Dell PowerVault 715N User Manual [ja]

Dell™ PowerVault™ 715N
システム
インストール & トラブルシューティング
はじめに LED インジケータ、メッセージ、ビープ信号 システム診断プログラムの実行 システムのトラブルシューティング システム基板オプションの取り付け ハードドライブの取り付け 困ったときは 略語と頭字語
メモ、注意、危険
メモ: 「メモ」は、コンピュータを操作するうえでの重要な情報です。
注意: 「注意」は、ハードウェア破損またはデータ損失のおそれがあることを示します。また、その問題を回避するための方法も示
します。
警告: 「危険」は、死の危険、人的傷害、または機器の損傷のおそれがあることを示します。
このマニュアルの内容は予告なく変更されることがあります。
© 2001 Dell Computer Corporation. All rights reserved.
Dell Computer Corporation からの書面による許可なしには、いかなる方法においてもこのマニュアルの複写、転載を禁じます。 このマニュアルに使用されている商標について。DellDELL のロゴ、PowerVaultLatitudeDimensionInspiron, DellNetPrecision、および OptiPlex
Dell Computer Corporation の商標です。Microsoft および Windows は Microsoft Corporation の登録商標です。 このマニュアルでは上記以外の商標や会社名が使用されている場合があります。これらの商標や会社名は、一切 Dell Computer Corporation に所属するものではあ
りません。 2001 9 P/N 7H789 Rev. A00
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はじめに
Dell™ PowerVault™ 715N システム インストール & トラブルシューティング
その他のマニュアル 困ったときは
Dell™ PowerVault™ 715N ネットワーク接続型ストレージ (NAS) アプライアンスを用いると、作業グループ、小規模オフィス、中小企
業の各ネットワークに簡単にストレージが追加でき、サーバにかかるファイル管理の負担が軽くなります。この NAS アプライアンスはい わゆる「ヘッドレス」なデバイスです。すなわちどのブラウザからでも管理ができます。汎用サーバのデータセキュリティ機能がいろいろ 用意されています。
以下の機能・特長があるため、トラブルシューティングや修理が簡単かつ効果的に行えます。
温度モニタ (温度が規定値を超えたら本機をシャットダウンする) システム診断プログラム (ハードウェア障害の有無を調べる) PowerVault NAS Manager (ブラウザから操作して本機の監視・管理を行う) システム基板と一体化されたシャーシ (各種コンポーネントの交換が容易) Microsoft® Windows® Powered オペレーティングシステムヘルプ (ターミナルサービスを介して利用)
次のシステムアップグレードオプションが用意されています。
増設メモリ オプションの PCI 拡張カード
その他のマニュアル
本書『インストール & トラブルシューティング』にも次のマニュアルが本機に付属しています。
『ユーザーズガイド』。諸機能、仕様、セットアップユーティリティについて述べます。 『System Administrator's Guide』。システム操作と管理情報とについて述べます。 PowerVault NAS Manager のオンラインヘルプ 『System Information』。安全性、規制、保証に関する重要な情報が載っています。 『Rack Installation Guide』。ラックの開梱方法、ラックの組み立て方法、ラックに本機を据え付ける方法について述べます。
以下のようなマニュアルもあります。
メモ: 本機またはソフトウェアの変更について説明したマニュアルアップデートが同梱されていることがあります。必ず、ほかのマ
ニュアルより「先に」このアップデートをお読みください。ほかのマニュアルの内容よりも新しい情報が含まれていることがよくあ ります。
本機とは別に購入した各種オプションのマニュアル。各種オプションの設定と取り付けとに必要な情報が収録されています。 技術情報ファイル (「readme」とも呼ばれます)。本機のハードドライブには、マニュアルの印刷後にシステムに追加された変更
や、技術者および専門知識をお持ちのユーザーを対象とする、テクニカルリファレンスが記載された readme ファイルがインス トールされていることがあります。
困ったときは
このマニュアルで述べている手順のわからないときや、本機が思いどおりに動かないときのために、Dell では各種のヘルプツールを提供し
ています。このヘルプツールについて詳しくは「困ったときは」をご覧ください。
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LED インジケータ、メッセージ、ビープ信号
