Honda Super Cub 50pro (2012) User guide

スーパーカブ
50
ࡊࡠ
Honda車をお買いあげいただきありがとうご
d
w
c
アドバイス
ざいます。 安全で快適なバイクライフをお楽しみください。
この取扱説明書と共に「メンテナンスノート」を 受け取り、下記を確認してください。
お車の正しい取り扱いかた
保証内容と保証期間
点検・整備について
車両受領書・保証書受領書の記入・捺印
安全運転の基本として以下は重要ですので、お 守りください。
この取扱説明書を、よくお読みください
取扱説明書の推奨手順に従ってください
安全に関する表示を理解し、守ってください
安全に関する表示
「運転者や他の方が傷害を受ける可能性のある
こと」を回避方法と共に、右記の表示で記載し ています。これらは重要ですので、しっかりお 読みください。
指示に従わないと、死亡または 重大な傷害に至るもの
指示に従わないと、死亡または重 大な傷害に至る可能性があるもの
指示に従わないと、傷害を受け る可能性があるもの
その他の表示
お車のために守っていただきた いこと
車の仕様、その他の変更により、この本の表紙 や内容と実車が一致しない場合があります。 車を譲られる場合、次の方にこの取扱説明書お よびメンテナンスノートをお渡しください。
目次
安全なライディング P. 2
操作ガイド P. 10
メンテナンス P. 24
こんなときは P. 51
インフォメーション P. 55
スペック P. 63
索引 P. 66

安全なライディング

この章では安全な運転のために必要な情報を記載しています。 安全のためによくお読みください。
安全上守っていただきたいこと........................... P. 3
安全運転のために .................................................. P. 3
運転するときの注意 .............................................. P. 5
アクセサリーと改造について............................... P. 9
積載について.......................................................... P. 9

安全上守っていただきたいこと

a
安全上守っていただきたいこと
安全のため、日常的に次の内容をお守りくださ い。
道路運送車両法に準じて設けられた日常点検・ 定期点検を行ってください
ガソリンの補給は、必ずエンジンを止め、火気 厳禁で行ってください
排気ガスには一酸化炭素(CO)などの有害な成分 が含まれているため、エンジンは、風通しの良 い場所でかけてください

安全運転のために

走行中、運転者は両手でハンドルを握り、両足 をステップに置いてください
急激なハンドル操作や片手運転などは避け、安 全な運転を心がけてください
他の車両や歩行者などに対する配慮を欠かさな いでください
乗車時の服装
運転者は必ずヘルメットを着用し、天候や走行状況 に応じ、安全性が高く運転操作のしやすい、被視認 性の高い二輪車用の服装を着用してください。
3
安全運転のために
a
w
ヘルメット
安全基準を満たし、頭のサイズにあった視認性の 高いもの
二輪車用で PSC、SG マークか JIS マークのある ものを推奨します
正しくかぶり、あごひもを確実に締めてくださ い
視界を妨げないフェイスシールドまたはゴーグ ルなどを使用し、眼を保護してください
ヘルメットを正しく着用していないと、万一 の事故の際、死亡または重大な傷害に至る可 能性が高くなります。
運転者は乗車時、必ずヘルメット、保護具お よび保護性の高い服を着用してください。
4
グローブ
摩擦に強い皮製のもの
ブーツまたはライディングシューズ
滑りにくく、くるぶしまで覆われたもの
ジャケット・パンツ
プロテクターを備え、体の露出の少ない長袖・長 ズボン

運転するときの注意

a
運転するときの注意
慣らし運転
適切な慣らし運転を行うと、お車の性能をより良 い状態に保つことができます。
慣らしのポイント(走行距離 500kmまで)
急発進、急加速を避ける
急ブレーキ、急なシフトダウンを避ける
控えめな運転をする
ブレーキ
次の項目に注意してください。
前輪ブレーキと後輪ブレーキを同時に使う
不必要な急ブレーキ、急なシフトダウンをしな
u タイヤをロックさせるなど、車体の安定性を
損なうおそれがあります。
u コーナリングの際は、コーナーの手前で減速
してください。
雨天走行など滑りやすい路面に注意する
u タイヤがロックしやすく、制動距離が長くな
ります。
連続したブレーキ操作をしない
u 温度上昇が原因でブレーキの効きが悪くなる
おそれがあります。エンジンブレーキと断続 的なブレーキ操作を併用してください。
エンジンブレーキ
スロットルを戻すと、エンジンブレーキが効きま す。さらにエンジンブレーキを必要とするときは 3 速、2 速・・・とシフトダウンを行ってください。 急激なシフトダウンは、尻振りなどの原因や、エン ジンやトランスミッションに悪影響を与えます。ま た、長い下り坂や急な下り坂などでは、ブレーキ操 作とエンジンブレーキを併用してください。
雨天または水たまりを走行したとき
路面が滑りやすくなり、ブレーキの効き具合が変 化します。慎重なブレーキ操作を心がけてくださ い。ブレーキの効きが悪いときは、ブレーキを軽 く作動させながらしばらく低速で走行して、ブ レーキを乾かしてください。
5
運転するときの注意
a
駐車するとき
交通の邪魔にならない平坦で足場のしっかりし た安全な場所に駐車する
やむをえず傾斜地や足場の悪い場所に駐車する ときは、車の転倒や動き出しがないよう安全処 置に十分注意する
盗難防止のため、車から離れるときは必ずハン ドルロックをかけ、キーを抜く
サイドスタンドまたはメインスタンドでの駐車
1.
エンジンを止める。
2.
サイドスタンドでの駐車
サイドスタンドを下げ、車の重量がサイドスタ ンドにかかるまで、車をゆっくり左に傾ける。
u ハンドルを右にきった状態での駐車は、車が
不安定になり、転倒するおそれがあります。
6
メインスタンドでの駐車
左手でハンドルをまっすぐにし、右手でラゲッ ジキャリアーをしっかり持ち右足でスタンドを 左右同時に地面につけて、立たせる。
3.
ハンドルバーを左いっぱいにきる。
4.
ハンドルロックをかけ、キーを抜く。2 P. 16
運転するときの注意
a
c
マフラーなどが熱くなっているので、他の方が 触れることのない場所に駐車する
エンジン回転中および停止後しばらくの間はマ フラー、エンジンなどに触れない
マフラー、エンジン、ブレーキなどは、エン ジン回転中および停止後しばらくの間は熱く なっています。触れるとヤケドを負う可能性 があります。
• マフラー、エンジン、ブレーキなど高温 になる部分は冷えるまで触れないこと
• 高温になる部分に可燃物が接触せず、他の 方が触れることのないよう配慮すること
7
運転するときの注意
a
w
燃料補給およびガソリンの取り扱い
エンジンや触媒装置の損傷を防ぐため、下記に注 意してください。
無鉛レギュラーガソリンを使用する
高濃度アルコール含有燃料を補給しない
軽油や粗悪ガソリン(長期間保管したガソリ
ン)、または不適切な燃料添加剤を使わない
燃料タンクの中に、泥、ほこり、水などを入れ ない
ガソリンは燃えやすくヤケドを負ったり爆発 して重大な傷害に至る可能性があります。ま た身体に帯電した静電気の火花により引火す る可能性があります。
ガソリンを取り扱うときは以下のことを守っ てください。
• エンジンを止め、火元を遠ざける
• 給油は必ず屋外で行う
• こぼれたガソリンは、すぐに拭き取る
• 給油作業前に車体や給油機などの金属部 分に触れて静電気を除去する
8

