Sun Microsystems Sun Fire High-End Systems Guide [ja]

Sun Fire™ ハイエンドシステム
ソフトウェアの概要
Sun Microsystems, Inc. www.sun.com
Part No. 819-6409-10 2006 6 , Revision A
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原典: Sun Fire High-End Systems Software Overview Guide
Part No: 819-4658-10 Revision A
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目次
はじめに v
1. Sun Fire ハイエンドソフトウェアの概要 1
新機能 2
2. Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアのマニュアルセット 3
このマニュアルセットの対象読者 3
Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアに関する情報の記載場所 5
Solaris OS に関する情報 5
SMS ソフトウェアに関する情報 5
動的再構成 (DR) ソフトウェアに関する情報 6
Sun Management Center ソフトウェアに関する情報 6
3. セキュリティー 9
デフォルトでのセキュリティー設定 9
選択によるセキュリティー設定 9
4. Sun Fire ハイエンドシステムの Solaris オペレーティングシステム 11
5. System Management Services (SMS 1.6) ソフトウェア 13
システムアーキテクチャー 14
SMS 管理環境 14
iii
管理ネットワーク 15
Capacity on Demand 15
詳細について 16
6. Sun Fire ハイエンドシステムの動的再構成ソフトウェア 17
システムボードスロットと論理ドメイン 18
DR 管理モデル 18
SC 状態モデル 19
unavailable 19
available 19
assigned 19
active 20
入出力ボードの DR 20
自動 DR 20
詳細について 21
7. Sun Fire ハイエンドシステムの Sun Management Center ソフトウェア 23
Sun Management Center Sun Fire ハイエンド追加ソフトウェアパッケージ
23
Sun Management Center ソフトウェアの機能 24
Sun Management Center ソフトウェアの価格 24
詳細について 25
iv Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
はじめに
このマニュアルでは、Sun Fire™ ハイエンドシステム上で動作するソフトウェアの概 要について説明します。また、このソフトウェアの使用法の詳細が示されている関連 マニュアルを示します。経験豊富なシステム管理者を対象として、このシステム上で 動作する主なソフトウェアの概要についても説明します。
マニュアルの構成
1 章では、Sun Fire ハイエンドシステム上で動作するソフトウェアの概要について 説明します。
2 章では、Sun™ Management Center (SMS 1.6) ソフトウェアのマニュアルセット に含まれるマニュアルのほか、Sun Fire ハイエンドシステム上で動作するこのソフト ウェアに関する記述のある Sun のその他のマニュアルについて説明します。
3 章では、Sun Fire ハイエンドシステムでのセキュリティーの概要について説明し ます。
4 章では、Sun Fire ハイエンドシステムで使用した場合の Solaris™ オペレーティ ングシステムの概要について説明します。
5 章では、System Management Services (SMS) ソフトウェアの概要について説明 します。
6 章では、動的再構成 (DR) ソフトウェアの概要について説明します。
7 章では、Sun Fire ハイエンドシステム上で動作する Sun Management Center ソ フトウェアの概要について説明します。
v
UNIX コマンド
このマニュアルには、システムの停止、システムの起動、およびデバイスの構成など に使用する基本的な UNIX® コマンドと操作手順に関する説明は含まれていない可能 性があります。
これらについては、以下を参照してください。
使用しているシステムに付属のソフトウェアマニュアル
下記にある Solaris オペレーティングシステムのマニュアル
http://www.sun.com/documentation
シェルプロンプトについて
シェル プロンプト
UNIX C シェル
UNIX Bourne シェルと Korn シェル
スーパーユーザー (シェルの種類を問わない)
machine_name%
$
#
vi Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
書体と記号について
書体または記号
AaBbCc123
AaBbCc123
AaBbCc123
『 』 参照する書名を示します。 Solaris ユーザーマニュアル』
「 」 参照する章、節、または、強調す
\
* 使用しているブラウザにより、これらの設定と異なって表示される場合があります。
*
意味
コマンド名、ファイル名、ディレ クトリ名、画面上のコンピュータ 出力、コード例。
ユーザーが入力する文字を、画面 上のコンピュータ出力と区別して 表します。
コマンド行の可変部分。実際の名 前や値と置き換えてください。
る語を示します。
枠で囲まれたコード例で、テキス トがページ行幅を超える場合に、 継続を示します。
.login ファイルを編集します。 ls -a を実行します。
% You have mail.
