DMM6500 型 6.5 桁デジ
タル・マルチメータ
DMM6500-900-02 Rev. B / 2019 年 8 月
*PDMM6500-900-02B*
DMM6500
6.5 桁デジタル・マルチメータ
ユーザ・マニュアル
© 2019, Keithley Instruments, LLC
Cleveland, Ohio, U.S.A.
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複製、コピー、または使用することは固く禁じられています。
これらの指示はオリジナルの英語版マニュアルに記載のものです。
TSP®、TSP-Link®、および TSP-Net® は、 Keithley Instruments, LLC の商標です。 Keithley
Instruments の製品名は、すべて Keithley Instruments, LLC の商標または登録商標です。その他の
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ては、 Lua 社のライセンシング・サイト( http://www.lua.org/license.html)を参照してください。
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文書番号; DMM6500-900-02 Rev. B / 2019 年 8 月
安全対策
この製品および関連機器を使用するときには、以下の安全使用上の注意に従わなければなりません。一部の機器およびアクセ
サリは、通常危険性のない電圧で使用されますが、危険な状態が発生しうる状況があります。
本製品は、負傷の危険を避けるために必要な安全に関する注意事項を理解し、感電の危険を理解したユーザが使用することを
意図しています。本製品を使用する前に、すべての設置、使用、およびメンテナンスに関する情報を注意深く読み、それらを
順守するようにしてください。詳細な製品仕様については、ユーザ・マニュアルを参照してください。
この製品を指定以外の方法で使用した場合には、製品の保証による保護が制限される場合があります。
製品ユーザには、以下のタイプがあります。
責任組織 は、機器の使用およびメンテナンスに責任を負う個人またはグループで、機器がその仕様および使用制限の範囲内で
使用されるようにするとともに、オペレータを適切に訓練する責任を負います。
オペレータ は、製品をその意図する目的に使用します。電気についての安全手順および機器の適切な使用法について訓練を受
ける必要があります。オペレータを、感電および通電している危険な回路との接触から保護する必要があります。
メンテナンス担当者 は、製品が適切に動作するように、ライン電圧の設定や消耗部品の交換など、定期的な手順を実行しま
す。メンテナンス手順については、ユーザ・ マニュアルに記載されています。オペレータが実行できる手順は、その旨が明記
されています。明記されていない場合は、それらの手順は保守担当者のみが行います。
保守担当者 は、通電している回路に対する作業について訓練を受け、安全な設置および製品の修理を行います。適適切な訓練
を受けたサービス担当者のみが設置およびサービス手順を実行できます。
ケースレー製品は、過渡過電圧が小さい、計測、制御、データ入出力接続などの電気信号向けに設計されていますので、コン
セントや過渡過電圧が大きな電源装置に直接接続することはしないでください。測定カテゴリ II (IEC 60664 に準拠)接続で
は、当該地域の AC コンセントに接続した場合にしばしば生じる大きな過渡過電圧からの保護が要求されています。ケースレー
の測定機器/装置の中には、コンセントに接続可能なものもあります。このような機器や装置には、カテゴリ II またはそれ以
上を示す記号が付いています。
仕様書や運用マニュアル、機器/ 装置のラベルでコンセントへの接続が明示的に許されている場合を除き、どの機器/ 装置もコン
セントに直接に接続しないでください。
感電の危険があるときには、十分に注意して作業を行ってください。ケーブル コネクタ ジャックまたは試験具には、生命に
危険が及ぶような電圧が生じている場合があります。米国規格協会(ANSI)は、30VRMS、ピーク電圧 42.4V、または 60VDC
の電圧があるときには感電の危険があると明記しています。不明な回路について測定するときには、危険な高電圧があること
を想定しておくと安全性が高まります。
この製品のオペレータに対しては、常に感電に対する保護を行う必要があります。責任者は、ユーザがすべての接続点から保
護されているか、または絶縁されていることを保証する必要があります。ときには、接続点の露出が避けられず、ユーザが接
触する危険が避けられない場合があります。このような場合は、製品のユーザが自らを感電の危険から守れるように、教育す
る必要があります。回路が 1,000V 以上で動作可能な場合は、回路の導体部を露出してはいけません。
制限されていない電源回路に切換カードを直接接続してはなりません。切換カードは、インピーダンスが制限されている電源
での使用を意図したものです。切換カードは AC 主電源には絶対に直接接続しないでください。電源を切換カードに接続してい
るときには、保護デバイスを設置してカードへの故障電流および電圧を制限します。
機器を操作する前に、ライン コードが適切に接地された電源コンセントに接続されていることを確認します。使用前に、接続
ケーブル、リード線およびジャンパの摩耗、亀裂または破損について検査してください。
ラックに取り付ける場合など、主電源コードへのアクセスが限られている場所に機器を設置するときには、別の主入力電源切
断デバイスを機器の近くのオペレータの手が簡単に届く場所に用意する必要があります。
最大限の安全性を確保するために、試験中の回路に電源が入っているときには製品、試験ケーブル、またはその他の機器に触
れないでください。ケーブルまたはジャンパの接続/取り外しやスイッチング・カードの取り付け/取り外しを行う前、ある
いはジャンパの取り付けや取り外しなど内部で何らかの変更を行う前には、必ず試験システム全体から電源を切断し、すべて
のキャパシタを放電してください。
試験中の回路の共通側または電源回路の接地線への電流の経路となる物体に触れないでください。測定する電圧に耐えられる
乾燥した絶縁された足場の上で、必ず乾燥した手で測定を行ってください。
安全上、機器/ 装置およびアクセサリは、操作説明書に準じて使用してください。操作説明書に指定されていない方法で機器/装
置およびアクセサリを使用すると、機器/ 装置の保証による保護が制限される場合があります。
機器およびアクセサリの最大信号レベルを超えないようにしてください。最大信号レベルは、仕様または使用情報に記載され
ているほか、機器/テスト・フィクスチャのパネルや切換カードにも表記されています。
製品にヒューズが使用されているときは、火災の危険を防止するために同じタイプおよび定格のものと交換してください。
シャーシ接続は測定回路のシールド接続だけで使用可能であり、保護のためのアース(安全接地)の接続として使用すること
はできません。
テスト・フィクスチャを使用している場合には、試験中のデバイスに電源が投入されている間はフタを閉じたままにしておき
ます。安全に運用するためには、フタのインターロックを使用する必要があります。
ネジのマーク
がある場合は、ユーザ・ドキュメントで推奨されているワイヤを使用して、保護のためのアース(安全接
地)に接続してください。
機器上の という記号は、操作上の危険性を警告するものです。この記号が印刷されている部分を操作する場合は、必ずユ
ーザ・マニュアルを参照してその指示に従ってください。
機器上の という記号は、感電の危険性を警告するものです。標準の安全使用上の注意に従って、人員がこれらの電源に触
れるのを防止してください。
機器上にある
という記号は、その面が高温になる場合があることを示しています。火傷を防止するために、人員がこの面
に触れないようにしてください。
という記号は、機器フレームへの接続端子を示しています。
製品上にこの 記号がある場合には、表示ランプに水銀が使用されていることを示しています。ランプは、必ず連邦、州お
よび地域の法律に従って適切に処分してください。
ユーザ・ マニュアルにある警告 の見出しは、ケガや死亡事故につながる可能性のある危険について説明しています。示されて
いる手順を実行する前に、必ず関連する情報をよく読んでください。
ユーザ・マニュアルにある注意 の見出しは、機器の損傷につながる可能性のある危険について説明しています。損傷によって
保証が無効になる場合があります。
ユーザ・マニュアルで注意 の見出しに
記号が併記されている箇所は、中程度または軽度の怪我や、機器への損傷につなが
る可能性の危険について説明しています。示されている手順を実行する前に、必ず関連する情報をよく読んでください。機器
への損傷は保証適用外になる場合があります。
機器およびアクセサリは、人体に接続してはなりません。
メンテナンスを行う前には、電源ケーブルとすべてのテスト・ケーブルを取り外してください。
感電および火災を防止するために、電源変換器、リード線、入力ジャックなどの主回路の交換コンポーネントはケースレーか
らご購入ください。定格とタイプが同じであれば、国の安全承認を受けた標準のヒューズを使用することができます。機器に
付属する取り外し可能な電源ケーブルを交換する場合には、同じ定格の電源ケーブルのみを使用してください。安全性と関係
のないそれ以外のコンポーネントは、元のコンポーネントと同一であれば他の供給元から購入することができます(製品の精
度および機能を維持するためには、一部の部品はケースレーから購入するべきである点にご注意ください)。交換コンポーネ
ントの適合性について不明な点がある場合には、ケースレーまでお問い合わせください。
製品に付属するドキュメント等で特に断りのない限り、ケースレーの機器は 2,000 メートル(6,562 フィート)以下の標高、
0 ℃~50 ℃(32F ゚~122F ゚)の温度範囲、汚染度が 1 または 2 の屋内環境での使用を想定して設計されています。
機器を清掃する場合は、純水に浸した布または水性の弱い洗剤を使用します。清掃するのは機器の外部のみにしてください。
洗剤を機器に直接付着させたり、液体を機器の中に入れたり機器の上にこぼしたりしないでください。ケースまたはシャーシ
のない回路ボードで構成されている製品(たとえばコンピュータ取付用のデータ取得ボード)は、指示に従って使用している
場合には清掃は必要ありません。ボードが汚れて動作に影響が出てきた場合には、ボードを工場に返送して適切な洗浄/ 整備を
受けてください。
安全対策(2017 年 6 月改訂版)
はじめに ...................................................................................................................... 1-1
はじめに ............................................................................................................................... 1-1
本書の概要 ........................................................................................................................... 1-2
連絡先情報 ........................................................................................................................... 1-2
延長保証 ............................................................................................................................... 1-2
付属マニュアル一覧 ............................................................................................................. 1-2
本書のセクション構成 ......................................................................................................... 1-3
アプリケーション例 ............................................................................................................. 1-3
前面パネルの概要 ........................................................................................................ 2-1
前面パネルの概要 ................................................................................................................ 2-1
機器の電源 ........................................................................................................................... 2-3
電源コードの接続 ..................................................................................................................... 2-4
DMM6500 型をオン/オフにする ............................................................................................. 2-4
タッチスクリーン・ディスプレイ ....................................................................................... 2-4
タッチスクリーンでのアイテムの選択 ..................................................................................... 2-5
スクロール・バー ..................................................................................................................... 2-5
情報の入力 ................................................................................................................................ 2-6
バックライドの明るさ/減光の調整 ......................................................................................... 2-6
イベント・メッセージの確認 .................................................................................................... 2-7
対話型スワイプ・スクリーン .............................................................................................. 2-8
スワイプ画面の見出しバー ....................................................................................................... 2-8
FUNCTIONS(機能)スワイプ画面 ....................................................................................... 2-10
SETTINGS(設定)スワイプ画面 .......................................................................................... 2-10
STATISTICS(統計)スワイプ画面 ........................................................................................ 2-11
SECONDARY(二次)スワイプ画面 ...................................................................................... 2-11
USER(ユーザ)スワイプ画面 ............................................................................................... 2-12
GRAPH(グラフ)スワイプ画面 ............................................................................................ 2-13
SCAN(スキャン)スワイプ画面 ........................................................................................... 2-13
メニューの概要 .................................................................................................................. 2-16
Channel(チャンネル)メニュー ........................................................................................... 2-16
Measure(測定)メニュー ...................................................................................................... 2-17
Views(表示)メニュー .......................................................................................................... 2-17
トリガメニュー ....................................................................................................................... 2-18
Scripts(スクリプト)メニュー .............................................................................................. 2-18
System(システム)メニュー ................................................................................................ 2-19
DMM6500型 6.5
リモート・インタフェースの使用 .............................................................................. 3-1
リモート通信インタフェース .............................................................................................. 3-1
サポートされるリモート・インタフェース......................................................................... 3-2
LAN 通信 .............................................................................................................................. 3-3
機器での LAN 通信のセットアップ ........................................................................................... 3-3
コンピュータでの LAN 通信のセットアップ ............................................................................. 3-5
USB 通信 .............................................................................................................................. 3-6
USB を使用してコンピュータを DMM6500 型に接続する ....................................................... 3-6
機器との通信 ............................................................................................................................. 3-7
GPIB 通信 ........................................................................................................................... 3-12
KTTI-GPIB アクセサリ・カードのインストール ..................................................................... 3-12
GPIB アドレスの設定 .............................................................................................................. 3-15
RS-232 ............................................................................................................................... 3-15
KTTI-RS232 アクセサリ・カードのインストール .................................................................. 3-16
TSP-Link ............................................................................................................................ 3-18
KTTI-TSP アクセサリ・カードのインストール ...................................................................... 3-18
Web インタフェースの使用 ............................................................................................... 3-20
機器の Web インターフェースへの接続 ................................................................................. 3-20
LAN トラブルシューティング ................................................................................................. 3-20
Web インタフェースの Home ページ ..................................................................................... 3-21
機器の特定 .............................................................................................................................. 3-22
使用するコマンド・セットの決定 ..................................................................................... 3-22
前面パネルを使用した基本測定 ................................................................................. 4-1
はじめに ............................................................................................................................... 4-1
この例で必要な機器 ............................................................................................................. 4-1
デバイスの接続 .................................................................................................................... 4-1