Dell™ PowerVault™ 715N システム インストール & トラブルシューティング
ベゼルインジケータ システムメッセージ システムビープ信号
本機では障害を見つけてユーザーに知らせることができます。障害が発生したときは、コンソールリダイレクションの使用中ならメッセー ジが画面に表示されることがあります。ビープ信号が鳴ることもあります。
正しく作動していないときは次のような方法で通知されます。
システムメッセージ
システムビープ信号
警告メッセージ
アラートメッセージ
診断メッセージ 発光ダイオード (LED) インジケータ (システム用とハードドライブ用)
各システムインジケータについては 列挙します。メッセージの種類を知るには以降の各節を読んでください。
メモ: メッセージを表示するときは管理ポート (COM1) でコンソールリダイレクション機能を使うことができます。コンソールリ
ダイレクションについて詳しくは『System Administrator's Guide』を参照してください。
2-1 に示しました。本章では、各メッセージの種類について述べ、その原因と解決方法とについても
ベゼルインジケータ
正しい場所に取り付けられたベゼルには 2 種類のインジケータがあります (図2-1 を参照)。ベゼルの下側に並んでいるインジケータには ハードドライブのステータスが表示され、電源ボタンの近くのインジケータには本機のステータスが表示されます。
2-1. ベゼルインジケータ
電源 LED
緑色は正常動作です。
警告 LED
発光パターンや色によらずすべてシステムエラーです。システムエラーについて詳しくは「システムメッセージ」と「システムビー
プ信号」とを参照してください。
消えていれば正常動作です。
LAN 1 LED
緑色なら、LAN 1 ポート経由でネットワークに接続しています。
点滅する緑色なら、ネットワーク上の各種デバイスを相手に活動しています。 消えている場合は、ネットワークから切断されているか、LAN 1 ポートが正常に作動していないかのいずれかです。
LAN 2 LED
緑色なら、LAN 2 ポート経由でネットワークに接続しています。
点滅する緑色なら、ネットワーク上の各種デバイスを相手に活動しています。 消えている場合は、ネットワークから切断されているか、LAN 2 ポートが正常に作動していないかのいずれかです。
ハードドライブ LED
ハードドライブ 1 台につき LED 2 個付いています。この LED は、本機の前面にベゼルを取り付けたとき最も見やすくなります。この LED を見ると、ハードドライブごとに次の情報を知ることができます。
左側の LED が緑色のときは、ハードドライブがドライブベイに取り付けられていて、かつ正常に作動しています。この LED が橙 色のときは、ハードドライブはドライブベイに取り付けられていますが、正常には作動していません。
右側の LED が橙色で点滅しているときはハードドライブにアクセスしている最中です。
システムメッセージ
システムメッセージとは、オペレーティングシステムの障害またはソフトウェアとハードウェア間の競合に対する注意を喚起するためのも のです。
システムメッセージを表示するときは次の手順を実行してください。
111 本機にクライアントシステムを 1 台接続してから BIOS セットアップユーティリティを起動します。
BIOS セットアップユーティリティの起動方法については『ユーザーズガイド』を参照してください。
111 Advanced CMOS Setup を選択します。 111 View DMI Event を選択し、<Enter> を押します。
2-1 に、各種システムエラーメッセージとその考えられる原因を列挙しました。
2-1. システムメッセージ
メッセージ 原因 対応処置
HDD Controller Failure
CMOS Battery Low
CMOS Checksum Bad
CMOS Time and Date Not Set
Pri Master HDD error
Sec Master HDD error
Cache Memory Error
BIOS がハードドライブ コントローラと通信でき ません。
システムバッテリの残量 不足、またはバッテリに 障害が発生しています。
チェックサム値 (CMOS RAM の設定値) が現在 の値と異なります。
BIOS に日時の値が設定 されていません。
プライマリハードドライ ブが応答しません。
セカンダリハードドライ ブが応答しません。
キャッシュメモリに欠陥 があります。
当該ハードドライブとの接続を確認してください。
システムバッテリを交換してください。「システム基板オプションの取り付け」の「システム
バッテリの交換」を参照してください。問題が解決しない場合はシステム基板を交換してくだ
さい。テクニカルサポートの受け方については「困ったときは」を参照してください。 BIOS セットアップユーティリティで、最適設定が自動的に読み込まれるよう設定してくださ
い。この設定の変更方法については『ユーザーズガイド』の「Using the BIOS Setup
Utility」を参照してください。 BIOS セットアップユーティリティを使って日付と時刻を設定してください。この設定の変更
