オーナーズマニュアル
DUCATIMONSTER
MONSTER S2R
MONSTER S2RDARK
1
この度は当社の製品をお選びくださりありがとうござい
ます。お客様を喜んでドゥカティストの一員としてお迎
えいたします。この新しい Ducati モーターサイクルが
日常使用のみならずロングツーリングにおいても、その
走行が常に快適で楽しいものでありますよう、Ducati
モーターホールディング社は願っております。
お客様に常により良いサービスをお届けするために、
Ducati モーターホールディング社は、このマニュアルに
記載された正しい使用方法、特に慣らしの項目に関して
遵守していただくようお客様にお願い申し上げます。そ
れにより、Ducati モーターサイクルは常にお客様の要求
に応えてくれることでしょう。
あらゆる修理作業や適切なアドバイスが必要な場合は、
Ducati 正規ディーラーの整備工場にお任せください。
他のどこよりも Ducati を熟知したエキスパート達がい
つも万全の体制でお客様のご要望にお答えいたします。
楽しいライディングを!
2
メモ
Ducati モーターホールディング社は、本マニュア
ルの作成においての誤記および脱字について一切の責任
を負うものではありません。ここに記載された情報は、
印刷された時点において最新のものです。Ducati モー
ターホールディング社は、製品を改良、発展させていく
ために必要と思われるあらゆる変更を行う権利を保有し
ます。
安全性、保証、信頼性、そして Ducati モーターサイク
ルの価値のために、Ducati 純正部品のみをご使用くださ
い。
警告
本マニュアルは車両の一部を形成するものであり、
車両を譲渡する場合には、常に新しい所有者に譲渡しな
ければなりません。
目次
イントロダクション 5
保証 5
シンボルマーク 5
安全運転の注意 6
最大積載量 7
製造番号 8
操作系 9
操作類の位置 9
メーターパネル 10
LCD - 主要機能 11
イモビライザーシステム 13
キー 13
コードカード 14
スロットルグリップを使用したイモビライザ
ーによるエンジン作動禁止の解除手順 15
キーの複製 16
イグニッションスイッチ / ステアリングロック 17
ハンドルバー左側スイッチ 18
クラッチレバー 19
チョークレバー 20
ハンドルバー右側スイッチ 21
スロットルグリップ 22
フロントブレーキレバー 22
リアブレーキペダル 23
ギアシフトペダル 23
ギアシフトペダルの位置の調整 24
リアブレーキとシフトペダルの位置の調整
位置の調整 25
主要構成部品 / 装備 26
配置図 26
燃料タンクキャップ 27
シートロックおよびヘルメットホルダー 28
サイドスタンド 29
リアショックアジャスター 30
車高の調整 32
運転のしかた 34
慣らしの方法 34
走行前のチェック 35
エンジンの始動 36
モーターサイクルの発進 38
ブレーキング 39
モーターサイクルの停止 40
燃料補給 40
パーキング 41
工具セット 42
3
主な整備作業とメンテナンス 43
フェアリングの取り外し (S2R) 43
燃料タンクの起こし方 44
エアーフィルターの交換 45
ブレーキ / クラッチ液量のチェック 46
ブレーキパッドの摩耗チェック 47
ケーブル / ジョイント部の潤滑 48
スロットルケーブルの調整 49
バッテリーの充電 50
チェーンテンション 51
チェーンの潤滑 52
ライトバルブの交換 53
ヘッドライトの光軸調整 57
タイヤ 58
エンジンオイル量のチェック 60
スパークプラグの清掃と交換 61
モーターサイクルの手入れ 62
長期間の保管 63
外国のオーナーにとって重要な事項 63
テクニカルデータ 64
全体寸法 (mm) 64
重量 64
燃料補給 65
エンジン 66
タイミングシステム 66
性能データ 67
点火プラグ 67
給油 67
ブレーキ 68
4
トランスミッション 69
フレーム 70
ホイール 70
タイヤ 70
サスペンション 70
エキゾーストシステム 71
カラーバリエーション 71
電装 71
定期点検メモ 75
イントロダクション
保証
お客様ご自身、および
製品の信頼性を保証するために、特に専門的技術が要求
される整備作業は、Ducati 正規ディーラーあるいは公認