%
su
Password:
rm filename と入力します。
6 章「データの管理」を参照。 この操作ができるのは「スーパー
ユーザー」だけです。
% grep ‘^#define \
XV_VERSION_STRING’
はじめに vii
関連マニュアル
用途 タイトル
問題、制限事項、およびバグ System Management Services (SMS) 1.6
ソフトウェアご使用にあたって』
インストール System Management Services (SMS) 1.6
インストールマニュアル』
使用法 System Management Services (SMS) 1.6
管理者マニュアル』
リファレンス System Management Services (SMS) 1.6
リファレンスマニュアル』
使用法 Sun Fire ハイエンド/ミッドレンジシス
テム Dynamic Reconfiguration ユーザー マニュアル』
問題、制限事項、およびバグ Sun Management Center 3.5 バージョン
6 Sun Fire ハイエンドシステムご使用にあ たって』
インストール Sun Management Center 3.5 インストー
ルと構成ガイド』
使用法 Sun Management Center 3.5 ユーザーガ
イド』
使用法 Sun Management Center 3.5 バージョン
6 Sun Fire ハイエンドシステムのための追 補マニュアル』
インストールおよび構成 Sun Fire 15K/12K システムサイト計画
の手引き』 『Sun Fire E25K/E20K システムサイト計
画の手引き』
Part No.
819-6421-10
819-6414-10
819-6418-10
819-4662-10
819-3187-10
819-4005-11
817-3019-10
817-3024-10
819-3994-10
817-3201-10
817-6855-11
形式
HTMLPDF
HTMLPDF
HTMLPDF
HTMLPDF
HTMLPDF
HTMLPDF
HTMLPDF
HTMLPDF
HTMLPDF
HTMLPDF
SMS 1.6 のオンラインマニュアルはすべて、次の Web サイトから入手できます。
http://www.sun.com/products-n-solutions/hardware/docs/
viii Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
マニュアル、サポート、およびトレーニ ング
Sun のサービス
マニュアル
サポート
トレーニング
URL
http://jp.sun.com/documentation/
http://jp.sun.com/support/
http://jp.sun.com/training/
Sun 以外の Web サイト
このマニュアルで紹介する Sun 以外の Web サイトが使用可能かどうかについては、 Sun は責任を負いません。このようなサイトやリソース上、またはこれらを経由して
利用できるコンテンツ、広告、製品、またはその他の資料についても、Sun は保証し ておらず、法的責任を負いません。また、このようなサイトやリソース上、またはこ れらを経由して利用できるコンテンツ、商品、サービスの使用や、それらへの依存に 関連して発生した実際の損害や損失、またはその申し立てについても、Sun は一切の 責任を負いません。
コメントをお寄せください
マニュアルの品質改善のため、お客様からのご意見およびご要望をお待ちしておりま す。コメントは下記よりお送りください。
http://www.sun.com/hwdocs/feedback
ご意見をお寄せいただく際には、下記のタイトルと Part No. を記載してください。
Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要』、Part No. 819-6409-10
はじめに ix
x Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
1
Sun Fire ハイエンドソフトウェアの
概要
Sun Fire ハイエンドシステムは、Sun Fire E25K/E20K/15K/12K システムと総称さ れる Sun Fire ハイエンドサーバーシステムファミリに含まれる製品です。Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアである System Management Services (SMS) 1.6 は、Solaris オペレーティングシステム (Solaris OS) が動作するサーバードメインおよ びシステムコントローラ (SC) 上で動作します。Solaris OS の詳細は、第 4 章を参照 してください。
Sun Fire ハイエンドシステムは、通常「プラットフォーム」と呼ばれます。プラット フォーム内にあるシステムボードは、個別に起動できる複数のシステム (「動的シス テムドメイン」または単に「ドメイン」と呼ばれる) に論理的にグループ化できま す。単一のプラットフォーム上に同時に存在できるドメインの数は、Sun Fire E25K および 15K システムでは 18 個まで、E20K および 12K システムでは 9 個までです。
Sun Fire ハイエンドシステムのシステムコントローラ (SC) は、Sun Fire システムの 操作および制御に必須の重要なサービスと資源を提供します。SC にインストールさ れた SMS ソフトウェアを使うと、プラットフォーム自体と同様にドメインも制御お よび監視の対象にすることができます。SMS では、さまざまな機能をコマンド行イ ンタフェース (CLI) から利用できます。新しいシステムの場合は、SMS ソフトウェ アは出荷前にインストールされています。以前のシステムを使用されている方には、 アップグレードをお勧めします。SMS ソフトウェアについては、第 5 章を参照して ください。