アクセサリーと改造について

a
w
荷掛けフック:1.0kg
アクセサリーと改造について
アクセサリーを装着する際は、安全面から Honda 純正アクセサリーを推奨します。Honda販売店に ご相談ください。 Honda販売店で取り付けられた Hondaアクセサ リーなどの取り扱いについては、その商品に付属 の説明書をお読みください。 車の構造や機能に関係する改造は、操縦性を悪化さ せたり、排気音を大きくしたり、ひいては車の寿命 を縮めることがあります。不正改造は法律に触れる ことはもちろん、他の迷惑行為となります。 車の改造は保証の適用を除外されます。
不適切なアクセサリーや改造は、万一の事故 の際、死亡または重大な傷害に至る可能性が 高くなります。
アクセ サリーを装着する際は、Honda 販売 店にご相談のうえ、取扱説明書に従ってくだ さい。

積載について

荷物を積むと積まないときにくらべて操縦安定性 が変わるため、安全な速度で走行してください
荷物の積みすぎに注意し、確実に固定して安全 な速度で走行してください
ハンドル操作ができなくなる場合があるので、ハ ンドルの近くに物を置いたり、フロントバスケッ トから荷物をはみ出さないようにしてください
ヘッドライトや位置標示灯、ウィンカー、テー ルライト、マフラー周辺への積載は避けてくだ さい
u 過熱によりレンズが溶けたり、荷物が損傷す
る場合があります。
荷掛けフックの最大荷物重さは 1.0kg です
9
b

基本操作の流れ

エンジン始動前(P25)
加速
エンジン始動(P18)
運転する前に日常点検を行いましょう。 燃料残量を確認しましょう。
発進や加速はスロットルを ゆっくり回し、急加速は避 けましょう。
周囲の安全を確認して、エンジンをかけま す。空ぶかしは避けましょう。
後方の安全や周囲の状況に 注意し、方向指示器で合図 を出し走り出します。
発進
基本装備の使いかた
- メーター(P14)
- スイッチ(P15)
- ハンドルロック(P16)
- パーキングレバー(P17)
10
b
減速
スロットルを素早く戻し、前後のブ レーキの両方を使い速度を下げ、不必 要な急ブレーキは避けましょう。制動 灯(ストップランプ)が点灯し、後車へ の合図になります。
駐車(P6)
安全な場所に駐車しましょう。 サイドスタンド、メインスタンド、ハン ドルロックを確認します。
コーナリング
手前で十分に 減速して・・・
燃料給油(P21)
スロットルをゆっくり 回して加速します。
停止
早めに方向指示器で合図を出し、 後方や側方の車に注意しながら、 徐々に路肩に寄ります。
11
b

各部の名称

ヒューズボックス(P54)
ブレーキレバー(P41)
スロットルグリップ(P50)
エアクリーナー(P48)
バッテリー(P38)
キックスターターペダル(P18)
オイルレベルゲージ(P40)
ブレーキペダル(P43)
パーキングレバー(P17)
12
b
燃料タンクキャップ(P21)
チェンジペダル(P20)
サイドスタンド(P6)
ブリーザードレン(P49)
ドライブチェーン(P47) メインスタンド(P6)
シート(P36)
13
b

メーター/警告灯/表示灯

燃料計
指針が赤ワク(E)に入りかけた ときの燃料残量:約 1.0 ℓ
スピードメーター(速度計)
方向指示器表示灯
オドメーター
総走行距離を表示
u 走行した総距離を km の単位
で示します。白地に黒数字は 100m の単位です。
PGM-FI警告灯
メインスイッチを ONにする と点灯し、数秒後に消灯
走行中またはアイドリング中 に点灯したときは
(P53)
ハイビームパイロットランプ
(前照灯上向き表示灯)
ニュートラル表示灯
トランスミッションが ニュートラルの位置にある ときに点灯
速度範囲表示
各ギアでの上限速度を表示
u 上限速度を超えるとエンジンの
故障や損傷の原因となります。
ギアチェンジ(P20)
速度警告灯 走行中に点滅したときは
(P53)
14
b

スイッチ

スタータースイッチ
ホーンスイッチ
ウィンカー(方向指示器) スイッチ
ヘッドライト(前照灯)上下切換スイッチ
• HI:ヘッドライトが上向き
• LO:ヘッドライトが下向き
メインスイッチ
電気回路のON/OFF、ハンドルロックに使用
u OFF または LOCK の位置で、キーを抜く
ことができます。
ON
始動・昼夜間 走行
OFF
停止
LOCK
ハンドルロック ができる
LR
u 解除はスイッチを中央に戻
して行います。
次ページに続く
15
スイッチ
b
!b 回す
押す
メインスイッチのキー
!a
前ページの続き
ハンドルロック
盗難予防のため、駐車するときは必ずハンドル ロックをかけましょう。U 字ロックなどの使用 も推奨します。
かけかた
!a ハンドルを左にいっぱいにきる。 !b キーを押し込みながら、LOCKの位置まで回す。
u ロックがかかりにくい場合は、ハンドルを
左右に軽く動かしてください。
c キーを抜く。
!
外しかた
OFF の位置まで回す。
16
b
!c
!b
!a

パーキングレバー

ブレーキレバー
パーキングレバー
坂道などの駐停車時に使用します。
かけかた
!a ブレーキレバーを強く握る。 !b パーキングレバーをブレーキレバーに引っかけ
る。
!c パーキングレバーを引っかけたまま、ブレーキ
レバーを放せば、前輪がロックする。
外しかた
ブレーキレバーを強く握ると自動的にブレーキ ロックレバーが外れる。
走行するときは、ロックを外してください。 また、走行中はパーキングレバーに指をかけな いようにしてください。
u ブレーキの調整を適切にしないと、ロックされ
ないことがあります。(P41)
17
b