の整備工場にお任せいただくよう強くお薦めします。
Ducati 正規ディーラースタッフは高度に熟練しており、
最適な器具を使用して作業を行う能力を保持し、また、
Ducati 純正部品だけを使用して、「ロングライフ」「円滑
な作動」「完璧な互換性」について最良な保証をいたしま
す。
全ての Ducati モーターサイクルには保証書が添付され
ています。しかし、車両を競技やそれに類することに使
用した場合には保証の対象外となります。また保証期間
中に、たとえ車両の一部でも Ducati 純正部品でないも
のと交換したり、また改造・変更した場合は、Ducati
モーター社の保証は適用されません。
シンボルマーク
お客様がモーターサイクルをより良く理解できるよう、
本マニュアルを注意深く読まれることをお薦めします。
お客様のモーターサイクルについて、お問い合わせのあ
る場合には、ご購入先の正規ディーラーあるいは公認の
整備工場にお尋ねください。スタッフからの最新の情報
は、お客様の走行に役立つでしょう。また Ducati モー
ターホールディング社は、本マニュアルが、快適で楽し
い走行と、お客様のモーターサイクルの素晴しい性能を
長い間変わらずに保てる一助となることを望んでいます。
本マニュアルには特別な意味を持つ注記を盛り込んでい
ます。
警告
この説明を遵守しなかった場合、重度の負傷および
死亡に至らしめる危険性があります。
重要
モーターサイクルおよびその部品類に
損傷を与える危険性があります。
メモ
作業上の追加注意事項です。
文中の「右」、「左」の表記は車両の進行方向に向かって
の位置を示します。
5
安全運転の注意
警告
運転する前に読んでください。
多くの事故はしばしば運転に不慣れなために起こります。
走行する際は常に免許証を携帯していることを確認してく
ださい。免許証はお客様のモーターサイクルの運転に適し
たものが必要です。
お客様のモーターサイクルを未経験者、および有効免許証
を持っていないライダーに貸してはいけません。
ライダーおよびパッセンジャーは、常に適切なライディン
グウエアーを着用し、保護ヘルメットを着用しなければな
りません。
視界を制限したり、引っかかって操作の妨げになるアクセ
サリーや物が付いていない、適切なライディングウエアー
を着用してください。
屋内では絶対にエンジンを始動したり、作動させないでく
ださい。排気ガスや排煙は有毒で、意識喪失や場合によっ
ては短時間で死亡に至る危険性ももたらします。
ライダーおよびパッセンジャーは、モーターサイクルが動
いている間は足をフットレストに載せていてください。
急な進路変更や、路面状況の変化に対処できるよう、ライ
ダーは常に両手でしっかりとハンドルバーを保持し、パッ
センジャーは常に両手でしっかりとシート下のリアグリッ
プを保持して下さい。
走行地域の道交法、および法律を遵守して運転してくださ
い。
常に指示された速度制限を厳守するとともに、視界や道路
条件、混雑の状況に合わせて、適切な速度を守ってくださ
い。
6
車線変更をする時や曲がろうとする時は、常に適時に方向
指示器を使用して 合図してください。
良好な視界を保ち、前方の車両の " 死角 " に入って走行し
ないようにしてください。
交差点や、私有地や駐車場の出口に近い場所、高速道路へ
の進入路等を走行する場合は充分に注意してください。
給油時は常にエンジンを停止し、給油の際、エンジンやエ
キゾーストパイプにガソリンをこぼさないよう特に注意し
てください。
給油時は絶対に喫煙しないでください。
給油の際に、人体に有毒な気化した燃料を吸い込む可能性
があります。もしも燃料が皮膚や衣服に付着した場合は、
直ちに石鹸と水で洗浄し衣服を取り替えてください。
モーターサイクルから離れる場合は、常にキーを抜いてく
ださい。
エンジン、エキゾーストパイプ、マフラーはエンジン停止
後も長時間熱くなっています。
警告
エキゾーストシステムは、エンジンスイッチを切っ
た後も熱い場合があります。エキゾーストシステムへ接
触しないよう充分注意し、車両を木材、木の葉などの可
燃物のそばに駐車しないようにしてください。
モーターサイクルは人や物がぶつからないような場所に
サイドスタンドを使用して駐車してください。
平面でない場所や柔らかい土壌には駐車しないでくださ
い。モーターサイクルが転倒する恐れがあります。
