DUCATISPORTTOURING
ST3
ST3 S ABS
オーナーズマニュアル
DUCATISPORTTOURING
ST3
ST3 S ABS
1
2
Ducati モーターサイクルをお買い上げ頂き、ありがとうご
ざいました。貴方を、ドゥカティストの仲間として迎える
のは、私共にとって何よりもの喜びです。 新しい車両を日
常の足として利用されるばかりではなく、ロングツーリン
グも楽しまれることと思います。Ducati モーター・ホール
ディング社は、常にその走行が快適で楽しいものであるよ
う願っています。
私共は、アフターサービスの改善に絶えず努めています
が、その努力の一環として、お客様にこのマニュアルに記
載された正しい使用方法、特に慣らし運転の項を順守して
いただくようお願い致します。 そうすれば、Ducati モー
ターサイクルは、あなたの要求にいつでも応え、最高のラ
イディングがいつも楽しめることでしょう。
修理作業や適切なアドバイスが必要な場合は、Ducati オ
フィシャルディーラーの修理工場に是非お任せ下さい。
楽しいライディングを!
注意
Ducati モーター・ホールディング社は、本マニュア
ルの記載条項に誤りがある場合でも、これに対しいかなる
責任も負うものではありません。 ここに記載された情報
は、印刷された時点において最新のものです。 Ducati モー
ター・ホールディング社は、製品を改良、開発していくた
めに必要とされる、あらゆる変更を行う権利を保有しま
す。
あなたの安全のために、そして保証の有効性、Ducatiモー
ターサイクルの信頼性、価値を保全するために、Ducati オ
リジナルパーツのみをご使用下さい。
警告
本マニュアルは車両の一部とみなされ、車両を売却
する場合には、常に新しい所有者に渡さなければなりませ
ん。
3
目次
右側スイッチ 34
スロットルグリップ 35
フロントブレーキレバー 35
リアブレーキ・ペダル 36
ギアチェンジペダル 36
ギアチェンジペダルとリアブレーキペダルの位置調整 37
はじめに 6
保証について 6
シンボルマーク 6
安全運転のための注意 7
最大積載時の走行 8
認識データ 10
運転に必要なコマンド 11
コマンド類の位置 11
インストルメントパネル 12
LCD の主な機能 14
LCD −パラメータ−設定 / 表示 16
イモビライザーシステム 25
キー 26
コードカード 27
スロットルグリップを使用してイモビライザーエンジン
ブロック解除の手順 28
キーの複製 29
イグニッションスイッチ / ステアリングロック 30
左側スイッチ 31
ST3S ABS 32
クラッチレバー 33
4
主要構成部品 / 装備 39
車両上のポジション 39
燃料タンクキャップ 40
シートロック / ヘルメットフック 41
サイドスタンド 43
リフトハンドル 44
コンセント 44
センタースタンド 45
リアビューミラー 46
フロントフォーク調整の記録 (ST3) 47
フロントフォーク調整の記録 (ST3S ABS) 48
リアショックアブソーバー調整の記録 (ST3) 50
リアショックアブソーバー調整の記録 (ST3S ABS) 52
車高の調節 54
運転のしかた 56
慣らし運転の方法 56
走行前のチェック 58
ABS システム (ST3S ABS) 59
エンジンの始動
始動と発進 62
ブレーキング 62
ABS システム (ST3S ABS) 63
60
車両の停止 64
パーキング 64
燃料補給 65
アクセサリー 66
主な使用方法とメンテナンス 67
装飾部分の脱着 67
エアフィルターの清掃 / 交換 74
