Ducati Sport 1000 User Manual [ja]

オーナーズマニュアル
SPORT 1000
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1
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2
この度は当社の製品をお選びくださりありがとうございま す。お客様を喜んでドゥカティストの一員としてお迎えい たします。 この新しい Ducati モーターサイクルが日常使用 のみならずロングツーリングにおいても、その走行が常に 快適で楽しいものでありますよう、 Ducati モーターホール ディング社は願っております。 お客様に常により良いサービスをお届けするために、 Ducati モーターホールディング社は、 このマニュアルに記 載された正しい使用方法、特に慣らしの項目に関して遵守 していただくようお客様にお願い申し上げます。 そうする ことで、お客様の Ducati モーターサイクルは常にお客様 の要求に応えてくれるでしょう。 あらゆる修理作業や適切なアドバイスが必要な場合は、 Ducati 正規ディーラーの整備工場にお任せください。 他のどこよりも Ducati を熟知したエキスパート達がいつ も万全の体制でお客様のご要望にお答えいたします。
楽しいライディングを!
メモ
Ducati モーターホールディング社は、 本マニュアル の作成においての誤記および脱字について一切の責任を負 うものではありません。 本マニュアルに記載されている情 報はすべて、発行の日付をもって最新のものとします。 Ducati モーターホールディング社は、 製品を改良、発展さ せていくために必要とされる、あらゆる変更を行う権利を 保有します。
安全性、保証、信頼性、そして Ducati モーターサイクル の価値のために、Ducati 純正部品のみをご使用ください。
警告
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目次
イントロダクション 6
保証 6 シンボルマーク 6 安全運転上の注意 7 最大積載量 8 製造番号 9
操作系 10
操作類の位置 ( モノポスト ) 10 操作類の位置 ( ビポスト ) メーターパネル 液晶パネルユニットの機能 14
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イモビライザーシステム 17
17
キー コードカード 18 スロットルグリップを使用したイモビライザ ーによるエンジン作動禁止の解除手順 19
12
4
11
キーの複製 20 イグニッションスイッチ / ステアリングロック ハンドルバー左側スイッチ クラッチレバー ハンドルバー右側スイッチ スロットルグリップ フロントブレーキレバー リアブレーキペダル ギアシフトペダル ギアシフトおよびリアブレーキペダルの調整 28
23
27
25
26
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25
主要構成部品 / 装備 30
配置図 ( モノポスト ) 30 配置図 ( ビポスト ) 燃料タンクキャップ シートロックおよびヘルメットホルダー 33 サイドスタンド リアショックアジャスター ( モノポスト ) リアショックアジャスター ( ビポスト )
35
31 32
37
36
運転のしかた 38
慣らしの方法 38 始動前のチェック 39 エンジンの始動 40 モーターサイクルの発進 42 ブレーキング 42 モーターサイクルの停止 43
21
パーキング 43 燃料補給 44 工具セット
45
主な整備作業とメンテナンス 46
ブレーキ / クラッチ液量のチェック 46 ブレーキパッドの摩耗チェック ケーブル / ジョイント部への注油 49 スロットルケーブルの調整 50 バッテリーの充電 チェーンテンション 53 チェーンの注油 55 ライトバルブの交換 56 フロント方向指示器 リア方向指示器 ナンバープレートライト ストップライト 61 ヘッドライトの光軸調整 タイヤ 63 エンジンオイル量のチェック スパークプラグの清掃と交換 モーターサイクルの手入れ 67 長期間の保管 68 いくつかの国のオーナーにとって重要な事項 68
59
51
58
48
60
62
65 66
メンテナンス 69
メンテナンスプログラム: 公認の整備工場で行うメンテナンス 69
メンテナンスプログラム: お客様が行えるメンテナンス 72
テクニカルデータ 73
