
東芝BiCD集積回路 シリコン モノリシック
TB6612FNG
Dual DCモータドライバ
TB6612FNG は、出力ドライブトランジスタに低 ON 抵抗の
LDMOS 素子を採用した Dual DC モータドライバ IC です。
IN1、IN2 の 2 つの入力信号により、正転 / 逆転/
ショートブレーキ / ストップの 4 モードを選択できます。
特長
• 電源電圧 ; VM = 15 V(Max)
• 出力電流 ; I
• 出力低 ON 抵抗; 0.5 Ω (上+下 Typ.値 @ V
• スタンバイ(Power save)機能
• 正転/逆転 / ショートブレーキ / ストップ制御機能
• 熱遮断(TSD)回路および、低電圧検出回路を内蔵
• 小型面実装パッケージ(SSOP24: 0.65mm Lead pitch)を採用
• Pb フリー実装に対応
※本製品は、MOS 構造の素子を搭載しており静電気に対し非常にデリケートであるため、
お取り扱いに際しては、アースバンドや導電マットの使用、イオナイザー等による静電気の除去
および、温湿度管理等の静電対策に充分ご配慮願います。
= 1.2 A(ave)/3.2 A (peak)
OUT
≧ 5 V)
M
本製品は、鉛フリー製品です。
はんだ付け性については、以下の条件で確認しております。
はんだ槽 Sn-37Pb の場合
はんだ温度 230°C、浸漬時間 5 秒間 1 回、R タイプフラックス使用
はんだ槽 Sn-3.0Ag-0.5Cu の場合
はんだ温度 245°C、浸漬時間 5 秒間 1 回、R タイプフラックス使用
質量: 0.14 g (標準)
TB6612FNG
1
2008-05-09

ブロック図
端子配置、説明
Vcc GNDSTBYAIN1AIN2PWMA BIN1 BIN2 PWMBVM1 VM3 VM2
1820 14313
24 22 2123
19
151617
STB
Control Logic
A
UVLO
Control Logic
B
TSD
H-SW
A
1 2 64 5
7 8 9 11 1210
H-SW
B
AO1 AO2PGND1AO1 AO2PGND1 BO1BO2 PGND2 BO1BO2 PGND2
TB6612FNG
端子
番号
10 PGND2
11 B O 1
12 BO1
13 VM2
14 VM3
15 PWMB I chB PWM 入力 / 200 kΩ pull-down at internal
16 BIN2 I chB 入力 2 / 200 kΩ pull-down at internal
17 BIN1 I chB 入力 1 / 200 kΩ pull-down at internal
18 GND ⎯ 小信号 GND
19 STBY I “L”=standby / 200 kΩ pull-down at internal
20 Vcc ⎯ 小信号電源
21 AIN1 I chA 入力 1 / 200 kΩ pull-down at internal
22 AIN2 I chA 入力 2 / 200 kΩ pull-down at internal
23 PWMA I chA PWM 入力 / 200 kΩ pull-down at internal
24 VM1 ⎯ Motor 電源(2.5 V~13.5 V)
端子記号 I/O 端子説明
1 AO1
2 AO1
3 PGND1
4 PGND1
5 AO2
6 AO2
7 BO2
8 BO2
9 PGND2
O chA 出力 1
⎯ Power GND 1
O chA 出力 2
O chB 出力 2
⎯ Power GND 2
O chB 出力 1
⎯ Motor 電源(2.5 V~13.5 V)
2
2008-05-09

