モデル 2110 5½ 桁マルチメーター
リファレンス マニュアル
2110-901-02 Rev. C / 2013 年 8 月
www.keithley.com
*P211090102C*
2110-901-02
A Greater Measure Of Confidence
A Tektronix Company
モデル
5½ 桁マルチメーター
リファレンス マニュアル
© 2013, Keithley Instruments, I nc.
Cleveland, Ohio, U.S.A.
著作権所有
Keithley Instruments の書面による事前の承諾なしに、
本書の内容の全部または一部を無断で複製、コピー、または使用することは固く禁じられています。
Keithley Instruments のすべての製品名は Keithley Instruments, Inc. の
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文書番号: 2110-901-02 Rev. C / 2013 年 8 月
安全使用上の注意
この製品および関連機器を使用するときには、以下の安全使用上の注意に従わなければなりません。一部の機器およびアクセサ
リは、通常危険性のない電圧で使用されますが、危険な状態が発生しうる状況があります。
この製品は、感電の危険性について認識しており、発生しうる傷害を避けるのに必要な安全使用上の注意について熟知している
資格を持った担当者が使用するためのものです。製品を試用する前に、設置、操作およびメンテナンス情報のすべてをよく良く
読んでこれに従ってください。詳細な製品仕様については、ユーザー マニュアルを参照してください。
この製品を指定以外の方法で使用した場合には、製品の保証による保護が制限される場合があります。
製品ユーザーには、以下のタイプがあります。
責任組織 は、機器の使用およびメンテナンスに責任を負う個人またはグループで、機器がその仕様および使用制限の範囲内で使
用されるようにするとともに、オペレータを適切に訓練する責任を負います。
オペレータ は、製品をその意図する目的に使用します。電気についての安全手順および機器の適切な使用法について訓練を受ける
必要があります。オペレータを、感電および通電している危険な回路との接触から保護する必要があります。
メンテナンス担当者 は、製品が適切に動作するように、ライン電圧の設定や消耗部品の交換など、定期的な手順を実行します。メ
ンテナンス手順については、ユーザー マニュアルに記載されています。オペレータが実行できる手順は、その旨が明記されてい
ます。明記されていない場合は、それらの手順は保守担当者のみが行います。
保守担当者 は、通電している回路に対する作業について訓練を受け、安全な設置および製品の修理を行います。適切な訓練を受
けた整備担当者のみが設置および整備手順を実行できます。
Keithley Instruments の製品は、低い過渡過電圧での、測定、制御およびデータ入出力接続の電気信号を使用するように設計され
ているため、主電源または過渡過電圧が発生する電源に直接接続してはなりません。 測定カテゴリ II (IEC 60664 で参照) の接続
には、地域の AC 主電源接続に対応する高い過渡過電圧に対する保護が必要です。 一部の Keithley 測定機器は主電源に接続され
る場合があります。 これらの機器は、カテゴリ II 以上として指定されます。
仕様、オペレーティング マニュアル、および機器ラベルで明示的に許可されていない限り、いかなる機器も主電源に接続しない
でください。
感電の危険があるときには、十分に注意して作業を行ってください。ケーブル コネクタ ジャックまたは試験具には、生命に危
険が及ぶような電圧が生じている場合があります。米国規格協会 (ANSI) は、30V RMS、ピーク電圧 42.4V、または 60VDC の
電圧があるときには感電の危険があると明記しています。未知の回路について測定するときには、危険な高電圧があることを想
定しておくと安全性が高まります。
この製品のオペレータに対しては、常に感電に対する保護を行う必要があります。責任組織は、オペレータをいかなる接続ポイ
ントにもアクセスできないようにするか遮断する (もしくはその両方の措置をとる) 必要があります。場合によっては、接続部を
人が触れられるように露出させる必要があります。このような状況での製品オペレータは、感電のリスクから自身を保護するた
めの訓練を受けていなければなりません。回路が 1000 V 以上の電圧での動作に対応している場合には、回路の導電部分が露出
していてはなりません。
制限されていない電源回路に切換カードを直接接続してはなりません。切換カードは、インピーダンスが制限されている電源で
の使用を意図したものです。絶対に切換カードを AC 主電源に直接接続しないでください。電源を切換カードに接続していると
きには、保護デバイスを設置してカードへの故障電流および電圧を制限します。
機器を操作する前に、ライン コードが適切に接地された電源コンセントに接続されていることを確認します。使用前に、接続ケ
ーブル、リード線およびジャンパの摩耗、亀裂または破損について検査します。
ラックに取り付ける場合など、主電源コードへのアクセスが限られている場所に機器を設置するときには、別の主入力電源切断
デバイスを機器の近くのオペレータの手が簡単に届く場所に用意する必要があります。
最大限の安全性を確保するために、試験中の回路に電源が入っているときには製品、試験ケーブル、またはその他任意の機器に
触れないでください。ケーブルまたはジャンパの接続または接続解除、切換カードの取付または取り外し、ジャンパの取付や取
り外しなどの内部の変更を行う前に、必ず試験システム全体から電源を切断し、すべてのキャパシタを放電してください。
試験中の回路の共通側または電源回路の接地線への電流の経路となる物体に触れないでください。測定する電圧に耐えられる乾
燥した絶縁された表面に立って、必ず乾燥した手で測定を行います。
安全性を確保するため、機器およびアクセサリは操作指示に従って使用しなければなりません。 機器およびアクセサリを操作指
示で指定されていない方法で使用した場合には、機器の保証による保護が制限される場合があります。
仕様または使用情報で指定されている、もしくは機器または試験具パネル、切換カードに表示されている機器およびアクセサリ
の最大信号レベルを超えないようにします。
製品にヒューズが使用されているときは、火災の危険を防止するために同じタイプおよび定格のものと交換してください。
シャーシ接続は、保安接地 (安全接地) 接続とは異なり、測定回路のシールド接続以外に使用してはなりません。
試験具を使用している場合には、試験中のデバイスに電源が投入されている間はフタを閉じたままにしておきます。安全な運用
には、フタのインターロックを使用する必要があります。
ネジがある場合には、ユーザー マニュアルで推奨されている導線を使用して、これに保安接地 (安全接地) 線を接続します。
機器上の という記号は、操作上の危険性を警告するものです。 この記号が印刷されている部分を操作する場合は、必ずユ
ーザーマニュアルを参照してその指示に従ってください。
機器上の という記号は、感電の危険性を警告するものです。標準の安全使用上の注意に従って、人員がこれらの電源に触れ
るのを防止してください。
機器上にある
いようにしてください。
記号は、機器フレームへの接続端子を示しています。
製品上にこの
び地域の法律に従って適切に処分してください。
ユーザー マニュアルにある警告の見出しは、ケガや死亡事故につながる可能性のある危険について説明しています。示されてい
る手順を実行する前に、必ず関連する情報をよく読んでください。
ユーザー マニュアルにある注意の見出しは、機器の損傷につながる可能性のある危険について説明しています。損傷によって保
証が無効になる場合があります。
機器およびアクセサリは、人体に接続してはなりません。
メンテナンスを行う前に、回線コードおよびすべての試験ケーブルを外してください。
感電および火災を防止するために、電源変換器、リード線、入力ジャックなどの主回路の交換コンポーネントは Keithley
Instruments からご購入ください。定格とタイプが同じであれば、国の安全承認を受けた標準のヒューズを使用することができ
ます。安全性と関係のないそれ以外のコンポーネントは、元のコンポーネントと同一であれば他の供給元から購入することがで
きます (製品の精度および機能を維持するためには、一部の部品は Keithley Instruments から購入するべきである点にご注意くだ
さい)。交換コンポーネントの適合性について不明な点がある場合には、Keithley Instruments までお問い合わせください。
機器を清掃するには、湿らせた布または水性の弱い洗剤を使用します。清掃するのは機器の外部のみにしてください。洗剤を機
器に直接付着させたり、液体を機器の中に入れたり機器の上にこぼしたりしないでください。ケースまたはシャーシのない回路
ボードで構成されている製品 (たとえばコンピュータ取付用のデータ取得ボード) は、指示に従って使用している場合には清掃は
必要ありません。ボードが汚れて動作に影響が出てきた場合には、ボードを工場に返送して適切な洗浄/整備を受けてください。
記号は、その面が高温になる場合があることを示しています。火傷を防止するために、人員がこの面に触れな
記号がある場合には、表示ランプに水銀が使用されていることを示しています。ランプは、必ず連邦、州およ
安全使用上の注意 (2013 年 1 月リビジョン)
はじめに ......................................................................................................................... 1-1
ようこそ ................................................................................................................................. 1-1
問い合わせ先 ........................................................................................................................ 1-1
CD-ROM の内容 ................................................................................................................... 1-2
マニュアル セクションの構成 .................................................................................................. 1-2
性能と機能 ............................................................................................................................ 1-3
測定範囲と機能 .......................................................................................................................... 1-4
数学演算 .................................................................................................................................... 1-4
スタートアップ ソフトウェアおよび PC ユーティリティ ...................................................................... 1-4
スタンダード アクセサリ ............................................................................................................... 1-4
オプション アクセサリ ............................................................................................................. 1-5
一般情報 ............................................................................................................................... 1-5
機器のシリアル番号の表示 ......................................................................................................... 1-5
寸法 ........................................................................................................................................... 1-5
電源投入時設定 ......................................................................................................................... 1-6
一般仕様 .................................................................................................................................... 1-7
一般概要 ....................................................................................................................... 2-1
機器の電源のオン/ オフ .......................................................................................................... 2-1
電源線の接続 ............................................................................................................................. 2-1
フロント パネルの概要 ........................................................................................................... 2-5
(1) ディスプレイ ........................................................................................................................... 2-6
(2) 電源キー .............................................................................................................................. 2-7
(3) 機能キーと操作キー ............................................................................................................ 2-7
(4) レンジ キーとスクロール キー .......................................................................................... 2-10
(5) TC 入力 .............................................................................................................................. 2-10
(6) 端子とヒューズ .................................................................................................................. 2-10
(7) メニューの概要 .................................................................................................................. 2-10
メイン メニュー ...................................................................................................................... 2-11
リア パネルの概要 ............................................................................................................. 2-19
(1) 電圧計 COMP 出力端子 (VM COMP) ................................................................................ 2-19
(2) 外部トリガ入力端子 (EXT TRIG) ....................................................................................... 2-19
(3) USB 接続 ........................................................................................................................... 2-20
(4) 保安接地 (安全接地 ) ........................................................................................................... 2-20
(5) AC 電源ソケット、電源ヒューズ、および電源電圧設定 ................................................... 2-20
(6) インタフェース ポート ...................................................................................................... 2-20
リア パネル接続の詳細 ........................................................................................................... 2-20
システムの操作 .................................................................................................................. 2-22
測定表示をオフにする ............................................................................................................ 2-22
ビープ音のオン/ オフ ............................................................................................................... 2-23
初期操作モードの選択 ............................................................................................................ 2-24
言語の選択 .............................................................................................................................. 2-25
エラー キューにあるエラーの表示 ......................................................................................... 2-25
システムのバージョンの表示 .................................................................................................. 2-26
モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
DMM の基本操作 .......................................................................................................... 3-1
基本的な測定機能 ................................................................................................................ 3-1
電圧測定 .................................................................................................................................... 3-1
比率測定 .................................................................................................................................... 3-4
電流測定 .................................................................................................................................... 3-6
抵抗測定 .................................................................................................................................... 3-9
周波数および周期測定 ............................................................................................................ 3-12
導通測定 .................................................................................................................................. 3-15
ダイオード測定 ....................................................................................................................... 3-16
温度測定 .................................................................................................................................. 3-17
キャパシタンス測定 ................................................................................................................ 3-24
二次測定機能 ........................................................................................................................... 3-26
トリガリングとデータ バッファ ........................................................................................ 3-28
フロント パネルからのトリガリング ...................................................................................... 3-29
トリガ モデル .......................................................................................................................... 3-29
トリガ設定 .............................................................................................................................. 3-32
データ バッファ ...................................................................................................................... 3-36
測定性能の向上のために .................................................................................................... 3-38
オートゼロ .............................................................................................................................. 3-38
レンジ選択 .............................................................................................................................. 3-39
分解能と積分時間 ................................................................................................................... 3-41
デジタル フィルタ .................................................................................................................. 3-47
数学演算 .................................................................................................................................. 3-48
操作のセオリー ............................................................................................................. 4-1
AC 電圧の測定と波高率 ....................................................................................................... 4-1
DMM 抵抗の測定法 .............................................................................................................. 4-3
基準接点 ............................................................................................................................... 4-4
リアル (内部) 基準接点 ............................................................................................................. 4-4
シミュレート基準接点 .............................................................................................................. 4-4
精度計算 ............................................................................................................................... 4-5
DC 特性および AC 特性の精度の計算 ...................................................................................... 4-5
リモート コマンド ........................................................................................................ 5-1
プログラミング構文 ............................................................................................................. 5-1
このマニュアルで使用するコマンド書式 .................................................................................. 5-1
共通コマンド ........................................................................................................................ 5-4
共通コマンドの要約 .................................................................................................................. 5-5
共通コマンド リファレンス ...................................................................................................... 5-6
*CLS — ステータスのクリア .................................................................................................... 5-6
*ESE <NRf> — イベント有効化コマンド ................................................................................. 5-6
*ESE?— イベント有効化の問い合わせ .................................................................................... 5-6
*ESR?— イベント ステータス レジスタの問い合わせ ............................................................. 5-6
*IDN?—機器情報の問い合わせ ................................................................................................. 5-7
*OPC — 処理完了コマンド ....................................................................................................... 5-7
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル :
*OPC?— 処理完了の問い合わせ ............................................................................................... 5-7
*PSC <b> — 電源オン ステータスのクリア ............................................................................. 5-8
*PSC?— 電源オン ステータス クリアの問い合わせ ................................................................ 5-8
*RST — リセット コマンド ...................................................................................................... 5-8
*ESE <NRf> — サービス要求有効化コマンド .......................................................................... 5-9
*SRE?— サービス要求有効化コマンドの問い合わせ ............................................................... 5-9
*STB?— ステータス バイトの問い合わせ ................................................................................ 5-9
*TRG — トリガ コマンド .......................................................................................................... 5-9
SCPI 言語の紹介 ................................................................................................................ 5-10
トピック概要 ........................................................................................................................... 5-10
SCPI パラメータのタイプ ....................................................................................................... 5-10
問い合わせコマンド ................................................................................................................ 5-11
プログラム メッセージ ........................................................................................................... 5-11
出力データ .............................................................................................................................. 5-14
SCPI 信号に関連のある測定コマンド ............................................................................... 5-14
:CONFigure:<function> [<range>|MIN|MAX|DEF,<resolution>|MIN|MAX|DEF] ...................... 5-15
:FETCh[1|2]? ........................................................................................................................... 5-17
:INITiate .................................................................................................................................. 5-17
:READ[1|2]? ............................................................................................................................ 5-18
:MEASure[:<function>]?<range>|MIN|MAX|DEF,<resolution>|MIN|MAX|DEF ........................ 5-19
SCPI コマンド サブシステムのリファレンス ................................................................... 5-20
CALCulate サブシステムの要約 .............................................................................................. 5-21
DISPlay サブシステムの要約 .................................................................................................. 5-22
SENSe サブシステムの要約 ................................................................................................... 5-23
STATus サブシステムの要約 .................................................................................................. 5-27
SYSTem サブシステムの要約 ................................................................................................. 5-27
TRIGger サブシステムの要約 ................................................................................................. 5-28
CALCulate サブシステム ................................................................................................... 5-29
CALCulate:AVERage:AVERage? ........................................................................................... 5-29
CALCulate:AVERage:COUNt? ................................................................................................ 5-29
CALCulate:AVERage:MINimum? ............................................................................................ 5-29
CALCulate:AVERage:MAXimum? ........................................................................................... 5-29
CALCulate:DB:REFerence <n>|MIN|MAX .............................................................................. 5-30
CALCulate:DBM:REFerence <n>|MIN |MAX ........................................................................... 5-30
CALCulate:FUNCtion <name> ................................................................................................ 5-31
CALCulate:LIMit:LOWer <n> |MIN|MAX .................................................................................. 5-31
CALCulate:LIMit:UPPer <n>|MIN|MAX ................................................................................... 5-32
CALCulate:MXB:MBFactor <n>|MIN|MAX .............................................................................. 5-32
CALCulate:MXB:MMFactor <n>|MIN|MAX .............................................................................. 5-33
CALCulate:NULL:OFFSet <n>|MIN|MAX ................................................................................ 5-33
CALCulate:PERCent:TARGet <n>|MIN|MAX .......................................................................... 5-33
CALCulate:STATe <b> ........................................................................................................... 5-34
DATA:FEED RDG_STORE,'CALCulate'|'' ............................................................................... 5-34
DISPlay サブシステム ........................................................................................................ 5-35
DISPlay <b> ............................................................................................................................ 5-35
DISPlay:TEXT <a> .................................................................................................................. 5-36
DISPlay:TEXT:CLEar .............................................................................................................. 5-36
SENSe サブシステム ......................................................................................................... 5-36
[SENSe:]AVERage:COUNt <n>|MIN|MAX .............................................................................. 5-37
[SENSe:]AVERage:STATe <b> .............................................................................................. 5-37
[SENSe:]AVERage:TCONtrol <name> ................................................................................... 5-38
[SENSe:]CAPacitance:RANGe <n>|MIN|MAX ........................................................................ 5-38
[SENSe:]CAPacitance:RANGe:AUTO <b> ............................................................................. 5-39
[SENSe:]CURRent:AC:RANGe <range>|MIN|MAX ................................................................ 5-39
モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
[SENSe:]CURRent:AC:RESolution <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-40
[SENSe:]CURRent[:DC]:NPLCycles <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-41
[SENSe:]CURRent[:DC]:RANGe <n>|MIN|MAX ..................................................................... 5-42
[SENSe:]CURRent[:DC]:RESolution <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-42
[SENSe:]CURRent:AC:RANGe:AUTO <b> ............................................................................. 5-43
[SENSe:]CURRent[:DC]:RANGe:AUTO <b>........................................................................... 5-43
[SENSe:]DETector:BANDwidth <n>|MIN|MAX ........................................................................ 5-44
[SENSe:]FRESistance:NPLCycles <n>|MIN|MAX................................................................... 5-45
[SENSe:]FRESistance:RANGe <n>|MIN|MAX ........................................................................ 5-46
[SENSe:]FRESistance:RANGe:AUTO <b> ............................................................................. 5-46
[SENSe:]FRESistance:RESolution <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-47
[SENSe:]FREQuency:APERture <n>|MIN|MAX ...................................................................... 5-48
[SENSe:]FREQuency:CURRent:RANGe <n>|MIN|MAX ......................................................... 5-48
[SENSe:]FREQuency[:VOLTage]:RANGe <n>|MIN|MAX ....................................................... 5-49
[SENSe:]FREQuency:VOLTage:RANGe:AUTO <b> .............................................................. 5-49
[SENSe:]FUNCtion [1|2] "<function>" ...................................................................................... 5-50
[SENSe:]PERiod:APERture <n>|MIN|MAX ............................................................................. 5-51
[SENSe:]PERiod:VOLTage:RANGe <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-51
[SENSe:]PERiod:VOLTage:RANGe:AUTO <b> ...................................................................... 5-52
[SENSe:]RESistance:RANGe <n>|MIN|MAX .......................................................................... 5-52
[SENSe:]RESistance:RANGe:AUTO <b> ............................................................................... 5-52
[SENSe:]RESistance:RESolution <n>|MIN|MAX .................................................................... 5-53
[SENSe:]RESistance:NPLCycles <n>|MIN|MAX ..................................................................... 5-54
[SENSe:]TCOuple:RJUNction:REAL? ..................................................................................... 5-54
[SENSe:]TCOuple:RJUNction:RSELect <name> .................................................................... 5-55
[SENSe:]TCOuple:RJUNction:SIMulated <n>|MIN|MAX ......................................................... 5-55
[SENSe:]TCOuple:TYPE <name> ........................................................................................... 5-56
[SENSe:]TEMPerature:NTCT:A <n>|MIN|MAX ....................................................................... 5-57
[SENSe:]TEMPerature:NTCT:B <n>|MIN|MAX ....................................................................... 5-57
[SENSe:]TEMPerature:NTCT:C <n>|MIN|MAX ....................................................................... 5-58
[SENSe:]TEMPerature:RTD:ALPHa <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-58
[SENSe:]TEMPerature:RTD:BETA <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-59
[SENSe:]TEMPerature:RTD:DELTa <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-60
[SENSe:]TEMPerature:RTD:TYPE <name> ........................................................................... 5-61
[SENSe:]TEMPerature:RTD:RZERo <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-62
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:RZERo <n>|MIN|MAX ........................................................... 5-63
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:A4 <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-63
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:B4 <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-64
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:AX <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-64
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:BX <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-65
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:CX <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-65
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:DX <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-66
[SENSe:]TEMPerature:TRANsducer <name>......................................................................... 5-66
[SENSe:]UNIT <name> ........................................................................................................... 5-67
[SENSe:]VOLTage:AC:RANGe <n>|MIN|MAX ....................................................................... 5-67
[SENSe:]VOLTage:AC:RANGe:AUTO <b> ............................................................................. 5-68
[SENSe:]VOLTage:AC:RESolution <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-68
[SENSe:]VOLTage[:DC]:RANGe <n>MIN|MAX ...................................................................... 5-69
[SENSe:]VOLTage[:DC]:RANGe:AUTO <b>........................................................................... 5-69
[SENSe:]VOLTage[:DC]:NPLCycles <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-70
[SENSe:]VOLTage[:DC]:RESolution <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-71
[SENSe:]ZERO:AUTO <name> .............................................................................................. 5-71
SYSTem サブシステム ...................................................................................................... 5-72
:BEEPer <b> ........................................................................................................................... 5-72
:DATA:POINts? ....................................................................................................................... 5-72
SYSTem:ERRor? .................................................................................................................... 5-72
SYSTem:IDNStr <string> ........................................................................................................ 5-73
SYSTem:LOCal ....................................................................................................................... 5-73
SYSTem:REMote .................................................................................................................... 5-73
SYSTem:VERSion? ................................................................................................................ 5-73
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル :
TRIGger サブシステム ....................................................................................................... 5-74
SAMPle:COUNt <n>|MIN|MAX ............................................................................................... 5-74
TRIGger:COUNt <n>|MIN|MAX|INFinite ................................................................................. 5-75
TRIGger:DELay <n>|MIN|MAX ............................................................................................... 5-75
TRIGger:DELay:AUTO <b>..................................................................................................... 5-76
TRIGger:SOURce <name> ..................................................................................................... 5-76
トラブルシューティング ガイド .................................................................................. 6-1
トラブルシューティング ...................................................................................................... 6-1
セルフテストの実行 ............................................................................................................. 6-2
エラー コード ....................................................................................................................... 6-3
次のステップ ................................................................................................................ 7-1
モデル 2110 についての追加情報 ........................................................................................ 7-1
メンテナンス ................................................................................................................A-1
電源ヒューズの交換 ............................................................................................................. A-1
電流入力ヒューズの交換 ...................................................................................................... A-3
ファームウェアのアップグレード ....................................................................................... A-4