方法については『ユーザーズガイド』の「Using the BIOS Setup Utility」を参照してくださ い。
当該プライマリハードドライブを交換してください。「ハードドライブの取り付け てください。それでも問題が解決しない場合は、テクニカルサポートの受け方について述べた 「困ったときは」を参照してください。
当該セカンダリハードドライブを交換してください。「ハードドライブの取り付け てください。それでも問題の解決しない場合は、テクニカルサポートの受け方について述べた 「困ったときは」を参照してください。
BIOS セットアップユーティリティで、当該キャッシュを無効にしてください。この設定の変 更方法については『ユーザーズガイド』の「Using the BIOS Setup Utility」を参照してくだ さい。
」を参照し
」を参照し
システムビープ信号
起動ルーチンの実行中に、コンソールリダイレクション画面に表示できないエラーが発生したときは、ビープ音が連続して鳴ります。この
ビープ音のパターンから障害の種類を知ることができます。たとえばビープ音が 5 回鳴ったときはプロセッサがらみの障害です。テクニカ ルサポートを受けなければならない場合は、これが Dell サポートスタッフにとって貴重な情報となります。
ビープ信号が鳴ったら、それを記録し、2-2 で調べてください。ビープ信号の意味を調べても問題を解決できない場合は、システム診断 プログラムを実行して、さらに詳しい原因を突き止めてください。それでも問題を解決できない場合は、テクニカルサポートの受け方につ いて述べた「困ったときは」を参照してください。
2-2. システムビープ信号
ビープ 原因 対応処置
1
2
5 7
10
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システム基板のメ モリリフレッシュ 回路に障害が発生 しています。
ベース 64 KB メ モリの障害
プロセッサエラー マイクロプロセッサを外してから装着し直してください。「システム基板オプションの取り付け
プロセッサ例外割 り込みエラー
ROM チェックサ ムエラー
システム基板を交換してください。テクニカルサポートの受け方については「困ったときは てください。
メモリモジュールのいくつかを交換してください。メモリモジュールの交換方法については「システム
基板オプションの取り付け」の「メモリの追加」を参照してください。
マイクロプロセッサの交換」を参照してください。問題が解決しない場合はマイクロプロセッサを交 換してください。それでも問題が解決しない場合は、テクニカルサポートの受け方について述べた 「困ったときは」を参照してください。
ROM のチェックサム値が、BIOS 内でエンコードされた値に一致していません。Dell テクニカルサ ポートにお問い合わせください。テクニカルサポートの受け方については「困ったときは ください。
」を参照し
」を参照して
」の
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システム診断プログラムの実行
Dell™ PowerVault™ 715N システム インストール & トラブルシューティング
システム診断プログラムの使い方 診断テストの種類 テストの選択と実行 テスト結果の出力 LED インジケータ
本機の BIOS ROM は、診断プログラムを内蔵していて、それを実行することができます。どれかコンポーネントを選んでさまざまなテス トを課すこともできますし、各種のバッチを作成することもできます。基本的なテストモードには次のものがあります。
User Interactive テストでは、指定のコンポーネントに生じている障害が検出されます。メニューバーから単独テストをどれか 選び、必要ないくつかのパラメータを指定すれば実行できます。
Non-Interactive Batch モードでは、いくつか選んだテストが 1 つのバッチとして実行されます。ユーザの操作は必要ありま せん。このテストに必要ないくつかのパラメータを定義するには、Options メニューをハイライト表示してから <Enter> を押し ます。Test Parameter をハイライト表示し、<Enter> を押して必要なパラメータを入力します。1 回だけ実行、数回実行、一 定期間に限って実行、連続実行のいずれかが選べます。
Interactive Batch モードでは、バッチテストの実行中にユーザーの操作が多少必要です。たとえばスピーカのテストでは、正常 に鳴っているかどうかはユーザーが判断しなければなりません。
Interactive テストのパラメータを Yes に設定すると、上記で説明した Non-Interactive Batch テストモードが Interactive Batch モードになります。このモードでは、バッチテスト中にユーザーの操作が必要になります。
Quick Batch Test モードでは、システムコンポーネントのすべてが正しく作動していることを確かめるクイックシステムチェッ
クが実行されます。ハードドライブのテストなど、時間のかかるいくつかのテストは省略されます。
