
クイック・スタート・ガイド
00825-0404-4004, Rev AB
2021 年 9 月
Rosemount™ 8800D 渦流量計、Modbus プ
ロトコル採用

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
目次
本ガイドについて....................................................................................................................... 3
返品について...............................................................................................................................6
エマソン流量計 カスタマーサービス......................................................................................... 7
設置前の準備...............................................................................................................................8
基本的な設置.............................................................................................................................16
基本設定.................................................................................................................................... 34
製品の認定証明書..................................................................................................................... 43
2 Rosemount™ 8800D
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
1
1.1
本ガイドについて
本ガイドでは、Rosemount 8800D 渦流量計(Modbus プロトコル採用)の
基本的な設置と設定の手順について説明します。
設置と設定の手順、診断、メンテナンス、点検・修理、トラブルシューテ
ィングの詳細については、リファレンスマニュアル 00809-0400-4004 を
参照してください。
耐圧防爆、耐炎防爆、または本質安全(I.S)など危険場所での設置につい
ては、00825-VA00-0001 認可ドキュメントを参照してください。
危険に関するメッセージ
このドキュメントでは、ANSI 標準 Z535.6-2011(R2017)を基に、危険に
関するメッセージに対し次の基準を使用します。
危険
危険な状況を回避しない場合、重大なケガまたは死亡事故が発生します。
警告
危険な状況を回避しない場合、重大なケガまたは死亡事故が発生する可能
性があります。
注意
危険な状況を回避しない場合、軽度または中程度のケガが発生するか、発
生する可能性があります。
通知
状況を回避しない場合、データ損失、物的損害、ハードウェアの損傷、ま
たはソフトウェアの損傷が発生する可能性があります。人身事故が生じ
る確たるリスクはありません。
クイック・スタート・ガイド
3

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
物理的アクセス
通知
許可されていない人員の場合、エンドユーザーの危機に重大な損傷を引き
起こしたり、誤まった構成を行ったりする可能性があります。意図的また
は偶発的なあらゆる不正使用から保護してください。
物理的なセキュリティは、どのセキュリティ計画にとっても重要な部分で
あり、システムを保護する上で必要不可欠です。ユーザーの資産を保護す
るために、物理的アクセスを制限してください。これは、施設内で使われ
るすべてのシステムが対象です。
1.2
安全上の注意事項
警告
爆発の危険。これらの指示に従わない場合、爆発して死傷事故が生じるお
それがあります。
• トランスミッタの動作環境が、危険区域の使用認可条件に適合してい
ることを確認してください。
• 爆発の可能性がある環境に本トランスミッタを設置する場合は、国、
地方、および国際的な規格、規則、慣行に従う必要があります。安全
な設置に関する制限事項については、認可に関する文書を参照してく
ださい。
• 爆発の危険性がある環境で回路が生きているときに、トランスミッタ
カバーまたはサーモカップル(ある場合)を外さないでください。防
爆要件を満たすため、トランスミッタカバーを完全にはめ込んでくだ
さい。
• ハンドヘルドコミュニケータを爆発の危険性がある環境で接続する前
に、ループ内の計器が本質安全防爆あるいはノンインセンディブ防爆
に適合した配線方法に従って設置されていることを確認してくださ
い。
警告
感電の危険。これらの指示に従わないと、死傷事故が生じるおそれがあり
ます。リード線や端子に触らないでください。リード線に高電圧が残留
している場合、感電するおそれがあります。
4 Rosemount™ 8800D
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
警告
一般的な危険。これらの指示に従わないと、死傷事故が生じるおそれがあ
ります。
• 本製品は、液体、気体、または蒸気の用途に使用するためのものです。
他の目的には使用しないでください。
• 設置作業は必ず資格を有する要員が実行しなければなりません。
クイック・スタート・ガイド
5

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
2
返品について
弊社では製品の返品手続きが定められております。これは政府の定める
輸送機関の法令に従っており、弊社従業員の作業環境の安全性を維持する
上で重要な要件となっております。定められた返品手続きが守られない
場合、当該製品の返品をお受けできない場合があります。
6 Rosemount™ 8800D
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
3
エマソン流量計 カスタマーサービス
E メール:
• 世界共通:flow.support@emerson.com
• アジア太平洋地域:APflow.support@emerson.com
電話:
南北アメリカ 欧州および中東 アジア太平洋地域
合衆国
カナダ
メキシコ
アルゼンチン
ブラジル
ベネズエラ
800 522 6277
+1 303 527
5200
+41 (0) 41
7686 111
+54 11 4837
7000
+55 15 3413
8000
+58 26 1731
3446
イギリス
オランダ
フランス
ドイツ
イタリア
中央・東ヨー
ロッパ欧州
ロシア/CIS
エジプト
オマーン
カタール
クウェート
南アフリカ
サウジアラビ
ア
アラブ首長国
連邦
0870 240
1978
+31 (0) 704
136 666
0800 917 901
0800 182
5347
8008 77334
+41 (0) 41
7686 111
+7 495 995
9559
0800 000
0015
800 70101
431 0044
663 299 01
800 991 390
800 844 9564
800 0444
0684
オーストラリ
ア
ニュージーラ
ンド
インド
パキスタン
中国
日本
韓国
シンガポール
タイ
マレーシア
800 158 727
099 128 804
800 440 1468
888 550 2682
+86 21 2892
9000
+81 3 5769
6803
+82 2 3438
4600
+65 6 777
8211
001 800 441
6426
800 814 008
クイック・スタート・ガイド
7