最大積載量
お客様のモーターサイクルは、許容最大重量の荷物を積
載しても、長距離を安全かつ快適に走行できるよう設計
されたものです。
モーターサイクル上にバランス良く重量を配分すること
は通常の安全走行に必要な注意で、特に凸凹道を走行し
たり、急なハンドル操作を必要とする時のトラブルを避
けるため重要です。
積載量について
走行時の全車体重量はライダー、パッセンジャー、荷物、
オプションパーツの重量を含んだ合計で、390 kg を超え
てはなりません。
積み荷や重いオプションパーツ類はモーターサイクルの
中心に近く、できる限り低い位置に配置するようにして
ください。
積み荷はモーターサイクルにしっかりと固定してくださ
い。積み荷が完全に固定されていないとモーターサイク
ル転倒の原因になります。
ハンドルバーやフロントマッドガード部に体積や重量の
あるものを載せないでください。モーターサイクルの安
定性を損なう恐れがあります。
フレームのすき間に積み荷物を挟み込まないでください。
可動部分の妨げになる恐れがあります。
タイヤが、58 ページに定められた適正空気圧を保持し、
また良いコンディションにあることを確かめてください。
7
製造番号
すべての Ducati モーターサイクルはフレームナンバー
( 図 1) とエンジンナンバー ( 図 2) の 2 つの製造番号
で確認できます。
フレーム ナンバー
エンジン ナンバー
メモ
モーターサイクルのこれらのモデル識別番号は、部
品の請求時に必要となります。
8
図 1
図 2
操作系
4
1
8
警告
この章には、お客様がモーターサイクルを運転する
上で必要な全ての操作類の機能と配置を詳しく説明して
います。操作類を使用する前に、注意深く読んでくださ
い。
操作類の位置 (図 3)
1) メーターパネル
2) イグニッションスイッチとキーによるステアリング
ロック
3) ハンドルバー左側スイッチ
4) クラッチレバー
5) チョークレバー
6) ハンドルバー右側スイッチ
7) スロットルグリップ
8) フロントブレーキレバー
9) ギアシフトペダル
10)リアブレーキペダル
3
7
5
9 10
6
2
図 3
9
メーターパネル(図 4)
1) ハイビームパイロットランプ ( 青 )
ライトがハイビームの時に点灯します。
2) 方向指示器パイロットランプ ( 緑 )
方向指示器の作動時に点灯します。
3) 燃料警告灯 ( 黄色 )
タンクの燃料残量が約 3 リットルになった時に点灯。
4) ニュートラルパイロットランプ N (緑)
ギアポジションがニュートラルの時に点灯。
5) エンジンオイルプレッシャーパイロットランプ
(赤色)
エンジンオイル圧力が低すぎる時に点灯。イグニッション
キーを ON の位置に回した時に点灯し、エンジンが始動
して数秒後に消灯します。
エンジン温度が高い時に、場合によって数秒間点灯する
ことがありますが、回転数が上がると消灯します。
重要
このパイロットランプが点灯したままのときは、
モーターサイクルを使用しないでください。エンジンに
損傷を与える恐れがあります。
6) パイロットランプ 橙色
モーターサイクルの停車時に点灯・点滅します(イモビ
ライザーが作動中)。イモビライザーの診断としても使用
可能です。
メモ
イモビライザーが作動されると、パイロットランプ
は 24 時間点滅しその後消灯します。イモビライザーは作
動したままです。
10
7) EOBD パイロットランプ (橙色 )
エンジンがブロックされている時に点灯します。数秒後
に消灯します(通常 1.8 - 2 秒)。
8) スピードメーター (km/h)
走行速度を表示。
a) 液晶パネル (1):
- オドメーター (km)
総走行距離を表示。
- トリップメーター (km)
リセット後の走行距離を表示。
9) タコメーター(rpm)
エンジンの 1 分間の回転数を表示。
b) 液晶パネル (2):
- 時計
- オイル温度
1
8 9
a
4 2
7 5
6
3
b
図 4
液晶パネルユニット
キーを OFF から ON に回すと、メーターパネルのすべて
の機器 ( 針、ディスプレイ、パイロットランプ ) が点検
されます ( 図 5 および 図 6 を参照 )。
液晶パネルユニット (1)
キーが ON の位置でボタン (A, 図 6) を押すとオドメー
ターとトリップメーターが交互に表示されます。
