モデル 2110 5½ 桁マルチメーター
リファレンス マニュアル
2110-901-02 Rev. C / 2013 年 8 月
www.keithley.com
*P211090102C*
2110-901-02
A Greater Measure Of Confidence
A Tektronix Company
モデル
5½ 桁マルチメーター
リファレンス マニュアル
© 2013, Keithley Instruments, I nc.
Cleveland, Ohio, U.S.A.
著作権所有
Keithley Instruments の書面による事前の承諾なしに、
本書の内容の全部または一部を無断で複製、コピー、または使用することは固く禁じられています。
Keithley Instruments のすべての製品名は Keithley Instruments, Inc. の
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文書番号: 2110-901-02 Rev. C / 2013 年 8 月
安全使用上の注意
この製品および関連機器を使用するときには、以下の安全使用上の注意に従わなければなりません。一部の機器およびアクセサ
リは、通常危険性のない電圧で使用されますが、危険な状態が発生しうる状況があります。
この製品は、感電の危険性について認識しており、発生しうる傷害を避けるのに必要な安全使用上の注意について熟知している
資格を持った担当者が使用するためのものです。製品を試用する前に、設置、操作およびメンテナンス情報のすべてをよく良く
読んでこれに従ってください。詳細な製品仕様については、ユーザー マニュアルを参照してください。
この製品を指定以外の方法で使用した場合には、製品の保証による保護が制限される場合があります。
製品ユーザーには、以下のタイプがあります。
責任組織 は、機器の使用およびメンテナンスに責任を負う個人またはグループで、機器がその仕様および使用制限の範囲内で使
用されるようにするとともに、オペレータを適切に訓練する責任を負います。
オペレータ は、製品をその意図する目的に使用します。電気についての安全手順および機器の適切な使用法について訓練を受ける
必要があります。オペレータを、感電および通電している危険な回路との接触から保護する必要があります。
メンテナンス担当者 は、製品が適切に動作するように、ライン電圧の設定や消耗部品の交換など、定期的な手順を実行します。メ
ンテナンス手順については、ユーザー マニュアルに記載されています。オペレータが実行できる手順は、その旨が明記されてい
ます。明記されていない場合は、それらの手順は保守担当者のみが行います。
保守担当者 は、通電している回路に対する作業について訓練を受け、安全な設置および製品の修理を行います。適切な訓練を受
けた整備担当者のみが設置および整備手順を実行できます。
Keithley Instruments の製品は、低い過渡過電圧での、測定、制御およびデータ入出力接続の電気信号を使用するように設計され
ているため、主電源または過渡過電圧が発生する電源に直接接続してはなりません。 測定カテゴリ II (IEC 60664 で参照) の接続
には、地域の AC 主電源接続に対応する高い過渡過電圧に対する保護が必要です。 一部の Keithley 測定機器は主電源に接続され
る場合があります。 これらの機器は、カテゴリ II 以上として指定されます。
仕様、オペレーティング マニュアル、および機器ラベルで明示的に許可されていない限り、いかなる機器も主電源に接続しない
でください。
感電の危険があるときには、十分に注意して作業を行ってください。ケーブル コネクタ ジャックまたは試験具には、生命に危
険が及ぶような電圧が生じている場合があります。米国規格協会 (ANSI) は、30V RMS、ピーク電圧 42.4V、または 60VDC の
電圧があるときには感電の危険があると明記しています。未知の回路について測定するときには、危険な高電圧があることを想
定しておくと安全性が高まります。
この製品のオペレータに対しては、常に感電に対する保護を行う必要があります。責任組織は、オペレータをいかなる接続ポイ
ントにもアクセスできないようにするか遮断する (もしくはその両方の措置をとる) 必要があります。場合によっては、接続部を
人が触れられるように露出させる必要があります。このような状況での製品オペレータは、感電のリスクから自身を保護するた
めの訓練を受けていなければなりません。回路が 1000 V 以上の電圧での動作に対応している場合には、回路の導電部分が露出
していてはなりません。
制限されていない電源回路に切換カードを直接接続してはなりません。切換カードは、インピーダンスが制限されている電源で
の使用を意図したものです。絶対に切換カードを AC 主電源に直接接続しないでください。電源を切換カードに接続していると
きには、保護デバイスを設置してカードへの故障電流および電圧を制限します。
機器を操作する前に、ライン コードが適切に接地された電源コンセントに接続されていることを確認します。使用前に、接続ケ
ーブル、リード線およびジャンパの摩耗、亀裂または破損について検査します。
ラックに取り付ける場合など、主電源コードへのアクセスが限られている場所に機器を設置するときには、別の主入力電源切断
デバイスを機器の近くのオペレータの手が簡単に届く場所に用意する必要があります。
最大限の安全性を確保するために、試験中の回路に電源が入っているときには製品、試験ケーブル、またはその他任意の機器に
触れないでください。ケーブルまたはジャンパの接続または接続解除、切換カードの取付または取り外し、ジャンパの取付や取
り外しなどの内部の変更を行う前に、必ず試験システム全体から電源を切断し、すべてのキャパシタを放電してください。
試験中の回路の共通側または電源回路の接地線への電流の経路となる物体に触れないでください。測定する電圧に耐えられる乾
燥した絶縁された表面に立って、必ず乾燥した手で測定を行います。
安全性を確保するため、機器およびアクセサリは操作指示に従って使用しなければなりません。 機器およびアクセサリを操作指
示で指定されていない方法で使用した場合には、機器の保証による保護が制限される場合があります。
仕様または使用情報で指定されている、もしくは機器または試験具パネル、切換カードに表示されている機器およびアクセサリ
の最大信号レベルを超えないようにします。
製品にヒューズが使用されているときは、火災の危険を防止するために同じタイプおよび定格のものと交換してください。
シャーシ接続は、保安接地 (安全接地) 接続とは異なり、測定回路のシールド接続以外に使用してはなりません。
試験具を使用している場合には、試験中のデバイスに電源が投入されている間はフタを閉じたままにしておきます。安全な運用
には、フタのインターロックを使用する必要があります。
ネジがある場合には、ユーザー マニュアルで推奨されている導線を使用して、これに保安接地 (安全接地) 線を接続します。
機器上の という記号は、操作上の危険性を警告するものです。 この記号が印刷されている部分を操作する場合は、必ずユ
ーザーマニュアルを参照してその指示に従ってください。
機器上の という記号は、感電の危険性を警告するものです。標準の安全使用上の注意に従って、人員がこれらの電源に触れ
るのを防止してください。
機器上にある
いようにしてください。
記号は、機器フレームへの接続端子を示しています。
製品上にこの
び地域の法律に従って適切に処分してください。
ユーザー マニュアルにある警告の見出しは、ケガや死亡事故につながる可能性のある危険について説明しています。示されてい
る手順を実行する前に、必ず関連する情報をよく読んでください。
ユーザー マニュアルにある注意の見出しは、機器の損傷につながる可能性のある危険について説明しています。損傷によって保
証が無効になる場合があります。
機器およびアクセサリは、人体に接続してはなりません。
メンテナンスを行う前に、回線コードおよびすべての試験ケーブルを外してください。
感電および火災を防止するために、電源変換器、リード線、入力ジャックなどの主回路の交換コンポーネントは Keithley
Instruments からご購入ください。定格とタイプが同じであれば、国の安全承認を受けた標準のヒューズを使用することができ
ます。安全性と関係のないそれ以外のコンポーネントは、元のコンポーネントと同一であれば他の供給元から購入することがで
きます (製品の精度および機能を維持するためには、一部の部品は Keithley Instruments から購入するべきである点にご注意くだ
さい)。交換コンポーネントの適合性について不明な点がある場合には、Keithley Instruments までお問い合わせください。
機器を清掃するには、湿らせた布または水性の弱い洗剤を使用します。清掃するのは機器の外部のみにしてください。洗剤を機
器に直接付着させたり、液体を機器の中に入れたり機器の上にこぼしたりしないでください。ケースまたはシャーシのない回路
ボードで構成されている製品 (たとえばコンピュータ取付用のデータ取得ボード) は、指示に従って使用している場合には清掃は
必要ありません。ボードが汚れて動作に影響が出てきた場合には、ボードを工場に返送して適切な洗浄/整備を受けてください。
記号は、その面が高温になる場合があることを示しています。火傷を防止するために、人員がこの面に触れな
記号がある場合には、表示ランプに水銀が使用されていることを示しています。ランプは、必ず連邦、州およ
安全使用上の注意 (2013 年 1 月リビジョン)
はじめに ......................................................................................................................... 1-1
ようこそ ................................................................................................................................. 1-1
問い合わせ先 ........................................................................................................................ 1-1
CD-ROM の内容 ................................................................................................................... 1-2
マニュアル セクションの構成 .................................................................................................. 1-2
性能と機能 ............................................................................................................................ 1-3
測定範囲と機能 .......................................................................................................................... 1-4
数学演算 .................................................................................................................................... 1-4
スタートアップ ソフトウェアおよび PC ユーティリティ ...................................................................... 1-4
スタンダード アクセサリ ............................................................................................................... 1-4
オプション アクセサリ ............................................................................................................. 1-5
一般情報 ............................................................................................................................... 1-5
機器のシリアル番号の表示 ......................................................................................................... 1-5