エンジン始動

アドバイス
!c
!b
!d
始動するには、エンジンの温度にかかわらず、 次の手順で行ってください。
• スタータースイッチを押して 5 秒以内でエンジンがか からないときは、一度メインスイッチを OFF にしてく ださい。その後バッテリー電圧回復のため 10 秒ほど 経ってからやり直してください。
• 無用な空ぶかしや長時間のアイドリングはエンジンや マフラー、触媒装置に悪影響を与えます。
• 万一転倒した場合は、一旦メインスイッチを OFF にし てください。再度、走行を行う際は、各部の損傷状態 や、走行に支障が無いかを十分に確認してください。
18
!a メインスタンドを立てる。(P6) !b メインスイッチを ONに回す。 !c ギアをニュートラルにする。(表示灯点灯) !d スロットルグリップを閉じたまま、スターター
スイッチを押すか、キックスターターペダルを キックする。
!e キックスターターペダルとサイドスタンドを確
実にたたんでいることを確認し、メインスタン ドを外してスタートする。
b
4mm 程度
エンジンがかからないときは
もし、エンジンがかからない場合は、スロット ルグリップをわずかに(4mm 程度)回しながら スタータスイッチを押すかキックスターターペ ダルを使用してください。
それでも始動できないときは(P52)
19
b

ギアチェンジ

停止時
走行時
停止時と走行時では、チェンジ操作が異なりま す。停止時は、4段ロータリー式で4速から直接 ニュートラルにチェンジできます。走行時は、前 進4段リターン式となります。 4速からは、直接ニュートラルにチェンジでき ません。
ギアチェンジはスロットルグリップを一度戻し てから行います。
速度範囲
1速 0〜15km/h 2 速 15 〜 30km/h 3速 20 〜 50km/h 4 速 25km/h 以上
20
シフトダウンについて
追い越しなど、強力な加速が必要なときはシフ トダウンをします。高い速度でのシフトダウン は、尻振りなどの原因や、走行安定性を損なう ほか、エンジンやトランスミッションに悪影響 を与えます。次の速度内で行ってください。
シフトダウン可能限界速度
4速→3速 45km/h 以下 3 速→ 2 速 30km/h 以下 2速→1速 15km/h 以下
b

燃料補給

燃料タンクキャップ
メインスイッチのキー
レベルプレート
燃料はここまで
注入口
キーカバー △マーク
w
燃料がにじみ出ることがあるので、レベルプ レート下端以上入れないでください。
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン タンク容量:4.3ℓ
燃料についての注意(P8)
タンクキャップの開けかた
!a シートを開ける。(P36) !b キーカバーを開け、キーを差し込み右に回し
て、燃料タンクキャップを左に回して開ける。
タンクキャップの閉じかた
!a 燃料タンクキャップを溝に合わせ、キャップの
△マークとタンク後方の△マークが合うまで右 に回す。
!b キーを左に回してキーを抜き、カバーを閉じる。
u キャップがロックされないと、キーは抜け
ません。
!c シートを閉じる。
ガソリンは燃えやすいため、ヤケドを負った り、爆発して重大な傷害に至る可能性があり ます。
2 燃料補給およびガソリンの取り扱い P. 8
21
b

その他装備の使いかた

メインスイッチのキー
ヘルメットホルダー
ピン
w
車体の左側にヘルメットホルダーがあります。
u ヘルメットホルダーは駐車時のみお使いくださ
い。
!a メインスイッチのキーを左に回してロックを解
除する。
!b ホルダーピンにヘルメットの金具をかけ、ピン
を押してロックする。
!c キーを抜く。
ヘルメットホルダーにヘルメットをつけたま ま走行しないでください。
走行の妨げになり、重傷を負ったり死亡した りする事故が発生することがあります。
22
b
シート下前方のセンターカバーの内側に書類入
アドバイス
書類入れ
書類入れ ホルダー
携帯工具
バンド
荷掛けフック
れホルダーと携帯工具があります。
レッグシールド左側に荷掛けフックがありま す。
u 携帯工具はバッテリーカバーにしっかりと固定
してください。
センターカバーの取り外しかた(P37)
書類入れホルダーに貴重品やこわれ易いものは入れない でください。
u 荷掛けフックには車体からはみ出したり、足に
当たるような大きな荷物はかけないでくださ い。走行やハンドル操作に支障をきたすことが あります。
23

メンテナンス

メンテナンスを行う前に必ず「メンテナンスの基礎知識」をお読みください。 また、サービスデータについては「スペック」を参照ください。
メンテナンスの基礎知識 .................................... P. 25
主要部品の操作・脱着方法................................. P. 36
シート ................................................. P. 36
センターカバー ..................................... P. 37
バッテリー ........................................... P. 38
エンジンオイル.................................................... P. 40
ブレーキ ............................................................... P. 41
クラッチ ............................................................... P. 46
ドライブチェーン ................................................ P. 47
エアクリーナー.................................................... P. 48
ブリーザードレン ................................................ P. 49
スロットル............................................................ P. 50