冷却液レベルのチェック 75
ブレーキ / クラッチ液量のチェック 76
ブレーキパッドの摩耗チェック 77
接続部の潤滑 78
スロットルケーブルの張力調整 79
バッテリーの充電 80
トランスミッションチェーン張力の調整 81
トランスミッションチェーンの潤滑 82
電球の交換 83
ヘッドランプの光軸調節 88
光軸の垂直方向調整 88
タイヤ 89
エンジンオイルレベルの点検 91
スパークプラグの清掃と交換 92
車両の清掃 93
長期間の不使用 94
重要注意事項 94
テクニカルデータ 95
車体寸法 95
重量 95
燃料補充 96
エンジン 97
タイミングシステム 97
性能データ 98
スパークプラグ 98
燃料供給 98
フレーム 98
ホイール 98
タイヤ 98
ブレーキ 99
トランスミッション 100
サスペンション 101
エキゾーストシステム 101
カラーバリエーション 101
エレクトリカルシステム 102
定期点検メモ 109
5
はじめに
保証について
あなた自身のため、また製品の信頼性を保証するために、
特に専門的技術が要求される整備作業は、Ducati オフィ
シャルディーラーの修理工場にお委せ頂くよう強くお薦
めします。
Ducati オフィシャルディーラーの熟練したスタッフが、ど
のような整備作業も行える適切な器材と、完璧な互換性、
円滑な作動、ロングライフを保証する Ducati オリジナル
部品のみを使用し、最善のサービスを提供致します。
全ての Ducati モーターサイクルには保証書が添付されて
います。 車両を競技やそれに類する目的に使用した場合
には保証の対象外となります。 また保証期間中に、たとえ
車両の一部でも Ducati オリジナル部品でない物と交換し
たり、改造したり、変更した場合、Ducatiモーター社の保
証は適用されません。
6
シンボルマーク
この車両についてより良い理解を深めるため、当マニュア
ルを注意深くお読み下さい。 車両について、不明な点、さ
らに詳しくお知りになりたい点がある場合には、ご購入先
のオフィシャルディーラーにお尋ね下さい。 当マニュア
ルに記載された情報は、あなたの走行に役立つことでしょ
う。Ducati モーターホールディング社は、快適で楽しい走
行を願いつつ、長期にわたってあなたの車両の性能を保つ
ようお手伝いしていきたいと思っております。 本マニュ
アルには注意事項として、下記のシンボルマークが使用さ
れています:
警告
この説明を順守しなかった場合、重度の負傷および
死亡にまで至る危険性があります。
重要
車両ならびに車両構成部品に損傷の可能性がありま
す。
注意
作業上の注意事項
文中の「右」、「左」の表記は乗車位置から見た場合の表示
です。
安全運転のための注意
警告
運転をはじめる前に読んで下さい。
多くの事故はほとんど経験不足のために起こります。 走行
する際は常に免許証を所持しているか確かめて下さい。免
許証は期限が有効でお客様の車両の運転に適したものが必
要です。
あなたの車両を未経験者、および有 効な免 許証 を持 って い
ない人に貸さないで下さい。
ライダー、パッセンジャー共に 常に 適した服装およびヘル
メットの着用は義務となっております。
視界を制限したり、操作の妨げにな るアク セサ リー など が
付いていない、適切なライディング ウエア ーを 着用 して 下
さい。
絶対に屋内ではエンジンを始動したり、 作 動さ せた りし な
いで下さい。 排気ガスは有毒で、短時間で意識を失ったり、
さらには死亡にまで至る危険性があります。
ライダー、パッセンジャー共に、車両が動いている間は足
をフットレストに載せていて下さい。
