MAKING MODERN LIVING POSSIBLE
デザイン・ガイド
VLT® AQUA Drive FC 202
0.25-90 kW
www.DanfossDrives.com
目次 デザイン・ ガイド
目次
1 はじめに
1.1 デザイン・ ガイドの目的
1.2 構成
1.3 補助的リソース
1.4 略語、記号及び標準
1.5 定義
1.6 ドキュメント/ソフトウェア・ バージョン
1.7 承認及び認証
1.7.1 CE マーク 11
1.7.1.1 低電圧指令 11
1.7.1.2 EMC 指令 11
1.7.1.3 機械指令 11
1.7.1.4 ErP 指令 11
1.7.2 C-Tick 適合 12
1.7.3 UL 適合 12
1.7.4 海事適合 12
1.8 安全性
8
8
8
8
9
10
11
11
12
1.8.1 一般的な安全性に関する原則 12
2 製品概要
2.1 はじめに
2.2 操作の説明
2.3 動作シーケンス
2.3.1 整流器のセクション 19
2.3.2 中間セクション 19
2.3.3 インバーター・ セクション 20
2.3.4 ブレーキ・ オプション 20
2.3.5 負荷分散 20
2.4 コントロール構造
2.4.1 コントロール構造開ループ 20
2.4.2 コントロール構造の閉ループ 21
2.4.3 ローカル(手動オン)及び遠隔(自動オン)コントロール 22
2.4.4 速度指令信号の処理 23
2.4.5 フィードバックの処理 25
2.5 自動運転機能
15
15
18
19
20
26
2.5.1 短絡 保護 26
2.5.2 過電圧保護 26
2.5.3 モーター欠相の検知 27
2.5.4 主電源相アンバランス検知 27
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 1
目次
VLT® AQUA Drive FC 202
2.5.5 出力点スイッチング 27
2.5.6 過負荷保護 27
2.5.7 自動定格低減 27
2.5.8 自動エネルギー最適化 27
2.5.9 スイッチ周波数自動変調 27
2.5.10 高スイッチ周波数の自動定格低減 28
2.5.11 過熱時の自動定格低減 28
2.5.12 自動ランピング 28
2.5.13 電流制限回路 28
2.5.14 電力変動性能 28
2.5.15 モーター始動 28
2.5.16 共振制動 28
2.5.17 温度制御ファン 28
2.5.18 EMC 適合 28
2.5.19 3 つ全てのモーター相の電流測定 28
2.5.20 コントロール端子の電気絶縁 28
2.6 カスタム・ アプリケーション機能
2.6.1 自動モーター適合 29
2.6.2 モーターサーマル保護 29
2.6.3 主電源降下 29
2.6.4 内蔵 PID コントローラー 30
2.6.5 自動再スタート 30
2.6.6 フライング・ スタート 30
2.6.7 減速時のフルトルク 30
2.6.8 周波数バイパス 30
2.6.9 モーター予熱 30
2.6.10 4 つのプログラマブル・ セットアップ 30
2.6.11 ダイナミック・ ブレーキ 30
2.6.12 直流ブレーキ 31
2.6.13 スリープ・ モード 31
2.6.14 運転許可 31
2.6.15 スマート論理コントロール(SLC) 31
29
2.6.16 STO 機能 32
2.7 障害、警告及び警報機能
33
2.7.1 過温度時の運転 33
2.7.2 高及び低速度指令信号警告 33
2.7.3 高及び低フィードバック警告 33
2.7.4 相不均衡 または 相損失 33
2.7.5 高周波数警告 33
2.7.6 低周波数警告 33
2 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
目次 デザイン・ ガイド
2.7.7 高電流警告 33
2.7.8 低電流警告 33
2.7.9 無負荷/破損ベルト警告 34
2.7.10 シリアル・ インターフェイスの損失 34
2.8 ユーザー・ インターフェイスとプログラミング
2.8.1 ローカル・ コントロール・ パネル 34
2.8.2 PC ソフトウェア 35
2.8.2.1 MCT 10 設定ソフトウェア 35
2.8.2.2 VLT® 高調波計算ソフトウェア MCT 31 36
2.8.2.3 高調波計算ソフトウェア (HCS) 36
2.9 保全
2.9.1 保存 36
3 システム統合
3.1 周囲動作条件
3.1.1 湿度 37
3.1.2 温度 37
3.1.3 冷却 38
3.1.4 モーターによって生成された過電圧 39
3.1.5 騒音 39
3.1.6 振動と衝撃 39
3.1.7 刺激性ガス雰囲気 39
34
36
37
37
3.1.8 IP 定格定義 40
3.1.9 無線周波数干渉 40
3.1.10 PELV と電気絶縁コンプライアンス 41
3.1.11 保存 42
3.2 EMC、高調波及び接地漏洩電流保護
3.2.1 EMC エミッションの概要 42
3.2.2 EMC 試験結果 43
3.2.3 エミッション条件 45
3.2.4 耐性条件 45
3.2.5 モーター絶縁 46
3.2.6 モーター・ ベアリング電流 46
3.2.7 高調波 47
3.2.8 接地漏洩電流 49
3.3 主電源の組み込み
3.3.1 主電源の構成と EMC 効果 50
3.3.2 低周波数主電源干渉 51
3.3.3 主電源干渉の解析 52
42
50
3.3.4 主電源干渉を低減するためのオプション 52
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 3
目次
VLT® AQUA Drive FC 202
3.3.5 無線周波数干渉 52
3.3.6 運用サイトの分類 52
3.3.7 絶縁された入力ソースの使用 52
3.3.8 力率改善 53
3.3.9 入力電力遅延 53
3.3.10 主電源トランジエント 53
3.3.11 スタンバイジェネレーターによる運転 53
3.4 モーターの組み込み
3.4.1 モーター選択時に考慮すべきこと 54
3.4.2 正弦波フィルターと dU/dt フィルター 54
3.4.3 適正なモーター接地 54
3.4.4 モーター・ ケーブル 54
3.4.5 モーター・ ケーブルシールド 54
3.4.6 モーターの複数接続 55
3.4.7 制御線の隔離 57
3.4.8 モーターサーマル保護 57
3.4.9 出力接触器 57
3.4.10 ブレーキ機能 57
3.4.11 ダイナミック・ ブレーキ 57
3.4.12 ブレーキ抵抗器計算 58
3.4.13 ブレーキ抵抗器ケーブル 59
3.4.14 ブレーキ抵抗器及びブレーキ IGBT 59
3.4.15 エネルギー効率 59
3.5 追加入力と追加出力
54
60
3.5.1 配線図 60
3.5.2 リレー接続 61
3.5.3 EMC 適合の電気的接続 62
3.6 機械計画
3.6.1 空きスペース 63
3.6.2 壁取り付け 63
3.6.3 アクセス 64
3.7 オプションと付属品
3.7.1 通信オプション 68
3.7.2 入力/出力、フィードバック及び安全オプション 68
3.7.3 カスケード・ コントロール・ オプション 68
3.7.4 ブレーキ抵抗器 70
3.7.5 正弦波フィルター 70
3.7.6 dU/dt フィルター 70
3.7.7 コモンモード・ フィルター 70
3.7.8 高調波フィルター 71
63
64
4 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
目次 デザイン・ ガイド
3.7.9 IP21/NEMA タイプ 1 エンクロージャー・ キット 71
3.7.10 LCP 用遠隔実装キット 73
3.7.11 エンクロージャー・ サイズ A5、B1、B2、C1、及び C2 の実装ブラケット 74
3.8 RS485 シリアルシリアル・ インターフェイス
3.8.1 概要 75
3.8.2 ネットワーク接続 76
3.8.3 RS 485 バス終端 76
3.8.4 EMC 予防措置 76
3.8.5 FC プロトコールの概要 77
3.8.6 ネットワーク構成 77
3.8.7 FC プロトコール・ メッセージ・ フレーミング構造 77
3.8.8 FC プロトコール例 81
3.8.9 Modbus RTU プロトコール 81
3.8.10 Modbus RTU メッセージ・ フレーミング構造 82
3.8.11 パラメーターへのアクセス 85
3.8.12 FC ドライブ・ コントロール・ プロファイル 86
3.9 システム設計チェックリスト
4 アプリケーション例
4.1 アプリケーション機能概要
4.2 選択されたアプリケーション機能
75
93
95
95
95
4.2.1 SmartStart 95
4.2.2 クイック・ メニュー水とポンプ 96
4.2.3 29-1* デラグ機能 96
4.2.4 プリ/ポスト潤滑 97
4.2.5 29-5* 流量確認 98
4.3 応用設定例
4.3.1 潜水ポンプ アプリケーション 100
4.3.2 基本カスケート・ コントーラー 102
4.3.3 リード・ ポンプ交替によるポンプステージング 103
4.3.4 システムステータスと動作 103
4.3.5 カスケード・ コントローラー配線図 104
4.3.6 固定可変速度ポンプ配線図 105
4.3.7 リード・ ポンプ交替配線図 105
5 特殊条件
5.1 手動定格低減
5.2 長いモーター・ ケーブルの低減、またはより広い断面積のケーブル
5.3 周囲温度定格値の低減
99
109
109
110
110
6 タイプ・ コードと選択
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 5
114
目次
VLT® AQUA Drive FC 202
6.1 注文
6.1.1 タイプ・ コード 114
6.1.2 ソフトウェア言語 116
6.2 オプション、付属品、及びスペア部品
6.2.1 オプションと付属品 116
6.2.2 スペア部品 118
6.2.3 付属品バッグ 118
6.2.4 ブレーキ抵抗器 の選択 119
6.2.5 推奨ブレーキ抵抗器 120
6.2.6 代替ブレーキ抵抗器、T2 及び T4 128
6.2.7 高調波フィルター 129
6.2.8 正弦波フィルター 132
6.2.9 dU/dt フィルター 134
6.2.10 コモンモード・ フィルター 135
7 仕様
7.1 電気データ
7.1.1 主電源 1x200-240 V AC 136
114
116
136
136
7.1.2 主電源 3x200~240V AC 137
7.1.3 主電源 1x380-480 V AC 141
7.1.4 主電源 3x380~480 V AC 142
7.1.5 主電源 3x525~600 V AC 146
7.1.6 主電源 3x525~690 V AC 150
7.2 主電源
7.3 モーター出力とモーター・ データ
7.4 周囲条件
7.5 ケーブル仕様
7.6 コントロール入力/出力とコントロールデータ
7.7 ヒューズと回路ブレーカー
7.8 出力定格、重量、寸法
7.9 dU/dt テスト
7.10 騒音定格
7.11 選択オプション
7.11.1 VLT® General Purpose I/O Module MCB 101 172
7.11.2 VLT® Relay Card MCB 105 172
153
153
154
154
155
158
167
169
171
172
7.11.3 VLT® PTC Thermistor Card MCB 112 174
7.11.4 VLT® Extended Relay Card MCB 113 176
7.11.5 VLT® Sensor Input Option MCB 114 177
7.11.6 VLT® Extended Cascade Controller MCO 101 178
7.11.7 VLT® Advanced Cascade Controller MCO 102 179
6 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
目次 デザイン・ ガイド
8 付録 - 図面による補足説明
8.1 主電源接続図面 (3 相)
8.2 モーター接続図
8.3 リレー端子図面
8.4 ケーブル挿入穴
インデックス
182
182
185
187
188
192
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 7
はじめに
VLT® AQUA Drive FC 202
11
1 はじめに
1.1 デザイン・ ガイドの目的
このデザイン・ガイドは Danfoss VLT ® AQUA Drive 周波
数変換器向けに作成されており、以下の方々を対象として
おります。
プロジェクト及びシステムエンジニア
•
デザイン・ コンサルタント
•
アプリケーション及び製品スペシャリスト
•
このデザイン・ガイドには、周波数変換器をモーター制御
及び監視システムに組み込む上で不可欠な、周波数変換器
の機能に関する技術情報が記載されています。
デザイン・ガイドの目的は、周波数変換器をシステムに統
合するためのデザイン上の注意事項や計画用のデータを
提供することです。デザイン・ガイドには、周波数変換器
の選択及び多様なアプリケーションならびに設置のオプ
ション情報も記されてあります。
設計段階で詳細な製品情報を見直すことで、最適な機能と
効率を備えた熟考されたシステムの開発が可能になりま
す。
VLT® は登録商標です。
構成
1.2
章 1 はじめに
指令への適合。
: デザイン・ガイドの一般的な目的と国際
補助的リソース
1.3
高度な周波数変換器の操作やプログラミング及び指令コ
ンプライアンスを理解するために、リソースが利用できま
す。
VLT® AQUA DriveFC 202
•
「
取扱説明書
設置と始動に必要な詳細情報が記載されていま
す。
VLT® AQUA DriveFC 202
•
周波数変換器をシステムに組み込むための設計
と計画に必要な情報が記載されています。
VLT® AQUA DriveFC 202
•
ド
(本書では「
す)により、パラメーターの使い方や多くのアプ
リケーション事例について学習できます。
®
VLT
•
•
補足の文書及び取扱説明書は以下からダウンロードでき
ます:
+Documentation.htm
Safe Torque Off 取扱説明書には
に安全なアプリケーションにおける Danfoss 周
波数変換器の使用方法が記載されています。本
書は、STO オプションが装備されている場合に周
波数変換器に同梱されます。
VLT® ブレーキ抵抗器デザイン・ ガイドは、
なブレーキ抵抗器の選択について説明します。
danfoss.com/Product/Literature/Technical
」とします)には、周波数変換器の
プログラミング・ガイド
.
取扱説明書
デザイン・ガイド
プログラミング・ ガイ
(本書では
には、
」としま
、機能的
最適
章 2 製品概要
作上の特徴。
章 3 システム統合
電流; 主電源入力; モーター及びモーター接続; その他
の接続; 機械的プランニング; 及び使用可能なオプショ
ンと付属品の説明。
章 4 アプリケーション例
ンプル及び使用のガイドライン。
章 5 特殊条件
章 6 タイプ・ コードと選択
テムの利用要件を満たすためのオプション。
章 7 仕様
式)。
章 8 付録 - 図面による補足説明
接続、リレー端子、ケーブル差込口を図解したイラスト
集。
: 周波数変換器の内部構造及び機能と操
: 環境条件; EMC、高調波、接地漏洩
: 製品アプリケーションのサ
: 一般的でない操作環境の詳細。
: 機器の注文手順及びシス
: 技術データのまとめ(表及びグラフィック形
: 主電源とモーター
注記
また、取扱説明書等に記載されている手順にいくらかの変
更を及ぼす可能性のあるオプション機器も用意されてい
ます。個別に必要なオプションについては、付属の説明書
をかならず確認して下さい。
その他の情報については、Danfoss の代理店にお問い合
わせいただくか、
www.danfoss.com
をご覧ください。
8 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
はじめに デザイン・ ガイド
1.4 略語、記号及び標準
60° AVM 60° 非同期ベクトル変調
A アンペア/AMP
AC 交流
AD 空中放電
AEO 自動エネルギー最適化
AI アナログ入力
AMA 自動モーター適合
AWG アメリカ式ワイヤ規格
° C
CD 一定の放電
CM コモンモード
CT 一定トルク
DC 直流
DI ディジタル入力
DM ディファレンシャル・ モード
D-TYPE ドライブ依存
EMC 電磁環境適合性
EMF 起電力
ETR 電子サーマル・ リレー
f
JOG
f
M
f
MAX
f
MIN
fM,N 公称モーター周波数
FC 周波数変換器
g グラム
Hiperface
hp 馬力
HTL HTL エンコーダー (10–30 V) パルス - 高
Hz ヘルツ
IINV 定格インバーター出力電流
ILIM 電流制限
IM,N 公称モーター電流
I
VLT,MAX
I
VLT,N
kHz キロヘルツ
LCP ローカル・ コントロール・ パネル
lsb 下位ビット
m メートル
mA ミリアンペア
MCM ミル・ サーキュラー・ ミル
MCT 動作コントロール・ ツール
mH インダクタンス(ミリ・ ヘンリー単位)
min 分
ms ミリセカンド(1/1000 秒)
msb 上位ビット
η
VLT
nF 電気容量(ナノ・ ファラッド単位)
摂氏温度
ジョグ機能が起動したときのモーター周波
数。
モーター周波数
周波数変換器が出力する最大出力周波数。
周波数変換器の最低モーター周波数。
®
Hiperface® は Stegmann の登録商標です
電圧トランジスタ論理
最高出力電流
周波数変換器から供給される定格出力電流で
す
電力出力と電力入力間の比率として定義され
る周波数変換器の効率。
NLCP 数値ローカル・ コントロール・ パネル
Nm ニュートン・ メートル
n
s
オンライン/オ
フライン・ パラ
メーター
P
br,cont.
PCB プリント回路基板
PCD プロセス・ データ
PELV 超低電圧保護
P
m
PM,N 公称モーター電力
PM モーター 永久磁石モーター
プロセス PID PID レギュレーターは、所望の速度、圧力、
R
br,nom
RCD 残留電流デバイス
逆起電 逆起電端子
R
min
RMS 二乗平均平方根
RPM 毎分回転数
R
rec
s 秒
SFAVM 固定子磁束指向性の非同期ベクトル変調
STW 状態メッセージ文
SMPS スイッチモード電源
THD 高調波歪み合計
TLIM トルク制限
TTL TTL エンコーダー (5 V) パルス - トラン
UM,N 公称モーター電圧
V ボルト
VT 可変トルク
VVC+
表 1.1 略語
同期モーター速度
オンライン・ パラメーターへの変更は、デー
タ値が変更されるとすぐにアクティブになり
ます。
ブレーキ抵抗器の定格出力 (ブレーキ連続使
用時の平均出力)。
周波数変換器の高過負荷(HO)としての公称出
力。
温度等を維持します。
モーター・ シャフトに対するブレーキ電力を
150%/160%に 1 分間確実に維持できる公称抵
抗値。
周波数変換器によるブレーキ抵抗器の最小値
Danfoss ブレーキ抵抗器の推奨抵抗値
ジスタトランジスタ論理
電圧ベクトル・ コントロール
用例
番号付けされたリストは手順を示します。
箇条書きリストはその他の情報と図面の説明を示してい
ます。
イタリック体の文字は、
相互参照を示します。
•
リンク
•
脚注
•
パラメーター名、パラメーター・グループ名、パ
•
ラメーター・ オプション
寸法の単位は全て mm (インチ)です。
1 1
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 9
はじめに
VLT® AQUA Drive FC 202
11
* はパラメーターのデフォルト設定を示します。
以下は、この取扱説明書で使用されている記号です。
警告
死亡事故や深刻な傷害事故を招く可能性のある危険な状
況を示します。
注意
軽微あるいは中小程度の傷害を招く危険性のある状況を
示します。これは安全ではないやり方に対する警告とし
ても使用される場合があります。
注記
重要情報を示します。設備や所有物などの損害を招く可
能性のある状況が含まれます。
1.5 定義
ブレーキ抵抗器
ブレーキ抵抗器は、復熱式ブレーキにより生成されるブレ
ーキ電力を吸収できるモジュールです。この復熱式ブレ
ーキ力により中間回路電圧が上昇し、ブレーキ・チョッパ
ーによってその力がブレーキ抵抗器に確実に伝送されま
す。
フリーラン
モーター・シャフトがフリー・モードになります。モータ
ーにトルクがかかりません。
CT 特性
コンベア・ベルト、排気ポンプやクレーンなどの全ての用
途に使用される一定トルク特性です。
初期化
(
14-22 動作モード
器はデフォルト設定に戻ります。
間欠負荷サイクル
間欠負荷定格とは負荷サイクルのシーケンスをいいます。
各サイクルはオン・ロードとオフ・ロード期間から構成さ
れます。操作は反復負荷と非反復負荷のいずれかとなり
ます。
力率
真の力率 (ラムダ) は全ての高調波を考慮に入れ、電流
及び電圧の 1 次高調波のみを考慮の対象とする力率
(cosphi)よりも常に小さくなります。
P kW
cosϕ =
P kVA
Cosphi は変位力率ともいいます。
ラムダと cosphi はどちらも
VLT® 周波数変換器について示されています。
力率は、周波数変換器が主電源にかける負荷の程度を示し
ます。
力率が低ければ低いほど、同じ KW 性能に対する I
高くなります。
)初期化が実行されると、周波数変換
Uλ x Iλ x cosϕ
=
Uλ x Iλ
章 7.2 主電源
で Danfoss
RMS
が
さらに、力率が高いということは高調波電流が低いという
ことです。
主電源の力率を高くして THD を低減するため、全ての
Danfoss 周波数変換器には直流リンクに直流コイルが内
蔵されています。
設定
パラメーター設定を 4 つの設定で保存します。それら 4
つのパラメーター設定を切り換え、別の設定をアクティブ
にした状態で1つの設定を編集します。
スリップ補償
周波数変換器は、測定したモーター負荷に応じて周波数を
補足してモーター・スリップを補償し、モーターの速度を
ほぼ一定に保ちます。
スマート論理コントロール(SLC)
SLC は関連するユーザー定義イベントが SLC によって
真と評価されると実行される一連のユーザー定義アクシ
ョンです。(パラメーター・ グループ
理
)。
FC 標準バス
FC プロトコール又は MC プロトコールを使用した
RS485 が含まれます。
サーミスター
温度を監視する場所(周波数変換器又はモーター)に配置
される温度依存の抵抗器です。
トリップ
状態が不具合状況となりました。例えば、周波数変換器が
過剰な温度にさらされている、あるいは周波数変換器がモ
ーター、プロセス、メカニズムを保護している場合などで
す。不具合の原因がなくなり、トリップ状態が取り消され
るまでは、再スタートは阻止されます。トリップ状態を以
下の方法で取り消します。
リセットの有効化あるいは
•
自動的にリセットされるように周波数変換器を
•
プログラム
身体の安全のためにトリップを使用しないでください。
トリップ・ ロック
周波数変換器がそれ自体を保護しているか、物理的介入を
必要としている場合、例えば、周波数変換器に対して出力
の短絡が生じている場合などで、状態が不具合状況となり
ました。トリップロックは主電源を切り離し、不具合の原
因を取り除き、かつ周波数変換器を再接続することによっ
て取り消すことができます。不具合の原因を取り除き、か
つリセットを起動することによって、又は場合によっては
自動的にリセットするようにプログラムすることによっ
てトリップ状態が取り消されるまでは、再スタートは阻止
されます。身体の安全のためにトリップは使用しないで
ください。
VT 特性
ポンプとファンに使用される可変トルク特性です。
8-30 プロトコール
13-** スマート論
を参照
10 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
はじめに デザイン・ ガイド
1.6 ドキュメント/ソフトウェア・ バー
ジョン
この取扱説明書には、定期的な見直しと更新が行われま
す。改善のためにあらゆるご提案を受け付けています。
表 1.2
はドキュメント・バージョンと対応するソフトウ
ェアのバージョンを示します。
エディション 注釈 ソフトウェア・ バージョン
MG20N6xx MG20N5xx を更新 2.20 及びそれ以降
表 1.2 ドキュメント/ソフトウェア・ バージョン
1.7 承認及び認証
周波数変換器は、このセクションに記載された指令へのコ
ンプライアンスに基づいて設計されています。
認証や証明書の詳細については、次のダウンロードの項を
ご覧ください:
BusinessAreas/DrivesSolutions/Documentations/
http://www.danfoss.com/
.
1.7.1 CE マーク
適合宣言はご要望によりご提供します。
1.7.1.1 低電圧指令
低電圧指令は、電圧範囲が 50–1000 V AC(交流)及び
75–1600 V DC(直流)の電気装置に適用されます。
指令の目的は、正しく設置及び保守されている電気装置を
意図された用途に使用する際、身体の安全を徹底して資産
の損害を回避することです。
1.7.1.2 EMC 指令
EMC (電磁適合性) 指令の目的は、電磁干渉を少なくし
て、電気装置及び設置の電磁波耐性を強化することです。
EMC 指令 2004/108/EC の基本的な保護要件には、電磁干
渉 (EMI) を発生させる装置、あるいは EMI の影響を受
ける可能性のある操作を伴う装置は、電磁干渉の発生を制
限するように設計され、設置や保守が正しく行われて目的
に沿って使用された場合に適度なレベルの EMI 耐性を
持つことが謳われています。
単独またはシステムの一部として使用される電気装置デ
バイスは、CE マークが付いている必要があります。シス
テムには CE マークは必要ありませんが、EMC 指令の基
本的な保護要件に適合しなければなりません。
1 1
図 1.1 CE
CE マーク (Communauté Européenne) は、製品の製造者
が該当する全ての EU の指令に準拠していることを示し
ます。周波数変換器の設計及び製造に該当する EU 指令
の一覧は、
表 1.3
にあります。
注記
CE マークは製品の品質を規制するものではありません。
技術仕様は CE マークから推定することはできません。
注記
安全機能が統合されている周波数変換器は、機械指令に準
拠する必要があります。
EU 指令 バージョン
低電圧指令 2006/95/EC
EMC 指令 2004/108/EC
機械指令
ErP 指令 2009/125/EC
ATEX 指令 94/9/EC
RoHS 指令 2002/95/EC
1) 機械指令への適合は、安全機能が統合されている周波数変換
器についてのみ必要です。
1)
表 1.3 周波数変換器に該当する EU 指令
2006/42/EC
1.7.1.3 機械指令
機械指令の目的は、目的の用途で使用される機械装置につ
いて身体の安全を徹底し、資産への損害を回避することで
す。機械指令は、相互に接続されたコンポーネントやデバ
イスの集合体からなる機械で、少なくとも 1 つの部品が機
械的な動き方をする可能性があるものに該当します。
安全機能が統合されている周波数変換器は、機械指令に準
拠する必要があります。安全機能のない周波数変換器は、
この機械指令には該当しません。周波数変換器が機械シ
ステムに統合されている場合には、Danfoss は周波数変換
器に関する安全面についての情報をご提供することがあ
ります。
少なくとも 1 つの稼動部品を持つ機械で周波数変換器を
使用する場合、その機械の製造者は全ての適切な法律及び
安全対策への順守を記載した宣言を提供する必要があり
ます。
1.7.1.4 ErP 指令
ErP 指令は、エネルギー関連製品の欧州エコデザイン指
令です。この指令は、周波数変換器を含むエネルギー関連
製品のエコデザイン要件を定めています。この指令の目
的は、エネルギー効率と環境保護のレベル、エネルギー供
給の安全性を高めることです。エネルギー関連製品の環
境への影響には、製品のライフサイクル全体にわたるエネ
ルギー消費が含まれます。
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 11
はじめに
VLT® AQUA Drive FC 202
11
1.7.2 C-Tick 適合
図 1.2 C-Tick
C-Tick ラベルは、電磁適合性(EMC)の該当する技術標準
への適合を示します。C-Tick への適合は、オーストラリ
アとニュージーランドで電気装置や電子機器を販売する
際に求められます。
C-Tick の規制は、導電及び放射エミッションに関するも
のです。周波数変換器の場合、EN/IEC 61800-3 で指定さ
れる放出限度が適用されます。
適合宣言はご要望に応じてのご提供となります。
どのリレー・オプションが設置されているか確認
•
する(該当する場合)。認められているオプショ
ンは VLT® 拡張リレーカード MCB 113 のみで
す。
1.7.3 UL 適合
UL 規格認定取得済み
図 1.3 UL
注記
525-690 V 周波数変換器は、UL に関し認証を受けていま
せん。
周波数変換器は、UL508C 熱記憶保持の要件を遵守してい
ます。詳細については、
を参照してください。
1.7.4 海事適合
保護定格 IP55 (NEMA 12) 以上のユニットはスパークの
発生を防止し、内航での危険物の国際輸送に関する欧州協
定(ADN)に従って、爆破リスクが限定された電気装置とし
て分類されます。
を参照願います。
情報については、
保護定格 IP20/シャーシ、IP21/NEMA 1、IP54 のユニット
については、スパーク発生のリスクを以下の要領で防止し
てください。
主電源スイッチを設置しない
•
14-50 RFI フィルター
•
いることを確認する。
RELAY
•
と記された全てのリレー・プラグを取り外
す。
図 1.4
章 2.6.2 モーターサーマル保護
www.danfoss.com
を参照
その他の海事認証
が
[1] オン
になって
1, 2 リレー・ プラグ
図 1.4 リレー・ プラグの位置
製造者の宣言はご要望により提供いたします。
安全性
1.8
1.8.1 一般的な安全性に関する原則
取扱いが正しくない場合、周波数変換器には高電圧の部品
が含まれるため、致命傷の原因となる可能性があります。
機器の設置や操作は、有資格技術者のみが行うようにして
ください。まず周波数変換器から電源を外し、逐電された
電気が放出されるまで十分な時間をおいてから修理の作
業を開始してください。
周波数変換器を安全に操作するには、安全上の注意事項に
対する厳格な適合が必要となります。
12 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
はじめに デザイン・ ガイド
1.8.2 有資格技術者
周波数変換器を無故障かつ安全に動作させるためには、正
確かつ信頼性の高い輸送、保管、設置、操作、メンテナン
スが必要です。機器の設置や操作は、有資格技術者のみが
行うことができます。
有資格技術者とは、訓練を受けたスタッフであって、関連
する法律と規則に従って設備、システム、回路の設置、設
定、メンテナンスを行うことを許された者のことをいいま
す。さらに、有資格技術者は、この取扱説明書に記載する
指示と安全措置を熟知している必要があります。
警告
高電圧
AC 主電源、DC 電源、あるいは負荷分散に接続されている
限り、周波数変換器は高電圧が印加されています。有資格
技術者でない人が、設置、スタートアップ、メンテナンス
を誤って行った場合、死亡事故や重大な傷害事故を招くこ
とがあります。
設置、スタートアップ、メンテナンスは、有資格
•
技術者のみが実施するようにしてください。
警告
予期しない始動
周波数変換器が AC 主電源、DC 電源、あるいは負荷分散に
接続されている場合、モーターは思いがけなくスタートす
ることがあります。プログラミング、サービス、あるいは
修理中の予期しない始動は、死亡、深刻な傷害、あるいは
物損事故を招く恐れがあります。 モーターは外部スイ
ッチ、シリアルバスコマンド、LCP からの入力速度指令信
号によって、または不具合状態のクリア後にスタートしま
す。
予期しないモーターのスタートを防止するには:
周波数変換器を主電源から切り離してください。
•
パラメーターのプログラミング前に、LCP 上の
•
[Off/Reset]を押します。
周波数変換器が AC 主電源、DC 電源、あるいは負
•
荷分散に接続されている場合、周波数変換器、モ
ーター、あるいは運転機器は、配線および組み立
てが完了している必要があります。
警告
放電時間
周波数変換器の直流リンク・キャパシターは、周波数変換
器の電源が入っていないときでも充電されています。修
理やメンテナンスの前に、電源を切ってから一定時間待た
ないと、死亡事故または重大な傷害事故を招くことがあり
ます。
モーターを停止します。
•
バッテリーバックアップ、UPS 及び他の周波数変
•
換器に接続されている直流リンク接続も含めて、
AC 電源、リモート直流リンク電源の接続をすべ
て外してください。
PM モーターの接続を外すか、ロックしてくださ
•
い。
点検・修理を実施する前に、キャパシターが完全
•
に放電されるまでお待ちください。待ち時間の
目安は、
電圧
[V]
200-240 0.25~3.7 kW - 5.5~45 kW
380-480 0.37~7.5 kW - 11~90 kW
525-600 0.75~7.5 kW - 11~90 kW
525-690 - 1.1~7.5 kW 11~90 kW
警告 LED が点灯していない場合でも、高電圧が存在する可能
性があります。
表 1.4 放電時間
表 1.4
に記載されています。
最小待機時間
(分)
4 7 15
警告
漏洩電流に関する危険事項
漏洩電流は、3.5 mA (ミリアンペア) を超えます。周波
数変換器の接地を正しく行わない場合、死亡事故または深
刻な傷害事故を招くことがあります。
機器の接地は、有資格の電気工事者が正しく行う
•
必要があります。
警告
機器の危険性
回転するシャフトや電気機器に接触すると、死亡や重大な
傷害を招くことがあります。
訓練を受けた有資格者のみが、設置、始動、メン
•
テナンスを行うようにしてください。
電気作業は、国内および地域の電気工事規則に準
•
拠する必要があります。
本取扱説明書の手順に従ってください。
•
1 1
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 13
はじめに
VLT® AQUA Drive FC 202
11
警告
予期しないモーター回転
回転
永久磁石モーターが予期しない回転をした場合、電圧が発
生してユニットが充電された状態になり、深刻な怪我や設
備への損害が生じる危険があります。
予期しない回転を防ぐため、永久磁石モーターが
•
ブロックされていることを確認してください。
注意
内部故障により危険
周波数変換器の内部故障は、周波数変換器を正しく閉じな
いと、深刻な傷害事故を招くことがあります。
電力を供給する前に、すべての安全カバーが適切
•
に配置され、しっかりと固定されていることを確
認します。
14 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
130BD889.10
60
50
40
30
20
10
H
s
0 100 200 300 400
(mwg)
1350rpm
1650rpm
0
10
20
30
(kW)
40
50
60
200 100 300
(
m3 /h
)
(
m3 /h
)
400
1350rpm
1650rpm
P
shaft
1
製品概要 デザイン・ ガイド
2 製品概要
2.1 はじめに
この章では、周波数変換器の主なアセンブリと回路の概要
を説明します。内部の電気及び信号の処理機能について
説明します。内部の管理構造についての説明も含まれま
す。
また、高度な管理と状況報告の性能を備えた堅牢な操作シ
ステムを設計するために利用可能な、自動化された最適な
周波数変換器の機能についても説明されています。
2.1.1 給水及び廃水の用途向け製品
VLT® AQUA Drive FC 202 は、給水及び廃水の用途向けに
設計されています。統合された SmartStart ウィザード
と[Quick Menu]から
プロセスについて説明が表示されます。標準機能とオプ
ション機能には、次のものが含まれています。
カスケード・ コントロール
•
空転検知
•
カーブ終点の検知
•
モーター交替
•
デラグ
•
初期及び最終ランプ
•
逆止弁ランプ
•
STO
•
低フロー検出
•
プリ潤滑
•
流量確認
•
パイプ・ フィル・ モード
•
スリープ・ モード
•
リアル・ タイム・ クロック
•
パスワード保護
•
過負荷保護
•
スマート論理コントロール
•
最低速度モニター
•
情報や警告、注意のためのプログラム可能な自由
•
形式のテキスト
2.1.2 エネルギー節約
代替の制御システムと技術を比較すると、周波数変換器は
ファンやポンプ・システムをコントロールする上で最適な
エネルギー制御システムです。
水とポンプ
を選択すると、試運転の
流量を制御するために周波数変換器を使用することで、一
般的な用途でポンプの速度が 20% 低下すると、50% のエ
ネルギー節約になります。
図 2.1
はエネルギー節減の一例を示します。
1 省エネルギー
図 2.1 例: 省エネルギー
2.1.3 エネルギー節約の例
図 2.2
に見られるように、流量はポンプの速度(RPM で
測定)を変えることにより制御します。定格速度より
20% だけ遅くすると、流量も 20% 少なくなります。これ
は、流量が速度に直接比例するためです。しかし、消費電
力は最大で約 50% 低下します。
100% に相当する流量をシステムが供給する頻度が年に
2、3 日だけで、あとは平均して定格流量の 80% を下回る
場合、エネルギーの節約は 50% よりも大きくなります。
2 2
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 15
n
100%
50%
25%
12,5%
50% 100%
80%
80%
175HA208.10
Power ~n
3
Pressure ~n
2
Flow ~n
100% speed
Flow
Flow
Pump curve
Head or pressure Head or pressure
Natural
operating point
Operating
point
Throttled
Unthrottled
Throttled system
Unthrottled system
60
65
70
75
78
80
80
78
75
3
1
1
2
2
3
Hs
Hp
130BD890.10
製品概要
図 2.2
は、遠心ポンプにおいて流量、圧力、電力消費が
ポンプの速度(RPM)に依存する様子を示します。
VLT® AQUA Drive FC 202
システム曲線がポンプ曲線の (2) の位置から効率が著
しく低下した (1) の位置までなることを示します。
22
図 2.2 遠心ポンプにおける共通の法則
Q
n
1
フロー
圧力
電力
:
:
1
:
=
Q
n
2
2
2
H
n
1
1
=
H
n
2
2
3
P
n
1
1
=
P
n
2
2
速度の範囲において効率が均一と想定した場合。
Q=流量 P=電力
Q1=流量 1 P1=電力 1
Q2=低下した流量 P2=低下した電力
H=圧力 n=速度制御
1 スロットル・ バルブを使用した操作ポイント
2 自然な運転ポイント
3 速度コントロールを使用した操作ポイント
H1=圧力 1 n1=速度 1
H2=低下した圧力 n2=低下した速度
表 2.1 共通の法則
2.1.4 遠心ポンプのバルブ制御と速度制
御の比較
図 2.3 バルブの制御による流量の低減 (スロットリング)
速度コントロール
図 2.4
に示すように、同じ流量をポンプの速度を落とす
ことにより調整できます。速度を落とすとポンプ曲線が
下がります。ポンプ曲線とシステム曲線 (3) が新しく
バルブ制御
給水システムのプロセス要件はそれぞれ異なるため、流量
は正しく調整する必要があります。流量の適合で頻繁に
交差するところが操作ポイントです。
ギー節約の例
の説明にある通り、エネルギーの節減は共通
の法則を適用することで計算できます。
章 2.1.3 エネル
使用される方法は、バルブを使用したスロットリングや再
利用です。
再利用バルブを開きすぎると、ポンプがポンプ曲線の終端
で稼動し、低い揚程で流量が高くなります。こうした状態
ではポンプが高速になってエネルギーが無駄になるだけ
でなく、ポンプへの破損によってキャビテーションが発生
することもあります。
バルブで流量をスロットリングすると、バルブ全体で圧力
の低下が発生します (HP-HS)。これは、車のスピードを
落とそうとして、アクセルとブレーキを同時に使用するこ
とと似ています。
図 2.3
は、スロットリングによって、
16 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
Flow
Head or Pressure
Pump curve
Operating
point
Natural
Operating point
system
Unthrottled
Speed
reduction
1
2
3
Hp
Hs
130BD894.10
140
130
120
110
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
Recirculation
Throttle
control
Cycle
control
VSD
control
Ideal pump
control
Q(%)
P(%)
130BD892.10
500
[h]
t
1000
1500
2000
200 100 300
[m
3
/h]
400
Q
175HA210.11
製品概要 デザイン・ ガイド
2 2
1 スロットル・ バルブを使用した操作ポイント
2 自然な運転ポイント
3 速度コントロールを使用した操作ポイント
図 2.4 速度のコントロールによる流量の低減
t [h] 流量の期間。
Q [m3/h]
流量
表 2.2
も参照して下さい。
図 2.6 1 年間にわたる流量の分布 (期間と流量の比較)
図 2.5 流量の制御曲線の比較
2.1.5 1 年を通した異なる流量の例
図 2.7
(
に示すように、この例はポンプのデータシートか
ら取得されたポンプ特性に基づいて計算されています。
その結果、1 年を通じた流量の分布で 50% を超えるエネ
ルギーの節約になりました。
図 2.6
を参照)。回収期間は、電気料金及び周波数変換
器の価格により異なります。この例では、バルブや一定速
度の場合と比較して回収期間は 1 年未満です。