システム診断プログラムの使い方
システム診断プログラムを実行するときは次の手順を実行してください。
111 1 本のシリアルケーブルで本機にクライアントシステムを接続します。 111 そのクライアントシステムをオンにし、ハイパーターミナル接続を 1 本確立します。
111 スタートボタンをクリックして、プログラム->アクセサリの順にポイントします。
->通信->ハイパーターミナルをポイントします。
111 Bits per second115200 を、Data Bits8 を、ParityNone を、Stop Bits1 を選択し、Flow コント
ロールに Xon¥Xoff を選択します。
111 本機を再起動します。 111 次のメッセージが表示されたらすぐに <F2> を押します。
<F2> を押して、Function Select Menu に入ります。
メモ: Microsoft® Windows® 2000 Service Pack 2 以前を使用しているとこのファンクションキーは働きません。そ
の場合は、<Esc><2> と押します。
間があきすぎてオペレーティングシステムが起動処理を始めてしまった場合は、その起動処理を最後まで実行し終えてから、本機を シャットダウンし、もう一度試してみてください。
111 メニューが表示されたら <4> を押してシステム診断プログラムを実行します。 111 診断プログラムの実行を確認するメッセージが表示されたら、<Y> を押してから <Enter> を押します。
メモ: システム診断プログラムは POST (電源投入時のセルフテスト) が終わるまで起動しません。
システム診断プログラムの操作
3-1 に、各画面での情報の表示・変更やプログラムの終了に使ういくつかの基本的なキーを列挙しました。各画面の操作に使うキーは、
コンソールリダイレクションのクライアントシステムにインストールされているオペレーティングシステムのバージョンによって異なりま す。
ANSI の制限のため、すべてのキーでコンソールリダイレクションが使用できるわけではありません。3-2 に、クライアントシステム上 で Windows のバージョンを使用する場合のキー操作の組み合わせを示します。
3-1. 診断プログラムの操作キー
キー 対処法
<Shift> ま たは <Tab>
上矢印 前のフィールドに移動します。
スペース バー
<Enter> <Esc>
次のフィールドに移動します。
メニューのオプションを選択または選択解除します。選択済みのオプションにはアスタリスクが 1 個付きます。
テストを開始またはサブメニューを表示します。 現在の操作を取り消すか前のメニューに戻ります。メインメニューで <Esc> を押すと、システム診断プログラムが終了
し、本機が再起動します。 オプションのほとんどは、加えた変更については記録はされますが、本機を再起動するまでその変更は有効にはなりませ ん。ヘルプを見るとわかるとおり、変更した内容がすぐ有効になるオプションもいくつかあります。
3-2. コンソールリダイレクション用のキー
キーボード上の通常のキーService Pack 2 より前の Windows 2000 で
使うキー
Home <Esc><h> <Esc><h> End <Esc><k> <Esc><k> Insert <Esc><+> <Esc><+> Delete <Esc><-> <Esc><-> Page Up <Esc><?> <Page Up>
その他すべての Windows オペレーティングシステム
で使うキー
Page Down <Esc></> <Page Down> F1 <Esc><1> <F1> F2 <Esc><2> <F2> F3 <Esc><3> <F3> F4 <Esc><4> <F4> F5 <Esc><5> <Esc><5> F6 <Esc><6> <Esc><6> F7 <Esc><7> <Esc><7> F8 <Esc><8> <Esc><8> F9 <Esc><9> <Esc><9> F10 <Esc><0> <Esc><0> F11 <Esc><!> <Esc><!> F12 <Esc><@> <Esc><@>
上矢印
右矢印
<Esc><w> <Esc><a>
上矢印
右矢印
左矢印
<Esc><d>
左矢印
下矢印
<Ctrl><Alt><Delete> <Esc><Shift><r> <Esc><r>
<Esc><x>
<Esc><Shift><r>
または
<Esc><Shift><b>
下矢印
<Esc><Shift><r> <Esc><r> <Esc><Shift><r>
または
<Esc><Shift><b>
診断テストの種類
診断テストの種類は、以下のカテゴリに分かれます。CPU、メモリ、システム基板、IDE ハードドライブ、ネットワークコントローラで す。
CPU
CPU テストを行うときは System メニューの Processor Tests を選択してください。CPU が正しく働いているかどうかが確認できま す。プロセッサテストには次のものがあります。
Basic Functionality - どのアドレス指定モードでも CPU が正しく能率的に作動していることを確認します。このテストは 16 ビットリアルモードで実行されます。