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
4
4.1
4.1.1
4.1.2
設置前の準備
計画
サイズ決定
最適な流量計の性能を得るために、正しい流量計のサイズを決定するに
は:
• 測定する流量の限界値を決定します。
• レイノルズ数と速度に関する指定の要件内に収まるようにプロセス条
件を決定します。
適切な流量計サイズを選択するには、サイズの計算が必要です。サイズの
計算から、圧力損失、精度、最小流量、最大流量のデータがわかり、適切
な選択を行う際の参考になります。選択およびサイジングツールを使っ
て渦サイジングソフトウェアを見つけてください。選択およびサイジン
グツールには、次のリンクを使ってオンラインでアクセスすることも、ダ
ウンロードしてオフラインで使用することもできます:
www.Emerson.com/FlowSizing
接液部材質の選択
Rosemount 8800D を指定する際は、プロセス流体とメータ本体の接液部
材質の適合性を確認してください。腐食が生じると、メータ本体の耐用年
数が短くなります。詳細については、腐食データに関する信頼できる情報
源を参照するか、弊社流量計担当者までお問い合わせください。
注
合金成分分析(PMI: Positive Material Identification)が必要な場合は、メー
タの表面に対してテストを実施してください。
4.1.3
8 Rosemount™ 8800D
取付る向き
メータの最適な取り付ける向きは、プロセス流体、環境因子、近辺にある
他の機器に依存します。
垂直設置
垂直・上向きの設置では、プロセス流体を下から上に流すことを可能とし
ており、一般的な設置方法です。上向きの流れによって、メータ本体は常
に流体で満ち、流体内の固形物が均等に分散されます。
気体または蒸気流を測定する場合、メータを 垂直・下向きに設置できま
す。 液体流の場合、適切な配管設計であれば可能ですが、垂直下向きに設
置しないことを強くお奨めします。
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
図 4-1 : 垂直設置
BA
A.
液体の流体または気体の流体
B.
気体の流体
注
メータ本体を常に流体で満たすには、上から下に垂直に流体を流すことは
背圧が不十分となるため避けてください。
水平設置
水平設置の場合、望ましい向きは、電子部をパイプ横面に配置することで
す。流体の場合、このような向きにすると、気泡混入や固形物がシェダー
バーに当たるのを防ぎ、渦の離脱頻度が低減されます。気体または蒸気の
場合は、(結露などによる)液体混入や固形物がシェダーバーに当たるの
を防ぎ、渦の離脱頻度が低減されます。
図 4-2 : 水平設置
A
A.
推奨される設置方法: 電子部品が配管の側方にくるようにメータ
本体を設置
B.
許容される設置方法: 電子部品が配管の上方にくるようメータ本
体を設置
クイック・スタート・ガイド
B
9

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
高温設置
一体型電子部の最大プロセス温度は、流量計を設置した周囲温度に依存し
ます。電子部は 85 °C (185 °F) 以下である必要があります。
図 4-3 に、ハウジングの温度を 85 °C (185 °F) 未満に維持するのに必要な周
囲温度とプロセス温度の組み合わせを示します。
図 4-3 : 周囲温度/プロセス温度の制限
200 (93)
180(82)
160 (71)
600 (316)
700 (371)
C
800 (427)
900 (482)
1000 (538)
A
140 (60)
120 (49)
100 (38)
80 (27)
60 (16)
0
100 (38)
200 (93)
300 (149)
400 (204)
500 (260)
B
A.
周囲温度
B.
プロセス温度
C. 85 °C (185 °F)
°C (°F)
°C (°F)
のハウジング温度制限。
注
ここに示す温度制限は、水平管と垂直管の位置に対するもので、メータと
パイプは 77 mm (3 インチ) のセラミック繊維絶縁体で絶縁されています。
図 4-4 に示すように、電子部がパイプの横または下になるようにメータ本
体を設置してください。電子部の温度を 85 °C(185 °F)以下に保つには、
パイプの周囲を断熱する必要があります。断熱に関する特記事項につい
ては、図 5-2 を参照してください。
10 Rosemount™ 8800D
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
図 4-4 : 高温設置の例
B
A
A.
推奨される設置方法: 電子部がパイプの側方になるように設置され
たメーター本体
B.
許容される設置方法: 電子部がパイプの下になるように設置され
たメータ本体。
4.1.4
場所
危険場所
トランスミッタには、本質安全防爆およびノンインセンダイブ防爆を必要
とする用途に適した防爆ハウジングと回路が備わっています。個々のト
ランスミッタには、取得した証明書がタグで明示されています。耐圧防
爆、耐炎防爆、または本質安全(I.S)など危険場所での設置については、
Emerson 8800 認可ドキュメント 00825-VA00-0001 を参照してください。
環境に関する注意事項
流量計の耐用年数を最大限に長くするためには、過剰な熱と振動を避けて
ください。 問題となる典型的な設置場所には、電子部が一体化している高
振動ライン、温暖な気候環境での直射日光下の設置、寒冷気候下での屋外
設置などがあります。
信号調整機能により外部ノイズへのノイズ感受性が緩和されますが、設置
場所の中には不適な場所もあります。 高い強度の電磁場や静電界が発生
している機器の傍に流量計を配置したり、流量計の配線を行ったりしない
でください。 そのような機器の例には、電気溶接機、大型電気モーターと
変圧器、通信用送信機があります。
上流/下流の配管
流量計には、上流側で直管径の最小 10 倍の長さの直管部(D)を、下流側
で直管径の最小 5 倍の長さの直管部(D)を設けて取り付けることができ
ます。
基準精度を実現するには、上流側に直管径の 35 倍の長さの直管部
(35D)、下流側に直管径の 5 倍の長さの直管部(5D)が必要です。 上流
クイック・スタート・ガイド
11

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
の直管部の長さが 10D ~ 35D の間では、K 係数の値が最大 0.5% ずれるこ
とがあります。最適な K 係数の補正については、Rosemount™ 8800
計設置の影響に関する技術データシート
を参照してください。
渦流量
スチーム配管
蒸気の用途の場合、次の図に示すような設置は避けてください。このよう
な設置では、閉じ込められた凝縮物により、起動時にウオーターハンマー
現象が生じるおそれがあります。感知機構に水撃からの強い力がかかっ
て、センサが完全に故障することがあります。
図 4-5 : スチーム管の不適切な取付け
圧力および温度トランスミッタの位置
圧力および温度トランスミッタを渦流量計と併用して補正質量流量に対
応する場合は、トランスミッタを渦流量計の下流側に取り付けてくださ
い。
12 Rosemount™ 8800D
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
図 4-6 : 圧力および温度トランスミッタの位置
C
A
B
D
A.
圧力トランスミッタ
B.
下流に直管径の
C.
温度トランスミッタ
D.
下流に直管径の6倍の長さの直管部
4
倍の直管部
4.1.5
4.2
4.2.1
電源
トランスミッタには 10~30 VDC が必要です。最大電力消費は 0.4 W で
す。
試運転
適切な構成と動作のため、メータを実際に使用する前に試運転を行ってく
ださい。ベンチ試運転でも、ハードウェア設定をチェックし、流量計の電
子部をテストし、流量計の構成データを検証し、出力変数をチェックでき
ます。設置環境で使用する前に、問題を解決したり、設定を変更したりす
ることができます。 ベンチ試運転を実施するには、設定用デバイスをデバ
イスの説明書に従ってシングルループに接続してください。
アラームジャンパーとセキュリティジャンパーの設定
トランスミッタの 2 つのジャンパーはアラームモードとセキュリティモ
ードに対応します。 電子部を工場環境にさらすことを避けるため、試運転
の段階でこれらのジャンパーをセットしてください。 ジャンパーは 2 つ
とも、電子基板スタックまたは LCD ディスプレイにあります。
アラームHART アドレスが 1 に設定されている場合、アラームのジャンパー
設定は反映されません。トランスミッタを Modbus ネットワーク
上で使用するように構成した場合、これは必要な設定です。
セキ
設定データはセキュリティ・ロックアウト・ジャンパーで保護す
ュリ
ることができます。 セキュリティ・ロックアウト・ジャンパーを
ティ
ON にすると、電子部に対する設定の変更ができなくなります。
クイック・スタート・ガイド
13

