TB6549FG/PG/HQ
東芝Bi-CMOS集積回路 シリコン モノリシック
TB6549FG, TB6549PG, TB6549HQ
DC モータ用フルブリッジドライバ IC
TB6549FG/PG/HQ は、出力トランジスタに MOS 構造を採用した DC
モータ駆動用フルブリッジドライバ IC です。
低 ON 抵抗の MOS プロセス、および PWM 駆動方式の採用により高熱効
率駆動が可能です。
また、IN1、IN2 の 2 つの入力信号により、正転/逆転/ショートブレーキ/ス
トップの 4 モードを選択できます。
特 長
• 電源電圧 : 30 V (max)
• 出力電流 : 3.5 A (max) (FG/PG タイプ)
4.5 A(max.) (HQ タイプ)
• 低 ON 抵抗 : 1.0 Ω (上下和/typ.)
• PWM 制御可能
• スタンバイ機能
• 正転/逆転/ショートブレーキ/ストップ機能
• 過電流保護機能内蔵
• 熱遮断回路内蔵
• パッケージ : HSOP20/DIP16/HZIP25
はんだ付け性については、以下の条件で確認しています。
(1) お客様の使用されるはんだ槽 (Sn-37Pb 半田槽) の場合
はんだ温度 230℃、浸漬時間 5 秒間 1 回、R タイプ フラックス使用
(2) お客様の使用されるはんだ槽 (Sn-3.0Ag-0.5Cu 半田槽) の場合
はんだ温度 245℃、浸漬時間 5 秒間 1 回、R タイプ フラックス使用
TB6549FG
TB6549PG
TB6549HQ
質量
HSOP20-P-450-1.00 : 0.79 g (標準)
DIP16-P-300-2.54A : 1.11 g (標準)
HZIP25-P-1.00F : 7.7 g (標準)
注: 本製品は、MOS 構造の素子を搭載しており静電気に対し非常にデリケートであるため、お取り扱いに際しては、アー
スバンドや導電マットの使用、イオナイザーなどによる静電気除去および、温湿度管理などの静電対策に十分ご配慮
願います。
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2010-07-13
TB6549FG/PG/HQ
ブロック図
ブロック図内の機能ブロック/回路/定数などは、機能を説明するため、一部省略・簡略化している場合があります。
V
reg
5V
制御ロジック
OSC
過電流検出回路
TSD
チャージポンプ回路
CcpA CcpB CcpC
PWM
IN1
IN2
S-GND
CC
P-GND
OUT1OUT2SB V
端子説明
端子番号
FG PG HQ
1 ⎯ ⎯ (NC) ノンコネクション ⎯
2 1 1 CcpA チャージポンプ用コンデンサ接続端子 A チャージポンプ用コンデンサを接続
3 2 2 CcpB チャージポンプ用コンデンサ接続端子 B チャージポンプ用コンデンサを接続
4 3 3 CcpC チャージポンプ用コンデンサ接続端子 C チャージポンプ用コンデンサを接続
5 ⎯
6 ⎯
7 6 10 IN1 制御信号入力 1 0/5 V 信号を入力
8 7 11 IN2 制御信号入力 2 0/5 V 信号を入力
9 ⎯ ⎯ (NC) ノンコネクション ⎯
10 8 12 OUT1 出力端子 1 モータコイル端子へ接続
11 9 14 P-GND 出力部 GND ⎯
12 10 15 OUT2 出力端子 2 モータコイル端子へ接続
13 ⎯ ⎯ (NC) ノンコネクション ⎯
14 11 16 PWM PWM 制御信号入力端子 0/5 V の PWM 信号を入力
15 ⎯
16 ⎯
17 14 23 SB スタンバイ端子 H: スタート、L: スタンバイ
18 15 24 V
19 ⎯ ⎯ (NC) ノンコネクション ⎯
20 16 25 VCC 電源電圧印加端子 V
FIN 4,5,12,13 6,20 S-GND 接地端子 ⎯
⎯
⎯
⎯
⎯
名称 端子説明 備考
(NC) ノンコネクション ⎯
(NC) ノンコネクション ⎯
(NC) ノンコネクション ⎯
(NC) ノンコネクション ⎯
5V 出力端子 対 S-GND にコンデンサを接続
reg
= 10~27 V
CC (ope)
