2281S プレシジョン DC 電源 /バッテリ・シミュレータ・
クイック・スタート・ガイド
スピ ード と簡 易 さ 、テ スト と測 定 の 再 発 見
安全使用上の注意
この製品および関連機器を使用するときには、以下の安全使用上の注意
に従ってください。一部の機器およびアクセサリは、通常危険性のない
電圧で使用されますが、危険な状態が発生しうる状況があります。
本製品は、負傷の危険を避けるために必要な安全に関する注意事項を理
解し、感電の危険を理解した有資格者が使用することを意図しています
。本製品を使用する前に、すべての設置、使用、およびメンテナンスに
関する情報を注意深く読み、それらを順守するようにしてください。詳
細な製品仕様については、ユーザ・マニュアルを参照してください。
この製品を指定以外の方法で使用した場合には、製品の保証による保護
が制限される場合があります。
製品ユーザには、以下のタイプがあります。
責任組織機器の使用およびメンテナンスに責任を負う個人またはグルー
プで、機器がその仕様および使用制限の範囲内で使用されるようにする
とともに、オペレータを適切に訓練する責任を負います。
オペレータ製品をその意図する目的に使用します。電気についての安全
手順および機器の適切な使用法についてトレーニングを受ける必要があ
ります。オペレータを、感電および通電している危険な回路との接触か
ら保護する必要があります。
メンテナンス担当者製品が適切に動作するように、ライン電圧の設定や
消耗部品の交換など、定期的な手順を実行します。メンテナンス手順に
ついては、ユーザ・マニュアルに記載されています。オペレータが実行
できる手順は、その旨が明記されています。明記されていない場合は、
それらの手順は保守担当者のみが行います。
保守担当者通電している回路に対する作業について訓練を受け、安全な
設置および製品の修理を行います。適切なトレーニングを受けた整備担
当者のみが設置および整備手順を実行できます。
ケースレーインスツルメンツ社の製品は、測定、制御、データ I/O 接
続の電気信号を低い過渡的な過大電圧で取り扱うよう設計されており、
過渡的な過大電圧をもつ商用電源や電圧源に直接接続してはなりません
。測定カテゴリ II (IEC 60664 で参照されている) の接続には、しばし
ばローカルの AC 電源の接続に関連して発生する過渡的な過大電圧に対
する保護が必要です。ケースレー測定機器の中には、電源に接続してよ
いものもあります。それらの機器には、カテゴリ II またはそれ以上で
あることを示すマークが付与されます。
仕様、操作マニュアル、機器のラベルで明示的許可されていない限り、
どの機器も電源には接続しないでください。
感電の危険があるときには、十分に注意して作業を行ってください。ケ
ーブル コネクタ ジャックまたはテスト・フィクスチャには、生命に危
険が及ぶような電圧が生じている場合があります。米国規格協会
(ANSI) は、30V RMS、ピーク電圧 42.4V、または 60V DC の電圧が
あるときには感電の危険があると明記しています。未知の回路について
測定するときには、危険な高電圧があることを想定しておくと安全性が
高まります。
この製品のオペレータに対しては、常に感電に対する保護を行う必要が
あります。責任者は、ユーザがすべての接続点から保護されているか、
または絶縁されていることを保証する必要があります。ときには、接続
点の露出が避けられず、ユーザが接触する危険が避けられない場合があ
ります。このような場合は、製品のユーザが自らを感電の危険から守れ
るように、教育する必要があります。回路が 1,000 V 以上で動作可能
な場合は、回路の導体部を露出してはいけません。
制限されていない電源回路に切換カードを直接接続してはなりません。
切換カードは、インピーダンスが制限されている電源での使用を意図し
たものです。絶対に切換カードを AC 主電源に直接接続しないでくださ
い。電源を切換カードに接続しているときには、保護デバイスを設置し
てカードへの故障電流および電圧を制限します。
機器を操作する前に、ライン コードが適切に接地された電源コンセン
トに接続されていることを確認します。使用前に、接続ケーブル、リー
ド線およびジャンパの摩耗、亀裂または破損について検査します。
ラックに取り付ける場合など、主電源コードへのアクセスが限られてい
ネジがある場合には、ユーザ マニュアルで推奨されている導線を
使用して、これを保安接地 (安全接地) に接続します。
機器上のこの記号は、操作上の危険性を警告するものです。この記
号が印刷されている部分を操作する場合は、必ずユーザーマニュア
