TB6569FG 使用上の注意点
TB6569FG 使用上の注意点
TB6569FG は、出力トランジスタに MOS 構造を採用した DC モータ駆動用フルブリッジドライバICになります。
低 ON 抵抗の MOSプロセス、およびPWM駆動方式の採用により高熱効率駆動が可能になります。
また、IN1, IN2 の 2 つの入力信号により、正転/逆転/ショートブレーキ/ストップの 4モードを選択できます。
1. 電源電圧
(1) 電源電圧の動作範囲
絶対最大定格は 50 V ですが、動作電源電圧は 10 V~45 V の範囲内にてご使用ください。
(2) 電源投入 /遮断方法
単一電源 VM であり、低下電圧検出回路が内蔵されているため、特に電源投入や遮断のための手順はありま
せんが、電源が不安定な状態でモータを動作させると異常な動作の原因になりますので、入力 IN1 = Low, IN2 =
Low の状態で電源 VM が安定な状態に立ち上がってから入力を切り替えてモータを動作することを推奨いたし
ます。
また、同様にモータが停止してから、電源を遮断することを推奨いたします。
2. 出力電流
VM = 36 V 以下では、 OUT1, OUT2 の絶対最大定格出力電流は 4.5 A 以内で使用し、 VM = 36 V 超では OUT1,
OUT2 の対最大定格出力電流は 4.0 A 以内でご使用ください
また、使用条件 (周囲温度や放熱板の有無や実装基盤方法等) によって、使用可能な平均出力電流は増減します。
T
= 150°C を超えない範囲内で絶対最大定格出力電流 4.0 A、または 4.5 A以下の平均出力電流をご使用ください。
j
3. 制御入力
電源 VM が OFF の状態でIN1, IN2, PWM, VREF に入力されても、電源 VM に回り込むことはないので、IC が
動作するようなご心配はありません。
TSD, ISD の解除には IN1 = Low, IN2 = Low 状態を 1 μs 以上は入力するようにしてください。
1
2010-06-03
TB6569FG 使用上の注意点
4. PWM 周波数
PWM 端子に PWM 信号を入力することにより速度制御が可能になります。
(PWM 端子を使用せずに、 IN1, IN2 端子に PWM 信号を入力して PWM動作することもできます。 )
PWM 制御時は、通常動作とショートブレーキの繰り返しとなります。
出力回路での上下パワートランジスタの同時 ONによる貫通電流を防止するために上下のパワートランジスタの
ON ↔ OFF が切り替わるタイミングにおいてデットタイムを IC 内部にて生成しています。
このため、外部入力によりOFF タイムを挿入することなく、同期整流方式による PWM 制御が可能となります。
また、PWM 周波数は 100 kHz 以下を動作範囲として記載しておりますが、動作範囲内でも実際は以下のスイッ
チング特性のように入力に対して出力は歪みます。
入力に対して出力が歪むことや DUTY がずれることを考慮して使用する分には 100 kHz 以上の周波数も対応可
能になります。
なお、以下のスイッチング特性は標準値なので、電源電圧、温度、IC のバラツキで変動しますので、十分マージ
ンを持ってご使用ください。
スイッチング特性
PWM 入力
(IN1, IN2)
t
pLH
t
pHL
出力電圧
(OUT1, OUT2)
10%
90%
50%
t
r
90%
50%
10%
t
f
VM = 24 V Ta = 25°C
項目 値 単位
t
650 (標準)
pLH
t
450 (標準)
pHL
tr 90 (標準)
tf 130 (標準)
ns
2
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5. 応用回路例
TB6569FG 使用上の注意点
R4
LERT
(6)
IN1
IN2
PWM
ヒューズ
(4)
VM
5 V regulator
UVLO
Control
VSD
TSD
Predriver
ISD detection
ISD detection
ISD
(1)
C2
ISD detection
C1
ISD detection
OUT1
R1
C3
OUT2
(2)
Motor
OSC
1/10
VREF
(8)
SGND
OSC
C4
(1) 電源端子用コンデンサ
VM と GND 間にコンデンサを、できるだけ IC の近くに接続してください。