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
動作パラメータのいずれにもアクセスして表示したり、利用可能
なパラメータをスクロールしたりすることができますが、変更は
できません。ジャンパーは工場で構成データシート(該当する場
合)に従って設定されるか、デフォルトで OFF に設定されます。
注
変数の設定を頻繁に変更する場合、流量計の電子部が工場環境に
さらされないように、セキュリティ・ロックアウト・ジャンパー
を OFF の位置のままにすると便利かもしれません。
ジャンパーにアクセスするには、端子ブロックの反対側にあるトランスミ
ッタ電子部のハウジングまたは LCD カバー(ある場合)を外します。図
4-7 と図 4-8 を参照してください。
図 4-7 : アラームジャンパーとセキュリティジャンパ(LCD オプションな
し)
VORTEX
4-20mA
HART
TEST FREQ
IN
14 Rosemount™ 8800D
TP1
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
図 4-8 : アラームジャンパーとセキュリティジャンパ(LCD オプションあ
り)
HI LO
HI LO
ALARM
ALARM
FLOW
SECURITY
SECURITY
ON OFF
ON OFF
4.2.2
校正
流量計は工場で湿式校正されているため、設置中さらに校正を行う必要は
ありません。 校正係数(K 係数)は各メータ本体に表記されており、電子
部内に入力されています。 設定用デバイスで検証を行うことができます。
クイック・スタート・ガイド
15

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
5
5.1
基本的な設置
取り扱いについて
損傷を防ぐため、あらゆる部位を注意して取り扱ってください。可能な限
り、システムは元の梱包容器に入れて設置場所まで運んでください。接続
と密封の準備ができるまで、シッピングプラグは接続し、シーリングする
準備ができるまで、コンジット接続内に残しておいてください。
通知
メータへの損傷を避けるため、流量計をトランスミッタ部分で持ち上げな
いでください。流量計はメータ本体ごと持ち上げてください。図に示す
ように、リフティングサポートを本体に結び付けることができます。
図 5-1 : リフティングサポート
5.2
5.3
16 Rosemount™ 8800D
流れ方向
メータは、メータ本体に記載された向きの流れのみを測定できます。流れ
の矢印の FORWARD の先端がパイプ内の流れの向きを指すようにメータ
を設置してください。
ガスケット
流量計にはガスケット(ユーザ側で用意)が必要です。特定の設置環境の
プロセス流体と圧力定格に合った材質のガスケットを選んでください。
注
ガスケットの内径は、流量計と隣接パイプの内径より大きいものにしてく
ださい。ガスケットが流体の中に突き出る場合、流れを妨げてしまい、測
定が不正確になります。
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
5.4
絶縁
断熱は、メータ本体底部のボルト端部まで行い、電子部ブラケットの周り
に少なくとも 25 mm (1 インチ)のスペースを設ける必要があります。
電子部ブラケットと電子部ハウジングは断熱しないでください。 図 5-2
を参照してください。
図 5-2 : 電子部の過熱を避けるための最良の断熱実施例
A.
支持管
注意
高温下の設置環境では、一体型ユニットの電子部または別置型ユニットの
リモートケーブルへの損傷を避けるために、図に示すようにメータ本体の
みを断熱してください。 支持管を断熱しないでください。 「取付る向き」
も参照してください。
5.5
クイック・スタート・ガイド
フランジ式流量計の取付け
ほとんどの渦流量計ではフランジ式プロセス接続を使用します。フラン
ジ式流量計の取付けは、通常のパイプ接合部の取付けと同様です。 通常使
用する工具、機器、アクセサリ(ボルトやガスケットなど)が必要です。
図 5-4 に示す順序でナットを締めます。
注
ガスケットの接合部を密封するために必要なボルトの負荷は、操作圧力、
ガスケットの素材、幅、および状態を含む、いくつかの要素の影響を受け
17

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
ます。 ボルトのねじ山の状態、ナット頭部とフランジの間の摩擦およびフ
ランジの平行度を含む多数の要素も、測定されたトルクから生じる実際の
ボルトの負荷に影響を及ぼします。 これらの用途によって変わる要素に
より、各用途に必要なトルクが異なる場合があります。 ボルトを適切に締
めるには、ASME PCC-1 に概要が記載されているガイドラインに従ってく
ださい。流量計が流量計と同じ公称サイズと定格のフランジ間の中心に
位置となっていることを確認してください。
図 5-3 : フランジ式流量計の取付け
A.
取付け用のスタッドボルトとナット (お客様側で用意
B.
ガスケット (お客様側で用意
C.
流れ
18 Rosemount™ 8800D
)
渦流量計、
Modbus
)
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
図 5-4 : フランジボルトのトルク順序
5.6
クイック・スタート・ガイド
ウェーハー型流量計のアライメントと取付け
ウエハー型メータ本体の内径を、接続する上流/下流パイプの内径に対し
中央に配置します。 このように配置することで、流量計は指定の精度を確
実に実現できます。中央に配置のためのアライメントリングが各ウエハ
ー型メータ本体に付属しています。 これらの手順に従って、メータ本体の
取付け位置を合わせてください。図 5-5 を参照してください。
1. アライメントリングをメータ本体の各端に配置します。
2. パイプフランジ間のメータ本体底部にスタッドボルトを挿入しま
す。
3. (アライメントリングを付けた)メータ本体をフランジの間に配置
します。
• アライメントリングがスタッド上に適切に位置するようにし
てください。
• 使用しているフランジに対応する、リングのマークとスタッド
の位置を合わせてください。
注
電子部にアクセスでき、電線管により排水し、流量計が直接熱に当
たらないように流量計の位置を決めてください。
4. 残りのスタッドボルトを配管のフランジの間に通します。
19