絶対最大定格 (Ta = 25℃)
TB6612FNG
項目 記号 定格 単位 備考
電源電圧
入力電圧 VIN -0.2~6 V IN1,IN2,STBY,PWM 端子
出力電圧 V
出力電流
許容損失 PD
動作温度 T
保存温度 T
VM 15
6 V
V
CC
15 V O1,O2 端子
OUT
I
1.2 1ch 当り
OUT
I
(peak)
OUT
-20~85 ℃
opr
-55~150 ℃
stg
2 tw = 20 ms 連続パルス、Duty ≦ 20%
3.2
0.78 IC 単体
0.89 50 mm×50 mm t=1.6 mm Cu 箔 ≧ 40%PCB 実装時
1.36
A
tw = 10 ms 単発パルス
W
76.2 mm×114.3 mm t=1.6 mm Cu 箔 ≧ 30% PCB 実装時
許容動作範囲 (Ta = -20~85℃)
項目 記号 最小 標準 最大 単位 備考
電源電圧
出力電流(H-SW) I
スイッチング周波数 f
入力端子; IN1,IN2,PWM,STBY
Input
VCC 2.7 3 5.5 V
2.5 5 13.5 V
V
M
⎯ ⎯ 1.0 V
OUT
PWM
⎯ ⎯ 0.4
⎯ ⎯ 100 kHz
出力端子; O1,O2
Vcc
Internal
200kΩ
circuit
GND
A
≧ 4.5V
M
4.5V > V
(PWM 駆動以外)
≧ 2.5V
M
VM
O1 O2
PGND
3
2008-05-09

H-SW制御ファンクション
入力 出力
IN1 IN2 PWM STBY OUT1 OUT2 モード
H H H/L H L L ショートブレーキ
TB6612FNG
L H
H L
L L H H
H/L H/L H/L L
H H L H CCW
L H L L ショートブレーキ
H H H L CW
L H L L ショートブレーキ
OFF
(ハイインピーダンス)
OFF
(ハイインピーダンス)
ストップ
スタンバイ
H-SW動作説明
・貫通電流防止のため、各モード切替わり時にデッドタイム t2,t4 を設けています。
OUT1
M
<ON>
t1
OUT1
OUT1
Voltage wave
VM VM
t1
OUT1
VM
OUT2
GND
t2
M
<OFF>
t2
OUT1
t3
t4
OUT2
GND
M
<OFF>
t4
OUT2
GND
M
<ON>
t5
t5
OUT1
VM
OUT2
GND
M
<Short brake>
t3
VM
GND
VM
OUT2
GND
4
2008-05-09

TB6612FNG
電気的特性 (特に指定無き場合、Ta = 25°C,V
項目 記号 測定条件 最小 標準 最大 単位
ICC(3V) STBY = V
電源電流
制御入力電圧
制御入力電流
スタンバイ入力電圧
スタンバイ入力電流
出力飽和電圧
出力リーク電流
回生ダイオード VF
低電圧検出電圧 UVLD
復帰電圧 UVLC
応答速度
遮断検出温度 TSD
復帰ヒス温度 △TSD
ICC(5.5V) STBY = V
I
CC(STB)
I
M(STB)
VIH V
V
IL
IIH V
I
V
IL
V
IH(STB)
V
IL(STB)
I
IH(STB)
I
IL(STB)
V
sat(U+L)1
V
sat(U+L)2
I
) VM = V
L(U
I
L(L)
V
F(U)
V
F(L)
tr
tf
Dead
time
H to L
L to H
STBY = 0V
V
V
V
IO = 1 A,V
IO = 0.3 A,V
V
I
F
(設計目標値)
(設計目標値)
⎯
(設計目標値)
CC
CC
= 3V 5 15 25
IN
= 0V
IN
= 3V 5 15 25
IN
= 0V
IN
CC
OUT
= 15 V, V
M
= 1 A
3V, VM = 5V)
=
CC
= 3V, VM = 5V ⎯ 1.1 1.8
= 5.5V, VM = 5V ⎯ 1.5 2.2
= VM = 5 V
= VM = 5 V
CC
= 15 V
= 0 V
OUT
⎯ ⎯
⎯ ⎯
×0.7 ⎯ VCC+0.2
CC
-0.2 ⎯ VCC×0.3
⎯ ⎯
×0.7 ⎯ VCC+0.2
CC
-0.2 ⎯ VCC×0.3
⎯ ⎯
⎯
0.5 0.7
0.15 0.21
⎯ ⎯
-1
⎯
⎯
⎯
⎯
⎯
⎯
⎯ ⎯
1 1.1
1 1.1
1.9
2.2
24
41
1
1
1
1
1
⎯
⎯
⎯
⎯
⎯ ⎯ ⎯
⎯ ⎯ ⎯
⎯
⎯
175
20
⎯
⎯
mA
μA
V
μA
V
μA
V
μA
V
V
ns
℃
5
2008-05-09