面パネルを使用した基本測定 .............................................................................................. 4-2
測定データの表示 ................................................................................................................ 4-3
高確度 DC 電圧測定 .................................................................................................... 5-1
はじめに ............................................................................................................................... 5-1
必要な機器 ........................................................................................................................... 5-1
デバイスの接続 .................................................................................................................... 5-1
6.5
高確度 DC 電圧測定 ............................................................................................................. 5-3
前面パネルの使用 ..................................................................................................................... 5-4
SCPI コマンドの使用 ................................................................................................................ 5-5
TSP コマンドの使用 ................................................................................................................. 5-6
テスト結果 ................................................................................................................................ 5-7
オフセット補正を使用した 4 線抵抗測定 .................................................................. 6-1
はじめに ............................................................................................................................... 6-1
必要な機器 ........................................................................................................................... 6-2
デバイスの接続 .................................................................................................................... 6-2
オフセット補正を使用した 4 線抵抗測定 ............................................................................ 6-4
前面パネルの使用 ..................................................................................................................... 6-4
SCPI コマンドの使用 ................................................................................................................ 6-5
TSP コマンドの使用 ................................................................................................................. 6-5
テスト結果 ................................................................................................................................ 6-6
設定した時間間隔での温度のスキャニング ............................................................... 7-1
はじめに ............................................................................................................................... 7-1
必要な機器 ........................................................................................................................... 7-1
デバイスの接続 .................................................................................................................... 7-2
指定した時間間隔での温度のサンプリング......................................................................... 7-4
前面パネルの使用 ..................................................................................................................... 7-4
SCPI コマンドの使用 ................................................................................................................ 7-5
TSP の使用 ............................................................................................................................... 7-7
テスト結果 ................................................................................................................................ 7-9
抵抗の等級付けとビニング ......................................................................................... 8-1
はじめに ............................................................................................................................... 8-1
必要な機器 ........................................................................................................................... 8-1
デバイスの接続 .................................................................................................................... 8-1
抵抗の等級付けおよびビニング・テスト ............................................................................ 8-3
トリガ・モデル・テンプレート設定による等級付けとビニング・テスト ................................ 8-4
SCPI コマンドの使用 ................................................................................................................ 8-5
TSP コマンドの使用 ................................................................................................................. 8-6
デジタイズおよび TSP-Link を使用した電力測定 ..................................................... 9-1
はじめに ............................................................................................................................... 9-1
必要な機器 ........................................................................................................................... 9-2
DMM6500型 6.5
デバイスの接続 .................................................................................................................... 9-2
デジタイズおよび TSP -Link を使用した電力測定 ............................................................... 9-4
SCPI コマンドの使用 ................................................................................................................ 9-4
TSP コードのためのノードのセットアップ ............................................................................. 9-4
TSP コマンドの使用 ................................................................................................................. 9-5
結果 ........................................................................................................................................... 9-8
トラブルシューティングに関する FAQ ................................................................... 10-1
このセクションの内容 ....................................................................................................... 10-1
更新されたドライバはどこにありますか。....................................................................... 10-1
初めての使用に最適なソフトウェアはありますか。 ........................................................ 10-2
設定が変わったのはなぜですか。 ..................................................................................... 10-2
DMM6500 型が USB フラッシュ・ドライブを読み込めないのですが…。 ...................... 10-2
ファームウェアはどうやってアップグレードすればいいですか。 .................................. 10-3
コマンド・セットはどうやって変更すればいいですか。 ................................................. 10-4
機器の現在の状況はどうすれば保存できますか。 ............................................................ 10-5
表示画面を保存する方法はありますか。 .......................................................................... 10-6
Ethernet のポート番号は何ですか。 ................................................................................. 10-6
次のステップ ............................................................................................................. 11-1
DMM6500 型に関する追加情報 ......................................................................................... 11-1
はじめに
1
このセクションの内容:
はじめに ................................................................................... 1-1
本書の概要 ............................................................................... 1-2
連絡先情報 ............................................................................... 1-2
延長保証 ................................................................................... 1-2
付属マニュアル一覧 ................................................................. 1-2
本書のセクション構成 ............................................................. 1-3
................................................................. 1-3
はじめに
ケースレー製品をご愛用くださりありがとうございます。DMM6500 型は、標準的な DMM の機能を
拡張した 6.5 桁ベンチ/システム・デジタル・マルチメータ(内蔵スキャナ・オプション)で、高速
デジタイズ機能とタッチスクリーン対応のグラフィカルな大型カラー・ディスプレイを備えていま
す。この DMM は、15 種類の測定機能を始めとするさまざまな測定機能を提供します。業界トッ
プ・クラスの DC 確度に加えて、キャパシタンス、10A 電流の測定や、16 ビットの電流/電圧のデ
ジタイズ機能など、豊富な機能を備えています。さらに、タッチスクリーン対応の大型カラー・ディ
スプレイ(5 型)による優れたデータ視覚化と操作性も備えており、測定結果をより詳細に解析する
ことができます。
DMM6500 型は、システム・アプリケーションや製造テストからベンチトップ・アプリケーションま
で、さまざまなアプリケーションに対応できる優れた確度と性能を提供します。DMM6500 型は、製
造技術者、研究/開発エンジニア、テスト・エンジニア、サイエンティストなどが日々直面するアプ
リケーション要件にも対応できます。
本書の概要
本書では、Keithley Instruments の DMM6500 型を十分に使いこなしていただけるように、各種のア
プリケーションについて詳細に説明しています。また、機器の操作に慣れていただけるように、前面
パネルについての情報も記載しています。
それぞれのアプリケーションの概要について説明した後に、前面パネル、SCPI コード、TSP
ド、Keithley KickSart Startup ソフトウェアを使用した具体的な手順を示します。
これらのアプリケーションで使用したコマンドに関する詳細情報も用意されています。『Model
DMM6500 Reference Manual』の SCPI および TSP コマンド・リファレンスのセクションを参照し
てください。 本書はjp.tek.com/keithleyからダウンロードしていただけます。
連絡先情報
本書に記載された情報に関して不明な点や疑問などがございましたら、最寄りのケースレーの支社ま
たは代理店までお問い合わせください。電話連絡先:Keithley Instruments 本社(アメリカおよびカ
ナダからは無料電話)1-800-935-5595 またはアメリカ国外からは+1-440-248-0400 。その他の世界
中の連絡先はKeithley Instruments の Web サイト (jp.tek.com/keithley )に記載されています。
DMM6500型 6.5
®
コー
延長保証
多くの製品では、保証期間を追加延長することができます。この延長保証を付けますとサービス費用
の予算外の発生を抑えることができ、修理費用の何分の一かの費用で保証年数を延ばすことができま
す。この延長保証は、新製品および現用製品でご利用になれます。最寄りの Keithley Instruments の
支社または代理店までお問い合わせください。
付属マニュアル一覧
DMM6500 型のマニュアルは、Keithley Instruments の Web サイト( jp.tek.com/keithley )からダウン
ロードしていただけます。付属マニュアル:
• クリック・スタート・ガイド:開梱の手順、基本的な接続方法、基本操作、機器が正しく動作
していることを確認するための簡単なテスト手順について説明しています。
• ユーザ・マニュアル:具体的なアプリケーション例を示し、ユーザが独自のアプリケーション
を構築するために必要な基礎知識を提供します。
• リファレンス・マニュアル:高度な使用法やメンテナンス情報、トラブルシューティングの手
順、プログラミング・コマンドの詳細な説明などが記載されています。
• アクセサリ情報:DMM6500 型で使用可能なアクセサリについてのマニュアルです。
ドライバやその他の最新情報については、 jp.tek.com/keithleyを参照してください。
1-2 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
本書のセクション構成
このマニュアルは次のセクションで構成されています。
• 前面パネルの概要: (2-1 ページ)前面パネル・インタフェースの基本的な使用方法について説
明します。
• リモート・インタフェースの使用:(3-1 ページ)リモート通信機能の基本および内蔵 Web イン
タフェースの使用法について説明します。
• アプリケーション例(下記を参照):さまざまな測定の場面で DMM6500 型を使用するための具
体的な方法について説明します。
• トラブルシューティングに関する FAQ :(10 -1 ページ)DMM6500 型を使用していて直面するさ
まざまな問題のトラブルシューティングに役立つ、よくある質問に答えます。
• 次のステップ:(11 -1ページ)DMM6500 型を使用するのに役立つその他の情報を紹介しています。
アプリケーション例
本書では、具体的なアプリケーションの実例を示すことで、前面パネルやリモート・インタフェース
からテストを実行する方法について説明しています。次のようなアプリケーションを取り上げます。
• 前面パネルを使用した基本測定:(4-1 ページ)1 台の DMM6500 型で 2 端子法を使用して、被
測定デバイスを測定する例を示します。
• 高確度 DC 電圧測定: (5-1 ページ) DMM6500 型を使用して、高確度 DC 電圧測定を行う方法を
説明します。
• オフセット補正を使用した 4 線抵抗測定:(6-1 ページ)DMM6500 型を使用して、抵抗デバイ
スを正確に測定する方法を説明します。
• 設定した時間間隔での温度のスキャニング:(7-1ページ) DMM6500 型を使用して、 1 分ごとに
24 時間にわたって温度測定データを記録する方法を示します。
• 抵抗の等級付けとビニング:(8-1ページ) DMM6500 型でトリガ・モデルと外部デジタル I/O を
使用して外部の電子部品ハンドリング装置を制御し、ベンチトップ・ビニングを実行します。
• デジタイズおよび TSP-Link を使用した電力測定: (9-1ページ) 2 台の DMM6500 型を構成し、
TSP-Link®を使用して、Bluetooth®低消費電力デバイスの消費電力を測定します。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 1-3
機器の電源をオンまたはオフにします機器をオンにするには、電
前面パネルの概要
このセクションの内容:
前面パネルの概要 .................................................................... 2-1
機器の電源 ............................................................................... 2-3
タッチスクリーン・ディスプレイ ........................................... 2-4
対話式スワイプ・スクリーン ................................................... 2-8
前面パネルの概要
2
...................................................................... 2-16
下図は、DMM6500 型の前面パネルを示しています。前面パネルのコントロールの概要を図の下に示
します。
図1 :DMM6500 型の前面パネル
源スイッチを押します。オフにするには、電源スイッチを押しま
す。機器がオンのときは LED が緑に点灯し、オフのときは橙色
HOME
HOME
メイン・メニューを表示します。メイン・メニュー上のアイコン
スクリプトのメニューがグラフィカルなユ
ーザ・インタフェースで表示されます。
ディスプレイ上で選択されたエリアまたはアイテムに関連するヘ
読み取りバッファのデータやスクリーン・スナップショットを
型は、タッチスクリーン対応のハイレゾ5型カラー・デ
ハイライト表示された選択肢を選択したり、選択されたフィール
ドを編集できます。
前のスクリーンに戻ったり、ダイアログ・ボックスを閉じます。
を押すと、メイン・メニュー・スクリーンに戻ります。
Switching between measurement
DMM6500型 6.5
MENU
APPS
HELP
USB
を押すと、チャンネル、測定、表示、トリガ、スクリプト、およ
びシステムの各画面が表示されます。詳細については、「メニュ
2-16
TSP
ルプが表示されます。何も選択されていない状態で HELP キーを
押すと、現在表示しているスクリーンの概要情報が表示されま
す。ヘルプを表示するには、HELP キーを押しながら、画面上の
USB フラッシュ・ドライブに保存します。また、USB フラッシ
ュ・ドライブにスクリプトを保存し、読み取ることもできます。
フラッシュ・ドライブは FAT または FAT32 でフォーマットされ
DMM6500
ィスプレイを搭載しています。タッチスクリーンを使用してスク
リーンをスワイプしたり、メニュー・オプションを表示できま
す。前面パネルの MENU 、APPS 、FUNCTION キーを押すと、そ
の他の対話式スクリーンにもアクセスできます。詳細は「タッチ
2-4
ENTER
EXIT
TRIGGER
SENSE
INPUT
たとえば、メイン・メニューが表示されているときに、EXIT キ
ーを押すと、Home スクリーンに戻ります。サブスクリーン
Event Log スクリーンなど)を表示しているときに、EXIT キー
は、機器の状態によって異なります。詳細は『
Reference Manual 』の「
methods
4
定で、SENSE HI 端子と SENSE LO 端子、および INPUT 端子を
使用します。
使用します。
TRIGGER
RTD
INPUT HI
INPUT LO
2-2 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
