Stihl MS 192 T Instruction Manual [ja]

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STIHL MS 192 T
取扱説明書
目次
日本語
はじめに 2 安全に関する重要事項 3 反発力 9 作業方法 10 カッティング アタッチメント 12 バーとチェンの取り付け 12 ソーチェンの張り方 ( サイドチェ
ン テンショナ ) 14
元の取扱説明書無塩素漂白紙使用
チェンの張り具合の点検 14 燃料 14 給油 16 チェン オイル 19 チェン オイルの給油 19 チェン オイルの吐出点検 20 チェン ブレーキ 20 始動前の注意事項 21 エンジンの始動と停止 22 作業中の注意事項 25 ガイド バーの保守 26 エアー フィルター システム 27 エアーフィルターの掃除 27 キャブレターの調整 28
印刷インクには植物油が使用され、紙はリサイクル可能です。
マフラーのスパーク アレスター ス クリーン 29
スパーク プラグの点検 30 リワインドスターター 31 機械の保管 31 チェン スプロケットの点検と交換 31 ソーチェンの整備と目立て 33 整備表 37 磨耗の低減と損傷の回避 39 主要構成部品 40
技術仕様 41 特殊アクセサリー 42 スペア パーツのご注文 42 整備と修理 43 廃棄 43 CE 適合証明書 43
お客様各位 この度は STIHL 社の製品をお買上げい
ただきまして誠に有難うございます。 この製品は、最新の製造技術と入念な
品質保証処置を施して製造されまし た。 私共は、お客様がこの製品を支障 なく使用され、その性能に満足してい ただくために最善の努力を尽くす所存 でおります。
ご使用の製品に関して御質問がおあり の際は、お買上げの販売店あるいは直 接当社カスタマー サービスにお問い合 わせください。
敬具
ニコラス・スチール博士
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© ANDREAS STIHL AG & Co. KG, 2013
0458-217-4321-C. VA2.K13.
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この取扱説明書は、著作権によって保護されています。全権留保。特に複製、翻訳および電子システムを使用した処理に対 して保護されています。
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日本語
はじめに
この取扱説明書では STIHL チェンソー は機械と呼ばれる事もあります。
シンボル マークについて
機械に表示されているシンボル マーク は、この取扱説明書で説明されていま す。
機械および装置のバージョンによって は、次のシンボル マークが機械に表示 されている場合があります。
燃料タンク、ガソリンと エンジン オイルの混合燃 料
チェン オイル用タンク、 チェン オイル
チェン ブレーキの作動お よび解除
コースティング ブレーキ
インテーク エアー バッ フル : 冬季作業
インテーク エアー バッ フル : 夏季作業
ハンドル ヒーティング
デコンプ バルブの作動
パージャー ポンプの作動
段落の前に付いたシンボルや数字
警告
人に及ぼす事故やケガ、更に重大な物 的損傷に対する警告。
このため、変更、修正、改良の種類に よっては、本取扱説明書に記載されて いない場合があります。
注記
チェン移動方向
E マチック、チェン オイ ル流量調整
ソー チェンの張り
2
本機本体あるいは構成部位の損傷に対 する警告。
技術改良
当社の信条として、常に自社製品の改 良を心がけております。この理由か ら、製品の設計、技術、外観が定期的 に改良される場合があります。
MS 192 T, MS 192 TC
日本語
安全に関する重要事項
この特殊なチェン ソーは、特殊切断 や作業テクニック の訓練を受けた作 業者のみが使用す る必要がありま す。