メンテナンスの基礎知識

c
w
メンテナンスの基礎知識
お車をご使用の方の安全と車を快適にご使用いた だくために、日常のお車の使用状況に応じて、お 客様の判断で適時行っていただく日常点検と、1 年ごと(12 か月ごと)、2年ごと(24か月ごと)の 定期点検整備を設けてあります。安全快適にお乗 りいただくために、必ず実施してください。
メンテナンスの重要性
誤った点検整備や、不適当な整備、未修理 は、転倒事故などを起こす原因となり、死亡 または重大な傷害に至る可能性があります。
• 点検整備は、取扱説明書・メンテナンス ノートに記載された点検方法・要領を守 り、必ず実施してください。
• 異状箇所は乗車前に修理してください。
安全なメンテナンスのために
メンテナンスにあたっては、次のことに注意して ください。
エンジンを停止し、キーを抜いた状態で行う
平坦地で足場のしっかりとした場所で行う
エンジン、マフラー、ブレーキなど高温になる
部分はヤケドのおそれがあるので、冷えるまで 触れない
エンジンを始動して作業をする場合は、換気を 十分に行う
日常点検
安全快適にご使用いただくために法令に準じ、日 常のお車の使用状況に応じて、お客様の判断で適 時行う点検です。 点検時期の目安としては、長距離走行や洗車時、 給油時などに実施し、その結果をメンテナンスレ コードに記入してください。 異音や異状を感じたときは、ただちに Honda販売 店にご相談ください。
25
メンテナンスの基礎知識
c
日常点検項目
この車には下記の日常点検項目が適用されます。
ブレーキ
• レバーの遊び(機械式)
• ペダルの遊び(機械式)
• ブレーキの効き具合
タイヤ
• 空気圧
• 亀裂、損傷
• 異状な摩耗
• 溝の深さ
エンジン
• エンジンオイルの量
• かかり具合、異音
• 低速、加速の状態
灯火装置および方向指示器
運行において異状が認められた箇所
ドライブチェーンの緩み(Honda 指定)
26
定期点検
安全快適にお車をご使用いただくために、定期点 検を必ず実施してください。
また、これらの他にも使い始めてから1か月目(ま たは、1,000km 時)に行う点検、Hondaが指定 する点検整備項目もあります。
道路運送車両法に準じて設けられた点検
道路運送車両法に準じて設けられた点検には、以 下の種類があります。
日常点検
1 年ごと(12 か月ごと)に行う点検
2年ごと(24 か月ごと)に行う点検
c
w
カラーラベル
安全のため、ご自分の知識と技量に合わせた範囲 内で行ってください。難しいと思われる内容につ いては、Honda販売店にご相談ください。 点検結果は、メンテナンスノートの定期点検整備記 録簿に記入し、大切に保存、携行してください。
新車から 1 か月目(または、1,000km 時)は、特 に初期の点検整備が車の寿命に影響することを重 視し、点検を無料でお取り扱いいたします。お買 いあげの Honda販売店で行ってください。他の販 売店にてお受けになると有料となる場合がありま す。また、オイル代、消耗部品代および交換工賃 等は実費をいただきます。詳細については、メン テナンスノートをご覧ください。
整備の際は、Honda純正部品を使用してください。 色物部品をご注文のときは、カラーラベルに記載 されているモデル名、カラーおよびコードをお知 らせください。カラーラベルは、シートを開ける と確認できます。2 P. 36
ご自身で点検を実施する場合
1か月目点検について
交換部品について
メンテナンスの基礎知識
Honda 純正部品以外の部品の使用や、不正 な改造は思わぬ事故の原因となり、重傷を 負ったり、死亡したりすることがあります。
Honda純正部品を使用してください。
27
メンテナンスの基礎知識
c
アドバイス
w
バッテリー
この車は、メンテナンスフリータイプのバッテ リーを使用しており、バッテリー液の点検、補給 は必要ありません。バッテリーのターミナル部に 汚れや腐食がある場合のみ清掃してください。 また、密閉式の液口キャップは絶対に取り外さな いでください。バッテリー充電時も液口キャップ を取り外す必要はありません。
バッテリーには寿命があります。交換時期について は、Honda販売店にご相談ください。交換する場合 は、必ず同型式のメンテナンスフリーバッテリーを 使用してください。
万一の場合の応急処置
以下のようなときは、応急処置したあと、直ちに 医師の診察を受けてください。
電解液が目に付着したとき
u コップなどに入れた水で、15分以上洗浄して
ください。加圧された水での洗浄は、目を痛 めるおそれがあります。
28
電解液が皮膚に付着したとき
u 電解液のついた服を脱ぎ、皮膚を多量の水で
洗浄してください。
電解液を飲み込んだとき
u 水、または牛乳を飲んでください。
バッテリーには、希硫酸が電解液として含ま れています。希硫酸は腐食性が強く、目や皮 膚に付着すると重いヤケドを負います。
• バッテリーの近くで作業する時は、保護 メガネと保護服を着用
• バッテリーを、子供の手の届く所に置か ない
• ショートによる火花やたばこなどの火気 に十分注意する
メンテナンスの基礎知識
c
アドバイス
ヒューズ切れ
ターミナル部の清掃
1.
バッテリーを取り外す。2 P. 38
2.
ターミナル部が腐食して白い粉が付いている場 合は、ぬるま湯を注いで拭く。
3.
ターミナル部の腐食が著しいときは、ワイヤー ブラシまたはサンドペーパーで磨く。
4.
清掃後、バッテリーを取り付ける。 電装部品やアクセサリーを取り付けるときは純正アク セサリーをご使用ください。それ以外のものを使用す るとバッテリーあがりや故障の原因となります。
ヒューズ
この車の電気回路は、ヒューズで保護されていま す。電装部品が動作しないときは、ヒューズを調 べ、必要に応じて交換してください。2 P. 54
ヒューズの点検・交換
メインスイッチを OFF にして、ヒューズを取り外 して点検します。切れている場合は、指定されて いる容量のヒューズと交換してください。 ヒューズの容量はスペックページをご確認くださ い。2 P. 65
指定容量を超えるヒューズを使用すると、配線の過 熱焼損の原因になるので絶対に使用しないでくださ い。
交換してもすぐにヒューズが切れる場合は、 ヒューズの劣化以外の原因が考えられます。 Honda販売店にご相談ください。
29
メンテナンスの基礎知識
c
上段:オイルコード
下段:性能分類の表示
MA 性能であることを 示しています
エンジンオイル
エンジンオイルは走行距離や走行状況、時間の経 過とともに劣化したり減っていきます。そのた め、定期交換時期に行う交換だけではなく日常点 検によるオイル点検・補給が必要です。汚れたり 古くなったオイルはエンジンに悪影響を与えます ので早めに交換してください。 オイル交換は Honda販売店で行うことを推奨しま す。交換時期はスペックページをご確認くださ い。2 P. 64
エンジンオイルの選びかた
推奨エンジンオイル:
Honda純正 ウルトラ G1
相当品をご使用の場合は、オイル容器の表示を確認 し、下記の全ての規格を満たしているオイルをお選び ください。全ての規格を満たしている場合でも特性が 異なりこの車に適合しない場合があります。
JASOT903 規格
SAE規格
API分類
※3
30
※1
※2
:SG・SH・SJ・SL級相当
:MA
:10W-30
また必要以上に摩擦を低減するオイル添加剤はエ ンジンやクラッチの性能や寿命に悪影響を与える 場合がありますので使用しないでください。
※1:
JASOT903規格は、二輪車用4サイクルエンジ ンオイルの性能を分類する規格です。適合し届け 出されたオイルの容器には、次の表示がありま す。
※2:
SAE規格は、オイルの粘度を定めた規格です。
c
※3:
推奨しません 推奨します
この車には、ろ紙にオイルを含ませたビスカス式 のエアクリーナーエレメントが装備されており交 換が必要です。2 P. 48 エアクリーナーエレメントの交換時期はスペック ページをご確認ください。2 P. 64
エンジンの性能を維持するためには、定期的なブ リーザードレンの清掃が必要です。2 P. 49
API分類は、エンジンオイルのグレードに関する 分類です。APIマークの入っている相当品を使用 する場合、下記のものをご使用ください。
エアクリーナー
ブリーザードレン
メンテナンスの基礎知識
ドライブチェーン
チェーンは、定期的に点検および給油を行ってく ださい。また悪路走行が多い場合や連続高速走 行、急加速を繰り返すような運転を行う場合に は、頻繁に点検を行ってください。
チェーンの異常(回転が滑らかでない、異音、固 着、ローラーやブッシュの損傷)は、Honda 販売 店にご相談ください。
31
メンテナンスの基礎知識
c
ドライブチェーンの給油
緩み(たるみ)の点検後、後輪をゆっくりと回しな がら、推奨オイルをチェーンローラーの両側に給 油してください。手に入らない場合は、#80また は #90ギアオイルを使用してください。
推奨オイル:
Honda純正チェーンオイル
32
オイルがブレーキやタイヤに付着しないようにし てください。チェーンにオイルをつけ過ぎると、 衣服や車に飛び散り汚しますので、オイルをつけ 過ぎないよう注意してください。
c
タイヤの空気圧は徐々に低下します。また、タイ ヤによっては空気圧不足が見た目ではわかりづら いため、少なくとも 1か月ごとにタイヤゲージを 使用して空気圧を点検してください。 タイヤは、走行後は温まり空気圧が高くなることが ありますので、必ず冷えた状態で点検してくださ い。
タイヤ
空気圧の点検
亀裂と損傷の点検
タイヤの全周に、亀裂 や損傷、ひび割れおよ び釘、石、その他の異 物が刺さったり、かみ 込んだりしていないか を点検します。道路の 縁石などにタイヤ側面 を接触させたり、大き な凹みや突起物を乗り 越したときは、必ず点 検してください。
異状な摩耗の点検
タイヤの接地面が異状 に摩耗していないかを 点検します。
メンテナンスの基礎知識
33
メンテナンスの基礎知識
c
ウェアインジケーター 表示マーク
T.W.I.
w
溝の深さの点検
ウェアインジケーター(スリップサイン)により溝 の深さを確認します。サインが現れたときは、た だちに交換してください。
34
過度にすり減ったタイヤの使用や、不適正な 空気圧での運転は、転倒事故などを起こす原 因となり、死亡または重大な傷害に至る可能 性があります。
取扱説明書に記載されたタイヤの空気圧を守 り、規定の数値を超えてすり減ったタイヤは 交換してください。
c
タイヤを交換するときは、必ず指定タイヤを使用
w
してください。指定以外のタイヤは、操縦性や走 行安定性に悪影響を与えることがありますので使 用しないでください。
タイヤの交換は、Honda販売店にご相談くださ い。 指定タイヤ、空気圧はスペックページをご確認く ださい。2 P. 64
メンテナンスの基礎知識
指定以外のタイヤを取り付けると、操縦性や 走行安定性に悪影響を与えることがありま す。また、そのことが原因で転倒事故などを 起こし、死亡または重大な傷害に至る可能性 があります。
タイヤ交換時には、必ず取扱説明書に記載さ れた指定タイヤを取り付けてください。
35
c