SMS の多くのコマンドの代わりとして使用できるグラフィカルユーザーインタ フェース (GUI) は、Sun Management Center ソフトウェアにより提供されます。 Sun Management Center ソフトウェアについては、第 7 章を参照してください。
動的再構成 (DR) ソフトウェアを使用すると、ドメインを動的に再構成することで、 ドメインをマルチユーザーモードで実行している間に、現在インストールされている システムボードをオペレーティングシステムと論理的に接続したり切り離したりする ことができます。システムボードは、システムがマルチユーザーモードで動作してい る場合でも、ドメインに接続されていなければ物理的に交換できます。動的再構成ソ フトウェアについては、第 6 章を参照してください。
1
新機能
SMS 1.6 は次の新しい機能をサポートします。
ドメインおよび SC の両方での Solaris 10 OS
Solaris™ Security Toolkit 4.2
UltraSPARC
システムファームウェア version 5.20
可用性機能セット 2 (FS-2) のサポート (Solaris 10 5/06 ソフトウェアが必要)
PCI-X のサポート
®
IV+ 1800 MHz プロセッサ
2 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
2
Sun Fire ハイエンドシステムソフト ウェアのマニュアルセット
Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアのマニュアルは、次の 3 つのカテゴリのマ ニュアルから構成されます。
Sun Fire ハイエンドシステムでのみ動作するソフトウェアの使用法、リファレン
ス、インストール、および制限事項に関するマニュアル。このカテゴリには、 System Management Services (SMS) ソフトウェアマニュアルが含まれます。
Sun Fire ハイエンドシステムだけでなく、ほかのシステムおよびワークステー
ションにも適用される Sun ソフトウェアマニュアル。このカテゴリには、個々の マニュアルページコマンドのほか、Solaris OS の使用法、リファレンス、インス トールおよび制限事項に関するマニュアルが含まれます。
Sun ハードウェアプラットフォームで動作するが、Sun Fire ハイエンドシステム
で動作させる場合には追加の情報と手順を必要とする Sun ソフトウェア製品のマ ニュアル。このカテゴリには、Sun Management Center ソフトウェアマニュアル が含まれます。
さらにいくつかのハードウェアおよびサービスマニュアルが、Sun Fire ハイエンドシ ステムハードウェアに付属しています。これらのマニュアルの中の『Sun Fire 15K/12K システムサイト計画の手引き』と『Sun Fire E25K/E20K システムサイト計 画の手引き』の 2 冊には、管理ネットワークソフトウェアによって使用されるイン ターネットプロトコル (IP) アドレスの範囲を割り当てるために必要な手順を含む、 インストール前チェックリストが記載されています。
このマニュアルセットの対象読者
Sun Fire ハイエンドシステムは、ミッションクリティカルなデータセンターで使用さ れます。Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアマニュアルセットの対象読者は、 これらのハイエンドシステムを構成、維持管理する経験豊富なシステム管理者です。
3
Sun Fire ハイエンドシステムの管理者は、Sun 認定 Solaris システム管理者資格 (SCSA)、および Sun 認定 Solaris ネットワーク管理者資格 (SCNA) を取得する能力を 持っていることが推奨されます。Sun より提供されるこれらの認定資格は、Solaris OS での重要なシステム管理手順の実行を担当するシステム管理者、および Solaris OS が動作するネットワークシステムの管理を担当する技術アプリケーションサポー
トスタッフを対象としています。
Sun Microsystems では、認定資格取得プロセスを解説した Web サイトを用意してい ます。このサイトには、Solaris OS 認定資格試験の準備と受験申込に必要な次の情報 が記載されています。
認定資格の要件
試験の詳細
関連コースウェア
出題範囲
認定資格取得の詳細は、次の Web サイトを参照してください。
http://suned.sun.com
多くの場合、認定資格ではトレーニングコースに沿った内容が出題されるため、Sun Fire ハイエンドシステムの管理者は、Sun エデュケーションサービスの Solaris OS
管理およびネットワーク管理の分野の標準的なトレーニングコースの内容に習熟する ことをお勧めします。特に次のコースを推奨しています。
Solaris オペレーティングシステム管理者 I コース。スタンドアロンインストー
ル、ファイルシステム管理、バックアップ手順、プロセス制御、ユーザー管理、 およびデバイス管理といった不可欠なタスクに関する情報を提供します。
Solaris オペレーティングシステム管理者 II コース。ネットワーク環境で Solaris
ソフトウェアを実行する Sun システムの管理に必要なスキルを受講者に提供しま す。受講者は、Sun のシステムの保守、NFS の構成とトラブルシューティング、 およびネットワーク情報サービス (NIS) 環境の構成を行う方法について学びま す。
Solaris オペレーティングシステム TCP/IP ネットワーク管理者コース。ローカル
エリアネットワーク (LAN) の計画作成、構築、管理およびトラブルシューティン グを行うために必要な、高度な管理スキルを受講者に指導します。このコースで は、インターネットプロトコル (IP) ルーティング、ドメインネームサービス (DNS)、および動的ホスト構成プロトコル (DHCP) だけではなく、ネットワーク 計画、構成、およびトラブルシューティングも実際に体験できます。