全体寸法 ( モノポスト ) (mm) 73 重量 ( モノポスト ) 73 全体寸法 ( ビポスト ) 重量 ( ビポスト ) 74 燃料補給 75 エンジン 76 タイミングシステム 76 性能データ 77 ブレーキ 77 トランスミッション 78 フレーム 79 ホイール 79 タイヤ 79 点火プラグ 79 燃料供給 80 サスペンション 80 エキゾーストシステム 80 カラーバリエーション 80 電装 81
(mm) 74
定期点検メモ 86
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5
イントロダクション
保証
お客様ご自身、および製品の信頼性を保証するために、特 に専門的技術が要求される整備作業は、Ducati 正規ディー ラーあるいは公認の整備工場にお任せいただくよう強くお 薦めします。 Ducati 正規ディーラースタッフは高度に熟練しており、最 適な器具を使用して作業を行う能力を保持し、また、 Ducati 純正部品だけを使用して、「ロングライフ」「円滑な 作動」「完璧な互換性」について最良な保証をいたします。
全ての Ducati モーターサイクルには保証書が添付されて
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います。 しかし、車両を競技やそれに類することに使用し た場合には保証の対象外となります。 また保証期間中に、 たとえ車両の一部でも Ducati 純正部品でないものと交換 したり、また改造・変更した場合は、Ducati モーター社の 保証は適用されません。
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シンボルマーク
Ducati モーターホールディング社は、 お客様がモーターサ イクルをより良く理解できるよう、本マニュアルを注意深 く読まれることをお薦めします。 お客様のモーターサイク ルについて、お問い合わせのある場合には、ご購入先の正 規ディーラーあるいは公認の整備工場にお尋ねください。 スタッフからの最新の情報は、お客様の走行に役立つで しょう。 また Ducati モーターホールディング社は、本マ ニュアルが、快適で楽しい走行と、お客様のモーターサイ クルの素晴しい性能を長い間変わらずに保てる一助となる ことを望んでいます。 本マニュアルには特別な意味を持つ 注記を盛り込んでいます。
警告
亡に至らしめる危険性があります。
重要
車両ならびに車両構成部品に損傷の可能性がありま
す。
メモ
作業上の追加注意事項です。
文中の「右」、「左」の表記は車両の進行方向に向かっての 位置を示します。
安全運転上の注意
警告
運転する前に読んでください。
多くの事故はしばしば不慣れなために起こります。 走行す る際は常に免許証を携帯していることを確認して下さい。 免許証はお客様のモーターサイクルの運転に適したものが 必要です。 お客様のモーターサイクルを未経験者、および有効免許証 を持っていないライダーに貸してはいけません。 ライダーおよびパッセンジャーは、常に適切なライディン グウエアーを着用し、安全なヘルメットを被らなければな りません。 視界を制限したり、引っかかって操作の妨げになるアクセ サリーや物が付いていない、適切なライディングウエアー を着用してください。 屋内では絶対にエンジンを始動させないでください。 排気 ガスは有毒で、意識喪失や、場合によっては短時間で死亡 に至る危険性ももたらします。 ライダーおよびパッセンジャーは、モーターサイクルが動 いている間は足をフットレストに載せていて下さい。 進路変更や、路面状況の変化に対処できるよう、ライダー は常に両手でしっかりとハンドルバーを保持し、パッセン ジャーは常に両手でしっかりと後部シートの専用ベルトを 保持して下さい。 走行地域の道交法、および法律を遵守して運転してくださ い。 常に指示された速度制限を厳守するとともに、視界や道路 条件、混雑の状況に合わせて、適切な速度を守ってくださ い。
車線変更をする時や曲がる時は、常に適時に方向指示器を 使用して合図してください。 良好な視界を保ち、前方の車両の " 死角 " に入って走行し ないようにしてください。 交差点や、私有地の出口に近い場所、駐車場、高速道路へ の進入路等を走行する場合は充分に注意してください。 給油時は常にエンジンを停止し、給油の際、エンジンやエ キゾーストパイプにガソリンをこぼさないよう特に注意し てください。 給油時は絶対に喫煙しないでください。 給油の際に、人体に有毒な気化した燃料を吸い込む可能性 があります。 もしも燃料が皮膚や衣服に付着した場合は、 直ちに石鹸と水で洗浄し衣服を取り替えてください。 モーターサイクルから離れる場合は、常にキーを抜いてく ださい。 エンジン、エキゾーストパイプ、マフラーはエンジン停止 後も長時間熱くなっています。