寸法 ........................................................................................................................................... 1-5
電源投入時設定 ......................................................................................................................... 1-6
一般仕様 .................................................................................................................................... 1-7
一般概要 ....................................................................................................................... 2-1
機器の電源のオン/ オフ .......................................................................................................... 2-1
電源線の接続 ............................................................................................................................. 2-1
フロント パネルの概要 ........................................................................................................... 2-5
(1) ディスプレイ ........................................................................................................................... 2-6
(2) 電源キー .............................................................................................................................. 2-7
(3) 機能キーと操作キー ............................................................................................................ 2-7
(4) レンジ キーとスクロール キー .......................................................................................... 2-10
(5) TC 入力 .............................................................................................................................. 2-10
(6) 端子とヒューズ .................................................................................................................. 2-10
(7) メニューの概要 .................................................................................................................. 2-10
メイン メニュー ...................................................................................................................... 2-11
リア パネルの概要 ............................................................................................................. 2-19
(1) 電圧計 COMP 出力端子 (VM COMP) ................................................................................ 2-19
(2) 外部トリガ入力端子 (EXT TRIG) ....................................................................................... 2-19
(3) USB 接続 ........................................................................................................................... 2-20
(4) 保安接地 (安全接地 ) ........................................................................................................... 2-20
(5) AC 電源ソケット、電源ヒューズ、および電源電圧設定 ................................................... 2-20
(6) インタフェース ポート ...................................................................................................... 2-20
リア パネル接続の詳細 ........................................................................................................... 2-20
システムの操作 .................................................................................................................. 2-22
測定表示をオフにする ............................................................................................................ 2-22
ビープ音のオン/ オフ ............................................................................................................... 2-23
初期操作モードの選択 ............................................................................................................ 2-24
言語の選択 .............................................................................................................................. 2-25
エラー キューにあるエラーの表示 ......................................................................................... 2-25
システムのバージョンの表示 .................................................................................................. 2-26
モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
DMM の基本操作 .......................................................................................................... 3-1
基本的な測定機能 ................................................................................................................ 3-1
電圧測定 .................................................................................................................................... 3-1
比率測定 .................................................................................................................................... 3-4
電流測定 .................................................................................................................................... 3-6
抵抗測定 .................................................................................................................................... 3-9
周波数および周期測定 ............................................................................................................ 3-12
導通測定 .................................................................................................................................. 3-15
ダイオード測定 ....................................................................................................................... 3-16
温度測定 .................................................................................................................................. 3-17
キャパシタンス測定 ................................................................................................................ 3-24
二次測定機能 ........................................................................................................................... 3-26
トリガリングとデータ バッファ ........................................................................................ 3-28
フロント パネルからのトリガリング ...................................................................................... 3-29
トリガ モデル .......................................................................................................................... 3-29
トリガ設定 .............................................................................................................................. 3-32