前面または後部パネルの端子を有効にします。後部パネルを選択
6.5
AMPS
TERMINALS
機器の電源
DMM6500 型をコンセントに接続して、機器の電源をオンにするときは、以下の手順に従います。
DMM6500 型の動作電圧は 100V~ 240V、電源周波数は 50Hz、 60Hz または 400Hz です。電源周波
数は自動的に検出されます。ご使用の地域の電源電圧に対応していることをご確認ください。
ヒューズは、工場における期待電圧に設定されています。電源モジュールに正しい電源電圧が表示さ
れていることを確認します。詳細については、『Model DMM6500 Reference Manual』の「Line
voltage verification」を参照してください。
AMPSとINPUT LO
を測定します。
すると、装着されたスキャナ・カードとの適切な接続が確立され
ます。前面パネルが有効な場合、緑色の LED が点灯します。後
LED
3A DC/AC
RMS
定格精度を達成するには、DMM6500 型をオンにして、少なくとも 30 分間ウォーム・アップする必
要があります。
機器を不適切な電源電圧で使用すると、機器が損傷する可能性があります(この場合、保証を受
けられない可能性もあります)。
DMM6500 型に付属の電源コードには、アース付きコンセントで使用するための保護接地(安全
接地)線が付いています。適切に接続を行った場合には、電源ケーブルの接地線によって機器の
シャーシが電源ケーブルのアース線に接続されます。保護接地線やアース付きコンセントが適切
に使用されていないときに、障害が発生した場合には、感電事故が発生し、負傷または死亡につ
ながる危険性があります。
取り外し可能な主電源コードを、不適切な定格のコードに取り換えないでください。定格が適切
なコードを使用しないと、感電による傷害または死亡事故の原因となる可能性があります。
機器を設置する前に、機器からすべての外部電源を外し、電源コードを外します。電源をすべて
遮断しないと、危険な電圧にさらされる可能性があります。誤って接触した場合に、怪我や死亡
の原因となる可能性があります。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 2-3
電源コードの接続
電源コードを接続すると、前面パネルの POWER スイッチの状態によっては、機器の電源がオンに
なる場合があります。
DMM6500型 6.5
電源ケーブルを接続するには、以下の手順に従います。
1. 付属の電源コードのメス端子を後部パネルの AC ソケットに差し込みます。
2. 電源コードのオス端子をアース付きの電源コンセントに差し込みます。
DMM6500 型をオン/オフにする
精密な、損傷しやすい被測定デバイス( DUT)の場合、機器のオン/オフのシーケンスによって
DUT にトランゼント信号が適用され、動作に影響が現れたり、損傷する可能性があります。このタ
イプの DUT をテストするときは、機器が起動シーケンスを完全に完了し、動作状態が確認できるま
では、最終的な接続を行わないでください。そのため、機器の電源をオフにする前に、機器から取
り外すようにしてください。
通電された導体に人体が接触しないように、DUT との接続は完全に絶縁された状態で行う必要があ
ります。テスト直前に DUT を接続する際には、体に接触することがないように、安全規格に準拠し
た安全ジャック・ソケットのコネクタを使用してください。
DMM6500
型の電源をオンにするには、以下の手順に従います。
1. DMM6500 型に接続している被測定デバイス( DUT)がある場合は切断します。
2. 前面パネルの POWER スイッチを押して、オンの位置にします。
機器が起動すると、ステータス・バーが表示されます。電源が完全にオンになると、ホーム画面が表
示されます。
DMM6500
1. 前面パネルの POWER スイッチを押して、オフの位置にします。
型の電源をオフにするには、以下の手順に従います。
タッチスクリーン・ディスプレイ
タッチスクリーンを使用すれば、前面パネルから測定の設定、システム構成、機器およびテストのス
テータス、読み取りバッファ情報など、機器のさまざまな機能に素早くアクセスできます。ディスプ
レイには複数のスワイプ画面があり、前面パネルをスワイプすることによってアクセスできます。前
面パネルの MENU 、APPS 、FUNCTION キーを押すと、その他の対話式スクリーンにもアクセスで
きます。
2-4 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
タッチスクリーンに触れる場合は、ピンセット、ドライバ、先のとがった物など、鋭利な金属を
使用しないでください。機器を操作する際は、指のみを使用することを強くお勧めします。タッ
チスクリーンを操作する際には、クリーンルーム用手袋を使用することもできます。
タッチスクリーンでのアイテムの選択
表示された画面上のアイテムを選択するには、画面上の対応するアイコンを押します。
以下のトピックでは、DMM6500 型のタッチスクリーンについて詳細に説明します。
スクロール・バー
一部の対話式画面には、画面を下にスクロールしないと表示されないオプションが存在します。そう
した画面には、タッチスクリーンの右側にスクロール・インジケータが表示されています。これらの
オプションを表示するには、画面を上下にスワイプします。
下図は、スクロール・バーがある画面を示しています。
図2 :スクロール・バー
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 2-5
情報の入力
いくつかのメニュー・オプションでは、キーパッドまたはキーボードが表示され、情報を入力できま
す。たとえば、前面パネルから GPIB アドレスを設定する場合は、以下の図のようにキーパッドが表
示されます。
DMM6500型 6.5
図3 :DMM6500 型の前面パネルのキーボードを使用した情報の入力
画面をタッチしてキーパッドまたはキーボードから文字やオプションを選択して、情報を入力できま
す。画面をタッチすれば、入力ボックスの中でカーソルを移動できます。入力ボックス内のタッチし
たポイントにカーソルが移動します。
バックライドの明るさ/減光の調整
前面パネルまたはリモート・インタフェースから、DMM6500 型のタッチスクリーン・ディスプレイ
およびボタンの明るさを調整できます。また、前面パネルが一定の時間何も操作されなかったとき
に、画面が暗くなるようにバックライトを調整できます(前面パネル画面からのみ設定可能)。前面
パネル画面から設定されたバックライト設定は、リセットや電源サイクルを行っても保存されます。
画面の耐用年数は、明るさが最大の状態で表示された時間の長さに影響されます。画面を明るく設
定した状態が長いほど、画面の耐用年数が短くなります。
2-6 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
前面パネルからバックライトの明るさを調整するには、以下の手順に従います。
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. System(システム)で Settings (設定)を選択します。
3. Backlight Brightness (バックライトの明るさ)を選択します。 Backlight Brightness(バックラ
イトの明るさ)ダイアログ・ボックスが表示されます。
4. スライダーをドラッグして、バックライトを設定します。
5. OK を選択します。
前面パネルから減光を設定するには、以下の手順に従います。
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. System(システム)で Settings (設定)を選択します。
3. Backlight Dimmer(バックライトの減光)を選択します。Backlight Dimmer ダイアログ・ボッ
クスが表示されます。
4. 減光設定を選択します。
イベント・メッセージの確認
操作やプログラミングを行っている間、前面パネルにメッセージが表示されることがあります。これ
らは情報、警告、またはエラーのいずれかの通知を示しています。イベント・メッセージについての
詳細は、『Model DMM6500 Reference Manual 』の「Using the event log」を参照してください。
図4 :前面パネルのイベント・メッセージの例
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 2-7
DMM6500型 6.5
対話型スワイプ・スクリーン
DMM6500 型のタッチスクリーン・ディスプレイは、画面の下半分で左右にスワイプすることで、複
数の画面を切り替えることができます。以下のトピックでは、スワイプ画面で利用可能なオプション
について説明します。
スワイプ画面の見出しバー
スワイプ画面の見出しバーには、以下のオプションがあります。
図5 :DMM6500 型のスワイプ画面(最大化と最小化)
2-8 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
小さな丸いインジケータがそれぞれのスワイプ画面を表しています。左右にス
上にスワイプしてスワイプ画面を表示できる状態であることを示します。
(スキャン)画面を表示します。端子が後部に設定され
6.5
#
1
2
3
4
5
6
カット
ワイプすると、インジケータの色が変化し、画面シーケンスのどの位置にいる
のかを把握できます。インジケータを選択すると、スワイプ操作なしに特定の
CALCULATION SETTINGS
TERMINAL
FRONT(前面)に設定されているときにのみ使用できます。
MEASURE SETTINGS
す。 TERMINAL(端子)が FRONT(前面)に設定されているときにのみ使用
CHANNEL SETTINGS
アクティブなチャンネルが閉じているとき、端子が後部に設定されている場合
に、このショートカットが設定スワイプ画面に表示されます。
SCAN
ているときに、このショートカットを利用できます。
カット
端子が後部に設定されているときに、このショートカットを利用できます。
CHANNEL CONTROL
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 2-9
DMM6500型 6.5
FUNCTIONS(機能)スワイプ画面
FUNCTIONS (機能)スワイプ画面では、選択された測定機能がハイライト表示されていますが、別
の機能も選択できます。
図 6: FUNCTIONS(機能)スワイプ画面
SETTINGS(設定)スワイプ画面
SETTINGS (設定)スワイプ画面は、選択された測定機能の機器設定に、前面パネルからアクセスで
きるようにします。現在の設定を表示し、また変更できます。利用可能な設定は有効な測定機能によ
って異なります。
図7 :SETTINGS (設定)スワイプ画面
設定を無効または有効にするには、設定の横にあるボックスを選択して、X (無効)またはチェッ
ク・マーク(有効)を表示させます。
設定に関する説明を表示するには、ボタンを選択した後に、HELP キーを押します。
2-10 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
STATISTICS(統計)スワイプ画面
STATISTICS (統計)スワイプ画面には、アクティブな読み取りバッファの測定値に関する情報が含
まれます。読み取りバッファに連続的にデータを取り込み、古いデータを新しいデータで上書きする
ように設定されているときは、上書きされたデータの情報もバッファ統計情報に反映されています。
上書きされたデータの情報を含まない統計情報が必要な場合には、実行する読み取りの回数に合わせ
て、十分に大きなバッファ・サイズを定義してください。この画面の Clear Active Buffer (アクテ
ィブ・バッファのクリア)ボタンを使用すると、アクティブな読み取りバッファのデータをクリアで
きます。
複数のウォッチ・チャンネルがセットアップされている場合には、チャンネルの矢印を使用して、そ
れぞれのウォッチ・チャンネルの統計値を表示する画面を変更できます。
図 8: STATISTICS(統計)スワイプ画面
SECONDARY(二次)スワイプ画面
SECONDARY (二次)スワイプ画面を使用すると、2 種類の測定結果を前面パネル・ディスプレイ
に表示できます。
二次測定値の表示を開始するには、Second Function ( 二次ファンクション) を選択し、
Secondary Measure (二次測定)を選択します。2 番目の測定値は Continuous Measurement (連続
測定)モードおよび Manual Trigger (マニュアル・トリガ)モードでのみ使用できます。この機能は
機器の前面パネルからのみ使用できます。
詳細については、『Model DMM6500 Reference Manual 』の「Display results of two measure
functions」を参照してください。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 2-11
DMM6500型 6.5
図9 :SECONDARY (二次)スワイプ画面
選択されている機能により異なりますが、測定タイプを切り替えると、リレーがカチカチと音をた
てる場合があります。二次測定値を長時間オンにしたままにすると、リレーの耐用年数が短くなる
場合があります。
USER(ユーザ)スワイプ画面
カスタム・テキストをプログラムする場合には、USER (ユーザ)スワイプ画面に表示されます。た
とえば、処理中のテキストを表示するように、DMM6500 型をプログラムすることもできます。この
スワイプ画面は、カスタム・テキストが定義されている場合にのみ表示されます。詳細については、
『Model DMM6500 Reference Manual 』の「Customizing a message for the USER swipe screen」を
参照してください。
図10 :USER (ユーザ)スワイプ画面
2-12 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6500型 6.5
GRAPH(グラフ)スワイプ画面
GRAPH (グラフ)スワイプ画面には、現在選択されている読み取りバッファの読み値がグラフ表示
されます。
図11 :GRAPH (グラフ)スワイプ画面
グラフを全画面表示したり、グラフ設定にアクセスするには、スワイプ画面ヘッダの右側のグラフ・
アイコンを選択します。グラフ画面の全機能を表示するには、MENU キーを押して、Views (表示)
の Graph (グラフ)を選択します。
グラフ測定の詳細については、『Model DMM6500 Reference Manual』の「Graphing」を参照して
ください。
SCAN(スキャン)スワイプ画面
SCAN (スキャン)スワイプ画面では、前面パネルからスキャンのビルド/編集/開始/ステップ・
スキャン/スキャン結果の表示が行えます。スキャン結果は USB フラッシュ・ドライブに保存する
こともできます。
スワイプ画面の見出しバーの右側のアイコンは、Channel Scan (チャンネル・スキャン)メニュー
へのショートカットです。Channel Scan (チャンネル・スキャン)メニューを使用して、スキャン
をビルドしたり、編集することもできます。
スキャンの実行中は、残り時間とスキャン・カウントが表示されます。
スキャン・プレビューの表示およびスキャンの編集/実行についての詳細は、『Model DMM6500
Reference Manual』の「 Channel scan menu」を参照してください。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 2-13
DMM6500型 6.5
図12:SCAN(スキャン)スワイプ画面 – 初期画面
図13:SCAN(スキャン)スワイプ画面 – スキャン結果
2-14 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
(スキャン)画面を表示し、新規スキャンをセットアップします。
(スキャン)画面を表示し、スキャンの設定を変更します。
(スキャンの再開)が押されるまで、スキャンを停止します。
一時停止状態のスキャンを再開します。
スキャン読み取りバッファのデータを
チャンネル番号順にステップ・スキャンを実行します。
6.5
SCAN(スキャン)スワイプ画面には、以下のオプションがあります。
Abort Scan
Build Scan
Edit
Pause Scan
Resume Scan
Save to USB (に保存 )
Start Scan
Step Scan
SCAN
SCAN
Resume Scan
CSV
USB
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 2-15
(設定)メニューには、それぞれのチャンネルに測定機能をセット
(制御)メニューでは、チャンネルをオープン/クローズできます。
(スキャン)メニューには、スキャンのセットアップや実行のオプションがありま
メニューの概要
メイン・メニューにアクセスするには、DMM6500 型の前面パネルの MENU キーを押します。下の
図はメイン・メニューの編成を示しています。
DMM6500型 6.5
図14 :DMM6500 型のメイン・メニュー
メイン・メニューは、サブメニューで編成されており、画面の上部に緑色でラベル化されています。
サブメニューのアイコンにタッチすると、対話型画面が表示されます。
Channel(チャンネル)メニュー
Channel (チャンネル)メニューでは、前面パネルからチャンネルのセットアップや制御、スキャン
が行えます。
Settings
アップするためのオプションが含まれます。
Control
Scan
す。オプションには、一連のチャンネルに同一の機能を適用できる、グループを制御する
機能が含まれます。
2-16 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
(設定)メニューには、現在選択されている測定機能に関する設定が含ま
(計算)メニューには、測定情報の処理方法と結果の返し方を指定す
(リストの構成)を使用して、既存の測定構成リストを選択したり、新し
(読み取りバッファ)を使用して、既存の読み取りバッファの一覧
(グラフ)メニュー は、選択された読み取りバッファの測定データをトレ
(ヒストグラム)メニューを使用して、選択された読み取りバッファの
6.5
Measure(測定)メニュー
Measure(測定)メニューを使用して、前面パネルから測定機能を選択、設定、実行できます。
QuickSet (クイックセット)メニューを使用して、機能の変更や性能の調整を行
います。
Settings
れます。選択されている測定項目は、メニュー右上隅の機能インジケータによって
識別できます。使用可能な設定は前面パネルの FUNCTION キーの選択によって異
なります。
Calculations
る設定が含まれます。
Config Lists
いリストを作成することができます。また、機器同士で構成設定をやり取りしたり、コ
ンフィグレーション・リストのインデックスの設定を表示することもできます。
Reading Buffers
を表示したり、アクティブ・バッファを選択することができます。また、この画面
からバッファの作成、保存、削除、サイズの変更、およびクリアを実行できます。
Views(表示)メニュー
Views(表示)メニューを使用して、測定操作によって収集されたデータを選択、構成、表示できます。
Graph
ースとしてグラフ表示する画面を開きます。画面には、グラフ表示をカスタマイズ
するのに使用するタブもあります。
また、この画面では、トリガ・モードを選択してトリガ・モデルまたはスキャンを
開始することもできます。
Histogram
測定データの分布をグラフ表示できます。画面には、ヒストグラムをカスタマイズ
するのに使用するタブもあります。
このメニューでは、選択された読み取りバッファのデータも表示できます。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 2-17
(設定)メニューを使用して、トリガ・モデルの構造やパラメータを表
(実行)メニューには、選択してすぐに実行できるスクリプトのリストがあり
(設定保存)メニューを使用して、機器の現在の設定/コンフィグレ
DMM6500型 6.5
トリガメニュー
Trigger(トリガ)メニューを使用して、前面パネルからトリガ・モードを設定できます。
Templates (テンプレート)メニューを使用して、プログラム済みトリガ・モデル
のいずれかを選択できます。テンプレートを選択すると、そのテンプレートに指定
可能な設定が画面下部に表示されます。
Configure
示、修正できます。また、トリガ・モデルの動作をモニタできます。
Scripts(スクリプト)メニュー
Scripts (スクリプト)メニューを使用して、前面パネルからスクリプトを構成、実行、および管理で
きます。スクリプトは、複数コマンドで構成されたブロックであり、グループとして実行できます。
Run
ます。また、スクリプトをコピーして、機器の電源をオンにするたびに実行される
スクリプトにすることもできます。スクリプトは機器本体または USB フラッシ
ュ・ドライブに保存しておけます。
Manage
クリプトをコピーできます。機器本体または USB フラッシュ・ドライブのスクリ
USB
プトを削除することもできます。
Save Setup
ーション・リストをコンフィグレーション・スクリプトに保存できます。このスク
リプトを使用して、設定を呼び出せます。
Record (レコード)メニューを使用して、操作手順を記録して、マクロ・スクリ
プトに保存できます。スクリプトは Script (スクリプト)メニューやリモート・コ
マンドなど、他のスクリプトと同じように実行、管理できます。保存されるのは設
定だけです。キーの操作や前面パネルのみのオプションは保存されません。
APPS MANAGER
ケーションを管理できます。 TSP アプリケーションは、ケースレーが開発したプ
TSP
®
ログラムで、テストを自動化したり、ユーザ・インタフェースに情報を視覚的に表
示するなど、DMM6500 型で特殊な機能を実行できます。TSP アプリケーション
は、機器で TSP または SCPI コマンド・セットを使用するときに利用できます。
DMM6500 型には、数多くのアプリケーションがプリインストールされています。
2-18 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
(イベント・ログ)メニューを使用して、イベント・ログ・エントリを
(校正)メニューは、前回の調整日、前回の校正日、機器が調整され
6.5
System(システム)メニュー
メイン・メニューの System (システム)メニューを使用して、DMM6500 型の前面パネルから機器
の一般的な設定を構成できます。たとえば、イベント・ログ、通信、バックライト、時刻、パスワー
ド、校正、システム情報などの設定があります。
Event Log
表示およびクリアできます。表示または記録の対象とするイベントを調整すること
もできます。
Communication (通信)メニューは、通信設定に関する情報を含む各種のタブを
表示します。ほとんどのタブには、変更が可能な設定が含まれます。
Settings (設定)メニューには、機器の一般的な設定があります。たとえば、キ
ー・クリック音、バックライトの明るさおよびタイマ、時刻と日付、システムのア
クセス・レベル、パスワード、および読み値のフォーマットなどです。
Calibration
た回数など、工場校正に関する情報を表示します。
Info/Manage (情報/管理)メニューを使用して、バージョンやシリアル番号の情
報、機器ファームウェアの設定にアクセスしたり、機能をリセットできます。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 2-19
リモート・インタフェースの使用
3
このセクションの内容:
リモート通信インタフェース ................................................... 3-1
サポートされるリモート・インタフェース ............................. 3-2
LAN 通信 .................................................................................. 3-3
USB 通信 .................................................................................. 3-6
GPIB 通信 .............................................................................. 3-12
RS-232 ................................................................................... 3-15
TSP-Link ................................................................................ 3-18
Web インタフェースの使用 ................................................... 3-20
......................................... 3-22
リモート通信インタフェース
いくつかの通信インタフェースのいずれかを選択し、DMM6500 型からコマンドを送信し、応答を受
信できます。
通信インタフェースのタイプ(LAN 、USB 、GPIB 、RS -232 、または TSP -Link
ネルにあるそれぞれのポートに接続すると自動的に検出されます。GPIB 、RS -232 、および TSP-
Link を使用するには、アクセサリ・カード(オプション)が必要です。ほとんどの場合、ユーザが
設定を行う必要はありません。さらに、接続されているインタフェースの種類を変更した場合も、再
起動する必要はありません。
DMM6500 型は、一度に 1 つの通信インタフェースからしか制御できません。 USB 通信は LAN 通信
よりも優先されます。他のインタフェースの場合は、機器が最初にメッセージを受信したインタフェ
ースによって機器が制御されます。別のインタフェースがメッセージを送信すると、そのインタフェ
ースによって機器が制御されます。選択したインタフェースによっては、インタフェースを変更する
際にパスワードを入力しなければならない場合があります。
®
)は、機器の後部パ