警告
モーターサイクルは人や物がぶつからないような場所にサ イドスタンドを使用して駐車してください。 平坦でない場所や柔らかい土壌には駐車しないでください。 モーターサイクルが転倒する恐れがあります。
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最大積載量
お客様のモーターサイクルは、許容最大重量の荷物を積載 しても、長距離を安全かつ快適に走行できるよう設計され たものです。 モーターサイクル上にバランス良く重量を配分することは 通常の安全走行に必要な注意で、特に凸凹道を走行したり、 急な進路変更を必要とする時のトラブルを避けるため重要 です。
積載量について 走行時の全車体重量はライダー、パッセンジャー、荷物、 オプションパーツの重量を含んだ合計で、次の値を超えて はなりません。 320 Kg ( モノポスト ); 390 Kg ( ビポスト )。
積み荷はモーターサイクルの中心に近く、できる限り低い 位置に配置するよう努めてください。 積み荷はモーターサイクルにしっかりと固定して下さい。 積み荷が完全に固定されていないとモーターサイクル転倒 の原因になります。 ハンドルバーやフロントマッドガード部に体積や重量のあ
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るものを載せないでください。ステアリングの妨げになり、 モーターサイクルの安定性を損ないます。 フレームのすき間に積み荷物を挟み込まないでください。 可動部分の妨げになる恐れがあります。 タイヤが、63 ページに定められた適正空気圧を保持し、ま た良いコンディションにあることを確かめてください。
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製造番号
すべての Ducati モーターサイクルはフレームナンバー ( 図 1) とエンジンナンバー ( 図 2) の 2 つの製造番号で確 認できます。
フレーム ナンバー
エンジン ナンバー
メモ
これらの番号は、お客様のモーターサイクルの型式を 識別するもので、部品を発注する際に必ずお知らせくださ い。
図1
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図2
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操作系
1
4
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7
警告
この章には、お客様がモーターサイクルを運転する上 で必要な全ての操作類の機能と配置を詳しく説明していま す。 操作類を使用する前に、注意深く読んでください。
操作類の位置 ( モノポスト )( 図 3.1)
1) メーターパネル
2) イグニッションスイッチとキーによるステアリング
ロック
3) ハンドルバー左側スイッチ
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4) クラッチレバー
5) ハンドルバー右側スイッチ
6) スロットルグリップ
7) フロントブレーキレバー
8) ギアシフトペダル
9) リアブレーキペダル
10
3
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図3.1
操作類の位置 ( ビポスト )
1) メーターパネル
2) イグニッションスイッチとキーによるステアリング ロック
3) ハンドルバー左側スイッチ
4) クラッチレバー
5) ハンドルバー右側スイッチ
6) スロットルグリップ
7) フロントブレーキレバー
8) ギアシフトペダル
9) リアブレーキペダル
( 図 3.2)
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4
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6
2
8
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図3.2
11
メーターパネル
1) ハイビームパイロットランプ (青). ライトがハイビームのときに点灯します。
2) 方向指示器パイロットランプ (緑). 方向指示器の作動時に点滅します。
3) 燃料警告灯 (黄色). 燃料タンクの残燃料が約 3.5 リットルになったときに点灯 します。
4) ニュートラルパイロットランプ N (緑). ギアポジションがニュートラルのときに点灯します。
5) エンジンオイルプレッシャーパイロットランプ (赤色).
