
東芝インテリジェントパワーデバイス シリコンモノリシックパワーMOS型集積回路
TPD1052F
モータ、ソレノイド、ランプドライブ用
ハイサイドパワースイッチ
TPD1052F は DMOS 出力のハイサイドスイッチで、CMOS、TTL ロジッ
ク回路 (MPU など) から直接ドライブでき保護、診断のインテリジェント機
能を備えたモノリシックパワーIC です。
特 長
z コントロール部 (BiCMOS) とパワーMOS FET(DMOS)を 1 チップ上に
組み込んだ新構造のモノリシックパワーIC です。
z 負荷端を接地できるハイサイドスイッチです。
z マイクロプロセッサから電力負荷を直接ドライブできます。
z 過熱、負荷ショート(過電流)に対する保護機能を内蔵しています
z 負荷ショート(過電流)、過熱時診断出力が外部に取り出せる診断機能を内蔵しています。
z オン抵抗が小さい。 R
z 消費電流が小さい。 IDD = 10μA (最大) @VDD = 12V、VIN = 0V、Tch=25℃
z 外囲器は面実装タイプの PS-8 で、梱包形態はエンボステーピングです。
= 0.8Ω (最大) @VDD = 12V、IO = 0.5A、Tch=25℃
DS(ON)
質量: 0.017g (標準)
TPD1052F
SON8-P-0303-0.65
ピン接続
VDD ①
N.C ②
IN ③
GND
④
(TOP VIEW)
⑧ OUT
⑦ N.C
⑥ DIAG
⑤ MASK
現品表示
1052F
注 1 : 正面から見てマーク下ドット(●)が 1 番端子を
示しています。
製品名(または略号)
ロット No.
※週別ロット表示
3 桁算用数字で構成し、西暦年号の末尾 1 桁、
および残りの 2 桁は製造週とする。
製造週コード (その年の第一週を 01 とし、
以降 52 または 53 まで)
製造年コード (西暦の下 1 桁)
本製品の RoHS 適合性など、詳細につきましては製品個別に
必ず弊社営業窓口までお問合せください。
RoHS 指令とは、「電気電子機器に含まれる特定有害物質の
使用制限(RoHS)に関する 2003 年 1 月 27 日付けの欧州議会
および欧州理事会の指令(EU 指令 2002/95/EC)」のことです。
* この製品は MOS 構造ですので取り扱いの際には静電気にご注意ください。
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ブロック図
TPD1052F
12V
5V 電源
V
DD
IN
ロジック
ドライバ
電流検出
(過電流検出)
OUT
5V
過熱検出
DIAG
GND
診断ロジック
マスク時間
IN
MASK
mask
C
mask
R
端子説明
端子番号 端子記号 端子の説明
① V
②、⑦ N.C
③ IN
④ GND
⑤ MASK
⑥ DIAG
⑧ OUT
電源端子。
DD
未接続端子。
入力端子。
入力はプルダウン抵抗が接続されており、仮に入力の配線がオープンとなっても出力が誤ってオン
することはありません。
接地端子。
この定数で決定されるマスク時間内では過電流保護はクランプ動作となります。
また、コンデンサ、抵抗未接続時にはマスク時間機能は無効となり、過電流保護はデューティー(出力
オン・オフ動作)となります。
自己診断検出端子。
入力“H” レベル(出力オン)時に出力がショート(過電流を検出)、過熱状態になると“L” レベルとなり
ラッチされます。入力信号 VIN を”L”レベルにすることによりラッチ状態はリセットされます。
回路構成は、npn オープンコレクタです。
出力端子。負荷が短絡状態になり、検出電流 (0.8A 最小) を超える電流が出力端子に流れると、
IC 保護のため出力電流は制限されます。
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タイミングチャート
入力電圧 VIN
チャネル温度
出力電圧 V
マスク出力
V
MASK
OUT
出力電流 Io
診断出力 V
DIAG
通常動作
(出力オン)
真理値表
電流制限
(クランプ)
負荷ショート
(マスク時間設定有り)
マスク時間 tmask
I
OC(clamp)
電流制限
(オン/オフ)
過電流検出
(ラッチ)
TPD1052F
負荷ショート
(マスク時間設定無し)
過熱検出
I
OC(duty)
シャットダウン
(ラッチ)
過電流検出
(ラッチ)
過熱検出
(ラッチ)
入力信号 出力 DMOS 状態 診断出力 状態
H オン H
L オフ H
t≦tmask
H
(注)
t>tmask
(注)
L オフ H
H