ステータス モデル ........................................................................................................B-1
概要 ...................................................................................................................................... B-1
ステータス バイトとサービス要求 (SRQ) ................................................................................ B-2
ステータス レジスタ セット ..................................................................................................... B-2
エラー キューと出力バッファ ................................................................................................... B-2
レジスタとキューのクリア .................................................................................................. B-4
有効化レジスタのプログラミング ....................................................................................... B-4
レジスタの読み取り ............................................................................................................. B-5
ステータス バイトとサービス要求 (SRQ) ........................................................................... B-5
ステータス バイト レジスタ ..................................................................................................... B-5
サービス要求 ............................................................................................................................. B-6
ステータス構造 ......................................................................................................................... B-7
シリアル ポーリングと SRQ の使用 ......................................................................................... B-7
ステータス バイトとサービス要求コマンド ............................................................................. B-9
ステータス レジスタ セット ................................................................................................ B-9
標準イベント レジスタ ............................................................................................................. B-9
不審データ レジスタ ............................................................................................................... B-11
ステータス レポート コマンドの要約 ............................................................................... B-11
通信インタフェース .....................................................................................................C-1
通信インタフェース ............................................................................................................. C-1
モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
インタフェースの選択 .............................................................................................................. C-1
USB 通信 ................................................................................................................................... C-1
GPIB のセットアップ ............................................................................................................... C-7
提供ソフトウェア ................................................................................................................... C-11
Keithley I/O layer ..................................................................................................................... C-14
VISA による機器のアドレス指定 ............................................................................................ C-18
................................................................................... 1-5
はじめに
ようこそ
セクション 1
ようこそ ................................................................................... 1-1
問い合わせ先 ............................................................................ 1-1
CD-ROM の内容 ....................................................................... 1-2
マニュアル セクションの構成 .................................................. 1-2
性能と機能 ............................................................................... 1-3
一般情報
Keithley Instruments 製品をご使用いただき、ありがとうございます。モデル 2110 桁マルチメーター
(DMM) には、 12 種類の測定機能と 7 種類の数学関数があります。さらに 2 行表示機能もあり、2 つ
の異なる測定を同時に表示することができます。
モデル 2110 は測定精度と速度に優れ、製品テストからベンチ タイプ アプリケーションに至るまで、
様々なアプリケーションに対応できます。モデル 2110 は、製造エンジニア、研究開発エンジニア、
テスト エンジニア、科学者、学生、その他、システム アプリケーションまたはベンチで測定を行う
方のアプリケーション要件を満たしています。
問い合わせ先
このセクションの内容について疑問がある場合は、以下の情報源を参照してください。
1. Keithley Instruments のウェブサイト
2. Keithley ウェブフォーラム (http://forum.keithley.com )。
3. Keithley Instruments 本社へのお問い合わせは、米国内からは料金無料の 1-888-KEITHLEY
(1-888-534-8453) まで、米国外からは +1-440-248-0400 までお願いします。各国の連絡先番号に
ついては、Keithley Instruments のウェブサイト
(http://www.keithley.jp )。
(http://www.keithley.com ) をご覧ください。
1: はじめに モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
CD-ROM の内容
モデル 2110 マルチメーターには CD-ROM が付属しています。
モデル 2110 製品情報 CD-ROM の内容は以下のとおりです。
• リファレンス マニュアル : 接続方法、操作方法、プログラミング方法、およびメンテナンス方法につ
いて説明します。基本的な操作方法、詳細な操作方法 (トラブルシューティング、最適化など) を
お探しのユーザ、コマンド リファレンスをお探しのプログラマーは、このリファレンス マニュア
ルを参照してください。
• キャリブレーション マニュアル : モデル 2110 マルチメーターの精度が、周期 1 年のキャリブレーシ
ョン仕様を満たしているかどうかを点検する手順について説明します。
• ドライバーとリリース ノート : IVI 機器ドライバー、National Instruments LabVIEW™ 用のドライバ、
および関連リリース ノート。
• Keithley I/O Layer およびリリース ノート。
• スタートアップ ソフトウェアおよび PC ユーティリティ : KI-Tool および KI-Link アプリケーションおよび
Microsoft
• 追加製品情報: CD-ROM には製品仕様も含まれています。
®
Excel アドイン ユーティリティ。
最新のドライバおよび追加サポート情報については、Keithley Inst ruments のウェブサイト
(http://www.keithley.jp ) を参照してください。
マニュアル セクションの構成
本マニュアルの情報は、以下の主なカテゴリで構成されています。
• 一般概要: 機器のコンポーネントと基本的な操作について説明します。
• DMM の基本操作 : 機器の基本的測定機能について紹介しています。電圧、電流、抵抗、周波数、
周期、導通、ダイオード、キャパシタンス、および温度を測定する方法について知ることができ
ます。トリガリングとデータ バッファリングについて学習できます。さらに、測定性能を向上さ
せる方法についても知ることができます。
• 操作のセオリー: DMM の基本的な測定テクニックとコンセプトについて説明します。
• リモート コマンド : IEEE Std 488.2 のよく使用するコマンドについて説明します。モデル 2110 マル
チメーターの全コマンドをアルファベット順に列挙。リモート コマンドを使用して機器を制御す
る方法について説明します。
• トラブルシューティング ガイド :セルフテスト手順とエラー コードを説明します。
• メンテナンス : 電源ヒューズの交換、ファームウェアのアップグレードなど、機器のメンテナンス
方法について説明します。
• ステータス モデル : モデル 2110 ステータス モデルの説明です。
本マニュアルの PDF 版には各セクションのしおりが用意されています。また、巻頭の目次には各セ
クションのタイトルが記載されています。
しおりの詳細については、Adobe
1-2 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
®
Acrobat® または Reader® のヘルプを参照してください。
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル: セクション 1:
性能と機能
Keithley Instruments モデル 2110 は、堅牢で汎用性の高い 5½ 桁の分解能を持つデジタル マルチメー
ターで、2 行表示の液晶ディスプレイ (LCD)、内蔵 USB インタフェース、オプションの GPIB インタ
フェースを備えています。
1 年間の校正周期で、モデル 2110 の DC 電圧精度は 0.012%、1 MΩ までの抵抗精度は 0.020% です。
モデル 2110 は、USB リモート インタフェースを介して 5½ 桁の測定値を毎秒 200 件以上送れます。
高速 4½ 桁設定では、毎秒 50,000 件の測定値を内部に保存できます。これは、速度が重要な製造ア
プリケーションやモニタリング アプリケーションに理想的です。
図 1:Keithley モデル 2110 5 ½ 桁マルチメーター
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 1-3
1: はじめに モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
測定範囲と機能
モデル 2110 は、以下のような広範な測定範囲と機能を備えています。
• DC 電圧:0.1 V 、1V 、10V 、100V および 1000 V
• AC 電圧:0.1 V 、1V 、10V 、100V および 750 V
• DC 電流:10 mA 、100 mA 、1 A 、3 A および 10 A
• AC 電流:1A 、3A 、および 10 A
• 2 線および 4 線抵抗: 100 Ω、1 kΩ、10 kΩ、100 kΩ、1 MΩ、10 MΩ および 100 MΩ
• 周波数の場合は、3 Hz ~ 300 kHz
• キャパシタンス測定:1 nF、10 nF、100 nF、1 μF 、10 μF 、100 μF、1 mF、10 mF
• RTD、サーミスタ、および熱電対を使用した温度測定 (内蔵冷接点補正で直接測定の確度を向上)。J、
R、 S、 T、 E、 N、 B、 C、および K タイプの熱電対をサポート。
• 周期測定
• ダイオード測定
• 導通測定
• S/N 比最適化のためのプログラム可能な A/D コンバータとフィルタ設定
数学演算
モデル 2110 では、測定値を対象に Percentage、Ave rage (Min/Max、Count)、NULL、Limits、mX+b、
dB、および dBm の、計 7 種類の数学演算を実行できます。
スタートアップ ソフトウェアおよび PC ユーティリティ
モデル 2110 には、以下のスタートアップ ソフトウェアおよび PC ユーティリティが付属しています。
• KI -Tool および KI-Link ソフトウェア。GPIB (オプション ) または USB 経由での機器の制御、測定
値の記録、データの時系列プロットの表示が可能です。KI-Link は Microsoft
Excel 用のアドインです。
• LabVIEW
TM
および IVI ドライバ。機器のきめ細かな制御を可能にします (上級ユーザ向け )。
®
Word および Microsoft
スタンダード アクセサリ
モデル 2110 には以下のスタンダード アクセサリが付属しています。
• 安全テスト リード線
• USB ケーブル
• 電源ケーブル
1-4 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
オプション アクセサリ
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 1:
オプション アクセサリ
モデル 2110 では以下のオプション アクセサリが利用可能です。
Keithley
4299-3
5805-12
7007-1
7007-2
一般情報
機器のシリアル番号の表示
フロント パネルにシリアル番号を表示させるには、以下の手順に従います。
1. モデル 2110 をリモート操作している場合、SHIFT (LOCAL) キーを 1 回押し、機器をローカル操
2. SHIFT キーを押します。
3. CONFIG (MENU) キーを押します。ディスプレイに MENU が表示されます。
4. 右および左の RANGE キーを使用して SYSTEM を表示します。
5. ENTER キーを押します。
6. 右および左の RANGE キーを使用して SERIAL を表示します。
7. ENTER キーを押します。ディスプレイの 2 行目にシリアル番号が表示されます。
作にします。
シングル ラック マウント キット
デュアル ラック マウント キット
デュアル固定ラック マウント キット
高性能モジュラー テスト リード線
高性能モジュラー プローブ キット
ケルビン プローブ、0.9 m (91.44 cm)
ケルビン プローブ、3.6 m (12 ft)
低価格な、シングル ピン、ケルビン プローブ
低価格な、ケルビン クリップ リード線セット
RTD プローブ アダプタ
低価格 RTD
シールド付き GPIB ケーブル、1 m (100.58 cm)
シールド付き GPIB ケーブル、2 m (6.6 ft)
熱電対ビーズ プローブ
タイプ
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 1-5
寸法
モデル 2110 の寸法を以下の図に示します。図には識別用の番号を振っています。
1. ハンドル、フロント /リア バンパなし。
2. ハンドル、フロント /リア バンパあり。
3. ハンドルなし。フロント /リア バンパあり。
1: はじめに モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
図 2: 寸法
電源投入時設定
モデル 2110 の出荷時デフォルト設定については以下の表を参照してください。これらの設定は、機
器のスイッチを入れた時とリモート インタフェースから機器が *RST コマンドを受信した時にリス
トアされます。
機器のスイッチを入れた後に表示される機能 DC 電圧
オートゼロ
ON
周波数および周期ソース AC 電圧
出力形式
比率
AC 電圧 周波数
AC 桁数
レンジ
DC 電圧 DC 桁数
10 V
5.5 (1 PLC)
レンジ
AC 電流: 周波数
AC 桁数
レンジ
DC 電流: DC 桁数
5.5 (1 PLC)
レンジ
周波数および周期
桁数
レンジ
ゲート時間
1-6 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
European Union EMC Directive
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 1:
キャパシタンス 桁数
レンジ
ダイオード テスト 桁数
5.5
レンジ
応答時間
抵抗 桁数
レンジ
温度 桁数
トリガ
熱電対 K タイプ
ソース
1 kΩ
4.5 (1 PLC)
遅延
入力抵抗
10 MΩ
一般仕様
入力バイアス電流
<30pA (25℃)
入力保護 すべてのレンジに対して 1000V (2W 入力 )
AC CMRR 70 dB (LO リードで 1 kΩ アンバランスの場合 )
電源 100 V/120 V/220 V (230 V), 240 V ±10%
電源線周波数 50/60 Hz ±10% (自動検出)
電力消費量 25 VA (最大)
デジタル I/O インターフェイス USB 互換のタイプ B 接続、GPIB (オプション)
環境 屋内での使用のみ
動作温度 0 ℃ ~ 40 ℃
動作湿度 31 ℃ までの温度に対して最大相対湿度 80%
保管温度 -40 ℃ ~ 70 ℃
動作高度 海抜 2000m まで
ベンチ寸法 107 mm (高) × 252.8 mm (幅) × 305 mm (奥行)
(ハンドル、バンパあり)
質量 2.23 kg
安全性 European Union Low Voltage Directi v e に適合
UL 61010-1: 2004 にリストされている UL
汚染度 2
に適合
保証 1 年
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 1-7
...................................................................... 2-22
一般概要
機器の電源のオン/ オフ ............................................................ 2-1
フロント パネルの概要 ............................................................ 2-5
リア パネルの概要 ................................................................. 2-19
システムの操作
機器の電源のオン/ オフ
以下のトピックでは、機器の電源オン/ オフ切り替え方法、および電源電圧の設定方法について説明し
ます。
セクション 2
電源線の接続
モデル 2110 を電源に接続し、電源をオンにするには、以下の手順に従ってください。モデル 2110 の
動作電圧は 100 V ~ 240 V、電源周波数は 50 Hz または 60Hz です。電源電圧の設定はリア パネルで
行います。機器を利用する地域の電源電圧と互換性があることを確認してください。電源コードおよ
び電源スイッチなどの切断デバイスに、簡単に届くように機器が置かれていることを確認してくださ
い。
機器を不適切な電源電圧で使用すると、損傷につながる可能性があります (この場合、保証を受けら
れない可能性もあります)。
機器の電源をオフにする前に、フロント パネルの入力端子に印加している電圧を解除してください。
これを怠ると、機器の損傷の原因となることがあります。
モデル 2110 の電源をオン/オフにするには
1. 電源コードを差し込む前に、フロント パネルの POWER スイッチが OFF になっていることを確
認します。
2. モデル 2110 のリア パネルの保安接地 (安全接地) を接続します (「リア パネルの概要
」
(2-19 ページ ) を参照 )。
3. 付属の電源コードのメス端子をリア パネルの AC ソケットに差し込みます。
4. 電源コードのオス端子をアース付きの電源コンセントに差し込みます。
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
モデル 2110 に付属の電源コードには、アース付きコンセントで使用するための保安接地 (安全接地) 線
が付いています。適切に接続を行った場合には、電源コードの接地線によって機器のシャーシが電源線
のアース線に接続されます。 さらに、リア パネルのネジにも保安接地線が接続され、安全対策が二重
化されています。 保安接地線を適切に接続していない場合、または、アース付きコンセントの使用法に
誤りがあった場合、感電事故が発生し、負傷または死亡につながる危険性があります。主電源コードを
不適切なカテゴリのコードに交換しないでください。適切なカテゴリのコードを使用しない場合、感電
事故が発生し、負傷または死亡につながる危険性があります。
5. 機器の電源をオンにするには、フロント パネルの POWER スイッチを押して ON の位置にします。
6. 機器の電源をオフにするには、フロント パネルの POWER スイッチを押して OFF の位置にします。
電源電圧の選択
電圧の設定を変更する前に、機器が AC 電源から切断されていることを確認してください。
電源電圧を設定するには
1. 下図に示すように、機器が AC 電源から切断されていることを確認します。
図 3:AC 電源を切断する
2-2 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 2:
2. 下図に示すように、マイナス ドライバーなどを使用して、電圧設定セレクタ ホルダのラッチを押
して外します。
図 4:電圧セレクタ ホルダのラッチを外す
3. 下図に示すように、電圧設定セレクタ ホルダを取り外します。
図 5:電圧セレクタ ホルダを取り外す
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2-3
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
4. 下図に示すように、側面のクリップを開き、電圧設定セレクタをセレクタ ホルダから取り外しま
す。
図 6: クリップを開く
5. 電圧設定を適切な設定に変更します。
この機器には、100 V、120 V、220 V、および 240 V の 4 つの電圧設定があり、これらのどの電圧に
も設定可能です。
図 7: 電圧セレクタを切り替える
6. 電圧設定セレクタをソケットに挿入し、キャップを閉じます。
ヒューズの交換
ヒューズは電圧セレクタ アセンブリにあります。このヒューズは機器の電源ラインの入力を保護しま
す。ライン ヒューズを交換する必要がある場合は、「ライン ヒューズの交換」(A-1
てください。
2-4 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
ページ) を参照し
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル: セクション 2:
電源オン シーケンス
モデル 2110 マルチメーターには、ロジックハードウェアと計測ハードウェアが正常に機能している
かどうかをチェックするセルフテスト機能があります。 電源を投入するたびに一連のテストが手順ど
おりに実行され、機器の基本機能が正常に動作しているかどうかを確認します。セルフテストでエラ
ーが発生した場合は、機器の機能の一部に異常があり、点検・修理が必要であることを示します。
セルフテストのエラー コードについては、「エラー コード 」(6-3
電源電圧が正しく設定されていないと、セルフテストでエラーが発生します。また、セルフテスト中
に入力端子に信号を印加した場合もエラーが発生します。テスト リードが長すぎるとアンテナ効果
が発生し、AC 信号を拾う可能性があります。
フロント パネルの概要
このトピックでは、フロント パネルにあるキー、接続端子、およびヒューズ装置について説明します。
下図はフロント パネルを示しています。図の後に、フロント パネルの機能の概略説明があります。
ページ) を参照してください。
図 8:フロント パネル
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2-5
一次ディスプレイ
インジケータ
二次ディスプレイ
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
(1) ディスプレイ
機器のディスプレイには、一次ディスプレイ領域と二次ディスプレイ領域があります。このほか、デ
ィスプレイの上側および右側にインジケータがありますが、これらは測定中の状態や条件を示します。
以下のセクションでは、これらについて説明します。下図は、すべてのインジケータおよび文字セグ
メントを点灯した状態のディスプレイを示しています。
図 9: ディスプレイ
一次ディスプレイ
一次ディスプレイには、測定値と単位が表示されます。一次ディスプレイには最大 11 文字を表示で
きます。
二次ディスプレイ
二次ディスプレイには、測定のレンジ、条件、二次的な測定値と単位、または現在の設定についての
情報が表示されます。 二次ディスプレイには最大 16 文字を表示できます。
インジケータ
機器の使用中、点灯しているインジケータは現在アクティブな機能を示します。たとえば、下図で、
MAN インジケータは手動レンジが選択されていることを示し、 2nd インジケータは二次機能を使用
中であることを示します。
図 10: 表示の例
2-6 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 2:
下記の表に点灯する各インジケータの意味を示します。
機器は GPIB インタフェース経由で制御されています。
RMT
USB インタフェース経由でのリモート インタフェース操
作中です。
手動レンジ モードが選択されています。
TRIG
外部トリガリングが有効です。
機器がトリガを受信しました。
測定値保持機能が有効です。
内部メモリを使用中です。
数学演算機能が有効です。
デジタル フィルタ機能が有効です。
SHIFT
直前に SHIFT キーが押されました。
エラーが発生しました。
操作が行われました。
ダイオード テスト操作が開始されました。
抵抗測定で 4 線モードが選択されています。
導通テストが有効です。
フロント パネルのディスプレイがオフです。
二次機能を使用中です。
(2) 電源キー
電源スイッチです。押し込まれた状態が電源オン、飛び出した状態が電源オフです。
図 11: 電源スイッチ
(3) 機能キーと操作キー
フロント パネルのキーを使用すると、さまざまな機能や操作を選択できます。
機能キー
機能キーは白色です。機能キーを押すと、機器は特定の機能を実行します。たとえば、DCV 機能キー
を選択すると、DC 電圧機能が選択されます。
操作キー
操作キーは灰色です。操作キーを押すと、機器は特定の操作を実行します。たとえば、DC 電圧機能
を選択した後に、Config キーを押すと、機器は DC 電圧機能の設定モードに入ります。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2-7
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
シフト キー
SHIFT キーは青色です。すべてのキーの上側には、青色で印刷されたシフト後の機能またはシフト後
の操作が割り当てられています。SHIFT キーを押すと、シフト後の機能またはシフト後の操作を実行
できます。
シフト後のキー
シフト後の機能またはシフト後の操作を実行するには、SHIFT キーを押した後、実行したい機能が上
側のラベルに印刷されているキーを押します。このマニュアルでは、SHIFT キー シーケンスを使用す
る箇所を、キー名の後にシフト後のキー名を括弧で囲んで表記します。たとえば、AC 電流を測定す
るには、SHIFT を押してから ACV (ACI ) キーを押します。
各キーの位置については、下図を参照してください。
図 12: 機能キーと操作キー
2-8 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 2:
下の表に、各キーに割り当てられている機能とシフト後の機能を記載します。シフト後の機能は、灰
色の背景色で示します。
電圧測定を選択します。
AC 電圧測定を選択します。
2 2 線抵抗測定を選択します。
周波数測定を選択します。
4 線抵抗測定を選択します。
FILTER
MENU
導通テストを選択します。
温度測定を選択します。
選択を確定し、次の選択に移動するか、測定表示に戻ります。
DC 電流測定を選択します。
AC 電流測定を選択します。
キャパシタンス測定を選択します。
ダイオード テストを選択します。
熱伝対温度測定を選択します。
二次測定を設定します。
外部トリガ モードを設定します。
インジケータが点灯している場合、
入力をパルス送信するか、TRIGGER ボタンを押して手動トリガを生成して、機器に
トリガを掛けることができます。
指定された数の連続する測定値を格納します。
表示の分解能を変更します。 表示分解能を変更すると、積分時間も変更されることに
注意してください。 桁数を 4½ に変更した場合、積分時間は 0.02 PLC に設定されま
す。 桁数を 5½ に設定した場合、積分時間は 1 PLC に設定されます。
テスト リードに起因する測定誤差をオフセットするためのヌル機能を有効化します。
各キーの上側に青色で印刷されたシフト後の機能を使用する場合に押します。
選択した測定機能の設定を行います。設定の詳細については、「基本的な測定機能 」
ページ) の各トピックを参照してください。
選択をキャンセルし、測定表示に戻ります。
測定値保持機能の有効/無効を切り替えます。
格納されている測定値を表示します。
アベレージンング デジタル フィルタの有効/無効を切り替えます。
数学演算/テスト機能 (PERCENT、AVERAGE、NULL、LIMITS、mX+b、dB、および dBm)
の有効/無効を切り替えます。
機器を USB または GPIB リモート モードからローカル モードに切り替えます。
トリガ設定、およびインタフェースの設定など、システム全体の設定に使用します。
メニューの詳細については、「(7) メニューの概要 」(2-10 ページ)
自動レンジ設定の有効/ 無効を切り替えます。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2-9
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
(4) レンジ キーとスクロール キー
◄ および
