ユーザー ガイド
TopRank
Microsoft Excel 用
仮説分析アドイン
バージョン 5.5
2010 年 01 月
Palisade Corporation
798 Cascadilla St
Ithaca, NY 14850
USA
+1-607-277-8000
http://www.palisade.com
著作権表記
Copyright © 2008, Palisade Corporation
商標について
TopRank、BestFit、RISKview、Palisade は Palisade Corporation の登録商標です。
RISK は Tonka Corporation の一部である Parker Brothers の商標であり、商標保有者
の許可を元に使用されています。
Microsoft、Excel、Windows は Microsoft Corporation の登録商標です。
ようこそ
TopRank へようこそ。TopRank は、Palisade Corporation が提供す
る、スプレッドシートで利用できる最高機能の仮説分析ツールです
。TopRank 利用すると、お使いのスプレッドシートに組み込まれて
いる標準の仮説分析機能とデータ テーブル機能が最大限に強化され
ます。また、同梱製品の @RISK を使用すれば、強力なリスク分析機
能を簡単に追加することが可能です。
TopRank と仮説分
析
TopRank を使用すると、スプレッドシート値や変数のうち結果に最大
の影響を与えているのはどれかを判断することができます。このよ
うな処理を自動仮説分析または感度分析と呼びます。また、ある変
数 (データ テーブル) の値として自動的にあらゆる数値を試行し、
各値から得られた結果を表示するように TopRank を設定することも
できます。さらに一連の変数について可能なすべての値の組み合わ
せを試行し (つまり多元仮説分析を行い)、各組み合わせに対して算
出された結果を得ることもできます。
仮説分析または感度分析の実行は、スプレッドシートに基づいて意
思決定を行う際に重要な要素となります。この分析の実行により、
結果を最も左右するのはどの変数であるかを特定できます。その結
果、1) より多くのデータを収集してモデルを改良し、2) モデル化
の対象となる状況を管理・実装する際に、最も重視する必要のある
要素を判断することが可能になります。
TopRank は、Microsoft Excel で利用できるスプレッドシート アド
インです。既存のすべてのスプレッドシート、または新規のスプレ
ッドシートで利用することができます。TopRank では仮説分析を設
定するために一連の新しい「Vary」カスタム関数がスプレッドシー
トの関数セットに追加されます。これらの関数は、例えば +10% ~
-10%、+1000 ~ -500 といった範囲や、入力した値のテーブルに基
づいて、スプレッドシート内の値が仮説分析内でどのように変動す
るかを指定するものです。
TopRank では、仮説分析を完全に自動実行することもできます。
TopRank では強力な監査技術を使用して、結果に影響を与えうるス
プレッドシート内の値を見つけ出します。その後、これらすべての
可能な値を自動的に変化させ、結果を決定する上でもっとも影響力
の強い値を判断します。
ようこそ i
TopRank の適用範
囲
TopRank の適用範囲はスプレッドシートと同じです。スプレッドシ
ートでモデルを構築することさえできれば、TopRank を使用してそ
のモデルを分析することが可能です。ビジネスの分野では TopRank
を使用して、新製品の成功に最も影響する価格、前投資量、販売数、
または諸経費といった重要な要素が特定されます。また、工学の分
野においては最終製品の生産効率を最も大きく左右するのはどの製
品構成要素の特性であるかを判断することができます。さらに融資
担当者は TopRank を使用して、予測されるすべての金利、融資金額、
頭金の組み合わせを使用してモデルを素早く実行し、すべての可能
な組み合わせの結果を確認することができます。TopRank を利用す
れば、ビジネス、科学、工学、経理、その他どのような適用分野に
おいても、モデルの結果に影響を与える最も重要な変数を特定する
ことが可能になります。
モデル化機能
Microsoft Excel 用のアドインである TopRank は、Excel に直接リ
ンクして仮説分析機能を追加します。スプレッドシートで仮説分析
を行うために必要なツールはすべて TopRank によって提供されます。
また、TopRank ではユーザーが使い慣れている Excel 形式のメニュ
ーと関数をそのまま利用できます。
仮説分析とデータ テーブルはスプレッドシートでも直接実行できま
すが、その場合はユーザーが手動で操作する必要があるため体系的
な分析を行うことができません。基本的な仮説分析は、スプレッド
シート内のセル値を変化させて新しい結果を算出することで行われ
ます。スプレッドシート内に、2 つの値の各組み合わせとその結果
を示すデータ テーブルを構築することも可能です。これに対して
TopRank を使用した場合、これらのタスクの実行と結果の分析が自
動的に行われます。ユーザーが個々の値を変更して再計算を行う代
わりに、結果を左右するスプレッドシート内のすべての可能値に対
して仮説分析が即座に自動実行されます。その後、スプレッドシー
トのどの値が結果に最大の影響を与えるかが報告されます。
多元仮説分析
TopRank ではデータ テーブルの組み合わせが自動的に実行されるの
で、スプレッドシート内にテーブルを設定する必要がありません。