ハンドルの設計が特殊 ( ハンドルの間隔が狭い ) なため、この種のチェン ソーを使用するときは、 ケガの危険性が高まりま す ( チェンソーの不意の 反動による切傷など )。 チェンの回転数が非常に 高く、カッターが非常に 鋭利であるため、チェン ソーで作業を行うとき は、人身事故の危険を低 減するために特別な安全 措置が必要です。
初めて使用するときは取 扱説明書をよく読んで理 解し、必要なときに見ら れるよう安全な場所に確 実に保管してください。 取扱説明書を順守しない と生命を脅かすようなケ ガを負いやすくなりま す。
一般的な注意事項
現地の安全規制、基準、条例をお守り ください。
騒音を発するパワーツールの使用が、 国や地域の規則によって規制されてい る場合があります。
このモデルで初めて仕事をする人は: STIHL サービス店または経験豊富なユ ーザーに機械の操作方法を教えてもら うか、その専門的な研修に参加してく ださい。
未成年者はチェンソーを使用しないで ください。 ただし、トップハンドル チ ェンソーを使用した特殊な突っ込み切 り技術に関する訓練を受けた 16 歳以上 の未成年者が作業する場合にはこの限 りではありません。
作業場所に見物人、特に子供や動物を 近づけないでください。
他者およびその所有物に対して生じた 事故または危険に関しては、その一切 の責任をユーザーが負います。
チェンソーを貸したり譲渡したりする 場合は、取扱説明書を一緒に手渡して ください。 作業者はすべて、トップハ ンドル チェンソーによる作業に対する 特殊なトレーニングを受講して、本機 種の構成と操作に精通するようにして ください。
チェンソーで作業する人は、十分に休 息をとり、身体的・精神的に健康でな ければなりません。 激しい労働に耐え られない体調の方は、チェンソーの使 用前にかかりつけの医師に相談してく ださい。
視界を妨げ、動作や判断を鈍らせるよ うなアルコールや薬品などを服用した 状態では、チェンソーを使用しないで ください。
事故やケガを避けるために、天候が悪 い場合 ( 雨、雪、氷、風 ) は作業を延期 してください。
ペースメーカーを付けている方にのみ 該当する注意点 : チェンソーのイグニ ッション システムは、微量の電磁界を 発生します。 この電磁界がペースメー カーに干渉する場合があります。 健康 上のリスクを軽減するため、ペースメ ーカーを装着された方は、使用前に掛 かりつけの医師またはペースメーカー の製造元に、お問い合せください。
用途
樹木の外科治療用チェンソーにはトッ プハンドルが装備され、特殊用途に使 用されます。 特に、立ち木の頭頂部の 外科治療や保守作業用に設計されてい ます。
本チェンソーの作業者は、木の中で作 業する際に適切に安全を確保してくだ さい (リフトバケット、身体を保護す る安全装備、安全ハーネスなどの装 備)。
このチェンソーは、樹木や木製品の切 断にのみ使用してください。
事故の危険性が高まるので、それ以外 の目的には使用しないでください。
立木の伐採や薪の切断には使用できま せん。 それらの切断には、幅広のハン ドルが装着されている標準チェンソー をお勧めいたします。
人身への傷害の危険性を増加させるこ とがあるので、いかなる方法でもチェ ンソーを改造しようとしないでくださ い。 承認されていないアタッチメント を使用した際の人的傷害および物的損 害に対しては当社は一切保証を行いま せん。
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日本語
0012BA024 KN
衣服と装備
規定に沿った服装と装備を身に付ける こと。
衣服は、作業しやすく作 業の妨げにならないこと が必要です。 通常の上着 ではなく、身体にぴった りして、足、脚、前腕に 切断防止用プロテクター の付いた安全作業服を着 用してください。