データ バッファ ...................................................................................................................... 3-36
測定性能の向上のために .................................................................................................... 3-38
オートゼロ .............................................................................................................................. 3-38
レンジ選択 .............................................................................................................................. 3-39
分解能と積分時間 ................................................................................................................... 3-41
デジタル フィルタ .................................................................................................................. 3-47
数学演算 .................................................................................................................................. 3-48
操作のセオリー ............................................................................................................. 4-1
AC 電圧の測定と波高率 ....................................................................................................... 4-1
DMM 抵抗の測定法 .............................................................................................................. 4-3
基準接点 ............................................................................................................................... 4-4
リアル (内部) 基準接点 ............................................................................................................. 4-4
シミュレート基準接点 .............................................................................................................. 4-4
精度計算 ............................................................................................................................... 4-5
DC 特性および AC 特性の精度の計算 ...................................................................................... 4-5
リモート コマンド ........................................................................................................ 5-1
プログラミング構文 ............................................................................................................. 5-1
このマニュアルで使用するコマンド書式 .................................................................................. 5-1
共通コマンド ........................................................................................................................ 5-4
共通コマンドの要約 .................................................................................................................. 5-5
共通コマンド リファレンス ...................................................................................................... 5-6
*CLS — ステータスのクリア .................................................................................................... 5-6
*ESE <NRf> — イベント有効化コマンド ................................................................................. 5-6
*ESE?— イベント有効化の問い合わせ .................................................................................... 5-6
*ESR?— イベント ステータス レジスタの問い合わせ ............................................................. 5-6
*IDN?—機器情報の問い合わせ ................................................................................................. 5-7
*OPC — 処理完了コマンド ....................................................................................................... 5-7
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル :
*OPC?— 処理完了の問い合わせ ............................................................................................... 5-7
*PSC <b> — 電源オン ステータスのクリア ............................................................................. 5-8
*PSC?— 電源オン ステータス クリアの問い合わせ ................................................................ 5-8
*RST — リセット コマンド ...................................................................................................... 5-8
*ESE <NRf> — サービス要求有効化コマンド .......................................................................... 5-9
*SRE?— サービス要求有効化コマンドの問い合わせ ............................................................... 5-9
*STB?— ステータス バイトの問い合わせ ................................................................................ 5-9
*TRG — トリガ コマンド .......................................................................................................... 5-9
SCPI 言語の紹介 ................................................................................................................ 5-10
トピック概要 ........................................................................................................................... 5-10
SCPI パラメータのタイプ ....................................................................................................... 5-10
問い合わせコマンド ................................................................................................................ 5-11
プログラム メッセージ ........................................................................................................... 5-11
出力データ .............................................................................................................................. 5-14
SCPI 信号に関連のある測定コマンド ............................................................................... 5-14
:CONFigure:<function> [<range>|MIN|MAX|DEF,<resolution>|MIN|MAX|DEF] ...................... 5-15
:FETCh[1|2]? ........................................................................................................................... 5-17
:INITiate .................................................................................................................................. 5-17
:READ[1|2]? ............................................................................................................................ 5-18
:MEASure[:<function>]?<range>|MIN|MAX|DEF,<resolution>|MIN|MAX|DEF ........................ 5-19
SCPI コマンド サブシステムのリファレンス ................................................................... 5-20
CALCulate サブシステムの要約 .............................................................................................. 5-21