► および ◄ キーでは、オプションをスクロールします。
▲ および
▼
▲ および ▼ キーは、測定中にレンジを切り換えるために使用します。
▲ および ▼ キーは、パラメータの設定時や値の入力時に数字を切り換えるために使用します。
現在選択している文字の左側または右側に編集可能な文字がある場合は、ディスプレイ 2 行目の三角
形のインジケータが表示されて、追加の文字が存在することとその位置が示されます。
(5) TC 入力
TC 入力端子は、熱電対による温度測定で使用します。この端子では内蔵冷接点補正が行われるので、
追加の熱電対アダプタは必要ありません。
ケガや死亡事故につながる可能性がある感電を防ぐため、熱電対が接続されている間は電圧を LO
INPUT 端子にかけないでください。
(6) 端子とヒューズ
機器のフロント パネルには以下の接続端子があります。
HI および LO の INPUT 端子
電流と熱電対以外のすべての測定に使用します。 最大入力電圧は、電圧測定の場合は 1000 V、4 線
測定の場合は 200 V です。
LO INPUT 端子に電圧をかけると、熱電対測定でエラーが発生します。
HI および LO の SENSE 入力端子
4 線抵抗測定を行う場合と、 DC 電圧の比率測定を行う場合に使用します。
3A および 10A の電流入力端子
すべての DC および AC 電流測定に使用します。
(7) メニューの概要
メニューおよびサブメニューは、トリガ設定、リモート インタフェースの設定など、システム全体の
2-10 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
設定に使用します。
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル: セクション 2:
メニューのナビゲーション
メニューの選択
メニューやサブ メニューを選択するには、以下のキーを使用します。
• SHIFT を押した後、CONFIG (MENU) を押して、メイン メニューに移動します。
• ► ◄ キーを押して、サブ メニューを表示します。
• ENTER を押してサブ メニューを選択します。
• さらにサブ メニューがある場合は、► ◄ キーを押して必要なサブメニューを表示した後、ENTER
を押してそのサブメニューを選択します。
• 値の数字を変更するには、▲ ▼ キーを押して各桁の数字を変更します。 値の入力の詳細につい
ては、「数値の設定 」(2-11
ページ) を参照してください。
• どの時点でも、ESC を押すと、変更をキャンセルできます。
• 設定が終了したら、ESC を押してメニュー モードを解除します。
数値の設定
一部の設定オプションには数値が必要です。また、デフォルト値を持つ設定オプションの値を変更し
たい場合もあります。値を変更するには、一度に 1 桁ずつ値を調整します。
桁を調整するには、次のようにして
1. ► ◄ キーを使用して、編集する値を表示します。
2. ENTER キーを押して編集モードに入ります。
3. ► ◄ キーを使用して、編集する桁を選択します。
4. ▲ ▼ キーを使用して適切な値を設定します。
5. ENTER キーを押して値を選択するか、ESC キーを押して変更をキャンセルします。
▲ ▼
キーを使用します。
メイン メニュー
機器の操作についての設定を行うには、フロント パネルのキーを押してメニューを表示します。以下
の表に、次の情報を記載します。
• メニューを表示するために押すキー。これらのキーは太字のフォント (BOLD ) で記載します。キ
ーのシフト後の機能に関する設定オプションの場合は、キーのシフト後の機能を括弧に囲んでキ
ー名の後に記載します。
• メニューを表示するために押すキーの下に、そのメニュー名を字下げして記載します。
• 一部のメニューにはサブ メニューがあります。サブ メニューは、メニューの下に字下げして記載
します。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2- 11
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
DCV
キーを押します。
CONFIG キーを押して設定オプションを表示します。
► および ◄ キーを使用して分解能の調整を選択します。NPLC の詳
細については、「分解能と積分時間 」(3-41
ページ) を参照してくだ
さい。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択
」
ページ) を参照してください。
RATIO を選択します。詳細については、「比率の測定 」 (3-4 ページ)
を参照してください。
2-12 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 2:
ACV
CONFIG
PT100、 D100、 F100、
キーを押します。
キーを押して設定オプションを表示します。
► および ◄ キーを使用して帯
「AC 測定の帯域幅と分解能 」(3-44 ページ) を参照してください。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択
」
ページ) を参照してください。
2 キーを押します。
キーを押して設定オプションを表示します。
► および ◄ キーを使用して分解能の調整を選択します。NPLC の詳
細については、「分解能と積分時間 」(3-41 ページ) を参照してくだ
さい。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」(3-39 ページ) を参照してください。
キーを押します。
CONFIG キーを押して設定オプションを表示します。
詳細については、「周波数測定および周期測定のアパーチャと分解
能」(3-45 ページ) を参照してください。
RANGE と INPUT JACK の選択の詳細については、「 周波数測定お
よび周期測定」(3-12 ページ) を参照してください。
キーを押します。
キーを押して設定オプションを表示します。
CONT RES を選択します。 ◄ および ► キーと、▲ および ▼ キー
を使用して、抵抗のしきい値を設定します
TEMP キーを押します。
キーを押して設定オプションを表示します。
► および ◄ キーを使用してセンサーのタイプを選択します。詳細
については、「温度の測定 」(3-17
ページ) を参照してください。
R-ZERO、 ALPHA、
BETA、 DELTA
R-ZERO、 A4、 B4、
A、 B、 C
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2- 13
RTD ユーザー定義センサ タイプの係数値を入力します。係数値に関
する情報は、
の付属資料を参照してください。
係数を選択して、値を入力します。 その後、► および ◄ キーを使
用して桁を選択します。 その後、▲ および ▼ キーを使用して数値
を増減します。
標準型の白金 RTD (SPRTD) センサの設定を行います。詳細につい
ては、「温度の測定 」(3-17 ページ) および「RTD 係数と温度の計算
ページ) を参照してください。
► および ◄ キーを使用して桁を選択します。 その後、▲ および ▼
キーを使用して数値を増減します。
負温度係数サーミスタ (NTCT) を設定します。詳細については、「温
度の測定」
ページ) を参照してください。
► および ◄ キーを使用して桁を選択します。 その後、▲ および ▼
キーを使用して数値を増減します。
温度単位のタイプを設定します。
温度測定の単位 (摂氏、華氏、またはケルビン)
トランスデューサを選択します。ここで:FRTD = 4 線での RTD 測
定。
線での
測定。
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
SHIFT キーを押すと、次に押すキーのシフト後の機能にアクセスで
きます。
DCV (DCI) キーを押します。
キーを押して、
電流測定の設定を行います。
► および ◄ キーを使用して分解能の調整を選択します。NPLC の詳
細については、「分解能と積分時間 」(3-41 ページ) を参照してくだ
さい。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」(3-39 ページ) を参照してください。
キーを押します。
CONFIG キーを押して、機器の AC 電流測定の設定を行います。
► および ◄ キーを使用して帯域幅を
「AC 測定の帯域幅と分解能 」(3-44 ページ) を参照してください。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」(3-39 ページ) を参照してください。
キーを押します。
CONFIG
キーを押して、機器の抵抗測定の設定を行います。
► および ◄ キーを使用して分解能の調整を選択します。NPLC の詳
細については、「分解能と積分時間 」(3-41 ページ) を参照してくだ
さい。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」
ページ) を参照してください。
FREQ ( ) キーを押します。
キーを押して、機器のキャパシタンス測定の設定を行います。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」(3-39 ページ) を参照してください。
► および ◄ キーを使用して RANGE AUTO ( オートレンジ) を選択
するか、► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。
CONT ( )
( ) キーを押します。
CONFIG キーを押して、機器のダイオード測定の設定を行います。
詳細については、「ダイオードの測定 」(3-16 ページ) を参照してく
ださい。
2-14 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
TEMP (TCOUPL) キーを押します。
キーを押して、機器の熱電対測定の設定を行います。
詳細については、「熱電対の測定 」(3-22 ページ) を参照してください。
温度測定の単位 (C、F、または K) を指定します。
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 2:
キーを押します。
詳細については、「二次測定機能 」(3-26 ページ) を参照してください。
デュアル測定機能をオフにします。
を選択して、二次機能として
二次機能として DC 電流を設定します。
► および ◄ キーを使用して分解能の調整を選択します。NPLC の詳
細については、「分解能と積分時間 」(3-41 ページ) を参照してくだ
さい。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」(3-39 ページ) を参照してください。
2W RES を選択して、二次機能として 2 線抵抗を設定します。
► および ◄ キーを使用して分解能の調整を選択します。NPLC の詳
細については、「分解能と積分時間 」(3-41 ページ) を参照してくだ
さい。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」
4W RES を選択して、二次機能として 4 線抵抗を設定します。
► および ◄ キーを使用して分解能の調整を選択します。NPLC の詳
細については、「分解能と積分時間 」(3-41 ページ) を参照してくだ
さい。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」
二次機能として AC 電圧を設定します。
► および ◄ キーを使用して帯域幅を選択します。詳細については、
「
測定の帯域幅と分解能」
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」(3-39 ページ) を参照してください。
を選択して、二次機能として
► および ◄ キーを使用して帯域幅を選択します。詳細については、
「AC 測定の帯域幅と分解能 」(3-44 ページ) を参照してください。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」(3-39 ページ) を参照してください。
二次機能として周波数を設定します。
詳細については、「周波数測定および周期測定のアパーチャと分解
能」(3-45 ページ) を参照してください。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」
二次機能として周期を設定します。
詳細については、「周波数測定および周期測定のアパーチャと分解
能」
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」(3-39 ページ) を参照してください。
詳細については、「周波数測定および周期測定のアパーチャと分解
能」(3-45 ページ) を参照してください。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」(3-39 ページ) を参照してください。
CURR PERIOD を選択して、二次機能として電流周期を設定します。
ページ) を参照してください。
を選択して、二次機能として周波数を設定します。
電圧を設定します。
ページ) を参照してください。
ページ) を参照してください。
ページ) を参照してください。
電流を設定します。
ページ) を参照してください。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2- 15
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
詳細については、「周波数測定および周期測定のアパーチャと分解能
(3-45 ページ) を参照してください。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」(3-39 ページ) を参照してください。
CAP を選択して、二次機能としてキャパシタンスを設定します。
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「レンジの選択 」(3-39 ページ) を参照してください。
TEMP を選択して、二次機能として温度を設定します。
RTD センサ タイプを選択します。 ► および ◄ キーを使用して追加
の選択肢を表示します。
温度測定の単位 (C、F、または K) を指定します。
温度トランスデューサのタイプ (2 線 RTD または 4 線 RTD) を選択
します。
二次機能として熱電対を設定します。
熱電対のタイプを設定します。
温度測定の単位 (C、F、または K) を指定します。
基準接点のタイプとしてリアル (REAL) またはシミュレート
を指定します。
REAL を選択します。
SIMULATED を選択します。
を選択して、内部基準接点の温度を表示します。
TRIGGER (AUTO/HOLD) を押すと、測定値保持機能のオン/ オフが
切り替わります。詳細については、「測定値の保持 」(3-35 ページ) を
参照してください。
STORE (RECALL) を押すと、格納された測定値が表示されます。詳
細については、「データ バッファ 」(3-36 ページ) を参照してくださ
い。
DIGITS (FILTER) を押すと、選択した機能の測定に適用するフィル
タのタイプを選択したり、フィルタをオフにしたりできます。 ► お
よび ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。移動平均と繰り
返し平均の詳細については、「デジタル フィルタ 」(3-47 ページ) を
参照してください。
フィルタをオフにします。
MOVING AVERAGE を設定します。 ► および ◄ キーを使用して追
加の選択肢を表示します。
機能を開始します。
▲ ▼ ► ◄ キーを使用して測定値の数を入力します。
REPEAT AVERAGE を設定します。 ► および ◄ キーを使用して追
加の選択肢を表示します。
2-16 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
機能を開始します。
▲ ▼► ◄ キーを使用して測定値の数を入力します。
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 2:
► および ◄ キーを使用して追加の選択肢を表示します。詳細につ
いては、「数学演算 」(3-48 ページ) を参照してください。
数学演算の機能をオフにします。
PERCENT を設定します。詳細については、「パーセント 」 (3-49 ペ
ージ) を参照してください。
機能を開始します。
▲ ▼ ► ◄ キーを使用して目標値を入力します。
AVERAGE を設定します。詳細については、「平均 」(3-50 ページ) を
参照してください。
機能を開始します。
NULL を設定します。詳細については、「ヌル 」(3-52 ページ) を参
照してください。
機能を開始します。
LIMITS を設定します。詳細については、「リミット 」(3-53 ページ)
を参照してください。
機能を開始します。
▲ ▼ ► ◄ キーを使用して上限値を入力します。
キーを使用して下限値を入力します。
mX+b を設定します。詳細については、「mX+B 」(3-55 ページ) を
参照してください。
機能を開始します。
▲ ▼ ► ◄ キーを使用して倍率係数 (m) 値を入力します。
▲ ▼ ► ◄ キーを使用して倍率係数 (b) 値を入力します。
dB を設定します。詳細については、「dB 」(3-58 ページ) を参照し
てください。
機能を開始します。
キーを使用して相対参照値を入力します。
dBm を設定します。詳細については、「dBm」(3-56 ページ) を参照
してください。
機能を開始します。
▲ ▼ ► ◄ キーを使用して参照抵抗値を入力します。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2- 17
SYSTEM VERSION
INSTRUMENT INFO
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
を押すと、メニューを選択できます。
オートゼロを選択します。詳細については、「オートゼロ 」(3-38 ペ
ージ) を参照してください。
オートゼロ操作を選択します。詳細については、「オートゼロ 」(3-38
ページ) を参照してください。
機能または操作をオンにします。
機能をオフにします。
トリガのシステム設定を行います。 ► および ◄ キーを使用して追
加の選択肢を表示します。
測定値保持機能の感度帯域を設定します。これを設定すると、測定
値が安定した状態に保持され、ビープ音がトリガされます。詳細に
ついては、「測定値の保持 」
ページ) を参照してください。
格納する測定値の数を設定します。
トリガの遅延時間の設定を行います。詳細については、「トリガの
遅延」
ページ) を参照してください。
トリガのオート遅延時間を選択します。AUTO がデフォルトです。
AUTO を選択すると、その時点でメニュー モードが解除されます。
手動遅延時間を選択後、遅延時間を設定します。
トリガごとのサンプル数を選択します。
トリガの数を選択します。
システム設定を行います。 ► および ◄ キーを使用して追加の選択
肢を表示します。
エラー キューをチェックします。エラー キューの詳細については、
「エラー コード」
ページ) を参照してください。
初期モードの設定をチェックします。詳細については、「初期操作
モードの設定」(2-24 ページ) を参照してください。
出荷時設定に戻します。詳細については、「電源投入時設定 」(1-6 ペ
ージ) を参照してください。
現在の設定を電源投入時状態として保存します。保存されるのは、
一次および二次測定機能、レンジ、分解能、および数学関数だけで
す。詳細については、「初期操作モードの設定 」(2-24 ページ) を参
照してください。
システムのバージョンを表示します。詳細については、「システム
のバージョンの表示」(2-26 ページ) を参照してください。
機器の製造メーカーとモデル番号を表示します。
機器のシリアル番号を表示します。
ディスプレイの設定を行います。詳細については、「測定ディスプ
レイをオフにする」(2-22 ページ) を参照してください。
ディスプレイをオンにします。
ディスプレイをオフにします。
ビープ音の設定を行います。詳細については、「ビープ音のオン/ オ
フ」
ページ) を参照してください。
ビープ音をオンにします。
ビープ音をオフにします。
セルフテストを実施し、その結果を表示します。詳細については、
「セルフテストの実行 」(6-2 ページ) を参照してください。
リモート コマンドの言語を設定します。詳細については、「言語の
設定」
ページ) を参照してください。
2-18 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 2:
リア パネルの概要
モデル 2110 のリア パネルを下図に示します。この図には、機器の使用前に確認しておくべき重要な
情報の概略が記載されています。
デフォルトの言語を設定します。デフォルトの言語は、モデル 2110
SCPI です。
準拠の
言語モードに設定します。
通信インタフェースを選択します。「リア パネルの接続の詳細 」(2-20
ページ) を参照してください。
の設定を行います。
USB を選択します。
USB を無効にします。
GPIB アドレスを入力または変更します。
図 13:リア パネル
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2- 19
(1) 電圧計 COMP 出力端子 (VM COMP)
VM COMP 出力端子からは、それぞれの測定が完了した後に負論理 (low-true) パルスが出力されます。
詳細については、「外部トリガ 」(3-31
ページ) を参照してください。
(2) 外部トリガ入力端子 (EXT TRIG)
EXT TRIG 入力端子は、外部トリガを選択した場合に使用します。詳細については、「外部トリガ 」
(3-31 ページ ) を参照してください。
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
(3) USB 接続
USB コネクタは、機器をリモート コンピュータに接続するために使用します。この接続を使用する
と、フロント パネルで機器を制御するのではなく、リモート モードで機器が動作するようになりま
す。詳細については、「USB コネクタ 」(2-21
ページ) を参照してください。 USB コネクタをリミッ
ト テストの合格/失敗出力として使用する方法の詳細については、「USB コネクタからの合格/失敗出
力」 (C-6 ページ) を参照してください。
(4) 保安接地 (安全接地)
保安接地 (安全接地) のために使用するネジ端子です。推奨されている太さの電線 (#16 以上) で保安接
地に接続してください。
(5) AC 電源ソケット、電源ヒューズ、および電源電圧設定
以下の装備を利用できます。
• AC 電源ソケット。AC 電源に接続するために使用します。詳細については、「機器の電源のオン
/オフ」(2-1 ページ) を参照してください。
• 電源電圧の設定。電源電圧を 100 V、 120 V、 220 V、 240 V のいずれかに設定します。詳細につ
いては、「 電源電圧の選択 」 (2-2
• ヒューズ電源ヒューズが装着されています。詳細については、「電源ヒューズの交換」(A-1 ペー
ジ ) を参照してください。
ページ ) を参照してください。
(6) インタフェース ポート
インタフェース ポートに GPIP 接続オプションを装備している場合は、機器を IEEE-488 ケーブルで
リモート コンピュータに接続できます。詳細については、「GPIB コネクタ 」(2-21
ページ) を参照し
てください。
リア パネル接続の詳細
この後のトピックでは、通信インタフェースにケーブルを接続する方法を説明します。
通信インタフェースを接続した後のセットアップについては、通信インタフェースの情報を参照して
ください。
2-20 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル: セクション 2:
USB コネクタ
リア パネルの USB-2.0 ソケット (ダウンストリーム タイプ B) は、ホスト機器への接続に使用します。
このコネクタを使用すると、必要なコマンドを送信することにより、機器と USB で通信できます。 こ
のコネクタの使用の詳細については、「USB 通信 」(C-1
図 14:USB コネクタ
ページ) を参照してください。
GPIB コネクタ
モデル 2110 を GPIB バスに接続するには、標準の IEEE-488 コネクタの付いたケーブル (下図を参照)
を使用します。 このコネクタの使用の詳細については、「GPIB のセットアップ」(C-7
照してください。
図 15: GPIB コネクタ
ページ ) を参
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2- 21
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
GPIB アドレスの設定
GPIB アドレスの値は、工場出荷時に 16 に設定されています。アドレスは、 0 ~ 30 までの任意の値
に設定できます。しかし、このアドレスはシステム内で一意であることが必要です。別の機器に割り
当てられたアドレスや、GPIB コントローラに割り当てられたアドレスと同じにすることはできませ
ん。
GPIB
アドレスを変更するには
1. SHIFT キーを押してから、CONFIG (MENU) キーを押します。
2. ► および ◄ キーを使用して、INTERFACE を選択します。
3. ENTER を押します。
4. ► および ◄ キーを使用して、GPIB を選択します。
5. ENTER を押します。ディスプレイに GPIB ADDR と表示されます。
6. ENTER を押します。
7. ► および ◄ キーを使用して、 GPIB アドレスを変更します。
8. 目的の GPIB アドレスが表示されたら、ENTER を押してアドレスを保存します。
このアドレスは不揮発性メモリに保存されるため、電源をオフにしてから再度オンにしても、変更さ
れません。
システムの操作
このトピックでは、システム関連の情報について説明します。システム関連の各操作では、測定には
関係しないものの、測定を行う際に重要な役割を果たすタスクを実行します。
測定表示をオフにする
測定値をディスプレイに表示しないオプションがあります。
測定表示がオフになっているときは、OFF インジケータが点灯します。このインジケータの意味は、
ディスプレイがオフになっているということではなく、取り込まれた測定値が単にディスプレイに送
られないということです。表示をオフにしている間も、RECALL、MENU、および CONFIG キーによ
るフロント パネル操作のメッセージは表示されます。
いつでも、コンピュータからリモート インタフェース経由でメッセージを送信して二次ディスプレイ
に表示させることができます (元のメッセージと置き換わります)。
デフォルトでは、測定値の表示はオンです。測定値の表示をオフにした場合、それを再びオンにする
か、機器の電源をオフにしたあと再びオンにするまで表示はオフのままです。
表示は、フロント パネルまたはリモート インタフェースから制御できます。リモート インタフェー
スからの操作の方が、フロント パネルでの設定より優先されます。
2-22 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 2:
フロント パネルの操作
測定値の表示をオン/オフにするには、次の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して CONFIG (MENU ) キーを押し、 MENU オプションを表示します。
2. ► および ◄ キーを押して SYSTEM を表示した後、ENTER キーを押します。
3. ► および ◄ キーを押して DISPLAY を表示した後、ENTER キーを押します。
4. 測定値の表示をオンにするには、► および ◄ キーを使用して ON を表示した後、ENTER キーを
押します。ステップ 6 に進みます。
5. 測定値の表示をオフにするには、► および ◄ キーを使用して OFF を表示した後、ENTER キー
を押します。
6. 終わったら、ESC を押します。
リモート操作
測定値の表示をオフにするには、次のコマンドを使用してください。
DISPlay OFF
測定値の表示をオンにするには、次のコマンドを使用してください。
DISPlay ON
入力したメッセージ (最大 16 文字) を二次ディスプレイに表示するには、次のコマンドを使用してください。
DISPlay:TEXT <a quoted string>
測定値の表示をクリアするには、次のコマンドを使用してください。
DISPlay:TEXT:CLEar
ビープ音のオン/ オフ
モデル 2110 は、特定の条件になったとき、またはエラーが発生したときにビープ音を鳴らします。
ビープ音をオフにできるのは、一部の操作についてのみです。その他の操作 (フロント パネルのキー
を押す、など) については、ビープ音が鳴ります。
デフォルトでは、ビープ音はオンです。ビープ音の状態は揮発性メモリに格納され、機器の電源をオ
フにするか、リモート インタフェースでリセットを実行すると、デフォルトの設定に戻ります。
ビープ音をオフにすると、次の場合にビープ音が鳴らなくなります。
• 安定した測定値が検出され保持されたとき。
• ダイオード テストでテスト電圧が限度内になっているとき。
• ソース信号がリミット テストをパスしなかったとき
ビープ音をオフにしても、次の場合にはビープ音が鳴ります。
• エラーが発生したとき。
• フロント パネルの任意のキーが押されたとき。
• 導通試験でしきい値の値を超えたとき。
ビープ音は、フロント パネルまたはリモート インタフェース操作のどちらからでも制御できます。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2- 23
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
フロント パネルの操作
ビープ音をオン/ オフにするには、次の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して CONFIG (MENU ) キーを押し、 MENU オプションを表示します。
2. ► および ◄ キーを押して SYSTEM を表示した後、ENTER キーを押します。
3. ► および ◄ キーを押して BEEP を表示した後、ENTER キーを押します。
4. ビープ音をオンにするには、► および ◄ キーを使用して ON を表示した後、ENTER キーを押し
ます。ステップ 6 に進みます。
5. ビープ音をオフにするには、► および ◄ キーを使用して OFF を表示した後、ENTER キーを押
します。
6. 終わったら、ESC を押します。
リモート操作
ビープ音をオフにするには、次のコマンドを使用してください。
SYSTem:BEEPer:STATe OFF
ビープ音をオンにするには、次のコマンドを使用してください。
SYSTem:BEEPer:STATe ON
初期操作モードの選択
モデル 2110 には、現在の操作設定を保存するオプションと、電源オン時に出荷時デフォルト設定に
復元するオプションが用意されています。デフォルト設定の詳細については、「電源投入時設定 」(1-6
ページ) を参照してください。
初期モードを選択するには、次の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して CONFIG (MENU ) キーを押し、 MENU オプションを表示します。
2. ► および ◄ キーを押して SYSTEM を表示した後、ENTER キーを押します。
3. ► および ◄ キーを押して INIT MODE を表示した後、ENTER キーを押します。
4. 現在の設定を保存するには、► および ◄ キーを使用して SAVE DATA を表示した後、ENTER キ
ーを押します。ステップ 6 に進みます。
5. デフォルト設定を復元するには、► および ◄ キーを使用して DEFAULT SET を表示した後、
ENTER キーを押します。
6. 終わったら、ESC を押します。
2-24 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 2:
言語の選択
リモート コマンドのプログラミングでは、次の言語を選択できます。
• デフォルト言語: モデル 2110 のすべての機能と、KI -Tool および KI-Link ソフトウェアとの互換性
を保持するには、DEFAULT を選択します。
• 互換言語: SCPI 準拠の DMM 言語モードを使用するには、 COMPATIBLE を選択します。
COMPATIBLE を選択した場合は、 SYST:IDNS "<Manufacturer>,<Model>" により、 *IDNS? のリ
ターン ストリングを任意のメーカーおよびモデルに変更できます。
リモート インターフェイスから言語を設定することも可能です。 互換モードを設定するには、コマ
ンド L1 を送信します。 デフォルトの *IDN? ストリングに戻るには、コマンド L0 を送信します。
言語の設定は不揮発性メモリに格納されます。
言語を選択するには、次の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して CONFIG (MENU ) キーを押し、 MENU オプションを表示します。
2. ► および ◄ キーを押して SYSTEM を表示した後、ENTER キーを押します。
3. ► および ◄ キーを押して LANGUAGE を表示した後、ENTER キーを押します。