急な進路変更や、路面状況の変化に対処できるよう、 常に両
手でしっかりとハンドルバーを保持して下さい 。パッセン
ジャーはシートサイドのパッセンジャー用グラブバーを常
に両手で保持しなければなりません。
走行地域の道交法、法律を遵守して運転して下さい。
常に指示された速度制限を厳守するとともに、視界や道路
条件、混雑の割合に合わせて、常に速度を調節して下さい。
レーンチェンジする時や曲がる時には、常に適時にターン
インジケーターを使用して早めに合図して下さい。
良好な視界を保ち、前方の車両の”死角”に入って走行し
ないようにして下さい。
交差点や、私有地の出口に近い場所、駐車場、高速道路へ
の進入路等を走行する場合は充分に注意して下さい。
給油時は 常に エンジンを停止し、給油の際、エンジンやエ
キゾーストパイプにガソリンをこぼさないよう特に注意し
て下さい。
給油時は絶対に、喫煙しないで下さい。
給油の際に、人体に有毒な気化した ガソ リンを 吸い 込む 可
能性があります。 もしもガソリンが皮膚や衣服に付着した
場合は、直ちに石鹸と水で洗浄し衣服を取り替えて下さい。
車両から離れる場合は、 常に キーを抜いて下さい。
エンジン、エキゾーストパイプ、サイレンサーはエンジン
停止後も長時間高熱を保ちます。
警告
エキゾーストシステムは、エンジンスイッチを切っ
た後も熱い場合があります。手を触れないよう充分注意
し、車両を木材、木の葉などの可燃物のそばに駐車しない
ようにして下さい。
車体は人や物がぶつからないような場所にサイド / セン
タースタンドを使用して駐車して下さい。
平面でないところや柔らかい地面、および車両が倒れる可
能性がある場所には絶対に駐車しないで下さい。
7
最大積載時の走行
当車両は、許容最大重量の荷物を積載しても、長距離を安
全かつ快適に走行できるよう設計されています。
重量をバランス良く配分することは、通常の安全走行に必
要な注意事項です。凸凹道を走行したり、急な進路変更を
必要とする時のトラブルを避けるために、特に重要です。
重要
サイドバッグを搭載している場合は、120 Km/h以上
で走行しない事をお勧めします。それ以外に、タイヤの状
態、視野、路面状況が悪い場合には、更に速度を落とす必
要があります。
8
積載許容量について
ライダー、パッセンジャー、荷物、アクセサリー全ての走
行時の重量は、以下の数値を越えてはいけません:
420 Kg / 924 Ibs
積み荷は 23Kg を超えてはいけません。( 図 1) の様に振り
分けます:
サイドバックは 1 個につき最大 9 Kg
タンクバックは 5 Kg
図 1
積み荷は車体の中心に近く、できる限り低い位置に配置す
るよう努めて下さい。
積み荷は車両にしっかりと固定して下さい。積み荷が完全
に固定されていないと車両転倒の原因になります。
車両が不安定になりますので、ハンドルバーやフロント
マッドガード部に、体積や重量のあるものを載せないで下
さい。
フレームのすき間に絶対に物を挟み込まないで下さい。可
動部分の妨げになる恐れがあります。
サイドバッグを取り付ける際は (Ducati オリジナルパーツ
サービスにて取り扱っております )
荷物やアクセサリーをそれぞれの重量に基づき、サイド
バッグの重量が均一になるように心がけます。
それぞれのロックでサイドバッグを閉めます。
タイヤが、89 ページに定められた規定空気圧を保持 し、
また良いコンディションにあることを確かめて下さい。
9
認識データ
すべての Ducati モーターサイクルはフレームナンバー
( 図 2) とエンジンナンバー ( 図 3) の 2 つの製造番号で確
認できます。
フレーム N.
エンジン N.