DMM6500型 6.5
サポートされるリモート・インタフェース
DMM6500 型では、以下のリモート・インタフェースがサポートされています。
• GPIB :IEEE -488 機器の汎用インタフェース・バス
• Ethernet:LAN 通信
• RS-232:シリアル通信規格
• USB :Type B USB ポート
• TSP-Link:高速トリガ同期/通信用バス。テスト・システムで使用すると、複数の機器をマス
タ/スレーブ構成に接続することが可能
GPIB、 RS-232、および TSP-Link インタフェースを使用する場合は、通信アクセサリ・カード(オ
プション)を使用する必要があります。KTTI-GPIB、KTTI-TSP、KTTI-RS232 などのアクセサリ・
カードがあります。
TSP-Link の詳細については、『 Model DMM6500 Reference Manual』の「 TSP-Link System Expansion
Interface」を参照してください。
以下の図は、後部パネルのリモート通信インタフェース用コネクタを示しています。
図15 :DMM6500 型のリモート・インタフェース接続
3-2 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
LAN 通信
LAN を使用して機器と通信することができます。
LAN を使用して接続すると、 Web ブラウザを使用して内部 Web ページにアクセスし、機器の設定
の一部を変更することができます。詳細については、「Web インタフェースの使用」 (3-20 ペー
ジ)を参照してください。
DMM6500 型はバージョン 1.5 の LXI デバイス規格( 2016)に準拠しており、 TCP/IP に対応し、
IEEE Std 802.3( Ethernet LAN)に準拠しています。本機の後部パネルにある LAN ポートは、
10Mbps または 100Mbps ネットワークとの接続機能をすべて備えています。 DMM6500 型は、接続
速度を自動的に検出します。
DMM6500 型は、マルチキャスト DNS( mDNS)および DNS サービス・ディスカバリ( DNS-SD)
もサポートしているため、集中管理型以外の LAN で優れた利便性を発揮します。
LAN 接続をセットアップする前に、固有のネットワーク要件について、ネットワーク管理者に確認
を行うようにしてください。
LAN のセットアップで問題が発生した場合は、「LAN トラブルシューティング」 (3-20ページ)を
参照してください。
機器での LAN 通信のセットアップ
このセクションでは、機器で LAN 通信を手動または自動でセットアップする方法について説明します。
通信設定の確認
LAN 設定をセットアップする前に、実際に変更を行わずに、機器の通信設定を確認することができ
ます。
機器での通信設定を確認するには、以下の手順に従います。
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. System(システム)で Communication (通信)を選択します。 SYSTEM COMMUNICATIONS
(通信設定)ウィンドウが表示されます。
3. LAN を選択して、確認したいインタフェースの設定を表示します。
4. EXIT キーを押して、何も変更を行わずに、 SYSTEM COMMUNICATION(システム通信)ウィ
ンドウから離れます。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 3-3
LAN 設定の自動セットアップ
DHCP サーバがある LAN に接続している場合、あるいは機器とホスト・コンピュータが直接接続さ
れている場合には、IP アドレスの自動選択を使用できます。
Auto (自動)を選択した場合、機器は DHCP サーバーから IP アドレスを取得しようと試みます。取
得に失敗した場合、アドレスは 169.254.1.0 ~169.254.254.255 の IP アドレスになります。
ホスト・コンピュータと機器の両方を自動 LAN 構成に設定しておく必要があります。いずれか一方
を手動構成に設定することもできますが、セットアップが複雑になります。
DMM6500型 6.5
前面パネルを使用してIPアドレスの自動選択をセットアップするには、以下の手順に従います。
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. System(システム)で Communication (通信)を選択します。
3. LAN タブを選択します。
4. TCP/IP Mode( TCP/IP モード)は、Auto (自動)を選択します。
5. Apply Settings (設定の適用)を選択して、設定を保存します。
LAN 設定の手動セットアップ
必要に応じて、 IP アドレスを手動で設定することができます。
DNS 設定を有効または無効にし、ホスト名を DNS サーバーに割り当てることもできます。
企業ネットワークに機器を配置する場合、機器に対して有効な IP アドレスを確保できるように、情
報技術(IT )部門に問い合わせてください。
機器の IP アドレスには先頭にゼロが含まれていますが、コンピュータの IP アドレスには含めるこ
とはできません。
3-4 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
機器でIPアドレスの手動選択をセットアップするには、以下の手順に従います。
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. System(システム)で Communication (通信)を選択します。
3. LAN タブを選択します。
4. TCP/IP Mode( TCP/IP モード)は、Manual (手動)を選択します。
5. IP Address ( IP アドレス)を入力します。
6. Gateway(ゲートウェイ)アドレスを入力します。
7. Subnet(サブネット)マスクを入力します。
8. Apply Settings (設定の適用)を選択して、設定を保存します。
コンピュータでの LAN 通信のセットアップ
このセクションでは、コンピュータで LAN 通信をセットアップする方法について説明します。
IP アドレスを変更する場合は必ずシステム管理者に相談してください。不正な IP アドレスを入力し
た場合、会社のネットワークにコンピュータを接続できない場合や、ネットワークの他のコンピュ
ータに干渉する恐れがあります。
ネットワーク ・インターフェース カードの既存のネットワーク設定情報を変更する前に、すべて
のネットワーク設定を記録するようにしてください。ネットワーク設定が更新されると、以前の情
報は失われます。これにより、ホスト・コンピュータを企業ネットワークに再接続する際(特に、
DHCP が無効な場合)に問題が発生する可能性があります。
ホスト・コンピュータを企業ネットワークに再接続する前にすべての設定を必ず元に戻してくださ
い。詳細については、システム管理者にお問い合わせください。
DMM6500 型での LAN 接続の検証
機器に IP アドレスが割り当てられたことを検証し、DMM6500 型がネットワークに接続されたこと
を確認します。
接続を検証するには、以下の手順に従います。
LAN
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. System(システム)で Communication (通信)を選択します。
3. LAN タブを選択します。
LAN タブの左下にある LAN ステータス・インジケータが緑色に点灯していれば、機器に IP アドレ
スが割り当てられています。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 3-5
LXI Discovery Tool の使用
DMM6500 型の IP アドレスを検出するには、 LXI Discovery Tool を使用します。このツールは、 LXI
Consortium の Web サイト( lxistandard.org/)の Resources タブにあります。
USB 通信
後部パネルの USB ポートを使用する場合は、ホスト・コンピュータに VISA( Virtual Instrument
Software Architecture )レイヤがなければなりません。詳細については、『Model DMM6500
Reference Manual』の「 How to install the Keithley I/O Layer」を参照してください。
VISA には USBTMC( USB Test and Measurement Class)プロトコルに対応する USB クラス・ドラ
イバが含まれており、このドライバをインストールすることで、Microsoft
ング・システムが機器を認識できるようになります。
USBTMC または USBTMC-USB488 プロトコルを実装した USB デバイスをコンピュータに接続する
と、VISA ドライバによってそのデバイスが自動的に検出されます。自動的に認識されるのは、
USBTMC および USBTMC-USB488 デバイスのみであることに注意してください。プリンタ、スキ
ャナ、およびストレージ・デバイスなどの他の USB デバイスは認識されません。
DMM6500型 6.5
®
Windows®オペレーティ
このセクションでは、"USB 機器"という表現は、USBTMC または USBTMC-USB488 プロトコルを
実装したデバイスを指します。
USB を使用してコンピュータを DMM6500 型に接続する
コンピュータと本機を接続するには、両端のコネクタが USB Type B と USB Type A の USB ケーブ
ルが必要です。USB インタフェースを使用して同時にコンピュータに接続する予定の本機のそれぞ
れついて、個別に USB ケーブルを用意する必要があります。
を使用して機器をコンピュータに接続するには、以下の手順に従います。
USB
1. ケーブルの Type A 側をコンピュータに接続します。
2. ケーブルの Type B 側を機器に接続します。
3. 機器の電源を入れます。コンピュータが新しい USB を検出すると、 Found New Hardware(新
しいハードウェアを検出)ウィザードが起動されます。
4. "Can Windows connect to Windows Update to search for software?"(ソフトウェア検索のため、
Windows Update に接続しますか?)ダイアログ・ボックスが表示されたら、No (いいえ)を選
択し、さらに Next (次へ)を選択します。
5. "USB Test and Measurement device"ダイアログ・ボックスで、Next (次へ)を選択し、Finish
(完了)を選択します。
3-6 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
機器との通信
USB デバイスと通信する機器には、NI-VISATMを使用する必要があります。 VISA で正しい USB 機
器に接続するには、次のフォーマットのリソース文字列が必要です。
USB0::0x05e6::0x6500::[serial number]::INSTR
ここで、
• 0x05e6 :ケースレーのベンダ ID
• 0x6500 :機器の型名番号
• [serial number]:機器のシリアル番号(シリアル番号は後部パネルにも記載されています)
• INSTR :USBTMC プロトコルを使用
USB 通信がアクティブな場合、リソース文字列が System Communications (通信設定)画面の右下
に表示されます。Menu (メニュー)、さらに Communication (通信)を選択して System
Communications(通信設定)メニューを開き、USB タブを選択します。
Keithley Configuration Panel を実行することでも、これらのパラメータを確認できます。コンピュー
タに接続されているすべての機器が自動的に検出されます。
®
Keithley I/O Layer がインストールされている場合は、 Microsoft
Windows®のスタート・メニューか
ら Keithley Configuration Panel にアクセスできます。
USB 接続を使用している場合、 USB が接続されている間は LAN 接続に切り替えることはできませ
ん。 USB は LAN よりも優先されます。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 3-7
DMM6500型 6.5
Keithley Configuration Panel
います。
を使用して
VISA
リソース文字列を確認するには、以下の手順に従
1. Start > Keithley Instruments > Keithley Configuration Panel をクリックします。 Select
Operation(操作 n の選択)ダイアログ・ボックスが表示されます。
図16 :Select Operation (操作の選択)ダイアログ・ボックス
2. Add(追加)を選択します。
3-8 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
3. Next (次へ)を選択します。 Select Communication Bus(通信バスの選択)ダイアログ・ボック
スが表示されます。
図17 :Select Communication Bus (通信バスの選択)ダイアログ・ボックス
4. USB を選択します。
5. Next (次へ)をクリックします。 Select Instrument Driver(機器ドライバの選択)ダイアログ・
ボックスが表示されます。
図18 :Select Instrument Driver (機器ドライバの選択)ダイアログ・ボックスが表示されます。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 3-9
DMM6500型 6.5
6. Auto -detect Instrument Driver - Model(機器ドライバの自動検出-モデル名)を選択します。
7. Next (次へ)をクリックします。 Configure USB Instrument( USB 機器の設定)ダイアログ・ボ
ックスが表示され、検出された機器の VISA リソース文字列が示されます。
8. Next (次へ)をクリックします。 Name Virtual Instrument(仮想機器名の指定)ダイアログ・ボ
ックスが表示されます。
図19 :Name Virtual Instrument (仮想機器名の指定)ダイアログ・ボックス
9. Virtual Instrument Name(仮想機器名の指定)に機器を参照するのに使用する名前を入力します。
10. Finish (完了)を選択します。
11. Cancel(キャンセル)を選択してウィザードを閉じます。
12. 設定を保存します。 Keithley Configuration Panel から、File(ファイル) > Save (保存)を選
択します。
3-10 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
Keithley Communicator
で機器を確認するには、以下の手順に従います。
1. SCPI コマンド・セットを使用するように機器を設定します。手順については、「コマンド・セ
ットはどうやって変更すればいいですか。」(3-22 ページ)を参照してください。
2. Start > Keithley Instruments > Keithley Communicator をクリックします。
3. File(ファイル) > Open Instrument(機器を開く)を選択して名前を指定する機器を開きます。
図20 :Keithley Communicator の Open an Instrument (機器を開く)
4. OK をクリックします。
5. コマンドを機器に送信し、応答の有無を確認します。
フルバージョンの NI-VISA がインストールされている場合には、 NI-MAX または VISA Interactive
Control ユーティリティのいずれかをインストールできます。詳細については、National Instruments
のドキュメントを参照してください。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 3-11
GPIB 通信
DMM6500 型の GPIB インタフェースは、IEEE 規格 488.1 準拠であり、IEEE 規格 488.2 共通コマ
ンドおよびステータス・モデル・トポロジをサポートします。
GIPB インタフェースには、最大 15 個のデバイス(コントローラを含む)接続できます。最大ケー
ブル長は、以下のいずれか短い方になります。
• 2m (6.5 フィート)にデバイス数を掛けた数
• 20m (65.6 フィート)
これらの制限を無視すると、バスの動作が不安定になる場合があります。
GPIB 接続機能を使用するには、本機に KTTI-GPIB 型通信アクセサリ・カードをインストールする
必要があります。
DMM6500型 6.5
KTTI-GPIB アクセサリ・カードのインストール
図21 :KTTI-GPIB コネクタ
開梱と内容の確認
KTTI-GPIB
てください。基板の表面、部品、導体に隣接する領域には触れないでください。汚れ、埃、皮脂
などの異物による汚染があると、カードの性能が大幅に低下する恐れがあります。
開梱とカードのチェックを行うには、以下の手順に従います。
1. 箱に損傷がないかチェックします。
2. 箱を開けます。
カードは慎重に取り扱ってください。カードは常に外側のエッジ部分を持つようにし
3. カードを取り出し、明らかな物理的損傷がないかをチェックします。
3-12 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
4. 損傷がある場合は、すぐに配送業者に連絡します。
6.5
インストール
高電圧回路に誤って接触しないように、未使用のスロットにはスロット・カバーを装着する必要
があります。定格を無視したり、規格により義務づけられた安全対策を怠ると、安全感電による
大けがや死につながる恐れがあります。
通信カードを取り付けるには、以下の手順に従います。
1. 機器の電源をオフにし、後部パネルに接続された電源コードやその他のケーブルをすべて取り外
します。
2. 後部パネルがよく見えるように機器の向きを調整します。
3. 機器背面のスロットからスロット・カバー・プレートを取り外します。プレートやネジは大切に
保管してください。
4. カードのコネクタをスロット内部のエッジに合わせて、カードをシャーシの中に差し込みます。
残り 6mm まで差し込んだら、カードをコネクタにしっかり押し込んで組み合わせます。
5. カードの両側には、バネ式のネジがあります。カードがケースにしっかり固定されるように、指
またはドライバを使ってこれら 2 つのネジを閉めます。締めすぎないように注意してください。
6. 後部パネルの電源コードやその他のケーブルを再び接続します。
7. 機器の電源をオンにします。
機器への GPIB ケーブルの接続
DMM6500 型を GPIB インタフェースに接続するには、標準の GPIB コネクタの付いたケーブル(下
図を参照)を使用します。
図22 :GPIB コネクタ
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 3-13
DMM6500型 6.5
1 台の機器で複数の並行接続を可能にするには、コネクタをスタックします。各コネクタには、コネ
クタを固定するためのネジが 2 つあります。以下の図は、複数の機器を使用したテスト・システム
での一般的な接続ダイアグラムを示しています。
機械的な破損を防止するため、1台の機器にスタックするコネクタは3つ以下にしてください。
電磁放射によって引き起こされる干渉を最小限にするため、シールド付き
使用してください。シールド・ケーブルについては、ケースレーまでお問い合わせください。
GPIB
ケーブルのみを
図23 :DMM6500 型での GPIB 接続の例
その他の情報
その他の情報については、『 KTTI-GPIB Communication and Digital I/O Accessory Instruction
Sheet』(当社部品番号: 0771437XX。 XX は文書の改訂番号を表す)を参照してください。
3-14 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
GPIB アドレスの設定
デフォルトの GPIB アドレスは 16 です。システム内で一意であれば、アドレスを 1 ~30 の任意のア
ドレスに設定できます。別の機器に割り当てられたアドレスや、GPIB コントローラに割り当てられ
たアドレスと競合してはなりません。
GPIB コントローラは通常 0 または 21 に設定されています。安全のため、機器のアドレスは 21 に
設定しないようにしてください。
機器は、アドレスを不揮発性メモリに保存します。そのため、リセット・コマンドを送信したり、電
源をオフにした後に再度オンにしても、アドレスは変化しません。
前面パネルから
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. Communication(通信)を選択します。
3. GPIB タブを選択します。
4. GPIB Address(アドレス)を設定します。
5. OK を選択します。
GPIB アドレスはリモート・コマンドを使用して設定することもできます。 SCPI コマンドを使用し
て GPIB アドレスを設定するには、SYSTem:GPIB:ADDRess を送信します。TSP コマンドの場合
は、gpib.address を送信します。
RS-232
本機に KTTI-RS232 通信アクセサリ・カードがインストールされている場合には、RS -232C を使用
して機器を接続できます。
カードは、外部デジタル回路の制御に使用できる、個別に構成可能な 6 つのデジタル入出力ライン
を提供しますので、たとえば、ビニング操作のハンドラとして使用できます。デジタル I/O ポート
は、標準の DB -9 (Fe )コネクタです。これらのラインはトリガにも使用できます。本機では出力ト
リガパルスを生成できるほか、入力トリガパルスも検出できます。
GPIB
アドレスを設定するには、以下の手順に従います。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 3-15
DMM6500型 6.5
KTTI-RS232 アクセサリ・カードのインストール
図24 :KTTI-RS232 パネル
開梱と内容の確認
KTTI-RS232
カードは慎重に取り扱ってください。カードは常に外側のエッジ部分を持つように
してください。基板の表面、部品、導体に隣接する領域には触れないでください。汚れ、埃、皮
脂などの異物による汚染があると、カードの性能が大幅に低下する恐れがあります。
開梱とカードのチェックを行うには、以下の手順に従います。
1. 箱に損傷がないかチェックします。
2. 箱を開けます。
3. カードを取り出し、明らかな物理的損傷がないかをチェックします。
4. 損傷がある場合は、すぐに配送業者に連絡します。
インストール
高電圧回路に誤って接触しないように、未使用のスロットにはスロット・カバーを装着する必要
があります。定格を無視したり、規格により義務づけられた安全対策を怠ると、安全感電による
大けがや死につながる恐れがあります。
通信カードを取り付けるには、以下の手順に従います。
1. 機器の電源をオフにし、後部パネルに接続された電源コードやその他のケーブルをすべて取り外
します。
2. 後部パネルがよく見えるように機器の向きを調整します。
3. 機器背面のスロットからスロット・カバー・プレートを取り外します。プレートやネジは大切に
保管してください。
4. カードのコネクタをスロット内部の エッジに合わせて、カードをシャーシの中に差し込みます。
残り 6mm まで差し込んだら、カードをコネクタにしっかり押し込んで組み合わせます。
5. カードの両側には、バネ式のネジがあります。カードがケースにしっかり固定されるように、指
またはドライバを使ってこれら 2 つのネジを閉めます。締めすぎないように注意してください。
3-16 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
6. 後部パネルの電源コードやその他のケーブルを再び接続します。
7. 機器の電源をオンにします。
接続
RS-232 シリアル・ポートは、DB-9 コネクタ付きのストレート・タイプの RS232 ケーブルを使用して、
コントローラのシリアル・ポートに接続します。ヌル・モデム・ケーブルは使用しないでください。
シリアル・ポートでは、RS232 規格の送信(TXD )/受信(RXD )/CTS/RTS (フロー制御が有効
の場合)信号グランド(GND )線が使用されます。以下の図は、後部パネルの RS232 インタフェー
スを示しています。以下の表は、コネクタのピン配列を示しています。
図25 :KTTI-RS232 パネル
図26 :RS -232 パネル・コネクタ
その他の情報
1
TxD)
RxD)
4
GND
RTS)
8
CTS)
その他の情報については、『 KTTI-RS232 Communication and Digital I/O Accessory Instruction
Sheet』(当社部品番号: 0771436XX。 XX は文書の改訂番号を表す)を参照してください。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 3-17
TSP-Link
本機に KTTI-TSP 通信アクセサリ・カードがインストールされている場合には、TSP -Link ®を使用し
て機器を接続できます。
ケースレーの TSP -Link を使用すると、高速トリガ同期/通信用バス。テスト・システムで使用する
と、複数の機器をマスタ/スレーブ構成に接続できます。接続が確立すると、マスタ機器による制御
のもと、システムに TSP -Link を装備したすべての機器をプログラムおよび操作できます。これによ
り、煩わしいコンピューターの操作から解放されるため、機器でテストをより迅速に行えます。テス
トシステムは、複数のマスタ・グループと下位のグループで構成されます。これらのグループを使用
して、マルチデバイスのテストを並列処理できます。TSP-Link と柔軟なプログラム可能なトリガ・
モデルを組み合わせることで、効率的なテストが可能になります。
TSP-Link を使用すると、複数の機器を接続して、同じ物理装置の一部であるかのように使用できる