主要部品の操作・脱着方法

シート
シート
36
開けかた
シート後部を持ち上げます。
閉じかた
シートをおろします。
c
センターカバー
センターカバー
スクリュー
バッテリーの取り外し、ヒューズ切れの確認、 書類と携帯工具を取り出すときはセンターカ
バーを取り外して行います。
主要部品の操作・脱着方法uセンターカバー
取り外し
スクリューを取り外し、センターカバーを取り 外します。
取り付け
ツメをガイドに合わせてカバーを取り付け、ス クリューを締め付けます。
37
主要部品の操作・脱着方法uバッテリー
c
スクリュー
- 端子
ガイド
バッテリーカバー
ヒューズボックス
カプラー
ツメ
スクリュー
バッテリー
取り外し
1.
センターカバーを取り外す。2 P. 37
2.
携帯工具を取り外す。2 P. 23
3.
- 端子のボルトを外し、- コードを外す。
4.
スクリューを外し、バッテリーカバーを取り 外す。
5.
カプラーを取り外す。
6.
コードをガイドから外す。
7.
ツメを外してヒューズボックスを取り外す。
38
c
+ 端子
バッテリー
ターミナルカバー
主要部品の操作・脱着方法uバッテリー
8.
ターミナルカバーをめくり、+端子のボルト を外し、+ コードを外す。
9.
端子のナットを落とさないようにバッテリー を取り出す。
取り付け
次の点に注意して、取り外しの逆の手順で取り 付けます。
バッテリーコードは、必ず先に + 側から取り
付ける
ターミナル部にゆるみが生じないように、確
実にボルトを締め付ける
カプラー、ヒューズボックスを確実に取り付
ける
コードをガイドに確実に通す
バッテリーの取り扱いについてはメンテナンス の基礎知識をご確認ください。
2 P. 28
39
c

エンジンオイル

オイルレベルゲージ注入口
上限
下限
アドバイス
エンジンオイルの点検
1.
足場のしっかりとした平坦地にメインスタン ドを立てる。
2.
エンジンが冷えている場合は、3 〜 5 分ほ どアイドリングさせる。
3.
メインスイッチを OFF にしてエンジンを止 め、2〜3分間待つ。
4.
オイルレベルゲージを外し、布等でオイルを 拭き取る。
5.
オイルレベルゲージをねじ込まずに差し込 み、オイルが上限と下限の間にあることを確 認して、確実に取り付ける。
40
エンジンオイルの補給
エンジンオイルが不足している、またはオイル レベルが下限に近いときは、推奨エンジンオイ ルを上限まで補給してください。
1.
エンジンオイルの点検後、オイルレベルゲー ジで確認しながら、オイルを注入口より補給 する。
u 上限を超えて補給しないでください。 u ごみが入らないようにしてください。 u オイルをこぼしたときは完全に拭き取っ
てください。
2.
オイルレベルゲージを確実に取り付ける。
オイルは規定量より多くても少なくても、エンジン に悪影響を与えます。また銘柄やグレードの異なる オイルを混用しないでください。
推奨エンジンオイルやオイルの選びかたについ てはメンテナンスの基礎知識をご確認くださ い。
2 P. 30
c

ブレーキ

遊び
遊びが少なくなる
遊びが多くなる
アジャスター
ブレーキレバーの遊びの点検
(前輪)
抵抗を感じるまで、ブレーキレバーを引き、レ バー先端の遊びの量が規定の範囲内にあること をスケールなどで確認します。
ブレーキレバーの遊び:10 〜 20mm
ブレーキレバーの遊びの調整
(前輪)
ブレーキレバーの遊びはハンドルを直進状態に して調整します。
1.
ブレーキアームのアジャスターを半回転ずつ 回し、ブレーキレバーの遊びを調整する。
41
ブレーキuブレーキレバーの遊びの調整(前輪)
c
ピン
アジャスター
ブレーキアーム
押す
ピン
隙間
アジャスター
遊びの調整時は必ず、アジャスターの凹部をピ ンの凸部に一致させてください。
2.
ブレーキアームを押し、アジャスターとピン の間に隙間があることを確認する。
42
調整後は、ブレーキレバーの遊びを確認してく ださい。
ブレーキレバーの調整範囲を超えた場合は、 Honda 販売店にご相談ください。
ブレーキuブレーキペダルの遊びの点検(後輪)
c
遊び
遊びが 少なくなる
遊びが 多くなる
アジャスター
ブレーキペダルの遊びの点検
(後輪)
抵抗を感じるまで、手でブレーキペダルを押 し、ペダル先端の遊びの量が規定の範囲内にあ ることをスケールなどで確認します。
規定の範囲を超えている場合は調整してくださ い。
ブレーキペダルの遊び:
20 〜 30mm
ブレーキペダルの遊びの調整
(後輪)
1.
ブレーキアームのアジャスターを半回転ずつ 回し、ブレーキペダルの遊びを調整する。
43
ブレーキuブレーキペダルの遊びの調整(後輪)
c
ピン
アジャスター
ブレーキアーム
押す
ピン
隙間
アジャスター
遊びの調整時は必ず、アジャスターの凹部をピ ンの凸部に一致させてください。
44
2.
ブレーキアームを押してアジャスターとピン の間に隙間があることを確認する。
調整後は、ブレーキペダルの遊びを確認してく ださい。
ブレーキペダルの調整範囲を超えた場合は、 Honda 販売店にご相談ください。
ブレーキuブレーキシューの摩耗の点検
c
前輪
△マーク ブレーキインジケーター
後輪
ブレーキ インジケーター
△マーク
ブレーキシューの摩耗の点検
前輪はブレーキレバーをいっぱいに引いて、後 輪はブレーキペダルをいっぱいに踏んで、ブ レーキインジケーターの先端とブレーキパネル の△マークが一致しないことを確認します。
一致する場合は、ブレーキシューの使用限界で すので交換してください。ブレーキシューの交 換は、Honda 販売店にご相談ください。
45
c