ルを参照してその指示に従ってください。
る場所に機器を設置するときには、別の主入力電源切断デバイスを機器
の近くのオペレータの手が簡単に届く場所に用意する必要があります。
最大限の安全性を確保するために、試験中の回路に電源が入っていると
きには製品、試験ケーブル、またはその他任意の機器に触れないでくだ
さい。ケーブルまたはジャンパの接続または接続解除、切換カードの取
付または取り外し、ジャンパの取付や取り外しなどの内部の変更を行う
前に、必ず試験システム全体から電源を切り離し、すべてのキャパシタ
を放電してください。
試験中の回路の共通側または電源回路の接地線への電流の経路となる物
体に触れないでください。測定する電圧に耐えられる乾燥した絶縁され
た表面に立って、必ず乾燥した手で測定を行います。
安全上、機器/ 装置およびアクセサリは、操作説明書に準じて使用して
ください。操作説明書に指定されていない方法で機器/ 装置およびアク
セサリを使用すると、機器/装置の保証による保護が制限される場合が
あります。
仕様または使用情報で指定されている、もしくは機器またはテスト・フ
ィクスチャ・パネル、切換カードに表示されている機器およびアクセサ
リの最大信号レベルを超えないようにします。
製品にヒューズが使用されているときは、火災の危険を防止するために
同じタイプおよび定格のものと交換してください。
シャーシ接続は測定回路のシールド接続だけで使用可能であり、保護のた
めのアース(安全接地)の接続として使用することはできません。
テスト・フィクスチャを使用している場合には、試験中のデバイスに電源が投
入されている間はフタを閉じたままにしておきます。安全な運用には、フタの
インターロックを使用する必要があります。
機器上のこの記号は、感電の危険性を警告するものです。標準の安
全使用上の注意に従って、ユーザがこれらの電源に触れるのを防止
してください。
機器上のこの記号は、その面が高温になる場合があることを示して
います。火傷を防止するために、ユーザがこの面に触れないように
してください。
この記号は、機器フレームへの接続端子を示しています。
製品上にこの水銀記号がある場合には、表示ランプに水銀が使用さ
れていることを示しています。ランプは、必ず連邦、州および地域
の法律に従って適切に処分してください。
ユーザ マニュアルにあるこの見出しは、ケガや死亡事故につなが
る可能性のある危険について説明しています。示されている手順を
実行する前に、必ず関連する情報をよく読んでください。
ユーザ マニュアルにあるこの見出しは、機器の損傷につながる可
能性のある危険について説明しています。損傷によって保証が無効
になる場合があります。
機器およびアクセサリは、人体に接続してはなりません。
メンテナンスを行う前には、AC 電源コードとテスト・ケーブルをすべて取り
外してください。
感電および火災を防止するために、電源変換器、リード線、入力ジャックなど
の主回路の交換コンポーネントはケースレーインスツルメンツからご購入くだ
さい。定格とタイプが同じであれば、国の安全承認を受けた標準のヒューズを
使用することができます。安全性と関係のないそれ以外のコンポーネントは、
元のコンポーネントと同一であれば他の供給元から購入することができます (
製品の精度および機能を維持するためには、一部の部品はケースレーインスツ
ルメンツから購入するべきである点にご注意ください)。交換コンポーネント
の適合性について不明な点がある場合には、ケースレーインスツルメンツまで
お問い合わせください。
機器を清掃する場合は、機器から電源を切り離してください。湿らせた布または
水性の弱い洗剤を使用します。清掃するのは機器の外部のみにしてください。洗
剤を機器に直接付着させたり、液体を機器の中に入れたり機器の上にこぼした
りしないでください。ケースまたはシャーシのない回路ボードで構成されている
製品 (たとえばコンピュータ取付用のデータ取得ボード) は、指示に従って使
用している場合には清掃は必要ありません。ボードが汚れて動作に影響が出てき
た場合には、ボードを工場に返送して適切な洗浄および整備を受けてください。
安全対策(2013 年 1 月改訂版)
電源仕様および環境仕様
100 V AC/120 V AC/220 V AC/240 V AC、 50
Hz または 60 Hz
0 ~ 40 °C (32 ~ 104 ° F)、最高確度 相対湿
度 80 % 35 °C (95 ° F)以下、結露のないこと
-20 ~ 70 °C (-4 ~ 158 ° F)、40 °C (+104 ° F)
以下で 5 ~ 95 % 相対湿度、および 40 °C (