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 17
図 2.7 異なる速度でのエネルギー消費
Full load
% Full load current
& speed
500
100
0
0 12,5 25 37,5 50Hz
200
300
400
600
700
800
4
3
2
1
175HA227.10
製品概要
流量 分布 バルブ制御 周波数
22
% 継続時間 電力 消費 電力 消費
[m3/h]
1) A1 における電力測定値
2) B1 における電力測定値
3) C1 における電力測定値
[h] [kW] [kWh] [kW] [kWh]
350 5 438
300 15 1314 38.5 50.589 29.0 38.106
250 20 1752 35.0 61.320 18.5 32.412
200 20 1752 31.5 55.188 11.5 20.148
150 20 1752 28.0 49.056 6.5 11.388
100 20 1752
1008760 – 275.064 – 26.801
Σ
表 2.2 結果
42.5
23.0
1)
18.615
2)
40.296
2.1.6 制御の改善
VLT® AQUA Drive FC 202
変換器
の制御
1)
42.5
3.5
18.615
3)
6.132
1
VLT® AQUA Drive FC 202
2 スター/デルタ・ スターター
3 ソフト・ スターター
4 主電源で直入スタート
周波数変換器を利用してシステムの流量や圧力を制御す
ることで、コントロールが向上します。
周波数変換器によってファンやポンプの速度を変えるこ
とができ、流量と圧力のコントロールが可能になります。
さらに、周波数変換器はシステムの新しい流量や圧力の条
件に対して、ファンやポンプの速度を迅速に適合させるこ
とができます。
内蔵の PI コントロールを利用したシンプルなプロセス制
御 (流量、レベル、圧力)。
2.1.7 スター/デルタ・ スターターまたは
ソフト・ スターター
多くの国では大型のモーターを始動する際に、スタート電
流を制限する装置を使用する必要があります。より従来
型のシステムでは、スター/デルタまたはソフト・ スター
ターが幅広く使用されています。周波数変換器を使用す
る場合、このようなモーター・スターターは必要ありませ
ん。
図 2.8
に示すように、周波数変換器は定格電流より多く
を消費することはありません。
図 2.8 始動時の電流
操作の説明
2.2
周波数変換器は、制御された量の主電源 AC 電源をモータ
ーに供給して、その速度をコントロールします。周波数変
換器は、モーターに可変の周波数と電圧を供給します。
周波数変換器は 4 つのメイン・ モジュールに分けられま
す。
整流器
•
中間直流バス回路
•
インバーター
•
コントロール及び制御
•
図 2.9
は、周波数変換器の内部部品のブロック図です。
これらの機能については、
表 2.3
を参照してください。
18 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
図 2.9 周波数変換器ブロック図
Inrush
R inr
Load sharing -
Load sharing +
LC Filter (5A)
LC Filter +
(5A)
Brake
Resistor
130BA193.14
M
L2 92
L1 91
L3 93
89(+)
88(-)
R+
82
R81
U 96
V 97
W 98
P 14-50 R Filter
製品概要 デザイン・ ガイド
面積 タイトル 機能
3 相 AC 主電源は周波数変換器に
1 主電源入力
2 整流器
3 直流バス
4 直流リアクター
キャパシター・
5
バンク
6 インバーター
モーターへの出
7
力
•
電力供給します。
整流器ブリッジがインバーターに
•
電力供給するため交流を 直流に
変換します。
中間直流バス回路は、 直流電流
•
を操作します。
中間直流回路電圧をフィルタリン
•
グします。
主電源トランジエント保護を確認
•
します。
RMS 電流を減じます。
•
ラインに反映する力率を上昇させ
•
ます。
交流入力の高調波を減じます。
•
直流電力を保持します。
•
ショート電力損失に対するライ
•
ド・ スルー保護を提供します。
モーターへ制御された可変出力を
•
供給するために、直流を制御され
た PWM 交流波形へ変換します。
モーターに供給される制御された
•
3 相出力です。
面積 タイトル 機能
入力電源、内部処理、出力、及び
•
モーター電流は監視され、動作と
コントロールの効率化が図られま
す。
ユーザー・ インターフェイスと外
•
部コマンドは監視され、実行され
ます。
状況の出力と制御が行えます。
•
8
表 2.3
コントロール回
路
図 2.9
に対する説明
1. 周波数変換器は、主電源から AC 電圧への DC 電圧
に変換します。
2. DC 電圧は可変の振幅と周波数を持つ AC 電流に
変換されます。
周波数変換器はモーターに可変の電圧 / 電流と周波数
を供給し、これによって 3 相標準同期モーターと非突極
PM モーターの変速コントロールが可能になります。
周波数変換器は、U/f 特殊モーター・ モードや VVC+とい
った様々なモーター制御の原則を管理します。周波数変
換器の短絡動作は、モーター相の 3 つの電流変換器によっ
て異なります。
2 2
図 2.10 周波数変換器の構造
2.3 動作シーケンス
2.3.1 整流器のセクション
電力が周波数変換器に投入されると、ユニットの設定に応
じて、主電源端子 (L1、L2、L3) を通り、切断及び / ま
たは RFI フィルター・ オプションに進みます。
2.3.2 中間セクション
整流器のセクションに続いて、電圧は中間セクションに進
みます。直流バス・インダクターと直流バス・キャパシタ
ー・バンクからなる正弦波フィルター回路が、変換された
電圧を安定させます。
直流バス・インダクターは、変動する電流に連続したイン
ピーダンスを提供します。これは、整流器の回路に通常あ
りがちな入力 AC 電流の波形に対する高調波の歪みを抑え
つつ、フィルター・ プロセスを支援します。
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 19
製品概要
VLT® AQUA Drive FC 202
2.3.3 インバーター・ セクション
インバーター・セクションにおいて、ひとたび実行コマン
22
ドと速度指令信号が存在すると、IGBT は出力波形を生成
するためにスイッチングを開始します。コントロール・カ
ードで Danfoss VVC+ PWM 原則により生成されるこの波
形により、モーターは最適な性能を発揮して損失を最小に
します。
2.3.4 ブレーキ・ オプション
ダイナミック・ブレーキ・オプションが備わった周波数変
換器の場合、ブレーキ IGBT と端子 81(R-) 及び 82(R
+) が外部のブレーキ抵抗器の接続用に付属します。
ブレーキ IGBT の機能は、最大電圧の上限を超えたとき
に中間回路の電圧を制限することです。これは、直流バス
に対して外部に取り付けられた抵抗を切り替えることで、
バス・ キャパシターにある過剰な DC 電圧を取り除いて実
行されます。
外部にブレーキ抵抗器を配置することは、アプリケーショ
ンのニーズに基づいて抵抗を選択できるほか、コントロー
ル・パネル外のエネルギーを放散させ、ブレーキ抵抗器が
過負荷となったときにコンバーターを加熱から保護する
という利点があります。
ブレーキ IGBT のゲート信号はコントロール・ カードか
ら発信され、電力カードとゲート・ドライブ・カードを介
してブレーキ IGBT に伝えられます。また、電力カード
とコントロール・カードは、短絡や過負荷がないかブレー
キ IGBT とブレーキ抵抗器の接続を監視します。前段ヒ
ューズの仕様については、
ください。
て下さい。
章 7.7 ヒューズと回路ブレーカー
章 7.1 電気データ
を参照して
も参照し
2.3.5 負荷分散
内蔵のロードシェア・オプションを持つユニットには、端
子 (+) 89 DC と (–) 88 DC が含まれます。周波数変
換器の内部では、これらの端子は直流リンク・リアクター
とバス・キャパシターの前にある DC バスに接続します。
詳しい情報 については Danfoss までお問い合わせくだ
さい。
ロードシェア端子は、2 つの異なる構成で接続が可能で
す。
1. 最初の方法では、複数の周波数変換器の端子 DC
バス回路を接続します。これにより、逆起電モー
ドにあるユニットで、過剰なバス電圧をモーター
が稼動している別のユニットと共有することが
できます。この方法によるロードシェアは、外部
のダイナミック・ブレーキ抵抗器の必要性がなく
なると同時に、エネルギーの節約も可能です。各
ユニットの電圧定格が同じである限り、この方法
で接続可能なユニット数は無制限です。さらに、
ユニットのサイズと数によっては、直流リンク接
続に直流リアクターと直流ヒューズを、主電源に
交流リアクターを設置しなければならないこと
があります。こうした構成には、特定の注意事項
が必要となります。Danfoss に連絡してサポー
トを依頼してください。
2. 2 番目の方法では、周波数変換器への電源を直流
ソースから独占的に供給します。これには以下
が必要です。
2a 直流ソース。
2b 電源投入時に直流バスをソフトチャー
ジする手段です。
繰り返しますが、このような構成には特定の検討
事項が必要となります。Danfoss に連絡してサ
ポートを依頼してください。
コントロール構造
2.4
2.4.1 コントロール構造開ループ
開ループ・ モードで操作する場合、周波数変換器は LCP
キーを介して手動で、またはアナログ / ディジタル入力
もしくはシリアル・バスを介して遠隔で入力コマンドに応
答します。
図 2.11
モードで作動します。LCP (手動モード) またはリモー
ト信号 (自動モード)により入力を受け入れます。信号
(速度参照) が受信され、最高及び最低モーター速度
(RPM と Hz)、立ち上がり/立ち下り時間、モーター回転
に示された構成では、周波数変換器は開ループ・
20 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
130BB153.10
100%
0%
-100%
100%
P 3-13
Reference
site
Local
reference
scaled to
RPM or Hz
Auto mode
Hand mode
LCP Hand on,
o and auto
on keys
Linked to hand/auto
Local
Remote
Reference
Ramp
P 4-10
Motor speed
direction
To motor
control
Reference
handling
Remote
reference
P 4-13
Motor speed
high limit [RPM]
P 4-14
Motor speed
high limit [Hz]
P 4-11
Motor speed
low limit [RPM]
P 4-12
Motor speed
low limit [Hz]
P 3-4* Ramp 1
P 3-5* Ramp 2
製品概要 デザイン・ ガイド
方向を使用して調整されます。続いて、モーターを制御す
るために参照値が渡されます。
図 2.11 開ループ・ モードのブロック図
2.4.2 コントロール構造の閉ループ
2 2
閉ループ・ モードでは、内部 PID コントローラーによ
り、周波数変換器がシステムの参照値及びフィーバック信
号を処理して、独立したコントロール・ユニットとして作
立して動作しつつ、状態と警報メッセージ、外部システム
を監視するための他のプログラム可能なオプションを提
供します。
動させることができます。コンバーターは閉ループで独
図 2.12 閉ループ・ コントローラーのブロック図
例えば、パイプ内の定位圧力が一定なポンプの速度が制御
されるポンプの用途を考えてみてください(
図 2.12
を参
に、パイプの圧力が参照設定値より低い場合、周波数変換
器は少しずつポンプの圧力を上げます。
照)。周波数変換器は、システム内のセンサーからフィー
バック信号を受信します。このフィードバックは参照用
設定値と比較され、2 つの信号間で誤差があればそれが検
出されます。続いて、この誤差を修正するためにモーター
の速度が調整されます。
望ましい固定圧力の設定値は、周波数変換器に対する速度
指令信号です。圧力センサーはパイプ内の実際の定位圧
力を測定し、この情報をフィーバック信号として周波数変
換器に提供します。フィーバック信号が参照設定値を上
回る場合、周波数変換器は圧力を徐々に下げます。動揺
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 21
閉ループの周波数変換器のデフォルト値では通常、満足の
いく性能を発揮できますが、多くの場合システムの制御は
PID パラメーターを調整することで最適化できます。こ
の最適化のためにに
自動調整
が用意されています。
その他のプログラム可能な機能には以下のものがありま
す。
Remote
reference
Local
reference
Auto mode
Hand mode
Linked to hand/auto
Local
Remote
Reference
130BA245.11
LCP Hand on,
o and auto
on keys
P 3-13
Reference site
130BD893.10
open loop
Scale to
RPM or
Hz
Scale to
closed loop
unit
closed loop
Local
ref.
Local
reference
Conguration
mode
P 1-00
製品概要
•
逆規制 - フィーバック信号が高い場合にモー
VLT® AQUA Drive FC 202
ター速度が上がります。
スタート周波数 - PID コントローラーが作動
22
•
する前にシステムが素早く動作状態になります。
内蔵ローパスフィルター - フィーバック信号
•
の雑音を抑えます。
2.4.3 ローカル(手動オン)及び遠隔(自
動オン)コントロール
周波数変換器は LCP を使用して手動で操作することも、ア
ナログ入力、ディジタル入力、及びシリアル・バスを介し
て遠隔操作することもできます。
アクティブな速度指令信号及び構成モード
アクティブな速度指令信号は、ローカル速度指令信号又は
リモート速度指令信号のいずれかです。リモート速度指
令信号がデフォルト設定です。
ローカル速度指令信号を使用するには、
•
ド
で設定してください。手動モードを有効にす
るには、パラメーター・ グループ
Keypad
のパラメーター設定を適用します。詳細
については、
プログラミング・ガイド
ください。
リモート速度指令信号を使用するには、デフォル
•
トのモードである自動モードで設定してくださ
い。この
Auto
モードでは、周波数変換器をデ
ィジタル入力や様々なシリアル・インターフェイ
ス(RS485、USB、またはオプションのフィールド
バス)にてコントロールできます。
•
図 2.13
はアクティブな速度指令信号を選択
(ローカルまたは遠隔)した場合の設定モードを
示します。
•
図 2.14
はローカル速度指令信号用の手動構成
モードを示します。
手動モー
0-4* LCP
を参照して
図 2.14 構成モード
アプリケーション・ コントロール速度指令信号
リモート速度指令信号またはローカル速度指令信号のど
ちらかが常にアクティブになります。両方を同時にアク
ティブにすることはできません。
表 2.4
の通りに、アプ
リケーション・ コントロール速度指令信号 (つまり、開
ループまたは閉ループ)を
1-00 構成モード
で設定しま
す。
ローカル速度指令信号がアクティブの場合、
ル・モード構成
でアプリケーション・コントロール速度指
1-05 ローカ
令信号を設定します。
表 2.4
に示すように、
3-13 速度指令信号サイト
で速度指
令信号サイトを設定します。
詳細については、
プログラミング・ガイド
を参照してくだ
さい。
[Hand On]
図 2.13 アクティブな速度指令信号
22 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
[Auto On]
LCP キー
手動 手動/自動へリンク ローカル
Hand⇒ Off 手動/自動へリンク ローカル
自動 手動/自動へリンク リモート
Auto ⇒ オフ 手動/自動へリンク リモート
全てのキー ローカル ローカル
全てのキー リモート リモート
表 2.4 ローカル又はリモート速度指令信号の構成
速度指令信号サイト
3-13 速度指令信号サイ
ト
アクティブな速度
指令信号
製品概要 デザイン・ ガイド
2.4.4 速度指令信号の処理
速度指令信号の処理は、開ループ及び閉ループ動作の両方
に適用されます。
内部及び外部速度指令信号
最大で 8 つの内部プリセット速度指令信号を周波数変
換器でプログラムできます。アクティブな内部プリセッ
ト速度指令信号は、ディジタル・コントロール入力または
シリアル通信バスを介して外部から選択できます。
また、外部速度指令信号は通常、アナログ・コントロール
入力を介してコンバーターに提供することもできます。
外部速度指令信号の合計を求めるために、全ての速度指令
信号ソース及びバス速度指令信号が合計されます。外部
速度指令信号、プリセット速度指令信号、設定値、または
3 つ全ての合計をアクティブな速度指令信号として選択
できます。この速度指令信号はスケーリングすることが
できます。
スケール済みの速度指令信号は以下のように計算されま
す。
速度指令信号
X が外部速度指令信号、プリセット速度指令信号、また
はそれら速度指令信号値の合計である場合、Y は
3-14 プリセット相対速度指令信号
Y、つまり
設定されている場合、スケーリングは速度指令信号に影響
しません。
リモート速度指令信号
リモート速度指令信号は以下により構成されます
(
図 2.15
•
•
•
•
= X + X ×
3-14 プリセット相対速度指令信号
を参照)。
プリセット速度指令信号
外部速度指令信号:
- アナログ入力
- パルス周波数入力
- ディジタル・ ポテンショメーター入力
- シリアル通信バスの速度指令信号
プリセット相対速度指令信号
フィードバックにより制御される設定値
Y
100
[%] です。
が 0% に
2 2
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 23
製品概要
VLT® AQUA Drive FC 202
22
図 2.15 リモート速度指令信号の処理を示すブロック図
24 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
製品概要 デザイン・ ガイド
2.4.5 フィードバックの処理
フィードバック処理は、複数の設定値や複数タイプのフィ
ードバックなど、高度な制御を必要とする用途とともに機
能するように構成可能です (
制御が一般的です:
単一ゾーン、単一設定値
この制御タイプは、基本的なフィードバック構成です。設
定値 1 が他の速度指令信号(該当する場合) に追加さ
れ、フィーバック信号が選択されます。
複数ゾーン、単一設定値
この制御タイプは 2 つまたは 3 つのフィードバック・セン
サーを使用しますが、設定値は 1 つのみです。フィードバ
ックは加算、減算、平均することができます。また、最大
値や最小値を使用できます。設定値 1 はこの構成での
み使用されます。
図 2.16
を参照。3 種類の
複数ゾーン、設定値 / フィードバック
設定値 / フィードバックの組合せで差異が最大のもの
が、周波数変換器の速度を制御します。最大値は全てのゾ
ーンをそれぞれの設定値以下に、最小値は全てのゾーンを
それぞれの設定値以上に保とうとします。
例
A 2-ゾーン、2-設定値のアプリケーション。ゾーン 1 の
設定値は 15 バーで、フィードバックは 5.5 バーです。
ゾーン 2 の設定値は 4.4 バーで、フィードバックは
4.6 バーです。最大値を選択すると、差異のより小さい
ゾーン 1 の設定値とフィードバックが PID コントロー
ラーに送られます (フィードバックが設定値よりも高
く、差異がマイナスになります)。最大値を選択すると、
差異がより大きいゾーン 2 の設定値とフィードバック
が PID コントローラーに送られます (フィードバック
が設定値より低く、差異がプラスになります)。
2 2
図 2.16 フィーバック信号処理のブロック図
フィードバック変換
用途によっては、フィーバック信号を変換すると便利で
す。ひとつの例が、流量のフィードバックを提供するため
に圧力信号を使用する場合です。圧力の平方根は流量に
比例するため、圧力信号の平方根は流量に比例する値とな
ります(
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 25
図 2.17
を参照)。
製品概要
VLT® AQUA Drive FC 202
2.5.2 過電圧保護
モーターが引き起こした過電圧
22
図 2.17 フィードバック変換
2.5 自動運転機能
自動運転機能は、周波数変換器が稼動するとただちにアク
ティブになります。そのほとんどがプログラミングや設
定を必要としません。これらの機能が存在することを理
解すれば、システム設計を最適化して、冗長なコンポーネ
ントや機能を導入しなくてすむ可能性があります。
必要な設定の詳細、特にモーター・パラメーターについて
は、
プログラミング・ ガイド
周波数変換器には、変換器及び作動するモーターを保護す
るための様々な内蔵保護機能が備わっています。
2.5.1 短絡 保護
モーター (相-相)
周波数変換器は、3 つのモーター相それぞれ、又は直流
リンクで電流を測定することで、モーター側の短絡から保
護されています。2 つの出力相間で短絡が起こると、イ
ンバーターに過電流が発生します。短絡電流が許容値
(警報 16 トリップ・ロック) を超過すると、インバータ
ーの電源がオフになります。
主電源側
正しく機能する周波数変換器は、供給電源からの電流を制
限します。供給側では、周波数変換器(初回故障)内でコ
ンポーネントが破損した場合の保護のため、ヒューズ及び
/または回路ブレーカーの使用をお勧めします。詳細は、
章 7.7 ヒューズと回路ブレーカー
を参照してください。
を参照してください。
モーターがジェネレーターとして動作している場合には、
中間回路の電圧が上昇します。これは、以下の場合に起こ
ります。
負荷によって(周波数変換器からの定出力周波数
•
にて)モーターが駆動した場合。例:負荷によっ
てエネルギーが発生。
減速(「立ち下り」)中に慣性モーメントが高いと
•
摩擦が低下するため、周波数変換器、モーター、
及び設備内の損失としてエネルギーを消費する
には立ち上がり時間が短すぎる場合。
スリップ補償設定が正しくないと直流リンク電
•
圧がより高くなる場合があります。
PM モーター動作からのバック EMF 高回転 で
•
フリーラン状態の場合、PM モーターのバック
EMF が周波数変換器の最大電圧許容値を超え、
破損につながる恐れがあります。これを防ぐた
め、
4-19 最高出力周波数
RPM にて EMF に復活、1-25 モーター公称速度
1-39 モーター極
り自動的に制限されます。
の値に基づいて、内部計算によ
の値は
1-40 1000
、
注記
モーターが加速しすぎないように (過剰な空転効果や、
制御されない水流など)、周波数変換器にブレーキ抵抗器
を装備してください。
過電圧には、ブレーキ機能 (
過電圧コントロール (
らかを使用して対応することができます。
過電圧コントロール (OVC)
OVC は、直流リンクの過電圧により周波数変換器がトリ
ップするリスクを低減します。これは、立ち下り時間を自
動的に延長することで管理されます。
2-10 ブレーキ機能
2-17 過電圧コントロール
) または
)のどち
注記
PM モーターに対して OVC を有効化できます (PM VVC
+
)。
注記
IEC 60364 (CE)または NEC 2009 (UL) に準拠するため
に、ヒューズ及び / または回路ブレーカーを使用する必
要があります。
ブレーキ抵抗器
周波数変換器は、ブレーキ抵抗器の短絡から保護されてい
ます。
負荷分散
直流バスを短絡から、周波数変換器を過負荷から守るに
は、直流ヒューズを直列で、接続された全てのユニットの
ロードシェア端子とともに設置してください。詳細は、を
参照
章 2.3.5 負荷分散
26 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
してください。
ブレーキ機能
過剰なブレーキ・エネルギーを放散させるため、ブレーキ
抵抗器を取り付けます。ブレーキ抵抗器を接続すると、ブ
レーキ中の直流リンク電圧が上昇しすぎるのを防ぐこと
ができます。
AC ブレーキはブレーキ抵抗器を使用せずにブレーキを
改善するもうひとつの方法です。この機能は、余分なエネ
ルギーを発生させるジェネレーターとしてモーターを運
転する際に、過剰な磁化を制御します。この機能は、OVC
を改善させることができます。モーター内部における電
気的損失が増加することにより、OVC 機能が、超過電圧制
限を超えることなくしてブレーキ・ トルクを増加させま
す。
製品概要 デザイン・ ガイド
注記
交流ブレーキは、抵抗器を持つダイナミック・ブレーキの
ように効率的ではありません。
2.5.3 モーター欠相の検知
モーター欠相
ん。
) は、モーター相が損失している場合にモーターの破
損を防ぐため、デフォルトで有効になっています。デフォ
ルト設定では 1000 ms ですが、調整してより速く検知す
ることも可能です。
2.5.4 主電源相アンバランス検知
深刻な主電源アンバランス条件下で動作するとモーター
の寿命が縮まります。モーターを公称負荷に近い値で操
作し続けた場合、状態は深刻と見なされます。デフォルト
設定では、主不均衡があると周波数変換器がトリップしま
す (
14-12 主電源アンバランス時の機能
2.5.5 出力点スイッチング
モーターと周波数変換器間の出力にスイッチを追加する
ことは許可されています。不具合メッセージが表示され
ることがあります。回転するモーターをつかむには、フラ
イング・ スタートを有効にしてください。
機能 (
4-58 モーター相機能がありませ
)。
電圧制限
ハードコード化された一定の電圧レベルに達すると、周波
数変換器は電源を切ってトランジスタと直流リンク・キャ
パシターを保護します。
過温度
周波数変換器には温度センサーが内蔵されており、ハード
コード化されたリミットにより臨界値に対して迅速に反
応します。
2.5.7 自動定格低減
周波数変換器は限界レベルを常に確認します。
高温のコントロール・カードまたはヒートシンク
•
モーター高負荷
•
直流リンク高電圧
•
低モーター速度
•
限界レベルへの応答として、周波数変換器はスイッチ周波
数を調整します。内部が高温であったり、モーター速度が
遅い場合のために、周波数変換器は PWM パターンを
SFAVM に強制適用することもできます。
注記
14-55 出力フィルター
設定されている場合、自動定格低減は異なります。
が
[2] 正弦波フィルター固定
に
2 2
2.5.6 過負荷保護
トルク制限
トルク制限機能は、速度に関係なくモーターを過負荷から
保護します。トルク制限は
モード
または
で制御され、
トルク制限の警告が表示されるまでの時間は
ルク制限時のトリップ遅延
電流制限
電流制限は
速度制限
以下のパラメーターを使用して運転速度範囲の上限と下
限を定義します。
•
•
•
例えば、運転速度の範囲を 30 から 50/60Hz とすること
ができます。
4-19 最高出力周波数
出力速度を制限します。
ETR
ETR は、内部測定値に基づいてバイメタル・ リレーをシ
ミュレーションする電子機能です。特性を
します。
4-17 トルク制限ジェネレーター・モード
4-18 電流制限
4-11 モーター速度下限[RPM]
4-12 モーター速度下限[Hz]、4-13 モーター速
度上限[RPM]
4-14 Motor Speed High Limit [Hz]
4-16 トルク制限モーター・
14-25 ト
でコントロールします。
で制御します。
or
、
により、周波数変換器で可能な最大
図 2.18
に示
2.5.8 自動エネルギー最適化
自動エネルギー最適化 (AEO) は、周波数変換器に対し
て、モーターの負荷を常に監視して出力電圧を最大効率ま
で調整するように指示します。負荷が軽い場合は電圧が
下がり、モーター電流は最小に抑えられます。モーターに
は効率の向上や発熱の低下、運転が静かになるなどのメリ
ットがあります。周波数変換器がモーター電圧を自動的
に選択するため、V/Hz 曲線を選択する必要はありませ
ん。
2.5.9 スイッチ周波数自動変調
周波数変換器は、AC 波形パターンを形成するために短い
電気パルスを発生させます。スイッチ周波数はこれらの
パルスの速度です。低スイッチ周波数 (低速のパルス)
ではモーターに耳に聞こえる雑音が発生するため、高めの
スイッチ周波数が理想的です。ただし、高スイッチング周
波数では周波数変換器で熱損が発生し、モーターで使用可
能な電流が制限されることがあります。
スイッチ周波数自動変調はこれらの状態を自動的に制御
して、周波数変換器が過熱を起こすことなく最も高いスイ
ッチ周波数を達成します。制御された高スイッチング周
波数を実現することで、耳に聞こえる雑音のコントロール
が重要な場合に低速でのモーターの運転音を下げ、必要に
応じてモーターに最大出力を提供します。
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 27
製品概要
VLT® AQUA Drive FC 202
2.5.10 高スイッチ周波数の自動定格低減
周波数変換器はスイッチ周波数が 3.0 から 4.5 kHz
22
(この周波数範囲は電力により異なります) で、最大負荷
が連続する状態で運転するように設計されています。ス
イッチ周波数が最大許容範囲を超えると、周波数変換器が
過熱して出力電流を低減しなければならなくなります。
周波数変換器の自動機能として、負荷依存のスイッチ周波
数コントロールがあります。この機能により、モーターは
負荷が許容する範囲で高スイッチ周波数の恩恵を受ける
ことができます。
た後に周波数変換器が自動的にオンになります。フライ
ング・スタートを使用して、周波数変換器を始動前にモー
ター回転に同期させます。
2.5.15 モーター始動
周波数変換器は、モーターに適切な量の電流を供給して負
荷慣性を克服するとともに、モーターの速度を上昇させま
す。これにより、モーターが止まっていたり、ゆっくり回
転しているときに主電源電圧が印加されて、電流や熱が高
くならないようにします。この内蔵ソフト・スタート機能
は、熱負荷と機械的ストレスを低下させ、モーターの寿命
を延ばして静かにシステムを運転できるようにします。
2.5.11 過熱時の自動定格低減
2.5.16 共振制動
自動過熱定格低減は、高温で周波数変換器がトリップしな
いようにする機能です。内部のセンサーが状態を測定し、
動力コンポーネントが過熱しないようにします。コンバ
ーターが自動的にスイッチ周波数を下げて、動作温度を安
全な範囲に保つことができます。スイッチ周波数を下げ
た後、過熱によるトリップを防ぐために、コンバーターは
出力周波数と電流を最大 30% 低くすることも可能です。
2.5.12 自動ランピング
使用可能な電流に対してモーターが負荷を急加速しよう
とすると、コンバーターがトリップする可能性がありま
す。急に減速する場合にも同じことが言えます。自動ラ
ンピングは、モーターのランピング速度を調整 (加速ま
たは減速) して使用可能な電流に合わせることで、これ
らの状況を回避します。
2.5.13 電流制限回路
周波数変換器の通常運転による現在の能力を負荷が超え
ている場合 (サイズの小さいコンバーターやモーターに
起因)、電流制限によって出力周波数を制限してモーター
の速度をゆっくり落とし、負荷を軽減します。この状態で
の動作を 60 秒以内に制限するための調整可能なタイマ
ーもあります。工場出荷時のデフォルト制限は、過電流の
負荷を最小限にするため定格モーター電流の 110% で
す。
高周波数モーターの共振雑音は、共振制動により排除する
ことができます。自動または手動で選択する制動が利用
できます。
2.5.17 温度制御ファン
内蔵の冷却ファンは、周波数変換器内のセンサーにより温
度で制御されています。低負荷の動作中やスリープ・モー
ドあるいはスタンバイのときは、たいてい冷却ファンは作
動していません。これにより雑音を低減し、効率を高めて
ファンの稼動寿命を延ばします。
2.5.18 EMC 適合
電磁干渉(EMI) または無線周波数干渉 (無線周波数の場
合は RFI)とは、外部ソースからの電磁誘導やエミッショ
ンによって電子回路に影響する可能性のある妨害です。
周波数変換器は、ドライブ用の EMC 製品標準 IEC
61800-3 のほか、ヨーロッパ標準 EN 55011 に適合する
よう設計されています。EN 55011 のエミッションレベ
ルに適合するには、モーター・ケーブルがシールドされて
適切に終端処理されている必要があります。EMC 性能の
詳細については、
ださい。
章 3.2.2 EMC 試験結果
を参照してく
2.5.19 3 つ全てのモーター相の電流測定
2.5.14 電力変動性能
周波数変換器は以下のような主電源の変動に対応します。
トランジエント
•
一時的な降下
•
短い電圧の低下
•
サージ
•
周波数変換器は入力電圧を自動的に公称値から補正
(± 10%) し、最高の定格モーター電圧とトルクを提供しま
す。自動再スタートが選択された場合、電圧がトリップし
28 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
モーターへの出力電流は、周波数変換器とモーターを短絡
や地絡、相損失から保護するために 3 相全てで継続的に測
定されます。出力地絡は即時に検知されます。モーター
相が損失した場合は周波数変換器がすぐに停止して、紛失
した相について報告します。
2.5.20 コントロール端子の電気絶縁
全てのコントロール端子と出力リレー端子は、主電源から
電気絶縁されています。つまり 、コントロール回路は入
力電流から 完全に保護されます。出力リレー端子はそ
製品概要 デザイン・ ガイド
れぞれ接地する必要があります。この絶縁は、厳格な超低
電圧保護 (PELV) の要件に適合しています。
電気絶縁を構成するコンポーネントは以下の通りです。
電源(信号の分離を含む)。
•
IGBT、トリガー・トランスフォーマ、光カプラ用
•
のゲート ドライブ。
出力電流ホール効果変換器。
•
2.6 カスタム・ アプリケーション機能
カスタム・アプリケーション機能は、システムの性能を強
化するために周波数変換器でプログラムされる最も一般
的な機能です。プログラミングや設定はほとんど必要あ
りません。これらの機能が利用可能なことを理解すれば、
システム設計を最適化して、冗長なコンポーネントや機能
を導入せずに済む可能性があります。これらの機能を有
効化する 手順 については、
参照してください。
プログラミング・ ガイド
を
2.6.1 自動モーター適合
自動モーター適合 (AMA) は、モーターの電気特性を測定
する際に使用される自動テストの手順です。AMA はモー
ターの正確な電子モデルを提供します。これにより、周波
数変換器がモーターに関して最適な性能と効率を計算で
きるようになります。AMA の手順を実行することによっ
て、周波数変換器の自動エネルギー最適化機能が最大化さ
れます。AMA はモーターの回転やモーターからの負荷切
り離しもなしに実行されます。
2.6.2 モーターサーマル保護
モーター熱保護は 3 通りの方法で行うことができます。
以下のいずれかの方法による直接温度検知を利
•
用:
- 標準の AI または DI に接続されたモ
ーター巻線の PTC センサー。
- モーター巻線及びモーター・ベアリング
の PT100 または PT1000。VLT® セン
サー入力カード MCB 114 に接続しま
す。
-
VLT® PTC Tthermistor カード MCB
112 (ATEX 認証済み)上の PTC サーミ
スター入力。
DI の機械的熱スイッチ (Klixon タイプ)。
•
非同期モーター用の内蔵の電子サーマル・
•
リレー (ETR)。
ETR は、電流、周波数、運転時間を測定してモーターの
温度を計算します。周波数変換器は熱負荷をモーター上
でパーセント値により表示するほか、プログラム可能な過
負荷設定値で警告を発することができます。
過負荷時のプログラマブル・オプションにより、周波数変
換器においてモーターの停止、出力の減少、あるいは条件
の無視が行えるようになります。低速度においても、周波
数変換器は、I2t クラス 20 電動モーター過負荷規格に
適合します。
図 2.18 ETR 特性
図 2.18
示します。Y 軸は、ETR がカットオフして、周波数変換器
をトリップさせる前の時間を秒で示します。曲線は 2 回
の公称速度と 0.2 x 公称速度における公称速度特性を示
します。
低速では、モーターの冷却機能が低下するために低い温度
で ETR がカットオフします。このようにして、モーターは
低速でも過熱から保護されます。ETR 機能は、実際の電流
と速度を基にモーター温度を算出します。算出された温
度は、
確認できます。
の X 軸は、I
16-18 モーター熱
motor
と I
の読み出しパラメーターとして
(公称)の間の比率を
motor
2.6.3 主電源降下
主電源の降下中、周波数変換器は、中間回路電圧が最低停
止レベルを下回るまで運転しつづけます。最低停止レベ
ルは通常、最低定格供給電圧から 15% を引いた値です。
降下前の主電源電圧及びモーター負荷により周波数変換
器がフリーランするまでにかかる時間が決まります。
周波数変換器は、主電源電圧降下の間、さまざまな種類の
挙動 (
14-10 主電源異常
直流リンクの電力が消耗するとトリップロック
•
する。
主電源が回復すると必ずフライング・スタートで
•
フリーランする (
速度バックアップ
•
コントロールされた立ち下がり
•
) を行います。
1-73 フライング・スタート
)。
2 2
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 29
製品概要
VLT® AQUA Drive FC 202
フライング・ スタート
これを選択することで、主電源電圧降下によって自由回転
しているモーターの回転を捕捉することが可能になりま
22
す。このオプションは遠心分離機とファンに関連しま
す。
速度バックアップ
これを選択することで、システム内にエネルギーがある限
り、周波数変換器を運転し続けることができます。主電源
電圧降下が短い場合、主電源が回復すると運転が再開し、
アプリケーションが停止したり、制御不能になったりする
ことはありません。速度バックアップのいくつかの改良
型が選択できます。
14-10 主電源異常
主電源降下における周波数変換器の挙動を設定できます。
及び
1-73 フライング・ スタート
で、
2.6.4 内蔵 PID コントローラー
4 個の内蔵型比例、積分、微分(PID)コントローラーによ
り、補助制御装置の必要はなくなります。
PID コントローラーの 1 つが、安定化された圧力、流量、
温度、あるいは他のシステム要件を維持する必要がある閉
ループシステムの定常的な制御を維持します。周波数変
換器は、リモートセンサからのフィードバック信号に反応
して、モータ速度の自立制御を可能にします。周波数変換
器は、2 種類のデバイスから 2 つのフィードバック信号に
対応します。この機能により、さまざまなフィードバック
要件でシステムを制御することができます。周波数変換
器は、システム性能を最適化するために、2 つの信号を比
較して制御を行います。
薬液注入ポンプやバルブ制御のようなプロセス機器の制
御、あるいはさまざまなレベルのエアレーションについて
は、3 個の追加及び独立のコントローラーをご使用くださ
い。
2.6.7 減速時のフルトルク
周波数変換器は可変 V/Hz 曲線に従って、減速時でもフル
モーター・トルクを提供します。フル出力トルクは、モー
ターの最大設計運転速度に一致させることができます。
これは、低速で低いモーター・トルクを提供する可変トル
ク変換器、あるいは全速未満で過剰な電圧、熱、及びモー
ターノイズを提供する定トルク変換器とは異なります。
2.6.8 周波数バイパス
用途によっては、システムが機械的共振を発生させる運転
速度を持つことがあります。これにより過剰なノイズが
発生して、システムの機械部品を損傷させる可能性もあり
ます。周波数変換器には、4 つのプログラマブル バイパ
ス周波数帯域があります。これにより、モーターはシステ
ム共振を引き起こす速度を乗り越えることができます。
2.6.9 モーター予熱
寒冷で湿気のある環境でモーターを予熱するには、少量の
直流電流を連続的にモーターへ流して、結露とコールドス
タートからモーターを保護します。これにより、スペース
ヒーターが不要になります。
2.6.10 4 つのプログラマブル・ セットア
ップ
周波数変換器には 4 つのセットアップがあり、それぞれ
独立してプログラムできます。複数設定を使用すると、デ
ィジタル入力又はシリアルコマンドによって独立プログ
ラム機能を切り替えることが可能です。独立設定は、例え
ば、速度指令信号の変更、昼夜または夏期/冬期運転、あ
るいは複数モーターの制御に使用されます。有効な設定
は LCP に表示されます。
2.6.5 自動再スタート
周波数変換器は、一時的な電力損失や電力変動などの軽度
のトリップの後に自動的に再起動するようプログラムす
ることができます。この機能により、手動リセットが不要
になり、システムをリモート制御するための自動運転が強
化されます。試行間の時間と同様、再起動の試行数も制限
できます。
2.6.6 フライング・ スタート
フライング・スタートにより、周波数変換器は全速(最高)
でいずれかの方向に回転するモーターに同期することが
できます。これにより、過負荷電流によるトリップを防止
できます。また、周波数変換器が起動したときにモーター
は速度の急激な変化を受けることがないため、システムに
対する機械的なストレスが緩和されます。
30 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
設定データは、情報を着脱式 LCP からダウンロードするこ
とで、周波数変換器から周波数変換器へコピーできます。
2.6.11 ダイナミック・ ブレーキ
ダイナミック・ ブレーキは以下によって成立します:
抵抗器ブレーキ
•
ブレーキ IGBT は、モーターのブレーキ・エネル
ギーを接続されているブレーキ抵抗器に伝達す
ることで、過電圧をある閾値以下に維持します
(
2-10 ブレーキ機能
交流ブレーキ
•
ブレーキ・エネルギーは、モーターの損失状態を
変化させることで、モーター内に分散されます。
交流ブレーキ機能は、モーターを過熱させる高い
サイクル周波数を有するアプリケーションには
使用できません (
= [1])。
2-10 ブレーキ機能
= [2])。
. . .