推奨値
項目 記号 推奨値 備考
VM – GND 間
(2) 出力間コンデンサ、抵抗
モータのブラシノイズ除去する場合は接続ください。その場合、コンデンサC3 が充電されていない状態では
通電時、瞬間的に出力短絡モードとなりますので、抵抗 R1 により電流を制限してください。
(3) VM, OUT1, OUT2, RSGND 配線
モータにより大電流が流れますので、配線パターンを十分確保してください。特にRSGND, SGND は配線イ
ンピーダンスの影響を受けないようには十分大きく配線領域を確保して接続し GND と接続してください。
Level Time
VISD
R4
(7)
C1 10 μF~100 μF 電解コンデンサ
C2 0.1 μF~1 μF セラミックコンデンサ
TISD
R3
0.4 V (標準)
RSGND
R2
(8)
3
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(4) ヒューズ
過電流の発生や IC の故障の場合に大電流が流れ続けないように、適切な電源ヒューズを使用してください。
IC は絶対最大定格を超えた使い方、誤った配線、および配線や負荷から誘起される異常パルスノイズなどが
原因で破壊することがあり、この結果、IC に大電流が流れ続けることで、発煙・発火に至ることがあります。
破壊における大電流の流出入を想定し、影響を最小限にするため、ヒューズの容量や溶断時間、挿入回路位置
などの適切な設定が必要となります。
過電流検出回路 (ISD) が内蔵されていますが、どのような場合でも IC を保護するわけではありません。動
作後は、速やかに過電流状態を解除するようお願いします。絶対最大定格を超えた場合など、ご使用方法や状
況により、過電流制限回路が正常に動作しなかったり、動作する前に IC が破壊したりすることがあります。ま
た、動作後、長時間過電流が流れ続けた場合、ご使用方法や状況によっては、IC が発熱などにより破壊するこ
とがあります。
過電流状態が継続した場合に 2 次破壊が懸念されることと、過電流検出回路は不感帯をもつこと等から、出
力負荷条件により必ずしも動作をしないことも懸念されることから、万が一の事を考慮し、弊社仕様書上も注
意事項として、必ずしも動作をしない旨の記載をさせていただいております。
例えば、出力電流の絶対最大定格と ISD の検出回路の作動電圧の下限に掛からない電流が流れ続けた場合、
出力段の DMOS が劣化します。同様に、一度でも、絶対最大定格を超える電流が出力段の DMOS に流れた場
合、素子が劣化します。そのため、1 回目の ISD の検出動作では IC の破壊にいたらないものの、2 回、3 回と
ISD の検出動作が繰り返された場合、回数を重ねるごとに DMOS は劣化していき、IC が破壊する懸念があり
ます。
弊社では 2 次破壊への対応としても、電源へのヒューズの使用をお願いしております。
(5) FIN (フィン )
フィンは放熱の役割があるので、熱設計を考慮してパターン設計をしてください。
(フィンはチップ裏面と電気的に接続されているので、絶縁または GND に接続してください。 )
(6) ALERT 端子
オープンドレイン出力になりますので、抵抗を外部電源にてプルアップ接続して High を出力します。
Low は 通常動作時で High (ハイインピーダンス ) は異常時 (UVLO, TSD, VSD, ISD 動作時 ) になります。
プルアップ抵抗は 10 kΩ~100 kΩ を推奨します。
(7) VISD 端子、 TSID 端子の抵抗設定
4 個の各出力パワートランジスタに流れる電流に各検出機能を内蔵しております。
VISD 端子の抵抗の設定により検出電流値は設定可能であり、1 つでも検出設定時間 (マスク時間) を超える
と、すべての出力を OFF ( ハイインピーダンス: Hi-Z) します。
検出設定時間 (マスク時間) は TISD 端子の外付け抵抗により設定できます。
IN1 端子: L, IN2 端子: L にすることで解除して通常動作に復帰可能となります。
下記に VISD 端子の外付け抵抗値-ISD 検出電流値、TISD 端子の外付け抵抗値-ISD マスク時間のグラフを参
考に示します。
TISD 端子のマスク時間の設定はノイズ等で誤動作しない以上、過電流検出時に IC が破壊しない以下の間に
設定してください。