L オフ H
電流制限
(クランプ)
電流制限
(オン/オフ)
オフ
(ラッチ)
H
L
(ラッチ)
L
(ラッチ)
※注;t は VIN=H 入力からの時間(マスク時間設定時)
通常
過電流
(負荷ショート)
過熱
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TPD1052F
絶対最大定格
ドレイン・ソース電圧 VDS 40 V
電源電圧
入力電圧 VIN −0.3~6 V
診断出力電圧 V
出力電流 IO 内部制限 A
診断出力電流 I
許 容 損 失( 注 2a) P
許 容 損 失( 注 2b) P
動作温度 T
チャネル温度 Tch 150 °C
保存温度 T
(Ta = 25°C)
項目 記号 定格 単位
DC V
パルス V
-0.3~25 V
DD (1)
40 (t ≦ 200ms) V
DD (2)
−0.3~6 V
DIAG
5 mA
DIAG
0.7 W
D(1)
0.35 W
D(2)
−40~125 °C
opr
−55~150 °C
stg
注: 本製品の使用条件 (使用温度/電流/電圧等) が絶対最大定格/動作範囲以内での使用においても、高負荷(高温
および大電流/高電圧印加、多大な温度変化等) で連続して使用される場合は、信頼性が著しく低下するおそ
れがあります。弊社半導体信頼性ハンドブック (取り扱い上のご注意とお願いおよびディレーティングの考
え方と方法) および個別信頼性情報 (信頼性試験レポート、推定故障率等) をご確認の上、適切な信頼性設
計をお願いします。
熱抵抗特性
項 目 記 号 定 格 単位
チャネル・周囲間熱抵抗 R
th (ch–a)
178.6(注 2a)
357.2(注 2b)
°C / W
注 2:
(a)ガラスエポキシ基板 (b)ガラスエポキシ基板
ガラスエポキシ基板
材質:FR-4
25.4mm×25.4mm×0.8mm
ガラスエポキシ基板
材質:FR-4
25.4mm×25.4mm×0.8mm
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TPD1052F
電気的特性
動作電源電圧 V
消費電流 IDD ―
出力リーク電流 IOL ― VIN = V
入力電圧
入力電流
オン抵抗 R
診断出力電圧 “L” レベル VDL ― I
診断出力電流 “H” レベル IDH ― V
過電流検出
過熱検出 TOT ― ― 150 160 200 °C
マスク時間
スイッチングタイム
特に指定のない場合は、
(
項目 記号
DD (opr)
I
IN (1)
I
IN (2)
DS (ON)
I
OC(clamp)
I
OC(duty)
t
(注 3)
mask
t
Tch = −40~125°C、VDD = 5~18V)
測定
回路
― ― 5 12 18 V
V
DD
OUT オープン
VIH ― VDD = 8~18V 2.0 ― ― V
― VDD = 8~18V ― ― 0.8 V
V
IL
― VIN = 5V ― ― 200 μA
― VIN = 0V -0.2 ― 0.2 μA
V
―
― 1.2 1.7 2.3 A
―
―
tON 1 1 10 30 μs
1
OFF
DD
V
IN
DIAG
DIAG
V
DD
C
mask
V
DD
V
DD
T
ch
測定条件 最小 標準 最大 単位
= 12V, VIN = 0V,
=0V ― ― 10 μA
OUT
= 8~18V, IO = 0.5A,
=5V, Tch = 25°C
= 1mA ― ― 0.4 V
= 5V ― ― 10 μA
= 8~18V
=0.033μF, R
=8~18V, Ta=25℃
= 12V, RL = 24Ω,
= 25°C
mask
=1MΩ,
― ― 10 μA
― 0.5 0.8 Ω
0.8 1.3 1.8 A
― 3.8 ― ms
1 20 60 μs
注 3: マスク時間機能について
本製品はコンデンサ負荷への突入電流(充電電流)により、出力がデューティー動作(過電流保護)となり
放電しないようマスク時間機能を設けており、V
はクランプ動作となります。
マスク時間は、概ね下式により表されます。
=H 入力からマスク時間内では、過電流保護動作
IN
⎛
⎜
−××−=
mask
R
mask
R
※ マスク時間を設定する場合には R
※ 過電流保護動作では損失が大きくなりますので、チャネル温度が絶対最大定格 (T
※ マスク時間機能を使用しない場合、MASK 端子はオープンとして下さい。
t
mask
ref
うマスク時間の設定にご注意下さい。
C
: 内部抵抗 110kΩ(typ.)