枝、藪、チェンソーの可動部などに引 っかかる物を、身に付けないでくださ い。 スカーフ、ネクタイ、装身具を身 に付けないでください。 長い髪は後ろ で束ね、引っかからないようにしてく ださい ( ヘアネット、帽子、ヘルメッ トに押し込むなど )。
切り傷防止用プロテクタ ー付きの、滑らない靴底 で爪先に鋼板の入った安 全靴をはいてください。
落下物による頭部のケガ の危険性がある場合、あ ごひもの付いた安全ヘル メットを着用してくださ い。 安全眼鏡または顔面 シールド、および耳栓や イヤーマフなどのイヤー プロテクターを着用して ください。
耐性素材 (革など)でで きた、切り傷防止用の内 容物の入った丈夫な保護 手袋を着用してくださ い。
STIHL では、作業者の防護のために各 種の作業服や装備をご用意していま す。
転落防止器具を使用してください。 用途に適した認定済の装備のみを使用
してください。 毎回使用する前に装備の具合を点検
し、損傷している部分があれば交換し ます。
運搬
チェンソーを持ち運ぶときは、たとえ すぐ近くまでであっても、常にエンジ ンを停止し、チェンブレーキをかけ、 チェン ガード ( 鞘 ) を装着してくださ い。 これにより、チェンが予期せずに 始動する危険を避けることができま す。
チェンソーはコントロール ハンドルを 持ち、熱くなったマフラーを身体から 離し、ガイド バーを後ろに向けて運搬 してください。 ひどい火傷を受けない ように、本機の熱くなった部分、特に マフラー表面などに触れないようにし てください。
乗り物で運搬する時: チェンソーが倒 れたり、燃料が流れ出たり、破損しな いよう固定してください。
洗浄
プラスチック製部品は、布で掃除しま す。 強い洗剤はプラスチックを損傷す ることがあります。
機械から、汚れや泥を取り除いてくだ さい - これには、グリース溶剤を使わ ないでください。
必要に応じて換気スロットを清掃しま す。
機械の清掃に高圧洗浄機を使用しない でください。 強い流水で機械の部品を 損傷する恐れがあります。
アクセサリー
当社が本機での使用を承認した、また は技術的に同等の、ツール、ガイド バ ー、チェン、チェン スプロケット、ま たはアクセサリーだけをご使用くださ い。 これに関して不明な点がある場合 は、STIHL サービス店へお問い合わせ ください。 高品質ツールおよびアクセ サリーだけをご使用ください。 そうし ないと、事故および本機の損傷の恐れ があります。
当社では、STIHL 純正のツール、ガイ ド バー、チェン、チェン スプロケッ ト、およびアクセサリーだけをご使用 いただきますようお勧めします。 これ らは、お客様の機種およびご使用にな る性能要件に合わせて、特別に設計さ れています。
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MS 192 T, MS 192 TC
日本語
燃料の給油
ガソリンは非常に簡単に 引火します - 火気を近づ けないでください - 燃料 をこぼしたり、喫煙しな いでください。
燃料を給油する前にエンジンを停止し てください。
エンジンがまだ熱いうちは給油しない でください - 燃料が流れ出て火災にな ることがあります!
燃料フィラーキャップは、過剰な圧力 が徐々に抜けて、燃料が噴き出さない ように、慎重に開けてください。
給油は風通しの良い場所で行ってくだ さい。 本機に燃料をこぼしたら直ちに ふき取ってください。 衣服に燃料をこ ぼさないでください - 汚れた衣服は直 ちに着替えてください。
機械は標準として、次のフィラー キャ ップを装備することができます。
バイヨネット式フィラー キャップ ( 差 し込みロック )
バイヨネット式燃料タン クキャップ ( 差し込みロ ック ) は正しく差し込 み、止まるまで回してか らバイヨネットを下ろし てください。
正しく締め付けられていない燃料キャ ップがエンジンの振動によって緩んで 燃料が漏れる危険を低減します。
燃料が漏れていないか注 意してください! 燃料が こぼれたり漏れている場 合は、エンジンを始動し ないでください - 火傷に よる命の危険がありま す!