トリップメーターのリセット
TRIP 機能(トリップメーター機能)でボタン (A, 図 6)
を 2 秒以上押し続けるとディスプレイ(液晶パネル 1)
がリセットされます。
液晶パネルユニット (2)
キーが ON の位置でボタン (B、図 6) を押すと時計とオ
イル温度が表示されます。
時計の調整
ボタン (B、図 6) を 2 秒以上押し続けます。
ボタン (A、図 6) を押して AM/PM を調整します。ボタン
(B) を押して「時」の調整をします。ボタン(A)を数回
押して、「時」を設定します。ボタン (B) を押して「分」
の調整をします。
ボタン (A) を押して分を変更します。5 秒以上押し続け
ると数字が速く送られます。ボタン (B) を押して時計の
調整モードを終了します。
OFF
Km/h
-1
min
x1000
図 5
CHECK
2
1
A
B
図 6
11
オイル温度の表示機能
オイルの温度が 50 ℃ /122°F の場合、ディスプレイに
は "LO" が表示され、 170 ℃ /338°F 以上の場合は "HI"
が表示されます。
燃料残量のパイロットランプ
燃料警告灯のパイロットランプが点灯した場合、ディス
プレイに "FUEL" の文字が表示されます。
点検指示
最初の 1000 Km / 621 マイルの後、その後 10.000 Km /
6210 マイル毎に、キーを ON の位置に回すたびに 5 秒間
ディスプレイに "MAInt" と表示され、定期点検の時期に
来ていることを知らせます。
メーターパネルのバックの照明
キーを ON の位置に回し、5 秒以内にボタン (B、図 6)
を押すと、ボタンを押すごとにメーターパネルの輝度が
変わります。
警告
メーターパネルコントロールボタンを操作する場合
は、モーターサイクルを停車してから行ってください。
モーターサイクルの運転中は、いかなる理由があっても
メーターパネルコントロールボタンの操作は行わないで
ください。
12
イモビライザーシステム
このモーターサイクルは、盗難防止機能の向上のためイ
モビライザーを装備しています。イモビライザーはイグ
ニッションスイッチ OFF 時にエンジンの作動を禁止する
電子システムです。
出力信号を調整する電子装置が各イグニッションキーの
ハンドグリップに内蔵されています。この信号はイグ
ニッションを ON に回した時、スイッチに内蔵された特
殊アンテナから出力され、毎回変更されます。この変調
信号は「パスワード」として機能し、「認可」イグニッ
ションキーがエンジンの始動に使用されていることを
CPU に伝達します。CPU は信号を認識すると、エンジン
を始動させます。
キー (図 7)
オーナーに支給されるキーは以下の 1 組です。
- キー A(1 本)(赤色)
- キー B(2 本)(黒色)
警告
キー A(赤色)には、キーをベストな状態に保ち、
他のキーとの接触を防ぐためゴム製のカバーが取り付け
られています。必要な場合以外は絶対にこのカバーを取
り外さないでください。
キー B は通常使用するイグニッションキーで、以下に使
用します。
- エンジンの始動
- 燃料タンクキャップのロック解除
- シートのロック
キー A にはキー B と同様の機能があります。また必要な
場合は、黒色キーの削除および再プログラムができます。
メモ
3 本のキーには識別番号を記載した小型プレート
(1)が付属しています。
警告
キーはそれぞれ別の場所に保管してください。プ
レート(1)およびキー A は安全な場所に保管してくだ
さい。
モーターサイクル使用時には、2 本のうちのどちらか 1
本の同じ黒色キーを常に使用することをお薦めします。
B
1
図 7
A
13
コードカード
キーには以下が記載されたコードカード ( 図 8) が付属
しています。電子コード (A、図 9) は、イグニッション
キーを ON にしてもモーターサイクルが始動しないな
ど、エンジンの作動のブロック時に使用します。
警告
コードカードは、安全確実な場所に保管してくださ
い。ユーザーはコードカードに掲載された電子コードを
常に携帯し、スロットルグリップを使用した手順に従い
ロック解除しなければならない場合に備えるようお勧め
します。
イモビライザーシステムに不具合がある場合、橙色の
EOBD パイロットランプ (7, 図 4) が点灯するので、以