注意
これらのナンバーはモデルを確認するのに必要で、
スペアパーツを注文する際に必要となります。
10
図 2
図 3
運転に必要なコマンド
1
警告
この章には、車両を運転する上で必要な全ての操作
類の機能と配置が詳しく説明されています。 操作類を使
用する前に、注意深く読んで下さい。
コマンド類の位置 ( 図 4)
1) インストルメントパネル
2) イグニッションスイッチ / ステアリングロック
3) 左側スイッチ
4) クラッチコントロールレバー
5) リアブレーキペダル
6) 右側スイッチ
7) スロットルツイストグリップ
8) フロントブレーキレバー
9) ギアチェンジコントロールペダル
4
8
7
3
2
9
6
5
図 4
11
インストルメントパネル ( 図 5.1 および 図 5.2)
1) LCD、 (14ページ参照 )
2) コントロールボタン A とB
インストルメントパネル上のパラメーター表示、設定ボタ
ン
3) イモビライザー IMMO インジケーター ( 琥珀色 )
キーコードが誤っている場合、もしくはキーコードが認識
されない場合、インジケーターは点灯したままになりま
す。イモビライザー・システムが出した警告を、スロット
ルグリップによるイモビライザー解除でリセットすると、
インジケーターは点滅します (28 ページ参照 )。
重要
インストルメントパネルは、エレクトロニックイン
ジェクション/イグニッションシステムの診断を許可しま
す。
このメニューの使用は専門の人に限られますので、絶対に
触らないで下さい。 誤ってこの機能に入ってしまった場
合は、キーを OFF のポジションにして、ドゥカティアシ
スタントサービスに御連絡下さい。
4) タコメーター (rpm)
一分間のエンジン回転数を表示。
12
2
3
1
km/h
miles
mph
km/L
mpgal
4
図 5.1
5) ABS ランプ ( オレンジ ) (ST3S ABS)
キーを ON (CHECK) にすると、ランプが数秒間点灯して
から消灯し、ABS が作動している事を示します。
左側スイッチで ABS システムを OFF にすると、ランプが
点滅します (32 ページ参照 )。
2
3
1
重要
ランプが点灯したまま消えない場合は、ブレーキ機
能に異常がなくても、ABS システムが作動しないことを
示します。オフィシャルディーラーまたはサービスセン
ターにご連絡下さい。ABS システムが正常に作動しない
原因として、バッテリー電圧の低下が考えられますので、
とりあえずバッテリーの充電を行う事をお勧めします。そ
の他の原因としては、システムの故障が考えられます。
km/h
miles
mph
km/L
mpgal
ABS
5
4
図 5.2
13
LCD の主な機能
警告
インストルメントパネルのコントロールは必ず車両
が停止している時に行なって下さい。 運転中にインスト
ルメントパネルの操作は絶対に行わないで下さい。
1) 水温計
エンジンの冷却液の温度を表示します。
重要
水温が最高温度に達した時は車両を使用しないで下
さい。エンジンを傷める可能性があります。
4) 補助ディスプレイ
オドメーター、トリップメーター、平均速度、瞬間燃料消
費量、平均燃料消費量、現在までの燃料消費量、走行可能
距離、燃料残量が順に表示されます。
5) EOBD ランプ ( 琥珀色 )
CPU からエラー情報を受け取った場合に点灯し、その結
果ブロックがかかりエンジンが作動しなくなります。
スロットルグリップによってイモビライザーを解除して
いる間も点灯します。
エラーが存在しない時は、イグニッションキーを ON にす
ると点灯し、数秒後に消えます ( 通常 1.8 〜 2秒後 )。
2) 時計
3) スピードメーター
車両の走行速度を表示。
14
6) ターンインジケーター表示灯 (緑 )
ターンインジケーターを ONにすると点灯してから、点滅
を始めます。
7) エンジンオイル圧警告灯 (赤 )
エンジンオイルのプレッシャーが低すぎる時に点灯しま
す。 イグニッションスイッチを ON にすると点灯し、通常
はエンジン始動後数秒で消灯します。 エンジン温度が高