多元仮説分析内の 2 つ以上の変数を組み合わせ (変数はいくつでも
組み合わせることができます)、結果に及ぼす影響力に従ってこれら
の組み合わせを順位付けます。TopRank では試行したすべての値と
その組み合わせおよび結果が、スプレッドシートとは別に追跡され
るので、高度な自動分析を素早く行うことができます。したがって
自動処理を行うことで、仮説分析や多元仮説分析の結果がほぼ即時
に提供されます。また、モデルの使い方に慣れていないユーザーで
も高度な分析結果を得ることができます。
ii
TopRank 関数
TopRank は関数を使用してスプレッドシート内の値の変化量を定義
します。そのために TopRank は、各値の変化量のタイプを指定する、
一連の新しい関数を Excel の標準関数に追加します。これには次の
ような関数があります。
• Vary および AutoVary 関数 - 仮説分析の実行中、スプレッ
ドシートの値をユーザーが定義した + と - の範囲内で変化
させます。
• VaryTable 関数 - 仮説分析の実行中、スプレッドシートの
各値をテーブルの値で置換します。
仮説分析の実行中、TopRank は関数を使用してスプレッドシートの
値を変化させ、その変化によって算出された結果を追跡し続けます。
これらの結果は、その後、もともと予測されていた結果からの変化
量によって順位付けられ、最大の変化量をもたらした関数が、この
モデルにとって最も重要な関数として特定されます。
TopRank インダストリアル版には @RISK に付属の 35 以上の確率分
布関数も含まれています。これらの関数は、スプレッドシートの値
の変化量を表す際に、Vary 関数と共に使用されます。
TopRank 関数の入
力方法
仮説分析の自動化
仮説分析でさまざまな値を試行するには、TopRank 関数を入力しま
す。これらの関数はスプレッドシート内の任意数のセルに追加でき、
その引数としてセル参照や式を含めることができるので、スプレッ
ドシート モデルの値に変化量を定義する際に優れた柔軟性を提供し
ます。
Vary 関数はユーザーが手動で追加するか、TopRank を使用して自動
的に入力することもできます。この強力な機能を使用して、スプレ
ッドシートが素早く分析されます。ユーザーが変化させる値を判断
して関数を入力する必要はありません。
Vary 関数を自動的に入力する際、TopRank はスプレッドシート内を
検索して、指定された結果セルに影響を与えうる値をすべて認識し
ます。可能な値が見つかると、選択したデフォルトの変動引数 (例
えば +10% と -10%) を持つ「AutoVary」関数をそこに代入します。
一連の AutoVary 関数が挿入されると、TopRank は仮説分析を実行
し、結果を左右する値をその重要度によって順位付けます。
TopRank では Vary および AutoVary 関数のステップスルーを行っ
て、各関数が指定する変化量を変更することができます。デフォル
トで -10% と +10% の変化量を使用することができますが、特定の
値については適宜 -20% と +30% を指定することもできます。また、
スプレッドシートの値が固定されていて変化しない場合などは、こ
れらの値を変化させないよう指定することもできます。
ようこそ iii
仮説分析の実行
分析中、TopRank は各 Vary 関数の値を個別に変化させ、新しい値
を使用してスプレッドシートを再計算します。そして、再計算を実
行するたびに、各結果セルで求められた新しい値を収集します。値
の変更と再計算は各 Vary および VaryTable 関数につき繰り返され
ますが、実行される再計算処理の回数は、入力された Vary 関数の
数、各関数につき TopRank で試行するステップ数 (つまり最小 最大の範囲内にある値)、入力された VaryTable 関数の数、および
使用する各テーブル内の値によって異なります。
TopRank の結果
TopRank は変化させたすべての値を、各結果セルまたは所定の出力
に与える影響力の大きさによって順位付けます。影響力は、入力値
の変更時に計算された出力値の変化量として定義されます。例えば
スプレッドシート モデルの結果が値の変更前には 100 であり、入
力値を変更した後に 150 となった場合、入力の変化によって生じる
結果の変化率は +50% となります。
TopRank の結果は、トルネード グラフ、スパイダー グラフ、また
は感度グラフとして表示することができます。これらのグラフから、
結果の概要を確認して最も重要な入力はどれかをすぐに把握するこ
とが可能です。
iv
目次
第 1 章: TopRank 活用の基礎 1
はじめに................................................... 3
インストール方法........................................... 7
ソフトウェアのアクティベーション (ライセンス認証) ......... 11
オンライン チュートリアル................................. 15
TopRank の使用............................................ 15
第 2 章: 仮説分析の概要 17
はじめに.................................................. 19
仮説分析の実行............................................ 21
多元仮説分析.............................................. 25