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
5. 図 5-4 に示す順序でナットを締めます。
6. フランジボルトを締めた後、フランジ部分で漏出がないか確認して
ください。
注
ガスケットの接合部を密封するために必要なボルトの負荷は、操作
圧力、ガスケットの素材、幅、および状態を含む、いくつかの要素
の影響を受けます。 ボルトのねじ山の状態、ナット頭部とフラン
ジの間の摩擦およびフランジの平行度を含む多数の要因も、測定さ
れたトルクから生じる実際のボルトの負荷に影響を及ぼします。
これらの用途によって変わる要因により、各用途に必要なトルクが
異なる場合があります。ボルトを適切に締めるには、ASME PCC-1
に概要が記載されているガイドラインに従ってください。流量計
が流量計と同じ公称サイズと定格のフランジ間の中心の位置とな
っていることを確認してください。
図 5-5 : ウエハ型流量計とアライメントリングの取付け
B
B
A
C
A.
取付けスタッドボルトおよびナット (お客様側で用意
B.
アライメントリング
C.
スペーサ(
Rosemount 8800D 用、8800A
め)
D.
流れ
注
8800D から 8800A への改修取付けについては、を参照してくださ
い。
5.6.1
20 Rosemount™ 8800D
ウエハ型流量計用のスタッドボルト
次の表に、ウエハ型流量計本体サイズと各種フランジ定格に推奨される最
小スタッドボルト長を示します。
渦流量計、
D
)
の寸法を保持するた
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
表 5-1 : ウエハ型流量計用のスタッドボルト長(ASME B16.5 フランジ)
ラインサイズ 各フランジ定格の最小推奨スタッドボルト長(インチ単位)
クラス 150 クラス 300 クラス 600
½ インチ
1 インチ
1½ インチ
2 インチ
3 インチ
4 インチ
6 インチ
8 インチ
6.00 6.25 6.25
6.25 7.00 7.50
7.25 8.50 9.00
8.50 8.75 9.50
9.00 10.00 10.50
9.50 10.75 12.25
10.75 11.50 14.00
12.75 14.50 16.75
表 5-2 : ウエハ型流量計用のスタッドボルト長(EN 1092 フランジ)
ラインサイズ 各フランジ定格の最小推奨スタッドボルト長(mm 単位)
PN 16 PN 40 PN 63 PN 100
DN 15 160 160 170 170
DN 25 160 160 200 200
DN 40 200 200 230 230
DN 50 220 220 250 270
DN 80 230 230 260 280
DN 100 240 260 290 310
DN 150 270 300 330 350
DN 200 320 360 400 420
ラインサイズ 各フランジ定格の最小推奨スタッドボルト長(mm 単位)
15 mm 150 155 185
25 mm 175 175 190
40 mm 195 195 225
50 mm 210 215 230
80 mm 220 245 265
100 mm 235 260 295
クイック・スタート・ガイド
JIS 10k
21
JIS 16k と 20k
JIS 40k

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
ラインサイズ 各フランジ定格の最小推奨スタッドボルト長(mm 単位)
JIS 10k
150 mm 270 290 355
200 mm 310 335 410
JIS 16k と 20k
JIS 40k
5.7
5.8
ケーブルグランド
コンジットの代わりにケーブルグランドを使用する場合は、ケーブルグラ
ンドの目^カーの説明書に従って準備し、地域または工場の電気に関する
規制に従って従来の方法で接続を行ってください。電子部ハウジングの
端子ブロックコンパートメントに湿気や他の汚染物質が入り込まないよ
うに、未使用ポートを適切に密封してください。
流量計の接地
通常の渦流量の用途では接地は必要ありませんが、適切な接地によって、
電子部によるノイズピックアップの可能性が排除されます。静電気防止
用ストラップを使って、流量計をプロセス配管に確実に接地できます。過
渡保護オプション(T1)を使用している場合、適切な低インピーダンス接
地を実現するには、静電気防止用ストラップが必要です。
注
地域の規制に従って流量計本体とトランスミッタを適切に接地してくだ
さい。
静電気防止用ストラップを使用するには、静電気防止用ストラップの片端
を流量計本体の側面から出ているボルトに固定し、もう一方の端を適切な
アースに取り付けます。図 5-6 を参照してください。
22 Rosemount™ 8800D
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
図 5-6 : 接地接続
A.
内部接地接続
B.
外部接地アセンブリ
5.9
クイック・スタート・ガイド
トランスミッタケースの接地
トランスミッタケースは必ず、国および地方の電気関連の規則に従って接
地する必要があります。トランスミッタケースの最も効果的な接地方法
は、最小インピーダンスで接地地面に直接接続する方法です。トランスミ
ッタケースの接地方法は次のとおりです。
内部
接地
接続
外部
接地
アセ
ンブ
リ
注
ねじ込み型コンジット接続を使ったトランスミッタケースの接地方法だ
と、十分に接地されない可能性があります。トランスミッタケースを適切
に接地しないと、過渡保護端子ブロック(オプションコード T1)による
過渡保護は行われません。過渡保護端子ブロックの接地については、リフ
ァレンスマニュアルを参照してください。上記のガイドラインを参照し
てトランスミッタケースを接地してください。落雷が発生するとアース
電子部ハウジングの FIELD TERMINALS 側の内側に内部接地接続
ねじがあります。このねじには接地記号( )が付いており、す
べての Rosemount 8800D トランスミッタに標準で付属してい
ます。
このアセンブリは電子部ハウジングの外側にあり、オプション
の過渡保護端子ブロック(オプションコード T1)が含まれてい
ます。外部接地接続は、トランスミッタ(オプションコード V5)
とも注文でき、特定の防爆認定も自動的に付属します。外部接
地アセンブリの位置については、図 5-6 を参照してください。
23

