
STIHL MS 171, 181, 211
取扱説明書2 - 44

日本語
目次
1 はじめに......................................................2
2 安全に関する重要事項................................ 3
3 反発力......................................................... 7
4 作業方法......................................................9
5 カッティング アタッチメント.................. 15
6 バーとチェンの取り付け (サイドチェン テ
ンショナ).................................................. 16
7 バーとチェンの取り付け (クイックチェン
テンショナ)...............................................17
8 ソーチェンの張り方 (サイドチェン テンシ
ョナ)..........................................................19
9 ソーチェンの張り方 (クイックチェン テン
ショナ)...................................................... 19
10 チェンの張り具合の点検.......................... 19
11 燃料...........................................................19
12 給油...........................................................20
13 チェン オイル........................................... 24
14 チェン オイルの給油.................................24
15 チェン オイルの吐出点検......................... 25
16 チェン ブレーキ........................................25
17 冬季作業....................................................26
18 エンジンの始動と停止.............................. 27
19 作業中の注意事項..................................... 31
20 ガイド バーの保守.................................... 31
21 シュラウド................................................ 32
22 エアー フィルター システム.....................32
23 エアーフィルターの掃除.......................... 32
24 キャブレターの調整..................................33
25 スパーク プラグ........................................34
26 エンジンの動作.........................................35
27 機械の保管................................................ 35
28 チェン スプロケットの点検と交換........... 35
29 ソーチェンの整備と目立て.......................36
30 整備表....................................................... 39
31 磨耗の低減と損傷の回避.......................... 40
32 主要構成部品............................................ 41
33 技術仕様....................................................42
34 スペア パーツのご注文............................. 43
35 整備と修理................................................ 43
36 廃棄...........................................................44
37 EC 適合証明書.......................................... 44
お客様各位
この度は STIHL 社の製品をお買上げいただきま
して誠に有難うございます。
この製品は、最新の製造技術と入念な品質保証処
置を施して製造されました。私共は、お客様がこ
の製品を支障なく使用され、その性能に満足して
いただくために最善の努力を尽くす所存でおり
ます。
本製品に関してご不明な点がありましたら、お買
上げの販売店または当社カスタマーサービスに
お問い合わせください。
敬具
Dr. Nikolas Stihl
1 はじめに
この取扱説明書では STIHL チェンソーは機械と
呼ばれる事もあります。
1.1 シンボル マークについて
機械に表示されているシンボル マークは、この取
扱説明書で説明されています。
機械および装置のバージョンによっては、次のシ
ンボル マークが機械に表示されている場合があ
ります。
燃料タンク、ガソリンとエンジン オイ
ルの混合燃料
チェン オイル用タンク、チェン オイ
ル
チェン ブレーキの作動および解除
コースティング ブレーキ
チェン移動方向
E マチック、チェン オイル流量調整
ソー チェンの張り
インテーク エアー バッフル:冬季作
業
インテーク エアー バッフル:夏季作
業
ハンドル ヒーティング
デコンプ バルブの作動
パージャー ポンプの作動
0000000876_033_J
元の取扱説明書
無塩素漂白紙使用
印刷インクには植物油が使用され、紙はリサイクル可能です。
© ANDREAS STIHL AG & Co. KG 2021
0458-533-4321-E. VA0.F21.
2 0458-533-4321-E

2 安全に関する重要事項 日本語
1.2 段落の前に付いたシンボルや数
字
警告
人に及ぼす事故やケガ、更に重大な物的損傷に対
する警告。
注記
本機本体あるいは構成部位の損傷に対する警告。
1.3 技術改良
当社の信条として、常に自社製品の改良を心がけ
ております。この理由から、製品の設計、技術、
外観が定期的に改良される場合があります。
このため、変更、修正、改良の種類によっては、
本取扱説明書に記載されていない場合がありま
す。
チェンソーで作業する人は、十分に休息をとり、
身体的・精神的に健康でなければなりません。 激
しい労働に耐えられない体調の方は、チェンソー
の使用前にかかりつけの医師に相談してくださ
い。
視界を妨げ、動作や判断を鈍らせるようなアルコ
ールや薬品などを服用した状態では、チェンソー
を使用しないでください。
事故やケガを避けるために、天候が悪い場合 (雨、
雪、氷、風) は作業を延期してください。
ペースメーカーを付けている方にのみ該当する
注意点: チェンソーのイグニッション システム
は、微量の電磁界を発生します。 この電磁界がペ
ースメーカーに干渉する場合があります。 健康
上のリスクを軽減するため、ペースメーカーを装
着された方は、パワーツールの使用前に掛かりつ
けの医師またはペースメーカーの製造元に、お問
い合せください。
2.2 用途
2 安全に関する重要事項
チェンの回転が非常に速く、カッター
が非常に鋭利であるため、チェンソー
で作業を行うときは、人身事故の危険
を低減するために特別な安全措置が
必要です。
初めて使用するときは取扱説明書を
よく読んで理解し、必要なときに見ら
れるよう安全な場所に確実に保管し
てください。 取扱説明書を順守しな
いと生命を脅かすようなケガを負い
やすくなります。
2.1 一般的な注意事項
現地の安全規制、基準、条例を遵守してくださ
い。
騒音を発するパワーツールの使用が、国や地域の
規則によって規制されている場合があります。
この機械で初めて仕事をする人は: STIHL サー
ビス店または経験豊富なユーザーに機械の操作
方法を教えてもらうか、その専門的な研修に参加
してください。
未成年者はチェンソーを使用しないでください。
作業場所に見物人、特に子供や動物を近づけない
でください。
他者およびその所有物に対して生じた事故また
は危険に関しては、その一切の責任をユーザーが
負います。
チェンソーを貸与または譲渡する場合は、取扱説
明書を一緒に手渡してください。 本機の使用者
が取扱説明書の記載事項に精通していることを
確認します。
この機械は樹木や木製品の切断にのみ使用して
ください。
その他の用途のために機械を使用しないでくだ
さい、事故の危険があります!
いかなる方法でも本機を改造しないでください。
人身への傷害の危険性を増加させることがあり
ます。 承認されていないアタッチメントを使用
した際の人的傷害および物的損害に対しては当
社は一切保証を行いません。
2.3 衣服と装備
適切な防護服と装備を身に付けてください。
丈夫な素材で、身体に合い、身体の動
きを制約しない衣服を着用してくだ
さい。だぶだぶな上着ではなく、切断
防止機能付きの身体にピッタリした
作業衣を着用してください。
枝、やぶ、または機械の可動部品等に引っかかる
衣服を身に付けないでください。スカーフ、ネク
タイ、装身具を身に付けないでください。長髪は
結んでまとめてください(スカーフ、帽子、ヘル
メット等に押し込んでください)。
適切な安全靴 - 切断防止素材が使用
され、靴底が滑らず、爪先に鋼板が
入った靴 - を履いてください。
警告
目を負傷する危険を低減するために、
EN 166 基準に準拠した確実にフィッ
トする保護メガネまたはフェイスシ
ールドを着用してください。保護メ
0458-533-4321-E 3

日本語 2 安全に関する重要事項
ガネとフェイスシールドが顔のサイ
ズに合っているか確認してください。
「自分専用」のイヤープロテクター - 例えば防音
用耳栓 - を着用してください。
落下物の危険がある場所では、ヘルメットを着用
してください。
耐性素材 (革等) でできた、丈夫な保護
手袋を着用してください。
STIHL 社では、作業者を保護する多様な保護装備
を販売しています。
2.4 運搬
たとえ短い距離であっても、運搬前に機械の電源
を切り、チェンブレーキを掛け、チェンガードを
取り付けます。それによりソーチェンの偶発的
な始動を防ぐことができます。
チェンソーは常にハンドルを保持し、高温のマフ
ラーを身体から離し、ガイドバーを後ろ向きにし
て運搬してください。重度の火傷を負わないよ
う、本機の高温になった部品、特にマフラー表面
には触れないでださい。
車両で輸送する場合は、転倒、燃料漏れ、損傷を
防ぐためにチェンソーを適切に固定してくださ
い。
2.5 洗浄
プラスチック製部品は、布で掃除します。 強い洗
剤はプラスチックを損傷することがあります。
機械から、汚れや泥を取り除いてください - これ
には、グリース溶剤を使わないでください。
必要に応じて換気スロットを清掃します。
機械の清掃に高圧洗浄機を使用しないでくださ
い。 強い流水で機械の部品を損傷する恐れがあ
ります。
2.6 アクセサリー
当社が本機での使用を承認した、または技術的に
同等の、ツール、ガイド バー、チェン、チェン
スプロケット、またはアクセサリーだけをご使用
ください。 これに関して不明な点がある場合は、
STIHL サービス店へお問い合わせください。 高
品質ツールおよびアクセサリーだけをご使用く
ださい。 そうしないと、事故および本機の損傷の
恐れがあります。
当社では、STIHL 純正のツール、ガイド バー、
チェン、チェン スプロケット、およびアクセサリ
ーだけをご使用いただきますようお勧めしま
す。 これらは、お客様の機種およびご使用になる
性能要件に合わせて、特別に設計されています。
2.7 燃料の給油
ガソリンは非常に簡単に引火します 火気を近づけないでください - 燃料
をこぼしたり、喫煙しないでくださ
い。
燃料を給油する前にエンジンを停止してくださ
い。
エンジンがまだ熱いうちは給油しないでくださ
い - 燃料が流れ出て火災になることがありま
す!
燃料フィラーキャップは、過剰な圧力が徐々に抜
けて、燃料が噴き出さないように、慎重に開けて
ください。
給油は風通しの良い場所で行ってください。 本
機に燃料をこぼしたら直ちにふき取ってくださ
い。 衣服に燃料をこぼさないでください - 汚れ
た衣服は直ちに着替えてください。
機械は標準として、次のフィラー キャップを装備
することができます。
バイヨネット式フィラー キャップ (差し込みロ
ック)
バイヨネット式燃料タンクキャップ
(差し込みロック) は正しく差し込み、
止まるまで回してからバイヨネット
を下ろしてください。
正しく締め付けられていない燃料キャップがエ
ンジンの振動によって緩んで燃料が漏れる危険
を低減します。
燃料が漏れていないか注意してくだ
さい! 燃料がこぼれたり漏れている
場合は、エンジンを始動しないでくだ
さい - 火傷による命の危険がありま
す!
2.8 始動前
チェンが正しく取り付けられ、良好な状態になっ
ているかチェックします(本取扱説明書の関連項
目を参照):
燃料システムに漏れがないか点検します。特
–
にタンク キャップ、ホース接続部や手動燃料
4 0458-533-4321-E

2 安全に関する重要事項 日本語
ポンプ (機械に取り付けられている) などの、目
に見える部品を特に注意深く点検します。 漏
れや損傷がある場合は、エンジンを始動しない
でください - 火災の危険性があります。 再度
使用する前に、チェンソーの修理をサービス店
に依頼してください
チェンブレーキや前ハンドガードが正常に作
–
動するか点検します
ガイド バーが正しく装着されている
–
チェンが適切に張られている
–
トリガーおよびトリガー ロックアウトがスム
–
ーズに作動して、放すとアイドリング位置に戻
らなければなりません。
マスター コントロール レバーが、スムーズに
–
STOP、0 または † 位置に移動できるか。
スパーク プラグ ターミナルがしっかりと差し
–
込まれているかチェックします - 緩んでいる
場合は火花が発生することがあり、可燃性のガ
スに引火する可能性があります。
操作部や安全装置に改造を加えないでくださ
–
い。
チェンソーの安全な操作のため、ハンドルはオ
–
イルや汚れのない、乾いた清潔な状態を保ちま
す。
十分の燃料とチェン オイルがタンクに充填さ
–
れていることを確認します。
人身事故の元となりますので、損傷したり、正し
く取り付けられていないチェンソーは使用しな
いでください。
2.9 チェンソーの始動
必ず平坦な場所で作業を行ってください。 常に
安定した足場を確保してください。 機械はしっ
かりと保持します - チェンが床やその他の物体
と接触しないようにしてください - 回転するソ
ーチェンのためにケガの危険があります。
チェンソーは一人で操作します。 他人が作業区
域内に入らないようにしてください。始動時も
同様です。
チェンが切り口にあるときは、チェンソーを始動
しないでください。
機械の給油位置から最低 3 メートル以上離れ、密
閉された場所では絶対にエンジンを始動しない
でください。
始動前にチェン ブレーキでチェンをロックしま
す。チェンの回転により事故の恐れがあります。
エンジンの落としがけをしないでください - 取
扱説明書に従って始動してください。
2.10 作業中
足場は常に、しっかりと安全にしてください。 剥
いだ皮が湿っているときは特に注意してくださ
い - 滑る恐れがあります!
必ず両手でしっかりとチェンソーを保持してく
ださい。 左利きの場合でも右手で後ハンドルを
握ります。 安全操作のため、ハンドル バーとハ
ンドルをしっかり握ります。
差し迫った危険や緊急の場合、マスターコントロ
ールレバーかストップスイッチを STOP、0 また
は † に動かして、速やかにエンジンを停止しま
す。
本機を運転させたままで、本機から離れないでく
ださい。
滑りやすい表面、水、雪、氷、急な斜面、でこぼ
こな地面、樹皮を剥がしたばかりの樹木の上では
特に注意を払ってください。滑る恐れがありま
す!
切り株、根っこ、溝に注意します。つまずく恐れ
があります!
一人だけで作業しないこと - 事故があった場合
に備えて、近くに応急処置の訓練を受けた人がい
て声を出せば助けに来られるようにします。 切
断作業現場での補助者も保護具(ヘルメット)を
着用し、切断された枝が当たらないところまで下
がっているようにします。
防音用耳栓を付けている場合、より大きな注意が
必要です。危険を告げる声 (叫び声、警笛など) が
聞こえにくくなるからです。
疲労が蓄積しないように、適切な時期に休息をと
ってください 事故の危険があります!
本機の使用時に発生する塵埃 (おがくずなど)、気
体成分、煙は健康を害する恐れがあります。 粉塵
が発生するときは、防塵マスクを着用してくださ
い。
エンジン運転中: スロットル トリガーを放して
も、コースティング効果により チェンは短時間回
転し続けます。
0458-533-4321-E 5