仮説分析とリスク分析...................................... 29
第 3 章: TopRank の概要 35
はじめに.................................................. 37
仮説分析とは?............................................ 39
TopRank による仮説分析の実行.............................. 45
多元仮説分析について...................................... 51
目次 v
TopRank による多元仮説分析の実行 .......................... 53
第 4 章: TopRank のモデリング手法 58
利益性における重要要素のモデリング ........................ 60
VaryTable 関数の使用 ...................................... 62
多元仮説分析 .............................................. 64
@RISK 関数を使ったモデリング .............................. 66
TopRank リファレンス ガイド 68
はじめに .................................................. 72
リファレンス: TopRank ツールバー アイコン ................. 74
リファレンス: TopRank アドイン コマンド 78
はじめに .................................................. 78
[モデル] メニュー ......................................... 80
[仮説分析] メニュー ...................................... 100
[レポートの設定] コマンド ................................ 117
[関数のスワップ] コマンド ................................ 123
[ユーティリティ] コマンド ................................ 129
[ヘルプ] コマンド ........................................ 131
リファレンス: TopRank 関数 133
TopRank 関数の概要 ....................................... 133
TopRank 関数リファレンス ................................. 137
TopRank 関数の一覧 ....................................... 139
プロパティ関数の一覧 ..................................... 141
vi
出力関数の一覧........................................... 143
@RISK 関数の使用......................................... 145
®
付録 A: TopRank とその他の DecisionTools
プログラムの連携 147
DecisionTools Suite...................................... 147
Palisade DecisionTools の使用事例........................ 149
TopRank
®
の概要.......................................... 151
@RISK と TopRank の併用.................................. 155
PrecisionTree
™
の概要 ................................... 159
@RISK と PrecisionTree の併用............................ 163
付録 B: 参考文献 167
付録 C: 用語集 169
索引 173
目次 vii
viii
第 1 章: TopRank 活用の基礎
はじめに................................................... 3
パッケージの確認 ..........................................3
このバージョンについて ....................................3
ご利用のオペレーティング環境での作業 ......................4
サポートについて ..........................................4
TopRank システム必要条件 ..................................6
インストール方法........................................... 7
一般的なインストール方法 ..................................7
DecisionTools Suite .......................................7
TopRank アイコンおよびショートカットの設定 ................8
起動時に表示されるマクロのセキュリティ警告メッセージ ......8