VISD 端子、TISD 端子ともに 5 k Ω未満の抵抗値は設定をしないでください。しかし過電流検出機能を使用
しない設定にする場合は TISD 端子を GND に接続してください。
TB6569FG 使用上の注意点
4
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TB6569FG 使用上の注意点
VISD 端子の外付け抵抗値 – ISD 検出電流値の関係
(参考値 )
15.0
14.0
13.0
12.0
11.0
10.0
9.0
8.0
7.0
6.0
5.0
出力電流検出値(A)
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
0 1 02 03 04 05 0
VISD抵抗値(kΩ)
PchTyp
PchMin
PchMax
NchTyp
NchMin
NchMa
注: 出力はNchDMOS と Pch DMOS のコンプリメンタリ構成されており、ISD の検出電流値は多少の違いが
あります。
(8) RSGND 端子、VREF 端子の定電流 PWM 制御設定
定電流 PWM 制御の設定は VREF 端子に電圧を入力することにより、定電流動作におけるピーク電流値を決
定します。ピーク電流値は、以下式により決定されます。
TISD 端子の外付け抵抗値 – ISD マスク時間の関係
(参考値 )
14
13
12
11
10
9
8
7
6
マスク時間 (us)
5
4
3
2
1
0
0 1 02 03 04 05 0
TISD抵抗値(kΩ)
Min.
Typ.
Max.
I
= VREF/R2 × 1/10 [A] 例 : R2 = 0.2 Ω , VREF = 2 V 時 IO = 1 A
O
また、定電流 PWM の周波数は OSC 端子のコンデンサで設定することが可能であり、発振周波数は以下の式
で近似されます。
fosc [Hz] (標準 ) = 0.42/ (Cosc [F] × 10
3
) 例 : C4; Cosc = 1800 pF 時 fosc = 233 kHz
OSC 周波数は 500 kHz 以内にしてください。 OSC 周波数を高く設定すると出力の PWM 時のスイッチング
ロスが増えます。OSC 周波数を低く設定すると PWM 周波数で可聴領域に入るようなことがありますので、注
意してご使用ください。
周波数は電源電圧、温度、IC のバラツキで変動しますので、十分マージンを持ってご使用ください
また、RSGND 端子は検出抵抗接続時の過電圧防止のため、0.4 V (標準) 以上の電圧で出力 OFF (ハイインピ
ーダンス: Hi-Z) し、ISD と同様の制御となります。ALERT 端子も High になり、IN1 端子: L, IN2 端子: L に
することで解除して通常動作に復帰可能となります。
RSGND 端子の検出抵抗は 0.1 Ω以上を使用することを推奨します。
また、検出抵抗に発生した電圧はSGND 端子基準の電圧と比較しますので、検出抵抗はRSGND 端子とSGND
端子の近くに配線インピーダンス影響を受けないように設置してください。
定電流 PWM 制御をしない場合は RSGND 端子に抵抗 R2 は接続せずに SGND とショートしてご使用くださ
い。
RSGND 端子と SGND 間に配線インピーダンスを持つと検出抵抗と同じような働きをして定電流 PWM 動作
するようなことになりますので、配線インピーダンスを持たないように配線パターンを十分確保してください。
5
2010-06-03
TB6569FG 使用上の注意点
定電流 PWM 動作時の出力電流 – VREF 電圧、出力デューティ ON 時間 – VREF 電圧のグラフと動作波形
を下記に参考に示します。
ノイズによる誤動作防止のため、2 μs 程度の出力デューティ ON 時間を初期値で持ちます。そのため、出力
電流はオフセットを持つことになりますので、注意してご使用ください。出力電流のオフセット量は負荷によ
って変わり、下記の負荷条件 (抵抗と L 負荷 5 Ω + 2 mH) の場合 0.5 A 程度になります。
2.5
2
1.5
1
出力電流[A]
0.5
0
0 0.5 1 1.5 2 2 .5 3 3.5 4 4.5
OUT1
OSC
RSGND
OUT1→ OUT2 間の出力電流
出力電流[A]-VREF[V] (参考)
VREF[V]
16
14
12