*) (HQ type) 4, 5, 7, 8, 9, 13, 17, 18, 19, 21, 22pin ;ノンコネクション
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TB6549FG/PG/HQ
絶対最大定格
電源電圧 V
入力電圧 Vin −0.3~5.5 V
許容損失
動作温度 T
保存温度 T
(Ta = 25°C)
項目 記号 定格 単位
出力電流
CC
IO (パルス)
I
(DC)
O
FG 2.5 (注 3)
PG 2.7 (注 4)
HQ
FG, PG 3.5 (注 1)
HQ 4.5 (注 2 )
FG, PG 2.0
HQ 3.5
P
D
opr
stg
30 V
3.2 (注 5)
40 (注 6)
−20~85 °C
−55~150 °C
A
W
注 1: 絶対最大定格であり、瞬時でも超えないこと
注 2: t = 100 ms
注 3: 基板実装時 115 mm × 75 mm × 1.6 mm 銅箔面積 30%
注 4: 基板実装時 50 mm × 50 mm × 1.6 mm 銅箔面積 50%ガラスエポキシ版面基板
注 5: 単体
注 6: 無限大放熱板
動作範囲
電源電圧 V
PWM 周波数 f
(Ta = 25°C)
項目 記号 定格 単位
CC
100 kHz
CLK
10~27 V
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TB6549FG/PG/HQ
電気的特性
(VCC = 24 V, Ta = 25°C)
項目 記号
電源電流
入力電圧
制御回路
ヒステリシス電圧 V
入力電流
入力電圧
ヒステリシス電圧 V
PWM
入力回路
入力電流
PWM 周波数 f
最小クロックパルス幅 t
入力電圧
スタンバイ
回路
ヒステリシス電圧 V
入力電流
出力オン抵抗 R
出力リーク電流
ダイオード順方向電圧
内部定電圧 V
過電流検出オフセット時間 I
チャージポンプ
立ち上がり時間
測定
回路
I
CC1
I
正転/逆転モード ⎯ 6 10
CC2
I
ショートブレーキモード ⎯ 4 8
CC3
I
CC4
V
2 ⎯ 5.5
INH
V
INL
IN (HYS)
I
V
INH
I
INL
V
PWMH
V
PWML
PWM (HYS)
I
PWMH
I
PWML
PWM
w (PWM)
V
INSH
V
INSL
IN (HYS)
I
INSH
I
INSL
on (U + L)
I
V
L (U)
I
L (L)
V
F (U)
V
F (L)
4 無負荷 4.5
reg
SD (OFF)
7
t
ONG
1
2
⎯ (設計目標値) ⎯ 0.2 ⎯
1
2 ⎯ 5.5
3
⎯ (設計目標値) ⎯ 0.2 ⎯
V
3
Duty: 50 % ⎯ ⎯ 100 kHz
3
2 ⎯ 5.5
2
⎯ (設計目標値) 0.2 ⎯
V
1
4
5
I
6
⎯ (設計目標値) ⎯
測定条件 最小 標準 最大 単位
ストップモード ⎯ 4 8
スタンバイモード ⎯ 1 2
0 ⎯ 0.8
= 5 V ⎯ 50 75
IN
VIN = 0 V ⎯ ⎯ 5
⎯ ⎯ 0.8
= 5 V ⎯ 50 75
PWM
V
= 0 V ⎯ ⎯ 5
PWM
2 ⎯ ⎯ μs
⎯ ⎯ 0.8
= 5 V ⎯ 50 75
IN
VIN = 0 V ⎯ ⎯ 5
IO = 0.2 A ⎯ 1.0 1.75
= 1.5 A ⎯ 1.0 1.75
I
O
= 30 V (注 1) ⎯ ⎯ 150
CC
VCC = 30 V ⎯
= 1.5 A ⎯ 1.3 1.7
O
⎯
IO = 1.5 A ⎯ 1.3 1.7
5
50
C1 = 0.22 μF, C2 = 0.01 μF
(注 2)
⎯ 1 3 ms
10
5.5 V
⎯ μs
熱遮断回路動作温度 TSD ⎯ (設計目標値) ⎯ 160 ⎯ °C
mA
V
μA
V
μA
V
μA
Ω
μA
V
注 1: 内部回路電流含む
注 2: C1: CcpA – GND 間コンデンサ、C2: CcpB – CcpC 間コンデンサ
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各部説明
TB6549FG/PG/HQ
1.