日本語 2 安全に関する重要事項
作業中およびチェンソーの近くでの喫煙は避け
てください。火災の危険性があります! 燃料シ
ステムから、発火しやすいガソリン蒸気が漏れて
いる恐れがあることに、ご注意ください。
短い間隔で定期的に、および明らかな変化に気付
いたときすぐに、ソーチェンを点検します:
エンジンのスイッチを切り、ソーチェンが静止
–
するまで待ちます
状態および接続部がしっかりしていることを
–
確認します
目立ての状況を確認します
–
エンジンの運転中は、ソーチェンに絶対に触れな
いでください。 ソーチェンに物体が挟まった場
合、物体を取り除こうとする前に、直ちにエンジ
ンを停止してください - ケガの危険がありま
す!
機械をそのままにして離れる場合は、必ずエンジ
ンを停止してください。
ソーチェンを交換するには、エンジンのスイッチ
を切ります。 エンジンが不意に始動すると、怪我
をする危険があります!
木片、樹皮、乾燥した草木、燃料など燃えやすい
素材から排気ガスや加熱されたマフラーを離し
てください - 火事の危険があります! 触媒コン
バータ付きマフラーは特に高温になりがちです。
チェンオイルなしでは作業をしてはいけません オイル タンク内のオイル量を注意します。 オイ
ル タンクのオイル量が少ないときは直ちに作業
を停止し、チェン オイルを補充します - 「チェン
オイルの給油」および「チェンの潤滑の点検」も
参照してください。
機械に強い衝撃が加わったり落下するなど、所定
の負荷を越える異常な負荷がかかった場合は、作
業を続ける前に、機械が良好な状態にあることを
常に確認してください - 「作業開始前」も参照し
てください。
給油システムに漏れがないことを確認し、安全装
置が正しく機能していることを確認します。 機
械の動作状態が完全でない限り、絶対に継続して
使用しないでください。 はっきりしない場合は、
サービス店に点検を依頼してください。
正しくアイドリングしているか確認して、スロッ
トル トリガーを放したときにソーチェンが動作
を停止するようにします。 アイドリング設定を
定期的に点検して、できるときに調整してくださ
い。 アイドリング回転中にソーチェンが動き続
ける場合は、STIHL サービス店に機械の修理を依
頼してください。
チェンソーはエンジンが始動すると
すぐに、有毒な排気を発生します。 こ
のガスは、無臭で目に見えないことが
あり、未燃焼の炭化水素とベンゼンを
6 0458-533-4321-E
溝、くぼ地、あるいは狭い場所で作業する時に
は、適切な換気を確保してください - 有毒ガスを
呼吸することによる命の危険があります!
気分が悪くなったり、頭痛、視界が狭くなるなど
視力の障害、聴力の障害、めまい、集中力の低下
などを感じたら、即座に作業を停止してくださ
い。 濃度の高い排気ガスを吸い込むことで、これ
らの症状が現れることがあります - 事故の恐れ
があります!
2.11 作業後
エンジン切り、チェンブレーキをかけ、チェン ガ
ードを取り付けます。
2.12 保管
機械を使用しない時は、他人に危険が及ばないよ
うに保管します。 不正な使用ができないよう、機
械を固定します。
機械を安全な乾燥した部屋に保管してください。
2.13 振動
チェンソーを長時間使用した場合には、振動の影
響により手の血行不良が生じることがあります
(「白ろう病」)。
以下をはじめ、多くの事柄が影響するため、一般
的な使用時間の設定は不可能です。常に各国の
安全規制、基準、条例をお守りください。
以下の対策をとると使用時間を延長できます:
–
–
以下の場合には使用時間を短くします:
–
–
–
機械を日常的に長時間使用したり、該当する症状
(指のしびれ等)が繰り返し発症する時は、医師に
よる診断をお薦めします。上記のいずれかの症
状が現れたら(指が疼くなど)、医師にご相談くだ
さい。
2.14 整備と修理
修理、清掃または整備作業およびチェンに対して
作業を行う前に必ずエンジンを切ります。 エン
ジンが不意に始動すると、怪我をする危険があり
ます!
含んでいることがあります。 室内や
換気状態の悪い場所では、絶対に機械
を使用しないでください。触媒コン
バータが装着されている機種でも同
様です。
手の防護(暖かい手袋)
休憩を取りながら作業する
血行不良の特殊体質 (症状:指が頻繁に冷たく
なる、指が疼く)。
低い外気温。
ハンドルを掴む力の強さ (掴む力が強いと血行
が低下します)。

3 反発力 日本語
例外: キャブレター調整およびアイドリング ス
ピード調整時は、このかぎりではありません。
本機は定期的に整備する必要があります。 取扱
説明書に書かれている整備や修理だけを行って
ください。 その他すべての作業は、販売店に依頼
してください。
当社では、整備や修理を STIHL 認定サービス店
だけに依頼されることをお勧めします。 STIHL
販売店では定期的にトレーニングを受け、適切な
技術情報の提供を受けています。
高品質のスペアパーツのみを使用します。 そう
しないと、事故および本機の損傷の恐れがありま
す。 これに関して不明な点がある場合は、STIHL
サービス店へお問い合わせください。
いかなる方法でも本機を改造しないでください。
人身への傷害の危険性を増加させることがあり
ます - 事故の危険があります!
スパーク プラグ ターミナルを取り外したり、ス
パーク プラグを緩めたまま、スターターでエンジ
ンを始動すると、シリンダー外部でイグニッショ
ン スパークが生じて火災の危険があるので、その
前にマスター コントロール レバーを STOP、0
または † に移動してください。
火気の近くで調整したり保管しないでください 燃料を搭載していますので、火災の恐れがありま
す。
燃料キャップがしっかり閉まっていることを、定
期的に点検してください。
欠陥のない、当社が承認したスパークプラグのみ
を使用します - 「技術仕様」を参照してくださ
い。
イグニッション ケーブルに異常がないこと(絶縁
状態、接続の確実性)を確認してください。
マフラーに問題が無いことを確認してください。
破損したマフラーを取付けたまま、あるいはマフ
ラーがないまま、本機を使用しないでください。
火災の恐れや聴力への害があります!
絶対に加熱されたマフラーに触れないでくださ
い - 火傷の危険があります!
防振装置の状態は振動動作に影響します - 防振
装置を定期的に点検してください。
チェン キャッチャーを点検してください。破損
している場合は交換します。
エンジンを停止します
チェンの張りの点検
–
チェンの張り直し
–
チェンの交換
–
不具合の修正
–
目立てに関する注意事項を守ってください。安
全にかつ正しく取り扱うため、チェンとガイド バ
ーを完全な状態に保持します。 正しく目立てを
して、張りを調整し、十分に潤滑する必要があり
ます。
チェン、ガイドバー、チェンス プロケットを適切
な時期に交換します。
クラッチ ドラムの動作状態が完全であることを
定期的に確認してください。
燃料とチェンオイルを指定された容器でのみ保
存し、正しくラベル付けします。 光および日光か
ら保護された、乾燥した、涼しい、安全な場所に
保管します。
チェン ブレーキに不具合が発生した場合、機械を
即座に停止します。ケガの危険があります!
STIHL サービス店にお問い合わせください - 不
具合が改善されるまで、機械を使用しないでくだ
さい。「チェン ブレーキ」の項を参照してくださ
い。
3 反発力
切断中に生じる最も一般的な反発力は、キックバ
ック、プッシュバック、プルインです。
3.1 キックバックの危険
キックバックによって重傷や致命傷
を負うおそれがあります。
キックバックとは、次のような状況下で、チェン
ソーが制御できない状態で作業者に向かって唐
突に跳ね返ってくる現象を指します。
0458-533-4321-E 7

日本語 3 反発力
必ず適切に目立てされ、張りが適正なチェンを
3.2 キックバックが発生しやすい状
況
–
使用して作業を行います。デプスゲージの設
定が大きすぎないか確認してください。
キックバックを低減するソーチェンや、先端径
–
が小さいガイドバーを使用してください。
3.5 プルイン (A)
ガイドバー先端の上部 1/4 部分を意図せずに
–
樹木や硬い物体に接触させた (例えば、枝払い
中に別の樹木に偶発的に接触した場合)。
切断中にガイドバー先端部でチェンが切り口
–
に挟まれた。
3.3 クイックストップチェンブレー
キ:
この機能は、一定の状況下でケガの危険を低減し
ますが、キックバック自体を防ぐことはできませ
ん。作動すると、ソーチェンがチェンブレーキに
よって瞬時に停止します。
この取扱説明書の「ソーチェン」の項を参照して
ください。
プルインは、作業中にバー底部のチェンが突然、
樹木に挟まったり、引っかかったり、樹木内の異
物に当たったりしたときに発生します。チェン
の反動によりチェンソーが前方に引かれます。
この危険を低減するために、必ずバンパースパイ
クを樹木や枝に確実に当ててください。
3.6 プッシュバック (B)
3.4 キックバックの危険を低減する
には
慎重に作業し、キックバックが起こるおそれが
–
ある状況を避けます。
チェンソーを両手で確実に保持し、ハンドルを
–
着実に握ります。
常にフルスロットルで切断します。
–
常にガイドバー先端部の位置に注意を払いま
–
す。
バーの先端では切断しないでください。
–
チェンが挟まれるおそれがあるため、細くて固
–
い枝には特に注意してください。
絶対に一度に数本の枝を切断しないでくださ
–
い。
腕を伸ばしすぎないでください。
–
肩の高さより上にあるものを切断しないでく
–
ださい。
途中まで切断した樹木を再度切断するときは、
–
十分に注意してガイドバーを切り口に入れて
ください。
経験がない場合は、突っ込み切りは行わないで
–
ください。
丸太が動いたり、他の力が加わったりして切り
–
口が閉じ、チェンが挟まるおそれがあるため、
注意してください。
プッシュバックは、作業中にバー上部のチェンが
突然、樹木に挟まったり、引っかかったり、樹木
内の異物に当たったりしたときに発生します。
チェンの反動により、チェンソーが作業者の方に
まっすぐに跳ね返ってきます。この危険を防ぐ
には、:
ガイドバーの上部が挟まる可能性がある状況
–
に注意してください
切り口の中でガイドバーをねじらないでくだ
–
さい。
3.7 特に注意が必要な状況
傾いた樹木
–
他の樹木の間の作業がしにくい場所に落下し、
–
張力が加わっている樹木
風倒木エリアでの作業
–
8 0458-533-4321-E

4 作業方法 日本語
こうした状況ではチェンソーを使用せずに、滑車
装置、ケーブルウインチ、牽引装置などを使用し
てください。
露出している、障害物が絡まっていない樹木を引
き出します。障害物のない場所で切断作業を行
ってください。
枯れ木 (乾燥したり、朽ち果てたり、腐食したり
している樹木) の切断には想定外の危険がありま
す。危険の程度を識別することは、不可能ではな
いにせよ、容易ではありません。そうした場合
は、ケーブルウインチや牽引装置などの補助用の
機器を使用してください。
道路、鉄道、電線などの近くで伐倒作業を行う場
合は、特に注意してください。必要に応じて警
察、電力会社、鉄道会社に作業を通知してくださ
い。
4 作業方法
すべての関連作業(突っ込み切り、枝払いなど)
を含む、切断および伐採作業は、特別に教育を受
けトレーニングを受けた作業者のみが行うこと
ができます。 チェンソーを使い慣れていない作
業者はこのような作業をしてはいけません。事
故の危険性が増します!
伐採作業を行う際は、伐採技術に関する国別の法
律を遵守する必要があります。
4.1 鋸断
始動(スロットルロック)ポジションでは切断作業
を行わないでください。このポジションでは、エ
ンジン回転数を調整できません。
冷静かつ慎重に作業を行ってください。日中の
視界が十分なとき以外は作業を行わないでくだ
さい。他者に危険が及ばないか確認し、常に注意
を怠らないでください。
初めてのユーザーには、木挽台で丸太を切断する
練習をお勧めします。「細い木の切断」を参照し
てください。
できる限り短いガイドバーを使用します。組み
合わせが適切で、お使いのチェンソーに適合する
チェン、ガイドバー、チェンスプロケットを使用
してください。
身体がカッティングアタッチメントに触れない
位置にチェンソーを位置決めします。
必ずチェンを回転させた状態でチェンソーを切
り口から引き抜いてください。
チェンソーは切断の目的にのみ使用してくださ
い。枝、根、他の物体をこじり上げたり、掘り起
こしたりする用途向けには設計されていません。
垂れ下がっている枝を下側から切断しないでく
ださい。
低木や若木の場合は、注意してください。枝がチ
ェンソーによってすくい上げられ、作業者へ向か
って跳ね返る可能性があります。
裂けた樹木の切断時は注意してください。木片
が飛散してケガをするおそれがあります!
チェンソーを異物に接触させないよう注意して
ください。石やクギなどが飛散し、ソーチェンが
損傷するおそれがあります。チェンソーが偶発
的にキックバックすることがあります - 事故が
起きる危険があります!
回転中のソーチェンが石や他の硬い物体に当た
ると、火花が発生し、特定の条件下で燃えやすい
物質が引火するおそれがあります。特に乾燥し
た高温の気候下では、枯れた植物や茂みも引火し
ます。火災の危険がある場合は、燃えやすい物
質、乾燥した植物、低木の付近でチェンソーを使
用しないでください。火災が生じる危険性の最
新情報に関して、必ず管轄の森林管理事務所にお
問い合わせください。
0458-533-4321-E 9