Speed CPU のクロック速度を測って表示します。プロセッサ速度の期待値と CPU クロック速度の実際値とが表示されま す。CPU の速度は、一定時間内での CPU のクロックサイクル数を数えることによって求めます。
Protected Mode - プロテクトモードに切り替わってもプロテクトモードの各種命令が最新のオペレーティングシステムで正し く実行されることを確認します。
Coprocessor - 数値演算コプロセッサの機能性を確認します。このテストは、制御/ステータスワードを読み込んで保存し、CPU と数値演算コプロセッサ間でのデータ転送を確認し、そのデータ転送の進行中に例外チェックのテストを行うというものです。
メモリ
メモリテストでは、装着されている DRAM システムメモリの全領域に最大 2 GB まで書き込みが行われます。またシステムメモリのサイ ズも表示されます。システム診断プログラムでは、欠陥のあるメモリモジュールが特定され、その欠陥メモリチップの所在を示すメッセー ジが表示されます。
メモリテストには次のものがあります。
BIOS ROM Test BIOS ROM のデータパスの調査と、BIOS ROM に書き込み禁止のかかっていることの確認を行います。 Parity Test システムメモリ全体におけるパリティエラーを見つけます。DRAM システムメモリのハードウェア障害によるデー
タ破壊を発見するにはこのテストが最適です。このテストでは DRAM 内のパリティエラー検出回路が診断されます。 Pattern Tests - メモリに何種類かのテストパターンを連続して書き込んでから、その各種テストパターンを読み取り、書き込
んだパターンと読み取ったパターンとを比較するいくつかのテストルーチンから成るテストです。このメモリ読み取り命令とメモリ 書き込み命令とによって DRAM 全体がテストされます。次に挙げる各テストは、このパターンテストのサブテストです。
Extended Pattern Test は、メモリにデータを書き込んでから、そのデータを読み取り、両者を比較する次の 2 つのテ ストルーチンから成るテストです。
Walking 1's Test は、Walking 1's Left Test ルーチンと Walking 1's Right Test ルーチンとを使って、データライン のショート箇所と、1 に固まったまま変化しないデータビットとを見つけます。
Walking 0's Test は、流動的なパターンをメモリに書き込んでメモリエラーを見つけます。このテストでは、Walking 0's Left Test および Walking 0's Right Test という 2 つのテストルーチンを使って、オープンになっているデータライン
を見つけます。
Random Memory Test - 任意に選択された DRAM システムメモリロケーションに任意のビットパターンを書き込んで から同じメモリロケーションを読み取り、書き込んだのと同じビットパターンがないかどうかを調べます。
Address Test アドレスライン上にショート回路やオープン回路がないかどうかを調べます。
Refresh Test DRAM システムメモリのリフレッシュ間隔を調べます。
Data Bus Test データバスが正しく働いていることを確認します。 External Cache Memory Test 外部キャッシュメモリを見つけてテストを行ってから、そのキャッシュメモリサイズ
の範囲内でランダムパターンテストを 1 回実行してキャッシュメモリの障害を検出します。 Quick Memory Test - 装着されているメモリ全体にアクセスできることを短時間で確認します。
システム基板
DMA Controller Register Tests DMA コントローラ 1 および 2 の各メモリアドレスレジスタと各ページレジスタとを対象 に読み取りテストと書き込みテストとを何回か連続して行います。
Interrupt Controller Test - いくつかの割り込みマスクレジスタを対象に読み取りテストと書き込みテストとを何回か連続し て実行し、すべての割り込みからマスクを外したあとに、処理の対象から外れた割り込みがないかどうかを調べます。
Timer Test - リアルタイムクロック (RTC) の定期割り込みを基準にして正確に測定をすることによりタイマカウントの精度を 確認します。
Real Time Clock Test - タイマ 0 の割り込みを基準にして正確に測定をすることにより、リアルタイムクロックの割り込みが 定期的に行われていることを確認します。
CMOS Memory Validity Test CMOS RAM に格納されているデータの有効性を調べ、その CMOS RAM のチェックサム が」正しいことを確認します。また、バッテリが良好な状態にあることも確認されます。
SMBus Test - システム管理バス (SMBus) が正常に動作していることを確認します。このテストは SMBus 汎用テストと SMB アクセステストから成ります。