4. デフォルト言語を使用するには、► および ◄ キーを使用して DEFAULT を表示した後、ENTER
キーを押します。ステップ 6 に進みます。
5. 互換言語を使用するには、► および ◄ キーを使用して COMPATIBLE を表示した後、ENTER キ
ーを押します。
6. 終わったら、ESC を押します。
エラー キューにあるエラーの表示
ディスプレイの ERR インジケータが点灯している場合は、機器がエラー状態を検出したことを意味
します。
一般に、ERR インジケータとエラー キューは次のように動作します。
• エラー キューを表示した後、ERR インジケータは消灯します。
• キューを表示した時点でエラー キューにエラーがない場合には、NO ERRORS と表示されます。
• 20 件を超えるエラーがある場合には、エラー キューの最後のエラーがエラー -350 で置き換
えられます。エラー -350 は、エラーが多すぎることを意味します。
エラー キューは、機器の電源をオフにするか、次のコマンドを受信した時点でクリアされます:
*CLS
エラー状態の詳細については、「 エラー コード 」 (6-3 ページ ) を参照してください。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2- 25
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
エラー キューにあるメッセージを表示するには、次の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して CONFIG (MENU ) キーを押し、 MENU オプションを表示します。
2. ► および ◄ キーを押して SYSTEM を表示した後、ENTER キーを押します。
3. ► および ◄ キーを押して SCPI ERR を表示した後、ENTER キーを押します。ディスプレイに
次の内容が表示されます。
• ERROR CODE - 詳細については、「エラー コード 」 (6-3 ページ ) を参照してください。
• NO ERRORS - キューにエラー メッセージがないことを意味します。
システムのバージョンの表示
モデル 2110 システムのバージョンとは、機器のプロセッサにインストールされているファームウェ
アのバージョンのことです。
システムのバージョンを表示するには、次の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して CONFI G (MENU ) キーを押し、 MENU オプションを表示します。
2. ► および ◄ キーを押して SYSTEM を表示した後、ENTER キーを押します。
3. ► および ◄ キーを押して SYSTEM VER を表示した後、 ENTER キーを押します。次の形式でデ
ィスプレイに数字が表示されます。
x.xx-yy-zz
ここで:
x.xx - 測定プロセッサを示します
yy - 入出力プロセッサを示します。
zz - フロント パネル プロセッサを示します。
2-26 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
........................................................ 3-38
セクション 3
基本的な測定機能 .................................................................... 3-1
トリガリングとデータ バッファ ............................................ 3-28
測定性能の向上のために
基本的な測定機能
モデル 2110 5½ 桁マルチメーターで以下の測定を実行できます。
• 電圧 (DC および AC)
• 比率 (DC 入力電圧 / DC 基準電圧)
• 電流 (DC および AC)
• 抵抗 (2 線および 4 線)
• 波数および周期 (電圧入力または電流入力)
• 導通
• ダイオード テスト
• 温度 (RTD または熱電対)
• キャパシタンス
DMM
電圧測定
この機器は、DC 電圧 (DCV) は 1000 V まで、AC 電圧 (ACV) は 750 V まで測定できます (CAT II の
測定は最大 600 V) 。
• DC 電圧 (DCV) 測定レンジは、100 mV 、1V 、10V 、100V および 1000 V
• AC 電圧 (ACV) 測定レンジは、100 mV 、1V 、10V 、100V および 750 V 交流結合による真の実効
値 (ピーク 1000 V)
モデル 2110 マルチメーターには、1000 V (ピーク。CAT II の測定は最大 600 V) を超える電圧を印
加しないでください。感電事後が発生し、ケガまたは死亡事故につながる可能性があります。また機
器の損傷につながる可能性もあります。
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
2 種類の金属の差によって生じる熱 EMF を解消するために、銅製のテスト リードを使用してソ
ース信号をモデル 2110 に接続してください。
基本的な測定の実行には、以下の手順とコマンドを使用してください。測定速度と分解能の設定の詳
細については、「測定性能の向上のために 」(3-38 ページ) を参照してください。このセクションに
は、測定性能の向上に有効なその他の機能や設定についても説明されています。
機器の電源を切る前に、前面パネルの入力端子に電圧が印加されないようにしてください。これを怠
ると、機器の損傷の原因となることがあります。
フロント パネルの操作
電圧を測定するには以下の手順を実行してください。
1. DC 電圧の測定には DCV キーを、 AC 電圧の測定には ACV キーを押します。
2. 測定レンジを選択します (オートまたは手動 )。
• オートレンジが電源投入時のデフォルトです。手動によるレンジ設定が選択されている (MAN インジケ
ータが点灯) 場合は、SHIFT キーを押してから ESC (AUTO ) キーを押して、オートレンジを選択します。
• 手動で測定レンジを選択するには、RANGE の ▲ と ▼ キーを押します。
3. 以下に示すように、機器に信号を接続し、ディスプレイに表示される測定値を観察してください。
入力信号が選択したレンジを超える場合は、オーバーフロー メッセージ OVLD が表示されます。
DC および AC 電圧測定のための接続
図 16:DCV および ACV 測定用の接続
3-2 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使い、機能 (DCV または ACV) を選択し、測定レンジと分解能を設定して、測定を
実行してください。
FUNCtion "VOLTage[:DC]" DCV 機能を選択します
FUNCtion "VOLTage:AC" ACV 機能を選択します
VOLTage[:DC]:RANGe <n> DCV レンジを設定します
VOLTage:AC:RANGe <n> ACV レンジを設定します
<n> = -1000 ~ 1000 予想される DCV の測定値を指定します
= 0 ~ 750 予想される ACV の測定値を指定します
VOLTage[:DC]:RANGe:AUTO <b> DCV のオートレンジの有効 /無効を切り替えます
VOLTage:AC:RANGe:AUTO <b> ACV のオートレンジの有効 /無効を切り替えます
<b> = 0 または OFF オートレンジを無効にします
= 1 または ON オートレンジを有効にします
READ? 測定を実行し、測定値を取り込みます
測定設定コマンドは、測定を実行するために使用することもできます。以下のコマンドを使い、機能
(DCV または ACV) を選択し、測定レンジと分解能を設定して、測定を実行し、測定値を取り込んで
ください。
MEASure:VOLTage[:DC]?<range>, <resolution>
MEASure:VOLTage:AC?<range>, <resolution>
<range> = -1000 ~ 1000 予想される DCV の測定値
= 0 ~ 750 予想される ACV の測定値
<resolution> = (注参照 ) 測定分解能
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3-3
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
<resolution> に設定される分解能レンジは、選択された機能とレンジによって異なります。DC 測
定の最大値は 3.00e-04 x フルスケール レンジ、最小値は 3.00e-07 x フルスケール レンジです。たと
えば、DCV のレンジが 1000 V の場合、最小値は (3.00e-07 x 1000 V = 3.00e-04) となります。最大
値は (3.00e-04 x 1000 V = 3.00e-01) となります。 したがって、DCV のレンジが 1000 V の場合は、
<resolution> = 3.00e-04 ~ 3.00e-01 となります。
AC 測定の最大値は 1.00e-04 x フルスケール レンジ、最小値は 1.00e-06 x フルスケール レンジです。
たとえば、ACV のレンジが 750 V の場合、最小値は (1.00e06 x 750 V = 7.50e-04) となります。 最
大値は (1.00e-04 x 750 V = 7.50e-02) となります。 したがって、ACV のレンジが 750 V の場合は、
<resolution> = 7.50e-04 ~ 7.50e-02 となります。
比率測定
この機能では、入力 DC 電圧の基準 DC 電圧に対する比率を以下の式を使用して計算します。
この機能は DC 電圧測定にのみ用いられます。
基本的な測定の実行には、以下の手順とコマンドを使用してください。測定速度と分解能の設定の詳
細については、「測定性能の向上のために 」(3-38 ページ) を参照してください。このセクションに
は、測定性能の向上に有効なその他の機能や設定についても説明されています。
フロント パネルの操作
比率の計算には以下の手順を実行してください。
1. DCV を押し、 DC 電圧機能を選択します。
2. 入力信号の測定レンジ (オートまたは手動 ) を選択します。
• オートレンジが電源投入時のデフォルトです。手動によるレンジ設定が選択されている (MAN インジケ
ータが点灯) 場合は、SHIFT キーを押してから ESC (AUTO ) キーを押して、オートレンジを選択します。
• 手動で測定レンジを選択するには、RANGE の ▲ と ▼ キーを押します。
3. 以下に示すように、入力信号と基準信号を機器に接続します。
a. DC 入力信号を INPUT HI および LO 端子に接続します。
b. 基準信号を SENSE HI および LO 端子に接続します。
c. SENSE LO 端子を INPUT LO 端子に接続します。
4. CONFIG を押し、◄ および ► キーを使用して RATIO を表示させ、その後 ENTER を押します
(RAT インジケータが表示されます)。
5. ディスプレイに表示される比率の測定値を観察してください。
比率測定を無効にするには、いずれかの機能キーを押してください。
3-4 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
比率測定のための接続
図 17: 比率測定のための接続
基準信号は -2.1 V ~ 2.1 V でなければなりません。
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使い、比率機能を選択し、測定レンジを設定して、計算を実行してください。
FUNCtion "VOLTage[:DC]:RATio" 比率機能を選択します
VOLTage[:DC]:RANGe <n> 入力信号に対して DCV レンジを設定します
<n> = -1000 ~ 1000 入力信号に予想される DCV の測定値
VOLTage[:DC]:RANGe:AUTO <b> 入力信号に対してオートレンジの有効 /無効を切
り替えます
<b> = 0 または OFF オートレンジを無効にします
= 1 または ON オートレンジを有効にします
READ? 比率計算を実行し、測定値を取り込みます
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3-5
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
測定設定コマンドは、比率計算を実行するために使用することもできます。以下のコマンドを使い、
比率機能を選択し、測定レンジと分解能を設定して、計算を実行し、測定値を取り込んでください。
MEASure:VOLTage[:DC]:RATio?<range>, <resolution>
<range> = -1000 ~ 1000 入力信号の予想される DCV の測定値
<resolution> に設定される分解能レンジは、選択された機能とレンジによって異なります。DC 測
定の最大値は 3.00e-04 x フルスケール レンジ、最小値は 3.00e-07 x フルスケール レンジです。たと
えば、比率のレンジが 1000 V の場合、最小値は (3.00e-07 x 1000 V = 3.00e-04) となります。最大
値は (3.00e-04 x 1000 V = 3.00e-01) となります。 したがって、比率レンジが 1000 V の場合は、
<resolution> = 3.00e-04 ~ 3.00e-01 となります。
<resolution> = (注参照 ) 測定分解能
電流測定
この機器は、10 A までの DC および AC 電流を測定できます。
• DC 電流の測定レンジは、 10 mA、 100 mA、 1 A、 3 A および 10 A
• AC 電流の測定レンジは、 1A、 3A、および 10 A
基本的な測定の実行には、以下の手順とコマンドを使用してください。測定速度と分解能の設定の詳
細については、「測定性能の向上のために 」(3-38 ページ) を参照してください。このセクションに
は、測定性能の向上に有効なその他の機能や設定についても説明されています。
フロント パネルの操作
電流を測定するには以下の手順を実行してください。
1. 電流測定の機能を選択します。
• DC 電流を測定するには、SHIFT を押してから DCV (DCI) を押します。
• AC 電流を測定するには、SHIFT を押してから ACV (ACI) を押します。
2. 測定レンジを選択します (オートまたは手動 )。
• オートレンジが電源投入時のデフォルトです。手動によるレンジ設定が選択されている (MAN インジケ
ータが点灯) 場合は、SHIFT キーを押してから ESC (AUTO ) キーを押して、オートレンジを選択します。
• 手動で測定レンジを選択するには、RANGE の ▲ と ▼ キーを押します。
3. 以下に示すように 機器に信号を接続し、ディスプレイに表示される測定値を観察してください。
入力信号が選択したレンジを超える場合は、オーバーフロー メッセージ OVLD が表示されます。
3-6 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
電流を最高
3 A まで測定
電流を最高
10 A まで測定
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
DC および AC 電流測定のための接続
3 A 入力端子への最大入力は 3 A 、 250 V です。10 A 入力端子への最大入力は 10 A です。これらの
入力レベルを上回ると、電流ヒューズを損傷します。
図 18:DCI または ACI 用の接続
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使い、機能 (DCI または ACI) を選択し、測定レンジを設定して、測定を実行してく
ださい。
FUNCtion "CURRent[:DC]" DCI 機能を選択します
FUNCtion "CURRent:AC" ACI 機能を選択します
CURRent[:DC]:RANGe <n> DCI レンジを設定します
CURRent:AC:RANGe <n> ACI レンジを設定します
<n> = -10 ~ 10 予想される DCI の測定値
= 0 ~ 10 予想される ACI の測定値
CURRent[:DC]:RANGe:AUTO <b> DCI のオートレンジの有効 /無効を切り替えます
CURRent:AC:RANGe:AUTO <b> ACI のオートレンジの有効 /無効を切り替えます
<b> = 0 または OFF オートレンジを無効にします
= 1 または ON オートレンジを有効にします
READ? 測定を実行し、測定値を取り込みます
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3-7
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
測定設定コマンドは、測定を実行するために使用することもできます。以下のコマンドを使い、機能
(DCI または ACI) を選択し、測定レンジと分解能を設定して、測定を実行し、測定値を取り込んでく
ださい。
MEASure:CURRent[:DC]?<range>, <resolution>
MEASure:CURRent:AC?<range>, <resolution>
<range> = -10 ~ 10 予想される DCI の測定値
= 0 ~ 10 予想される ACI の測定値
<resolution> に設定される分解能レンジは、選択された機能とレンジによって異なります。DC 測
定の最大値は 3.00e-04 x フルスケール レンジ、最小値は 3.00e-07 x フルスケール レンジです。たと
えば、DCI のレンジが 10 A の場合、最小値は (3.00e07 x 10 A = 3.00e-07) となります。最大値は
(3.00e-04 x 10 A = 3.00e--03) となります。 したがって、DCI のレンジが 10 A の場合は、<resolution>
= 3.00e-06 ~ 3.00e-03 となります。
AC 測定の最大値は 1.00e-04 x フルスケール レンジ、最小値は 1.00e--06 x フルスケール レンジです。
たとえば、ACI のレンジが 10 A の場合、最小値は (1.00e-06 x 10 A = 1.00e-05) となります。最大値
は (1e-04 x 10 A = 1e--03) となります。 したがって、ACI のレンジが 10 A の場合は、<resolution> =
1.00e-05 ~ 1.00e-03 となります。
<resolution> = (注参照 ) 測定分解能
3-8 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
抵抗測定
抵抗の測定には 2 つの方法があります。
• 2 線抵抗
• 4 線抵抗
「 抵抗測定用の接続 」 (3-10
ページ ) の図に示したように、2 線抵抗の測定には 1 組のテスト リードを
使います。テスト電流が印加され、テスト対象の抵抗間の電圧が同じリードで測定されます。
「抵抗測定用の接続 」(3-10 ページ) の図に示したように、4 線抵抗の測定には 2 組のテスト リードを
使います。1 組のテスト リードが電流を印加し、もう 1 組のテスト リードが電圧を測定します。 し
たがって、低い抵抗値においては、4 線抵抗の方がより正確に測定を行えます。4 線抵抗のデメリッ
トは整定時間が長い点と、もう 1 組のテスト リードを使う必要があるという点です。
以下の表に、この機器の測定レンジ (2 線および 4 線) とテスト電流のリストを示します。
基本的な測定の実行には、以下の手順とコマンドを使用してください。測定速度と分解能の設定の詳
細については、「測定性能の向上のために 」(3-38 ページ) を参照してください。このセクションに
は、測定性能の向上に有効なその他の機能や設定についても説明されています。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3-9
フロント パネルの操作
抵抗を測定するには以下の手順を実行してください。
1. 以下に示すように、機器に被測定装置を接続します。
2. 抵抗測定の機能を選択します。
• 2 線抵抗を選択するには、 Ω2 を押します。
• 4 線抵抗を選択するには、SHIFT を押してからΩ2 (Ω4) を押します。
3. 測定レンジを選択します (オートまたは手動 )。
• オートレンジが電源投入時のデフォルトです。手動によるレンジ設定が選択されている (MAN インジケ
ータが点灯) 場合は、SHIFT キーを押してから ESC (AUTO ) キーを押して、オートレンジを選択します。
• 手動で測定レンジを選択するには、RANGE の ▲ と ▼ キーを押します。
4. ディスプレイに表示される測定値を観察してください。
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
抵抗測定のための接続
下図に示すように、ソース電流は INPUT HI から INPUT LO に向かって流れます。
図 19: 抵抗測定のための接続
3-10 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使い、機能 (W2 または W4) を選択し、測定レンジを設定して、測定を実行してく
ださい。
FUNCtion "RESistance" 2 線抵抗 (W2) を選択します
FUNCtion "FRESistance" 4 線抵抗 (W4) を選択します
RESistance:RANGe <n> W2 レンジを設定します
FRESistance:RANGe <n> W4 レンジを設定します
<n> = 0 ~ 100e6 予想される抵抗の測定値
RESistance:RANGe:AUTO <b> Ω 2 のオートレンジの有効 /無効を切り替えます
FRESistance:RANGe:AUTO <b> Ω 4 のオートレンジの有効 /無効を切り替えます
<b> = 0 または OFF オートレンジを無効にします
= 1 または ON オートレンジを有効にします
READ? 測定を実行し、測定値を取り込みます
測定設定コマンドは、測定を実行するために使用することもできます。以下のコマンドを使い、機能
(W2 または W4) を選択し、測定レンジと分解能を設定して、測定を実行し、測定値を取り込んでくだ
さい。
MEASure:RESistance?<range>, <resolution>
MEASure:FRESistance?<range>, <resolution>
<range> = 0 ~ 100e6 予想される抵抗の測定値
<resolution> = (注参照) 測定分解能
<resolution> に設定される分解能レンジは、選択された機能とレンジによって異なります。DC 測
定の最大値は 3.00e04 x フルスケール レンジ、最小値は 3.00e-07 x フルスケール レンジです。 たと
えば、Ω2 および Ω 4 でレンジが 1.00e+08 Ω の場合、最小値は (3e-07 x 1.00e+08 Ω = 30) になりま
す。 最大値は (3.00e-04 x 1.00e+08 Ω = 3.00e+04) となります。 したがって、Ω 2 および Ω 4 でレン
ジが 1.00e+08 Ω の場合、<resolution> = 30 ~ 3.00e+04 となります。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 11
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
周波数および周期測定
この機器は、AC 電圧レンジ (100 mV ~ 750 V) または AC 電流レンジ (1 A, 3 A, または 10 A) を使用
し、3 Hz ~ 300 kHz (または 333 ms ~ 3.33 µ s の周期) の周波数を測定できます。
この機器には、1000 V (ピーク。CAT II の測定は最大 600 V) を超える電圧を印加しないでください。
感電事後が発生し、ケガまたは死亡事故につながる可能性があります。また機器の損傷につながる可
能性もあります。
基本的な測定の実行には、以下の手順とコマンドを使用してください。測定速度と分解能の設定の詳
細については、「測定性能の向上のために 」(3-38 ページ) を参照してください。このセクションに
は、測定性能の向上に有効なその他の機能や設定についても説明されています。
フロント パネルの操作
周波数または周期を測定するには以下の手順を実行してください。
1. 周波数測定または周期測定機能を選択します。
• 周波数の場合は、FREQ キーを押します。
• 周期の場合は、FREQ キーと CONFIG キーを押し、PERIOD が表示されたら ENTER キーを押します。
2. 測定する AC 信号 (電圧または電流 ) を選択します。
a. CONFIG キーを押し、► キーを使用して INPUT JACK を表示させた後、 ENTER キーを押し
ます。
b. ◄ または ► キーを使用して VOLTAGE または CURRENT, を表示させた後 ENTER キーを押
します。
3. 測定する AC 信号の測定レンジ (オートまたは手動) を選択します。
• オートレンジが電源投入時のデフォルトです。手動によるレンジ設定が選択されている (MAN インジケータ
が点灯) 場合は、SHIFT キーを押してから ESC (AUTO) を押して、オートレンジを選択します。
• 手動で測定レンジを選択するには、RANGE の ▲ と ▼ キーを押します。
4. 以下に示すように、モデル 2110 マルチメーターに AC 信号を接続し、ディスプレイの測定値を
観察してください。入力信号が選択したレンジを超える場合は、オーバーフロー メッセージ OVLD
が表示されます。
3-12 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
周波数測定および周期測定のための接続
図 20: 周波数および周期のための接続
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 13
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使い、機能 (周波数または周期) を選択し、測定レンジと分解能を設定して、測定を
実行してください。
FUNCtion "FREQuency" 周波数測定を選択します
FUNCtion "FREQuency[:VOLT]" 周波数測定 (電圧入力 ) を選択します
FUNCtion "FREQuency:CURR" 周波数測定 (電流入力 ) を選択します
FUNCtion "PERiod" 周期測定を選択します
FUNCtion "PERiod[:VOLT]" 周期測定 (電圧入力 ) を選択します
FUNCtion "PERiod:CURR" 周期測定 (電流入力 ) を選択します
FREQuency:VOLTage:RANGe <n> 周波数測定の AC 電圧レンジを設定します
FREQuency:CURRent:RANGe <n> 周波数測定の AC 電流レンジを設定します
PERiod:VOLTage:RANGe <n> 周期測定の AC 電圧レンジを設定します
PERiod:CURRent:RANGe <n> 周期測定の AC 電流レンジを設定します
<n> = 0 ~ 750 予想される信号の AC 電圧レベル
<n> = 0 ~ 10 予想される信号の AC 電流レベル
FREQuency:VOLTage:RANGe:AUTO <b> 電圧入力の周波数オートレンジ
FREQuency:CURRent:RANGe:AUTO <b> 電流入力の周波数オートレンジ
PERiod:VOLTage:RANGe:AUTO <b> 電圧入力の周期オートレンジ
PERiod:CURRent:RANGe:AUTO <b> 電流入力の周期オートレンジ
<b> = 0 または OFF オートレンジを有効にします
= 1 または ON オートレンジを無効にします
READ? 測定を実行し、測定値を取り込みます
測定設定コマンドは、測定を実行するために使用することもできます。以下のコマンドを使い、機能
(周波数または周期 ) を選択し、測定レンジと分解能を設定して、測定を実行し、測定値を取り込んで
ください。
MEASure:FREQuency?<range>, <resolution>
MEASure:PERiod?<range>, <resolution>
<range> = 0 ~ 750 予想される信号の AC 電圧レベル
3-14 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
周波数および周期では分解能は無視されます。
導通測定
この機器は、1 kΩ のレンジと 5½ 桁の分解能を使って、導通測定を行います。試験抵抗がしきい値の
抵抗より小さいときにはビープ音を鳴らします。 抵抗のデフォルトのしきい値は 10 Ω ですが、1 Ω ~
1 kΩ まで設定できます。設定した抵抗値は揮発性メモリに格納され、機器の電源が切れると失われま
す。導通測定のソース電流は 1 mA です。
モデル 2110 マルチメーターには、1000 V (ピーク。CAT II の測定は最大 600 V) を超える電圧を印
加しないでください。感電事後が発生し、ケガまたは死亡事故につながる可能性があります。また機
器の損傷につながる可能性もあります。
フロント パネルの操作
導通を測定するには以下の手順を実行してください。
1. CONT キーを押して、導通機能を選択します。
2. CONFIG キーを押し、CONT RES が表示された後、ENTER キーを押します。
3. ◄、 ►、 ▲、および ▼ キーを使って抵抗のしきい値を設定し (1 Ω ~ 1000 Ω )、ENTER キーを
押します。
4. 「抵抗測定のための接続 」 (3-10
を接続してください。
• デバイスの抵抗値がしきい値を越える場合は、 OPEN が表示されます。
• 抵抗値がしきい値に満たない場合は、モデル 2110 はビープ音を鳴らし、デバイスの抵抗値を表示します。
ページ) の 2 線抵抗に示すように、モデル 2110 に抵抗デバイス
リモート操作
導通を測定するには以下のコマンドを使用してください。
FUNCtion "CONTinuity" 導通機能を選択します。
READ? 導通測定を行い、測定値を取り込みます。
MEASure? コマンドは導通測定と測定値の取り込みにも使用できます。
MEASure:CONTinuity?
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 15
入力インピーダンス
(並列インピーダンス 100 pF 未満)
AC
電圧信号
AC
電流信号
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
ダイオード測定
モデル 2110 は、1 mA の電流ソースを使用してダイオードの測定を行います。1 V の DC 測定レンジ
と 5½ 桁の分解能を使用して、ダイオード測定を行います。
しきい値の電圧帯域はデフォルトで 0.3 V ~ 0.8 V 、読み取り応答時間は 0.1 PLC です。しきい値の
電圧帯域は 0.01 V ~ 1.2 V まで調整できます。モデル 2110 は、被測定ダイオードの電圧がしきい値
の帯域内である場合、ビープ音を鳴らします。
ダイオードを接続する場合、ソース電流が INPUT HI から INPUT LO に流れることに注意してください。
フロント パネルの操作
ダイオードのしきい値電圧を測定するには以下の手順を実行してください。
1. 以下に示すように、機器にダイオードを接続します。これらはダイオードを順方向バイアスで接
続します。
2. SHIFT キーを押してから CONT (
3. しきい値の電圧帯域を確認、変更するには以下の手順を実行します。
a. CONFIG キーを押し、 VF-LOW が表示された後、 ENTER を押します。
b. ◄ 、► 、 ▲ 、および ▼ キーを使って低しきい値電圧を設定してから (0.01 V ~ 1.00 V )、
ENTER を押します。
c. VF-HI が表示されたら、 ENTER を押します。
d. ◄ 、► 、 ▲ 、および ▼ キーを使って高しきい値電圧を設定してから (0.01 V ~ 1.20 V )、
ENTER を押します。
4. ディスプレイに表示される電圧の測定値を観察してください。測定値がしきい値の電圧帯域の範
囲内であれば、機器はビープ音を鳴らします。
) キーを押し、ダイオード機能を選択します。
3-16 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
ダイオード測定のための接続
下図に示すように、ソース電流は INPUT HI から INPUT LO に向かって流れます。
図 21: ダイオード測定のための接続
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
リモート操作
ダイオード測定のリモート操作では、デフォルトの電圧帯域しきい値が使用されます。
ダイオードのしきい値電圧を測定するには以下のコマンドを使用してください。
FUNCtion "DIODe" ダイオード機能を選択します。
READ? ダイオードを測定し、測定値を取り込みます。
MEASure? コマンドは測定の実行と測定値の取り込みにも使用できます
温度測定
温度測定には、測温抵抗体 (RTD) プローブ、NTC サーミスタ、および熱電対センサが使用できます。
一般的に、RTD は熱電対より精度が高く長期間安定しています。この機器では、デフォルトで RTD セ
MEASure:DIODe?