. . .
Par. 13-11
Comparator Operator
Par. 13-43
Logic Rule Operator 2
Par. 13-51
SL Controller Event
Par. 13-52
SL Controller Action
130BB671.13
Coast
Start timer
Set Do X low
Select set-up 2
. . .
Running
Warning
Torque limit
Digital input X 30/2
. . .
=
TRUE longer than..
. . .
. . .
製品概要 デザイン・ ガイド
2.6.12 直流ブレーキ
一部のアプリケーションでは、モーターを減速または停止
させるようなブレーキを必要とする場合があります。モ
ーターに直流電流を供給することで、モーターは制動され
て、個別のモーターブレーキは不要になります。直流ブレ
ーキは、事前設定周波数で、または信号の受信時に作動す
るように設定できます。制動率もプログラム可能です。
2.6.13 スリープ・ モード
スリープ・モードでは、指定時間に要求が低い時にモータ
ーを停止させることができます。システム要求が増加す
ると、変換器はモーターを再起動します。スリープ・モー
ドはエネルギーを節約し、モーターの消耗を緩和します。
セットバッククロックとは異なり、プリセットウェークア
ップ要求に達すると変換器はいつでも使用できるように
なります。
2.6.14 運転許可
2 2
変換器は、スタートする前に、リモート
システム準備
信号
を待つことができます。この機能が有効になると、変換器
はスタート許可を受け取るまで停止したままとなります。
運転許可により、変換器がモーターをスタートできるよう
になる前に、システムまたは補助装置を適正な状態にする
ことができます。
2.6.15 スマート論理コントロール(SLC)
スマート論理コントロール(SLC)とはに、関連するユーザ
ー定義イベント ( [x]
ョン
を参照) が SLC によって真であると評価された場
合に、SLC により実行される一連のユーザー定義アクシ
ョン ( [x]
13-51 SL コントローラー・ イベント
のことです。
イベントの状態は特定ステータスになるか、論理規則また
はコンパレーターオペランドの出力が真になります。こ
れにより、
図 2.19
ます。
13-52 SL コントローラー・アクシ
を参照)
に示すような関連アクションが導かれ
図 2.19 SCL イベント及びアクション
イベント及びアクションはそれぞれ番号付けされ、リンク
されて 1 つのペア (状態) になっています。つまり、
イベント
ョン
[0] が満たされる(値が真になる)と、
アクシ
[0] が実行されます。その後、イベント[1]の条
件が評価され、真と評価されるとアクション[1]が実行
され、これが続いていきます。一度に評価される
イベント
は 1 つだけです。イベントが偽と評価されると、現在の
スキャン間隔中は(SLC 内で)何も起こりません。また、
別のイベントも評価されません。つまり、SLC の起動時、
各スキャン間隔で評価されるのはイベント[0](かつイベ
ント[0]のみ)です。イベント[0]が真と評価された場
合のみ SLC はアクション[0]を実行しイベント[1]の
評価を開始します。1 件から 20 件までのイベント及び
アクションをプログラム可能です。
最後の
イベント/アクション
は最初に戻り
イベント
が実行されると、シーケンス
[0]/
アクション
[0]から開始さ
れます。4 つのイベント/アクションを使用した例を
図 2.20
に示します。
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 31
130BA062.14
State 1
13-51.0
13-52.0
State 2
13-51.1
13-52.1
Start
event P13-01
State 3
13-51.2
13-52.2
State 4
13-51.3
13-52.3
Stop
event P13-02
Stop
event P13-02
Stop
event P13-02
Par. 13-11
Comparator Operator
=
TRUE longer than.
. . .
. . .
Par. 13-10
Comparator Operand
Par. 13-12
Comparator Value
130BB672.10
. . .
. . .
. . .
. . .
Par. 13-43
Logic Rule Operator 2
Par. 13-41
Logic Rule Operator 1
Par. 13-40
Logic Rule Boolean 1
Par. 13-42
Logic Rule Boolean 2
Par. 13-44
Logic Rule Boolean 3
130BB673.10
製品概要
VLT® AQUA Drive FC 202
2.6.16 STO 機能
周波数変換器ではコントロール端子 37 を通じて STO 機能
22
図 2.20 4 つのイベント/アクションをプログラムしたときの
実行順番
が利用できます。STO は、周波数変換器出力ステージの
電力半導体のコントロール電圧を無効化させます。これ
によって、モーター回転に必要な電圧の生成が阻止されま
す。STO(端子 37)が起動されると、周波数変換器は警報
を発し、ユニットをトリップさせ、モーターはフリーラン
して停止します。手動リスタートが必要です。STO 機能
は、周波数変換器の緊急停止に使用できます。通常の動作
モードでは、STO が必要でない場合、通常停止機能を使用
します。自動再スタートを使用する場合、ISO 12100-2
パラグラフ 5.3.2.5 の要件が満たされているか確認し
てください。
コンパレーター
コンパレーターは、継続的な変数(出力周波数、出力電流、
アナログ入力など)と固定プリセット値との比較で使用し
ます。
機能の設置及び動作を行う作業員を確保することはユー
ザーの責任となります:
健康及び安全/事故の防止に関する安全規則を読
•
み、理解してください
特定のアプリケーションに適用される一般的及
•
び安全基準について正しい知識を持ってくださ
い。
ユーザーは次のように定義されます:
責任条件
インテグレーター
•
オペレータ
図 2.21 コンパレーター
論理規則
タイマー、コンパレーター、ディジタル入力、状態ビッ
ト、及びイベントからの最高 3 つのブール入力(真/偽
入力)を論理演算子 AND、OR、NOT を使用して組み合わ
せます。
•
サービス技術者
•
メンテナンス技術者
•
基準
端子 37 上の STO を使用する場合、ユーザーは関連する法、
規則、ガイドラインを含むすべての安全規則を遵守しなけ
ればいけません。オプションの STO 機能は以下の基準を
満たします:
EN 954-1: 1996 カテゴリー 3
•
IEC 60204-1: 2005 カテゴリー 0 – 制御さ
•
れていない停止
IEC 61508: 1998 SIL2
•
IEC 61800-5-2: 2007 – STO 機能
•
IEC 62061: 2005 SIL CL2
•
図 2.22 論理規則
論理規則、タイマー、及びコンパレーターは、SLC シーケ
ンスの外でも使用することができます。
本書の記載内容と指示だけでは、STO 機能を正しく安全に
ISO 13849-1: 2006 カテゴリー 3 PL d
•
ISO 14118: 2000 (EN 1037) – 予期しないス
•
タートアップの防止
使用するには不十分です。STO に関する詳細情報につい
SLC の例については、
さい。3
32 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
章 4.3 応用設定例
を参照してくだ
ては、
ください。
VLT® 安全 トルク オフ 取扱説明書
を参照して
製品概要 デザイン・ ガイド
予防措置
安全なエンジニアリングシステムの設置及び試
•
運転には、有資格の熟練した担当員が必要で
す。
ユニットは IP54 キャビネットまたは同様の環境
•
において設置しなければいけません。特殊アプ
リケーションでは、より高い IP 等級が必要です。
端子 37 と外部安全デバイスの間のケーブルは、
•
ISO 13849-2 表 D.4 に従って短絡保護される
必要があります。
外部の力がモーター軸に影響を及ぼすとき(例え
•
ば吊り下げられた積荷)、追加措置(例えば安全保
持ブレーキ)が危険防止のために必要です。
2.7 障害、警告及び警報機能
周波数変換器は、電源状態、モーター 負荷 及び パフォ
ーマンスさらには変換器ステータスを含む、システム運転
のさまざまな状況を監視します。警告や警報は、必ずしも
周波数変換器自体の問題を示しているとは限りません。
パフォーマンス制限で監視されている変換器の外側の状
態に起因していることもあります。変換器には、さまざま
な事前プログラムされた 障害、警告 及び 警報応答があ
ります。追加 警報 及び 警告機能を選択して、システム
パフォーマンスを強化あるいは修正できます。
本セクションには、一般警報と警告機能について記載され
ています。この機能の有用性を理解することで、システム
設計を最適化して、冗長度の高いコンポーネントや機能の
導入を回避することができます。
2.7.1 過温度時の運転
デフォルトでは、周波数変換器は過温度で警報とトリップ
を発します。
び警告
告を発しますが、運転を継続して、そのスイッチ周波数を
低減することで、変換器自身の冷却を試みます。次に、必
要に応じて、出力周波数を低減します。
自動定格低減は、周囲温度の定格低減のためにユーザー設
定を置き換えることはありません(
値の低減
Autoderate and Warning(自動定格低減及
)が選択されている場合、周波数変換器は状態の警
章 5.3 周囲温度定格
を参照)。
2.7.2 高及び低速度指令信号警告
開ループ・モードでは、速度指令信号が直接、変換器の速
度を決定します。プログラムされた最大または最小値に
達した時、ディスプレイには高または低警告が点滅表示さ
れます。
2.7.3 高及び低フィードバック警告
閉ループ運転では、選択した高及び低フィードバック値が
変換器によって監視されます。ディスプレイには、適切な
時に高及び低警告が点滅表示されます。周波数変換器は、
開ループ運転でフィードバック信号も監視できます。信
号は開ループで変換器の運転に影響を及ぼしませんが、ロ
ーカルであるいはシリアル通信を介して、システムステー
タスの表示に役立ちます。周波数変換器は 39 種類の測定
単位に対応します。
2.7.4 相不均衡 または 相損失
直流バスにおける過剰なリップル電流は、主電源の相不均
衡 または 相損失を意味します。変換器に対する電力相
が失われると、直流バスキャパシターを保護するために、
デフォルトアクションにより警報が発せられてユニット
がトリップされます。そのオプションにより、警告が発せ
られて出力電流がフル電流の 30%に低減されるか、警告が
発せられて通常運転が継続されます。不均衡が直される
まで、不均衡ラインに接続されたユニットを運転すること
が望まれる場合があります。
2.7.5 高周波数警告
変換器は、ポンプや冷却ファンのような追加機器のステー
ジングに役立ち、モーター速度が高くなると加熱します。
変換器には、特定の高周波数設定を入力することができま
す。出力が設定警告周波数を超えると、ユニットには高周
波数警告が表示されます。周波数のディジタル出力は、ス
テージオンするよう外部機器に信号を送信できます。
2.7.6 低周波数警告
機器のステージングオフに有用な変換器は、モーター速度
が低くなると加熱します。警告のためと、外部機器のステ
ージオフのために特定の低周波数設定を選択することが
できます。ユニットが停止したとき、あるいは起動 しな
いとき、動作周波数に達してからでないと、ユニットは低
周波数警告を発行しません。
2.7.7 高電流警告
この機能は、高電流設定が警告を発して追加機器のステー
ジオンのために使用されることを除いて、高周波数警告に
似ています。設定動作電流に達するまで、
停止または起動 時でも、機能は有効になりません。
2.7.8 低電流警告
この機能は、低電流設定が警告を発して機器のステージオ
フのために使用されることを除いて、低周波数警告に似て
います (
流に達するまで、停止または起動 時でも、機能は有効に
なりません。
章 2.7.6 低周波数警告
を参照)。設定動作電
2 2
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 33
製品概要
VLT® AQUA Drive FC 202
2.7.9 無負荷/破損ベルト警告
この機能は、例えば V ベルトのような無負荷状態を監視す
22
るのに使用できます。低電流制限が変換器に保存された
後、負荷の損失が検出された場合、変換器をプログラムし
て、警報やトリップを発生させたり、運転を継続して警告
を発生させたりすることができます。
2.7.10 シリアル・ インターフェイスの損
失
周波数変換器はシリアル通信の損失を検出できます。最
大 99 秒の遅延時間を選択して、シリアル通信バスの中断
による応答を回避できます。遅延が超過すると、ユニット
に含めるオプションを利用して以下を実施できます:
その直前の速度を維持する。
•
最大速度に進む。
•
プリセット速度に進む。
•
停止して警告を発する。
•
2.8 ユーザー・ インターフェイスとプロ
グラミング
周波数変換器は、そのアプリケーション機能をプログラム
するために、パラメーターを使用します。パラメーター
は、数値を選択あるいは入力するために、機能説明とオプ
ションメニューを提供します。サンプルプログラミング
メニューを
図 2.23
に示します。
リモートユーザー・ インターフェイス
リモートプログラミングのために、Danfoss は、プログラ
ミング情報の開発、保持、及び転送に利用できるソフトウ
エア・プログラムを提供します。MCT 10 設定ソフトウェ
アにより、ユーザーは PC を周波数変換器へ接続して、LCP
キーパッドを使用せずにプログラミングを実行できます。
また、プログラミングはオフラインでも行え、単にユニッ
トへダウンロードするだけで実施できます。変換器のプ
ロファイルは全て、PC へロードでき、パックアップ保存
や解析に利用できます。USB コネクターや RS-485 端子
が、周波数変換器への接続用として使用できます。
MCT 10 設定ソフトウェアは、無料でダウンロードできま
す。
www.VLT-software.com
130B1000 を要求して使用することもできます。取扱説明
書には、操作方法が詳細に記載されています。. 以下も
参照して下さい
コントロール端子のプログラミング
各コントロール端子は、個別に動作するための特
•
定機能を持っています。
端子に関連付けられたパラメーターにより機能
•
選択が可能になります。
コントロール端子を用いて周波数変換器の正し
•
い機能を実現するために、端子は以下である必要
があります:
章 2.8.2 PC ソフトウェア
- 正しい配線。
- 目的とする機能に合ったプログラミン
グ。
. CD は、パーツ番号
.
2.8.1 ローカル・ コントロール・ パネル
図 2.23 サンプルプログラミングメニュー
ローカル ユーザー・ インターフェイス
ローカルプログラミングの場合、パラメーターは、 LCP
上の [Quick Menu](クイック・ メニュー) または [Main
Menu](メイン・ メニュー)のどちらかを押してアクセスで
きます。
クイック・ メニュー は、初期のスタート アップとモー
ター特性を意図しています。メイン・メニューから、全パ
ラメーターへアクセスでき、高度なアプリケーションプロ
グラミングを実現できます。
ローカル・ コンロール・ パネル(LCP) はユニットの前面
にあるグラフィックディスプレイで、押しボタン制御によ
るユーザー・インターフェイスを提供し、ステータスメッ
セージ、警告 と 警報、プログラミングパラメーター、
及び その他を表示します。制限ディスプレイオプショ
ンにより、数値ディスプレイも利用できます。
LCP を示します。
図 2.24
に
34 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
Auto
on
Reset
Hand
on
Off
Status
Quick
Menu
Main
Menu
Alarm
Log
Back
Cancel
Info
OK
Status
1(1)
1234rpm 10,4A 43,5Hz
Run OK
43,5Hz
On
Alarm
Warn.
130BB465.10
a
b
c
d
製品概要 デザイン・ ガイド
グランドと PC USB ポートに接続されたシールドによる
すべての電位差を除去することはできません。
2 2
図 2.25 USB 接続
2.8.2.1 MCT 10 設定ソフトウェア
MCT 10 設定ソフトウェアは、カスケード・ コントローラ
ーのプログラミング・ ガイド、リアル・ タイム・ クロッ
ク、スマート論理コントローラー、及び予防保全を含む、
周波数変換器の試運転とサービスを行うために設計され
ています。
このソフトウェアにより、大小システムの一般的な概要、
ならびに詳細項目の容易な制御を提供します。周波数変
換器の全シリーズ、VLT®アドバンストアクティブフィル
ター 及び VLT® ソフト・ スターター関連データに対応し
図 2.24 ローカル・ コントロール・ パネル
2.8.2 PC ソフトウェア
PC は標準(ホスト/デバイス)USB ケーブル、又は RS485
インターフェイスを介して接続します。
USB は、グランドピン 4 と 4 本のシールド線で構成される
シリアル・ バスで、ピン 4 は PC の USB ポートのシールド
に接続されます。USB ケーブルを介して PC を周波数変換
器に接続することで、PC USB ホストコントローラーを破
損する潜在的なリスクが生じます。標準的な PC はすべ
取扱説明書に記載されている推奨事項を遵守しないこと
て、USB ポートを電気的に絶縁せずに製造されています。
で引き起こされるグランド電位差は、USB ケーブルのシー
ルドを介して USB ホストコントローラーを損傷させる恐
れがあります。
USB ケーブルを介して PC を周波数変換器に接続する際
は、PC USB ホストコントローラーをグランド電位差から
保護するために、電気的に絶縁された USB アイソレータの
使用を推奨します。
USB ケーブルを介して PC を周波数変換器に接続する際
は、グランドピン付きの PC 用電源ケーブルを使用しない
でください。この時、グランド電位差は低減されますが、
ます。
例 1: MCT 10 設定ソフトウェアを介して PC にデータ
を保存
1. PC を USB または RS485 インターフェイスを介
して周波数変換器に接続します。
2. MCT 10 設定ソフトウェアをオープンします。
3. USB ポートまたは RS485 インターフェイスを選
択します。
4.
コピー
を選択します。
5.
プロジェクト
6.
ペースト
7.
名前をつけて保存
セクションを選択します。
を選択します。
を選択します。
これによりすべてのパラメーターが保存されます。
例 2: MCT 10 設定ソフトウェアを介して PC から周波
数変換器にデータを転送する
1. PC を USB ポートまたは RS485 インターフェイ
スを介して周波数変換器に接続します。
2. MCT 10 設定ソフトウェアをオープンします。
3.
開く
を選択します。保存されているファイルが
表示されます。
4. 読み込むファイルを開きます。
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 35
製品概要
5. “ドライブに書き込む” を選択します。
これで、全てのパラメーターが周波数変換器に転送されま
22
す。
MCT 10 設定ソフトウェアの個別マニュアルが用意され
ています。ソフトウェアとマニュアルは、こちらからダウ
ンロードできます:
DrivesSolutions/Softwaredownload/
www.danfoss.com/BusinessAreas/
VLT® AQUA Drive FC 202
.
2.8.2.2
VLT® 高調波計算ソフトウェア
MCT 31
MCT 31 高調波計算 PC ソフトウェアにより、対象アプリ
ケーションにおける高調波歪みの簡単に推定できます。
周波数変換器 Danfoss 及び非 Danfoss 周波数変換器
(DanfossAHF フィルターや 12-18-パルス整流器などの追
加高調波除去デバイス付き)両方の高調波歪みが算出でき
ます。
MCT 31 は以下からダウンロードできます:
www.danfoss.com/BusinessAreas/DrivesSolutions/
Softwaredownload/
.
2.8.2.3 高調波計算ソフトウェア (HCS)
HCS は、高調波計算ツールの高度なバージョンです。計算
結果は該当する基準と比較して、後で印字することができ
ます。
詳細情報については、
Default.asp?LEVEL=START を参照してください。
保全
2.9
90 kW までの Danfoss 周波数変換器モデルはメンテナン
スフリーです。高出力周波数変換器 (110 kW 以上の定格
出力) は、オペレータによる定期的なクリーニングを必
要とする内蔵フィルターマットを装備しており、その頻度
は塵埃と出 汚染物質への露出度合いに依存します。冷
却ファン(約 3 年)とキャパシター(約 5 年)のメンテナ
ンス間隔は、ほとんどの環境で推奨されます。
www.danfoss-hcs.com/
2.9.1 保存
あらゆる電気機器と同様、周波数変換器は乾燥した場所に
保管する必要があります。保管している間、定期的なフォ
ーミング(キャパシターの充電)は不要です。
設置するまで、機器をその梱包材に密閉して保管すること
を推奨します。
36 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
システム統合 デザイン・ ガイド
3 システム統合
この章には、周波数変換器をシステム設計に統合する際に
必要な注意事項が記載されています。この章は次のセク
ションに分かれています:
章 3.1 周囲動作条件
•
環境、エンクロージャー、温度、定格低減、及び
その他の項目を含む、周波数変換器の周囲動作条
件。
章 3.3 主電源の組み込み
•
電力、高調波、監視、配線、ヒューズ、及びその
他の項目を含む、電源側から周波数変換器への入
力。
章 3.2 EMC、高調波及び接地漏洩電流保護
•
電力、高調波、監視、及びその他の項目を含む、
周波数変換器から電力グリッドへの入力(再生電
力)。
章 3.4 モーターの組み込み
•
モータータイプ、負荷、監視、配線及びその他の
項目を含む、周波数変換器からモーターへの出
力。
章 3.5 追加入力と追加出力, 章 3.6 機械計
•
画
周波数変換器/モーター適合、システム特性、及
びその他の項目を含む、最適なシステム設計を実
現するための周波数変換器入力と出力の統合。
包括的なシステム設計により、変換器機能の最も効果的な
組み合わせを実現しながら、潜在的な問題領域を予期する
ことができます。引き続き得られる情報は、周波数変換器
を搭載したモーター制御システムを計画及び指定するた
めのガイドラインを提供します。
運転機能は、単純なモーター速度制御から、フィードバッ
ク、動作ステータスレポート、自動障害応答、リモートプ
ログラミング、その他による完全に統合化されたオートメ
ーションシステムに至るまで、一連の設計コンセプトを提
供します。
完全設計コンセプトには、ニーズと使用に関する詳細な仕
様が含まれます。
周波数変換器タイプ
•
モーター
•
主電源の要件
•
コントロール構造とプログラミング
•
シリアル通信
•
機器サイズ、形状、重量
•
電力及び制御線の要件: タイプと長さ
•
ヒューズ
•
補助機器
•
輸送と保管
•
選択と設計に関する実践的なガイドについては、
章 3.9 システム設計チェックリスト
機能と戦略オプションを理解することで、システム設計を
最適化して、冗長度の高いコンポーネントや機能の導入を
回避することができます。
をご参照ください。
3.1 周囲動作条件
3.1.1 湿度
周波数変換器は高い湿度(相対湿度 最大 95%)でも正しく
動作できますが、結露は避けるようにしてください。周波
数変換器が周囲の湿っている大気よりも冷えると、結露の
危険があります。大気中の水分もまた、電子部品上に結露
を発生させて、短絡を引き起こすことがあります。結露は
通電していないユニットに発生します。周囲の環境によ
り、結露が発生する可能性がある場合、キャビネットヒー
ターの設置を推奨します。凍結する場所への設置は避け
てください。
あるいは、スタンバイモードで周波数変換器を運転する
(ユニットを主電源に接続した状態で)と結露の危険を低
減できます。周波数変換器の回路の乾燥状態を維持する
のに十分なワット損があることを確認してください。
3.1.2 温度
最低及び最高周囲温度制限は、すべての周波数変換器で規
定されています。過剰な周囲温度を回避することにより、
機器の寿命を延ばして、システム全体の信頼性を最大化す
ることができます。性能を最大限に発揮させて機器寿命
を延ばすには、以下の推奨事項に従ってください。
周波数変換器は -10 ° C までの温度で動作でき
•
ますが、定格負荷での正しい動作は 0 ° C 以上
でのみ保証されます。
最高温度制限を超えないでください。
•
設計温度以上で機器を運転するとき、10 ° C 毎
•
に、電子部品の寿命は 50%低下します。
IP54、IP55、あるいは IP66 の保護等級を有する
•
機器であっても、指定された周囲温度の範囲を遵
守する必要があります。
キャビネットあるいは設置場所の空調設備を追
•
加する必要があるかもしれません。
3 3
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 37
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
3.1.3 冷却
周波数変換器は熱損で電力を消費します。ユニットの効
果的な冷却を実現するには、以下の推奨事項が必要です。
エンクロージャーに入る最高気温は、40 ° C
33
•
(104 ° F)を絶対に超えないこと。
日中/夜の平均温度は、35 ° C (95 ° F)を超えな
•
いこと。
冷却ファンにより自由な通風で冷却されるよう
•
にユニットを取り付けてください。取り付け時
の適正な空きスペースについては、
きスペース
通風による冷却のため、前面及び背面に最小限の
•
空きスペースを確保してください。正しい設置
要件については、
をご参照ください。
取扱説明書
をご参照ください。
章 3.6.1 空
3.1.3.1 ファン
周波数変換器は、最適な冷却を実施するために内蔵ファン
を装備しています。メインファンにより、ヒートシンク上
の冷却フィンに沿ってエアフローを強制的に発生させて、
内部の空気を冷却します。一部の電力サイズには、制御カ
ードの近隣に小型の補助ファンが付いており、内部の空気
が循環してホットスポットの生成を防止します。
メインファンは、周波数変換器の内部温度によって制御さ
れ、温度に従って速度が徐々に増加して、需要が低い場合
はノイズとエネルギー消費を抑えて、需要がある場合は冷
却を最大限に実行します。
従って、ファン制御をあらゆるアプリケーションに適合さ
せて、同時に寒冷気候による弊害から機器を保護すること
もできます。周波数変換器の内部が過温度になった場合、
スイッチ周波数とパターンの定格低減が引き起こされま
す。詳細は、
章 5.1 定格低減
14-52 ファンコントロール
をご参照ください。
に
3.1.3.2 周波数変換器の冷却に必要なエ
アフローの計算
周波数変換器、あるいは 1 個のエンクロージャー内にある
複数の周波数変換器を冷却するのに必要なエアフローは
以下の通り算出されます:
1.
章 7 仕様
器の最大出力時の電力損失を求めます。
2. 同時に運転できるすべての周波数変換器の電力
損失値を追加します。合計は、伝導する熱量 Q に
なります。その合計に、
計数 f を掛けます。例えば、海面高度では、f =
3.1 m3 x K/Wh 。
3. エンクロージャーに入る空気の最高温度を求め
ます。エンクロージャー内の必要とする温度、例
えば 45 ° C (113 ° F)からこの温度を引きます。
4. ステップ 2 の合計をステップ 3 の合計で割りま
す。
計算は以下の公式で表現されます:
のデータ表から、すべての周波数変換
表 3.1
から読み取った
V =
inputs(ディジタル入力))のStart(スタート)は、同時に有効となります。i − inputs (ディジタル入力) ) の Start (スタート)は、同時に有効となります。 A
ここで
V = エアフロー(m3/h)
f = 計数(m3 x K/Wh)
Q = 伝導する熱量(W)
Ti = エンクロージャー内の温度(° C)
TA = 周囲温度(° C)
f = cp x ρ (空気の比熱 x 空気の密度)
注記
空気の比熱 (cp) と空気の比重 (ρ) は定数ではありま
せんが、温度、湿度、及び気圧に依存します。したがっ
て、海抜に依存します。
表 3.1
は、さまざまな高度で算出された計数 f の代表値
を示しています。
高度
[m] [kJ/kgK]
0 0.9480 1.225 3.1
500 0.9348 1.167 3.3
1000 0.9250 1.112 3.5
1500 0.8954 1.058 3.8
2000 0.8728 1.006 4.1
2500 0.8551 0.9568 4.4
3000 0.8302 0.9091 4.8
3500 0.8065 0.8633 5.2
表 3.1 さまざまな高度で算出された計数 f
例
最大周囲温度 37 ° C の環境にあるエンクロージャー内に
設置されていて、同時に運転されている 2 台の周波数変換
器(熱損失 295 W 及び 1430 W)を冷却するのに必要な
エアフローはどの位ですか?
1. 両方の周波数変換器の熱損失の合計は 1725 W
2.
3.
4.