Hardware Monitoring Tests - 以下の各項目の値を読み取り、その値が指定範囲内にあるかどうかを確認します。このテスト では以下の測定値の確認が行われます。
システム電圧 (2.0 V2.5 V1.5 V のいずれかと、5 V および 12 V)
システムファンの速度 CPU の温度
IDE ハードドライブ
Write Test 選択した IDE ハードドライブに正しくデータが書き込めることを確認します。このテストでは、当該 IDE ハード
ドライブに何らかのデータパターンを書き込み、その書き込んだデータを読み取ります。これは破壊テストの一種です。このテスト を実行すると、テストされた IDE ハードドライブのデータはすべて破壊されます。初期状態では、この破壊テストはメニューに表 示されていません。Toggle Hidden Test Display を選択するとメニューにこのテスト (Write Test) が表示されます。もう一 度 Toggle Hidden Test Display を選択すると非表示になります。
注意: IDE ハードドライブのテストは、破壊および隠しテストです。このテストを実行すると、テストされたハードドライブのデー
タはすべて消えます。
Read Test IDE ハードドライブの指定部分を対象にして順次読み取り操作と無作為読み取り操作とを実行します。 Verify Test IDE ドライブの指定部分を対象にして順次読み取り/検証操作と無作為読み取り/検証操作を実行します。 Seek Test シリンダとヘッド領域とを指定して、そのシリンダとヘッド領域でのハードドライブヘッドの移動能力を調べます。
このテストは順次シークテストと無作為シークテストとから成ります。 Quick Test - 選択した IDE ハードドライブに完全にアクセスできることを確認します。このテストでは、いくつかのセクタから
成るブロックを、ハードドライブの前部、中央部、後部のそれぞれから少しずつ読み取ります。
ネットワークコントローラ
CSR Access Test I/O およびメモリ経由で i8255x 制御/ステータスレジスタにアクセスできることを確認します。
Walking Bits Test 有効な I/O レジスタすべてを対象に Walking 1's Test を実行します。 Self Test i8255x マイクロマシン、内蔵レジスタ、内蔵 ROM のそれぞれの機能性を確認します。 IRQ Test 割り込みが i8255x に割り当てられたことを確認してから、コントローラに IRQ を強制的に生成させて、それが正
しく受け入れられたかどうかを確認します。
MAC Address Test 保存された MAC アドレスが有効かどうかを調べます。 Transmission Test (ループバックテスト) i8255x コントローラでデータの送受信が正しく行われているかどうかを調べま
す。このテストでは、1 台のハブか 1 本のクロスオーバケーブルを介して、システム内の i8255x Ethernet コントローラを 2 台 以上接続する必要があります。
メモ: クロスオーバケーブルを使わずにこのテストを実行するとエラーが発生します。
テストの選択と実行
テストの実行方法を選ぶときは Options メ ニューを使ってください。目的のテストをハイライト表示してからスペースバーを押すと、そ れぞれのメニューで個々のテストを何種類か選ぶことができます。Options メニューを使えば、複数のテストから成るグループを何種類 か選ぶこともできます。
Toggle All システム診断プログラムの各テストをすべて選択またはすべて選択を解除します。 Toggle All Tests in Menu 選択した 1 つのメニューに表示された各テストをすべて選択するか、またはすべて選択を解除し
ます。たとえば Memory メニューに表示される各テストをすべて選択したり、すべて選択を解除したりできます。
Toggle All Quick Tests Quick Tests に分類されている各テストを選択、または選択を解除します。 Run Selected Tests メニューで選択したテストをすべて実行します。選択したテストの左にはアスタリスクが 1 つ表示され
ます。 Toggle Hidden Tests - 初期状態では非表示になっているテストを表示または非表示にします。表示すれば、メニューを開いた
とき選択できるようになります。
注意: IDE ハードドライブの書き込みテストは、破壊および隠しテストです。このテストを実行すると、テストされたハードドライ
テスト結果の出力
テスト結果の出力方式を選択するときは Options メニューを使ってください。テスト名、テスト開始時刻、テスト終了時刻、エラーなど すべてがわかる詳細なテスト結果から、エラーだけを示した単純なテスト結果に至るまで、さまざまなテスト結果を出力できます。
エラーログでは、エラーコードで各エラーを区別しています。エラーコードについては、『Resource CD に収録されている errorcodes.txt ファイルを参照してください。
レポートの生成