エンジンオイル圧力が低すぎるときに点灯します。 イグ ニッションスイッチを ON にすると点灯し、エンジンが始 動して数秒後に消灯します。 エンジン温度が非常に高い場合に数秒間点灯することがあ りますが、エンジン回転数の上昇とともに消灯します。
重要
このパイロットランプが点灯したままのときは、モー ターサイクルを使用しないでください。エンジンに損傷を 与える恐れがあります。
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6) パイロットランプ( 橙色 ) 駐車時 ( イモビライザー作動中 ) に点滅します。また、イ モビライザーの診断にも使用されます。
メモ
イモビライザーが起動されると、パイロットランプは 24 時間点滅しその後消灯します。イモビライザーは作動し たままです。
( 図 4.1 および 図 4.2)
12
5 3
1 4
KM/H
TOT AMPM TRIP
2
-1
MIN x
1000
C F
6
C
TOT
F
AMPM TRIP
図4.1
7) EOBD パイロットランプ ( 橙色 ) エンジンがブロックしている時に点灯します。 数秒後に消 灯します(通常 1.8 - 2 秒)。
8) スピードメーター (km/h) 走行速度を表示します。 a) 液晶パネル (1):
- オドメーター (km). 総走行距離を表示します。
- トリップメーター (km) リセット後の走行距離を表示します。
- 燃料トリップメーター 燃料警告灯が点灯したときに、リザーブタンクの残燃料 を走行キロメートルで表示します。
9) タコメーター (rpm)
エンジンの 1 分間の回転数を表示します。 b) 液晶パネル (2):
- 時計
- オイ ル温度
7
8
KM/H
°C
TOT
°F
AMPM TRIP
a
9
-1
MIN x
1000
°C
TOT
°F
AMPM TRIP
b
図4.2
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液晶パネルユニットの機能
キーを OFF から ON に回して始動すると、メーターパネル ではすべてのメーター類の針、ディスプレイ、およびパイ ロットランプがチェックされます ( 図 5 および 図 6)。
液晶パネルユニット (1) の機能 キーが ON の位置でボタン (A、図 6) を押すと、トリップ メーターとオドメーターが交互に表示されます。燃料警告 灯が作動している場合は、リザーブタンクの走行距離のキ ロメートルが表示されます ( 燃料トリップ機能 )。
トリップメーターのリセット TRIP 機能(トリップメーター機能)でボタン (A, 図 6) を 2 秒以上押し続けるとディスプレイ(液晶パネル 1)がリ セットされます。
液晶パネルユニット (2) キーが ON の位置でボタン (B、図 6) を押すと時計とオイ ル温度が表示されます。
時計の調整 ボタン (B、図 6) を 2 秒以上押し続けると、ディスプレイ (2, 図 6) には時刻が表示されます。
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ボタン (A、図 6) を押して AM/PM を調整します。 ボタン (B, 図 6) を押して「時」の調整をします。 ボタン(A)を 数回押して、「時」を設定します。 ボタン (B) を押して
「分」の調整をします。
ボタン (A) を押して分を進めます。 5 秒以上押し続けると 数字が速く送られます。 ボタン (B) を押して時計の調整 モードを終了します。
OFF
KM/H MIN x
CHECK
KM/H MIN x
C
TOT
F
AMPM TRIP
-1
1000
図5
-1
1000
C
TOT
F
AMPM TRIP
14
1
A B
2
図6
オイル温度の表示機能 冷却水温度が 50 °C/122 °F 未満になると、ディスプレ イに "LO" という文字が表示されます。170 °C/338 °F を 超えると、"HI" という文字が表示されます。
燃料残量のパイロットランプ 燃料警告灯のパイロットランプが点灯した場合、ディスプ レイ (2, 図 6) に "FUEL" の文字が表示されます。燃料ト リップ機能が作動している場合はディスプレイ (1, 図 6) には “F” (FUEL) の後にリザーブタンクの走行距離のキロ メートルが表示されます。
点検指示 キーを ON の位置に回すたびに 5 秒間ディスプレイ (1, 図
6) に " MAInt" と表示され、 定期点検の時期に来ていること
を知らせます。 ディスプレイに MAInt” と表示された場合 は、正規ディーラーあるいは公認の整備工場にお尋ねくだ さい。
メーターパネルのバックライト キーを ON の位置に回し、5 秒以内にボタン (B、図 6) を 押すと、ボタンを押すごとにメーターパネルの輝度が変わ ります。