+104 ° F)~ 70 °C (+158 ° F)以下で 5 ~ 60 %
相対湿度
屋内での使用のみ。
電源を供給する装置に機器を接続する前に、適切な出力オ
フ状態、ソース レベルおよび適合レベルを注意深く考慮して
設定してください。出力オフ状態、ソースおよび適合レベルに
ついて適切な考慮がなされていない場合、機器の損傷ある
いは被測定装置の損傷につながる可能性があります。
はじめに
2281S プレシジョン DC 電源 /バッテリ・シミュレー
タ。20 V, 6 A
ケースレーインスツルメンツ製品をご選択くださり、ありが
とうございます。モデル 2281S プレシジョン DC 電圧/ バ
ッテリ・シミュレータは、優れた感度および確度を実現した
プログラマブル電源です。安定した低ノイズ電圧を印加でき
るだけでなく、アンペアからナノアンペアまでの幅広いダイ
ナミック・レンジの負荷電流をモニタできます。また、バッ
テリのテストやバッテリをシミュレートに使用されるバッテ
リ・モデルの生成にも対応しています。
高解像度 4.3 インチ・カラー・ディスプレイを備え、機器
の状態を示す数多くのパラメータが表示されるので、測定か
ら多くの情報を得ることができます。
バッテリ・モデルを画面上で生成し、編集することができま
す。さらに、バッテリ・シュミレーションを行っている間、
容量と電圧が画面に表示されます。
CD-ROM の内容
機器に付属する CD-ROM には、リファレンス・マニュア
ル、クイック・スタート・ガイド、およびアクセサリ・マニ
ュアルの PDF が収録されています。
追加サポート情報については、
http://www.tek.com/keithley を参照してください。
機器の開梱と検査
機器を開梱して検査するには、以下のようにします。
1. 箱に損傷がないか調べます。
2. 箱の上部を開きます。
3. マニュアル、標準アクセサリ、 CD-ROM、およびケー
ブル・ハウジングが入っている袋を取り出します。
4. パッケージの中身を取り出します。
5. 2281S を箱から取り出します。
2281S の前面カバーの部分を持ち上げないでください。前面
カバーの部分を持って機器を持ち上げると、機器の損傷につ
ながる可能性があります。
6. 物理的な損傷が発生した兆候が見られないかどうか、機
器を調べます。損傷があった場合には、直ちに運送業者
に連絡してください。
図に示す通り、2281S には以下のアクセサリが含まれてい
ます。
1 電源コード
2 クイック スタート ガイド
3 2281S クイック スタート ガイド (本書 )
4 2281S プレシジョン DC 電圧 /バッテリ・シミュレータ
製品情報 CD-ROM
5 モデル CA-180-3A CAT5 クロスオーバー・ケーブル
( Ethernet 用)
6 ユーザ・ガイド安全基準適合性情報
7 ケーブル・ハウジング
機器の接続
試験システムの安全性に関する重要な
情報
本製品は、危険な高電圧および電源を含む可能性のあるシス
テムの一部となる、スタンドアローン機器として販売されて
います。試験システム設計者、インテグレータ、取り付け担
当者、メンテナンス担当者、および保守担当者は、システム
使用中の安全やシステムが適切に作動していることを確認す
る責任があります。
さらに、数多くの試験システムにおいては、危険が生じてい
ないとシステムが判断している場合でも、ソフトウェアのエ
ラーなどの 1 つの障害が原因で危険レベルの信号が出力さ
れる場合があることを銘記する必要があります。
システムの設計および使用に関して、以下の要因を考慮する
ことは重要です。
国際的な安全基準 IEC 61010-1 は、乾燥した場所での
使用で機器の定格が 30 V
あるいは 60 V DC を超えるものを危険電圧と定義して
います。Keithley Instruments 製品の定格は、あくまで
乾燥した場所で使用した場合のものです。
システム内のすべての機器の仕様に目を通し、それに準
拠してください。全体として許可される信号レベルは、
システム内で定格が最も低い機器によって制限される場
合があります。例えば、500 V 電源を 300 V DC 定格
のスイッチと一緒に使用する場合、システム内で許可さ
れる最大電圧は 300 V DC になります。
システムに接続されている試験具が、危険電圧、高温の
表面、および鋭利な物と接触しないようにオペレーター
を保護していることを確認してください。これを行うに
は、シールド、バリア、絶縁体、および安全インターロ
ックを使用します。
被測定装置 (DUT) を覆い、システムまたは DUT に障
害が発生した場合に飛び散る破片からオペレーターを保