DISPlay サブシステムの要約 .................................................................................................. 5-22
SENSe サブシステムの要約 ................................................................................................... 5-23
STATus サブシステムの要約 .................................................................................................. 5-27
SYSTem サブシステムの要約 ................................................................................................. 5-27
TRIGger サブシステムの要約 ................................................................................................. 5-28
CALCulate サブシステム ................................................................................................... 5-29
CALCulate:AVERage:AVERage? ........................................................................................... 5-29
CALCulate:AVERage:COUNt? ................................................................................................ 5-29
CALCulate:AVERage:MINimum? ............................................................................................ 5-29
CALCulate:AVERage:MAXimum? ........................................................................................... 5-29
CALCulate:DB:REFerence <n>|MIN|MAX .............................................................................. 5-30
CALCulate:DBM:REFerence <n>|MIN |MAX ........................................................................... 5-30
CALCulate:FUNCtion <name> ................................................................................................ 5-31
CALCulate:LIMit:LOWer <n> |MIN|MAX .................................................................................. 5-31
CALCulate:LIMit:UPPer <n>|MIN|MAX ................................................................................... 5-32
CALCulate:MXB:MBFactor <n>|MIN|MAX .............................................................................. 5-32
CALCulate:MXB:MMFactor <n>|MIN|MAX .............................................................................. 5-33
CALCulate:NULL:OFFSet <n>|MIN|MAX ................................................................................ 5-33
CALCulate:PERCent:TARGet <n>|MIN|MAX .......................................................................... 5-33
CALCulate:STATe <b> ........................................................................................................... 5-34
DATA:FEED RDG_STORE,'CALCulate'|'' ............................................................................... 5-34
DISPlay サブシステム ........................................................................................................ 5-35
DISPlay <b> ............................................................................................................................ 5-35
DISPlay:TEXT <a> .................................................................................................................. 5-36
DISPlay:TEXT:CLEar .............................................................................................................. 5-36
SENSe サブシステム ......................................................................................................... 5-36
[SENSe:]AVERage:COUNt <n>|MIN|MAX .............................................................................. 5-37
[SENSe:]AVERage:STATe <b> .............................................................................................. 5-37
[SENSe:]AVERage:TCONtrol <name> ................................................................................... 5-38
[SENSe:]CAPacitance:RANGe <n>|MIN|MAX ........................................................................ 5-38
[SENSe:]CAPacitance:RANGe:AUTO <b> ............................................................................. 5-39
[SENSe:]CURRent:AC:RANGe <range>|MIN|MAX ................................................................ 5-39
モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
[SENSe:]CURRent:AC:RESolution <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-40
[SENSe:]CURRent[:DC]:NPLCycles <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-41
[SENSe:]CURRent[:DC]:RANGe <n>|MIN|MAX ..................................................................... 5-42
[SENSe:]CURRent[:DC]:RESolution <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-42
[SENSe:]CURRent:AC:RANGe:AUTO <b> ............................................................................. 5-43
[SENSe:]CURRent[:DC]:RANGe:AUTO <b>........................................................................... 5-43
[SENSe:]DETector:BANDwidth <n>|MIN|MAX ........................................................................ 5-44
[SENSe:]FRESistance:NPLCycles <n>|MIN|MAX................................................................... 5-45
[SENSe:]FRESistance:RANGe <n>|MIN|MAX ........................................................................ 5-46
[SENSe:]FRESistance:RANGe:AUTO <b> ............................................................................. 5-46
[SENSe:]FRESistance:RESolution <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-47
[SENSe:]FREQuency:APERture <n>|MIN|MAX ...................................................................... 5-48
[SENSe:]FREQuency:CURRent:RANGe <n>|MIN|MAX ......................................................... 5-48
[SENSe:]FREQuency[:VOLTage]:RANGe <n>|MIN|MAX ....................................................... 5-49
[SENSe:]FREQuency:VOLTage:RANGe:AUTO <b> .............................................................. 5-49
[SENSe:]FUNCtion [1|2] "<function>" ...................................................................................... 5-50
[SENSe:]PERiod:APERture <n>|MIN|MAX ............................................................................. 5-51
[SENSe:]PERiod:VOLTage:RANGe <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-51
[SENSe:]PERiod:VOLTage:RANGe:AUTO <b> ...................................................................... 5-52