い時に、場合によって数秒間点灯することがありますが、
回転数が上がると消灯します。
重要
エンジンに重度の破損をもたらす恐れがあるので、
このインジケーター (7) が点灯したままの時には車両を使
用しないで下さい。
8) ニュートラルランプ N ( 緑色 )
ギアポジションがニュートラルの時に点灯します。
9) ハイビーム表示灯 ( 青色 )
ハイビームが ON の時に点灯します。
10)燃料残量警告ランプ (黄色 )
燃料タンク内の燃料が約6.5リットルになった時に点灯し
ます。
11)燃料ディスプレイ
燃料タンク内の残量燃料が表示されます。 最後のバーが
点滅すると、低燃料レベルのランプ (10) が点灯します。
1
2
13
3
12
0
11
9
km/h
1
miles
mph
km/L
mpgal
67810
4
5
図 6
12)光軸の垂直方向調整インジケーター
光軸垂直方向調整モードを選択すると点灯します。
13)定期メンテナンス時期インジケーター
規定のメンテナンスサービスが必要な時期が来たことを
知らせます。 メンテナンスを要する走行距離を過ぎても
走行を続けると、最初の 50 Km の間このランプは点滅し、
その後点灯したままになります。 DUCATI アシスタント
サービスにてメンテナンスサービスを受けた後にリセッ
トされます。
15
LCD -パラメータ-設定 / 表示
イグニッションキーを ON にすると、インストルメントパ
ネルはすべての計器 ( ポインター、ディスプレイ、ランプ )
のチェックを行います ( 図 7参照 )。
OFF
16
km/h
1
0
miles
mph
km/L
mpgal
CHECK 1
CHECK 2
km/h
1
0
ON
図 7
水温インジケーター ( 図8)
エンジンの冷却液の温度を表示します。
温度が 40 ºC/104 ºF 以下の時はディスプレィに "LO" が点
滅表示されます。
40 ºC/104 ºF から 120 ºC/248 ºF の間では温度数値が表示
されます。
121 ºC/250 ºF から 124 ºC/255 ºF の間では "HI" が点滅表示
されます。
水温が 125 ºC /257 ºF に達すると、点線 `---` がディスプレ
イ上に点滅表示され、EOBDランプが点灯します (5、図 6)。
注意
水温センサーが接続されていない場合は、点線 `---` が
ディスプレイ上に表示され、EOBD ランプが点灯します
(5、図 6)。
図 8
17
時計の調整
ボタン (A、図 5.1) を 2 秒間押し続けると AM の文字が点
滅を始めます。 ボタン (B) を再度押すと PM の文字が点滅
を始めます。前に戻るにはボタン (B) を押してください。
ボタン (A) を押して AM/PM の確認を行うと、数字が点滅
する時間調整の画面になります。
ボタン (B) を繰り返して押して時間を合わせます。 ボタン
(B) を5 秒以上押し続けると時間数が早く進みます。 次に、
ボタン (A) を押すし時間の確認を行ってから、分の調整に
移ります。 ボタン (B) を押すと分数が進みます。 ボタン (B)
を5秒以上押し続けると時間数が早く進みます。 ボタン(A)
を押すと調整画面を終了します。
補助ディスプレイ機能 ( 図 9)
キーを ON にし、ボタン (B、図 5.1) を押し続けると次の
機能が順に表示されます:
- オドメーター
- トリップメーター (TRIP)
- 平均速度
- 瞬間燃料消費量
- 平均消費量
- 現在までの燃料消費量
- 走行可能距離
- 燃料残量
18
km
miles
km
miles
km/h
mph
km/L
m
pga
l
km/L
m
pgal
L
ga
l
km
m
iles
L
ga
l
図 9
" オドメーター " 機能 ( 図 10)
総走行距離を表示します。
" トリップメーター "(TRIP) ( 図 10)
リセット後の走行距離を表示します。 リセットするには
ボタン (A、図 5.1) を少なくとも 2 秒間押します。 数字が
9999.9 Km に達すると、ディスプレイは自動的にリセット