護します。
および 42.4 V ピーク、
RMS
オペレーターが触れる可能性があるすべての電気接続を
二重絶縁します。二重絶縁は、絶縁レイヤーの 1 つに
障害が発生した場合でも、オペレーターを保護するため
のものです。特定の要件については、IEC 61010-1 を参
照してください。
すべての接続が、ロックされたキャビネットのドアまた
は他のバリアの後ろにあることを確認します。これは、
誤って手で接続を取り外したり、危険電圧にさらされる
ことからシステム オペレーターを保護するためのもので
す。試験具のカバーを開ける際に電源を切り離すには、
信頼性の高いフェイルセーフのインターロック スイッチ
を使用してください。
可能な場合には、オペレーターが DUT または危険と思
われる他の領域にアクセスしなくてもよいように、自動
ハンドラーを使用してください。
システムのすべてのユーザをトレーニングして、それら
のユーザが潜在的なすべての危険について理解し、ケガ
から身を守る方法について知るようにします。
多くのシステムでは、電源投入時に、適切に初期化され
るまで出力が未知の状態になることがあります。この状
態が設計上許容されており、かつオペレーターがケガを
したりハードウェアが損傷したりすることがないもので
あることを確認してください。
ユーザを安全な状態に保つため、常に、システム内にある各
機器のすべての安全警告を読みそれに従ってください。
機器の取り付け
2281S はベンチ上またはラック内に設置して使用できま
す。2281S をラックに取り付ける場合は、ラックマウント
・
キットに付属している指示を参照してください。
温度上昇による損傷を防ぎ、指定された性能を発揮するため
に、機器の周りに適切な換気装置および空気の流れが存在す
ることを確認し、適切な冷却が行われるようにしてくださ
い。機器の上、横、または下にある換気穴はふさがないでく
ださい。
機器は必ず、電源コード、電源スイッチなどの電源切断
デバイスに手が届く場所に設置してください。
機器の電源投入
シリーズ 2281S は、100 V 、120 V 、220 V 、または 240 V
(周波数 50 Hz または 60 Hz) で動作します。リア・パネ
ル電源モジュールの中央にある AC ライン電圧インジケー
タが、ご利用の施設の AC ライン電圧と一致することを確
認してください。一致しない場合には、『モデル 2281 リ
ファレンス・マニュアル』 の「メンテナンス」のセクショ
ンを参照して、電源入力モジュールの設定を変更してくださ
い。
2281S に付属の電源コードには、アース付きコンセントで使用
するための保安接地(安全接地)線が付いています。適切に接
続を行った場合には、電源コードの接地線によって計器のシャー
シが電源線のアース線に接続されます。さらに、リア パネルの
ネジにも保安接地線が接続され、安全対策が二重化されていま
す。この端子は、既存の保安接地に接続しなければなりません。
保安接地線を適切に接続していない場合、および、アース付きコ
ンセントの使用法に誤りがあった場合、感電事故が発生し、負傷
または死亡につながる危険性があります。
取外し可能な主電源コードを不適切な定格のコードに取り換えな
いでください。適切な定格のコードを使用しない場合、感電事故
が発生し、負傷または死亡につながる危険性があります。
電源を接続するには、以下の手順に従い
ます。
1. フロント パネルの電源スイッチがオフ (0) の位置にあ
ることを確認します。
2. 付属の電源コードのソケットをリア パネルの電源モジ
ュールに差し込みます。
機器を不適切な電源電圧で使用すると、損傷につながる可
能性があります(この場合、保証を受けられない可能性もあ
ります)。
3. 電源コードのプラグをアース付きの電源コンセントに差
し込みます。
4. フロント・パネルの POWER スイッチを押してオン
(| )の位置にして、機器の電源をオンにします。機器
に電源が入ります。
試験用の接続
AWG 20 から AWG 12
リア・パネルの出力端子
接続する前に、以下の表に示す導線を用意してください。
2 線式接続
最大精度が必要ではない場合、基本操作には 2 線式接続を
使用します。リード・インダクタンスとノイズ・ピックアッ
プを抑えるため、導線はできるだけ短くします。負荷リード
での電圧降下を相殺するには、4 線式センス接続を使用し
ます。
導線は、ユニットの短絡出力電流が流れたときに加熱しない
ように、十分太い導線にしてください。上記の配線要件を満
たしてください。
2281S との 2 線式接続を行う場合、出力高とセンス
高、および出力低とセンス低の両方を、短絡ジャンパで