1ln
⎜
⎝
=1MΩ固定とし、コンデンサ C
mask
R
R
mask
⎞
ref
⎟
[s] (参考式)
⎟
⎠
の変更で設定して下さい。
mask
=150℃)以下となるよ
ch
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TPD1052F
P
- Ta
D
(1)ガラスエポキシ基板(a)実装(注 2a)
(2)ガラスエポキシ基板(b)実装(注 2b)
[℃]
OT
200
190
180
TOT – V
DD
1.0
0.8
(1)
[W]
0.6
D
170
過熱検出温度 T
160
150
0 4 8 12 16 20
電源電圧 VDD[V]
1000
(1)ガラスエポキシ基板(a)実装(注 2a)
(2)ガラスエポキシ基板(b)実装(注 2b)
100
[℃/W]
th
10
過渡熱抵抗 r
1
0.1
0.001 0.01 0.1 1 10 100 1000
rth - tw
パルス幅 tw[s]
0.4
(2)
許容損失 P
0.2
0.0
-40 0 40 80 120 160
周囲温度 Ta [ ℃]
(2)
(1)
単発パルス
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TPD1052F
製品取り扱い上のお願い
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報等、本資料の掲載内容は、技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります。
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本製品をご使用頂く場合は、本製品の誤作動や故障により生命・身体・財産が侵害されることのないよう
に、お客様の責任において、お客様のハードウェア・ソフトウェア・システムに必要な安全設計を行うこ
とをお願いします。なお、設計および使用に際しては、本製品に関する最新の情報(本資料、仕様書、デー
タシート、アプリケーションノート、半導体信頼性ハンドブックなど)および本製品が使用される機器の
取扱説明書、操作説明書などをご確認の上、これに従ってください。また、上記資料などに記載の製品デー
タ、図、表などに示す技術的な内容、プログラム、アルゴリズムその他応用回路例などの情報を使用する
場合は、お客様の製品単独およびシステム全体で十分に評価し、お客様の責任において適用可否を判断し
てください。
• 本製品は、一般的電子機器(コンピュータ、パーソナル機器、事務機器、計測機器、産業用ロボット、家
電機器など)または本資料に個別に記載されている用途に使用されることが意図されています。本製品は、
特別に高い品質・信頼性が要求され、またはその故障や誤作動が生命・身体に危害を及ぼす恐れ、膨大な
財産損害を引き起こす恐れ、もしくは社会に深刻な影響を及ぼす恐れのある機器(以下“特定用途”とい
う)に使用されることは意図されていませんし、保証もされていません。特定用途には原子力関連機器、
航空・宇宙機器、医療機器、車載・輸送機器、列車・船舶機器、交通信号機器、燃焼・爆発制御機器、各
種安全関連機器、昇降機器、電力機器、金融関連機器などが含まれます。本資料に個別に記載されている
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調査の上、かかる法令に適合するようご使用ください。お客様がかかる法令を遵守しないことにより生じ
た損害に関して、当社は一切の責任を負いかねます。
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