これらのコースとその内容の詳細は、次の Web サイトで Solaris OS のコースを参照 してください。
http://suned.sun.com/
4 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
一部のシステム管理手順は、Solaris OS にも Sun Fire ハイエンドシステムにもあまり 精通していない可能性があるオペレータに任されるため、インストールや構成などの 操作手順は段階的にわかりやすく記載されています。オペレータが実行する行為ごと に 1 つの手順が示され、手順の実行後にオペレータに表示されるメッセージの例が豊 富に示されています。
Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェ アに関する情報の記載場所
Sun Fire ハイエンドシステムのソフトウェアマニュアルには、ユーザーマニュアル、 リファレンスマニュアル (man コマンドを使用して個別に表示できる個々のマニュア ルページを含む)、インストールガイド、リリースノート、および README ファイ ルが含まれます。
製品版ソフトウェアリリースの場合、Sun Microsystems Web サイトでこれらのソ フトウェアマニュアルを入手することもできます。次の Web サイトの「High-End Servers (ハイエンドサーバー)」リンクをクリックすると、これらのマニュアルが表 示されます。
http://www.sun.com/products-n-solutions/hardware/docs/Servers/
Solaris OS に関する情報
いずれかの Sun Fire ハイエンドシステムドメインで Solaris OS をインストールまた はアップグレードする場合は、使用している Solaris OS のメディアキットに同梱され ている Solaris OS のインストールマニュアルとリリースノート (ご使用にあたって) を参照してください。
SMS ソフトウェアに関する情報
プラットフォーム管理情報については、『System Management Services (SMS) 1.6 管 理者マニュアル』を参照してください。
2 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアのマニュアルセット 5
SMS コマンドの使用法と構文については、『System Management Services (SMS)
1.6 リファレンスマニュアル』と、このマニュアルに記載されている各 SMS マニュア
ルページを参照してください。
メインまたはスペアシステムコントローラで SMS ソフトウェアをアップグレードま たは再インストールする場合は、『System Management Services (SMS) 1.6 インス トールマニュアル』を参照してください。
動的再構成 (DR) ソフトウェアに関する 情報
プラットフォーム管理者としてシステムコントローラから DR 操作を実行する場合 は、『ハイエンド/ミッドレンジシステム Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュ アル』を参照してください。
個々のドメインにログオンしている間に実行される DR 操作の使用法と構文について は、cfgadm(1M) および dr(7) のマニュアルページを参照してください。
Sun Management Center 環境で DR などのシステム管理操作を実行する方法につい ては、『Sun Management Center 3.5 バージョン 6 Sun Fire ハイエンドシステムのた めの追補マニュアル』を参照してください。
Sun Management Center ソフトウェア に関する情報
Sun Fire ハイエンドシステムで Sun Management Center を使用する方法について は、『Sun Management Center ソフトウェアユーザーズガイド』と『Sun Management Center 3.5 バージョン 6 Sun Fire ハイエンドシステムのための追補マ ニュアル』を参照してください。
Sun Fire ハイエンドシステムで Sun Management Center をインストール、アップグ レード、または設定する方法については、『Sun Management Center ソフトウェア インストールガイド』、『Sun Management Center 3.5 バージョン 6 Sun Fire ハイエ ンドシステムのための追補マニュアル』、および『Sun Management Center ソフト ウェアご使用にあたって』を参照してください。
Sun Management Center 環境で DR などのシステム管理操作を実行する方法につい ては、『Sun Management Center 3.5 バージョン 6 Sun Fire ハイエンドシステムのた めの追補マニュアル』を参照してください。
6 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
Sun Management Center およびそれがサポートするほかのプラットフォームの詳 細、またはソフトウェアやマニュアルをダウンロードする方法については、次の Sun Management Center Web サイトを参照してください。
http://www.sun.com/sunmanagementcenter/
2 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアのマニュアルセット 7
8 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
3
セキュリティー
SMS 1.6 ソフトウェアは、Solaris Security Toolkit 4.2 をサポートします。Solaris Security Toolkit 4.2 は、SMS 1.6 のインストールとともに自動的にダウンロードされ