111 診断テストを実行します。 111 Options メニューを選択し、Generate Report を選択して、<Enter> を押します。 111 Continue を選択して、<Enter> を押します。 111 OptionsDownload Report を選択して、<Enter> を押します。
111 ハイパーターミナルウィンドウの転送を選択してからファイルの受信を選択します。 111 レポートの保存先を入力し、プロトコルに Xmodem を選択し、受信を選択します。 111 レポートのファイル名を入力します。お使いのテキストエディタの拡張子を付けて test1.txt のような名前にし、OK をクリック
します。
111 レポートを表示するときは、このテキストファイルを開いてください。
テストログの消去
テストレポートにはテストログ全体の情報が収録され、その中には実行したすべてのテストが含まれます。テストログを消すに は、Options メニューを選択し、Clear Report を選択して <Enter> を押してください。テストログが消去され、次回のテストレポー トには、この消去後に実行したテストの結果のみが表示されます。
LED インジケータ
2 個の LED インジケータにテストステータスが表示されます。診断プログラムの実行中、この LED は次のように緑色または橙色のいずれ かになります。
テストの実行中は電源 LED が橙色で点滅します。 テストに失敗すると警告 LED が橙色になります。
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システムのトラブルシューティング
Dell™ PowerVault™ 715N システム インストール & トラブルシューティング
人体とシステムのための安全に関する注意 外部接続 特定のシステム障害の調査 起動ルーチン 前面ベゼルの取り外しと取り付け システムカバーの取り外しと取り付け 周辺機器の確認 本機の内部 濡れた場合のトラブルシューティング 本機が損傷した場合のトラブルシューティング システムバッテリのトラブルシューティング 電源装置のトラブルシューティング 冷却ファンのトラブルシューティング 拡張カードのトラブルシューティング システムメモリのトラブルシューティング システム基板のトラブルシューティング ハードドライブのトラブルシューティング
本機が期待どおりに作動しない場合は、本章の手順に従ってトラブルシューティングを行ってください。本章では、基本的な障害の発生し た場合にまず何を確認してどんな操作をすればよいのかについてざっと述べます。また、内部の各コンポーネントのトラブルシューティン グ手順についても述べます。本章のどの手順を実行する前にも次のことをしてください。
System Information』マニュアルの「Safety Instructions」をお読みください。
診断プログラムの実行方法については「システム診断プログラムの実行」をお読みください。
メモ: トラブルシューティングを行うときは、シリアルポート (COM1) でコンソールリダイレクション機能を使うことができま
す。コンソールリダイレクションについて詳しくは『System Administrator's Guide』を参照してください。
人体とシステムのための安全に関する注意
この章で述べる各手順を実行するには、カバーを開けて内部に手を入れる必要があります。内部に手を入れて作業を行っている間は、本書 および他の Dell マニュアルで説明している作業を除き、本機の修理と点検を行わないでください。常に各指示に厳密に従ってください。 『System Information』マニュアルの「Safety Instructions」に載っている手順をすべて見直してください。
本機内部での作業を安全に行うために、次の注意事項を守ってください。
警告: 本機の電源は、高電圧・高エネルギーを発生する危険があり、身体的な危害を引き起こすおそれがあります。カバーを開けて
内部の各コンポーネントに触れることができるのは、訓練を積んだサービス技術者だけです。
警告: カバーを開ける必要がある作業を行う場合は、その前に『System Information』マニュアル「Safety Instructions
に記載された「Protecting Against Electrostatic Discharge」を読んでください。
外部接続
据え付けの不適切なスイッチや制御装置、あるいはゆるんでいたり正しく接続されていなかったりするケーブルは、本機や周辺機器の最も 大きな障害発生源となります。この種の障害は、スイッチ、制御装置、ケーブルの接続部をざっと確認するだけで簡単に直ります。背面パ ネルの機能とコネクタについては『ユーザーズガイド』を参照してください。
特定のシステム障害の調査
111 接続されているすべての周辺機器と本機の電源を切ります。コンセントから電源ケーブルをすべて抜きます。 111 本機が電源タップ (PDU) に接続されている場合は、その PDU の電源をオフにしてからオンに戻します。
本機に電力が供給されていない場合は、別のコンセントに差し込んでください。それでもまだ電力が供給されない場合は別の PDU を試してみてください。