目標特性
(w)
1.50
③
D
1.00
②
①
許容損失 P
0.50
0.00
0 50 100 150
PD - Ta
PD - Ta
① IC 単体 θj – a = 160℃/W
①IC単体θj-a=160℃/W
②基板実装時
② 基板実装時
PCB面積 50×50×1.6mm
PCB 面積 50 mm×50 mm×1.6 mm
Cu箔面積≧40%
Cu箔面積 ≥ 40%
③基板実装時
③ 基板実装時
PCB面積 76.2×114.3×1.6mm
PCB 面積 76.2 mm×114.3 mm×1.6 mm
Cu箔面積≧30%
Cu 箔面積 ≥ 30%
Ta (℃)
TB6612FNG
Iout - Duty
I
- Duty
(A)
2.5
2.0
OUT
1.5
1.0
出力電流 I
0.5
0.0
0% 20% 40% 60% 80% 100%
OUT
1ch動作時
2ch動作時
Ta=25℃,IC単体
Duty
6
2008-05-09

応用回路例
+2.7V
~5.5V
0.1uF
TB6612FNG
Vcc
C4
C3
10uF
MCU
STBY
AIN1
AIN2
PWMA
BIN1
BIN2
PWMB
GND
20
19
21
22
23
17
16
15
18
注: ノイズ吸収用コンデンサ C1,C2,C3,C4 は、できるだけ IC 端子の近くに接続してください。
UVLO
STBY
Control
Logic
A
Control
Logic
B
TSD
H-SW
Driver
A
H-SW
Driver
B
24
1
2
5
6
3
4
13
14
11
12
7
8
9
10
VM1
AO1
AO1
AO2
AO2
PGND1
PGND1
VM2
VM3
BO1
BO1
BO2
BO2
PGND2
PGND2
0.1uF
M
M
C2
C1
10uF
+4.5V
~13.5V
7
2008-05-09

外形図
TB6612FNG
質量: 0.14 g (標準)
8
2008-05-09

記載内容の留意点
1. ブロック図
ブロック図内の機能ブロック/回路/定数などは、機能を説明するため、一部省略・簡略化している場合があります。
2. 等価回路
等価回路は、回路を説明するため、一部省略・簡略化している場合があります。
3. タイミングチャート
タイミングチャートは機能・動作を説明するため、単純化している場合があります。
4. 応用回路例
応用回路例は、参考例であり、量産設計に際しては、十分な評価を行ってください。
また、工業所有権の使用の許諾を行うものではありません。
5. 測定回路図
測定回路内の部品は、特性確認のために使用しているものであり、応用機器の誤動作や故障が発生しないことを
保証するものではありません。
使用上のご注意およびお願い事項
TB6612FNG
使用上の注意事項
絶対最大定格は複数の定格の、どの一つの値も瞬時たりとも超えてはならない規格です。
複数の定格のいずれに対しても超えることができません。
絶対最大定格を超えると破壊、損傷および劣化の原因となり、破裂・燃焼による傷害を負うことがあります。
過電流の発生や IC の故障の場合に大電流が流れ続けないように、適切な電源ヒューズを使用してください。IC
は絶対最大定格を超えた使い方、誤った配線、および配線や負荷から誘起される異常パルスノイズなどが原因で
破壊することがあり、この結果、IC に大電流が流れ続けることで、発煙・発火に至ることがあります。破壊におけ
る大電流の流出入を想定し、影響を最小限にするため、ヒューズの容量や溶断時間、挿入回路位置などの適切な設
定が必要となります。
モータの駆動など、コイルのような誘導性負荷がある場合、ON 時の突入電流や OFF 時の逆起電力による負極性
の電流に起因するデバイスの誤動作あるいは破壊を防止するための保護回路を接続してください。IC が破壊し
た場合、傷害を負ったり発煙・発火に至ることがあります。
保護機能が内蔵されている IC には、安定した電源を使用してください。電源が不安定な場合、保護機能が動作せ
ず、IC が破壊することがあります。IC の破壊により、傷害を負ったり発煙・発火に至ることがあります。
デバイスの逆差し、差し違い、または電源のプラスとマイナスの逆接続はしないでください。電流や消費電力が絶
対最大定格を超え、破壊、損傷および劣化の原因になるだけでなく、破裂・燃焼により傷害を負うことがあります。
なお、逆差しおよび差し違いのままで通電したデバイスは使用しないでください。
9
2008-05-09