[SENSe:]RESistance:RANGe <n>|MIN|MAX .......................................................................... 5-52
[SENSe:]RESistance:RANGe:AUTO <b> ............................................................................... 5-52
[SENSe:]RESistance:RESolution <n>|MIN|MAX .................................................................... 5-53
[SENSe:]RESistance:NPLCycles <n>|MIN|MAX ..................................................................... 5-54
[SENSe:]TCOuple:RJUNction:REAL? ..................................................................................... 5-54
[SENSe:]TCOuple:RJUNction:RSELect <name> .................................................................... 5-55
[SENSe:]TCOuple:RJUNction:SIMulated <n>|MIN|MAX ......................................................... 5-55
[SENSe:]TCOuple:TYPE <name> ........................................................................................... 5-56
[SENSe:]TEMPerature:NTCT:A <n>|MIN|MAX ....................................................................... 5-57
[SENSe:]TEMPerature:NTCT:B <n>|MIN|MAX ....................................................................... 5-57
[SENSe:]TEMPerature:NTCT:C <n>|MIN|MAX ....................................................................... 5-58
[SENSe:]TEMPerature:RTD:ALPHa <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-58
[SENSe:]TEMPerature:RTD:BETA <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-59
[SENSe:]TEMPerature:RTD:DELTa <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-60
[SENSe:]TEMPerature:RTD:TYPE <name> ........................................................................... 5-61
[SENSe:]TEMPerature:RTD:RZERo <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-62
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:RZERo <n>|MIN|MAX ........................................................... 5-63
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:A4 <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-63
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:B4 <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-64
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:AX <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-64
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:BX <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-65
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:CX <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-65
[SENSe:]TEMPerature:SPRTD:DX <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-66
[SENSe:]TEMPerature:TRANsducer <name>......................................................................... 5-66
[SENSe:]UNIT <name> ........................................................................................................... 5-67
[SENSe:]VOLTage:AC:RANGe <n>|MIN|MAX ....................................................................... 5-67
[SENSe:]VOLTage:AC:RANGe:AUTO <b> ............................................................................. 5-68
[SENSe:]VOLTage:AC:RESolution <n>|MIN|MAX .................................................................. 5-68
[SENSe:]VOLTage[:DC]:RANGe <n>MIN|MAX ...................................................................... 5-69
[SENSe:]VOLTage[:DC]:RANGe:AUTO <b>........................................................................... 5-69
[SENSe:]VOLTage[:DC]:NPLCycles <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-70
[SENSe:]VOLTage[:DC]:RESolution <n>|MIN|MAX ................................................................ 5-71
[SENSe:]ZERO:AUTO <name> .............................................................................................. 5-71
SYSTem サブシステム ...................................................................................................... 5-72
:BEEPer <b> ........................................................................................................................... 5-72
:DATA:POINts? ....................................................................................................................... 5-72
SYSTem:ERRor? .................................................................................................................... 5-72
SYSTem:IDNStr <string> ........................................................................................................ 5-73
SYSTem:LOCal ....................................................................................................................... 5-73
SYSTem:REMote .................................................................................................................... 5-73
SYSTem:VERSion? ................................................................................................................ 5-73
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル :
TRIGger サブシステム ....................................................................................................... 5-74
SAMPle:COUNt <n>|MIN|MAX ............................................................................................... 5-74
TRIGger:COUNt <n>|MIN|MAX|INFinite ................................................................................. 5-75
TRIGger:DELay <n>|MIN|MAX ............................................................................................... 5-75
TRIGger:DELay:AUTO <b>..................................................................................................... 5-76
TRIGger:SOURce <name> ..................................................................................................... 5-76
トラブルシューティング ガイド .................................................................................. 6-1
トラブルシューティング ...................................................................................................... 6-1
セルフテストの実行 ............................................................................................................. 6-2