111 本機をコンセントまたは PDU に接続し直します。
起動ルーチン
障害の発生源を突き止めるには、本機の挙動に目と耳とを働かせることが重要です。起動ルーチンの実行中、4-1 に示したことが起きて いないかどうか、目と耳で確かめてください。
4-1. 起動ルーチン実行中の各種兆候
兆候 対処法 エラーメッセージ LED
ハードドライブ活動インジケータ ハードドライブのトラブルシューティング
連続ビープ音 LED
ハードドライブでデータの読み書きをしているときに、「キーキー」「ガリ ガリ」というような聞き慣れない音が絶えずする
インジケータ、メッセージ、ビープ信号」を参照し
てください。
ください。
インジケータ、メッセージ、ビープ信号」を参照し
てください。
困ったときは サーポートの受け方が載っています。
」を参照してください。Dell のテクニカル
」を参照して
前面ベゼルの取り外しと取り付け
前面ベゼルを外すとハードドライブに触れることができます。前面ベゼルを外すときは、両脇のレバーを内側に押しながらベゼルを手前に 引いてください (図4-1 を参照)。
4-1. 前面ベゼルの取り外し
前面ベゼルを元に戻すときは、両脇のレバーを内側に押しながらベゼルを本機前面に押し込んでください。
システムカバーの取り外しと取り付け
本機は前面ベゼル 1 枚とカバー 1 枚で覆われています。本機のアップグレードやトラブルシューティングを行うときは、内部の各コン ポーネントに触れるためシステムカバーを外してください。
システムカバーの取り外し
111 人体とシステムのための安全に関する注意」の注意事項を守ってください。 111 本機の上面に付いている複数の掛け金を内側に押します ( 111 システムカバーを後方に 1 インチくらい滑らせてから、システムカバーの両端をつかみます。
111 慎重にシステムカバーを持ち上げます。
4-2. システムカバーの取り外し
4-2 を参照)。
システムカバーの取り付け
111 工具や部品が内部に残っていないことを確認してください。
111 システムカバーがシャーシの両端にかぶさるように位置を合わせてから、パチンと音がして元の位置に収まるまで前面方向に滑らせ
てください。
周辺機器の確認
この節では、本機の I/O パネルに直接接続する機器のトラブルシューティング手順について述べます。どの手順を実行する場合も、まず 「外部接続」を読んでください。
シリアルポートのトラブルシューティング
問題
コンソールリダイレクションを利用して本機にアクセスできない。
対処法
111 本機の電源をオフにします。 111 先の尖った細い棒でコンソールリダイレクションのリセットボタンを押します。このボタンは、システム基板の背面、Ethernet
ポートの近くに付いています (
111 コンソールリダイレクションのリセットボタンを押したまま、電源ボタンを押して本機をオンにし、その後コンソールリダイレク
ションのリセットボタンを離します。
メモ: コンソールリダイレクションのリセットボタンを離すまで本機の電源はオンにはなりません。
4-3 を参照)。
4-3. コンソールリダイレクションのリセットボタン
111 問題が解決しない場合は、本機とそのシリアルポートに接続されている機器の電源をすべてオフにします。
111 ヌルモデムシリアルケーブルを使用していることを確認します。
111 そのケーブルを正常なケーブルに交換します。
111 先にクライアント側のシステムの電源をオンにしてから本機の電源をオンにします。
これで問題が解決した場合は、インタフェースケーブルに問題があったことになります。テクニカルサポートの受け方については 「困ったときは
」を参照してください。
内蔵 NIC のトラブルシューティング
メモ: この手順の何箇所かで、シリアルポートでコンソールリダイレクション機能を使う必要があります。コンソールリダイレク
ションを利用して本機に接続する方法については『Administrator's Guide』を参照してください。
問題
NIC がネットワークと通信できない。
対処法
メモ: 本機は完全に起動するまで 5 分くらいかかります。トラブルシューティングは、完全に起動してから行ってください。
111 付属のクロスオーバケーブルではなく、Ethernet ケーブルを使用していることを確認します。 111 BIOS セットアップユーティリティを起動し、NIC が有効になっていることを確認します。
ユーティリティの使用方法については『ユーザーズガイド 』の「Using the BIOS Setup Utility」を参照してください。
111 本機背面パネルの NIC コネクタの左右の肩に付いている 2 つのインジケータを確認してください (
緑色のリンクインジケータは、アダプタが有効なリンクパートナの 1 つに接続していることを示します。本機がネットワークデータ の送受信を行っている場合は、橙色の 活動インジケータが点灯します。
リンクインジケータが点灯しない場合はケーブルの接続部をすべて調べてください。 可能なら自動ネゴシエーションの設定を変更してください。
4-4 を参照)。
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