ソフトウェアのアクティベーション (ライセンス認証) ......... 11
オンライン チュートリアル................................. 15
TopRank の使用............................................ 15
第 1 章: TopRank 活用の基礎 1
2
はじめに
このセクションでは、TopRank 製品パッケージの内容と、TopRank を
インストールしてお使いの Microsoft Excel と連携させる方法につい
て解説します。
パッケージの確認
TopRank パッケージには以下が含まれています。
次の項目が収録された TopRank ユーザーガイド (本書)
• 序章および TopRank 活用の基礎
• 仮説分析の概要
• TopRank の概要
• TopRank のモデリング手法
• TopRank コマンド リファレンス
• TopRank 関数リファレンス
• 技術付録
以下が収録された TopRank CD
• TopRank システム ファイル
• TopRank サンプル ファイル
• TopRank チュートリアル
TopRank ライセンス使用許諾契約書およびユーザー登録カード
パッケージ内容に不備がある場合は、TopRank 販売代理店またはサプ
ライヤーにご連絡いただくか、Palisade 社 (電話: 米国 +1-607-277-
8000) まで直接お問い合わせください。
このバージョンについて
このバージョンの TopRank は Microsoft Excel 2000 およびそれ以降
にインストールできます。
第 1 章: TopRank 活用の基礎 3
ご利用のオペレーティング環境での作業
このユーザー ガイドは、Windows オペレーティング システムおよび
Excel についての一般的な知識がある読者を対象としています。特に
以下の知識が必要です。
ご利用のコンピュータ、およびマウスの使い方に精通していること。
アイコン、クリック、ダブルクリック、メニュー、ウィンドウ、コマ
ンド、およびオブジェクトといった用語に精通していること。
ディレクトリ構造やファイルの命名といった、基礎的な概念を理解し
ていること。
サポートについて
テクニカル サポートは、有効なメンテナンス プランをお持ちの
TopRank 登録ユーザー様に対して無償で、あるいはインシデントごと
に有償で提供しております。TopRank 登録ユーザーになるには、
http://www.palisade.com/support/register.asp に て オンライン登
録を行ってください。
電話でのお問い合わせの際には、あらかじめ製品のシリアル番号とユ
ーザー ガイドを手元にご用意ください。また、コンピュータで作業で
きる状態でご連絡いただければ、さらに効果的なテクニカル サポート
を受けることができます。
お問い合わせの前
に
4 はじめに
テクニカル サポートへのお問い合わせの前に、次の事柄をご確認くだ
さい。
• オンライン ヘルプを参照しましたか?
• 本ユーザー ガイドを確認し、オンライン マルチメディア チ
ュートリアルの内容を参照しましたか?
• 「お読みください」(README) ファイルを読みましたか?この
ファイルには、マニュアルに収録されていない最新の TopRank
製品情報が記載されています。
• 問題となっている障害は再現することが可能ですか?また、別
のコンピュータやモデルでも、問題点を再現することは可能で
すか?
• 弊社の Web サイトをご覧になりましたか?弊社サイトの URL
アドレスは http://www.palisade.com です。このサイトのテ
クニカル サポートのセクションには、最新の FAQ (テクニカ
ル サポートに寄せられた質問とその回答集を収録した、検索
可能なデータベース)、および TopRank のパッチが掲載されて
います。TopRank およびその他の Palisade ソフトウェアの最
新情報をいち早く入手できるよう、弊社のサイトには定期的に
アクセスされることをお勧めします。
Palisade へのお問
い合わせ
Palisade 社では、TopRank に関するご質問、ご意見、およびご提案を
お待ちしております。テクニカル サポートには、以下のいずれかの方
法でご連絡いただけます。
• 電子メール: support@palisade.com
• 電話: +1-607-227-8000 (米国)、米国東海岸時間平日午前 9
時から午後 5 時まで。テクニカル サポートへの電話案内の指
示に従ってください。
• ファックス: +1-607-227-8001 (米国)
• 郵便:
Technical Support
Palisade Corporation
798 Cascadilla St
Ithaca, NY 14850
USA
Palisade Europe へのお問い合わせ:
• 電子メール: support@palisade-europe.com
• 電話: +44 1895 425050 (英国)
• ファックス: +44 1895 425051 (英国)
• 郵便:
Palisade Europe
31 The Green
West Drayton
Middlesex
UB7 7PN
United Kingdom
第 1 章: TopRank 活用の基礎 5
Palisade Asia-Pacific へのお問い合わせ:
• 電子メール: support@palisade.com.au
• 電話: +61 2 9929 9799 (オーストラリア)
• ファックス: +61 2 9954 3882 (オーストラリア)