短絡する必要があります。これを行わないと、ディスプ
レイの電圧出力に誤った表示がされます。
フロント・パネルへの 2 線式(ローカル・センシング)
DUT 接続
リア・パネルへの 2 線式(ローカル・センシング)
DUT 接続
接続後に、ケーブル・ハウジングを出力接合コネクタと導線
の上にスライドします。
4 線式リモート・センス接続
4 線式リモート・センス接続を使用すると、プログラムさ
れた電圧が負荷に適用されるようにし、電源と負荷の間のリ
ードの電圧降下を相殺できます。
出荷時には、センス端子はジャンパで出力端子に接続されて
います。導線を接続する前に、必ず短絡ジャンパを取り外し
てください。リモート・センスに電源を接続すると、過電圧
保護(OVP )回路が出力端子ではなく感知ポイント(負
荷)の電圧を感知します。
ケーブル・ハウジングを設置しないと、感電による傷害または死
亡事故の原因となる可能性があります。
リア・パネルへの 4 線式(リモート・センシング)DUT
接続
接続後に、ケーブル・ハウジングを出力接合コネクタと導線
の上にスライドします。
ケーブル・ハウジングを設置しないと、感電による傷害ま
たは死亡事故の原因となる可能性があります。
フロントパネル オプションの概要
メニュー オプションを選択したり、測定操作を開始し
たりするためのキー
画面オプションの選択に使用できるナビゲーション
コントロール
ソース出力をオンまたはオフにする Output ON/OFF
スイッチ
フロント・パネルの出力接続用バインディング・ポス
ト
2281S のフロント・パネルでは、機器のほとんどの機能
をセットアップしたり、ソース操作および測定操作を行っ
たりすることができます。フロント パネルには以下のも
のが含まれます。
機器の設定や測定値の読み取りに使用できる高解像度
カラー画面
ENTER および EXIT キー
ENTER キーは、強調表示されているオプションを選択す
る場合に使用します。ほとんどの場合、そのオプションの
設定を変更できるメニューまたはダイアログ・ボックスが
開きます。
EXIT キーは、前のメニューに戻ったり、ダイアログ ボ
ックスを閉じたりする場合に使用します。たとえば、現在
メニュー画面にいる状態で EXIT キーを押すと、ホーム
画面に戻ります。
TRIGGER キー
TRIGGER キーの動作は、選択されているトリガ メソッ
ドによって異なります。
手動によるトリガが選択されている場合、TRIGGER
を押すと機器は測定を行います。
トリガ・モデルがアイドル状態の場合、TRIGGER キ
ーを押すとそのトリガ・モデルが開始されます。
フロント・パネルのユーザ・インタ
フェース概要
起動画面
2281S の電源を投入すると、次の起動画面が表示されま
す。
フロント・パネルのユーザ・インタフェースを使用する
と、ソースの設定、測定の設定、システム構成、機器のス
テータス、読み取りバッファ情報、およびその他の機器の
機能に素早くアクセスできます。
図に示されているように、2281S には 3 つの機能があり
ます。
高精度電源:20 V 、6 A 、DC 電力の供給
バッテリ・テスト:バッテリ充電/ 放電テストの実行に
よるバッテリ容量および内部抵抗の計算、およびバッ
テリ・モデルの作成
バッテリ・シミュレータ:バッテリのシミュレートによ
り、さまざまな状態の被測定装置 (DUT) に対するバ
ッテリの影響を評価
機能を選択するには、ナビゲーション・コントロールを操
作するかまたはソフト・キーを押し、Enter を押して、そ
れぞれの機能のホーム画面を表示します。
ホーム画面の概要
電源機能のホーム画面:
上図は電源機能のホーム画面 1 を示しています。起動画
面で電源機能を選択すると、この画面が表示されます。
Next キーを押すことにより、別のホーム画面を表示する
こともできます。
ホーム画面の一番上の行にはステータスおよびイベント
インジケータが表示されます。これらのオプションを選択
して、ステータスまたはイベントに関する追加情報を提供
するダイアログ ボックスを開くことができます。
ホーム画面の OUTPUT [ 出力] ビュー・エリアには、現
在の出力の値とステータス・インジケータが表示されま
す。出力がオンになるまでは、出力に破線が表示されま
す。
ホーム画面の設定エリアは、OUTPUT [ 出力] ビュー・エ
リアの左下隅にあります。そこには、現在設定されている
測定範囲、電圧、および電流のリミットが表示されます。
ソート・キー・エリアはホーム画面の下部にあります。そ
こには現在の設定値が表示されます。これらの値は、画面
