [Laser]ボタンの場所 2 = レーザー「オフ」:ボタンは消灯していて、ラッチしていない位置にある 3 = レーザー「オフ」:ボタンは点灯していて、ラッチしている(押し下げられた)位置にある 4 = アライメントレーザーがオンになっているチャンバー内部
レーザー十字線を使用して、チャンバー内部で DUT の再現性の高いポジショニングを行 うことができます( 7.4,「チャンバーへの DUT の配置」 (46 ページ)を参照)。
エキスパートユーザーだけが、レーザーボックス(図 4-3 の 3 と 4)の取り外しや取り
付けを行ったり、これを開いたり、ポジショナーの軸を基準にしてレーザーを調整した りできます。
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