TB6612FNG
使用上の留意点
熱遮断回路
放熱設計
逆起電力
熱遮断回路 (通常: サーマルシャットダウン回路) は、どのような場合でも IC を保護するわけではありま
せん。動作後は、速やかに発熱状態を解除するようお願いします。
絶対最大定格を超えて使用した場合など、ご使用法や状況により、熱遮断回路が正常に動作しなかったり、
動作する前に IC が破壊したりすることがあります。
パワーアンプ、レギュレータ、ドライバなどの、大電流が流出入する IC の使用に際しては、適切な放熱を行
い、規定接合温度 (Tj) 以下になるように設計してください。これらの IC は通常使用時においても、自己発
熱をします。IC 放熱設計が不十分な場合、IC の寿命の低下・特性劣化・破壊が発生することがあります。
また、IC の発熱に伴い、周辺に使用されている部品への影響も考慮して設計してください。
モータを逆転やストップ、急減速を行った場合に、モータの逆起電力の影響でモータからモータ側電源へ電
流が流れ込みますので、電源の Sink 能力が小さい場合、IC のモータ側電源端子、出力端子が定格以上に上昇
する恐れがあります。
逆起電力によりモータ側電源端子、出力端子が定格電圧を超えないように設計してください。
10
2008-05-09

TB6612FNG
当社半導体製品取り扱い上のお願い
060919TBA_R6
• 当社は品質、信頼性の向上に努めておりますが、一般に半導体製品は誤作動したり故障することがあります。当社
半導体製品をご使用いただく場合は、半導体製品の誤作動や故障により、生命・身体・財産が侵害されることのない
ように、購入者側の責任において、機器の安全設計を行うことをお願いします。
なお、設計に際しては、最新の製品仕様をご確認の上、製品保証範囲内でご使用いただくと共に、考慮されるべき注
意事項や条件について「東芝半導体製品の取り扱い上のご注意とお願い」、「半導体信頼性ハンドブック」などでご
確認ください。
021023_A
• 本資料に掲載されている製品は、一般的電子機器 (コンピュータ、パーソナル機器、事務機器、計測機器、産業用ロ
ボット、家電機器など) に使用されることを意図しています。特別に高い品質・信頼性が要求され、その故障や誤作
動が直接人命を脅かしたり人体に危害を及ぼす恐れのある機器 (原子力制御機器、航空宇宙機器、輸送機器、交通信
号機器、燃焼制御、医療機器、各種安全装置など) にこれらの製品を使用すること (以下 “特定用途” という) は意
図もされていませんし、また保証もされていません。本資料に掲載されている製品を当該特定用途に使用すること
は、お客様の責任でなされることとなります。
021023_B
• 本資料に掲載されている製品を、国内外の法令、規則及び命令により製造、使用、販売を禁止されている応用製品に
使用することはできません。
060106_Q
• 本資料に掲載してある技術情報は、製品の代表的動作・応用を説明するためのもので、その使用に際して当社及び
第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません。 021023_C
• 本製品のご使用に際しては、特定の物質の含有・使用を規制する RoHS 指令などの法令を十分調査の上、かかる法
令に適合するようご使用ください。
お客様が適用される法令を遵守しないことにより生じた損害に関して、当社は一切の責任を負いかねます。
060919_AF
• 本資料に掲載されている製品は、外国為替及び外国貿易法により、輸出または海外への提供が規制されているもの
です。
021023_E
• 本資料の掲載内容は、技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります。
021023_D
11
2008-05-09