日本語 4 作業方法
斜面では、幹の山側に立ちます。切り落とした幹
が転がって落下する危険に備えてください。
高所で作業する場合:
常にリフトバケットから作業します。
–
はしごや枝に乗っている間は、絶対に本機を使
–
用しないでください
足場が不安定な場所では絶対に作業を行わな
–
いでください。
肩の高さより上にあるものを切断しないでく
–
ださい。
本機は絶対に片手で使用しないでください
–
チェンソーをフルスロットルにして切断を開始
し、バンパースパイクを樹木に確実に当て、切断
を続行します。
チェンソーによって前方に引き込まれ、バランス
を失なうことがあるため、バンパースパイクなし
では絶対に作業を行わないでください。常にバ
ンパースパイクを樹木や枝に確実に当ててくだ
さい。
切断が完了すると、チェンソーは切り口内でカッ
ティングアタッチメントによって支持されなく
なります。作業者がチェンソーの重量を支える
必要があります。制御できなくなる危険があり
ます!
細い樹木の切断:
丈夫で安定したサポート (木びき台) を使用し
–
ます。
樹木を脚や足で抑えないでください。
–
助手に樹木を保持してもらうなどの方法では
–
絶対に作業を行わないでください。
枝払い
キックバックの少ないチェンを使用してくだ
–
さい。
可能な限りチェンソーを確実に支えて作業を
–
行ってください。
幹の上に立って枝払いしないでください。
–
バーの先端では切断しないでください。
–
張力のかかっている枝に注意してください。
–
絶対に一度に数本の枝を切断しないでくださ
–
い。
張力がかかった状態で横たわっているか、立って
いる樹木:
必ず正しい順序 - 最初に圧縮された側 (1)、次に
張力がかかっている側 (2) - で切断し、キックバ
ックやカッティングアタッチメントが切り口に
挟まる危険性を回避します - ケガをする危険が
あります!
► 圧縮がかかっている側に負荷軽減カットを入
れます(1)。
► 張力がかかっている側を玉切りします(2)。
下から上に向けて玉切りするとき (下側切断) は、
プッシュバックに注意してください。
注記
ソーチェンが損傷するため、地面に横たわってい
る樹木を地面に触れている位置で切断しないで
ください。
縦引き:
バンパースパイクを使用せずに切断する技術で、
プルインのおそれがあります。ガイドバーをで
きるだけ浅い角度にして切り込みます。特に慎
重に作業を行ってください。キックバックが生
じる危険が高まります!
10 0458-533-4321-E

001BA088 LÄ
2
/
1
2
1 1
/
1
2
4 作業方法 日本語
工具や機器を安全な距離を隔てた場所に置き、
4.2 伐倒の準備
伐倒エリア内に誰もいないことを確認します 助手は例外です。
倒木で事故が生じないよう注意してください 警告の掛け声がエンジン音でかき消されること
があります。
伐倒する樹木から最低でも 2.5 本分の距離を確
保してください。
伐倒方向と退避路の決定
木立の中で樹木を倒す隙間を選びます。
特に次の点に注意してください:
自然に傾いている樹木
–
異常に枝が茂った樹木、非対称に成長した樹
–
木、樹木の損傷
風向と風速 - 強風時は伐倒作業を中止してく
–
ださい
傾斜方向
–
隣接する樹木
–
雪の荷重
–
樹木の全般的な状態を考慮します - 幹の損傷
–
または枯れ木 (もろくなったり、腐ったり、し
おれたりした樹木) には特に注意してください
–
退避路には置かないでください
伐倒時は、必ず倒れる幹の脇に立ち、横方向を
–
退避路に沿って後退します
傾斜面では、斜面に対して平行に退避路を設け
–
ます
退避路を通って避難する際には、落下する枝と
–
樹頭に注意してください。
根本の作業エリアの準備
まず、樹木の根本と作業エリアからじゃまにな
–
る枝や茂みを取り除き、安定した足場を確保し
ます。
幹の下部から慎重に障害物を取り除きます (例
–
えば斧等を使用します) - 砂、石、他の異物はソ
ーチェンの切れ味を低下させます
最大の根張りを取り除きます:樹木が健全な状
–
態な場合に限り、まず垂直に切断し、次に水平
に切断して最大の根張りを先に取り除きます
4.3 受け口
受け口の準備
受け口 (C) によって伐倒方向が決まります。
重要:
伐倒方向に直角の受け口を作ります
A 伐倒方向
B 退避路 (退避経路)
それぞれの作業者の退避路を設定します - 木
–
が倒れる方向の反対側約 45° 斜め方向にしま
す
退避路を掃除し、障害物を取り除きます
–
0458-533-4321-E 11
–
できるだけ地面の近くを切断します
–
幹の直径の 1/5 から 1/3 の深さまで切り込み
–
ます

001BA259 KN
G
E
C
C
Ø
1/10
日本語 4 作業方法
カバーおよびファンハウジングの照準線を利用
4.4 隅切り
して伐倒方向を決定する
繊維が長い軟材を隅切りすると、樹木が倒れると
きに辺材が裂けにくくなります。幹の両側の受
このチェンソーには、カバーとファンハウジング
に照準線が設けられています。その照準線を使
用してください。
受け口を作る
受け口を作るときは、切り込みが伐倒方向と直角
になるようにチェンソーの位置を合わせます。
下部 (水平) の切断と上部 (角度付き) の切断で受
け口を作成するためのさまざまな手順がありま
け口の下部と同じ高さで、幹の直径の約 1/10 の
深さの切り込みを入れます。幹が太い樹木の場
合、切り込み深さはガイドバーの幅以下にしま
す。
病気の樹木は、隅切りしないでください。
4.5 伐倒の基本情報
基本寸法
す - 伐倒技術に関する国の規制を遵守してくだ
さい。
► 下部 (水平) 切断を行います
► 下部切断面まで約 45°‑ 60°で上部 (角度付き)
切断を行います。
伐倒方向の確認
受け口 (C) によって伐倒方向が決まります。
つる (D) は伐倒の際にちょうつがいのように作
用し、木が倒れるのをコントロールする助けとな
ります。
つるの幅:幹の直径の約 1/10
–
伐倒中は絶対につるを切断しないでください -
–
► チェンソーのガイドバーを受け口の下部に差
し込みます。照準線が予定した伐倒方向に向
く必要があります - 必要に応じて再び受け口
を切り、伐倒方向を修正します。
切断すると、計画しなかった方向に木が倒れま
す - 事故が起きる危険があります!
腐っている樹木の場合は、つるを広く残します
–
樹木は追い口 (E) によって伐倒されます。
水平に切り込みます。
–
受け口 (C) 下部から幹の直径の 1/10 (少なく
–
とも 3 cm) だけ高い位置に追い口を作ります。
追いづる (F) または追いづる (安定化) (G) は、樹
木を保持し、木が想定よりも早く倒れるのを防ぐ
のに役立ちます。
追いづるの幅:幹の直径の約 1/10 - 1/5
–
追い口切りの際には、追いづるに切り込まない
–
でください
12 0458-533-4321-E

4 作業方法 日本語
腐っている樹木の場合は、追いづるを広く残し
–
ます
突っ込み切り
玉切り時の負荷軽減カット
–
彫刻
–
使用しないでください。鉄製クサビはソーチェ
ンに重大な損傷を与え、危険なキックバックを発
生させるおそれがあります。
幹の直径と切り口の幅 (追い口 (E) の幅に近い)
に応じて適切な伐倒用クサビを選択します。
伐倒用クサビの選択 (適切な長さ、幅および高さ)
については、STIHL サービス店にご相談くださ
い。
4.6 適切な伐倒方法の選択
適切な伐倒方法の選定も、伐倒方向と退避路を決
定するときに考慮すべき樹木の特性に依存しま
す。
そうした特性にはさまざまな要素があります。
► 低キックバックソーチェンを使用し、慎重に作
業を行います
1.
キックバックが生じる危険があるため、ガイド
バーノーズの下部を当てて切断を開始します 上部は使用しないでください。切り目の深さが
ガイドバーの幅の 2 倍になるまで全速で切断し
ます。2.突っ込み切り位置に機械を慎重に差し
込みます。キックバックやプッシュバックが生
じる危険があります!3.慎重に突っ込み切りを
行います。プッシュバックが起きる危険があり
ます。
本書では、最も一般的な二種類の特性だけを取り
上げます:
左側: 通常の樹木 - 均一な頭頂部を持つ、垂
直にまっすぐな樹木
右側: 傾いた樹木 - 頭頂が伐倒方向に向い
ている樹木
4.7 追いづるを使用した伐倒 (標準
的な樹木)
A) 細い幹
可能ならば突っ込み切り照準線を使用してくだ
さい。突っ込み切り照準線とガイドバーの上部/
下部を平行にします。
突っ込み切り中、突っ込み切り照準線はつるを平
行にする (あらゆる箇所で同じ厚さを保つ) のに
役立ちます。そのためには、突っ込み切り照準線
を受け口の会合線に平行になるよう導きます。
伐倒用クサビ
伐倒用クサビはできるだけ早く (チェンソーを制
御するのに邪魔にならなくなった時点ですぐに)
挿入します。伐倒用クサビを追い口に入れ、適切
な工具で押し込みます。
アルミニウム製またはプラスチック製の伐倒用
クサビのみを使用してください - 鉄製クサビは
0458-533-4321-E 13
幹の直径がチェンソーの切断長より短いときは、
以下の方法で伐倒します。
周囲に大声で警告してから伐倒を開始してくだ
さい。

001BA263 KN
4.
5.
1.
2.
3.
日本語 4 作業方法
► 追い口 (E) を突っ込み切りします - ガイドバ
ーを完全に突っ込みます。
► つるの後にバンパースパイクをかみ合わせ、旋
回軸として使用します - チェンソーの移動を
最小限に抑えます。
► つるまで追い口を作ります (1)。
つるには切り込まないでください
–
► 追いづるまで追い口を作ります (2)。
追いづるには切り込まないでください。
–
必ず最初の追い口と同じ高さで反対側の追い口
を作ります。
► 突っ込み切りで追い口を作ります。
► つるまで追い口を作ります (4)。
つるには切り込まないでください
–
► 追いづるまで追い口を作ります (5)。
追いづるには切り込まないでください。
–
► 伐倒用クサビを差し込みます (6)。
► 伐倒用クサビを差し込みます (3)。
樹木が倒れる直前にもう一度、周囲に大声で警告
してください。
► 追い口と平行に追いづるを切り込みます。両
腕を完全に伸ばしてください。
B) 太い幹
幹の直径が機械の切断長よりも長いときは、以下
の方法で伐倒します。
樹木が倒れる直前にもう一度、周囲に大声で警告
してください。
► 追い口と平行に追いづるを切り込みます。両
腕を完全に伸ばしてください。
4.8 追いづるを使用した伐倒 (傾い
た樹木)
A) 細い幹
幹の直径がチェンソーの切断長より短いときは、
以下の方法で伐倒します。
周囲に大声で警告してから伐倒を開始してくだ
さい。
► バンパースパイクを追い口と同じ高さでかみ
合わせ、旋回軸として使用します - チェンソー
の移動を最小限に抑えます。
► ガイドバーの先端をつるの手前で木材に食い
込ませます (1) - チェンソーを完全に水平に導
き、できるだけ広く回転させます。
► つるまで追い口を作ります (2)。
つるには切り込まないでください
–
► 追いづるまで追い口を作ります (3)。
追いづるには切り込まないでください。
–
幹の反対側でも追い口を作る必要があります。
► 反対側に抜けるまで幹を突っ込み切りします。
► つるに向かって追い口 (E) を作ります (1)。
水平に切り込みます。
–
つるには切り込まないでください
–
► 追いづるに向かって追い口を作ります (2)。
水平に切り込みます。
–
追いづるには切り込まないでください。
–
14 0458-533-4321-E