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
線に大量の電流が流れる可能性があるため、過渡保護アース線を信号線と
共に配線しないでください。
5.10
電線管の設置
流量計を電線管経路の高い位置に取り付けることによって、電線管の中の
結露がハウジングに流入するのを防ぎます。流量計が電線管経路の低い
位置に取り付けられた場合、終端コンパートメントは液体でいっぱいにな
ることがあります。
電線管が流量計の上から出ている場合は、電線管を流量計の下に廻し、入
口の前にドリップループを作ります。状況によって、ドレインシールの設
置が必要になる場合があります。
図 5-7 : 適切な電線管の取り付け
A A
A.
電線管ライン
5.11
24 Rosemount™ 8800D
配線
1. 10~30 VDC を正(+)の端子と負(–)の端子に供給します。電力
端子は極固有ではありません。電力端子に接続する際、DC 電力リ
ード線の極はどちらでも関係ありません。
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
図 5-8 : Modbus と電源の配線
5.12
C
A. RS-485 (A
B. RS-485 (B
C. 10~30 VDC
2. Modbus RTU 通信ワイヤを Modbus A 端子と B 端子に接続します。
注
RS-485 バス配線にはツイスト・ペア・ワイヤが必要です。305 m
(1000 ft)未満の配線では、AWG 22 以上が必要です。305~1219
m (1000~4000 ft)の配線では、AWG 20 以上が必要です。AWG
16 を超えるサイズは配線に使用しないでください。
)
)
電源
B
A
別置型設置
別置電子部オプション(Rxx または Axx)を注文された場合、流量計は 2
つの部品で出荷されます。
• 支持管内に組付けられているアダプタとアダプタに取り付けられてい
る相互接続用の同軸ケーブルが付いたメータ本体。
• 取付け用ブラケットに設置されている電子部ハウジング。
外装別置電子部オプション(Axx)を注文された場合は、標準のリモート
ケーブル接続と同じ手順に従ってください。ただし、ケーブルは電線管内
を通す必要がない場合もあります。標準ケーブルと外装ケーブルの両方
にケーブルグランドが含まれています。別置型設置については、ケーブル
接続を参照してください。
クイック・スタート・ガイド
25

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
5.12.1
取り付け
このセクションの最初の部分に説明されているように、メーター・ボディ
をプロセス・フロー・ライン内に取り付けます。ブラケットおよび電子部
ハウジングを目的の位置に取り付けます。フィールド配線および電線管
のルート作成を容易にするために、ブラケット上でハウジングの位置を変
えることができます。
26 Rosemount™ 8800D
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
5.12.2
ケーブル接続
次の手順に従って、同軸ケーブルの未接続の側を電子部ハウジングに接続
してください。 メータ本体へのメータアダプタの接続または取り外しに
ついては、
図 5-9 : 別置型
A
A. ½ NPT
B
C
D
E
F
G
H
I
電線管アダプタまたはケーブルグランド(
P
O
N
M
Rxx
J
K
L
オプション用
にお客様側で用意)
B.
同軸ケーブル
C.
メータアダプタ
D.
ユニオン (継手
E.
ワッシャ
F.
ナット
G.
センサ・ケーブル・ナット
H.
支持管
I.
メータ本体
J.
電子部ハウジング
K.
同軸ケーブル
L. ½ NPT
電線管アダプタまたはケーブルグランド(
)
SMA
ナット
Rxx
オプション用
にお客様側で用意)
M.
ハウジングアダプタねじ
N.
ハウジングアダプタ
O.
ハウジングベースねじ(4 本のうちの
P.
接地接続
1
本)
クイック・スタート・ガイド
27

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
注意
水分が同軸ケーブルの接続部に入るのを防ぐために、相互接続同軸ケーブ
ルを一方向専用電線管経路内に敷設するか、またはケーブルの両端にシー
ルド付きのケーブルグランドを使用します。
別置構成で防爆オプションコードと共に注文した場合、リモート・セン
サ・ケーブルと相互接続用の熱電対ケーブルは、別個の本質安全回路によ
って保護されており、地域および国内の配線に関する条例に従って相互同
士、他の安全本質回路、非本質安全回路から分離する必要があります。
注意
同軸リモートケーブルは、フィールド終端したり長さをカットしたりする
ことはできません。余った同軸ケーブルは、半径が 51 mm (2 インチ) 以上
の輪になるように巻いてください。
1. 同軸ケーブルを電線管に通して配線する場合は、ハウジングでうま
く組み付けられるように、ちょうどよい長さになるように電線管を
切ってください。同軸ケーブルの余りを収納するための端子箱を
電線管の経路の中に設けることができます。
2. 電線管アダプタまたはケーブルグランドに同軸ケーブルの開放端
を通して、メータ本体の支持管に付いているアダプタにしっかりと
付けます。同軸リモートケーブルが流量計の上から生えている場
合、またはケーブルの一部が流量計の上方にある場合は、ケーブル
の配線経路を流量計の下にして、メータ本体の支持管の前にドリッ
プループを作ります。
3. 電線管を使用する場合、同軸ケーブルは電線管の中を通します。
4. 電線管アダプタまたはケーブルグランドを同軸ケーブルの端の上
に配置します。
28 Rosemount™ 8800D
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
5. 電子部ハウジングからハウジングアダプタを取り外します。
6. ハウジングアダプタを同軸ケーブルの上にスライドさせます。
7. 4 本のハウジングベース用ねじの内の 1 本を取り外します。
8. 同軸ケーブルの接地線をハウジングベースの接地ねじを介してハ
ウジングに取り付けます。
9. 同軸ケーブルの SMA ナットを電子部ハウジングに取り付けて、 7
in-lbs(0.8 N-m)のトルクで手で締め付けます。
図 5-10 : SMA ナットの取付けと締付け
A
B
A. SMA
B.
手で締める
注
同軸ケーブルのナットを電子部ハウジングで強く締めすぎないで
ください。
10. ハウジングアダプタの位置をハウジングと調整して、2 本のねじで
取り付けます。
11. 電線管アダプタまたはケーブルグランドをハウジングアダプタに
しっかりと取り付けます。
5.12.3
ハウジングの回転
視やすいように電子部ハウジング全体を 90° 刻みで回転させることがで
きます。 以下の手順に従がって、ハウジングの向きを変えてください。
1. 5/32” 六角レンチで電子部ハウジングのベースにある ハウジング
回転セットねじを緩めます。支持管が外れるまで、ねじを時計回り
の方向 (内向き) に回します。
2. 電子部ハウジングを支持管の中からゆっくりと引き出します。
クイック・スタート・ガイド
ナット
29