エラー コード ....................................................................................................................... 6-3
次のステップ ................................................................................................................ 7-1
モデル 2110 についての追加情報 ........................................................................................ 7-1
メンテナンス ................................................................................................................A-1
電源ヒューズの交換 ............................................................................................................. A-1
電流入力ヒューズの交換 ...................................................................................................... A-3
ファームウェアのアップグレード ....................................................................................... A-4
ステータス モデル ........................................................................................................B-1
概要 ...................................................................................................................................... B-1
ステータス バイトとサービス要求 (SRQ) ................................................................................ B-2
ステータス レジスタ セット ..................................................................................................... B-2
エラー キューと出力バッファ ................................................................................................... B-2
レジスタとキューのクリア .................................................................................................. B-4
有効化レジスタのプログラミング ....................................................................................... B-4
レジスタの読み取り ............................................................................................................. B-5
ステータス バイトとサービス要求 (SRQ) ........................................................................... B-5
ステータス バイト レジスタ ..................................................................................................... B-5
サービス要求 ............................................................................................................................. B-6
ステータス構造 ......................................................................................................................... B-7
シリアル ポーリングと SRQ の使用 ......................................................................................... B-7
ステータス バイトとサービス要求コマンド ............................................................................. B-9
ステータス レジスタ セット ................................................................................................ B-9
標準イベント レジスタ ............................................................................................................. B-9
不審データ レジスタ ............................................................................................................... B-11
ステータス レポート コマンドの要約 ............................................................................... B-11
通信インタフェース .....................................................................................................C-1
通信インタフェース ............................................................................................................. C-1
モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
インタフェースの選択 .............................................................................................................. C-1
USB 通信 ................................................................................................................................... C-1
GPIB のセットアップ ............................................................................................................... C-7
提供ソフトウェア ................................................................................................................... C-11
Keithley I/O layer ..................................................................................................................... C-14
VISA による機器のアドレス指定 ............................................................................................ C-18
................................................................................... 1-5
はじめに
ようこそ
セクション 1
ようこそ ................................................................................... 1-1
問い合わせ先 ............................................................................ 1-1
CD-ROM の内容 ....................................................................... 1-2
マニュアル セクションの構成 .................................................. 1-2
性能と機能 ............................................................................... 1-3
一般情報
Keithley Instruments 製品をご使用いただき、ありがとうございます。モデル 2110 桁マルチメーター
(DMM) には、 12 種類の測定機能と 7 種類の数学関数があります。さらに 2 行表示機能もあり、2 つ
の異なる測定を同時に表示することができます。
モデル 2110 は測定精度と速度に優れ、製品テストからベンチ タイプ アプリケーションに至るまで、
様々なアプリケーションに対応できます。モデル 2110 は、製造エンジニア、研究開発エンジニア、
テスト エンジニア、科学者、学生、その他、システム アプリケーションまたはベンチで測定を行う
方のアプリケーション要件を満たしています。
問い合わせ先
このセクションの内容について疑問がある場合は、以下の情報源を参照してください。
1. Keithley Instruments のウェブサイト
2. Keithley ウェブフォーラム (http://forum.keithley.com )。
3. Keithley Instruments 本社へのお問い合わせは、米国内からは料金無料の 1-888-KEITHLEY
(1-888-534-8453) まで、米国外からは +1-440-248-0400 までお願いします。各国の連絡先番号に
ついては、Keithley Instruments のウェブサイト
(http://www.keithley.jp )。
(http://www.keithley.com ) をご覧ください。
1: はじめに モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
CD-ROM の内容
モデル 2110 マルチメーターには CD-ROM が付属しています。
モデル 2110 製品情報 CD-ROM の内容は以下のとおりです。
• リファレンス マニュアル : 接続方法、操作方法、プログラミング方法、およびメンテナンス方法につ
いて説明します。基本的な操作方法、詳細な操作方法 (トラブルシューティング、最適化など) を
お探しのユーザ、コマンド リファレンスをお探しのプログラマーは、このリファレンス マニュア
ルを参照してください。
• キャリブレーション マニュアル : モデル 2110 マルチメーターの精度が、周期 1 年のキャリブレーシ
ョン仕様を満たしているかどうかを点検する手順について説明します。
• ドライバーとリリース ノート : IVI 機器ドライバー、National Instruments LabVIEW™ 用のドライバ、
および関連リリース ノート。
• Keithley I/O Layer およびリリース ノート。
• スタートアップ ソフトウェアおよび PC ユーティリティ : KI-Tool および KI-Link アプリケーションおよび
Microsoft
• 追加製品情報: CD-ROM には製品仕様も含まれています。
®
Excel アドイン ユーティリティ。
最新のドライバおよび追加サポート情報については、Keithley Inst ruments のウェブサイト