001BA267 KN
1.
2.
3.
4.
5.
6.
5 カッティング アタッチメント 日本語
樹木が倒れる直前にもう一度、周囲に大声で警告
してください。
► 腕を完全に伸ばした状態で、外側から下向きに
追いづるを切断します。
B) 太い幹
樹木が倒れる直前にもう一度、周囲に大声で警告
してください。
► 腕を完全に伸ばした状態で、外側から下向きに
追いづるを切断します。
5 カッティング アタッチメ
ント
カッティング アタッチメントは、ソーチェン、ガ
イドバー、チェン スプロケットで構成されていま
す。
標準仕様のカッティング アタッチメントはチェ
ンソーに合致するように設計されています。
樹木の直径がガイドバーの長さを上回っている
ときは、以下の方法で伐倒します。
► 追いづるの後ろ側にバンパースパイクを当て、
旋回軸として使用します - 不必要にチェンソ
ーの位置を変えないでください。
► ガイドバーノーズをつるの手前の切り口に入
れます - チェンソーを水平に保持し、できるだ
け遠くへ旋回させます (1)。
追いづるやつるには切り込まないでくださ
–
い。
► つるまで追い口を作ります (2)。
つるには切り込まないでください
–
► 追いづるまで追い口を作ります (3)。
追いづるには切り込まないでください。
–
幹の反対側でも追い口を作る必要があります。
必ず最初の追い口と同じ高さで反対側の追い口
を作ります。
► つるの後にバンパースパイクをかみ合わせ、旋
回軸として使用します - チェンソーの移動を
最小限に抑えます。
► ガイドバーの先端を追いづるの手前で木材に
食い込ませます (4) - チェンソーを完全に水平
に導き、できるだけ広く回転させます。
► つるまで追い口を作ります (5)。
つるには切り込まないでください
–
► 追いづるまで追い口を作ります (6)。
0458-533-4321-E 15
追いづるには切り込まないでください。
–
ソーチェン (1) のピッチ (t) を、チェンスプロ
–
ケットやローロマチックガイドバーのノーズ
スプロケットのピッチと適合させてください。
ソーチェン (1) のドライブ リンク ゲージ (2)
–
はガイドバー (3) の溝幅と一致させてくださ
い。
適合しないコンポーネントを使用すると、カッテ
ィング アタッチメントは短時間使用しただけで
修理不可能なほどに破損してしまうことがあり
ます。

日本語 6 バーとチェンの取り付け (サイドチェン テンショナ)
5.1 チェン ガード
6.2 チェン ブレーキを解除します。
チェンソーはカッティング アタッチメントに適
合するチェン ガードが標準装備で同梱されます。
異なる長さのガイド バーがチェンソーに取り付
けられている場合、常に正しい長さのチェン ガー
ドを使用してガイド バーを完全に覆うようにす
る必要があります。
適合するガイド バーの長さは、チェン ガードの
側面にマークされています。
6 バーとチェンの取り付け
(サイドチェン テンショナ)
6.1 チェン スプロケット カバーの
取り外し
► ナットを緩めて、チェン スプロケット カバー
を取り外します。
► カチッと音がするまで前ハンドル方向にハン
ド ガードを引きます - チェン ブレーキのロッ
クが外れます。
6.3 チェンの取り付け
警告
作業用手袋を着用してください。鋭利なカッタ
ーでケガをする危険があります。
► チェンを取り付けます。バーの先端から開始
します。
► ガイドバーをスタッド (1)に固定します - バー
上部のカッティング エッジを右に向けます。
► テンショナー スライドのペグを位置決め
► テンショナー スライド (2) がハウジングの溝
の左端に当たるまで、スクリュー (1) を反時計
回りに回します。
16 0458-533-4321-E
穴 (2) にはめ込み、同時にチェンをスプロケッ
ト (3) にセットします。

7 バーとチェンの取り付け (クイックチェン テンショナ) 日本語
► テンショニング スクリュー (4) を時計回りに
回して、チェン下側のたるみがわずかになるま
でチェンを張ります。ドライブ リンクがガイ
ドバーの溝にきちんと入っていることを確認
します。
► スプロケット カバーを再び取り付け、ナット
を指で締めます。
►「ソーチェンの張り方」の項を参照してくださ
い。
7 バーとチェンの取り付け
(クイックチェン テンショ
► スクリュー (2) を外します
ナ)
7.1 チェン スプロケット カバーの
取り外し
► テンショニング ギヤー (1) とガイド バー (3)
の相互の位置を合わせます
► グリップ (1) を所定の位置に回します (かみ合
うまで)
► チェン スプロケット カバー (3) 内部のウィン
グ ナット (2) を、左に回して緩めます
► チェン スプロケット カバー (3) を取り外しま
す
7.2 テンショニング ギヤーの取り
付け
► スクリュー (2) を差し込み、締め付けます
7.3 チェンブレーキの解除
► テンショニング ギヤー (1) を取り外し、裏返し
ます
0458-533-4321-E 17
► ハンド ガードを、音がしてかみ合うまで前ハ
ンドルの方向に引きます - チェン ブレーキが
解除されます

日本語 7 バーとチェンの取り付け (クイックチェン テンショナ)
7.4 ソーチェンの取り付け
► ドライブ リンクをバーの溝 (矢印を参照) に合
わせ、テンショニング ギヤーを左にいっぱい
警告
保護手袋を着用してください - 鋭利なカッター
でケガをする危険があります。
► ソーチェンを取り付けます - ガイド バーの先
端から始めます - テンショニング ギヤーおよ
びカッティング エッジの位置に注意してくだ
さい
► テンショニング ギヤー (1) をいっぱいまで右
に回します
► テンショニング ギヤーが使用者に向くように
ガイド バーを取り付けます
まで回します
► チェン スプロケット カバーを取り付け、ガイ
ドの突出部をエンジン ハウジングの開口部に
差し込みます
チェン スプロケット カバーを取り付けるとき、
調整ホイールの歯とテンショニング ギヤーがか
み合う必要があります。必要な場合、
► 調整ホイール (4) を、チェン スプロケット カ
バーがエンジン ハウジングに完全にはまるま
で、少し回します
► グリップ (5) を所定の位置に回します (かみ合
► ソーチェンをチェン スプロケット (2) 上に置
きます
► カラー スクリュー (3) 上でガイド バーをずら
します。後カラー スクリューのヘッドが楕円
形の穴の中に突き出る必要があります
うまで)
► ウィング ナットを取り付け、軽く締め付けま
す
► 次のステップ:「ソーチェンの張り方」を参照
してください
18 0458-533-4321-E

8 ソーチェンの張り方 (サイドチェン テンショナ) 日本語
8 ソーチェンの張り方 (サイ
ドチェン テンショナ)
切断作業の合間に再調整する場合:
► エンジンを停止してください。
► ナットを緩めます。
► バーの先端を上に向けて保持します。
► スクリュードライバーでテンショニング スク
リュー (1) を時計回りに回し、チェンがバーの
下側に軽く触れるまでチェンを張ります。
► バーの先端を持ち上げたまま、ナットをしっか
りと締めます。
►「チェンの張り具合の点検」を参照してくださ
い。
新品のチェンは、しばらく使用したものよりも頻
繁に張りを調整する必要があります。
► チェンの張り具合は頻繁に点検してください -
「作業中の注意事項」を参照してください。
9 ソーチェンの張り方 (クイ
ックチェン テンショナ)
新品のチェンは、しばらく使用したものよりも頻
繁に張りを調整する必要があります。
► チェンの張り具合は頻繁に点検してください -
「作業中の注意事項」を参照してください。
10 チェンの張り具合の点検
► エンジンを停止します。
► 作業用手袋を着用して手を保護してください。
► チェンは、バーの下側に軽く触れ、チェンブレ
ーキを解除した時に、手でバーに沿って引くこ
とができる程度に張ります。
► 必要ならば、チェンを張り直してください。
新品のチェンは、しばらく使用したものよりも頻
繁に張りを調整する必要があります。
► チェンの張り具合を頻繁に点検してください -
「作業中の注意事項」の章を参照してください。
11 燃料
エンジンには、ガソリンとエンジンオイルの混合
燃料が必要です。
警告
健康に害が及ぶため、ガソリンに直接触れたり、
気化したガソリンを吸い込んだりしないでくだ
さい。
11.1 STIHL モトミックス (MotoMix)
STIHL 社は、STIHL モトミックス (MotoMix) の使
用をお勧めしています。すぐに使用可能なこの
混合燃料はベンゼンや鉛を含まず、高オクタン価
です。この燃料を使用すると、常に適正な混合比
切断作業の合間に再調整する場合:
► エンジンを停止します。
► ヒンジクリップを引き出し、ウイングナットを
緩めます。
► 調整ホイール(1)を、時計回りに止まるまで回し
ます。
► ウイング ナット(2)を、手でしっかりと締め付
けます。
► ヒンジクリップを降ろします。
►「チェンの張り具合の点検」に進みます。
0458-533-4321-E 19
率を維持することができます。
STIHL モトミックス (MotoMix) には、エンジンを
さらに長寿命化する STIHL HP ウルトラ 2 スト
ロークエンジンオイルが使用されています。
STIHL モトミックス (MotoMix) が販売されてい
ない市場もあります。

日本語
11.2 燃料の混合
注記
規定以外の不適切な燃料/オイルを使用するか、規
定以外の混合比率を用いると、エンジンに重度の
損傷が生じることがあります。低品質のガソリ
ンあるいはエンジンオイルは、エンジン、シーリ
ングリング、ホース、燃料タンクを損傷させるこ
とがあります。
11.2.1 ガソリン
オクタン価が 90 以上の高品質ブランドのガソリ
ンだけを使用してください - 無鉛、有鉛は問いま
せん。
エタノール濃度が 10% 以上のガソリンは、手動
調整が可能なキャブレター付きエンジンで作動
関連の不具合を引き起こすことがあるため、そう
したエンジンには使用しないでください。
M-Tronic 搭載エンジンは、エタノール濃度が
25%までのガソリン (E25) で最大出力を発揮で
きます。
11.2.2 エンジンオイル
ご自身で燃料を混合する場合は、STIHL 製 2
ストロークエンジンオイルのみを使用するか、次
の仕様を満たす他の高性能エンジンオイルを使
用してください:JASO FB、JASO FC、JASO
FD、ISO-L-EGB、ISO-L-EGC、または ISO-LEGD。
機械の耐用年数にわたって排気ガスが規制の限
度値を超えないよう、STIHL 社は STIHL HP
ウルトラ 2 ストロークエンジンオイルの使用
をお勧めしています。
11.2.3 混合比率
50:1 (STIHL 2 サイクルエンジンオイルの場合):
50:1 = ガソリン 50 に対してオイル 1
11.2.4 例
ガソリン STIHL エンジンオイル
(比率 50:1)
リットル リットル (ml)
1 0.02 (20)
5 0.10 (100)
10 0.20 (200)
15 0.30 (300)
20 0.40 (400)
25 0.50 (500)
► 燃料の保管には承認された容器を使用してく
ださい。燃料容器にまずオイルを入れてから
ガソリンを入れ、十分に混ぜ合わせます。
12 給油
11.3 燃料の保管
燃料は承認された安全タイプの燃料容器に入れ、
照明や太陽光から保護された、涼しく安全で乾燥
した場所に保管してください。
混合燃料は劣化します - 数週間で使い切る分だ
けを混合してください。混合燃料を 30 日以上保
管しないでください。照明、太陽光、高低温にさ
らすと、混合燃料は短期間で使用できなくなる場
合があります。
STIHL モトミックスは、問題なく最長 2 年間保管
することができます。
► 給油する前に混合燃料の入った携行缶をよく
振ってください。
警告
携行缶内で圧力が生じている可能性があるため、
キャップは慎重に開けてください。
► 燃料タンクと携行缶は、時々十分に洗浄してく
ださい。
残ったガソリンと洗浄に使用した液体は、その地
域の規定と環境要件に従って適切に処理してく
ださい。
12 給油
12.1 機械の準備
► 給油する前に、ダストが燃料タンクの中に入る
のを防ぐため、キャップとその周りをきれいに
します
► 必ずキャップが上を向くように機械を置きま
す
12.2 タンクキャップのマークの有無
タンクキャップと燃料タンクには、マーク付きと
マークなしがあります。
バージョンによって、マーク付きまたはマークな
しのタンクキャップと燃料タンクが使用されて
います。
20 0458-533-4321-E

12 給油 日本語
► タンクキャップを外します。
12.3.2 給油
給油時は、燃料をこぼしたり、あふれさせたりし
ないよう注意してください。
STIHL 社では、燃料用 STIHL 給油システム (特殊
アクセサリー) の使用をお勧めしています。
► 燃料を補給します。
12.3.3 閉め方
左: タンクキャップ - マークなし
右: タンクキャップ - マーク付き (燃
料タンクにもマーク付き)
12.3 マークなしタンクキャップ
12.3.1 開け方
ブラケットが直立位置の状態:
► タンクキャップを位置決めします - タンクキ
ャップと給油口のマークを合わせます。
► タンクキャップを止まるまで押し下げます。
► 垂直位置までブラケットを起こします。
► タンクキャップを押し下げながら、かみ合うま
で時計回りにまわします。
► タンクキャップを反時計回りにまわします (約
1/4 回転)。
► ブラケットを止まる位置まで下げます。
0458-533-4321-E 21

日本語 12 給油
12.3.4 ロック状態の点検
ブラケットの突起がくぼみ (矢印) に完全には
–
まっている必要があります。
► タンクキャップをつかみます - 動いたり、外れ
たりしなければ、キャップは正しく閉められて
います。
12.3.5 タンクキャップが動くか、外れるとき
は
タンクキャップのベースが上部に対してねじれ
ています。
► タンクキャップを取り付け、給油口の台座にか
み合うまで反時計回りにまわします。
► タンクキャップを反時計回りにさらにまわし
ます (約 1/4 回転) - キャップのベースが正し
い位置に合います。
► タンクキャップを時計回りにまわして閉めま
す - 「閉め方」および「ロック状態の点検」の
項を参照してください
12.4 マーク付きタンクキャップ
12.4.1 開け方
► ブラケットを開けます。
左: タンクキャップのベースがねじれた
状態
► タンクキャップをまわします (約 1/4 回転)。
右: タンクキャップのベースの位置が適
切な状態
22 0458-533-4321-E