CFM でエアフローが必要な場合、 1 m3/h = 0.589 CFM の
変換式を使用してください。
上記の例では、711.6 m3/h = 418.85 CFM となります。
空気の比熱
cp
です。
1725 W に 3.3 m3 x K/Wh を掛けた値は、5693
m x K/h です。
45 ° C から 37 ° C を引いた値は、8 ° C (=8 K)で
す。
5693 m x K/h を 8 K で割った値は: 711.6 m3h
です。
空気の密度
ρ
[kg/m3] [m3⋅K/Wh]
計数
f
f x Q
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システム統合 デザイン・ ガイド
3.1.4 モーターによって生成された過電
圧
モーターがジェネレーターとして動作している場合は、中
間回路(直流バス)の直流電圧が上昇します。これは次の
2 通りの状況で発生します:
周波数変換器が一定の出力周波数で運転されて
•
いるときに、負荷がモーターをドライブしてい
る。これは通常オーバホーリング負荷と呼ばれ
ている。
減速の間、負荷の慣性が高くて、変換器の減速時
•
間が短い値に設定されている場合。
周波数変換器は、エネルギーを回生して入力に戻すことは
できません。従って、自動ランプを有効に設定したとき
に、モーターから受けられるエネルギーは制限されます。
減速時に過電圧が発生した場合、立ち下がり時間を自動的
に長くすることで、周波数変換器はこの実行を試みます。
これが上手くいかない場合、あるいは一定周波数で動作し
ているときに負荷がモーターをドライブしている場合、ク
リティカルな直流電圧レベルに達すると、変換器は停止し
て障害を表示します。
3.1.5 騒音
周波数変換器による騒音には 3 つの発生源があります:
使用を推奨します。コンフォーマル・コーティング値につ
いては
表 3.2
をご参照ください。
注記
周波数変換器は、クラス 3C2 コーティングの回路基板を標
準装備しています。ご要望により、クラス 3C3 コーティン
グもご利用になれます。
クラス
3C1 3C2 3C3
ガスタイプ ユニット
海塩 該当なし なし 塩霧 塩霧
酸化硫黄
硫化水素
塩素
塩化水素
フッ化水素
アンモニア
オゾン
窒素
表 3.2 コンフォーマル・ コーティングクラス定格
1) 最大値はトランジエントピーク値であり、30 分/日を超える
ことはありません。
mg/m
mg/m
mg/m
mg/m
mg/m
mg/m
mg/m
mg/m
3
0.1 0.3 1.0 5.0 10
3
0.01 0.1 0.5 3.0 10
3
0.01 0.1 0.03 0.3 1.0
3
0.01 0.1 0.5 1.0 5.0
3
0.003 0.01 0.03 0.1 3.0
3
0.3 1.0 3.0 10 35
3
0.01 0.05 0.1 0.1 0.3
3
0.1 0.5 1.0 3.0 9.0
平均値最大
値
1)
平均値最大
値
1)
3 3
直流リンク (中間回路)コイル
•
RFI フィルター・ チョーク
•
内部ファン
•
騒音の定格については、
表 7.60
をご参照ください。
3.1.6 振動と衝撃
周波数変換器は、IEC 68-2-6/34/35 及び 36 に基づく手
順に従って試験されています。この試験では、18 から
1000 Hz の範囲でランダムに、3 方向から 2 時間、0.7 g
の荷重がユニットにかけられます。すべての Danfoss 周
波数変換器は、ウォールマウントやフロアマウント、さら
にはパネル内への取り付けや壁やフロアへのボルト取り
付けが行えるような環境条件に適合します。
3.1.7 刺激性ガス雰囲気
3.1.7.1 ガス
硫化水素、塩素、アンモニア等の刺激性ガスは、周波数変
換器の電気及び機械部品の損傷を与える恐れがあります。
冷気による汚染はまた、PCB トラックやドアシールの分解
を徐々に進めることがあります。刺激性汚染物質は下水
処理施設やプールに存在します。刺激性ガス雰囲気の明
確な兆候として、銅の腐食があります。
刺激性ガス雰囲気では、コンフォーマル・コーティングさ
れた回路基板と共に、限定された IP エンクロージャーの
3.1.7.2 塵埃曝露
高い塵埃曝露の環境で周波数変換器の設置は、ときには避
けがたいことです。 塵埃は、IP55 または IP66 保護等級
を有するウォールマウントまたはフレームマウント型ユ
ニット、さらには IP21 または IP20 保護等級を有するキャ
ビネットマウント型ユニットにも影響を及ぼします。周
波数変換器をそのような環境に設置する際は、本セクショ
ンに記載されている 3 つの項目を考慮してください。
簡略冷却
塵埃はデバイスの表面や、回路基板ならびに電気部品の内
側に堆積します。堆積部分は絶縁層として働き、周囲の大
気への熱伝導を妨害して、冷却能力を弱めます。コンポー
ネントは徐々に加熱します。これにより、電子部品の経年
劣化が加速されて、ユニットの製品寿命が低下します。ユ
ニット後部にあるヒートシンクへの塵埃の堆積もまた、ユ
ニットの寿命を低下させます。
冷却ファン
ユニットを冷却するためのエアフローは、通常、機器の後
部に取り付けてある冷却ファンによって生成されます。
ファンローターには小さなベアリングがあり、そこに塵埃
が侵入して研磨材として働きます。これにより、ベアリン
グが損傷して、ファンの故障が引き起こされます。
フィルター
高出力周波数変換器は、機器の内側から熱い空気を排出す
る冷却ファンを装備しています。一定サイズ以上のファ
ンには、フィルターマットが取り付けられます。埃の多い
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システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
環境で使用すると、フィルターは直ぐに目詰まりを起こし
ます。このような環境下では、予防措置が必要です。
定期保全
上述の条件で使用する場合は、定期保全の間に周波数変換
器を掃除することを推奨します。ヒートシンクとファン
33
から塵埃を除去して、フィルターマットを掃除してくださ
い。
3.1.7.3 潜在的爆発性雰囲気
潜在的爆発性雰囲気でシステムを運転するには、特殊な条
件を満足する必要があります。EU 指令 94/9/EC には、潜
在的な爆発環境における電子機器の動作が規定されてい
ます。
潜在的爆発雰囲気において周波数変換器でモーターを制
御する場合、PTC 温度センサーを用いて温度を監視する必
要があります。このような環境では、発火保護クラス d
または e を有するモーターが承認されます。
d 分類では、火花が発生した場合、保護エリアに
•
封じ込めることが規定されています。承認を必
要としない場合は、特殊な配線と封じ込めが必要
になります。
潜在的爆発性雰囲気では、d/e の組み合わせが最
•
も一般的に使用されます。モーター自体が発火
保護クラス e に準拠しているのに対して、モー
ター配線や接続環境は e 分類に準拠しています。
e 接続スペースによる制限は、このスペースで
許可される最大電圧で構成されています。周波
数変換器の出力電圧は通常、主電源電圧に制限さ
れます。出力電圧の変調は、e 分類で許容されな
い高いピーク電圧を発生させることがあります。
実際には、周波数変換器出力に正弦波フィルター
を用いることが、高いピーク電圧を減衰するため
の効果的な手段であることが知られています。
注記
潜在的爆発性雰囲気に周波数変換器を設置しないでくだ
さい。このエリア外のキャビネット内に周波数変換器を
設置してください。周波数変換器の出力に正弦波フィル
ターを用いることも、dU/dt 電圧上昇とピーク電圧を減衰
する手段として推奨します。モーター・ケーブルはできる
限り短くします。
注記
MCB 112 オプションを装備した周波数変換器には、PTB 認
定モーターサーミスターセンサーによる潜在的爆発性雰
囲気のモニタリング機能があります。周波数変換器が正
弦波出力フィルターで運転されているとき、シールドモー
ター・ ケーブルは不要です。
3.1.8 IP 定格定義
固形異物の侵入に対して以下による危険部分
へのアクセスに対し
て
0 (保護なし) (保護なし)
1
直径≥ 50 mm
2 直径 12.5 mm 指
第 1 桁
第 2 桁
1 番目の文
字
追加文字
表 3.3 IP 定格の IEC 60529 定義
3 直径 2.5 mm 工具
4
直径≥ 1.0 mm
5 防塵 ワイヤ
6 防塵 ワイヤ
有害な影響を持つ水の
侵入に対して
0 (保護なし)
1 垂直に落下
2 15°の角度で落下
3 水の噴霧
4 水の飛沫
5 水の噴射
6 強力な水噴射
7 一時的な浸漬
8 長期間の浸漬
以下に関する補足情報
A 手の甲
B 指
C 工具
D ワイヤ
以下に関する補足情報
H 高電圧デバイス
M 水試験時に移動するデ
バイス
S 水試験時に静止してい
るデバイス
W 天候条件
手の甲
ワイヤ
3.1.8.1 キャビネットオプションと等級
Danfoss 周波数変換器には 3 種類の保護等級がありま
す:
IP00 または IP20、キャビネット設置用。
•
IP54 または IP55、ローカルマウント用。
•
IP66、極めて高い(大気)湿度または高濃度の塵埃
•
や刺激性ガスのような極めて劣悪な周囲条件
用。
3.1.9 無線周波数干渉
実際的な主目的は、コンポーネント間の無線周波数干渉な
しに安定して動作するシステムを得ることです。ハイレ
ベルな耐性を実現するには、高品質の RFI フィルターを装
備した周波数変換器の使用を推奨します。
40 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
130BA056.10
132 5 4
6
b a
M
システム統合 デザイン・ ガイド
一般的な EN 55011 のクラス B 制限に準拠する、EN
61800-3 で規定されているカテゴリー C1 フィルターを使
用してください。
RFI フィルターがカテゴリー C1(カテゴリー C2 以下)に
対応しない場合、警告の注記を周波数変換器に貼付してく
ださい。オペレータには適正なラベルを貼付する責任が
あります。
実践的には、RFI フィルターに対するアプローチが 2 つあ
ります:
装置に組み込む
•
- フィルターの内蔵はキャビネットのス
ペースを占有することになりますが、取
付け、配線、及び材料にかかる追加コス
トを排除できます。但し、最も重要なメ
リットは、EMC を完全に順守できること
と内蔵フィルターの配線にあります。
外部オプション
•
- 周波数変換器の入力に設置される、オプ
ションの外付け RFI フィルターは電圧
降下を引き起こします。実用的に、この
ことは、フルの主電源電圧が周波数変換
器には存在せず、より高い定格の変換器
が必要になることを意味します。EMC
制限に準拠させるためのモーター・ケー
ブルの最大長は、1~50 m の範囲にあ
り、材質、配線、及びアセンブリにコス
トがかかります。EMC 準拠については
テストされません。
注記
周波数変換器/モーターシステムを干渉無く運転するに
は、カテゴリー C1 の RFI フィルターを必ず使用してくだ
さい。
注記
VLT® AQUA Drive ユニットには、400 V 電源システムと
最大 90 kW の電力定格で使用するためのカテゴリー C1
(EN 61800-3)あるいは 110 ~ 630 kW の電力定格向け
のカテゴリー C2 に適合する内蔵 RFI フィルターが標準で
供給されます。VLT® AQUA Drive ユニットは最大 50 m
のシールドモーター・ ケーブル装備で C1 に準拠し、最大
150 m のシールドモーター・ ケーブル装備で C2 に準拠し
ます。詳細については、
3.1.10 PELV と電気絶縁コンプライアン
ス
感電から保護するには、電源を保護特別低電圧(PELV)タ
イプにして、なおかつ地域と国の PELV 規制に準拠させる
必要があります。
表 3.4
を参照してください。
コントロール端子において PELV を維持するには、すべて
の接続が PELV である必要があります。例えば、サーミ
スターは補強/二重絶縁されていなければなりません。
すべての Danfoss 周波数変換器コントロールとリレー端
子は PELV (400 V を超える接地デルタレグを除く)に準
拠します。
(確実な)電気絶縁を実現するには、より高度な絶縁要件
を満たし、適切な表面漏れ距離/離間距離を取ってくださ
い。これらの要件は、EN 61800-5-1 規格に記載されてい
ます。
電気絶縁は
いる部品は PELV と電気絶縁要件の両方に準拠します。
1 中間電流電圧を示す、信号絶縁 V DC などの電源装置
(SMPS)。
2 IGBT 用ゲートドライブ
3 電流変換器
4 光カプラ、ブレーキ・ モジュール
5 内部突入、RFI、及び温度測定回路
6 カスタム・ リレー
a 24 V バックアップ・ オプション用電気絶縁
b RS485 品目バス・ インターフェイス用電気絶縁
図 3.1 電気絶縁
高々度での設置
高度上限を超える設置は PELV 要件に適合しないことがあ
ります。コンポーネントと重要な部品間の絶縁では不十
分である可能性があります。過電圧の危険があります。
外付けの保護装置または電気絶縁を用いて、過電圧の危険
を緩和してください。
高い高度に設置する場合、PELV 準拠について Danfoss に
お問い合わせください。
•
•
•
図 3.1
380–500 V (エンクロージャー A、B、C): 2000
m (6500 ft)以上
380–500 V (エンクロージャー D、E、及び F):
3000 m (9800 ft)以上
525–690 V: 2000 m (6500 ft)以上
に示すとおり実施します。記載されて
3 3
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VLT® AQUA Drive FC 202
3.1.11 保存
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33
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を推奨します。
3.2 EMC、高調波及び接地漏洩電流保護
3.2.1 EMC エミッションの概要
周波数変換器(及び他の電気機器)は、環境に対して干渉
を起こす可能性のある電界あるいは磁界を生成します。
電磁適合性 (EMC)は、電気機器の電力と高調波特性に依
存します。
システム内の電気機器の間に制御不能なインタラクショ
ンが発生すると、適合性が低下して、信頼のおける動作に
支障をきたすことがあります。干渉は主電源の高調波歪
み、静電放電、急激な電圧変動、あるいは高周波干渉等の
形態をとります。電気機器は、他の生成ソースからの干渉
による影響を受けながら、干渉を生成します。
電気干渉は通常 150 KHz から 30 MHz までの範囲の周
波数で発生します。30 MHz から 1 GHz までの範囲の
周波数変換器システムからの空中干渉はインバーター、モ
ーター・ ケーブル、及びモーターから発生します。
モーター・ ケーブル内の容量性電流にモーター電圧の高
dU/dt が組み合わさると、
流が発生します。
シールド・ケーブルの接地静電容量は非シールド・ケーブ
ルより高いため、シールドされたモーター・ケーブルを使
用すると漏洩電流が増加します(
流のフィルターを行わない場合には、約 5 MHz 以下の無
線周波数範囲で主電源へ大きな干渉を引き起こします。
図 3.2
に示すとおり、漏洩電
図 3.2
を参照)。漏洩電
漏洩電流 (I1) はシールド (I3) を通ってユニットに戻
されるので、
ケーブルから、原則として、小規模な電磁界 (I4) のみ
が発生します。
シールドによって輻射干渉は減少しますが、主電源での低
周波数干渉は増大します。モーター・ケーブルのシールド
は周波数変換器のエンクロージャーとモーターのエンク
ロージャーに接続してください。これを最良に行うには、
一体型のシールド・クランプを使用し、ツイスト・シール
ドの末端(ピッグテール)を避けてください。ピッグテー
ルは高周波数でのシールドのインピーダンスを増加させ
るため、シールド効果が低下し漏洩電流(I4)が増加しま
す。
シールド・ ケーブルをリレー、コントロール・ ケーブル、
信号インターフェイス、及びブレーキに使用する際は、シ
ールドを両端のエンクロージャー上に実装する必要があ
ります。ただし、状況によっては、電流ループを避けるた
めにシールドを切断する必要があります。
シールドを周波数変換器の実装板に配置する場合には、シ
ールドの電流をユニットに戻すために、金属製の実装板を
使用してください。さらに、実装板から実装ネジを通って
周波数変換器のシャーシまでの間に適切な電気的接触を
実現してください。
非シールド・ケーブルを使用する場合には、耐性要件を遵
守しているからといっても一部のエミッション要件には
準拠しません。
システム全体(ユニット + 設置)の干渉レベルを低減す
るには、モーター・ケーブルとブレーキ・ケーブルをでき
るだけ短くしてください。敏感な信号レベルを持つケー
ブルをモーターやブレーキ・ケーブルの脇に配置しないで
ください。50 MHz より高い(空中)無線干渉は特にコン
トロール電子機器で発生します。
図 3.2
に従い、シールドされたモーター・
42 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
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2
z
z
z
L1
L2
L3
PE
U
V
W
C
S
I
2
I
1
I
3
I
4
C
S
C
S
C
S
C
S
I
4
C
S
z
PE
3
4
5
6
システム統合 デザイン・ ガイド
1 接地線 3 交流主電源 5 シールドされたモーター・ ケーブ
ル
2 画面 4 周波数変換器 6 モーター
図 3.2 漏洩電流の生成
3 3
3.2.2 EMC 試験結果
次の試験結果は、公称スイッチ周波数において、周波数変換器、シールド付きコントロール・ ケーブル、ポテンショメー
ター付きコントロール・ ボックス、モーター、及びシールド付きモーター・ケーブル(Ölflex Classic 100 CY)が装備さ
れたシステムを使用して得られました。
表 3.4
には準拠のための最大モーター・ ケーブル長が記載されています。
注記
その他の設定では、条件が大幅に変わることがあります。
注記
パラレルモーター・ ケーブルについては、
表 3.17
をご参照ください。
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システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
RFI フィルター・ タイプ 伝導性エミッション 放射性放出
ケーブル 長 [m] ケーブル 長 [m]
規格
と
要
件
33
EN 55011 クラス B クラス A
グループ 1
住宅、商取引、
産業環境 産業
軽
工業
クラス A
グループ 2
環
境
クラス B クラス A
グループ 1
住宅、商取引、
軽
産業
環境
工業
クラス A
グループ 2
産業
環境
EN/IEC 61800-3 カテゴリーC1カテゴリー C2 カテゴリーC3カテゴリーC1カテゴリーC2カテゴリー
C3
初期
環境
一般家庭及び
オフィス
初期環境
一般家庭及びオ
フィス
第二
環
境
産業
初期環境
一般家庭及び
オフィス
初期
環境
一般家庭及び
オフィス
Second
environment
Industrial
H1
FC 202
0.25-45 kW 200-240
V
1.1-7.5 kW 200-240
V
0.37-90 kW 380-480
V
7.5 kW 380-480 V S4
T2 50 150 150 いいえ はい はい
S2 50
T4
5)
100/150
50 150 150 いいえ はい はい
50 100/150
5)
100/150
100/150
5)
5)
いいえ はい はい
いいえ はい はい
H2
FC 202 0.25-3.7 kW 200-240VT2 いいえ いいえ 5 いいえ いいえ いいえ
H3
FC 202
H4
FC 202
1)
Hx
FC 202
5.5-45 kW 200-240 V T2 いいえ いいえ 25 いいえ いいえ いいえ
1.1-7.5 kW 200-240VS2 いいえ いいえ 25 いいえ いいえ いいえ
0.37-7.5 kW 380-480
V
11-90 kW 380-380 V
T4
4)
T4 いいえ いいえ 25 いいえ いいえ いいえ
いいえ いいえ 5 いいえ いいえ いいえ
7.5 kW 380-480 V S4 いいえ いいえ 25 いいえ いいえ いいえ
11-30 kW 525-690 V
4)
37-90 kW 525-690 V
4)
0.25-45 kW 200-240
V
0.37-90 kW 380-480
V
1.1-30 kW 525-690
1)
V
37-90 kW 525-690 V
1,
T7 いいえ いいえ 25 いいえ いいえ いいえ
2,
T7 いいえ いいえ 25 いいえ いいえ いいえ
T2
T4
10 50 50 いいえ はい はい
10 50 50 いいえ はい はい
T7 いいえ 100 100 いいえ はい はい
2)
T7 いいえ 150 150 いいえ はい はい
1.1-90 kW 525-600 V T6 いいえ いいえ いいえ いいえ いいえ いいえ
15-22 kW 200-240 V S2 いいえ いいえ いいえ いいえ いいえ いいえ
11-37 kW 380-480 V S4 いいえ いいえ いいえ いいえ いいえ いいえ
表 3.4 EMC 試験結果(エミッション)モーター・ ケーブル最大長
1) エンクロージャー・ サイズ B2。
2) エンクロージャー・ サイズ C2。
3) Hx バージョンは EN/IEC 61800-3 カテゴリー C4 に従って使用できます。
4) T7, 37–90 kW は、 25 m モーター・ ケーブルによりクラス A グループ 1 に準拠します。設置についてはいくつかの制限が適用
されます(詳細については、Danfoss にお問い合わせください)。
44 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
システム統合 デザイン・ ガイド
5) 相-ニュートラル間で 100 m、相間で 150 m(但し、TT または TN からでないこと) 単相周波数変換器は、TT または TN ネットワ
ークからの 2 相電源に対応しません。
Hx、H1、H2、H3、H4 または H5 は、EMC フィルターのタイプ・ コード位置 16-17 で定義します。
HX - 周波数変換器に組み込み EMC フィルターなし。
H1 - 内蔵 EMC フィルター。EN 55011 クラス A1/B 及び EN/IEC 61800-3 カテゴリー 1/2 を満足します。
H2 – キャパシターのみを含む RFI フィルターで、一般モードコイルはありません。EN 55011 クラス A2 及び EN/IEC 61800-3 カ
テゴリー 3 を満足します。
H3 - 内蔵 EMC フィルター。EN 55011 クラス A1/B 及び EN/IEC 61800-3 カテゴリー 1/2 を満足します。
H4 - 内蔵 EMC フィルター。EN 55011 クラス A1 及び EN/IEC 61800-3 カテゴリー 2 を満足します。
H5 – 海事バージョン。堅牢化バージョンで、H2 バージョンと同じエミッションレベルを満足します。
3.2.3 エミッション条件
EN 55011 の相関関係
3 3
周波数変換器の EMC 製品規格は、エミッションと耐性の要
件が指定された、4 つのカテゴリー (C1, C2, C3 and
C4)を定義しています。
表 3.5
には、その 4 つのカテゴリ
ーと EN 55011 の等価的分類の定義が記載されていま
す。
カテゴリ
ー
C1 1000 V 未満の電源電圧の初期環
C2 1000 V 未満の電源電圧の初期環
C3 1000 V 以下の電源電圧の第二環
C4 1000 V 以上の電源電圧あるいは
表 3.5 IEC 61800-3 と EN 55011 の相関関係
定義
境(一般家庭とオフィス)に設置
された周波数変換器。
境(一般家庭とオフィス)に設置
された周波数変換器で、プラグイ
ンや可搬性タイプではなく、専門
家によって設置及び試運転される
もの。
境(産業)に設置された周波数変
換器。
400 A 以上の定格電流の第二環境
に設置された、あるいは複雑なシ
ステムでの使用を意図した周波数
変換器。
EN 55011 の等
価的エミッシ
ョンクラス
クラス B
クラス A グル
ープ 1
クラス A グル
ープ 2
制限ラインな
し。
EMC プランを作
成のこと。
共通(伝導性)エミッション規格を使用する場合、周波数
変換器は
表 3.6
の制限事項を遵守する必要があります。
3.2.4 耐性条件
周波数変換器の耐性条件は、設置される環境に依存しま
す。産業環境に対する要件は、一般家庭とオフィス環境に
対する要件よりも厳しくなります。すべての Danfoss 周
波数変換器は、産業環境に対する要件とそれよりも緩い一
般家庭とオフィス環境に対する要件を満足し、大きな安全
マージンが取ってあります。
電気的干渉に対する耐性を評価するために、以下の基準に
従って以下の耐性試験が実施されています:
EN 61000-4-2(IEC 61000-4-2): 静電放電
•
(ESD): 人間からの静電放電のシミュレーショ
ン
EN 61000-4-3(IEC 61000-4-3): 入射電磁界輻
•
射、振幅変調レーダーと無線通信装置及び移動体
通信装置からの影響のシミュレーション。
EN 61000-4-4 (IEC 61000-4-4): バースト・ ト
•
ランジエント: 干渉のシミュレーションは、接
触器、リレーまたは同様のデバイスでのスイッチ
で引き起こされました。
EN 61000-4-5 (IEC 61000-4-5): サージ・ トラ
•
ンジエント: トランジエントのシミュレーショ
ンは、例えば装置の側での落雷で行いました。
EN 61000-4-6 (IEC 61000-4-6): RF コモンモ
•
ード: 接続ケーブルに接続された無線装置によ
る影響のシミュレーション。
表 3.7
を参照
環境
初期環境
(一般家庭とオ
フィス)
第二環境
(産業環境)
表 3.6 包括的なエミッションョン規格と の相互関係
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 45
包括的なエミッションョン
規格
住宅、商業及び軽工業環境
に対する EN/IEC
61000-6-3 エミッション規
格
産業環境用 EN/IEC
61000-6-4 エミッション規
格。
EN 55011 の等価
的エミッション
クラス
クラス B
クラス A グル
ープ 1
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
基本規格
受入基準 B B B A A
電圧範囲: 200-240 V, 380-500 V, 525-600 V, 525-690 V
ライン
バースト
IEC 61000-4-42)
33
モーター
ブレーキ 4 kV CM
負荷分散 4 kV CM
コントロール・ ワイヤ
標準バス 2 kV CM
リレー・ ワイヤ 2 kV CM
応用オプション及びフィー
ルドバス・ オプション
LCP ケーブル
外部 24 V DC
エンクロージャー
表 3.7 EMC 耐性フォーム
1) ケーブル・ シールドの注入
2) 試験によって取得された値
2)
IEC 61000-4-5
4 kV CM
4 kV CM
2 kV CM
2 kV CM
2 kV CM
2 V CM
— —
2 kV/2 Ω DM
4 kV/12 ル CM
0.5 kV/2 ル DM
1 kV/12 Ω CM
4 kV/2 Ω
4 kV/2 Ω
4 kV/2 Ω
2 kV/2 Ω
2 kV/2 Ω
2 kV/2 Ω
2 kV/2 Ω
2 kV/2 Ω
サージ
2)
1)
1)
1)
1)
1)
1)
1)
1)
2)
ESD
IEC
61000-4-2
— — 10 VRMS
— — 10 VRMS
— — 10 VRMS
— — 10 VRMS
— — 10 VRMS
— — 10 VRMS
— — 10 VRMS
— — 10 VRMS
— — 10 VRMS
— — 10 VRMS
8 kV AD
6 kV CD
輻射電磁界
IEC 61000-4-3
IEC 61000-4-6
10 V/m —
RF コモン
モード電圧
3.2.5 モーター絶縁
周波数変換器と共に使用される最近のモーターは、ハイレ
ベルの絶縁機能を装備しており、高 dU/dt を有する、新世
代の高効率 IGBT に対応できます。旧いモーターに取り付
ける場合は、モーターの絶縁を確認するか、dU/dt フィル
ターで緩和するか、あるいは必要に応じて、正弦波フィル
ターを使用してください。
モーター・ケーブル長≤最大ケーブル長(
ル仕様
)の場合、
表 3.8
に示すモーター絶縁定格が推奨
章 7.5 ケーブ
されます。モーターの絶縁定格が低い場合、dU/dt 又は
正弦波フィルターの使用を推奨します。
公称主電源電圧 [V] モーター絶縁 [V]
UN≤420
420 V< UN≤ 500 強化 ULL=1600
500 V< UN≤ 600 強化 ULL=1800
600 V< UN≤ 690 強化 ULL=2000
表 3.8 モーター絶縁
標準 ULL=1300
3.2.6 モーター・ ベアリング電流
ベアリングとシャフトの電流を最小化するには、駆動機械
に対して以下を接地してください:
周波数変換器
•
モーター
•
駆動機械
•
標準的な緩和戦略
1. 絶縁ベアリングを使用します。
2. 厳密な設置手順を適用します:
2a モーターと負荷モーターを連携させま
す。
2b EMC 対策設置ガイドラインを厳格に遵
守します。
2c PE を強化して、PE における高周波イ
ンピーダンスが 入力電力リードより
も低くなるようにします。
2d モーターと周波数変換器との間は、例え
ば、モーターと周波数変換器で 360°
接続がなされているシールド・ケーブル
で良好な高周波接続を確立してくださ
い。
2e 周波数変換器から建物接地までのイン
ピーダンスが、マシンの接地インピーダ
ンスよりも低くなるようにします。但
し、ポンプの場合、困難になる可能性が
あります。
2f モーターと負荷モーターとの間で直接
の接地接続を行います。
3. IGBT スイッチ周波数を低下させます。
4. インバーター波形を修正します。60° AVM 対
SFAVM。
5. シャフト接地システムを設置するか、絶縁カップ
リングを使用します。
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システム統合 デザイン・ ガイド
6. 導電性のある潤滑剤を使用します。
7. 可能であれば、最小速度設定を用います。
8. 線間電圧が接地に対してバランスを保つように
します。但し、IT、TT、TN-CS あるいは接地レグ
システムの場合、困難になる可能性があります。
9. dU/dt 又は正弦波フィルターを使用します。
3.2.7 高調波
蛍光灯、コンピュータ、複写機、ファクス、さまざまなラ
ボ用機器及び通信機器などように、ダイオード整流器が使
用されている電気機器は、主電源に高調波歪みが付加しま
す。周波数変換器ではダイオードブリッジ入力が使用さ
れており、高調波生成の原因にもなっています。
電流が電源ラインから周波数変換器に均一に供給される
ことはありません。ここでの非シヌソイド電流には、複数
の基本的な電流周波数成分が含まれます。この成分は高
調波と呼ばれます。主電源に存在する全高調波歪みを制
御することが重要です。高調波電流は電気エネルギーの
消費に直接的に影響を及ぼしませんが、配線や変圧器に熱
を発生させて、同じ電源ラインに接続されている他の機器
に影響をおよぼす恐れがあります。
3.2.7.1 高調波解析
基本
電流 (I1)
電流 I
周波数
[Hz]
表 3.10 変圧後の非シヌソイド電流
電流 高調波電流
IRMS I
入力電流 1.0 0.9 0.4 0.2 < 0.1
表 3.11 RMS 入力と比較した高調波電流
電流
図 3.3 中間回路コイル
1
50 250 350 550
I
5
1
高調波電流 (In)
I
7
I
I
5
7
I
11-49
I
11
注記
高調波電流の中には、同じトランスに接続されている通信
装置を妨害したり、力率改善キャパシターとの絡みで共振
の原因となるものがあります。
3 3
建物に設置されている電気システムのさまざまな特性は、
施設の THD(全高調波歪み)に対する変換器の高調波によ
る影響度合いと IEEE 規格への適合能力を決定します。特
定の施設における周波数変換器の高調波による影響度合
いを一般化することは困難です。必要ならば、システム高
調波の解析を実施して、機器への影響を測定してくださ
い。
周波数変換器は、入力電流 I
を増加させる主電源から
RMS
の非シヌソイド電流を取り上げています。フーリエ解析
を用いて非シヌソイド電流を変換すると、例えば 50 Hz
または 60 Hz の基本周波数を持つ各種の高調波電流 I
N
といった、異なる周波数を持つ正弦波電流に分割されま
す。
高調波が電力消費に直接影響を与えることはありません
が、設置(トランスフォーマ、インダクター、ケーブル)
での熱損失を増大させます。従って、整流器負荷が高い割
合を占める発電所では、高調波電流を低レベルで維持し
て、変圧器、インダクター及びケーブルへの過負荷を避け
てください。
省略形 詳細
f
1
I
1
U
1
入力 高調波電流
U
n
n 高調波次数
表 3.9 高調波関連の略語
基本周波数
基本電流
基本電圧
高調波電圧
低高調波電流を確保するには、周波数変換器が受動フィル
ターを標準装備している必要があります。直流コイルは
全高調波歪み (THD)を 40%まで緩和します。
主電源の歪みは、高調波電流と問題となる周波数における
主電源インピーダンスの積の大きさで決まります。全体
的な電圧の歪み (THD) は、次の計算式を用いて、個々の
電圧高調波に基づき計算されます。
2
THD
2
+ U
U
=
+ ... + U
5
7
U1
2
N
3.2.7.2 高調波エミッション条件
公共供給ネットワークに接続された装置
オプション定義
1 3 相均衡装置用 IEC/EN 61000-3-2 クラス A (合
計電力最大 1 kW のプロ用機器)。
2 IEC/EN 61000-3-12 装置 16 A-75 A 及び 1 kW か
ら最大相電流 16 A のプロ用機器。
表 3.12 高調波エミッション規格
3.2.7.3 高調波試験結果 (エミッション)
T2 及び T4 における最大 PK75 の出力サイズは IEC/EN
61000-3-2 クラス A に準拠します。T2 における P1K1 か
ら最大 P18K までの出力サイズと T4 における最大 P90K の
出力サイズは IEC/EN 61000-3-12、4 表に適合します。電
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システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
流が 75 A 以上であるため、必要とされない場合でも、T4
における出力サイズ P110 - P450 もまた、IEC/EN
61000-3-12 に準拠します。
表 3.13
には、ユーザーの供給と公共システム (R
sce
) 間
のインターフェイスポイントにおける短絡電力 Ssc は、
以下より大きいか以下に等しいことが記載されています:
33
S
= 3 × R
SC
× U
SCE
主電源
× I
= 3 × 120 × 400 × I
equ
equ
実際値 (代表値) 40 20 10 8
R
≥120 での制
sce
限値
実際値 (代表値) 46 45
R
≥120 での制
sce
限値
表 3.13 高調波試験結果 (エミッション)
個々の高調波電流 In/I1 (%)
I
5
40 25 15 10
I
7
高調波電流歪み係数 (%)
THD PWHD
48 46
I
11
I
13
必要に応じて、配電ネットワークオペレータに相談して、
計算式で指定された値よりも大きいか、あるいはそれに等
しい短絡回路電力 Ssc を有する電源にのみ機器を接続さ
せることは、インストーラまたはユーザーの責任です。
配電ネットワークオペレータに相談してから、他の電力サ
イズを公共供給ネットワークに接続してください。
さまざまなシステムレベルガイドラインに準拠:
表 3.13
に記載されている高調波電流データは、電力駆動
システム製品規格に関する IEC/EN61000-3-12 に従って提
供されます。これは、高調波電流が電力供給システムに及
ぼす影響を算出するための基準、ならびに関連地域ガイド
ラインに準拠する文書作成の基準として使用できます:
IEEE 519 -1992; G5/4。
3.2.7.4 配電システムにおける高調波の
影響
図 3.4
では、中電圧電源において、変圧器の 1 次側が共
通結合点 PCC1 に接続されています。変圧器はインピーダ
ンス Z
べての負荷が接続されている共通結合点は PCC2 です。各
負荷はケーブルを介して接続されており、それぞれインピ
ーダンス Z1、Z2、Z3を持ちます。
を持ち、複数の負荷に電力供給しています。す
xfr
図 3.4 小規模配電システム
非線形負荷によって流れる高調波電流は、配電システムの
インピーダンス上の電圧降下のために、電圧の歪みをを引
き起こします。より高いインピーダンスは、より高いレベ
ルの電圧歪みを招きます。
電流歪みは機器性能に関連付けられ、機器性能は個々の負
荷に関連付けられます。電圧歪みはシステム性能に関連
付けられます。負荷の高調波性能のみを知ることで、PCC
における電圧歪みを評価することは不可能です。PCC に
おける歪みを予測するには、配電システムと関連インピー
ダンスの構成を知る必要があります。
グリッドのインピーダンスを表現するのに一般的に使用
される用語は、短絡回路比率 R
ける供給電源の短絡回路皮相電力と負荷 (S
, で、 PCC (Ssc) にお
sce
)の定格皮
equ
相電力の間の比率として定義されます。
S
ce
=
R
sce
S
equ
ここで
Ssc=
Z
U
電源
2
及び
S
= U × I
equ
equ
高調波のマイナス効果として、2 つの高調波電流がシス
テム損失に寄与することです(配線や変圧器において)。
高調波電流はシステム損失に寄与します(配線や
•
変圧器において)。
高調波電圧歪みは、その他の負荷に対する妨害を
•
引き起こし、負荷の損失を増加させます。
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Non-linear
Current Voltage
System
Impedance
Disturbance to
other users
Contribution to
system losses
130BB541.10
130BB955.12
a
b
Leakage current
Motor cable length
システム統合 デザイン・ ガイド
図 3.5 高調波のマイナス効果
3.2.7.5 高調波制限規格と要件
高調波制限の要件は以下となります:
アプリケーション別要件。
•
順守すべき規格。
•
アプリケーション別要件は、高調波を制限するための技術
的理由が存在する特定の設置に関するものです。
例
モーターの 1 つがラインに直接接続されていて、その他は
周波数変換器を介して電力供給されている場合、2 台の
110 kW モーターが接続された 250 kVA 変圧器 1 台で十
分です。但し、両方のモーターが周波数変換器を介して電
力供給されている場合、その変換器では不十分です。設置
での高調波低減に関する追加手段を使用したり、低高調波
駆動タイプを選択することで、両方のモーターを周波数変
換器で運転することが可能になります。
高調波低減に関するさまざまな規格、規制、及び推奨が出
されています。さまざまな地理的エリアや産業にさまざ
まな規格が適用されます。以下の規格は最も一般的です:
IEC61000-3-2
•
IEC61000-3-12
•
IEC61000-3-4
•
IEEE 519
•
G5/4
•
各規格の詳細情報は、
ください。
欧州では、工場が公共グリッドを介して接続されている場
合、最大の THVD は 8%です。工場が独自の変圧器を所有し
ている場合、その制限値は 10% THVD です。VLT® AQUA
Drive は、10% の THVD に耐えうるよう設計されています。
AHF 005/010 設計ガイド
をご参照
アクティブ フィルター
•
適切なソリューションの選択はいくつかのファクターに
依存します:
グリッド(バックグラウンド歪み、主電源不均
•
衡、共振及び電源のタイプ(変圧器/ジェネレー
ター)。
アプリケーション(負荷プロファイル、負荷の数
•
及び負荷サイズ)。
地域/国の要件/規制(IEEE519、IEC、G5/4、その
•
他)。
トータルの所有コスト(初期費用、効率性、メン
•
テナンス、その他)。
変換器負荷で 40%以上の非線形負荷が占めている場合、必
ず高調波低減を考慮してください。
Danfoss は高調波計算用ツールを提供します。
章 2.8.2 PC ソフトウェア
をご参照ください。
3.2.8 接地漏洩電流
漏洩電流が 3.5 mA を超える設備の保護接地に関する国
と地方の規則を遵守してください。
周波数変換器技術は、高周波数が高電力で切り替わること
を意味します。これは接地接続において漏洩電流を生成
します。
接地漏洩電流の生成には、いくつかの項目が寄与してお
り、以下を含むさまざまなシステム構成に依存していま
す:
RFI フィルター
•
モーター・ ケーブル長
•
モーター・ ケーブルのシールド
•
周波数変換器出力
•
3 3
3.2.7.6 高調波低減
高調波低減がさらに必要な場合に備えて、Danfoss は広範
囲の低減装置を提供します。これらは以下となります:
12 パルスドライブ
•
AHF フィルター
•
低高調波ドライブ
•
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 49
図 3.6 モーターモーター・ ケーブル長と出力サイズを漏洩電
流に影響を及ぼします。出力サイズ a > 出力サイズ b
130BB956.12
THVD=0%
THVD=5%
Leakage current
130BB958.12
f
sw
Cable
150 Hz
3rd harmonics
50 Hz
Mains
RCD with low f
cut-
RCD with high f
cut-
Leakage current
Frequency
130BB957.11
Leakage current [mA]
100 Hz
2 kHz
100 kHz
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
漏洩電流もまた、ライン歪みに依存します。
33
図 3.8 漏洩電流の主たる要因
RCD によって検出される漏洩電流の量は、RCD カットオフ
周波数に依存します。
図 3.7 漏洩電流に影響を及ぼすライン歪み
EN/IEC61800-5-1 (電力ドライブシステム製品基準) に
準拠するには、漏洩電流が 3.5mA を超えた場合に特別な注
意を必要とします。以下の保護接地接続要件で接地を強
化します:
接地線 (端子 95) は最低でも 10 mm2 の断面
•
積を有すること。
寸法規則を遵守した 2 つの接地ワイヤ。
•
詳しくは EN/IEC61800-5-1 及び EN50178 を参照してく
ださい。