されます。
"平均速度"機能( 図 10)
車両の平均速度が表示されます。 トリップメーター (TRIP)
のリセット後の走行距離に基づいて計算された平均速度
が表示されます。 走行速度が 280 km/h (174 mph) に達し
た時点でディスプレイ上に "---" が表示されます。
"瞬間燃料消費量 " 機能 ( 図 10)
走行中の瞬間燃料消費量がディスプレイに表示されます。
車両を停車している状態でエンジンが作動している時は、
ディスプレイ上に "--.-"が表示されます。 エンジンを切って
停止している時は、'0.0' が表示されます。
km
miles
km
miles
km/h
mph
km/L
mpgal
図 10
19
"平均燃料消費量 " 機能 ( 図 11)
走行中の平均燃料消費量がディスプレイに表示されます。
" トリップメーター" (TRIP) が 0 の時は "--.-" が表示され、2
km を過ぎた時点で値が表示されます。 車両が停止してい
る時はエンジンの ON/OFF 状態に関らず、メモリーされ
ている最後の数字が表示されます。
"( 現在までの ) 燃料消費量 "機能 ( 図 11)
燃料消費量が表示されます。 トリップメーター (TRIP) の
リセット後の燃料消費量を表示します。 9999.9 リットル
を越えると、表示は点線 `--.-` に変ります。
20
km/L
mpgal
L
gal
図 11
"走行可能距離"機能 ( 図 12)
タンク内の燃料残量で走行できる距離を計算し、表示し
ます。 車両が停止している時はエンジンの ON/OFF 状態
に関らず、メモリーされている最後の数字が表示されて
います。 燃料警告ランプ(10、 図6) が点灯するとディスプ
レイに "--.-" が表示され、燃料警告ランプが消えるまで表
示され続けます。
注意
データの更新は 10 秒ごとに行われます。
km
miles
" デジタル燃料残量 "( 図 12)
タンク内の燃料残量を示します。 燃料警告ランプ (10、
図6)が点灯すると点線 `--.-`がディスプレイ上に表示され、
燃料ポンプのシンボルが点滅を始めます。
燃料警告ランプの点灯 :
燃料タンク内の残量が 6リットルになった事示します。
このランプが点いた時に (10、図 6) "--.-" が表示され、ガ
ソリンポンプ警告灯が点灯し始めます。 走行中の燃料残
量がディスプレイに表示されます。 車両停止の状態では、
エンジンの ON/OFF 状態に関らず、保存されている最後の
データが表示されます。
gal
L
図 12
21
光軸の垂直方向調 ( 図 13.1、図 13.2)
ヘッドランプ光軸の垂直調整ができます。 この機能モー
ドに入るには、ボタン (B、図 5.1) を押しながら、キーを
ON にします。ディスプレイ上にヘッドランプ光軸の現在
の位置 ( 図 13.2) を示す値が表示され、ディスプレイ上に
ランプが点灯します (12、図 6)。
ランプの垂直調整可能角度は 3 から -3 で、7 ポジション
に調整可能です (3、 2、 1、 0、 -1、 -2、 -3)。
22
図 13.1
下部に調整したい場合には (A、図 5.1) を押し、上部に調
節する場合は (B、図 5.1) を押します。
数字の左側にはポジションが "0" より高いか低いかを " ガ
イドライン " が示します ( 角度変更中はどの方向に変更中
かを点滅して知らせます )。
この機能を終えるにはキーを OFF にして下さい。
この機能を終える度にポジションが記録されます。
注意
この機能が作動している間は、イグニッション不可
能となります。
図 13.2
23
特別選択機能:車両・モデルと測定単位 ( 図 14)
ディスプレイに表示される車両のモデルと測定単位は、
CPU から自動的にインストルメントパネルに伝えられま
す。これを強制的に変える場合は、ボタン (A、図 5.1) と
(B、図 5.1) を同時に押してイグニッションキーを OFF か
ら ON にします。ディスプレイに車両のモデルとバージョ
