
PM5D アップグレードガイド
このガイドでは、PM5D の各種ファームウェアを最新にアップデートする手順を説明します。
■ 必ずお読みください
・ アップデート作業は、お客様ご自身の責任において行なっていただきます。
・ アップデートを実行する前に、大切なデータはバックアップしておくことをおすすめします。
・ アップデートを実行する際は、リアパネルの HA REMOTE 端子に接続されているケーブルを必ず外してお
いてください。特に PM5D-RH をお使いの場合は、内蔵ヘッドアンプが操作できなくなることがあります。この
症状が発生した場合は、「内部 CPU ファームウェアのアップデート」の手順4の NOTE に従ってアップデート
し直すことで修復できます。
・ DSP5D とカスケード接続している場合は、PM5D をアップデートすると DSP5D のアップデートも必要になる
場合があります。互換性のある DSP5D のバージョンを確認した上で、アップデート作業を行なってください。
互換性のないバージョンの PM5D と DSP5D がカスケード接続されたシステムでは、「PM5D Unsupported
Firmware Version.」とエラーメッセージが表示されます。
・ アップデート作業中に PM5D の電源を切ったり、メモリーカードを抜いたり、このガイドに記載された手順と
異なった操作をしたりすると、PM5D が故障する場合がありますのでご注意ください。
・ アップデート作業に失敗し、もう一度アップデート作業を実行しても PM5D が正しく動作しない場合は、ヤマ
ハ電気音響製品サービス拠点にお問い合わせください。
・ このガイドの著作権は、すべてヤマハ株式会社が所有します。
・ このガイドの一部、または全部を無断で複製、改変することはできません。
■ 動作環境
アップデート作業には、次のシステム構成が必要です。
・ メモリーカード × 1 枚
(PCMCIA Type II に準拠した PC フラッシュ ATA カード、または PC カードアダプターに装着したコンパクトフ
ラッシュ)
・ PCMCIA Type II カードスロットを持つ機器
(ダウンロードしたファイルをメモリーカードにコピーする環境)
PM5D アップグレードガイド 1

■ アップデートの準備
1. メモリーカードとそれを読み書きする環境(PCMCIA Type II スロットがあるノート型コンピューターなど)を準
備します。
2. ファームウェアを V1 から V2 にアップデートする場合は、あらかじめエフェクトライブラリーNo.55 に保存し
ているライブラリーデータを別のライブラリー番号に移動させます。
ファームウェア V2 では No.55 が読み出し専用の De-Esser に変更されますので、V1 で保存した No.55 の
ライブラリーデータは消去されます。
3. PM5D の内部データをメモリーカードにバックアップとして保存しておくことをおすすめします。
通常の SAVE/LOAD 機能を使って、ALL DATA として保存します。
4. ファームウェア V1 で Add-On Effects パッケージを既にインストールしてお使いで V2 にアップデートする
場合は、ライセンスをデオーソライズします。
ファームウェア V2 では、Add-On Effects(COMP276/276S、COMP260/260S、EQ601、OPEN DECK)が標
準で搭載されています。デオーソライズしたライセンスは、別の対応コンソールでご使用いただけます。デ
オーソライズの手順については、Add-On Effects インストールガイドをご参照ください。
5. 最新のファームウェアをヤマハ プロオーディオウェブサイトからダウンロードします。
http://proaudio.yamaha.co.jp/
6. FAT16 でフォーマット済みのメモリーカードをコンピューターなどのスロットに挿入します。
フォーマット方法については、コンピューターやカードの説明書をご参照ください。
7. ダウンロードしたファイルを解凍し、「V***_UpdateCard」フォルダー(***はバージョン番号)以下にあるす
べてのファイルとフォルダーをメモリーカードのルートディレクトリーにコピーします。
8. コピーが完了したら、メモリーカードを取り出します。
カードの取り外し方法については、コンピューターやカードの説明書をご参照ください。
■ LCD 画面ファームウェアのアップデート
1. PM5D 本体の電源を切っておきます。
2. メモリーカードを PM5D の MEMORY CARD スロットに挿入し、PM5D の電源を入れます。
通常のオープニング画面ではなく、アップデートのポップアップウィンドウが表示されます。
PM5D アップグレードガイド 2