12 給油 日本語
タンクキャップと燃料タンクのマークを合わせ
ます。
► タンクキャップを外します。
12.4.2 給油
給油時は、燃料をこぼしたり、あふれさせたりし
ないよう注意してください。
STIHL 社では、燃料用 STIHL 給油システム (特殊
アクセサリー) の使用をお勧めしています。
► 燃料を補給します。
12.4.3 閉め方
► タンクキャップを押し下げながら、かみ合うま
で時計回りにまわします。
タンクキャップと燃料タンクのマークが合いま
す。
► ブラケットロックを閉めます。
ブラケットが直立位置の状態:
► タンクキャップの位置を合わせます - タンク
キャップと燃料タンクのマークが合っている
必要があります。
► タンクキャップを止まるまで押し下げます。
タンクキャップがロックされます。
0458-533-4321-E 23

日本語 13 チェン オイル
12.4.4 タンクキャップが燃料タンクにロック
されないときは
タンクキャップのベースが上部に対してねじれ
ています。
► タンクキャップを燃料タンクから外し、上側か
ら点検します。
左: タンクキャップのベースがねじれて
いる - 内側マーク (1) が外側マーク
と揃っている。
右: タンクキャップのベースが正しい位
置にある - 内側マークがブラケット
の下にある。内側マークは外側マー
クと揃いません。
注記
生分解性チェンオイルには、充分な耐劣化性が必
要です(スチールバイオプラス等)。耐劣化性に
乏しいオイルは、樹脂化が速い傾向にあります。
その結果、特にチェン駆動部やチェンに蓄積物が
固着し、除去しにくくなります。オイルポンプが
故障する原因ともなります。
使用するオイルの品質は、ソーチェンとガイドバ
ーの寿命に大きく影響します。従って、必ず専用
のチェンオイルだけを使用してください。
警告
廃油を使用しないでください!廃油は、長期間繰り
返し肌に触れると、皮膚ガンを引き起こすことが
あります。さらに、環境に害を与えることがあり
ます!
注記
廃油には必要な潤滑特性がなく、チェンの潤滑に
は適していません。
14 チェン オイルの給油
14.1 準備
► タンクキャップを取り付け、給油口の台座にか
み合うまで反時計回りにまわします。
► タンクキャップを反時計回りにさらにまわし
ます (約 1/4 回転) - キャップのベースが正し
い位置に合います。
► タンクキャップを時計回りにまわして閉めま
す - 「閉め方」の項を参照してください。
13 チェン オイル
チェンとガイドバーの自動的で信頼性のある潤
滑のため、環境に優しい高品質チェンオイルだけ
を使用してください。生分解が速いスチールバ
イオプラスをお勧めします。
► ゴミがタンクの中に落ちないように、フィラー
キャップとその周辺の汚れをきれいに拭き取
ります。
► フィラー キャップが上を向くように機械を置
いてください。
► フィラー キャップを開きます。
14.2 チェン オイルを給油します。
► 燃料を補給する度に、チェン オイルを給油し
ます。
24 0458-533-4321-E

15 チェン オイルの吐出点検 日本語
給油の際にはチェン オイルをこぼさないように
し、またチェンオイルをタンクいっぱいに入れな
いでください。
当社ではチェン オイル用スチール フィラー ノ
ズル(特殊アクセサリー)の使用をお勧めしま
す。
► フィラー キャップを閉じます。
燃料タンクが空になっても、オイルタンクにはオ
イルが少量だけ残ります。
もし、タンク内のオイル量が減らない場合は、オ
イル供給システムが故障している可能性があり
ます。チェンの潤滑状態を点検し、オイルの通路
をきれいにしてください。必要な場合はスチー
ル サービス店にお問い合わせください。当社で
は整備や修理を、認定を受けたスチール サービス
店のみに依頼されることをお勧めします。
15 チェン オイルの吐出点検
16.1 ソーチェンのロック
緊急時
–
始動時
–
アイドリング時
–
左手でハンドガードをガイドバーの先端に向か
って押します。または、キックバックによって自
動的に作動します。ソーチェンがロックされ、停
止します。
16.2 チェンブレーキの解除
ソーチェンは、常に少量のオイルを飛散させる状
態に潤滑されている必要があります。
注記
本機は、必ずチェンを潤滑して使用してくださ
い。ソーチェンを乾いたまま回転させると、カッ
ティングアタッチメントがすぐに損傷し、修理が
不能になります。作業開始前に、常にチェンの潤
滑状態とタンク内のオイル量を点検してくださ
い。
新品のソーチェンには 2~3 分間の慣らし運転が
必要です。
ソーチェンの慣らし運転後、ソーチェンの張り具
合を点検し、必要に応じて再調整してください。
「ソーチェンの張り具合の点検」の項を参照して
ください。
16 チェン ブレーキ
0458-533-4321-E 25
► ハンドガードを前ハンドルの方向に引き戻し
ます。
注記
スロットルを開く前 (機能点検時を除く) や切断
前には、必ずチェンブレーキを解除してくださ
い。
チェンブレーキが掛かった (チェンがロックし
た) 状態 でエンジン回転数を上げると、エンジン
とチェン駆動部 (クラッチ、チェンブレーキ) が短
時間で損傷します。
チェンソーのキックバック力が大きい場合も、前
ハンドガードの慣性力によってチェンブレーキ
が掛かります。例えば伐倒作業中に作業者の左
手がハンドガードの後側になくても、ハンドガー
ドはバーの先端方向に動きます。
ハンドガードに何らかの改造を行うと、チェンブ
レーキは作動しなくなります。

日本語 17 冬季作業
16.3 チェンブレーキの作動点検
作業開始前:エンジンをアイドリング回転させ、
チェンブレーキを掛け (ハンドガードをバー先端
方向に押します)、短時間 (最長 3 秒間) スロット
ルを全開にします。チェンが回転しないことを
確認してください。ハンドガードは汚れが付着
していない、自由に動く状態になっている必要が
あります。
16.4 チェンブレーキの整備
チェンブレーキは標準的な使用によっても徐々
に摩耗します。熟練整備担当者による定期整備
を受けることをお勧めします。STIHL 社では、整
備や修理を STIHL 認定サービス店だけに依頼さ
れることをお勧めしています。次の整備期間を
遵守してください。
頻繁に使用する場合: 3 ヵ月毎
時折使用する場合: 6 ヵ月毎
たまに使用する場合: 毎年
► コンビネーション レンチを使用して、スパー
ク プラグの隣にあるスライドを 45 度、反時計
回りに回します
1 冬季作業
2 夏季作業
► シュラウドを取り付けます - 「シュラウド」を
参照してください
シリンダー付近で温まった空気が入って、キャブ
レター周囲を循環します - これによってキャブ
レターの凍結を防ぎます。
注記
気温が + 20 ℃ を超えたら、スライドを「夏季作
業」位置に必ず戻します!
エンジンの運転時に故障やオーバーヒートが発
生します!
17.2 カバー プレートを取り付けま
す
17 冬季作業
(特殊アクセサリー、エルゴスタート付きバージ
ョンを除く)
17.1 冬季用スライド (MS 211 専用)
気温が +10 ℃ 未満の場合:
► シュラウドを取り外します - 「シュラウド」を
参照してください
► カバー プレート (1) を取り付け、スクリュ
ー (2) で固定します
► チェンソーがきわめて低温の場合、エンジンを
始動し、エンジンを運転温度まで暖めます
MS 211 のみ:カバー プレートを使用するとき、
冬季用スライドは冬季作業または夏季作業に設
定することができます。+10°C 未満の気温では、
スライドを冬季作業用の位置にスライドしてく
ださい。
26 0458-533-4321-E

18 エンジンの始動と停止 日本語
18 エンジンの始動と停止
18.1 マスター コントロール レバー
の位置
停止 0 - エンジン停止 - イグニッションがオフの
状態
運転位置 F - エンジンが運転中または始動可能
暖機スタート n - エンジンが暖まっている時
はこの位置で始動します - スロットル トリガー
を握ると、マスター コントロール レバーは運転
位置に戻ります
冷機スタート l - エンジンが冷えている時は、
この位置で始動します
18.2 マスター コントロール レバー
の調整
マスター コントロール レバーを運転位置 F から
冷機スタート l に調整するには、スロットル ト
リガー ロックアウトとスロットル トリガーを同
時に押し下げます - マスター コントロール レバ
ーをセットします。
マスター コントロール レバーを暖機スター
ト n にセットするには、まず冷機スタート l
に設定し、次にマスター コントロール レバーを
暖機スタート n 位置に押し込みます。
暖機スタート n 位置にできるのは、冷機スター
ト l 位置からのみです。
スロットル トリガー ロックアウトとスロットル
トリガーを同時に押すと、マスターコントロール
レバーは暖機スタート n 位置から運転位置 F に
ジャンプします。
エンジンを停止するには、マスター コントロール
レバーを停止 0 にします。
18.2.1
–
–
–
18.2.2
–
–
–
チョーク l 位置にします
エンジンが冷えている場合
始動後、スロットルを開いたときにエンジンが
停止する場合
燃料タンクが空になった場合 (エンジンが完全
に停止)
ハーフ スロットル n 位置にします
エンジンが暖まっている場合 (エンジンが約 1
分間作動した後)
エンジンをはじめて始動するとき
エンジンに燃料を吸い込みすぎた場合に燃焼
室の換気後
18.3 燃料ポンプ
燃料ポンプを何回か押します - 燃料が既に充填
されている場合でも、同様の操作を行います:
はじめて始動するとき
–
燃料タンクが空になった場合 (エンジンが完全
–
に停止)
18.4 チェンソーの持ち方
始動時のチェンソーの持ち方には、2 つの方法が
あります。
0458-533-4321-E 27

日本語 18 エンジンの始動と停止
18.4.1 地面に置く方法
18.4.2 膝またはももの間に挟む方法
► チェンソーをしっかりと地面に置きます - 安
定した足場を保ちます - ソーチェンが異物に
も地面にも触れないようにします
► 左手でハンドルバーを握ってチェンソーをし
っかりと地面に押さえます - 親指がハンドル
の下側に来るようにします
► 右脚を後ハンドルの中に通してしっかり押さ
えます
► 膝とももの間に後ハンドルを挟みます
► 左手でハンドルバーをしっかり握ります - 親
指はハンドルの下側に来るようにします
18.5 始動
18.5.1 標準機種
28 0458-533-4321-E

18 エンジンの始動と停止 日本語
► 右手で、かみ合ったことが感じられるまでスタ
ーター グリップをゆっくり引きます - 次に素
早く強く引きます - 同時にハンドル バーを押
し下げます - スターター ロープは最後まで引
っ張らないでください - 損傷する恐れがあり
ます!スターター グリップを急に放さないで
ください - 手を添えて垂直にハウジングにゆ
っくりと巻き込むと、スターターロープは正し
く巻き込まれます
新しいエンジン、または長期間使用していなかっ
た場合、パージャー ポンプを装備していない機械
では、スターター ロープを引っ張る回数が多くな
ることがあります - 燃料ホースに吸い上げる必
要があるためです。
18.5.2 エルゴスタート付き機種
警告
この機械はきわめて単純で、子どもでも簡単に起
動できます - 事故の危険があります!
子どもや他の許可されていない人が機械を起動
しようとすることが、絶対にできないようにして
ください:
作業の休憩中に、決して機械を無人のまま放置
–
しないでください
作業後は安全に保管します
–
エルゴスタートは、チェンソーを起動するための
力を蓄えます。このため、スターター ロープを引
いてエンジンを起動するまで数秒間かかる場合
があります。
エルゴスタート付きバージョンの場合、機械を起
動する方法には以下の 2 つがあります。
► スターター グリップをなめらかに、ゆっくり
引くか - または - 右手でスターター グリップ
を握って、スターター ロープを何回か短く、
毎回少しだけ引く
► 始動中、ハンドルバーを押し下げます - スター
ター ロープは最後まで引き出さないでくださ
い - 切れる恐れがあります!
► スターター グリップを急に放さないでくださ
い - 手を添えて垂直にハウジングにゆっくり
と巻き込むと、スターターロープは正しく巻き
込まれます
18.6.1 燃料ポンプ付き機種
► 燃料ポンプのバルブを最低 5 回押します - ポ
ンプに燃料が充満したままの場合でも、同様の
操作を行います
18.6.2 すべての機種
18.6 チェンソーの始動
警告
チェンソーの作業者以外は、作業場所から十分離
れてください。
► 安全注意事項を守ってください
0458-533-4321-E 29
► ハンドガード (1) を前方に押します - ソーチェ
ンにブレーキがかかります