• 郵便:
Palisade Asia-Pacific Pty Limited
Suite 101, Level 1
8 Cliff Street
Milsons Point NSW 2061
AUSTRALIA
お問い合わせの際には、その方法に関わらず、必ず製品名、正確なバ
ージョン番号、およびシリアル番号をご連絡ください。正確なバージ
ョンは、Excel の TopRank メニューから [TopRank について] コマン
ドを選択することで確認できます。
ステューデント版
ステューデント版の TopRank に対する電話サポートは提供しておりま
せん。サポートが必要な場合は、以下の方法をご検討ください。
• 担当の教授または教育助手に相談する。
• http://www.palisade.com
• 電子メールまたはファックスで弊社のテクニカル サポート部
門に連絡する。
にアクセスして FAQ を参照する。
TopRank システム必要条件
TopRank 5.5 for Microsoft Excel、Windows 版のシステム必要条件は
以下のとおりです。
• ハードディスクが備わった Pentium 以上のパーソナル コンピ
ュータ
• Microsoft Windows 2000 SP4、Windows XP またはそれ以降
• Microsoft Excel 2000 またはそれ以降
6 はじめに
インストール方法
一般的なインストール方法
TopRank のセットアップ プログラムは、ユーザーが指定したハードデ
ィスク上のディレクトリに TopRank システム ファイルをコピーしま
す。Windows 2000 およびそれ以降でのセットアップ プログラム実行
方法は、以下のとおりです。
1) CD-ROM ドライブに TopRank CD-ROM を挿入します
2) [スタート] ボタンをクリックし、[設定] > [コントロール パ
ネル] をクリックします。
3) [プログラムの追加と削除] アイコンをダブルクリックします。
4) [インストール/アンインストール] タブの [インストール] ボ
タンをクリックします。
5) 画面に表示されるセットアップ手順に従います。
TopRank のインストール中に問題が発生する場合は、インストール対
象のドライブに十分な空きスペースがあることを確認してください。
十分な空きスペースが確保できたら、再度、インストール手順を実行
してください。
TopRank のコンピ
ュータからの削除
ご利用のコンピュータから TopRank を削除するには、[コントロール
パネル] の [プログラムの追加と削除] ユーティリティを起動して
TopRank のエントリを選択します。
DecisionTools Suite
TopRank for Excel は、リスク分析や意思決定分析のためのセット製品
DecisionTools Suite の一部として提供されています。詳しくは、
「付録 A: TopRank とその他の DecisionTools プログラムの連携」を
参照してください。デフォルトの TopRank インストール手順では、メ
イン ディレクトリである「Program Files\Palisade」のサブディレク
トリに TopRank が インストールされます。これは、「Microsoft
Office」ディレクトリのサブディレクトリに Excel がインストールさ
れるのと同じ要領です。
Program Files\Palisade ディレクトリに作成されるサブディレクトリ
の 1 つが、TopRank ディレクトリ (デフォルト名「TOPRANK5」) です。
このディレクトリには、TopRank プログラムのファイルに加えて、サ
ンプル モデルと、TopRank を実行するために必要な関連ファイルが含
まれています。Program Files\Palisade には SYSTEM というサブディ
第 1 章: TopRank 活用の基礎 7
レクトリも作成されます。ここには共通のヘルプ ファイルやプログラ
ム ライブラリなど、DecisionTools Suite のすべてのプログラムで必
要とされるファイルが含まれています。
TopRank アイコンおよびショートカットの設定
TopRank のセットアップ プログラムは、タスクバーの [プログラム]
メニュー上に、TopRank コマンドを自動的に作成します。ただし、セ
ットアップ作業中に問題が発生した場合、あるいは、別の機会に手動
でこのコマンドを作成したい場合は、以下の手順に従います。
1) [スタート] ボタンをクリックし、[設定] を選択します。
2) [タスク バーと [スタート] メニュー] をクリックし、[[スタ
ート] メニュー] タブをクリックします。
3) [カスタマイズ] をクリックし、[参照] をクリックします。
4) TOPRANK.EXE ファイルを見つけてダブルクリックします。
5) [次へ] をクリックし、プログラムのショートカットを保存す
るメニューをダブルクリックします。
6) 名前として「TopRank」と入力し、[完了] をクリックします。
起動時に表示されるマクロのセキュリティ警告メッセ
ージ
Microsoft Office には、Office アプリケーション上で不要なマクロ、
または悪意をもって作成されたマクロが実行されるのを防止するため
に、さまざまなセキュリティ設定 ([ツール] > [マクロ] > [セキュリ
ティ]) が用意されています。最低限のセキュリティ設定を使用しない
限り、マクロ付きのファイルを読み込むたびに警告メッセージが表示
されます。Palisade 社のアドインを実行するたびにこのようなメッセ