10
8
6
4
出力デュー ティ ON時間[ u s]
2
0
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5
出力デ ュー ティO N時 間 [us]-VREF[V] (参考)
VREF[V]
OUT1
OSC
RSGND
OUT1→ OUT2 間の出力電流
VREF = 0 V 時の参考波形 VREF = 2.0 V 時の参考波形
条件 : VM = 24 V, OSC = 1800 pF, RSGND; 0.2 Ω , IN1 = H, IN2 = L, VREF = 任意 , 負荷 ; 5 Ω + 2 mH
6
2010-06-03
定電流 PWM 機能を使用する場合の応用回路例
ヒューズ
TB6569FG 使用上の注意点
20 kΩ
LERT
VM
IN1
IN2
PWM
VREF
SGND
OSC
1800 pF
VISD
10 kΩ
TISD
定電流 PWM 機能を使用しない場合の応用回路例
RSGND は SGND にショートし、 VREF は High (5 V) にする。
20 kΩ
LERT
RSGND
20 kΩ
ヒューズ
VM
IN1
5 V
IN2
PWM
0.1 μF
OUT1
OUT2
0.2 Ω
0.1 μF
OUT1
OUT2
22 μF
Motor
22 μF
Motor
VREF
SGND
OSC
1800 pF
VISD
10 kΩ
TISD
7
RSGND
20 kΩ
2010-06-03
6. 消費電力
IC での電力損失は下記により概算できます。
(1) PWM Duty = 100%時
P = VM × ICC + I
例 : VM = 24 V、出力電流 I
P (標準) = 24 V × 2.5 mA (標準) + (0.5 A)
P (最大) = 24 V × 8 mA (最大) + (0.5 A)
(2) PWM 動作時
下記にて簡易的に計算が可能です。 (実際には、スイッチングロス分が発生します。 )
P = VM × ICC + I
周囲温度 Ta とジャンクション温度 T
Tj = P × R
*: R
*: Ta: 周囲温度 (発熱の影響を避けた周囲の一定温度)
例 : R
R
th (j-a)
周囲温度が高ければ、許容損失は小さくなります。
また、あくまでも概算方法になりますので、必ずジャンクション温度は 150°C 以下として十分評価した上で
マージンを持ってご使用ください。
th (j-a)
: ジャンクション – 周囲温度間熱抵抗
th (j-a)
= 89.3° C/W, Ta = 85° C, P (最大) = 0.417 W時
th (j-a)
T
= 0.417 W × 89.3° C/W + 85° C = 122.24° C
j
は使用条件 (基盤の実装方法等) によって、依存しますので注意してください。
2
× RON (U + L)
O
= 0.5 A時 (ICCと RON (U + L) はデータシート 電気的特性を参照 )
O
2
× RON (U + L) × PWM の duty
O
の関係は以下式により概算できます。
j
+ Ta
2
× 0.55 Ω (標準 ) = 0.1975 W
2
× 0.9 Ω (最大 ) = 0.417 W
TB6569FG 使用上の注意点
P
– Ta
D
(1) 基板実装時
1.5
(1)
(W)
D
1.0
許容損失 P
(2)
0.5
0
0 25 50 75 100 125 150
周囲温度 Ta (°C)
(60 × 30 × 1.6 (mm)
銅箔面積 50%以上 ):
R
= 89.3°C/W,
th (j-a)
Ta = 25°C 時 P D = 1.4 W
(2) 単体 : R
Ta = 25°C 時 P D = 0.89 W
th (j-a)
= 140°C/W,
8
2010-06-03
TB6569FG 使用上の注意点
周囲温度 Ta = 25 °C 、実装基板にて、出力 OUT1-OUT2 間に電流を流した時、パッケージ表面温度 T C [° C] と
ジャンクション温度 T
1.5
[° C] の実測特性結果を以下に示します。
j
2
1
出力電流[A]
0.5
Tc
Tj
0
0 50 100 150 200
温度[℃]
条件 : Ta = 25°C VM = 24 V IN2, PWM, V
(ダイオード電圧モニタ− ) 実装基盤