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
注意
センサケーブルが外れるまでは、ハウジングを支持管の先端から
40 mm (1.5 インチ) 以上引き抜かないでください。このセンサケ
ーブルに応力がかかると、センサへの損傷が生じる可能性がありま
す。
3. 5/16 インチのオープン・エンド・スパナを使用して、ハウジング
からセンサケーブルを外します。
4. 希望する向きにハウジングを回転させます。
5. センサケーブルをハウジングのベースにねじで取り付ける間、ハウ
ジングをこの向きで保持してください。
注意
センサケーブルをハウジングのベースに取り付けている間に、ハウ
ジングを回転させないでください。回転させると、ケーブルに応力
がかかって、センサを損傷する可能性があります。
6. 電子部ハウジングを支持管の先端に入れます。
7. 六角レンチを使用して、 ハウジングの回転用ねじを反時計回り(外
向き)に回して、支持管をはめ込みます。
5.12.4
30 Rosemount™ 8800D
リモート・センサ・ケーブルの仕様と要件
Rosemount リモート・センサ・ケーブルを使用する場合は、以下の仕様と
要件を参照してください。
• リモート・センサ・ケーブルは専用の 3 軸ケーブルです
• 低電圧信号ケーブルとされています
• 本質安全環境またはその一部に対応した定格となっています
• 非外装版は、金属製コンジット内を配線するように設計されています
• ケーブルは防水性ですが、水中に入れることはできませんベストプラ
クティスとして、可能であれば湿気を避けてください
• 定格動作温度は -50°C~+200°C (–58°F~+392°F )です
• IEC 60332-3 に準拠した難燃性
• 非外装版または外装版の最小曲げ直径は 203 mm (8 インチ)です
• 非外装版の呼び外径は 4 mm (0.160 インチ)です
• 外装版の呼び外径は 7.1 mm (0.282 インチ)です
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
図 5-11 : 非外装ケーブル
A.
トランスミッタ端部
B.
センサ端部
C.
最小曲げ直径
D.
呼び外径
図 5-12 : 外装ケーブル
A.
トランスミッタ端部
B.
センサ端部
C.
最小曲げ直径
5.13
クイック・スタート・ガイド
クアッドトランスミッタの番号と向き
クアッド渦流量計を注文する際には、設定を行う目的のため、トランスミ
ッタにはトランスミッタ 1、トランスミッタ 2、トランスミッタ 3、トラ
ンスミッタ 4 という番号を付けます。トランスミッタとクアッド渦流量
計本体の銘板を使って、トランスミッタ番号を識別し、確認することがで
31

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
きます。クアッドトランスミッタの向きと銘板の場所については、図 5-13
を参照してください。クアッドトランスミッタと流量計本体の銘板の番
号の位置については、図 4-14 と 4-15 を参照してください。
図 5-13 : クアッドトランスミッタの番号
A.
トランスミッタの銘板(トランスミッタ 1)
B.
メータ本体の銘板(トランスミッタ 2)
32 Rosemount™ 8800D
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
図 5-14 : クアッドトランスミッタの銘板
図 5-15 : クアッド流量計本体の銘板
クイック・スタート・ガイド
33

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
6
6.1
6.2
基本設定
基本設定について
工場出荷時にトランスミッタの設定が行われます。設定をさらに変更す
る必要がある場合は、次の点に留意してください。
• HART 通信ツールを使用する必要があります。そのような通信ツール
には、HART モデム、または Emerson AMS Trex デバイスコミュニケー
タや 475 フィールドコミュニケータを使用する ProLink III ソフトウェ
アまたは AMS ソフトウェアなどがあります。
• トランスミッタの HART アドレスは 1 に設定されて出荷されます。
HART 通信ツールがアドレス 0 以上をポーリングするように設定され
ていることを確認してください。
重要
トランスミッタの HART アドレスは変更せずに、必ず 1 に設定します。
• 設定には COMM 端子を使用してください。HART 通信には負荷抵抗が
あらかじめ組み込まれています。外部負荷抵抗は必要ありません。
注
HART 通信ツールを使って、測定設定と Modbus 通信設定を行った後、流
量計を使って測定データを Modbus ホストに出力できます。
設定ツールの接続
設定の変更が必要な場合は、図 6-1 に示すように設定ツールをトランスミ
ッタに接続します。
34 Rosemount™ 8800D
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
図 6-1 : COMM ポートへの HART 設定ツールの接続
6.3
6.3.1
A.例: AMS Trex
B.例: PC
C. 10~30 VDC
ヒント
設定中に外部電源を使用しない場合は、AMS Trex デバイスコミュニケー
タを使って COMM 端子からトランスミッタに直接、一時的に給電できま
す。
デバイスコミュニケータ
にインストールした
電源
ProLink III
ソフトウェア
プロセス変数
プロセス変数は、流量計の出力を定義します。流量計の試運転中に各プロ
セス変数、機能および出力を確認し、必要な場合は、流量計をプロセス用
途に使用する前に変更する措置を行ってください。
一次変数のマッピング
トランスミッタが出力する変数を選択できます。
ProLink III
使用可能なパラメータには、補正体積流量、質量流量、流速、体積流量、
またはプロセス温度(MTA オプションのみ)があります。
ベンチ試運転の際、各変数の流量の値はゼロにし、温度の値は周囲温度に
する必要があります。
Device Tools → Configuration → Communications
(HART)
クイック・スタート・ガイド
35