警告
メーターパネルコントロールボタンを操作する場合 は、モーターサイクルを停車してから行ってください。 運 転中には決してメーターパネルコントロールボタンを操作 しないでください。
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ヘッドライトの自動消灯機能 ( ビポスト ) ヘッドライトが自動的に消えるので、バッテリーの消費を 抑えることが出来ます。 次の 2 つの場合、この機能は作動します:
- ひとつは、キーを OFF から ON に回した後、エンジンが 始動されなかった場合。 60 秒経つとヘッドライトは消 え、次にキーを OFF から ON に回した時にのみ、または エンジンを始動した結果として、再び点灯します。
- 次は、モーターサイクルを通常に使用した後、ヘッドラ イトが点灯したまま、エンジンストップ (1, 図 13) の ボタンを使ってエンジンを止めた場合。 この場合、エン ジンを止めてから 60 秒経つとヘッドライトは消え、次 にエンジンを始動した時、あるいはキーを OFF から ON に回した時に再び作動します。
メモ
エンジン始動のときも、システムではヘッドライトが いったん消えるようにします。エンジンがスタートしてか ら再び点灯します。
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イモビライザーシステム
このモーターサイクルは、盗難防止機能の向上のためイモ ビライザーを装備しています。イモビライザーはイグニッ ションスイッチ OFF 時にエンジンの作動を禁止する電子シ ステムです。 出力信号を調整する電子装置が各イグニッションキーの ハンドグリップに内蔵されています。この信号はイグニッ ションを ON に回した時、スイッチに内蔵された特殊アン テナから出力され、毎回変更されます。 この変調信号は
「パスワード」として機能し、「認可」イグニッションキー
がエンジンの始動に使用されていることを CPU に伝達しま す。CPU は信号を認識すると、エンジンを始動させます。
キー (図7)
オーナーに支給されるキーは以下の 1 組です。
- キー A (1 本 ) ( 赤色 ) この「赤いキー」はメンテナンスの道具であり、モーター サイクルのイモビライザーシステムの一部です。 キーにはイモビライザーシステムの「コード」が内蔵され ており、日常には使用しないでください。 メンテナンス作 業を実施するために、Ducati ディーラーは、お客様にこの キーを持参するように尋ねる場合があります。 安全のため に、この赤いキーは交換することはできません。 メンテ ナンス作業にキーが必要な時、キーを提供できない場合は、 エンジンコントロールユニット、メーターパネル、イグ ニッション装置を交換する必要が生じ、これらの交換費用 はかなり高く、またお客様の負担となります。 赤いキーは 安全な場所に保管してください。
- キー B (2 本 ) ( 黒色 )
警告
キー A ( 赤色 ) には、キーをベストな状態に保ち、 他のキーとの接触を防ぐためゴム製のカバーが取り付けら れています。 必要な場合以外は絶対にこのカバーを取り外 さないでください。
キー B は通常使用するイグニッションキーで、以下に使用 します。
- エンジン始動
- 燃料タンクキャップのロック解除
- シートのロック キー A にはキー B と同様の機能があります。また必要な場 合は、黒色キーの削除および再プログラムができます。
B
A
1
図7
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メモ
3 本のキーには識別番号を記載した小型プレート (1)
が付属しています。
警告
キーはそれぞれ別の場所に保管してください。プレー ト (1) およびキー A は安全な場所に保管してください。 モーターサイクル使用時には、2 本のうちのどちらか 1 本 の同じ黒色キーを常に使用することをお薦めします。
コードカード
キーには以下が記載されたコードカード ( 図 8) が付属し ています。 電子コード (A、図 9) は、イグニッションキー を ON にしてもモーターサイクルが始動しないなど、エン ジンの作動のブロック時に使用します。
警告
コードカードは安全な場所に保管してください。 ただ し、スロットルグリップを使用した手順に従いロック解除
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しなければならない場合に必要となるので、モーターサイ クルを運転する際には電子コードが印刷されているコード カードを携帯するようお薦めします。 イモビライザーシステムに不具合がある場合、橙色の EOBD パイロットランプ (7, 図 4.1) が点灯するので、以下の方 法で「エンジン作動禁止」機能を無効にできます。 ただしこの操作は、コードカードの電子コードを知ってい る場合にのみ実施可能です。