ージが表示されることを防ぐため、Palisade では自社のアドイン フ
ァイルにデジタル署名を付与しています。したがって、いったん
Palisade Corporation を信頼できる作成元として登録すれば、
Palisade 社のすべてのアドインを警告メッセージの表示なしに開くこ
とができます。以下の手順を行います。
8 インストール方法
• TopRank 起動時に、セキュリティ警告ダイアログ (下図参照)
が表示されたら、[この発行者のドキュメントをすべて信頼す
る] をクリックしてください。
第 1 章: TopRank 活用の基礎 9
10
ソフトウェアのアクティベーション (ライセンス
認証)
ソフトウェア認証とは、お手元の TopRank ソフトウェアを完全なライ
センス版製品として実行するために必要な、一度限りのライセンス認
証手続きです。ライセンス認証コードは、書類または電子メールでお
送りしたインボイスに記載されている、「19a0-c7c1-15ef-1be0-4d7fcd」などのダッシュ (-) で区切られた一連の文字列です。インストー
ル手続き中にライセンス認証コードを入力した場合は、当該ソフトウ
ェアの初めての実行時にソフトウェアのアクティベーションが行われ
るため、他のユーザー操作が必要になることはありません。インスト
ール手続きの完了後にソフトウェアのアクティベーションを行いたい
場合は、TopRank の [ヘルプ] メニューから [ライセンス認証] コマ
ンドを選択し、表示される [Palisade ライセンス認証] ダイアログ
ボックスに、お客様のライセンス認証コードを入力します。
FAQ (よくある質問
と回答)
第 1 章: TopRank 活用の基礎 11
1) ソフトウェアがアクティベートされていないとどうなりますか?
インストール手続き中にライセンス認証コードを入力しなかった、あ
るいは、トライアル版をインストールした場合、当該ソフトウェアは
使用期限または利用ユーザー数、あるいはその両方に制限が課された
トライアル版として実行されます。当該製品を完全なライセンス版と
して実行するには、ライセンス認証コードを用いて製品のアクティベ
ーションを行う必要があります。
2) アクティベーションを行わずに製品を利用できる期間は、どの程度
ですか?
ライセンス認証が完了していないソフトウェアは 15 日間実行できま
す。期間中は製品の全機能を使用できますが、プログラムを起動する
たびに、残りの試用期間を示してライセンス認証を促す [ライセンス
認証] ダイアログが表示されます。15 日間のトライアル期間が過ぎる
と、アクティベーションを済ませるまでソフトウェアを実行すること
はできません。
3) アクティベーションのステータスは、どうすれば確認できますか?
[ライセンス認証] ダイアログ ボックスは、TopRank の [ヘルプ] メ
ニューの [ライセンス認証] コマンドを選択することで表示できます。
ソフトウェアのアクティベーションが完了している場合は認証手続き
完了、トライアル版ソフトウェアの場合はライセンス認証未完了のス
テータスがそれぞれ表示されます。ソフトウェアのアクティベーショ
ンが完了していない場合は、当該ソフトウェアを実行できる残り期間
も表示されます。
4) ソフトウェアをアクティベーションする方法は?
ライセンス認証コードをお持ちでない場合は、[ライセンス認証] ダイ
アログの [購入] ボタンをクリックすることで入手できます。オンラ
イン購入手続きを行うと、ライセンス認証コードが直ちに提供され、
再インストールが必要になった場合に備えてインストーラをダウンロ
ードするリンクがオプションで提供されます。電話での購入をご希望
の場合は、本章の「Palisade へのお問い合わせ」セクションに記載の
最寄りの Palisade 事業所までご連絡ください。
アクティベーション手続きは、インターネット経由または電子メール
を利用して行えます。
• インターネットに接続している場合
[Palisade ライセンス認証] ダイアログ ボックスにライセンス認証コ
ードを入力するか、貼り付けてから、[自動ライセンス認証] をクリッ
クします。数秒後に手続き完了を示すメッセージが表示され、[ライセ
ンス認証] ダイアログ ボックスにソフトウェアのライセンス認証が完
了したことを示すステータスが表示されます。
12 ソフトウェアのアクティベーション (ライセンス認証)
• インターネット接続がない場合
電子メールを使用した自動アクティベーションを利用できます。以下
の手順を行ってください。
1. [手動での認証] をクリックして、「request.xml」ファイルを
表示します。このファイルはディスクに保存するか、Windows
のクリップボードにコピーすることができます。(この際、コ
ンピュータ上の「request.xml」ファイルの保存場所を書き留
めておくようお勧めします。)
2. この XML ファイルを電子メール本文にコピーするか添付して、
activation@palisade.com 宛てに送信します。送信した電子メ
ールの返信アドレスに、自動応答が送られてきます。
3. 返信メールに添付されている「response.xml」を、コンピュー
タのハードディスク上に保存します。
4. [Palisade ライセンス認証] ダイアログ ボックスに表示され
る [処理] ボタンをクリックし、「response.xml」ファイルを
参照します。このファイルを選択し、[OK] をクリックします。
手続き完了を示すメッセージが表示され、[ライセンス認証] ダイアロ
グに当該ソフトウェアのアクティベーション完了を示すステータスが
反映されます。
5) ソフトウェア ライセンスを他のマシンに移行するには?