ます。システムのセキュリティーオプション (デフォルトでのセキュリティー設定ま たは選択によるセキュリティー設定) は、SMS ソフトウェアを新規インストールする のか、アップグレードとしてインストールするのかによって異なります。
デフォルトでのセキュリティー設定
SMS バージョンを新規インストールする場合は、smsinstall コマンドが使用され て、インストールプロセスの機能の 1 つとして自動的にセキュリティーが強化されま す (デフォルトでのセキュリティー設定)。詳細は、『System Management Services (SMS) 1.6 管理者マニュアル』を参照してください。
選択によるセキュリティー設定
アップグレードによりインストールする場合は、システムのセキュリティーが自動的 に強化されることはありません。この場合は、smsupgrade コマンドを使用しま す。Solaris Security Toolkit ソフトウェアが SMS zip ファイルの一部としてダウン ロードされます。ダウンロード後、このソフトウェアを使用して、システムのセキュ リティーを強化したり、元に戻したり、監査したりできます。詳細は、『System Management Services (SMS) 1.6 管理者マニュアル』を参照してください。
9
10 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
4
Sun Fire ハイエンドシステムの Solaris オペレーティングシステム
Sun Fire ハイエンドシステムは、いくつかの動的システムドメインに分割できます。 これらのドメインは、ドメインに割り当てられるシステムボードスロットに対応して います。各ドメインは、ハードウェアパーティションに電気的に分離されるため、あ るドメインで障害が発生しても、システム内のほかのドメインには影響しません。
Sun Fire ハイエンドシステムでは、Solaris 89、または 10 OS はドメイン上で動作 し、Solaris 9 または 10 OS はシステムコントローラ (SC) 上で動作します。Solaris OS は、メインフレームオペレーティングシステムの数分の 1 のコストで UNIX で最 高クラスの信頼性、可用性、および保守性を提供します。
Solaris OS の利点は次のとおりです。
安定性、高い性能、容量、および精度
32 ビットおよび 64 ビットのオペレーティング環境
使いやすいツール
高い品質と信頼性
業界標準 API をサポートする統合されたグラフィックス
12,000 種を超える最先端の技術および業務アプリケーション
11
12 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
5
System Management Services (SMS 1.6) ソフトウェア
SMS 1.6 ソフトウェアは、Solaris OS が動作する Sun Fire ハイエンドシステムドメイ ンに対応しています。SMS ソフトウェアに含まれている各コマンドは、遠隔から実 行できます。
SMS ソフトウェアを使用すると、プラットフォーム管理者は次のタスクを実行でき ます。
ドメイン構成ユニット (DCU) を論理的にグループ化して、複数のドメインを管理
します。DCU は、CPU ボードおよび入出力ボードなどのシステムボードです。 ドメインは、独自にオペレーティングシステムを実行して自身の作業負荷を処理 できます。
ドメインを動的に再構成することで、ドメインがマルチユーザーモードで動作し
ている間に、現在インストールされているシステムボードをオペレーティングシ ステムと論理的に接続したり切り離したりすることができます。システムボード は、システムがマルチユーザーモードで動作している場合でも、ドメインに接続 されていなければ物理的に交換できます。
スクリプトを使用して、ドメインに対して自動化された動的再構成を実行しま
す。
1 つ、または複数のシステムボードやドメインの温度、電流レベル、および電圧レ
ベルを監視および表示します。
プラットフォーム内のコンポーネントへの電源供給を監視および制御します。
電源投入時自己診断 (POST) などの診断プログラムを実行します。
SMS ソフトウェアには次の機能があります。
動的なシステムドメイン (DSD) 構成
構成済みドメインサービス
ドメイン制御機能
ドメインステータスのレポート
自動診断および自動ドメイン回復
ハードウェア制御機能
ハードウェアステータスの監視、レポート、および処理
ハードウェアエラーの監視、レポート、および処理
13
システムコントローラ (SC) のフェイルオーバー
構成可能な管理者特権
Capacity on Demand (COD) オプションを使用して、予備の処理リソースを割り
当て、使用可能にし、監視を行う機能
1.6 release で追加された新機能は、次のとおりです。
ドメインおよび SC での Solaris 10 OS のサポート
Solaris Security Toolkit 4.2 のサポート
UltraSPARC™ IV+ 1800 MHz プロセッサ
システムファームウェア version 5.20
可用性 (AVL) 機能セット 2 の機能のサポート (Solaris 10 5/06 ソフトウェアが必要)
hsPCIX ボードのサポート
システムアーキテクチャー
SMS ソフトウェアでは、分散型クライアント/サーバーアーキテクチャーが使用され ます。init(1M) が、1 つの ssd(1M) プロセスを起動、または必要に応じて再起動し ます。ssd コマンドは、ほかのすべての SMS プロセスを監視し、必要に応じて再起 動します。
Sun Fire ハイエンドプラットフォーム、SC、および他のワークステーションは Ethernet を介して通信します。SMS の操作を行うには、ローカルエリアネットワー
ク上のほかのワークステーションから SC に遠隔ログインして、その SC 上でコマン ドを入力します。SMS の操作 (たとえば、プラットフォームの監視および制御) を行 うには、そのプラットフォームまたはドメインの適切な特権を持つユーザーとしてロ グインする必要があります。