始動前
チェンが正しく取り付けられ、良好な 状態になっているかチェックします ( 本取扱説明書の関連項目を参照 ):
燃料システムに漏れがないか点検
します。特にタンク キャップ、ホ ース接続部や手動燃料ポンプ ( 機 械に取り付けられている ) などの、 目に見える部品を特に注意深く点 検します。 漏れや損傷がある場合 は、エンジンを始動しないでくだ さい - 火災の危険性があります。 再 度使用する前に、チェンソーの修 理をサービス店に依頼してくださ い
チェンブレーキや前ハンドガード
が正常に作動するか点検します
ガイド バーが正しく装着されてい
チェンが適切に張られている トリガーおよびトリガー ロックア
ウトがスムーズに作動して、放す とアイドリング位置に戻らなけれ ばなりません。
マスター コントロール レバーが、
スムーズに STOP、0 または 位 置に移動できるか。
スパーク プラグ ターミナルがしっ
かりと差し込まれているかチェッ クします - 緩んでいる場合は火花 が発生することがあり、可燃性の ガスに引火する可能性がありま す。
操作部や安全装置に改造を加えな
いでください。
チェンソーの安全な操作のため、
ハンドルはオイルや汚れのない、 乾いた清潔な状態を保ちます。
十分の燃料とチェン オイルがタン
クに充填されていることを確認し ます。
人身事故の元となりますので、損傷し たり、正しく取り付けられていないチ ェンソーは使用しないでください。
チェンソーの始動
チェンソーは、平坦な地面でのみ始動 します。 安定した足場を保ちます。 チ ェンソーをしっかりと保持します。 チ ェンの回転によってケガをするリスク を低減するため、カッティング アタッ チメントが他の物体や地面に接触して いないことを確認します。
チェンソーは一人で操作します。 作業 場所には、始動時であっても第三者を 入れないでください。
ソーチェンが切り口に入っている状態 で、チェンソーを始動しないでくださ い。
樹木上でチェンソーを始動すると、作 業者が制御できなくなる恐れがあり、 とても危険です - ケガの危険がありま す。
トップハンドル チェンソーは樹木上に 運ぶ前に、助手により地面で点検、給 油、始動、暖機運転してください。
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日本語
0012BA019 KN
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L
給油した場所から少なくとも 3 m 離れ て始動します。戸外に限ります。
チェンが回転してケガする場合があり ますので、始動する前は、チェンブレ ーキでチェンをロックしてください。
エンジンの落としがけをしないでくだ さい - 取扱説明書に従って始動してく ださい。
作業中
樹木の中で作業する場合は、輪に結 び、命綱に繋いだロープでチェンソー を常に確保します。 チェンソーをロー プに吊るす前に、常にチェンブレーキ をロックしてください。
事故やケガの危険性を軽 減するために、常にチェ ンソーを両手でしっかり 保持します: 左利きの場 合でも右手でコントロー ル ハンドルを握ります。 安全操作のため、両方の ハンドルを手のひらで包 むように握ってくださ い。
片手操作は特に危険で す。乾燥し、こぶだらけ の朽ち木を切るときは、 正しく切り込みできなく なることがあります。 反 発力が発生して、枝の上 をチェンが滑ったり跳ね たりして、コントロール できなくなることがあり ます。 致命的なケガの危 険性があります。
トップハンドルチェンソーは、次の場 合にのみ片手で操作出来ます。
両手で使用する事が不可能な場合 作業位置を確保する為に、片手を
使用する必要がある場合
チェンソーをしっかり保持してい
る場合
身体のどの部分もカッティング ア
タッチメントに触れるおそれがな い場合。
片手切断操作時の注意事項:
切断対象の枝にもたれかからない バーの先端で切断作業しない 落下する枝を握ろうとしない
バランスと安定した足場を確保してく ださい。 滑る危険があるので、剥いだ 皮が湿っているときは特に注意してく ださい。
差し迫った危険や緊急の場合、速やか にエンジンを停止します - マスター コ ントロール レバーを STOP、0 または の方向に動かします。
チェンソーを作動させたまま、本機か ら離れないでください。
滑りやすい、湿った地面、雪、氷、傾 斜、凸凹のある地面、最近皮を剥がれ た木々には、特に注意してください。
木の切り株、根、溝など、つまずきそ うな障害物に注意してください。
一人だけで作業せず、事故があった場 合に備えて、近くに応急処置の訓練を 受けた人がいて声を出せば助けに来ら れるようにします。 切断作業現場での 補助者も保護具を着用し、切断された 枝が当たらないところまで下がってい るようにします。
イヤー プロテクターをつけている場合 は、より大きな注意力が必要です。危 険を告げる音、叫び声、警笛などが聞 こえにくくなるからです。
事故が発生しやすくなりますので、疲 労が蓄積しないように、適切な時期に 休息をとってください