日本語 18 エンジンの始動と停止
► スロットル トリガー ロックアウト (2) とスロ
ットル トリガーを同時に押します - マスター
コントロールレバー (3) を次のようにセット
します。
チョーク l 位置にします
エンジンが冷えている場合 (始動後、スロット
–
ルが開いているときにエンジンが停止する場
合も)
ハーフ スロットル n 位置にします
エンジンが暖まっている場合 (エンジンが約 1
–
分間作動した後)
► チェンソーを保持して始動します
18.7 エンジンをはじめて始動すると
き
► マスター コントロール レバーをハーフスロッ
トル n 位置に移動します
► チェンソーを保持して始動します
18.8 エンジンが始動したら
► ハンド ガードを前ハンドルに向かって引きま
す
チェン ブレーキが解除されます - チェンソーの
使用準備が完了しました。
注記
チェンブレーキが解除されたときのみスロット
ルを握ります。チェン ブレーキがロックしてい
る状態 (ソーチェンは静止した状態) でエンジン
回転数を高くすると、短期間でクラッチおよびチ
ェン ブレーキが損傷します。
18.9 温度が極めて低いとき
► エンジンが十分暖まるまで、ハーフ スロット
ルにしておきます
18.10 エンジンを停止します
► スロットル トリガー ロックアウトとスロット
ル トリガー (4) を押します。マスター コント
ロール レバー (3) が運転位置 F にジャンプし、
エンジンがアイドリングを開始します
30 0458-533-4321-E
► マスター コントロール レバーを停止位置
セットします
18.11 エンジンがかからない場合
マスター コントロール レバーが、チョーク l
からハーフスロットル n に時間内に戻っておら
ず、エンジンに燃料を吸い込みすぎている場合が
あります。
► マスター コントロール レバーを停止位置
セットします
► スパーク プラグを取り外します - 「スパーク
プラグ」を参照してください
► スパーク プラグを乾かします
0 に
0 に

19 作業中の注意事項 日本語
► 燃焼室の換気のため、スターターを数回引っ張
ります
► スパーク プラグを交換します - 「スパーク プ
ラグ」を参照してください
► マスター コントロール レバーをハーフ スロ
ットル n にセットします - エンジンが冷えて
いる場合も同じです
► エンジンを再始動します
19 作業中の注意事項
19.1 ならし運転
新品の機械は、最初の燃料 3 タンク分の間は、高
速回転(無負荷でフルスロットル)で運転しないで
ください。これでならし運転中の不要な高負荷
を避けます。すべての動く部品は、ならし運転中
になじんでくるので、この期間はショートブロッ
クの摩擦抵抗が大きくなっています。エンジン
の最高出力を発揮できるのは、タンク 5~15 回分
の使用後となります。
19.2 作業中
注記
チェンは冷えると縮みます。チェンを緩めない
と、クランクシャフトとベアリングを損傷するこ
とがあります。
19.2.4 長時間のフルスロットル運転後
長時間のフルスロットル運転後は、しばらくの間
アイドリングしてエンジンの熱を冷却風で放熱
してください。組み込まれている部品(イグニッ
ションやキャブレター)を熱から守るためです。
19.3 作業後
► 作業中に暖まったチェンの張りを調整した場
合、作業終了後にチェンを緩めてください。
注記
作業が終了したらチェンは必ず緩めてください。
チェンは冷えると縮みます。チェンを緩めない
と、クランクシャフトとベアリングを損傷するこ
とがあります。
注記
出力を増そうとして混合比を薄くしてはいけま
せん。エンジンを損傷することがあります。「キ
ャブレターの調整」の項を参照してください。
注記
チェンブレーキが解除されたときのみスロット
ルを握ります。チェン ブレーキがロックしてい
る状態 (チェンはロックした状態) でエンジン回
転数を高くすると、短時間でショートブロックや
チェン駆動部 (クラッチ、チェン ブレーキ) を損
傷します。
19.3.1 短期間の保管
エンジンが冷えるまで待ちます。燃料タンクを
一杯にして、次の使用時まで火気のない乾燥した
状態で保管します。
19.3.2 長期間の保管
「機械の保管」を参照
20 ガイド バーの保守
19.2.1 チェンの張りを時々点検してくださ
長期間使用しているソーチェンに比べて、新しい
ソーチェンは頻繁に張り直してください。
19.2.2 チェンが冷えている場合:
チェンがバーの下部に軽く触れるが、手で回せる
くらいが正しい張り方です。必要に応じて、チェ
ンの張りを再調整します。「ソーチェンの張り方」
の項を参照してください。
19.2.3 作業温度のチェン:
チェンが伸びてたわんできます。ドライブリン
クがバーの下側のバーの溝から出てはいけませ
ん - そうしないと、チェンがバーから飛び出すこ
とがあります。チェンの張りを再調整します。
「ソーチェンの張り方」の項を参照してください。
0458-533-4321-E 31
い!
► チェンの目立てや交換を行うたびにガイドバ
ーを裏返しにします。それにより片側 (特にバ
ーの先端や下側) のみの摩耗を防ぐことができ
ます。
► オイル供給穴 (1)、オイル流路 (2)、バーの溝
(3) は定期的に清掃してください。
► 切断に最も使用するガイドバー部分の溝の深
さをファイリングゲージ (特殊アクセサリー)
の目盛で測定します。
チェンの種類 チェンのピッチ 溝の最低
深さ

日本語 21 シュラウド
Picco(ピコ) 1/4" P 4.0 mm
Rapid(ラピッド)1/4" 4.0 mm
Picco(ピコ) 3/8" P 5.0 mm
Rapid(ラピッド)3/8"、0.325" 6.0 mm
Rapid(ラピッド)0.404" 7.0 mm
溝の深さが規定値よりも浅い場合:
► ガイドバーを交換します。
交換しないと、ドライブリンクタングが溝の底部
を擦るようになり、カッターとタイストラップが
バーレールに載らなくなります。
21 シュラウド
21.1 シュラウドの取り外し
22.1 フリースマット (MS 171)
上図。
► スロットル トリガーを握って、マスター コン
トロール レバーを l の位置に動かします。
► ロックを後方に移動します。
► シュラウドを持ち上げながら、後方に取り外し
ます。
21.2 シュラウドの取り付け
► シュラウドを再び取り付け、ロックで固定しま
す。
22 エアー フィルター システ
ム
エアー フィルター システムは、適切なフィルタ
ーを取り付けて、さまざまな作業条件に合わせる
ことができます。フィルターは迅速で簡単に交
換できます。
22.2 シーリング リップ付き一体型
フリース フィルター (MS 181、
MS 211)
下図、MS 171 の特殊アクセサリー。
22.3 一体型メッシュ フィルター (特
殊アクセサリー)
湿っていて、極寒の作業条件用。
23 エアーフィルターの掃除
23.1 エンジンの出力が著しく低下し
た場合
► シュラウドを取り外します - 「シュラウド」を
参照してください。
► フィルターが傷んだら、必ず交換してくださ
い。
► フィルターの周りに付着した汚れを取り除き
ます。
32 0458-533-4321-E

24 キャブレターの調整 日本語
24.3 標準設定
► 2 個のロッキング タブを押し上げ、エアーフィ
ルターを後ハンドルの方向に傾けて、取り外し
ます。
注記
フィルターの損傷を避けるために、エアー フィル
ターの取り付けと取り外しに、工具を使わないで
ください。
► 圧縮空気を汚れのない側からフィルターに吹
き付けて、きれいにします。
メッシュフィルターに汚れが付着し、圧縮空気を
使用できない場合:
► フィルターをきれいな不燃性の溶液 (例:ぬる
い石けん水) で洗浄し、乾かします。
► エアー フィルターを再び取り付けます。
► シュラウドを取り付けます - 「シュラウド」を
参照してください。
► 高速調整スクリュー (H) を反時計方向に止ま
るまで回します (最高でも 3/4 回転)。
► 低速調整スクリュー (L) を時計方向に、止まる
まで回します。その後、1/4 回転戻します。
24.4 アイドリング回転の調整
► 標準設定を行います。
► エンジンをかけて暖機します。
24 キャブレターの調整
24.1 基本情報
キャブレターは工場出荷時に標準設定されてい
ます。
この設定で、ほとんどの運転状況で最適な混合気
が得られます。
24.2 準備
► エンジンを停止します。
► エアー フィルターを点検し、必要な場合は掃
除あるいは新品と交換します。
► マフラーのスパーク アレスター スクリーン
(すべてのモデルには該当しない、国によって
異なります) を点検し、必要な場合は掃除ある
いは新品と交換します。
24.4.1 アイドリング回転中にエンジンが停止
する
► アイドリング調整スクリュー (LA) をチェンが
動き始めるまで時計方向に回した後、2 回転戻
します。
24.4.2 エンジンのアイドリング中にソーチェ
ンが回転する
► アイドリング調整スクリュー (LA) をチェンが
停止するまで反時計方向に回した後、更に 2 回
転同方向に回します。
警告
エンジンのアイドリング回転時にチェンが回転
し続ける場合、STIHL サービス店に点検と修理を
依頼してください。
24.4.3 低速調整スクリューが標準設定に正し
く設定されているにもかかわらずアイ
ドリングが不安定で、加速が悪い場合
アイドリング設定が薄すぎます:
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日本語 25 スパーク プラグ
► 低速調整スクリュー (L) を最高でも止まるま
で、スムースに作動し滑らかに加速するように
なるまで、反時計回りに慎重に回します。
低速調整スクリュー (L) を調整する度に、大抵の
場合は、アイドリング調整スクリュー (LA) を設
定変更する必要があります。
25.2 スパークプラグの点検
24.5 高地で作業する場合の微調整
エンジン性能が充分でない場合は、わずかな調整
が必要になる場合があります:
► 標準設定を行います。
► エンジンを暖機運転します。
► 高速調整スクリュー (H) を僅かに時計回り (薄
くする) に回します - 止まるまでの範囲で回し
ます。
注記
高地から降りてきた後は、キャブレターを標準設
定に戻します。
設定を薄くしすぎると、潤滑オイルの不足と過熱
により、エンジンが破損する危険があります。
► 汚れたスパークプラグをきれいにします。
► 電極ギャップ(A)を点検して、必要な場合は調
整します - 数値は「技術仕様」の項を参照して
ください。
► 以下のような、スパークプラグが汚れる原因を
排除してください。
原因:
エンジンオイル混合量の過多
–
エアーフィルターの汚れ
–
劣悪な使用環境
–
25 スパーク プラグ
► エンジンの出力が低下したり、始動しにくくな
ったりアイドリングが不安定になったら、先ず
スパーク プラグを点検してください。
► 約 100 時間運転後には新品のスパークプラグ
と交換してください - 電極が極度に焼損して
いる場合はそれよりも早く交換してください。
スチール社が承認した、雑音防止スパーク プ
ラグのみをご使用ください - 「技術仕様」の項
を参照してください。
25.1 スパーク プラグの取り外し
► シュラウドを取り外します - 「シュラウド」を
参照してください。
► スパークプラグ ターミナルを抜き取ります。
► スパーク プラグを緩めます。
警告
アダプターナット (1) が緩んでいるか、外れてい
る場合はアークが発生することがあります。発
火または爆発が起きやすい環境下で作業を行う
と、実際の火災または爆発が発生する恐れがあり
ます。この場合、作業員が重傷を負ったり、建物
に損傷を与えたりする可能性があります。
► 抵抗入タイプのスパークプラグを使用し、アダ
プターナットをしっかりと締め付けてくださ
い。
25.3 スパーク プラグを取り付けま
す。
► スパーク プラグを取り付け、スパーク プラグ
ターミナルを (しっかりと押し込んで) 接続し
ます - 逆の手順で、他の部品をすべて取り付け
ます。
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001BA122 KN
1
2
4
5
6
1
2
3
6
26 エンジンの動作 日本語
26 エンジンの動作
エアー フィルターを掃除してキャブレターを適
切に調整しても、エンジンの動作が不十分な場合
は、マフラーが原因の可能性があります。
マフラーが汚れていないか (カーボンで詰まる)、
スチール サービス店で点検してください。
当社では整備や修理を、認定を受けたスチール サ
ービス店のみに依頼されることをお勧めします。
27 機械の保管
約 3 ヵ月以上の場合:
► 換気の良い場所で燃料タンクを空にし、洗浄し
ます。
► 燃料は、地域の環境規制条件通りに処理してく
ださい。
► キャブレターのダイヤフラムの固着を防ぐた
め、エンジンを運転してキャブレター内の燃料
を空にしてください。
► ソーチェンとガイドバーを取り外し、汚れを落
とし、防錆オイルを吹き付けます。
► 機械を丁寧に掃除します。特にシリンダー フ
ィンとエアー フィルターに注意します。
► チェンオイルに生分解性オイル(スチール バイ
オ プラス等)を使用している場合、オイル タン
クいっぱいになるまでオイルを充填します。
► 機械を乾いた、高所または鍵の掛かる場所に保
管してください。子供などによる許可外の使
用を避けてください。
28 チェン スプロケットの点
検と交換
► チェンスプロケットのカバー、ソーチェン、ガ
イドバーを外します。
► チェンブレーキを外します - 前ハンドルから
ハンドガードを引っぱります
28.1 新しいチェンスプロケットを取
り付けます
2 本のソーチェン使用後またはその前
–
磨耗マーク (矢印) が 0.5 mm を超えたら、
–
ソーチェンの寿命が短くなるので、点検ゲージ
(特殊アクセサリー) を使用して点検します
2 本のソーチェンを交互に使用すると、チェン ス
プロケットの寿命が延びます。
スチールでは、チェンブレーキの機能を最大限に
確保するために、スチール純正チェン スプロケッ
トの使用を推奨します。
► E-クリップ (1) をスクリュードライバーで外
します
► ワッシャー (2) を外します
► リム スプロケット (3) を取り外します
► クラッチ ドラム (4) の溝を点検します - 磨耗
がひどい場合は、クラッチ ドラムも交換しま
す
► クイックストップ スーパー チェンブレーキの
スロットル トリガー ロックアウトを押してか
ら、クラッチ ドラムまたはスパー チェン スプ
ロケット (5) を、ニードルケージ (6) と一緒に
クランクシャフトから外します
28.2 スパー チェン スプロケット/リ
ム スプロケットの取り付け
► クランクシャフトの根本とニードル ケージを
きれいにして、スチール潤滑グリース (特殊ア
クセサリー) を塗布します
► ニードル ケージをクランクシャフトの根元に
押し込みます
► 再び取り付けた後に、クイックストップ スー
パー チェンブレーキのスロットル トリガー
ロックアウトを先に押してから、クラッチドラ
ムおよび/またはスパー チェン スプロケット
を約 1 回転回して、オイル ポンプ ドライブの
キャリアをかみ合わせます
0458-533-4321-E 35