実装基板の大きさ : (ガラスエポキシ基板 : 70 × 70 × 1.6 (mm) 両面基板、銅箔厚さ 50 μm 、銅箔面積 67%)
= 5 V RSGND = GND TISD, VISD; 20 Ω OSC = GND IN1 = − 100 μ A
RFE
表面 裏面
上記の実測結果は標準値であり、電源電圧、温度、IC のバラツキでも測定値は変動します。
また、実装方法やモータ実動作上等の条件でも変化しますので、十分評価した上 でマー ジンを 持ってご使用
ください。
必ずジャンクション温度は 150°C 以下としてください。
9
2010-06-03
7. 短絡 (ショート) について
弊社での評価結果を下記に示します。
下記条件では短絡しても IC が破壊することはありませんでしたが、VISD 端子や TISD 端子の設定によって短絡
時の電流の大きさは変化します。
電源のインピーダンスや短絡の配線インピーダンスによっても短絡時の電流の大きさは変化します。
また、電源電圧や温度や IC のバラツキによっても IC が破壊するかどうかは変化しますので、アプリケーション
上で十分評価した上でマージンを持ってご使用ください。
例えば、下記条件でTISD 端子を GND に接続して ISD 動作しないような設定にした場合、出力電流は流れ続け
て IC は破壊しますので、注意してご使用ください。
隣接ピンショート
端子番号
1 – 2 ALERT – OSC 破壊なし 9 – 10 N.C – OUT2 破壊なし
2 – 3 OSC – IN1 破壊なし 10 – 11 OUT2 – N.C 破壊なし
3 – 4 IN1 – SGND 破壊なし 11 – 12 N.C – VM 破壊なし
4 – FIN SGND – FIN(GND) 破壊なし 12 – FIN VM – FIN(GND) 破壊なし
FIN – 5 FIN(GND) – IN2 破壊なし FIN – 13 FIN(GND) – VISD 破壊なし
5 – 6 IN2 – N.C 破壊なし 13 – 14 VISD – TISD 破壊なし
6 – 7 N.C – OUT1 破壊なし 14 – 15 TISD – PWM 破壊なし
7 – 8 OUT1 – RSGND 破壊なし 15 – 16 PWM – VREF 破壊なし
隣接ピンショート
端子名
IC の状態
隣接ピンショート
端子番号
TB6569FG 使用上の注意点
隣接ピンショート
端子名
IC の状態
条件: VM = 24 V, Ta = 25°C, RSGND = GND TISD, VISD; 20 kΩ
VM – GND 間: 電解コンデンサ 10 μF + セラミックコンデンサ 0.1 μF
10
2010-06-03
TB6569FG 使用上の注意点
短絡条件 ショート端子名 IC の状態
OUT1 地絡 OUT1 – GND 破壊なし
OUT1 天絡 OUT1 – VM 破壊なし
OUT2 地絡 OUT2 – GND 破壊なし
OUT2 天絡 OUT2 – VM 破壊なし
負荷短絡 1 OUT1: High – OUT2: Low 破壊なし
負荷短絡 2 OUT1: Low – OUT2: High 破壊なし
条件: VM = 24 V, Ta = 25°C, RSGND = GND TISD, VISD; 20 kΩ
VM – GND 間: 電解コンデンサ 10 μF + セラミックコンデンサ 0.1 μF
OUT1 地絡波形 OUT1-GND
ALERT5 V/Div.
VM 20V/Div.
OUT1 → GND
出力電流 10 A/Div.
OUT1 天絡波形 OUT1-VM
ALERT5 V/Div.
VM 20 V/Div.
VM → OUT1
出力電流 10 A /Div.
OUT2 地絡波形 OUT2-GND
ALERT5 V/Div.
OUT2 天絡波形 OUT2-VM
ALERT5 V/Div.
VM 20 V/Div.
OUT2 → GND
出力電流 10 A /Div.
VM 20 V/Div.
VM → OUT2
出力電流 10 A /Div.
負荷短絡 1 波形 OUT1: High-OUT2: Low
ALERT5 V/Div.
VM 20 V/Div.
OUT1 → OUT2
出力電流 10 A /Div.
負荷短絡 2 波形 OUT1: Low-OUT2: High
ALERT5 V/Div.
VM 20 V/Div.
OUT2 → OUT1
出力電流 10 A /Div.