作業中に発生する塵埃 ( おがくずなど )、蒸気、煙は健康を害する恐れがあり ます。 塵埃の発生量が非常に多い場 合、防塵マスクを着用してください。
エンジン運転中: スロットル トリガー を放しても、( フライホイール効果によ り ) チェンは短時間回転し続けます。
火災の危険性を低減するため、作業中 およびチェンソーの近くでは、喫煙は 避けてください。 燃料システムから、 発火しやすいガソリン蒸気が漏れてい る恐れがあることに、ご注意くださ い。
作業中は定期的に短い時間間隔で、ま たは切断動作に目立った変化が認めら れる場合は直ちに、ソーチェンを点検 します:
エンジンを停止し、チェンが完全
に停止するまで待ちます。
支障ない状態にあり、適正に取り
付けられていることを確認してく ださい。
目立ての状況を確認します。
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MS 192 T, MS 192 TC
日本語
エンジンの作動中は、チェンに触れな いでください。 チェンに障害物が挟ま った場合、障害物を取り除こうとする 前に、直ちにエンジンを停止してくだ さい - ケガの危険があります。
チェンソーをそのままにして離れる場 合は、必ずエンジンを停止してくださ い。
ソーチェンを交換する前に、エンジン を停止させます。 これにより、エンジ ンが予期せずに回転し始めてケガをす る危険をなくすことができます。
着火しやすい材質 ( 例えば、木屑、樹 皮、乾燥した草、燃料など ) は高温の 排気の流れや熱いマフラー表面から遠 ざけてください。火災の危険がありま す。 触媒コンバータ付きマフラーは特 に高温になりがちです。
チェンを適切に潤滑せずにチェンソー を絶対に作動させないでください - 作 業中に定期的にオイル レベルをチェッ クしてください。 オイル レベルが低く なりすぎた場合、作業を速やかに停止 し、オイル タンクに充填してください
- 「チェン オイル タンクの充填」およ び 「チェンの潤滑の点検」の章も参照 してください。
チェンソーに強い衝撃が加わったり落 下するなど、設計強度を越える異常な 負荷がかかった場合は、作業を続ける 前にチェンソーが良好な状態にあるこ とを必ず確認してください ( 「使用前」 を参照 )。
特に燃料システムに漏れがないことを 確認し、安全装置が正しく機能してい ることを確認してください。 お使いの チェンソーに損傷がある場合は、作業 を続けないでください。 はっきりしな い場合は、サービス店に点検を依頼し てください。
アイドリング回転設定が正しいことを 確認します。 スロットル トリガーを放 してエンジンがアイドリング回転して いる時は、チェンが作動してはいけま せん。 定期的にアイドリング回転の設 定を確認および修正してください。 エ ンジンのアイドリング回転時にチェン が回転し続ける場合、販売店に適切な 調整または修理を依頼してください。
チェンソーはエンジンが 始動するとすぐに、有毒 な排気を発生します。 こ のガスは、無臭で目に見 えないことがあり、未燃 焼の炭化水素とベンゼン を含んでいることがあり ます。 室内や換気状態の 悪い場所では、絶対に機 械を使用しないでくださ い。触媒コンバータが装 着されている機種でも同 様です。
溝、くぼ地、あるいは狭い場所で作業 する時には、適切な換気を確保してく ださい - 有毒ガスを呼吸することによ る命の危険があります!
気分が悪くなったり、頭痛、視界が狭 くなるなど視力の障害、聴力の障害、 めまい、集中力の低下などを感じた ら、即座に作業を停止してください。 濃度の高い排気ガスを吸い込むこと で、これらの症状が現れることがあり ます - 事故の恐れがあります!
作業後
エンジン切り、チェンブレーキをか け、チェン ガードを取り付けます。
保管
機械を使用しない時は、他人に危険が 及ばないように保管します。 不正な使 用ができないよう、機械を固定しま す。
機械を安全な乾燥した部屋に保管して ください。
振動
チェンソーを長時間使用した場合に は、振動の影響により手の血行不良が 生じることがあります ( 「白ろう病」 )。
以下をはじめ、多くの事柄が影響する ため、一般的な使用時間の設定は不可 能です。常に各国の安全規制、基準、 条例をお守りください。
以下の対策をとると使用時間を延長で きます:
手の防護 ( 暖かい手袋 ) 休憩を取りながら作業する
以下の場合には使用時間を短くしま す:
血行不良の特殊体質 ( 症状:指が頻
繁に冷たくなる、指が疼く )。
低い外気温。 ハンドルを掴む力の強さ (掴む力が
強いと血行が低下します )。
機械を日常的に長時間使用したり、該 当する症状 ( 指のしびれ等 ) が繰り返 し発症する時は、医師による診断をお 薦めします。上記のいずれかの症状が 現れたら ( 指が疼くなど )、医師にご相 談ください。 
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日本語
整備と修理
修理、清掃または整備作業およびチェ ンに対して作業を行う前に必ずエンジ ンを切ります。 エンジンが不意に始動 すると、怪我をする危険があります!