ため、マルチチャンネルの同時テストに最適です。テスト・システムは拡張可能で、最大 32 個の
TSP-Link 対応機器をリンクできます。
カードは、外部デジタル回路の制御に使用できる、個別に構成可能な 6 つのデジタル入出力ライン
を提供しますので、たとえば、ビニング操作のハンドラとして使用できます。デジタル I/O ポート
は、標準の DB -9 (Fe )コネクタです。これらのラインはトリガにも使用できます。本機では出力ト
リガパルスを生成できるほか、入力トリガパルスも検出できます。
DMM6500型 6.5
KTTI-TSP アクセサリ・カードのインストール
図27 :KTTI-TSP パネル
開梱と内容の確認
KTTI-TSP
てください。基板の表面、部品、導体に隣接する領域には触れないでください。汚れ、埃、皮脂
などの異物による汚染があると、カードの性能が大幅に低下する恐れがあります。
カードは慎重に取り扱ってください。カードは常に外側のエッジ部分を持つようにし
3-18 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
インストール
開梱とカードのチェックを行うには、以下の手順に従います。
1. 箱に損傷がないかチェックします。
2. 箱を開けます。
3. カードを取り出し、明らかな物理的損傷がないかをチェックします。
4. 損傷がある場合は、すぐに配送業者に連絡します。
高電圧回路に誤って接触しないように、未使用のスロットにはスロット・カバーを装着する必要
があります。定格を無視したり、規格により義務づけられた安全対策を怠ると、安全感電による
大けがや死につながる恐れがあります。
通信カードを取り付けるには、以下の手順に従います。
1. 機器の電源をオフにし、後部パネルに接続された電源コードやその他のケーブルをすべて取り外
します。
2. 後部パネルがよく見えるように機器の向きを調整します。
3. 機器背面のスロットからスロット・カバー・プレートを取り外します。プレートやネジは大切に
保管してください。
接続
その他の情報
(当社部品番号: 0771438XX 。 XX は文書の改訂番号を表す)を参照してください。
4. カードのコネクタをスロット内部のエッジに合わせて、カードをシャーシの中に差し込みます。
残り 6mm まで差し込んだら、カードをコネクタにしっかり押し込んで組み合わせます。
5. カードの両側には、バネ式のネジがあります。カードがケースにしっかり固定されるように、指
またはドライバを使ってこれら 2 つのネジを閉めます。締めすぎないように注意してください。
6. 後部パネルの電源コードやその他のケーブルを再び接続します。
7. 機器の電源をオンにします。
TSP-Link 拡張インタフェースは、 CAT5 および RJ-45 コネクタを使用して、最大 32 台のデバイスに
接続されます。
その他の情報については、『KTTI-TSP Communication and Digital I/O Accessory Instruction Sheet』
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 3-19
DMM6500型 6.5
Web インタフェースの使用
DIMM6500 型の Web インタフェースでは、Web ページを介してご使用の機器の設定を行ったり、制
御することができます。Web ページには、以下の情報および機能があります。
• 機器のステータス
• 機器モデル、シリアル番号、ファームウェア・リビジョン、および最新の LXI メッセージ
• 機器を探すのに役立つ ID ボタン
• 機器を制御するのに使用できる仮想前面パネルとコマンド・インタフェース
• 特定の読み取りバッファからデータをダウンロードして CSV ファイルに書き込む機能
• 管理オプションと LXI 情報
機器の Web ページは、ファームウェアに存在します。Web インタフェースから変更を行うと、即座
に機器に反映されます。
機器の Web インターフェースへの接続
LAN と機器が接続を確立したら、機器の Web ページを開くことができます。
インタフェースにアクセスするには、以下の手順に従います。
Web
1. ホスト・コンピュータ上で Web ブラウザを開きます。
2. Web ブラウザのアドレス・ボックスに機器の IP アドレスを入力します。たとえば、機器の IP ア
ドレスが 192.168.1.101 であれば、ブラウザのアドレス・ボックスに 192.168.1.101 と入力し
ます。
3. コンピュータのキーボードの Enter キーを押して、機器の Web ページを開きます。
4. プロンプトが表示されたら、ユーザ名とパスワードを入力します。デフォルトでは、どちらも
admin です。
LAN トラブルシューティング
Web インタフェースに接続できない場合は、以下の項目をチェックします。
• ネットワークケーブルが TSP-Link
接続されている。
• ネットワーク・ケーブルがコンピュータの正しい接続ポートに接続されている。(ノート PC を
ドッキング・ステーションで使用していると、ノート PC の LAN ポートが無効になっている場
合があります)。
• セットアップ手順で正しいイーサネット カードの設定情報が使用されている。
• コンピュータのネットワーク・カードが有効になっている。
• 機器の IP アドレスが、コンピュータの IP アドレスと互換性がある。
®
ポートの 1 つではなく、機器の後部パネルの LAN ポートに
3-20 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
• 機器のサブネット・マスク・アドレスがコンピュータのサブネット・マスク・アドレス一致して
いる。
• 機器とコンピュータの USB ケーブルが確実に接続されている( USB 通信は LAN より優先され
ます)。
また、コンピュータおよび機器を再起動してみます。
機器を再起動するには、以下の手順に従います。
1. 機器の電源をいったんオフにしてから、オンにします。
2. ネットワークの構成が完了するまで、少なくとも 60 秒待機します。
通信をセットアップするには、以下の手順に従います。
LAN
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. System(システム)で Communication (通信)を選択します。
3. LAN タブを選択します。
4. 設定を確認します。
上記の手順を実行しても問題が修正されない場合は、システム管理者に連絡してください。
Web インタフェースの Home ページ
図28 :DMM6500 型の Web インタフェース
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 3-21
機器の Home ページでは、機器に関する情報が示されます。以下の情報が表示されます。
• 機器の型名番号、メーカ、シリアル番号、およびファームウェアのリビジョン番号
• TCP Raw Socket 番号および Telnet のポート番号
• 最新の LXI メッセージ LXI Home ページを開くための履歴リンク
• ID ボタン(機器を特定するのに使用可能)。「機器の特定」 (3-22ページ)を参照してください。
機器の特定
多数の機器が存在していても、ID ボタンをクリックすれば、どの機器と通信しているかを判別でき
ます。
機器を特定する前に、機器とのリモート接続が正しく確立されていることを確認します。
DMM6500型 6.5
機器を特定するには、以下の手順に従います。
1. バンクのそれぞれの機器で、MENU (メニュー)を選択し、 Communication(通信)を選択し
ます。
2. LAN タブを選択します。
3. Web インタフェースの Home または LXI の Home ページで、ID ボタンを選択します。ボタンが
緑色 に変わり、機器の LAN ステータス・インジケータが点滅します。
4. もう一度 ID ボタンを選択して、 ID 機能をオフにします。
使用するコマンド・セットの決定
DMM6500 型で使用するコマンド・セットを変更することができます。以下のリモート・コマンド・
セットが使用可能です。
• SCPI :SCPI 規格で作成された機器固有の言語
• TSP:スタンドアロン機器から実行することができる機器固有の制御コマンドを含むスクリプ
ト・プログラミング言語です。TSP を使用して個々のコマンドを送信したり、コマンドをスクリ
プトに組み合わせることができます。
• SCPI2000:ケースレーの 2000 シリーズ用に開発されたコードを実行することができる機器固
有の言語です。
• SCPI34401:ケースレーの 34401 型用に開発されたコードを実行することができる機器固有の
言語です。
コマンド・セットを変更した場合は、機器を再起動します。
コマンド・セットを組み合わせて使用することはできません。
ケースレーの DMM6500 型は、SCPI コマンド・セットにも対応しています。
3-22 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
SCPI2000 または SCPI34401 コマンド・セットを選択した場合は、現在デフォルトの SCPI コマン
ド・セットで利用可能な一部の拡張レンジやその他の機能にアクセスできなくなります。さらに、
一部の 2000 シリーズまたは Keysight 34401 のコードは、DMM6500 型では以前の機器とは異なる
動作をします。DMM6500 型と 2000 シリーズの違いに関する情報は、『DMM6500 in a Model 2000
Application』( Keithley Instruments 文書番号: 0771466XX)を参照してください。 DMM6500 型と
Keysight 34401 の違いに関する情報は、『 DMM6500 in a Keysight Model 34401 Application』,
( Keithley Instruments 文書番号: 0771467XX )を参照してください。
前面パネルからコマンド・セットを設定するには…
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. System(システム)で Settings (設定)を選択します。
3. 適切な Command Set (コマンド・セット)を選択します。
コマンドセットの変更を確定して、再起動するように求められます。
リモート・インタフェースから選択されたコマンド・セットを確認する場合:
次のコマンドを送信します。
*LANG?
リモート・インタフェースから
SCPI
コマンド・セットを変更する場合:
次のコマンドを送信します。
*LANG SCPI
機器を再起動します。
リモート・インタフェースから
TSP
コマンド・セットを変更する場合:
次のコマンドを送信します。
*LANG TSP
機器を再起動します。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 3-23
前面パネルを使用した基本測定
このセクションの内容:
はじめに
4
はじめに ................................................................................... 4-1
この例で必要な機器 ................................................................. 4-1
デバイスの接続 ........................................................................ 4-1
前面パネルを使用した基本測定 ............................................... 4-2
.................................................................... 4-3
このアプリケーション例では、機器の前面パネルを使用して、2 線抵抗測定を実行します。
他の機器設定を行う前に、機能を設定します。多くの設定は、特定の測定機能に関係するもので
す。このマニュアルのアプリケーションでは、最良の結果が得られるように、説明どおりの順番で
操作を行ってください。
この例で必要な機器
このテストを実行するのに必要な機器:
• DMM6500 型( 1 台)
• 絶縁バナナ・ケーブル(2 本)
• テストする抵抗(ここでは 9.75kΩ 定格の抵抗を使用)
デバイスの接続
DMM6500 型を 2 線(ローカル・センス)コンフィグレーションで抵抗に接続します。このコンフィ
グレーションでは、デバイスは INPUT HIGH と INPUT LO 端子の間に接続されます。
DMM6500型 6.5
以下の手順に従って接続します。
1. DMM6500 型の電源をオフにします。
2. 下図のように、テスト・リードを前面パネルの INPUT HI と INPUT LO 端子に接続します。
3. テスト・リードを抵抗に接続します。
図29 :DMM6500 型前面パネルを使用した 2 線抵抗測定
面パネルを使用した基本測定
以下の手順では、測定の実施、測定設定へのアクセス、および読み取りバッファの測定データの表示
方法について説明します。
測定は連続でも手動でもどちらでも実施できます。連続測定を実施するときは、可能な限り早いタイ
ミングで測定が行われます。手動測定の場合は、TRIGGER キーを押したタイミングで測定が行われ
ます。
前面パネルから測定を行うには、以下の手順に従います。
1. 前面パネルの Power (電源)スイッチを押して、電源をオンにします。
2. 端子スイッチが FRONT (前面)に設定されていることを確認します。
3. Functions(機能)スワイプ画面で 2W Ω を選択します。 Home 画面の上半分に測定の表示が開
始されます。
4. 測定が表示されない場合は、TRIGGER キーを数秒間押した後に、 Continuous(連続)測定を
選択します。
4-2 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
測定設定を変更するには、以下の手順に従います。
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. Measure で Settings (設定)を選択します。
3. Display Digits (桁表示)を選択します。
4. 3.5 Digits ( 3.5 桁)を選択します。
5. HOME キーを押します。測定値が 3.5 桁で表示されるようになりました。
単発測定を実行するには、以下の手順に従います。
1. 前面パネルの TRIGGER キーを数秒間押します。
2. Manual Trigger Mode (マニュアル・トリガ・モード)を選択します。
3. TRIGGER キーを押し、選択された測定機能を使用して、単発測定を開始します。
図30 :基本測定のテスト結果
測定データの表示
読み取りバッファのデータは、前面パネルの Reading Table(測定結果表)に表示されます。
Reading Table(測定結果表)には、以下の情報が表示されます。
• Index(インデックス): 読み値のインデックス番号。
• Time(時間): 読み値の日付と時刻。
• Reading(読み値): 測定されたデータ。
• Extra(追加情報): フルに設定されているバッファでのみ表示。DCV 比測定の構成比など、読
み取り値とともに保存される追加の値。
• Terminal(端子):測定に使用されていた端子(前面または後部)。スイッチ・カードを取り
付けた状態で後部端子を使用しているときに、そのスイッチ・カードのチャネルを閉じると、後
部端子が使用端子として表示され、閉じているチャンネルの番号が括弧内に表示されます。たと
えば、チャンネル 3 を閉じると、Terminal (端子)には Rear (3) と表示されます。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 4-3
DMM6500型 6.5
データ・ポイントを選択すると、機能、演算、リミットなど、そのデータ・ポイントに関する詳細な
情報が表示されます。
データの特定のスポットにジャンプするには、左上のメニューを選択し、Jump to Index(インデッ
クスにジャンプ)を選択します。選択されたデータ・ポイントが測定結果表の上部に表示されます。
データを保存するには、左上のメニューを選択し、Save to USB (USB に保存)を選択します。
TERMINALS (端子)が REAR (後部)に設定されているときは、チャンネルおよびウォッチ・チャ
ンネルを使用して、データをフィルタ処理できます。オプションは以下のとおりです。
• Filter by Watch Channels (Active Buffer)(フィルタの選択(ウォッチ・チャンネル別)(ア
クティブ・チャンネル)):ウォッチ・チャンネル別にデータをフィルタ処理できます。この
オプションを選択した後に、Edit Watch Channels (ウォッチ・チャンネルの編集)を選択し
て、特定のチャンネルを選択します。
• Edit Watch Channels (Active Buffer)(ウォッチ・チャンネルの編集(アクティブ・バッフ
ァ)):ウォッチの対象とするチャンネルを選択します。
• Filter by Channels(フィルタの選択(チャンネル別)) :測定結果表に表示されるデータを制
限します。Filter by Channels (フィルタの選択(チャンネル別))を選択した後、Edit
Channels (チャンネルの編集)を選択して、表示するチャンネルを指定します。
• Edit Channels(チャンネルの編集): 測定結果表に表示するチャンネルを選択できます。
• No Filtering(フィルタなし);測定結果表からフィルタを削除し、選択されたバッファのすべ
てのデータを表示します。
前面パネルを使用して、読み取りバッファの内容を表示するには、以下の手順に従います。
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. Views(表示)で Reading Table (測定結果表)を選択します。アクティブな読み取りバッファ
のデータが表示されます。
図31 :Reading Table (測定結果表)
4-4 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
3. 異なる読み取りバッファのデータを表示するには、新しいバッファを選択します。
4. 特定のデータ ポイントを表示するには、テーブルを上下にスワイプして、詳細を表示するデー
タ・ポイントを選択します。データ ポイントの数が多い場合は、画面の右上隅にある読み取り
のプレビュー・グラフの領域をタッチして、確認したいデータに近い場所を選択した後で、デー
タ ポイントまでスクロールします。メニューを選択し、Jump to Index (インデックスにジャ
ンプ)を選択するkとおで、特定のポイントに移動できます。
5. HOME キーを押して、 Home 画面に戻ります。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 4-5
高確度DC電圧測定
5
このセクションの内容:
はじめに
このアプリケーション例では、DMM6500 型を使用して、高確度 DC 電圧測定を実行する方法につい
て説明します。
このタイプのテストは、校正や検査に高確度の測定が求められる計測ラボでよく実施されています。
はじめに ................................................................................... 5-1
必要な機器 ............................................................................... 5-1
デバイスの接続 ........................................................................ 5-1
................................................................. 5-3
DC
必要な機器
• DMM6500 型( 1 台)
• 機器と通信を行うようにセットアップされたコンピュータ(1 台)
• 絶縁バナナ・ケーブル(2 本)
• テストされるデバイスまたはコンポーネント(1 台)
デバイスの接続
この例では、DMM6500 型の前面または後部入力端子を使用して、DC 電圧を測定します。前面パネ
ルおよび後部パネルの入力端子には、安全なバナナ・ジャックが使用されています。
前面の端子または後部の端子のいずれか一方だけを使用することに注意してください。両方の接続
を混在させることはできません。
前面パネルの TERMINALS スイッチが、使用する端子に設定されていることを確認してください。
FRONT または REAR インジケータにより、どちらの端子が使用されているかがわかります。
DMM6500型 6.5
機器にデバイスを接続するには、以下の手順に従います。
1. テスト・リードを INPUT HI および LO 端子に接続します。
2. テスト・リードを被測定デバイス( DUT)に接続します。
図32 :前面パネルの接続
図33 :後部パネルの接続
感電を防ぐためにもテスト接続は、テスト・リードや導体に触れているあらゆる被測定デバイス
(DUT )に、ユーザが触れないように設定してください。機器の電源を入れる前に、DUT を機器
から切断するのが賢明です。テスト・リードとの接触を防ぎ、安全な設置には適切な遮蔽版、障
壁、接地が必要となります。
5-2 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
保安接地(安全設置)と DMM6500 型の LO 端子との内部接続はありません。そのため、LO 端子
に危険なレベルの電圧(30V
どのモードでも発生する可能性があります。危険電圧が LO 端子で発生しないようにするには、
ご使用のアプリケーションで許可されている場合、LO 端子を保安接地に接続します。LO 端子は
前面パネルのシャーシ接地端子または後部パネルのシャーシ接地ネジに接続することができま
す。前面パネルの端子と後部パネルの端子が分離されていることに注意してください。そのた
め、前面パネルの端子を使用している場合には、前面パネルの LO 端子に接地します。後部パネ
ルの端子を使用している場合には、後部パネルの LO 端子に接地します。これらのガイドライン
に従わないと、怪我や死亡事故、あるいは機器の損傷につながる恐れがあります。
高確度 DC 電圧測定
このアプリケーションでは、DMM6500 型を使用して、高確度 DC 電圧測定を実行する方法について
説明します。前面パネルのインタフェースから、または SCPI コードか TSP コードを使用したリモ
ート・インタフェースを介して測定できます。リモート通信のセットアップについての詳細は、「リ
モート通信インタフェース」(3-1 ページ)を参照してください。
以上)が発生する危険性があります。これは、機器が操作される
RMS
このアプリケーションでは、以下のことを行います。
• 機器を再起動します。
• DC 電圧機能が選択されていることを確認します。
• レンジを 10V に設定します。
• 積分時間を 1 電源サイクル数(PLC )に設定します。電源周波数が 60Hz の場合、1PLC を設定
すると、アパーチャ時間は 16.67ms になります。
• オートゼロをオンにします。これにより、機器は基準測定値をチェックすることで読み取りの確
度を最適化できます。
• 繰り返しフィルタを有効にして、カウントを 100 に設定します。測定が平均化されると、より安
定した結果が得られるため、ノイズ誤差が減少します。
• 前面パネルまたはリモート・インタフェースから測定値を読み取ります。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 5-3
前面パネルの使用
DMM6500型 6.5
前面パネルからこのサンプルを実行するには、以下の手順に従います。
1. 前面パネルの Power (電源)スイッチを押して、電源をオンにします。
2. REAR 端子を選択します。
3. Functions(機能)スワイプ画面で DCV を選択します。
4. Home 画面の上半分で Range(レンジ)を 10 V に設定します。
5. SETTINGS (設定)画面にスワイプします。
6. Rate(レート)を 1 に設定します。
7. OK を選択します。
8. Auto Zero (オートゼロ)が選択されていることを確認します。
9. MENU (メニュー)キーを押します。
10. Measure(測定)で Calculations (計算)を選択します。
11. Filter(フィルタ)を On(オン)に設定します。
12. Settings アイコンを選択します。
13. Type(タイプ)を Repeat (繰り返し)に設定します。
14. Count(カウント)を 100 に設定します。
15. OK を選択します。
16. HOME キーを押します。
測定値が更新されない場合は、 TRIGGER キーを数秒間押します。トリガ モードが Continuous
Measurement(連続測定)に設定されていることを確認します。
Home 画面の上部領域に測定値が表示されます。測定値は数秒間隔で表示されます。
繰り返しフィルタのカウントが 100 、NPLC が 1 に設定されているため、測定のサイクル時間は遅く
なりますが、確度が向上します。これらの設定値を小さな値にすると、測定速度は向上しますが、読
み取りの確度が低下します。速度と確度のバランスは、それぞれのアプリケーションのニーズによっ
て異なります。
5-4 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
電圧値を読み取る(読み取り結果が返るまで数秒かかる)
6.5
SCPI コマンドの使用
以下の SCPI コマンドのシーケンスは、高確度 DC 電圧測定を 1 回実行します。
ユーザのプログラミング環境で正しくコードが実行されるように、必要な変更を行わなければならな
い場合があります。以下の表では、SCPI コマンドの部分が網掛け表示されています。
このアプリケーション例では、以下のコマンドを送信します。
:SENS:FUNC "VOLT:DC"
:SENS:VOLT:RANG 10
:SENS:VOLT:INP AUTO
:SENS:VOLT:NPLC 10
:SENS:VOLT:AZER ON
:SENS:VOLT:AVER:TCON REP
:SENS:VOLT:AVER:COUN 100
:SENS:VOLT:AVER ON
:READ?