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図8
A
図9
スロットルグリップを使用したイモ ビライザーによるエンジン作動禁止 の解除手順
1) キーを ON に回します。スロットルを全開に保持しま す。そのままの状態にします。 8 秒後に EOBD (7, 図 4.1) パイロットランプが消灯し ます。
2) EOBD パイロットランプが消灯したら直ちにスロットル を戻します。
3) EOBD パイロットランプが再び点灯し、点滅します。 こ こで、解除用の電子コードを入力します。このコード は、納車時にディーラーからお客様に渡される CODE CARD に記載されています。
4) EOBD パイロットランプ (7, 図 4.1) の点滅回数が シークレットコードの最初の数字と同じになるまで数 えます。 スロットルグリップを 2 秒間全開のポジションにし、 その後放します。 1 桁目の入力が認識されると、EOBD パイロットランプが 4 秒間点灯します。 この手順を繰 り返して、最後の数字まで入力します。 スロットルグ リップをまったく操作しないと、EOBD パイロットラン プが 20 回点滅した後、点灯状態になります。この場合 は、手順 1 からやり直す必要があります。
5) スロットルグリップを放した時コードが正しく入力さ れていると、EOBD パイロットランプが点滅して解除が 行われたことを示します。 4 秒後にパイロットランプ は通常の状態(消灯)に戻ります。
6) コードが正しく入力されなかった場合は、EOBD パイ ロットランプが点灯したままとなります。この場合は、
キーを OFF の位置に戻し、手順 1 から何度でもやり直 すことができます。
メモ
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作動値 イグニッションキーを ON から OFF に回すたびに、イモビ ライザーがエンジンの作動を禁止します。 エンジンを始動 するため、イグニッションキーを OFF から ON に戻すと以 下のようになります。
1) CPU がコードを認識すると、メーターパネルのパイ ロットランプ (6, 図 4.1) が短時間点滅します。 これ はイモビライザーシステムがキーコードを認識し、 エンジン始動が可能なことを示します。 START ボタン (2, 図 13) を押すと、エンジンが始動します。
2) パイロットランプ (6、図 4.1) または EOBD パイロット ランプ (7、図 4.1) が点灯したままの状態の場合は、 コードが認識されなかったことを示します。 この場合、 イグニッションキーを OFF に戻し、再度 ON にします。 これでもエンジンが始動しない場合は、もう 1 本の黒 色キーで試してみてください。 このキーでも始動しな い場合は、DUCATI サービスネットワークにご相談くだ さい。
3) パイロットランプ (6、図 4.1) が点滅したままの場合 は、イモビライザーシステムの不具合がスロットルグ リップを使用した解除手順などによりリセットされた
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ことを示します。 キーを OFF にしてから ON に戻すと、 イモビライザーパイロットランプは正常作動に戻りま す(手順 1 参照)。
警告
キーは電子部品を内蔵しています。落とす、またはぶ つけると損傷する恐れがあります。 作業中は 1 本のキーのみを使用してください。 複数のキー を使用すると、使用するキーのコードをシステムが認識で きない場合があります。
20
キーの複製
キーを複製したい場合は、お手持ちのすべてのキー、およ びコードカードを DUCATI サービスネットワークにお持ち ください。 DUCATI サービスが合計 8 本まで新しいキーのプログラムお よびオリジナルキーの再プログラムを行います。 この時お客様がモーターサイクルの正当な所有者である証 明を求める場合があります。必ず証明できる書類をお持ち ください。 お持ちにならなかったキーのコードは、キーを紛失した場 合使用できないようにするためメモリから削除されます。
メモ
キーおよびコードカードを新しい所有者にお渡しください。
イグニッションスイッチとステア リングロック
燃料タンクの前に配置され、4 つのポジションが選べます。 A) ON: ライト ON、エンジン作動
B) OFF: ライト OFF、エンジン停止 C) LOCK: ステアリングロック D) P: パーキングライトおよびステアリングロック
メモ
キーを (C)、(D) の位置にするには、押してから回し てください。 (B)、(C)、(D) の位置ではキーを引き抜くこ とができます。
(図10)
A
B
N
O
F
F
O