RCD を使用
漏電遮断器(ELCB)とも呼ばれる残留電流デバイス(RCD)が
使用された場合、以下を遵守します。
交流及び直流電流の検知能力を有するタイプ B
•
の RCD のみを使用します。
過渡接地電流による不具合を防止するため、遅延
•
付き RCD を使用します。
システム構成及び環境的考慮に従った寸法 RCD。
•
漏洩電流には、主電源周波数とスイッチ周波数の双方に起
因するいくつかの周波数が含まれます。スイッチ周波数
が検出されるかどうかは、使用している RCD のタイプに依
存します。
図 3.9 漏洩電流に対する RCD カットオフ周波数の影響
3.3 主電源の組み込み
3.3.1 主電源の構成と EMC 効果
周波数変換器に電力を供給するための交流主電源システ
ムには、いくつかのタイプがあります。各々は、システム
の EMC 特性に影響を及ぼします。5 線式 TN-S は、EMC に対
して最高のシステムと見なされており、一方、隔離した
IT システムは最低限のシステムと見なされています。
50 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
システム統合 デザイン・ ガイド
システム
タイプ
TN 主電源
システム
TN-S 個別の中性(N)と保護接地(PE)導体を装備した 5 線
TN-C 共通の中性及び保護接地(PE)導体を装備した 4 線
TT 主電源
システム
IT 主電源
システム
表 3.14 AC 主電源システムタイプ
詳細
TN 主電源配電システムには 2 つのタイプがありま
す: TN-S と TN-C。
式システム。最良の EMC 特性を提供し、送信干渉を
防ぎます。
式システム。中性及び保護接地導体の組み合わせ
により、不十分な EMC 特性になります。
変換器ユニットの接地された中性導体及び個別の
接地導体を装備した 4 線式システム。正しく接地
すると良好な EMC 特性が得られます。
中性導体を装備した絶縁済み 4 線式システムで、イ
ンピーダンスを介して接地されているものと接地
されていないものがあります。
3.3.2 低周波数主電源干渉
3.3.2.1 非シヌソイド主電源
主電源電圧は、一定の強度と周波数を有する定形的な正弦
波電圧ではありません。これは、主電源から非シヌソイド
電流が流れる負荷や、コンピュータ、テレビ、スイッチン
グ電源、エネルギー効率ランプ、及び周波数変換器のよう
な非線形特性を有する負荷にある程度起因します。一定
制限内の偏差は避けがたく、許容できるものです。
3.3.2.2 EMC 指令への適合
欧州のほとんどの地域において、主電源の品質に関する客
観的評価は、Electromagnetic Compatibility of
Devices Act (EMVG)(機器の電磁環境適合性に関する法
律)を基本にしています。この法律を遵守することで、配
電システムに接続されたすべての機器及びネットワーク
は問題を発生させることなく、その意図した目的を満足で
きます。
標準 定義
EN 61000-2-2, EN
61000-2-4, EN
50160
EN 61000-3-2,
61000-3-12
EN 50178 電力機器の使用するための電子機器を監
表 3.15 主電源電力品質の EN 設計規格
公共及び産業用電力グリッドで順守すべ
き主電源電圧制限を定義します。
接続機器によって生成される主電源の干
渉を規定します。
視します。
しと表現しています。この領域に対する制限については
現在、検討されています。周波数変換器は主電源干渉をシ
フトさせることはありません。
3.3.2.4 主電源干渉はどのように発生す
るのか
脈動する入力電流によって引き起こされる正弦波の主電
源干渉歪みが、通常、高調波と呼ばれます。フーリエ解析
により 2.5 kHz まで解析されて、主電源周波数の 50 次高
調波まで対応します。
周波数変換器の入力整流器は、この典型的なフォームの高
調波干渉を主電源に生成します。周波数変換器を 50 Hz
電源システムに接続した場合、3 次高調波(150 Hz)、5 次
高調波(250 Hz)あるいは 7 次高調波(350 Hz)の影響が最
も大きいことが示されます。全高調波成分は全高歪み調
波(THD)と呼ばれます。
3.3.2.5 主電源干渉の影響
低周波数主電源干渉には、高調波と電圧変動という 2 つの
形態があります。負荷が接続されているとき、それらの外
観は主電源システムのオリジンポイントにおける場合と
その他のポイントにおける場合とでは異なっています。
従って、主電源干渉の効果を評価する際、影響の範囲は集
約的に測定する必要があります。これには主電源の電力
供給、構造、及び負荷が含まれます。
電圧低下警告と高い機能的損失が主電源干渉の結果とし
て発生することがあります。
電圧低下警告
正弦波主電源電圧の歪みによる不正な電圧測定。
•
RMS-true(真の実効値)測定のみ高調波成分を考
•
慮に入れることで間違った電力測定が生まれま
す。
より大きな損失
高調波により、有効電力、皮相電力及び無効電力
•
は減少します。
電気的負荷を歪ませて、その他のデバイスに可聴
•
干渉を引き起こし、最悪の場合、破壊することが
あります。
温度上昇の結果、デバイスの寿命は短くなりま
•
す。
注記
過度な高調波成分は力率改善装置に負荷をかけて、負荷の
破壊を引き起こすことさえあります。このため、過度な高
調波成分が存在するとき、力率改善装置にチョークを取り
付けます。
3 3
3.3.2.3 干渉のない周波数変換器
周波数変換器はすべて主電源の干渉を生成します。現在
の規格では、2 kHz までの周波数範囲のみが定義されてい
ます。いくつかの変換器は、主電源の干渉を規格の対象外
である 2 kHz 以上の領域にシフトさせて、これを干渉な
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 51
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
3.3.3 主電源干渉の解析
主電源電力品質の劣化を回避するために、高調波電流を生
成するシステムまたはデバイスを解析するための様々な
方法が利用できます。高調波計算ソフトウェア(HCS)のよ
うな主電源解析プログラムにより、高調波に対応するシス
33
テム設計を分析できます。事前に特定の対策をテストし
て、システム互換性を確保できます。
主電源システムを解析する際は、サイト
www.danfoss-hcs.com/Default.asp?LEVEL=START
み、ソフトウェアをダウンロードしてください。
http://
に進
注記
Danfoss はハイレベルの EMC 技術を持っており、トレー
ニングコース、セミナー及びワークショップに加えて、詳
細な評価や主電源の性能計算による EMC 解析をカスタマ
ーに提供します。
注記
すべての VLT® AQUA Drive 周波数変換器は、組み込み型
の主電源干渉用チョークを標準装備しています。
3.3.6 運用サイトの分類
周波数変換器の運用が意図されている環境に対する要件
を把握することは、EMC 適合に関する最も大切なファクタ
ーです。
3.3.6.1 環境 1/クラス B: 住宅
軽工業地域を含めて、公共低電圧電力グリッドに接続され
ている運用サイトは、環境 1/クラス B に分類されます。
このサイトは、個別の主電源システム向けの独自の高電圧
または中電圧配電用変圧器を所有していません。環境分
類は建物の内外両方に適用されます。一般的な例として、
商業エリア、住居ビル、レストラン、駐車場、及び娯楽施
設があります。
3.3.4 主電源干渉を低減するためのオプ
ション
一般的には、変換器による主電源干渉は脈動電流の強度を
制限することで低減できます。これにより力率 λ (ラ
ムダ)が改善されます。
主電源高調波を防止するためにいくつかの方法を推奨し
ます:
周波数変換器の入力チョークまたは直流リンク
•
チョーク。
受動フィルター。
•
能動フィルター。
•
スリム直流リンク。
•
能動フロントエンド及び低高調波ドライブ。
•
12、18 または 24 パルス/サイクルの整流器。
•
3.3.5 無線周波数干渉
周波数変換器は、その可変幅電流パルスによって無線周波
数干渉(RFI)を生成します。変換器とモーター・ ケーブル
はこれらの成分を放射して、主電源システムに伝達しま
す。
RFI フィルターは主電源への干渉を低減するのに使用し
ます。フィルターはノイズ耐性を提供して、高周波伝導干
渉からデバイスを保護します。フィルターはまた、電源ケ
ーブルへ送られる干渉や電源ケーブルからの放射を低減
できます。フィルターは干渉を指定レベルに制限するこ
とを意図して開発されています。内蔵フィルターはしば
しば、特定耐性を実現できる標準装置として評価されてい
ます。
3.3.6.2 環境 2/クラス A: 産業
産業環境は公共電力グリッドには接続されません。その
代り、独自の高電圧あるいは中電圧配電用変圧器を所有し
ています。環境分類は建物の内外両方に適用されます。
産業用として定義され、特殊な電磁環境によって特徴付け
られます:
科学技術、医療あるいは産業用装置の存在。
•
大規模な誘導及び容量負荷の切り替え。
•
強力な磁界の発生(例えば、大電流による)。
•
3.3.6.3 特殊環境
他のエリアから明確に区別されている、中電圧変圧器を有
するエリアにおいて、ユーザーはどのタイプの環境で施設
を分類するのかを決定します。ユーザーには、指定した条
件内ですべての装置を問題無く動作させるために必要な
電磁適合性を確保する責任があります。特殊環境の例と
して、ショッピングセンター、スーパーマーケット、ガソ
リンスタンド、商業ビル、及び倉庫があげられます。
3.3.6.4 警告ラベル
周波数変換器がカテゴリー C1 に適合しないとき、警告通
知を提供します。これはユーザーの責任です。干渉除去
は EN 55011 のクラス A1、A2、及び B を基本とします。
装置の適切な分類と EMC 問題を直すためのコストについ
て、ユーザーに最終責任があります。
3.3.7 絶縁された入力ソースの使用
米国にあるほとんどの電力施設はアース接地を基準にし
ています。米国で一般的に使用されていませんが、入力電
力は絶縁されたソースとなることがあります。Danfoss
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周波数変換器は全て、接地基準電力ラインと同様、絶縁さ
れた入力ソースに接続されて使用されます。
3.3.8 力率改善
力率改善装置は、電圧と電流の位相差 (φ) を減じて、
力率を (cos φ)に近づけることができます。この装置
は、配電システムにモーターやランプバラストのような誘
導負荷が多数使用されている場合に必要です。絶縁され
た直流リンクを有する周波数変換器は、主電源システムか
ら無効電力を供給したり、位相力率改善シフトを生成した
りすることはなく、 約 1 の cos φ を有します。
このため、力率改善装置のサイズを決定する際、高速制御
モーターを考慮に入れる必要はありません。但し、周波数
変換器は高調波を生成するため、位相改善装置によって引
き込まれた電流は上昇します。高調波ジェネレーターの
数が増加するにつれて、キャパシター上の負荷と熱ファク
ターも増加します。結果として、力率改善装置にチョーク
を取り付けることになります。チョークはまた、負荷誘導
とキャパシタンス間の共振を防止します。cos φ <1 の
変換器には、力率改善装置にチョークが必要です。さら
に、ケーブル寸法については、より高い無効電力レベルを
考慮してください。
3.3.9 入力電力遅延
入力サージ抑制回路を正しく動作させるために、入力電力
の運用アプリケーションの間に存在する遅延時間を観察
します。
表 3.16
最小時間を示します。
入力電圧 [V] 380 415 460 600
待機時間 [s] 48 65 83 133
に、入力電力のアプリケーション間で許可される
表 3.16 入力電力遅延
3.3.10 主電源トランジエント
トランジエントは、数千ボルトの範囲で発生する短時間の
電圧ピークです。産業及び住宅環境を含めて、あらゆるタ
イプの配電システムで発生します。
落雷はトランジエントの一般的な原因とされています。
但し、オンラインまたはオフラインでの大容量負荷のスイ
ッチング、あるいは、力率改善装置のような、主電源トラ
ンジエント装置のスイッチングによっても引き起こされ
ます。トランジエントは、短絡、配電システム内の回路ブ
レーカーのトリップ、及びパラレルケーブル間の誘導カッ
プリングによっても引き起こされます。
EN 61000-4-1 規格には、トランジエントの形態やそのエ
ネルギーの大きさなどが記載されています。その有害な
効果は、さまざまな方法で制限できます。ガス充填サージ
アレスターとスパークギャップは、高エネルギートランジ
エントに対する第一レベルの保護を提供します。第二レ
ベルの保護については、周波数変換器を含むほとんどの電
子機器において、電圧依存型の抵抗器(バリスタ)を採用
して、トランジエントを減衰させます。
3.3.11 スタンバイジェネレーターによる
運転
主電源の障害が発生した場合でも連続運転が必要なとき
は、バックアップ用電源システムを使用します。さらに、
バックアップ用電源システムは公共電力グリッドと並列
に使用して、より高い主電源電力を実現できます。これ
は、熱とパワーユニットを組み合わせるための一般的な方
法で、このような形態のエネルギー変換によって実現され
る高効率性を利用できます。ジェネレーターによってバ
ックアップ電力が提供される場合、主電源インピーダンス
は公共グリッドから電力を供給する場合よりも高くなり
ます。これにより、全高調波歪みは増加します。適正な設
計により、高調波を誘導する装置を含んでいるシステムに
おいてもジェネレーターは運転できます。
スタンバイジェネレーターを用いたシステム設計を考慮
するよう推奨します。
システムを主電源運転からジェネレーターに切
•
り替えると、通常、高調波負荷は増加します。
設計者は、電力品質を規制に適合させるために、
•
高調波負荷の増加を算出あるいは測定して、高調
波問題と機器障害を回避する必要があります。
損失や、全高調波歪みが増加する恐れがあるた
•
め、ジェネレーターへの非線形負荷を排除してく
ださい。
ジェネレーター巻き線の 5/6 スタッガは、5 次及
•
び 7 次高調波を減衰させますが、3 次高調波の増
加を許します。2/3 スタッガは 3 次高調波を減
衰します。
可能であれば、オペレータはシステムで共振を引
•
き起こす力率改善装置を外すようにしてくださ
い。
チョークやアクティブ吸収フィルターは、並列に
•
動作する抵抗負荷と同様、高調波を減衰できま
す。
並列に動作する容量負荷は、予測不可能な共振効
•
果により、追加負荷を生成します。
HCS のような主電源解析ソフトウェアを使用して、より精
度の高い解析が可能になります。主電源システムを解析
する際は、サイト
Default.asp?LEVEL=START
ンロードしてください。
高調波を引き起こす機器で運転するとき、問題のない施設
運用を基本とする最大負荷を高調波制限表に示します。
http://www.danfoss-hcs.com/
に進み、ソフトウェアをダウ
3 3
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175HA036.11
U
1
V
1
W
1
96 97 98
FC
Motor
U
2
V
2
W
2
U
1
V
1
W
1
96 97 98
FC
Motor
U
2
V
2
W
2
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
高調波制限
B2 及び B6 整流器⇒ 定格ジェネレーター負荷
•
の最大 20%。
チョーク付き B6 整流器⇒ 定格ジェネレーター
•
3.4.4 モーター・ ケーブル
モーター・ケーブルの推奨事項と仕様は、
ル仕様
に記載されています。
章 7.5 ケーブ
負荷の最大 20–35%、但し構成に依存します。
制御用 B6 整流器⇒ 定格ジェネレーター負荷の
33
•
最大 10%。
3.4 モーターの組み込み
3 相非同期標準モーターはすべて、周波数変換器と共に
使用できます。工場出荷時設定では、下記のように周波数
変換器の出力が接続された場合には、時計回り回転となり
ます。
3.4.1 モーター選択時に考慮すべきこと
周波数変換器はモーター上に電気的ストレスを誘発する
ことがあります。従って、モーターと周波数変換器を組み
合わせる際は、モーター上の以下の効果を考慮してくださ
い:
絶縁ストレス
•
ベアリングストレス
•
サーマルストレス
•
3.4.2 正弦波フィルターと dU/dt フィル
ター
出力フィルターは、モーターの電気的ストレスを軽減し
て、ケーブル長を長くすることが可能になります。出力オ
プションには、正弦波フィルター(LC フィルターとも呼
ばれる)と dU/dt フィルターが含まれます。dU/dt フィル
ターはパルスのシャープな上昇率を抑制します。正弦波
フィルターにより、電圧パルスはなだらかになって、シヌ
ソイド出力電圧に近い波形に変換されます。一部の周波
数変換器では、正弦波フィルターは、非シールドモータ
ー・ケーブル向けの EN 61800-3 RFI カテゴリー C2 に準
拠します。
い。
正弦波フィルターと dU/dt フィルター・ オプションの詳
細情報については、
章 3.7.6 dU/dt フィルター
正弦波フィルターと dU/dt フィルター注文番号の詳細情
報については、 と
照ください。
3.4.3 適正なモーター接地
個人の安全を確保するため、さらには低電圧装置の EMC 電
気要件を満足させるために、モーターの適正な接地は不可
欠です。シールドとフィルターの効果的な使用のために
も適正な接地は必要です。適正な EMC 実装設計のために
は、詳細設計を検証する必要があります。
章 3.7.5 正弦波フィルター
章 3.7.5 正弦波フィルター
をご参照ください。
章 6.2.9 dU/dt フィルター
をご参照くださ
と
をご参
図 3.10 時計回り及び反時計回りの端子接続
回転方向は、モーター・ケーブルの 2 つの相を入れ替える
ことで、あるいは
4-10 モーター速度方向
の設定を変える
ことで変更できます。
3.4.5 モーター・ ケーブルシールド
周波数変換器は、その出力において鋭いパルスを生成しま
す。このパルスには、高周波成分(ギガヘルツ範囲まで)
が含まれていて、モーター・ケーブルからの好ましくない
放射を引き起こします。シールドモーター・ケーブルはこ
の放射を減じます。
54 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
シールドの目的は以下のとおりです:
放射干渉の強度を低下させます。
•
個々のデバイスの干渉耐性を改善します。
•
システム統合 デザイン・ ガイド
シールドは、高周波成分を捕捉して、干渉ソース(本ケー
スでは周波数変換器)にそれを戻します。シールド付きモ
ーター・ケーブルはまた、近隣の外部ソースからの干渉に
対する耐性も提供します。
良好なシールドでも放射を完全に除去することはできま
せん。放射環境に存在するシステムコンポーネントは、劣
化することなく動作する必要があります。
3.4.6 モーターの複数接続
3 3
注記
ステーターの小型モーターのオーム抵抗が相対的に高い
と、スタート時や RPM(毎分回転数)値が小さいときに
高電圧が必要となるため、モーターのサイズが大きく異な
る場合には、スタート時や RPM(毎分回転数)値の小さ
いときに問題が発生することがあります。
周波数変換器は複数の並列接続モーターをコントロール
できます。並列接続のモーターを使用する際、以下を遵守
してください:
VCC+ モードがいくつかのアプリケーションで使
•
用できます。
モーターの合計消費電流は、周波数変換器の定格
•
出力電流 I
長いケーブル長に共通ジョイント接続を使用し
•
ないでください。
表 3.4
•
ル長は、並列ケーブルが短く保たれている限り
(各々 10m 未満)有効です。
をご参照ください。
モーター・ケーブル上の電圧降下を考慮してくだ
•
さい。
長い並列ケーブルの場合、LC フィルターを使用
•
してください。
並列接続しない長いケーブルについては、
•
図 3.16
を超えてはいけません。
INV
図 3.12
で指定されている合計モーター・ ケーブ
図 3.15
を参照。
図 3.15
をご参照ください。
を参照。
図 3.14と図 3.15
を参照。
図 3.11 短いケーブル長向けの共通ジョイント接続
図 3.12 長いケーブル長向けの共通ジョイント接続
注記
モーターが並列接続されている場合には、
ー・ コントロールの原則を[0] U/f
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1-01 モータ
に設定してください。
図 3.13 負荷の無い並列ケーブル
システム統合
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33
図 3.14 負荷のある並列ケーブル
図 3.16 直列接続の長いケーブル
図 3.15 長い並列ケーブル向けの LC フィルター
エンクロージャ
ー・ サイズ
A1, A2, A4, A5 0.37–0.75
A2, A4, A5 1.1–1.5
A2, A4, A5 2.2–4
A3, A4, A5 5.5–7.5
B1, B2, B3, B4,
C1, C2, C3, C4
A3 1.1–7.5 525–690 100 50 33 25
B4 11–30 525–690 150 75 50 37
C3 37–45 525–690 150 75 50 37
表 3.17 各並列ケーブルの最大ケーブル長
電力サイズ [kW]
11–90
電圧 (V)
400 150 45 8 6
500 150 7 4 3
400 150 45 20 8
500 150 45 5 4
400 150 45 20 11
500 150 45 20 6
400 150 45 20 11
500 150 45 20 11
400 150 75 50 37
500 150 75 50 37
ケーブル 1 本
[m]
ケーブル 2 本
[m]
ケーブル 3 本
[m]
ケーブル 4 本
[m]
56 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
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3.4.7 制御線の隔離
モーター配線によって生成される高調波干渉は、変換器制
御線の制御信号を劣化させて、制御不良を招くことがあり
ます。モーター・ケーブルと制御線は分離するようにして
ください。分離することで、干渉効果は大幅に減少しま
す。
制御線とモーター・ ケーブルの間の距離は、200
•
mm 以上取るようにしてください。
分離幅が小さい場合はディバイダーストリップ
•
をご使用ください。そうしないと干渉が結合し
たり、伝達されることがあります。
制御線シールドは、モーター・ケーブルシールド
•
と同じ方法で両端を接続する必要があります。
撚り線付きシールド・ケーブルは非常に高い減衰
•
性能を持っています。磁界の減衰レベルはシン
グルシールドの場合約 30 dB で、ダブルシール
ドの場合 60 dB まで増加し、さらに導体が撚り
線の場合約 75 dB まで増加します。
3.4.8 モーターサーマル保護
周波数変換器はいくつかの方法でモーターの熱保護を実
現します:
図 3.17 電子サーマル
X 軸は、 I
す。Y 軸は、ETR がカットオフ及びトリップする前の時間
を秒で示します。曲線は 2 回の公称速度と 0.2 x 公称速
度における公称速度特性を示します。
低速では、モーターの冷却機能が低下するために低い温度
で ETR がカットオフします。以上のように、モーターは低
速でも過熱から保護されます。ETR 機能は、実際の電流と
速度を基にモーター温度を算出します。
motor
と I
・ リレー 特性
(公称)の間の比率を示しま
motor
3 3
トルク制限は、速度に関係なく、過負荷からモー
•
ターを保護します。
速度下限は、最低運転速度範囲を、例えば 30 ~
•
50/60 Hz の間に制限します。
速度上限は、最大出力速度を制限します。
•
外部サーミスター用の入力が利用できます。
•
非同期モーター用電子サーマル・ リレー (ETR)
•
は、内部測定に基づいてバイメタル・リレーをシ
ミュレートします。ETR は実際の電流、速度及び
時間を測定して、モーター温度を算出し、警告や
モーターへの電力切断を実施してモーターを過
熱から保護します。ETR の特性を
します。
図 3.17
に示
3.4.9 出力接触器
一般的に推奨されている方法ではありませんが、モーター
と周波数変換器間の出力接触器を作動させて周波数変換
器の損傷を引き起こすことはありません。以前に開かれ
た出力接触器を閉じると、運転されている周波数変換器が
停止しているモーターに接続されることがあります。こ
れにより、周波数変換器はトリップして、エラーが表示さ
れます。
3.4.10 ブレーキ機能
モーター・シャフト上の負荷にブレーキをかけるには、ス
タティック(機械的)またはダイナミック・ブレーキを使
用します。
3.4.11 ダイナミック・ ブレーキ
ダイナミック・ ブレーキは以下によって成立します:
抵抗器ブレーキ: ブレーキ IGBT は、モーターの
•
ブレーキ・エネルギーを接続されているブレーキ
抵抗器に伝達することで、過電圧を事前設定した
閾値以下に維持します
交流ブレーキ: ブレーキ・ エネルギーは、モー
•
ターの損失状態を変化させることで、モーター内
に分散されます。交流ブレーキ機能は、モーター
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 57
T
ta
tc
tb
to ta
tc
tb
to ta
130BA167.10
Load
Time
Speed
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
を過熱させる高いサイクル周波数を有するアプ
リケーションには使用できません。
直流ブレーキ: 交流電流が付加された過変調直
•
流電流は、渦電流ブレーキとして働きます。
33
3.4.12 ブレーキ抵抗器計算
ブレーキ抵抗器は、電気的に生成されるブレーキング中の
放熱と直流リンク電圧の上昇を管理することが求められ
ます。ブレーキ抵抗器を使用すれば、周波数変換器ではな
くブレーキ抵抗器にエネルギーが吸収されます。詳細に
ついては、
ブレーキ抵抗器設計ガイド
を参照してくださ
い。
負荷サイクル計算
各ブレーキ時間に抵抗器に伝達される運動エネルギーの
量が分かっていない場合、サイクル時間とブレーキ時間
(断続負荷サイクルとも呼ばれる)に基づいて平均出力を
計算します。抵抗器断続負荷サイクルは、抵抗器がアクテ
ィブとなるサイクルを表します(
図 3.18
の場合、
モーターのサプライヤーは許容負荷を示す場合に S5 を
用いますが、これは断続負荷サイクルの表現です。
を参照)。多く
2
Udc
R
=
br
ブレーキ抵抗器の性能は、直流リンク電圧 (U
Ω
P
peak
)に依存し
dc
ます。
Udc はブレーキが作動する電圧です。FC シリーズのブレ
ーキ機能は、主電源に応じて設定されます。
ブレーキ
主電源入力
[V AC]
FC 202 3x200-240 390 405 410
FC 202 3x380-480 778 810 820
FC 202 3x525-600
FC 202 3x525-600
FC 202 3x525-690 1099 1109 1130
表 3.18 直流リンク電圧 (Udc)
1) エンクロージャー・ サイズ A、B、C
2) エンクロージャー・ サイズ D、E、F
ブレーキ抵抗 R
最高ブレーキ・ トルク(M
アクティブ
[V DC]
(直流)
1)
2)
,を使用して、周波数変換器が 160% の
rec
943 965 975
1099 1109 1130
)にてブレーキを実行できる
br(%)
高
電圧
警告
[V DC] (直
流)
過
電圧
警報
[V DC]
(直流)
ようにしてください。計算式は以下のように書けます。
図 3.18 ブレーキ抵抗器負荷サイクル
抵抗器の断続負荷サイクルは以下のように計算します:
負荷サイクル = tb/T
T =秒単位のサイクル時間で、
tb は (サイクル時間の) 秒単位のブレーキ時間です。
Danfoss は、負荷サイクルが 5%、10%、及び 40% のブレ
ーキ抵抗器を用意しています。10% の負荷サイクルの場
合、サイクル時間の 10%に相当するブレーキ電力をブレー
キ抵抗器が吸収します。残るサイクル時間の 90%は、余分
な熱の放散に使用されます。
必要とされるブレーキ時間に適するようブレーキ抵抗器
のサイズを決定します。
ブレーキ抵抗計算
モーターにブレーキがかかった際、保護のため周波数変換
器が切り離されるのを防止するために、ピークブレーキ電
力と中間回路電圧に基づいて抵抗器の値を選択してくだ
さい。ブレーキ抵抗器の抵抗は以下のように算出します:
2
U
x 100
R
Ω =
rec
η
η
P
motor
は通常 0.90 です。
motor
は通常 0.98 です。
VLT
x M
dc
br( % )
xη
VLT
xη
motor
より高いブレーキ抵抗器抵抗を選択すると、160%/150%/
110%のブレーキ・トルクが獲得できず、保護のため周波数
変換器が直流リンク過電圧から切断される危険がありま
す。
例えば 80%トルクのように、低いトルクでのブレーキング
の場合、低い出力定格のブレーキ抵抗器を取り付けること
が可能です。R
.の計算公式を用いてサイズを算出して
rec
ください。
周波数変換器 D と F のエンクロージャー・ サイズ に
は、1 つ以上のブレーキ・ チョッパーが含まれています。
これらのエンクロージャー・サイズに対しては各チョッパ
ーを装備したブレーキ抵抗器を使用してください。
VLT® Brake Resistor MCE 101 デザイン・ ガイド
には、
最新のデータが含まれており、以下のように詳細な計算手
順が記載されています:
ブレーキ電力の計算
•
ブレーキ抵抗器ピーク電力の計算
•
ブレーキ抵抗器平均電力の計算
•
ブレーキの慣性力
•
58 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
1.0
0.99
0.98
0.97
0.96
0.95
0.93
0.92
0% 50% 100% 200%
0.94
Relative Eciency
130BB252.11
1.01
150%
% Speed
100% load 75% load 50% load 25% load
システム統合 デザイン・ ガイド
3.4.13 ブレーキ抵抗器ケーブル
EMC (ツイスト・ ケーブル/シールド)
周波数変換器の特定 EMC 性能に適合させるには、シール
ド・ ケーブル/ワイヤを使用してください。非シールドワ
イヤを使用する場合は、ブレーキ抵抗器と周波数変換器の
間で生じる電気的ノイズを低減するため、ツイスト・ケー
ブルの使用を推奨します。
EMC 性能を改善するために金属シールドを使用してくだ
さい。
3.4.14 ブレーキ抵抗器及びブレーキ
IGBT
ブレーキ抵抗器電力モニター
さらに、ブレーキ電力モニター機能により、選択した期間
の一時電力や平均電力を読み出すことができます。さら
に、電力エネルギーを監視して、
(kW)
で選択した制限値を超えないようにすることが可能
です。
2-13 ブレーキ電力監視
に伝達された電力が
して制限値を超えたときに実行する機能を選択します。
2-12 ブレーキ電力制限(kW)
において、ブレーキ抵抗器
注記
ブレーキ電力の監視は安全機能を満足するわけではあり
ません。ブレーキ抵抗器の回路は、接地漏洩保護されてい
ません。
ブレーキはブレーキ抵抗器の短絡から保護されており、ブ
レーキ・トランジスタはその短絡が確実に検出されるよう
に監視されています。リレーまたはディジタル出力を使
用して、周波数変換器の不具合による過負荷からブレーキ
抵抗器を保護できます。
過電圧コントロール(OVC)は2-17 過電圧コントロール
で代替ブレーキ機能として選択できます。直流リンク電
圧が増加した場合でも、この機能はすべてのユニットに対
して有効です。この機能を使用すれば、トリップを確実に
回避できます。これを行うには、直流リンクからの電圧を
制限するために出力周波数を増加させます。これは、周波
数変換器のトリップが避けられるので、立ち下り時間が短
すぎる場合などでは、極めて有益な機能です。この場合、
立ち下り時間が延長されます。
3.4.15 エネルギー効率
周波数変換器の効率
周波数変換器の負荷は、効率にほとんど影響を与えませ
ん。
これは、その他の U/f 特性が選択された場合でも、周波
数変換器の効率は変化しないことも意味しています。た
だし、U/f 特性はモーターの効率に影響を与えます。
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 59
2-12 ブレーキ電力制限
で設定
スイッチ周波数が 5 KHz 以上の値に設定されると、効率
はわずかに低下します。モーター・ケーブルの長さが 30
m 以上であるとき、効率はわずかに低下します。
効率計算
図 3.19
器の効率を計算してください。
載されている特定効率係数にこのグラフの係数を掛けて
ください。
例: 50%の速度で 25%の負荷を有する、55 kW、380-480 V
AC 周波数変換器の場合。グラフは、55 kW 周波数変換器
の 0.97 定格効率は 0.98 であることを示しています。従
って、実効率は: 0.97 x 0.98=0.95 です。
モーター効率
周波数変換器に接続されるモーターの効率は磁化レベル
により異なります。モーターの効率はモーターのタイプ
により異なります。
システム効率
システムの効率を算出するには、周波数変換器の効率にモ
ーターの効率を掛けてください。
に基づいて、さまざまな負荷における周波数変換
章 7.1 電気データ
図 3.19 一般的な効率曲線
定格トルクの 75 ~ 100% の範囲内では、周波
•
数変換器にコントロールされている場合と主電
源で直接稼動している場合とで、モーターの効率
は殆ど変わりません。
小型モーターの場合、U/f 特性が効率に与える
•
影響はほんのわずかです。ただし、11 KW 以上
のモーターの効率に関して、多くの利点が得られ
ます。
スイッチ周波数は小型モーターの効率には影響
•
を与えません。11 KW 以上のモーターを使用す
ると効率が向上します (1 ~ 2%) 。これは、ス
イッチ周波数が高いと、モーター電流の正弦の形
がほぼ完全になるためです。
に記
3 3
+ - + -
S202
**
*
モーター
アナログ出力
リレ ー1
リレ ー2
ON=終了
OFF=オープン
50 (+10 V 出力)
53 (アナログ
入力 )
54 (アナログ
入力 )
55 (共通アナログ入力)
12 (+24 V 出力)
13 (+24 V 出力)
37 (デジタル入力)
18 (デジタル入力)
(共通 デジタル
入力 )
(共通アナログ出力) 39
(アナログ出力) 42
(P RS-485) 68
(N RS-485) 69
(共通 RS-485) 61
0/4-20 mA
240 V 交流、2 A
24 V (NPN)
0 V (PNP)
0 V (PNP)
24 V (NPN)
19 (デジタル入力)
24 V (NPN)
0 V (PNP)
(デジタル入力/
出力 )
0 V (PNP)
24 V (NPN)
(デジタル入力/
出力 )
24 V (NPN)
0 V (PNP)
0 V (PNP)
24 V (NPN)
33 (デジタル入力)
32 (デジタル入力)
: シャーシ
: 接地
240 V 交流、2 A
400 V 交流、2 A
91 (L1)
92 (L2)
93 (L3)
PE
88 (-)
89 (+)
20
10 V DC
15 mA 130/200 mA
(U) 96
(V) 97
(W) 98
(PE) 99
0 V
5V
S801
RS-485
03
24 V DC
02
01
05
04
06
27
24 V
0 V
0 V
24 V
29
1 2
オン
S201
オン
21
ON=0/4-20 mA
OFF=0/-10 V DC -
+10 V DC
95
P 5-00
21
オン
S801
(R+) 82
(R-) 81
130BD552.10
3 相電源
入力
直流バス
+10 V DC
0/-10 V DC+10 V DC
0/4-20 mA
0/-10 V DC+10 V DC
0/4-20 mA
スイッチモード電源
ブレーキ抵抗器
RS-485 インタ
フェー ス
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
3.5 追加入力と追加出力
3.5.1 配線図
配線して正しくプログラムされたとき、コントロール端子は以下を提供します:
周波数変換器へのフィードバック、速度指令信号、及びその他の入力信号。
33
•
周波数変換器からの出力ステータスと障害状態。
•
補助機器を作動させるためのリレー。
•
シリアル通信インターフェイス。
•
24 V 共通
•
コントロール端子は、ユニットの前面または外部ソース上のローカル・ コントロール・ パネル(LCP)からパラメーター・
オプションを選択して、さまざまな機能をプログラムすることが可能です。ほとんどのコントロール配線は、工場オーダ
ーで指定されていなければ、カスタマー供給されます。
図 3.20 基本配線図
A = アナログ、D = ディジタル
*端子 37(オプション)は STO に使用します。STO 設置説明については、VLT
ださい。
**ケーブル・ シールドを接続しないでください。
60 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
®
Safe Torque Off 取扱説明書
を参照してく
relay1
relay2
03
02
240Vac, 2A
240Vac, 2A
400Vac, 2A
01
06
05
04
130BA047.10
システム統合 デザイン・ ガイド
3.5.2 リレー接続
3 3
リレー
1 1 共通
2 4 共通
1 01-02 閉路(通常は開)
2 04-05 閉路(通常は開)
図 3.21 リレー出力 1 と 2、最大電圧
1) リレー出力をさらに追加するには、 VLT® リレーオプ
ションモジュール MCB 105 または VLT® リレーオプシ
1)
端子
2 通常は開
3 通常は閉
5 通常は閉
6 通常は閉
01-03 開路(通常は閉)
04-06 開路(通常は閉)
詳細
最大 240 V
最大 240 V
最大 240 V
最大 240 V
ョンモジュール MCB 113 を取り付けます。
リレーの詳細については、
ー端子図面
章 7 仕様
をご参照ください。
と
章 8.3 リレ
リレー・ オプションの詳細については、
ョンと付属品
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 61
をご参照ください。
章 3.7 オプシ
130BD529.12
1
2
3
4
5
6
7
8
9
L1
L2
L3
PE
10
11
PE
u
v
w
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
3.5.3 EMC 適合の電気的接続
33
1 PLC 7 モーター、3-相 及び PE(シールド済み)
2 周波数変換器 8 主電源、3-相 及び強化 PE(非シールド)
3 出力 接触器 9 コントロール 配線(シールド済み)
4 ケーブル・ クランプ 10
5 ケーブル 絶縁(はく離)
6 ケーブル・ グランド
図 3.22 EMC 対策電気接続
最小 16 mm2 (0.025 インチ)で等電位化
コントロール・ ケーブル、モーター・ ケーブル及び電源ケーブ
11
ル間の空きスペース:
最低 200 mm
62 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
システム統合 デザイン・ ガイド
EMC の詳細については、
章 3.2 EMC、高調波及び接地漏洩電流保護
ださい。
章 2.5.18 EMC 適合
を参照してく
と
注記
EMC 妨害
モーターとコントロール配線にはシールド・ケーブルを使
用し、入力電力、モーター配線及びコントロール配線には
セパレートケーブルを使用します。 電力、モーター、コ
ントロール・ケーブルの隔離を行わないと、予期しない動
作、または性能の減少が発生することがあります。電力、
モーター、コントロール・ ケーブル間には、最低 200 mm
(7.9 インチ)の空きスペースを確保します。
3.6 機械計画
3.6.1 空きスペース
IP21/IP4X/TYPE 1 エンクロージャー・ キットを使用する
場合を除いて、すべてのエンクロージャー・サイズに関し
て並列配置が適しています(
を参照)。
章 3.7 オプションと付属品
垂直空きスペース
最適な冷却条件を実現するため、周波数変換器の上下に通
気スペースを設けてください。
図 3.24
を参照
3 3
水平空きスペース、IP20
IP20 A 及び B エンクロージャー・ サイズは、空きスペ
ース無しで並列配置できます。ただし、正しい取付け順で
配置することが大切です。
法を示します。
図 3.23
に正しい取り付け方
エンクロージャ
ー・ サイズ
a [mm] 100 200 225
b [mm] 100 200 225
図 3.24 垂直空きスペース
A1*/A2/A3/A4/
A5/B1
B2/B3/B4/
C1/C3
C2/C4
3.6.2 壁取り付け
平らな壁に取り付ける場合、バック・ プレートは不要で
す。
凹凸のある壁に取り付ける場合、バック・プレートを利用
して、ヒートシンクに対する十分な冷却を確保してくださ
い。バック・ プレートは、A4、A5、B1、B2、C1 及び C2
のエンクロージャーにのみ使用します。
図 3.23 正しい並列配置(空きスペース無し)
水平空きスペース、IP21 エンクロージャー・ キット
エンクロージャー・ サイズ A1、A2 または A3 に IP21 エ
ンクロージャー・キットを使用する場合、周波数変換器の
間に最低 50 mm の空きスペースを確保してください。
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 63
システム統合
33
1 バック・ プレート
図 3.25 バック・ プレートによる取り付け
保護等級 IP66 を有する周波数変換器については、ファイ
バーまたはナイロンワッシャを使用してエポキシコート
を保護してください。
1 バック・ プレート
2 IP66 エンクロージャー付き周波数変換器
3 バック・ プレート
4 ファイバーワッシャ
図 3.26 保護等級 IP66 向けのバック・プレートによる取り付
け
3.6.3 アクセス
取り付ける前にケーブルのアクセサビリティを計画する
には、
章 8.1 主電源接続図面 (3 相)と章 8.2 モーター
接続図
の図面をご参照ください。
VLT® AQUA Drive FC 202
オプションと付属品
3.7
オプション
注文番号については、
参照ください。
主電源シールド
エンクロージャードアが開いているときに予期
•
せぬ接触から保護するために、入力電力端子と入
力プレートの前に Lexan® シールドが取り付け
られています。
スペースヒーターとサーモスタット: F フレー
•
ムのキャビネット内部に取り付けられており、自
動サーモスタットを介して制御されるスペース
ヒーターはエンクロージャー内の結露を防止し
ます。サーモスタットのデフォルト設定は 10
°C (50 °F) でヒーターをオンにし、15.6 °C
(60 °F)でオフにします。
RFI フィルター
周波数変換器にはクラス A2 RFI フィルターが