デュアルシステムコントローラボードは、Sun Fire ハイエンドシステム内でサポート されています。一方のボードが主 SC またはメイン SC に指定され、他方がスペア SC に指定されます。メインシステムコントローラに障害が発生すると、フェイルオー バー機能により自動的にスペアシステムコントローラに切り換えられます。
SMS 管理環境
Sun Fire ハイエンドシステム上での管理タスクのセキュリティーは、グループ特権の 要件により保護されます。インストール時に、SMS は、次の UNIX グループを /etc/group ファイルにインストールします。
platadmn は、プラットフォームの管理者を示します。
platoper は、プラットフォームのオペレータを示します。
14 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
platsvc は、プラットフォームの保守担当者を示します。
dmn[A...R]admn - ドメイン [domain_id|domain_tag] は、使用可能な 18 のドメイ
ンのうちの 1 つの管理者を示します。
dmn[A...R]rcfg - ドメイン [domain_id|domain_tag] は、使用可能な 18 のドメイ
ンのうちの 1 つの構成者を示します。
管理ネットワーク
システムコントローラの主要機能の 1 つは、Sun Fire ハイエンドシステムプラット フォームとそのドメインに管理サービスを提供することです。Sun Fire ハイエンドシ ステム管理ネットワーク (MAN) はハードウェアとソフトウェアの組み合わせであ り、このような管理サービスを提供するためのネットワークアーキテクチャーとなり ます。
管理ネットワークが提供する主なサービスは次のとおりです。
ドメインコンソール
メッセージロギング
時間同期
動的再構成
ネットワーク起動と Solaris のインストール
システムコントローラハートビート
管理ネットワークへのアクセスは、プラットフォームの SC とドメインに限定されま す。管理ネットワークを介して、外部の IP トラフィックをルーティングするべきで はありません。
Capacity on Demand
Sun Fire ハイエンドシステムは、CPU/メモリーボードに搭載されている特定の個数 のプロセッサ (CPU) を使用するよう構成されています。これらのボードは、初期シ ステム構成の一部、またはアドオンコンポーネントとしてすでに購入いただいていま す。購入されたボードには、ボードに搭載されている CPU の使用権も含まれていま す。
Capacity on Demand (COD) オプションは、必要になった時点で代金を支払って使用 できる、予備の処理リソースを提供します。COD オプションを使用すると、ライセ ンスのない CPU/メモリーボードがシステムに取り付けられます。これらのボードは COD CPU/メモリーボードとして区別され、4 つの CPU が搭載されています。しか し、この COD CPU/メモリーボードに対する COD RTU (right-to-use) ライセンスも
5 System Management Services (SMS 1.6) ソフトウェア 15
購入しない限り、このボードに搭載されている CPU を使用する権利はありません。 COD RTU ライセンスを購入すると、ライセンスキーを受け取り、ライセンスに応じ た個数の COD プロセッサが使用できるようになります。
Sun Fire ハイエンドシステムでは、システムの最大許容量まで、アクティブな CPU/
メモリーボードと COD CPU/メモリーボードを任意に組み合わせて使用することが できます。システムの各ドメインには、アクティブな CPU 1 つ以上必要です。
COD CPU/メモリーボードと、そのボードに対応する COD RTU ライセンス数を購 入される際には、ご購入先にお問合せください。COD CPU/メモリーボードを取り 付けた後、SMS ソフトウェアを使用して COD RTU ライセンスを割り当て、COD CPU を使用可能にし、使用中の COD CPU を監視します。
詳細について
SMS ソフトウェアの詳細が記載されたマニュアルについては、3 ページの「このマ ニュアルセットの対象読者」を参照してください。
16 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
6
Sun Fire ハイエンドシステムの動的 再構成ソフトウェア
Sun Fire ハイエンドシステムで動作する動的再構成 (DR) ソフトウェアを使用する と、Solaris OS が動作するライブドメインのハードウェア構成を変更できます。
DR 操作は、SC または個々のドメインから実行できます。
DR 操作は、SC から addboard(1M)moveboard(1M)deleteboard(1M)、およ rcfgadm(1M) SMS コマンドを使用して実行できます。
DR ソフトウェアを使用すると、システムを停止せずにシステムボードをホットプラ
グすることもできます。これは、障害の発生したシステムボードの資源をドメインか ら解除することで、システムボードをシステムから切り離しできるようにする目的で 使用されます。修理済みボードまたは交換用ボードは、Solaris OS の動作中にドメイ ンに取り付けることができます。
DR ソフトウェアは、ボードが装着されると、その資源を構成してドメインに組み込 みます。DR 機能を使用してシステムボードを追加または削除した場合、そのボード は常に既存の構成状態のままになります。
システムボードには次のものがあります。
CPU およびメモリーボード
HPCI 入出力ボード
HPCI+ 入出力ボード
WCI ボード
MCPU ボード
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システムボードスロットと論理ドメイン