下の方法で「エンジン作動禁止」機能を無効にできます。
ただしこの操作は、コードカードの電子コードを知って
いる場合にのみ実施可能です。
14
図 8
A
図 9
スロットルグリップを使用したイモビライザーによるエ
ンジン作動禁止の解除手順
1) キーを ON に回します。スロットルを全開に保持しま
す。そのままの状態にします。
8 秒後に EOBD (7, 図 4) パイロットランプが消灯しま
す。
2)EOBD パイロットランプが消灯したら直ちにスロット
ルを戻します。
3)EOBD パイロットランプが点滅します。ここで、解除
用の電子コードを入力します。このコードは、納車時に
ディーラーからお客様に渡される CODE CARD に記載され
ています。
4)EOBD パイロットランプ(7, 図 4)の点滅回数がシー
クレットコードの最初の数字と同じになるまで数えます。
スロットルグリップを 2 秒間全開のポジションにし、そ
の後放します。1 桁目の入力が認識されると、EOBD パイ
ロットランプが 4 秒間点灯します。この手順を繰り返し
て、最後の数字まで入力します。
スロットルグリップをまったく操作しないと、EOBD パイ
ロットランプが 20 回点滅した後、点灯状態になります。
この場合は、手順 1 からやり直す必要があります。
5) スロットルグリップを放した時コードが正しく入力さ
れていると、EOBD パイロットランプが点滅して解除が行
われたことを示します。4 秒後にパイロットランプは通
常の状態(消灯)に戻ります。6) コードが正しく入力さ
れなかった場合は、EOBD パイロットランプが点灯したま
まとなります。この場合は、キーを OFF の位置に戻し、
手順 1 から何度でもやり直すことができます。
メモ
スロットルグリップを設定時間の前に放した場合
は、
パイロットランプが再度点灯します。
この場合、キーを OFF にして手順(1)からやり直しま
す。
15
作動値
イグニッションキーを ON から OFF に回すたびに、イモ
ビライザーがエンジンの作動を禁止します。エンジンを
始動するため、イグニッションキーを再度 ON に戻すと
以下のようになります。
1)CPU がコードを認識すると、メーターパネルのパイ
ロットランプ (6, 図 4) が短時間点滅します。これはイ
モビライザーシステムがキーコードを認識し、エンジン
始動が可能なことを示します。START ボタン (3、図
14.1) を押すと、エンジンが始動します。
2) パイロットランプ (6, 図 4) または EOBD パイロット
ランプ (7, 図 4) が点灯したままの状態の場合は、コー
ドが認識されなかったことを示します。この場合、イグ
ニッションキーを OFF に戻し、再度 ON にします。これ
でもエンジンが始動しない場合は、もう 1 本の黒色キー
で試してください。
このキーでも始動しない場合は、DUCATI サービスネット
ワークにご相談ください。
3) パイロットランプ (6, 図 4) が点滅したままの場合
は、イモビライザーシステムの不具合がスロットルグ
リップを使用した解除手順などによりリセットされたこ
とを示します。キーを OFF にしてから ON に戻すと、イ
モビライザーパイロットランプは正常作動に戻ります
(手順 1 参照)。
警告
キーは電子部品を内蔵しています。落としたりぶつ
けたりすると損傷する恐れがあります。
16
作業中は同じ 1 本のキーのみを使用してください。同一
の 1 本のキーのみを使用しないと、使用するキーのコー
ドをシステムが認識できない場合があります。
キーの複製
キーを複製する場合は、お手持ちのすべてのキー、およ
びコードカードを DUCATI サービスネットワークにお持
ちください。
DUCATI サービスが合計 8 本まで新しいキーのプログラ
ムおよびオリジナルキーの再プログラムを行います。
この時お客様がモーターサイクルの正当な所有者である
証明を求める場合があります。必ず証明できる書類をお
持ちください。
お持ちにならなかったキーのコードは、キーを紛失した
場合使用できないようにするためメモリから削除されま
す。
メモ
モーターサイクルを売却される場合は、必ずすべて
のキーおよびコードカードを新しい所有者にお渡しくだ
さい。