•
標準で組み込まれています。RFI/EMC 保護の追
加レベルが必要な場合、オプションのクラス A1
RFI フィルターを用いて取得することで、EN
55011 に従って無線周波数干渉と電磁気放射を
抑制することができます。
残留電流デバイス (RCD)
コアバランス方式を用いて、接地された高抵抗接地システ
ム(IEC 用語で言う所の TN 及び TT システム)の地絡電
流を監視できます。事前警告(主電源警報設定ポイントの
50%)と主電源警報設定ポイントがあります。各設定ポイ
ントは外部用途向けの SPDT 警報リレーに関連付けられて
おり、外部のウィンドウタイプ電流トランスフォーマが必
要になります(カスタマーによって提供及び設置)。
周波数変換器の Safe Torque Off 回路に組み込
•
まれています。
IEC 60755 タイプ B デバイスモニター、直流パ
•
ルス、及び高純度直流地絡電流。
設定ポイントの 10~100%までの地絡電流レベル
•
を示す LED 棒グラフインジケータ。
障害メモリ
•
テスト/リセットキー
•
絶縁抵抗モニター (IRM)
システムフェーズ接触器とグランドの間にある非接地シ
ステム(IEC 用語で言うところの IT システム)の絶縁抵
抗を監視します。絶縁レベルのオーム抵抗値による事前
警告と主電源警報設定ポイントがあります。各設定ポイ
ントは外部用途の SPDT アラームリレーに関連付けられま
す。注記: 1台の絶縁抵抗モニターのみ、各非接地(IT)
システムに接続できます。
周波数変換器の安全停止回路に組み込まれてい
•
ます。
絶縁抵抗の液晶ディスプレイ
•
障害メモリ
•
情報、テスト及びリセットキー
•
章 6 タイプ・ コードと選択
をご
64 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
システム統合 デザイン・ ガイド
ブレーキ・ チョッパー(IGBT)
IGBT ブレーキ・ チョッパー回路付きのブレーキ
•
端子により、外部ブレーキ抵抗器の接続が可能に
なります。ブレーキ抵抗器の詳細情報について
は、
章 3.4.12 ブレーキ抵抗器計算
照ください。
電力再供給端子
電力再供給端子により、直流リンク・リアクター
•
のキャパシター・バンク側にある直流バスに電力
再供給ユニットを接続して再生ブレーキを実現
できます。F フレーム電力再供給端子のサイズ
は、周波数変換器の電力定格の約½ に適するよ
う設計されています。特定周波数変換器サイズ
と電圧に基づく再生電力制限については、工場に
お問い合わせください。
負荷分散端子
負荷分散端子は、直流リンク・リアクターの整流
•
器側にある直流バスに接続されて、複数ドライブ
間で直流バス電力の分散が可能になります。F
フレーム負荷分散端子のサイズは、周波数変換器
の電力定格の約 1/3 に適するよう設計されてい
ます。特定周波数変換器サイズと電圧に基づく
負荷分散制限については、工場にお問い合わせく
ださい。
ヒューズ
ヒューズは、周波数変換器の過負荷保護のため速
•
断型を推奨します。ヒューズによる保護で周波
数変換器の損傷が抑制されて、故障時のサービス
時間の最小限にすることができます。ヒューズ
は海事認定に適合する必要があります。
切断
ドアマウントハンドルにより、電力断路器の手動
•
操作が可能になり、周波数変換器への電力供給を
有効及び無効にして、サービス時の安全性が高ま
ります。断路器はエンクロージャードアによっ
てインターロックされ、電力が供給されている間
にドアが開かないようになっています。
遮断器
回路ブレーカーはリモートでトリップできます
•
が、リセットは手動で行う必要があります。回路
ブレーカーはエンクロージャードアによってイ
ンターロックされ、電力が供給されている間にド
アが開かないようになっています。回路ブレー
カーをオプションで発注すると、周波数変換器の
速断電流過負荷保護用ヒューズも付属します。
接触器
電気的に制御された接触器スイッチにより、周波
•
数変換器への電力供給をリモートで有効及び無
効にすることが可能になります。IEC 緊急停止
オプションを注文すると、Pilz Safety が接触器
上の補助コンタクトを監視します。
手動モーター・ スターター
大型モーターにしばしば必要とされる電動冷却ブロワー
用 3 相電源を提供します。スターター用電力は、付属の接
触器、回路ブレーカー、あるいは断路器の負荷側から、及
と をご参
びクラス 1RFI フィルター(オプション)の入力側から供
給されます。各モーター・スターターの前にヒューズが取
り付けられて、周波数変換器への入力電力がオフになると
スターター用電力もオフになります。最大 2 台のスター
ターが使用できます(30 A、ヒューズ保護回路が発注さ
れた場合、1 台)。周波数変換器の Safe Torque Off 回路
に組み込まれています。
ユニットには以下の特長があります:
動作スイッチ(オン/オフ)。
•
テスト機能による短絡及び過負荷保護。
•
手動リセット機能。
•
30 A、ヒューズ保護端子
補助カスタマー機器に電力供給するための、入力
•
主電源電圧に適合する 3 相電力。
2 台の手動モーター・ スターターを選択した場
•
合、利用できません。
周波数変換器への入力電力がオフになると、端子
•
もオフになります。
ヒューズ保護端子用電力は、付属の接触器、回路
•
ブレーカー、あるいは断路器の負荷側から、及び
クラス 1RFI フィルター(オプション)の入力側
から供給されます
24V DC 電源
5 A、120 W、24 V DC。
•
出力過電流、過負荷、短絡、及び可能温度から保
•
護されています。
センサ、PLC I/O、接触器、温度プローブ、イン
•
ジケータライト、及び/またはその他の電子部品
のようなカスタマー供給の付属品デバイスに電
力供給します。
自己診断には、ドライ DC-ok コンタクト、緑色の
•
DC-ok LED、及び赤色の過負荷 LED が含まれま
す。
外部温度モニタリング
モーター巻線やベアリングのような、外部システ
•
ムコンポーネントの温度を監視できるよう設計
されています。8 個の汎用入力モジュールと 2
個の専用サーミスター入力モジュールが含まれ
ます。10 個のモジュールすべて周波数変換器の
Safe Torque Off 回路に組み込まれており、フィ
ールドバスネットワークを介して監視されます
(個別モジュール/バスカプラーの購入が必要)。
Safe Torque Off ブレーキオプションを発注し
て、外部温度モニタリングを選択してくださ
い。
3 3
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 65
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
シリアル通信
プロフィバス DP V1 MCA 101
PROFIBUS DP V1 は、高い互換性、ハイレベルの
•
可用性、主要な PLC メーカーのサポート、及び将
来のバージョンとの互換性を提供します。
拘束、高効率の通信、トランスペアレントな設
33
•
置、高度な診断機能、パラメーター化及び GSD フ
ァイルによるプロセス・データの自動構成を特長
としています。
PROFIBUS DP V1 を用いたサイクリックパラメー
•
ター化、PROFIdrive または Danfoss FC プロフ
ァイルステートマシン、PROFIBUS DP V1、マス
タークラス 1 及び 2 注文番号 130B1100 被
膜なし – 130B1200 被膜あり (クラス
G3/ISA S71.04-1985)。
DeviceNet MCA 104
この最新の通信モデルは、どんな情報がいつ必要
•
なのかをユーザーが効果的に決定できるように
なる重要な機能を提供します。
ユーザーは ODVA の厳格な適合試験ポリシーによ
•
るメリットを得て、相互運用可能な製品にするこ
とができます。注文番号 130B1102(被膜なし)
130B1202 (被膜あり) (Class G3/ISA
S71.04-1985)。
PROFINET RT MCA 120
PROFINET オプションは、PROFINET プロトコールを介して、
PROFINET ベースのネットワークの接続性を提供します。
オプションにより、両方向に 1 ms の実パケット間隔によ
る単一接続に対応できるようになります。
内蔵ウェブサーバーにより、リモート診断ならび
•
に基本的な周波数変換器パラメーターの読み取
りが行えます。
警告や警報が発生したり、再度クリアされた場合
•
に、1 人または複数の受信者に対して電子メール
メッセージが送信されるように電子メール通知
を設定できます。
TCP/IP により、MCT 10 設定ソフトウェアから周
•
波数変換器構成データへ容易にアクセスできま
す。
FTP (ファイル転送プロトコール)ファイルのア
•
ップロードとダウンロード。
DCP のサポート(ディスカバリーと構成プロトコ
•
ール)。
EtherNet IP MCA 121
EtherNet は将来、工場フロアにおけるデータ通信の標準
規格になると言われています。EtherNet オプションは、
産業用途で利用可能な最新技術をベースにしており、極め
て過酷な要件にも対応します。EtherNet/IP は商用
EtherNet を Common Industrial Protocol (CIP™ ) 、同
一上位階層プロトコール、及び DeviceNet に見られるオブ
ジェクト・モデルに拡張します。MCA 121 は以下のような
高度な機能を提供します:
Modbus TCP MCA 122
Modbus オプションは、Groupe Schneider PLC システム
のような、Modbus TCP ネットワークに Modbus TCP を介し
て接続性を提供します。オプションにより、両方向に 5
ms の実パケット間隔による単一接続に対応できるように
なります。
その他のオプション
汎用 I/OMCB 101
I/O オプションにより、コントロール入力と出力の番号
を拡張できます。
リレー・ オプション MCB 105
3 つの追加リレー出力により、リレー機能の拡張を可能に
します。
内蔵高性能スイッチはライントポロジーを可能
•
にして、外部スイッチの必要性を排除します。
高度なスイッチ及び診断機能。
•
内蔵ウェブサーバー。
•
サービス通知が可能な電子メールクライアント。
•
内蔵ウェブサーバーでリモート診断や基本的な
•
周波数変換器パラメーターの読み取りが可能に
なります。
警告や警報が発生したり、再度クリアされた場合
•
に、1 人または複数の受信者に対して電子メール
メッセージが送信されるように電子メール通知
を設定できます。
内蔵スイッチ付きイーサネットポート(2個)。
•
FTP (ファイル転送プロトコール) ファイルの
•
アップロードとダウンロード。
プロトコール自動 IP アドレス設定。
•
3 つのディジタル入力 0–24 V: 論理 0<5 V、
•
論理 1>10 V
2 つのアナログ入力 0–10 V: 分解能 10 ビッ
•
ト + sign(サイン)
2 つのディジタル出力 NPN/PNP プッシュプル
•
1 つのアナログ出力 0/4–20 mA
•
スプリング装填接続
•
個別パラメーター設定 注文番号 130B1125 被
•
膜なし – 130B1212 被膜あり (クラス
G3/ISA S71.04-1985)
最大端子負荷: AC-1 抵抗負荷: 240 V AC 2 A
•
AC-15
誘導負荷 @cos ф 0.4: 240 V AC 0.2 A DC-1
•
抵抗負荷: 24 V DC 1 A DC-13
•
誘導負荷: @cos ф 0.4: 24 V DC 0.1 A
•
最小端子負荷: DC 5 V: 10 mA
•
定格負荷/最小負荷における最高切り換え速度:
•
6 分-1/20 s-1
66 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
システム統合 デザイン・ ガイド
注文番号 130B1110 被膜なし –130B1210 被膜
•
あり (クラス G3/ISA S71.04-1985)
アナログ I/O オプション MCB 109
このアナログ入力/出力オプションは、周波数変換器へ容
易に取り付けて、追加入力/出力を利用した高度なパフォ
ーマンスとコントロール機能を追加できます。このオプ
ションでは、バッテリーバックアップ付き周波数変換器を
アップグレードして、クロックを内蔵させることも可能で
す。これにより、定時アクションとしてすべての周波数変
換器クロック機能の安定利用が実現します。
3 つのアナログ入力は、電圧と温度入力用として
•
各々を設定できます。
0–10 V アナログ信号ならびに PT1000 と
•
NI1000 温度入力の接続に対応します。
3 つのアナログ出力は、0–10 V 出力用として各
•
々を設定できます。
周波数変換器内の標準クロック機能向けのバッ
•
クアップバッテリーが含まれます。バックアッ
プバッテリーは、環境にも依存しますが、通常、
10 年間使用できます。注文番号 130B1143 被膜
なし –130B1243 被膜あり (クラス G3/ISA
S71.04-1985)
PTC サーミスター・ カード MCB 112
MCB 112 PTC サーミスター・ カードにより、STO 付き
Danfoss 周波数変換器はすべて、潜在的な爆発性雰囲気で
運転されているモーターを監視するのに使用できます。
MCB 112 は、内蔵 ETR 機能とサーミスター端子よりも優れ
た性能を提供します。
過熱からモーターを保護します。
•
ATEX 認定されており、EX d 及び EX e モータ
•
ーと共に使用できます。
Danfoss 周波数変換器の Safe Torque Off 機能
•
を使用して、過温度時にモーターを停止します。
ゾーン 1、2、21 及び 22 でモーターを保護する
•
ための使用が認定されています。
SIL2 まで認定されています。
•
センサー入力カード MCB 114
このオプションは、モーター内のベアリング及び巻線温度
をモニタリングして、過熱からモーターを保護します。制
限、ならびにアクションは調整可能で、個々のセンサー温
度はディスプレイの読み取り値として、あるいはフィール
ドバスによって表示できます。
過熱からモーターを保護します。
•
3 つの自己検出センサー入力で 2 または 3 線式
•
PT100/PT1000 センサーに対応。
1 つの追加アナログ入力 4–20 mA。
•
拡張カスケード・ コントローラー MCO 101
内蔵カスケード・コントローラーを容易に取り付け、アッ
プグレードして、複数のポンプと複数の高度なポンプコン
トロールをマスター/スレーブ・ モードで運転。
最大 6 台のポンプを標準的なカスケート設定で
•
運転
最大 6 台のポンプをマスター/スレーブ設定で運
•
転
技術仕様: MCB 105 リレー・ オプションを参照
•
拡張リレーカード MCB 113
拡張リレーカード MCB 113 により、入力/出力が VLT
AQUA Drive に追加されて柔軟性が増します。
7 つのディジタル入力: 0–24 V
•
2 つのアナログ出力: 0/4–20 mA
•
4 つの SPDT リレー
•
負荷リレーの定格: 240 V AC/2 A (オーム)
•
NAMUR 推奨に適合
•
電気絶縁性能 注文番号 130B1164 被膜なし –
•
130B1264 被膜あり (クラス G3/ISA
S71.04-1985)
MCO 102 アドバンスト・ カスケード・ コントローラー
周波数変換器に内蔵されている標準カスケード・コントロ
ーラーの機能を拡張します。
追加モーターのステージングのため 8 個のリレ
•
ーを提供します。
複数のポンプやブロワ―を用いるシステムの効
•
率を最適化するために、正確な流量、圧力、及び
レベル制御を提供します。
マスター/スレーブ・モードでは、ブロワ―/ポン
•
プを同じ速度で運転できるため、エネルギー消費
をバルブスロットルや従来のライン上オン/オフ
サイクルのそれの半分未満まで低減することが
可能です。
リード・ポンプの交替は、複数のポンプやブロワ
•
―が同等に使用されることを保証します。
24 V DC 供給オプション MCB 107
このオプションを使用して外部直流電源を接続し、主電源
がダウンした際にコントロールセクションや設置オプシ
ョンをアクティブにすることができます。
入力電圧範囲: 24 V DC +/- 15 %(10 秒で最
•
高 37 V )。
最大入力電流: 2.2 A
•
最大ケーブル長: 75 m
•
入力キャパシタンス負荷: <10 uF.
•
電源投入遅延: <0.6 秒
•
既存のマシンの周波数変換器に容易に設置でき
•
ます。
電力障害時に制御ボードやオプションをアクテ
•
ィブに保つことができます。
®
3 3
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 67
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
電力切断時にフィールドバスをアクティブに維
•
持 注文番号 130B1108 被膜なし –
130B1208 被膜あり (Class G3/ISA
S71.04-1985)。
3.7.1 通信オプション
33
VLT® PROFIBUS DP V1 MCA 101
•
VLT® DeviceNet MCA 104
•
VLT® PROFINET MCA 120
•
VLT® EtherNet/IP MCA 121
•
VLT® Modbus TCP MCA 122
•
詳細情報については、
章 7 仕様
3.7.2 入力/出力、フィードバック及び安
全オプション
VLT® General Purpose I/O Module MCB 101
•
VLT® Relay Card MCB 105
•
VLT® PTC Thermistor Card MCB 112
•
VLT® Extended Relay Card MCB 113
•
VLT® Sensor Input Option MCB 114
•
詳細情報については、
章 7 仕様
3.7.3 カスケード・コントロール・オプシ
ョン
カスケード・ コントローラー・オプション は利用可能な
リレーの数を拡張します。このオプションを実装すると、
カスケード・コントローラー機能をサポートするのに必要
なパラメーターがコントロール・パネルから利用できるよ
うになります。
MCO 101 及び 102 は、ポンプのサポート数と、VLT® AQUA
Drive におけるカスケード・コントローラーを拡張する追
加オプションです。
VLT® AQUA Drive ではカスケートコントロール用として
以下のオプションが利用できます:
内蔵カスケードコントーラー(標準カスケード・
•
コントローラー)
MCO 101 (拡張カスケード・ コントローラー)
•
MCO 102 (アドバンスト・カスケード・ コントロ
•
ーラー)
詳細情報については、
章 7 仕様
を参照してください。
を参照してください。
を参照してください。
拡張カスケード・コントローラーは、2 種類のモードで使
用できます:
パラメーター・ グループ
•
オプション
パラメーター
•
グループ
利用可能なリレーの数を拡張します。カスケー
ド・ コントローラー
MCO 101 により、カスケード・ コントローラー用として
合計で 5 個のリレーが使用できます。MCO 102 により、合
計で 8 台のポンプが制御できます。オプションにより、ポ
ンプ当たり 2 個のリレーを有するリード・ポンプを交換で
きます。
で制御される各機能を備えています。
25-**で制御される基本カスケードで
27-** 台数制御 CTL
。
注記
MCO 102 がインストールされている場合、リレー・オプシ
ョン MCB 105 がリレー数を 13 まで拡張できます。
アプリケーション
カスケード・ コントロールは、並列ポンプまたはファン
を、エネルギー効率よく管理するために使用される一般的
なシステムです。
カスケード・コントローラー・オプションにより、以下を
実施することで並列構成の複数ポンプを制御できます:
個々のポンプを自動でオン/オフする。
•
ポンプの速度を制御する。
•
カスケード・コントローラーを使用することで、それぞれ
のポンプを必要に応じて自動的にオン(オンステージ)/
オフ(オフステージ)して流量や圧力のシステムに要求さ
れる出力を満足させます。VLT® AQUA Drive に接続され
たポンプの速度もシステムの出力を継続的な範囲で提供
するように制御されています。
指定された用途
カスケード・コントローラー・オプションはポンプのアプ
リケーション用に設計されたものですが、複数のモーター
を並列に配列する、カスケード・コントローラーのどのア
プリケーションにも使用できるようになっています。
動作原理
カスケード・ コントローラーソフトウェアは、カスケー
ド・コントローラー・オプションを装備した 1 台の周波数
変換器から実行できます。カスケード・コントローラーソ
フトウェアは、周波数変換器で制御された、あるいは接触
器またはソフト・スターターに接続された 1 セットのポン
プを制御します。
システムに追加された周波数変換器(スレーブ周波数変換
器)にカスケード・コントローラー・オプションカードは
不要です。それらのドライブは 開ループ・ モード で操
作され、速度指令信号をマスター周波数変換器から受信し
ます。スレーブ周波数変換器に接続したポンプを可変速
度ポンプといいます。
68 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
100% 100% 200% 200%
130BA594.12
Relay 1
Relay 2
Relay 10
システム統合 デザイン・ ガイド
接触器またはソフト・スターターで主電源に接続したポン
プを 固定速度ポンプ といいます。
可変速度あるいは固定速度のそれぞれのポンプはマスタ
ー周波数変換器のリレーによって制御されます。
カスケード・コントローラー・オプションは可変速度ポン
プと固定速度ポンプを組み合わせて制御できます。
1 VSP + 2 FSP
内蔵
パラメーター・グループ
25-** カスケード・コントロ
ーラー
MCO
101
MCO
102
1 VSP + 5 FSP
パラメーター・グループ
ーラー
1 VSP + 8 FSP
パラメーター・グループ
ーラー
25-** カスケード・コントロ
25-** カスケード・コントロ
内蔵 -
1 ~ 6 VSP + 1 ~ 5 FSP
MCO
101
(最大 6 台のポンプ)
パラメーター・ グループ
ョン
1 ~ 8 VSP + 1 ~ 7 FSP
MCO
102
(最大 8 台のポンプ)
パラメーター・ グループ
ョン
図 3.28 アプリケーション概要
3 3
27-** 台数制御 CTL オプシ
27-** 台数制御 CTL オプシ
図 3.27 アプリケーション概要
内蔵 -
6 VSP
MCO 101
パラメーター・グループ
27-** 台数制御 CTL オプシ
ョン
8 VSP
MCO 102
パラメーター・グループ
27-** 台数制御 CTL オプシ
ョン
図 3.29 アプリケーション概要
VSP = 可変速度ポンプ (周波数変換器に直接接続)
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 69
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
FSP = 固定速度ポンプ (モーターは接触器、ソフト・ ス
3.7.7 コモンモード・ フィルター
ターターまたはスター/デルタ・ スターターを介して接続
できます)
3.7.4 ブレーキ抵抗器
33
モーターをブレーキとして使用する用途では、エネルギー
がモーターで発生し、周波数変換器に戻ります。このエネ
ルギーはモーターに戻すことができないため、周波数変換
器直流ラインの電圧が増加します。頻繁にブレーキをか
ける又は慣性負荷が頻繁に高くなる用途では、この増加に
よって周波数変換器が過電圧トリップし、最終的にシャッ
トダウンされる場合があります。ブレーキ抵抗は、この回
生ブレーキから発生する余分なエネルギーを放散するた
めに使用します。この抵抗は、抵抗値、電力消費率、及び
物理的サイズを基に選択されます。Danfoss はさまざま
な抵抗を用意しており、抵抗は Danfoss 周波数変換器に合
わせて設計されています。ブレーキ抵抗器の寸法につい
ては、
い。注文番号については、
及びスペア部品
章 3.4.12 ブレーキ抵抗器計算
章 6.2 オプション、付属品、
をご参照ください。
をご参照くださ
3.7.5 正弦波フィルター
モーターを周波数変換器にてコントロールしている場合、
モーターから共振雑音が聞こえます。モーター設計の結
果、発生するこの雑音は、周波数変換器のインバーター・
スイッチを起動する度に発生します。そのため、共振雑音
の周波数は周波数変換器のスイッチ周波数と一致します。
高周波コモンモードコア(HF-CM コア)は電磁干渉を減少
させて、電気的放電によるベアリング損傷を防止します。
これはナノ結晶性磁気コアで、一般的なフェライトコアに
比べて優れたフィルター性能を持っています。HF-CM コ
アは、相とグランド間のコモンモードインダクターのよう
に働きます。
コモンモード・ フィルターは、3 つのモーター相(U, V,
W)周りに取り付けられて、高周波コモンモード電流を減
少させます。結果として、モーター・ケーブルの高周波電
磁干渉も減少します。
必要とされるコアの数は、モーター・ケーブル長と周波数
変換器の電圧に依存します。各キットは 2 つのコアで構
成されます。必要とされるコアの数を決定する際は
表 3.19
ケーブル長
[m] A 及び B C D
50 2 4 2 2 4
100 4 4 2 4 4
150 4 6 4 4 4
300 4 6 4 4 6
1) より長いケーブルが必要な場合、追加の HF-CM コアを重ねま
す。
を参照してください
1)
表 3.19 コアの数
エンクロージャー・ サイズ
T2/T4 T7 T2/T4 T7 T7
Danfoss は、モーターの騒音を減衰させる正弦波フィル
ターを提供します。
このフィルターを使用すると、電圧立ち上がり時間、ピー
ク負荷電圧 UPEAK、及びモーターへのリップル電流 Δ I が
減少し、電流と電圧がほぼ正弦曲線になります。これによ
りモーターの騒音が最小限に抑えられます。
正弦波フィルター・コイルのリップル電流もノイズをいく
らか発生させます。フィルターをキャビネットなどに組
み込んで、問題を解決してください。
3.7.6 dU/dt フィルター
Danfoss は、ディファレンシャル・ モードで機能する
dU/dt フィルターと、モーター端子の相間ピーク電圧を低
減して、モーター巻線の絶縁上のストレスを低下するレベ
ルまで立ち上がり時間を短縮するローパスフィルターを
提供します。これは特にモーター・ケーブルが短い場合に
発生する問題です。
正弦波フィルターと比べて(
ー
)、dU/dt フィルターはスイッチ周波数よりも上のカッ
トオフ周波数変換器と持っています。
章 3.7.5 正弦波フィルタ
図 3.30
W)を各コアに通して、HF-CM コアを設置してください。
に示すとおり、3 本のモーター相ケーブル(U, V,
図 3.30 モーター相付き HF-CM コア
70 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
システム統合 デザイン・ ガイド
3.7.8 高調波フィルター
Danfoss AHF 005 及び AHF 010 は、高度な高調波フィ
ルターであり、従来の高調波トラップフィルターとは比較
になりません。Danfoss 高調波フィルターは、Danfoss 周
波数変換器に適合するよう特別に設計されています。
Danfoss 高調波フィルター AHF 005 または AHF 010 を
Danfoss 周波数変換器の前に接続することで、主電源に戻
される全高調波電流歪みは 5% ~ 10%まで減少します。
3.7.9 IP21/NEMA タイプ 1 エンクロー
ジャー・ キット
IP 20/IP 4X top/NEMA TYPE 1 は IP 20 Compact
ユニットで利用できるオプションのエンクロージャー部
品です。
エンクロージャー・キットを使用する場合には、IP 20 ユ
ニットをアップグレードしてエンクロージャー IP21/4X
トップ/タイプ 1 に準拠させてください。
3 3
IP4X トップ はすべての IP 20 FC 202 改良型規格に適
用できます。
図 3.31 エンクロージャー・ サイズ A2
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 71
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
エンクロージャーのタイプ
A2 372 90 205
A3 372 130 205
B3 475 165 249
33
B4 670 255 246
C3 755 329 337
C4 950 391 337
表 3.20 寸法
高さ A
[mm]
幅 B
[mm]
奥行き C
1)
[mm]
1) オプション A/B を使用する場合、奥行きが増加します (詳細
は 章 7.8 出力定格、重量、寸法 を参照してください)。
A トップ・ カバー
B ブリム
C ベース部
D ベース・ カバー
E ネジ
図 3.32 エンクロージャー・ サイズ A3
図示の通りトップ・ カバーを置いてください。A または
B オプションを使用する場合には、ブリムはトップ入口
を覆うように取り付ける必要があります。ベース部 C
を周波数変換器の下部に置いて、付属品バッグのクランプ
を使用してケーブルを正しく固定してください。
ケーブル・ グランド用穴:
サイズ A2: 2 x M25 及び 3 x M32
•
サイズ A3: 3 x M25 及び 3 x M32
•
図 3.33 エンクロージャー・ サイズ B3
72 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
システム統合 デザイン・ ガイド
オプション・ モジュール A 及び/またはオプション・ モジ
ュール B を使用する場合、ブリム(B)をトップカバー(A)に
取り付けてください。
注記
IP21/IP4X/TYPE 1 エンクロージャー・ キット
と、並列配置が可能になります。
3.7.10 LCP 用遠隔実装キット
遠隔実装キットを使用すれば、LCP をエンクロージャーの
前面に移動できます。固定ネジは、最高で 1 Nm のトル
クで締め付ける必要があります。
LCP エンクロージャーの保護等級は IP66 です。
エンクロージャー IP66 前面
LCP とユニット間の最大ケーブル長 3 m
通信規格 RS485
表 3.22 技術データ
を使用する
3 3
図 3.35 グラフィカル LCP 付き LCP キット、留め具、3 m の
ケーブル、及びガスケット
注文番号 130B1113
図 3.34 エンクロージャー・ サイズ B4、C3、C4
A トップ・ カバー
B ブリム
C ベース部
D ベース・ カバー
E ネジ
F ファン・ カバー
G トップクリップ
表 3.21
図 3.33
と
図 3.34
に対する説明
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 73
Max R2(0.08)
Panel
cut out
Min 72(2.8)
130BA139.11
129,5± 0.5 mm
64,5± 0.5 mm
(2.54± 0.04 in)
(5.1± 0.04 in)
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
3.7.11 エンクロージャー・ サイズ A5、
B1、B2、C1、及び C2 の実装ブラケ
ット
33
図 3.36 数値 LCP、留め具及びガスケット付き LCP キット
注文番号 130B1114
図 3.38 下部ブラケット
図 3.37 LCP キットの寸法
図 3.39 上部ブラケット
表 3.23
74 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
エンクロージャー・サイズ IP A [mm] B [mm] 注文番号
A5 55/66 480 495 130B1080
B1 21/55/66 535 550 130B1081
B2 21/55/66 705 720 130B1082
B3 21/55/66 730 745 130B1083
B4 21/55/66 820 835 130B1084
の寸法をご参照ください。
表 3.23 実装ブラケットの詳細
システム統合 デザイン・ ガイド
3.8 RS485 シリアルシリアル・ インター
フェイス
3.8.1 概要
RS-485 は、マルチドロップ・ ネットワーク・トポロジー
と互換性がある、即ちノードをバスとして又はコモン・ト
ランク・ドロップケーブルからドロップ・ケーブルを介し
て接続できる 2 線バス・ インターフェイスです。合計
32 のノードを 1 つのネットワーク・ セグメントに接続
できます。
リピーターはネットワーク・ セグメントを分割します。
図 3.40
をご参照ください。
注記
各リピーターはその設置されているセグメント内のノー
ドとして機能します。特定のネットワーク内に接続され
ている各ノードには、すべてのセグメント内で一意のノー
ド・ アドレスが必要です。
各セグメントは、周波数変換器の終端スイッチ (S801)
又はバイアス終端抵抗ネットワークのいずれかを使用し
て両端を終端する必要があります。バス・ケーブルには必
ずシールド・ ツイスト・ ペア (STP) ケーブルを使用し、
常に正しい設置手順に従ってください。
高周波数を含めて、全てのノードでシールドを低インピー
ダンスで接地に接続することが非常に重要です。このた
めには、例えばケーブル・クランプ又は導電性ケーブル・
グランドを使用して、シールドの大きな面をアース(接地)
に接続してください。特にケーブルが長い設備では、ネッ
トワーク全体で同じ接地電位を保つために等電位ケーブ
ルを用いる必要のある場合があります。
インピーダンス不整合を防止するために、ネットワーク全
体で同じタイプのケーブルを常に使用してください。モ
ーターを周波数変換器に接続する場合は、常にシールドさ
れたモーター・ ケーブルを使用してください。
ケーブル シールド・ ツイスト・ ペア (STP)
インピーダンス
[Ω ]
ケーブル 長
[m]
表 3.24 ケーブル仕様
120
最長 1200 (ドロップ・ ラインを含む)
最長 500 局間
3 3
図 3.40 RS485 バス・ インターフェイス
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 75
FC
+24 V
+24 V
D IN
D IN
D IN
COM
D IN
D IN
D IN
D IN
+10
A IN
A IN
COM
A OUT
COM
R1 R2
12
13
18
19
20
27
29
32
33
37
50
53
54
55
42
39
01
02
03
04
05
06
-
61
68
69
RS-485
+
130BB685.10
130BA060.11
68 69 68 69 68 69
RS 485
RS 232
USB
+
-
130BB021.10
12 13 18 19 27 29 32
33 20 37
Remove jumper to enable Safe Stop
61 68 69 39 42 50 53 54 55
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
パラメーター
機能 設定
シールドの等電位化電流を回避するには、
て配線してください。
図 3.20
に従っ
8-30 プロトコ
ール FC*
8-31 アドレス 1*
8-32 ボーレート9600*
33
* = デフォルト値
注意/コメント:
プロトコール、アドレス、ボー
レートを上記のパラメーター
から選択します。
D IN 37 はオプションです。
図 3.42 コントロール・ カード端子
表 3.25 RS485 ネットワーク接続
3.8.2 ネットワーク接続
RS485 標準インターフェイスを使用してコントロール
(またはマスター)に 1 台以上の周波数変換器を接続でき
ます。端子 68 は P 信号 (TX+、RX+) に、端子 69 は
N 信号 (TX-、RX-) に接続します。
図面をご参照ください。
複数の周波数変換器をマスターに接続させるには、並列接
続を使用してください。
章 3.5.1 配線図
の
3.8.3 RS 485 バス終端
両端にある抵抗器ネットワークにて RS485 バスを終端し
ます。これを行うには、コントロール・カードのスイッチ
S801 をオンに設定してください。
通信プロトコールを
8-30 プロトコール
に設定します。
3.8.4 EMC 予防措置
RS-485 ネットワークを干渉なく動作させるため、以下の
EMC 予防措置をお勧めします。
保護接地接続などに関する国内及び地域規制を遵守して
ください。RS-485 通信ケーブルは、ケーブル間の高周波
ノイズの結合を避けるためにモーターとブレーキ抵抗器
のケーブルから離しておく必要があります。通常は 200
mm (8 インチ) で十分ですが、特にケーブルが長い距離並
列に這う場合には、ケーブ間の距離をできる限り大きく保
つことを通常はお勧めします。交差が避けられない場合、
RS-485 ケーブルをモーター・ケーブル及びブレーキ抵抗
器ケーブルと 90° の角度で交差させる必要があります。
図 3.41 並列接続
76 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
Fieldbus cable
Min. 200 mm
90° crossing
Brake resistor
STX LGE ADR DATA BCC
195NA099.10
システム統合 デザイン・ ガイド
図 3.43 ケーブルルーティング(配線)
3.8.5 FC プロトコールの概要
パラメーター番号 設定
8-30 プロトコール FC
8-31 アドレス 1–126
8-32 FC ポート・ ボーレート2400–115200
8-33 Parity / Stop Bits 偶数パリティ、1 ストップ・ ビッ
ト (デフォルト)
表 3.26 FC プロトコールパラメーター
3.8.7 FC プロトコール・ メッセージ・ フ
レーミング構造
3.8.7.1 文字の内容(バイト)
転送される文字はそれぞれスタートビットで始まります。
その後、バイトに応じて 8 つのデータ・ ビットが転送さ
れます。各文字のセキュリテイはパリティビットによっ
て守られます。Even パリティの場合、データ・ ビット内
に 1 の数が奇数個あれば、パリティビットは 1 に設定され
ます。偶数個存在する場合、8 データ・ ビットとパリテ
ィ・ビットの総計に 1 と同じ数がある場合など。文字は
終了ビットで完了しますので、全体で 11 ビットになり
ます。
3 3
FC バス又は標準バスとも呼ばれる FC プロトコールが
Danfoss 標準フィールドバスです。このプロトコールは、
シリアル・バスを介した通信のマスター・スレーブ方式に
よるアクセス技法を規定したものです。
1 つのマスターと最大で 126 のスレーブをバスに接続
することができます。マスターは、電報のアドレス文字を
介して、個々のスレーブを選択します。スレーブ自体は最
初に要求されなければ転送を行えませんが、個々のスレー
ブ間でのメッセージの直接転送は不可能です。通信は半
二重モードで行われます。
マスターの機能は他のノードには移せません (シング
ル・ マスター・ システム)。
物理レイヤーは RS-485 で、周波数変換器に組み込まれ
た RS-485 ポートを使用します。FC プロトコールはさま
ざまなテレグラムフォーマットをサポートします:
プロセス・データ用 8 バイトのショートフォーマ
•
ット。
パラメーターチャンネルも含む 16 バイトのロン
•
グフォーマット。
テキストに使用するフォーマット。
•
3.8.6 ネットワーク構成
図 3.44 文字の内容
3.8.7.2 電報構造
各電報は以下の構造を持っています:
開始文字 (STX)=02 hex
•
電文の長さ(LGE)を表わすバイト。
•
周波数変換器のアドレス(ADR)を表わすバイ
•
ト。
そして、データ・ バイトの数(電報のタイプにより可変)
が続きます。
電文はデータ・ コントロール・ バイト(BCC)で終了しま
す。
図 3.45 電報構造
以下のパラメーターを設定して、周波数変換器に対して
FC プロトコールを有効にします:
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 77
ADR LGE STX PCD1 PCD2 BCC
130BA269.10
PKE IND ADR LGE STX PCD1 PCD2 BCC
130BA271.10
PWE
high
PWE
low
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
3.8.7.3 電報の長さ(LGE)
電報の長さは、データ・バイト数にアドレス・バイト ADR
とデータ・ コントロール・ バイト BCC を加えたもので
す。
4 つのデータ・ バイト LGE = 4 + 1 + 1 = 6 バイト
33
12 データ・ バイト LGE=12+1+1=14 バイト
テキストを含む電文
表 3.27 電文の長さ
1) 10 は固定文字を表し、「n」は変数(テキストの長さにより
異なる)を表します。
101)+n バイト
3.8.7.4 周波数変換器のアドレス(ADR)
2 つの異なるアドレス形式を使用しています。
周波数変換器のアドレス範囲は 1-31 又は 1-126 のい
ずれかです。
アドレス形式 1-31
•
- ビット 7 = 0(アドレス形式 1-31 ア
クティブ)
- ビット 6 は使用しません。
•
応答電報では、スレーブよりアドレス・バイトがそのまま
マスターに返送されます。
3.8.7.5 データ・ コントロール・ バイト
チェックサムは、XOR 機能として計算されます。電文の
最初のバイトを受信する前の計算済みチェックサムは 0
です。
- ビット 5=1: 同報、アドレス・ ビット
(0-4)は使用しません。
- ビット 5=0: 同報なし。
- ビット 0-4=周波数変換器のアドレス
1-31。
アドレス形式 1-126
- ビット 7 = 1(アドレス形式 1-126
アクティブ)。
- ビット 0-6 = 周波数変換器のアドレ
ス 1-126。
- ビット 0-6 = 0 同報。
(BCC)
3.8.7.6 データ・ フィールド
データ・ブロックの構造は電報のタイプにより異なります。電文のタイプには三種類あり、コントロール電報(マスター
⇒ スレーブ)及び応答電報(スレーブ⇒ マスター)に適用されます。
3 種類の電文は以下となります:
プロセス・ ブロック (PCD)
PCD は 4 バイト(2 個のメッセージ文)のデータ・ ブロックで構成され、次のものを含みます。
コントロール・ メッセージ文及び速度指令信号値(マスターからスレーブへ)。
•
状態メッセージ文及び現在の出力周波数(スレーブからマスターへ)。
•
図 3.46 プロセス・ ブロック
パラメーター・ ブロック
パラメーター・ ブロックは、マスターとスレーブ間でのパラメーターの転送に使用します。データ・ ブロックは 12 バ
イト(6 個のメッセージ文)で構成され、プロセス・ ブロックも含みます。
図 3.47 パラメーター・ ブロック
78 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
PKE IND
130BA270.10