下部のボタンを押すことにより、変更できます。
バッテリ・テストのホーム画面:
上の図はバッテリ・テスト機能のホーム画面 1 を示して
います。起動画面でバッテリ・テスト機能を選択すると、
この画面が表示されます。Next キーを押すことにより、
別のホーム画面を表示することもできます。
ホーム画面の一番上の行にはステータスおよびイベント
インジケータが表示されます。これらのオプションを選択
して、ステータスまたはイベントに関する追加情報を提供
するダイアログ ボックスを開くことができます。
ホーム画面の OUTPUT [ 出力] ビュー・エリアには、試
験中のバッテリの値が表示されます。
ソート・キー・エリアはホーム画面の下部にあります。そ
こには現在の設定値が表示されます。これらの値は、画面
下部のボタンを押すことにより、変更できます。
バッテリ・シミュレータのホーム画面:
上の図はバッテリ・シミュレーション機能のホーム画面
1 を示しています。起動画面でバッテリ・シミュレーシ
ョン機能を選択すると、この画面 1 が表示されます。
Next キーを押すことにより、別のホーム画面を表示する
こともできます。
ホーム画面の一番上の行にはステータスおよびイベント
インジケータが表示されます。これらのオプションを選択
して、ステータスまたはイベントに関する追加情報を提供
するダイアログ ボックスを開くことができます。
ホーム画面の OUTPUT [ 出力] ビュー・エリアには、バ
ッテリ・シミュレータの値およびステータスが表示されま
す。
ソート・キー・エリアはホーム画面の下部にあります。そ
こには現在の設定値が表示されます。これらの値は、画面
下部のボタンを押すことにより、変更できます。
メニュー画面の概要
どの機能の場合も、フロント・パネルで MENU キーを押
すと、メニュー画面が表示されます。以下のセクションで
は、電源機能のメニューを例として使用します。
この画面から、ソース、測定、グラフ、トリガ、およびシ
ステム・セットアップ・メニューを選択できます。これら
のメニューを使用して、用途に合わせて機器をセットアッ
プするためのオプションを選択できます。セットアップ項
目は、ナビゲーション・コントロールをスクロールする
か、矢印キーを使用してアイコンを強調表示することによ
り、選択します。次に ENTER キーを押します。
[Measure] の下の [Settings] オプションを選択する場合
に使用可能なオプションの例を、以下に示します。
単純な電圧出力と電流測定
次の例では、電圧出力を構成し、デフォルトの機器構成を
使用して、精密な電圧と電流の測定を実行する方法を示し
ます。
DUT (この例の場合、1 kΩ 抵抗)をフロント・パネルの
出力バインディング・ポストに接続します。詳細について
は、「2 線式接続 」を参照してください。4 線式接続を
使用して負荷リードの電圧降下を相殺することもできま
す。
フロント・パネルで電圧と電流のリミットを設定す
るには、以下の手順に従います。
1. Home キーを押します。ホーム画面が表示されま
す。
2. V-Set ソフト・キーを押します。下部に編集ウィンド
ウが表示されます。
3. 電圧を 5 V に設定します。フロント・パネルの右に
ある数字キーを使用して「5 」と入力してください。
この値は、矢印キーまたはナビゲーション・コントロ
ールのどちらかを使用して変更することもできます。
4. I-Limit ソフト・キーを押します。下部に編集ウィン
ドウが表示されます。
5. 電流のリミットを 1 A に設定します。 ENTER キー
を押します。
出力がオンになっているときにナビゲーション・コントロー
ルを使用して値を変更すると、電圧と電流はすぐに反映さ
れます。出力が被測定装置(DUT )を損傷しないよう確認し
てください。
6. OUTPUT スイッチを押して、出力をオンにします。
その他の詳細およびリモート・インタフェースの例につい
ては、『2281S リファレンス・マニュアル』の「一般操
作」のセクションを参照してください。
測定機能を選択します
2281S の電源機能では、以下の測定機能を実行できま
す。
メニュー画面から測定機能を設定するには、以下の
手順に従います。
1. Menu キーを押します。
2. Measure で、 Settings を選択します。
3. Function の横のボタンを選択して、 ENTER キーを
押します。選択ウィンドウが表示されます。
4. 測定機能を選択します。
ホーム画面から測定機能を設定するには、以下の手
順に従います。
1. Measure ソフト・キーを押します。選択ウィンドウ
が表示されます。