日本語 29 ソーチェンの整備と目立て
► リム スプロケットを取り付けます - 空洞部分
を外側に向けます
► ワッシャーと E-クリップをクランクシャフト
に取り付けます
29 ソーチェンの整備と目立て
29.1 ソーチェンを正しく目立てして
3 または 3/8 3/8 9.32
4 または 404 0.404 10.26
使用するヤスリの直径は、チェン ピッチによって
異なります - 表「目立工具」を参照してくださ
い。
カッターの角度は、目立てをする間維持する必要
があります。
楽に切断作業を行う
正しく目立てされたチェンを使うと、ほんの少し
押すだけで楽に木材を切ることができます。
切れ味が悪いまたは損傷しているソーチェンを
使用しないでください - 身体に大きな負担がか
かり、振動が激しく、切断状態が悪く、摩耗が早
くなります。
► ソーチェンの汚れを取り除きます
► ソーチェンの亀裂およびリベットの損傷を点
検します
► 損傷または磨耗しているチェン構成部品を交
換して、形状および磨耗に関して残存部分に適
合するようにします - 状態に応じて再加工し
ます
超硬チップ付き (デュロ) ソーチェンは、特に耐摩
耗性が強くなっています。 最適な目立てをする
には、スチールではスチール サービス店をお勧め
します。
警告
下記の角度と寸法に適合することが絶対に必要
です。 目立てが不適切なソーチェン (特にデプ
ス ゲージが低すぎる) では、チェンソーがキック
バックを起こしやすくなります - ケガの危険!
29.2 チェンのピッチ
29.3 上刃・横刃目立て角度
A 上刃目立て角度
スチール ソーチェンは、上刃目立て角度 30 度で
目立てします。 リッピング チェンは例外で、上
刃目立て角度が 10 度です。 リッピング チェン
は名称に X が含まれます。
B 横刃目立て角度
指定されたファイル ホルダーおよびファイル直
径を使用すると、自動的に適切な横刃目立て角度
になります。
刃の形状 角度(°)
A B
マイクロ = セミチゼル歯、
63 PM3、26 RM3、36 RM など
スーパー = フル チゼル歯、
63 PS3、26 RS、36 RS3 など
リッピング チェン、63 PMX、
36 RMX など
カッターの角度は、ソーチェンのすべてで同じに
する必要があります。 角度が一定でない場合:
ソーチェンの動作が雑で不均等で、磨耗が早く、
ソーチェンが破損することさえあります。
30 75
30 60
10 75
チェンのピッチのマーキング (a) が、個々のカッ
ターのデプス ゲージの部分に刻印されています。
マーキング (a) チェンのピッチ
インチ mm
7 1/4 P 6.35
1 または 1/4 1/4 6.35
6、P または PM 3/8 P 9.32
2 または 325 0.325 8.25
36 0458-533-4321-E

29 ソーチェンの整備と目立て 日本語
29.4 ファイル ホルダー
► ファイル ホルダーの使用
手でソーチェンを目立てするときは、必ずファイ
ル ホルダー (特殊アクセサリー、表「目立工具」
を参照) を使用します。 ファイル ホルダーには、
目立て角度のマーキングがあります。
専用のチェンソー ヤスリを使用してください!
他のヤスリは切断の形状とタイプに関して不適
切です。
29.5 角度を確認するには
スチール ファイリング ゲージ (特殊アクセサリ
ー、表「目立工具」を参照) を使用します - 上刃・
横刃目立角、デプス ゲージの設定、および刃の長
さの点検、さらに溝とオイル孔の掃除に使える、
便利な汎用ゲージです。
29.6 正しい目立
► チェン ピッチに合った目立ツールを選びます
► 必要に応じてガイド バーを固定します
► ソーチェンをブロックします - ハンド ガード
を前方に押します
► ソーチェンを進めるには、ハンド ガードをハ
ンドルバーに向けて引きます: チェン ブレー
キが解除されます。 クイックストップ スーパ
ー チェン ブレーキ システムでは、さらにスロ
ットル トリガー ロックアウトを押します
► 目立てを頻繁に行い、ほんのわずか刃先を擦り
ます - 簡単な目立てには、通常、ヤスリを 2、
3 回当てるだけで十分です
► ヤスリの位置: ファイル ホルダーのマーキン
グで指定された角度で水平方向 (ガイド バー
の側面に対して直角) に、ファイル ホルダーを
刃とデプス ゲージの上に置きます
► 必ず内側から外側に向けてヤスリをかけます
► ヤスリは前方ストロークのみで目立てをしま
す - 後方ストロークのときはヤスリを少し離
します
► タイ ストラップおよびドライブ リンクにヤス
リをかけないでください
► 定期的にヤスリを少し回して、不均等に磨耗し
ないようにします
► ヤスリのバリを取り除くには、硬木の小片を使
用します
► ファイリング ゲージで角度を確認します
すべてのカッターの長さを同じにします。
カッターの長さが異なると、刃の高さも異なり、
ソーチェンの動作が荒くなり、チェンが破損する
ことがあります。
► すべてのカッターを最も短いカッターと同じ
長さに仕上げます - 理想的には電動式目立機
を使用するサービス店で実施します
0458-533-4321-E 37

日本語 29 ソーチェンの整備と目立て
29.7 デプス ゲージの設定
デプス ゲージによって、カッターが木に食い込む
深さ、つまり切りくずの厚さが決まります。
a デプス ゲージとカッター先端の間の必要な距
離
霜がないときに軟らかい木を切断する場合は、距
離を最大 0.2 mm (0.008") 増やすことができま
す。
チェンのピッチ デプス ゲージ
距離 (a)
インチ (mm) mm (インチ)
1/4 P (6.35) 0.45 (0.018)
1/4 (6.35) 0.65 (0.026)
3/8 P (9.32) 0.65 (0.026)
0.325 (8.25) 0.65 (0.026)
3/8 (9.32) 0.65 (0.026)
0.404 (10.26) 0.80 (0.031)
(サービスマーキング付き)はカッターのデプス
ゲージと一緒に下がります。
警告
セーフティ ドライブ リンクの残りの部分は、目
立てしてはいけません。チェンソーがキックバ
ックを起こす危険性が高まることがあります。
► デプス ゲージを加工し、ファイル ゲージと揃
うようにします
29.8 デプス ゲージを低くする
カッターの目立てを行うと、デプス 量が小さくな
ります。
► 目立てを行うたびにデプス ゲージの設定を確
認します
► その後、デプス ゲージの先端をサービス マー
ク (矢印を参照) と平行になるようにドレッシ
ングします - その際、デプス ゲージの最も高い
位置が、さらに後方にずれないように注意しま
す
警告
デプス ゲージが低すぎると、チェンソーがキック
バックを起こしやすくなります。
► チェン ピッチに適切なファイル ゲージ (1) を
ソーチェンに載せ、確認するカッターに押しつ
けます - デプス ゲージがファイル ゲージより
突き出ている場合、デプス ゲージを再加工す
る必要があります
セーフティ ドライブ リンクが付いたソーチェ
ン (2) - セーフティ ドライブ リンクの上部 (2)
38 0458-533-4321-E

30 整備表 日本語
► ファイル ゲージをソーチェンに載せます - デ
プス ゲージの最も高い位置がファイル ゲージ
と一致しなければなりません
► 目立てが終了したら、ソーチェンをよく洗浄
し、ヤスリやグラインダーの切削分を除いて、
十分に潤滑油を塗布します
► 長期間使用しない場合、ソーチェンを洗浄し
て、潤滑油を塗布した状態で保管します
目立工具 (特殊アクセサリー)
チェンのピッチ
丸ヤスリ^
丸ヤスリ ファイル ホルダーファイル ゲージ平ヤスリ
目立セット
インチ (mm) mm (インチ)部品番号 部品番号 部品番号 部品番号 部品番号
1/4P (6.35) 3.2 (1/8) 5605 771
3206
5605 750
4300
0000 893
4005
0814 252
3356
5605 007
1000
1/4 (6.35) 4.0 (5/32) 5605 772 40065605 750 43271110 893 40000814 252 33565605 007
1027
3/8 P (9.32) 4.0 (5/32) 5605 772
4006
0.325 (8.25) 4.8 (3/16) 5605 772
4806
3/8 (9.32) 5.2 (13/64) 5605 772
5206
0.404 (10.26)5.5 (7/32) 5605 772
5506
5605 750
4327
5605 750
4328
5605 750
4329
5605 750
4330
1110 893
4000
1110 893
4000
1110 893
4000
1106 893
4000
0814 252
3356
0814 252
3356
0814 252
3356
0814 252
3356
5605 007
1027
5605 007
1028
5605 007
1029
5605 007
1030
1)丸ヤスリ、平ヤスリ、ファイリング ゲージ付きファイル ホルダーで構成
30 整備表
次の整備周期は通常の作業条件を対象としています。過酷な
条件下 (粉塵の蓄積量が多い、樹脂分の多い木材を切断する、
熱帯樹からの木材を切断する等) で作業を行うか、毎日の作業
時間が通常よりも長い場合は、それに応じて表に示された間
隔よりも短くしてください。時々しか使用しない場合は、整
備間隔を相応に長くすることが可能です。
作業開始前
毎週毎月毎年
燃料給油時
故障時
損傷時
1)
必要に応じて
機械本体 目視検査 (状態、漏れ) X X
作業終了後または毎日
清掃 X
スロットルトリガー、スロット
機能テスト X X
ルトリガーロックアウト、チョ
ークレバー、停止スイッチ、マ
スターコントロールレバー (装
置によって異なる)
チェンブレーキ 機能テスト X X
点検はサービス店に依頼して
ください
1)
X
手動燃料ポンプ (装備モデルのみ)点検 X
燃料タンクの燃料ピックアッ
プボディ/フィルター
修理はサービス店に依頼して
ください
1)
点検 X
洗浄、フィルターインサート
X
X X
の交換
1)
STIHL 社では、STIHL サービス店に依頼されることをお勧めしています
2)
プロ用チェンソー (出力 3.4 kW 以上) の初回使用時は、10~20 時間の使用後、シリンダーブロック
スクリューを締め直してください
0458-533-4321-E 39

日本語 31 磨耗の低減と損傷の回避
次の整備周期は通常の作業条件を対象としています。過酷な
条件下 (粉塵の蓄積量が多い、樹脂分の多い木材を切断する、
熱帯樹からの木材を切断する等) で作業を行うか、毎日の作業
時間が通常よりも長い場合は、それに応じて表に示された間
隔よりも短くしてください。時々しか使用しない場合は、整
備間隔を相応に長くすることが可能です。
作業開始前
毎週毎月毎年
燃料給油時
故障時
損傷時
必要に応じて
交換 X X X
作業終了後または毎日
燃料タンク 清掃 X
チェンオイルタンク 清掃 X
チェンオイル 点検 X
ソーチェン 点検、切れ具合を確認 X X
ソーチェンの張りの点検 X X
目立て X
ガイドバー 点検 (摩耗、損傷) X
掃除し、裏返す X
バリ取り X
交換 X X
チェンスプロケット 点検 X
エアフィルター 清掃 X X
交換 X
防振エレメント 点検 X X
交換は サービス店に依頼し
てください
1)
X
ファンハウジングの空気吸入口清掃 X X X
シリンダーフィン 清掃 X X X
キャブレター アイドリング調整の確認 - ソ
X X
ーチェンが回らないこと
アイドリング回転数の設定。
必要に応じてサービス店に修
理を依頼してください
1)
X
スパークプラグ 電極ギャップの調整 X
100 運転時間ごとに交換
手の届くスクリューとナット
(調整スクリューを除く)
締め付ける
2)
X
チェンキャッチャー 点検 X
交換 X
安全情報ラベル 交換 X
31 磨耗の低減と損傷の回避
本取扱説明書の記述を遵守して使用すると、機械
の過度の磨耗や損傷が回避されます。
本機の使用、整備並びに保管は、本取扱説明書の
記述に従って入念に行ってください。
1)
STIHL 社では、STIHL サービス店に依頼されることをお勧めしています
2)
プロ用チェンソー (出力 3.4 kW 以上) の初回使用時は、10~20 時間の使用後、シリンダーブロック
特に以下の場合のように、安全に関する注意事
項、取扱説明書の記述内容及び警告事項に従わず
に使用したことに起因する全ての損傷について
は、ユーザーが責任を負います:
スチールが許可していない製品の改造。
–
スクリューを締め直してください
40 0458-533-4321-E