ADR LGE STX PCD1 PCD2 BCC Ch1 Ch2 Chn
15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
130BA268.11
PKE IND
PWE
high
PWE
low
AK PNU
Parameter
commands
and replies
Parameter
number
システム統合 デザイン・ ガイド
テキスト・ ブロック
テキスト・ ブロックはデータ・ ブロックを介したテキストの読み出しと書き込みで使用します。
図 3.48 テキスト・ ブロック
3.8.7.7 PKE フィールド
PKE フィールドには 2 つのフィールドが含まれます:
パラメーター・ コマンドと応答 AK です。
•
パラメーター番号 PNU。
•
図 3.49 PKE フィールド
ビット番号 12-15 により、パラメーター・ コマンドがマ
スターからスレーブに転送され、スレーブの処理後の応答
がマスターに返送されます。
ビット番号 パラメーター・ コマンド
15 14 13 12
0 0 0 0 コマンドなし
0 0 0 1 パラメーター値の読み出し
0 0 1 0 パラメーター値の RAM への書き込み
(メッセージ文)
0 0 1 1 パラメーター値の RAM への書き込み(2
重メッセージ文)
1 1 0 1 パラメーター値の RAM 及び EEprom
への書き込み(2 重メッセージ文)
1 1 1 0 パラメーター値の RAM 及び EEprom
への書き込み(メッセージ文)
1 1 1 1 テキストの読み出し/書き込み
表 3.28 パラメーター・ コマンド マスター⇒ スレーブ
ビット番号 応答
15 14 13 12
0 0 0 0 応答なし
0 0 0 1 パラメーター値が転送されました(メッ
セージ文)
0 0 1 0 パラメーター値が転送されました(2 重
メッセージ文)
0 1 1 1 コマンドを実行できません
1 1 1 1 テキストが転送されました
表 3.29 応答スレーブ⇒ マスター
コマンドを実行できない場合、スレーブより次の応答が送
信され、
0111 コマンドを実行できません
- さらに不具合レポート (
表 3.30
を参照) がパラメー
ター値(PWE)として発信されます。
PWE 低 (16
進法)
11 周波数変換器の現在のモードでは定義済みパラ
82 定義済みパラメーターへのバス・ アクセスがあり
83 工場出荷時設定が選択されているためデータ変
表 3.30 パラメーター値不具合レポート
不具合レポート
0 使用されているパラメーター番号が存在しませ
ん。
1 定義済みパラメーターへの書き込みアクセスが
ありません。
2 データ値がパラメーターの制限を超えています。
3 使用されているサブ・ インデックスが存在しませ
ん。
4 パラメーターがアレイ・ タイプではありません。
5 データ・ タイプが定義済みパラメーターと一致し
ません。
メーターのデータ変更が出来ません モーターを
切断すれば特定のパラメーターのみを変更でき
ます。
ません。
更ができません
3.8.7.8 パラメーター番号 (PNU)
ビット番号 0-11 によりパラメーター番号が転送されま
す。対応するパラメーターの機能については、
ング・ ガイド
のパラメーター説明に定義されています。
プログラミ
3 3
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 79
PWE
high
PWE
low
Read text
Write text
130BA275.10
PKE IND
Fx xx 04 00
Fx xx 05 00
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
3.8.7.9 インデックス (IND)
インデックスは、
インデックスを使用したパラメーターへの読み出し/書
15-30 警報ログ:エラー・ コード
などの
3.8.7.11 サポートデータ・ タイプ
符号なしとは、電文に演算符号がないことを意味しま
す。
き込みアクセスでパラメーター番号と共に使用されます。
インデックスは、2 つのバイト、即ち下位バイトと上位
33
バイトからなります。
下位バイトのみがインデックスとして使用されます。
3.8.7.10 パラメーター値 (PWE)
パラメーター値ブロックは 2 つのメッセージ文(4 バイ
ト)で構成され、その値は定義されたコマンド(AK)によ
り異なります。PWE ブロックに値が含まれていない場合
には、マスターがパラメーター値を求めるプロンプトを表
示します。パラメーター値を変更 (書き込み) するに
は、新しい値を PWE ブロックに書き込み、マスターから
データ・ タイプ 詳細
3 整数 16
4 整数 32
5 符号無し整数 8
6 符号無し整数 16
7 符号無し整数 32
9 テキスト文字列
10 バイト文字列
13 時間差
33 予約済み
35 ビット系列
表 3.31 サポートデータ・ タイプ
スレーブに送信します。
スレーブがパラメーター要求 (読み出しコマンド) に
3.8.7.12 変換
応答すると、PWE ブロックにある現在のパラメーター値
が転送されマスターに返送されます。パラメーターに数
値ではなく、
0-01 言語
など(ここで[0]は英語、[4]
はデンマーク語に対応)のデータ・オプションがいくつか
含まれる場合、PWE ブロックにその値を入力してデータ
値を選択して下さい。シリアル通信は、データ・ タイプ
9 (テキスト文字列) を格納するパラメーターを読み出
す機能しかありません。
15-40 FC タイプ
号
は、データ・ タイプ 9 を格納しています。
例えば、
15-40 FC タイプ
から
15-53 電力カード・ シリアル番
のユニットのサイズと主電源電
圧範囲を読み出します。テキスト文字列が転送(読み出
し)される場合、電報の長さは可変となりテキストはそれ
ぞれ異なる長さになります。電報の長さは 2 番目の電
報のバイト LGE で定義します。テキスト転送を使用す
る場合、インデックス文字は、それが読み出しコマンドか
各パラメーターの様々な属性については、工場出荷時設定
に記載されています。パラメーター値は、整数値としての
み転送されます。従って、変換率は 10 進数の転送に使
用されます。
4-12 モーター速度下限[Hz]
は 0.1 の換算率を持ってい
ます。最低周波数を 10 Hz にプリセットするには、100 の
値を転送します。0.1 の換算率とは、転送される値に 0.1
を掛けることを意味します。従って、100 の値は 10.0 と
読み取られます。
例:
0 s⇒ 変換指数 0
0.00 s⇒ 変換指数 -2
0 ms⇒ 変換指数 -3
0.00 ms⇒ 変換指数 -5
書き込みコマンドかを示します。
PWE ブロックからテキストを読み込むには、パラメータ
3.8.7.13 プロセス・ メッセージ文 (PCD)
ー・ コマンド(AK)を 16 進数の「F」に設定して下さ
い。インデックス文字上位バイトは 4 でなければなり
ません。
一部のパラメーターには、シリアル・パスを介して書き込
みできるテキストが含まれます。PWE ブロックにてテキ
ストを書き込むには、パラメーター・ コマンド(AK)を
16 進数の「F」に設定して下さい。インデックス文字上
位バイトは 5 でなければなりません。
プロセス・
メッセージ文のブロックは常に定義された順に 16 ビッ
トの 2 つのブロックに分割されます。
PCD 1 PCD 2
コントール電文 (マスター⇒ スレーブ・コン
トロール・ メッセージ文)
コントール電文 (スレーブ⇒ マスター) 状
態メッセージ文
速度指令信号値
現在の出力周波
数
表 3.32 プロセス・ メッセージ文 (PCD)
図 3.50 PWE ブロックを介したテキスト
80 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
E19E H
PKE IND PWE
high
PWE
low
0000 H 0000 H 03E8 H
130BA092.10
119E H
PKE
IND
PWE
high
PWE
low
0000 H 0000 H 03E8 H
130BA093.10
1155 H
PKE IND PWE
high
PWE
low
0000 H 0000 H 0000 H
130BA094.10
システム統合 デザイン・ ガイド
3.8.8 FC プロトコール例
3.8.8.1 パラメーター値の書き込み
4-14 モーター速度上限[Hz]
を 100 Hz に変更します。
データを EEPROM に書き込みます。
PKE=E19E hex -
4-14 モーター速度上限[Hz]
へのシン
グル・ メッセージ文の書き込み。
IND=0000 hex
PWEHIGH = 0000 Hex
PWELOW=03E8 hex - データ値 1000、100Hz に対応。
章 3.8.7.12 変換
を参照して下さい。
電文は以下のようになります:
図 3.51 データを EEPROM に書き込みます。
注記
4-14 モーター速度上限[Hz]
で、EEPROM への書き込みのパラメーター・ コマンドは
「E」です。パラメーター番号 4-14 は、16 進法で 19E
です。
スレーブからマスターへの応答は次のようになります:
はシングル・ メッセージ文
図 3.54 スレーブからの応答
3E8 Hex は、1000 (10 進数) に対応します。
プ 1 立ち上がり時間
の変換指数は -2 であり、例えば
3-41 ラン
0.01.
3-41 ランプ 1 立ち上がり時間は符号なし整数 32
のデ
ータ・ タイプです。
3.8.9 Modbus RTU プロトコール
3.8.9.1 前提
Danfoss は、設置されたコントローラーが本書に記載され
ているインターフェイスをサポートして、コントローラー
と周波数変換器に規定されているすべての要件と制限を
厳格に順守することを前提にしています。
内蔵 Modbus RTU (リモートターミナルユニット) は、本
書で定義されているインターフェイスをサポートするコ
ントローラーと通信できるように設定されています。ユ
ーザーがコントローラーの機能と制限について完全な知
識を持っていることを前提にしています。
3.8.9.2 Modbus RTU 概要
3 3
図 3.52 スレーブからの応答
3.8.8.2 パラメーター値の読み出し
3-41 ランプ 1 立ち上がり時間
PKE=1155 hex -
3-41 ランプ 1 立ち上がり時間
メーター値の読み出し。
IND=0000 hex
PWEHIGH = 0000 Hex
PWELOW=0000 hex
図 3.53 パラメーター値
3-41 ランプ 1 立ち上がり時間
レーブからマスターへの応答は次のようになります:
の値の読み出し。
のパラ
の値が 10 s の場合、ス
Modbus RTU 概要には、物理的な通信ネットワークの種類
に関係なく、他のデバイスへのアクセス要求にコントロー
ラーが用いるプロセスについて記載されています。この
プロセスには、Modbus RTU が他のデバイスの要求にどの
ように応答するか、そしてエラーがどのように検出されて
レポートされるのかが含まれます。さらに、このプロセス
により、メッセージフィールドのレイアウトと内容に関す
る共通フォーマットも確立されます。
Modbus RTU ネットワーク上で通信が行われている間、プ
ロトコールは:
各コントローラーがそのデバイスアドレスをど
•
のように学習するのかを決定します。
それに対して発信されたメッセージを認識しま
•
す。
実施するアクションを決定します。
•
メッセージに含まれているデータやその他の情
•
報を抽出します。
返信が必要な場合、コントローラーは返信メッセージを作
成、送信します。
コントローラーは、マスターのみがトランザクションを実
施できるマスター・スレーブ技術を用いて通信します(ク
エリーと呼ぶ)。スレーブは、要求データをマスターに要
求することで、あるいはクエリーで要求されたアクション
を実施することで、応答します。
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 81
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
マスターは個々のスレーブに送信するか、あるいはすべて
のスレーブにメッセージを同報送信します。スレーブは、
個々に送信されたクエリーに応答を返信します。マスタ
ーからの同報クエリーに返信される応答はありません。
Modbus RTU プロトコールは、以下を提供することで、マ
スターのクエリーに対するフォーマットを確立します:
33
スレーブの応答メッセージも Modbus プロトコールを用い
て作成されます。実施アクション、返信データ、及びエラ
ーチェックフィールドを確認するフィードが含まれます。
メッセージの受信でエラーが発生した場合、あるいはスレ
ーブが要求アクションを実行できない場合、スレーブはエ
ラーメッセージを作成して応答時にそれを送信し、それを
実施しない場合はタイムアウトが発生します。
デバイス (または 同報) アドレス。
•
要求アクションを定義する機能コード。
•
送信するデータ。
•
エラーチェックフィールド。
•
3.8.9.3 Modbus RTU 付き周波数変換器
周波数変換器は Modbus RTU フォーマットで内蔵 RS485
インターフェイスを介して通信します。Modbus RTU は、
コントロール・メッセージ文と周波数変換器のバス速度指
令信号へのアクセスを提供します。
コントロール・ メッセージ文により、Modbus マスターは
周波数変換器のいくつかの重要な機能を制御することが
できます。
スタート
•
さまざまな方法で周波数変換器を停止:
•
- フリーラン停止
- クイック停止
- 直流ブレーキ停止
- 順転 (ランプ) 停止
故障トリップ後のリセット
•
さまざまなプリセット速度で運転
•
逆転運転
•
有効な設定を変更
•
周波数変換器の内蔵リレーを制御
•
速度指令信号は通常、速度制御に使用します。パラメータ
ーへのアクセス、値の読み取り、及び可能であれば、値の
書き込みも可能です。これにより、内部 PI コントローラ
ーが使用された場合の周波数変換器の設定ポイントの制
御を含む、一定範囲のコントロール・オプションが許可さ
れます。
3.8.9.4 ネットワーク構成
周波数変換器の Modbus RTU を有効にするには、以下のパ
ラメーターを設定します:
パラメーター 設定
8-30 プロトコール Modbus RTU
8-31 アドレス 1-247
8-32 ボーレート 2400-115200
8-33 パリティ/ 停止ビット偶数パリティ、1 ストップ・ ビッ
ト (デフォルト)
表 3.33 Modbus RTU パラメーター
3.8.10 Modbus RTU メッセージ・フレーミ
ング構造
3.8.10.1 Modbus RTU 付き周波数変換器
RTU モードを用いて Modbus ネットワーク上で通信するに
は、24 ビット 16 進文字で構成されるメッセージの各バイ
トを用いて、コントローラーを設定します。各バイトのフ
ォーマットを
スタ
ート
ビッ
ト
表 3.34 各バイトのフォーマット
コーディングシステム8–ビットバイナリ、16 進 0 - 9、A–F。
ビット/バイト 1 スタートビット。
エラーチェックフ
ィールド
表 3.34
に示します。
データ・ バイト ストッ
プ/
パリテ
ィ
メッセージの各 8-ビットに含まれる 2 つ
の 16 進文字。
8 データ・ ビット、下位ビットが最初に送
信される
偶数/奇数パリティ用 1 ビット、 パリティ
なし用ビットなし
パリティ使用の場合の 1 ストップ・ビット、
パリティなしの場合の 2 ストップ・ビット。
巡回冗長検査 (CRC)
停止
3.8.10.2 Modbus RTU メッセージ構造
デバイスの転送により、Modbus RTU メッセージは既知の
開始及び終了ポイントを持つフレームに配置されます。
これにより、受信デバイスはメッセージのスタートを開始
して、アドレス部を読み取り、どのデバイスを対象にする
かを決定して(あるいはメッセージが同報送信された場
合、すべてのデバイス)、さらにはメッセージが完了する
ときを認識することができます。部分メッセージが検出
されて、結果としてのエラーが設定されます。転送用文字
は、各フィールドにおいて 00 ~ FF の 16 進数を使用す
る必要があります。周波数変換器はネットワークバスを
連続的に、そしてサイレントインターバルの間にも監視し
ます。最初のフィールド(アドレスフィールド)が受信さ
れると、各周波数変換器またはデバイスはそれをデコード
して、どのデバイスがアドレスされているかを決定しま
す。ゼロにアドレスされた Modbus RTU メッセージは同
報メッセージです。同報メッセージの場合、応答なしが許
82 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
システム統合 デザイン・ ガイド
可されます。一般的なメッセージフレームを
示します。
スタート アドレス 機能 データ CRC チェック終了
T1-T2-
T3-T4
表 3.35 一般的な Modbus RTU メッセージ構造
8 ビット 8 ビット N x 8
ビット
表 3.35
16 ビットT1-T2-
T3-T4
に
3.8.10.3 スタート/ストップフィールド
少なくとも 3.5 文字間隔のサイレント期間でメッセージ
がスタートします。これは選択したネットワークボーレ
ートで複数の文字間隔として実装されます(スタート
T1-T2-T3-T4 として表示)。転送される最初のフィールド
はデバイスアドレスです。最後の転送文字に続いて、少な
くとも 3.5 文字間隔での同様の期間がメッセージの最後
にマークされます。この期間に新しいメッセージが始ま
ります。メッセージフレーム全体は、連続ストリームとし
て転送する必要があります。フレームの完了前に、1.5 文
字間隔以上のサイレント期間が発生した場合、受信デバイ
スは不完全なメッセージを消去して、次のバイトが新しい
メッセージのアドレスフィールドであるとの前提で機能
します。同様に、前のメッセージの後の 3.5 文字間隔の前
に、新しいメッセージが始まった場合、受信デバイスはそ
れを前のメッセージの続きと見なします。これにより、タ
イムアウト(スレーブから無応答)が引き起こされます。
なぜなら、最終的な CRC フィールドの値は連結メッセージ
にとって無効だからです。
3.8.10.4 アドレスフィールド
メッセージフレームのアドレスフィールドは 8 ビットで
構成されます。有効なスレーブデバイスアドレスは、十進
で 0–247 の範囲です。個々のスレーブデバイスは、1–
247 の範囲でアドレスが割り当てられます(0 は同報モー
ド用で、すべてのスレーブが認識します。)。マスターは、
メッセージのアドレスフィールドにスレーブアドレスを
設定することで、スレーブにアドレスします。スレーブが
その応答を送信するとき、このアドレスフィールドにそれ
自身のアドレスを設定して、どのスレーブが応答している
のかをマスターが分かるようにします。
3.8.10.5 機能フィールド
メッセージフレームの機能フィールドは 8 ビットで構成
されます。有効なコードは 1–FF の範囲です。機能フィ
ールドは、マスターとスレーブ間でメッセージを送信する
のに使用します。メッセージがマスターからスレーブデ
バイスに送信されるとき、機能コードフィールドは、どの
ようなアクションを実施するのかをスレーブに伝えます。
スレーブがマスターに応答するとき、機能コードフィール
ドを使用して、正常(エラーフリー)応答、あるいは発生
したエラー(例外応答と呼ぶ)の種類のいずれかを示しま
す。正常応答の場合、スレーブは単にオリジナルの機能コ
ードをエコーします。例外応答の場合、スレーブは、オリ
ジナルの機能コードに等価的なコードを(上位ビットを論
理 1 に設定して)戻します。さらに、スレーブは応答メッ
セージのデータ・ フィールドに一意のコードを設定しま
す。これにより、どのようなエラーが発生したのか、ある
いは例外の理由がマスターに通知されます。
章 3.8.10.10 Modbus RTU によってサポートされる機能
コードと 章 3.8.10.11 Modbus 例外コード
ださい。
もご参照く
3.8.10.6 データ・ フィールド
データ・ フィールドは、00–FF の範囲で、2 桁の 16 進を
用いて作成されます。これらは 1 個の RTU 文字で構成さ
れます。マスターからスレーブへ送信されるメッセージ
のフィールドデータには追加情報が含まれており、スレー
ブはこれを使用して機能コードで定義されるアクション
を取る必要があります。これには、コイルまたは抵抗器ア
ドレス、取り扱うアイテムの品質、及びフィールド内の実
データ・ バイトの数などのアイテムが含まれます。
3.8.10.7 CRC チェックフィールド
メッセージには、巡回冗長検査(CRC)に基づいて機能する
エラーチェックフィールドが含まれます。CRC フィール
ドはメッセージ全体の内容をチェックします。これはメ
ッセージの個々の文字に使用されるパリティチェックに
関係なく適用されます。CRC 値は、メッセージの最後のフ
ィールドとして CRD を付加する、転送デバイスによって算
出されます。受信デバイスは、メッセージの受信時に CRC
を再計算して、計算値と CRC フィールドで受信された実際
の値を比較します。2 つの値が等しくない場合、結果とし
てバス・タイムアウトが発生します。エラーチェックフィ
ールドは、2 8 ビットバイトとして実装される 16 ビット
バイナリ値で構成されます。これが実行されるとき、フィ
ールドの下位バイトが先に付加され、上位バイトがそれに
続きます。CRC 上位バイトはメッセージで送信される最
後のバイトです。
3.8.10.8 コイル抵抗器のアドレス指定
Modbus では、すべてのデータはコイルと保持レジスタで
構成されます。コイルが単一のビットを保有するのに対
して、保持レジスタは 2 バイトワード(16 ビット)を保
有します。Modbus メッセージのすべてのデータアドレス
はゼロを基準にします。データアイテムの最初の発生は、
アイテム番号 0 にアドレス指定されます。例えば: プロ
グラマブル・コントローラーで
イルは、Modbus メッセージのデータアドレスフィールド
にアドレス指定されます。
007EHEX (十進で 126 )にアドレス指定されます。
保持レジスタ 40001
ールドで
ードフィールドは既に保持レジスタ操作を指定していま
す。したがって、 4XXXX 基準は暗黙のものです。
レジスタ 0000
ジスタ 40108
ドレス指定されます。
は、メッセージのデータアドレスフィ
はレジスタ
コイル 1
として知られるコ
十進の Coil 127 はコイル
にアドレス指定されます。機能コ
保持レ
006BHEX
(十進で 107 )にア
3 3
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システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
コイル番号詳細 信号方向
1–16 周波数変換器メッセージ文 マスターから
スレーブ
17–32 周波数変換器速度または設定ポイン
ト速度指令信号範囲 0x0–0xFFFF
33
33–48 周波数変換器状態メッセージ文
49–64 開ループ・ モード: 周波数変換器出
65 パラメーター書き込みコントロール
66-65536 予約済み
表 3.36 コイル説明
コイル 0 1
01 プリセット速度指令信号、下位ビット
02 プリセット速度指令信号、上位ビット
03 直流ブレーキ 直流ブレーキなし
04 フリーラン停止 フリーラン停止なし
05 クイック停止 クイック停止なし
06 凍結周波数 凍結周波数なし
07 ランプ停止 スタート
08 リセット禁止 Reset(リセット)
09 ジョグなし ジョグ
10 ランプ 1 ランプ 2
11 データ無効 データ有効
12 リレー 1 オフ リレー 1 オン
13 リレー 2 オフ リレー 2 オン
14 下位ビット設定
15 上位ビット設定
16 逆転しない 逆転
表 3.37 周波数変換器メッセージ文 (FC プロファイル)
(-200% ... ~200%)。
(
表 3.38
力周波数。
閉ループ: 周波数変換器フィードバ
ック信号。
(マスターからスレーブへ)
0=パラメーター変更は周波数変換
1=パラメーター変更は周波数変換
を参照 )
器の RAM に書き込まれます。
器の RAM と EEPROM に書き込まれ
ます。
マスターから
スレーブ
スレーブから
マスター
スレーブから
マスター
マスターから
スレーブ
コイル 0 1
33 コントロール準備未完了 コント準備
34 周波数変換器準備未完了 周波数変換器準備完了
35 フリーラン停止 安全性閉
36 警報なし Alarm(警報)
37 未使用 未使用
38 未使用 未使用
39 未使用 未使用
40 警告なし 警告
41 速度指令信号ではない 速度指令信号
42 手動モード 自動モード
43 周波数範囲外 周波数範囲内
44 停止 運転中
45 未使用 未使用
46 高電圧警告なし 電圧警告
47 電流制限なし 電流制限
48 サーマル警告なし サーマル警告
表 3.38 周波数変換器状態メッセージ文 (FC プロファイル)
レジスタ番号詳細
00001-00006 予約済み
00007 FC データオブジェクトインターフェイスによる
直前のエラーコード
00008 予約済み
00009
00010-00990 000 パラメーター・ グループ (パラメーター
01000-01990 100 パラメーター・ グループ (パラメーター
02000-02990 200 パラメーター・ グループ (パラメーター
03000-03990 300 パラメーター・ グループ (パラメーター
04000-04990 400 パラメーター・ グループ (パラメーター
... ...
49000-49990 4900 パラメーター・ グループ (パラメーター
50000 入力データ: 周波数変換器コントロール・ メッ
50010 入力データ: バス速度指令信号レジスタ
... ...
50200 出力データ: 周波数変換器状態メッセージ文レ
50210 出力データ: 周波数変換器主電源実際値レジス
パラメーターインデックス
0-01 から 0-99)
1-00 から 1-99)
2-00 から 2-99)
3-00 から 3-99)
4-00 から 4-99)
49-00 から 49-99)
セージ文レジスタ (CTW)。
(REF)。
ジスタ (STW)。
タ (MAV)。
1)
表 3.39 保持レジスタ
1) インデックスパラメーターにアクセスする際に使用するイン
デックス番号を指定するのに使用します。
84 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
システム統合 デザイン・ ガイド
3.8.10.9 周波数変換器の制御方法
Modbus RTU メッセージの機能とデータ・ フィールドで使
用できるコードは
章 3.8.10.10 Modbus RTU によってサ
ポートされる機能コードと章 3.8.10.11 Modbus 例外コ
ード
に記載されています。
3.8.10.10 Modbus RTU によってサポート
される機能コード
Modbus RTU は、メッセージの機能フィールドにおける機
能コード(
機能 機能コード (16 進)
コイルの読み出し 1
保持レジスタの読み出し 3
シングルコイルの書き込み 5
シングルレジスタの書き込み 6
複数コイルの書き込み F
複数レジスタの書き込み 10
通信イベントカウンターの取得 B
スレーブ ID のレポート 11
表 3.40 機能コード
機能 機能コードサブ機能
診断テスト 8 1 通信のリスタート
表 3.40
を参照)の使用をサポートします。
サブ機能
コード
2 診断レジスタのリターン
10 カウンターと診断レジス
タのクリア
11 バスメッセージカウント
のリターン
12 リターンバス通信エラー
カウント
13 スレーブエラーカウント
のリターン
14 スレーブメッセージカウ
ントのリターン
コード名称 意味
1 違法機能 クエリーで受信された機能コードは、サ
ーバー(スレーブ)に許可可能なアクシ
ョンではありません。これは、機能コー
ドが新しいデバイスにのみ適用されて、
選択したユニットには実装されないため
と考えられます。また、例えば、機能コ
ードは設定されず、レジスタ値を返すよ
う求められていることから、サーバー(ま
たはスレーブ)がこのタイプのリクエス
トを処理するのに不正な状態にあること
も示します。
2 違法データア
ドレス
3 不正データ値 クエリーデータ・ フィールドに含まれる
4 スレーブデバ
イス故障
表 3.42 Modbus 例外コード
クエリーで受信されたデータアドレス
は、サーバー(またはスレーブ)に許可
可能なアドレスではありません。具体的
には、リファレンス番号と転送長の組み
合わせが無効であるということです。
100 レジスタを有するコントローラーの
場合、オフセット 96 と長さ 4 の要求は成
功し、オフセット 96 と長さ 5 の要求は例
外 02 を生成します。
値は、サーバー(またはスレーブ)に許
可可能な値ではありません。これは、実
装されている長さが不正である場合のよ
うに、複雑な要求のリマインダー構造に
おいて不具合があることを示します。こ
のことは必ずしも、レジスタの保管用に
転送されたデータアイテムがアプリケー
ションプログラムの期待に沿わない値を
持っていることを意味する訳ではありま
せん。なぜなら、Modbus プロトコールは
特定レジスタの特定値の重要度を認識し
ないためです。
サーバー (または スレーブ) が要求ア
クションを実行しようとしている間に発
生した修復不可能な故障です。
3 3
表 3.41 機能コードとサブ機能コード
3.8.10.11 Modbus 例外コード
例外コード応答の構造に関する完全な説明については、
章 3.8.10.5 機能フィールド
をご参照ください。
3.8.11 パラメーターへのアクセス
3.8.11.1 パラメーターの取扱い
PNU (パラメーター番号) は、Modbus 読み取りまたは書き
込みメッセージに含まれるレジスタアドレスから変換さ
れます。パラメーター番号は(10 x パラメーター番号)
の十進数に変換されて Modbus に転送されます。例: 読
み取り
3-12 増加/スローダウン値
(16 ビット): 保
持レジスタ 3120 はパラメーター値を保持します。1352
(十進)の値は、パラメーターが 12.52%に設定されること
を意味します。
読み取り
3-14 プリセット相対速度指令信号
(32 ビッ
ト): 保持レジスタ 3410 & 3411 はパラメーター値を保
持します。11300 (十進)の値は、パラメーターが 1113.00
に設定されることを意味します。
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Speed ref. CTW
Master-follower
130BA274.11
15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
Bit
no.:
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
パラメーター、サイズ及び変換インデックスの情報につい
ては、
プログラミング・ ガイド
を参照してください。
3.8.11.2 データの保存
は、 1 レジスタ (2 文字) から 10 レジスタ (20 文
字)までです。
3.8.12 FC ドライブ・コントロール・プロ
ファイル
33
コイル 65 十進は、周波数変換器に書き込まれるデータ
が EEPROM 及び RAM (コイル 65=1) に、あるいは RAM
(コイル 65=0)のみに保存されるかを決定します。
3.8.11.3 IND (インデックス)
周波数変換器のパラメーターには、配列パラメーターがあ
ります。例えば、
は保持レジスタの配列をサポートしないため、周波数変換
器は保持レジスタ 9 を配列に対するポインタとして保持
します。配列パラメーターの読み取りまたは書き込みを
行う前に、保持レジスタ 9 を設定してください。保持レジ
スタを 2 の値に設定すると、配列パラメーターへの読み取
り/書き込みはすべてインデックス 2 に実施されます。
3-10 プリセット速度指令信号
。Modbus
3.8.11.4 テキスト・ ブロック
テキストストリングとして保存されているパラメーター
は、他のパラメーターと同じ方法でアクセスできます。最
大のテキスト・ ブロックサイズは 20 文字です。パラメー
ターに対する読み取り要求の文字数がパラメーターによ
って保存されるものよりも多い場合、応答は短縮されま
す。パラメーターに対する読み取り要求の文字数がパラ
メーターによって保存されるものより少ない場合、応答は
空白が埋められた状態で行われます。
3.8.11.5 換算率
パラメーター値は全体数としてのみ転送できるため、換算
率は十進数を転送するために使用する必要があります。
3.8.12.1 FC プロファイルに応じたコン
トロール・ メッセージ文
(
8-10 コントロール・ プロファ
イル
=FC プロファイル)
図 3.55 コントロール・ メッセージ文
ビット ビット値=0 ビット値=1
00 速度指令信号値 外部選択下位ビット
01 速度指令信号値 外部選択上位ビット
02 直流ブレーキ ランプ
03 フリーラン フリーランなし
04 クイック停止 ランプ
05 出力周波数保持 ランプ使用
06 ランプ停止 スタート
07 機能なし Reset(リセット)
08 機能なし ジョグ
09 ランプ 1 ランプ 2
10 データ無効 データ有効
11 機能なし リレー 01 アクティブ
12 機能なし リレー 02 アクティブ
13 パラメーター設定 選択下位ビット
14 パラメーター設定 選択上位ビット
15 機能なし 逆転
3.8.11.6 パラメーター値
標準データ・ タイプ
標準データ・タイプ は、int 16、int 32、uint 8、uint
16 及び uint 32 です。これらは、4x レジスタ
(40001–4FFFF)に保存されます。パラメーターは、機能
03 16 進
ラメーターは、1 レジスタ(16 ビット)用機能 6 16 進
リセットシングルレジスタ
用機能 10 16 進
書き込まれます。読み取り可能なサイズの範囲は、 1 レ
ジスタ (16 ビット) から 10 レジスタ (20 文字)まで
です。
非標準データ・ タイプ
非標準データ・ タイプはテキストストリングで、4x レジ
スタ (40001–4FFFF)として保存されます。パラメータ
ーは、機能 03 16 進読み取り保持レジスタを用いて読み
取られ、機能 10 16 進プリセットマルチプルレジスタを
用いて書き込まれます。読み取り可能なサイズの範囲
86 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
読み取り保持レジスタ
を用いて読まれます。パ
、及び 2 レジスタ(32 ビット)
プリセットマルチプルレジスタ
を用いて
プ
表 3.43 コントロール・ メッセージ文ビット
コントロール・ ビットの説明
ビット 00/01
ビット 00 及び 01 を使用して 4 つの速度指令信号値
から 1 つを選択して下さい。これらの速度指令信号値
表 3.44
は
いて事前にプログラムされています。
に従って、
3-10 プリセット速度指令信号
にお
システム統合 デザイン・ ガイド
プログラムされ
ている速度指令
信号値
1
2
3
4
表 3.44 速度指令信号値
パラメーター ビット 01 ビット 00
3-10 プリセッ
ト速度指令信
号
[0]
3-10 プリセッ
ト速度指令信
号
[1]
3-10 プリセッ
ト速度指令信
号
[2]
3-10 プリセッ
ト速度指令信
号
[3]
0 0
0 1
1 0
1 1
注記
8-56 プリセット速度指令信号選択
ト 00/01 がディジタル入力の対応する機能を通過する方
法を定義して下さい。
ビット 02、直流ブレーキ
ビット 02 = 0 では、直流ブレーキが働き停止します。
2-01 直流ブレーキ電流
ブレーキ電流と期間を設定します。
ビット 02 = 1 ではランプが発生します。
ビット 03、フリーラン
ビット 03=0: 周波数変換器はモーターを即座に開放し、
(出力トランジスタを切断)、フリーラン停止します。
ビット 03=1: 周波数変換器は、その他のスタート条件を
満たしていればモーターをスタートします。
8-50 フリーラン選択
ジタル入力の対応する機能を通過する方法を定義して下
さい。
ビット 04、クイック停止
ビット 04=0: モーター速度の立ち下がりを停止させま
す(
3-81 クイック停止ランプ時間
ビット 05、周波数出力凍結
ビット 05=0: 現在の出力周波数(Hz)を凍結させます。
加速及びスローダウン
力(
5-10 端末 18 ディジタル入力
ディジタル入力
更して下さい。
)を使用して凍結した出力周波数だけを変
and
にて選択を行い、ビット 03 がディ
にプログラムされたディジタル入
にて選択を行い、ビッ
2-02 直流ブレーキ時間
にて設定)。
から
5-15 端末 33
で
注記
出力凍結がアクティブな場合、周波数変換器は次の方法に
よってのみ停止できます:
ビット 03 フリーラン停止
•
ビット 02 直流ブレーキ
•
ディジタル入力を
•
止、又はリセットしてフリーラン停止
ムする(
5-10 端末 18 ディジタル入力
5-15 端末 33 ディジタル入力
ビット 06、ランプ停止/スタート
ビット 06=0: 停止させた後、選択した立ち下がりパラメ
ーターを介してモーター速度を立ち下げ、停止させます。
ビット 06=1: その他のスタート条件を満たしていれば、
周波数変換器にてモーターをスタートさせます。
8-53 スタート選択
止/スタートがディジタル入力の対応する機能を通過す
る方法を定義して下さい。
ビット 07、リセット
ビット 07=0: リセットしません。
ビット 07=1: トリップをリセットします。リセットは、
論理 0 から論理 1 に変更する際などの信号の先端で実
行されます。
ビット 08、ジョグ
ビット 08=1: 出力周波数を
よって決定します。
ビット 09、ランプ 1/2 の選択
ビット 09=0: ランプ 1 はアクティブです (
にて選択を行い、ビット 06 ランプ停
ンプ 1 立ち上がり時間から3-42 ランプ 1 立ち下がり
時間
)。
ビット 09=1: ランプ 2 (
時間から3-52 ランプ 2 立ち下がり時間
ブです。
ビット 10、データ無効/データ有効
コントロール・メッセージ文を使用するか無視するかを周
波数変換器に通知します。
ビット 10=0: コントロール・メッセージ文は無視されま
す。
ビット 10=1: コントロール・メッセージ文は使用されま
す。電報のタイプに関わらず電報には常にコントロー
ル・メッセージ文が含まれるため、この機能は意味があり
ます。パラメーターの更新や読み込み時にコントロー
ル・メッセージ文を使用しない場合、コントロール・メッ
セージ文をオフにします。
ビット 11、リレー 01
ビット 11=0: リレーが起動していません。
ビット 11=1: リレー 01 は、
ントロール・ メッセージ文ビット 11
場合に作動します。
ビット 12、リレー 04
ビット 12=0: リレー 04 は起動しません。
直流ブレーキ、フリーラン停
にプログラ
から
)。
3-19 ジョグ速度[RPM]
に
3-41 ラ
3-51 ランプ 2 立ち上がり
) はアクティ
5-40 機能リレー
が選択されている
にて
コ
3 3
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Output freq. STW
Bit
no.:
Follower-master
15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
130BA273.11
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
ビット 12=1: リレー 04 は、
トロール・ メッセージ文ビット 12
合に作動します。
ビット 13/14、設定の選択
表 3.45
は、ビット 13 及び 14 を使用して下さい。
33
この機能は、
数設定
8-55 設定選択
ル入力の対応する機能を通過する方法を定義して下さい。
ビット 15 逆転
ビット 15=0: 逆転しない。
ビット 15=1: 逆転 初期設定では、逆転は
択
は、シリアル通信、論理 OR 又は論理 AND が選択されて
いる場合のみ逆転が実行されます。
3.8.12.2 FC プロファイルに応じた
5-40 機能リレーにてコン
が選択されている場
に従って 4 つのメニュー設定から選択するに
設定 ビット 14 ビット 13
1 0 0
2 0 1
3 1 0
4 1 1
表 3.45 メニュー設定の仕様
0-10 アクティブセットアップ
にて
[9] 複
を選択している場合のみ使用できます。
にて選択を行い、ビット 13/14 がディジタ
8-54 逆転選
にてディジタルに設定されています。ビット 15 で
(STW) 状態メッセージ文
(
8-10 コントロール・ プロファ
イル
= FC プロファイル)
図 3.56 状態メッセージ文
ビット ビット=0 ビット=1
00 コントロール準備未完了 コント準備
01 ドライブ不備 ドライブ準備完了
02 フリーラン 有効
03 エラーなし トリップ
04 エラーなし エラー(トリップなし)
05 予約済み 06 エラーなし トリップ・ ロック
07 警告なし 警告
08 速度 ≠ 速度指令信号 速度 = 速度指令信号
09 ローカル動作 バス・ コントロール
10 周波数制限外 周波数制限 OK
11 動作なし 動作中
12 ドライブ OK 停止中、自動スタート
13 電圧 OK 電圧超過
14 トルク OK トルク超過
15 タイマー OK タイマー超過
表 3.46 状態メッセージ文ビット
状態ビットの説明
ビット 00、コントロール準備未完了/準備完了
ビット 00=0: 周波数変換器がトリップします。
ビット 00=1: 周波数変換器のコントロールの準備は完
了していますが、電気部品が電源供給を受け取らない場合
があります(24 V 外部電源がコントロールに繋がってい
る場合)。
ビット 01、ドライブ準備完了
ビット 01=1: 周波数変換器は動作準備が完了していま
すが、フリーランコマンドがディジタル入力又はシリアル
通信を介してアクティブになっています。
ビット 02、フリーラン停止
ビット 02=0: 周波数変換器にてモーターが解放されま
す。
ビット 02=1: 周波数変換器が、スタート・ コマンドを使
用してモーターをスタートさせます。
ビット 03、エラーなし/トリップ
ビット 03=0: 周波数変換器は不具合モードになってい
ません。
ビット 03=1: 周波数変換器がトリップします。動作を
再設定するには[Reset](リセット)を入力して下さい。
ビット 04、エラーなし/エラー(トリップなし)
ビット 04=0: 周波数変換器は不具合モードになってい
ません。
ビット 04=1: 周波数変換器にてエラーが表示されてい
ますが、トリップしません。
ビット 05、未使用
ビット 05 は状態メッセージ文では使用されていませ
ん。
ビット 06、エラーなし/トリップ・ ロック
ビット 06=0: 周波数変換器は不具合モードになってい
ません。
ビット 06=1: 周波数変換器はトリップしてロックされ
ます。
88 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
Actual output
freq.