ンサのタイプは PT100 となっています。デフォルトで熱電対センサはタイプ K となっています。
RTD およびサーミスタ測定
この機器は、測温抵抗体 (RTD) を使って温度測定を実行できます。サポートしている RTD センサの
タイプは PT100 、D100 、F100、PT385、PT3916、ユーザー定義のもの、および SPRTD です。サポ
ートしているサーミスタのタイプは NTCT です。この機器は、2 線、3 線および 4 線の RTD プロー
ブをサポートしています。
デフォルトの RTD センサー タイプは PT100 となっています。PT100 センサの温度測定レンジは -200
° C ~ 850 ° C ( -328 ° F ~ 1562 ° F) です。
フロント パネルの操作
RTD またはサーミスタを使って温度を測定するには以下の手順を実行してください。
1. 下図を参照し、 RTD (またはサーミスタ ) をモデル 2110 に接続してください。
2. TEMP キーと CONFIG キーを押します。
3. センサを選択します。
a. ◄ または ► キーを使用して SENSOR を表示させ ENTER キーを押します。
b. ◄ および ► キーを使用してセンサを表示させ ENTER を押します。
注:NTCT 、SPRTD または USER センサを選択した場合、係数値を入力する必要があります。詳
細は、「センサ係数の入力 」(3-20
4. 測定単位を選択します。
a. CONFIG を押し、► キーを使用して UNITS を表示させた後、ENTER を押します。
b. ◄ または ► を使用して、単位 (°C 、 °F 、または K ) を表示させ、 ENTER を押します。
5. トランスデューサのタイプ (2 線または 4 線 ) を選択します。
a. CONFIG を押し、► キーを使用して TRANSDUCER を表示させた後、 ENTER を押します。
b. ◄ または ► キーを使用して 2W RTD または 4W RTD を表示させた後、ENTER を押します。
6. ディスプレイに表示される温度の測定値を観察してください。
ページ ) を参照してください。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 17
2
線
R
TD
3
線
R
TD
4 線
RTD
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
RTD を使って温度を測定するための接続
以下の図は RTD プローブを機器に接続する方法を示しています。3 線プローブの場合は、必ず SENSE
LO 端子を INPUT LO 端子に接続してください。下図に示すように、ソース電流は INPUT HI から
INPUT LO に向かって流れます。
図 22:RTD 測定用の接続
3-18 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
RTD の係数と温度計算
以下の表に PT100、D100、F100、PT385 および PT3916 RTD センサのデフォルトの係数を示します。
モデル 2110 では、これらの値は固定で変更できません。しかし、これらのセンサに異なる係数を使
用する必要がある場合は、USER センサ タイプを使えます。USER センサ タイプでは独自の値を入
力することができます。
Alpha (α) Beta (β) Delta (δ)
R-ゼロ
A B C
以下の式を使い、 RTD 温度を計算します。
t < 0 ° C の時。
R
= R0 [1+At+Bt2+Ct3(t-100)]
t
0 ° C ≤ t < 630 °C の時。
R
= R0 (1+At+Bt2)
t
ここで: A = α 1 + δ /100)
B = -αδ • 10
C = -αβ • 10
-4
-8
標準白金 RTD (SPRTD) センサについては、 ITS-90 (国際温度スケール ) 規格では、 18.8033 K ~
1234.93 K までの温度範囲をカバーする標準白金温度計用の基準式が 2 つ示されています。しかし、
通常は 1 つの SPRTD ですべての範囲をカバーすることはできないため、温度範囲はいくつかの小さ
な範囲に分割されます。
この小範囲は、温度スケールのキャリブレーション点によって異なり、さまざまな純物質の融点また
は三重点に基づいて決まります。RTD のキャリブレーションに必要な要素の厳密なリストおよび詳細
な情報については、NIST Technical Note 1265 「Guidelines for Realizing the International Temperature
Scale of 1990 」を参照してください。各小範囲において、その小範囲で必要とされるキャリブレーシ
ョン定数が記載されています。
NTCT 温度計算
NTCT センサでは、温度は Steinhart-Hart 式を使用して計算されます。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 19
ここで、R は DMM によって測定された抵抗であり、T はその結果の温度 (ケルビン) です。
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
センサ係数の入力
センサ パラメータとして係数を入力できる RTD センサのタイプは 3 つあります。係数は RTD
のメーカーが提供する文書に記載されています。
以下のセンサで係数を入力できます。
• USER センサ
• NTCT センサ
• SPRTD センサ
係数値を入力するには、以下の手順を実行してください。
1. TEMP キーを押します。
2. CONFIG を押し、SENSOR を表示させてから、ENTER を押します。
3. ◄ または ► キーを使用して、センサ タイプ (NTCT 、SPRTD、ま たは USER) を表示させ ENTER
を押します。
4. ◄ および ► キーを使用して RTD パラメータを表示させて ENTER を押します。
5. ◄、 ►、 ▲、および ▼ キーを使用して係数値を入力し、ENTER を押します。
6. 手順 4 と 5 を繰り返し、すべての RTD パラメータの係数を入力します。
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使い、RTD センサのタイプを選択し、測定単位を設定します。
TEMPerature:RTD:TYPE <name> RTD センサのタイプを選択します
<name> = PT100、 D100、 F100、 PT385、 PT3916、 USER、 SPRTD または NTCT
UNIT <name> 温度測定単位を設定します
<name> = Cel 摂氏
= Far 華氏
= K ケルビン
3-20 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
以下のコマンドを使い、 USER センサのパラメータ係数を入力します。
TEMPerature:RTD:RZERo <n>
<n> = R-ゼロ値
TEMPerature:RTD:ALPHa <n>
<n> = Alpha 値
TEMPerature:RTD:BETA <n>
<n> = Beta 値
TEMPerature:RTD:DELTa <n>
<n> = Delta 値
以下のコマンドを使い、SPRTD センサのパラメータ係数を入力します。
TEMPerature:SPRTd:RZERo <n>
<n> = R-ゼロ値
TEMPerature:SPRTd:A4 <n>
<n> = A4 値
TEMPerature:SPRTd:B4 <n>
<n> = B4 値
TEMPerature:SPRTd:AX <n>
<n> = AX 値
TEMPerature:SPRTd:BX <n>
<n> = BX 値
TEMPerature:SPRTd:CX <n>
<n> = CX 値
TEMPerature:SPRTd:DX <n>
<n> = DX 値
以下のコマンドを使い、NTCT 係数リモート コマンドのパラメータ係数を入力します。
TEMPerature:NTCT:A <n>
<n> = A 値
TEMPerature:NTCT:B <n>
<n> = B 値
TEMPerature:NTCT:C <n>
<n> = C 値
温度を測定するには以下のコマンドを使用してください。
MEASure:TEMPerature?
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 21
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
熱電対測定
以下の表に、サポートしている熱電対 (TC) のタイプごとの温度範囲のリストを示します。
E
J
デフォルト
T
600 ~ 1820 1112 ~ 3308
0 ~ 2316 32 ~ 4200.8
-250 ~ 1000 -418 ~ 1832
-210 ~ 1200 -346 ~ 2192
0 ~ 1767 32 ~ 3212.6
0 ~ 1767 32 ~ 3212.6
-250 ~ 400 -418 ~ 752
C)
F)
熱電対を使った温度測定の設定。
• 熱電対のタイプ:B 、C 、E 、J 、K 、N 、R 、S 、T
• デフォルト設定:K
• 測定単位:°C または °F
• デフォルト設定:°C
• 基準接点:リアルまたはシミュレート
• デフォルト設定:リアル
• 熱電対測定は既知の温度を基準にします。基準接点は、リアルもしくはシミュレートのいずれか
にできます。
• リアル基準接点の場合、機器は内蔵している冷接点補正に基づいて温度測定を実行し、その測定
値を、引き続いて行われる熱電対測定の基準点として用います。
• シミュレート基準接点の場合、温度の測定値を基準温度として入力します。通常、シミュレート
基準接点の決定には氷浴が使われます。
3-22 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
フロント パネルの操作
モデル 2110 の熱電対測定の設定を行なうには、以下の手順を実行してください。
1. SHIFT キーを押してから TEMP (TCOUPL) を押してください。
2. センサ タイプ (B、 C、 E、 J、 K、 N、 R、 S、または T ) を選択します。
a. CONFIG を押し、 TYPE を表示させてから、ENTER を押します。
b. ◄ および ► キーを使用して熱電対タイプを表示させ ENTER を押します。
3. 温度測定単位 (°C、 °F、または K ) を選択します。
a. CONFIG を押し、◄ および ► キーを使用して UNITS を表示して、ENTER を押します。
b. ◄ および ► キーを使用して単位を表示させ ENTER を押します。
4. 基準接点 (リアルまたはシミュレート ) を選択します。
a. CONFIG を押し、◄ および ► キーを使用して RJUNCTION を表示して、ENTER を押します。
b. ◄ または ► キーを使用して REAL または SIMULATED を表示させ ENTER を押します。
c. SIMULATED を選択した場合は、◄ 、► 、▲ 、および ▼ キーを使って
基準温度を入力し、ENTER を押します。
温度を測定するには以下の手順を実行してください。
1. 以下に示すように、モデル 2110 に熱電対を接続します。
2. SHIFT を押し、TEMP (TCOUPL) を押します。
3. ディスプレイに表示される温度の測定値を観察してください。
内部冷接点温度を測定するには以下の手順を実行してください。
1. SHIFT キーを押してから TEMP (TCOUPL) を押してください。
2. CONFIG を押し、◄ および ► キーを使用して VIEW REAL を表示してから、ENTER を押しま
す。
3. ディスプレイに表示される温度の測定値 (°C) を観察してください。
熱電対を使って温度を測定するための接続
図 23: 熱電対を使った温度測定用の接続
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 23
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
温度測定の設定を行なうには以下のコマンドを使用してください。
UNIT <name> 温度測定単位を設定します
<name> = Cel 摂氏
= Far 華氏
= K ケルビン
TCOuple:TYPE <name> 熱電対のタイプを選択します
<name> = B、 C、 E、 J、 K、 N、 R、 S または T
TCOuple:RJUNction:RSELect <name> 基準接点を選択します
<name> = REAL リアル基準接点
= SIMulated シミュレート基準接点
TCOuple:RJUNction:SIMulated <n> シミュレート基準接点を設定します
<n> = -100 ~ 100 摂氏
以下のコマンドのいずれかを使用し、温度を測定し測定値を取り込みます。
MEASure:TCouple?
READ?
INIT の後に FETCH? を続ける
キャパシタンス測定
キャパシタンス測定の測定レンジは 1 nF 、10 nF 、100 nF 、1 µF、10 µF、100 µF、1 mF、および 10
mF です。
フロント パネルの操作
キャパシタンスを測定するには以下の手順を実行してください。
1. 以下に示すように、モデル 2110 にキャパシタンスを接続します。
2. SHIFT を押して、FREQ (
3. 測定レンジを選択します (オートまたは手動 )。
• オートレンジが電源投入時のデフォルトです。手動によるレンジ設定が選択されている (MAN インジケ
ータが点灯) 場合は、SHIFT キーを押し、ESC (AUTO) キーを押して、オートレンジを選択します。
• 手動で測定レンジを選択するには、RANGE の ▲ と ▼ キーを押します。
4. ディスプレイに表示される測定値を観察してください。
) キーを押します。
3-24 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
キャパシタンスを測定するための接続
図 24: キャパシタンス測定用の接続
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使い、キャパシタンス機能を選択し、測定レンジを設定して、測定を実行して
ください。
FUNCtion "PERiod" キャパシタンス機能を選択します
CAPacitance:RANGe <n> キャパシタンスのレンジを設定します
<n> = 0 ~ 10e-3 予想されるキャパシタンスの測定値を指定しま
す
CAPacitance:RANGe:AUTO <b> オートレンジの有効 /無効を切り替えます
<b> = 0 または OFF
= 1 または ON
READ? 測定を実行し、測定値を取り込みます
測定設定コマンドは、測定を実行するために使用することもできます。以下のコマンドを使い、キャ
パシタンス機能を選択し、測定レンジとディスプレイの分解能を設定して、測定を実行し、測定値を
取り込んでください。
MEASure:CAPacitance?<range>, <resolution>
<range>= 0 ~ 10e-3 予想されるキャパシタンスの測定値
キャパシタンスでは分解能は無視されます。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 25
ACV
Ω2/Ω4
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
二次測定機能
この機器には、2 種類の測定を行なう機能があります。二次的な測定機能、つまり二次機能 (2ND) を
有効にすると、2 種類の測定を同時に実行することができます (シリーズ測定)。 以下の表では、それ
ぞれの一次機能に対応する二次機能を記号 (• ) で示し、キャパシタンスを記号
イオードと導通の試験は、二次機能としては実行できません。
• •
•
• •
• • •
• • •
•
•
• •
Ω2/Ω4
•
(VOLT)
(CURR)
•
•
• • • •
•
(VOLT)
•
•
•
•
(CURR)
•
•
で示しています。ダ
(RTD)
•
•
•
•
•
•
•
•
• • • • • • • • • • •
•
•
3-26 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
同じ入力ソースの DCI と DCV を同時に測定するには、以下の図に示すように 3 本のテスト リードが
必要です。電圧測定と電流測定は INPUT LO 端子のリードを共有して使用します。しかし、LO に接
続された外部テスト リードの抵抗と、電流測定用の内部 LO 回路の抵抗が、測定の精度に影響を及ぼ
します。
電流測定用の内部 LO 回路の抵抗値は約 3 mΩ です。たとえば、LO テスト リードの抵抗値が 7 mΩ の
場合、共通抵抗値の合計は 10 mΩ になります。 機器により 1 A が測定された場合、電圧は以下に示
す影響を受けています。
1 A x 10 mΩ = 10 mV
したがって、電圧測定に 10 mV の誤差が発生しています。
図 25: 同じ入力ソースから DCI と DCV を測定する
フロント パネルの操作
二次機能で測定を行なうには以下の手順を実行してください。
1. 一次測定機能を選択し、被試験デバイスまたは信号を機器の入力に接続します。
2. SHIFT を押して ENTER (2ND ) キーを押します。
3. ◄ および ► キーを使用して二次機能を表示させて ENTER を押します。
4. プロンプト表示になったら、◄ 、► 、▲ 、および ▼ キーと ENTER キーを使用して、二次測定機
能を設定します。
5. ディスプレイに表示される測定値を観察してください。一次機能の測定値は一次ディスプレイに、
二次機能の測定値は二次ディスプレイに表示されます。
たとえば、DCV が一次機能に設定されていて、二次機能を DCI に設定する場合は以下のようにします。
1. 一次機能が DCV であることを確認します。
2. SHIFT を押して ENTER (2ND ) キーを押します。
3. ◄、 ►、 ▲、および ▼ キーを使用して DCI 機能を表示させます。
4. ENTER キーを押して、 DCI を二次機能として選択します。 CONFIGURE が表示されます。
5. ◄ および ► キーを使用してオプションを表示します (この例では NPLC および Range)。
6. 必要に応じて、オプションを設定します。 この例では、各オプションを設定するには CONFIGURE
メニューに戻る必要があることに注意してください。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 27
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
リモート操作
以下のコマンドを使い一次機能あるいは二次機能を選択します。
FUNction[1|2] "function"
数字 1 を使用するか、何も数字を入力しないと、一次機能が選択されます。数字 2 を入力すると、二
次機能が選択されます。以下はその例です。
FUNCtion "VOLTage[:DC]" 一次機能として DCV を選択します
FUNCtion1 "VOLTage[:DC]" 一次機能として DCV を選択します
FUNCtion2 "VOLTage[:DC]" 二次機能として DCV を選択します
以下のコマンドを使い一次機能あるいは二次機能を選択します。
FUNCtion[1|2] "VOLTage[:DC]" DCV 機能
FUNCtion[1|2] "VOLTage:AC" ACV 機能
FUNCtion[1|2] "CURRent[:DC]" DCI 機能
FUNCtion[1|2] "CURRent:AC" ACI 機能
FUNCtion[1|2] "FREQuency" FREQ 機能
FUNCtion[1|2] "FREQuency[:VOLT]" FREQ 機能 (電圧入力 )
FUNCtion[1|2] "FREQuency:CURR" FREQ 機能 (電流入力 )
FUNCtion[1|2] "PERiod" PERIOD 機能
FUNCtion[1|2] "PERiod[:VOLT]" PERIOD 機能 (電圧入力 )
FUNCtion[1|2] "PERiod:CURR" PERIOD 機能 (電流入力 )
FUNCtion[1|2] "RESistance" Ω 2 機能
FUNCtion[1|2] "FRESistance" Ω 4 機能
FUNCtion[1|2] "CAPacitance" キャパシタンス機能
FUNCtion[1|2] "TEMPerature" TEMP (RTD) 機能
FUNCtion[1|2] "TCOuple" 熱電対機能
FUNCtion[1|2] "NONE" 二次機能を無効化
FUNCtion[1|2]? 選択された一次機能もしくは二次機能を問い合わせます
トリガリングとデータ バッファ
トリガリングを使って、機器に 1 つもしくは複数の測定を開始させます。データ バッファ (メモリー)
には 2000 件までの測定値を格納できます。
機器のトリガ動作は、フロント パネルまたはリモート インタフェースから制御できます。
3-28 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
TRIG:COUN <n>
<n> = 1 ~ 50,000、MIN、MAX、INF
フロント パネルの操作には <n> = 2000
SAM:COUN <n>
<n> = 1 ~ 50,000、 MIN、または MAX
フロント パネルの操作には <n> = 2000
トリガ
数 = 1?
はい
はい
いいえ
いいえ
サンプル
数 = 1?