10
4
13
14
6
3
1
12
9
8
2
5
7
11
7
8
20
26
25
21
19
16
15
17
18
22
23
24
#
533BA015 KN
32 主要構成部品
当製品への適用が承認されていない、適してい
–
ない、または低品質のツールやアクセサリーの
32 主要構成部品
日本語
使用。
指定外の目的に当製品を使用。
–
スポーツ或いは競技等の催し物に当製品を使
–
用。
損傷部品を装備したままで当製品を使用した
–
ことから生じる派生的損傷。
31.1 整備作業
「整備表」に列記されている作業は、必ず全て定
期的に行ってください。整備作業を使用者が自
ら行えない場合は、サービス店に依頼してくださ
い。
当社では整備や修理を、認定を受けたスチール サ
ービス店のみに依頼されることをお勧めします。
スチール サービス店には定期的にトレーニング
を受ける機会が与えられ、必要な技術情報の提供
を受けています。
上記整備作業を怠ったことが原因で生じた以下
のような損傷に対しては、上記の例として、以下
の部品が挙げられます:
指定された時期に実施されなかった整備や不
–
十分な整備(例:エアー フィルター、燃料フィ
ルター)、不適切なキャブレターの調整または
不十分な冷却空気経路の掃除(エアー吸入スリ
ット、シリンダー フィン)が原因で生じたエン
ジンの損傷。
不適切な保管に起因する腐食およびその他の
–
派生的損傷。
低品質の交換部品を使用したことによる本機
–
の損傷。
31.2 磨耗部品
カットオフソーの部品によっては、規定通りに使
用しても通常の磨耗は避けられません。これら
の部品は、使用の種類や期間に合わせて適時に交
換してください。上記の例として、以下の部品が
挙げられます:
ソーチェン、ガイドバー
–
駆動部品( クラッチ、クラッチ ドラム、チェン
–
スプロケット)
フィルター(エアー フィルター、オイル フィル
–
ター、燃料フィルター)
リワインド スターター
–
スパーク プラグ
–
防振システムのコンポーネント
–
0458-533-4321-E 41
1 シュラウド スライド
2 キャブレター調整スクリュー
3
手動燃料ポンプ (イージースタート1))
4 スライド (夏期作業/冬季作業、MS 211 のみ)
5 チェン ブレーキ
6 チェン スプロケット
7 チェン スプロケット カバー
8 チェン キャッチャー
9 サイド チェン テンショナー
10 バンパー スパイク
11 ガイド バー
12 オイロマチック ソーチェン
13 アジャスティングホイール (クイック テンシ
ョナー)
14
ウィング ナットのウィング
1)
(クイック テン
ショナー)
15 オイルタンクキャップ
16 マフラー
17 前ハンド ガード
18 前ハンドル (ハンドルバー)
19 スパーク プラグ ターミナル
20 スターター グリップ
21 燃料タンクキャップ
22 マスター コントロール レバー

日本語 33 技術仕様
23 スロットル トリガー
24 スロットル トリガー インターロック
25 後ハンドル
26 後ハンド ガード
# 機械番号
33 技術仕様
33.1 エンジン
STIHL 単気筒 2 ストロークエンジン
33.1.1 MS 171、MS 171 C
排気量:
シリンダー径: 38 mm
ピストンストローク: 28 mm
ISO 7293 に準拠したエンジ
ン出力:
アイドリング回転数:
33.1.2 MS 181、MS 181 C
排気量:
シリンダー径: 38 mm
ピストンストローク: 28 mm
ISO 7293 に準拠したエンジ
ン出力:
アイドリング回転数:
33.1.3 MS 211、MS 260 C
排気量:
シリンダー径: 40 mm
ピストンストローク: 28 mm
ISO 7293 に準拠したエンジ
ン出力:
アイドル回転数:
1)
33.2 イグニッションシステム
エレクトロニックマグネトイグニッション
スパークプラグ(抵抗入タイ
プ):
BOSCH USR4AC
電極ギャップ: 0.5 mm
33.3 燃料システム
燃料ポンプ付き全方向ダイヤフラム式キャブレ
ター
燃料タンク容量:
33.4 チェンの潤滑
全自動、回転数制御ロータリーピストン式オイル
ポンプ
1)
バージョンによって異なります
1)
ISO 11681 に準拠 (+/- 50 rpm)
42 0458-533-4321-E
31.8 cc
1.3 kW (1.8 bhp)/
10,000 rpm
1)
2,800 rpm
31.8 cc
1.5 kW (2.0 bhp)/
10,000 rpm
1)
2,800 rpm
35.2 cc
1.7 kW (2.3 bhp)/
10,000 rpm
2,800 rpm
NGK CMR6H
270 cc (0.27 l)
オイルタンク容量:
265 cc (0.265 l)
33.5 重量
燃料無しの状態、バーおよびチェンを除く
MS 171: 4.3 kg
MS 171 C 4.6 kg
MS 181: 4.3 kg
MS 181 C: 4.6 kg
MS 211: 4.3 kg
MS 211 C: 4.6 kg
33.6 MS 171、MS 171 C、MS 181、
MS 181 C 用カッティングアタ
ッチメント
実際の切断長は、規定の長さよりも短い場合があ
ります。
33.6.1 ローロマチック E Mini ライトガ
バー長さ: 30、35 cm
ピッチ: 3/8" P (9.32 mm)
溝幅: 1.1 mm
ノーズスプロケット: 7 枚歯
33.6.2 ローロマチック E ミニガイドバー
バー長さ: 30、35、40 cm
ピッチ: 3/8" P (9.32 mm)
溝幅: 1.1 mm
ノーズスプロケット: 7 枚歯
33.6.3 3/8" ピコチェン
ピコマイクロミニ 3 (61 PMM3) 3610 型
ピッチ: 3/8" P (9.32 mm)
ドライブリンクゲージ: 1.1 mm
33.6.4 チェンスプロケット
3/8"P (スパースプロケット)、6 枚歯
ISO 11681 に準拠した最大チェ
ンスピード:
最大出力時のチェンスピード:
イドバー
24.8 m/s
18.6 m/s
33.7 MS 211、MS 211 C 用カッティ
ングアタッチメント
実際の切断長は、規定の長さよりも短い場合があ
ります。
33.7.1 ローロマチック E ライトおよびロー
バー長さ: 30、35、40 cm
ピッチ: 3/8" P (9.32 mm)
溝幅: 1.3 mm
ノーズスプロケット: 9 枚歯
33.7.2 3/8" ピコチェン
ピコマイクロ 3 (63 PM3) 3636 型
ピコデュロ 3 (63 PD3) 3612 型
ロマチック E ガイドバー

34 スペア パーツのご注文
ピコスーパー 3 (63 PS3) 3616 型
ピッチ: 3/8" P (9.32 mm)
ドライブリンクゲージ: 1.3 mm
33.7.3 チェンスプロケット
3/8"P (スパースプロケット)、6 枚歯
ISO 11681 に準拠した最大チェ
ンスピード:
最大出力時のチェンスピード:
24.8 m/s
18.6 m/s
33.8 音圧・騒音・振動数値
振動に関する指令 2002/44/EC の遵守の詳細に
ついては、www.stihl.com/vib をご覧ください。
33.8.1 ISO 22868 による音圧レベル L
p
MS 171: 99 dB(A)
MS 171 C: 99 dB(A)
MS 181: 100 dB(A)
MS 181 C: 100 dB(A)
MS 211: 100 dB(A)
MS 211 C: 100 dB(A)
33.8.2 ISO 22868 に準拠した音響出力レベル
L
w
MS 171: 112 dB(A)
MS 171 C: 112 dB(A)
MS 181: 112 dB(A)
MS 181 C: 112 dB(A)
MS 211: 113 dB(A)
MS 211 C: 113 dB(A)
33.8.3 ISO 22867 による振動加速度 a
hv,eq
ハンドル、左ハンド
MS 171:
MS 171 C:
MS 181:
MS 181 C:
MS 211:
MS 211 C:
4.0 m/s
3.5 m/s
3.5 m/s
3.5 m/s
3.5 m/s
3.5 m/s
2
2
2
2
2
2
4.5 m/s
3.5 m/s
3.0 m/s
3.0 m/s
3.5 m/s
3.5 m/s
2
2
2
2
2
2
ル、右
指令 2006/42/EC に準拠した K‑係数は、音圧レベ
ルおよび音響出力レベルついて 2.0 dB(A) です。
指令 2006/42/EC に準拠した K‑係数は、振動加速
度について 2.0 m/s2 です。
33.9 REACH
REACH は EC の規定で、化学物質 (CHemical
substances) の登録 (Registration)、評価
(Evaluation)、認可 (Authorisation)、規制を意味し
ます。
REACH 規定 (EC) No. 1907/2006 の遵守の詳細
については www.stihl.com/reach をご覧くださ
い。
33.10 排気ガス
EU 型式認定手順に従って測定した CO2値は、
www.stihl.com/co2 に記載されています。
CO2測定値は、代表的なエンジンを実験室で標準
的な試験手順に従って測定した結果であり、特定
のエンジンの性能を明示的、暗示的に保証する数
値ではありません。
適用される排気ガス規制の要件は、本書に記載さ
れている方法で機械を使用し、整備することによ
って満たされます。型式認定は、エンジンを改造
すると無効になります。
34 スペア パーツのご注文
お客様のチェンソーの機種、機械番号、およびガ
イドバーとソーチェンの部品番号を、下に準備し
たスペースにご記入ください。これは、次にご注
文いただくときに便利です。
ガイドバー、ソーチェンは消耗部品です。これら
の部品を注文するとき、型式、部品番号、部品名
を明記してください。
機種
機械番号
ガイドバー部品番号
ソーチェン部品番号
35 整備と修理
本機を使用する方が実施できる保守および整備
作業は、本取扱説明書に記述されていることだけ
です。それ以外の修理はすべてサービス店に依
頼してください。
当社では整備や修理を、認定を受けたスチール サ
ービス店のみに依頼されることをお勧めします。
スチール サービス店には定期的にトレーニング
を受ける機会が与えられ、必要な技術情報の提供
を受けています。
修理時には、当社が本機への使用を承認した、ま
たは技術的に同等な交換部品だけをご使用くだ
さい。高品質の交換部品のみを使用して、事故お
よび本機の損傷を回避してください。
当社ではスチール オリジナルの交換部品のご使
用をお勧めします。
スチール純正部品には、スチール部品番号、
日本語
{ロゴマークおよびスチール部品シンボ
ル マーク K が刻印されています。(小さな部
品では、シンボルマークだけが刻印されているも
のもあります。)
0458-533-4321-E 43

日本語 36 廃棄
36 廃棄
国別の廃棄の規則および規制を順守してくださ
い。
スチール製品は、家庭用ごみ入れに廃棄しないで
ください。 製品、アクセサリー、包装は、環境に
配慮してリサイクルを行うため、認可された廃棄
場に持ち込んでください。
廃棄物処理の最新情報については、スチール サー
ビス店へお問い合わせください。
37 EC 適合証明書
ANDREAS STIHL AG & Co. KG
Badstr. 115
D-71336 Waiblingen
Germany (ドイツ)
は、独占的な責任下で下記の製品が
型式: チェンソー
メーカー名: STIHL
型式: MS 171
シリーズ番号: 1139
排気量
すべての MS 171:
すべての MS 181:
すべての MS 211:
指令 2011/65/EU、2006/42/EC、2014/30/EC、お
よび 2000/14/EC の仕様に適合しており、製造の
時点で有効であった次の規格のバージョンに準
拠して開発および製造されたことを保証いたし
ます:
EN ISO 11681‑1、EN 55012、EN 61000‑6‑1
音響出力レベルは、測定値ならびに保証値共に、
2000/14/EC の付録 V と ISO 9207 基準に準拠し
ています。
MS 171 C
MS 171 C-BE
MS 181
MS 181 C
MS 181 C-BE
MS 211
MS 211 C
MS 211 C-BE
31.8 cc
31.8 cc
35.2 cc
音響出力レベル測定値
すべての MS 171: 112 dB(A)
すべての MS 181: 112 dB(A)
すべての MS 211: 113 dB(A)
音響出力レベル保証値
すべての MS 171: 114 dB(A)
すべての MS 181: 114 dB(A)
すべての MS 211: 115 dB(A)
EC 型式承認試験の実施機関:
DPLF
Deutsche Prüf- und Zertifizierungsstelle für Landund Forsttechnik (NB 0363)
Spremberger Straße 1
D-64823 Groß-Umstadt
証明書番号:
すべての MS 171: K-EG-2009/4442
すべての MS 181: K-EG-2009/4446
すべての MS 211: K-EG-2009/4444
技術資料の保管場所:
ANDREAS STIHL AG & Co. KG
Product approval
機械の製造年および機械番号は、機械に表示され
ています。
Waiblingen にて発行、2020 年 02 月 03 日
ANDREAS STIHL AG & Co. KG
p p.
Dr. Jürgen Hoffmann
Head of Product Data, Regulations and
Licensing (製品データ・規制・認可部長)
44 0458-533-4321-E

37 EC 適合証明書 日本語
0458-533-4321-E 45

日本語 37 EC 適合証明書
46 0458-533-4321-E

37 EC 適合証明書 日本語
0458-533-4321-E 47

www.stihl.com
*04585334321E*
0458-533-4321-E
*04585334321E*
0458-533-4321-E