イグニッションスイッチとステアリングロック ( 図 10)
燃料タンクの前に配置され、4 つのポジションがありま
す。
A) ON:ライト ON、エンジン作動
B) OFF:ライト OFF、エンジン停止
C) LOCK:ステアリングロック
D) P:パーキングライトおよびステアリングロック
メモ
キーを(C)、(D)の位置にするには、押してから回
してください。(B)、(C)、(D)の位置ではキーを引き抜
くことができます。
図 10
17
ハンドルバー左側スイッチ(図 11)
1)ライト切り替えスイッチ = 2 つのポジションがあり
ます。
ポジション = ロービーム
ポジション = ハイビーム
2)スイッチ = 方向指示器には 3 つのポジションが
あります。
中央 = OFF
ポジション = 左折
ポジション = 右折
方向指示器を消すには、中央に戻ってきた
レバーを押してください。
3)スイッチ = 警告ホーン
4)スイッチ = ハイビーム点滅
18
図 11
クラッチレバー ( 図 12)
レバー(1)を引くと、エンジンの回転がトランスミッ
ションおよびリアホイールに伝わらなくなります。ク
ラッチの適切な操作は、スムーズなライディング、特に
発進時に重要です。
重要
クラッチレバーを正しく操作することで、トランス
ミッションのダメージを回避し、モーターサイクルの寿
命を延ばすことができます。
メモ
エンジンは、サイドスタンドを下ろしてトランス
ミッションをニュートラルにしたまま始動できます。ギ
アを入れた状態でモーターサイクルを始動する場合は、
クラッチレバーを引いてください。この場合、必ずサイ
ドスタンドを上げてください。
図 12
19
チョークレバー(図 13)
チョークレバーはエンジンを冷間始動する場合に使用し
ます。この装置は始動後のエンジンアイドル回転数を増
加します。
レバーの使用位置 :
A) = チョークレバー未使用 ;
B) = チョークレバー全開使用 ;
このレバーは段階的に開閉することも可能で、エンジン
が完全に暖機するまで回転数が調整できます ( ページ
36 参照 )。
重要
エンジンが暖機している場合にはチョークレバーを
使用しないでください。チョークレバーを開いたまま走
行しないでください。
20
A
B
図 13
ハンドルバー右側スイッチ(図 14.1)
1)エンジン停止スイッチ = 2 つのポジションがありま
す。
ポジション (RUN) = エンジン作動
ポジション (OFF) = エンジン停止
警告
このスイッチは、エンジンを直ちに停止させること
が必要な緊急時等に使用することを目的としています。
エンジン停止後は、スイッチをポジション にし、
モーターサイクルの始動ができるようにします。
重要
ライトを点灯させて走行し、スイッチ (1) でエン
ジンを切りキーを ON の状態にしたままにするとライト
が点いたままになるのでバッテリーが切れる原因になり
ます。
2)スタータースイッチ = エンジン始動
1
2
図 14.1
21
スロットルグリップ(図 14.2)
ハンドルバー右側のスロットルグリップ (1) は、スロッ
トルバルブを開く操作をします。スロットルを開けてい
る時にグリップの握りを緩めると、自動的に元の位置
(アイドリング状態)に戻ります。
フロントブレーキレバー(図 14.2)
レバー (2) をグリップの方向に引くとフロントブレーキ
を作動させることができます。油圧によって作動するの
で、レバーを作動させるには手で軽く操作するだけで充
分です。
警告
これらのレバーの操作を行う前にページ 38 の指示
をお読みください。
22
2
1
図 14.2
リアブレーキペダル(図 15)
ペダル(1)を下に踏むことで、リアブレーキが作動しま
す。
システムは油圧式で作動します。
1
図 15
ギアシフトペダル(図 16)
ギアシフトペダルには自動的に戻る中央のニュートラル
位置 N とその他 2 方向に作動します。
下方 = 1
速へのチェンジおよびシフトダウンはペダルを
下に押します。ニュートラルのポジションから 1 速に
チェンジした時に、メーターパネルのパイロットランプ
N が消えます。
上方 = 2
速ギア、
そして引き続き 3 速、4 速、5 速、6 速
へシフトアップしていくときはペダルを上げます。
1 回の操作が一速分のチェンジに相当します。
6
5
4
3
2
N
1
図 16
23