DMM6500
DC 電圧を測定するように機器を設定する
測定レンジを 10V に設定する
機器が 10V のレンジに 10Ω を選択するように、入力イン
ピーダンスをオートに設定する
積分時間(NPLC)を 10 に設定する
オートゼロを有効にする
アベレージング・フィルタの種類を繰り返しに設定する
フィルタ・カウントを 100 に設定する
フィルタを有効する
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 5-5
TSP コマンドの使用
以下の TSP コードは、Keithley Instruments Test Script Builder (TSB )から実行するように設計され
ています。TSB はケースレーのサイト(jp.tek.com/keithley )からダウンロードしてお使いいただけ
るソフトウェア・ツールです。TSP 対応の機器用にコードを作成したり、スクリプトを開発したり
する場合に、TSB をインストールして使用することができます。TSB 使用方法についての情報は、
TSB のオンライン ヘルプおよび『 Model DMM6500 Reference Manual』の「 Introduction to TSP
operation」セクションに記載されています。
他のプログラミング環境を使用するには、サンプルの TSP コードに変更を加えなければならない場
合があります。
デフォルトでは、DMM6500 型では SCPI コマンド・セットが使用されます。TSP コマンドを機器に
送信する前に、TSP コマンド・セットを選択する必要があります。
DMM6500型 6.5
コマンドを有効にするには、以下の手順に従います。
TSP
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. System(システム)で Settings (設定)を選択します。
3. Command Set(コマンド・セット)を TSP に設定します。
4. 再起動の確認画面が表示されたら、Yes (はい)を選択します。
以下の TSP コマンドのシーケンスは、高確度 DC 電圧測定を 1 回実行します。コードが実行される
と、Test Script Builder の Instrument Console にデータが表示されます。
5-6 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
このアプリケーション例では、以下のコマンドを送信します。
--機器をデフォルト設定にリセットする
reset()
--測定機能を DC 電圧に設定する
dmm.measure.func = dmm.FUNC_DC_VOLTAGE
--測定レンジを 10V に設定する
dmm.measure.range = 10
-- 電源サイクル数を 10 に設定する
dmm.measure.nplc = 10
--10V のレンジに 10GΩ を選択するように、入力インピーダンスをオートに設定する
dmm.measure.inputimpedance = dmm.IMPEDANCE_AUTO
-- オートゼロを有効にする
dmm.measure.autozero.enable = dmm.ON
-- アベレージング・フィルタの種類を繰り返しに設定する
dmm.measure.filter.type = dmm.FILTER_REPEAT_AVG
--フィルタ・カウントを 100 に設定する
dmm.measure.filter.count = 100
--フィルタを有効にする
dmm.measure.filter.enable = dmm.ON
--電圧値を読み取る
print(dmm.measure.read())
テスト結果
以下の表は、積分時間(NPLC )、平均化フィルタ、およびオートゼロの設定の違いによって、確度
と処理速度の間にトレードオフが見られることを示しています。データの最初の行は、この例で使用
されているセットアップに基づく結果を示していますその他の行は、異なる積分時間、フィルタ、お
よびオートゼロの設定が使用された場合を示します。
DC
4.999985 33.542816 10
NPLC)
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 5-7
DMM6500型 6.5
図34 :高確度 DC 電圧測定のテスト結果
5-8 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
オフセット補正を使用した4線抵抗測定
このセクションの内容:
はじめに
6
はじめに ................................................................................... 6-1
必要な機器 ............................................................................... 6-2
デバイスの接続 ........................................................................ 6-2
................................. 6-4
このアプリケーション例では、DMM6500 型を使用して、抵抗を正確に測定する方法について説明し
ます。
通常の 2 線式の抵抗測定では、機器のソース電流がテスト・リードおよび被測定デバイス(DUT )
を流れます。その状態で電圧が測定され、抵抗が計算されます。
抵抗値が 100 Ω 未満の DUT の場合、2 線抵抗測定で正確な測定結果を得るのは困難です。通常、リ
ード線の抵抗だけでも 1mΩ~ 10mΩ の範囲です。2 線式で低抵抗測定を行うと、それぞれのテス
ト・リードでわずかですが電圧低下が起きるため、その影響は少なくありません。機器で測定された
電圧が、実際に DUT を流れる電圧と一致しているとは限りません。
そのため、低抵抗測定では、4 線式の方が望ましいといえます。このコンフィグレーションでは、一
連のテスト・リードを使用して試験電流を DUT に印加すると同時に、それとは別に一連の SENSE
リードを使用して DUT を流れる電圧を測定します。電圧をセンスするリードをできるだけ DUT と
近くなるように接続することで、テスト・リードの抵抗が測定に反映されないようにします。
熱起電力(EMF )は、低抵抗測定の精度に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。DMM6500 型で
は、オフセット補正(OCOMP )を適用することで、最初に通常の抵抗測定を行い、続いて最小電流
ソース設定を使用して 2 回目の測定を行うことで、EMF の影響を軽減できます。
この例では、20Ω の抵抗を使用します。スキャニング速度を最適化するために、固定された測定レ
ンジが適用されます。また、EMF の影響を補正するために、OCOMP が提供されます。
4 線抵抗測定、熱起電力 ( EMF)、オフセット補正などについての詳細な情報は、『 Low Level
Measurements Handbook』を参照してください( jp.tek.com/keithleyで入手可能)。
セクション6:オフセット補正を使用した4線抵抗測定
必要な機器
• DMM6500 型( 1 台)
• 機器と通信を行うようにセットアップされたコンピュータ(1 台)
• 絶縁バナナ・ケーブル(4 本)
• テストするデバイス(ここでは 20Ω の抵抗を使用)
デバイスの接続
このアプリケーション例では、DMM6500 型でオフセット補正を使用した 4 線抵抗デバイス測定を行
います。前面パネルと背面パネルの接続部は安全バナナ・プラグです。入力端子は前面または後部の
いずれか一方だけを使用します。
前面の端子または後部の端子のいずれか一方だけを使用することに注意してください。両方の接続
を混在させることはできません。
DMM6500型 6.5
前面パネルの TERMINALS スイッチが、使用する端子に設定されていることを確認してください。
FRONT または REAR インジケータにより、どちらの端子が使用されているかがわかります。
線接続法を使用するには、以下の手順に従います。
4
1. テスト リード 1 セットを INPUT HI および INPUT LO 端子に接続します。
2. もう 1 つのテスト リード セット SENSE HI および SENSE LO 端子に接続します。
図35 4 線抵抗測定用の前面パネル接続
6-2 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
桁デジタル・マルチメータ ユーザ・マニュアル セクション6:オフセット補正を使用した4線抵抗測定
6.5
図36 4 線抵抗測定用の後部パネル接続
3. INPUT HI と SENSE HI 接続線を被測定デバイス(DUT )リードの 1 本に接続します。センス接
続は、可能な限り被測定抵抗の近くに接続します。
4. INPUT LO と SENSE LO をもう 1 つの DUT リードに接続します。センス接続は、可能な限り被
測定抵抗の近くに接続します。
感電を防ぐためにもテスト接続は、テスト・リードや導体に触れているあらゆる被測定デバイス
(DUT )に、ユーザが触れないように設定してください。機器の電源を入れる前に、DUT を機器
から切断するのが賢明です。テスト・リードとの接触を防ぎ、安全な設置には適切な遮蔽版、障
壁、接地が必要となります。
保安接地(安全設置)と DMM6500 型の LO 端子との内部接続はありません。そのため、LO 端子
に危険なレベルの電圧(30V
以上)が発生する危険性があります。これは、機器が操作される
RMS
どのモードでも発生する可能性があります。危険電圧が LO 端子で発生しないようにするには、
ご使用のアプリケーションで許可されている場合、LO 端子を保安接地に接続します。LO 端子は
前面パネルのシャーシ接地端子または後部パネルのシャーシ接地ネジに接続することができま
す。前面パネルの端子と後部パネルの端子が分離されていることに注意してください。そのた
め、前面パネルの端子を使用している場合には、前面パネルの LO 端子に接地します。後部パネ
ルの端子を使用している場合には、後部パネルの LO 端子に接地します。これらのガイドライン
に従わないと、怪我や死亡事故、あるいは機器の損傷につながる恐れがあります。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 6-3
セクション6:オフセット補正を使用した4線抵抗測定
DMM6500型 6.5
オフセット補正を使用した 4 線抵抗測定
このアプリケーション例では、DMM6500 型を使用して、デバイスまたはコンポーネントの抵抗を測
定する方法について説明します。前面パネルから、または SCPI または TSP コードを使用したリモ
ート・インタフェースを介して測定できます。リモート通信のセットアップについての詳細は、「リ
モート通信インタフェース」(3-1 ページ)を参照してください。
このアプリケーションでは、以下のことを行います。
• 機器をリセットします。
• 4 線抵抗測定機能を選択します。これにより、測定確度に対するリード抵抗の影響が取り除かれ
ます。
• オフセット補正を有効にする
前面パネルの使用
• 前面パネルまたはリモート・インタフェースから測定を行います。
オートゼロは自動的にオンに、NPLC は自動的に 1 に設定されます。
前面パネルからアプリケーションをセットアップするには、以下の手順に従います。
1. 前面パネルの Power (電源)スイッチを押して、電源をオンにします。
2. FUNCTIONS(機能)スワイプ画面で 4W Ω を選択して、 4 線抵抗測定機能を選択します。
3. MENU (メニュー)キーを押します。
4. Measure で Settings (設定)を選択します。
5. レンジを 10k Ω に設定します。
6. オフセット補正を選択し、 On(オン)を選択します。
7. HOME キーを押します。
Home 画面の上部領域に測定値が表示されます。
6-4 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
桁デジタル・マルチメータ ユーザ・マニュアル セクション6:オフセット補正を使用した4線抵抗測定
6.5
SCPI コマンドの使用
以下の SCPI コマンドのシーケンスは、デバイスまたはコンポーネントの抵抗を測定します。
ユーザのプログラミング環境で正しくコードが実行されるように、必要な変更を行わなければならな
い場合があります。以下の表では、SCPI コマンドの部分が網掛け表示されています。
このアプリケーション例では、以下のコマンドを送信します。
:SENS:FUNC "FRES"
:SENS:FRES:RANG: AUTO ON
:SENS:FRES:OCOM ON
:SENS:FRES:AZER ON
:SENS:FRES:NPLC 1
:READ?