3. COPY ボタンをクリックすると、ファームウェアのアップデートが開始されます。
進捗状況がプログレスバーに表示されます。
4. プログレスバーが 100%になり、「Take Out Card & Re-start」のメッセージが表示されたら、メモリーカード
を取り出し、PM5D の電源を入れ直します。
■ 内部 CPU ファームウェアのアップデート
1. 上記 LCD 画面のアップデートが完了後、メモリーカードを取り出して PM5D の電源を入れ直すと、通常の
オープニング画面のあとに、UPLOAD MENU 画面が表示されます。
左側には現在の PM5D の各 CPU ファームウェアのバージョンが表示され、右側にはメモリーカードから転
送された各ファームウェアのバージョンが表示されます。
左右のバージョンが異なっている場合は、該当する UPLOADER SELECT ボタンが自動的にオンになりま
す。ただし、PM5D-RH で MAIN や LCD のアップデートが必要な場合は、AD IN/STIN のバージョンが表示さ
れないので UPLOADER SELECT ボタンがオンになりません。この場合は、MAIN や LCD をアップデートし
たあとで、AD IN/STIN のアップデートを行なってください。
2. 中央下部の UPLOAD ボタンをクリックすると、各 CPU のアップデートが開始されます。
進捗状況がプログレスバーに表示されます。
3. プログレスバーが 100%になり、「Please Re-start!」のメッセージが表示されたら、PM5D の電源を入れ直し
ます。
PM5D-RH で AD IN/STIN のアップデートが必要な場合以外は、これで各 CPU のアップデートは完了です。
PM5D アップグレードガイド 3

4. 電源を入れ直したあと、もう一度 UPLOAD MENU 画面が表示されたら、UPLOADER SELECT ボタンがオン
になっている残りの CPU を上記の手順 2.~3.にしたがってアップデートします。
NOTE:
PM5D-RH をお使いで AD IN/STIN のバージョンが表示されない場合は、以下の手順にしたがって、ファームウェ
アを消去してから、もう一度 AD IN/STIN をアップデートしてください。
1. [RECALL]ボタンと[SHIFT]ボタンを押しながら電源を入れて、UPLOAD MENU 画面を表示させます。
2. CURRENT FIRMWARE の AD IN/STIN の左にある SEL ボタンですべての AD IN/STIN を選択し、ERASE ボ
タンをクリックします。
3. OK ボタンをクリックして、消去を実行します。
消去を実行すると、すべての AD IN/STIN のファームウェアが消去されます。
4. 消去完了後に電源を切り、[RECALL]ボタンと[SHIFT]ボタンを押しながら電源を入れ直して、もう一度
UPLOAD MENU 画面を表示させます。
AD IN/STIN のファームウェアが消去されていると、トップパネルの AD IN セクションのすべての+48V LED が
点灯/消灯を繰り返します。
5. UPLOAD MENU 画面で、すべての AD IN/STIN の UPLOADER SELECT ボタンをオンにし、UPLOAD ボタンを
クリックします。
選択された AD IN/STIN のアップデートが開始され、進捗状況がプログレスバーに表示されます。このとき、
AD IN/STIN 欄は CURRENT FIRMWARE/UPLOADER の両方で空欄になりますが、アップデートは正常に実
行できます。アップデートが完了するまで電源は切らないでください。
6. プログレスバーが 100%になり、「Please Re-start!」のメッセージが表示されたら、PM5D の電源を入れ直し
ます。
7. UTILITY ファンクションの PREFERENCE 2 画面で、AD IN/STIN のバージョンがすべて表示されていることを
確認します。
■ 内蔵メモリーの初期化
1. 上記 CPU のアップデートが完了後、PM5D の電源を入れ直すと、通常のオープニング画面に続いて、
INITIALIZE MENU 画面が表示されます。
INITIALIZE MENU 画面が表示されない場合は、SCENE MEMORY [STORE]キーを押しながら、電源を入れ
直してください。
2. INITIALIZE ALL MEMORIES ボタンをクリックして、メモリー初期化を実行します。
3. メモリー初期化が完了したら、電源を入れ直します(または CANCEL ボタンをクリックします)。
■ フェーダーのキャリブレーション
1. SUB の CPU がアップデートされた場合や、フェーダーのキャリブレーションに問題がある場合は、FADER
CALIBRATION 画面が表示されます。
問題が検出されたフェーダーは、ボタンがオン(緑色)になっていて、あらかじめチェックマークも付いてい
PM5D アップグレードガイド 4

ます。
2. 1 つでも緑色のチェックマークの付いたフェーダーがある場合は、START CALIBRATION ボタンをクリック
して、キャリブレーションを実行します。
キャリブレーション手順について詳細は、取扱説明書をご参照ください。
3. キャリブレーションが終了して、緑色のチェックマークの付いたフェーダーがなくなったら、OK ボタンをクリ
ックします。
4. CALIBRATION MENU 画面が表示されたら、電源を切ります。
以上でアップデート作業はすべて終了しました。
必要なデータをバックアップしてある場合は、SAVE/LOAD 機能を使ってデータをロードしてください。
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