負荷短絡時の ISD についての注意事項
定電流PWM機能を使用する場合 (RSGND 端子– SGND間に検出抵抗を接続する設定) や電流 PWM 機能を
使用しない場合も RSGND 端子– SGND 間に配線インピーダンスを持っていると負荷短絡時に ISD 動作する前
に定電流 PWM 機能が動作し、ISD 動作にならないことがありますので、ご注意ください。
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2010-06-03
記載内容の留意点
1. ブロック図
ブロック図内の機能ブロック/回路/ 定数などは、機能を説明するため、一部省略・簡略化している場合がありま
す。
2. 等価回路
等価回路は、回路を説明するため、一部省略・簡略化している場合があります。
3. タイミングチャート
タイミングチャートは機能・動作を説明するため、単純化している場合があります。
4. 応用回路例
応用回路例は、参考例であり、量産設計に際しては、十分な評価を行ってください。
また、工業所有権の使用の許諾を行うものではありません。
5. 測定回路図
測定回路内の部品は、特性確認のために使用しているものであり、応用機器の誤動作や故障が発生しないことを
保証するものではありません。
TB6569FG 使用上の注意点
使用上のご注意およびお願い事項
使用上の注意事項
(1) 絶対最大定格は複数の定格の、どの一つの値も瞬時たりとも超えてはならない規格です。
複数の定格のいずれに対しても超えることができません。
絶対最大定格を超えると破壊、損傷および劣化の原因となり、破裂・燃焼による傷害を負うことがありま
す。
(2) 過電流の発生や IC の故障の場合に大電流が流れ続けないように、適切な電源ヒューズを使用してください。
IC は絶対最大定格を超えた使い方、誤った配線、および配線や負荷から誘起される異常パルスノイズなど
が原因で破壊することがあり、この結果、IC に大電流が流れ続けることで、発煙・発火に至ることがあり
ます。破壊における大電流の流出入を想定し、影響を最小限にするため、ヒューズの容量や溶断時間、挿
入回路位置などの適切な設定が必要となります。
(3) モータの駆動など、コイルのような誘導性負荷がある場合、ON 時の突入電流や OFF 時の逆起電力による
負極性の電流に起因するデバイスの誤動作あるいは破壊を防止するための保護回路を接続してください。
IC が破壊した場合、傷害を負ったり発煙・発火に至ることがあります。
保護機能が内蔵されている IC には、安定した電源を使用してください。電源が不安定な場合、保護機能が
動作せず、IC が破壊することがあります。IC の破壊により、傷害を負ったり発煙・発火に至ることがあ
ります。
(4) デバイスの逆差し、差し違い、または電源のプラスとマイナスの逆接続はしないでください。電流や消費
電力が絶対最大定格を超え、破壊、損傷および劣化の原因になるだけでなく、破裂・燃焼により傷害を負
うことがあります。なお、逆差しおよび差し違いのままで通電したデバイスは使用しないでください。
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2010-06-03
使用上の留意点
(1) 過電流検出回路
過電流検出回路はどのような場合でも IC を保護するわけではありません。動作後は、速やかに過電流状態
を解除するようお願いします。
絶対最大定格を超えた場合など、ご使用方法や状況により、過電流制限回路が正常に動作しなかったり、
動作する前に IC が破壊したりすることがあります。また、動作後、長時間過電流が流れ続けた場合、ご使
用方法や状況によっては、IC が発熱などにより破壊することがあります。
(2) 熱遮断回路
熱遮断回路 (通常: サーマルシャットダウン回路) は、どのような場合でも IC を保護するわけではありま
せん。動作後は、速やかに発熱状態を解除するようお願いします。
絶対最大定格を超えて使用した場合など、ご使用法や状況により、熱遮断回路が正常に動作しなかったり、
動作する前に IC が破壊したりすることがあります。
(3) 放熱設計
パワーアンプ、レギュレータ、ドライバなどの、大電流が流出入する IC の使用に際しては、適切な放熱を
行い、規定接合温度 (T
己発熱をします。IC 放熱設計が不十分な場合、IC の寿命の低下・特性劣化・破壊が発生することがあり
ます。
また、IC の発熱に伴い、周辺に使用されている部品への影響も考慮して設計してください。
(4) 逆起電力
モータを逆転やストップ、急減速を行った場合に、モータの逆起電力の影響でモータからモータ側電源へ