アイドル INI T
イベント待ち TRIG: SOUR <name>
<name> = IMM 、BUS 、または EXT
遅延 TRIG: DEL <n>
<n> = 1 ~ 3600 ( 秒)、 MIN 、または MAX
サンプリング
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
フロント パネルからのトリガリング
フロント パネル操作には 2 つのトリガ モードがあります。 自動トリガおよび外部トリガです。
自動トリガ
機器に電源が入ると、連続測定を実行するために自動トリガのモードになります。読み取り応答時間
は、トリガ遅延の設定、積分時間の設定および機器の他の設定により変わります。遅延の設定につい
ては、「フロント パネルでサンプル数を設定する 」(3-33
SHIFT を押し、TRIGGER (AUTO ) キーを押して、自動トリガを有効にするか、リストアします。
外部トリガ
外部トリガを使用すると、機器は TRIGGER キーが押されるたびにまたは EXT TRIG 入力パルスを
受信するたびに測定を 1 回 (もしくは指定された回数) 実行します。読み取り応答時間は、トリガ遅延
の設定、積分率の設定および機器の他の設定により変わります。遅延の設定については、「
ネルでトリガ遅延を設定する」(3-35 ページ) を参照してください。
サンプル カウンタでトリガを受信した時に実行される測定の回数を決定します。 指定された回数の
測定が実行されると、機器は次のトリガまで待機します。サンプル数の設定については、「
ネルでサンプル数を設定する」(3-33 ページ) を参照してください。TRIG インジケータが表示されて
いるならば、機器は次のトリガ イベントを処理する準備ができています。
ページ) を参照してください。
フロント パ
フロント パ
トリガ モデル
トリガ モデルは以下の通りです。
トリガまたはサンプル数をフロント パネルから設定した場合、最大値は 2000 です。 SCPI を使用し
て値を設定する場合、この制限は課されません。 ただし、いずれかの値で 9999 を超えると、関連し
たメニュー アイテム (SAMPLE CNT または TRIG CNT) でフロント パネルに OVLD と表示されます。
図 26:リモート トリガ モデル
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 29
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
機器がアイドル状態を離れ「イベント待機」状態にある時にトリガを受け取ると測定を開始します。
読み取り応答時間は、トリガ遅延の設定、積分時間の設定および機器の他の設定により変わります。
トリガ遅延の設定については、「フロント パネルでトリガ遅延を設定する」(3-35
ページ) を参照して
ください。
サンプル カウンタとトリガ カウンタにより、測定回数が決定されます。
• サンプル数とは、個々のトリガ イベントで実行される測定の回数です。
• トリガ数はトリガ イベントの件数で、この数のトリガ イベントを受け付けると機器はアイドル状
態に入ります。
測定値の件数はトリガ数とサンプル数の積になります。たとえば、トリガ数が 10、サンプル数が 20 の
場合、測定回数は 200 (20 x 10) となります。
カウンタの設定については、「リモート操作でサンプル数を設定する 」(3-33 ページ) および「
リモー
ト操作でトリガ数を設定する」(3-33 ページ) を参照してください。
トリガの例:
サンプル数を 10、トリガ数を 2 とします。機器は 2 件のトリガ イベントを受け入れます。最初のト
リガを受け付けた時に、10 回の測定が実行されます。2 件目のトリガを受け付けた時に、さらに 10 回
の測定が実行されます。その後、機器はアイドル状態に入ります。
トリガ ソース
リモート操作には、3 種類の トリガ ソース があります。即時、ソフトウェア (もしくはバス) および
外部です。
即時トリガ
機器が即時トリガ モードになっている時は、機器が「イベント待機」状態になると直ちにトリガが生
成されます。
内部即時トリガ モードはリモート操作を使用する場合にのみ利用でき、リモート インタフェースの
デフォルト設定となっています。
以下のコマンドを使用して、内部即時トリガを選択します。
TRIGger:SOURce IMMediate
ソフトウェア トリガ
ソフトウェア トリガは外部トリガと似ています。フロント パネルの TRIGGER キーを使用する代わ
りに、コマンドでトリガ イベントを生成します。
以下のコマンドを使用して、ソフトウェア トリガ ソースを選択します。
TRIGger:SOURce BUS
以下のコマンドを使用して、機器をアイドル状態から「イベント待機」状態にします。
INITiate
以下のコマンドを使用して、トリガ イベントを生成します。
*TRG
3-30 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
外部トリガ
TRIGGER キーによって、あるいは外部ソースからのパルスを受けて、機器にトリガが掛かります。
個々の測定の後、機器は VM COMP (電圧メーター完了) 端子に出力パルスを出します。この出力パル
スは他の機器で追加的な操作をするためのトリガとして使用できます。
外部トリガの典型的な使用方法は、この機器を外部トリガを生成できる切り替えシステムと共に使う
場合です。下図は 10 台の DUT (被測定装置) を自動テストするシステムを示しています。
切り替えシステムのチャネルが閉じた時、機器に外部トリガが掛かり測定を実行します。測定が完了
すると電圧メーター完了 (VM COMP) パルスを切り替えシステムが受け取り、次のチャネルを閉じま
す。この機器と切り替えシステムのハンドシェイク シーケンスは、10 台の DUT すべての測定が終わ
るまで続きます。
図 27:外部トリガを使った DUT テスト システム
以下のコマンドを使用して、外部トリガを有効にします。
TRIGger:SOURce EXTernal
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 31
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
EXT TRIG 端子
EXT TRG (外部トリガ ) 端子は機器のリア パネルにあります。この端子に負論理 (low-true) パルスを
送ることにより、機器にトリガを掛けることができます。
さらに、EXT TRG 端子に単純なスイッチを接続して機器にトリガを掛けることもできます。
図 28:EXT TRIG 端子
VM COMP 端子
リア パネルにある VM COMP (電圧メーター完了) BNC 端子は、個々の測定が終わるたびに負論理
(low-true) パルスを出力します。
図 29:VM COMP 端子
トリガ設定
以下の設定を使用してトリガの設定を行ないます。
• サンプル数
• トリガ数
• トリガ遅延
• 測定値保持
サンプル数、トリガ数、トリガ遅延および測定値保持はフロント パネルで設定できます。
サンプル数、トリガ数およびトリガ遅延はリモート操作で設定できます。
測定値のバッファへの格納については、「データ バッファ 」(3-36 ページ) を参照してください。
3-32 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
サンプル数
サンプル数は、機器にトリガが掛かった時に実行される測定の回数 (最大 2000) です。
サンプル数は、揮発性メモリに格納されます。機器の電源が切断され再投入されると、サンプル数は
デフォルトの 1 に戻ります。
フロント パネルでサンプル数を設定する
サンプル数を設定するには以下の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して CONFIG (MENU ) キーを押し、 MENU オプションを表示します。
2. ◄ および ► キーを使用して TRIG SYS を表示させ ENTER を押します。
3. ◄ および ► キーを使用して SAMPLE CNT を表示させ ENTER を押します。
4. ◄、 ►、 ▲、および ▼ キーを使用してサンプル数 (1 ~ 2000) を指定して、ENTER を押します。
リモート操作を使用してサンプル数を設定する
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
サンプル数を設定するには以下のコマンドを使用してください。
SAMPle:COUNt <n>
<n> = 1 ~ 2000 サンプル数
トリガ数
リモート操作では、トリガ数 (最大 2000) は、サンプル数回行う測定を実行する回数を指定します。
フロント パネルの操作では、トリガ数は無視されます。
トリガ数は、揮発性メモリに格納されます。機器の電源が切断され再投入されると、サンプル数はデ
フォルトの 1 に戻ります。
リモート操作を使用してトリガ数を設定する
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
フロント パネルを使用してトリガ数を変更できますが、この設定はリモート操作時にのみ適用され
ます。
トリガ数を設定するには以下のコマンドを使用してください。
TRIGger:COUNt <n>
<n> = 1 ~ 2000 トリガ数
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 33
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
トリガ遅延
通常、トリガ遅延は、入力信号に整定するための時間を与えてから測定するために使われます。整定
時間は、測定レンジ、テスト ケーブルの特性および信号源によって変わってきます。
電源投入時のデフォルト設定は自動遅延です。自動遅延の長さは、選択された測定機能、レンジ、積
分時間、AC フィルタ スピードの組み合わせにより決定されます。
自動トリガ遅延を使わないときは、手動で遅延時間を 0 ~ 3600 秒の間で設定できます。手動で設定
された遅延時間は揮発性メモリに格納されます。機器の電源が切断され再投入されると、自動遅延が
使用されます。
以下の表に、遅延時間を指定しない場合の、測定機能ごとの自動遅延の遅延時間を記載します。
(リモート インタフェース /外部トリガ )
(フロント パネル (自動トリガ有効 ))
Ω 2 および Ω 4
(PLC ≥ 1)
Ω 2 および Ω 4
(PLC > 1)
周波数/ 周期
キャパシタンス 1 nF ~ 10 mF
100 Ω ~ 100 kΩ
10 MΩ ~ 100 MΩ
100 Ω ~ 100 kΩ
リモート インタフェース/
外部
フロント パネル (自動トリ
ガ有効)
3-34 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
フロント パネルでトリガ遅延を設定する
自動トリガ遅延を使わないときは、遅延時間を 0 ~ 3600 秒の間で手動設定できます (分解能 100 µs) 。
手動で設定された遅延時間は揮発性メモリに格納されます。機器の電源が切断され再投入されると、
自動遅延が使用されます。
フロント パネルからトリガ遅延 (自動または手動) を設定するには、以下の手順に従います。
1. SHIFT を押して CONFIG (MENU ) キーを押し、MENU オプションを表示します。
2. ◄ および ► キーを使用して TRIG SYS を表示させ ENTER を押します。
3. ◄ および ► キーを使用して DELAY を表示させ ENTER を押します。
4. ◄ または ► キーを使用して AUTO または MANUAL を表示させ ENTER を押します。AUTO を
選択すると、メニュー構造から移動しても、自動遅延は有効のままになります。
5. 手動で遅延を設定するには、◄、►、▲、お よび ▼ キーを使い、トリガ遅延時間 (0 ~ 3600 秒) を
指定して ENTER キーを押します。
リモート操作を使用してトリガ遅延を設定する
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使用してトリガ遅延 (オートまたは手動) を設定してください。
TRIGger:DELay <n>
<n> = 0 ~ 3600 トリガ遅延 (秒 ) (分解能 100 µ s)
TRIGger:DELay:AUTO <b>
<b> = 0 または OFF 自動遅延を無効にします
= 1 または ON 自動遅延を有効にします
測定値保持
フロント パネル操作では、測定値保持機能が安定した測定値を取得し、ディスプレイ上に表示します。
リモート操作では、測定値保持機能は使えません。
測定値が 3 回連続して感度帯域内に収まっている場合、測定値は安定しているとみなされます。測定
値が感度帯域から外れた場合は、機器はビープ音を鳴らし、新規の安定値を表示します。
この感度帯域は、選択されたレンジでの測定値のパーセントで表され、ユーザがフロント パネルから
設定できます。感度帯域は 0.01 パーセント、0.1 パーセント、1.0 パーセントまたは 10 パーセントに
設定できます。電源投入時のデフォルト設定は 0.1 パーセントです。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 35
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
フロント パネルで測定値保持を設定する
測定値保持を有効にするには、SHIFT を押してから、HOLD インジケータが点灯するまで TRIGGER
を押します。測定値保持を無効にするには、再び SHIFT を押してから TRIGGER を押します (HOLD イ
ンジケータが消灯します)。
測定値保持の感度帯域を変更するには、以下の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して CONFIG (MENU ) キーを押し、MENU オプションを表示します。
2. ◄ および ► キーを使用して TRIG を表示させ ENTER を押します。
3. ◄ および ► キーを使用して READ HOLD を表示させ ENTER を押します。
4. ◄ および ► キーを使用して、設定する帯域設定 (0.01 % 、0.1 % 、1.0 % 、または 10.0 %) を表示
させ ENTER を押します。
データ バッファ
最大 2000 件の測定値を揮発性メモリーに格納できます。測定値はファーストイン-ファーストアウト
(FIFO) で格納されます。電源が切断されるとすべての測定値は失われます。
すべての測定機能、数学演算および測定値保持から測定値を格納することができます。フロント パネ
ルでデータ格納が有効にされた場合、ディスプレイ上の MEM インジケータが点灯します。
3-36 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
フロント パネルの操作
データ格納を使用する前に、測定機能を選択し設定しておいてください。
測定値の格納および引き出しを行うには以下の手順を実行してください。
1. 格納する測定値の件数を設定します。
a. SHIFT を押して CONFIG (MENU ) キーを押し、MENU オプションを表示します。
b. ◄ および ► キーを使用して TRIG SYS を表示させ ENTER を押します。
c. ◄ および ► キーを使用して STORE RDGS を表示させ ENTER を押します。
d. ◄、►、▲、および ▼ キーを使って格納する測定値の件数 (1 ~ 2000) を指定して、
ENTER を押します。
2. STORE キーを押し、格納処理を開始します。測定値が格納されている間は、MEM ディスプレイ
インジケータが点灯します。格納処理が終了する (MEM インジケータが消灯する) まで、格納さ
れた測定値を引き出さないでください。
3. SHIFT を押して STORE (RECALL) を押し、最初に格納された測定値を表示させます。
• 格納された測定値をスクロールさせるには、◄ および ► キーを使用します。
• 表示する測定値を指定するには、▼ キーを押して、◄ 、► 、▲、および ▼ キーを使って測定値の番号
を選択した後、 ENTER を押します。
4. 終わったら、ESC を押します。
自動トリガを使用している場合、STORE キーを押せば、測定値は即座にデータ バッファに格納され
ます。指定された数の測定値が格納されると、MEM インジケータは消灯します。詳細は、「
自動ト
リガ」(3-29 ページ) を参照してください。
外部トリガを使用している場合、TRIGGER キーを STORE キーを押した後に押すことにより、デー
タ バッファに最初の測定値を格納できます。その後、TRIGGER キーを押す度に、指定された件数の
測定値が格納される (MEM インジケータが消灯する) まで、測定値を格納し続けることができます。 詳
細は、「外部トリガ 」(3-29
ページ) を参照してください。
リモート操作
測定を開始するようトリガが掛かった場合、機器は指定された数の測定値をデータ バッファ (メモリ)
に格納します。
測定値の合計件数はトリガ数とサンプル数の積になります。詳細は、「サンプル数 」(3-33
「トリガ数 」(3-33 ページ) を参照してください。
以下のコマンドを使用して機器を「トリガ待機」状態にします。
INITiate
以下のコマンドを使用して、格納された測定値を取得します。
FETCh?
以下のコマンドを使用して、格納されている測定値の件数を問い合わせます。
DATA:POINts?
ページ) と
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 37
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
測定性能の向上のために
以下の機能や設定を使い、測定性能を向上させられます。
• オートゼロ (3-38 ページ )
• レンジ選択 (3-39 ページ )
• 分解能と積分時間 (3-41 ページ )
• デジタル フィルター (3-47 ページ )
オートゼロ
• 数学演算 (3-48 ページ)
機器は、入力信号を定期的にゼロと比較することによってドリフトを補正できます。 これは、自動的
にあるいは要求時に行われるようセットアップすることができます。
機器を自動的にゼロと比較するには、オートゼロをオンに設定します。 要求時にのみ比較するには、
オートゼロをオフにします。
機器が入力信号のゼロ点調整を行う際、入力信号が測定されてからゼロが測定されます。ゼロ測定を
するために、入力信号は内部で遮断され、ゼロ オフセットが測定されます。その後、信号測定値から
ゼロ オフセットを引き、その値を表示します。
表示される測定値 = 入力信号測定値 - ゼロ オフセット測定値
入力信号をゼロ点調整すると、ゼロ オフセットが測定値から除かれるので正確な測定値をもたらしま
す。
オートゼロは、電源投入時に有効になっています。 これがオンになっている場合、機器はおよそ 2 秒
ごとにゼロ測定を行います。
オートゼロによって測定の速度が落ちる可能性があります。 速度を上げるには、オートゼロをオフに
します。 これによって測定速度は上がりますが、時間の経過とともに精度が落ちます。 オートゼロ
をオフにした場合、ZERO:AUTO ONCE コマンドを定期的に使用して精度を保持する必要があります。
以下の状態の場合に、機器はゼロ測定を 1 回行います。
• 別の測定機能を選択した場合。
• 機器が ZERO:AUTO コマンドを処理した時点 (ON、OFF、または ONCE)。
フロント パネルまたはリモート操作を使用して、オートゼロの有効/無効を切り替えます。
フロント パネルの操作
オートゼロを制御するには以下の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して、CONFIG (MENU ) キーを押します。
2. ◄ および ► キーを使用して SET ADC を表示させ ENTER を押します。
3. AUTO ZERO が表示されたら、ENTER を押します。
4. ◄ または ► キーを使用して ON または OFF を表示させ ENTER を押します。
3-38 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
リモート操作
オートゼロを使用するには以下のコマンドを使用してください。
SENSe:ZERO:AUTO <name> オートゼロを制御する
<name> = ON オートゼロを有効にする
= OFF オートゼロを無効にする
レンジ選択
最高の精度と分解能を得るため、測定を実行する際は常に適切なレンジを使用してください。オート
レンジを有効にすると、機器は自動的に最適な測定レンジを選択します。オートレンジは電源投入時
のデフォルト設定でオンになっています。
いくつかの方法で、測定レンジ (またはオートレンジ) を選択できます。
• フロント パネルのキーを使って、レンジの選択またはオートレンジの制御ができます。
• レンジの選択またはオートレンジの制御には設定メニューを使用します。
オートレンジと手動のレンジ設定の違いは、整定時間です。オートレンジは便利ですが、普通は、手
動で選択されたレンジの方が高速に処理を行えます。
入力信号が許容レンジを超える場合は、「OVLD 」メッセージが表示されます。 測定値のしきい値は、
最大でレンジの 120 % 、最小でレンジの 10 % です。
温度、導通およびダイオードの試験では、測定レンジは固定で、変更できません。
フロント パネルの操作
フロント パネルのキーを使用して測定レンジを設定するには以下の手順を実行します。
1. 測定機能を選択します。
2. 測定レンジを選択するか、オートレンジを使用します。
• RANGE の ▲ および ▼ キーを使用してレンジを選択します。MAN インジケータが点灯し、手動による
レンジ設定が使用されていることを示します。
• SHIFT を押した後、ESC (AUTO ) を押して、手動によるレンジ設定とオートレンジを切り替えます。オ
= ONCE オートゼロを 1 度だけ実行する
ートレンジが選択されると、MAN インジケータは消灯します。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 39
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使用して、測定レンジを設定します。
<function>:RANGe <n> 予想される測定値を指定します
<function> = VOLTage[:DC] <n> = -1000 ~ 1000ボルト DC
= VOLTage:AC = 0 ~ 750 ボルト AC
= CURRent[:DC] = -10 ~ 10 アンペア DC
= CURRent:AC = 0 ~ 10 アンペア AC
= RESistance = 0 ~ 100e6 オーム (2 線 )
= FRESistance = 0 ~ 100e6 オーム (4 線 )
= FREQuency[:VOLT] = 0 ~ 750 ボルト AC (電圧入力 )
= FREQuency:CURRent = 0 ~ 10 アンペア AC (電流入力 )
= PERiod[:VOLT] = 0 ~ 750 ボルト AC (電圧入力 )
= PERiod:CURRent = 0 ~ 10 アンペア AC (電流入力 )
= CAPacitance = 0 ~ 10e-3 ファラデー
<function>:RANGe:AUTO <b> オートレンジの有効 /無効を切り替えます
<function> = VOLTage[:DC] <b> = 0 または OFF オートレンジを無効にします
= VOLTage:AC = 1 または ON オートレンジを有効に
します
= CURRent[:DC]
= CURRent:AC
= RESistance
= FRESistance
= FREQuency[:VOLT]
= FREQuency:CURRent
= PERiod[:VOLT]
= PERiod:CURRent
= CAPacitance
3-40 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
分解能と積分時間
積分時間は以下の測定機能で設定できます。
• NPLC は、DCV、DCI、Ω2、および Ω4 機能で設定できます。
• 帯域幅は ACV、ACI 機能で設定できます。
• アパーチャは FREQ および PERIOD 機能で設定できます。
モデル 2110 のフロント パネルは、下記の測定機能で、5½ 桁と 4½ 桁の分解能で表示できます。DCV、
DCI、 ACV、 ACI、Ω2 、Ω4 、 FREQ、 PERIOD、 TEMP (RTD)、および TCOUPL。リモート操作で取
り込まれた実測値の分解能は、 DCV、 DCI、 ACV、 ACI、 Ω2 、および Ω 4 機能にのみ設定できます。
DC および抵抗測定での積分時間と分解能
DCV、 DCI、Ω2 、および Ω 4 測定の積分時間は、 NPLC として表されます。
50 Hz の電源電力では次のようになります。
1 PLC = 1/50 = 0. 02 s (測定値換算当たり)
60 Hz の電源電力では次のようになります。
以下の表に、表示分解能、積分時間および測定値分解能の関係を示します。積分時間を設定すると、
機器は測定値分解能を自動的に更新します。 たとえば、100 VDC レンジを選択した場合、積分時間
を 0.006 PLC と設定すると、表示分解能は 4½ 桁に設定され、測定値分解能は自動的に 0.0 2 (0.0002
x 100 V) に設定されます。
表示分解能を変更すると、積分時間も変更されます。 桁数を 4½ に変更した場合、積分時間は 0.02 PLC
に設定されます。 桁数を 5½ に設定した場合、積分時間は 1 PLC に設定されます。
デフォルトの積分時間設定は 1 PLC です。
1 PLC = 1/60 = 0. 0167 s (測定値換算当たり)
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 41
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
)
スケール レンジ
4½ 桁
4½ 桁
0.02 PLC
0.0002 x フル スケール レンジ
0.0001 x フル スケール レンジ
スケール レンジ
5½ 桁
5½ 桁
0.00001 x フル スケール レンジ
0.000005 x フル スケール レンジ
スケール レンジ
5½ 桁
5½ 桁
5½ 桁
10 PLC
0.000002 x フル スケール レンジ
0.000001 x フル スケール レンジ
0.0000003 x フル スケール レンジ
演算処理が有効になっていて、積分率が 0.6 PLC よりも速い場合、最大読み取り応答時間に大きく
影響します。 たとえば、演算処理が有効になっていて 0.001 PLC の場合、最大比率は毎秒 6,000 件
の測定値になります。 詳細については、数学演算 (3-48 ページ) を参照してください。
フロント パネルの操作
表示分解能の設定を行うには以下の手順を実行してください。
1. DCV、 DCI、Ω 2、または Ω 4 測定機能を選びます。
2. DIGITS キーを使用して、表示分解能を設定します。キーを押すたび、表示は 4½ 桁と 5½ 桁の間
で切り替わります。
積分時間 (速度) を設定するには以下の手順を実行してください。
1. DCV、 DCI、Ω 2、または Ω 4 測定機能を選びます。
2. CONFIG キーを押し、◄ および ► キーを使用して NPLC を表示させ、ENTER を押します。
3. ◄ および ► キーを使用して PLC 値を表示させて ENTER を押します。
3-42 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
VOLTage[:DC]:NPLCycles <n>
CURRent[:DC]:NPLCycles <n>
FRESistance:NPLCycles <n>
VOLTage[:DC]:RESolution <n>