ンが点滅表示されます。ボタン (B) を押すと設定可能なパ
ラメーターが順に表示されます。 保存するには、OFF が表
示されるまでボタン(A)を少なくとも5秒押してから、キー
を OFF に戻します。
注意
この機能が作動している間は、イグニッション不可
能となります。
24
図 14
インストルメントパネルのライト機能
インストルメントパネルのライト機能は、パーキングラン
プ、もしくはロー / ハイビームが ON になっている場合の
み機能します。
周囲の明るさ、気温を感知するセンサーによってインスト
ルメントパネルのライトは自動的に ON/OFF の状態に切
り換わります。
ランプ類の明るさ調整機能
パーキングランプ、もしくはロー / ハイビームが ON に
なっている場合のみ機能します。
周囲の明るさに応じてメータパネルがランプの明るさを
自動調節します。
ヘッドランプの自動消灯機能
ヘッドランプが自動的に OFF となり、バッテリーの消費
量を抑えます。
この機能は次の 2
つの場合に作動します:
- キーを OFF から ON にしても、エンジン始動が行われ
なかった時。 ヘッドランプは 60 秒後に消灯し、もう一
度点けるには、キーを OFF から ON にする必要があり
ます。
- または、ヘッドランプが点いた状態で通常使用終了後、
エンジンストップスイッチ (2、 図21) を使用してエンジ
ン停止した時。 エンジン停止 60 秒後、ヘッドランプは
自動的に消灯し、後に、エンジンを始動した時に点灯し
ます。
注意
エンジンを始動させている間はヘッドランプは消え
ています。エンジンが始動すると、もしくはボタン (3、図
21) を放すと、ヘッドランプが点きます。
イモビライザーシステム
この車両には電子制御でエンジンをブロックする盗難防
止装置 ( イモビライザー ) が搭載されています。イモビラ
イザーは、毎回エンジンを停止する度に自動的に作動しま
す。
各キーのボディにはトランスポンダーが内蔵されていま
す。トランスポンダーからの信号は、イグニッションス
イッチ部に組み込まれたアンテナを介してコントロール
ユニットに送られます。 この信号は“パスワード”の役割
を果たし、イグニッションキーがスイッチに差し込まれる
度に、毎回変更されます。CPU が “パスワード”によっ
てキーを認識した時のみエンジンが始動します。
25
キー ( 図 15)
車両には、以下のキーが付属してきます:
- 赤いキー (A)1 本
- 黒いキー (B)2 本
警告
赤いキーには、キーを最適な状態に保ち、他のキー
との接触を防ぐためゴム製のカバーが取り付けられてい
ます。 本当に必要な場合以外は絶対にこのカバーを取り
外さないで下さい。
黒いキーは、通常のイグニッションキーで下記に使用され
ます:
- エンジンの始動
- 燃料タンクキャップの開閉
- シートロック
赤いキーは黒いキーと同じ機能を持つ他、2 本の黒キーの
コードメモリー変更、削除の機能を併せ持っています。
警告
強い衝撃を与えるとキーに内蔵された電子部品を損
傷しますので注意してください。
注意
3 本のキーには、キーの認識番号の書かれたプレート
(1) が付いています。
警告
キーとプレート (1) は別にして、安全な場所に保管し
て下さい。 車両を始動するのに 2 本の黒いキーのうち、
1 本のみを使用するようにしてください。
B
A
26
1
図 15
コードカード
キーと併せて以下のコードが記載されたコードカード
( 図 16) が付属してきます。
カードには、キーオン後にエンジンブロックが作動した場
合に使用するエレクトロニックコード (A、図17) が記載さ
れています。
警告
コードカードは安全な場所に保管して下さい。 ス
ロットルグリップを使用してエンジンブロックを解除す
る (28 ページ参照 ) 場合に備えて、コードカードに記載さ
れたエレクトロニックコードを控えて、常に携帯されるこ
とをお勧めします。
イモビライザーシステムに問題がある場合、琥珀色の
EOBD ランプ (5、図 6) の点灯によって示されるエンジン
ブロック機能を解除するには、下記の手順に従ってくださ
い。