STW
Follower-master
Speed ref. CTW
Master-follower
16bit
130BA276.11
Reverse Forward
Par.3-00 set to
(1) -max- +max
Max reference Max reference
Par.3-00 set to
(0) min-max
Max reference
Forward
Min reference
100%
(4000hex)
-100%
(C000hex)
0%
(0hex)
Par.3-03 0 Par.3-03
Par.3-03
(4000hex) (0hex)
0% 100%
Par.3-02
130BA277.10
システム統合 デザイン・ ガイド
ビット 07、警告なし/警告
3.8.12.3 バス速度指令信号値
ビット 07=0: 警告はありません。
ビット 07=1: 警告が生じました。
ビット 08、速度 ≠ 速度指令信号/速度 = 速度指令信
号
ビット 08=0: モーターは稼動していますが、現在の速度
はプリセット速度指令信号と異なります。スタート/停
止中に速度の立ち上がり/立ち下がりが起こっている場
速度指令信号値は、% 単位の相対値で周波数変換器に転
送されます。値は 16 ビットメッセージ文の形式で転送さ
れます (整数 (0-32767))。値 16384 (4000 Hex) は
100% に相当します。負の数値は、2 の補数によってフォ
ーマットされます。実際の出力周波数 (MAV) は、バス速
度指令信号と同じ方法でスケーリングされます。
合などが考えられます。
ビット 08=1: モーター速度がプリセット速度指令信号
と一致しています。
ビット 09、ローカル動作/バス・ コントロール
ビット 09=0: [Stop/Reset](停止/リセット)がコント
ロール・ ユニット上で起動されました。又は、
指令信号サイトにてローカル・コントロール
います。シリアル通信を介したコントロールは不可能で
3-13 速度
が選択されて
図 3.57 実出力周波数 (MAV)
す。
ビット 09 = 1 周波数変換器をフィールドバス/シリア
ル通信を介してコントロールできます。
ビット 10、周波数制限外
ビット 10=0: 出力周波数が
[RPM]
または
4-13 モーター速度上限[RPM]
4-11 モーター速度下限
の値に達
速度指令信号及び MAV 以下のようにスケーリングされ
ます。
しました。
ビット 10=1: 出力周波数は定義された制限内です。
ビット 11、動作なし/動作中
ビット 11=0: モーターが稼動していません。
ビット 11=1: 周波数変換器にスタート信号があるか、出
力周波数が 0 Hz より大きくなっています。
ビット 12、ドライブ OK/停止、自動スタート
ビット 12=0: インバーターには一時的な過温度は発生
していません。
ビット 12=1: 過温度があるためインバーターが停止し
図 3.58 速度指令信号と MAV
ますが、ユニットはトリップせず過温度終了後、再度動作
を再開します。
ビット 13、電圧 OK/制限超過
ビット 13=0: 電圧警告はありません。
ビット 13=1: 周波数変換器の中間回路にある直流電圧
3.8.12.4 プロフィドライブ・ プロファイ
ルに応じたコントロール・ メッ
セージ文(CTW)
が低すぎるか高すぎます。
ビット 14、トルク OK/制限超過
ビット 14=0: モーター電流が
4-18 電流制限
にて選択
コントロール・ メッセージ文はマスター(PC など)から
のコマンドをスレーブに送信する為に使用します。
されたトルク制限より低くなっています。
ビット 14=1:
4-18 電流制限
で設定されたトルク制限を
超過しています。
ビット 15、タイマー OK/制限超過
ビット 15=0: モーター熱保護及び熱保護が 100% を超
過していません。
ビット 15=1: いずれかのタイマーが 100% を超過して
います。
インタバス・オプションと周波数変換器間の接続が失われ
るか、内部通信の問題が生じると、STW のすべてのビッ
トが 0 に設定されます。
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 89
3 3
システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
ビット ビット=0 ビット=1
00 オフ 1 オン 1
01 オフ 2 オン 2
02 オフ 3 オン 3
03 フリーラン フリーランなし
33
04 クイック停止 ランプ
05 周波数出力保持 ランプ使用
06 ランプ停止 スタート
07 機能なし Reset(リセット)
08 ジョグ 1 オフ ジョグ 1 オン
09 ジョグ 2 オフ ジョグ 2 オン
10 データ無効 データ有効
11 機能なし スローダウン
12 機能なし 増加
13 パラメーター設定 選択下位ビット
14 パラメーター設定 選択上位ビット
15 機能なし 逆転
表 3.47 コントロール・ メッセージ文ビット
コントロール・ ビットの説明
ビット 00、オフ 1/オン 1
実際に選択したランプのランプ時間を使用した正常なラ
ンプ停止。
出力周波数が 0 Hz で、[リレー 123] が
ー
で選択されている場合、ビット 00=0 では出力リレー
1 または 2 の出力が停止し、アクティブになります。
ビット 0=1 の場合、周波数変換器は状態 1:
切り替え」となります
ビット 01、オフ 2/オン 2
フリーラン停止
ビット 01=0 の場合、出力周波数が 0 Hz で、[リレー
123] が
ンが停止、出力リレー 1 または 2 がアクティブになり
ます。
ビット 02、オフ 3/オン 3
5-40 機能リレー
3-81 クイック停止ランプ時間
クイック停止。ビット 02=0 の場合、出力周波数が 0 Hz
で、[リレー 123] が
と、クイック停止と出力リレー 1 または 2 のアクティ
ブ化が行われます。
ビット 02 = 1 の場合、周波数変換器は
状態 1:
ビット 03、フリーラン/フリーランなし
フリーラン停止ビット 03 = 党 0 媒 では、停止が行われ
ます。
ビット 03 = 党 1・ の場合、他のスタート条件が満たさ
れていれば周波数変換器はスタートできます。
「禁止時に切り替え」となります
。
で選択されていると、フリーラ
のランプ時間を使用した
5-40 機能リレー
5-40 機能リレ
「禁止時に
で選択されている
。
注記
8-50 フリーラン選択
ジタル入力の対応する機能にどうリンクするのかが決ま
ります。
での選択により、ビット 03 がディ
ビット 04、クイック停止/ランプ
3-81 クイック停止ランプ時間
クイック停止。
ビット 04 = 0 の場合、クイック停止が行われます。
ビット 04=1 の場合、他のスタート条件が満たされていれ
ば周波数変換器はスタートできます。
のランプ時間を使用した
注記
8-51 クイック停止選択
ィジタル入力の対応する機能にどうリンクするのかが決
まります。
ビット 05、周波数出力保持/ランプ使用
ビット 05 = 0 の場合、速度指令信号値が変更されても、
現在の出力周波数が維持されます。
ビット 05 = 1 の場合、周波数変換器が調整機能を再度
実行でき、 それぞれの速度指令信号値に応じて動作が実
行されます。
ビット 06、ランプ停止/スタート
選択した実際のランプのランプ時間を使用した正常なラ
ンプ停止。また、出力周波数が 0 Hz で、
ー
にてリレー 123 が選択されていれば、出力リレー 01
又は 04 が作動します。
ビット 06 = 0 では停止となります。
ビット 06=1 の場合、他のスタート条件が満たされていれ
ば周波数変換器はスタートできます。
での選択により、ビット 04 がデ
5-40 機能リレ
注記
8-53 スタート選択
タル入力の対応する機能にどうリンクするのかが決まり
ます。
ビット 07、機能なし/リセット
スイッチを切断後、リセットします。
不具合バッファのイベントを認知します。
ビット 07 = 0 の場合、リセットは行われません。
ビット 07 を 1 に傾斜変更すると、電源切断後リセット
が実行されます。
ビット 08、ジョグ 1 オフ/オン
8-90 バス・ ジョグ 1 速度
速度を実行します。ジョグ 1 は、ビット 04 = 0 及び
ビット 00-03=1 の場合にのみ実行可能です。
ビット 09、ジョグ 2 オフ/オン
8-91 バス・ ジョグ 2 速度
速度を実行します。ジョグ 2 は、ビット 04 = 0 及び
ビット 00-03=1 の場合にのみ実行可能です。
ビット 10、データ無効/有効
コントロール・メッセージ文を使用するのか、無視するの
かを周波数変換器に伝達するために使用します。
ビット 10=0 の場合はコントロール・ メッセージ文は無
視されます。
ビット 10=1 の場合はコントロール・ メッセージ文が使
用されます。使用する電文のタイプに関係なく電文には
コントロール・メッセージ文が常に含まれるため、この機
能は重要です。パラメーターの更新または読み出しにコ
での選択により、ビット 06 がディジ
にて事前にプログラムされた
にて事前にプログラムされた
90 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
システム統合 デザイン・ ガイド
ントロール・メッセージ文を使用しない場合にはコントロ
ール・ メッセージ文をオフにすることが可能です。
ビット 11、機能なし/スローダウン
速度指令信号値を、
た量減らすために使用します。
ビット 11 = 0 の場合、速度指令信号値の変更は行われ
ません。
ビット 11 = 1 の場合、速度指令信号値が減少します。
ビット 12、機能なし/増加
速度指令信号値を、
た量増加するために使用します。
ビット 12 = 0 の場合、速度指令信号値の変更は行われ
ません。
ビット 12 = 1 の場合、速度指令信号値が増加します。
減速と加速の両方がアクティブの場合 (ビット 11 及び
12 = 1) には、減速が優先される、即ち速度指令信号値
は減少します。
ビット 13/14、設定選択
ビット 13 及び 14 は、
メーター設定のいずれかを選択するために使用します。
この機能は、
数設定
を選択している場合のみ使用できます。
定選択
での選択により、ビット 13 及び 14 がディジタ
ル入力の対応する機能にどうリンクするのかが決まりま
す。運転中の設定変更が可能なのは、設定同士が
の設定のリンク先
設定 ビット 13 ビット 14
1 0 0
2 1 0
3 0 1
4 1 1
表 3.48 設定選択
ビット 15、機能なし/逆転
ビット 15 = 0 では逆転は行われません。
ビット 15 = 1 では逆転が行われます。
3-12 増加/スローダウン値
3-12 増加/スローダウン値
表 3.48
に従って 4 つのパラ
0-10 アクティブセットアップ
でリンクされている場合のみです。
にて
8-55 設
に設定し
に設定し
[9] 複
0-12 こ
注記
工場出荷時設定では、逆転は
ル
に設定されています。
8-54 逆転選択にてディジタ
注記
ビット 15 では、
が選択されている場合のみ逆転が実行されます。
3.8.12.5 プロフィドライブ・ プロファイ
状態メッセージ文はマスター(PC など)にスレーブの状
態を通知するのに使用します。
シリアル通信、論理 OR
又は
論理 AND
ルに応じた状態メッセージ文
(STW)
ビット ビット=0 ビット=1
00 コントロール準備未完了コント準備
01 ドライブ不備 ドライブ準備完了
02 フリーラン 有効
03 エラーなし トリップ
04 オフ 2 オン 2
05 オフ 3 オン 3
06 スタート可能 スタート不可能
07 警告なし 警告
08
09 ローカル動作 バス・ コントロール
10 周波数制限外 周波数制限 OK
11 動作なし 動作中
12 ドライブ OK 停止、自動スタート
13 電圧 OK 電圧超過
14 トルク OK トルク超過
15 タイマー OK タイマー超過
表 3.49 状態メッセージ文ビット
状態ビットの説明
ビット 00、コントロール準備未完了/準備完了
ビット 00 = 0 の場合、コントロール・ メッセージ文の
ビット 00、01、又は 02 が 0 (オフ 1、オフ 2、オフ
3)です - 又は、周波数変換器が切断されます(トリッ
プ)。
ビット 00 = 1 の場合、周波数変換器コントロールの準
備は完了していますが、(コントロール・ システムが 24
V 外部電源を使用している場合)ユニットに対する電源
供給が存在するとは限りません。
ビット 01、ドライブ 準備未完了/準備完了
ただし、ビット 00 の重要性と同様に、電源ユニットが
用意されています。周波数変換器は、必要なスタート信号
を受信すると準備を完了します。
ビット 02、 フリーラン/有効
ビット 02 = 0 の場合、コントロール・ メッセージ文の
ビット 00、01、又は 02 が 0 (オフ 1、オフ 2、オフ
3、又はフリーラン)です - 又は、周波数変換器が切断
されます(トリップ)。
ビット 02 = 1 の場合、コントロール・ メッセージ文の
ビット 00、 01、又は 02 は 1 で、 周波数変換器はト
リップしていません。
ビット 03、エラーなし/トリップ
ビット 03 = 0 の場合、周波数変換器のエラー状態は存
在しません。
ビット 03 = 1 の場合、周波数変換器がトリップしてお
り、スタートするにはリセット信号が必要です。
ビット 04、オン 2/オフ 2
コントロール・ メッセージ文のビット 01 が 0 の場合、
ビット 04 = 0 です。
コントロール・ メッセージ文のビット 01 が 1 の場合、
ビット 04 = 1 です。
速度≠ 速度指令信号
速度指令信号
3 3
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システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
ビット 05、オン 3/オフ 3
コントロール・ メッセージ文のビット 02 が 0 の場合、
ビット 05 = 0 です。
コントロール・ メッセージ文のビット 02 が 1 の場合、
ビット 05 = 1 です。
33
ビット 06、スタート可能/スタート不可能
[1] プロフィドライブが8-10 コント Mss 文タイムプロ
フ
で選択されている場合、切断の認識後、オフ 2 又はオ
フ 3 の起動後、及び主電源電圧のオン後にビット 06 は
1 になります。コントロール・ メッセージ文のビット 00
が 0 に設定されて、ビット 01、02 及び 10 が 1 に設定され
ている場合、
ビット 07、警告なし/警告
ビット 07 = 0 は、警告がないことを意味します。
ビット 07 = 1 は、警告が発生したことを意味します。
ビット 08、速度 ≠ 速度指令信号/速度 = 速度指令信
号
ビット 08 = 0 の場合、モーターの現在の速度が設定さ
れた速度指令信号値から逸脱しています。これは、スター
ト/停止中に立ち上がり/立ち下がりによって速度が変
更された場合などに発生する場合があります。
ビット 08 = 1 の場合、モーターの現在の速度が設定さ
れた速度指令信号値と一致しています。
ビット 09、ローカル動作/バス・ コントロール
ビット 09 = 0 は、周波数変換器が LCP の[停止]によっ
て停止されているか、
へリンク] 又は [ローカル] が選択されていることを示
します。
ビット 09 = 1 の場合、シリアル・ インターフェイスに
よって周波数変換器をコントロールできます。
ビット 10、周波数制限外/周波数制限 OK
ビット 10 = 0 の場合、出力周波数は
と
4-53 警告速度高
ビット 10 = 1 の場合、出力周波数が指定された限度内
にあります。
ビット 11、動作なし/動作
ビット 11 = 0 の場合、モーターは回転しません。
ビット 11 = 1 の場合、周波数変換器がスタート信号を
受け取っているか、出力周波数が 0 Hz より高くなって
います。
ビット 12、ドライブ OK/停止、自動スタート
ビット 12 = 0 の場合、インバーターの一時的過負荷が
ありません。
ビット 12 = 1 の場合、過負荷が原因でインバーターが
停止しています。ただし、周波数変換器は停止(トリッ
プ)しておらず、過負荷が終了すると再スタートします。
ビット 13、電圧 OK/制限超過
ビット 13 = 0 の場合、周波数変換器の電圧制限を超過
していません。
ビット 13 = 1 の場合、周波数変換器の中間回路の直流
電圧が低すぎるか高すぎます。
スタート不可能
はリセットされます。
3-13 速度指令信号サイト
で設定された限度外にあります。
で[手動
4-52 警告速度低
ビット 14、トルク OK/制限超過
ビット 14 = 0 の場合、モーター・ トルクは
ク制限モーター・ モード
ーター・ モード
ビット 14=1 の場合、
または
された制限を超過しています。
ビット 15、タイマー OK/タイマー超過
ビット 15 = 0 の場合、モーター熱保護及び周波数変換
器熱保護のタイマーが 100 % を超過していません。
ビット 15 = 1 の場合、タイマーのいずれかが 100 %
を超過しています。
4-17 トルク制限ジェネレーター・ モード
で選択された制限を超過しています。
及び
4-17 トルク制限ジェネレ
4-16 トルク制限モーター・ モード
4-16 トル
で選択
92 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
システム統合 デザイン・ ガイド
3.9 システム設計チェックリスト
表 3.50
は、周波数変換器をモーター制御システムに組み込むためのチェックリストを提供します。リストは、システム
要件を指定するために必要とされる一般的なカテゴリーとオプションの参照用として使用できます。
カテゴリー 詳細 注意
FC モデル
電力
ボルト
電流
物理的
寸法
重量
周囲動作条件
温度
高度
湿度
大気品質/塵埃
定格低減要件
エンクロージャ
ー・ サイズ
入力
ケーブル
タイプ
長さ
ヒューズ
タイプ
サイズ
定格
オプション
コネクター
コンタクト
フィルター
出力
ケーブル
タイプ
長さ
ヒューズ
タイプ
サイズ
定格
オプション
フィルター
制御
配線
タイプ
長さ
端子接続
通信
プロトコール
接続
配線
オプション
コネクター
☑
3 3
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システム統合
VLT® AQUA Drive FC 202
カテゴリー 詳細 注意
コンタクト
フィルター
モーター
タイプ
33
定格
電圧
オプション
特殊工具と機器
移動と保管
取り付け
電気的接続
表 3.50 システム設計チェックリスト
☑
94 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
アプリケーション例 デザイン・ ガイド
4 アプリケーション例
4.1 アプリケーション機能概要
VLT® AQUA Drive FC 202 は、給水及び廃水の用途向けに
設計されています。広範囲の標準及びオプション機能に
は、最適化された SmartStart 機能、ならびに水及び排水
アプリケーションに特化されたクイック・メニューが含ま
れます。
カスケード・ コントロール
•
基本的なカスケートコントロールは標準で内蔵
されており、最大 3 台のポンプまで対応します。
カスケード・ コントロールにより、マルチポン
プ・システムにおいて単一ポンプの速度制御が行
えます。これはコスト面で魅力的なソリューシ
ョンで、例えばブースター設定に適しています。
複数の可変速度ポンプを有するシステムでは、拡
張カスケード・コントローラー (MCO 101) ある
いはアドバンストカスケード・ コントローラー
(MCO 102)が必要です。
モーター交替
•
モーター交替機能は、2 台のモーターまたは 2 台
のポンプが 1 台の周波数変換器を共有している
アプリケーションに最適です。
流量補償
•
流量補償は、流量に従って設定ポイントに適応し
て、ポンプの近隣に圧力センサーを取り付けるこ
とが可能になります。
空転検知
•
この機能により、空転回転とポンプ過熱を回避し
て、ポンプの損傷を防ぎます。
カーブ終点の検知
•
この機能は、ポンプが最高速度で運転されてい
て、設定ポイントがユーザ定義の時間間隔で到達
できないときを検出します。
デラグ
•
この予防または対応型クリーニング機能は、排水
アプリケーションで使用されるポンプ向けに開
発されています。詳細は、
グ機能
を参照してください。
初期/最終ランプ
•
ショートランプ時間から最低速度に至るプログ
ラムは、ベアリングを保護して、潜水ポンプ を
用いたアプリケーションにおいて十分冷却を確
保します。
バルブ保護の確認
•
低速の立ち下り率はチェックバルブを保護し、ウ
ォータハンマを防止します。
STO
•
STO により、クリティカルな状況が発生したとき
に安全停止(フリーラン)をすることが可能にな
ります。
章 4.2.3 29-1* デラ
低フロー検出
•
この機能は、システムのフローなしあるいは低フ
ロー状態を検出します。
スリープ・ モード
•
スリープ・モード機能は、需要がないときにポン
プを停止することで、エネルギーを節約しま
す。
パイプ・ フィル・ モード
•
パイプ・フィル・モードは、配管を円滑に充填し
てウォータハンマを防止するための機能からな
ります。この機能は水平及び垂直配管向けのさ
まざまなモードを提供します。
リアル・ タイム・ クロック
•
スマート論理コントロール(SLC)
•
SLC は、イベントやアクションで構成されるプロ
グラムシーケンスからなります。SLC は、コンパ
レータ―、論理規則及びタイマーを用いた広範囲
の PLC 機能を提供します。
プリ/ポスト潤滑
•
詳細は、
ください。
流量確認
•
詳細は、を参照
ださい。
水中ポンプ向けの高度な最低速度監視
•
詳細は、
速度監視
予防保全
•
予防保守により、サービスの間隔を周波数変換器
にプログラムすることができます。
選択されたアプリケーション機能
4.2
章 4.2.4 プリ/ポスト潤滑
章 4.2.5 29-5* 流量確認
章 4.2.6 水中ポンプ向けの高度な最低
を参照してください。
を参照して
してく
4.2.1 SmartStart
SmartStart ウィザードにより、周波数変換器の試運転が
依然にも増して容易でコスト効率に優れたものになりま
す。SmartStart は、最初の電源オン時、あるいはファク
トリーリセットの後に作動して、適正かつ極めて効率的な
モーターコントロールを実施するために、容易に理解でき
る一連の手順でユーザーをガイドすることができます。
SmartStart はまた、クイック・ メニューから直接スター
トできます。28 言語のグラフィカルコントロール・ パネ
ルで設定を選択してください。
開または閉ループの単一ポンプ/モーター
•
モーター交替: 2 台のモーターが 1 台の周波数
•
変換器を共有しているとき。
4 4
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 95
0 Hz / RPM
Derag O Delay:
Par. 29 -15
+/- Derag
Speed:
Par.: 29 -13
Par.: 29 -14
Deragging Run Time : Par . 29-12
Speed
Derag
function
activated
1 Cycle
Number of Cycles : Par . 29 -10
130BC369.10
アプリケーション例
基本カスケード・コントロール: マルチポンプ・
•
システム内の単一ポンプを速度制御します。こ
れはコスト面で魅力的なソリューションであり、
例えばブースター設定に適しています。
マスター-ファロワー: 最大 8 台の周波数変換
•
器とポンプを制御して、ポンプ・システム全体の
円滑な運用を図ります。
VLT® AQUA Drive FC 202
44
4.2.2 クイック・ メニュー水とポンプ
クイック・ メニュー・ エントリー「水とポンプ」によっ
て、VLT® AQUA Drive の最も一般的な水とポンプ機能への
迅速なアクセスが可能になります:
特殊ランプ(初期/最終ランプ、逆止弁ランプ)
•
スリープ・ モード
•
デラグ
•
空転検知
•
カーブ終点の検知
•
流量補償
•
水平、垂直及び混合配管システム用のパイプ・フ
•
ィル・ モード
コントロール性能
•
最低速度モニター
•
4.2.3 29-1* デラグ機能
デラグ機能の目的は、ポンプブレードから排水アプリケー
ションのデブリを除去してポンプが正常に運転できるよ
うにすることです。
デラグイベントは、周波数変換器がデラグを開始して終了
するまでの時間として定義されます。デラグがスタート
すると、まず初めに周波数変換器はランプして停止し、次
に最初のサイクルが始まる前にオフ遅延が終了します。
図 4.1 デラグ機能
周波数変換器停止状態からデラグが作動した場合、最初の
オフ遅延はスキップされます。デラグイベントは、いくつ
かのサイクルで構成されており。1 つのサイクルは、逆方
向のパルス 1 個とそれに続く順方向のパルス 1 個で構成
されます。デラグは、特定のサイクル数が完了した後に終
了したと見なされます。より詳細に言えば、最後のサイク
ルの最後のパルス(常に順方向)で、デラグは、デラグ運転
時間が終了した後に、終了したと見なされます(周波数変
換器はデラグ速度で動作します)。周波数変換器出力は、
パルス間に指定したオフ遅延時間の間にフリーランして
ポンプのデブリを緩和できます。
注記
ポンプが逆方向に運転できない場合、デラグを有効にしな
いでください。
進行中のデラグイベントに関して 3 つの注意があります:
LCP の状態:
•
拡張状態メッセージ文におけるビット (23 ビッ
•
ト , 80 0000 hex)。
ディジタル出力は、アクティブなデラグ状態を反
•
映するよう構成できます。
それを使用するアプリケーションと目的に応じて、この機
能は、予防あるいは対応措置として使用したり、以下のさ
まざまな方法で作動/開始できます:
各スタート・ コマンドで (
•
Start/Stop
各ストップコマンドで (
•
Start/Stop
自動遠隔デラグ
)
)
。
29-11 Derag at
29-11 Derag at
96 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. MG20N640
130BD765.10
N
MAX
N
MIN
0
1
1
0
0
1
2
3
t1 t3 t2
T
T
T
アプリケーション例 デザイン・ ガイド
各スタート/ストップコメントで (
•
at Start/Stop
ディジタル入力にて (
•
5-1* ディジタル入力
スマート論理コントローラーによるドライブア
•
クションで (
ョン
)
定時アクションとして (パラメーター・ グルー
•
プ
23-** 時間ベース機能
高電力で (パラメーター・グループ
•
グ出力同調
)
パラメーター・ グループ
)
13-52 SL コントローラー・アクシ
)
)
29-11 Derag
4 4
29-2* デラ
4.2.4 プリ/ポスト潤滑
1 速度曲線
損傷や消耗を防ぐために、モーターは、運転前及び運転中
に機械部品を潤滑する必要があります。これは特に、モー
ターが長時間運転しているときに適用されます。プリ潤
滑も、排気ファンを運転する必要があるアプリケーション
をサポートします。プリ潤滑機能は、運転コマンド(例え
ば、スタート要求)の立ち上がりエッジに始まるユーザー
定義期間に特定アクションを開始するよう外部デバイス
に信号を送ることができます。さらに、周波数変換器が停
止している間にのみプリ潤滑が発生して、周波数変換器が
立ち上がりを開始する直前にプリ潤滑が完了するよう、ス
タート遅延(
1-71 スタート遅延
)を入力できます。ま
た、周波数変換器が運転状態にあるとき常に外部デバイス
が信号の受信を維持するか、モーターが停止した後に信号
が留まるよう、プリ潤滑を設定することも可能です
(
29-42 Post Lube Time
)。アプリケーション例には、モ
ーター/ポンプの機械部品あるいは排気ファンユニットを
潤滑するためのデバイスが含まれます。
潤滑デバイスの使用例として、スタート要求の立ち上がり
エッジでの潤滑の開始があげられます。一定期間、潤滑の
開始を遅らせて、遅延期間が終了したり、周波数変換器が
スタートしたりしたときに潤滑を停止します。
図 4.2
にプリ/ポスト潤滑機能の例を示します。この場
合、遅延は周波数変換器が既に立ち上がっている間に期限
切れになります。
表 4.1
の関連パラメーターをご参照く
ださい。
2 スタート・ コマンド(例、端子 18)
3 プリ潤滑出力信号
t
発行されるスタート・コマンド(例、端子 18 をアクティ
1
ブに設定)。スタート遅延タイマー (
延
) 及びプリ潤滑タイマー (
t
スタート遅延タイマーは終了します。周波数変換器は
2
立ち上がりを開始します。
t
プリ潤滑タイマー(
3
す。
図 4.2 プリ/ポスト潤滑機能の例
パラメーター
と名前
29-40 Pre/
Post Lube
Function
29-41 Pre
Lube Time
29-42 Post
Lube Time
表 4.1 プリ/ポスト潤滑パラメーター
詳細 設定 ユニ
プリ/ポスト潤滑機
能を選択します。モ
ーターが立ち上がり
を開始する前に、
1-71 スタート遅延
を使用して遅延を設
定して下さい。
スタート信号後の信
号の期間を入力しま
す。
Lube Function
[1] プリ潤滑
選択されている場合
にのみ使用します。
モーターが停止した
後の信号の期間を選
択します。
29-40 Pre/Post
Lube Functionで[3]
プリ & 運転中 &
ポスト
れている場合にのみ
使用します。
29-41 Pre Lube Time
29-40 Pre/Post
で
のみが
のみが選択さ
1-71 スタート遅
29-41 Pre Lube Time
[0]*無効
[1] プリ潤滑の
み
[2] プリ & 運
転中
[3] プリ & 運
転中 & ポスト
0-600 (*10) s
0-600 (*10) s
)。
)は終了しま
ット
-
MG20N640 Danfoss A/S © 09/2014 All rights reserved. 97
130BD766.10
N
MAX
N
MIN
0
0
1
1
0
1
0
1
2
3
4
t0 <t1 t2
T
T
T
T
アプリケーション例
VLT® AQUA Drive FC 202
4.2.5 29-5* 流量確認
流量確認機能は、外部イベントを待っている間にモータ
ー/ポンプが運転する必要があるアプリケーションのため
パラメーター
と名前
29-50 Valida
tion Time
に設計されています。流量確認モニターは、装置がオープ
ン位置にあってフローが可能であることを示しているゲ
ートバルブ、フロースイッチ、あるいは同様の外部装置上
のセンサーからディジタル入力信号を受け取ること想定
しています。
44
流量を確認するために外部装置から発信されるディジタ
29-50 Validation Time
で、ユーザーは、
29-51 Verifi
cation Time
ル入力信号を VLT® AQUA Drive FC 202 がどの位待つの
かを定義します。流量が確認された後、周波数変換器は、
流量検証時間の後、信号を再度チェックしてから、通常運
転を行います。LCP 状態は、流量モニターがアクティブに
なっている間、「流量の検証」を読み取ります。
表 4.2 流量確認パラメーター
詳細 設定 ユニッ
ト
検証時間の間、デ
ィジタル入力はア
クティブになって
いる必要がありま
す。
検証時間の最後
に、ディジタル入
力がまだアクティ
ブである場合、流
量は確認されま
す。
0.1–999.0
(*サイズに依存)
0.1–255.0
(*15)
s
s
流量妥当性確認時間又は流量検証時間が終了する前に、期
待されるディジタル入力信号が無効になった場合、「流量
未確認」警報によって周波数変換器はトリップします。
注記
ディスプレイ入力が流量確認に設定されている場合にの
み、パラメーターは LCP に表示されます。
4.2.6 水中ポンプ向けの高度な最低速度
監視
ポンプの中には低速での動作に対して非常に敏感なもの
があります。この理由は、低速において十分な冷却と潤滑
が得られないためです。
過負荷環境においては、周波数変換器は、速度の低下を含
む内蔵保護機能を用いて自分自身を保護します。例えば、
電流制限コントローラーは速度を低下できます。このこ
1 速度曲線
2 スタート・ コマンド(例、端子 18)
3 フローが可能であることを確認する外部装置からのデ
ィジタル信号。
4 流量検証
t
発行されるスタート・コマンド(例、端子 18 をアクティ
0
ブに設定)。
t
29-50 Validation Time
1
なる外部装置からのディジタル信号。
t
29-51 Verification Time
2
再度外部装置からの信号をチェックしてから、通常運転
を実施します。
が終了する前にアクティブに
が過ぎると、周波数変換器は
とは、場合によっては、速度が
[RPM]と4-12 モーター速度下限[Hz]
値よりも低くなる可能性があることを意味します。
高度な最低速度監視機能は、次の値よりも速度が低下した
場合に、周波数変換器をトリップします。ポンプのモータ
ーが
1-79 トリップ までのコンプレッサ 開始最大時間
た時間内に
1-86 トリップ速度ロー [RPM]
速度に到達しない場合(立ち上がりに時間がかかりすぎ
る)、周波数変換器はトリップします。スタート・ コマン
ドが発せられたとき、
1-71 スタート遅延と1-79 トリップ
までのコンプレッサ 開始最大時間
ートします。例えば、このことは、
の値が
1-79 トリップ までのコンプレッサ 開始最大時間
大きいか、あるいは等しい場合、周波数変換器はけっして
スタートしないことを意味します。
4-11 モーター速度下限
で指定されている
で指定され
で指定された
向けのタイマーは同時にスタ
1-71 スタート遅延
の値より
図 4.3 流量確認
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