Sun Fire ハイエンドシステムのドメイン構成は、SC に常駐するプラットフォーム構 成データベース (PCD) 内のドメイン構成によって決定されます。PCD は、システム ボードスロットを複数のドメインに論理的に分割する方法を規定します。したがっ て、構成には空のスロットと生成したスロットを含めることができます。
物理ドメインは論理ドメインによって決まります。論理ドメインとは、ドメインに属 する一連のスロットをいいます。物理ドメインとは、物理的に相互接続された一連の ボードをいいます。スロットは、物理ドメインの一部にならなくても論理ドメインの メンバーになれます。
特定のドメインで使用可能なスロットの数は、システムコントローラ上で維持される 使用可能構成要素リストによって指定されます。スロットをドメインに割り当てる か、またはドメインにすでにスロットが存在しなければ、cfgadm(1M) コマンドでそ の状態を変更することはできません。
ドメインに割り当てられたスロットはそのドメインには見えますが、ほかのドメイン からは使用できず、また見えません。逆に言えば、ほかのドメインにスロットを接続 して割り当てるには、そのスロットをドメインから割り当て解除し、切り離しておく 必要があります。
ドメインが起動したあと、システムボードと空のスロットを論理ドメインに割り当て るか、または割り当てを解除できます。ただし、オペレーティングシステムから要求 があるまでは、これらのスロットを物理ドメインの一部にはできません。
どのドメインにも割り当てられないシステムボードスロットは、すべてのドメインで 使用できます。プラットフォーム管理者はこれらのボードをドメインに割り当てるこ とができます。ただし、使用可能構成要素を SC に設定して、適切な特権を持つユー ザーが使用可能なボードをドメインに割り当てられるようにすることもできます。
DR 管理モデル
使用可能構成要素リストは、ユーザーの名前とグループ識別子に基づいて実行できる 管理作業を決定します。たとえば、プラットフォーム管理者は、ドメインでのボード の割り当てと割り当て解除のほか、ボードの追加、削除、または移動を行えます。た だし、ドメイン管理者やドメイン設定者は、ドメインでのボードの割り当てまたは割 り当て解除を行うことはできません。
18 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
SC 状態モデル
Sun Fire ハイエンドシステムの SC では、ボードは unavailable、available、 assigned、または active 4 つの状態のいずれかです。showboards(1M) コマ
ンドを使用すると、特定のボードの状態を表示できます。指定されたドメインの適切 な特権が必要です。ドメイン管理者は、unavailable (使用不可) の状態のボードを表 示できません。システムのすべてのボードを表示できるのは、プラットフォーム管理 者だけです。
SC 上のボードの状態を示す名前とその説明を次に示します。SC 上にあるボードの状 態は、ドメインにあるボードの状態とは異なります。
unavailable
ボードはドメインに対して使用不可 (unavailable) です。つまり、指定されたドメイ ンの使用可能構成要素リストにこのボードは追加されていないか、または現在別のド メインに割り当てられています。使用可能構成要素リストにないボードは、ドメイン には見えません。unavailable な状態のボードは、指定されたドメインの一部とはみ なされません。
available
ボードはドメインに追加することが可能な (available) 状態にあります。つまり、 ボードはドメインの使用可能構成要素リストにあります。ボードは任意の数のドメイ ンに使用できます。available 状態のボードは、論理ドメインの一部とみなされま す。
assigned
ボードはドメインに割り当て済み (assigned) です。つまり、ボードはそのドメインの 使用可能構成要素リストにあり、かつ、ほかのドメインには使用不可の状態です。 assigned 状態のボードは、物理ドメインの一部とみなされます。
6 Sun Fire ハイエンドシステムの動的再構成ソフトウェア 19
active
ボードは接続されているか、または接続され、Solaris OS で構成されてオペレーティ ングシステムで使用可能な状態にあります。active 状態のボードは、物理ドメインの 一部とみなされます。
入出力ボードの DR
入出力デバイスのあるシステムボードを追加または削除するときは、注意が必要で す。入出力デバイスのあるボードを取り外すには、まずその全デバイスを閉じて、そ の全ファイルシステムをマウント解除する必要があります。
入出力デバイスのあるボードをドメインから一時的に削除して、入出力デバイスのあ る別のボードを追加する前に、追加し直す場合、再構成は不要であり実行する必要は ありません。この場合、ボードデバイスへのデバイスパスはそのままです。ただし、 最初のボードを戻す前に、入出力デバイスのある別のボードを追加する場合は、最初 のボード上のデバイスへのパスが変更されるため、再構成が必要です。
自動 DR
自動 DR を使用すると、ユーザーの介入なしに、アプリケーションが自動的に DR 操 作を実行できます。この機能は、Reconfiguration Coordination Manager (RCM) と システムイベント機能 sysevent を含む拡張 DR フレームワークによって実現され ています。RCM は、アプリケーションに固有のロード可能モジュールがコールバッ クを登録できるようにします。これらのコールバックは、DR 操作前の準備タスク、 DR 操作中のエラー回復、および DR 操作後のクリーンアップなどの操作を実行しま す。
システムイベントフレームワークでは、アプリケーションはあらかじめシステムイベ ントを登録しておくことで、これらについて通知を受け取ることができます。自動 DR フレームワークは RCM およびシステムイベント機能を使って、アプリケーショ ンが、資源の構成を解除する前に自動的にそれらを解放したり、新しい資源がドメイ ンに構成されたりしたときに自動的にそれらの資源を獲得できるようにします。