クラッチ

クラッチの作用の点検
1.
キックスターターペダルをキックしたとき、 滑らず踏みごたえがあるかを点検する。
2.
エンジンを始動し、アイドリング中に 1 速
(ロー)にギアチェンジした時、車が動き出さ
ないか点検する。
3.
スロットルを徐々に開き、エンジンの回転を 上げた時、車がスムーズにスタートするかを 点検する。 異常を感じた場合は Honda販売店にご相談 ください。
46
c
緩み(たるみ)の点検
点検窓
チェーンケースキャップ
ドライブ チェーンの 緩み
チェーンの緩み(たるみ)が適正かどうか、滑ら かに回転するか点検します。緩み(たるみ)が規 定の範囲を超えている場合、回転が滑らかでな い時はHonda販売店にご相談ください。
1.
2.
3.
4.

ドライブチェーン

足場のしっかりとした平坦地にメインスタン ドを立てる。 エンジンを停止して、トランスミッションを ニュートラルに入れる。 チェーンケースキャップを取り外す。 点検窓からチェーンを手で上下に動かし、 チェーンの緩みが規定の範囲内にあることを 確認する。
緩みの規定値:35 〜 45mm
5.
後輪を手でゆっくり回しながらチェーンが滑 らかに回転することを確認する。
u チェーンの回転が滑らかでない場合や、
異音が出る場合は給油を行ってくださ
2 P. 32
い。
u ドライブチェーンの緩みが50mm以上で
は絶対に走行しないでください。
調整などは Honda 販売店にご相談ください。
47
c

エアクリーナー

エアクリーナーカバー
スクリュー
スクリュー
アドバイス
エアクリーナー エレメント
エレメントの取り外し
取り外し
1.
スクリューを外し、エアクリーナーカバーを 取り外す。
2.
エアクリーナーカバーからエアクリーナーエ レメントを取り外して、新品と交換する。
u 取り外し後、ケース内にゴミやほこりな
どがないことを確認し、ある場合は取り 除きます。
取り付け
取り付けは、取り外しの逆の手順で行います。
48
エアクリーナーエレメントの取り付けが不完全だ と、ゴミやほこりを直接吸ってシリンダーの摩耗や 出力低下など、エンジンに悪影響を与えます。確実 に取り付けてください。
c
ブリーザードレンの清掃

ブリーザードレン

(Honda 指定1年点検整備項目 )
エンジンの性能を維持するためには、定期的な ブリーザードレンの清掃が必要です。
1.
2.
3.
ブリーザードレン
清掃のしかた
ブリーザードレンの下に受け皿などを用意す る。 ブリーザードレンを外し、ブリーザードレン 内の堆積物を取り除く。
ブリーザードレンを確実に取り付ける。
49
c

スロットル

遊び
スロットルの点検
メインスイッチを OFF にした状態でスロットル を作動させ、スムーズに動くかどうか、ハンド ルを左右にきっても作動が重くないか、スロッ トルグリップの遊びが適正か点検します。異状 を感じた場合やスロットルケーブル外表部に損 傷があるときは Honda販売店にご相談くださ い。
スロットルグリップの遊び:2〜 6mm
50

こんなときは

エンジンが始動しない......................................... P. 52
警告灯が点灯/点滅.............................................P. 53
PGM-FI警告灯 ......................................P. 53
速度警告灯 ............................................P. 53
電装部品のトラブル.............................................P. 54
ヒューズ切れ .........................................P. 54
d

エンジンが始動しない

スターターモーターは作動するが
エンジンが始動しないとき
次の点を確認してください。
正しい手順でエンジンをかけているか
2 P. 18
燃料タンクにガソリンはあるか
PGM-FI警告灯が点灯していないか
u 点灯している場合は、ただちに Honda 販
売店にご相談ください。
これらに該当しない場合は、次の方法を試して ください。
1.
スロットルグリップを全開にし、スターター スイッチを5秒間押すか、キックスターター ペダルをキックする。
2.
通常手順(2〜4)でエンジンをかける。2 P. 18
3.
エンジンがかかり、エンジン回転が安定しな い場合はスロットルグリップを少し (4mm 程度)開ける。 エンジンがかからないときは 10秒間待って から、1. と 2.の手順を繰り返す。
52
スターターモーターが作動せず始
動できないとき
次の点を確認してください。
ヒューズが切れていないか 2 P. 54
バッテリーターミナル部に緩みや腐食がない
2 P. 29
u バッテリーあがりで、スターターモー
ターが回らないときは、キックスター
ターによる始動を試みましょう。 これらに該当しない場合や異常がある場合は、 Honda販売店にご相談ください。
d

警告灯が点灯/点滅

PGM-FI警告灯
走行中に点灯した場合は何らかの異常が考えら れます。高速走行を避け、ただちにHonda販 売店にご相談ください。
速度警告灯
車の速度が法定最高速度(30km/h)を超えると 点滅し、運転者に注意をうながします。
53
d

電装部品のトラブル

ヒューズ
スペアヒューズ
ヒューズ ボックス カバー
バッテリーカバー
アドバイス
ヒューズ切れ
1.
センターカバーを取り外す。2 P. 37
2.
ヒューズボックスカバーを開け、ヒューズが 切れていないか点検する。切れている場合は バッテリーカバーを取り外す。2 P. 38
3.
同じ容量のスペアヒューズと交換する。
4.
ヒューズボックスカバーを閉じ、バッテリー カバーを取り付ける。
5.
センターカバーを取り付ける。
ヒューズの取り扱いについてはメンテナンスの 基礎知識をご確認ください。
2 P. 29
54
ヒューズが切れた際は、早めにHonda 販売店で点検 し、スペアヒューズを補充してください。

インフォメーション

キーの取り扱い ....................................................P. 56
装備に関する補足情報......................................... P. 56
車のお手入れ ........................................................P. 57
保管のしかた ........................................................P. 59
廃棄するとき ........................................................P. 59
フレームおよびエンジンナンバー .....................P. 61
触媒装置について ................................................P. 62