2. 測定機能を選択します。
その他の詳細およびリモート・インタフェースの例につい
ては、『リファレンス・マニュアル』の「一般操作」セク
ションを参照してください。
測定範囲の指定
電源機能では、測定値に範囲を設定できます。特定の範囲
を設定するか、または機器により自動的に範囲が選択され
るようにすることができます。
測定範囲によって、測定の全体的な入力が決定されます。
測定範囲は、測定の精度と測定可能な信号の最大値にも影
響します。
シリーズ 2281S には複数の電流測定範囲と 1 つの電圧
範囲があります。これらの範囲については、後に記す表に
一覧を示します。
ホーム画面から範囲を設定するには、以下の手順に
従います。
1. HOME キーを押して、 Range ボタンを選択します。
Range ダイアログ・ボックスが表示されます。
2. 上下矢印ソフト・キーを使って範囲を選択します。新
しい範囲設定を使用して、ホーム・ページが更新され
ます。ENTER キーまたは EXIT キーを押して、
Range ダイアログ・ボックスを閉じます。
メニュー画面から範囲を設定するには、以下の手順
に従います。
1. MENU キーを押します。
2. ナビゲーション・コントロールまたはソフト・キーを
使用して、Measure の下の Settings アイコンを強調
表示します。ENTER キーを押します。
3. MEASURE SETTINGS ページで、Range の横のボタ
ンを選択します。Range ダイアログ・ボックスが表
示されます。
4. 範囲を選択します。MEASURE SETTINGS 画面に戻
ります。
その他の詳細およびリモート・インタフェースの例につい
ては、『リファレンス・マニュアル』の「一般操作」セク
ションを参照してください。
アプリケーション例
バッテリ・テスト
以下の例では、2281S-20-6 を使用したバッテリ・テスト
の実行方法とバッテリ・ モデルの生成方法について説
明します。
フル充電サイクルを作り出すためには、まず 2281S を使
用して、バッテリが空の状態になるまで放電する必要があ
ります。その後で、空の状態からフルになるまで充電し
て、電圧、電流、抵抗、アンペア時を測定します。充電プ
ロセスが完了すると、モデル 2281S は結果に基いてバッ
テリ・モデルを自動的に生成します。
必要な機器:
この使用例では、モデル 2281S を使用して、リチウムイ
オン・バッテリを空の状態からフルになるまで充電し、バ
ッテリ容量 (アンペア時)、バッテリ内部抵抗、充電曲線
(電圧/電流) を測定して、最後にテスト結果に基づいてバ
ッテリ・モデルを生成します。
2281S バッテリ・シミュレータ (1 台 )
充電式バッテリ
ケーブル
被試験バッテリとモデル 2281S-20-6 は、2 線式接続 (ロ
ーカル・センシング) でも接続できます。ただし、下図に
示すように、ケーブル抵抗の誤差を相殺できるため、4
線式接続の使用をお勧めします。
バッテリ・テスト機能でバッテリ容量を測定し、バ
ッテリ・モデルを生成するには、以下の手順に従い
ます。
バッテリを機器に測定したら、フロント・パネルを使用し
て、以下の手順に従ってバッテリをテストし、バッテリ・
モデルを生成します。
1. 起動画面でバッテリ・テスト機能を選択します。
2. MENU キーを押します。
3. Source で (dis)charge を選択して、まずバッテリが
空になるまで放電させるための設定を行います。
4. V-Set の横にターゲット電圧を設定します。たとえ
ば、動作範囲が 3.8 V ~ 4.2 V のリチウムイオン・
バッテリの場合には、バッテリが完全に放電されるよ
うに、ターゲット電圧を 3.8 V よりも少し低く設定
する必要があります。
5. End condition の横の終了電流に 10 mA を設定しま
す。放電電流がこの値より少なくなると、2281S は放
電を停止し、OUTPUT をオフにします。
10. End condition の横の終了電流に 10 mA を設定し
ます。充電電流がこの値より少なくなると、2281S
は充電を停止し、OUTPUT をオフにします。
6. フロント・パネルの OUTPUT をオンにして、バッテ
リを放電します。放電が終了し、2281S が OUTPUT
をオフにするまで待機します。
7. Measure で A-H を選択します。このステップから開
始して、2281S はバッテリを充電し、容量を測定し
て、バッテリ・モデルを生成します。
8. V-Full の横にターゲット電圧を設定します。バッテリ
の動作範囲が 3.8 V ~ 4.2 V の場合には、この値を