ライセンスの移行 (再ホスティング) は、[Palisade ライセンス認証]
ダイアログ ボックスを使って 2 ステップで完了できます。まず、1
台目のマシンでライセンス認証解除を行ってから 2 台目のマシンでラ
イセンス認証を行います。再ホスティングが用いられる典型的な場面
としては、ご使用の TopRank を職場の PC からラップトップに移動す
るようなケースが挙げられます。マシン 1 から マシン 2 へのライセ
ンス再ホスティング手続きを行う際には、両方のマシンに当該ソフト
ウェアがインストールされていることと、ライセンス認証解除・ライ
センス認証の再ホスティング処理時に各マシンがインターネットに接
続されていることを確認するようにしてください。
1. マシン 1
の [ライセンス認証] ダイアログで、[ライセンス認
証の自動解除] をクリックします。手続き完了を示すメッセー
ジが表示されるまで待ちます。
2. マシン 2
で、[自動ライセンス認証] をクリックします。手続
き完了を示すメッセージが表示されるまで待ちます。
ご利用のマシンからインターネットに接続できない場合は、上記の電
子メールを使用した方法と同じ要領で、再ホスティング手続きを行え
ます。
第 1 章: TopRank 活用の基礎 13
6) インターネット接続があるにもかかわらず、ライセンス認証・ライ
センス認証解除手続きを自動的に処理できない場合は?
ご利用のファイアウォールを、弊社ライセンシング サーバーへの TCP
接続を許可するように設定する必要があります。シングル ユーザー
(ネットワーク インストール以外) 向けのライセンシング サーバーは、
http://service.palisade.com:8888 (つまり
http://service.palisade.com の TCP ポート 8888) です。
14 ソフトウェアのアクティベーション (ライセンス認証)
オンライン チュートリアル
オンライン チュートリアルでは、TopRank エキスパートによるムービ
ー形式のサンプル モデルを紹介しています。このチュートリアルは、
TopRank の主要機能について解説したマルチメディア プレゼンテーシ
ョンです。
チュートリアルを実行するには、TopRank [ヘルプ] メニューの [基礎
チュートリアル] コマンドを選択します。
TopRank の使用
通常の Excel セッションで TopRank を使用するには、次の手順を実
行します。
1) Windows の [ スタート] > [プログラム] > [Palisade
DecisionTools] グループにある TopRank アイコンをクリック
します。
2) Excel の [開く] コマンドを使用して、サンプル スプレッド
シートの FACTORY.XLS を開きます。サンプル ファイルはデフ
ォルトでは
C:\PROGRAM FILES\PALISADE\TOPRANK5\EXAMPLES\JAPANESE に
保存されています。
3) ツールバーにある 2 番目のアイコン [AutoVary 関数の追加]
をクリックします。
4) TopRank ツールバーの [モデル ウィンドウ] アイコン (ツー
ルバー上の赤と青の矢印アイコン) をクリックします。[モデ
ル] ウィンドウに FACTORY ワークシートの Vary 関数の一覧
と、出力セルが表示されます。
5) [仮説分析の実行] アイコン (赤いトルネード グラフのアイコ
ン) をクリックします。これで、FACTORY ワークシートの仮説
分析が開始されます。仮説分析の処理が実行され、処理が完了
すると分析結果が表示されます。
第 1 章: TopRank 活用の基礎 15
16
第 2 章: 仮説分析の概要
はじめに.................................................. 19
仮説とは? ...............................................19
仮説分析に基づく意志決定の利点 ...........................19
仮説分析とコンピュータ ...................................20
仮説分析の実行............................................ 21
仮説分析の結果 ...........................................21
仮説分析の結果のグラフ ...................................22
多元仮説分析.............................................. 25
多元仮説分析の結果 .......................................26
仮説分析とリスク分析...................................... 29
リスク分析を使った感度分析 ...............................30
@RISK と TopRank における感度分析の違い ..................32
仮説分析を最初に行う理由 .................................33
まとめ ...................................................34
第 2 章: 仮説分析の概要 17
18 はじめに
はじめに
意思決定を行うにあたり、最も重要な要素は何かを判断しかねること
があります。そのような場合、仮説分析 (または感度分析) が必要と
なります。仮説分析では不確定な変数を可能な範囲内で変化させ、そ
の変化が結果に与える影響力を測定することができます。このような
分析では、モデルに設定した仮定条件を変更し、その結果に与える影
響を見ることができます。これは誰もが行ったことのある、シンプル
な仮説分析です。
仮説とは?