キーの取り扱い

e
キーの取り扱い
メインスイッチのキー
メインスイッチのキーについているキーナンバー プレートには、シリアルナンバーがあります。 このシリアルナンバーは、メインスイッチのキー を注文するときに必要になります。メインスイッ チのキーを注文する際は、Honda販売店にご相談 ください。盗難防止のため、シリアルナンバーは 他人に知られないように保管してください。
キーに金属製のキーホルダーを使用するとメイン スイッチ周辺に傷がつくおそれがあります。
56

装備に関する補足情報

メインスイッチ
エンジンをかけずにONの状態にしておくとバッテ リーあがりの原因となります。 走行中はメインスイッチのキーを操作しないでくだ さい。
オドメーター
オドメーターは、99,999.9km を超えると 00,000.0km に戻ります。
書類入れ
取扱説明書、登録書類、保険証、メンテナンスノー トなどは書類入れに入れ、書類入れホルダーに収納 してください。
e

車のお手入れ

お車を長持ちさせるため、清掃などのお手入れは 大切です。普段見逃しがちな異状の発見にもつな がります。また、海水や路面凍結防止剤などに含 まれる塩分は、車体のサビを促進します。海岸付 近や凍結防止剤を散布した路面を走行したあと は、必ず洗車してください。
洗車
エンジン、マフラー、ブレーキなど高温になる部 分は冷えるまで洗車しないでください。
1.
全体を水洗いして、汚れを取り除く。
2.
汚れがひどいときは、薄めた中性洗剤を使用 し、スポンジか柔らかいタオルを使って洗う。
u 傷を防ぐため、多量の水を使って、汚れを落
としてください。
3.
十分な水で洗剤を洗い流しやわらかい布で拭き あげる。
4.
車体を乾燥させた後、ドライブチェーンと可動 部分に注油する。
5.
車体の腐食を防ぐためワックスがけを行う。
車のお手入れ
洗車にあたっての注意
洗車するときは、次のことをお守りください。
高圧洗車機の使用は避ける
u 車体に高い水圧がかかる洗車を行うと、可動
部や電装部品などの作動不良や故障の原因と なることがあります。
u ヘッドライトレンズや、その他のプラスチッ
ク部品を洗うときは、傷を防ぐため、多量の 水を使って、汚れを落としてください。
マフラーに水を入れない
u 始動不良やサビの発生などの原因になりま
す。
センターカバーの上方から水を強くかけない
u 内部に水が入り、書類などが濡れることがあ
ります。
エアクリーナー周辺に水を強くかけない
u エアクリーナー内部に水が入ると、始動不良
などの原因になります。
ブレーキを濡れたままにしない
u 水によってブレーキの効き具合が悪くなるこ
とがあります。洗車後は十分に乾かし、慎重 なブレーキ操作を心がけてください。
57
車のお手入れ
e
ワックス、ケミカル類や油脂類を扱うとき
u ブレーキやタイヤにオイル等の油脂類、ワッ
クスやケミカル類が付着しないよう注意して ください。ブレーキが効かなくなり、事故の 原因になる場合があります。
u ワックスやケミカル類を使用するときは、ボ
ディーの目立たないところでくもりや傷、色 むらなどが生じないか確認してください。種 類によっては塗膜が薄くなったり色むらが生 じるものがあります。
u つや消し塗装が使われている場合は、塗装面
にワックスやケミカル類を使用すると、つや 消し感が無くなったり、色むらが生じるおそ れがありますので、使用しないでください。
ヘッドライトがくもったとき
u ヘッドライトを点灯すると、くもりは徐々に
58
消えていきます。ヘッドライトの点灯は、エ ンジンをかけながら行ってください。
エキゾーストパイプ、マフラー
エキゾーストパイプ、マフラーが塗装されている 場合は、ステンレス用台所洗剤や市販のコンパウ ンドを使用しないでください。塗装面の清掃には 中性洗剤を使用してください。もし、塗装処理さ れているかわからない場合は、Honda 販売店にご 相談ください。

保管のしかた

e
保管のしかた
屋外に保管する場合はボディーカバーをかけてく ださい。なお、ボディーカバーはエンジンやマフ ラーが冷えてからかけてください。 また、長期間ご使用にならない場合は、次のこと をお守りください。
サビを防ぐために、保管前にワックスがけを行 う ( つや消し塗装面を除く )
雨上がりにはボディーカバーを外し、車体を乾 燥させる
バッテリーは自己放電と電気漏れを少なくする ため、車から取り外し、完全充電して風通しの よい暗い場所に保存する
u もしバッテリーを車に積んだままにする場合
は、- 側ターミナルを外してください。 長期保管後にお車に乗る際は、保管期間を考慮し た上で、各部の点検を実施してください。

廃棄するとき

地球環境を守るため、お車や交換した部品、なか でも使用済みのバッテリーやタイヤ、エンジンオ イルの廃油等はむやみに捨てないでください。こ れらのものを廃棄する場合は、Honda販売店にご 相談ください。 また、将来お車の廃棄を希望するときはお近くの 廃棄二輪車取扱店へご相談ください。
廃棄二輪車取扱店とは
(社)全国軽自動車協会連合会の登録販売店で広域
廃棄物処理指定店として登録されている廃棄二輪 車を適正処理するための窓口です。 店頭に「廃棄二輪車取扱店の証」が掲示されていま す。
59
廃棄するとき
e
二輪車
リサイクルマーク
二輪車リサイクルマーク、リサイクル料金
この車には、二輪車リサイクルマークが車体に貼 付されています。マークが車体に貼付されている 二輪車は、再資源化するためのリサイクル費用が メーカー希望小売価格に含まれていますので、二 輪車を廃棄する際は、再資源化に必要なリサイク ル料金はいただきません。 ただし、廃棄二輪車取扱店および指定引取場所ま での収集・運搬料金はお客様のご負担となりま す。収集・運搬料金については廃棄二輪車取扱店 にご相談ください。 二輪車リサイクルマークは、シートを開けると確 認できます。2 P. 36
60
お車を廃棄する際、二輪車リサイクルマークが必 要です。マークは剥がさないでください。マーク の再発行や販売の取り扱いはありません。リサイ クルマーク対象車かどうか不明の場合は、(財)自 動車リサイクル促進センターおよび二輪車リサイ クルコールセンターにご確認ください。廃棄二輪 車のお取り扱いに関しては、廃棄二輪車取扱店ま たは二輪車リサイクルコールセンターまでお問い 合わせください。
(財)自動車リサイクル促進センター
http://www.jarc.or.jp/
二輪車リサイクルコールセンター
電話番号:03-3598-8075 受付時間:9:30〜17:00(土日祝日、年末年始等を除く)
e