(http://www.keithley.jp ) を参照してください。
マニュアル セクションの構成
本マニュアルの情報は、以下の主なカテゴリで構成されています。
• 一般概要: 機器のコンポーネントと基本的な操作について説明します。
• DMM の基本操作 : 機器の基本的測定機能について紹介しています。電圧、電流、抵抗、周波数、
周期、導通、ダイオード、キャパシタンス、および温度を測定する方法について知ることができ
ます。トリガリングとデータ バッファリングについて学習できます。さらに、測定性能を向上さ
せる方法についても知ることができます。
• 操作のセオリー: DMM の基本的な測定テクニックとコンセプトについて説明します。
• リモート コマンド : IEEE Std 488.2 のよく使用するコマンドについて説明します。モデル 2110 マル
チメーターの全コマンドをアルファベット順に列挙。リモート コマンドを使用して機器を制御す
る方法について説明します。
• トラブルシューティング ガイド :セルフテスト手順とエラー コードを説明します。
• メンテナンス : 電源ヒューズの交換、ファームウェアのアップグレードなど、機器のメンテナンス
方法について説明します。
• ステータス モデル : モデル 2110 ステータス モデルの説明です。
本マニュアルの PDF 版には各セクションのしおりが用意されています。また、巻頭の目次には各セ
クションのタイトルが記載されています。
しおりの詳細については、Adobe
1-2 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
®
Acrobat® または Reader® のヘルプを参照してください。
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル: セクション 1:
性能と機能
Keithley Instruments モデル 2110 は、堅牢で汎用性の高い 5½ 桁の分解能を持つデジタル マルチメー
ターで、2 行表示の液晶ディスプレイ (LCD)、内蔵 USB インタフェース、オプションの GPIB インタ
フェースを備えています。
1 年間の校正周期で、モデル 2110 の DC 電圧精度は 0.012%、1 MΩ までの抵抗精度は 0.020% です。
モデル 2110 は、USB リモート インタフェースを介して 5½ 桁の測定値を毎秒 200 件以上送れます。
高速 4½ 桁設定では、毎秒 50,000 件の測定値を内部に保存できます。これは、速度が重要な製造ア
プリケーションやモニタリング アプリケーションに理想的です。
図 1:Keithley モデル 2110 5 ½ 桁マルチメーター
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 1-3
1: はじめに モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
測定範囲と機能
モデル 2110 は、以下のような広範な測定範囲と機能を備えています。
• DC 電圧:0.1 V 、1V 、10V 、100V および 1000 V
• AC 電圧:0.1 V 、1V 、10V 、100V および 750 V
• DC 電流:10 mA 、100 mA 、1 A 、3 A および 10 A
• AC 電流:1A 、3A 、および 10 A
• 2 線および 4 線抵抗: 100 Ω、1 kΩ、10 kΩ、100 kΩ、1 MΩ、10 MΩ および 100 MΩ
• 周波数の場合は、3 Hz ~ 300 kHz
• キャパシタンス測定:1 nF、10 nF、100 nF、1 μF 、10 μF 、100 μF、1 mF、10 mF
• RTD、サーミスタ、および熱電対を使用した温度測定 (内蔵冷接点補正で直接測定の確度を向上)。J、
R、 S、 T、 E、 N、 B、 C、および K タイプの熱電対をサポート。
• 周期測定
• ダイオード測定
• 導通測定
• S/N 比最適化のためのプログラム可能な A/D コンバータとフィルタ設定
数学演算
モデル 2110 では、測定値を対象に Percentage、Ave rage (Min/Max、Count)、NULL、Limits、mX+b、
dB、および dBm の、計 7 種類の数学演算を実行できます。
スタートアップ ソフトウェアおよび PC ユーティリティ
モデル 2110 には、以下のスタートアップ ソフトウェアおよび PC ユーティリティが付属しています。
• KI -Tool および KI-Link ソフトウェア。GPIB (オプション ) または USB 経由での機器の制御、測定
値の記録、データの時系列プロットの表示が可能です。KI-Link は Microsoft
Excel 用のアドインです。
• LabVIEW
TM
および IVI ドライバ。機器のきめ細かな制御を可能にします (上級ユーザ向け )。
®
Word および Microsoft
スタンダード アクセサリ
モデル 2110 には以下のスタンダード アクセサリが付属しています。
• 安全テスト リード線
• USB ケーブル
• 電源ケーブル
1-4 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
オプション アクセサリ
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 1:
オプション アクセサリ
モデル 2110 では以下のオプション アクセサリが利用可能です。
Keithley
4299-3
5805-12
7007-1
7007-2
一般情報
機器のシリアル番号の表示
フロント パネルにシリアル番号を表示させるには、以下の手順に従います。
1. モデル 2110 をリモート操作している場合、SHIFT (LOCAL) キーを 1 回押し、機器をローカル操
2. SHIFT キーを押します。
3. CONFIG (MENU) キーを押します。ディスプレイに MENU が表示されます。
4. 右および左の RANGE キーを使用して SYSTEM を表示します。
5. ENTER キーを押します。
6. 右および左の RANGE キーを使用して SERIAL を表示します。
7. ENTER キーを押します。ディスプレイの 2 行目にシリアル番号が表示されます。
作にします。
シングル ラック マウント キット
デュアル ラック マウント キット
デュアル固定ラック マウント キット
高性能モジュラー テスト リード線
高性能モジュラー プローブ キット
ケルビン プローブ、0.9 m (91.44 cm)
ケルビン プローブ、3.6 m (12 ft)
低価格な、シングル ピン、ケルビン プローブ
低価格な、ケルビン クリップ リード線セット
RTD プローブ アダプタ
低価格 RTD
シールド付き GPIB ケーブル、1 m (100.58 cm)
シールド付き GPIB ケーブル、2 m (6.6 ft)
熱電対ビーズ プローブ
タイプ
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 1-5
寸法
モデル 2110 の寸法を以下の図に示します。図には識別用の番号を振っています。
1. ハンドル、フロント /リア バンパなし。
2. ハンドル、フロント /リア バンパあり。
3. ハンドルなし。フロント /リア バンパあり。
1: はじめに モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
図 2: 寸法
電源投入時設定
モデル 2110 の出荷時デフォルト設定については以下の表を参照してください。これらの設定は、機
器のスイッチを入れた時とリモート インタフェースから機器が *RST コマンドを受信した時にリス
トアされます。
機器のスイッチを入れた後に表示される機能 DC 電圧
オートゼロ
ON
周波数および周期ソース AC 電圧
出力形式
比率
AC 電圧 周波数
AC 桁数
レンジ
DC 電圧 DC 桁数
10 V
5.5 (1 PLC)
レンジ
AC 電流: 周波数
AC 桁数
レンジ
DC 電流: DC 桁数
5.5 (1 PLC)
レンジ
周波数および周期
桁数
レンジ
ゲート時間
1-6 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
European Union EMC Directive
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 1:
キャパシタンス 桁数
レンジ
ダイオード テスト 桁数
5.5
レンジ
応答時間
抵抗 桁数
レンジ
温度 桁数
トリガ
熱電対 K タイプ
ソース
1 kΩ
4.5 (1 PLC)
遅延
入力抵抗
10 MΩ
一般仕様
入力バイアス電流
<30pA (25℃)
入力保護 すべてのレンジに対して 1000V (2W 入力 )
AC CMRR 70 dB (LO リードで 1 kΩ アンバランスの場合 )
電源 100 V/120 V/220 V (230 V), 240 V ±10%
電源線周波数 50/60 Hz ±10% (自動検出)
電力消費量 25 VA (最大)
デジタル I/O インターフェイス USB 互換のタイプ B 接続、GPIB (オプション)
環境 屋内での使用のみ
動作温度 0 ℃ ~ 40 ℃
動作湿度 31 ℃ までの温度に対して最大相対湿度 80%
保管温度 -40 ℃ ~ 70 ℃
動作高度 海抜 2000m まで
ベンチ寸法 107 mm (高) × 252.8 mm (幅) × 305 mm (奥行)
(ハンドル、バンパあり)
質量 2.23 kg
安全性 European Union Low Voltage Directi v e に適合
UL 61010-1: 2004 にリストされている UL
汚染度 2
に適合
保証 1 年
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 1-7
...................................................................... 2-22
一般概要
機器の電源のオン/ オフ ............................................................ 2-1
フロント パネルの概要 ............................................................ 2-5
リア パネルの概要 ................................................................. 2-19
システムの操作
機器の電源のオン/ オフ
以下のトピックでは、機器の電源オン/ オフ切り替え方法、および電源電圧の設定方法について説明し
ます。
セクション 2
電源線の接続
モデル 2110 を電源に接続し、電源をオンにするには、以下の手順に従ってください。モデル 2110 の
動作電圧は 100 V ~ 240 V、電源周波数は 50 Hz または 60Hz です。電源電圧の設定はリア パネルで
行います。機器を利用する地域の電源電圧と互換性があることを確認してください。電源コードおよ
び電源スイッチなどの切断デバイスに、簡単に届くように機器が置かれていることを確認してくださ
い。
機器を不適切な電源電圧で使用すると、損傷につながる可能性があります (この場合、保証を受けら
れない可能性もあります)。
機器の電源をオフにする前に、フロント パネルの入力端子に印加している電圧を解除してください。
これを怠ると、機器の損傷の原因となることがあります。
モデル 2110 の電源をオン/オフにするには
1. 電源コードを差し込む前に、フロント パネルの POWER スイッチが OFF になっていることを確
認します。
2. モデル 2110 のリア パネルの保安接地 (安全接地) を接続します (「リア パネルの概要
」
(2-19 ページ ) を参照 )。
3. 付属の電源コードのメス端子をリア パネルの AC ソケットに差し込みます。
4. 電源コードのオス端子をアース付きの電源コンセントに差し込みます。
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
モデル 2110 に付属の電源コードには、アース付きコンセントで使用するための保安接地 (安全接地) 線
が付いています。適切に接続を行った場合には、電源コードの接地線によって機器のシャーシが電源線
のアース線に接続されます。 さらに、リア パネルのネジにも保安接地線が接続され、安全対策が二重
化されています。 保安接地線を適切に接続していない場合、または、アース付きコンセントの使用法に
誤りがあった場合、感電事故が発生し、負傷または死亡につながる危険性があります。主電源コードを
不適切なカテゴリのコードに交換しないでください。適切なカテゴリのコードを使用しない場合、感電
事故が発生し、負傷または死亡につながる危険性があります。
5. 機器の電源をオンにするには、フロント パネルの POWER スイッチを押して ON の位置にします。
6. 機器の電源をオフにするには、フロント パネルの POWER スイッチを押して OFF の位置にします。
電源電圧の選択
電圧の設定を変更する前に、機器が AC 電源から切断されていることを確認してください。
電源電圧を設定するには