制御入力
/PWM
入力回路
V
IN1
(IN2, PWM)
reg
100 kΩ
V
reg
• 入力信号は以下であり、CMOS、TTL レベルでの入力が可能です。
なお、入力信号は、0.2 V (typ.) のヒステリシスを持っています。
V
V
: 2~5.5 V
INH
: GND~0.8 V
INL
• PWM 入力周波数は、100 kHz 以下としてください。
入出力ファンクション
入力 出力
IN1 IN2 SB PWM OUT1 OUT2 モード
H H H
L H H
H L H
L L H
H/L H/L L
• PWM 制御機能
PWM 端子に 0/5 V の PWM 信号を入力することにより速度制御が可能です。
PWM 制御時は、通常動作とショートブレーキの繰り返しとなります。
出力回路での上下パワートランジスタの同時 ON による貫通電流を防止するために上下のパワートランジスタの
ON ↔ OFF が切り替わるタイミングにおいて 300 ns (設計目標値) のデットタイムを IC 内部にて生成しています。
このため、外部入力により OFF タイムを挿入することなく、同期整流方式による PWM 制御が可能です。
なお、CW ↔ CCW、CW (CCW) ↔ ショートブレーキ時にも、内部にて生成されるデットタイムにより OFF タイ
ムの挿入は不要です。
H
L
H
L
H
L
H
L
H
L
L L ショートブレーキ
L
L
H
L
OFF
(ハイインピーダンス)
OFF
(ハイインピーダンス)
H
L
L
L
正転/逆転
ショートブレーキ
逆転/正転
ショートブレーキ
ストップ
スタンバイ
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TB6549FG/PG/HQ
OUT1
M
PWM ON
t1
VCC
GND
OUT1
PWM OFF → ON
t4 = 300 ns (typ.)
M
OUT1
PWM ON → OFF
t2 = 300ns (typ.)
V
CC
GND
V
CC
M
GND
OUT1
PWM ON
OUT1
V
M
GND
t5
M
PWM OFF
t3
CC
VCC
GND
出力電圧波形
(OUT1)
t1
t3
t2
t5
t4
*: PWM 制御機能を使用しない場合には、PWM 端子は H レベルとしてください。
スタンバイ回路
2.
VDD V
SB
100 kΩ
DD
• スタンバイ状態では、スタンバイ回路、内部 5 V 回路以外のすべての回路をオフにします。
• 入力電圧範囲は以下であり、CMOS、TTL レベルでの入力が可能です。
なお、入力信号は 0.2 V (typ.) のヒステリシスをもっています。
V
V
: 2~V
INSH
: GND~0.8 V
INSL
reg
V
• スタンバイ端子に PWM などの信号を入力し、出力を制御することは避けてください。出力が不定となり、IC を破
壊することがあります。 (SB 端子入力信号の切り替わりでチャージポンプ回路も ON/OFF するため、その周期が
早いと、チャージポンプ回路の立ち上がりが追従しなくなります。→ 推奨 ; 50 ms 以上) スタンバイ状態 ⇒ 動作
モードに切り替える場合、あらかじめ IN1、IN2 は “L” レベル (Stop モード) とし、チャージポンプ回路が安定し
た状態 (VcpA が約 V
+ 5 V となった状態) にて、IN1、IN2 を切り替えてください。
CC
V
CC
GND
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