H
S
U
P
LOCK
P
IGNITION
C
D
図10
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21
ハンドルバー左側スイッチ
( 図 11)
1) ライト切り替えスイッチ = 2 つのポジションがありま す。
ポジション = ロービーム ポジション = ハイビーム
2) スイッチ = 方向指示器には 3 つのポジションがあ ります。
中央 = OFF ポジション = 左折 ポジション = 右折 方向指示器を消すには、中央に戻ってきたレバーを押して 下さい。
3) スイッチ = 警告ホーン
4) スイッチ = ハイビーム点滅
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22
1
3
4
2
2
1
3
4
図11
クラッチレバー
クラッチを操作するレバー(1)にはアジャスター(2)が 付いており、レバーとグリップとの間隔を調整できます。 調整手順は、レバー (1) を完全に前方に放した状態でア ジャスター (2) を 4 つのうちの 1 つの位置に回します。以 下の点に注意してください: 1 の位置ではレバーとグリップの間隔が最大になり、4 では 最小になります。 レバー (1) を引くと、エンジンの回転がトランスミッション およびリアホイールに伝わらなくなります。 クラッチの適 切な操作は、スムーズなライディング、特に発進時に重要 です。
(図12)
3
4
2
1
2
1
警告
クラッチレバーの調整は、モーターサイクルを停止し
た状態で行ってください。
重要
クラッチレバーを正しく操作することで、トランス ミッションのダメージを回避し、モーターサイクルの寿命 を延ばすことができます。
メモ
エンジンは、サイドスタンドを下ろしてトランスミッ ションをニュートラルにしたまま始動できます。ギアを入 れた状態でモーターサイクルを始動する場合は、クラッチ レバーを引いてください。この場合、必ずサイドスタンド を上げてください。
図12
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23
ハンドルバー右側スイッチ
1) ENGINE STOP(エンジン停止)スイッチ = 2 つのポジ ションがあります。
ポジション (RUN) = エンジン作動 ポジション (OFF) = エンジン停止
警告
このスイッチは、エンジンを直ちに停止させることが 必要な緊急時等に使用することを目的としています。 エン ジン停止後は、スイッチを作動ポジション にし、モー ターサイクルの始動ができるようにします。
( 図 13)
1
重要
ライトを点灯させて走行し、スイッチ (1) でエン ジンを切りキーを ON の状態にしたままにするとライトが点 いたままになるのでバッテリーを消費する原因になります。
2) スタータースイッチ = エンジン始動
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2
図13
スロットルグリップ
ハンドルバー右側のスロットルグリップ (1) は、スロット ルバルブを開く操作をします。 スロットルを開けている時 にグリップの握りを緩めると、自動的に元の位置 ( アイド リング状態 ) に戻ります。
( 図 14)
4
3
2
1
1
フロントブレーキレバー (図14)
レバー (2) をグリップの方向へ引くと、フロントブレーキ を作動させることができます。 このレバーは油圧で作動す るため、軽く握るだけで充分です。 この機種にはアジャスター (3) が付いており、レバーとグ リップとの間隔が調整できるようになっています。
警告
これらのレバーの操作を行う前に以下のページの指示
をお読みください。ページ 42.
2
3
図14
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リアブレーキペダル
ペダル (1) を下に踏むことで、リアブレーキが機能しま す。 システムは油圧式で作動します。
(図15)
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1
図15
ギアシフトペダル
ギアシフトペダルには自動的に戻る中央のニュートラル位 置 N とその他 2 方向に作動します。 下方 = 1 に押します。 ニュートラルのポジションから 1 速にチェン ジした時に、メーターパネルのパイロットランプ N が消え ます。 上方 = 2 速ギア、そして引き続き 3 速、4 速、5 速 へシフトアップしていくときはペダルを上げます。 1 回の操作が一速分のチェンジに相当します。
速へのチェンジおよびシフトダウンはペダルを下
(図16)
、6 速
6
5
4
3
2
N
1
図16
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