例外 : キャブレター調整およびアイド リング スピード調整時は、このかぎり ではありません。
本機は定期的に整備する必要がありま す。 取扱説明書に書かれている整備や 修理だけを行ってください。 その他す べての作業は、販売店に依頼してくだ さい。
当社では、整備や修理を STIHL 認定サ ービス店だけに依頼されることをお勧 めします。 STIHL 販売店では定期的に トレーニングを受け、適切な技術情報 の提供を受けています。
高品質のスペアパーツのみを使用しま す。 そうしないと、事故および本機の 損傷の恐れがあります。 これに関して 不明な点がある場合は、STIHL サービ ス店へお問い合わせください。
いかなる方法でも本機を改造しないで ください。人身への傷害の危険性を増 加させることがあります - 事故の危険 があります !
スパーク プラグ ターミナルを取り外し たり、スパーク プラグを緩めたまま、 スターターでエンジンを始動すると、 シリンダー外部でイグニッション スパ ークが生じて火災の危険があるので、 その前にマスター コントロール レバー を STOP、0 または に移動してくだ さい。
火気の近くで調整したり保管しないで ください - 燃料を搭載していますので、 火災の恐れがあります。
燃料キャップがしっかり閉まっている ことを、定期的に点検してください。
欠陥のない、当社が承認したスパーク プラグのみを使用します - 「技術仕 様」を参照してください。
イグニッション ケーブルに異常がない こと ( 絶縁状態、接続の確実性 ) を確 認してください。
マフラーに問題が無いことを確認して ください。
破損したマフラーを取付けたまま、あ るいはマフラーがないまま、本機を使 用しないでください。火災の恐れや聴 力への害があります!
絶対に加熱されたマフラーに触れない でください - 火傷の危険があります!
防振装置の状態は振動動作に影響しま す - 防振装置を定期的に点検してくだ さい。
チェン キャッチャーを点検してくださ い。破損している場合は交換します。
エンジンを停止します
チェンの張りの点検 チェンの張り直し チェンの交換 不具合の修正
目立てに関する注意事項を守ってくだ さい。安全にかつ正しく取り扱うた め、チェンとガイド バーを完全な状態 に保持します。 正しく目立てをして、 張りを調整し、十分に潤滑する必要が あります。
チェン、ガイドバー、チェンス プロケ ットを適切な時期に交換します。
クラッチ ドラムの動作状態が完全であ ることを定期的に確認してください。
燃料とチェンオイルを指定された容器 でのみ保存し、正しくラベル付けしま す。 光および日光から保護された、乾 燥した、涼しい、安全な場所に保管し ます。
チェン ブレーキに不具合が発生した場 合、機械を即座に停止します。 危険があります! STIHL サービス店に お問い合わせください - 不具合が改善 されるまで、機械を使用しないでくだ さい。「チェン ブレーキ」の項を参照 してください。
ケガの
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MS 192 T, MS 192 TC
日本語
0012BA022 KN
H
L
001BA257 KN
反発力
切断中に発生する反発力のうち、次に あげるものが最も一般的です: キック バック、プッシュバック、およびプル インです。
キックバックによる危険
キックバックによって致 命的なケガをする危険が あります。
キックバック発生の原因例
バーの先端上部 1/4 の部分で、不
意に木あるいは何らかの固い物体 に触れた場合、例えば、切断中に 他の木が不意に触れた場合など。
切断中にチェンが、ガイドバーの
先端部分で切り口に挟まれた場合
クイックストップ チェン ブレーキ:
一定の状況下で、ケガの危険を低減し ます - キックバック自体を避けること はできません。 ブレーキが作動する と、ブレーキはソーチェンを瞬時に停 止させます ­この取扱説明書の 「チェン ブレーキ」 の章を参照してください。
キックバックの危険を低減するには
バーの先端で切らないでくださ
い。
細くて固い枝は特に注意してくだ
さい。チェンに絡むことがありま す。
決して一度に数本もの枝を切らな
いでください。
腕を伸ばしすぎないでください。 肩の高さより上にあるものを切ら
ないでください。
途中まで切れている木を再度切る
ときは、十分注意してガイドバー を切り口に入れてください。