図 16
A
図 17
27
スロットルグリップを使用してイモビライザーエンジン
ブロック解除の手順
1) キーを ON にし、スロットルグリップと同時に回した
状態を保ちます。
EOBD ランプ (5、図 6) は 8 秒後に消灯します。
2)EOBD ランプが消えた時点でグリップを放します。
3)EOBD ランプはもう一度点灯し、点滅します。 この時点
でディーラーから車両引渡しの際に渡されたコードカー
ドに記されているエレクトロニックコードを入力します。
4) EOBD ランプの点滅数とコードの最初の数が一緒にな
るように数えます。 スロットルグリップを 2 秒間全開に
し、元に戻します。 一つの数字の入力がこうして認識さ
れ、EOBD ランプが 4 秒間点灯します。 最後の数値を挿入
するまでこの作業を繰り返します。
アクセルを使っても出来ない時は、EOBD ランプが 20 回
点滅し、その後ランプが点灯し、もう一度 (1) からやり直
すことになります。
5) スロットルグリップを放して下さい。もし入力された
コードが正しければ、次の過程に移ります:
A) EOBD ランプが点滅しブロック解除を知らせます。 警
告ランプは 4 秒後、もしくはエンジン回転数が 1000
rpm を越えると通常の状態 ( 消灯 ) に戻ります。
B) IMMO ランプ (3、図 5.1 および図 5.2) がエンジン回転
数が 1000 rpm を越えるまで、もしくはエンジンが再
始動するまで点滅します。
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6) もしも入力されたコード番号が違っていた場合、EOBD
ランプと IMMO ランプは点灯し続けます。キーを OFF に
戻して手順 (2) から回数制限なく、作業をやり直すことが
出来ます。
注意
定められた秒数より前にスロットルグリップを放し
た場合は、警告ランプが再び点灯します。キーを OFF に
戻し、手順 (1) に戻って作業をやり直す必要があります。
操作
イグニッションキーを ON から OFF の位置に回す度に、
イモビライザーはエンジンブロックを作動します。
エンジンの始動には、キーを OFF から ON の位置に回し
て下さい ( キー ON):
1) コードが認証されると、インストルメントパネルの
IMMO ランプが短時間点滅します。これは、イモビライ
ザーシステムがキーのコードを認証しエンジンブロック
を解除したことを意味します。 スタートボタンを押し
続けるとエンジンが始動します。
2) IMMO ランプが点灯したままの状態が続いた場合は、
コードが認証されていないことを示します。 キーをOFFの
位置に戻して、再度 ON の位置に回します。それでもエン
ジンが始動しない場合は、付属のもう一本の黒いキーを使
い、もう一度試して下さい。 もしこの方法でもまだブロッ
クが解除されない場合は、DUCATI アシスタントサービス
に御連絡下さい。
3) IMMO ランプが点滅し続けている場合は、イモビライ
ザーシステムがリセットされたことを ( 例えば、スロット
ルグリップを使用しての解除作業 ) 意味します。
重要
作業中は常に同じキーのみをを使用してください。
違うキーを使用すると、システムのコード認証の妨げにな
る場合があります。
キーの複製
追加のキーを必要とされる場合、お手元の全てのキーと
コードカードを持って、ドゥカティ・アシスタントサービ
スにお問い合わせ下さい。
DUCATI アシスタントサービスは、新しいキーとお手元の
キー全てを ( 最高 8 本まで ) 再メモリーします。
DUCATI アシスタントサービスは、お客様がオーナーであ
る証明の提示を求める事がありますので、必要書類をご持
参下さい。
再メモリーされなかったキーのメモリーは削除され、無効
となり、エンジンを始動することはできません。
注意
オーナー変更の場合、全てのキーとコードカードを
新しいオーナーに譲り渡されなければなりません。
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