仮説分析はあらゆる種類のモデルに適用できます。通常 PC ではスプ
レッドシートを使って仮説分析を行います。例えばビジネスの分野で
は、スプレッドシートを使って販売価格、販売数量、生産費用、投資
額などの不確実な変数を組み合わせ、目的の結果 (利益) を計算する
ことができます。不確実な変数をそれぞれ個別に変化させることで、
これらの変化が利益に及ぼす影響力がわかります。また仮説分析では
各変数が利益にもたらす影響力を順位付けることによって、どの変数
が最も重要であるかを判断できます。
仮説分析に基づく意志決定の利点
仮説分析では基本ケースの仮定条件を適切な範囲内で変化させてその
影響を調査することにより、各変数が結果に及ぼす影響力の大きさを
判断できます。重要な要素がわかっていれば意思決定が行いやすくな
り、決定に際しては、これらの重要な要素が結果にどのような影響を
与えるかに注目できるようになります。
仮説分析は意思決定のモデル化において重要な役割を果たします。通
常の場合、まずスプレッドシート モデルを構築します。その後、仮説
分析によりモデルの重要要素を識別します。そしてこれらの重要変数
について追加のデータを収集し、モデルを改良します。最後に、すべ
ての重要な要素が識別された堅牢なモデルを使用して意思決定を行い
ます。
仮説分析と計画
第 2 章: 仮説分析の概要 19
仮説分析は業務や非常事態の計画を立てる際にも役立ちます。モデル
に基づいて意思決定を行う時点では、すでに仮説分析によって結果に
大きく影響する要素とそうでない要素が判断されています。これによ
り万全の防御策を必要とする種類の変化と、特に心配する必要のない
変化がわかるので、計画を立てる上で参考になります。
例えば仮説分析により、新しい組立て工場の利益性に影響を与える重
要な要素として、労務費が識別されたとします。その場合には、仮説
分析の結果に基づいて、確実な長期雇用契約を交わすよう努力するこ
とになります。
仮説分析とコンピュータ
スプレッドシートは、仮説モデルを一般ユーザーが広く利用できるよ
うにした点で画期的なソフトウェアです。どのようなスプレッドシー
ト モデルでも、値を変更して再計算を行うことによりシンプルな仮説
分析を簡単に行うことが可能です。この仮説計算により、行った変更
が結果に与える影響を即座に確認できます。通常は最善と最悪など 2、
3 の追加ケースについて仮説分析を手動で行い、その結果を記録して
報告します。
スプレッドシートでさらに高度な分析を行う必要のあるユーザーは、
それぞれ異なる入力値を指定した一連の仮説を実行し、その影響を手
動で追跡します。その後、各変更による結果への影響力を比較して、
モデル内で最も重要な変数がどれであるかを判断します。
仮説分析の自動化
と TopRank
TopRank を使用すると、スプレッドシートで行う仮説分析を自動化し
て機能を強化することができます。一連の入力値をユーザーが手動で
変更する代わりに、TopRank によってスプレッドシート内の任意の入
力値を自動的に変化させ、計算されたすべての結果を追跡し、その影
響力によって順序付けします。また、グラフを使って結果をビジュア
ルに表示することもできます。
TopRank では仮説のモデリングを高速化して、さらに多くの入力値の
分析を分析することが可能になります。TopRank を使用すれば 5 ~
10 通りの仮説を計算するだけの手動作業に限られず、数千に及ぶ仮説
を短時間で計算することができます。
20 はじめに