電流が流れ込みますので、電源の Sink 能力が小さい場合、IC のモータ側電源端子、出力端子が定格以上
に上昇する恐れがあります。
逆起電力によりモータ側電源端子、出力端子が定格電圧を超えないように設計してください。
TB6569FG 使用上の注意点
) 以下になるように設計してください。これらの IC は通常使用時においても、自
j
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2010-06-03
TB6569FG 使用上の注意点
製品取り扱い上のお願い
• 本資料に掲載されているハードウェア、ソフトウェアおよびシステム(以下、本製品という)に関する情報等、本
資料の掲載内容は、技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります。
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料を転載複製する場合でも、記載内容に一切変更を加えたり、削除したりしないでください。
• 当社は品質、信頼性の向上に努めていますが、半導体製品は一般に誤作動または故障する場合があります。本製品
をご使用頂く場合は、本製品の誤作動や故障により生命・身体・財産が侵害されることのないように、お客様の責
任において、お客様のハードウェア・ソフトウェア・システムに必要な安全設計を行うことをお願いします。なお、
設計および使用に際しては、本製品に関する最新の情報(本資料、仕様書、データシート、アプリケーションノー
ト、半導体信頼性ハンドブックなど)および本製品が使用される機器の取扱説明書、操作説明書などをご確認の上、
これに従ってください。また、上記資料などに記載の製品データ、図、表などに示す技術的な内容、プログラム、
アルゴリズムその他応用回路例などの情報を使用する場合は、単独およびシステム全体で十分に評価し、お客様の
責任において適用可否を判断してください。当社は、適用可否に対する責任は負いません。
• 本製品は、一般的電子機器(コンピュータ、パーソナル機器、事務機器、計測機器、産業用ロボット、家電機器な
ど)または本資料に個別に記載されている用途に使用されることが意図されています。本製品は、特別に高い品質・
信頼性が要求され、またはその故障や誤作動が生命・身体に危害を及ぼす恐れ、膨大な財産損害を引き起こす恐れ、
もしくは社会に深刻な影響を及ぼす恐れのある機器(以下“特定用途”という)に使用されることは意図されてい
ませんし、保証もされていません。特定用途には原子力関連機器、航空・宇宙機器、医療機器、車載・輸送機器、
列車・船舶機器、交通信号機器、燃焼・爆発制御機器、各種安全関連機器、昇降機器、電力機器、金融関連機器な
どが含まれます。本資料に個別に記載されている場合を除き、本製品を特定用途に使用しないでください。
• 本製品を分解、解析、リバースエンジニアリング、改造、改変、翻案、複製等しないでください。
• 本製品を、国内外の法令、規則及び命令により、製造、使用、販売を禁止されている製品に使用することはできま
せん。
• 本資料に掲載してある技術情報は、製品の代表的動作・応用を説明するためのもので、その使用に際して当社及び
第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません。
• 別途書面による契約がない限り、当社は、本製品および技術情報に関して、明示的にも黙示的にも一切の保証(機
能動作の保証、商品性の保証、特定目的への合致の保証、情報の正確性の保証、第三者の権利の非侵害保証を含む
がこれに限らない。)をせず、また当社は、本製品および技術情報に関する一切の損害(間接損害、結果的損害、
特別損害、付随的損害、逸失利益、機会損失、休業損、データ喪失等を含むがこれに限らない。)につき一切の責
任を負いません。
• 本製品、または本資料に掲載されている技術情報を、大量破壊兵器の開発等の目的、軍事利用の目的、あるいはそ
の他軍事用途の目的で使用しないでください。また、輸出に際しては、「外国為替及び外国貿易法」、「米国輸出管
理規則」等、適用ある輸出関連法令を遵守し、それらの定めるところにより必要な手続を行ってください。
• 本製品の RoHS 適合性など、詳細につきましては製品個別に必ず弊社営業窓口までお問合せください。本製品の
ご使用に際しては、特定の物質の含有・使用を規制するRoHS 指令等、適用ある環境関連法令を十分調査の上、か
かる法令に適合するようご使用ください。お客様がかかる法令を遵守しないことにより生じた損害に関して、当社
は一切の責任を負いかねます。
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2010-06-03