フレームおよびエンジンナンバー

フレームナンバー打刻位置
エンジンナンバー打刻位置
フレームおよびエンジンナンバーは、部品を注文 するときや、車の登録に関する手続きに必要で す。また、フレームナンバーは、お車が盗難に あった場合に、車を捜す手がかりにもなります。 ナンバープレートの登録番号とともに別紙に記録 し、車と別に保管することを推奨します。 フレームナンバーはセンターカバーを取り外すと 確認できます。2 P. 37
フレームおよびエンジンナンバー
61

触媒装置について

e
触媒装置について
この車は平成 18年排出ガス規制適合車です。 この車には触媒装置が搭載され、排出ガスに含ま れる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化 物(NOx)の 3つの有害物質の排出量を低減しま す。 他のマフラーをこの車に取り付けると、排出ガス 規制に適合しなくなる可能性があります。触媒装 置は高温になるので、枯れ草や紙など燃えやすい ものがあるところには駐停車しないでください。
走行上の注意
次のような取り扱いはしないでください。触媒温 度が異常に高くなり、損傷するおそれがありま す。
走行中にメインスイッチを操作すること
空ぶかし直後にエンジンを止めること
62
触媒装置の損傷を防ぐために
触媒装置が損傷すると、排出ガス濃度を劣化させ るだけではなく、車本来の性能を発揮できなくな ります。損傷を防ぐために、次のことをお守りく ださい。
燃料は、必ず無鉛ガソリンを使用する
定められた点検整備を実施する
エンジン不調を感じたときは、ただちに Honda
販売店で点検を受ける
f

スペック

主要諸元
型式 JBH-AA04 全長 1,900mm 全幅 720mm 全高 1,050mm ホイールベース 1,225mm 最低地上高 130mm キャスター角 26°30 トレール長 57mm 車両重量 106kg 乗車定員 1名 最小回転半径 1.9m 排気量 49cm ボア × ストローク 37.8×44.0mm 圧縮比 10.0 燃料 無鉛レギュラーガソリン 燃料タンク 4.3ℓ
3
????
バッテリー容量
変速比
減速比
YTX4L-BS 12V-3Ah(10HR) 1速 3.181 2 速 1.705 3速 1.190 4 速 0.916 機関から変速機 4.058 第1次 3.307
63
スペック
f
サービスデータ
ブレーキレバー の遊び ブレーキペダル の遊び
タイヤサイズ
タイヤタイプ バイアス、チューブ
指定タイヤ
タイヤ空気圧
点火プラグ 標準
プラグギャップ 0.8〜0.9mm アイドル回転数 1,700±100rpm
前輪 70/100-14M/C37P 後輪 80/100-14M/C49P
前輪 CHENGSHINC-916 後輪 CHENGSHINCM-610 前輪 200kPa(2.00kgf/cm2) 後輪 225kPa(2.25kgf/cm2)
10-20mm
20-30mm
CPR6EA-9S(NGK)または U20EPR9S(DENSO)
64
推奨 エンジンオイル
エンジンオイル 容量
エンジンオイル 交換時期
ドライブチェーンの 緩み(たるみ) 推奨ドライブ チェーンオイル エアクリーナー 交換時期
Honda純正 ウルトラ G1 JASOT903規格:MA SAE規格:10W-30 API分類:SL級 オイル交換時 0.8 ℓ 全容量 1.0 ℓ 初回:1,000kmまたは 1ヶ月 以後:3,000kmまたは 1年ごと
35-45mm
Honda 純正チェーンオイル
交換:10,000kmごと
f
スペック
バルブ(電球)
ヘッドライト 12V-35/35W 位置標示灯 12V-5W ブレーキ・テールランプ 12V-21/5W フロントウィンカー 12V-10WX2 リアウィンカー 12V-10WX2 ライセンスプレートランプ 12V-5W
ヒューズ
メインヒューズ 15A その他のヒューズ 10A
65
索引
g
??
P
PGM-FI警告灯 ............................................. 14, 53
アクセサリー ......................................................... 9
安全運転のために .................................................. 3
安全上守っていただきたいこと ............................ 3
安全なライディング .............................................. 2
インフォメーション ............................................ 55
運転するときの注意 .............................................. 5
エアクリーナー.............................................. 31, 48
エンジン
エンジンオイル.......................................... 30, 40
エンジンオイルレベルゲージ .......................... 40
エンジンナンバー ............................................ 61
エンジンブレーキ .............................................. 5
エンジンがかからないとき............................ 19, 52
66
お手入れ ...............................................................57
オドメーター ..................................................14, 56
改造.........................................................................9
各部の名称............................................................12
ガソリン ...........................................................8, 21
カラーラベル ........................................................27
ギアチェンジ ........................................................20
基本操作の流れ.....................................................10
クラッチ ...............................................................46
警告灯
PGM-FI警告灯...........................................14, 53
速度警告灯..................................................14, 53
携帯工具 ...............................................................23
g
交換部品............................................................... 27
こんなときは........................................................ 51
シート .................................................................. 36
触媒装置............................................................... 62
書類入れ......................................................... 23, 56
書類入れホルダー .......................................... 23, 56
積載について ......................................................... 9
洗車...................................................................... 57
センターカバー.................................................... 37
速度警告灯 ..................................................... 14, 53
速度範囲表示 ....................................................... 14
その他装備 ........................................................... 22
スイッチ
ウィンカー(方向指示器)スイッチ................ 15
スタータースイッチ......................................... 15
ヘッドライト(前照灯)上下切換スイッチ..... 15
ホーンスイッチ ................................................ 15
スピードメーター(速度計)................................ 14
スペック............................................................... 63
スロットル ........................................................... 50
タイヤ .................................................................. 33
駐車........................................................................ 6
点検
定期点検........................................................... 26
日常点検........................................................... 25
電装部品のトラブル............................................. 54
67
g
慣らし運転............................................................. 5
燃料
使用燃料........................................................... 21
燃料計 .............................................................. 14
燃料残量........................................................... 14
燃料タンク容量................................................ 21
燃料補給........................................................... 21
パーキングレバー ................................................ 17
廃棄...................................................................... 59
バッテリー..................................................... 28, 38
ハンドルロック.................................................... 16
ヒューズ ........................................................ 29, 54
表示灯
ハイビームパイロットランプ .......................... 14
方向指示器表示灯 ............................................ 14
68
服装.........................................................................3
ブリーザードレン.................................................49
ブレーキ
使いかた..............................................................5
ブレーキシュー.................................................45
ブレーキレバーの遊び......................................41
ブレーキペダルの遊び..........................................43
フレームナンバー.................................................61
ヘルメットホルダー .............................................22
方向指示器表示灯.................................................14
保管.......................................................................59
g
メインスイッチ .............................................. 15, 56
メーター............................................................... 14
メンテナンス........................................................ 24
リサイクルマーク ................................................ 60
69
CY XXXX.2013.XX.C
2012 本田技研工業株式会社
(車両製造国:中国)
PRINTED IN CHINA
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