TSP コマンドの使用
以下の TSP コードは、Keithley Instruments Test Script Builder (TSB )から実行するように設計され
ています。TSB はケースレーのサイト(jp.tek.com/keithley )からダウンロードしてお使いいただけ
るソフトウェア・ツールです。TSP 対応の機器用にコードを作成したり、スクリプトを開発したり
する場合に、TSB をインストールして使用することができます。TSB 使用方法についての情報は、
TSB のオンライン ヘルプおよび『 Model DMM6500 Reference Manual』の「 Introduction to TSP
operation」セクションに記載されています。
他のプログラミング環境を使用するには、サンプルの TSP コードに変更を加えなければならない場
合があります。
DMM6500
機能を 4 線測定に設定する
オートレンジを有効にする
オフセット補正を有効にする
オートゼロを有効にする
NPLC を 1 に設定する
-
デフォルトでは、DMM6500 型では SCPI コマンド・セットが使用されます。TSP コマンドを機器に
送信する前に、TSP コマンド・セットを選択する必要があります。
コマンドを有効にするには、以下の手順に従います。
TSP
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. System(システム)で Settings (設定)を選択します。
3. Command Set(コマンド・セット)を TSP に設定します。
4. 再起動の確認画面が表示されたら、Yes (はい)を選択します。
以下の TSP コマンドのシーケンスは、抵抗の測定を 1 回実行します。コードが実行されると、 Test
Script Builder の Instrument Console にデータが表示されます。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 6-5
セクション6:オフセット補正を使用した4線抵抗測定
DMM6500型 6.5
このアプリケーション例では、以下のコマンドを送信します。
--DMM6500 型をデフォルト設定にリセットする
reset()
--測定機能を 4 線抵抗に設定する
dmm.measure.func = dmm.FUNC_4W_RESISTANCE
--オートレンジを有効にする
dmm.measure.autorange = dmm.ON
-- オートゼロを有効にする
dmm.measure.autozero.enable = dmm.ON
--オフセット補正を有効にする
dmm.measure.offsetcompensation.enable = dmm.ON
-- 電源サイクル数を 1 に設定する
dmm.measure.nplc = 1
-- 抵抗値を読み取る
print(dmm.measure.read())
テスト結果
以下の表は、20 Ω 抵抗を使用した低抵抗測定の結果を示しています。
たとえば、許容差が±0.1% 、温度係数が±15 ppm/℃ という仕様の抵抗の場合、測定値が 19.97Ω~
20.03Ω・の範囲であれば規格に準拠しています。
19.991394395
図37 :4 線抵抗測定のテスト結果
6-6 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
設定した時間間隔での温度のスキャニング
このセクションの内容:
はじめに
7
はじめに ................................................................................... 7-1
必要な機器 ............................................................................... 7-1
デバイスの接続 ........................................................................ 7-2
............................. 7-4
このアプリケーション例では、DMM6500 型を使用して、24 時間にわたって 1 分間隔で温度測定デ
ータを記録する方法を示します。データは USB フラッシュ・ドライブに保存されます。
製造中または保管中の製品の品質にとって重要なのは、テスト環境の環境温度を把握しておくことで
す。DMM6500 型を使用することで、長時間にわたって一定の時間間隔で温度のサンプリングを実施
する温度モニタリング・システムをセットアップできます。
このアプリケーションでは、ケースレーの 2001-TCSCAN 型カードを使用する必要があります。2001-
TCSCAN 型を使用すると、最大 9 つのチャンネルを使用して、熱電対による温度測定が行えます。
このアプリケーションでは、カードは各チャンネルで Type K の熱電対に接続されます。
必要な機器
• DMM6500 型( 1 台)
• 2001 -TCSCAN 型カード( 1 枚)
• 機器と通信を行うようにセットアップされたコンピュータ(1 台)
• USB フラッシュ・ドライブ(1 台)
• テストされるデバイスまたはコンポーネント(1 台)
セクション7:設定した時間間隔での温度のスキャニング
デバイスの接続
2001-TCSCAN 型では、最大 9 チャンネルで熱電対を使用した温度測定が行えます。このアプリケー
ションでは、カードのそれぞれのチャンネルが Type K 熱電対に接続されます。カードは DMM6500
型の後部に装着されます。
DMM6500型 6.5
2001-TCSCAN
型カードをセットアップし、インストールするには、以下の手順に従います。
1. 機器の電源をオフにします。
2. 以下の図に示すように、 2001-TCSCAN 型カードとの接続を行います。
図38 :2001 -TCSCAN 型カード
7-2 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
桁デジタル・マルチメータ ユーザ・マニュアル セクション7:設定した時間間隔での温度のスキャニング
6.5
3. 2001-TCSCAN 型カードを DMM6500 型のアクセサリ・カード・スロットに取り付けます。
2001-TCSCAN 型カードのインストールについての詳細は、『 Model 2001-TCSCAN Scanner
Card for use with the DMM6500 User's Manual』(当社部品番号: 2001-TCSCAN-900-01)を参
照してください。
図39 :TCSCAN カードが装着された DMM6500 型の後部パネル
4. 機器の電源を入れます。
5. 前面パネルの TERMINALS(端子)スイッチを REAR (後部)に設定します。
感電を防ぐためにもテスト接続は、テスト・リードや導体に触れているあらゆる被測定デバイス
(DUT )に、ユーザが触れないように設定してください。機器の電源を入れる前に、DUT を機器
から切断するのが賢明です。テスト・リードとの接触を防ぎ、安全な設置には適切な遮蔽版、障
壁、接地が必要となります。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 7-3
セクション7:設定した時間間隔での温度のスキャニング
保安接地(安全設置)と DMM6500 型の LO 端子との内部接続はありません。そのため、LO 端子
に危険なレベルの電圧(30V
どのモードでも発生する可能性があります。危険電圧が LO 端子で発生しないようにするには、
ご使用のアプリケーションで許可されている場合、LO 端子を保安接地に接続します。LO 端子は
前面パネルのシャーシ接地端子または後部パネルのシャーシ接地ネジに接続することができま
す。前面パネルの端子と後部パネルの端子が分離されていることに注意してください。そのた
め、前面パネルの端子を使用している場合には、前面パネルの LO 端子に接地します。後部パネ
ルの端子を使用している場合には、後部パネルの LO 端子に接地します。これらのガイドライン
に従わないと、怪我や死亡事故、あるいは機器の損傷につながる恐れがあります。
RMS
DMM6500型 6.5
以上)が発生する危険性があります。これは、機器が操作される
指定した時間間隔での温度のサンプリング
このアプリケーション例では、DMM6500 型を使用して一連のチャンネルをスキャンし、固定間隔で
温度を測定します。前面パネルから、または SCPI または TSP コードを使用したリモート・インタ
フェースを介して機器を制御できます。リモート通信のセットアップについての詳細は、「リモート
通信インタフェース」(3-1 ページ)を参照してください。
このアプリケーションでは、以下のことを行います。
• 機器の電源を入れます。
• Type K 熱電対と内蔵リファレンス・ジャンクションを使用して温度を測定するように、機器を
構成します。
• Scan (スキャン)メニューを使用して、チャンネル(2 ~10 )の温度をスキャンします。1 分ご
とに 24 時間にわたってスキャンされるため、合計回数は 1,440 回になります。
前面パネルの使用
前面パネルからアプリケーションをセットアップするには、以下の手順に従います。
1. 前面パネルの Power (電源)ボタンを押して、電源をオンにします。
2. REAR (後部)端子を選択します。
3. SCAN(スキャン)画面にスワイプして、 Build Scan(スキャンのビルド)を選択します。
SCAN(スキャン)画面が表示されます。
4. +ボタンを選択します。
5. チャンネル 1 を選択し、OK を選択します。
6. Measure Function(測定機能)ダイアログ・ボックスで、Temperature (温度)を選択します。
7. 設定タブで、トランスデューサを CJC 2001 に設定します。
8. +ボタンを選択します。
9. 2~ 10 までのチャンネルを選択し、 OK.を押します。
7-4 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
桁デジタル・マルチメータ ユーザ・マニュアル セクション7:設定した時間間隔での温度のスキャニング
6.5
10. Function(機能)ダイアログ・ボックスから Temperature (温度)を選択します。
11. Settings(設定)タブで以下に示すように選択します。
Transducer(トランスデューサ):TC
Thermocouple(熱電対):K
Unit(単位):Celsius (摂氏)
NPLC:1
12. Scan(スキャン)タブを選択します。
13. Scan Count(スキャン・カウント)を 1440( 24 時間× 60 分)に設定します。
14. スキャンを 60 s 遅延させるように設定する
15. Export to USB( USB へのエクスポート )を After Each Scan(各スキャンの後)に設定します。
16. Filename(ファイル名)を scan24hr に設定し、 OK を選択します。
17. FileContent(ファイル内容)ダイアログ・ボックスで、OK を選択します。
18. Power Loss Restart(電源障害時の再起動)を On(オン)に設定します。
19. SCAN(スキャン)画面で、Start (開始)を選択します。
20. 結果を表示するには、View Scan Status (スキャン・ステータスの表示)を選択して、ホーム
画面に SCAN(スキャン)スワイプ画面を開きます。
SCPI コマンドの使用
以下の SCPI コマンドのシーケンスは、熱電対で 1 分間隔で 24 時間温度を測定します。
ユーザのプログラミング環境で正しくコードが実行されるように、必要な変更を行わなければならな
い場合があります。以下の表では、SCPI コマンドの部分が網掛け表示されています。
TERMINALS (端子)スイッチが REAR に設定されていることを確認します。
このアプリケーション例では、以下のコマンドを送信します。
スキャン・カウントは 24 × 60 、チャンネル・カウント(chanCount )は 10 です。読取り値の総
数(totalRdgs )は、scanCount × chanCount です。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 7-5
セクション7:設定した時間間隔での温度のスキャニング
DMM6500型 6.5
TRAC:CLE "defbuffer1"
TRAC:POIN 12960, "defbuffer1"
FUNC "TEMP", (@1:10)
TEMP:UNIT CELS, (@1:10)
TEMP:TRAN CJC2001, (@1)
TEMP:TRAN TC, (@2:10)
TEMP:TC:TYPE K, (@2:10)
TEMP:TC:RJUN:RSEL EXT, (@2:10)
TEMP:NPLC 1, (@2:10)
ROUT:SCAN:INT 60
ROUT:SCAN:COUN:SCAN 1440
ROUT:SCAN:CRE (@1:10)
ROUT:SCAN:EXP "/usb1/scan24hr", SCAN, ALL
ROUT:SCAN:REST ON
INIT
*WAI
TRAC:DATA?1, totalRdgs, "defbuffer1¥", READ
DMM6500
データ・バッファをクリアする
スキャン・カウントを 12,960 に設定する
機能を温度に設定する
すべてのチャンネルで摂氏を使用するよ
うにセットアップする
チャンネル 1 のリファレンス・ジャンク
ションをセットアップする
トランスデューサの種類を熱電対に設定
する
熱電対の種類を"Type K"に設定する
リファレンス・ジャンクションを "内蔵 :
に設定する
NPLC を 1 に設定する
スキャンを 60 秒遅延させるように設定
する
スキャン・カウントを 1440( 24 時間×
60 分)に設定する
スキャン・リストを設定する
それぞれのスキャンの後にバッファの内
容を USB フラッシュ・ドライブにエク
スポートするように設定する
電源障害時の再起動を有効にする
スキャンを開始する
スキャンを一時停止する
スキャンが完了したらバッファのデータ
7-6 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
桁デジタル・マルチメータ ユーザ・マニュアル セクション7:設定した時間間隔での温度のスキャニング
6.5
TSP の使用
以下の TSP コードは、Keithley Instruments Test Script Builder (TSB )から実行するように設計され
ています。TSB はケースレーのサイト(jp.tek.com/keithley )からダウンロードしてお使いいただけ
るソフトウェア・ツールです。TSP 対応の機器用にコードを作成したり、スクリプトを開発したり
する場合に、TSB をインストールして使用することができます。TSB 使用方法についての情報は、
TSB のオンライン ヘルプおよび『 Model DMM6500 Reference Manual』の「 Introduction to TSP
operation」セクションに記載されています。
他のプログラミング環境を使用するには、サンプルの TSP コードに変更を加えなければならない場
合があります。
デフォルトでは、DMM6500 型では SCPI コマンド・セットが使用されます。TSP コマンドを機器に
送信する前に、TSP コマンド・セットを選択する必要があります。
コマンドを有効にするには、以下の手順に従います。
TSP
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. System(システム)で Settings (設定)を選択します。
3. Command Set(コマンド・セット)を TSP に設定します。
4. 再起動の確認画面が表示されたら、Yes (はい)を選択します。
以下の TSP コマンドを使用して、一連の温度測定を実行します。コードが実行されると、 Test
Script Builder の Instrument Console にデータが表示されます。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 7-7
セクション7:設定した時間間隔での温度のスキャニング
DMM6500型 6.5
TERMINALS(端子)スイッチが REAR に設定されていることを確認します。
このアプリケーション例では、以下のコマンドを送信します。
--機器をデフォルト設定にリセットする
reset()
--60 秒間隔で 1,440 回( 24 時間)測定するように変数を確立する
local scanCnt = 24 * 60 -- 1440 minutes = 24 hours
local chanCnt = 10
local totalRdgs = scanCnt * chanCnt
--バッファを空にし、 totalRdgs で表される計算された容量に設定する
defbuffer1.clear()
defbuffer1.capacity = totalRdgs
--Type K 熱電対と内蔵リファレンス・ジャンクションを使用して温度を測定するようにチャンネルを設定
-- する
channel.setdmm("1:10", dmm.ATTR_MEAS_FUNCTION, dmm.FUNC_TEMPERATURE)
channel.setdmm("1:10", dmm.ATTR_MEAS_UNIT, dmm.UNIT_CELSIUS)
channel.setdmm("1:10", dmm.ATTR_MEAS_NPLC, 1)
channel.setdmm("1:10", dmm.ATTR_MEAS_DIGITS, dmm.DIGITS_5_5)
channel.setdmm("1", dmm.ATTR_MEAS_TRANSDUCER, dmm.TRANS_CJC2001)
channel.setdmm("2:10", dmm.ATTR_MEAS_TRANSDUCER, dmm.TRANS_THERMOCOUPLE)
channel.setdmm("2:10", dmm.ATTR_MEAS_THERMOCOUPLE, dmm.THERMOCOUPLE_K)
channel.setdmm("2:10", dmm.ATTR_MEAS_REF_JUNCTION, dmm.REFJUNCT_EXTERNAL)
-- スキャンをセットアップする(チャンネル 2 は 2001-TCSCAN 型カードで利用可能な 1 番目のチャンネル)
scan.create("2:10")
scan.scancount = scanCnt
-- それぞれのスキャンの時間を設定する
scan.scaninterval = 60.0
-- スキャン完了後に USB フラッシュ・ドライブにデータを書き込む
scan.export("/usb1/scan24hr", scan.WRITE_AFTER_SCAN, buffer.COL_ALL)
-- 電源障害時の再起動を有効にする
scan.restart = scan.ON
-- スキャンを開始する
trigger.model.initiate()
waitcomplete()
-- データを取得する
printbuffer(1, defbuffer1.n, defbuffer1)
7-8 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
桁デジタル・マルチメータ ユーザ・マニュアル セクション7:設定した時間間隔での温度のスキャニング
6.5
テスト結果
以下の図は、このアプリケーションでのグラフの例と最終的なテスト結果を示しています。
図40 :DMM6500 型での温度測定のグラフ
図41 :DMM6500 型での温度測定の最終結果
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 7-9
抵抗の等級付けとビニング
このセクションの内容:
はじめに
8
はじめに ................................................................................... 8-1
必要な機器 ............................................................................... 8-1
デバイスの接続 ........................................................................ 8-1
................................. 8-3
このアプリケーション例では、DMM6500 型を使用して、ベンチトップでビニング作業を実行する方
法について説明します。ここでは、トリガ・モデルとデジタル I/O を使用して、外部コンポーネン
ト・ハンドラを制御します。
DMM6500 型を使用すれば、パス/フェイル試験や等級付けおよび分類を簡単に行えます。抵抗の性
能評価は一般的によく行われており、最初の不合格が報告されるまで、複数のリミットについて検査
を行います。抵抗の分類もまた一般的によく行われており、エラーが発生するまで、複数のリミット
について検査を行います。
必要な機器
• DMM6500 型( 1 台)
• 機器と通信を行うようにセットアップされたコンピュータ(1 台)
• テストされるデバイスまたはコンポーネント(1 台)
デバイスの接続
このアプリケーション例では、DMM6500 型を使用して、ベンチトップでビニング作業を実行しま
す。出力信号(等級付けの結果)が機器からコンポーネント・ハンドラに送信され、そこでデバイス
がビニングされます。
以下の図は、DMM6500 型の後部パネルとテスト・フィクスチャ、およびデジタル・ラインとコンポ
ーネント・ハンドラの接続を示しています。コントローラとコンポーネント・ハンドラは、GPIB 通
信カード(オプション)で接続されています。
DMM6500型 6.5
デジタル・ラインおよび GPIB 接続機能を使用するには、KTTI-GPIB 型通信アクセサリ・カードが