4.2 V より少し高い値を設定します。
9. Source I-Limit の横に最大充電限界を設定します。こ
の値はバッテリの仕様に基づいて設定します。バッテ
リの最大電流より大きな値を指定するとバッテリが損
傷する可能性があります。
11. フロント・パネルの HOME を押して、バッテリ・
テストのホーム画面に戻ります。
12. ソフト・キー・エリア 3 の Measure AH を選択し
ます。
13. 状態を On に設定します。画面に表示された測定結
果 (電圧/電流/アンペア時) に従って充電が開始さ
れます。
14. 充電が完了したら、ソフト・キー Measure AH を
入力した後で、Model: Generate を選択します。
15. バッテリ・モデルの開放電圧 (Voc) レンジを設定し
ます。
16. バッテリ・モデルに名前を割り当てます。
17. Yes を選択して、バッテリ・モデルを保存します。
モデル 2281S-20-6 では、最大 9 個のバッテリ・
モデルを保存できます。
充電中は、ソフト・キー・エリア 2 の Graph または Data
Sheet を選択することにより、充電の進行状況を表示でき
ます。
バッテリ・シミュレーション・テスト
以下の例では、モデル 2281S-20-6 を仕様したバッテリ
・シミュレーションの手順について説明します。
この例では、本物のバッテリの代わりにモデル 2281S を
使用してデバイスに給電したり、より効率的に異なるバッ
テリ状態でデバイスをテストできるする方法を示します。
必要な機器:
2281S バッテリ・シミュレータ (1 台 )
バッテリを使用する携帯電話
ケーブル
下図のように、被試験デバイスと 2281S-20-6 は、2 線
式接続 (ローカル・センシング) でも接続できます。ただ
し、ケーブル抵抗の誤差を相殺できるため、4 線式接続
の使用をお勧めします。
2281S-20-6 のフロント・パネルを使用してバッテ
リのシミュレーションを行うには、以下の手順に従
います。
1. 起動画面でバッテリ・シミュレータ機能を選択し
ます。
2. ソフト・キー・エリア 1 の Model を選択します。
3. 10 mdl を選択します。これは一般的な携帯電話のリ
チウムイオン・バッテリに対応したモデルであり、電
圧範囲は 3.7 V ~ 4.2 V です。
4. MENU キーを押します。
5. Battery で Settings を選択します。
6. Method を Dynamic に設定します。シミュレートさ
れたバッテリの Voc および SOC は、本物のバッテ
リと同じように、充電/ 放電状態に従って変化しま
す。
7. Full V および Empty V にシミュレートされたバッテ
リの範囲を設定します。デフォルトの Full V および
Empty V は、Voc の最小値と最大値です。2281S が
バッテリ・シミュレータ・モードで動作しているとき
は、Full V と Empty V の間が Voc 値の範囲になり
ます。
8. フロント・パネルの HOME を押して、バッテリ・
シミュレータのホーム画面に戻ります。
11. ソフト・キー・エリア 2 の Capacity を 200 mAh
に設定します。充電および放電時間を短くして、テス
トの効率を上げるために、この容量の値を設定しま
す。
12. フロント・パネルで OUTPUT をオンにして、バッテ
リ・シミュレーションを開始します。
次のステップ
9. ソフト・キー・エリア 2 の I-Limit を選択します。
2281S から DUT への最大電流には、 6.1 A を超える
値は設定できません。
10. ソフト・キー・エリア 1 の SOC を 80%、Voc を
4.1234 V に設定します。 Voc の値は Empty V と
Full V の間でなければなりません。 SOC の値は Voc
の値に従って変化し、その逆もまた同様です。
詳細については、『2281S リファレンス・マニュアル』
を収めた製品情報 CD-ROM を参照してください。機器
のすべての機能に関する詳細情報が記載されています。
機器に関するサポートおよび追加情報については、ケース
レーインスツルメンツのウェブサイト
www.tek.com/keithley も参照してください
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Austria 00800 2255 4835
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