突っ込み切り作業技術は、慣れて
いない人には適していません。
木々の移動や外部の力によって、
切断部分が閉じてチェンが挟まる ことがあるので、注意してくださ い。
正しく目立てされ、正しく張られ
たチェンでのみ作業します。デプ ス量が大きすぎないように注意し てください。
キックバックを低減するソーチェ
ンや、先端が小さいガイドバーを 使用してください。
キックバックとは、次のような場合に チェンソーが、突然コントロールでき ない状態で作業者に向かって、跳ね返 ってくることを言います。
注意深く作業し、キックバックの
起こるような状況を避けることで す。
チェンソーを両手でしっかり持
ち、グリップを確実に握ります。
常にフルスロットルで切断しま
す。
ガイドバーの先端の位置に、いつ
も注意を払うようにします。
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日本語
001BA037 KN
A
001BA038 KN
B
001BA082 KN
プルイン (A)
プルインは、作業中に突然バー底部に あるチェンが樹木に挟まったり、引っ かかったり、木の中の異物に当たると きに発生します。 チェンの反動により チェンソーが前方に引かれます - この 危険を低減するため、樹木や枝にバン パースパイクを必ずしっかり当ててく ださい。
プッシュバック (B)
プッシュバックは、作業中に突然バー 上部にあるチェンが樹木に挟まった り、引っかかったり、木の中の異物に 当たるときに発生します。 チェンの反 動により、チェンソーが作業者の方に まっすぐに跳ね返ってきます。この危 険を回避するには:
ガイドバーの上部が挟まらないよ
うに注意してください
切り口の中でガイドバーをねじら
ないでください。
作業方法
切断作業
始動ポジションで作業しないでくださ い。 このポジションでは、エンジンの 回転数を調整できません。
日中で十分な視界のある場所で、冷静 かつ思慮深く作業してください。 他の 人に危険が及ばないように確認します ­常に注意してください。
できる限り短いガイド バーを使用しま す: チェン、ガイド バーおよびチェン スプロケットが正しく組み合わされ、 お使いのチェンソーに適合している必 要があります。
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チェンソーを、身体がカッティング ア タッチメントに触れない位置に置いて ください。
MS 192 T, MS 192 TC
日本語
001BA064 LÄ
可能なら、リフトバケットから作業し てください。
肩の高さ以上で作業するときは、はし ごや不安定な台の上に乗って作業しな いでください。
枝の落下によるケガや物的損害の危険 を低減するため、作業場所への出入り を遮断してください ( 自動車など )。
命綱を使って作業するとき、綱を切っ てしまう危険があります - 落下による ケガの危険を低減するため、常に二重 の命綱を使用してください。
大枝を切るときは、特に注意します。 機械をしっかりと保持し、切断時にか かる力をコントロールし反動に備えま す。 最後の切断部分まで達すると、チ ェンソーは切り口で支持されなくなる ことに、留意してください。 チェンソ ーの全重量を保持してください。そう しないと、事故の危険が増大します。
チェンソーが異物に触れないように注 意してください: 石やクギなどが飛び 散ったり、ソーチェンを損傷する恐れ があります。 チェンソーが不意にキッ クバックすることがあります - 事故を 起こす危険があります。
特定の状況下では、回転しているチェ ンが石や他の硬い物体に接触すると、 火花が発生し、燃えやすい物質に引火 することがあります。 特に高温で乾燥 した状況下では、乾燥した植物や雑木 も燃えやすい物質に含まれます。 火災 の危険がある場合、燃えやすい物質、 乾燥した植物や雑木の近くでチェンソ ーを使用しないでください。 潜在的な 火災の危険性についての情報を、地域 の森林資源管理局に必ず問い合わせて ください。
警告! 感電の危険を防止 するため、電線の近くで 切断作業を行うときは特 に安全に注意してくださ い。 電線のすぐ近くで切 断作業を行うときは、作 業を開始する前に電源を 切ってください。
ぶら下がった枝を下側から切断しない でください。チェンが挟まってキック バックが発生し、コントロールできな くなることがあります。