1. 下図に示すように、機器が AC 電源から切断されていることを確認します。
図 3:AC 電源を切断する
2-2 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 2:
2. 下図に示すように、マイナス ドライバーなどを使用して、電圧設定セレクタ ホルダのラッチを押
して外します。
図 4:電圧セレクタ ホルダのラッチを外す
3. 下図に示すように、電圧設定セレクタ ホルダを取り外します。
図 5:電圧セレクタ ホルダを取り外す
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2-3
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
4. 下図に示すように、側面のクリップを開き、電圧設定セレクタをセレクタ ホルダから取り外しま
す。
図 6: クリップを開く
5. 電圧設定を適切な設定に変更します。
この機器には、100 V、120 V、220 V、および 240 V の 4 つの電圧設定があり、これらのどの電圧に
も設定可能です。
図 7: 電圧セレクタを切り替える
6. 電圧設定セレクタをソケットに挿入し、キャップを閉じます。
ヒューズの交換
ヒューズは電圧セレクタ アセンブリにあります。このヒューズは機器の電源ラインの入力を保護しま
す。ライン ヒューズを交換する必要がある場合は、「ライン ヒューズの交換」(A-1
てください。
2-4 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
ページ) を参照し
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル: セクション 2:
電源オン シーケンス
モデル 2110 マルチメーターには、ロジックハードウェアと計測ハードウェアが正常に機能している
かどうかをチェックするセルフテスト機能があります。 電源を投入するたびに一連のテストが手順ど
おりに実行され、機器の基本機能が正常に動作しているかどうかを確認します。セルフテストでエラ
ーが発生した場合は、機器の機能の一部に異常があり、点検・修理が必要であることを示します。
セルフテストのエラー コードについては、「エラー コード 」(6-3
電源電圧が正しく設定されていないと、セルフテストでエラーが発生します。また、セルフテスト中
に入力端子に信号を印加した場合もエラーが発生します。テスト リードが長すぎるとアンテナ効果
が発生し、AC 信号を拾う可能性があります。
フロント パネルの概要
このトピックでは、フロント パネルにあるキー、接続端子、およびヒューズ装置について説明します。
下図はフロント パネルを示しています。図の後に、フロント パネルの機能の概略説明があります。
ページ) を参照してください。
図 8:フロント パネル
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2-5
一次ディスプレイ
インジケータ
二次ディスプレイ
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
(1) ディスプレイ
機器のディスプレイには、一次ディスプレイ領域と二次ディスプレイ領域があります。このほか、デ
ィスプレイの上側および右側にインジケータがありますが、これらは測定中の状態や条件を示します。
以下のセクションでは、これらについて説明します。下図は、すべてのインジケータおよび文字セグ
メントを点灯した状態のディスプレイを示しています。
図 9: ディスプレイ
一次ディスプレイ
一次ディスプレイには、測定値と単位が表示されます。一次ディスプレイには最大 11 文字を表示で
きます。
二次ディスプレイ
二次ディスプレイには、測定のレンジ、条件、二次的な測定値と単位、または現在の設定についての
情報が表示されます。 二次ディスプレイには最大 16 文字を表示できます。
インジケータ
機器の使用中、点灯しているインジケータは現在アクティブな機能を示します。たとえば、下図で、
MAN インジケータは手動レンジが選択されていることを示し、 2nd インジケータは二次機能を使用
中であることを示します。
図 10: 表示の例
2-6 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 2:
下記の表に点灯する各インジケータの意味を示します。
機器は GPIB インタフェース経由で制御されています。
RMT
USB インタフェース経由でのリモート インタフェース操
作中です。
手動レンジ モードが選択されています。
TRIG
外部トリガリングが有効です。
機器がトリガを受信しました。
測定値保持機能が有効です。
内部メモリを使用中です。
数学演算機能が有効です。
デジタル フィルタ機能が有効です。
SHIFT
直前に SHIFT キーが押されました。
エラーが発生しました。
操作が行われました。
ダイオード テスト操作が開始されました。
抵抗測定で 4 線モードが選択されています。
導通テストが有効です。
フロント パネルのディスプレイがオフです。
二次機能を使用中です。
(2) 電源キー
電源スイッチです。押し込まれた状態が電源オン、飛び出した状態が電源オフです。
図 11: 電源スイッチ
(3) 機能キーと操作キー
フロント パネルのキーを使用すると、さまざまな機能や操作を選択できます。
機能キー
機能キーは白色です。機能キーを押すと、機器は特定の機能を実行します。たとえば、DCV 機能キー
を選択すると、DC 電圧機能が選択されます。
操作キー
操作キーは灰色です。操作キーを押すと、機器は特定の操作を実行します。たとえば、DC 電圧機能
を選択した後に、Config キーを押すと、機器は DC 電圧機能の設定モードに入ります。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2-7
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
シフト キー
SHIFT キーは青色です。すべてのキーの上側には、青色で印刷されたシフト後の機能またはシフト後
の操作が割り当てられています。SHIFT キーを押すと、シフト後の機能またはシフト後の操作を実行
できます。
シフト後のキー
シフト後の機能またはシフト後の操作を実行するには、SHIFT キーを押した後、実行したい機能が上
側のラベルに印刷されているキーを押します。このマニュアルでは、SHIFT キー シーケンスを使用す
る箇所を、キー名の後にシフト後のキー名を括弧で囲んで表記します。たとえば、AC 電流を測定す
るには、SHIFT を押してから ACV (ACI ) キーを押します。
各キーの位置については、下図を参照してください。
図 12: 機能キーと操作キー
2-8 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル : セクション 2:
下の表に、各キーに割り当てられている機能とシフト後の機能を記載します。シフト後の機能は、灰
色の背景色で示します。
電圧測定を選択します。
AC 電圧測定を選択します。
2 2 線抵抗測定を選択します。
周波数測定を選択します。
4 線抵抗測定を選択します。
FILTER
MENU
導通テストを選択します。
温度測定を選択します。
選択を確定し、次の選択に移動するか、測定表示に戻ります。
DC 電流測定を選択します。
AC 電流測定を選択します。
キャパシタンス測定を選択します。
ダイオード テストを選択します。
熱伝対温度測定を選択します。
二次測定を設定します。
外部トリガ モードを設定します。
インジケータが点灯している場合、
入力をパルス送信するか、TRIGGER ボタンを押して手動トリガを生成して、機器に
トリガを掛けることができます。
指定された数の連続する測定値を格納します。
表示の分解能を変更します。 表示分解能を変更すると、積分時間も変更されることに
注意してください。 桁数を 4½ に変更した場合、積分時間は 0.02 PLC に設定されま
す。 桁数を 5½ に設定した場合、積分時間は 1 PLC に設定されます。
テスト リードに起因する測定誤差をオフセットするためのヌル機能を有効化します。
各キーの上側に青色で印刷されたシフト後の機能を使用する場合に押します。
選択した測定機能の設定を行います。設定の詳細については、「基本的な測定機能 」
ページ) の各トピックを参照してください。
選択をキャンセルし、測定表示に戻ります。
測定値保持機能の有効/無効を切り替えます。
格納されている測定値を表示します。
アベレージンング デジタル フィルタの有効/無効を切り替えます。
数学演算/テスト機能 (PERCENT、AVERAGE、NULL、LIMITS、mX+b、dB、および dBm)
の有効/無効を切り替えます。
機器を USB または GPIB リモート モードからローカル モードに切り替えます。
トリガ設定、およびインタフェースの設定など、システム全体の設定に使用します。
メニューの詳細については、「(7) メニューの概要 」(2-10 ページ)
自動レンジ設定の有効/ 無効を切り替えます。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2-9
2: 一般概要 モデル 2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル
(4) レンジ キーとスクロール キー
◄ および
► および ◄ キーでは、オプションをスクロールします。
▲ および
▼
▲ および ▼ キーは、測定中にレンジを切り換えるために使用します。
▲ および ▼ キーは、パラメータの設定時や値の入力時に数字を切り換えるために使用します。
現在選択している文字の左側または右側に編集可能な文字がある場合は、ディスプレイ 2 行目の三角
形のインジケータが表示されて、追加の文字が存在することとその位置が示されます。
(5) TC 入力
TC 入力端子は、熱電対による温度測定で使用します。この端子では内蔵冷接点補正が行われるので、
追加の熱電対アダプタは必要ありません。
ケガや死亡事故につながる可能性がある感電を防ぐため、熱電対が接続されている間は電圧を LO
INPUT 端子にかけないでください。
(6) 端子とヒューズ
機器のフロント パネルには以下の接続端子があります。
HI および LO の INPUT 端子
電流と熱電対以外のすべての測定に使用します。 最大入力電圧は、電圧測定の場合は 1000 V、4 線
測定の場合は 200 V です。
LO INPUT 端子に電圧をかけると、熱電対測定でエラーが発生します。
HI および LO の SENSE 入力端子
4 線抵抗測定を行う場合と、 DC 電圧の比率測定を行う場合に使用します。
3A および 10A の電流入力端子
すべての DC および AC 電流測定に使用します。
(7) メニューの概要
メニューおよびサブメニューは、トリガ設定、リモート インタフェースの設定など、システム全体の
2-10 2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月
設定に使用します。
2110 5½ 桁マルチメーター リファレンス マニュアル: セクション 2:
メニューのナビゲーション
メニューの選択
メニューやサブ メニューを選択するには、以下のキーを使用します。
• SHIFT を押した後、CONFIG (MENU) を押して、メイン メニューに移動します。
• ► ◄ キーを押して、サブ メニューを表示します。
• ENTER を押してサブ メニューを選択します。
• さらにサブ メニューがある場合は、► ◄ キーを押して必要なサブメニューを表示した後、ENTER
を押してそのサブメニューを選択します。
• 値の数字を変更するには、▲ ▼ キーを押して各桁の数字を変更します。 値の入力の詳細につい
ては、「数値の設定 」(2-11
ページ) を参照してください。
• どの時点でも、ESC を押すと、変更をキャンセルできます。
• 設定が終了したら、ESC を押してメニュー モードを解除します。
数値の設定
一部の設定オプションには数値が必要です。また、デフォルト値を持つ設定オプションの値を変更し
たい場合もあります。値を変更するには、一度に 1 桁ずつ値を調整します。
桁を調整するには、次のようにして
1. ► ◄ キーを使用して、編集する値を表示します。
2. ENTER キーを押して編集モードに入ります。
3. ► ◄ キーを使用して、編集する桁を選択します。
4. ▲ ▼ キーを使用して適切な値を設定します。
5. ENTER キーを押して値を選択するか、ESC キーを押して変更をキャンセルします。
▲ ▼
キーを使用します。
メイン メニュー
機器の操作についての設定を行うには、フロント パネルのキーを押してメニューを表示します。以下
の表に、次の情報を記載します。
• メニューを表示するために押すキー。これらのキーは太字のフォント (BOLD ) で記載します。キ
ーのシフト後の機能に関する設定オプションの場合は、キーのシフト後の機能を括弧に囲んでキ
ー名の後に記載します。
• メニューを表示するために押すキーの下に、そのメニュー名を字下げして記載します。
• 一部のメニューにはサブ メニューがあります。サブ メニューは、メニューの下に字下げして記載
します。
2110-901-02 Rev. C/2013 年 8 月 2- 11