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
流量または温度変数の単位が正しくない場合は、プロセス変数の単位を参
照してください。用途に合った単位を選択するには、Process Variables
Units (プロセス変数の単位)を使用してください。
6.3.2
プロセス変数の単位
ProLink III
補正体積特殊単位の設定を含む、体積、速度、質量流量、電子部温度、プ
ロセス密度、補正体積の単位などのプロセス変数単位を表示したり設定し
たりすることができます。
体積流量単位
利用可能なリストから体積流量単位を選択できます。
表 6-1 : 体積流量単位
gal/sec gal/min gal/hr
gal/day ft3/sec ft3/min
ft3/hr ft3/day bl/sec
bl/min bl/hr bl/day
英 gl/sec 英 gl/min 英 gl/hr
英 gl/day
L/hr L/day m3/sec
m3/min m3/hr m3/day
Mm3/day
Device Tools → Configuration → Process
Measurement → (タイプを選択)
L/sec L/min
特殊単位
補正体積流量単位
利用可能なリストから補正体積流量単位を選択できます。
表 6-2 : 補正体積流量単位
gal/sec gal/min gal/hr
gal/day ft3/sec ft3[std]/min
ft3[std]/hr ft3/day bl/sec
bl/min bl/hr bl/day
英 gal/sec 英 gal/min 英 gal/hr
英 gal/day
L/hr L/day m3[nor]/min
36 Rosemount™ 8800D
L/sec L/min
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
表 6-2 : 補正体積流量単位 (続き)
m3[nor]/hr m3[nor]/day m3/sec
m3/min m3/hr m3/day
特殊単位
注
補正体積流量を測定する際には、基本密度とプロセス密度を入力する必要
があります。基本密度とプロセス密度は密度比の計算に使われます。こ
れは、実際の体積流量を修正済みの体積流量に変換するために使われる値
です。
質量流量単位
利用可能なリストから質量流量単位を選択できます。(1 STon = 2000 lb; 1
t (MetTon) = 1000 kg)
表 6-3 : 質量流量単位
g/hr g/min g/sec
kg/day kg/hr kg/min
kg/sec lb/min lb/hr
lb/day
STon/hr STon/min lb/sec
t/day (SI 単位) t/hr (SI 単位) t/min (SI 単位)
特殊単位
STon/day
注
Mass Flow Units (質量流量単位)オプションを選択する場合は、設定でプ
ロセス密度を入力する必要があります。
流速単位
利用可能なリストから流速単位を選択できます。
• ft/sec
• m/sec
速度測定ベース
速度測定を接合パイプ ID またはメータ本体 ID を基にするかを決定しま
す。この選択はレジューサー™式渦流量計の用途において重要です。
6.4
クイック・スタート・ガイド
プロセスの設定
ProLink III
Device Tools → Configuration → Device Setup
37

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
本流量計は液体または気体/蒸気の用途に使用できますが、その用途に合
うように設定する必要があります。流量計が適切なプロセスに合わせて
設定されていない場合、正しく指示されません。用途に合わせて適切なプ
ロセス設定パラメータを選択してください。
トランスミッタモード
一体型温度センサを備えたユニットの場合、温度センサここで有効にする
ことができます。
• 温度センサが搭載されている場合
• 温度センサが搭載されていない場合
プロセス流体の設定
液体タイプ—Liquid (流体)、Gas/Steam (気体/蒸気)、Tcomp Sat Steam
(温度補正飽和蒸気)、または Tcomp Liquids (温度補正液体)のいずれか
を選択します。Tcomp Sat Steam (温度補正飽和蒸気)と Tcomp Liquids
(温度補正液体)には MTA オプションが必要です。これらは、プロセス温
度の読取り値を基に動的な密度補正を行います。
固定プロセス温度
プロセス温度が基準温度と異なるときに、電子部によりメータの熱膨張を
補正するために必要です。プロセス温度とは、メータが稼働しているとき
のラインの液体または気体の温度です。
MTA オプションが設置されている場合、温度センサが故障したときのバッ
クアップ温度値としても使用できます。
固定プロセス密度
質量流量または補正体積流量の計測結果を利用する場合、プロセス密度を
正確に設定する必要があります。質量流量では、体積流量から質量流量へ
の変換が行われます。補正体積流量では、密度比を得るために基本プロセ
ス密度と共に使用されます。密度比は、体積流量を補正体積流量に変換す
るために使われます。温度補正流体の場合、固定プロセス密度は、体積流
量のセンサ制限値を温度補正流体のセンサ制限値に変換するために使わ
れるのと同様に必要です。
注
質量または補正体積の単位を選択した場合、プロセス流体の密度をソフト
ウェアに入力する必要があります。必ず正しい密度を入力してください。
質量流量と密度比は、ユーザが入力したこの密度を使って計算されます。
トランスミッタが、密度変化が自動的に補正される Tcomp Sat Steam (温
度補正飽和蒸気)モードまたは Tcomp Liquids (温度補正液体)モードに
なっていない限り、この数値に誤りがあると測定で誤差が生じます。
38 Rosemount™ 8800D
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
基本プロセス密度
基準状態の流体密度。この密度は、補正体積流量の測定に使用されます。
体積流量、質量流量、または流速には必要ありません。基本プロセス密度
は、密度比を計算するためにプロセス密度と共に使用されます。温度補正
流体では、プロセス密度がトランスミッタによって計算されます。温度補
正されない流体では、固定プロセス密度が固定密度比の計算に使用されま
す。密度比は次の式を基に、実際の体積流量から標準体積流量への変換に
使用されます。
密度比 = 実際に (流れている) 条件での密度/標準(基本)状態での密度
6.5
6.6
基準 K 係数
ProLink III
メータからの流量を電子部で測定された離脱頻度に関連付ける、工場で付
けられる校正番号。 弊社製の各渦流量計は水による校正を実施してこの
値を決定します。
Device Tools → Configuration → Device Setup
フランジタイプ
ProLink III
流量計のフランジタイプを指定し、後で参照できます。この変数は工場で
あらかじめ設定されていますが、必要な場合は変更できます。
表 6-4 : フランジタイプ
ウェーハ型
ASME 300
ASME 600 レジューサー
ASME 1500
ASME 2500 レジューサー
PN16
PN25 レジューサー
PN64
PN100 レジューサー
JIS 10K
JIS 16K/20K レジューサー
特殊(Spcl)
Device Tools → Configuration → Device Setup
ASME 150
ASME 300 レジューサー
ASME 900
ASME 1500 レジューサー
PN10
PN16 レジューサー
PN40
PN64 レジューサー
PN160
JIS 10K レジューサー
JIS 40K
ASME 150 レジューサー
ASME 600
ASME 900 レジューサー
ASME 2500
PN10 レジューサー
PN25
PN40 レジューサー
PN100
PN160 レジューサー
JIS 16K/20K
JIS 40K レジューサー
クイック・スタート・ガイド
39