必要です。
図42 :部品のビニングでのデバイスの接続
感電を防ぐためにもテスト接続は、テスト・リードや導体に触れているあらゆる被測定デバイス
(DUT )に、ユーザが触れないように設定してください。機器の電源を入れる前に、DUT を機器
から切断するのが賢明です。テスト・リードとの接触を防ぎ、安全な設置には適切な遮蔽版、障
壁、接地が必要となります。
保安接地(安全設置)と DMM6500 型の LO 端子との内部接続はありません。そのため、LO 端子
に危険なレベルの電圧(30V
以上)が発生する危険性があります。これは、機器が操作される
RMS
どのモードでも発生する可能性があります。危険電圧が LO 端子で発生しないようにするには、
ご使用のアプリケーションで許可されている場合、LO 端子を保安接地に接続します。LO 端子は
前面パネルのシャーシ接地端子または後部パネルのシャーシ接地ネジに接続することができま
す。前面パネルの端子と後部パネルの端子が分離されていることに注意してください。そのた
め、前面パネルの端子を使用している場合には、前面パネルの LO 端子に接地します。後部パネ
ルの端子を使用している場合には、後部パネルの LO 端子に接地します。これらのガイドライン
に従わないと、怪我や死亡事故、あるいは機器の損傷につながる恐れがあります。
8-2 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
抵抗の等級付けおよびビニング・テスト
この抵抗の等級付けアプリケーションでは、リミット・テストを使用して、被測定対象とする 1 個
の抵抗に対して、最初の不合格が報告されるまで、複数のリミットについて検査を行います。不合格
になった抵抗は、リミットごとにそれぞれ所定の抵抗値許容差のビンに選別されます。
リミットにはビット・パターンが割り当てられており、抵抗はそのリミットに基づいてビンに選別さ
れます。この例では、DMM6500 型の GradeBinning トリガ・モデル・テンプレートを使用するため、
アプリケーションが簡素化されています。このトリガ・モデル・テンプレートは、部品(この例では
抵抗)を Limit 1 ~4 までの 4 つの許容差レベル(20% 、10% 、5% 、および 1% など)に等級分けしま
す。複数のリミットに対して、スポット測定がそれぞれ 1 回行われ、段階的により厳格な許容差が適
用されるようにします。被測定抵抗の許容差レベルが確定されたら、さらにリミット・チェックを継
続する必要がないため、通常はその時点でテスト済みの抵抗は直ちに適切なビンに選別されます。
リミットは昇順で検査されるため、測定される抵抗は最初に Limit 1(20%のリミット)に対してチ
ェックされます。この検査で不合格になった場合は、抵抗値は 20%の許容範囲外と判断されるた
め、トリガ・モデルは Limit 1 Fail Pattern を出力し、コンポーネント・ハンドラはその抵抗を"Limit
1 不合格"のビン(20%不合格ビン)に選別します。
抵抗が 20%のリミット・テストに合格した場合は、抵抗値は Limit 2 に対してチェックされます。リ
ミット値は 10%になります。抵抗がこのリミット チェックで不合格になった場合は、10%の許容範
囲外と判断されます。トリガ・モデルは、Limit 2 Fail Pattern を出力し、コンポーネント・ハンドラ
はその抵抗"Limit 2 不合格"のビン(10%不合格ビン)に選別します。
抵抗が 10%のリミット・テストに合格した場合は、抵抗値は Limit 3 に対してチェックされます。リ
ミット値は 5%になります。以上のように、チェックが続けられます。抵抗がすべてのリミット・テ
ストに合格した場合は、トリガ・モデルは Overall Pass Bit Pattern を出力し、コンポーネント・ハ
ンドラはその抵抗を"すべて合格"のビンに選別します。
この例では、リミットに達しない場合とリミットを超えた場合に、同じ不合格パターンが割り当てら
れています。そのため、不合格のビンには R -P% ~R +P% の範囲の抵抗値の抵抗が選別されること
になります。この例では、P は 20 、10 、5 、または 1 です。この例とは異なるリミット値に、異なる
ビット・ターンを割り当てることもできます。
このアプリケーションでは、以下のことを行います。
• 機器をリセットします。
• 4 線抵抗測定機能を選択します。
• オフセット補正を有効にする
• オートゼロを Once(1 回)に設定します。
• コンポーネント・ハンドラへの出力としてデジタル I/O ライン 1~4 をセットアップします。
• トリガ・モデル・コントロールのデジタル I/O ライン 5 をセットアップして、テスト開始を示す
入力トリガを検出します。
• テスト終了を示す出力通知として、デジタル I/O ライン 6 をセットアップします。
• GradeBinning トリガ・モデル・テンプレートを初期化します。
• "Test Completed" というメッセージが前面パネルに表示されます。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 8-3
Bin 2 Fail Pattern 1: Drive line 1 high (0001)
Bin 3 Fail Pattern 2: Drive line 2 high (0010)
Bin 4 Fail Pattern 3: Drive line 1 and 2 high (0011)
この例では、読み込みバッファは bufferVar に設定
DMM6500型 6.5
トリガ・モデル・テンプレート設定による等級付けとビニング・テ
スト
トリガ・モデル・テンプレートには、コンポーネントの数、デジタル I/O 、およびリミッの設定があり
ます。このコードがご使用のプログラミング環境で実行されるように、変更を行う必要があります。
コマンドの使用法:
SCPI
:TRIGger:LOAD "GradeBinning", <components>, <startInLine>, <startDelay>,
<endDelay>, <limit1High>, <limit1Low>, <limit1Pattern>, <allPattern>,
<limit2High>, <limit2Low>, <limit2Pattern>, <limit3High>, <limit3Low>,
<limit3Pattern>, <limit4High>, <limit4Low>, <limit4Pattern>, "<bufferName>"
TSP
コマンドの使用法:
trigger.model.load("GradeBinning", components, startInLine, startDelay, endDelay,
limit1High, limit1Low, limit1Pattern, allPattern, limit2High, limit2Low,
limit2Pattern, limit3High, limit3Low, limit3Pattern, limit4High, limit4Low,
limit4Pattern, bufferName)
パラメータ・リスト
I/O
R = 100Ω 、P = 20%、100+20% = 120Ω
R = 100Ω 、P = 20%、100-20% = 80Ω
Bin 1 Fail Pattern 15
All Pass Pattern 4
R = 100Ω 、P = 10%、100+10% = 110Ω
R = 100Ω 、P = 10%、100-10% = 90Ω
5
I/O
0100)
1111)
8-4 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
R = 100 Ω , P = 5%, 100+5% = 105 Ω
R = 100 Ω , P = 5%, 100-5% = 95 Ω
R = 100 Ω , P = 1%, 100+1% = 101 Ω
R = 100 Ω , P = 1%, 100-1% = 99 Ω
:TRIG:LOAD "GradeBinning", 100, 5, .1, .1, 120, 80, 15, 4, 110, 90, 1, 105, 95, 2,
6.5
SCPI コマンドの使用
以下の SCPI コマンドを使用して、測定された確度に基づいて、抵抗をビンに等級付けします。
ユーザのプログラミング環境で正しくコードが実行されるように、必要な変更を行わなければならな
い場合があります。
このアプリケーション例では、以下のコマンドを送信します。
:TRAC:MAKE "bufferVar", 1000000
:TRAC:CLE "bufferVar"
:SENS:FUNC "FRES"
:SENS:FRES:NPLC 1
:SENS:AZER:ONCE
:SENS:FRES:OCOM ON
:DIGital:LINE1:MODE DIG, OUT
:DIG:LINE2:MODE DIG, OUT
:DIG:LINE3:MODE DIG, OUT
:DIG:LINE4:MODE DIG, OUT
:DIG:LINE1:STAT 0
:DIG:LINE2:STAT 0
:DIG:LINE3:STAT 0
:DIG:LINE4:STAT 0
:DIG:LINE5:MODE TRIG, IN
:TRIG:DIG5:IN:EDGE FALL
:DIG:LINE6:MODE TRIG, OUT
:TRIG:DIG6:OUT:LOG NEG
:TRIG:DIG6:OUT:PULS 10e-6
:TRIG:DIG6:OUT:STIM NOT1
101, 99, 3, "bufferVar"
INIT
*WAI
:DISP:USER1: TEXT "Test Completed"
DMM6500
1,000,000 個の読み値を格納できる bufferVar という名前のバッファを作成する
bufferVar をクリアする
機器を 4 線抵抗の測定に設定する
電源サイクル数(NPLC)を 1 に設定する
オートゼロのリファレンス測定を直ちに更新した後、オートゼロ機能を無効にする
抵抗測定値の確度が向上するように、オフセット保証を有効にする
デジタル出力として、デジタル I/O ライン 1~4 を構成する。これらはコンポーネント・ハンドラへのビ
ニング・コードの出力に使用される
デジタル I/O ライン 1~4 の状態をビット・ローに設定する
テスト開始トリガを検出するために、デジタル I/O ライン 5 を構成する
デジタル I/O ライン 5 で立下がりエッジを検出するために、トリガ検出器を設定する
負ロジックのテスト終了トリガを送信し、10µs のパルスを出力するのに使用されるトリガ出力として、
I/O
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 8-5
Notify ブロックによりイベントが生成されると、トリガ・パルスが発生する
GradeBinning トリガ・モデル・テンプレートを定義する
トリガ・モデルを初期化する
トリガ・モデルが完了するのを待機する
ビニング・テストが完了すると、"Test Completed"というメッセージが表示される
TSP コマンドの使用
以下の TSP コードは、Keithley Instruments Test Script Builder (TSB )から実行するように設計され
ています。TSB はケースレーのサイト(jp.tek.com/keithley )からダウンロードしてお使いいただけ
るソフトウェア・ツールです。TSP 対応の機器用にコードを作成したり、スクリプトを開発したり
する場合に、TSB をインストールして使用することができます。TSB 使用方法についての情報は、
TSB のオンライン ヘルプおよび『 Model DMM6500 Reference Manual』の「 Introduction to TSP
operation」セクションに記載されています。
他のプログラミング環境を使用するには、サンプルの TSP コードに変更を加えなければならない場
合があります。
DMM6500型 6.5
USER
デフォルトでは、DMM6500 型では SCPI コマンド・セットが使用されます。TSP コマンドを機器に
送信する前に、TSP コマンド・セットを選択する必要があります。
コマンドを有効にするには、以下の手順に従います。
TSP
1. MENU (メニュー)キーを押します。
2. System(システム)で Settings (設定)を選択します。
3. Command Set(コマンド・セット)を TSP に設定します。
4. 再起動の確認画面が表示されたら、Yes (はい)を選択します。
以下の TSP コマンドを使用して、抵抗を等級付けして、確度別のビンに分類します。コードが実行
されると、Test Script Builder の Instrument Console にデータが表示されます。
このアプリケーション例では、以下のコマンドを送信します。
-- 機器をデフォルト設定にリセットする
reset()
-- 最大 100 万回の読み値を保存できるユーザ定義読み取りバッファを作成する
bufferVar = buffer.make(1000000)
-- バッファをクリアする
bufferVar.clear()
--測定機能を 4 線抵抗に設定する
dmm.measure.func = dmm.FUNC_4W_RESISTANCE
-- 電源サイクル数を 1 に設定します。
dmm.measure.nplc = 1
-- オートゼロのリファレンス測定を直ちに更新した後、オートゼロ機能を無効にする
dmm.measure.autozero.once()
-- 抵抗測定値の確度が向上するように、オフセット保証を有効にする
dmm.measure.offsetcompensation.enable = dmm.ON
8-6 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
-- デジタル I/O ライン 1~4 をデジタル出力として構成する。これらの I/O ラインはコンポーネント・ハンド
-- ラにビニング・コードを出力するのに使用される
digio.line[1].mode = digio.MODE_DIGITAL_OUT
digio.line[2].mode = digio.MODE_DIGITAL_OUT
digio.line[3].mode = digio.MODE_DIGITAL_OUT
digio.line[4].mode = digio.MODE_DIGITAL_OUT
-- デジタル I/O ラインを 0 でクリアする
digio.line[1].state = digio.STATE_LOW
digio.line[2].state = digio.STATE_LOW
digio.line[3].state = digio.STATE_LOW
digio.line[4].state = digio.STATE_LOW
--デジタル I/O ライン 5 を構成する(コンポーネント・ハンドラからの
--テスト開始トリガを検出するためのトリガ入力に使用)
digio.line[5].mode = digio.MODE_TRIGGER_IN
-- 立下りエッジを検出するためのトリガ検出器を設定する
trigger.digin[5].edge = trigger.EDGE_FALLING
--デジタル I/O ライン 6 を構成する(コンポーネント・ハンドラに
--テスト終了トリガを送信するトリガ出力に使用)
digio.line[6].mode = digio.MODE_TRIGGER_OUT
-- 立下りエッジを出力する
trigger.digout[6].logic = trigger.LOGIC_NEGATIVE
-- 出力トリガのパルス幅を 10μ s に設定する
trigger.digout[6].pulsewidth = 10e-6
-- Notify Block でイベントが生成されるとトリガ・パルスが出力される
trigger.digout[6].stimulus = trigger.EVENT_NOTIFY2
--Component Binning トリガ・モデル・テンプレートを読み込む
trigger.model.load("GradeBinning", 100, 5, .1, .1, 120, 80, 15, 4, 110, 90, 1, 105,
95, 2, 101, 99, 3, bufferVar)
--トリガ・モデルを開始し、完了するまで待機する
trigger.model.initiate()
waitcomplete()
--ビニング・テストが完了したら、前面パネルの USER スワイプ画面にメッセージを表示する
display.settext(display.TEXT1, "Test Completed")
display.changescreen(display.SCREEN_USER_SWIPE)
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 8-7
9
このセクションの内容:
はじめに
このアプリケーション例では、 TSP-Link®を使用して 2 台の DMM6500 型を構成し、 Bluetooth® Low
Energy( BLE)デバイスの消費電力を測定する方法について説明します。
この例では、1 台の DMM6500 型でデジタイズされた電圧を測定し、もう 1 台の機器でデジタイズさ
れた電流を測定します。TSP-Link を使用して、これらの測定が同時に実行され、2 台の機器で測定
結果がやり取りされます。TSP スクリプトを使用して、テスト期間中の平均消費電力が計算されま
す。計算には以下の数式が使用されます( P
TSP-Link
はじめに ................................................................................... 9-1
必要な機器 ............................................................................... 9-2
デバイスの接続 ........................................................................ 9-2
TSP-Link
.................... 9-4
は平均電力、 n はポイントの数を表します)。
ave
このアプリケーション例では、波形の各ポイントで対応する電流と電圧を掛け合わせ、それらを加算
した後に、データ・ポイントの総数で割るという計算を行うことで、平均消費電力が求められます。
平均消費電力を測定することで、デバイスの性能を解析できます。この方法では、電流と平均電圧を
掛け合わせて平均消費電力を求めるよりも精度の高い結果が得られます。
電流を測定した後に、既知のバッテリ電圧を掛ける、という方法で消費電力を計算する場合もありま
す。電流と電圧を同時にデジタイズする手法には、それぞれの電流測定に即した正確な電圧値が得ら
れるため、精度の高い測定が可能になるというメリットがあります。
こうした測定は、被測定デバイス(DUT )がバッテリで駆動される場合に特に重要であり、消費電
力を抑え、バッテリ駆動時間を伸ばすのに役立ちます。
必要な機器
このアプリケーションでは、以下の装置を使用する必要があります。
• DMM6500 型( 2 台)
• KTTI-TSP 型通信/デジタル I/O アクセサリ・カード( 2 枚)
• 機器と通信を行うようにセットアップされたコンピュータ(1 台)
• イーサネット・クロスオーバー・ケーブル(1 本)
• 絶縁バナナ・ケーブル(数本)
• テストされるデバイスまたはコンポーネント(1 台)
デバイスの接続
このアプリケーションでは、KTTI-TSP 型通信/デジタル I/O アクセサリ・カード(2 枚)を使用す
る必要があります。
TSP-Link
DMM6500型 6.5
ユーザ・マニュアル
1. それぞれの機器の後部パネルのアクセサリ・カード・スロットにカードを装着します。インスト
ールの手順については、「KTTI-TSP アクセサリのインストール」 (ページ3-18 )を参照してく
ださい。
2. それぞれの機器の通信カードをクロスオーバ・ケーブルで接続します。
図43 :TSP -Link で接続された 2 台の DMM
3. ノード 1 に設定された DMM6500 型にコンピュータを接続します。
4. 機器の電圧を測定するテスト・リードをデバイスのバッテリと並列に接続します。
5. 機器の電流を測定するテスト・リードをデバイスのバッテリと直列に接続します。
9-2 DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019
6.5
TSP-Link
図44 :電流および電圧の 2 ノード測定
感電を防ぐためにもテスト接続は、テスト・リードや導体に触れているあらゆる被測定デバイス
(DUT )に、ユーザが触れないように設定してください。DUT を接続する前に電源を遮断するの
が賢明です。テスト・リードとの接触を防ぎ、安全な設置には適切な遮蔽版、障壁、接地が必要
となります。
保安接地(安全設置)と DMM6500 型の LO 端子との内部接続はありません。そのため、LO 端子
に危険なレベルの電圧(30V
以上)が発生する危険性があります。これは、機器が操作される
RMS
どのモードでも発生する可能性があります。危険電圧が LO 端子で発生しないようにするには、
ご使用のアプリケーションで許可されている場合、LO 端子を保安接地に接続します。LO 端子は
前面パネルのシャーシ接地端子または後部パネルのシャーシ接地ネジに接続することができま
す。前面パネルの端子と後部パネルの端子が分離されていることに注意してください。そのた
め、前面パネルの端子を使用している場合には、前面パネルの LO 端子に接地します。後部パネ
ルの端子を使用している場合には、後部パネルの LO 端子に接地します。これらのガイドライン
に従わないと、怪我や死亡事故、あるいは機器の損傷につながる恐れがあります。定格を無視し
たり、正当な安全対策を怠ると、大けがや死につながる恐れがあります。
DMM6500-900-02 Rev. B / August 2019 9-3