自動 DR フレームワークは、cfgadm(1M) コマンドを使用してドメインからローカル で使用することも、SC から使用することもできます。ドメインでローカルに開始さ れた自動 DR 操作はローカル自動 DR と呼ばれ、SC から開始された自動 DR 操作は グローバル自動 DR と呼ばれます。グローバル自動 DR 操作には、あるドメインから 別のドメインへのシステムボードの移動、ホットプラグで取り付けられたボードのド メインへの構成、およびドメインからのシステムボードの削除が含まれます。
20 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
詳細について
Dynamic Reconfiguration ソフトウェアの詳細が記載されたマニュアルについては、6
ページの「動的再構成 (DR) ソフトウェアに関する情報」を参照してください。
6 Sun Fire ハイエンドシステムの動的再構成ソフトウェア 21
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Sun Fire ハイエンドシステムの Sun Management Center ソフトウェア
Sun Management Center ソフトウェアは、単体システムから多数のシステムおよび デスクトップシステムまでに対応し、異種のシステムが混在している IT 環境に簡単 に統合することができます。Sun Management Center ソフトウェアは、オープンで 拡張可能なシステム監視および管理アプリケーションで、Java™ ソフトウェアと SNMP を使用して、Sun 製品とそのサブシステム、コンポーネント、および周辺装 置の包括的な企業規模の管理を可能にします。
Sun Management Center は、Sun システムとストレージ構成要素、Solaris OS、およ び Solaris OS で動作するアプリケーションの単一の管理拠点を提供します。Sun Management Center ソフトウェアによって、企業組織は、パフォーマンスを最適化 し、アプリケーションの可用性を向上させて、IT 環境の管理を単純化する監視機能 と管理機能を導入することができます。
Sun Management Center Sun Fire ハ イエンド追加ソフトウェアパッケージ
Sun Fire ハイエンドシステムの追加ソフトウェアパッケージは、Sun Fire E25K/E20K および Sun Fire 15K/12K プラットフォームとドメインをサポートしま
す。Sun Fire E25K/E20K および Sun Fire 15K/12K プラットフォームでは、ハード ウェア構成情報が両方のシステムコントローラと、個々の Sun Fire ハイエンドプ ラットフォームドメインに置かれます。Sun Fire ハイエンドシステムのハードウェア 構成情報の提供、プロセス監視、および管理操作は、Sun Fire ハイエンドエージェン トモジュールによって行われます。
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Sun Management Center ソフトウェアには、Sun Fire ハイエンドシステムを監視し て管理する目的で使用できる唯一のグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) が備 わっています。Sun Management Center ソフトウェアは、ほとんどの企業管理ソフ トウェアパッケージと自由に統合することができます。
Sun Management Center ソフトウェア の機能
多数の Sun システムを管理。
3 層アーキテクチャーによって単一の管理拠点を実現。
Java GUI が共通の画面表示と操作方法を提供。
Sun 以外の主なベンダーのシステムとの統合により、企業規模の異機種システム
混在環境に対応。
Sun Management Center 開発環境によってカスタマイズされたモジュールの作成
および変更が可能。
オブジェクトのグループ化によって、一連の管理対象オブジェクトの複雑なタス
クを簡単に定義して起動可能。
拡張アラーム管理と障害予測分析によってシステムの可用性を強化。
包括的なオンラインハードウェア診断テストによって、システムに影響を与える
可能性がある障害を特定。
Web ベースのインタフェースによって管理を簡略化。
GUI モジュールビルダーが、カスタムモジュールを開発するための強力かつ使い
やすいインタフェースを提供。
新しいフィルタ機能によって、多数のオブジェクトやノードを持つシステムで
あっても迅速に問題を特定。
確実な管理制御方式により、使いやすい GUI を用いた動的再構成とドメイン管理
を実現。
Sun Management Center ソフトウェア の価格
Sun Sun Management Center の基本機能パッケージを無料で提供しており、Web ページからダウンロードできます。このパッケージを使用すると、多数のノードを管 理できるだけでなく、Sun Fire ハイエンドシステムの監視と管理を行うこともできま す。
Advanced Systems Monitoring および Premier Management Applications のパッ ケージのライセンスは、ノードごとまたは Solaris OS イメージごとに付与されます。
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詳細について
Sun Management Center の詳細が記載されたマニュアルについては、3 ページの 「このマニュアルセットの対象読者」を参照してください。
7 Sun Fire ハイエンドシステムの Sun Management Center ソフトウェア 25
26 Sun Fire ハイエンドシステムソフトウェアの概要 • 2006 6
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