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
6.7
パイプ内径
ProLink III
流量計に隣接するパイプの I.D (内径)によって入口に影響が生じて、流
量計の読取り値が変わる可能性があります。実際の接合パイプの内径を
構成すると、これらの影響を正すことができます。この変数の適切な値を
入力してください。
次の表に、スケジュール 10、40、80 配管のパイプ内径値を示します。接
合パイプの内径が表にない場合は、メーカーに確認するか、ご自身で測定
してください。
表 6-5 : スケジュール 10、40、80 配管のパイプ内径
パイプのサイズ
mm (インチ)
15 (½) 17.12 (0.674) 15.80 (0.622) 13.87 (0.546)
25 (1) 27.86 (1.097) 26.64 (1.049) 24.31 (0.957)
40 (1½) 42.72 (1.682) 40.89 (1.610) 38.10 (1.500)
50 (2) 54.79 (2.157) 52.50 (2.067) 49.25 (1.939)
80 (3) 82.80 (3.260) 77.93 (3.068) 73.66 (2.900)
100 (4) 108.2 (4.260) 102.3 (4.026) 97.18 (3.826)
150 (6) 161.5 (6.357) 154.1 (6.065) 146.3 (5.761)
200 (8) 211.6 (8.329) 202.7 (7.981) 193.7 (7.625)
250 (10) 264.67 (10.420) 254.51 (10.020) 242.87 (9.562)
300 (12) 314.71 (12.390) 304.80 (12.000) 288.90 (11.374)
Device Tools → Configuration → Device Setup
スケジュール 10
mm (インチ)
スケジュール 40
mm (インチ)
スケジュール 80
mm (インチ)
6.8
最適なデジタル信号処理(DSP)
ProLink III
Device Tools → Configuration → Process
Measurement → Signal Processing
この機能を使用すると、流体に密度に応じて流量計の範囲を最適化するこ
とができます。電子部は、少なくとも 4:1 の信号/トリガーレベル比を維持
しながら、プロセス密度を使って測定可能な最小流量を計算します。この
機能により、新しい範囲に対する流量計の性能を最適化するために、すべ
てのフィルタがリセットされます。機器の設定を変更する場合、信号処理
パラメータが最適な設定にセットされるようにこの方法を実行する必要
があります。 動的プロセスの密度の場合、予測される最小流量密度より低
い密度値を選択してください。
40 Rosemount™ 8800D
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
6.9
Modbus 通信設定
表 6-6 : Modbus のデフォルトの通信設定と設定可能な通信設定
パラメータ
ボーレート
スタートビット
データビット
パリティ 偶数 なし なし、奇数、偶数
ストップビット
アドレス範囲
(1)
通信設定をせずにトランスミッタを注文された場合は、工場出荷時に設
(2)
(2)
定されます。
(2)
スタートビットとデータビットは変更できません。
HART メッセージフィールドの設定
ProLink III
Rosemount
8800D のデ
フォルト設
(1)
定
9600
1
8
1 1
1 246
Device Tools → Configuration → Informational
Parameters → Transmitter
HMC のデ
フォルト設
定
設定可能な値
1200、2400、4800、
9600、19200、38400
1、2
1~247
HART 通信装置を使って Modbus 通信設定を行うには、HART メッセージフ
ィールドにパラメータをテキスト形式で入力する必要があります。
注
トランスミッタから HART メッセージフィールドに入力されるように、
HART アドレスを 1 に設定してください。
文字列はたとえば、HMC A44 B4800 PO S2 のような形式になります。
HMC
A44
これらの文字は、設定文字列の先頭に必要です。
A は、後に続く数字が新しいアドレス(アドレス 44)であるこ
とを示します。先行する「0」の文字列は必要ありません。
B4800
B は、後に続く数字が新しいボーレート(1200、2400、4800、
9600、19200、38400)であることを示します。
PO
P は、後に続く文字をパリティタイプ(O = 奇数、E = 偶数、N =
なし)として識別します。
クイック・スタート・ガイド
41

クイック・スタート・ガイド 2021 年 9 月
S2
S は、後に続く数字がストップビット(1、2)であることを示し
ます。
現在の値と異なる値だけを含める必要があります。たとえば、アドレスの
みが変更された場合は、HMC A127 というテキスト文字列が HART メッセ
ージに書き込まれます。
注
文字列を "HMC" とだけ入力した場合、Modbus 設定は、表 6-6 に示す HMC
のデフォルト設定値にリセットされます。この設定は、他のトランスミッ
タの設定に影響しません。
注
メッセージを送信してから電源を入れ直し、電源が戻った後、変更が反映
されるまで 60 秒間待ちます。
アラーム操作
エラーが発生した場合(「フィールド機器が正常に動作しません」(a field
device malfunction)など)の、Modbus トランスミッタからの出力を設定
できます。 PV、SV、TV、QV に相当する、Modbus レジスタの値が適宜変
更されます(領域 1300、2000、2100、2200 の該当するレジスタ)。
表 6-7 に従って、HART アドレス 1 のデバイス用の HART メッセージフィ
ールドを入力してください。
注
メッセージを送信してから電源を入れ直し、電源が戻った後、変更が反映
されるまで 60 秒間待ちます。
表 6-7 : Modbus アラーム構成設定
文字列 アラーム出力
HMC EN
HMC EF
HMC EU-0.1
42 Rosemount™ 8800D
数字ではありません(NaN)、デフォルト
フリーズ、最後の値を保持
ユーザが定義した値。この例では 0.1
渦流量計、
Modbus
プロトコル採用

2021 年 9 月 クイック・スタート・ガイド
7
製品の認定証明書
製品の証明書については、Rosemount™ 8800D
(00825-VA00-0001)を参照してください。この文書は emerson.com に掲
載されています。または、弊社流量計担当者までお問い合わせください。
シリーズ渦流量計認可文書
クイック・スタート・ガイド
43

*00825-0404-4004*
クイック・スタート・ガイド
00825-0404-4004, Rev. AB
2021 年 9 月
詳細は、
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