ケガの危険を低減するため、割れた木 を切断するときは特に注意してくださ い。破片が飛んできてケガをする危険 があります。
切断が完了したら、木の他の位置に移 動する前にチェンブレーキでチェンを ロックするか、エンジンを切ります。
切断技法: エンジンをフルスロットルにして、切
断作業を開始してください。
チェンソーを切り口から引き抜くとき は、常にチェンを動かした状態で行っ てください。
細い枝はまっすぐ切断します。 太い枝の場合は、初めに下方から
負荷軽減カットを入れ ( 直径の約 1/5)、次に上方から切り込みます
重い枝はロープで吊って固定しま
す。 チェンソーが切り口に挟まった場合: – エンジンを停止して、チェンソー
を木の幹に固定します。 – 必要に応じて、他のチェンソーを
使って切り口から挟まったチェン
ソーを慎重に外します。 張力の掛かった枝:
N 常に、まず圧縮がかかっている
側 (A) に負荷軽減カット (1) を入れ
ます。 N その後、張力がかかっている側 (B)
を 玉切り (2) します - このようにし
ないと、チェンソーが挟み込まれ
るかキックバックが起こります。 他の方法がない場合にのみ、玉切りを
下から上に向けてバーの上部で切り込 みます - プッシュバックの危険があり ます。
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日本語
001BA248 KN
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142BA058 KN
カッティング アタッチメン ト
カッティング アタッチメントは、ソー チェン、ガイドバー、チェン スプロケ ットで構成されています。
標準仕様のカッティング アタッチメン トはチェンソーに合致するように設計 されています。
ソーチェン (1) のピッチ (t) を、チ
ェンスプロケットやローロマチッ クガイドバーのノーズスプロケッ トのピッチと適合させてくださ い。
ソーチェン (1) のドライブ リンク
ゲージ (2) はガイドバー (3) の溝幅 と一致させてください。
適合しないコンポーネントを使用する と、カッティング アタッチメントは短 時間使用しただけで修理不可能なほど に破損してしまうことがあります。
チェン ガード
チェンソーはカッティング アタッチメ ントに適合するチェン ガードが標準装 備で同梱されます。
異なる長さのガイド バーがチェンソー に取り付けられている場合、常に正し い長さのチェン ガードを使用してガイ ド バーを完全に覆うようにする必要が あります。
適合するガイド バーの長さは、チェン ガードの側面にマークされています。
バーとチェンの取り付け
チェンブレーキの解除
N ハンド ガード (4) をコントロール
ハンドルの方に、カチッという音
が聞こえるまで引きます - チェン
が解除されます。
チェン スプロケット カバーの取り外し
N ナット (5) を外して、カバー (6) を
取り外します。
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MS 192 T, MS 192 TC
ガイド バーの取付け
142BA059 KN
7
8
142BA060 KN
10
9
11
142BA061 KN
7
142BA062 KN
N テンショナー スライド (8) の出っ
張りがハウジングの溝の左端にく るまで、スクリュー (7) を反時計回 りに回します。
N ガイド バーをスタッド (9) に固定
し、テンショナー スライドの出っ 張りを位置決め穴 (10) にはめ込み ます。
N チェンをスプロケット (11) からガ
イド バーに沿って取り付けます ­ガイド バー上側のカッティング エ ッジはバーの先端方向に向けてく ださい。
N バー下側のチェンのたるみがほと
んどなくなるまで、テンショニン グ スクリュー (7) を時計回りに回 します - ドライブ リンクがガイド バーの溝にかみ合います。
日本語
N スプロケットカバーを取り付けま
す。
ハンド ガードのピボット ピンがス
リーブとかみ合うようにし、ナッ
トをスタッドに取付け、手で軽く
締めます。 N 「ソーチェンの張り方」の項を参
照してください。
チェンの取り付け
警告
作業用手袋を着用してください。鋭利 なカッターでケガをする危険がありま す。
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