CURRent[:DC]:RESolution <n>
RESistance:RESolution <n>
FRESistance:RESolution <n>
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
積分時間を設定するには以下のコマンドを使用してください。
DCV の積分時間を設定します
の積分時間を設定します
Ω2 の積分時間を設定します
Ω4 の積分時間を設定します
分解能を設定するには以下のコマンドを使用してください。
<n> = 0.001 ~ 100
DCV の分解能を設定します
DCI の分解能を設定します
Ω2 の分解能を設定します
Ω の分解能を設定します
<n> = ( 注参照)
測定分解能
<resolution> に設定される分解能レンジは、選択された機能とレンジによって異なります。DC 測定
の最大値は 3.00e-04 x フルスケール レンジ、最小値は 3.00e-07 x フルスケール レンジです。たとえ
ば、DCV のレンジが 1000 V の場合、最小値は (3.00e-07 x 1000 V = 3.00e-04) となります。最大値
は (3.00e-04 x 1000 V = 3.00e-01) となります。したがって、DCV のレンジが 1000 V の場合は、
<resolution> = 3.00e-04 ~ 3.00e-01 となります。
たとえば、DCI のレンジが 10 A の場合、最小値は (3.00e-07 x 10 A = 3.00e-06) となります。最大値
は (3.00e-04 x 10 A = 3.00e--03) となります。したがって、DCI のレンジが 10 A の場合は、
<resolution> = 3.00e-06 ~ 3.00e-03 となります。
たとえば、Ω2 および Ω でレンジが 1.00e+08 Ω の場合、最小値は (3e-07 x 1.00e+08 Ω = 30) にな
ります。 最大値は (3.00e-04 x 1.00e+08 Ω = 3.00e+04) となります。 したがって、Ω 2 および Ωで
レンジが 1.00e+08 Ω の場合、<resolution> = 30 ~ 3.00e+04 となります。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 43
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
AC 測定の帯域幅と分解能
ACV と ACI 測定では AC フィルタが使用されます。AC フィルタは測定速度に影響します。以下の表
に示すように、AC フィルタには次の 3 つの帯域幅があります。低速、中速、高速です。 低速フィル
タを使用すると、低い周波数入力 (3Hz まで) を測定できます。 高速フィルタを使用した場合、周波
数の感度が低くなりますが、測定速度は速くなります。 中速フィルタは感度と速度の妥協点です。
デフォルトの帯域幅の設定は 20 Hz (中速) です。帯域幅と分解能はフロント パネルかリモート プロ
グラミングで設定できます。AC 帯域幅の設定は、揮発性メモリに格納されます。 機器への電源が切
断・再投入されると、中速の設定が復元されます。
AC
AC
)
)
3 Hz ~ 300 kHz 低速 7 秒 (測定ごと) 1.5 秒 (測定ごと)
中速
測定ごと
測定ごと
200 Hz ~ 300 kHz 高速 0.1 秒 (測定ごと) 0.1 秒 (測定ごと)
帯域幅表の時間は、トリガ遅延が AUTO に設定されている場合にのみ適用されます。 トリガ遅延が
MANUAL に設定されている場合、帯域幅の表で指定されている遅延ではなく、手動遅延が適用され
ます。 MANUAL トリガ遅延モードでは、機器はローカル モードとリモート モードで同じ遅延を使
用します。
AC フィルタはフロント パネルかリモート操作で設定できます。
フロント パネルの操作
AC フィルタの設定を行うには以下の手順を実行してください。
1. ACV キーを押し、CONFIG キーを押します。
2. ◄ および ► キーを使用して BAND WIDTH を表示させ ENTER を押します。
3. ◄ および ► キーを使用して、設定する帯域設定 (3 Hz 、20 Hz、ま た は 200 Hz) を表示させ ENTER
を押します。
表示分解能の設定を行うには以下の手順を実行してください。
1. ACV または ACI 測定機能を選択します。
2. DIGITS キーを使用して、表示分解能を設定します。キーを押すたび、表示は 4½ 桁と 5½ 桁の間
で切り替わります。
3-44 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
AC 帯域幅を設定するには以下のコマンドを使用してください。
DETector:BANDwidth <n>
<n> = 3 3 Hz 設定
= 20 20 Hz 設定
= 200 200 Hz 設定
分解能を設定するには以下のコマンドを使用してください。
VOLTage:AC:RESolution <n> ACV の分解能を設定します
CURRent:AC:RESolution <n> ACI の分解能を設定します
<resolution> に設定される分解能レンジは、選択された機能とレンジによって異なります。AC 測
定の最大値は 1.00e-04 x フルスケール レンジ、最小値は 1.00e-06 x フルスケール レンジです。
たとえば、ACV のレンジが 750 V の場合、最小値は (1.00e-06 x 750 V = 7.50e-04) となります。 最
大値は (1.00e--04 x 750 V = 7.50e-02) となります。 したがって、ACV のレンジが 750 V の場合は、
<resolution> = 7.50e-04 ~ 7.50e-02 となります。
たとえば、ACI のレンジが 10 A の場合、最小値は (1.00e--06 x 10 A = 1.00e-05) となります。最大
値は (1e-04 x 10 A = 1e--03) となります。 したがって、ACI のレンジが 10 A の場合は、
<resolution> = 1.00e--05 ~ 1.00e-03 となります。
<n > = (注参照 ) 測定分解能
周波数および周期測定のアパーチャと分解能
周波数および周期測定の場合、アパーチャは積分時間に類似します。アパーチャの設定は 0.01 秒 (4½
桁分解能)、0.1 秒 (5½ 桁分解能) もしくは 1 秒 (5½ 桁分解能) です。デフォルトのアパーチャは 0.1 秒
(5½ 桁分解能) です。
表示分解能は、4½ 桁もしくは 5½ 桁分解能に設定できます。表示分解能を変更すると、アパーチャ
が変更されることがあります。4½ 桁の分解能を選択すると、アパーチャは 0.01 秒に設定されます。
5½ 桁の分解能を選択すると、アパーチャは 0.1 秒に設定されます。
リモート プログラミングでは分解能の設定はできません。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 45
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
フロント パネルの操作
アパーチャ (積分時間) を設定するには以下の手順を実行してください。
1. 周波数測定または周期測定機能を選択します。
• 周波数を選択するには、FREQ キーを押します。
• 周期を選択するには、FREQ を押してから、CONFIG を押します。PERIOD が表示されたら、ENTER を
押します。
2. FREQ または PERIOD 測定機能を選択します。
3. CONFIG キーを押してから、◄ および ► キーを使用して APERTURE を表示し、その後 ENTER
を押します。
4. ◄ および ► キーを使用してアパーチャ時間を表示させて ENTER を押します。
表示分解能の設定を行うには以下の手順を実行してください。
1. 周波数測定または周期測定機能を選択します。
• 周波数を選択するには、FREQ キーを押します。
• 周期を選択するには、FREQ を押してから、CONFIG を押します。PERIOD が表示されたら、ENTER を
押します。
2. DIGITS キーを使用して、表示分解能を設定します。キーを押すたび、表示は 4½ 桁と 5½ 桁の間
で切り替わります。
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
アパーチャ時間を設定するには以下のコマンドを使用してください。
FREQuency:APERture <n> FREQ のアパーチャ時間を設定します
PERiod:APERture <n> PERIOD のアパーチャ時間を設定します
<n> = 0.01 0.01 秒アパーチャ
= 0.1 0.1 秒アパーチャ
= 1 1 秒アパーチャ
3-46 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
デジタル フィルタ
ノイズの入る測定を安定化させるため、デジタル フィルタを使い、フィルタ レスポンスを設定でき
ます。この機器では、測定値の変換に基づいたデジタル フィルタが使われています。表示、格納また
は転送される測定値は、複数の測定値の変換 (2 ~ 100 件) を平均したものです。
フィルタされた測定値はスタック メモリに格納されます。デジタル フィルタには、次の 2 つのタイ
プがあります。移動平均と繰り返し平均です。
• 移動平均フィルタは、ファーストイン、ファーストアウト (FIFO) で指定数の測定値の変換を行い
ます。最初の測定値は、スタックすべてに入れられます。 フィルタは、スタック内の測定値を平
均して単一の測定値とします。
後続の測定値の変換では、スタック内の最も古い測定値が置き換えられます。スタック内の測定
値が再び平均され、単一の測定値とされます。
• 繰り返し平均フィルタでは、測定値の変換でスタックが満たされるのを待ちます。その後、フィ
ルタは、スタック内の測定値を平均して単一の測定値とします。後続の測定では、フィルタはス
タックをいったん空にし、再び測定値の変換で満たされるのを待ちます。その後、測定値を平均
し、単一の測定値とします。
デジタル フィルタは、ダイオード、導通、周波数、または周期測定には使用できません。
デジタル フィルタの設定は、揮発性メモリに格納されます。 電源投入時に、デジタル フィルタは無
効になっています。
フロント パネルの操作
選択した機能のデジタル フィルタを有効にして設定するには、以下の手順を実行してください。
1. 測定機能を選択します。たとえば、 DC 電圧機能を選択するには DCV キーを押します。
2. SHI FT を押して、 DIGITS (FILTER ) キーを押します。
3. ◄ および ► キーを使用して、フィルタのタイプ (MOVING AVG または REPEAT AVG ) を表示さ
せ ENTER を押します。
4. ► キーを押して READINGS を表示させ ENTER を押します。
5. ◄、 ►、 ▲、および ▼ キーを使用して平均する測定値の件数を指定し、ENTER を押します。
6. RUN が表示されたら、ENTER を押し、フィルタを有効にします。デジタル フィルタが有効にな
ると、FILT インジケータが点灯します。
選択した機能のデジタル フィルタを無効にするには、以下の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して、DIGITS (FILTER ) キーを押します。
2. ► キーを使用して OFF を表示させ ENTER を押します。 FILT インジケータが消灯します。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 47
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使用して、デジタル フィルタを有効にしてその設定を行います。
AVERage:TCONtrol <name> フィルタ タイプを選択します
<name> = MOVing 移動平均フィルタ
= REPeat 繰り返し平均フィルタ
AVERage:COUNt <n> 平均する測定値の件数を設定します
<n> = 2 ~ 100 平均する測定値の件数
AVERge:STATe <b> デジタル フィルタの有効 /無効を切り替えます
<b> = 0 または OFF デジタル フィルタを無効にします
数学演算
以下の数学演算を実行できます。
• PERCENT
• AVERAGE
• NULL
• LIMITS
• mX+b
• dB
= 1 または ON デジタル フィルタを有効にします
• dBm
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2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
これらの数学演算は、以下の表に示されている測定機能で利用できます。数学演算が有効になってい
ると、ディスプレイの MATH インジケータが点灯します。
PERCENT
RATIO
•
• • • •
•
• • • •
DCI、 ACI、Ω2/Ω4 、 FREQ、
PERIOD、 、TEMP (RTD)、お
/ CONT
よび TCOUPL。
• •
• •
dB
•
•
•
•
演算処理が有効になっていて、積分率が 0.6 PLC よりも速い場合、最大読み取り応答時間に大きく影
響します。 演算処理が有効になっている場合の最大比率は以下のとおりです。
• 0.001 PLC の場合は毎秒 6000 件の測定値
• 0.006 PLC の場合は毎秒 4000 件の測定値
• 0.02 PLC の場合は毎秒 2000 件の測定値
• 0.06 PLC の場合は毎秒 800 件の測定値
• 0.2 PLC の場合は毎秒 280 件の測定値
Percent
この数学関数では、指定した目標値に対する測定結果の測定値の比率を百分率で計算します。百分率
を計算する式を以下に示します。
設定された目標値は揮発性メモリに格納され、機器の電源が切られるかリモート インタフェースがリ
セットされるとクリアされます。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 49
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
フロント パネルの操作
百分率数学関数を使用するには以下の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して、NULL (MATH ) キーを押します。
2. ◄ および ► キーを使用して PERCENT を表示させ ENTER を押します。
3. ◄ および ► キーを使用して TARGET を表示させ ENTER を押します。
代わりに RUN メニュー オプションを選択すると、現行の目標値を使った百分率機能が有効にな
りますのでご注意ください。
4. ◄、►、▲、および ▼ キーを使用して目標値を入力します。極性表示はプラスとマイナスでトグ
ルできることに注意してください。
5. ENTER キーを押します。MATH インジケータが点灯します。
他のファンクション キーを押せば、数学演算を無効にできます。以下のようにして演算メニューから
この演算を無効にすることもできます。
1. SHIFT を押して、NULL (MATH ) キーを押します。
2. ◄ および ► キーを使用して OFF を表示させ ENTER を押します。
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使用して、百分率数学関数の設定と制御を行います。
CALCulate:FUNCtion PERCent 百分率数学関数を選択します
CALCulate:PERCent:TARGet <n> 目標値を設定します
<n> = (注参照) 目標値を設定します (1 分解能)
選択した機能により、目標値設定のレンジは変わります。たとえば、 DCV の場合、目標値は -1200 ~
1200 に設定できます。
CALCulate:STATe <b> 数学演算の有効 /無効を切り替えます
<b> = 0 または OFF 演算を無効にします
= 1 または ON 演算を有効にします
Average
平均数学関数が選択されると、機器は測定を実行し、平均測定値を二次ディスプレイに表示します。
測定件数とともに、測定値の最小値と最大値を表示することもできます。
平均数学関数で取り込まれたデータは、揮発性メモリに格納されます。このデータは、機器の電源の
切断・再投入、またはリモート インタフェースのリセットの際に失われます。
平均数学関数は、フロント パネルからまたはリモート操作で使用できます。
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2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
フロント パネルの操作
平均数学関数を使用するには以下の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して、NULL (MATH ) キーを押します。
2. ◄ および ► キーを使用して AVERAGE を表示させ ENTER を押します。
3. RUN が表示されたら、ENTER を押します。 MATH インジケータが点灯します。
一次ディスプレイ (上段 ) は測定値を、二次ディスプレイ (下段 ) は、測定済みの測定値の平均
(AVG ) を表示します。
4. ◄ および ► キーを使用して、測定値の最大値 (MAX )、最小値 (MIN )、および測定件数 (COUNT )
を表示させます。
他のファンクション キーを押せば、数学演算を無効にできます。以下のようにして演算メニューから
この演算を無効にすることもできます。
1. SHIFT を押して、NULL (MATH ) キーを押します。
2. ◄ および ► キーを使用して OFF を表示させ ENTER を押します。
リモート操作
以下のコマンドを使用して、平均数学関数の設定と制御を行います。
CALCulate:FUNCtion AVERage 平均数学関数を選択します
CALCulate:STATe <b> 数学演算の有効 /無効を切り替えます
<b> = 0 または OFF 演算を無効にします
= 1 または ON 演算を有効にします
以下のコマンドを使い、測定値の件数、最小値、最大値および平均を取り込みます。
CALCulate:AVERage:MINimum?
CALCulate:AVERage:MAXimum?
CALCulate:AVERage:AVERage?
CALCulate:AVERage:COUNt?
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 51
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
Null
Null 機能が有効になっているときには、表示される測定値は測定された入力信号の測定値と格納され
ている Null 値 (相対値とも呼ばれます) との差になっています。
表示される測定値 = 測定された測定値 - Null 値
測定値により、または値を指定することで、Null (相対) 値を取り込むことができます。Null 値は揮発
性メモリに格納されており、機器の電源が切断・再投入されるとクリアされます。
Null 機能の代表的な使用法。
• 低レベルの抵抗測定を不正確にする恐れのある、テスト リードの抵抗値を取り除く。後続の抵抗の測定
値から、テスト リードの抵抗値を除外します。
• 測定値をシフトするための基底レベル (電圧など) を確定する。 たとえば、5 V Null レベルが設定される
と、5 V の入力信号の測定値は 0 V として表示されます。
Null 機能は、すべての機能 (導通、ダイオード、および比率を除く ) で使用できます。
Null 機能と他の数学関数は同時に使用できない場合があります。
フロント パネルの操作
Null 機能は、フロント パネルからまたはリモート操作で使用できます。
測定値を Null 値として使用するには以下の手順を実行してください。
1. 測定機能を選択し、設定します。
2. 機器への入力に Null 信号もしくはデバイスを接続します。
テスト リードの抵抗を除外するには、複数のテスト リードを入力に接続し短絡させます。
3. NULL キーを押します。MATH インジケータが点灯し、ゼロ値 (またはゼロ近似) が表示されます。
4. Null 信号もしくはデバイスを取り外し、測定する信号もしくはデバイスを接続します。表示され
る個々の測定値は、測定値から Null 値を減算したものです。
Null 値を入力するには、以下の手順を実行してください。
1. 測定機能を選択し、設定します。たとえば、 DC 電圧機能を選択するには DCV キーを押します。
2. SHIFT を押して、NULL (MATH ) キーを押します。
3. ◄ および ► キーを使用して NULL を表示させ ENTER を押します。
4. ◄ および ► キーを使用して NULL VALUE を表示させ ENTER を押します。
代わりに RUN メニュー オプションを選択すると、現行の Null 値を使った Null 機能が有効になり
ますのでご注意ください。
5. ◄、►、▲、および ▼ キーを使用して Null 値を設定します。極性表示はプラスとマイナスでト
グルできることに注意してください。
6. ENTER キーを押します。 MATH インジケータが点灯します。
Null キーを押せば、数学演算を無効にできます。以下のようにして演算メニューからこの演算を無効
にすることもできます。
1. SHIFT を押して、NULL (MATH ) キーを押します。
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2. ◄ および ► キーを使用して OFF を表示させ ENTER を押します。
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM の基本操
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使用して、Null 機能の設定と制御を行います。
CALCulate:FUNCtion NULL Null 機能を選択します
CALCulate:NULL:OFFSet <n> Null 値を設定します
<n> = (注参照) 値を設定します (1 分解能)
選択した機能により、 Null 値設定のレンジは変わります。たとえば、DCV の場合、Null 値は -1200 ~
1200 に設定できます。
CALCulate:STATe <b> 数学演算の有効 /無効を切り替えます
<b> = 0 または OFF 演算を無効にします
Limits
リミット テストで高・低リミット値を設定できます。測定値がリミット外である場合、機器はビープ
音を鳴らし、"HI" または "LO" のメッセージを表示します。
リミット値は、揮発性メモリに格納されます。機器の電源が切れると、この値はゼロにリセットされ
ます。リミット機能は、すべての機能 (導通とダイオード測定を除きます) で使用することができます。
USB ポートをリミット テストのステータス インジケータとして使用する方法の詳細については、
= 1 または ON 演算を有効にします
「 USB コネクタからの合格/失敗出力 」 (C-6
ページ ) を参照してください。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 3- 53
3: DMM の基本操作 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
フロント パネルの操作
リミット機能を使用するには以下の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して、NULL (MATH ) キーを押します。
2. ◄ および ► キーを使用して LIMITS を表示させ ENTER を押します。
3. 高・低リミット値を設定します。
a. ◄ および ► キーを使用して HIGH LIMIT を表示させ ENTER を押します。
代わりに RUN メニュー オプションを選択すると、現行のリミット値を使ったリミット機能が有
効になりますのでご注意ください。
b. ◄ 、► 、 ▲ 、および ▼ キーを使用して高リミット値を設定します。極性表示はプラスとマイ
ナスでトグル
できることに注意してください。ENTER キーを押します。
c. ◄ および ► キーを使用して LOW LIMIT を表示させ ENTER を押します。
d. ◄、►、▲、および ▼ キーを使用して低リミット値を入力し、ENTER を押します。
4. RUN が表示されたら、ENTER を押します。MATH インジケータが点灯し、リミット テストが
開始されます。
他のファンクション キーを押せば、数学演算を無効にできます。以下のようにして演算メニューから
この演算を無効にすることもできます。
1. SHIFT を押して、NULL (MATH ) キーを押します。
2. ◄ および ► キーを使用して OFF を表示させ ENTER を押します。
リモート操作
コマンドのうち <n> パラメータを使用するものでは、MINimum および MAXimum ネーム パラメ
ータを使用できます。MIN は最小値を、MAX は最大値を選択します。
以下のコマンドを使用して、リミット テストの設定と制御を行います。
CALCulate:FUNCtion LIMit リミット機能を選択します
CALCulate:LIMit:LOWer <n> 低リミットを設定します
CALCulate:LIMit:UPPer <n> 高リミットを設定します
<n> = (注参照 ) 値を設定します (1 µ 分解能 )
選択した機能により、リミット値設定のレンジは変わります。たとえば、DCV の場合、リミット値
は -1200 ~ 1200 に設定できます。
CALCulate:STATe <b> 数学演算の有効 /無効を切り替えます
<b> = 0 または OFF 演算を無効にします
= 1 または ON 演算を有効にします
3-54 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 3: DMM
mX+b
この数学関数は、測定値 (X) に倍率係数 (m) を乗じ、さらにオフセット (b) を加算します。 計算結果 (y)
が機器に表示されます。
y = mX + b
フロント パネルまたはリモート操作により、この数学関数を有効にして m および b の値を設定でき
ます。設定した値は揮発性メモリに格納され、機器の電源が切れると失われます。
フロント パネルの操作
mX+b 機能を使用するには以下の手順を実行してください。
1. SHIFT を押して、NULL (MATH ) キーを押します。
2. ◄ および ► キーを使用して MX+B を表示させ ENTER を押します。
3. m および b の値を設定します。
a. ◄ および ► キーを使用して SET M を表示させ ENTER を押します。
代わりに RUN メニュー オプションを選択すると、現行の m および b の値を使った mX+b が有効にな
りますのでご注意ください。
b. ◄、► 、▲ 、および ▼ キーを使用して m 値を設定します。極性表示はプラスとマイナスでトグルでき
ることに注意してください。
c. ENTER キーを押します。
d. ◄ および ► キーを使用して SET B を表示させ ENTER を押します。
e. ◄、 ►、 ▲、および ▼ キーを使用して b の値を入力し、ENTER を押します。
4. RUN が表示されたら、ENTER を押します。 MATH インジケータが点灯します。
他のファンクション キーを押せば、数学演算を無効にできます。以下のようにして演算メニューから
この演算を無効にすることもできます。
1. SHIFT を押して、NULL (MAT H ) キーを押します。
2. ◄ および ► キーを使用して OFF を表示させ ENTER を押します。
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